特表2017-532568(P2017-532568A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-532568配管内の水位をモニタリングする装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-532568(P2017-532568A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】配管内の水位をモニタリングする装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/02 20060101AFI20171006BHJP
【FI】
   G01N29/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-522537(P2017-522537)
(86)(22)【出願日】2014年10月31日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月20日
(86)【国際出願番号】KR2014010328
(87)【国際公開番号】WO2016068360
(87)【国際公開日】20160506
(31)【優先権主張番号】10-2014-0149431
(32)【優先日】2014年10月30日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】517141007
【氏名又は名称】コリア、ハイドロ、アンド、ニュークリア、パワー、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KOREA HYDRO & NUCLEAR POWER CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】リー、スン、チャン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ドク、ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ハ、サン、ジュン
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA01
2G047AB01
2G047BA03
2G047BB01
2G047BC18
2G047CA01
2G047EA19
2G047GA13
2G047GE01
2G047GG28
(57)【要約】
本発明は、配管内の水位をモニタリングする装置及び方法に関するものである。
このような本明細書は、配管の外側に互いに離間配置された複数の超音波トランスデューサで発生された超音波を固体型接触媒質を介して前記配管内に送信するステップと、各超音波に対する反射波の有無を確認するステップと、前記各超音波に対する反射波の有無に基づいて前記水位を判断するステップとを含む配管内の水位モニタリング方法を開示する。本発明は、非破壊的な方法を介して容易かつ簡単に配管内の長期的な水位モニタリング装備を構築できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管内の水位をモニタリングするシステムであって、
前記配管の外側で互いに離間した位置に配置されて超音波を発生させる少なくとも1つの超音波トランスデューサと、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサの一側に備えられて、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサを前記配管の外側に接触させる固体型接触媒質と、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサが前記配管の外側に固定的に接触するように保持する保持部とを含む超音波発生部と、
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサを駆動させて前記超音波の発生を制御し、前記超音波に対する反射波を感知し、前記反射波に関する情報を収集して入出力する超音波探傷部と、
前記反射波に関する情報に基づいて前記水位を判断し、前記水位に関する情報を処理したり、格納するデータ処理部と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記配管の外側から垂直方向に前記少なくとも1つの超音波トランスデューサが配置された状態に基づいて、前記配管の横断面に沿って複数の範囲が形成され、
前記データ処理部は、前記複数の範囲のうち、前記水位が属する範囲を判断することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは3個であり、
前記配管の外側に沿って最上準位から下側に第1ないし第3の超音波トランスデューサが順次配置され、
前記複数の範囲は、正常範囲、警告範囲、及び危険範囲を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記超音波探傷部が前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波を全て感知するか、前記第2及び第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波のみを感知する場合、
前記データ処理部は、前記水位が前記正常範囲に属することと判断することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記超音波探傷部が前記第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波のみを感知する場合、
前記データ処理部は、前記水位が前記警告範囲に属することと判断することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記超音波探傷部が前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波を全て感知できない場合、
