特表2017-532466(P2017-532466A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-532466(P2017-532466A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】荷重状態推定器を含む地ならし機
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/84 20060101AFI20171006BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20171006BHJP
【FI】
   E02F3/84 A
   E02F9/20 Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-507383(P2017-507383)
(86)(22)【出願日】2015年8月13日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月7日
(86)【国際出願番号】US2015044989
(87)【国際公開番号】WO2016028587
(87)【国際公開日】20160225
(31)【優先権主張番号】14/463,106
(32)【優先日】2014年8月19日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】506196063
【氏名又は名称】キャタピラー トリンブル コントロール テクノロジーズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,フランシスコ ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ウィーウェル,ブルース ジョン
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA02
2D003AB04
2D003AC02
2D003BA02
2D003DA04
2D003DB03
2D003DB04
(57)【要約】
並進シャーシ運動インジケータ、地ならし器具インクリノメータ、及び器具状態推定器を含む地ならし機が提供される。並進シャーシ運動インジケータは、1以上の並進自由度における機械シャーシの運動を測定する。器具インクリノメータは、(i)1以上の並進又は回転自由度における地ならし器具の加速度を測定する、器具加速度計、及び(ii)1以上の回転自由度において地ならし器具が回転する速度を測定する、器具角速度センサ、を含む。器具状態推定器は、器具位置信号、並進シャーシ運動インジケータ及び器具インクリノメータからの信号、及び信号ノイズを表す1以上の重み係数に少なくとも部分的に基づく、器具状態推定を生じる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械シャーシ、並進シャーシ駆動部、並進シャーシ運動インジケータ、地ならし器具、器具インクリノメータ、器具状態推定器、及び器具制御構造を含む地ならし機であって、
前記地ならし器具が、前記機械シャーシに連結され、前記並進シャーシ駆動部によって前記機械シャーシに伝えられる並進運動が前記地ならし器具にも伝えられ;
前記地ならし器具が、1以上の目標回転自由度における回転運動用に構成され;
前記並進シャーシ運動インジケータが、1以上の並進自由度における前記機械シャーシの運動を測定し;
前記器具インクリノメータは、
(i)1以上の並進又は回転自由度における前記地ならし器具の加速度を測定する、器具加速度計、及び
(ii)1以上の回転自由度において前記地ならし器具が回転する速度を測定する、器具角速度センサ、
を含み;
前記器具状態推定器は、器具位置信号I、Iに少なくとも部分的に基づいて器具状態推定ISTATEを生じる融合アルゴリズムを実行し、ここで前記器具位置信号Iは器具角速度センサから受け取られ、前記器具位置信号Iは器具加速度計から受け取られ、これらはいずれも前記地ならし器具に機械的に連結され;
前記器具状態推定器は、前記並進シャーシ運動インジケータに少なくとも部分的に由来する並進ノイズ信号NTrans及び前記器具インクリノメータに少なくとも部分的に由来する回転ノイズ信号NRotのさらなる関数として前記融合アルゴリズムを実行し、
【数1】
ここで、Wは、前記並進ノイズ信号NTrans、前記回転ノイズ信号NRot、又は両方を表す1つ以上の重み係数である;
前記器具制御構造は、前記器具状態推定ISTATE及び目標器具コマンドを利用し、前記器具状態推定ISTATEと前記目標器具コマンドとの比較に基づき1以上の目標回転自由度における前記地ならし器具の回転運動を制御する、
ことを特徴とする地ならし機。
【請求項2】
前記器具状態推定が、前記並進ノイズ信号NTransが増加すると、器具加速度計から受け取る前記器具位置信号Iよりも、器具角速度センサから受け取る前記器具位置信号Iにより強く依存するように、前記融合アルゴリズムが構成されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項3】
