(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-532401(P2017-532401A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】コークス工場の操作及び生産高を最適化するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
C10B 31/00 20060101AFI20171006BHJP
【FI】
C10B31/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-511657(P2017-511657)
(86)(22)【出願日】2015年8月28日
(11)【特許番号】特許第6208919号(P6208919)
(45)【特許公報発行日】2017年10月4日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月14日
(86)【国際出願番号】US2015047542
(87)【国際公開番号】WO2016033530
(87)【国際公開日】20160303
(31)【優先権主張番号】62/043,359
(32)【優先日】2014年8月28日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513028038
【氏名又は名称】サンコーク テクノロジー アンド ディベロップメント リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン フランシス クアンチ
(72)【発明者】
【氏名】チュン ワイ チョイ
(72)【発明者】
【氏名】マーク アンソニー バル
(72)【発明者】
【氏名】デクスター ジュニア マウンツ
(72)【発明者】
【氏名】ロイ ジミー グリフィー ザ セカンド
(57)【要約】
本技術は概して、コークス炉のコークス生産速度を増加させる方法を対象とする。いくつかの実施形態において、装炭システムは、炉中に装入される石炭の量を最大化するために垂直に配向された補助扉を有する補助扉システムを含む。補助扉の実施形態に関連する下方延出板は選択的に、補助扉の実効長さを伸長させるために補助扉の下方端部分を越えて自動的に延出される。他の実施形態において、延出板は、角度付けられた正面表面を有する既存の補助扉と連結されて、既存の補助扉に垂直に配向された面を提供し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装炭システムであって、
細長い装入フレームと、
前記細長い装入フレームの遠位端部分と動作可能に連結される装入ヘッドと、
遠位端部分、近位端部分、及び対面する側方部を有する細長い補助扉(false door)フレームと、
前記細長い補助扉フレームの前記遠位端部分と動作可能に連結される概して平面の補助扉であって、前記補助扉が、上縁部分、下縁部分、対面する側方部分、正面、及び後方面を有し、前記補助扉の前記正面が、実質的に垂直である補助扉平面内にある、概して平面の補助扉と、を備える、装炭システム。
【請求項2】
前記補助扉の前記正面と動作可能に連結される下方延出板であって、前記下方延出板が選択的に、後退位置と延出位置との間で前記補助扉に対して垂直に可動性であり、少なくとも1つの延出位置が、前記補助扉の実効高さが増加するように、前記補助扉の下縁部分の下に前記下方延出板の下縁部分を配置する、下方延出板をさらに備える、請求項1に記載の装炭システム。
【請求項3】
前記下方延出板、及び前記後退位置と延出位置との間で前記下方延出板を移動させるように選択的に作動され得る少なくとも1つの電動シリンダーを、動作可能に連結させる、連結腕部組立体をさらに備える、請求項2に記載の装炭システム。
【請求項4】
前記下方延出板及び前記連結腕部組立体と動作可能に連結させる少なくとも1つの延出板ブラケットであって、前記補助扉を貫通する少なくとも1つの溝を通って延在する、少なくとも1つの延出板ブラケットをさらに備える、請求項3に記載の装炭システム。
【請求項5】
前記補助扉が、
垂直から離れた角度で配置される本体平面内にある補助扉本体と、
前記補助扉の前記正面を画定するように成形及び配向される、前記補助扉本体と動作可能に連結される面板と、からなる、請求項1に記載の装炭システム。
【請求項6】
前記補助扉の前記正面と動作可能に連結される下方延出板であって、前記下方延出板が選択的に、後退位置と延出位置との間で前記補助扉に対して垂直に可動性であり、少なくとも1つの延出位置が、前記補助扉の実効高さが増加するように、前記補助扉の下縁部分の下に前記下方延出板の下縁部分を配置する、下方延出板をさらに備える、請求項5に記載の装炭システム。
【請求項7】
細長い装入フレームを、前記装入フレームの遠位端部分と連結される装入ヘッドと共に有する装炭システムと共に使用するための補助扉システムであって、
遠位端部分、近位端部分、及び対面する側方部を有する細長い補助扉フレームと、
前記細長い補助扉フレームの前記遠位端部分と動作可能に連結される概して平面の補助扉であって、上縁部分、下縁部分、対面する側方部分、正面、及び後方面を有する、補助扉と、
前記補助扉の前記正面と動作可能に連結される下方延出板であって、前記下方延出板が選択的に、後退位置と延出位置との間で前記補助扉に対して概して平行な様式で可動性であり、少なくとも1つの延出位置が、前記補助扉の実効高さが増加するように、前記補助扉の下縁部分の下に前記下方延出板の下縁部分を配置する、下方延出板と、を備える、補助扉システム。
【請求項8】
前記下方延出板、及び前記後退位置と延出位置との間で前記下方延出板を移動させるように選択的に作動され得る少なくとも1つの電動シリンダーと動作可能に連結される、連結腕部組立体をさらに備える、請求項7に記載の装炭システム。
【請求項9】
前記下方延出板及び前記連結腕部組立体と動作可能に連結される少なくとも1つの延出板ブラケットであって、前記補助扉を貫通する少なくとも1つの溝を通って延在する、少なくとも1つの延出板ブラケットをさらに備える、請求項8に記載の装炭システム。
【請求項10】
コークス炉内の装入炭を増加させる方法であって、
細長い装入フレーム、及び前記細長い装入フレームの遠位端部分と動作可能に連結される装入ヘッドを有する装炭システムを、コークス炉の押出機側開口内に少なくとも部分的に位置付けることと、
細長い補助扉フレーム、及び前記細長い補助扉フレームの遠位端部分と動作可能に連結される概して平面の補助扉を有する補助扉システムを、前記コークス炉の前記押出機側開口内に少なくとも部分的に位置付けることであって、前記補助扉が、実質的に垂直である補助扉平面内にある正面を有し、位置付けることと、
概して垂直な端部分を有する装入炭を画定する手法で、前記装炭システムを用いて前記コークス炉中に石炭を装入することと、
前記コークス炉の前記押出機側開口を閉鎖する手法で、炉扉を前記コークス炉と動作可能に連結することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記装入炭の前記概して垂直な端部分が、前記炉扉の耐火面に近接して位置付けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記装入炭の前記概して垂直な端部分が、前記炉扉の耐火面から6インチ以下に位置付けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記装入炭の前記概して垂直な端部分が、前記炉扉の耐火面から12インチ以下に位置付けられる、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
石炭面の一部分を少なくとも部分的に圧縮し、前記石炭面の部分が前記コークス炉の前記押出機側開口からこぼれ落ちるのを阻止する手法で、前記補助扉を用いて前記石炭面の前記端部分に往復的に衝撃を与えることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記石炭面の一部分を湿らし、前記石炭面の部分が前記コークス炉の前記押出機側開口からこぼれ落ちるのを阻止する手法で、前記補助扉を用いて前記石炭面に流体を適用することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記石炭面の一部分を少なくとも部分的に圧縮し、前記石炭面の部分が前記コークス炉の前記押出機側開口からこぼれ落ちるのを阻止する手法で、前記補助扉を用いて前記石炭面の前記端部分を振動させることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年8月28日に出願された米国仮特許出願第62/043,359号に対する優先権の利益を主張し、本開示は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は概して、コークス工場の操作及び生産高を最適化することを対象とする。