前記データ処理部は、前記水位が前記危険範囲に属することと判断することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、前記配管の外側から水平方向に離間されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記保持部は、環形または輪状のホルダとして前記配管の全部または一部を取り囲むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記固体型接触媒質は、ポリエチレン系の超音波透過性固体物質であり、前記配管の表面に塗布されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記固体型接触媒質の外皮は、相対的に硬い物質で構成され、前記固体型接触媒質の内皮は、相対的に軟らかい物質で構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記固体型接触媒質は、前記配管の表面に付着される形態であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
配管内の水位をモニタリングするシステムであって、
互いに離間された多重チャネルを介して前記配管内に超音波を送信する超音波発生部(ここで、各チャネルは、超音波を発生させる超音波トランスデューサ、前記超音波トランスデューサの一側に備えられる固体型接触媒質、及び前記配管の外側を取り囲む輪状であって、前記超音波トランスデューサを固定的に保持する保持部で構成される)と、
前記多重チャネルを介しての前記超音波の送信を制御し、前記超音波に対する反射波を感知し、前記反射波に関する情報を収集して入出力する超音波探傷部と、
前記反射波に関する情報に基づいて前記水位を判断し、前記水位に関する情報を処理したり、格納するデータ処理部と、
を備えるシステム。
【請求項13】
前記配管の外側から垂直方向に前記少なくとも1つの超音波トランスデューサが配置された状態に基づいて、前記配管の横断面に沿って複数の範囲が形成され、
前記データ処理部は、前記複数の範囲のうち、前記水位が属する範囲を判断することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記多重チャネルを構成する超音波トランスデューサは3個であり、
前記配管の外側に沿って最上準位から下側に第1ないし第3の超音波トランスデューサが順次配置され、
前記複数の範囲は、正常範囲、警告範囲、及び危険範囲を含むことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記超音波探傷部が前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波を全て感知するか、前記第2及び第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波のみを感知する場合、
前記データ処理部は、前記水位が前記正常範囲に属することと判断することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記超音波探傷部が前記第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波のみを感知する場合、
前記データ処理部は、前記水位が前記警告範囲に属することと判断することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記超音波探傷部が前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波を全て感知できない場合、
前記データ処理部は、前記水位が前記危険範囲に属することと判断することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、前記配管の外側から水平方向に離間されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記固体型接触媒質は、ポリエチレン系の超音波透過性固体物質であり、前記配管の表面に塗布されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記固体型接触媒質の外皮は、相対的に硬い物質で構成され、前記固体型接触媒質の内皮は、相対的に軟らかい物質で構成されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項21】
前記固体型接触媒質は、前記配管の表面に付着される形態であることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項22】
配管内の水位をモニタリングする方法であって、
前記配管の外側に互いに離間配置された複数の超音波トランスデューサで発生された超音波を固体型接触媒質を介して前記配管内に送信するステップと、
各超音波に対する反射波の有無を確認するステップと、
前記各超音波に対する反射波の有無に基づいて前記水位を判断するステップと、
を含むモニタリング方法。
【請求項23】
前記配管の外側から垂直方向に前記少なくとも1つの超音波トランスデューサが配置された状態に基づいて、前記配管の横断面に沿って複数の範囲が形成され、
前記判断するステップは、前記複数の範囲のうち、前記水位が属する範囲を判断することを含むことを特徴とする請求項22に記載のモニタリング方法。
【請求項24】
前記複数の超音波トランスデューサは3個であり、
前記配管の外側に沿って最上準位から下側に第1ないし第3の超音波トランスデューサが順次配置され、
前記複数の範囲は、正常範囲、警告範囲、及び危険範囲を含むことを特徴とする請求項23に記載のモニタリング方法。
【請求項25】
前記確認するステップにおいて、前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波等の存在または前記第2及び第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波の存在のみが確認された場合、
前記判断するステップは、前記水位が前記正常範囲に属することと判断することを含むことを特徴とする請求項24に記載のモニタリング方法。
【請求項26】
前記確認するステップにおいて、前記第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波の存在のみが確認された場合、
前記判断するステップは、前記水位が前記警告範囲に属することと判断することを含むことを特徴とする請求項24に記載のモニタリング方法。
【請求項27】
前記確認するステップにおいて、前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波等の不存在が確認された場合、
