(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-532969(P2017-532969A)
(43)【公表日】2017年11月9日
(54)【発明の名称】喫煙品組立機械および喫煙品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A24C 5/47 20060101AFI20171013BHJP
A24C 5/56 20060101ALI20171013BHJP
【FI】
A24C5/47
A24C5/56
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-523311(P2017-523311)
(86)(22)【出願日】2015年11月5日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月2日
(86)【国際出願番号】GB2015053357
(87)【国際公開番号】WO2016071699
(87)【国際公開日】20160512
(31)【優先権主張番号】1419838.6
(32)【優先日】2014年11月7日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(71)【出願人】
【識別番号】512001371
【氏名又は名称】タバコ リサーチ アンド ディベロップメント インスティテュート (プロプリエタリー) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ファロン、ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】ブレイ、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ル・ルー、ジェラルド
【テーマコード(参考)】
4B044
【Fターム(参考)】
4B044CC14
4B044CC15
4B044CC18
4B044CC20
4B044CC22
(57)【要約】
本出願は喫煙品組立機械に関する。喫煙品組立機械はチッピング紙のウェブの搬送経路を有する。また喫煙品組立機械はチッピング紙ウェブ搬送経路に沿って通過するチッピング紙(4)のウェブ(11)に少なくとも5mmの寸法のライン(6)を含むパターン(5)を形成するように切り込み作業を行うように構成された機械的カッター(70)と、チッピング紙(4)のウェブ(11)を喫煙品を巻くためのセグメントに切断するように構成されたウェブ切断装置(60)とを含む。また本出願は喫煙品の製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チッピング紙ウェブ搬送経路を有し、
チッピング紙ウェブ搬送経路に沿って通過するチッピング紙ウェブに少なくとも5mmの寸法のラインを含むパターンを形成するように切り込み作業を行うように構成された機械的カッターと、
チッピング紙ウェブを喫煙品を巻くためのセグメントに切断するように構成されたウェブ切断装置とを含む喫煙品組立機械。
【請求項2】
前記ラインは分離ラインであることを特徴とする請求項1記載の喫煙品組立機械。
【請求項3】
機械的カッターの切り込み作業はチッピング紙ウェブの少なくとも2つのセクションを画定するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の喫煙品組立機械。
【請求項4】
機械的カッターはチッピング紙搬送経路のウェブの方向に沿った方向にラインを含むパターンを形成するために切り込み作業を行うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の喫煙品組立機械。
【請求項5】
チッピング紙ウェブに作用するように構成された巻きステーションをさらに含み、機械的カッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿って巻きステーションの下流で切り込み作業を行うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の喫煙品組立機械。
【請求項6】
機械的カッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿ってウェブ切断装置の上流で切り込み作業を行うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の喫煙品組立機械。
【請求項7】
機械的カッターはつぶし切り込み装置であることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の喫煙品組立機械。
【請求項8】
つぶし切り込み装置は、間にチッピング紙ウェブ搬送経路が画定されている型付けローラーとアンビルローラーとを含むことを特徴とする請求項7記載の喫煙品組立機械。
【請求項9】
型付けローラーとアンビルローラーの間の間隔は3〜5μmの範囲内であることを特徴とする請求項7記載の喫煙品組立機械。
【請求項10】
さらにプレカッターを含み、プレカッターはチッピング紙ウェブ上での第1の切り込み作業を行うように構成され、機械的カッターによって行われる切り込み作業はチッピング紙ウェブ上の第2の切り込み作業であることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載の喫煙品組立機械。
【請求項11】
プレカッターは機械的切り込み作業を行うことを特徴とする請求項10記載の喫煙品組立機械。
【請求項12】
プレカッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿って巻きステーションの上流に配置されていることを特徴とする請求項10または11記載の喫煙品組立機械。
【請求項13】
前記ラインは幅に対する長さの最小比が60:1であることを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載の喫煙品組立機械。
【請求項14】
チッピング紙ウェブを搬送経路に沿って搬送することと、
チッピング紙ウェブ上に少なくとも5mmの寸法を有するラインを含むパターンを形成するためにチッピング紙ウェブに機械的に切り込みを入れることと、
チッピング紙ウェブをいくつかのセグメントに切断することと、
チッピング紙のセグメントで喫煙品を組み立てることとを含む喫煙品の製造方法。
【請求項15】
