特表2017-532689(P2017-532689A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-532689リモートオブジェクトの位置を特定するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-532689(P2017-532689A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】リモートオブジェクトの位置を特定するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/24 20060101AFI20171006BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20171006BHJP
【FI】
   G08B21/24
   H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-522456(P2017-522456)
(86)(22)【出願日】2015年7月9日
(85)【翻訳文提出日】2017年1月26日
(86)【国際出願番号】US2015039802
(87)【国際公開番号】WO2016007783
(87)【国際公開日】20160114
(31)【優先権主張番号】62/023,092
(32)【優先日】2014年7月10日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517009280
【氏名又は名称】ブライス,デヴィッド,ジー.
(71)【出願人】
【識別番号】517009291
【氏名又は名称】カレンダー,カーティス,エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100102576
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100101063
【弁理士】
【氏名又は名称】松丸 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100153903
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明
(72)【発明者】
【氏名】ブライス,デヴィッド,ジー.
(72)【発明者】
【氏名】カレンダー,カーティス,エル.
【テーマコード(参考)】
5C086
5K201
【Fターム(参考)】
5C086AA21
5C086CA06
5C086CA25
5C086CB26
5C086CB27
5C086DA14
5C086EA08
5C086FA06
5K201AA07
5K201BA02
5K201CC04
5K201EB07
5K201ED05
5K201EF08
5K201EF09
(57)【要約】
眼鏡、腕時計などのリモートオブジェクトへユーザを案内し、リモートオブジェクトをトラッキングするためのシステムであって、前記システムは、前記オブジェクトに物理的に接続されたRFIDトランスポンダ;前記RFIDトランスポンダと通信しその応答において信号を受信するように構成されたRFIDインテロゲータ;前記RFIDインテロゲータと電子通信するとともに前記受信した信号を処理し、前記RFIDインテロゲータに対する前記オブジェクトの位置を判定するように構成され、ユーザに対して前記オブジェクトの前記位置に関する情報を提供するように構成された、ポータブル電子デバイス;を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザをリモートオブジェクトへ案内するシステムであって、
前記オブジェクトに物理的に接続され、無線周波数問い合わせ信号を受信し、前記無線周波数問い合わせ信号に応答して無線周波数応答信号を送信することができる、第1通信デバイス、
前記無線周波数問い合わせ信号を送信し、前記第1通信デバイスから前記無線周波数信号を受信することができる、第2通信デバイス、
前記第2通信デバイスと電気的に接続されており、前記受信した無線周波数通信信号を処理し、前記第1通信デバイスの位置および前記第2通信デバイスに対する前記オブジェクトの位置を判定し、前記ユーザに対して前記オブジェクトの位置の視覚的情報または音声的情報を提供することができる、コンピュータデバイス、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記コンピュータデバイスは、前記オブジェクトの位置の方向を前記ユーザに対して提示するように構成されている