前記器具状態推定が、前記回転ノイズ信号NRotが増加すると、器具加速度計から受け取る前記器具位置信号Iよりも、器具角速度センサから受け取る前記器具位置信号Iにより強く依存するように、前記融合アルゴリズムが構成されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項4】
前記器具状態推定が、前記並進ノイズ信号NTrans又は前記回転ノイズ信号NRotのいずれかが増加すると、器具加速度計から受け取る前記器具位置信号Iよりも、器具角速度センサから受け取る前記器具位置信号Iにより強く依存するように、前記融合アルゴリズムが構成されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項5】
前記並進ノイズ信号NTransが、前記機械シャーシの並進加速度を表すことを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項6】
前記回転ノイズ信号NRotが、前記地ならし器具の回転加速度を表すことを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項7】
前記並進ノイズ信号NTrans、前記回転ノイズ信号NRot、又はその両方が特定の大きさに達する尤度の表示として、前記重み係数が前記融合アルゴリズムにおいて表されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項8】
前記並進ノイズ信号NTrans、前記回転ノイズ信号NRot、又はその両方が特定の大きさである又はそれを超えることを示す2進値として、前記重み係数が前記融合アルゴリズムにおいて表されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項9】
前記並進ノイズ信号NTrans、前記回転ノイズ信号NRot、又はその両方の大きさを示す数値として、前記重み係数が前記融合アルゴリズムにおいて表されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項10】
前記器具角速度センサ、前記器具加速度計のいずれか、又はその両方と関連するフィードバック利得における変化として、前記重み係数が前記融合アルゴリズムにおいて表されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項11】
カルマンフィルタの管理可能変数として、前記重み係数が前記融合アルゴリズムにおいて表されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項12】
前記器具状態推定ISTATEが、前記地ならし器具のピッチに少なくとも部分的に対応することを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項13】
前記器具状態推定器が、前記地ならし器具のピッチ、回転、及び揺れから選択される複数の回転自由度のそれぞれについて、器具位置信号I、Iに少なくとも部分的に基づいて器具状態推定ISTATEを生じる融合アルゴリズムを実行することを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項14】
前記地ならし機が、ユーザインターフェースからの機械運動入力に応答する運動制御モジュールを含み、
前記運動制御モジュールが、前記並進シャーシ運動インジケータとして作用する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項15】
前記地ならし機が、ユーザインターフェースからの機械運動入力に応答する運動制御モジュールを含み、
前記並進シャーシ運動インジケータが、前記運動制御モジュールと連絡しかつ前記運動制御モジュールからのデータに少なくとも部分的に依存し、前記機械シャーシの運動を測定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項16】
前記並進シャーシ運動インジケータが、外部運動センサ、前記地ならし機と関連する運動センサ、又はそれらの組合せを含むことを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項17】
前記並進シャーシ運動インジケータが、速度、位置、加速度、又はそれらの組合せのいずれかを表示することを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項18】
前記並進シャーシ運動インジケータにより提供される前記表示が、前記シャーシの運動、前記地ならし機の動力部品の運動、又はそれらの組合せを表すことを特徴とする、請求項17に記載の地ならし機。
【請求項19】
前記地ならし機が、エンジン、並進トラック、又はその両方を含み、前記示された運動が、エンジン回転数、トラック速度、又はその両方を含むことを特徴とする、請求項18に記載の地ならし機。
【請求項20】
機械シャーシ、並進シャーシ駆動部、並進シャーシ運動インジケータ、地ならし器具、器具インクリノメータ、及び器具状態推定器を含む地ならし機であって、
前記地ならし器具が、前記機械シャーシに連結され、前記並進シャーシ駆動部によって前記機械シャーシに伝えられる並進運動が前記地ならし器具にも伝えられ;
