特表2017-532567(P2017-532567A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-532567(P2017-532567A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】位置センサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/20 20060101AFI20171006BHJP
   G01D 5/245 20060101ALI20171006BHJP
【FI】
   G01D5/20 D
   G01D5/245 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-522372(P2017-522372)
(86)(22)【出願日】2015年10月23日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】US2015057141
(87)【国際公開番号】WO2016065275
(87)【国際公開日】20160428
(31)【優先権主張番号】62/068,516
(32)【優先日】2014年10月24日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517110519
【氏名又は名称】モーグ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】コーヘイン,ユージン,エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ディアス,ジョセフ
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA12
2F077AA13
2F077AA20
2F077CC02
2F077FF22
2F077FF34
2F077PP22
2F077PP26
2F077TT35
2F077TT57
2F077TT82
2F077UU18
(57)【要約】
少なくとも1つの内部空洞を有するハウジング(16)と、ハウジング内に配置された固定子(22)と、ハウジング内に配置され、かつ固定子(22)に対して移動するように構成および配置された可動子(23)であって、固定子は一次巻線(24)および二次巻線(25、26)を含み、二次巻線は可動子(23)の固定子(22)に対する移動の関数として出力信号(27)を提供するように構成および配置されている可動子(23)と、ハウジング内に配置され、一次巻線(24)および二次巻線(25、26)と通信し、一次巻線(24)を励磁し、かつ二次巻線(25、26)の出力信号(27)を復調するように構成および配置された集積回路(29)を含む電子機器(28)と、ハウジング(16)を通って延在し、かつ可動子(23)に接続された入力素子(35)とを備える位置センサアセンブリ(15)。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの内部空洞を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置された固定子と、
前記ハウジング内に配置され、かつ前記固定子に対して移動するように構成および配置された可動子であって、前記固定子は一次巻線および二次巻線を含み、前記二次巻線は、前記可動子の前記固定子に対する移動の関数として出力信号を提供するように構成および配置されている可動子と、
前記ハウジング内に配置され、前記一次巻線および前記二次巻線と通信し、前記一次巻線を励磁し、かつ前記二次巻線の前記出力信号を復調するように構成および配置された集積回路を含む信号調節電子機器と、
前記ハウジングを通って延在し、かつ前記可動子に接続された入力素子と
を備える位置センサアセンブリ。
【請求項2】
前記ハウジングは第1の内部空洞を有するセンサハウジングサブアセンブリと、第2の内部空洞を有する電子機器ハウジングサブアセンブリとを含み、
前記固定子および前記可動子は前記センサハウジングサブアセンブリの前記第1の内部空洞内に配置されており、
前記信号調節電子機器は前記電子機器ハウジングサブアセンブリの前記第2の内部空洞内に配置されている、