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
ユーザをリモートオブジェクトへ案内するシステムであって、
前記オブジェクトと物理的に接続され、問い合わせ信号を受信するとともに前記受信した無線周波数問い合わせ信号に応答して無線周波数応答信号を送信するように構成されている、無線周波数トランスポンダ、
前記オブジェクトから物理的に離れており、前記問い合わせ信号を送信するとともに前記トランスポンダから前記無線周波数応答信号を受信するように構成されている、無線周波数インテロゲータ、
前記無線周波数インテロゲータと電子的に接続され、前記無線周波数応答信号を処理して前記インテロゲータに対する前記オブジェクトの位置を判定し、前記オブジェクトの相対位置の視覚的情報、音声的情報、または触覚的情報のうち少なくとも1つを前記ユーザに対して提供するように構成されている、ポータブル電子デバイス、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項4】
前記コンピュータデバイスは、前記オブジェクトの位置の方向を前記ユーザに対して提示するように構成されている
ことを特徴とする請求項3記載のシステム。
【請求項5】
眼鏡などの個人オブジェクトを位置特定およびトラッキングし、ユーザに対して前記個人オブジェクトの位置と動きを提示するシステムであって、
前記個人オブジェクトに取り付けられ、無線周波数問い合わせ信号を受信するとともに無線周波数応答信号を送信するように構成されている、無線周波数トランスポンダ、
前記個人オブジェクトから離れており、前記無線周波数問い合わせ信号を送信するとともに前記トランスポンダから前記無線周波数応答信号を受信するように構成されている、無線周波数インテロゲータ、
携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、およびPDAのいずれか1つを有する個人通信デバイスであって、前記無線周波数インテロゲータと電子通信し、前記無線周波数応答信号を処理し、前記無線周波数インテロゲータに対する前記オブジェクトの位置を判定し、前記オブジェクトの少なくとも位置を前記ユーザに対して提示するように構成されており、前記提示は、前記オブジェクトの位置を示すマップ;前記無線周波数トランスポンダから見た前記オブジェクトの位置の視覚的提示;前記オブジェクトの位置の音声的提示;前記オブジェクトの位置の触覚的提示、のうち少なくとも1つを含む、個人通信デバイス、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項6】
前記トランスポンダは、充電可能バッテリによって電力を供給されるアクティブトランスポンダである
ことを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、最終接触点までの前記オブジェクトの履歴位置情報;前記オブジェクトが前記無線周波数インテロゲータの問い合わせ信号の範囲から出ていくかまたは入っていこうとしていること;前記ユーザ以外の者に属する物品が前記無線周波数インテロゲータの問い合わせ信号の範囲に入っていこうとしていること;のうち少なくとも1つを、前記ユーザに対して提示するように構成されている
ことを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記エンドユーザまたは前記エンドユーザが承認した者が利用できるネットワークに対して情報をアップロードすることにより、前記ユーザに対して最終接触点までのオブジェクトの履歴位置情報の少なくとも1つについての情報を提供するように構成されている
ことを特徴とする請求項5記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願への相互参照>
本願は、U.S.C.§119(e)にしたがって、2014年7月10日に出願された米国仮出願62/023,092号の優先権を主張する。同文献の全体は、参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本文書は、無線アシスト通信システムに関する。具体的には、ユーザに対してタグ付きオブジェクトの位置を示すモバイルデバイスと組み合わせた無線周波数IDシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