さらに巻きステーションを使用してチッピング紙ウェブを巻くことを含み、チッピング紙のウェブはチッピング紙のウェブが巻きステーションによって巻かれた後、少なくとも5mmの寸法を有するラインを含むパターンを形成するために機械的に切り込みが入れられることを特徴とする請求項14記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は喫煙品組立機械に関する。また本発明は喫煙品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルター付き紙巻きタバコなどの喫煙品は、一般にタバコロッドおよび紙などの材料に巻かれたフィルターで形成されている。チッピング紙などの紙のバンドが包装されたタバコと包装されたフィルターとを接合するために使用される場合がある。異なる構造、形態の紙巻きタバコが可能であるが、これらは一般にいくつかの材料で巻かれたタバコロッドおよびフィルターなどのロッド形状の部材を種々の配置で含んでいる。
【0003】
ウェブ材を調製し、タバコロッド、フィルターまたはタバコロッドとフィルターの集合体に巻くための機械は、チッピング紙などの薄いストリップ材を扱い、ストリップ材を配置し、関連する部材と位置合わせし、ストリップを巻装工程に供給して喫煙品の部品にストリップ材を巻くウェブハンドリングシステムを含んでもよい。
【0004】
予め画定されたスリットまたは開口部が形成されたチッピング紙などのシート材のウェブで喫煙品を組み立てることが知られている。
【発明の概要】
【0005】
本発明のいくつかの態様ではチッピング紙ウェブ搬送経路を有する喫煙品組立機械が提供され、この機械は、チッピング紙ウェブ搬送経路に沿って通過するチッピング紙ウェブに少なくとも5mmの寸法のラインを含むパターンを形成するように切り込み作業を行うように構成された機械的カッターと、チッピング紙ウェブを喫煙品を巻くためのセグメントに切断するように構成されたウェブ切断装置とを含む。
【0006】
上記ラインは分離ラインであってもよい。
【0007】
機械的カッターの切り込み作業はチッピング紙ウェブの少なくとも2つのセクションを画定するように構成してもよい。
【0008】
機械的カッターはチッピング紙搬送経路のウェブの方向に沿った方向にラインを含むパターンを形成するために切り込み作業を行うように構成してもよい。
【0009】
本発明の喫煙品組み立て機械はチッピング紙ウェブに作用するように構成された巻きステーションをさらに含んでもよい。機械的カッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿って巻きステーションの下流で切り込み作業を行うように構成してもよい。
【0010】
機械的カッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿ってウェブ切断装置の上流で切り込み作業を行うように構成してもよい。
【0011】
機械的カッターはつぶし切り込み装置であってもよい。これとは別に機械的カッターは、剪断作用カッター、例えば回転剪刀型カッターまたは接触カッターなどのなどの別の種類の機械的カッターであってもよい。
【0012】
つぶし切り込み装置は、間にチッピング紙ウェブ搬送経路が画定されている型付けローラーとアンビルローラーとを含んでもよい。
【0013】
型付けローラーとアンビルローラーの間の間隔は3〜5μmの範囲内であってもよい。
【0014】
本発明の喫煙品組立機械はさらにプレカッターを含んでもよい。プレカッターはチッピング紙ウェブ上での第1の切り込み作業を行うように構成してもよく、機械的カッターによって行われる切り込み作業はチッピング紙ウェブ上の第2の切り込み作業であってもよい。
【0015】
プレカッターは機械的切り込み作業を行ってもよい。
【0016】
プレカッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿って巻きステーションの下流で機械的カッターの上流に配置されてもよい。より具体的にはプレカッターはチッピング紙ウェブの搬送経に沿った移動方向において巻きステーションの後であるが、機械的カッターの前に配置されるのが好ましい。
【0017】
プレカッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿って巻きステーションの上流に配置されてもよい。
【0018】
プレカッターはミシン目を形成するための穿孔器であってもよい。これとは別にプレカッターは剪断作用カッター、例えば回転剪刀型カッターまたは接触カッターまたはレーザーカッターなどにすることも可能である。
【0019】
上記ラインは幅に対する長さの最小比が60:1であってもよい。
【0020】
本発明の他の態様では喫煙品の製造方法が提供され、この方法はチッピング紙ウェブを搬送経路に沿って搬送することと、チッピング紙ウェブ上に少なくとも5mmの寸法を有するラインを含むパターンを形成するためにチッピング紙ウェブに機械的に切り込みを入れることと、チッピング紙ウェブをいくつかのセグメントに切断することと、チッピング紙のセグメントで喫煙品を組み立てることとを含む。
【0021】
本発明の方法はさらに巻きステーションを使用してチッピング紙ウェブを巻くことを含み、チッピング紙のウェブはチッピング紙のウェブが巻きステーションによって巻かれた後、少なくとも5mmの寸法を有するラインを含むパターンを形成するために機械的に切り込みが入れられる。
【0022】
本発明の実施態様を添付図面を参照し、あくまで例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】紙巻きタバコを形成するためのチッピング紙のセグメントの平面図である。
【
図3】紙巻きタバコ製造機械の略式側部立面図である。
【
図4】紙巻きタバコ製造機械のつぶし切り込み装置の略式側面図である。
【
図5】
図3に示した紙巻きタバコ製造機械によって実行される工程の略図である。
【
図6】別の紙巻きタバコ製造機械の略式側部立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書中に使用する「喫煙品」なる用語は、タバコ、タバコ派生品、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているかに関係なく紙巻きタバコ、シガーおよびシガリロなどの喫煙可能な製品および発熱するが燃焼しない製品、電子タバコを含むエアロゾル発生装置などの他のニコチン送出製品を含む。喫煙品には喫煙者に吸引される気体流用のフィルターを設けてもよい。本明細書中で説明する喫煙品の実施例としては、タバコなどの喫煙材のロッドに固定されたフィルターを有する紙巻きタバコまたは他の伸縮自在の構造のものを含んでもよい。
【0025】