請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記電子機器ハウジングサブアセンブリは前記センサハウジングサブアセンブリに取り外し可能に接続されている、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記電子機器ハウジングサブアセンブリは前記センサハウジングサブアセンブリにねじ留めされている、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記センサハウジングサブアセンブリは軸受端部、センサ本体部および中間部を含み、前記電子機器ハウジングサブアセンブリは電子機器本体部および第2の端部を含む、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記センサハウジングサブアセンブリは信号出力ポートを備える、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記可動子は前記固定子に対して中心軸に沿って直線移動するように構成および配置されているか、あるいは前記可動子は前記固定子に対して中心軸の周りを回転するように構成および配置されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記可動子は磁石を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記固定子および前記可動子は回転可変差動変圧器を構成している、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記可動子および前記固定子はレゾルバを構成している、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記単一の調節電子機器は前記出力信号をデジタル信号に変換するように構成および配置された変換器を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記調節電子機器は搬送周波数を除去するように構成および配置された信号フィルタおよび/または増幅器を備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記調節電子機器はDC信号バッファを備える、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記アセンブリは温度信号を前記集積回路に提供するように構成および配置された温度センサを備え、前記集積回路は前記温度信号の関数として補償された可動子位置出力を提供するように構成および配置されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記アセンブリは可動子位置較正データを備え、前記集積回路は前記較正データの関数として補償された可動子位置出力を提供するように構成および配置されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記アセンブリは、前記集積回路に温度信号および可動子位置較正データを提供するように構成および配置された温度センサを備え、前記集積回路は前記較正データおよび前記温度信号の関数として補償された可動子位置出力を提供するように構成および配置されている、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記温度センサは前記集積回路上または前記固定子内にある、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
少なくとも1つの内部空洞を有するハウジング、前記ハウジング内に配置された固定子、前記ハウジング内に配置され、かつ前記固定子に対して移動するように構成および配置された可動子、前記ハウジングを通って延在し、かつ前記可動子に接続された入力素子を有し、前記固定子は一次巻線および二次巻線を含み、前記二次巻線は、前記可動子の前記固定子に対する移動の関数として出力信号を提供するように構成および配置されていることを特徴とする位置センサアセンブリを用意する工程と、
前記一次巻線および前記二次巻線と通信し、前記一次巻線を励磁し、かつ前記二次巻線の前記出力信号を調節するように構成および配置されたメモリおよび集積回路を有する信号調節電子機器を前記ハウジング内に設ける工程と、
温度センサを前記ハウジング内に設ける工程と、
前記位置センサアセンブリを、前記位置センサアセンブリの前記可動子を基準位置の範囲を通して駆動させるように構成および配置された外部アクチュエータ上に取り付ける工程と、
前記外部アクチュエータを前記基準位置の範囲を通して作動させる工程と、
位置誤差を前記二次巻線の前記出力信号および前記基準位置の関数として計算する工程と、
測定温度を前記温度センサで検出する工程と、
前記二次巻線の前記出力信号、前記測定温度および温度基準の関数として温度誤差を計算する工程と、
前記位置誤差および前記温度誤差を前記メモリに格納する工程と
を含む、位置センサアセンブリの較正方法。
【請求項19】
