特表2017-532777(P2017-532777A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-532777可撓性軟磁性コア、可撓性軟磁性コアを有するアンテナ、および可撓性軟磁性コアを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-532777(P2017-532777A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】可撓性軟磁性コア、可撓性軟磁性コアを有するアンテナ、および可撓性軟磁性コアを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/24 20060101AFI20171006BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20171006BHJP
   H01F 1/147 20060101ALI20171006BHJP
   H01F 1/153 20060101ALI20171006BHJP
   H01F 1/375 20060101ALI20171006BHJP
   H01F 41/02 20060101ALI20171006BHJP
   H01Q 7/08 20060101ALI20171006BHJP
【FI】
   H01F27/24 J
   H01F17/04 F
   H01F1/147 158
   H01F1/153 166
   H01F1/375
   H01F41/02 D
   H01Q7/08
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-513472(P2017-513472)
(86)(22)【出願日】2015年7月24日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月20日
(86)【国際出願番号】IB2015001238
(87)【国際公開番号】WO2016038434
(87)【国際公開日】20160317
(31)【優先権主張番号】14003109.7
(32)【優先日】2014年9月9日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516044978
【氏名又は名称】プレモ・エセエレ
【氏名又は名称原語表記】PREMO,S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ナバロ・ペレス,フランシスコ・エセキエル
(72)【発明者】
【氏名】ロハス・クエバス,アントニオ
【テーマコード(参考)】
5E041
5E070
【Fターム(参考)】
5E041AA07
5E041AB02
5E041BB06
5E070AA01
5E070BA11
5E070BB03
(57)【要約】
可撓性軟磁性コア(1)は、高分子媒体(3)で作られたコア本体(2)内に埋設された複数の平行な連続強磁性ワイヤ(4)を含む。上記コア本体(2)の1端部から他端部まで延伸された複数の連続強磁性ワイヤ(4)は、相互に間隔を空けられ、且つ高分子媒体(3)によって相互に電気的に絶縁される。可撓性軟磁性コア(1)を製造するための方法は、連続押出し工程によって各連続強磁性ワイヤ(4)を未硬化高分子媒体(3)内に埋設すること、連続コア先駆体(10)を形成するために、そこに埋設された各連続強磁性ワイヤ(4)と共に高分子媒体を硬化させること、及び前記連続コア先駆体(10)を分離した軟磁性コア(1)に切断すること、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性軟磁性コア(1)であって、
硬化高分子媒体(3)で作られたコア本体(2)内に複数の平行な磁路を形成するように配設された強磁性材料を含み、前記複数の平行な磁路は、前記高分子媒体(3)によって互いに電気的に絶縁されており、
前記強磁性材料は、前記高分子媒体(3)で作られた前記コア本体(2)内に埋設された複数の平行な連続強磁性ワイヤ(4)を含み、
前記各連続強磁性ワイヤ(4)は、相互に間隔を空けられ、且つ前記コア本体(2)の一端部から他端部まで延伸されることを特徴とする、
可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項2】
前記各強磁性ワイヤ(4)は可撓性のワイヤである、請求項1に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項3】
複数の強磁性ワイヤを含む前記硬化高分子媒体(3)は、軸に沿って延伸された押出部分であり、前記軸を規定している交差する2つの直交平面に沿って捩じり可能且つ湾曲可能である、請求項1に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項4】
前記コアは、15cmを超える、好ましくは25cmを超える、長さを有する、請求項3に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項5】
前記硬化高分子媒体(3)は、ポリマー接着軟磁性材料PBSMである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項6】
前記硬化高分子媒体(3)は、さらに、軟強磁性材料の複数のマイクロ繊維、複数のマイクロ粒子、又は複数のナノ粒子を含み、それらは、単独で又は何らかの組合せで前記硬化高分子媒体(3)の高分子母材内に存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項7】
前記軟強磁性材料の各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、コアの総重量の85%までの重量含有量を示す、請求項6に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項8】
前記軟磁性材料の各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、前記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子と共に未硬化の液状高分子媒体へ組み込まれた1以上の分散剤によって前記高分子媒体(3)の高分子母材内に一様に分布させられ且つ電気的に絶縁される、請求項6に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項9】
前記分散剤は、前記コア本体を提供する液状ポリマーの約4〜5%の量で存在する、請求項8に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項10】
前記1以上の分散剤は、ルーブリゾール(Lubrizol)社からのソルスパース(Solsperse)を含む、請求項9に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項11】