図1を参照すると紙巻きタバコ1の形体の喫煙品は、紙のラッパーに包まれたタバコまたはタバコ含有材などの喫煙材を従来の方法で含むタバコロッド2を含む。当然のことながら紙巻きタバコなる用語は、本明細書を通して喫煙品なる用語に置き換えてもよい。紙のプラグラッパーに包まれた例えばセルロースアセテートなどのフィルター材を含むほぼ円筒状のフィルターセグメント3がタバコロッド2に隣接して配置されている。フィルターセグメント3はシート材4、好ましくはチッピング紙のカバー層によってタバコロッド2に取り付けられる。これとは別にタバコロッド2は長手方向に位置合わせされた喫煙材と第2フィルターセクション(図示せず)を含んでもよい。
【0026】
図2のチッピング4は以下に説明するように紙巻きタバコ製造機械で2本の背中合わせに配置された紙巻きタバコ1をに包むのに適した幅のチッピング紙ウェブ11のセグメント10として示されている。ウェブ11の各長さLは個別の背中合わせの紙巻きタバコの対を形成するために利用され、使用時にはウェブ11は各セグメント10の先行縁部および後縁部を形成する切断線12、13に沿って切断される。喫煙材1を形成するためにチッピング紙4を巻く際にチッピング紙ウェブ11のセグメント10は分離ライン14に沿って分割される。
【0027】
図2に示すようにチッピング紙4にはパターン5が形成される。パターン5はライン6の列によって形成されている。ライン6はチッピング紙4を形成するシート材を通る切り込みによって形成される。
図2に示すチッピング4のウェブ11のセグメント10はブランクを形成する。本実施態様ではライン6は機械的な切り込み作業によって形成される。少なくともいくつかのライン6の深さはシート材の厚さを通して延びている。即ち、ライン6は分離ラインを形成する。しかしながら、いくつかの線6はシート材の厚さを通して部分的にのみ延びてもよい。分離ラインを形成する該または各ライン6はチッピング紙4の少なくとも2つのセクションを画定する。例えば、ライン5aは
図2のチッピング紙4の2つのセクション8a、8bを画定する。
【0028】
ライン6の列はパターン5を形成するように示されているが、当然のことながらパターン5を1本のラインで作製することも可能である。各ライン6は長尺である。少なくとも1本のライン6は5mmまたはそれ以上の長さを有する。好ましくは少なくとも1本のライン6は10mmに等しいまたはそれ以上の長さを有する。組み立てられた際に少なくとも1本のライン6は紙巻きタバコ1の円周の少なくとも50%を延びている。好ましくは組み立てられた際、少なくとも1本のライン6は紙巻きタバコ1の円周の少なくとも80%を延びる。
【0029】
またチッピング紙4にはミシン目の列が形成される。ミシン目7はレーザーカッティング、ピンエンボスなどのエンボス加工または任意の他の好適な方法によって形成してもよい。ミシン目7はチッピング紙4を通る換気を提供する。当然のことながら各ミシン目7は通常は0.5mm以下の直径を有する。0.5mm超の直径のミシン目孔はCO2を発生させる場合があることが判っている。
【0030】
紙巻きタバコ1の製造に適した紙巻きタバコ製造機械を
図3および4を参照して説明する。本発明の機械は紙巻きタバコの製造においてチッピング紙4のウェブ11のロール22aを利用するように適合させたHauni Maschinenbau AG社による機械を改良したものとして考慮することができる。また
図5を参照すると、
図3に例示した機械の種々の部分によって実行される製造工程を略式に示している。
【0031】
2本の紙巻きタバコを背中合わせに形成するのに好適な長さのタバコロッド20が
図3に示すタバコロッド送り込み部33に供給される。またフィルターロッド21がホッパー35から機械内に供給される。フィルターロッド21は2本の紙巻きタバコを背中合わせに形成するのに好適な長さである。
【0032】
タバコロッド20は引き継ぎドラム36上に供給され、タバコロッド切断ドラム37に送られ、これは関連するナイフホイール38を有し、タバコロッド20を2つの部分20a、20bに切断し、これらはその後分離ドラム39によって軸方向に分離され、個々のフィルターロッド21が
図5に示すようにそれらの間に置かれるフィルター供給ドラム40に送られる。
【0033】
フィルターロッド21はホッパー35から供給ローラー32a、32b、32c、32dによってフィルター供給ドラム40へと供給され、
図3に示すようにフィルターロッドドラム40は共通の長手方向軸でタバコロッド20a、20bをフィルター端部21の対向端に当接させるように作動する。
【0034】
ロッド20a、21、20bの当接構造体は、その後スウォシュ・プレートドラム41に送られ、そこでそれらは図に示すチッピング4のウェブ11の切断線12および13の間の切断部を含むチッピング紙セグメント10によって接合される。後で説明するようにチッピング紙セグメント10はウェブ11から切断され、当接構造体が回転ドラム43に送られると、チッピング紙セグメント10がフィルターロッド21に巻かれるように糊が塗布され、タバコロッド20a、20bの端部に重なる大きさになっているので
図5に示す構造体で例示するようにこれらは接合される。
【0035】
接合されたロッド20a、21、20bは、その後移送ドラム45へと移動し、切断ドラム46へと供給され、これは連動する回転ナイフ47を有し、接合されたロッド20a、21、20bを2本の紙巻きタバコ1、1’に切断し、これらはその後移送ドラム48を介して旋回ドラム49へと供給され、そこで各対の紙巻きタバコ1、1’はパッケージングの準備のために同じ方向に向くように配置される。
【0036】
チッピング紙4のウェブ11はチッピング紙4のウェブ11が紙巻きタバコ製造機械に連続的に供給できるように2つのロール22a、22bを含む供給構造体から順次供給される。従って、供給ロール22aの1つを使い切ると、もう一方のロール22bから連続的に供給することができ、空のロールを交換することができる。
【0037】
紙巻きタバコ製造機械に供給ロール22a、22bを設置する前に未処理のウェブロール上で穿孔ステーション(図示せず)が作動し、チッピング4のウェブ11にミシン目7を形成する。穿孔ステーション(図示せず)は通常紙巻きタバコ製造機械から離れている、または紙巻きタバコ製造機械に組み込んでもよい。またウェブ11は紙巻きタバコ製造機械に隣接する穿孔ステーションで穿孔され、その隣接するステーションから紙巻きタバコ製造機械に供給されてもよい。
【0038】
再度
図3を参照するとチッピング紙4のウェブ11はロール22a、22bの1つから巻きステーション50に供給される。巻きステーション50はチッピング紙4のウェブ11の一方の面の構造的一体性を弱化させて