【背景技術】
【0003】
コークスは、鋼鉄の生産において鉄鉱石を融解及び低減するために使用される固体炭素燃料及び炭素源である。「トンプソンコークス化工程」として既知である一方法において、コークスは、密封され、厳密に制御された大気条件下でおよそ48時間非常に高い温度に加熱される炉に、粉状石炭をバッチ式で供給することにより生産される。石炭を冶金用のコークスに変えるために、コークス炉が何年にもわたって使用されてきた。コークス化工程の間、細かく粉砕された石炭は、制御された温度条件下で加熱されて、石炭を脱揮し、予め定められた多孔度と強度を有するコークスの熔融した塊を形成する。コークスの生産はバッチ式プロセスであるため、複数のコークス炉が同時に操作される。
【0004】
極端な温度が伴われるため、コークス製造工程のほとんどが自動化されている。例えば、押出機装入装置(「PCM」)は典型的に、いくつかの異なる操作のために炉の石炭側で使用される。一般的なPCM操作順序は、PCMが、炉団の前を走る一連のレールに沿って指定の炉に移動され、PCMの装炭システムを炉に整列させると始まる。押出機側炉扉は、装炭システムの扉取り出し装置を使用して、炉から取り外される。次いで、PCMは、PCMの押出機ラムを炉の中心に整列させるために移動される。押出機ラムは、炉内部からコークスを押し出すために電圧を加えられる。PCMは、装炭システムを炉の中心と整列させるために炉の中心から離して再度移動される。石炭は、トリッパ搬送部によりPCMの装炭システムに送達される。次いで、装炭システムは、炉内部に石炭を装入する。いくつかのシステムにおいて、炉面から漏れる高温ガス排出物質中に混入する粒子状物質は、石炭を装入するステップの間、PCMにより捕捉される。かかるシステムにおいて、粒子状物質は、塵取機のバグハウスを通って排出物質フード中に吸い込まれる。次いで、装入搬送部は、炉から後退する。最後に、PCMの扉取り出し装置が、押出機側炉扉を取り付け、留める。
【0005】
図1に関して、PCM装炭システム10は一般的に、PCMに搭載され(非描写)、コークス炉に向けて及びコークス炉から離れて往復的に可動性である細長いフレーム12を含む。平面の装入ヘッド14は、細長いフレーム12の自由遠位端に位置付けられる。搬送部16は、細長いフレーム12内に位置付けられ、細長いフレーム12の長さに沿って実質的に延出する。装入ヘッド14を往復運動で使用して、概して、炉内に堆積する石炭を水平化する。しかし、
図2A、3A、及び4Aに関して、従来技術の装炭システムは、
図2Aに示されるように石炭ベッドの側方に隙間16、及び、石炭ベッド表面に窪みを残す傾向がある。これらの隙間は、コークス化サイクル時間にわたってコークス炉により処理され得る石炭の量(石炭処理速度)を制限し、これは概して、コークス化サイクルにわたってコークス炉により生産されるコークスの量(コークス生産速度)を低減する。
図2Bは、理想的に装入された水平なコークスベッドに見えるような手法を描写する。
【0006】
内部水冷システムを含み得る装炭システム10の重量は、80,000ポンド以上であり得る。装炭システム10が、装入操作中、炉の中に延出されるとき、装炭システム10は、その自由遠位端で下方に偏向する。これは、装入炭容量を減らす。
図3Aは、装炭システム10の偏向により引き起こされたベッド高の降下を示す。
図5に描写されるプロットは、炉の長さに沿った石炭ベッドプロファイルを示す。装炭システム偏向に因るベッド高の降下は、装入重量に応じて、押出機側からコークス側の間で5インチ〜8インチである。描写されるように、偏向の影響は、より少ない石炭が炉中に装入されるときにより著しい。概して、装炭システム偏向は、およそ1〜2トンの石炭体積の損失を引き起こし得る。
図3Bは、理想的に装入された水平なコークスベッドに見えるような手法を描写する。
【0007】
装炭システムの重量及びカンチレバーの位置により引き起こされる、その偏向の悪影響にかかわらず、装炭システム10は、石炭ベッドの高密度の方法において、利益を提供しない。
図4Aに関して、装炭システム10は、内部石炭ベッド密度に最小の改善を提供し、これは、石炭ベッドの底部に第1の層d1及び第2の緻密さが劣る層d2を形成する。石炭ベッドの密度を増加させることは、炉のサイクル時間及び炉の生産容量を決定する構成要素である、石炭ベッド全体への伝導熱伝達を促進し得る。
図6は、従来技術の装炭システム10を使用して、炉試験に関して取得された密度測定値群を描写する。ダイヤモンド形の表示を有する線は、石炭ベッド表面上の密度を示す。四角形の表示を有する線及び三角形の表示を有する線は各々、表面より12インチ下及び24インチ下の密度を示す。データは、ベッド密度がコークス側でより低下することを示す。
図4Bは、相対的に増加した密度層D1及びD2を有する、理想的に装入された水平なコークスベッドに見えるような手法を描写する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
好ましい実施形態を含む、本発明の非限定的であり、かつ包括的ではない実施形態が、以下の図を参照して説明され、図中、別途指定されない限り、様々な図を通して、同様の参照番号は同様の部品を指す。
【0009】
【
図1】従来技術の装炭システムの正面斜視図を描写する。
【
図2A】従来技術の装炭システムを使用してコークス炉中に装入された石炭ベッドの正面図を描写し、石炭ベッドが水平ではなく、ベッドの側方に隙間を有することを描写する。
【
図2B】ベッドの側方に隙間が無く、コークス炉中に理想的に装入された石炭ベッドの正面図を描写する。
【
図3A】従来技術の装炭システムを使用してコークス炉中に装入された石炭ベッドの側立面図を描写し、石炭ベッドが水平ではなく、ベッドの端部分に隙間を有することを描写する。
【
図3B】ベッドの端部分に隙間が無く、コークス炉中に理想的に装入された石炭ベッドの側立面図を描写する。
【
図4A】従来技術の装炭システムを使用してコークス炉中に装入された石炭ベッドの側立面図を描写し、従来技術の装炭システムにより形成された最小の石炭密度の2つの異なる層を描写する。
【
図4B】相対的に増加した石炭密度の2つの異なる層を有する、コークス炉中に理想的に装入された石炭ベッドの側立面図を描写する。
【
図5】ベッドの長さにわたるベッド高及び装炭システム偏向に因るベッド高降下の模擬データのプロットを描写する。
【
図6】ベッドの長さにわたる表面及び内部石炭容積密度の試験データのプロットを描写する。
【
図7】本技術による装炭システムの装入フレーム及び装入ヘッドの一実施形態の正面斜視図を描写する。
【
図8】
図7で描写される装入フレーム及び装入ヘッドの上平面図を描写する。
【
図9A】本技術による装入ヘッドの一実施形態の上平面図を描写する。
【
図9B】
図9Aで描写される装入ヘッドの正面立面図を描写する。
【
図9C】
図9Aで描写される装入ヘッドの側立面図を描写する。
【
図10A】本技術による装入ヘッドの別の実施形態の上平面図を描写する。
【
図11A】本技術による装入ヘッドのさらに別の実施形態の上平面図を描写する。
【
図12A】本技術による装入ヘッドのまた別の実施形態の上平面図を描写する。
【
図13】本技術による装入ヘッドの一実施形態の側立面図を描写し、ここで、装入ヘッドは、装入ヘッドの上縁部分の上部に粒状偏向表面を含む。
【
図14】本技術の装入ヘッドの一実施形態の部分的な上立面図を描写し、高密度棒及びそれが装入ヘッドのウイングと連結され得る1つの手法の一実施形態をさらに描写する。
【
図15】
図14で描写される装入ヘッド及び高密度棒の側立面図を描写する。
【
図16】本技術の装入ヘッドの一実施形態の部分的な側立面図を描写し、高密度棒及びそれが装入ヘッドと連結され得る手法の別の実施形態をさらに描写する。