前記判断するステップは、前記水位が前記危険範囲に属することと判断することを含むことを特徴とする請求項24に記載のモニタリング方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、前記配管の外側から水平方向に離間されることを特徴とする請求項22に記載のモニタリング方法。
【請求項29】
前記固体型接触媒質は、ポリエチレン系の超音波透過性固体物質であり、前記配管の表面に塗布されることを特徴とする請求項22に記載のモニタリング方法。
【請求項30】
前記固体型接触媒質の外皮は、相対的に硬い物質で構成され、前記固体型接触媒質の内皮は、相対的に軟らかい物質で構成されることを特徴とする請求項22に記載のモニタリング方法。
【請求項31】
前記固体型接触媒質は、前記配管の表面に付着される形態であることを特徴とする請求項22に記載のモニタリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管内の水位をモニタリングする装置及び方法に関し、より詳細には、超音波探傷及び多重チャネルを用いて非破壊的な方式で配管内の水位をモニタリングする装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所の場合、安全関連系統の配管内のガス蓄積現象は、国内または国外発電所の安全性の懸案として台頭している。このような安全性の懸案は、発電所の安全関連系統の安全機能を実行し難くするだけでなく、深刻な事故を誘発できることと知られている。発電所の安全関連系統の安全性の懸案を解決し、発電所の安全性を強化するために、配管内の水位またはガス蓄積傾向を観察できる配管内の水位モニタリング方法が必須的に求められてきた。
【0003】
従来の機械及び系統で配管内の水位を測定する方法として、差圧を利用するか、配管内に水位計を設置するなど、系統の直接的な変形や改善を介して水位を測定する方法等がある。例えば、従来の技術として、実用新案第200181636号(ガス配管の水封弁水位検出装置)がある。しかし、このような方法等は、配管内の水位測定のために系統を解体したり、新しく作らなければならない過程を伴うしかない。すなわち、現存するほとんどの配管内の水位モニタリング方法等は、配管の直接的な分解及び変形設計を介してなされるので、これによる負担及び配管の無欠性を検証する多くの時間を要求するプロセスが必要であり、それによる認許可の手続きも難しい。
【0004】
安全関連系統の配管内のガス蓄積に関係する現象は、発電所の安全性の側面で重要な部分であるから、系統に直接的な変形を加えない非破壊的かつ容易な配管内の水位モニタリング方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、超音波探傷及び多重チャネルを用いて非破壊的な方式で配管内の水位をモニタリングする装置及びその方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の技術的課題は、原子力発電所の安全関連系統の直接的な設計変更なしで配管内のガス蓄積現象に対するモニタリングと水位観察を行うことができる装置及び方法を提供することにある。
【0007】
本発明のさらに他の技術的課題は、配管をそのまま置いて配管内の水位をモニタリングすることで、安全関連系統の配管内の空気が蓄積し過ぎることを予防し、発電所の安全性を強化し、それによるデータベースを構築する装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、配管内の水位をモニタリングするシステムを提供する。前記システムは、前記配管の外側で互いに離間した位置に配置されて超音波を発生させる少なくとも1つの超音波トランスデューサと、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサの一側に備えられて、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサを前記配管の外側に接触させる固体型接触媒質と、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサが前記配管の外側に固定的に接触するように保持する保持部とを含む超音波発生部と、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサを駆動させて前記超音波の発生を制御し、前記超音波に対する反射波を感知し、前記反射波に関する情報を収集して入出力する超音波探傷部と、前記反射波に関する情報に基づいて前記水位を判断し、前記水位に関する情報を処理したり、格納するデータ処理部とを備える。
【0009】
一実施形態として、前記配管の外側から垂直方向に前記少なくとも1つの超音波トランスデューサが配置された状態に基づいて、前記配管の横断面に沿って複数の範囲が形成され、前記データ処理部は、前記複数の範囲のうち、前記水位が属する範囲を判断できる。
【0010】
他の実施形態として、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは3個であり、前記配管の外側に沿って最上準位から下側に第1ないし第3の超音波トランスデューサが順次配置され、前記複数の範囲は、正常範囲、警告範囲、及び危険範囲を含むことができる。
【0011】
さらに他の実施形態として、前記超音波探傷部が前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波を全て感知するか、前記第2及び第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波のみを感知する場合、前記データ処理部は、前記水位が前記正常範囲に属することと判断することができる。
【0012】
さらに他の実施形態として、前記超音波探傷部が前記第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波のみを感知する場合、前記データ処理部は、前記水位が前記警告範囲に属することと判断することができる。
【0013】
さらに他の実施形態として、前記超音波探傷部が前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波を全て感知できない場合、前記データ処理部は、前記水位が前記危険範囲に属することと判断することができる。
【0014】