図3および5に示すようにドラム41、43でロッド20a、20b、21に巻かれる際にウェブが簡単に円筒形に丸まるようにチッピング紙4のウェブ11に作動する。巻きステーション50ではチッピング紙4はカーリングバーとしても知られている固定された巻き縁部上に送られ、一方の面でチッピング紙の構造的一体性を僅かに弱化させる。従来の紙巻きタバコ製造機械ではミシン目を有するウェブ11は巻き処理に耐えることができる。しかしながら、巻きステーション50を通過するチッピング紙4のウェブ11に少なくとも5mmの寸法を有するライン6を含むパターン5が存在することによってウェブが少なくとも部分的に損傷を受ける場合があることが判っている。
【0039】
図3に示すようにチッピング紙4のウェブ11は巻きステーション50の下流の機械的カッター70による作業を受ける。機械的カッター70はパターン5の少なくとも1つのライン6を形成するためにチッピング紙4のウェブ11に作動する。機械的カッター70はチッピング紙4のウェブ11の搬送経路に沿ってウェブが機械的カッター70を通過する際にチッピング紙4のウェブ11上で切り込み作業を行う。機械的カッター70は主に流れ方向に即ち、チッピング紙4の移動方向に直交する横方向ではなくチッピング紙4が搬送されている方向にチッピング紙4のウェブ11に切り込みを入れる。
【0040】
ウェブテンショナー65が
図3に示す実施態様では巻きステーション50の上流に設けられている。ウェブテンショナー65またはウェブ溜めは機械的カッター70でチッピング紙4のウェブ11の緊張を正確に制御する。別の実施態様ではウェブテンショナー65は巻きステーション50と機械的カッター70の間に配置されている。ペーパーガイド(図示せず)はチッピング紙4のウェブ11をチッピング紙4のウェブ11の搬送経路の方向を横断する方向に整列させる。ペーパーガイドはチッピング紙4のウェブ11をそれが機械的カッター70によって受け取られる前に確実にが正確に配列されるようにする。
【0041】
図4を参照すると本実施態様の機械的カッター70はつぶし切り込み装置である。つぶし切り込み装置はバーストカットとしても知られているつぶし切り込みをウェブ11で実行してパターン5の該または各ライン6を形成するためにチッピング紙4のウェブ11に作用する。機械的カッター70として機能するつぶし切り込み装置は型付けローラー71とアンビルローラー72とを含む。型付けローラー71とアンビルローラー72は隙間73を画定するために互いに離れている。隙間73はチッピング紙4のウェブ11の搬送経路の一部を画定している。即ち、ウェブ11は型付けローラー71とアンビルローラー72の間を通過する。
【0042】
型付けローラー71は円筒状の外面74を有する。隆起した突出部 (図示せず)が型付けローラー71から延びている。隆起した突出部はパターン5の該または各ライン6を画定する。隆起した突出部は回転ダイを画定する。アンビルローラー72は円筒状の外面75を有する。アンビルローラー72の円筒状外面75は滑らかである、即ちアンビルローラー72の円筒状外面75は隆起した突出部を全く有していない。
【0043】
型付けローラー71の隆起した突出部(図示せず)の自由縁部とアンビルローラー72の円筒状外面75の間の間隔は本実施態様では3〜5μmである。チッピング紙4のウェブ11の厚さは通常0.025〜0.055mmである。しかしながら、当然のことながらその寸法は異なってもよい。型付けローラー71とアンビルローラー72の回転は同期される。型付けローラー71とアンビルローラー72の回転速度はチッピング4のウェブ11の処理速度に対応する。ウェブ11は型付けローラー71とアンビルローラー72の間を通過する際、ローラー71、72がウェブ11の両側に作用する。型付けローラー71の隆起した突出部とアンビルローラー72の円筒状の外面75の間で受けられたウェブ11の部分は圧縮される、即ち材料がそれらの間で潰される。切り込み作業が行われる材料は、チッピング紙4のウェブ11の厚さの少なくとも80%が潰される。潰す作業によって材料が型付けローラー71が作用する材料のラインに沿って裂かれ、よって分離ラインを形成する。この作業によりチッピング紙4のウェブ11の挿通を必要としない分離作業を行うことが可能になる。本実施態様では該または各ライン6は60:1の幅に対する最小長さの比を有する。
【0044】
巻きステーション50の下流でチッピング紙4のウェブ11で切り込み作業を行うことによって、紙巻きタバコ製造機械でチッピング紙に損傷が生じずに以前は不可能であったチッピング紙4のウェブ11にパターン5を形成することが可能になることが判っている。例えば、本実施態様では機械的カッター70はチッピング紙4のウェブ11の搬送経路の方向に沿った方向にラインを含むパターン5を形成する切り込み作業を行うように構成されている。さらに紙巻きタバコ製造機械のオンラインで少なくとも5mmの寸法を有するライン6を含むそのようなパターン5を形成することが可能である。また当然のことながら機械的カッター70は紙巻きタバコ製造機械に据え付けることができる。
【0045】
図3を参照するとチッピング紙4のウェブ11は機械的カッター70から糊付けステーション55を通過する。これはトレイ58から転写ローラー57によって転写される糊を所定のパターンでウェブ11の一面に塗布する糊付けローラー56を含む。糊が塗布されたウェブ11はそれから供給ローラー59上を通ってウェブ切断装置60へと移動する。ウェブ切断装置60はロータリーパッチカッターを有し、これは複数の放射状に延びたブレードを含み、 ウェブ11を
図5に例示するように連続するタバコとフィルターロッドの構造体に貼付されるチッピング紙セグメント10に切断する。
図2を参照するとウェブ切断装置60はウェブ1を切断線12、13に沿って切断し、個々のチッピング紙セグメント10を形成する。
【0046】
上述の実施態様では切り込み作業は、任意にミシン目7を形成するためにチッピング紙4のウェブ11のロール22a、22bが紙巻きタバコ製造機械に受け取られる前にチッピング紙4のウェブ11に少なくとも5mmの寸法を有する1つ以上のライン6を形成するために機械的カッター70で実行される。しかしながら、当然のことながら別の実施態様では紙巻きタバコ製造機械は、ミシン目7を形成するためにチッピング紙4のウェブ11で切り込み作業を行うためのプレカッターを有する。そのような実施態様の1つを
図6に示す。
図6に示す実施態様は上述の実施態様とほぼ同じであり、詳細な説明は省略する。しかしながら、この実施態様では紙巻きタバコ製造機械は チッピング紙4のウェブ11の搬送経路に沿って配置されたプレカッター80を有する。
【0047】
この実施態様ではプレカッター80はチッピング紙4のウェブ11の搬送経路に沿って巻きステーション50の上流に配置されている。プレカッター80はミシン目を形成するまたは切断部が5mm未満の寸法を有する他の切り込み作業を行うように構成されている。プレカッター80はレーザー切断装置、ピンエンボス装置または剪断作用カッターなどの異なる形体のものを含んでもよい。