今日において、何らかのタイプのベースステーションに対して信号を送信することによりアイテムを発見することを補助するために用いることができるデバイスが存在する。例えば、マッチボックス程度またはこれよりやや大きい程度のサイズで、アイテムに取り付けることができる送信器デバイスがある。これによりそのアイテムは、当該送信器からの信号を用いることにより、その位置を特定することができる。例として、これらデバイスをキーリングに付加することが挙げられる。家の鍵または自動車の鍵が紛失したとき、キーに取り付けられたデバイスから送信されるRF信号を用いることにより、より容易に発見することができる。これらデバイスは、当該分野において“トランスポンダ”または“タグ”として知られている。これらタグは例えば、Bluetooth Low Energy(BLE)ルール、スペクトル、割当の下で、2450MHz帯域で動作する。従来のアプローチは基本的に、BLEタグを用いて、繁忙時や日常活動の間に置き忘れられる日常品を発見することを補助するものである。
【0004】
Bluetoothタグは、このスペクトルを用いる多くのデバイスの1つに過ぎない。Bluetooth機能を有するデバイスが増えることにより、Bluetooth機能を有するスマートフォンの機能が増えた。Bluetoothリンクにより、無線イヤホン、無線スピーカ、接続ホストのオプションが可能になった。これによりスマートフォンは、短距離低スピードデータを送受信することができる。Bluetoothを用いるタグはさらに普及するようになってきている。Reveal Labsという企業の例として、Tile(TM)とStickFind(TM)という2つの製品ラインが挙げられる。図1は、荷物30に取り付けられたTile(TM)製品20の例を示す。この製品は、ポータブル電子デバイスと通信するように設計されている。例えば、製品20までの範囲と距離についての情報を表示するアプリケーションソフトウェアを有する携帯電話である。製品20は、リモート起動できるスピーカを備え、これを用いて音により製品20の位置特定をアシストする。この製品20の欠点はそのサイズであり、これにより大きな物体への適用が制限され、例えば眼鏡のような小物品には適していない。
【0005】
米国特許6,297,737号は、位置特定ユニットを記載している。同ユニットは、1以上の位置特定タグに対して信号を送信する無線通信インターフェースを備える。ユーザは、各タグをアイテムと物理的に関連付ける。例えばブリーフケースやキーリングなどのアイテムである。タグをつけたアイテムが置き忘れられると、ユーザは位置特定ユニットを用いてこれを発見する。ユーザは、タグ付きアイテムのリストのなかから所望のアイテムを選択し、ユーザの選択に基づき、位置特定ユニットが関連付けられたタグをポーリングする。ポーリングされたタグは、可聴信号を発信することにより応答し、これによりユーザがその位置を判定することをアシストする。位置特定ユニットは双方向通信モバイル端末であることが望ましく、ポーリングされたタグはポーリングに対する応答においてモバイル端末に対して発見信号を戻す。モバイル端末はユーザに対して、発見/非発見情報を提供する。これによりユーザは、タグの可聴信号が聞こえない場合であっても、所望のタグ付きアイテムがポーリング信号の範囲内にあるか否かを確定することができる。タグは、モバイル端末に対してポーリング開始するためのスイッチを備えることが望ましい。タグからポーリング信号を受け取ると、モバイル端末は可聴信号を出力し、ポーリングタグに対して発見信号を戻す。ポーリングタグはユーザに対して、発見/非発見情報を提供する。したがって、個々のタグを用いてモバイル端末を位置特定することができる。モバイル端末と位置特定タグの無線インターフェースは、Bluetoothトランシーバであることが望ましい。この特許は、可聴情報以外のものを提供することについて教示も提案もしておらず、聴覚障害者にとっては役に立たない。特に補聴器を位置特定する際には役に立たない。
【0006】
米国特許6,769,767号は、無線アドホックピコネットワークを提供している。同ネットワークは、眼鏡類その他デバイスによって形成される。例えば同様のトランシーバを取り付けたコンピュータ、ブレスレット、電話機である。さらには、ラジオ、CDプレイヤ、ハンドヘルドGPSシステム、心拍モニタ、などのデバイスも含む。トランシーバは、グローバルに利用可能な非ライセンス無線帯域の2.45ギガヘルツ(GHz)で動作し、Bluetooth規格に準拠する。眼鏡類はフレームを備え、フレームには2つのテンプルが接続されている。テンプルは、コネクタに組み込まれた凸部を有する。コネクタの凹部は、ヒンジと統合されている。凸部が凹部に対して挿入されると、テンプルはフレームに取り付けられる。テンプルは、その本体に一体成型された装置を有することができる。例えばオーディオデバイス、カメラ、スピーカ、マイクロフォン、液晶ディスプレイなどのディスプレイデバイス、アラーム、である。この特許は、眼鏡を特別に製造することが必要であり、デバイスに取り付けられたテンプルの動作のための充分な電気エネルギー蓄積器を提供する問題に対して対処していない。