前記位置誤差および前記温度誤差の関数として補償された可動子位置出力を提供する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの内部空洞を有するハウジング、前記ハウジング内に配置された固定子、前記ハウジング内に配置され、かつ前記固定子に対して移動するように構成および配置された可動子、前記ハウジングを通って延在し、かつ前記可動子に接続された入力素子を有し、前記固定子は一次巻線および二次巻線を含み、前記二次巻線は、前記可動子の前記固定子に対する移動の関数として出力信号を提供するように構成および配置されている位置センサアセンブリを用意する工程と、
前記一次巻線および前記二次巻線と通信し、前記一次巻線を励磁し、かつ前記二次巻線の前記出力信号を調節するように構成および配置されたメモリおよび集積回路を有する信号調節電子機器を前記ハウジング内に設ける工程と、
位置較正データセットを用意する工程と、
温度較正データセットを用意する工程と、
温度センサを前記ハウジング内に設ける工程、
前記可動子を外部アクチュエータに接続する工程と、
前記外部アクチュエータを作動させる工程と、
前記温度センサを用いて温度測定を行う工程と、
前記二次巻線の前記出力信号、前記温度測定値、前記位置較正データセットおよび前記温度較正データセットの関数として補償された可動子位置出力を提供する工程と
を含む、位置センサアセンブリの補償方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2014年10月24日に出願された米国仮特許出願第62/068,516号の優先権を主張するものであり、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般に位置センサの分野に関し、より詳細には完全に一体化された位置センサアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
位置センサは、航空機、軍隊、輸送、エネルギ、自動化および工業などの多くの用途で使用されている。そのようなセンサとしてはエンコーダ、ホール位置センサ、電位差計、レゾルバおよび回転可変差動変圧器(RVDT)を挙げることができる。RVDTおよびレゾルバは、より信頼性の高い解決法が求められる重要な用途で使用されている。例えば航空機市場では、フライ・バイ・ワイヤおよびフライ・バイ・ライト式の使用は各機体により多くの位置センサが必要となることを意味する。RVDTは当該市場においてよく知られている。電気機械変換器は、入力軸の角変位にほぼ直線的に比例する可変交流出力電圧を提供するために使用される。
【発明の概要】
【0004】
単に例示のためのものであって、本発明を限定するものではないが、本開示の実施形態の対応する部品、部分または表面に対するカッコ内の参照符号と共に、少なくとも1つの内部空洞(20、21)を有するハウジング(16)と、ハウジング内に配置された固定子(22)と、ハウジング内に配置され、かつ固定子に対して移動するように構成および配置された可動子(23)であって、固定子は一次巻線(24)および二次巻線(25、26)を含み、二次巻線は、可動子の固定子に対する移動の関数として出力信号(27)を提供するように構成および配置されている可動子(23)と、ハウジング内に配置され、かつ一次巻線および二次巻線と通信し、一次巻線を励磁し、かつ二次巻線の出力信号を復調するように構成および配置された集積回路(29)を含む信号調節電子機器(28)と、ハウジングを通って延在し、かつ可動子に接続された入力素子(35)とを備える位置センサアセンブリ(15)が提供される。
【0005】
ハウジングは、第1の内部空洞(20)を有するセンサハウジングサブアセンブリ(18)と、第2の内部空洞(21)を有する電子機器ハウジングサブアセンブリ(19)とを含んでいてもよく、固定子および可動子はセンサハウジングサブアセンブリの第1の内部空洞内に配置されていてもよく、信号調節電子機器は電子機器ハウジングサブアセンブリの第2の内部空洞内に配置されていてもよい。電子機器ハウジングサブアセンブリはセンサハウジングサブアセンブリに取り外し可能に接続されていてもよい。センサハウジングサブアセンブリは、軸受端部(36)、センサ本体部(38)および中間部(39)を含んでいてもよく、電子機器ハウジングサブアセンブリは、電子機器本体部(40)および第2の端部(41)を含んでいてもよい。センサハウジングサブアセンブリは信号出力ポートを備えていてもよい。可動子は固定子に対して中心軸に沿って直線移動するか固定子に対して中心軸の周りを回転するように構成および配置されていてもよい。可動子は磁石を備えていてもよい。固定子および可動子は回転可変差動変圧器およびレゾルバからなる群から選択されてもよい。