【0048】
プレカッター80はチッピング紙4のウェブ11で第1の切り込み作業を行うように構成されている。機械的カッター70によって行われる切り込み作業は該チッピング紙4のウェブ11で実行される第2の切り込み作業でである。巻きステーション50の上流にプレカッター80を設けることによって第1切り込み作業を第2の切り込み作業から分離することができる。このような構成はオンライン切り込み作業が実行された頑丈なウェブ11が巻きステーション50を通過できるようにし、ロッド20a、20b、21と組み合わされる前にウェブ11で行われるさらなる切り込み作業が行われる。
【0049】
別の実施態様ではプレカッターは、チッピング紙4のウェブ11の搬送経路に沿って巻きステーション50の下流および機械的カッター70の上流に配置される。このような構成ではミシン目の形成または紙巻きタバコ製造機械でオンラインで機械的カッター70によって実行されない他の切断切り込み作業が可能になる。
【0050】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れた喫煙品組立機械および/または喫煙品の製造方法を提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
【手続補正書】
【提出日】2016年9月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は喫煙品組立機械に関する。また本発明は喫煙品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルター付き紙巻きタバコなどの喫煙品は、一般にタバコロッドおよび紙などの材料に巻かれたフィルターで形成されている。チッピング紙などの紙のバンドが包装されたタバコと包装されたフィルターとを接合するために使用される場合がある。異なる構造、形態の紙巻きタバコが可能であるが、これらは一般にいくつかの材料で巻かれたタバコロッドおよびフィルターなどのロッド形状の部材を種々の配置で含んでいる。
【0003】
ウェブ材を調製し、タバコロッド、フィルターまたはタバコロッドとフィルターの集合体に巻くための機械は、チッピング紙などの薄いストリップ材を扱い、ストリップ材を配置し、関連する部材と位置合わせし、ストリップを巻装工程に供給して喫煙品の部品にストリップ材を巻くウェブハンドリングシステムを含んでもよい。
【0004】
予め画定されたスリットまたは開口部が形成されたチッピング紙などのシート材のウェブで喫煙品を組み立てることが知られている。
【発明の概要】
【0005】
本発明のいくつかの態様ではチッピング紙ウェブ搬送経路を有する喫煙品組立機械が提供され、この機械は、チッピング紙ウェブ搬送経路に沿って通過するチッピング紙ウェブに少なくとも5mmの寸法のラインを含むパターンを形成するように切り込み作業を行うように構成された機械的カッターと、チッピング紙ウェブを喫煙品を巻くためのセグメントに切断するように構成されたウェブ切断装置と、
チッピング紙ウェブに作用するように構成された巻きステーションとを含
み、ラインは喫煙品が組み立てられた際に喫煙品の円周の少なくとも50%を延び、機械的カッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿って巻きステーションの下流で切断作業を行うように構成されている。
【0006】
上記ラインは分離ラインであってもよい。
【0007】
機械的カッターの切り込み作業はチッピング紙ウェブの少なくとも2つのセクションを画定するように構成してもよい。
【0008】
機械的カッターはチッピング紙搬送経路のウェブの方向に沿った方向にラインを含むパターンを形成するために切り込み作業を行うように構成してもよい。
【0009】
機械的カッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿ってウェブ切断装置の上流で切り込み作業を行うように構成してもよい。
【0010】
機械的カッターはつぶし切り込み装置であってもよい。これとは別に機械的カッターは、剪断作用カッター、例えば回転剪刀型カッターまたは接触カッターなどのなどの別の種類の機械的カッターであってもよい。
【0011】
つぶし切り込み装置は、間にチッピング紙ウェブ搬送経路が画定されている型付けローラーとアンビルローラーとを含んでもよい。
【0012】
型付けローラーとアンビルローラーの間の間隔は3〜5μmの範囲内であってもよい。
【0013】
本発明の喫煙品組立機械はさらに
チッピング紙ウェブ搬送経路に沿って巻きステーションの上流に配置されたプレカッターを含んでもよい。プレカッターはチッピング紙ウェブ上での最初の切り込み作業を行うように構成してもよく、機械的カッターによって行われる切り込み作業はチッピング紙ウェブ上の第2の切り込み作業であってもよい。
【0014】
プレカッターは機械的切り込み作業を行ってもよい。
【0015】
第1の切り込み作業は5mm未満の寸法を有する切り込みを含んでもよく、第2の切り込み作業は少なくとも5mmの寸法を有するラインを含んでもよい。プレカッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿って巻きステーションの下流で機械的カッターの上流に配置されてもよい。より具体的にはプレカッターはチッピング紙ウェブの搬送経に沿った移動方向において巻きステーションの後であるが、機械的カッターの前に配置されるのが好ましい。
【0016】
プレカッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿って巻きステーションの上流に配置されてもよい。
【0017】
プレカッターはミシン目を形成するための穿孔器であってもよい。これとは別にプレカッターは剪断作用カッター、例えば回転剪刀型カッターまたは接触カッターまたはレーザーカッターなどにすることも可能である。
【0018】
上記ラインは幅に対する長さの最小比が60:1であってもよい。
【0019】
本発明の他の態様では喫煙品の製造方法が提供され、この方法はチッピング紙ウェブを搬送経路に沿って搬送することと、
巻きステーションを使用してチッピング紙ウェブを巻くこと、チッピング紙ウェブ上に少なくとも5mmの寸法を有するラインを含むパターンを形成するためにチッピング紙ウェブに機械的に切り込みを入れることと、チッピング紙ウェブをいくつかのセグメントに切断することと、チッピング紙のセグメントで喫煙品を組み立てることとを含
