(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
支持セグメントと、支持セグメントから延在し、連結区画で終端する第1の可撓性区画と、連結区画から延在し、ツールまたはツールのコネクタで終端する第2の可撓性区画とを備える、少なくとも1つの機械肢を備え、可撓性区画のうちの1つ以上の長軸が、単一の曲げ平面内で曲げ可能であり、第1の可撓性区画の長軸長さが、可撓性区画長軸に垂直な第1の可撓性区画の最大拡張範囲の少なくとも2倍であり、第2の可撓性区画の長軸長さが、可撓性区画長軸に垂直な第2の可撓性区画の最大拡張範囲の少なくとも2倍である、身体内に挿入するようにサイズおよび形状が決められたデバイス。
前記可撓性区画の少なくとも1つが対応する可撓性区画長軸を中心にして回転可能であり、1つの可撓性区画が別の可撓性区画に対して回転することによって、前記曲げ平面間の角度が変化する、請求項5に記載のデバイス。
前記第1の肢支持セグメントおよび前記第2の肢支持セグメントが基部に連結され、前記第1の肢支持セグメントおよび前記第2の肢支持セグメントの長軸が平行である、請求項12に記載のデバイス。
前記可撓性区画が、前記ツールまたはツールアタッチメントと前記第1の可撓性区画との間隔が、前記第1の可撓性区画の長軸長さの20%以下まで低減可能であるように、サイズ決めされるとともに曲げ可能である、請求項1に記載のデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0082】
本発明のいくつかの実施形態の広範な一態様は、患者に挿入される、1つ以上の肢を含む、直感的に制御可能な可撓性機械デバイス(例えば、外科用デバイス)に関し、直感的制御は、ヒューマノイドの特性を備えた少なくとも1つの肢を含むデバイスに関する。
【0083】
いくつかの実施形態では、機械肢は、少なくとも2つの連結された可撓性部分を含み、いくつかの実施形態では、第1の可撓性部分および第2の可撓性部分の動き(例えば、曲げおよび/または回転)は独立して制御可能である。いくつかの実施形態では、可撓性部分の1つ以上は、対応する可撓性部分長軸を中心にして独立して回転可能である。いくつかの実施形態では、可撓性部分の1つ以上は、独立して可撓性かつ延長可能(曲げ可能)である。いくつかの実施形態では、1つ以上の可撓性部分の屈曲/延長、およびその可撓性部分長軸を中心にした回転は、同時に制御可能である。
【0084】
いくつかの実施形態では、可撓性部分の1つ以上は一方向で可撓性かつ延長可能(曲げ可能)である。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性部分は、例えば、その部分の中心長軸が1つの平面内で曲がる場合、1つの平面(本明細書では「曲げ平面」)内で曲げ可能である。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性部分は、1つ以上の曲げ平面の周りで、1つの回転方向で曲がる。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性部分は、単一の曲げ平面の周りで、1つの回転方向で曲げ可能である。「一方向で曲げ可能」という用語は、ある部分が、1つの回転方向で曲げ可能、および/または単一の曲げ平面の周りで曲げ可能であることを指す。
【0085】
いくつかの実施形態では、可撓性区画の動きの自由度はヒトの腕関節の自由度に関し、例えば、第1の可撓性部分は肩関節に対応し、第2の可撓性部分は肘関節に対応する。
【0086】
いくつかの実施形態では、可撓性部分は、いくつかの実施形態では剛性である、第1のセグメント(例えば、連結区画を備える)によって連結され、第1のセグメントは、例えば上腕骨に対応する。いくつかの実施形態では、第1の可撓性部分は、支持セグメント(例えば、胴体に対応する)に(例えば、第1の可撓性部分の近位端で)連結される。
【0087】
いくつかの実施形態では、肢支持セグメントは、例えばデバイス肢のセグメントに対して長く、例えば、1つ以上のセグメントの長さの2倍、または3倍、または4倍、または5倍、または10倍、または20倍である。