前記地ならし器具が、少なくとも1の回転自由度における回転運動用に構成され;
前記並進シャーシ運動インジケータが、1以上の並進自由度における前記機械シャーシの運動を測定し;
前記器具インクリノメータは、
(i)1以上の並進又は回転自由度における前記地ならし器具の加速度を測定する、器具加速度計、及び
(ii)1以上の回転自由度において前記地ならし器具が回転する速度を測定する、器具角速度センサ、
を含み;
前記器具状態推定器は、器具角速度センサ及び器具加速度計からの器具位置信号、前記並進シャーシ運動インジケータ及び前記器具インクリノメータからの信号、及び、前記並進シャーシ運動インジケータ及び前記器具インクリノメータからの前記信号におけるノイズを表す1以上の重み係数に少なくとも部分的に基づいて、器具状態推定を生じ、
前記器具制御構造は、前記器具状態推定及び目標器具コマンドを利用し、前記器具状態推定ISTATEと前記目標器具コマンドとの比較に基づいて1以上の目標回転自由度における前記地ならし器具の回転運動を制御する、
ことを特徴とする地ならし機。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、その内容が全てここに参照することにより組み込まれる、「Earthmoving Machine Comprising Weighted State Estimator」(Docket CTCT 0251 PA)と題される、2014年8月19日に出願された米国特許出願第14/463106の優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、地ならし機材に関し、より詳細には、その器具の位置を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、限定する目的でなく、ブルドーザや他の種類の地ならし機は、通常、機械のオペレータ制御端末におけるジョイスティック又は他の手段により操作できる、油圧制御地ならし器具を有する。機械のユーザは、器具の上昇、傾斜、角度、及びピッチの制御をすることができ、この器具はブルドーザ又は他の種類のトラック型トラクターのブレードでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の対象によれば、少なくとも1の回転自由度における地ならし機の地ならし器具の自動制御の強化を可能とするシステムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のある実施の形態によれば、並進シャーシ運動インジケータ、地ならし器具インクリノメータ、及び器具状態推定器を含む、地ならし機が提供される。並進シャーシ運動インジケータは、1以上の並進自由度における機械シャーシの動きを測定する。器具インクリノメータは、(i)1以上の並進又は回転自由度における地ならし器具の加速度を測定する、器具加速度計、及び(ii)1以上の回転自由度における地ならし器具が回転する速度を測定する、器具角速度センサ、を含む。器具状態推定器は、(i)器具角速度センサ及び器具加速度計からの器具位置信号、(ii)並進シャーシ運動インジケータ及び器具インクリノメータからの信号、及び(iii)並進シャーシ運動インジケータ及び器具インクリノメータからの信号中のノイズを表す1以上の重み係数、に少なくとも部分的に基づいて、器具状態を推定する。
【0006】
本開示の特定の実施の形態の以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号で示される、以下の図面と共に読まれると最もよく理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示のある実施の形態による地ならし機における自動器具制御のためのシステムの一部の略図
図2】本開示のある実施の形態による地ならし機の象徴図
図3】本開示のある実施の形態による地ならし機における自動器具制御のためのシステムの並進ノイズ推定器部分の略図
図4】本開示のある実施の形態による地ならし機における自動器具制御のためのシステムの回転ノイズ推定器部分の略図
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示のある検討された実施の形態による地ならし機100が、まず図1及び2を参照して説明できる。概して、地ならし機は、機械シャーシ10、並進シャーシ駆動部20、並進シャーシ運動インジケータ30、地ならし器具40、器具インクリノメータ50、器具状態推定器60、及び器具制御構造70を含む。
【0009】
図2に概略的に示されるように、また地ならし器具に精通し本開示の概念を実施する者に容易に理解されるように、地ならし器具40は、機械シャーシ10に連結され、並進シャーシ駆動部20により機械シャーシ10に伝えられる並進運動は、地ならし器具40にも伝えられる。さらに、地ならし器具40は、1以上の目標回転自由度における並進運動用に設定される。
【0010】