前記1以上の分散剤は、分散反応に加えて電気絶縁性を含む表面処理を前記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子に与える液状モノマー又は超分散剤を含む、請求項8に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項12】
前記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、FeNi又はMo-FeNi、Co-Si又はFe-NiZnから選択された、30〜80%のNiの重量含有量を有する成分と、Mo、Co、又はSiを含む、10%未満の重量含有量を有する追加の成分とに基づく、非常に高い比透磁率、好ましくは600.000未満、の金属合金である、請求項6〜10のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項13】
前記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、純Fe3+、若しくはFeカルボニル、若しくはNiカルボニル、若しくはMnZnフェライト、若しくはMnNiフェライトから選択、又はモリパーマロイ(Mollypermalloy)粉末から選択される、請求項6〜10のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項14】
軟強磁性材料の前記各マイクロ粒子又は各ナノ粒子は、アモルファス、ナノ結晶、又はアニーリング工程において大きくされた粒を有するマクロ結晶から選択された結晶構造である、請求項6〜10のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項15】
前記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子又は各ナノ粒子は、低磁気保持力、好ましくは0.1A/m未満、を有し、且つ抵抗率(ρ)、好ましくは10Ω・m未満、を有する高分子母材内部で電気的に絶縁されている、請求項8に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項16】
前記高分子媒体は、エポキシ又はウレタン又はポリウレタン又はポリアミド誘導体から得られた高分子母材である、請求項1に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項17】
前記各連続強磁性ワイヤ(4)の各々は、その長さ全体に沿って一定断面(5)を有し、前記一定断面は、0.002〜0.8平方ミリメートルの範囲の領域を有する円形である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項18】
好ましくは1000未満の、高/低アスペクト比により構成された少なくとも8つの強磁性ワイヤ(4)を含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項19】
前記各連続強磁性ワイヤ(4)は、数個の等間隔で平行な幾何学的平面内に配設され、1つの幾何学的平面内に配設された各連続強磁性ワイヤ(4)は、別の隣接する平行な幾何学的平面内に配設された各強磁性ワイヤ(4)に対して互い違いに配設されている、請求項1〜18のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項20】
各連続強磁性ワイヤ(4)は、22.5〜438μm/mH・m−1の範囲の非常に高い透磁率を有する強磁性材料で作られる、請求項1〜19のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項21】
前記非常に高い透磁率の強磁性材料は、鉄と、ニッケル、コバルト、モリブデン、及びマンガンの1以上との合金である、請求項16に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項22】
前記各連続強磁性ワイヤは、釉薬又はエナメルの被覆によって電気的に絶縁されている、請求項16に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項23】
コア本体は、角柱又は円柱の形状である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項24】
請求項1〜22のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)及び可撓性軟磁性コア(1)の周りに巻かれた少なくとも1つの巻線(21)を含むアンテナ(7)。
【請求項25】
可撓性軟磁性コア(1)を製造する方法であって、連続押出し工程によって複数の連続強磁性ワイヤ(4)を未硬化高分子媒体(3)内に埋設すること、連続コア先駆体(10)を形成するために、そこに埋設された複数の連続強磁性ワイヤ(4)と共に高分子媒体を硬化させること、及び前記連続コア先駆体(10)を分離した軟磁性コア(1)に切断すること、を含む、
方法。
【請求項26】
前記連続押出し工程は、押出チェンバを通して各連続強磁性ワイヤ(4)を通過させ、一方、高分子媒体(3)は前記押出チェンバ(20)を通して押し出される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
各連続強磁性ワイヤ(4)は、押出チェンバ(20)と整列されて保持され、且つ各連続強磁性ワイヤ(4)をいくつかの穴(9)を通過させることによって、前記押出チェンバ(20)を通過させる間に、所定のパターンに従い配設され、及び/又は硬化ポリマー上の軸方向磁気誘導を含み、前記いくつかの穴(9)はその出口端部(16)の反対の押出チェンバ(20)の1端部に置かれたワイヤ供給板(8)内の前記所定のパターンに従って配設される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
各連続強磁性ワイヤ(4)は、押出チェンバ(20)の側壁に置かれたポリマー供給通路(17)から押出チェンバ(20)内へ粘性形態で注入され、分散された強磁性の各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子を充填された未硬化高分子媒体(3)を伴う各連続強磁性ワイヤ(4)を引っ張ることによって、ワイヤ供給板(8)の前記各穴(9)及び押出チェンバ(20)を通り前記出口端部(16)の方へ通過するように作られている、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
各連続強磁性ワイヤ(4)の前端部は、押出チェンバ(20)内に摺動可能に配設され且つ前記ポリマー供給通路(17)の下流に置かれたプランジャー(18)へ接続され、且つ前記所定のパターンに従って配設される、ここで前記プランジャー(18)は、押出チェンバ(20)に整列された各連続強磁性ワイヤ(4)を保持する、一方、押出動作の開始で、各連続強磁性ワイヤ(4)を押出チェンバ(20)に沿って引っ張ること、その後、前記プランジャーは、連続コア先駆体(10)の前端部を切断することによって除去される、請求項25〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