【
図17】本技術による装入ヘッド及び装入フレームの一実施形態の部分的な上立面図を描写し、装入ヘッド及び装入フレームを互いに連結する溝はめ込み型接合部の一実施形態をさらに描写する。
【
図18】
図17で描写される装入ヘッド及び装入フレームの部分的な切断側立面図を描写する。
【
図19】本技術による装入ヘッド及び装入フレームの一実施形態の部分的な正面立面図を描写し、装入フレームに関連し得る装入フレームの偏向面の一実施形態をさらに描写する。
【
図20】
図19で描写される装入ヘッド及び装入フレームの部分的な切断側立面図を描写する。
【
図21】本技術による押出成形板の一実施形態の正面斜視図を描写し、それが装入ヘッドの後方面に関連し得る1つの手法をさらに描写する。
【
図22】
図21で描写される押出成形板及び装入ヘッドの部分的な等角図を描写する。
【
図23】本技術による押出成形板の一実施形態の側面斜視図を描写し、それが装入ヘッドの後方面に関連し得、装炭システム中に搬送される石炭を押出成形し得る1つの手法をさらに描写する。
【
図24A】本技術による押出成形板の別の実施形態の上平面図を描写し、それらが装入ヘッドのウイング部材に関連し得る1つの手法をさらに描写する。
【
図25A】本技術による押出成形板のまた別の実施形態の上平面図を描写し、それらが、装入ヘッドの前方及び後方の両方に配置された複数組のウイング部材に関連し得る1つの手法をさらに描写する。
【
図26】本技術による装入ヘッドの一実施形態の正面立面図を描写し、押出成形板が、石炭ベッド装入操作で使用されるとき及び使用されないときの石炭ベッド密度の差異をさらに描写する。
【
図27】石炭ベッドが押出成形板を使用することなく装入される、石炭ベッドの長さにわたって、石炭ベッド密度のプロットを描写する。
【
図28】石炭ベッドが押出成形板を使用して装入される石炭ベッドの長さにわたって、石炭ベッド密度のプロットを描写する。
【
図29】本技術による装入ヘッドの一実施形態の上平面図を描写し、装入ヘッドの後方表面に関連し得る押出成形板の別の実施形態をさらに描写する。
【
図30】従来技術の補助扉(false door)組立体の上平面図を描写する。
【
図31】
図30で描写される補助扉組立体の側立面図を描写する。
【
図32】本技術による補助扉の一実施形態の側立面図を描写し、補助扉が既存の角度付けられた補助扉組立体と連結され得る1つの手法をさらに描写する。
【
図33】石炭ベッドが本技術によるコークス炉中に装入され得る1つの手法の側立面図を描写する。
【
図34A】本技術による補助扉組立体の一実施形態の正面斜視図を描写する。
【
図34B】
図34Aで描写される補助扉組立体と共に使用され得る補助扉の一実施形態の後方立面図を描写する。
【
図34C】
図34Aで描写される補助扉組立体の側立面図を描写し、補助扉の高さが選択的に増加または減少され得る1つの手法をさらに描写する。
【
図35A】本技術による補助扉組立体の別の実施形態の正面斜視図を描写する。
【
図35B】
図35Aで描写される補助扉組立体と共に使用され得る補助扉の一実施形態の後方立面図を描写する。
【
図35C】
図35Aで描写される補助扉組立体の側立面図を描写し、補助扉の高さが選択的に増加または減少され得る1つの手法をさらに描写する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本技術は概して、コークス炉と共に使用される装炭システムを対象とする。様々な実施形態において、本技術の装炭システムは、水平設置型熱回収コークス炉と共に使用するために構成される。しかし、本技術の実施形態は、水平設置型非回収炉などの他のコークス炉と共に使用され得る。いくつかの実施形態において、装炭システムは、装入ヘッドから外向きかつ前方に延在し、石炭が石炭ベッドの側縁に向けられ得る開放経路を残し、対面するウイングを有する装入ヘッドを含む。他の実施形態において、押出成形板は、装入ヘッドの後方面上に位置付けられ、石炭がコークス炉の長さに沿って装入されると、石炭と係合し、圧迫するように配向される。また他の実施形態において、補助扉は、炉中に装入される石炭の量を最大化するために垂直に配向される。いくつかの実施形態において、補助扉に関連する下方延出板は選択的に、補助扉の実効長さを伸長させるために補助扉の下方端部分を越えて自動的に延出される。他の実施形態において、延出板は、角度付けられた正面表面を有する既存の補助扉と連結され得る。延出板は、既存の補助扉に垂直に配向された面を提供する。
【0011】
本技術のいくつかの実施形態の具体的な詳細は、
図7〜29及び32〜35Cに関して以下に記載される。押出機システム、装入システム、及びコークス炉にしばしば関連する周知の構造及びシステムを記載する他の詳細は、本技術の様々な実施形態の記述を不要に不明確にすることを回避するために以下の開示には記載されていない。図で示される詳細、寸法、角度、及び他の特徴の多くは、本技術の特定の実施形態を単に例示しているに過ぎない。したがって、他の実施形態は、本技術の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の詳細、寸法、角度、及び特徴を有し得る。よって、当業者は、本技術が追加の要素を含む他の実施形態を有し得るか、または本技術が
図7〜29及び32〜35Cに関連して下記に示され、かつ記載される特徴のいくつかを含まない他の実施形態を有し得ることを適宜理解する。
【0012】
本件の石炭装入技術が、扉取り出し装置、押出機ラム、トリッパ搬送部などのPCMに共通する1つ以上の他の構成要素を有する押出機装入装置(「PCM」)と組み合わせて使用されるであろうことが企図される。しかし、本技術の態様はPCMとは別に使用され得、個別にまたはコークス化システムに関連する他の機器と共に使用され得る。したがって、本技術の態様は、「装炭システム」またはこれらの構成要素として単に記載され得る。周知である石炭搬送部などの装炭システムに関連する構成要素は、仮にあったとしても、本技術の様々な実施形態の記述を不要に不明確にすることを回避するために詳細に記載されなくてもよい。
【0013】
図7〜9Cに関して、細長い装入フレーム102及び装入ヘッド104を有する装炭システム100が描写される。様々な実施形態において、装入フレーム102は、遠位端部分110と近位端部分112との間に延在する対面する側方部106及び108を有するように構成されるであろう。様々な適用において、近位端部分112は、石炭装入操作中、コークス炉内部への及びコークス炉内部からの装入フレーム102の選択的な延出及び後退を可能にする手法でPCMと連結され得る。コークス炉床及び/または石炭ベッドに対して装入フレーム102の高さを選択的に調節する高さ調節システムなどの他のシステムも、装炭システム100に関連され得る。
【0014】
装入ヘッド104は、細長い装入フレーム102の遠位端部分110と連結される。様々な実施形態において、装入ヘッド104は、上縁部分116、下縁部分118、対面する側方部分120及び122、正面124、ならびに後方面126を有する平面本体114により画定される。いくつかの実施形態において、本体114の実質的な部分は、装入ヘッド平面内にある。これは、本技術の実施形態が1つ以上追加の平面を占める態様を有する装入ヘッド本体を提供しないであろうことを示唆するものではない。様々な実施形態において、平面本体は、正方形または長方形の断面形状を有する複数の管により形成される。特定の実施形態において、管は、6インチ〜12インチの幅で提供される。少なくとも1つの実施形態において、管は8インチの幅を有し、これは、装入操作中、歪曲に対する著しい抵抗性を示す。
【0015】
図9A〜9Cをさらに参照すると、装入ヘッド104の様々な実施形態は、自由端部分132及び134を有するように成形される一対の対面するウイング128及び130を含む。いくつかの実施形態において、自由端部分132及び134は、装入ヘッド平面から前方に隔置された関係で位置付けられる。特定の実施形態において、自由端部分132及び134は、装入ヘッド104のサイズ、ならびに対面するウイング128及び130の幾何学的形状に応じて、装入ヘッド平面から前方に6インチ〜24インチの距離で離される。この位置で、対面するウイング128及び130は、対面するウイング128及び130から後方に装入ヘッド平面を通る空間を画定する。これらの空間設計のサイズが増加すると、より多くの材料が石炭ベッドの側方に分配される。空隙が小さくなると、より少ない材料が石炭ベッドの側方に分配される。したがって、コークス化システムによって特定の特質が示されるため、本技術は適合可能である。
