(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-532497(P2017-532497A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】風力発電機の単一フレーム型羽根車
(51)【国際特許分類】
F03D 7/04 20060101AFI20171006BHJP
F03D 1/06 20060101ALI20171006BHJP
【FI】
F03D7/04 E
F03D1/06 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-522530(P2017-522530)
(86)(22)【出願日】2015年7月23日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月19日
(86)【国際出願番号】CN2015084917
(87)【国際公開番号】WO2016062139
(87)【国際公開日】20160428
(31)【優先権主張番号】201410561011.7
(32)【優先日】2014年10月21日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517140712
【氏名又は名称】ジャン シャオシン
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(74)【代理人】
【識別番号】100115451
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100130029
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 道雄
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シャオシン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ダオユー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シュグオ
(72)【発明者】
【氏名】リイウ ハイポン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン フェイ
(72)【発明者】
【氏名】バイ ジュンピン
(72)【発明者】
【氏名】バイ ジェンイー
(72)【発明者】
【氏名】ハン イェンジェ
(72)【発明者】
【氏名】ワン シンタオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャ シュエジャオ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB31
3H178CC01
3H178CC05
3H178DD32X
(57)【要約】
【課題】力発電機の単一フレーム型羽根車を提供する。
【解決手段】該風力発電機の単一フレーム型羽根車は、ロータフレーム1、羽根調節装置、受け座6および傾斜支持ロッド4を含む。羽根調節装置および受け座6が接続されてタービン7の主軸の先端に取り付けられ、ロータフレーム1と受け座6が傾斜支持ロッド4を介して接続され、羽根2が羽根調節装置を取り囲んで軸を介してロータフレーム1内に取り付けられる。羽根調節装置は、密閉する調節室5を有し、調節室5に歯車式あるいは連接ロッド式調節機構が取り付けられる。羽根接続方式の変更により、羽根数が増加され、風力エネルギーの利用効率および全機出力電力が向上し、風力発電機の体積、高さおよび重量が低減され、構造が適切であり、日常的な保守やメンテナンスが便利になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸が水平に設置されるタービン(7)を含む、風力発電機の単一フレーム型羽根車であって、
ロータフレーム(1)、羽根(2)、受け座(6)、傾斜支持ロッド(4)および羽根調節装置をさらに含み、
前記羽根調節装置は、羽根調節室(5)、動力手段および調節機構を含み、前記羽根調節室(5)は、水平筒形を成し、前記羽根調節室(5)の後端は前記受け座(6)の前部に連結固定され、前記羽根調節室(5)および前記受け座(6)は前記タービンの主軸の先端に取り付けられ、前記受け座(6)と前記ロータフレーム(1)とが前記傾斜支持ロッド(4)を介して接続され、前記羽根調節室(5)は前記ロータフレーム(1)の中央に位置し、前記傾斜支持ロッド(4)は前記受け座(6)の周りに均一に分布され、前記羽根調節室(5)内に前記動力手段および前記調節機構が取り付けられ、