信号調節電子機器は、出力信号をデジタル信号に変換するように構成および配置された変換器を備えていてもよい。信号調節電子機器は搬送周波数を除去するように構成および配置された信号フィルタを備えていてもよい。信号調節電子機器はDC信号バッファを備えていてもよい。当該アセンブリは温度信号(101)を集積回路に提供するように構成および配置された温度センサ(55)を備えていてもよく、集積回路は、温度信号の関数として補償された(84)可動子位置出力(104)を提供するように構成および配置されている。当該アセンブリは可動子位置較正データ(127)を備えていてもよく、集積回路は、較正データの関数として補償された(83)可動子位置出力(94)を提供するように構成および配置されている。当該アセンブリは、温度信号(101)を集積回路に提供するように構成および配置された温度センサ(55)および可動子位置較正データ(117、127)備えていてもよく、集積回路は、較正データおよび温度信号の関数として補償された可動子位置出力(85)を提供するように構成および配置されている。
【0006】
別の態様では、少なくとも1つの内部空洞を有するハウジングと、ハウジング内に配置された固定子と、ハウジング内に配置され、かつ固定子に対して移動するように構成および配置された可動子と、ハウジングを通って延在し、かつ可動子に接続された入力素子とを有し、固定子は一次巻線および二次巻線を含み、二次巻線は可動子の固定子に対する移動の関数として出力信号を提供するように構成および配置されていることを特徴とする位置センサアセンブリを用意する工程を含む、位置センサアセンブリ(15)の較正方法が提供される。本較正方法は、一次巻線および二次巻線と通信し、一次巻線を励磁し、かつ二次巻線の出力信号を調節するように構成および配置されたメモリおよび集積回路を有する信号調節電子機器をハウジング内に設ける工程と、温度センサを前記ハウジング内に設ける工程と、位置センサアセンブリを、位置センサアセンブリの可動子を基準位置の範囲を通して駆動させるように構成および配置された外部アクチュエータ(111、121)上に取り付ける工程と、外部アクチュエータを基準位置の範囲を通して作動させる工程と、二次巻線(113)の出力信号および基準位置(112)の関数として位置誤差(115)を計算する工程と、測定温度(124)を位置センサアセンブリの温度センサで検出する工程と、二次巻線(123)の出力信号、測定温度(124)および温度基準(122)の関数として温度誤差(125)を計算する工程と、位置誤差(116)および温度誤差(126)をメモリ(59)に格納する工程とをさらに含む。本方法は、位置誤差(117)および温度誤差(127)の関数として補償された可動子位置出力(85)を提供する工程をさらに含んでいてもよい。
【0007】
別の態様では、少なくとも1つの内部空洞を有するハウジングと、前記ハウジング内に配置された固定子と、ハウジング内に配置され、かつ固定子に対して移動するように構成および配置された可動子と、ハウジングを通って延在し、かつ可動子に接続された入力素子とを有し、固定子は一次巻線および二次巻線を含み、二次巻線は可動子の固定子に対する移動の関数として出力信号を提供するように構成および配置されていることを特徴とする位置センサアセンブリを用意する工程と、一次巻線および前記二次巻線と通信し、一次巻線を励磁し、かつ二次巻線の出力信号を調節するように構成および配置されたメモリおよび集積回路を有する信号調節電子機器をハウジング内に設ける工程と、位置較正データセット(117)を用意する工程と、温度較正データセット(127)を用意する工程と、温度センサをハウジング内に設ける工程と、可動子を外部アクチュエータに接続する工程と、外部アクチュエータを作動させる工程と、温度センサを用いて温度測定を行う工程と、二次巻線(81)の出力信号、温度測定値(101)、位置較正データセットおよび温度較正データセットの関数として補償された可動子位置出力(85)を提供する工程とを含む、位置センサアセンブリの補償方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】改良された位置センサアセンブリの第1の実施形態の斜視図である。
図2図1に示す位置センサアセンブリの断面図である。
図3図1に示す位置センサアセンブリの分解図である。
図4図1に示す位置センサアセンブリの一体化された信号調節電子機器の概略図である。
図5】改良された位置センサアセンブリの第2の実施形態の斜視図である。
図6図5に示す位置センサアセンブリの断面図である。
図7図5に示す位置センサアセンブリの分解図である。
図8図1に示す位置センサアセンブリの信号調節の一実施形態のブロック図である。
図9図8に示す直線性補償の一実施形態のブロック図である。