【0016】
図9A〜9Cで描写されるものなどのいくつかの実施形態において、対面するウイング128及び130は、装入ヘッド平面から外向きに延在する第1の面136及び138を含む。特定の実施形態において、第1の面136及び138は、45度の角度で装入平面から外向きに延在する。第1の面が装入ヘッド平面から離れる角度は、装炭システム100の特定の使用目的に従って、増加または減少され得る。例えば、特定の実施形態は、装入及び水平化操作中に予測される条件に応じて、10度〜60度の角度を用いてよい。いくつかの実施形態において、対面するウイング128及び130は、第1の面136及び138から外向きに、自由遠位端部分132及び134に向かって延在する第2の面140及び142をさらに含む。特定の実施形態において、対面するウイング128及び130の第2の面140及び142は、装入ヘッド平面に平行であるウイング平面内にある。いくつかの実施形態において、第2の面140及び142は、およそ10インチの長さになるように提供される。しかし、他の実施形態において、第2の面140及び142は、第1の面136及び138のために選択される長さ、ならびに第1の面136及び138が装入平面から離れて延在する角度を含む、1つ以上の設計留意点に応じて0〜10インチの範囲である長さを有してよい。
図9A〜9Cで描写されるように、装炭システム100が、装入される石炭ベッドを越えて引き出されるのと同時に、対面するウイング128及び130は、装入ヘッド104の後方面からバラバラの石炭を受容し、石炭ベッドの側縁に向かってバラバラの石炭を集積させるか、さもなければそこに向かわせるように成形される。少なくともこの手法において、装炭システム100は、
図2Aに示されるような石炭ベッドの側方の隙間の可能性を低減し得る。むしろ、ウイング128及び130は、
図2Bで描写される水平な石炭ベッドを促進するのを支援する。試験は、対面するウイング128及び130の使用が、これらの側方隙間を充填することにより、装入重量を1〜2トン増加し得ることを示している。さらに、ウイング128及び130の形状は、石炭が炉の押出機側から戻ること及びこぼれ落ちることを低減し、これは、こぼれ落ちた石炭を回収するための労働力の無駄及び経費を低減する。
【0017】
図10A〜10Cに関して、装入ヘッド204の別の実施形態が、上縁部分216、下縁部分218、対面する側方部分220及び222、正面224、ならびに後方面226を有する平面本体214を有するように描写される。装入ヘッド204は、装入ヘッド平面から前方に隔置された関係で位置付けられる自由端部分232及び234を有するように成形される一対の対面するウイング228及び230をさらに含む。特定の実施形態において、自由端部分232及び234は、装入ヘッド平面から前方に6インチ〜24インチの距離で離される。対面するウイング228及び230は、対面するウイング228及び230から後方に装入ヘッド平面を通る空間を画定する。いくつかの実施形態において、対面するウイング228及び230は、45度の角度で装入ヘッド平面から外向きに延在する第1の面236及び238を含む。特定の実施形態において、装入及び水平化操作中に予測される状態に応じて、第1の面236及び238が装入ヘッド平面から10度〜60度離れる。装炭システムが、装入される石炭ベッドを越えて引き出されるのと同時に、対面するウイング228及び230は、装入ヘッド204の後方面からバラバラの石炭を受容し、石炭ベッドの側縁に向かってバラバラの石炭を集積させるか、さもなければそこに向かわせるように成形される。
【0018】
図11A〜11Cに関して、装入ヘッド304のさらなる実施形態が、上縁部分316、下縁部分318、対面する側方部分320及び322、正面324、ならびに後方面326を有する平面本体314を有するように描写される。装入ヘッド300は、装入ヘッド平面から前方に隔置された関係で位置付けられる自由端部分332及び334を有する一対の湾曲した対面するウイング328及び330をさらに含む。特定の実施形態において、自由端部分332及び334は、装入ヘッド平面から前方に6インチ〜24インチの距離で離される。湾曲した対面するウイング328及び330は、湾曲した対面するウイング328及び330から後方に装入ヘッド平面を通る空間を画定する。いくつかの実施形態において、湾曲した対面するウイング328及び330は、湾曲した対面するウイング328及び330の近位端部分から45度の角度で装入ヘッド平面から外向きに延在する第1の面336及び338を含む。特定の実施形態において、第1の面336及び338が装入ヘッド平面から10度〜60度離れる。この角度は、湾曲した対面するウイング328及び330の長さに沿って動的に変化する。装炭システムが、装入される石炭ベッドを越えて引き出されるのと同時に、対面するウイング328及び330は、装入ヘッド304の後方面からバラバラの石炭を受容し、石炭ベッドの側縁に向かってバラバラの石炭を集積させるか、さもなければそこに向かわせるように成形される。
【0019】
図12A〜12Cに関して、装入ヘッド404の実施形態は、上縁部分416、下縁部分418、対面する側方部分420及び422、正面424、ならびに後方面426を有する平面本体414を含む。装入ヘッド400は、装入ヘッド平面から前方に隔置された関係で位置付けられる自由端部分432及び434を有する対面するウイング428及び430の第1の対をさらに含む。対面するウイング428及び430は、装入ヘッド平面から外向きに延在する第1の面436及び438を含む。いくつかの実施形態において、第1の面436及び438は、45度の角度で装入ヘッド平面から外向きに延在する。第1の面が装入ヘッド平面から離れる角度は、装炭システム400の特定の使用目的に従って、増加または減少され得る。例えば、特定の実施形態は、装入及び水平化操作中に予測される条件に応じて、10度〜60度の角度を用いてよい。いくつかの実施形態において、自由端部分432及び434は、装入ヘッド平面から前方に6インチ〜24インチの距離で離される。対面するウイング428及び430は、湾曲した対面するウイング428及び430から後方に装入ヘッド平面を通る空間を画定する。いくつかの実施形態において、対面するウイング428及び430は、第1の面436及び438から外向きに、自由遠位端部分432及び434に向かって延在する第2の面440及び442をさらに含む。特定の実施形態において、対面するウイング428及び430の第2の面440及び442は、装入ヘッド平面に平行であるウイング平面内にある。いくつかの実施形態において、第2の面440及び442は、およそ10インチの長さになるように提供される。しかし、他の実施形態において、第2の面440及び442は、第1の面436及び438のために選択される長さ、ならびに第1の面436及び438が装入平面から離れて延在する角度を含む、1つ以上の設計留意点に応じて0〜10インチの範囲である長さを有してよい。装炭システム400が、装入される石炭ベッドを越えて引き出されるのと同時に、対面するウイング428及び430は、装入ヘッド404の後方面からバラバラの石炭を受容し、石炭ベッドの側縁に向かってバラバラの石炭を集積させるか、さもなければそこに向かわせるように成形される。
【0020】
様々な実施形態において、様々な幾何学的形状の対面するウイングが、本技術による装炭システムに関連する装入ヘッドから後方に延在し得ることが企図される。