【0088】
いくつかの実施形態では、第1の可撓性区画は多方向で曲げ可能であり、例えば、2つ以上の曲げ平面(例えば、ヒトの肩関節の動きの自由度に対応する)内で曲げ可能である。
【0089】
いくつかの実施形態では、可撓性部分の屈曲および回転(例えば、いくつかの実施形態では、関節におけるセグメントの屈曲および回転に対応する)は、可撓性部分および/またはセグメントの可能な位置範囲が少なくともヒトの腕の可能な位置範囲であるように、十分なものである。
【0090】
例えば、いくつかの実施形態では、関節の可能な位置は、対応するヒトの腕関節の可能な位置を含む。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス肢セグメント間の可能な角度範囲は、対応するヒトの腕セグメント間の可能な角度範囲に対応する。
【0091】
いくつかの実施形態では、各デバイス腕セグメントは、関節の周りで可撓性かつ延長可能である。いくつかの実施形態では、各セグメントはセグメント長軸を中心にして回転可能であり、その回転によって、セグメントの長軸を中心にして回転するセグメントの遠位側にある腕の部分が回転する。いくつかの実施形態では、関節屈曲/延長およびセグメント回転は同時に調節可能である。
【0092】
いくつかの実施形態では、デバイス機械腕の動きの自由度は、例えば、ヒトの腕の動きにおける自由度の向きと整合するように制限される。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の可撓性部分(例えば、各可撓性部分)は一方向で曲げ可能である。
【0093】
機械腕が可撓性部分によって接続された剛性セグメントを含む実施形態では、剛性セグメントとヒトの腕セグメント(例えば、上腕骨および橈骨)、および可撓性部分とヒトの腕関節(例えば、肩、肘、手首)とが相似してもよい。いくつかの実施形態では、セグメントの長さ(例えば、中心長軸長さ)の比はおおよそ通常のヒトの比であり、例えば、いくつかの実施形態では、2つのセグメント長軸長さの比は、対応するセグメントに対するおおよそ通常のヒトの比である。例えば、いくつかの実施形態では、機械腕の上腕骨長さは橈骨長さよりも約5〜40%、もしくは10〜30%、もしくは約20%長く、またはそれよりも少ないかもしくは高いかもしくは中間の範囲または比率で長い。
【0094】
いくつかの実施形態では、デバイス肢セグメントの有効長さ、および/または有効長さ間の比は、ヒトの肢セグメントの比(例えば、上腕骨と橈骨の長さの比)に対応する。
【0095】
いくつかの実施形態では、デバイス関節は長いので、ヒトの身体セグメント(例えば、上腕骨、橈骨)に対応するデバイス腕の部分は、デバイス関節の部分を含む。いくつかの実施形態では、ヒトのセグメント長さの比は、有効外科用デバイス・セグメント長さの比に対応し、有効セグメント長さに対する異なる定義については後述する。
【0096】
いくつかの実施形態では、機械肢の異なる部分の寸法間の1つ以上の比は、対応する寸法に関するおおよその通常のヒトの比である。例えば、いくつかの実施形態では、上腕骨として作用するデバイスの部分の長さ(有効上腕骨長さ)と、橈骨として作用するデバイスの部分の長さ(有効橈骨長さ)との比は、1:1〜2:1、もしくは1.1:1〜1.5:1、もしくは約1.2:1、またはそれよりも低いかもしくは高いかもしくは中間の比である。
【0097】
いくつかの実施形態では、上腕骨として作用するデバイスの部分の長さと、橈骨として作用するデバイスの部分の長さとの比は、機械腕が動かされる際に固定のままである。いくつかの実施形態では、上腕骨として作用するデバイスの部分の長さと、橈骨として作用するデバイスの部分の長さとの比は、機械腕が動かされるにつれて変化する。
【0098】
いくつかの実施形態では、有効セグメント間の比は、対応するセグメントに関するおおよその通常のヒトの比である。
【0099】
いくつかの実施形態では、有効セグメント長さの比は、機械腕が異なる構成の(例えば、1つ以上の可撓性部分が曲げられた)とき、通常のヒトの比以内(および/または通常のヒトの比周辺の範囲内)で維持される。