さらに他の実施形態として、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、前記配管の外側から水平方向に離間されることができる。
【0015】
さらに他の実施形態として、前記保持部は、環形または輪状のホルダとして前記配管の全部または一部を取り囲むことができる。
【0016】
さらに他の実施形態として、前記固体型接触媒質は、ポリエチレン系、または、高分子特性を揃えた物質、或いは、軟性を揃えた金属性ないし金属物質、若しくは、親水性高分子化合物などからなる超音波透過性固体物質であり、前記配管の表面に塗布されたり、付着されることができる。
【0017】
本発明の他の態様によれば、配管内の水位をモニタリングするシステムを提供する。前記システムは、互いに離間された多重チャネルを介して前記配管内に超音波を送信する超音波発生部(ここで、各チャネルは、超音波を発生させる超音波トランスデューサ、前記超音波トランスデューサの一側に備えられる固体型接触媒質、及び前記配管の外側を取り囲む輪状であって、前記超音波トランスデューサを固定的に保持する保持部で構成される)と、前記多重チャネルを介しての前記超音波の送信を制御し、前記超音波に対する反射波を感知し、前記反射波に関する情報を収集して入出力する超音波探傷部と、前記反射波に関する情報に基づいて前記水位を判断し、前記水位に関する情報を処理したり、格納するデータ処理部とを備える。
【0018】
一実施形態として、前記配管の外側から垂直方向に前記少なくとも1つの超音波トランスデューサが配置された状態に基づいて、前記配管の横断面に沿って複数の範囲が形成され、前記データ処理部は、前記複数の範囲のうち、前記水位が属する範囲を判断できる。
【0019】
他の実施形態として、前記多重チャネルを構成する超音波トランスデューサは3個であり、前記配管の外側に沿って最上準位から下側に第1ないし第3の超音波トランスデューサが順次配置され、前記複数の範囲は、正常範囲、警告範囲、及び危険範囲を含むことができる。
【0020】
さらに他の実施形態として、前記超音波探傷部が前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波を全て感知するか、前記第2及び第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波のみを感知する場合、前記データ処理部は、前記水位が前記正常範囲に属することと判断することができる。
【0021】
さらに他の実施形態として、前記超音波探傷部が前記第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波のみを感知する場合、前記データ処理部は、前記水位が前記警告範囲に属することと判断することができる。
【0022】
さらに他の実施形態として、前記超音波探傷部が前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波を全て感知できない場合、前記データ処理部は、前記水位が前記危険範囲に属することと判断することができる。
【0023】
さらに他の実施形態として、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、前記配管の外側から水平方向に離間されることができる。
【0024】
さらに他の実施形態として、前記固体型接触媒質は、ポリエチレン系の超音波透過性固体物質であり、前記配管の表面に塗布されることができる。
【0025】
本発明のさらに他の態様によれば、配管内の水位をモニタリングする方法を提供する。前記方法は、前記配管の外側に互いに離間配置された複数の超音波トランスデューサで発生された超音波を固体型接触媒質を介して前記配管内に送信するステップと、各超音波に対する反射波の有無を確認するステップと、前記各超音波に対する反射波の有無に基づいて前記水位を判断するステップとを含む。
【0026】
一実施形態として、前記配管の外側から垂直方向に前記少なくとも1つの超音波トランスデューサが配置された状態に基づいて、前記配管の横断面に沿って複数の範囲が形成され、前記判断するステップは、前記複数の範囲のうち、前記水位が属する範囲を判断することを含むことができる。
【0027】
さらに他の実施形態として、前記複数の超音波トランスデューサは3個であり、前記配管の外側に沿って最上準位から下側に第1ないし第3の超音波トランスデューサが順次配置され、前記複数の範囲は、正常範囲、警告範囲、及び危険範囲を含むことができる。
【0028】
さらに他の実施形態として、前記確認するステップにおいて、前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波等の存在または前記第2及び第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波の存在のみが確認された場合、前記判断するステップは、前記水位が前記正常範囲に属することと判断することを含むことができる。
【0029】
さらに他の実施形態として、前記確認するステップにおいて、前記第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波の存在のみが確認された場合、前記判断するステップは、前記水位が前記警告範囲に属することと判断することを含むことができる。
【0030】
さらに他の実施形態として、前記確認するステップにおいて、前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波等の不存在が確認された場合、前記判断するステップは、前記水位が前記危険範囲に属することと判断することを含むことができる。
【0031】
さらに他の実施形態として、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、前記配管の外側から水平方向に離間されることができる。
【0032】
さらに他の実施形態として、前記固体型接触媒質は、ポリエチレン系、または、高分子特性を揃えた物質、或いは、軟性を揃えた金属性ないし金属物質、若しくは、親水性高分子化合物等からなる超音波透過性固体物質であり、前記配管の表面に塗布されたり、付着されることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、非破壊的な方法を介して、容易かつ簡単に配管内の長期的な水位モニタリング装備を構築でき、ガス蓄積と関連した懸案を解決し、発電所の安全性と運用効率性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】一実施形態に係る配管内の水位モニタリングシステムの構造図である。