図12A〜12Cを引き続き参照すると、装入ヘッド400は、装入ヘッド平面から後方に隔置された関係で位置付けられた、各々が自由端部分448及び450を含む対面するウイング444及び446の第2の対をさらに含む。対面するウイング444及び446は、装入ヘッド平面から外向きに延在する第1の面452及び454を含む。いくつかの実施形態において、第1の面452及び454は、45度の角度で装入ヘッド平面から外向きに延在する。第1の面452及び454が装入ヘッド平面から離れる角度は、装炭システム400の特定の使用目的に従って、増加または減少され得る。例えば、特定の実施形態は、装入及び水平化操作中に予測される条件に応じて、10度〜60度の角度を用いてよい。いくつかの実施形態において、自由端部分448及び450は、装入ヘッド平面から後方に6インチ〜24インチの距離で離される。対面するウイング444及び446は、対面するウイング444及び446から後方に装入ヘッド平面を通る空間を画定する。いくつかの実施形態において、対面するウイング444及び446は、第1の面452及び454から外向きに、自由遠位端部分448及び450に向かって延在する第2の面456及び458をさらに含む。特定の実施形態において、対面するウイング444及び446の第2の面456及び458は、装入ヘッド平面に平行であるウイング平面内にある。いくつかの実施形態において、第2の面456及び458は、およそ10インチの長さになるように提供される。しかし、他の実施形態において、第2の面456及び458は、第1の面452及び454のために選択される長さ、ならびに第1の面452及び454が装入平面から離れて延在する角度を含む、1つ以上の設計留意点に応じて0〜10インチの範囲である長さを有してよい。装炭システム400が、装入される石炭ベッドに沿って延出されるのと同時に、対面するウイング444及び446は、装入ヘッド404の正面424からバラバラの石炭を受容し、石炭ベッドの側縁に向かってバラバラの石炭を集積させるか、さもなければそこに向かわせるように成形される。
【0021】
図12A〜12Cを引き続き参照すると、後方を向いている対面するウイング444及び446が前方を向いている対面するウイング428及び430の上に位置付けられているように描写される。しかし、この特定の配設は、いくつかの実施形態において、本技術の範囲から逸脱することなく反対にされてもよいことが企図される。同様に、後方を向いている対面するウイング444及び446ならびに前方を向いている対面するウイング428及び430は各々、互いに対して角度を付けて配置される面の第1及び第2の組を有する角度配置されたウイングとして描写される。しかし、対面するウイングのいずれかまたは両方の組が、直線的で角度配置された対面するウイング228及び230または湾曲したウイング328及び330により示されるような、異なる幾何学的形状で提供され得ることが企図される。混合されたか、または対である既知の形状の他の組み合わせが企図される。さらに、本技術の装入ヘッドが、前方を向いているウイングはなく装入ヘッドから後方だけを向いている対面するウイングの1つ以上の組を提供され得るであろうことがさらに企図される。かかる事例において、後方に位置付けられた対面するウイングは、装炭システムが前進(装入する)とき、石炭ベッドの側方部分に石炭を分配する。
【0022】
図13に関して、石炭が炉中に装入されるとき及び装炭システム100(または類似の手法の装入ヘッド526、300、または400において)が石炭ベッドを越えて引き出されると、バラバラの石炭が、装入ヘッド104の上縁部分116上に積み重なり始め得ることが企図される。したがって、本技術のいくつかの実施形態は、装入ヘッド104の上縁部分116の上部に1つ以上の角度配置された粒状偏向表面144を含むであろう。描写される例において、一対の反対に向いている粒状偏向表面144は組み合わさって、尖頂のある構造を形成し、これは、装入ヘッド104の前及びその裏側に不規則な粒状材料を分散する。特定の事例において、装入ヘッド104の前またはその裏側に、粒状材料領域を主として有することが望ましい場合があるが、それらの両方には有しないことが企図される。したがって、かかる事例において、単一の粒状偏向表面144は、石炭を適宜分散するために選ばれた配向を提供され得る。粒状偏向表面144が、非平面または角度付けられていない他の構成で提供され得ることがさらに企図される。特に、粒状偏向表面144は、平ら、曲線のある、凸状、凹状、複合、またはこれらの様々な組み合わせであり得る。いくつかの実施形態は、粒状偏向表面144を水平配置しないように、単に配置するのみであろう。いくつかの実施形態において、粒状表面は、装入ヘッド104の上縁部分116と一体的に形成され得、これは、水冷特徴をさらに含み得る。
【0023】
石炭ベッド容積密度は、コークスの質を決定し、特に炉壁の近くの焼失を最小限に抑える上で大きな役割を果たす。石炭装入操作中、装入ヘッド104は、石炭ベッドの上部分に対して後退する。この手法において、装入ヘッドは、石炭ベッドの上部の形状に寄与する。しかし、本技術の特定の態様は、石炭ベッドの密度を増加させるための装入ヘッドの部分をもたらす。
図13及び14に関して、対面するウイング128及び130は、いくつかの実施形態において、対面するウイング128及び130各々の長さに沿って、かつそれらから下方に延在する1つ以上の細長い高密度棒146を提供され得る。
図13及び14で描写されるようなものなどのいくつかの実施形態において、高密度棒146は、対面するウイング128及び130の底表面から下方に延在し得る。他の実施形態において、高密度棒146は、対面するウイング128及び130のいずれかもしくは両方の前方面もしくは後方面、ならびに/または装入ヘッド104の下縁部分118と動作可能に連結され得る。
図13で描写されるようなものなどの特定の実施形態において、細長い高密度棒146は、装入ヘッド平面に対して角度を付けて配置された長軸を有する。高密度棒146が、高温度材料から形成された、パイプまたはロッドなどの概して水平な軸、または様々な形状の静的構造の周りを回転するローラーから形成され得ることが企図される。細長い高密度棒146の外部形状は、平面または曲線であってよい。さらに、細長い高密度棒は、その長さまたは配置された角度に沿って湾曲され得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、様々なシステムの装入ヘッド及び装入フレームは、冷却システムを含まない場合がある。炉の極端な温度は、互いに対してわずかに及び異なる速度で拡張するかかる装入ヘッド及び装入フレームの部分をもたらすであろう。かかる実施形態において、構成要素の急速で不規則な加熱及び拡張は、装炭システムに負荷を与え得、装入フレームに対して装入ヘッドを歪曲させ得るか、そうでなければ不整列にし得る。
図17及び18に関して、本技術の実施形態は、装入ヘッド104と細長い装入フレーム102との間で相対的な移動を可能にする複数の溝はめ込み型接合部を使用して、装入フレーム102の側方部106及び108に装入ヘッド104を連結する。少なくとも1つの実施形態において、第1のフレーム板150は、細長いフレーム102の側方部106及び108の内面から外向きに延在する。第1のフレーム板150は、第1のフレーム板150を貫通する1つ以上の細長い取付け溝152を含む。いくつかの実施形態において、第2のフレーム板154も、側方部106及び108の内面から外向きに、第1のフレーム板150の下に延在するように提供される。細長いフレーム102の第2のフレーム板154も、第2のフレーム板154を貫通する1つ以上の細長い取付け溝152を含む。第1のヘッド板156は、装入ヘッド104の後方面126の対面する側方部から外向きに延在する。第1のヘッド板156は、第1のヘッド板156を貫通する1つ以上の取付け孔158を含む。いくつかの実施形態において、第2のヘッド板160も、装入ヘッド104の後方面126から外向きに、第1のヘッド板156の下に延在するように提供される。第2のヘッド板160も、第2のヘッド板158を貫通する1つ以上の取付け孔158を含む。装入ヘッド104は、第1のフレーム板150が第1のヘッド板156と整列し、第2のフレーム板154が第2のヘッド板160と整列するように装入フレーム102と整列される。機械的留め具161が、第1のフレーム板150及び第2のフレーム板152の細長い取付け溝152、ならびに対応する取付け孔160を通り抜ける。この手法において、機械的留め具161は、取付け孔160に対して定位置で設置されるが、装入ヘッド104が装入フレーム102に対して移動するとき、細長い取付け溝152の長さに沿って移動することは可能である。装入ヘッド104及び細長い装入フレーム102のサイズ及び構成に応じて、より多いかまたはより少ない様々な形状及びサイズの装入ヘッド板及びフレーム板が用いられて、装入ヘッド104及び細長い装入フレーム102を互いに動作可能に連結し得るであろうことが企図される。
【0025】