【0100】
いくつかの実施形態では、機械腕は、可撓性部分を連結するヒトの腕セグメントの1つ以上を欠いている(および/または、ヒトの腕におけるセグメントの数よりも多い1つ以上のセグメントを含む)。例えば、いくつかの実施形態では、機械腕は手首関節を欠いている。例えば、例示的な実施形態では、第1の可撓性部分および第2の可撓性部分は直接連結される(例えば、第1の可撓性部分の遠位端は第2の可撓性部分の近位端に直接連結される)。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、ヒューマノイドの構造特性を含む機械腕に関する。機械腕の可撓性部分は長く、ヒトの腕関節、および剛性(例えば、骨)のヒトの腕セグメント(例えば上腕骨、橈骨)の部分と関連付けられる。
【0102】
いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス腕は、手、および/またはデバイス橈骨の遠位端が移動可能であるように、肩関節および/または腕胴体の近くに、かつ/またはそれを軸線方向で越えて、かつ/またはそれと接触するように移動可能であるように、サイズ決めされた橈骨セグメントおよび上腕骨セグメント、ならびに屈曲を含む肘関節および肩関節を含む。潜在的な利益は、胴体に近い標的に(例えば、ハンド・ツールを用いて)アクセスできることである。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、例えば、1つ以上の曲げ部分の最小曲率半径が最大15mm、または最大10mm、または最大8mm、または最大5mmで、デバイスの曲げ部分が丸み付けられた、可撓性デバイスに関する。いくつかの実施形態では、内骨格(例えば、本明細書に記載するような機械肢を含む)は丸み付けられた曲げ部分を含む。いくつかの実施形態では、機械肢を被覆するカバーまたはシースは丸み付けられた曲げ部分を含む。いくつかの実施形態では、デバイス機械肢の丸み付けられた曲げ部分は、内側構造によるものであり、カバーまたはシース(例えば、保護カバー)の丸み付けられた曲げ部分のみによるものではない。いくつかの実施形態では、機械腕は、デバイス可撓性部分における曲げと関連付けられた最小横方向延長を有する。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、1つ以上の関節(可撓性部分)が長い、1つ以上の関節機械肢を含むデバイスに関する。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の長い関節の曲げは、関節長軸の方向で関節に沿って分配される。
【0105】
いくつかの実施形態では、関節の長軸長さは、例えば、関節長軸に垂直な関節の最大拡張範囲に対して長い。いくつかの実施形態では、1つ以上の関節は、1つ以上のセグメント長の長軸に対して長く、かつ/またはヒトの関節とセグメント長の比と比べて長く、かつ/または機械腕の剛性セグメントに対して長い。
【0106】
いくつかの実施形態では、長い可撓性部分は、区画長軸に垂直な可撓性区画の最大拡張範囲の少なくとも2倍、または1.5〜5倍、または2〜4倍、または少なくとも4倍である中心長軸を含む。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、関節の曲げが個々の要素の枢動によるものである、一連の連結された要素を備える関節に関する。いくつかの実施形態では、各要素は要素曲げ平面を中心にして枢動する。いくつかの実施形態では、要素の1つ以上(例えば、要素のすべて)の曲げ軸は共面である。いくつかの実施形態では、要素は、曲げ軸を中心にして一方向で枢動する。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態の広範な一態様は、部分長軸を中心にした機械腕の一部分の回転に関し、その回転は、当該部分に連結されるとともに当該部分から離れる方向に延在する構成要素の回転である。
【0109】