【0007】
米国特許8,253,559号は、無線位置特定デバイスを用いる。同デバイスは、ユーザインターフェースを備える。同インターフェースは、ユーザがハンドヘルド無線通信デバイスを位置特定するよう指示すると、これに応じて第1位置リクエスト信号を生成する。短距離無線送信器は、位置リクエスト信号に応じて第1RFページング信号を送信する。補助デバイスは、通信ポートを介してハンドヘルド無線通信デバイスに接続されている。補助デバイスは、第1RFページング信号に応じて第1検出可能アラート信号を出力して、ユーザがハンドヘルド無線通信デバイスを位置特定することをアシストする。このデバイスは、聴覚障害者のニーズに対処することができない。
【0008】
米国特許公開20030034887号は、オブジェクトを位置特定するオブジェクト位置特定システムを提供している。オブジェクトは例えば、人間、ペット、個人物である。トラッキングする人間、動物、またはアイテムに対してトランシーバが取り付けられ、ハンドヘルド位置特定デバイスを用いて位置特定信号を送信する。位置特定信号は、トランシーバに対するアドレスコードを含む。信号を受信すると、トランシーバは位置特定信号に含まれるアドレスコードを、トランシーバが保持しているアドレスコードと比較する。2つのコードが同じであれば、トランシーバは位置特定デバイスに対して応答信号を送信する。位置特定デバイスは、この応答信号を用いて、ユーザ位置からトランシーバまでの距離と方向を判定する。ユーザは、複数のアイテムから位置特定するものを選択することができ、同じ領域内において複数のユーザが互いに干渉することなく異なる物品を検索することができる。ユーザが眼鏡を検索したい場合、そのユーザはスクリーンをスクロールダウンして特定の眼鏡ペアを選択することができる。すると、対応するアドレスコードを含む検索信号が送信される。この文書は、眼鏡にBluetooth技術を組み込む方法について提示していない。例えば充分なバッテリ性能についてである。
【0009】
米国特許公開20130342805号は、多機能眼鏡を記載している。同眼鏡は、2つのレンズと眼鏡フレームを備える。眼鏡フレームは、2つの支持ロッドと2つのレンズフレームを備える。各レンズフレームは、それぞれ1つのレンズに取り付けられている。本多機能眼鏡は、プロセッサ、メモリ、ディスプレイを有する。本眼鏡は、受信器と送信器、GPS位置確認システム、Bluetoothシステム、カメラ、音声制御システム、TV回路、スキャナ、体温計、温度計、バッテリ、太陽エネルギーチップ、USPプラグ、スイッチングセット、とともにインストールすることができる。ただしこの公報は、眼鏡に取り付けたときBluetooth技術に電力を供給するのに十分なバッテリ性能を提供することについての問題を、教示も示唆もしていない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本文書は、ユーザをリモートオブジェクトへ案内し、リモートオブジェクトをトラッキングするためのシステムを提供する。1形態において、前記システムは、前記オブジェクトに物理的に接続されたRFIDトランスポンダ;前記RFIDトランスポンダに問い合わせしてその応答において信号を受信するように構成されたRFIDインテロゲータ;前記RFIDインテロゲータと電子通信するとともに前記受信した信号を処理し、前記RFIDインテロゲータに対する前記オブジェクトの位置を判定するように構成され、ユーザに対して前記オブジェクトの前記位置に関する情報を提供するように構成された、ポータブル電子デバイス;を備える。Bluetooth技術を無線通信のために採用し、拡張動作のために充分な充電性能を有するバッテリを備える。
【0011】
本文書の1側面において、リモートオブジェクトを位置特定しトラッキングする認識システムを提供する。前記システムは、Bluetooth Low Energy(BLE)タグを備える。前記タグは、眼鏡ペア;眼鏡ランヤード;眼鏡に取り付ける小物品;のなかの少なくとも1つの内部にフィットしてこれとともに用いることができる程度に小さい。トラッキングまたは位置特定するその他オブジェクトとしては、腕時計、電話機、宝石、リモコン、キー、キーチェーン、小銭入れ、札入れ、その他の所有者またはユーザにとって価値のある個人物品が挙げられる。無線または接触して充電することができるバッテリをタグに設けることが望ましい。