並進シャーシ運動インジケータ30は、1以上の並進自由度における機械シャーシ10の運動を測定する。並進シャーシ運動インジケータ30は、並進器械運動を示す信号を提供するための様々の態様で存在してもよいと考えられる。例えば、並進シャーシ運動インジケータ30は、地ならし機100の運動制御モジュール12からのデータに少なくとも部分的に依存し、機械シャーシの運動を測定するよう運動制御モジュール12と連絡して配置される、補助機械部品として提供されてもよいと考えられる。その意味では、並進シャーシ運動インジケータ30は、地ならし機と関連する外部運動センサとして表されてもよい。外部運動センサの例には、測定ホイール、レーダベース又はGPSベースの速度測定装置、あるいは、シャーシ速度、位置、加速度、又はそれらの組合せを示すよう構成できる任意の他の装置が含まれるがこれに限定されない。
【0011】
あるいは、地ならし機100のジョイスティック14又は他のユーザインターフェースからの機械運動インプットに反応を示す、地ならし機100の運動制御モジュール12が、並進シャーシ運動を示す信号を提供することにより並進シャーシ運動インジケータとして作用し得ることが考えられる。その意味では、並進シャーシ運動インジケータは、前から存在する地ならし機100のハードウェアの一部と見ることができる。いずれにせよ、並進シャーシ運動インジケータ30により提供される表示は、シャーシの動き、地ならし機の動力部品の動き、又はそれらの組合せを示してもよい。例えば、地ならし機がエンジン、並進トラック、又は両方を含む場合、表示される動きは、エンジン回転数、トラック速度、又は両方を含んでもよい。
【0012】
インクリノメータは、重力に関して傾斜の角度を測定するために使用できる器具である。これは、傾斜メータ、傾斜インジケータ、ピッチアンドロールセンサ、レベルメータ、及びグラジオメータとしても知られる。様々の産業用システムで使用されるインクリノメータを使用して、例えばブルドーザのブレードのような、地ならし器具の角度傾斜、ピッチ、及び回転を測定できる。従って、図示した実施形態において、器具インクリノメータ50は、以下を含む:(i)1以上の並進又は回転自由度における地ならし器具40の加速度を測定する、器具加速度計、及び(ii)1以上の回転自由度において地ならし器具40が回転する速度を測定する、器具角速度センサ。
【0013】
本開示の主題は、以下の少なくとも2つの構成要素を含むインクリノメータを対象とすることに留意する:直線的動きと重力との組合せを検知する加速度計、及び方向の変化を検知するジャイロ又は他の種類の角速度センサ。より詳細には、加速度計は、1以上の並進又は回転自由度において物体がどの程度速く加速するかを測定し、ジャイロは、1以上の回転自由度において物体がどの程度速く動くかを測定する。本開示は、特定の加速度計又はジャイロ構成に限定されない。本開示は、それぞれの操作の態様にも限定されない。むしろ、本開示の概念を実施する者は、インクリノメータ、より詳細には、例としてムラタエレクトロニクスから入手できるSCC1300−D04、ジャイロスコープ一体型3軸加速度計がその例である、1つ以上の加速度計及び1つ以上のジャイロを利用するインクリノメータにおける、従来の及び将来開発される教示を参照してもよいと考えられる。
【0014】
バイアスシフトはしばしば、インクリノメータ測定において経験される最も一般的な定誤差であるので、本開示によるインクリノメータは、検出バイアスを明らかにする機械状態推定を生じるよう構成されてもよいと考えられる(例えば、Fowler et al.,“Inclinometers−the Good, the Bad and the Future,”9th International Symposium on Field Measurements in Geomechanics, www.fmgm2015.com/media,及び、レート・ジャイロ及び加速度計からのデータを融合して長期間無ドリフト姿勢評価を行う状態推定アルゴリズムを提案する、Rehbinder et al.,“Drift−free Attitude Estimation for Accelerated Rigid Bodies,”Automatica 40(2004)653−659を参照)。本開示の概念の実施において使用される特定の種類のインクリノメータに関わらず、動態モデルを使用する状態推定及び状態測定は、制御産業においてよく確立された分野であり、その用途は多くの異なる形態を取り得ることに注目すべきである。例えば、ジャイロ測定の単一軸を含む加速度の単一軸を測定してもよい。これは、単一軸のブレードピッチ又はブレードスロープの制御に十分であり得る。この簡単なケースでは、システムを以下の一次方程式によりモデル化できる:
【0015】
【数1】
【0016】
ここで、θは、軸yに垂直な軸xの周りの回転であり、
【0017】
【数2】
【0018】
である。
【0019】
2つの加速度計及び1つのジャイロについて、システムは、以下のようにモデル化できる:
【0020】
【数3】
【0021】
ここで、軸xは軸y及びzに垂直である。
【0022】
2つの加速度計及び2つのジャイロを有する2軸システムについて、このシステムは、以下のようにモデル化できる:
【0023】
【数4】
【0024】
ここで、
【0025】
【数5】
【0026】
である。
【0027】
3つの加速度計及び3つのジャイロを有する3軸システムについて、このシステムは、以下のようにモデル化できる:
【0028】
【数6】
【0029】
ここで、
【0030】
【数7】
【0031】
である。
【0032】
加速度についての上記の式は、静的ケースにおいて概して正確である。動的ケースにおいて、基本的3次元力学における教示から収集されるように、角速度及び距離をシステムモデルにおける回転軸に組み込むことが必要かもしれないと考えられる。
【0033】
【数8】
【0034】
【数9】
【0035】
及び
【0036】
【数10】
【0037】
の関数は、最も単純化した形態で:
【0038】
【数11】
【0039】
となる。
【0040】
しかしながら、これらの関数についてのより精密化された式を、オイラー回転、クォータニオン、又は慣性航法の当業者によく知られる同様の3次元分析の使用に関する従来の及び将来開発される教示を参照して、展開できることに留意する。
【0041】
加速度の測定を使用して角度推定を補正でき、ジャイロ・レートの測定を使用して角速度推定を補正できることも考えられる。ジャイロ又は加速度計のバイアスのようなより複雑な動きもまた、運動方程式で数学的に表し推定してもよい。さらに、回転及び加速度の複数の軸を、オイラー回転、クォータニオン、又は他の3次元方法を使用して組み合わせ、航空機ナビゲーションについて一般に行われるようにより完全な解法を提供してもよい。既知の力学を使用してこの推定のための解法をより良好に最適化するカルマンフィルターを加えてもよい。
【0042】
図1及び2を再度参照すると、器具状態推定器60は、器具位置信号I、Iに少なくとも部分的に基づいて、器具状態推定ISTATEを生じる融合アルゴリズムを実行するための適切な処理ハードウェアを含む。器具位置信号Iは、器具インクリノメータ50の器具角速度センサから受け取ることができ、器具位置信号Iは、器具インクリノメータ50の器具加速度計から受け取ることができ、これらはそれぞれが図2に概略的に示され、地ならし器具40に機械的に連結される。
【0043】
図1に示されるように、器具状態推定器60は、並進ノイズ信号NTrans及び回転ノイズ信号NRotのさらなる関数として融合アルゴリズムを実行する。並進ノイズ信号NTransの発生が図3により詳細に示され、図3は、並進ノイズ信号NTransが、少なくとも部分的に、地ならし機100のユーザインターフェースにおいてオペレータの入力に応答して地ならし機100が横断する地形の性質の関数であることを概略的に示す。図3はまた、並進ノイズ信号NTransが、並進シャーシ運動インジケータ30からの機械運動信号に少なくとも部分的に由来することを示す。並進ノイズ信号NTransはまた、機械運動信号を、機械運動を開始する対応するオペレータの入力と比較することにより導かれ得る。機械運動信号の発生に関するさらなる詳細が、以下に示される。
【0044】
回転ノイズ信号NRotの発生が、図4により詳細に示され、図4は、信号が、少なくとも部分的に地ならし機100が横断する地形の性質の関数であり、器具インクリノメータに少なくとも部分的に由来することを示し、
【0045】
【数12】
【0046】
ここで、器具位置信号Iは、器具インクリノメータ50の器具角速度センサから受け取ることができ、器具位置信号Iは、器具インクリノメータ50の器具加速度計から受け取ることができ、Wは、並進ノイズ信号NTrans、回転ノイズ信号NRot、又は両方を表す1つ以上の重み係数を表す。重み係数Wの性質に関するさらなる詳細及びそれが適用される態様が以下に示される。
【0047】
図1に概略的に示されるように、器具制御構造70は、電気的及び機械的ハードウェア、並びに地ならし器具を操作するための関連するソフトウェアを含み、器具状態推定ISTATEと目標回転自由度における地ならし器具40の回転運動を制御するためのオペレータ入力に由来する目標器具コマンドとの間の比較Δから生じるエラー信号を利用する。
【0048】
本発明者らは、器具角速度センサ(例えばジャイロ)及び器具加速度計の組合せを使用して地ならし機40の動態を観察する場合に、前記の重み係数Wを使用することによりシステムノイズの関数としてこれらの構成要素からの信号に起因する相対荷重を調製することが最良であることを認めた。例えば、システム中に振動又は他の種類の加速ノイズがほとんど又は全くない場合に、器具加速度計は通常、器具ジャイロ又は他の種類の角速度センサよりも良好に機能する。しかしながら、比較的高いノイズ条件下では、器具ジャイロ及び他の種類の角速度センサが通常、器具加速度計よりも良好に機能するものであるが、これらのセンサはしばしば、特定の条件下で不正確になる原因となり得る他の測定バイアスをもたらすので、これらのセンサに完全に依存することを避けるための注意が必要である。したがって、本開示の特定の概念は、並進ノイズ信号NTrans、回転ノイズ信号NRot、又は両方の関数として器具角速度センサ及び器具加速度計からの信号の使用において適切なバランスを確立する補助をするために、器具状態推定ISTATEの測定における前記の重み係数Wの使用を対象とする。
【0049】