【0035】
図2】一実施形態に係る超音波発生部の断面を示したものである。
【0036】
図3】一実施形態によって配管に多重チャネルを構築した側面図である。
【0037】
図4】本発明に係る配管内の水位モニタリングシステムの動作原理を説明するための断面図である。
【0038】
図5】本発明の一実施形態に係る配管内の水位モニタリングシステムを設定する方法を示した順序図である。
【0039】
図6】本発明の一実施形態に係る配管内の水位モニタリングシステムの動作方法を示した順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
下記では、添付した図面を参考して、本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかしながら、本発明は、種々の相違した形態で実現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分を省略し、明細書全体にわたって類似した部分に対しては、類似した図面符号を付した。
【0041】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外することでなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、明細書に記載された「〜部」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア(hardware)やソフトウェア(software)、またはハードウェア及びソフトウェアの結合で実現されることができる。
【0042】
図1は、一実施形態に係る配管内の水位モニタリングシステムの構造図である。
【0043】
図1に示すように、配管内の水位モニタリングシステム100は、超音波発生部110、超音波探傷部120、及びデータ処理部130を備える。
【0044】
超音波発生部110は、超音波を発生させ、超音波を配管10内に伝達する。このとき、超音波発生部110は、超音波を配管10内に効果的に伝達するための構造を有することができる。すなわち、超音波発生部110は、超音波探傷によるモニタリングの正確度向上のために、超音波の消滅を最小化する構造を有する。このような構造を実現するための一例として、超音波発生部110の断面を示した図2を参照すれば、超音波発生部110は、超音波を発生させる少なくとも1つの超音波トランスデューサ111、超音波トランスデューサ111と配管10とを接触させるものの、超音波の消滅を最小化する固体型接触媒質112、及び超音波トランスデューサ111が動かずに正確に固定されるように保持する保持部113を備えることができる。
【0045】
超音波発生部110の各構成要素をさらに詳しくみると、超音波発生部110は、複数の超音波トランスデューサ111を含んで配管10内の水位hを階層的に測定することができる。例えば、本明細書では、3個の超音波トランスデューサ111が配管10の外側で互いに異なる位置に備えられたことと図示した。第1ないし第3の超音波トランスデューサ111−1、111−2、111−3は、水位を感知するのに使用される。このために、これらの超音波トランスデューサ111は、配管10を基準として垂直(または、横断面)方向及び/又は水平(または、縦断面)方向に沿って配管10の外側に互いに離間されて配置される。例えば、超音波トランスデューサ111は、図2のように、配管10を基準として垂直方向(または、配管の横断面)に沿って重ならないように離間されて配置されることができる。また、超音波トランスデューサ111は、図3のように、配管10を基準として水平方向(または、配管の縦断面)にそって重ならないように離間されて配置されることができる。これは、超音波等が配管10の一側で送信された後、配管10の反対側(他側)で反射されて戻ってくるとき、超音波等間の干渉を減らすためである。
【0046】
各超音波トランスデューサ111は、超音波探傷部120と連結され、超音波探傷部120の制御によって特定波形の超音波を配管10の一側で発生させ、配管10の反対側(他側)金属層で反射されて戻ってくる超音波を受信する。本実施形態において超音波トランスデューサ111を3個に構成したことは例示に過ぎず、2個、4個、またはそれ以上に構成され得ることはもちろんである。
【0047】
固体型接触媒質112は、超音波トランスデューサ111の一側に備えられて、超音波トランスデューサ111を配管10の外側に接触させるものの、超音波の消滅を最小化するように、形態が変わらない物質で形成されることができる。
【0048】
固体型接触媒質112の材質または性質と関連して、一例として固体型接触媒質は、高分子性物質でありうる。他の例として、固体型接触媒質は、親水性高分子化合物でありうる。さらに他の例として、固体型接触媒質は、金属性物質でありうる。例えば、固体型接触媒質は、軟性を揃えた金属性物質でありうるし、剛性を揃えた金属性物質でありうるし、軟性と剛性とを共に揃えた金属性物質でありうる。さらに他の例として、固体型接触媒質112は、ポリエチレン系の超音波透過性固体物質でありうる。さらに他の例として、固体型接触媒質112の外皮は、相対的に硬い物質で、内皮は、相対的に軟らかい物質で構成されることができる。さらに他の例として、固体型接触媒質112は、1個以上の固体型物質が複合されて構成されることができる。さらに他の例として、固体型接触媒質112は、単一物質で構成されることができる。固体型接触媒質112の接触方式または形態と関連して、一例として、固体型接触媒質112は、配管10の表面に塗布される形態でありうる。他の例として、固体型接触媒質112は、配管10の表面に付着される形態でありうる。
【0049】
上記のような固体型接触媒質を使用することにより、超音波トランスデューサ111が配管10と接触した状態で長時間蒸発されず、持続的に形態が維持され得るし、固体型媒質を軟らかく対象物体と接触されるようにする。また、固体型接触媒質112は、超音波トランスデューサ111と配管1の表面間の気孔を除去することにより、超音波トランスデューサ111から発生された超音波が配管10を通過するとき、超音波の減衰を最小化し、超音波探傷法の適用範囲を拡張させ、持続的な水位モニタリングを実現できる。
【0050】