図10図8に示す温度補償のブロック図である。
図11図9に示す直線性補償のための初回直線性較正のブロック図である。
図12図10に示す温度補償のための初回温度較正のブロック図である。
図13】直線性補償を示す、実際の角度(横座標)に対する測定および補償された角度(縦座標)のプロットである。
図14】温度補償を示す、センサ温度(横座標)に対する測定および補償された角度(縦座標)のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
最初に、構造的要素、部分または表面について書面による明細書全体(その中でこの詳細な説明は不可欠な部分である)によって記載または説明されているように、同様の符号はいくつかの図面を通して一貫して同じ構造的要素、部分または表面を特定するためのものであることをはっきりと理解すべきである。特に明記しない限り、図面は本明細書と共に参照されるものであり(例えば、陰影線、部品の配置、比率、程度など)、本発明の書面による明細書全体の一部とみなされるべきである。以下の説明で使用されているように、「水平」、「垂直」、「左」、「右」、「上」および「下」という用語ならびにそれらの形容詞および副詞的類似句(例えば、「水平に」、「右に」、「上方に」など)は、単に特定の図面が読者に向いている場合の図示されている構造の向きを指す。同様に、「内向きに」および「外向きに」という用語は一般に、必要に応じてその延伸軸または回転軸に対する表面の向きを指す。
【0010】
次に図面(より詳細には図1図4)を参照すると、位置センサアセンブリが示されており、その第1の実施形態が一般に15で示されている。図示のように、アセンブリ15は一般に、RVDT17、一体化された変換および信号調節電子機器28およびハウジング16を備える。
【0011】
RVDT17は、入力軸35の角変位に直線的に比例する可変交流出力電圧を提供する電気機械変換器である。固定AC電源32を有する電子機器28によって電源が入れられると、出力信号27は角変位にわたる特定の範囲内で直線となる。RVDT17は一般に、サブアセンブリハウジング18の空洞20内で回転可能に支持された鉄心回転子23を備える。固定子22は、長手方向に延在する結合される一次励磁コイル24および一対の長手方向に延在する結合される二次出力コイル25および26を備える。固定交流励磁32は、二次コイル25および26に電磁的に結合される一次固定子コイル24に印加される。この結合は、軸x−xの周りでの回転子23および入力軸35の角変位に比例している。出力対25および26は、1つのコイルセット25が励磁コイル24と同相であり、かつ第2のセット26が励磁コイル24と180°位相がずれるように構造化されている。回転子23が同相のコイルおよび位相がずれたコイルの両方において利用可能な磁束を等しく方向づける位置にある場合、出力電圧は相殺され、ゼロ値の信号が得られる。これを電気的零点位置またはE.Z.と呼ぶ。回転子23の軸がE.Z.からずれると、得られる出力信号27は、回転方向に比例した位相関係にある大きさを有する。RVDT17は本質的に変圧器のように機能するため、励磁電圧変化により、方向に比例した変化(変圧比)が出力に生じる。本実施形態では、MOOG-MCG-MURPHY AS-827 RVDTを使用することができる。
【0012】
図3および図4に示すように、一体化された電子機器28は一般に回路基板30およびメザニンカードすなわち拡張用基板31を備える。回路基板30は、一次巻線24を励磁し(32)、かつ二次巻線25および26からの信号27を濾過する設定可能なブロック33および34を有するマイクロコントローラ集積回路29とインタフェース44とを備える。集積回路29は励磁信号32の周波数および振幅を制御し、二次巻線からの信号27を復調し、搬送周波数を濾過して除去し、受信したアナログ信号27をサンプリングしてデジタル形式に変換し(82)、かつ出力85のために信号を較正(110、120)、補償(83、84)、増幅、スケーリングおよびバッファリングする。メザニンカード31は、標準デジタルバス用のデジタルインタフェースなどのカスタムインタフェースを可能にするために設けられている。図示のように、回路基板30は本実施形態では、集積回路29への出力信号と共に、温度センサ55、電圧基準チップ56および発振器57を含むさらなるチップセット58を備える。
【0013】