前記羽根(2)は、羽根軸(9)に固定取り付けられ、前記羽根軸(9)の外側端部は、軸受胴を介して前記ロータフレーム(1)に取り付けられ、前記羽根軸(9)の内側端部は、前記羽根調節室(5)の筒形側壁に突入され、前記羽根軸は、前記軸受胴を介して前記羽根調節室(5)の筒形側壁と係合し、且つ、係止肩あるいはチャックによって位置制限され、前記羽根(2)は、前記羽根調節室(5)の周りに均一に分布され、
前記羽根調節装置の前記調節機構は、歯車式調節機構あるいは連接ロッド式調節機構であり、前記歯車式調節機構は、主伝動歯車(12)、二重歯車(11)および軸端かさ歯車(10)を含み、前記軸端かさ歯車(10)が前記羽根調節室内の前記羽根軸(9)の端部に固定され、前記主伝動歯車(12)が歯車軸を介して前記羽根調節室(5)の中部に取り付けられ、前記主伝動歯車(12)の周りに複数の前記二重歯車(11)が取り付けられ、前記二重歯車が柱状歯車および錐形歯車を含み、前記二重歯車の柱状歯車部分が前記主伝動歯車(12)と噛み合い、前記二重歯車の錐形歯車部分が前記軸端かさ歯車(10)と噛み合い、前記主伝動歯車(12)が前記動力手段の動力出力機構に接続され、
前記連接ロッド式調節機構は、押し引き伝動機構、調節フレーム(19)、回動アーム(20)および連接ロッド(21)を含み、前記押し引き伝動機構は、揺動アーム(16)、位置決め軸(15)、主駆動アーム(17)および押し引きロッド(18)を含み、前記羽根調節室(5)の筒形側壁の内側にガイドレールが設けられ、前記調節フレーム(19)は、軸受あるいはローラを介して前記羽根調節室の側壁のガイドレールに取り付けられ、前記回動アーム(20)は、前記羽根調節室内に位置する前記羽根軸(9)の端部に垂直固定され、前記回動アーム(20)の他方端は、前記連接ロッド(21)にヒンジ接続され、前記連接ロッド(21)の他方端は、前記調節フレーム(19)にヒンジ接続され、前記羽根調節室(5)の前後端板内壁のいずれにも、対応する固定座(14)が設けられ、前記位置決め軸(15)は、前記調節フレーム(19)の中部を垂直に貫通し、前記位置決め軸(15)の両端は、軸受および軸受座を介して前記固定座(14)に取り付けられ、前記揺動アーム(16)の一方端は、前記位置決め軸(15)の中部に垂直固定され、前記揺動アーム(16)の他方端は、前記主駆動アーム(17)にヒンジ接続され、前記主駆動アーム(17)が前記羽根調節装置の前記動力手段の前記出力機構に接続され、前記押し引きロッド(18)の両端がそれぞれ前記揺動アーム(16)の中部と前記調節フレーム(19)とにヒンジ接続されることを特徴とする風力発電機の単一フレーム型羽根車。
【請求項2】
前記ロータフレーム(1)と前記羽根調節室(5)との間には、ラジアルストラット(13)が接続固定されることを特徴とする請求項1に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車。
【請求項3】
前記羽根(2)は、中空構造であり、前記羽根(2)の横断面が弧形を成し、前記羽根(2)内にささえリブ板が設けられ、羽根面が縦方向の螺旋曲面であることを特徴とする請求項1に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車。
【請求項4】
前記羽根調節室(5)の先端には、錐型の分流カバー(3)が取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車。
【請求項5】
前記羽根調節装置の前記動力手段は、モータを用いることを特徴とする請求項1に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電機器の技術分野に関し、具体的に、風力発電機の単一フレーム型羽根車に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電機は、自然風力エネルギーを利用して羽根(ブレード)およびタービンの主軸の回転を駆動することにより、モータ回転子を回動させて発電するため、グリーン環境保護等の特徴があり、幅広く応用されている。
【0003】
現在、風力発電機の大半は、主軸が水平に設置される3つの駆動羽根を有する形態である。当該構造の風力発電機は、一般的に、羽根の長さが伸びることによって、即ち、羽根の受風面積の増加によって、定格出力電力を向上させ、風力発電機の電力を向上させる一方、その全体の体積、高さ、重量が増加している。しかし、高い機体高さにより、全体の揺れ度合いが大きくなり、風抵抗能力が低下し、全機の構造、強度、材料等の設計要求が大幅に厳しくなっている。特に、羽根角度調節機構が複雑になり、各羽根角度調節に同期ずれが発生し、製造、運転および日常保守のコストが高くなる。また、風力発電機が風速に敏感になり、風速の利用可能な範囲が狭くなる(風速が25m/sより大きいとき、電源切れ・リスク回避を実施することが一般的である)ため、風力リソースの大量の浪費を招来し、単位キロワットあたりの電気エネルギーを取得するコストが上昇する。そのため、風力発電機器の投資が大きく、コスト回収周期が長く、年間利用時間が少ないという問題が、通常、存在する。さらに、民用の風力発電機は、コスト、構造に制限があるため、羽根角度が調整不可能であり、ロータのスピードオーバー、いわゆる「飛び出し」故障がよく見られる。なお、当該構造の風力発電機羽根は、材料および構造の制限で、運転中、特に雷雨天気において、雷に打たれて羽根が折れる確率が高い。