連続コア先駆体(10)は、切断の前に、押出チェンバ(20)の外部の冷却装置(13)によって冷却される、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
連続コア先駆体(10)は、切断の前に、冷却装置(13)の下流に置かれた貯留装置(15)によって貯留される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
各連続強磁性ワイヤ(4)は、ワイヤ供給板(8)の上流に置かれた押圧装置(19)によって押付けられる、請求項25〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記埋設されることは、さらに、攪拌の下、少なくとも分散剤の存在を伴って且つ熱の供与を伴って、液状ポリマーを前記各マイクロ粒子又は各ナノ粒子と混合する工程を含む、請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のRFID用途において主として使用される1KHzから13.56MHzのチョーク、インダクタ、又はLFアンテナとしての電子機器に使用される長尺の誘導装置の磁気コアの脆弱性の問題を解決することを目的とする。この自動車のRFID用途において、20KHz、125KHz、及び134KHzでのキーレスエントリーシステムが広範に使用され、13.56MHzの範囲の周波数でのNFCの用途に拡張されたがこれに限定はされない。
【0002】
この目的のために、第1の態様において、本発明は、変形を伴う衝撃、湾曲、及び捩じれをコアの破壊なしに耐えることができ、そして湾曲又は捩じれの力が消えると磁気特性を保ち続ける可撓性軟磁性コアを提供する。
【0003】
本発明の可撓性軟磁性コアはまた、エネルギーの貯蔵及び変換、又はフィルタリングのための誘導器及び電気変圧器に使用されうる。
【0004】
本発明の可撓性軟磁性コアは、高分子媒体内に埋設された複数の細長い強磁性要素、より具体的には高分子媒体内に埋設された複数の連続強磁性可撓性ワイヤを含み、そして現場で現在非常に一般的であるフェライトの非常に脆いコアを置き換えることが意図されている。
【0005】
可撓性軟磁性コアは、上記各ワイヤに平行な長手方向軸に対して、及び上記各ワイヤに垂直な横方向軸に対して湾曲されうる。
【0006】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様による可撓性軟磁性コアの周りに巻かれた少なくとも1つの巻線を含むアンテナに関する。
【0007】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様の可撓性軟磁性コアを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0008】
現在、長尺フェライトコアの主な用途は、10kHz〜500kHzの分野における内部アンテナである。円柱状コアの有効透磁率は、材料の比透磁率に比例し、すなわちμの形状因子倍である。ここで形状因子は比L/Dであり、Lはロッドの長さ、Dはその直径である。この物理的原理は、同一の強磁性材料について、アンテナ又はインダクタは、製品がより長くより細い、即ちL/D比がより高いと、より大きなインダクタンスを有することを意味する。
【0009】
この原理により、設計者は、銅線を巻かれた高L/D比を有するフェライトコアを用いるように導かれ、その後インダクタ全体を、高分子母材内に入れることによって、又は樹脂内への投入によって、又は究極的に硬いシェルもしくは箱の形状の外部保護を与えることによって保護するように導かれる。
【0010】
一般的な焼結により得られ、従って本質的に脆いこの解決策は、自動車のキーレスエントリーシステムのLF発信アンテナにおいて、及び誘導はんだ付け銃及び原子時計受信機などの応用のためのRFロッドアンテナにおいて広く用いられてきた。
【0011】
ヤング率(フェライトの弾力性の指標)が非常に低く、それはフェライトが剛性でガラス又はセラミックのように振る舞うことを意味し、従って、それらは、割れ又は壊れる前には基本的に変形しない。
【0012】
アンテナ又はインダクタ内部のフェライト内の亀裂は、磁場の高リラクタンス磁路を作り、それは有効透磁率を減らし且つインダクタンスを低下させ、もしその応用がアンテナの共振タンク回路であるなら、より高い自己共振周波数に導き、同調されていないタンク回路へ又はタンク回路によって伝達されたエネルギーが、信号トランシーバとして回路を動作させるには低く過ぎる場合があるので、回路に仕様から外れた動作をさせるか又は全く動作すらさせない。
【0013】
上の問題を解決するために、金属軟磁性材料の薄片の積層は、この技術分野で用いられてきた。これらの材料は、ナノ結晶体、又はFeと、それ以外のNi、Co、Cr、又はMo原子の組合せとのアモルファス合金、又はそれら多数の酸化物を含むいくつかの結晶構造でありうる。積層スタック又は単にスタックとして知られるこれらの解決策は、数十年前から公知であり、他の応用の中でも50Hz及び60Hzの電気変圧器において広範に使用されている。積層形状の金属薄板又は帯は、通常、脆性の問題を解決する、しかしそれにもかかわらず、それらが低いオーム抵抗率を示しているので、それらは、ポリマー、エナメル、ワニス、及び紙の絶縁箔又は各層によって互いに絶縁される必要がある。曲げられうるアンテナコアは、米国特許出願US2006022886A1及びUS2009265916A1に開示され、これらは、複数の横長軟磁性片の可撓性スタックを含むアンテナコアを開示する。国際公開WO2012101034A1は、ストリップ状に埋設され且つナノ結晶又はアモルファスの軟磁性金属合金で構成された複数の金属層から成るアンテナコアを開示している。この場合、ストリップ状アンテナコアは、ストリップ状アンテナコアの横方向に沿って延伸され、且つストリップ状アンテナコアの平面に垂直な方向に持ち上げられている構造を有している。
【0014】
欧州特許EP 0554581 B1は、可撓性磁性コア及びその製造方法を開示し、後者は、真空中での軟磁性材料の小粒子の粉末と合成樹脂との混合、及びその後、各粒子が相互に絶縁され長手方向に引き延ばされた、印加された磁場に平行な持続的鎖を形成するように、ブロックの形状での樹脂の硬化、これは上記硬化の間それに強磁場を印加しつつなされる、を含む。混合は真空中で行われる。
【0015】
そのような方法で生成された鎖は、不規則な断面を有する分離した複数の粉末粒子によって与えられる。非常に強い非凝集剤及び強い分散剤が用いられない限り、各粉末小粒子は、様々な鎖の間で相互に凝集する高い確率を有する。混合物が非常に低い粘性形態であるとき、これは厳しい複雑さとコストを課す。もし各粒子の鎖が相互に接触するならば、荷電の損失(フーコー(Foucault)損失)として現れる。そして欧州特許EP 0554581 B1のみが、1KHzを超える周波数で動作するのに適切ではない上記軟磁性材料の例として軟鉄を提示する。