み、ラインは喫煙品の円周の少なくとも50%を延びる。
【0020】
本発明の実施態様を添付図面を参照し、あくまで例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】紙巻きタバコを形成するためのチッピング紙のセグメントの平面図である。
【
図3】紙巻きタバコ製造機械の略式側部立面図である。
【
図4】紙巻きタバコ製造機械のつぶし切り込み装置の略式側面図である。
【
図5】
図3に示した紙巻きタバコ製造機械によって実行される工程の略図である。
【
図6】別の紙巻きタバコ製造機械の略式側部立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書中に使用する「喫煙品」なる用語は、タバコ、タバコ派生品、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているかに関係なく紙巻きタバコ、シガーおよびシガリロなどの喫煙可能な製品および発熱するが燃焼しない製品、電子タバコを含むエアロゾル発生装置などの他のニコチン送出製品を含む。喫煙品には喫煙者に吸引される気体流用のフィルターを設けてもよい。本明細書中で説明する喫煙品の実施例としては、タバコなどの喫煙材のロッドに固定されたフィルターを有する紙巻きタバコまたは他の伸縮自在の構造のものを含んでもよい。
【0023】
図1を参照すると紙巻きタバコ1の形体の喫煙品は、紙のラッパーに包まれたタバコまたはタバコ含有材などの喫煙材を従来の方法で含むタバコロッド2を含む。当然のことながら紙巻きタバコなる用語は、本明細書を通して喫煙品なる用語に置き換えてもよい。紙のプラグラッパーに包まれた例えばセルロースアセテートなどのフィルター材を含むほぼ円筒状のフィルターセグメント3がタバコロッド2に隣接して配置されている。フィルターセグメント3はシート材4、好ましくはチッピング紙のカバー層によってタバコロッド2に取り付けられる。これとは別にタバコロッド2は長手方向に位置合わせされた喫煙材と第2フィルターセクション(図示せず)を含んでもよい。
【0024】
図2のチッピング4は以下に説明するように紙巻きタバコ製造機械で2本の背中合わせに配置された紙巻きタバコ1をに包むのに適した幅のチッピング紙ウェブ11のセグメント10として示されている。ウェブ11の各長さLは個別の背中合わせの紙巻きタバコの対を形成するために利用され、使用時にはウェブ11は各セグメント10の先行縁部および後縁部を形成する切断線12、13に沿って切断される。喫煙材1を形成するためにチッピング紙4を巻く際にチッピング紙ウェブ11のセグメント10は分離ライン14に沿って分割される。
【0025】
図2に示すようにチッピング紙4にはパターン5が形成される。パターン5はライン6の列によって形成されている。ライン6はチッピング紙4を形成するシート材を通る切り込みによって形成される。
図2に示すチッピング4のウェブ11のセグメント10はブランクを形成する。本実施態様ではライン6は機械的な切り込み作業によって形成される。少なくともいくつかのライン6の深さはシート材の厚さを通して延びている。即ち、ライン6は分離ラインを形成する。しかしながら、いくつかの線6はシート材の厚さを通して部分的にのみ延びてもよい。分離ラインを形成する該または各ライン6はチッピング紙4の少なくとも2つのセクションを画定する。例えば、ライン5aは
図2のチッピング紙4の2つのセクション8a、8bを画定する。
【0026】
ライン6の列はパターン5を形成するように示されているが、当然のことながらパターン5を1本のラインで作製することも可能である。各ライン6は長尺である。少なくとも1本のライン6は5mmまたはそれ以上の長さを有する。好ましくは少なくとも1本のライン6は10mmに等しいまたはそれ以上の長さを有する。組み立てられた際に少なくとも1本のライン6は紙巻きタバコ1の円周の少なくとも50%を延びている。好ましくは組み立てられた際、少なくとも1本のライン6は紙巻きタバコ1の円周の少なくとも80%を延びる。
【0027】
またチッピング紙4にはミシン目の列が形成される。ミシン目7はレーザーカッティング、ピンエンボスなどのエンボス加工または任意の他の好適な方法によって形成してもよい。ミシン目7はチッピング紙4を通る換気を提供する。当然のことながら各ミシン目7は通常は0.5mm以下の直径を有する。0.5mm超の直径のミシン目孔はCO2を発生させる場合があることが判っている。
【0028】
紙巻きタバコ1の製造に適した紙巻きタバコ製造機械を
図3および4を参照して説明する。本発明の機械は紙巻きタバコの製造においてチッピング紙4のウェブ11のロール22aを利用するように適合させたHauni Maschinenbau AG社による機械を改良したものとして考慮することができる。また
図5を参照すると、
図3に例示した機械の種々の部分によって実行される製造工程を略式に示している。
【0029】
2本の紙巻きタバコを背中合わせに形成するのに好適な長さのタバコロッド20が
図3に示すタバコロッド送り込み部33に供給される。またフィルターロッド21がホッパー35から機械内に供給される。フィルターロッド21は2本の紙巻きタバコを背中合わせに形成するのに好適な長さである。
【0030】
タバコロッド20は引き継ぎドラム36上に供給され、タバコロッド切断ドラム37に送られ、これは関連するナイフホイール38を有し、タバコロッド20を2つの部分20a、20bに切断し、これらはその後分離ドラム39によって軸方向に分離され、個々のフィルターロッド21が
図5に示すようにそれらの間に置かれるフィルター供給ドラム40に送られる。
【0031】
フィルターロッド21はホッパー35から供給ローラー32a、32b、32c、32dによってフィルター供給ドラム40へと供給され、
図3に示すようにフィルターロッドドラム40は共通の長手方向軸でタバコロッド20a、20bをフィルター端部21の対向端に当接させるように作動する。
【0032】
ロッド20a、21、20bの当接構造体は、その後スウォシュ・プレートドラム41に送られ、そこでそれらは図に示すチッピング4のウェブ11の切断線12および13の間の切断部を含むチッピング紙セグメント10によって接合される。後で説明するようにチッピング紙セグメント10はウェブ11から切断され、当接構造体が回転ドラム43に送られると、チッピング紙セグメント10がフィルターロッド21に巻かれるように糊が塗布され、タバコロッド20a、20bの端部に重なる大きさになっているので
図5に示す構造体で例示するようにこれらは接合される。
【0033】