図19及び20に関して、本技術の特定の実施形態は、細長い装入フレーム102の対面する側方部106及び108の各々の下方の内面に、わずかに下向きの角度で装入フレーム102の中央部分に向かって面するように位置付けられた装入フレーム偏向面162を提供する。この手法において、装入フレーム偏向面162は、バラバラに装入された石炭と係合し、石炭を下に向け、装入される石炭ベッドの側方に向かわせる。偏向面162の角度は、石炭ベッドの縁部分の密度の増加を支援する手法で石炭を下方にさらに圧迫する。別の実施形態において、細長い装入フレーム102の対面する側方部106及び108の各々の前方端部分は、ウイングから後方にも位置付けられるが、装入フレームから前方及び下方に面するように配向される装入フレーム偏向面163を含む。この手法において、偏向面163は、石炭ベッドの密度を増加し、石炭ベッドをより完全に水平化するよう試みる上で石炭を外向きに石炭ベッドの縁部分に向かわせるのをさらに支援し得る。
【0026】
多くの従来の装炭システムは、装入ヘッド及び装入フレームの重量に因り、少量の圧縮を石炭ベッド表面に提供する。しかし、圧縮は典型的に、石炭ベッド表面より12インチ下に制限される。石炭ベッド試験中のデータは、この領域における容積密度測定値が石炭ベッドの中で3〜10単位のポイントの差異になることを示した。
図6はグラフを用いて、模擬の炉試験中に取得された密度測定値を描写する。上の線は、石炭ベッド表面の密度を示す。下方2つの線は各々、石炭ベッド表面の12インチ下及び24インチ下における密度を描写する。試験データより、ベッド密度が炉のコークス側でより著しく低下するという結果が導き出され得る。
【0027】
図21〜28に関して、本技術の様々な実施形態が、装入ヘッド104の後方面126と動作可能に連結される押出成形板166を位置付ける。いくつかの実施形態において、押出成形板166は、装入ヘッド104に対して後方及び下方に面するように配向される石炭係合面168を含む。この手法において、装入ヘッド104の裏側の炉中に装入されるバラバラの石炭は、押出成形板166の石炭係合面168と係合するであろう。装入ヘッド104の裏側に堆積している石炭の圧力に因り、石炭係合面168は、石炭を下方に圧縮し、これは、押出成形板166の下の石炭ベッドの石炭密度を増加させる。様々な実施形態において、押出成形板166は、石炭ベッドのかなりの幅にわたって密度を最大化するために装入ヘッド104の長さに沿って実質的に延在する。
図20及び21を引き続き参照すると、押出成形板166は、装入ヘッド104に対して後方及び上方に面するように配向される上偏向面170をさらに含む。この手法において、石炭係合面168及び上偏向面170は互いに連結されて、装入ヘッド104から離れて後方に面する尖頂稜線を有する尖頂形状を画定する。したがって、上偏向面170に落ちる任意の石炭は押出成形板166に向けられて、それが押出成形される前に入ってくる石炭に加わるであろう。
【0028】
使用において、石炭は、装入ヘッド104の裏側にある、装炭システム100の前端部分に混ぜる。石炭は、搬送部と装入ヘッド104との間の開口に積み重なり、搬送鎖圧力が、およそ2500〜2800psiに到達するまで徐々に高まり始める。
図23に関して、石炭が、装入ヘッド104の裏側の本システム中に供給され、装入ヘッド104が、炉を通って後方に後退する。押出成形板166は石炭を圧縮し、それを石炭ベッド中に押出成形する。
【0029】
図24A〜25Bに関して、本技術の実施形態は、押出成形板を、装入ヘッドから延在する1つ以上のウイングと関連させ得る。
図24A及び24Bは、押出成形板266が、対面するウイング128及び130から後方に延在する場合の1つのかかる実施形態を描写する。かかる実施形態において、押出成形板266は、互いに連結されて、対面するウイング128及び130から離れて後方を面する尖頂稜線を有する尖頂形状を画定する石炭係合面268及び上偏向面270を提供される。石炭係合面268は、装炭システムが炉を通って後退すると石炭を下方に圧縮するように位置付けられ、これは、押出成形板266の下の石炭ベッドの石炭密度を増加させる。
図25A及び25Bは、石炭係合面468及び上偏向面470を有する押出成形板466が対面するウイング428及び430から後方に延在するように位置付けられることを除いて、
図12A〜12Cで描写されるのと類似する装入ヘッドを描写する。押出成形板466は、押出成形板266と同様に機能する。追加の押出成形板466は、装入ヘッド400の裏側に位置付けられる対面するウイング444及び446から前方に延在するように位置付けられ得る。かかる押出成形板は、装炭システムが炉を通って進むと石炭を下方に圧縮し、これは、押出成形板466の下の石炭ベッドの石炭密度をさらに増加させる。
【0030】
図26は、押出成形板166の有益性を受けた装入炭の密度(石炭ベッドの左側)及び押出成形板166の有益性を受けない装入炭の密度(石炭ベッドの右側)への影響を描写する。描写されるように、押出成形板166の使用は、増加した石炭ベッドの容積密度の「D」範囲、及び押出成形板が存在しない石炭ベッドのより少ない容積密度「d」の範囲を提供する。この手法において、押出成形板166は表面密度の改善を示すだけでなく、全体の内部ベッドの容積密度も改善する。下記の
図27及び28で描写される試験結果は、押出成形板166を使用する(
図28)及び押出成形板166を使用しない(
図27)ベッド密度の改善を示す。データは、表面密度及び石炭ベッド表面の24インチ下の両方への著しい影響を示す。いくつかの試験において、押出成形板166は、10インチの尖頂(装入ヘッド104の後ろから石炭係合面168及び上偏向面170が合致する押出成形板166の尖頂稜線までの距離)を有する。6インチの尖頂が使用された他の試験において、石炭密度は増加したが、10インチの尖頂押出成形板166の使用から生じるような水平にならなかった。データは、10インチの尖頂押出成形板の使用が石炭ベッドの密度を増加させ、これは、およそ2.5トンの装入重量の増加を可能にしたことを明らかにする。本技術のいくつかの実施形態において、例えば、尖頂高さが5〜10インチのより小さな押出成形板、または例えば、尖頂高さが10〜20インチのより大きな押出成形板が使用され得るであろうことが企図される。
【0031】
図29に関して、本技術の他の実施形態は、装入ヘッド104に対して後方及び横方向に面するように配向される対面する偏向面172を含むように成形される押出成形板166を提供する。対面する偏向面172を含むように押出成形板166を成形することにより、試験は、より多くの押出成形された石炭が、それが押出成形されながらベッドの両側に向かって流れたことを示した。この手法において、押出成形板166は、
図2Bで描写される水平な石炭ベッド、ならびに石炭ベッドの幅にわたる石炭ベッドの密度の増加の促進を支援する。
【0032】
装入システムが、装入操作中、炉の中に延出するとき、典型的におよそ80,000ポンドの重量である装炭システムは、それらの自由な遠位端で下方に偏向する。この偏向は、装入炭容量を減らす。
図5は、装炭システム偏向に因るベッド高の降下が装入重量に応じて、押出機側からコークス側の間で5インチ〜8インチであることを示す。概して、装炭システム偏向は、およそ1〜2トンの石炭体積の損失を引き起こし得る。装入操作中、石炭は、搬送部と装入ヘッド104との間の開口に積み重なり、搬送鎖圧力が、高まり始める。従来の装炭システムは、およそ2300psiの鎖圧力で稼働する。しかし、本技術の装炭システムは、およそ2500〜2800psiの鎖圧力で操作され得る。鎖圧力のこの増加は、装炭システム100の剛性を、その装入フレーム102の長さに沿って増加させる。試験は、およそ2700psiの鎖圧力で装炭システム100を操作することが、装炭システム偏向の偏向をおよそ2インチ低減させ、これは、より高い装入重量及び増加した生産と等しいことを示す。試験は、およそ3000〜3300psiのより高い鎖圧力で装炭システム100を操作することが、より多くの有効な装入を生み出し得、上述されるような1つ以上の押出成形板166の使用により、より大きな利益をさらに認識し得ることをさらに示した。
【0033】