【0016】
米国特許US 5638080Aは、複数の巻線で磁性コアを取り巻き作られるアンテナ巻線を有する強磁性材料で製造されたシート状の可撓性多部分磁性コアを含むHFアンテナを開示している。アンテナの巻数は、磁性コアを取り巻く可撓性薄膜上に配設された印刷配線によって形成される。磁性コアは、例えば絶縁された強磁性材料又はアモルファス合金のそれぞれの複数のプレートを用いて作られ、それらはベース材料(支持物質とも呼ばれる)中に埋設され、鎖の形態、即ち可撓性要素(ベース材料)によって接続された剛性要素(プレート)を取る。従って各プレートには可撓性がなく、上記磁性コアの可撓性は、上記プレートに垂直な方向のベース材料の変形によってのみ実現されうる。
【0017】
米国特許US 5159347Aは、電導体の周りに磁気回路のための磁路を形成するために電導体との密接な関係においてアレイとして並べられるところの高透磁率磁気導体の極微のストリップを開示する。ストリップは、フィラメント、例えば百ミクロンの微小ワイヤ及びアモルファス材料の堆積されたサブミクロンサイズの層を含む様々な形状を取りうる。さらに、磁気回路は、電導体の周りの複数の帯を形成するストリップで閉じられうる。そして磁気回路は、例えば電導体に近接して直線的に並べられたストリップで開けられうる。磁気回路は、多様な複数のアンテナ、複数の誘導ワイヤ、複数のアンテナ接地面、複数の誘導面、複数の磁気センサ、及び複数の方向探知アレイを含む数多くの応用を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
少なくとも2つの直交方向において可撓性がある可撓性軟磁性コア及びそれを製造するための方法を提供する目的を有する、従来技術への代替案を提供することが本発明の目的であり、それらは提示された従来技術の欠点を克服する。
【0019】
この目的のために、第1の態様によると、本発明は、硬化高分子媒体で作られたコア内に複数の平行で連続した磁路を形成するように配設され、上記高分子媒体によって相互間で電気的に絶縁された上記平行な各磁路を有する強磁性材料を含む可撓性軟磁性コアを提供する。
【0020】
公知の可撓性磁性コアとは対照的に、特に欧州特許EP 0554581 B1とは対照的に、本発明の第1態様による可撓性軟磁性コアにおいて、平行な各磁路を形成する強磁性材料は、整列して分離した複数の小磁気粒子の鎖を含み、平行な磁路を形成する強磁性材料は、1実施態様において分散された複数の強磁性ナノ粒子を充填された高分子媒体で作られたコア本体に埋設された本質的に可撓性の複数の平行な連続強磁性ワイヤを含む。ここで各連続強磁性ワイヤは、相互に間隔を空けられ、且つコア本体の1つの端部から別の端部まで延伸されている。
【0021】
1つの実施態様において、硬化高分子媒体は、押し出された部分である。
【0022】
好ましくは、硬化高分子媒体は、ポリマー接着軟磁性材料(PBSM)である。さらに、上記硬化高分子媒体は、1実施態様によると、エポキシ又はウレタン又はポリウレタン又はポリアミド誘導体から得られた、液状分散添加剤を含む高分子母材である。
【0023】
1つの実施態様において、上記ポリマー接着軟磁性材料は、軟強磁性材料の複数のマイクロ繊維、複数のマイクロ粒子、又は複数のナノ粒子を含む。この場合、各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、非常に高い比透磁率(例えば、100.000〜600.000μ)を有し、且つFeNi又はMo-FeNi、又はCo-Si又はFe-NiZnから選択された、30〜80%のNiの重量含有量を有し成分と、Mo、Co、又はSiを含む10%未満の重量含有量を有する追加の各成分とに基づく金属合金でありうる。代替的に、上記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、純Fe3+若しくはFeカルボニル若しくはNiカルボニル、若しくはMnZnフェライト若しくはMnNiフェライトから、又はモリパーマロイ(Mollypermalloy)粉末から選択されうる。
【0024】
別の実施態様において、ポリマー接着軟磁性材料は、軟強磁性材料の複数のマイクロ繊維、複数のマイクロ粒子、又は複数のナノ粒子を含み、それらは単独又は何らかの組み合わせにおいて高分子母材内に存在する。
【0025】
また別の実施態様において、ポリマー接着軟磁性材料は、結晶構造であり且つ電気的絶縁をされた軟強磁性材料の複数のナノ粒子を含み、そして上記結晶構造は、アモルファス、ナノ結晶、又はアニーリング工程において大きくされた各粒を有しているマクロ結晶から選択される。
【0026】
上記の実施態様のいずれかにおいて、上記接着軟磁性コアに含まれる各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、低磁気保持力、好ましくは、しかし限定的でなく0.1A/m未満、を有し、且つ抵抗率(ρ)、好ましくは、しかし限定的でなく10Ω・m未満、を有する高分子母材内部で囲まれることによって電気的に絶縁されている。
【0027】
好ましい実施態様において、上記各連続強磁性ワイヤの各々は、その長さ全体に沿って一定断面を有する。上記一定断面は、例えば、好ましくは0.002〜0.8平方ミリメートルの範囲の、領域を有する円形である。
【0028】
1つの実施態様において、可撓性軟磁性コアは、高/低アスペクト比が、好ましくは但し限定的でなく1000未満、によって構成された少なくとも8つの強磁性ワイヤを含み、且つ各連続強磁性ワイヤは、好ましくは数個の等間隔で平行な各幾何学的平面内に配設され、各幾何学的平面の1つの内に配設された各連続強磁性ワイヤは、別の隣接する平行な幾何学的平面内に配設された各強磁性ワイヤに対して互い違いに配設されている。
【0029】
各連続強磁性ワイヤは、非常に高い透磁率値の強磁性材料、例えば、鉄と、ニッケル、コバルト、モリブデン、及びマンガンの1つ以上との合金で作られている。
【0030】
1つの実施態様において、各連続強磁性ワイヤは、裸の各強磁性ワイヤであり、一方、別の代替の実施態様では、各連続強磁性ワイヤは、それぞれ各電気絶縁シースによって被覆された各ワイヤである。
【0031】
好ましくは、上記コア本体を形成する高分子媒体は、高分子母材であり、1つの実施態様においては、コア本体は、角柱の外形、例えば平行六面体形状を有するが、別の複数の形状、例えば円柱形状も思い描かれる。
【0032】
本発明の第2の態様によると、本発明の第1の態様による、少なくとも2つの直交軸において可撓性のある可撓性軟磁性コアの周りに巻かれた少なくとも1つの巻線を有するアンテナが提供される。
【0033】
第3の態様によると、本発明は、可撓性軟磁性コアを製造する方法を提供する。ここで、上記可撓性軟磁性コアは、複数の強磁性ナノ粒子を分散して充填されうる高分子媒体で作られたコア本体内に埋設された各連続強磁性ワイヤを含み、各連続強磁性ワイヤは、相互に間隔を空けられ、且つコア本体の1端部から他端部まで延伸される。
【0034】