本開示の特定の実施の形態による融合アルゴリズムは、並進及び回転ノイズ信号NTrans、NRotのいずれか又は両方が増加する際に、器具状態推定が、器具加速度計から受け取る器具位置信号Iよりも器具角速度センサから受け取る器具位置信号Iにより強く依存するように構成されてもよい。図2を参照すると、並進ノイズ信号NTransは、機械シャーシ10の並進加速度を表すものでもよく、回転ノイズ信号NRotは、地ならし器具40の回転加速度を表すものでもよい。
【0050】
重み係数Wは、並進ノイズ信号NTrans、回転ノイズ信号NRot、又は両方の大きさを直接又は間接に表してもよい、又は、並進ノイズ信号NTrans、回転ノイズ信号NRot、又は両方が特定の大きさである又はそれを超えることを示す2進値でもよいと考えられる。あるいは、重み係数Wは、並進ノイズ信号NTrans、回転ノイズ信号NRot、又は両方が特定の大きさに達する尤度を表してもよい。ある実施の形態において、重み係数Wは、器具角速度センサ、器具加速度計のいずれか又は両方に関連するフィードバック利得における変化として融合アルゴリズムで表されてもよいと考えられる。この場合、重み係数Wは、ノイズが増加すると、器具加速度利得を減少させる又は角速度センサ利得を増加させる作用をする。
【0051】
一般に、異なるセンサからのデータを融合し、統計的意味での最適推定を行うために、カルマンフィルタを使用できる。システムを線形モデルで表すことができ、システムエラー及びセンサエラーの両方がホワイトガウスノイズとしてモデル化できる場合、カルマンフィルタは、融合データについて固有の統計的に最適の推定を提供するであろう。このことは、特定の条件下ではカルマンフィルタはそれぞれの測定の「正確さ」に基づいて最良の推定を見出すことができることを意味する。一群のセンサからの測定をカルマンフィルタを使用して融合し、システムの現在の状態の評価及びシステムの未来の状態の予想の両方を提供できる。カルマンフィルタへの入力は、システム測定及びシステム及びセンサのノイズ特性を含むので、カルマンフィルタは、本開示のセンサ融合における使用に特に良好に適合する。さらに、カルマンフィルタの出力は、システム測定の加重平均に基づいてもよい。したがって、重み係数は、カルマンフィルタの管理可能変数として、例えばカルマンフィルタ利得を調製する変数として、融合アルゴリズムに表されてもよいと考えられる。
【0052】
例えば、上記の場合には:
【0053】
【数13】
【0054】
である。
【0055】
状態推定器は:
【0056】
【数14】
【0057】
のような単純形で与えてもよい。
【0058】
しかしながら、本発明者らは、これが推定の開ループ形態でありドリフトする傾向があることを認識した。したがって、加速度の測定を介してθxの状態を測定できるとすれば、以下の形態の単純推定を与えることができる:
【0059】
【数15】
【0060】
ここで、
【0061】
【数16】
【0062】
は、動態的加速度の測定から直接推定される角度である。この推定は、カルマンフィルタ又は従来の又は将来開発される最適化手段の使用により改良できると考えられる。さらに、複数軸、例えば2又は3軸における測定を利用して、推定の正確性を改良し測定の追加の軸における角運動を予測できると考えられる。カルマンフィルタの使用及び角速度変化の関係を角運動にまで拡張することは、当業界においてよく知られており、本開示の方法論に適切に適用できる。上記の例は、本開示の方法論を明らかにするためにのみここに示され、添付の特許請求の範囲を制限するものとして取られるべきでない。
【0063】
いずれにせよ、本開示の適応推定の考えを実施し、以下のように、危険量又は過剰量の加速度が存在することを示す信号に基づいて、加速度からの角度の測定
【0064】
【数17】
【0065】
における推定θxの依存を緩和することができる:
【0066】
【数18】
【0067】
機械運動信号又は機械回転速度を示す他の信号を、測定された回転速度と共に又はその代わりに使用してもよいと考えられる。例えば、トラック式機械の右側のトラック速度が左側のトラック速度の2倍である場合、機械は、カーブに傾き曲がっている可能性が高い。また、機械のジョイスティック入力を使用して、機械速度の増加又は方向/位置付けの変化を示してもよい。いずれにせよ、本開示の概念を実施することにより、大量の回転又は並進加速度が検出される場合に加速度フィードバックの影響を減少でき、本発明の方法論の実施が様々の異なる方法で達成され得ることに留意することが重要である。
【0068】
図2を参照すると、ブルドーザ10又は他の種類のトラック式トラクター(TTT)を主に参照して本開示の概念がここに記載されているが、本開示の範囲は、1以上の回転自由度におけるピッチ、傾斜、角度、又は他の動きが可能な地ならし器具を使用する任意の地ならし機械により広く適用可能であることが留意される。例えば、器具状態推定器は、地ならし器具のピッチ、回転、及び揺れ(yaw)から選択される複数の回転自由度のそれぞれについて、器具位置信号I、Iに少なくとも部分的に基づいて器具状態推定ISTATEを生じる融合アルゴリズムを実行するよう構成できると考えられる。
【0069】
地ならし機が、地ならし器具の位置が制御されている間に回転を実施する能力を一般に備えているという事実を考えれば、本開示の概念を実施する者は、回転を行う間の加速度に関する問題に取り組むために、米国特許第7970519号明細書(“Control for an Earthmoving System While Performing Turns”)を参照することが有益であると見出し得ると考えられる。