図1図3に示すように、RVDT17および信号調節電子機器28が単一のハウジング16の内部空洞内に完全に含まれ、かつ封じ込まれるように、電子機器28はハウジング16内でRVDT17と完全に一体化されている。本実施形態では、ハウジング16は一般に、空洞20を有するセンサハウジングサブアセンブリ18と、空洞21を有する電子機器ハウジングサブアセンブリ19とを含む。センサハウジングサブアセンブリ18は、環状軸受端部36、中空の円筒状本体部38および円形の中間側板39によって形成されている。円筒部38の左端は、右向きの環状表面49、内向きの円筒状表面50および右向きの環状表面51によって画定された内向きに延在する二重の座部(double seat)48を備える。コイル24、25および26の左端は表面49で終端し、かつそれによって軸方向に制限されており、軸受42の左の環状面は表面51で終端し、かつそれによって軸方向に制限されている。
【0014】
空洞20の左および右外側に軸x−xに沿って軸方向にそれぞれ位置する環状軸受42および43は、回転子23がハウジング16に対して軸x−xの周りを回転することができるようにハウジングサブアセンブリ18の空洞20内で回転子23を支持している。コイルアセンブリ22は、空洞20内の軸受42および43それぞれの内側に軸方向に位置している。コイル24は、コイル25および26の間に円周方向に位置している。従って、軸受42、コイルアセンブリ22および軸受43は、側板39により空洞20が電子機器ハウジングサブアセンブリ19の空洞21から分離された状態で、ハウジングサブアセンブリ18内に軸方向に積み重ねられている。
【0015】
電子機器ハウジングサブアセンブリ19は一般に、円形の側板41を有し、かつ円筒状内部空洞21を形成する中空の円筒状本体40を備える。一体化された電子機器28は、サブアセンブリハウジング19の空洞21内に軸x−xに沿って軸方向に積み重ねられている。特に、回路基板30は中間ハウジング板39の右側に軸方向に位置しており、メザニンカード31は基板30の右側に軸方向に位置している。図示のように、コイル24〜26のそれぞれ、軸受43、中間ハウジング板39、基板30およびメザニンカード31は、上記軸x−xに沿って横方向に軸方向の積み重ねが可能になるように、円筒状のハウジング部38および40の内径よりも僅かに小さい外径を有する。
【0016】
別々に45で示されている機械的なねじ式スタンドオフスペーサは、中間ハウジング板39とハウジング側板41との間の空洞21内に横方向に延在する基板30および31に適切な軸方向間隔を与える。電子機器サブアセンブリ19は、ねじ式接続部によって互いに取り付けられるスペーサ45、および端部41を貫通し、かつねじ式接続部によってそれぞれのスペーサ45に取り付けられる小ねじ46によってセンササブアセンブリ18に接続されている。従って、ハウジング16は、完全に一体化されたパッケージではRVDT17および電子機器28の両方を含む。
【0017】
マイクロコントローラ集積回路29は、固定子22、回転子23およびそれらの機械的アセンブリにおける固有の非直線性ならびに各アセンブリ15の温度非直線性のために初回較正を行って、そのような直線性および温度のばらつきに対する動作補償80を与えるように構成されている。従って、補償ルーチン80は直線化された出力信号85を生成することに関し、これについて図8図14を参照しながら説明する。図8の工程81において、信号27は励磁信号32に関する様々な振幅および相のAC信号(正弦波)の形態で、RVDT17からの出力として受信される(81)。次いで、工程82において信号27はアナログからデジタルに変換される。工程82の変換に関して、電圧チップ56からの電圧基準を使用して変換において正確かつ安定な電圧基準を与え、発振器57からの信号を印加してサンプリング中により正確なタイミングを与える。サンプリングはアナログ領域において生じる復調と同期的であってもよく、あるいはサンプリングはデジタルもしくはソフトウェア領域において生じる復調と非同期的であってもよい。同期および非同期サンプリングの両方を処理する集積回路29の能力により、本明細書に記載されている信号取得および処理技術の実行に関して柔軟性が得られ、かつ記載されている全ての位置センサアセンブリ15の実施形態の実装がさらに可能となる。工程82における復調後に、工程83では直線性のために、工程84では温度のために信号が補償される。
【0018】
直線性補償83の方法について図9を参照しながらさらに図示および説明する。最初に、本システムは工程82において、測定位置91を、復調およびアナログ・デジタル変換による生の位置値出力から取得する。ここから、本システムは、工程92において誤差補正または誤差ルックアップのいずれかを実行することができる。誤差補正または多項式補正は回転子23の測定位置の関数として誤差をマップする。定数を生成し、これにより測定した誤差に当てはまる多項式を得る。生成された多項式を使用して測定位置に存在するあらゆる誤差を補償する。生成された多項式は以下の形式:
誤差=a+an−1n−1+...+a+aX+a