公知の方法と対照的に、特にEP 0554581 B1によって提案された、複数の小磁性粒子が高分子媒体内に埋設されたものに関して、本発明の第3の態様による方法は、上記各ワイヤの周り及び間の高分子媒体の連続押出し工程によって各連続強磁性ワイヤを未硬化高分子媒体内に埋設すること、連続コア先駆体を形成するために、そこに埋設された各連続強磁性ワイヤと共に高分子媒体を硬化させること、及び前記連続コア先駆体を分離した軟磁性コア(1)に切断すること、を含む。
【0035】
好ましい実施態様について、本発明の第3の態様の方法は、連続強磁性ワイヤを高分子媒体と一緒に押出チェンバを通過させることを含む連続押出し工程によって可撓性軟磁性コアを作ること、を含む。
【0036】
1実施態様によると、方法は、上記実施態様の実装のために、それらをいくつかの穴を通過させること、及び/又は硬化ポリマーに軸方向の磁気誘導を含むことによって、上記押出チェンバの通過の前に各連続強磁性ワイヤを整列させ秩序付けることを含む。上記いくつかの穴はワイヤ供給板の要求された順序に従い配設されている。
【0037】
方法は、実施態様に従い、高分子媒体を粘性形態において押出チェンバ内へ且つ押出チェンバの方へ押しつつ各連続強磁性ワイヤを引っ張ることによって、各連続強磁性ワイヤをワイヤ供給板の上記各穴及び押出チェンバを通過させることを含む。ワイヤ供給板の各穴の各スルーホールは、高分子媒体がそこを通り抜けるのを回避するように構成され配設される。
【0038】
1つの実施態様において、上記連続押出し工程は、高分子媒体が上記押出チェンバを通して押出される間に、押出チェンバを通して各連続強磁性ワイヤを通過させること、を含む。
【0039】
好ましくは、各連続強磁性ワイヤは、押出チェンバの出口端部と反対側の1端部に置かれたワイヤ供給板の上記所定のパターンに従って配設された、いくつかの穴を通して各連続強磁性ワイヤを通過させることによって、上記押出チェンバを通過させる間、押出チェンバと一直線に維持され、且つ所定のパターンに従って配設される。
【0040】
各連続強磁性ワイヤは、各連続強磁性ワイヤを未硬化高分子媒体(分散された強磁性ナノ粒子を充填されうる)と共に引っ張ることによって、ワイヤ供給板の上記各穴及び押出チェンバを通り、上記出口端部の方へ通過するようにされる。未硬化高分子媒体は、粘性形態で、押出チェンバの側壁に置かれたポリマー供給通路から押出チェンバ内へ注入される。好ましくは、ワイヤ供給板の各穴は、各連続強磁性ワイヤにフィットし且つ高分子媒体がそこを通過し戻ることを防止するように構成され配設される。
【0041】
1つの実施態様において、各連続強磁性ワイヤの前端部は、押出チェンバ内に摺動可能に配設され且つ上記ポリマー供給通路の下流かつワイヤ供給板の上流に置かれたプランジャーへ接続される。各連続強磁性ワイヤは、プランジャーへ接続され、上記プランジャーは、その位置で前記所定のパターンに従って配設される。押出動作の開始で、押出チェンバと一直線に並べられた各連続強磁性ワイヤを押出チェンバに沿って引っ張る一方、プランジャーは、押出チェンバに整列された各連続強磁性ワイヤを保持し且つ所定のパターンに従って配設される。プランジャーは、連続コア先駆体の前端部を切断することによって除去される。
【0042】
連続コア先駆体は、切断の前に押出チェンバの外部の冷却装置によって冷却される。任意的に、連続コア先駆体は、切断の前に、冷却装置の下流に置かれた貯留装置によって貯留される。好ましくは、各連続強磁性ワイヤの各々は、ワイヤ供給板の上流に置かれた押圧装置によって押付けられる。
【0043】
先の及び別の有利点及び特徴は、添付された図面(これらは説明的かつ非限定的な仕方で考慮されなければならない)の参照を伴う、以下の詳細な実施態様の記載からより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の1実施態様による可撓性軟磁性コアの斜視図である。
図1a】本発明の1実施態様による可撓性軟磁性コアの斜視図であり、強磁性コアに埋設されたナノ粒子を含む。
図2】本発明の1実施態様によるアンテナのためのコイルの斜視図であり、可撓性軟磁性コアを含む。
図3】本発明の1実施態様による可撓性軟磁性コアを連続的に製造するための可能な方法の連続的段階を示す側面の断面図である。
図4】本発明の1実施態様による可撓性軟磁性コアを連続的に製造するための可能な方法の連続的段階を示す側面の断面図である。
図5】本発明の1実施態様による可撓性軟磁性コアを連続的に製造するための可能な方法の連続的段階を示す側面の断面図である。
図6】本発明の1実施態様による可撓性軟磁性コアを連続的に製造するための可能な方法の連続的段階を示す側面の断面図である。
図7】1実施態様による可撓性軟磁性コアの斜視図であり、ナノ粒子を含むが上記コア上に複数の線を有しない。
図8】本発明により提案された軟磁性コアの湾曲を示す斜視図である。
図9】本発明により提案された軟磁性コアの捩じりを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
先ず図1を参照すると、本発明の第1の態様の1実施態様による可撓性軟磁性コア1が示されている。コア本体2は、角柱状又は円柱状の外形を有しうる。
【0046】
1実施態様によると、複数の強磁性ワイヤを含む硬化された高分子媒体3は、軸に沿って延伸され押し出された部分であり、交差する2つの直交平面が規定する上記軸に沿って捩じられ且つ湾曲されうる。
【0047】
可撓性軟磁性コア1は、平行な複数の連続強磁性ワイヤ4を含み、それは、高分子媒体3、例えば高分子母材で作られたコア本体2に埋設された各可撓性ワイヤである。上記各連続強磁性ワイヤ4は、相互に間隔を空けて配置され、コア本体の1端部から他端部へと延伸され、各連続強磁性ワイヤ4は、高分子媒体3によって互いに電気的に絶縁される。
【0048】
軟磁性コアは、15cmを超える、好ましくは25cmを超える(例えば30cm以上の)、長さを有し、本コアが車両の複数のアンテナに適用されうる場合に、車両当たりのアンテナの数が、4倍長く細いアンテナによって5から2に削減されうる。
【0049】
1実施態様において、硬化された高分子媒体3は、ポリマー接着軟磁性材料PBSMである。
【0050】
別の実施態様において、高分子媒体は、エポキシ又はウレタン又はポリウレタン又はポリアミド誘導体から得られる高分子母材である。
【0051】
上記各連続強磁性ワイヤ4の各々は、その長さ全体に沿って一定の断面5を有し、上記一定の断面は、0.002〜0.8平方ミリメートルの範囲の断面積を持つ円形断面である。代替的に一定の断面は、同じ範囲内の領域を持つ多角形の断面である。
【0052】
図1に示された可撓性軟磁性コア1は、コア当たり少なくとも8本の連続強磁性ワイヤ4で十分であると考えられるが、20本の連続強磁性ワイヤ4を含んでいる。
【0053】
1実施態様によれば、可撓性磁気コアは、好ましくは1000未満の高/低アスペクト比で構成された少なくとも8本の強磁性ワイヤ4(20ミクロンの直径で且つ20cmの長さを有する各ワイヤを有する)を含む。
【0054】