保持部113は、超音波トランスデューサ111が配管10に安定的、固定的、持続的に接触するように保持し、環形または輪状のホルダとして配管10の全部または一部を取り囲むことができる。すなわち、保持部113は、複数の超音波トランスデューサ111が危険範囲、警告範囲、正常範囲を感知するために、配管10の外側で互いに異なる位置に備えられるとき、これらの超音波トランスデューサ111の各々を個別的に保持するように複数個で構成されることができる。しかし、これは例示に過ぎず、保持部113の形状や形態、または個数は、様々に実現され得ることはもちろんである。1個の保持部113と1個の超音波トランスデューサ111との組み合わせで超音波探傷を行うとき、前記組み合わせをチャネルといい、このような組み合わせが複数個で構成されたことを多重チャネルと呼ぶ。
【0051】
図3は、一実施形態によって配管に多重チャネルを構築した側面図である。図3は、保持部113−1、113−2、113−3と超音波トランスデューサ111−1、111−2、111−3との組み合わせが3個になって、3重チャネルを構成した例示である。
【0052】
さらに、図1に示すように、超音波探傷部120は、それぞれのチャネルに位置した超音波トランスデューサ111を駆動させて超音波信号の送信を制御し、反射される超音波の波形を感知及び収集して入出力する。例えば、超音波探傷部120は、周期的に(例えば、10分間隔)超音波信号が送信されるように制御し、反射波を周期的に観察することができる。そして、超音波探傷部120は、データ処理部130と連結されて、収集された超音波波形に関する情報をデータ処理部130に送るか、データ処理部130により格納されるか、加工された情報を受信できる。
【0053】
データ処理部130は、超音波探傷部120から得た各種情報(反射波情報等)に基づいて水位または水位が属する範囲を判断し、水位に関する情報を加工するか、処理して格納することができる。
【0054】
超音波は、固体、液体、及び空気領域で電波特性が相違するため、気体領域での超音波波形と液体領域での超音波波形とが区分される。したがって、超音波探傷部120は、金属層で形成された配管10に透過された超音波が配管10の厚さを空けて配管10の反対側金属層で反射されて戻ってくる超音波の波形を多重チャネルを介して観察し検証することで、配管10の内部表面に気体と液体とが共存するかに関する情報または超音波が気体領域または液体領域と相互作用した結果情報を導き出すことができる。このような情報等は、配管10内の水位を正確に評価するのに使用される。
【0055】
図4は、本発明に係る配管内の水位モニタリングシステムの動作原理を説明するための断面図である。
【0056】
図4に示すように、安全関連系統の配管10内にガスが蓄積されれば、水位hが変化し得る。本実施形態では、水位hの範囲を正常範囲、警告範囲、危険範囲の3段階として定義する。水位hを正常範囲、警告範囲、危険範囲のように階層的に分けるために、正常範囲、警告範囲、危険範囲の物理的な高さが予め設定され得る。ユーザは、このように設定されたそれぞれの範囲に該当する配管外側(または、表面)上の地点を選定し、現場の配管に適用することができる。
【0057】
次いで、ユーザは、複数の範囲を形成するように適当な準位に超音波トランスデューサ111を位置させる。これらの超音波トランスデューサ111は、超音波を発生させ、自分が配管10の一側で送信した超音波が配管10の他側から反射されて来る波形を観測できる。
【0058】
第1の超音波トランスデューサ111−1は、最上準位(基準位置)に位置している。第2の超音波トランスデューサ111−2は、最上準位より相対的に下の準位、すなわち、正常範囲と警告範囲の境界に位置している。第3の超音波トランスデューサ111−3は、最も低い準位、すなわち、警告範囲と危険範囲の境界に位置している。すなわち、複数の超音波トランスデューサ111が配管10の外側上に互いに離間されて配置された状態に基づいて、配管10の横断面に沿って水位が属し得る複数の範囲が形成され得る。各超音波トランスデューサ111が離れた間隔または配置された形態によって正常範囲、警告範囲、危険範囲の幅が変わり得る。
【0059】
これらの超音波トランスデューサ111により発生された超音波と反射波とに基づいて水位hを判断する方法は、次のとおりである。
【0060】
1)水位hが正常範囲に属する場合は、次の2つの場合を含む。
【0061】
i)全ての超音波トランスデューサ111が液体領域に接した場合:全ての超音波トランスデューサ111で発生された超音波は、減衰せずに、再度超音波トランスデューサ111に反射されて戻ってくる。このとき、反射されて戻ってくる波形は、ガウシアン形態で観測されることができる。したがって、配管内の水位モニタリングシステム100は、全ての超音波トランスデューサ111から反射波が観測される場合、水位hが正常範囲に属することと判断する。
【0062】
ii)第1の超音波トランスデューサ111−1は気体領域に接し、第2の超音波トランスデューサ111−2と第3の超音波トランスデューサ111−3とは液体領域に接した場合:第1の超音波トランスデューサ111−1で発生された超音波に対する反射波は観測されないことに対し、第2の超音波トランスデューサ111−2と第3の超音波トランスデューサ111−3とで発生された超音波に対する反射波は減衰せずに、反射されて戻ってくる。したがって、配管内の水位モニタリングシステム100は、少なくとも第2の超音波トランスデューサ111−2が反射波を観測する地点までは水位hが正常範囲に属することと判断する。
【0063】
2)水位hが警告範囲に属する場合は、第1の超音波トランスデューサ111−1と第2の超音波トランスデューサ111−2とは気体領域に接し、第3の超音波トランスデューサ111−3は液体領域に接した場合に該当する。第1の超音波トランスデューサ111−1と第2の超音波トランスデューサ111−2とで発生された超音波に対する反射波は観測されないことに対し、第3の超音波トランスデューサ111−3で発生された超音波に対する反射波は減衰せずに、反射されて戻ってくる。したがって、配管内の水位モニタリングシステム100は、少なくとも第3の超音波トランスデューサ111−3が反射波を観測する地点までは水位hが警告範囲に属することと判断する。
【0064】
3)水位hが危険範囲に属する場合は、第1の超音波トランスデューサ111−1、第2の超音波トランスデューサ111−2、及び第3の超音波トランスデューサ111−3が共に気体領域に接した場合に該当する。したがって、第1の超音波トランスデューサ111−1、第2の超音波トランスデューサ111−2、及び第3の超音波トランスデューサ111−3で発生された超音波に対する反射波は観測されない。したがって、配管内の水位モニタリングシステム100は、全ての超音波トランスデューサ111が反射波を観測できない時点からは水位hが危険範囲に属することと判断する。