接合されたロッド20a、21、20bは、その後移送ドラム45へと移動し、切断ドラム46へと供給され、これは連動する回転ナイフ47を有し、接合されたロッド20a、21、20bを2本の紙巻きタバコ1、1’に切断し、これらはその後移送ドラム48を介して旋回ドラム49へと供給され、そこで各対の紙巻きタバコ1、1’はパッケージングの準備のために同じ方向に向くように配置される。
【0034】
チッピング紙4のウェブ11はチッピング紙4のウェブ11が紙巻きタバコ製造機械に連続的に供給できるように2つのロール22a、22bを含む供給構造体から順次供給される。従って、供給ロール22aの1つを使い切ると、もう一方のロール22bから連続的に供給することができ、空のロールを交換することができる。
【0035】
紙巻きタバコ製造機械に供給ロール22a、22bを設置する前に未処理のウェブロール上で穿孔ステーション(図示せず)が作動し、チッピング4のウェブ11にミシン目7を形成する。穿孔ステーション(図示せず)は通常紙巻きタバコ製造機械から離れている、または紙巻きタバコ製造機械に組み込んでもよい。またウェブ11は紙巻きタバコ製造機械に隣接する穿孔ステーションで穿孔され、その隣接するステーションから紙巻きタバコ製造機械に供給されてもよい。
【0036】
再度
図3を参照するとチッピング紙4のウェブ11はロール22a、22bの1つから巻きステーション50に供給される。巻きステーション50はチッピング紙4のウェブ11の一方の面の構造的一体性を弱化させて
図3および5に示すようにドラム41、43でロッド20a、20b、21に巻かれる際にウェブが簡単に円筒形に丸まるようにチッピング紙4のウェブ11に作動する。巻きステーション50ではチッピング紙4はカーリングバーとしても知られている固定された巻き縁部上に送られ、一方の面でチッピング紙の構造的一体性を僅かに弱化させる。従来の紙巻きタバコ製造機械ではミシン目を有するウェブ11は巻き処理に耐えることができる。しかしながら、巻きステーション50を通過するチッピング紙4のウェブ11に少なくとも5mmの寸法を有するライン6を含むパターン5が存在することによってウェブが少なくとも部分的に損傷を受ける場合があることが判っている。
【0037】
図3に示すようにチッピング紙4のウェブ11は巻きステーション50の下流の機械的カッター70による作業を受ける。機械的カッター70はパターン5の少なくとも1つのライン6を形成するためにチッピング紙4のウェブ11に作動する。機械的カッター70はチッピング紙4のウェブ11の搬送経路に沿ってウェブが機械的カッター70を通過する際にチッピング紙4のウェブ11上で切り込み作業を行う。機械的カッター70は主に流れ方向に即ち、チッピング紙4の移動方向に直交する横方向ではなくチッピング紙4が搬送されている方向にチッピング紙4のウェブ11に切り込みを入れる。
【0038】
ウェブテンショナー65が
図3に示す実施態様では巻きステーション50の上流に設けられている。ウェブテンショナー65またはウェブ溜めは機械的カッター70でチッピング紙4のウェブ11の緊張を正確に制御する。別の実施態様ではウェブテンショナー65は巻きステーション50と機械的カッター70の間に配置されている。ペーパーガイド(図示せず)はチッピング紙4のウェブ11をチッピング紙4のウェブ11の搬送経路の方向を横断する方向に整列させる。ペーパーガイドはチッピング紙4のウェブ11をそれが機械的カッター70によって受け取られる前に確実にが正確に配列されるようにする。
【0039】
図4を参照すると本実施態様の機械的カッター70はつぶし切り込み装置である。つぶし切り込み装置はバーストカットとしても知られているつぶし切り込みをウェブ11で実行してパターン5の該または各ライン6を形成するためにチッピング紙4のウェブ11に作用する。機械的カッター70として機能するつぶし切り込み装置は型付けローラー71とアンビルローラー72とを含む。型付けローラー71とアンビルローラー72は隙間73を画定するために互いに離れている。隙間73はチッピング紙4のウェブ11の搬送経路の一部を画定している。即ち、ウェブ11は型付けローラー71とアンビルローラー72の間を通過する。
【0040】
型付けローラー71は円筒状の外面74を有する。隆起した突出部 (図示せず)が型付けローラー71から延びている。隆起した突出部はパターン5の該または各ライン6を画定する。隆起した突出部は回転ダイを画定する。アンビルローラー72は円筒状の外面75を有する。アンビルローラー72の円筒状外面75は滑らかである、即ちアンビルローラー72の円筒状外面75は隆起した突出部を全く有していない。
【0041】
型付けローラー71の隆起した突出部(図示せず)の自由縁部とアンビルローラー72の円筒状外面75の間の間隔は本実施態様では3〜5μmである。チッピング紙4のウェブ11の厚さは通常0.025〜0.055mmである。しかしながら、当然のことながらその寸法は異なってもよい。型付けローラー71とアンビルローラー72の回転は同期される。型付けローラー71とアンビルローラー72の回転速度はチッピング4のウェブ11の処理速度に対応する。ウェブ11は型付けローラー71とアンビルローラー72の間を通過する際、ローラー71、72がウェブ11の両側に作用する。型付けローラー71の隆起した突出部とアンビルローラー72の円筒状の外面75の間で受けられたウェブ11の部分は圧縮される、即ち材料がそれらの間で潰される。切り込み作業が行われる材料は、チッピング紙4のウェブ11の厚さの少なくとも80%が潰される。潰す作業によって材料が型付けローラー71が作用する材料のラインに沿って裂かれ、よって分離ラインを形成する。この作業によりチッピング紙4のウェブ11の挿通を必要としない分離作業を行うことが可能になる。本実施態様では該または各ライン6は60:1の幅に対する最小長さの比を有する。
【0042】
巻きステーション50の下流でチッピング紙4のウェブ11で切り込み作業を行うことによって、紙巻きタバコ製造機械でチッピング紙に損傷が生じずに以前は不可能であったチッピング紙4のウェブ11にパターン5を形成することが可能になることが判っている。例えば、本実施態様では機械的カッター70はチッピング紙4のウェブ11の搬送経路の方向に沿った方向にラインを含むパターン5を形成する切り込み作業を行うように構成されている。さらに紙巻きタバコ製造機械のオンラインで少なくとも5mmの寸法を有するライン6を含むそのようなパターン5を形成することが可能である。また当然のことながら機械的カッター70は紙巻きタバコ製造機械に据え付けることができる。
【0043】
図3を参照するとチッピング紙4のウェブ11は機械的カッター70から糊付けステーション55を通過する。これはトレイ58から転写ローラー57によって転写される糊を所定のパターンでウェブ11の一面に塗布する糊付けローラー56を含む。糊が塗布されたウェブ11はそれから供給ローラー59上を通ってウェブ切断装置60へと移動する。ウェブ切断装置60はロータリーパッチカッターを有し、これは複数の放射状に延びたブレードを含み、 ウェブ11を