開示された実施態様において、各連続強磁性ワイヤ4は、高分子媒体3で作られたコア本体2内にいくつかの等距離の平行な各幾何学的平面内に配設される。ここで、1つの幾何学的平面内に配設された各連続強磁性ワイヤ4は、別の隣接した平行な幾何学的平面内に配設された各連続強磁性ワイヤ4に対して互い違いにされる。これは、複数の連続強磁性ワイヤ4の間に規則的で一様な間隔を与える。
【0055】
各連続強磁性ワイヤ4は、非常に高い透磁率(値は22,5〜438μm/mH・m−1)の強磁性材料、例えばニッケル、コバルト及びマンガンの合金で作られている。図1に示された実施態様において、各連続強磁性ワイヤ4は、裸の各強磁性ワイヤである。しかし、代わりの実施態様において(図示されていない)、各連続強磁性ワイヤ4は、個々の電気的絶縁性のシースによって被覆されたワイヤである。図1に示された実施態様において、コア本体2は、角柱状又は平行6面体の外形を有する。しかし、代わりの実施態様において(図示されていない)、コア本体2は、円柱状の外形を有する。
【0056】
用いられる各連続強磁性ワイヤ4は、その長さ全体に沿って一定の断面5を有し、上記一定断面は、0.002〜0.8平方ミリメートルの範囲の領域を有する円形である。
【0057】
別の実施態様によると、各連続強磁性ワイヤ4は、いくつかの等距離の平行な複数の幾何学的平面内に配設される。ここで、1つの幾何学的平面内に配設された各連続強磁性ワイヤ4は、別の隣接した平行な幾何学的平面内に配設された各連続強磁性ワイヤ4に対して互い違いにされる。
【0058】
1例において、各連続強磁性ワイヤ4は、22,5〜438μm/mH・m−1の範囲の非常に高い透磁率を有する強磁性材料、例えば鉄と、ニッケル、コバルト、モリブデン、及びマンガンの1以上との合金で作られる。
【0059】
1例によると、各連続強磁性ワイヤ4はまた、釉薬又はエナメルの被覆によって電気的に絶縁されうる。
【0060】
ここで図2を参照すると、本発明の第3の態様の実施態様によるアンテナ7用のコイルが示される。アンテナコイル7は、上で図1を参照しつつ記載された1つとして可撓性軟磁性コア1、及び可撓性軟磁性コア1の周りに巻かれた少なくとも1つの巻線21を含む。巻線21は、導体材料で作られ、そして絶縁用層で被覆されるか、又はコイル7の巻線21が、巻線間での接触を避けるために互いに隙間をとられるかである。電流が巻線21に印加されると、可撓性軟磁性コア1内の各連続強磁性ワイヤ4に沿って磁流が誘起される。
【0061】
図3、4、5、及び6は、本発明の第3の態様の1実施態様による可撓性軟磁性コア1の製造のための方法を示す。
【0062】
したがって、複数の強磁性ワイヤを含む硬化された高分子媒体3は、軸に沿って延伸され押し出された部分であり、上記軸を規定している交差する2つの直交平面に沿って捩じり可能且つ湾曲可能である(図8及び9を参照)。
【0063】
図3に示された第1段階における方法に関して、本方法は、複数の連続強磁性ワイヤ4を作ることを含み、それは個々のリール22から巻き戻され、押出チェンバ20の1端部に置かれたワイヤ供給板8内に所定のパターンに従い配設された幾つかの穴9を通過する。押出チェンバ20は、ワイヤ供給板8に対向する出口端部16を有する一定の断面の細長い直線的延伸部を有する。各連続強磁性ワイヤ4の各々は、ワイヤ供給板8の上流に置かれた対応する押圧装置19によって押出チェンバ20内へ押し入れられる。
【0064】
ポリマー供給通路17は、押出チェンバ20の側壁に置かれる。上記ポリマー供給通路17は、制御された加熱を伴うホッパー23の出口へ接続され、未硬化の高分子媒体3を溶融状態で容れている。そしてホッパー23内のウォーム24は、ポリマー供給通路17を通して未硬化の溶融高分子媒体3を押出チェンバ20(断熱された)内へ押出すように配設されている。
【0065】
押出し操作の最初で、各連続強磁性ワイヤ4の前端部は、押出チェンバ20内に摺動可能に配設され且つ上記ポリマー供給通路17の下流に置かれたプランジャー18へ接続される。各連続強磁性ワイヤ4の前端部は、ワイヤ供給板8内の各穴9と同じ所定のパターンに従い配設されたその各位置でのプランジャー18へ接続される。
【0066】
こうして、ワイヤ供給板8及びプランジャー18は、各連続強磁性ワイヤ4を押出チェンバ20内に並べるように、且つ所定のパターンに従って配設されるように維持し、一方、プランジャー8は、供給板8とプランジャー18との間のポリマー供給通路17を通り押出チェンバ20内へ粘性形態で注入される未硬化の高分子媒体3によって加えられた圧力下で、各連続強磁性ワイヤ4を埋設された未硬化高分子媒体3と共に押出チェンバ20に沿って各連続強磁性ワイヤ4を引っ張る。
【0067】
未硬化の高分子媒体3を押出チェンバ20内へ連続的に供給することによって、プランジャー18は、各連続強磁性ワイヤ4を引っ張りつつ出口端部16へ移動され、連続コア先駆体10の形成が始まる。ワイヤ供給板8の各穴9は、各連続強磁性ワイヤ4に適合するように且つ高分子媒体3がそれを通って戻るのを回避するように構成され配設される。
【0068】
図4は、方法の第2段階を示し、そこでは、プランジャー18を取り付けられた連続コア先駆体10の前端部は、出口端部16を通って押出チェンバ20を出て、そして連続コア先駆体10は、押出チェンバの外側に出口端部16に隣接して置かれた冷却装置13によって冷却される。図示された実施態様において、冷却装置13は、冷却された熱が流体流へ移動するところのコイルを巻かれた導管を有する。しかし、冷却装置13は、代替的に別の冷却手段を含みうる。
【0069】
連続コア先駆体10は、押出チェンバ20の外部で、冷却装置13の下流に且つそれに隣接して置かれた貯留装置15によって付加的に貯留される。図3、4、5、及び6において、高分子媒体3は、高分子媒体3が冷却され固化するにつれて益々狭くなる各平行ハッチング線間の間隔を有する、硬化のレベルを表示する各平行ハッチング線によって影を付けて示されている。
【0070】
図5は、方法の第3段階を示し、そこでは、プランジャー18を取り付けられた連続コア先駆体10の前端部は、切断装置24を通過する。図示された実施態様において、切断装置24は、連続コア先駆体10が通過する開口部を有するアンビル25、及び連続コア先駆体10をアンビル25近傍で切断するように作動される切断刃26を含んでいる。しかし、切断装置24は、別の切断手段、例えばレーザ又はウォータジェット切断を代替的に含みうる。
【0071】
図6は、方法の第4段階を示し、そこでは、プランジャー18を取り付けられた連続コア先駆体10の前端部は、切断装置24によって連続コア先駆体10から切り離され、その後、各連続可撓性軟磁性コア1は、連続コア先駆体10が押出チェンバ20を出るときに、切断装置24で連続コア先駆体10を反復的に切断することによって形成される。プランジャー18が取り付けられた連続コア先駆体10の前端部は捨てられる。得られた各連続可撓性軟磁性コア1は、図1を参照して上で記載されたようなものである。
【0072】