【0070】
本発明を説明及び定義するために、パラメータの「関数」である変数又は他の変数へのここでの参照は、この変数がもっぱら列挙されるパラメータ又は変数の関数であることを示す意図ではないことが留意される。むしろ、列挙されるパラメータの「関数」である変数へのここでの参照は、この変数が単一のパラメータ又は複数のパラメータの関数でもよいというオープンエンドであることを意図するものである。「少なくとも1つの」部品、要素などのここでの記載は、冠詞“a”又は“an”の代替的使用が単一の部品、要素などに限定されるという推定を産み出すものとして使用されるのではないこともまた留意される。
【0071】
ある特定の特性を具体化する、又はある特定の態様で作用するために、ある特定の点で本開示の部品が「構成される」又は「プログラムされる」というここでの記載は、用途の記載ではなく構造的記載であることが留意される。より詳細には、ある部品が「プログラムされる」又は「構成される」態様へのここでの参照は、部品の現在の物理的状態を示し、したがって、その部品の構造的特徴の明確な説明として考えられるべきである。
【0072】
「好ましくは」、「一般的に」、及び「通常」のような用語は、ここで用いられる場合、特許請求の発明の範囲を限定したり、特許請求の発明の構造又は機能に特定の特徴が決定的、必須、又は重要であることを意味したりするために利用されるのではないことに留意すべきである。むしろ、これらの用語は、本開示の実施の形態の特定の態様を同定する、又は本開示の特定の実施の形態において利用されてもされなくてもよい代替的な又は追加の特徴を強調することを単に意図するものである。
【0073】
本開示の主題を詳細に及び特定の実施の形態を参照して記載してきたが、ここに開示される様々の詳細は、特定の要素が本記載に添付される図面の各々に特定の要素が図示される場合でも、これらの詳細がここに記載される様々の実施の形態の必須の構成要素である要素に関することを意味するものとして取られるべきでないことに留意する。さらに、添付の請求項に定められる実施形態を含むがこれに限定されない本開示の範囲を逸脱せずに、修正及び変更が可能であることが明らかであろう。より詳細には、本開示のある態様がここに好ましい又は特に有利なものとして定められているが、本開示は必ずしもこれらの態様に限定されるものではないと考えられる。
【0074】
以下の請求項の1つ以上は、移行句として「特徴とする(wherein)」を使用することが留意される。本発明を定めるために、この用語は、一連の構造の特徴の詳述を導入するために使用されるオープンエンドの移行句として請求項に導入され、より一般的に使用されるオープンエンドの前提用語「含む(comprising)」と同様の態様で解釈されるべきであることが留意される。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2017年5月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械シャーシ、並進シャーシ駆動部、並進シャーシ運動インジケータ、地ならし器具、器具インクリノメータ、器具状態推定器、及び器具制御構造を含む地ならし機であって、
前記地ならし器具が、前記機械シャーシに連結され、前記並進シャーシ駆動部によって前記機械シャーシに伝えられる並進運動が前記地ならし器具にも伝えられ;
前記地ならし器具が、1以上の目標回転自由度における回転運動用に構成され;
前記並進シャーシ運動インジケータが、1以上の並進自由度における前記機械シャーシの運動を測定し;
前記器具インクリノメータは、
(i)1以上の並進又は回転自由度における前記地ならし器具の加速度を測定する、器具加速度計、及び
(ii)1以上の回転自由度において前記地ならし器具が回転する速度を測定する、器具角速度センサ、
を含み;
前記器具状態推定器は、器具位置信号I、Iに少なくとも部分的に基づいて器具状態推定ISTATEを生じる融合アルゴリズムを実行し、ここで前記器具位置信号Iは器具角速度センサから受け取られ、前記器具位置信号Iは器具加速度計から受け取られ、これらはいずれも前記地ならし器具に機械的に連結され;
前記器具状態推定器は、前記並進シャーシ運動インジケータに少なくとも部分的に由来する並進ノイズ信号NTrans及び前記器具インクリノメータに少なくとも部分的に由来する回転ノイズ信号NRotのさらなる関数として前記融合アルゴリズムを実行し、
【数1】
ここで、Wは、前記並進ノイズ信号NTrans、前記回転ノイズ信号NRot、又は両方を表す1つ以上の重み係数である;
前記器具制御構造は、前記器具状態推定ISTATE及び目標器具コマンドを利用し、前記器具状態推定ISTATEと前記目標器具コマンドとの比較に基づき1以上の目標回転自由度における前記地ならし器具の回転運動を制御する、
ことを特徴とする地ならし機。
【請求項2】
前記器具状態推定が、前記並進ノイズ信号NTransが増加すると、器具加速度計から受け取る前記器具位置信号Iよりも、器具角速度センサから受け取る前記器具位置信号Iにより強く依存するように、前記融合アルゴリズムが構成されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項3】