図30及び31に関して、装炭システム100の様々な実施形態は、細長い補助扉フレーム502、及び補助扉フレーム502の遠位端部分506に連結される補助扉504を有する補助扉組立体500を含む。補助扉フレーム502は、近位端部分508、ならびに近位端部分508と遠位端部分506との間に延在する対面する側方部510及び512をさらに含む。様々な適用において、近位端部分508は、石炭装入操作中、コークス炉内部への及びコークス炉内部からの補助扉フレーム502の選択的な延出及び後退を可能にする手法でPCMと連結され得る。いくつかの実施形態において、補助扉フレーム502は、装入フレーム102に隣接し、多くの事例において、装入フレーム102の下のPCMと連結される。上方端部分514、下方端部分516、対面する側方部分518及び520、正面522、ならびに後方面524を有する補助扉504は概して、平面である。操作において、補助扉504は、石炭装入操作中、コークス炉のちょうど中に設置される。この手法において、石炭が完全に装入され、コークス炉が閉鎖され得るまで、補助扉504は実質的に、バラバラの石炭がコークス炉の押出機側を意図せずに出るのを防ぐ。従来の補助扉設計は、補助扉504の下方端部分516が補助扉504の上端部分514の後方に位置付けられるように角度付けられる。これは、コークス炉の押出機側開口からコークス炉中に、典型的に12インチ〜36インチで終端する、傾斜があるかまたは角度付けられた形状を有する石炭ベッドの端部分を形成する。
【0034】
補助扉504は、上方端部分528、下方端部分530、対面する側方部分530及び534、正面536、ならびに後方面538を有する延出板526を含む。延出板526の上方端部分528は、延出板526の下方端部分530が補助扉504の下方端部分516より下方に延出するように補助扉504の下方端部分516に取り外し可能に連結される。この手法において、補助扉504の正面522の高さは、より大きな高さを有する石炭ベッドの装入に適応するように選択的に増加され得る。延出板526は典型的に、迅速な着/脱システムを形成する複数の機械的留め具540を使用して、補助扉504と連結される。各々が異なる高さを有する複数の別個の延出板526は、補助扉組立体500に関連し得る。例えば、より長い延出板526は、48トンの装入炭のために使用され得るが、一方でより短い延出板526は、36トンの装入炭のために使用され得、延出板526は、28トンの装入炭のために使用されないであろう。しかし、延出板526の取り外し及び取り替えは、延出板の重量、及び手動で取り外し、取り替えられるという事実に因り労働集約的であり、かつ時間を必要とする。この手順は、設備でのコークス生産を1時間以上中断し得る。
【0035】
図32に関して、垂直から離れて所定の角度で配置される本体平面内にある既存の補助扉504は、垂直補助扉を有するように適合され得る。いくつかのかかる実施形態において、上方端部分544、下方端部分546、正面548、及び後方面550を有する補助扉延出部542は、補助扉504と動作可能に連結され得る。特定の実施形態において、補助扉延出部542は、補助扉504の取り替え用正面を画定するように成形及び配向される。補助扉延出部542が、機械的留め具、溶接、または同様のものを使用して、補助扉504と連結され得ることが企図される。特定の実施形態において、正面548は、実質的に垂直である補助扉平面内になるように位置付けられる。いくつかの実施形態において、正面548は、押出機側炉扉554の耐火性表面552の外形によく似るように成形される。
【0036】
操作において、正面548の垂直配向は、補助扉延出部542が、石炭装入操作中、コークス炉の中に設置されることを可能にする。この手法において、
図33で描写されるように、石炭ベッド556の端部分は、押出機側炉扉554の耐火性表面552に近接して位置付けられる。したがって、いくつかの実施形態において、石炭ベッドと耐火性表面552との間に残る6〜12インチの間隙が除去され得るか、または少なくとも著しく最小限に抑えられ得る。さらに、補助扉延出部542の垂直に配置された正面548は、従来技術の設計により形成された傾斜のあるベッド形状とは対称的に、より多くの石炭を炉中に装入するための完全な炉容量の使用を最大化し、これは、炉の生産速度を増加する。例えば、補助扉延出部542の正面536が、コークス炉が48トンの装入炭において閉鎖されるときに押出機側炉扉554の耐火性表面552が位置付けられるであろう場所から12インチ後ろに位置付けられる場合、およそ1トンの石炭と等しい未使用の炉体積が形成される。同様に、補助扉延出部542の正面536が、押出機側炉扉554の耐火性表面552が位置付けられるであろう場所から6インチ後ろに位置付けられる場合、未使用の炉体積は、およそ0.5トンの石炭と等しくなるであろう。したがって、補助扉延出部542及び前述の方法を使用して、各炉は、追加の0.5トン〜丸1トンの石炭を装入することができ、これは、全体の炉団に対するコークス生産速度を著しく改善し得る。これは、49トンの装入が、典型的に48トンの装入で操作される炉中に設置され得るという事実にも関わらず真実である。49トンの装入は、48時間のコークスサイクルを増加させないであろう。12インチの隙間が前述の方法を使用して充填されるが、48トンの石炭のみが炉中に装入される場合、ベッドは、予測された高さ48インチから高さ47インチに低減される。高さ47インチの装入炭を48時間でコークス化することは、コークス化工程に追加の1時間の浸漬時間を与え、これは、コークスの質(CSRまたは安定性)を改善し得るであろう。
【0037】
本技術の特定の実施形態において、
図34A〜34Cで描写されるように、補助扉フレーム502は、補助扉504の代わりに垂直補助扉558と適合され得る。様々な実施形態において、垂直補助扉558は、上方端部分560、下方端部分562、対面する側方部分564及び566、正面568、ならびに後方面570を有する。描写される実施形態において、正面568は、実質的に垂直である補助扉平面内になるように位置付けられる。いくつかの実施形態において、正面568は、押出機側炉扉554の耐火性表面552の外形によく似るように成形される。この手法において、垂直補助扉は、補助扉延出部542を用いる補助扉組立体に関して上述されるのと同じ手法で多く使用され得る。
【0038】
異なるベッド高の連続した石炭ベッドを周期的にコークス化するのが望ましい場合がある。例えば、炉はまず、48トンで48インチの高さの石炭ベッドで装入され得る。その後、炉は、28トンで28インチの高さの石炭ベッドで装入され得る。異なるベッド高は、相応して異なる高さの補助扉の使用を必要とする。したがって、
図34A〜34Cを引き続き参照すると、本技術の様々な実施形態は、垂直補助扉558の正面568と連結される下方延出板572を提供する。下方延出板572は選択的に、後退位置と延出位置との間で垂直補助扉558に対して垂直に可動性である。少なくとも1つの延出位置が、垂直補助扉558の実効高さが増加するように、垂直補助扉558の下縁部分562の下に下方延出板572の下縁部分574を配置する。いくつかの実施形態において、下方延出板572と垂直補助扉558との間の相対的な移動は、下方延出板572から後方に垂直補助扉558を貫通する1つ以上の垂直に配設された溝578を通って延在する1つ以上の延出板ブラケット576を配置することにより影響を受ける。様々な腕組立体580のうちの1つ及び電動シリンダー582は、下方延出板572をその後退位置と延出位置との間で選択的に移動させるように延出板ブラケット576に連結され得る。この手法において、垂直補助扉558の実効高さは自動的に、垂直補助扉558の初期の高さから完全な延出位置における下方延出板572の高さの範囲である任意の高さに適合され得る。いくつかの実施形態において、下方延出板558及びそれに関連する構成要素は、
図35A〜35Cで描写されるようなものなどの補助扉504と動作可能に連結され得る。他の実施形態において、下方延出板558及びそれに関連する構成要素は、延出板526と動作可能に連結され得る。
【0039】
本技術のいくつかの実施形態において、石炭ベッド556の端部分は、押出機側炉扉554が閉鎖され得る前に、装入炭の端部分が炉からこぼれ落ちるであろう可能性を低減するためにわずかに圧縮され得ることが企図される。いくつかの実施形態において、補助扉504、延出板526、または垂直補助扉558を振動させ、石炭ベッド556の端部分を圧縮するために、1つ以上の振動装置が、補助扉504、延出板526、または垂直補助扉558に関連し得る。他の実施形態において、細長い補助扉フレーム502は、石炭ベッド556の端部分を圧縮するのに十分な力で石炭ベッド204の端部分と接触するように往復的及び反復的に移動され得る。石炭ベッド556の端部分を潤し、少なくとも一時的に、石炭ベッド556の部分がコークス炉からこぼれ落ちないように石炭ベッド556の端部分の形状を維持するために、水噴霧も、単独でまたは振動圧縮方法もしくは衝撃圧縮方法と併せて使用され得る。