このようにして、本発明の方法は、連続押出し工程によって各連続強磁性ワイヤ4を未硬化かつ流体状の(溶融した)高分子媒体3内に埋設すること、連続コア先駆体10を形成するために、埋設された各連続強磁性ワイヤ4を伴う高分子媒体3を硬化させること、及び上記連続コア先駆体10を分離した各軟磁性コア1へと切断すること、を含む。各連続強磁性ワイヤ4は、押出チェンバを通って存在し、一方、高分子媒体3は、上記押出チェンバ20を通して押し出される。
【0073】
本発明は、米国特許出願US2006022886A1およびUS2009265916A1において請求されているように、これらの各合金が耐えうるより高い磁束密度Bにより、80%小さく出来うる各積層スタックと同じ有効断面積を有するコアを提案する。通常、フェライトのBsatは、0.3Tであり、一方Niベースの各合金は、5倍のBsatである1.5Tまで耐えられ、そしてパーマロイ79Ni4MoFeのような別の各材料は、以下の表のように2xBsatでありうる。
【0074】
【表1】
【0075】
与えられた電流Iについて、磁場の強さHが、コアの断面積S及び巻数に比例する。最大Hは、飽和値Bsatによって制限される。Bsatが同じHについて2倍から5倍大きいと、コアの断面積Sは、比例的に減少されうるか、もし同じに保たれていると、同じ磁気誘導に対して巻数が少なくてよく、するとより小さいアンテナ又はより少ない巻数でよい。
【0076】
図1a及び7に示された追加の実施態様によれば、本発明の可撓性軟磁性コアは、軟磁性コアの磁気特性を強化するために強磁性コアに埋設された複数のナノ粒子を含む。上記各ナノ粒子の特徴、組成、及び容量は、例えばナノ粒子サイズ、透磁率、合金組成などについて上に開示されている。
【0077】
好ましい実施態様によると、硬化高分子媒体3はさらに、軟強磁性材料の複数のマイクロ繊維、複数のマイクロ粒子、または複数のナノ粒子を含み、それらは、単独で又は何らかの組合せで上記高分子媒体3の高分子母材内に存在する。
【0078】
使用された軟強磁性材料の各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、コアの総重量の85%までの重量含有量を示す。
【0079】
軟磁性材料の各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、未硬化液状高分子媒体に上記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子と共に組み込まれた1以上の分散剤によって、上記高分子媒体3の高分子母材内で一様に分布され且つ電気的に絶縁される。
【0080】
1実施態様において、引用された分散剤は、上記コア本体を提供する液状ポリマーの約4〜5%の量で存在している。
【0081】
さらに、上記1以上の分散剤は、ルーブリゾール(Lubrizol)社からのソルスパース(Solsperse)を含む。
【0082】
1実施態様によると、1以上の分散剤は、分散反応に加えて電気絶縁性を含む表面処理を上記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子に与える液状モノマー又は超分散剤を含む。
【0083】
各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、FeNi又はMo-FeNi、Co-Si又はFe-NiZnから選択された、30〜80%のNiの重量含有量を有する成分と、Mo、Co、又はSiを含む、10%未満の重量含有量を有する追加の成分とに基づく、非常に高い比透磁率、好ましくは600.000未満、の金属合金である。
【0084】
各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、純Fe、純Fe3+、若しくはFeカルボニル、若しくはNiカルボニル、若しくはMnZnフェライト、若しくはMnNiフェライトから選択、又はモリパーマロイ(Mollypermalloy)粉末から選択される。
【0085】
さらに、軟強磁性材料の前記各マイクロ粒子又は各ナノ粒子は、アモルファス、ナノ結晶、又はアニーリング工程において大きくされた粒を有するマクロ結晶から選択された結晶構造である。
【0086】
そして引用された各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、低磁性保持力、好ましくは0.1A/m未満、を有し且つ抵抗率(ρ)、好ましくは10Ω・m未満、を有する高分子母材内で電気的に絶縁されている。
【0087】
図1aの実施態様において、非常に高い透磁率値を有する強磁性材料で作られた複数の平行連続強磁性ワイヤは、上記強磁性コアに埋設され、図7の実施態様とは違い、強磁性コアは、上記各連続強磁性ワイヤを欠き、強磁性コアに埋設された各ナノ粒子によって提供されたそれらの機能性である。
図1
図1a
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2017年4月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性軟磁性コア(1)であって、
硬化高分子媒体(3)で作られたコア本体(2)内に複数の平行な磁路を形成するように配設された強磁性材料を含み、前記複数の平行な磁路は、前記高分子媒体(3)によって互いに電気的に絶縁されており、
前記強磁性材料は、前記高分子媒体(3)で作られた前記コア本体(2)内に埋設された複数の平行な連続強磁性要素を含み、
前記各連続強磁性要素は、相互に間隔を空けられ、且つ前記コア本体(2)の一端部から他端部まで延伸され
前記コアは長手方向軸に沿って延伸され、少なくとも2つの直交方向において可撓性があり、
前記各連続強磁性要素は可撓性のワイヤであり、
前記コアは、前記各ワイヤに平行な前記長手方向軸に対して、及び前記各ワイヤに垂直な横方向軸に対して湾曲されうる、
ことを特徴とする可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項2】
複数の強磁性ワイヤを含む前記硬化高分子媒体(3)は、軸に沿って延伸された押出部分であり、前記軸を規定している交差する2つの直交平面に沿って捩じり可能且つ湾曲可能である、請求項1に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項3】
前記コア本体(2)は、15cmを超える、好ましくは25cmを超える、長さを有し、コア本体(2)が、角柱状又は円柱状の形状である、請求項2に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項4】
前記硬化高分子媒体(3)は、ポリマー接着軟磁性材料PBSMである、請求項1〜のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項5】
前記硬化高分子媒体(3)は、さらに、軟強磁性材料の複数のマイクロ繊維、複数のマイクロ粒子、又は複数のナノ粒子を含み、それらは、単独で又は何らかの組合せで前記硬化高分子媒体(3)の高分子母材内に存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項6】