前記器具状態推定が、前記回転ノイズ信号NRotが増加すると、器具加速度計から受け取る前記器具位置信号Iよりも、器具角速度センサから受け取る前記器具位置信号Iにより強く依存するように、前記融合アルゴリズムが構成されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項4】
前記器具状態推定が、前記並進ノイズ信号NTrans又は前記回転ノイズ信号NRotのいずれかが増加すると、器具加速度計から受け取る前記器具位置信号Iよりも、器具角速度センサから受け取る前記器具位置信号Iにより強く依存するように、前記融合アルゴリズムが構成されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項5】
前記並進ノイズ信号NTrans、前記回転ノイズ信号NRot、又はその両方が特定の大きさに達する尤度の表示として、前記重み係数が前記融合アルゴリズムにおいて表されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項6】
前記並進ノイズ信号NTrans、前記回転ノイズ信号NRot、又はその両方が特定の大きさである又はそれを超えることを示す2進値として、前記重み係数が前記融合アルゴリズムにおいて表されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項7】
前記並進ノイズ信号NTrans、前記回転ノイズ信号NRot、又はその両方の大きさを示す数値として、前記重み係数が前記融合アルゴリズムにおいて表されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項8】
前記器具角速度センサ、前記器具加速度計のいずれか、又はその両方と関連するフィードバック利得における変化として、前記重み係数が前記融合アルゴリズムにおいて表されることを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項9】
前記器具状態推定ISTATEが、前記地ならし器具のピッチに少なくとも部分的に対応することを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項10】
前記器具状態推定器が、前記地ならし器具のピッチ、回転、及び揺れから選択される複数の回転自由度のそれぞれについて、器具位置信号I、Iに少なくとも部分的に基づいて器具状態推定ISTATEを生じる融合アルゴリズムを実行することを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項11】
前記地ならし機が、ユーザインターフェースからの機械運動入力に応答する運動制御モジュールを含み、
前記並進シャーシ運動インジケータが、前記運動制御モジュールと連絡しかつ前記運動制御モジュールからのデータに少なくとも部分的に依存し、前記機械シャーシの運動を測定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項12】
前記並進シャーシ運動インジケータが、速度、位置、加速度、又はそれらの組合せのいずれかを表示することを特徴とする、請求項1に記載の地ならし機。
【請求項13】
前記並進シャーシ運動インジケータにより提供される前記表示が、前記シャーシの運動、前記地ならし機の動力部品の運動、又はそれらの組合せを表すことを特徴とする、請求項12に記載の地ならし機。
【請求項14】
前記地ならし機が、エンジン、並進トラック、又はその両方を含み、前記示された運動が、エンジン回転数、トラック速度、又はその両方を含むことを特徴とする、請求項13に記載の地ならし機。
【請求項15】
機械シャーシ、並進シャーシ駆動部、並進シャーシ運動インジケータ、地ならし器具、器具インクリノメータ、及び器具状態推定器を含む地ならし機であって、
前記地ならし器具が、前記機械シャーシに連結され、前記並進シャーシ駆動部によって前記機械シャーシに伝えられる並進運動が前記地ならし器具にも伝えられ;
前記地ならし器具が、少なくとも1の回転自由度における回転運動用に構成され;
前記並進シャーシ運動インジケータが、1以上の並進自由度における前記機械シャーシの運動を測定し;
前記器具インクリノメータは、
(i)1以上の並進又は回転自由度における前記地ならし器具の加速度を測定する、器具加速度計、及び
(ii)1以上の回転自由度において前記地ならし器具が回転する速度を測定する、器具角速度センサ、
を含み;
前記器具状態推定器は、器具角速度センサ及び器具加速度計からの器具位置信号、前記並進シャーシ運動インジケータ及び前記器具インクリノメータからの信号、及び、前記並進シャーシ運動インジケータ及び前記器具インクリノメータからの前記信号におけるノイズを表す1以上の重み係数に少なくとも部分的に基づいて、器具状態推定を生じ、
前記器具制御構造は、前記器具状態推定及び目標器具コマンドを利用し、前記器具状態推定ISTATEと前記目標器具コマンドとの比較に基づいて1以上の目標回転自由度における前記地ならし器具の回転運動を制御する、
ことを特徴とする地ならし機。
【国際調査報告】