【0012】
本文書の他側面において、携帯電話とともに用いる携帯電話アプリケーションを提供する。前記携帯電話アプリケーションは、Bluetooth通信機能を有する。前記通信機能により、ユーザは紛失した眼鏡を以下の1以上によって容易に発見することができる:(a)グラフ状に示される信号強度によって前記眼鏡の位置に向かう;(b)音声フィードバックを用いて前記眼鏡の位置に向かう;(c)他デバイスから得られる位置情報を用いることにより前記眼鏡の位置に向かう。この設計の他側面において、前記携帯電話からあらかじめ定めた閾値距離を超えて眼鏡が移動しているとき、ユーザはその旨を通知される。
【0013】
本文書は、RFID技術を用いて、紛失したオブジェクト(具体的には眼鏡)を位置特定およびトラッキングすることに関する。より具体的には、小型Bluetooth技術を採用して、以下の少なくとも1つをタグ付する:眼鏡ペア;眼鏡ランヤード;眼鏡に取り付ける小物品。携帯電話アプリケーションを利用して、位置特定およびトラッキングサービスのために前記タグと通信する。前記携帯電話アプリケーションは、前記ユーザに対して様々なフォーマットで情報を表示する。前記フォーマットは、視覚、聴覚、触覚のものを含む。例えば方向を発話することにより、眼鏡が紛失した場所へ前記ユーザが歩いて向かうことをアシストできる。
【0014】
前記携帯電話アプリケーションは、Bluetooth通信機能を備える。前記通信機能により、ユーザは紛失した眼鏡を容易に発見することができる。本文書の別側面において、前記携帯電話からあらかじめ定めた閾値距離を超えて眼鏡が移動しているとき、ユーザはその旨を通知される。
【0015】
本文書の前記特徴および利点は、添付する図面とともに以下の詳細説明によって容易に判明するとともにより理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】荷物と対応付けた既知のBLEデバイスを示す。
図2】本文書にしたがって形成された、BLE機能を有する眼鏡ペアを示す。
図3】本文書にしたがって形成されたシステムの1側面を構成するコンポーネントの組み合わせを示す。
図4】本文書にしたがって形成したタグのブロック図である。
図5】本文書のシステムの基本アプリケーションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明において、様々な実施形態を詳細に理解するため、特定の詳細部分を説明する。ただし当業者は、これら詳細部分の1以上を用いることなく、またはその他の方法、コンポーネント、材料などを用いて、本実施形態を実施できることを認識するであろう。他実施例において、眼鏡;携帯電話;充電ステーション;無線周波数トランスポンダおよびインテロゲータ;に関連する既知の構造またはコンポーネントは、本実施形態の記載を不要に不明確にしないようにするため、明示しない場合がある。
【0018】
文脈において除外されない限り、明細書と特許請求範囲において、用語“備える”またはその変形語、例えば“備え”や“備えている”は、非排他的に解釈すべきである。すなわち、“含んでいるが、これに限定されない”ということである。以上は“含む”と“有する”にも同様に適用される。
【0019】
本文書における“1実施形態”や“実施形態”は、その実施形態とともに説明する特定の特徴、構造、特性が少なくとも1つの実施形態において含まれていることを意味する。したがって、本文書の様々な箇所における“1実施形態において”や“実施形態において”は、必ずしも全て同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1以上の実施形態において適切な態様で組み合わせることもできる。
【0020】
置き忘れた札入れ、小銭入れ、または携帯電話は、既存技術の利点のよい例であるが、これら小物品は最も典型的なユースケースではない。より重要なのは、置き忘れられる小物品の大多数は既存技術の利点を享受できないことである。これは、読取範囲が限られていることとタグサイズが大きいことの結果である。車キーや眼鏡は最もよく置き忘れられるオブジェクトであり、既存技術は、有用といえる程度に小さい解決手段を適切に提供していない。ファインダまたはビーコンタイプのタグを用いる現行アプリケーションの多くは、より小さいタグを用いてより効率的に実装することができる。既存技術のうち最も大きい部分はバッテリなので、本文書は充電可能なより小さいバッテリを有する蓄電デバイスを利用する。