【0065】
図5は、本発明の一実施形態に係る配管内の水位モニタリングシステムを設定する方法を示した順序図である。
【0066】
図5に示すように、配管内の水位モニタリングシステム100を配管10に設置する方法は、少なくとも1つの超音波トランスデューサ111+固体型接触媒質112+超音波探傷部120の連結状態を確認するステップ(S500)と、超音波トランスデューサ111で発生する超音波が固体型接触媒質112と液体領域とを通過する波形を確認するステップ(S505)と、液体領域で前記超音波に対する反射波の有無を確認するステップ(S510)とを含む。例えば、ユーザは、設置初期に超音波トランスデューサ111を発生させた超音波が、固体型接触媒質112と液体領域を介して反射されてくる波形を観察することにより、各構成要素の連結状態が正しいか確認することができる。また、本実施形態に係る水位モニタリング方法は、反射波の有無を正確に確認することが配管内の水位を判断するのに重要な要素であるから、システムの信頼度のために、この情報のエラーを予め防止する必要がある。
【0067】
ステップS510において、仮りに、液体領域での反射波が確認されなければ、さらにステップS505が行われる。それに対し、仮りに、液体領域での反射波が確認されれば、ユーザは、超音波トランスデューサ111と固体型接触媒質112とを連結し(S515)、水位の正常範囲、警告範囲、危険範囲を区分する配管表面上の地点を選定して、それぞれの範囲を区分する準位に超音波トランスデューサ111を配置する(S520)。
【0068】
このように、本実施形態に係る配管内の水位モニタリングシステムは、安全関連系統のガス蓄積と関連して非破壊的な方法で配管内の水位モニタリングを長期的に行うことができ、配管の形状と発電所系統に物理的変化を与えず、システムの設置及び現場適用が極めて簡単であり、構築されたシステムを介して持続的に配管内の水位に対するデータベースを構築できる。
【0069】
図6は、本発明の一実施形態に係る配管内の水位モニタリング方法を示した順序図である。
【0070】
図6に示すように、配管内の水位モニタリングシステム100は、多重チャネルの超音波トランスデューサ111を使用して超音波を発生させる(S600)。超音波トランスデューサ111で発生された超音波は、固体型接触媒質112を介して配管10内に送信される。
【0071】
配管内の水位モニタリングシステム100は、各超音波トランスデューサ111−1、111−2、111−3の超音波に対する反射波の有無を確認する(S605)。
【0072】
各超音波トランスデューサ111−1、111−2、111−3の超音波に対する反射波情報に基づいて、配管内の水位モニタリングシステム100は、配管10内の水位を判断する(S610)。ここで、反射波情報とは、反射波等の有無を組み合わせた情報である。
【0073】
各超音波トランスデューサ別の反射波の有無を組み合わせて配管10内の水位を判断する方法を図4を参照して説明すれば、次のとおりである。
【0074】
【表1】
【0075】
表1に示すように、全ての超音波トランスデューサ111の超音波に対する反射波が存在することと確認された場合、または、第1の超音波トランスデューサ111−1を除いた残りの超音波トランスデューサの超音波に対する反射波が確認された場合、配管内の水位モニタリングシステム100は、配管内の水位が正常範囲に属することと判断する。
【0076】
そして、第3の超音波トランスデューサ111−3の超音波に対する反射波のみが確認された場合、配管内の水位モニタリングシステム100は、配管内の水位が警告範囲に属することと判断する。
【0077】
また、全ての超音波トランスデューサ111の超音波に対する反射波が確認されなかった場合、配管内の水位モニタリングシステム100は、配管内の水位が危険範囲に属することと判断する。
【0078】
本実施形態に係る配管内の水位モニタリング方法は、上記において判断された配管内の水位に関する情報をデータベースに格納するステップをさらに含むことができる。
【0079】
このように、配管の水位を直接測定せずに、遠距離モニタリングを介して発電所点検に消費される時間を効率的に減らしながら持続的な観察が可能なので、運用の効率性が増大する。また、ガス蓄積の安全性の懸案と関連する空気蓄積現象を持続的にモニタリングして、過度な空気が蓄積されないように事前予防をすることができ、発電所系統に直接的な設計変更なしでモニタリングが可能なので、安全性が増大する。
【0080】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能であろう。したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものでなく、説明するためのものであり、このような実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、下記の請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等な範囲内にあるあらゆる技術思想は、本発明の権利範囲に含まれることと解釈されるべきであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2017年4月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管内の水位をモニタリングするシステムであって、
前記配管の外側で互いに離間した位置に配置されて超音波を発生させる少なくとも1つの超音波トランスデューサと、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサの一側に備えられて、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサを前記配管の外側に接触させる固体型接触媒質と、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサが前記配管の外側に固定的に接触するように保持する保持部とを含む超音波発生部と、
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサを駆動させて前記超音波の発生を制御し、前記超音波に対する反射波を感知し、前記反射波に関する情報を収集して入出力する超音波探傷部と、