【0004】
また、特許文献1に開示された水平軸風力発電機の扉形羽根および伸縮可能なロータ、ならびに特許文献2に開示された水平軸風力発電機のオール形羽根およびドラム状伸縮可能なロータにより、羽根の同期、風力発電機の体積削減等の課題を部分的に解決したが、そのロータの構造が2つ〜3つの円形フレームおよび複数本の支持ロッドであるため、全機のヘッダ部の重量があえて減少していない。特に、羽根の調節機構には、フレームに溝を設けて鋼ローブで引っ張られる方式が採用されているため、構造が複雑であり、腐食防止および日常保守やメンテナンスを行うことが困難である。また、鋼ローブとフレーム溝の摩擦損失が大きいため、トータル運転および単位発電コストが依然として期待できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許201420077847.5号明細書
【特許文献2】中国特許201420078001.3号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術における不足を克服して、風力エネルギーの利用率および発電効率を高める風力発電機の単一フレーム型羽根車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決手段は、風力発電機の単一フレーム型羽根車を提供し、主軸に水平に設置
されるタービン7を含み、ロータフレーム(Wind Wheel Frame)、羽根、受け座、傾斜支持ロッドおよび羽根調節装置をさらに含む。
【0008】
羽根調節装置は、羽根調節室、動力手段および調節機構を含む。羽根調節室は、水平筒形を成し、羽根調節室の後端は受け座の前部に接続固定される。羽根調節室および受け座は、タービンの主軸の先端に取り付けられる。受け座とロータフレームとが傾斜支持ロッドを介して接続される。羽根調節室は、ロータフレームの中央に位置する。傾斜支持ロッドは、受け座の周りに均一に分布される。羽根調節室内に動力手段および調節機構が取り付けられる。
【0009】
羽根は、羽根軸に固定的に取り付けられる。羽根軸の外側端部は、軸受胴を介してロータフレームに取り付けられ、羽根軸の内側端部は、羽根調節室の筒形側壁に突入される。羽根軸は、軸受胴を介して羽根調節室の筒形側壁と係合し、且つ、係止肩あるいはチャックによって位置制限される。羽根は、羽根調節室の周りに均一に分布される。
【0010】
羽根調節装置の調節機構は、歯車式調節機構あるいは連接ロッド式調節機構である。歯車式調節機構は、主伝動歯車、二重歯車および軸端かさ歯車を含む。軸端かさ歯車は、羽根調節室内の羽根軸の端部に固定される。主伝動歯車は、歯車軸を介して羽根調節室の中部に取り付けられる。主伝動歯車の周りに複数の二重歯車が取り付けられる。二重歯車は、柱状歯車および錐形歯車を含み、二重歯車の柱状歯車部分が主伝動歯車と噛み合い、二重歯車の錐形歯車部分が軸端かさ歯車と噛み合う。主伝動歯車は、動力手段の動力出力機構に接続される。
【0011】
連接ロッド式調節機構は、押し引き伝動機構、調節フレーム、回動アームおよび連接ロッドを含む。押し引き伝動機構は、揺動アーム、位置決め軸、主駆動アームおよび押し引きロッドを含む。羽根調節室の筒形側壁の内側にガイドレールが設けられる。調節フレームは、軸受あるいはローラを介して羽根調節室の側壁のガイドレールに取り付けられる。回動アームは、羽根調節室内に位置する羽根軸の端部に垂直固定される。回動アームの他方端は、連接ロッドにヒンジ接続される。連接ロッドの他方端は、調節フレームにヒンジ接続される。羽根調節室の前後端板内壁のいずれにも、対応する固定座が設けられる。位置決め軸は、調節フレームの中部から垂直に通り抜ける。位置決め軸の両端は、軸受および軸受座を介して固定座に取り付けられる。揺動アームの一方端は、位置決め軸の中部に垂直固定され、揺動アームの他方端は、主駆動アームにヒンジ接続される。主駆動アームは、羽根調節装置の動力手段の出力機構に接続される。押し引きロッドの両端は、それぞれ揺動アームの中部と調節フレームとにヒンジ接続される。
【0012】
さらに、前記ロータフレームと羽根調節室との間には、ラジアルストラット(Radial Strut)が接続的に固定される。