一般にサイズは約3×4×11mmである。このサイズは、BLEチップ、小型共鳴器、および利用可能な最も小さいバッテリを用いることに基づいている。またこのサイズは、位置特定およびトラッキングするオブジェクトのサイズに基づいている。理想的には、バッテリは商用入手可能なものであり、例えば約2mm×4mm×2mmのリチウムイオンバッテリである。バッテリは、既存の眼鏡ペアに取り付けることができる。例えばスリーブやテンプルである。あるいはバッテリは、既存技術を用いて一体成型することができる。バッテリの充電と電圧は、眼鏡やその他オプションデバイス上のタグの電流量によって判定される。オプションデバイスは例えば、ディスプレイ(光学、スクリーン、など)、スピーカ/ブザー/ベルなどの音声デバイス、などである。
【0021】
図2は、よく置き忘れられ位置特定が困難な、よく知られた物品(眼鏡30)の例である。多くの眼鏡30は、レンズ32のペアを利用する。レンズ32は、通常はフレーム(この設計においては示していない)に取り付けられ、ブリッジ34によって互いに接続される。ブリッジ34から、鼻パッド36のペアが延伸している。鼻パッド36は、ユーザの鼻に置かれるように構成されている。レンズペアの左側と右側からは、左テンプルピース38と右テンプルピース40が延伸している。それぞれ左端部42と右端部44を有し、これらはユーザの耳に置かれるように構成されている。テンプルピース38と40は、左ヒンジ46と右ヒンジ48によってそれぞれレンズ32に取り付けられている。これによりテンプルピース38と40は、レンズ32に向かってまたはレンズ32から離れるように折り畳むことができる。
【0022】
図2に示すように、無線BLEタグ50は左テンプル端部42に固定されまたは一体形成されている。タグ50は右テンプル端部44に取り付けてもよいことを理解されたい。タグ50は、端部44から上に向かって延伸し、眼鏡を装着したときユーザの耳に接触しないようにすることが望ましい。図示するように、タグ50はテンプル端部42の一部とできるように、充分小さく構成されている。タグ50は、眼鏡30のフレーム、または眼鏡30のテンプル端部42、44のいずれか1以上に組み込むことができる。統合してもよいし(すなわち、製造工程の一部において挿入される)、眼鏡の耳部分の凹部に配置することもできる。また、スライドもしくは弾性のシースやスリーブの形態で、腕部の終端に置いて眼鏡の耳部分に嵌め込むこともできる。例えば嵌め込む形態の場合、タグ50を含むスリーブは、眼鏡30のテンプル端部42上をスライドするように構成される。これに代えてタグ50は、眼鏡のランヤードに取り付け、または組み込んでもよい。
【0023】
既存技術を単にサイズ縮小することが、本文書のデバイスとシステムの独自性および非自明性の根拠になっているわけではない。本技術においてBLEタグ50は、例えば充電デバイス(図示せず)との誘導結合または接触によって充電可能であることが望ましい。またタグ50は、以下に示す特徴の1以上をともなって動作するように構成することができる:(a)完全2重動作しない(送信器のみ)、(b)移動時間に基づき異なる動作サイクルを有する動きセンサを用いる、(c)調整可能な動作サイクルを有する内部リアルタイムクロックを用いる、(d)1日の時刻に基づく動作サイクルを有する内部リアルタイムクロックを用いる、(e)自己調整動作サイクルを有する内部リアルタイムクロックと動きセンサを用いる。
【0024】
タグ50は、エンドユーザのみが読み取るように構成することもできるし、この情報を用いて発見したオブジェクトに関する情報をwebページへアップロードしまたはエンドユーザが選択する電子メールとして送信する者が読み取るように構成することもできる。これに代えてタグ50は、オブジェクト動きパラメータとユーザ嗜好に基づき、ホストコンピュータに対して映像を送信するように構成することもできる。本文書の別側面において、耳部品の同じ場所で位置特定器としてピンライトを利用することができる。ピンライトは、ユーザに対して視覚的通知を提供するように構成される。
【0025】
携帯電話を用いるアプリケーションにおいて、例えばアプリケーションソフトウェア(app)を介して、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供する。GUIは以下の機能のいずれか1以上を提供するように構成される:(a)最終接触点までのオブジェクトの履歴位置情報を提供する、(b)オブジェクトがインテロゲータの範囲内に入ってきたかまたは出ていこうとしていることを、個人に対して通知する、(c)音声コマンドまたは可変音声トーンを用いてオブジェクトについて通知する。