前記反射波に関する情報に基づいて前記水位を判断し、前記水位に関する情報を処理したり、格納するデータ処理部と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記配管の外側から垂直方向に前記少なくとも1つの超音波トランスデューサが配置された状態に基づいて、前記配管の横断面に沿って複数の範囲が形成され、
前記データ処理部は、前記複数の範囲のうち、前記水位が属する範囲を判断することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは3個であり、
前記配管の外側に沿って最上準位から下側に第1ないし第3の超音波トランスデューサが順次配置され、
前記複数の範囲は、正常範囲、警告範囲、及び危険範囲を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記超音波探傷部が前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波を全て感知するか、前記第2及び第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波のみを感知する場合、
前記データ処理部は、前記水位が前記正常範囲に属することと判断することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記超音波探傷部が前記第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波のみを感知する場合、
前記データ処理部は、前記水位が前記警告範囲に属することと判断することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記超音波探傷部が前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波を全て感知できない場合、
前記データ処理部は、前記水位が前記危険範囲に属することと判断することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、前記配管の外側から水平方向に離間されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記保持部は、環形または輪状のホルダとして前記配管の全部または一部を取り囲むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記固体型接触媒質は、ポリエチレン系の超音波透過性固体物質であり、前記配管の表面に塗布されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記固体型接触媒質の外皮は、相対的に硬い物質で構成され、前記固体型接触媒質の内皮は、相対的に軟らかい物質で構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記固体型接触媒質は、前記配管の表面に付着される形態であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
配管内の水位をモニタリングするシステムであって、
互いに離間された多重チャネルを介して前記配管内に超音波を送信する超音波発生部(ここで、各チャネルは、超音波を発生させる超音波トランスデューサ、前記超音波トランスデューサの一側に備えられる固体型接触媒質、及び前記配管の外側を取り囲む輪状であって、前記超音波トランスデューサを固定的に保持する保持部で構成される)と、
前記多重チャネルを介しての前記超音波の送信を制御し、前記超音波に対する反射波を感知し、前記反射波に関する情報を収集して入出力する超音波探傷部と、
前記反射波に関する情報に基づいて前記水位を判断し、前記水位に関する情報を処理したり、格納するデータ処理部と、
を備えるシステム。
【請求項13】
前記配管の外側から垂直方向に前記少なくとも1つの超音波トランスデューサが配置された状態に基づいて、前記配管の横断面に沿って複数の範囲が形成され、
前記データ処理部は、前記複数の範囲のうち、前記水位が属する範囲を判断することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記多重チャネルを構成する超音波トランスデューサは3個であり、
前記配管の外側に沿って最上準位から下側に第1ないし第3の超音波トランスデューサが順次配置され、
前記複数の範囲は、正常範囲、警告範囲、及び危険範囲を含むことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記超音波探傷部が前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波を全て感知するか、前記第2及び第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波のみを感知する場合、
前記データ処理部は、前記水位が前記正常範囲に属することと判断することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記超音波探傷部が前記第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波のみを感知する場合、
前記データ処理部は、前記水位が前記警告範囲に属することと判断することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記超音波探傷部が前記第1ないし第3の超音波トランスデューサの超音波に対する反射波を全て感知できない場合、
前記データ処理部は、前記水位が前記危険範囲に属することと判断することを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの超音波トランスデューサは、前記配管の外側から水平方向に離間されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記固体型接触媒質は、ポリエチレン系の超音波透過性固体物質であり、前記配管の表面に塗布されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記固体型接触媒質の外皮は、相対的に硬い物質で構成され、前記固体型接触媒質の内皮は、相対的に軟らかい物質で構成されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【国際調査報告】