【0013】
さらに、前記羽根は、中空構造であり、羽根の横断面は弧形を成し、羽根内にささえ板が設けられ、羽根面は縦の螺旋曲面である。
【0014】
さらに、前記羽根調節室の先端には、錐型のスピナーが取り付けられる。
【0015】
さらに、前記羽根調節装置の動力手段は、モータを用いる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、以下の格別な作用効果を有する。本発明では、ロータ式のフレーム内に軸周りに回動可能な羽根が複数取り付けられ、ロータフレームが金属材料からなるため、羽根が雷に直接打たれることを回避できる。また、羽根の数の増加や形状の変更により、羽根
接続方式が変更され、羽根の両端が力を受けるため、接続強度が向上し、羽根の調節角度が拡張され、低風速および高風速領域の使用を同時に満足でき、風力発電機の風力エネルギーの利用効率および全機出力電力が向上し、単位発電電力のコストが削減され、風力発電機の体積、高さおよび重量が低減される。これにより、3つの羽根を有する水平軸風力発電機の出力電力の増加が困難であること、風力発電機の利用可能な風速範囲が狭いこと、および羽根が雷に損害されやすいことなどの従来技術の問題を解決できる。本発明の技術特徴は、伸縮可能なロータ式風力発電機よりも、風力発電機のヘッダの重量、体積、主軸の長さを大幅に低減し、羽根調節装置を改良し、調節機構を調節室内に置くようにして、構造が適切で、ロスが小さく、故障率が低減され、日常的な保守やメンテナンスが便利になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施例1の構造を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施例1の歯車式羽根調節機構の構造を示す模式図である。
【
図5】本発明の実施例2の構造を示す模式図である。
【
図6】本発明の実施例2のロータフレームと羽根調節室との接続を示す模式図である。
【
図7】本発明の実施例2の連接ロッド式羽根調節機構の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
【0018】
1 ロータフレーム
2 羽根
3 スピナー
4 傾斜支持ロッド
5 羽根調節室
6 受け座
7 タービン
8 ポールタワー
9 羽根軸
10 軸端かさ歯車
11 二重歯車
12 主伝動歯車
13 ラジアルストラット
14 固定座
15 スライダ
16 揺動アーム
17 主駆動アーム
18 押し引きロッド
19 調節フレーム
20 回動アーム
21 連接ロッド
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面および実施例を組み合わせて本発明の発明内容をさらに説明する。
【0020】
実施例1
図1〜
図4から分かるように、本発明の解決手段は、主軸が水平に設置されるタービン7、ロータフレーム1、羽根2、受け座6、傾斜支持ロッド4および羽根調節装置を含む
。タービン7は、ポールタワー8のトップに取り付けられる。
【0021】
羽根調節装置は、羽根調節室5、動力手段および調節機構を含む。羽根調節室5は、水平筒形を成し、羽根調節室5の後端は受け座6の前部に接続固定され、羽根調節室5および受け座6は、一体化されてタービンの主軸の先端に取り付けられ、主軸とともに回転する。受け座6とロータフレーム1が傾斜支持ロッド4を介して接続され、羽根調節室5はロータフレーム1の中央に位置し、受け座6はロータフレーム平面の後方に位置する。傾斜支持ロッド4は、受け座6の周りに均一に分布され、羽根調節室5内に動力手段および調節機構が取り付けられる。羽根調節室5の先端端板に錐型のスピナー3が取り付けられ、ロータフレーム1は、金属材料からなり、そのフレーム本体が自ずと環状の雷回避装置を形成する。このため、雷雨天気に遭遇したとき、羽根の中部が直接雷に打たれて羽根の破裂損害になることが回避され、故障率が大幅に低減される。
【0022】
羽根2は、羽根軸9に固定的に取り付けられ、羽根2は、中空構造であり、羽根の横断面は、弧形を成し、羽根2の内部にささえ板が設けられ、羽根面は、縦方向(羽根軸方向)に沿って捻じ曲げられた螺旋曲面を成す。羽根軸9の外側端部は、軸受胴を介してロータフレーム1に取り付けられ、羽根軸9の内側端部は、羽根調節室5の筒形側壁に突入され、軸受胴を介して羽根調節室5の筒形側壁と係合し、係止肩あるいはチャックによって位置制限される。こうして、羽根が軸方向に移動することは防止される。羽根2は、羽根調節室5の周りに均一に分布される。
【0023】