【0026】
本文書の他側面において、小型充電可能無線タグ50は、オブジェクトの規定移動パラメータまたはデバイスが取得した規定信号強度測定結果に基づき、オブジェクトの位置の画像をキャプチャおよびアップロードするように構成される。このタグ50は、規定移動パラメータに基づく位置に関する無線ベース信号強度情報をアップロードすることによって動作するように構成することもできる。
【0027】
オブジェクトがインテロゲータの範囲外に出ようとしていることを中央制御室(例えば病院や看護師ホームステーション)に対して通知するように構成されたGUIを備えるコンピュータパッドを提供することができる。このコンピュータパッドは、例えば携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、PDAなどのパーソナル通信デバイスである。
【0028】
図3は、本文書にしたがって形成されたシステム60を示す。図示するように、本システムは、上記眼鏡30、タグ50、携帯電話62、携帯電話62のソフトウェア64、タグ50に対応するバッテリを充電する充電ステーション66、を備える。“忘れやすい眼鏡所有者”またはユーザ68は、本文書のデバイスとシステムの利益を受ける。携帯電話は、例えばマイクロプロセッサ、ASIC、マイクロコンピュータ、これらと同様の電子信号処理デバイスなどのコンピュータデバイスを備える。所望のオブジェクトを位置特定するために用いる位置信号を提供するように設計されている。処理デバイスは、ユーザに対して以下の少なくとも1つについての情報を提供するように構成されていることが望ましい:最終接触点までのオブジェクトの履歴位置情報;オブジェクトが無線周波数インテロゲータの問い合わせ信号の範囲から出ていくかまたは入っていこうとしていること;当該ユーザ以外の者に属する物品が無線周波数インテロゲータの問い合わせ信号の範囲に入っていこうとしていること。プロセッサはさらに、ユーザに対して最終接触点までのオブジェクトの履歴位置情報の少なくとも1つについての情報を提供するように構成されている。これは、当該エンドユーザまたは当該エンドユーザが承認した者が利用できるネットワークに対してその情報をアップロードすることによりなされる。このネットワークは、インターネット、ローカルイントラネット、その他形態の相互接続または相互通信、無線または有線、光または赤外線を含むが、これに限らない。
【0029】
図4は、タグ50のブロック図を示す。タグ50は、アンテナ70、BLEモジュール72、充電回路76を有するバッテリ74、光入出力(I/O)デバイスまたは回路78を備える。BLEモジュール70は内部または外部CPUを備え、内部または外部水晶発振器その他部品を備える。I/O78は、所望の機能の実装に応じたオプションである。これら部品は、動き検出、磁場検出、スピーカまたはマイクロフォン、カメラ、IRダイオード、IRダイオード検出器を備えることができる。充電器76は、充電ステーション66を介して非接触充電する誘導ループなどの無線式、充電ステーション66と接触するタイプ、またはこれらの組み合わせである。
【0030】
図5は、本文書の技術を利用する上記システム60の基本アプリケーションである。眼鏡30はタグ50を備え、タグ50はBLEモジュールを用いて携帯電話62からの問い合わせ信号に対して応答するように構成されている。ユーザ80は、電話機62にあらかじめ読み込まれたGUIまたはアプリケーション64を用いて、携帯電話62に対してリクエストを入力する。このリクエストは、手動入力、音声入力、または電話機62の案内の組み合わせにより入力することができる。電話機62は、眼鏡30上のタグ50に対して問い合わせ信号を送信する。タグ50は応答信号84を応答する。図5に示すように、携帯電話62のスクリーンは、眼鏡30上のタグ50の方向を示す矢印の画像表示の形態で、インターフェース82を表示する。範囲情報とともに、電話機62または眼鏡30またはこれら双方から音声情報を提供することができる。
【0031】
本システムの1実施例において、第1通信デバイスはオブジェクトに物理的に接続され、無線周波数問い合わせ信号を受信し、前記無線周波数問い合わせ信号に応答して無線周波数応答信号を送信することができる。第2通信デバイスは、前記無線周波数問い合わせ信号を送信し、前記第1通信デバイスから前記無線周波数信号を受信することができる。コンピュータデバイスは、前記第2通信デバイスと電気的に接続されており、前記受信した無線周波数通信信号を処理し、前記第1通信デバイスの位置および前記第2通信デバイスに対する前記オブジェクトの位置を判定し、前記ユーザに対して前記オブジェクトの位置の視覚的情報または音声的情報を提供することができる。