図5に例示するように連続するタバコとフィルターロッドの構造体に貼付されるチッピング紙セグメント10に切断する。
図2を参照するとウェブ切断装置60はウェブ1を切断線12、13に沿って切断し、個々のチッピング紙セグメント10を形成する。
【0044】
上述の実施態様では切り込み作業は、任意にミシン目7を形成するためにチッピング紙4のウェブ11のロール22a、22bが紙巻きタバコ製造機械に受け取られる前にチッピング紙4のウェブ11に少なくとも5mmの寸法を有する1つ以上のライン6を形成するために機械的カッター70で実行される。しかしながら、当然のことながら別の実施態様では紙巻きタバコ製造機械は、ミシン目7を形成するためにチッピング紙4のウェブ11で切り込み作業を行うためのプレカッターを有する。そのような実施態様の1つを
図6に示す。
図6に示す実施態様は上述の実施態様とほぼ同じであり、詳細な説明は省略する。しかしながら、この実施態様では紙巻きタバコ製造機械は チッピング紙4のウェブ11の搬送経路に沿って配置されたプレカッター80を有する。
【0045】
この実施態様ではプレカッター80はチッピング紙4のウェブ11の搬送経路に沿って巻きステーション50の上流に配置されている。プレカッター80はミシン目を形成するまたは切断部が5mm未満の寸法を有する他の切り込み作業を行うように構成されている。プレカッター80はレーザー切断装置、ピンエンボス装置または剪断作用カッターなどの異なる形体のものを含んでもよい。
【0046】
プレカッター80はチッピング紙4のウェブ11で第1の切り込み作業を行うように構成されている。機械的カッター70によって行われる切り込み作業は該チッピング紙4のウェブ11で実行される第2の切り込み作業でである。巻きステーション50の上流にプレカッター80を設けることによって第1切り込み作業を第2の切り込み作業から分離することができる。このような構成はオンライン切り込み作業が実行された頑丈なウェブ11が巻きステーション50を通過できるようにし、ロッド20a、20b、21と組み合わされる前にウェブ11で行われるさらなる切り込み作業が行われる。
【0047】
別の実施態様ではプレカッターは、チッピング紙4のウェブ11の搬送経路に沿って巻きステーション50の下流および機械的カッター70の上流に配置される。このような構成ではミシン目の形成または紙巻きタバコ製造機械でオンラインで機械的カッター70によって実行されない他の切断切り込み作業が可能になる。
【0048】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れた喫煙品組立機械および/または喫煙品の製造方法を提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チッピング紙ウェブ搬送経路を有し、
チッピング紙ウェブ搬送経路に沿って通過するチッピング紙ウェブに少なくとも5mmの寸法のラインを含むパターンを形成するように切り込み作業を行うように構成された機械的カッターと、
チッピング紙ウェブを喫煙品を巻くためのセグメントに切断するように構成されたウェブ切断装置と、
チッピング紙ウェブに作用するように構成された巻きステーションとを含み、
ラインは喫煙品が組み立てられた際に喫煙品の円周の少なくとも50%を延び、機械的カッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿って巻きステーションの下流で切断作業を行うように構成されている喫煙品組立機械。
【請求項2】
前記ラインは分離ラインであることを特徴とする請求項1記載の喫煙品組立機械。
【請求項3】
機械的カッターの切り込み作業はチッピング紙ウェブの少なくとも2つのセクションを画定するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の喫煙品組立機械。
【請求項4】
機械的カッターはチッピング紙搬送経路のウェブの方向に沿った方向にラインを含むパターンを形成するために切り込み作業を行うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の喫煙品組立機械。
【請求項5】
機械的カッターはチッピング紙ウェブ搬送経路に沿ってウェブ切断装置の上流で切り込み作業を行うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の喫煙品組立機械。
【請求項6】
機械的カッターはつぶし切り込み装置であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の喫煙品組立機械。
【請求項7】
つぶし切り込み装置は、間にチッピング紙ウェブ搬送経路が画定されている型付けローラーとアンビルローラーとを含むことを特徴とする請求項6記載の喫煙品組立機械。
【請求項8】
型付けローラーとアンビルローラーの間の間隔は3〜5μmの範囲内であることを特徴とする請求項6記載の喫煙品組立機械。
【請求項9】
さらにチッピング紙ウェブ搬送経路に沿って巻きステーションの上流に配置されたプレカッターを含み、プレカッターはチッピング紙ウェブ上での第1の切り込み作業を行うように構成され、機械的カッターによって行われる切り込み作業はチッピング紙ウェブ上の第2の切り込み作業であることを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載の喫煙品組立機械。
【請求項10】
プレカッターは機械的切り込み作業を行うことを特徴とする請求項9記載の喫煙品組立機械。
【請求項11】
第1の切り込み作業は5mm未満の寸法を有する切り込みを含み、第2の切り込み作業は少なくとも5mmの寸法を有するラインを含むことを特徴とする請求項9または10記載の喫煙品組立機械。
【請求項12】
前記ラインは幅に対する長さの最小比が60:1であることを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載の喫煙品組立機械。
【請求項13】
チッピング紙ウェブを搬送経路に沿って搬送することと、
巻きステーションを使用してチッピング紙ウェブを巻くことと、
チッピング紙ウェブ上に少なくとも5mmの寸法を有するラインを含むパターンを形成するためにチッピング紙ウェブに機械的に切り込みを入れることと、
チッピング紙ウェブをいくつかのセグメントに切断することと、
チッピング紙のセグメントで喫煙品を組み立てることとを含み、ラインは喫煙品の円周の少なくとも50%を延びる喫煙品の製造方法。
【国際調査報告】