羽根調節装置の調節機構は、歯車式調節機構あるいは連接ロッド式調節機構である。本実施例では、歯車式調節機構を用いている。羽根の角度を調節し制御する動力手段は、モータを用いている。歯車式調節機構は、主伝動歯車12、二重歯車11および軸端かさ歯車10を含む。軸端かさ歯車10は、羽根調節室内に位置する羽根軸9の端部に固定される。主伝動歯車12は、歯車軸を介して羽根調節室5の中部に取り付けられる。主伝動歯車12の周りに、複数の二重歯車11が取り付けられる。二重歯車は、柱状歯車と錐形歯車とがギャアセットを構成し、二重歯車の柱状歯車部分が主伝動歯車12と噛み合い、二重歯車の錐形歯車部分が軸端かさ歯車10と噛み合う。主伝動歯車12の歯車軸は、減速機を介してモータの動力出力軸に接続される。モータ動力出力は、主伝動歯車12を介して各二重歯車11および軸端かさ歯車10の回動を駆動し、羽根の回動を調節し制御して、風上角度を変更する。風力が大きいとき、羽根の風上角度を最小に調整することで、風の抵抗を小さくしてもよい。これにより、風力発電機の全負荷運転が保証できる。
【0024】
風力発電機の体積、重量に応じて、中型風力発電機は、複数のモータを使用して羽根の角度を制御してもよい。各モータの出力軸は、いずれも中間歯車により伝動比を変更し、主伝動歯車12と接続係合して動力を伝達する。
【0025】
実施例2
本実施例では、出力電力が大きい大型風力発電機を例として説明する。
図5〜
図7から分かるように、本実施例と実施例1の相違点は、風力発電機の体積および重量が大きいため、羽根調節室5とロータフレーム1との間に、3本のラジアルストラット13が接続的に固定されている。ラジアルストラットは、「品」字型のように均一に分布され、ロータ強度および風抵抗能力を増強する。羽根調節装置の調節機構は、連接ロッド式調節機構を用いる。当該連接ロッド式調節機構は、押し引き伝動機構、調節フレーム19、回動アーム20および連接ロッド21を含む。押し引き伝動機構は、揺動アーム16、位置決め軸15、主駆動アーム17および押し引きロッド18を含む。羽根調節室5の筒形側壁の内側に環状のガイドレールが設けられる。調節フレーム19は、ローラあるいは軸受を介して羽根調節室の側壁ガイドレールに取り付けられる。調節フレーム19は、ガイドレールに沿って羽根調節室で回動可能である。回動アーム20は、羽根調節室内に位置する羽根
軸9の端部に垂直固定され、回動アーム20の他方端は、連接ロッド21にヒンジ接続される(自在継ぎ手構造で接続されてもよい)。連接ロッド21の他方端は、調節フレーム19にヒンジ接続される。羽根調節室5の前後端端板の内壁には、いずれも対応する固定座14が設けられる。位置決め軸15は、調節フレーム19の中部から垂直に通り抜ける。位置決め軸15の両端は、軸受および軸受座を介して固定座14に取り付けられる。揺動アーム16の一方端は、位置決め軸15の中部に垂直固定され、「T」形構造を成す。揺動アーム16の他方端は、主駆動アーム17にヒンジ接続される。主駆動アーム17は、油圧装置を介して羽根調節用の動力手段に接続される。つまり、主駆動アーム17は、油圧装置の油圧シリンダのピストンロッドに接続される。モータ(動力手段)は、ポンプを介して油圧シリンダに接続され、且つ油圧シリンダの作業を制御する。押し引きロッド18の両端は、揺動アーム16の中部と調節フレーム19とにそれぞれヒンジ接続される。
【0026】
モータは、油圧装置により主駆動アーム17の運動を駆動し、揺動アーム16は、位置決め軸15周りに揺動するように押圧する(または、引っ張る)。揺動アーム16は、押し引きロッド18を介して、調節フレーム19がガイドレールに沿って回動するように駆動する。調節フレーム19は、連接ロッド21をドラッグして回動アーム20を揺動させることで、各羽根軸9の回動を駆動して羽根の風上角度を変更する。
【0027】
風力発電機の電力、羽根機構の体積および重量に応じて、押し引き伝動機構を複数セット設置してもよい。それらは、それぞれ複数のモータに駆動されて同時に運転することで、羽根の回動を駆動する。
【0028】
本実施例の他の構造が実施例1と同様である。
【0029】
上記好適な実施例を使用して本発明の技術案を詳細に説明したが、それらの説明は、制限ではなく例示であることに留意すべきである。当業者は、本発明の明細書をもとに各実施例に記載された技術案を補正し、または、一部の技術特徴に対して均等置換を行ってもよい。これらの補正や置換による技術案の要旨は、本発明の各実施例の技術案の範囲から逸脱しない。
【手続補正書】
【提出日】2017年9月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽根調節室(5)と、
前記羽根調節室(5)を取り囲むロータフレーム(1)と、
前記ロータフレーム(1)に外側端部が回動可能に支持され、前記羽根調節室(5)内に内側端部が突入する羽根手段と、
前記羽根調節室(5)内に設けられている回動素子および伝動素子と、を含み、