【0032】
他実施例において、ユーザをリモートオブジェクトへ案内するシステムは、前記オブジェクトと物理的に接続され、問い合わせ信号を受信するとともに前記受信した無線周波数問い合わせ信号に応答して無線周波数応答信号を送信するように構成された、無線周波数トランスポンダを備える。前記オブジェクトから物理的に離れた無線周波数インテロゲータは、前記問い合わせ信号を送信するとともに前記トランスポンダから前記無線周波数応答信号を受信するように構成されている。ポータブル電子デバイスは、前記無線周波数インテロゲータと電子的に接続され、前記無線周波数応答信号を処理して前記インテロゲータに対する前記オブジェクトの位置を判定し、前記オブジェクトの相対位置の視覚的情報、音声的情報、または触覚的情報のうち少なくとも1つを前記ユーザに対して提供するように構成されている。
【0033】
本文書の他側面において、前記システムアプリケーションは、市場における他の位置特定製品と比較して固有のものである。本システムは、利用可能な最小Bluetoothタグを用いる。これは、Bluetooth V4.1スマート(低エネルギー)シングルモードモジュールSesub−Pan−D14580として知られている。仕様は以下の通りである:
・空間節約できる超小型パッケージ3.5×3.5×1.0mm(TYP)
・0.5mm間隔のはんだバンプBGA、36ピン
・Bluetooth(登録商標)スマートに準拠したアプリケーション製品と通信可能、相互互換
・ARM Cortex−M0 32ビット高性能マイクロコントローラ
・32kB OTPプログラムメモリ、BTスタック用の84kB ROM
・42kBシステムSRAM、9kBリテンションSRAM
・アンテナ分離レイアウトによる設計柔軟性
【0034】
上記タグまたは同様のサイズのタグまたは同様もしくはやや大きいサイズの部品は、個別にまたは同じ基板上で、市場で最も小さいバッテリと組み合わせることができる。これを接続することにより、任意の携帯電話に対するBluetoothリンクを有効にし、10〜20メートル以内の物品を位置特定することができる。
【0035】
より多くのオブジェクトに対して有用であるためには、電力源はできる限り軽くなければならない。“印刷型”バッテリが適している場合もある。例えばタグの電力源として考えられる1例は、ハーバードリチウムイオンバッテリである。これは、以下の比較仕様に準じたバッテリを製造するために特別に設計された3Dプリンタを用いて、開発または形成される:
・最小バッテリサイズは2mm×2mm×0.4mm(ただしこれに限らない)
・セル(2mm×2mm×0.4mm)は総インク体積0.0016mLを要する
・バッテリ容量は、1C放電レートで150mAh/g。これらマイクロバッテリセル内(2mm×2mm×0.4mm)には少量の活性物質(カソード+アノード)のみが存在する。このセルの容量の計算結果は0.15mAhである。これによりセルサイズと個数が増える。
・電流セルは3.2ボルトを生成する。
【0036】
これらバッテリは、2×2×0.3mmの正方形に収まり、3.2Vを提供し、望ましくはLiイオンμバッテリである。あるいは、2×13×0.3mmのリボン形態であり、3.2Vを提供し、望ましくはLiイオンμバッテリである。
【0037】
マイクロBluetoothタグとともに用いる第2世代Liイオンマイクロバッテリは、以下の通りである。
【0038】
【表1】
【0039】
眼鏡を位置特定する文脈で個々の実施形態を説明したが、本文書は所有者にとって価値のあるその他個人物品に対して適用できることを、理解されたい。例えば以下を含むがこれに限らない:キー、キーチェーン、宝石、腕時計、札入れ、小銭入れ、ハンドバッグ、リモコン、など。
【0040】
上記各実施形態を組み合わせて、別の実施形態を提供できる。必要に応じて実施形態の特徴を変更して様々な特許、特許出願、および公開公報の概念を取り入れ、さらに別の実施形態を提供できる。
【0041】
上記説明に照らしてこれら変更を実施形態に対して適用できる。一般に特許請求範囲において用いる用語は、本明細書および特許請求範囲が開示する実施形態を限定するものと解釈すべきではなく、特許請求範囲が示す等価物の範囲とともに全ての可能な実施形態を含むものと解釈すべきである。したがって特許請求範囲は、本文書によって限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】