【実施例】
【0040】
以下の実施例は、本技術のいくつかの実施形態を例示する。
1. 装炭システムであって、
細長い装入フレームと、
前記細長い装入フレームの遠位端部分と動作可能に連結される装入ヘッドと、
遠位端部分、近位端部分、及び対面する側方部を有する細長い補助扉フレームと、
前記細長い補助扉フレームの前記遠位端部分と動作可能に連結される概して平面の補助扉であって、前記補助扉が、上縁部分、下縁部分、対面する側方部分、正面、及び後方面を有し、前記補助扉の前記正面が、実質的に垂直である補助扉平面内にある、概して平面の補助扉と、を備える、装炭システム。
2. 前記補助扉の前記正面と動作可能に連結される下方延出板であって、前記下方延出板が選択的に、後退位置と延出位置との間で前記補助扉に対して垂直に可動性であり、少なくとも1つの延出位置が、前記補助扉の実効高さが増加するように、前記補助扉の下縁部分の下に前記下方延出板の下縁部分を配置する、下方延出板をさらに備える、請求項1に記載の装炭システム。
3. 前記下方延出板、及び前記後退位置と延出位置との間で前記下方延出板を移動させるように選択的に作動され得る少なくとも1つの電動シリンダーを、動作可能に連結させる、連結腕部組立体をさらに備える、請求項2に記載の装炭システム。
4. 前記下方延出板及び前記連結腕部組立体と動作可能に連結させる少なくとも1つの延出板ブラケットであって、前記補助扉を貫通する少なくとも1つの溝を通って延在する、少なくとも1つの延出板ブラケットをさらに備える、請求項3に記載の装炭システム。
5. 前記補助扉が、
垂直から離れた角度で配置される本体平面内にある補助扉本体と、
前記補助扉の前記正面を画定するように成形及び配向される、前記補助扉本体と動作可能に連結される面板と、からなる、請求項1に記載の装炭システム。
6. 前記補助扉の前記正面と動作可能に連結される下方延出板であって、前記下方延出板が選択的に、後退位置と延出位置との間で前記補助扉に対して垂直に可動性であり、少なくとも1つの延出位置が、前記補助扉の実効高さが増加するように、前記補助扉の下縁部分の下に前記下方延出板の下縁部分を配置する、下方延出板をさらに備える、請求項5に記載の装炭システム。
7. 細長い装入フレームを、前記装入フレームの遠位端部分と連結される装入ヘッドと共に有する装炭システムと共に使用するための補助扉システムであって、
遠位端部分、近位端部分、及び対面する側方部を有する細長い補助扉フレームと、
前記細長い補助扉フレームの前記遠位端部分と動作可能に連結される概して平面の補助扉であって、上縁部分、下縁部分、対面する側方部分、正面、及び後方面を有する、補助扉と、
前記補助扉の前記正面と動作可能に連結される下方延出板であって、前記下方延出板が選択的に、後退位置と延出位置との間で前記補助扉に対して概して平行な様式で可動性であり、少なくとも1つの延出位置が、前記補助扉の実効高さが増加するように、前記補助扉の下縁部分の下に前記下方延出板の下縁部分を配置する、下方延出板と、を備える、補助扉システム。
8. 前記下方延出板、及び前記後退位置と延出位置との間で前記下方延出板を移動させるように選択的に作動され得る少なくとも1つの電動シリンダーと動作可能に連結される、連結腕部組立体をさらに備える、請求項7に記載の装炭システム。
9. 前記下方延出板及び前記連結腕部組立体と動作可能に連結される少なくとも1つの延出板ブラケットであって、前記補助扉を貫通する少なくとも1つの溝を通って延在する、少なくとも1つの延出板ブラケットをさらに備える、請求項8に記載の装炭システム。
10.コークス炉内の装入炭を増加させる方法であって、
細長い装入フレーム、及び前記細長い装入フレームの遠位端部分と動作可能に連結される装入ヘッドを有する装炭システムを、コークス炉の押出機側開口内に少なくとも部分的に位置付けることと、
細長い補助扉フレーム、及び前記細長い補助扉フレームの遠位端部分と動作可能に連結される概して平面の補助扉を有する補助扉システムを、前記コークス炉の前記押出機側開口内に少なくとも部分的に位置付けることであって、前記補助扉が、実質的に垂直である補助扉平面内にある正面を有し、位置付けることと、
概して垂直な端部分を有する装入炭を画定する手法で、前記装炭システムを用いて前記コークス炉中に石炭を装入することと、
前記コークス炉の前記押出機側開口を閉鎖する手法で、炉扉を前記コークス炉と動作可能に連結することと、を含む、方法。
11. 前記装入炭の前記概して垂直な端部分が、前記炉扉の耐火面に近接して位置付けられる、請求項10に記載の方法。
12. 前記装入炭の前記概して垂直な端部分が、前記炉扉の耐火面から6インチ以下に位置付けられる、請求項10に記載の方法。
13. 前記装入炭の前記概して垂直な端部分が、前記炉扉の耐火面から12インチ以下に位置付けられる、請求項10に記載の方法。
14. 石炭面の一部分を少なくとも部分的に圧縮し、前記石炭面の部分が前記コークス炉の前記押出機側開口からこぼれ落ちるのを阻止する手法で、前記補助扉を用いて前記石炭面の前記端部分に往復的に衝撃を与えることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
15. 前記石炭面の一部分を湿らし、前記石炭面の部分が前記コークス炉の前記押出機側開口からこぼれ落ちるのを阻止する手法で、前記補助扉を用いて前記石炭面に流体を適用することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
16. 前記石炭面の一部分を少なくとも部分的に圧縮し、前記石炭面の部分が前記コークス炉の前記押出機側開口からこぼれ落ちるのを阻止する手法で、前記補助扉を用いて前記石炭面の前記端部分を振動させることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【0041】
本技術は、特定の構造、材料、及び方法ステップに対して具体的である言葉で記載されるが、添付の特許請求の範囲で定義される本発明が、記載される具体的な構造、材料、及び/またはステップに必ずしも制限されることはないことを理解されたい。むしろ、具体的な態様及びステップは、特許請求される発明を実現する形態として記載される。さらに、特定の実施形態に関連して記載される新しい技術の特定な態様は、他の実施形態において、組み合わされてもよいかまたは削除されてもよい。さらに、本技術の特定の実施形態に関連する利点が、それらの実施形態と関連して記載され、他の実施形態も、かかる利点を示し得、全ての実施形態が、必ずしも本技術の範囲内のかかる利点を示す必要があるわけではない。したがって、本開示及び関連技術は、本明細書に明確に示されないか、または記載されない他の実施形態を包含し得る。よって、本開示は、添付の特許請求の範囲による以外制限されない。別途示されない限り、本明細書(特許請求の範囲以外)で使用される、寸法、物理的特質などを表すものなどの全ての数字または表現は、用語「およそ」により全ての事例において修正されていると理解される。少なくとも、特許請求の範囲との同等物の原理の適用を制限することを試みるのではなく、用語「およそ」により修正される、本明細書または特許請求の範囲で列挙された各数値パラメーターは少なくとも、列挙された有効桁数の観点で及び通常の四捨五入を適用することにより、解釈されるべきである。さらに、本明細書で開示される全ての範囲は、本明細書に含まれるいずれか及び全ての部分範囲、またはいずれか及び全ての個別の値を列挙する特許請求の範囲に対する裏付けを包含し、かつ提供することを理解されたい。例えば、記述される1〜10の範囲は、最小値1〜最大値10の間及び/またはそれらを含み、つまり、全ての部分範囲は最小値1以上で始まり、最大値10以下(例えば、5.5〜10、2.34〜3.56など)または1〜10(例えば、3、5.8、9.9994など)の任意の値で終わる、いずれか及び全ての部分範囲または個別の値を列挙する特許請求の範囲に対する裏付けを含み、かつ提供すると見なされるべきである。
【国際調査報告】