前記伝動素子は、前記回動素子の回動によって発生した動力を前記羽根手段の前記内側端部に伝達して、前記羽根手段の風上角度を制御することができることを特徴とする風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【請求項2】
前記回動素子は、駆動歯車であり、
前記羽根手段は、前記内側端部に従動歯車が設けられ、
前記伝動素子は、前記駆動歯車と前記従動歯車にそれぞれ噛み合う伝動歯車であることを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【請求項3】
前記駆動歯車は、柱状歯車(12)であり、
前記従動歯車は、軸端傘歯車(10)であり、
前記伝動歯車は、前記柱状歯車(12)に対応する柱状歯車部と、前記軸端傘歯車(10)に対応する傘歯車部とを有する二重歯車(11)であることを特徴とする、請求項2に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【請求項4】
前記回動素子は、軌道運動可能な環状の枠(19)であり、
前記羽根手段は、前記内側端部に回動アーム(20)が設けられ、
前記伝動素子は、連結ロッド(21)であり、前記連結ロッド(21)の一方端部が前記環状の枠(19)にヒンジ接続され、他方端部が前記回動アーム(20)にヒンジ接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【請求項5】
前記羽根調節室(5)の筒状の内壁には、環状のガイドレールが設けられており、
前記環状の枠(19)は、前記環状のガイドレールに沿って回動可能に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【請求項6】
前記環状の枠を駆動して軌道運動させる駆動機構をさらに含み、
前記駆動機構は、
第1の端部が動力源に接続されている主駆動アーム(17)と、
第1の端部が前記環状の枠(19)にヒンジ接続されている押し引きロッド(18)と、
位置決め軸(15)を介して前記羽根調節室(5)の内壁に回動可能に支持され、前記主駆動アーム(17)の第2の端部と前記押し引きロッド(18)の第2の端部にそれぞれヒンジ接続されている揺動アーム(16)と、
を含むことを特徴とする、請求項5に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【請求項7】
前記揺動アーム(16)、前記押し引きロッド(18)および前記環状の枠(19)は、同一平面に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【請求項8】
一方端部が前記ロータフレーム(1)に固定的に接続され、他方端が前記羽根調節室(5)の外壁に固定的に接続されている複数のラジアルストラット(13)をさらに含み、
前記複数のラジアルストラット(13)は、前記羽根調節室(5)の周りに均等に分配されることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【請求項9】
前記羽根調節室(5)の風下側に設けられている受け座(6)と、
前記受け座(6)に一方端部が固定的に接続され、前記ロータフレーム(1)に他方端部が固定的に接続されている傾斜支持ロッド(4)と、
をさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【請求項10】
前記羽根手段は、羽根本体(2)および前記羽根本体(2)の全長に沿って両端にそれぞれ延びる羽根軸(9)を含み、
前記羽根軸(9)は、外側端部が前記ロータフレームに回動可能に支持され、内側端部が前記羽根調節室(5)内に突入することを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【請求項11】
前記羽根本体(2)は、中空構造であり、その横断面が弧形を成しており、前記羽根本体(2)の内部に補強リブが設けられていることを特徴とする、請求項10に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【請求項12】
前記羽根本体(2)の表面は、その長さ方向に沿って螺旋状の曲面を成すことを特徴とする、請求項11に記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【請求項13】
前記羽根調節室(5)の風上側に取り付けられている円錐形の分流カバー(3)をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載の風力発電機の単一フレーム型羽根車アセンブリ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】