であり、式中、Xは測定位置を表し、定数a...aは直線性較正110において計算される。これについて図11を参照しながら以下により詳細に説明する。
【0019】
多項式補正は誤差ルックアップよりも少ないメモリを必要とするが、全ての状況を補償することができるものではない。逆に、工程92において誤差ルックアップを利用する場合、誤差補正よりも多くのメモリを必要とする場合があるが、誤差ルックアップは全ての状況を補償することができる。多項式誤差補正のように、誤差ルックアップも測定された回転子位置の関数として誤差をマップする。但し、測定した誤差をテーブルの中に直接格納し、実行時に直接参照する。本開示の一実施形態によれば、全ての可能な位置値およびそれらの値における全ての位置誤差を保持するテーブルを生成してもよい。別の実施形態によれば、可能な位置値および位置誤差の一部のみを保持するテーブルを生成してもよく、次いで線形補間または同様の技術を使用して取得されたデータにおけるあらゆる隙間を埋めてもよい。工程92において誤差ルックアップを利用する場合、必要な方程式は以下の形式:
誤差=誤差値[X]
であり、式中、Xは測定位置を表す。
【0020】
次いで、工程92において誤差補正または誤差ルックアップのいずれかを行った後、直線性補償方法83は工程93において誤差減算を行い、ここでは、「直線化(補償)された位置94=測定位置91−誤差(工程92から取得)」として計算する。一実施形態では、生産工場において図9の直線性補償工程を行い、それにより動作中に直線性補償のために工場補正値を用いて連続的に補正することができる位置センサアセンブリを得てもよい。直線化(補償)された位置94はアセンブリ15における直線性誤差が完全に補償された位置である。但し、温度による誤差はなお存在している可能性はある。
【0021】
従って、図8の位置センサ方法80は温度補償方法84に進み、これについて図10を参照しながらここに詳細に説明する。最初に、図9に図示され、かつ本明細書の上に開示されている手順により直線化された位置94を計算する。工程101において、位置センサアセンブリの温度を測定する。好ましくは、この温度を位置センサアセンブリ15の主プロセッサ基板30上の別々の温度センサ55で測定する。本開示のさらなる実施形態では、代わりとして固定子22内に埋め込まれたサーミスタによって、あるいはハウジング16内の任意の他の位置に配置された任意の他の熱変換器またはセンサによって温度を測定する。
【0022】
直線化された位置94および測定温度(工程101から取得)を受け取った後、温度補償方法84は工程102に進み、ここでは、多項式誤差補正または誤差ルックアップのいずれかを行う。工程102の手順は上で図9を参照しながら説明した誤差補正/ルックアップ工程92と実質的に同じであるが、対応する誤差計算で使用される定数a...a(誤差補正を使用する場合)および/または位置誤差(誤差ルックアップを使用する場合)は温度較正120中に決定される(直線性較正中とは対照的である)。これについては図12を参照しながら以下により詳細に説明する。
【0023】
次に、温度補償方法84は工程103に進み、ここでは、直線化された位置94から工程102で計算した誤差を減算することにより、温度補償された位置104を計算する。一実施形態では、生産工場で図10の温度補償工程を行い、動作中に温度補償のために工場補正値を用いて連続的に補正することができる位置センサアセンブリを得てもよい。得られた補償された位置104は、この時点で、センサ温度における変動から生じる誤差に加えてセンサにおける直線性誤差の両方が完全に補償された位置である。
【0024】
図8を再度参照すると、補償された位置104はこの時点で、補償された出力85としてマイクロコントローラ集積回路29のメモリ59内に格納されている。好ましい実施形態では、集積回路29は、補償された出力85を格納するための内部デジタルレジスタ59を備え、次いでこれをRS−232、RS−48、CAN、USB、SPI、I2Cまたは当該技術分野で知られているような任意の他の信号伝達手段によりアナログもしくはデジタル信号としてメザニンカード31を介してユーザに提示してもよい。
【0025】
図11を参照すると、直線性較正110のプロセスが開示されている。位置センサアセンブリ15をその位置範囲全体を通して外部アクチュエータ111によって駆動し、温度を好ましい25℃(但し、任意の他の好適な温度を使用してもよい)で一定に維持する。好ましくは以前に較正された高分解能基準から選択された回転子23のための外部基準位置112が本システムに提供される。次に、本システムはセンサで測定する位置113を決定し、検出された誤差115を計算するために、この位置を公知の良好な基準位置112と比較する。次いで、検出された誤差115を好ましくは処理し、かつ/または工程116においてメモリ59に格納し、ここでは、使用されている補償方法の種類(誤差補正または誤差ルックアップ)に応じて、多項式定数を即時出力のために生成するか、工程117において後で使用するためにルックアップテーブルとしてメモリ59内に格納する。