前記軟強磁性材料の各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、コアの総重量の85%までの重量含有量を示し、前記軟磁性材料の各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、前記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子と共に未硬化の液状高分子媒体へ組み込まれた1以上の分散剤によって前記高分子媒体(3)の高分子母材内に一様に分布させられ且つ電気的に絶縁される、請求項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項7】
前記1以上の分散剤は、前記コア本体を提供する液状ポリマーの約4〜5%の量で存在し、前記分散剤は、ルーブリゾール(Lubrizol)社からのソルスパース(Solsperse)を含むか、又は、分散反応に加えて電気絶縁性を具備する表面処理を前記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子に与える液状モノマー又は超分散剤を含む、請求項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項8】
前記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、FeNi又はMo-FeNi、Co-Si又はFe-NiZnから選択された、30〜80%のNiの重量含有量を有する成分と、Mo、Co、又はSiを含む、10%未満の重量含有量を有する追加の成分とに基づく、非常に高い比透磁率、好ましくは600.000未満、の金属合金である、請求項5又は6に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項9】
前記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子は、純Fe3+、若しくはFeカルボニル、若しくはNiカルボニル、若しくはMnZnフェライト、若しくはMnNiフェライトから選択、又はモリパーマロイ(Mollypermalloy)粉末から選択される、請求項5又は6に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項10】
軟強磁性材料の前記各マイクロ粒子又は各ナノ粒子は、アモルファス、ナノ結晶、又はアニーリング工程において大きくされた粒を有するマクロ結晶から選択された結晶構造である、請求項5又は6に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項11】
前記各マイクロ繊維、各マイクロ粒子又は各ナノ粒子は、低磁気保持力、好ましくは0.1A/m未満、を有し、且つ抵抗率(ρ)、好ましくは10Ω・m未満、を有する高分子母材内部で電気的に絶縁されている、請求項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項12】
前記高分子媒体は、エポキシ又はウレタン又はポリウレタン又はポリアミド誘導体から得られた高分子母材である、請求項1に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項13】
可撓性の前記各連続強磁性ワイヤ(4)の各々は、その長さ全体に沿って一定断面(5)を有し、前記一定断面は、0.002〜0.8平方ミリメートルの範囲の領域を有する円形である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項14】
前記各連続強磁性ワイヤ(4)は、数個の等間隔で平行な幾何学的平面内に配設され、1つの幾何学的平面内に配設された各連続強磁性ワイヤ(4)は、別の隣接する平行な幾何学的平面内に配設された各強磁性ワイヤ(4)に対して互い違いに配設されている、請求項13に記載の可撓性軟磁性コア(1)。
【請求項15】
各連続強磁性ワイヤ(4)は、22.5〜438μm/mH・m−1の範囲の非常に高い透磁率を有する強磁性材料で作られ、前記非常に高い透磁率の強磁性材料は、鉄と、ニッケル、コバルト、モリブデン、及びマンガンの1以上との合金である、請求項1、13又は14のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の可撓性軟磁性コア(1)及び可撓性軟磁性コア(1)の周りに巻かれた少なくとも1つの巻線(21)を備えるアンテナ(7)。
【請求項17】
可撓性軟磁性コア(1)を製造する方法であって、連続押出し工程によって複数の連続強磁性ワイヤ(4)を未硬化高分子媒体(3)内に埋設すること、連続コア先駆体(10)を形成するために、そこに埋設された複数の連続強磁性ワイヤ(4)と共に高分子媒体を硬化させること、及び前記連続コア先駆体(10)を分離した軟磁性コア(1)に切断すること、を含み、前記連続押出し工程は、押出チェンバを通して各連続強磁性ワイヤ(4)を通過させ、一方、高分子媒体(3)は前記押出チェンバ(20)を通して押し出される、方法。
【請求項18】
各連続強磁性ワイヤ(4)は、押出チェンバ(20)と整列されて保持され、且つ各連続強磁性ワイヤ(4)をいくつかの穴(9)を通過させることによって、前記押出チェンバ(20)を通過させる間に、所定のパターンに従い配設され、及び/又は硬化ポリマー上の軸方向磁気誘導を含み、前記いくつかの穴(9)はその出口端部(16)の反対の押出チェンバ(20)の1端部に置かれたワイヤ供給板(8)内の前記所定のパターンに従って配設され、各連続強磁性ワイヤ(4)は、押出チェンバ(20)の側壁に置かれたポリマー供給通路(17)から押出チェンバ(20)内へ粘性形態で注入され、分散された強磁性の各マイクロ繊維、各マイクロ粒子、又は各ナノ粒子を充填された未硬化高分子媒体(3)を伴う各連続強磁性ワイヤ(4)を引っ張ることによって、ワイヤ供給板(8)の前記各穴(9)及び押出チェンバ(20)を通り前記出口端部(16)の方へ通過するように作られ、各連続強磁性ワイヤ(4)は、ワイヤ供給板(8)の上流に置かれた押圧装置(19)によって押付けられる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
各連続強磁性ワイヤ(4)の前端部は、押出チェンバ(20)内に摺動可能に配設され且つ前記ポリマー供給通路(17)の下流に置かれたプランジャー(18)へ接続され、且つ前記所定のパターンに従って配設される、ここで前記プランジャー(18)は、押出チェンバ(20)に整列された各連続強磁性ワイヤ(4)を保持する、一方、押出動作の開始で、各連続強磁性ワイヤ(4)を押出チェンバ(20)に沿って引っ張ること、その後、前記プランジャーは、連続コア先駆体(10)の前端部を切断することによって除去され、連続コア先駆体(10)は、切断の前に、押出チェンバ(20)の外部の冷却装置(13)によって冷却され、連続コア先駆体(10)は、切断の前に、冷却装置(13)の下流に置かれた貯留装置(15)によって貯留される、請求項17又は18に記載の方法。
【国際調査報告】