【0026】
図12を参照しながら温度較正プロセス120をここに開示する。位置センサアセンブリ15を外部アクチュエータ121によって駆動し、ここでは、当該センサをその位置範囲全体を通して駆動してもよい。あるいは、当該センサを安定な位置に保持してもよい。次いで、本システムがセンサ位置123および温度124を測定および記録する間、位置センサアセンブリ15をその温度範囲全体に及ぶ外部温度に曝してもよい。次いで、検出された誤差125を計算するために、当該センサの測定位置123および測定温度124を好ましい25℃において公知の良好な基準位置(122)と比較する。次いで、直線性較正方法110と同様に、工程126において温度較正方法120の検出された誤差115を好ましくは処理し、かつ/またはメモリ59に格納し、ここでは、使用されている補償方法の種類(誤差補正または誤差ルックアップ)に応じて、多項式定数を即時出力のために生成するか、工程127において後で使用するためにルックアップテーブルとしてメモリ59に格納する。
【0027】
図13は、25℃の好ましい一定の温度において直線性補償を示す実際の角度(横座標)に対する測定および補償された角度(縦座標)のプロットである。実線131は当該センサの測定位置の一実施形態を示し、点線132は直線性について補償された好ましい位置を示す。図14は30°の好ましい一定の回転子角度において温度補償を示すセンサ温度角度(横座標)に対する測定および補償された角度(縦座標)のプロットである。実線141は当該センサの測定位置の一実施形態を示し、点線142は温度について補償された好ましい位置を示す。
【0028】
当該電子機器の一体化およびデジタルインタフェースの使用は、耐ノイズ性を改善し、システム重量およびコストを減少させ、かつ一体化を容易にする。デジタルバスインタフェースの使用により複数の装置の連鎖も可能にする。アセンブリ15の出力は、位置および速度情報の両方を提供することができる。それによりアセンブリ15は、当該装置の本体またはハウジング16内の必要な変換および調節電子機器28を統合することにより、AC RVDT位置変換器装置の一体化を単純化する。一体化された電子機器28は一次巻線を励磁し、二次巻線の復調および復調されたAC信号のDC信号への変換を行い、DC信号の増幅を行い、ハードウェア/ソフトウェア信号フィルタリングを行い、かつRVDTからの信号における非直線性を補償する。アセンブリ15の出力信号は、DC電圧もしくは電流または任意の標準デジタルバス信号であってもよい。フライ・バイ・ライト用途では、アセンブリ15は光ファイバーの前端を一体化することもできる。
【0029】
本実施形態ではRVDTセンサについて図示および説明してきたが、限定されるものではないがレゾルバ、シンクロ電機および線形可変差動変圧器(LVDT)などの他の信頼性の高い回転もしくは線形変換器型を用いることができるものと想定される。LVDTの実施形態では、コイル25および26は軸x−xの周りを環状に方向づけられていてもよく、側板39により空洞20が電子機器ハウジングサブアセンブリ19の空洞21から分離された状態で軸受42、コイル25、コイル24、コイル26および軸受43がハウジングサブアセンブリ18内で軸方向に積み重ねられるように、コイル24はコイル25および26の間を軸方向に位置していてもよい。
【0030】
第2の実施形態115が図5図7に示されている。この実施形態はアセンブリ15とほぼ同じであるが、アセンブリ15のようにハウジング116は2つの接続されたサブアセンブリから形成されておらず、かつ中間ハウジング部39を含んでいない点で異なる。それどころか、ハウジング116は、より長い円筒状本体部118と、円筒体118の環状右端に固定された円形の側板141とから形成されており、単一の内部空洞120を有する。
【0031】
現時点で好ましい形態の改良された位置センサアセンブリについて図示および説明し、かつそのいくつかの修正について説明してきたが、当業者であれば、以下の特許請求の範囲によって定義および区別されるような本発明の範囲から逸脱しない様々なさらなる変形および修正が可能であることが容易に分かるであろう。
図1
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図10
図11
図12
図13
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【国際調査報告】