いくつかの実施形態では、腕の細長い部分(例えば、セグメント、可撓性部分)は主要中心軸を有し(主軸は、最大拡張範囲を有するデバイスの中心(例えば、対称)軸である)、本明細書では、主軸は「長軸」または「中心長軸」または「長手方向軸」または「中心長手方向軸」と呼ばれる。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、薄い機械肢の作動に関する。いくつかの実施形態では、機械肢の1つ以上の部分は、肢に連結された部分を回転させ、肢から離れる方向に延在させることによって回転する。例えば、いくつかの実施形態では、患者に挿入された機械肢の部分は、患者の体外を延在する部分を(例えば、患者の体外のモータを使用して)回転させることによって回転する。いくつかの実施形態では、連続して接続された部分は、他の部分内の中空を取って延在する部分によって回転する。
【0111】
いくつかの実施形態では、モータが機械肢内に配置されないことによって薄い機械肢が容易になる。いくつかの実施形態では、外科用デバイス・システムは、少なくとも1つの機械肢を含む外科用デバイスの複数の部品を駆動する複数のモータを含む、モータ・ユニットを含む(機械肢の異なる部分を駆動するのに2つ以上のモータが使用される)。いくつかの実施形態では、機械肢は、モータ・ユニットが患者の体外に残った状態で患者の身体に挿入される。
【0112】
いくつかの実施形態では、機械腕の各セグメントは、セグメントの外側に位置する構成要素によって、セグメント長軸を中心にして回転する。
【0113】
いくつかの実施形態では、機械肢の1つ以上の部分は、当該部分に連結された延長部(本明細書では、「制御部分」とも呼ばれる)を回転させることによって回転し、延長部は当該部分および/またはアームの外側を延在する。
【0114】
いくつかの実施形態では、延長部は、曲がった状態でトルク伝達部分長軸に沿ってトルクを伝達することができる、1つ以上の可撓性トルク伝達部分を含み、潜在的な利益は、1つ以上の腕関節が屈曲および/または延長されると、当該部分を遠隔で(例えば、腕の外側から)回転させることができる点である。
【0115】
いくつかの実施形態では、1つ以上の延長部は入れ子状にされ、延長部は1つ以上の腕要素を(例えば、その中空部分を)貫通し、例えば、1つ以上の他の延長部および/または1つ以上のセグメントおよび/または1つ以上の接続部分を貫通する。入れ子状延長部の潜在的な利益は、機械腕、および/または腕の外形を形成するセグメントがコンパクトな点である。
【0116】
いくつかの実施形態では、延長部(制御部分)の可撓性トルク伝達部分は、デバイスの可撓性部分の中空部分を貫通し、また可撓性部分と位置合わせされる。いくつかの実施形態では、可撓性部分は一方向で曲げ可能である。いくつかの実施形態では、外側可撓性部分の曲げによってトルク伝達部分が曲がる。いくつかの実施形態では、トルク伝達部分の長軸は、可能性がある曲げ平面内で拘束されない。
【0117】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、機械腕の一部分に連結された細長い要素に対する張力を変動させることによる、その一部分の屈曲/延長の制御に関し、いくつかの実施形態では、1つ以上の細長い要素はデバイス肢の外表面に連結される。いくつかの実施形態では、細長い要素はデバイスの外側を延在する(例えば、デバイスが患者の身体内にあるときは、患者の身体の外側を延在し、例えば患者の体外のモータ・ユニットによって作動した場合に延在する)。いくつかの実施形態では、細長い要素は、1つ以上の中空デバイス部分の内表面に連結される。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、第1の端部および第2の端部を含む、曲げ可能なトルク伝達部分に関し、当該部分が曲げられると、当該部分は第1の端部に加えられたトルクを第2の端部に伝達する。
【0119】
いくつかの実施形態では、トルク伝達部分は、複数のコネクタによって相互接続された複数の要素を含む。いくつかの実施形態では、コネクタは、要素間でトルクを伝達するのに十分な強度のものである。
【0120】
いくつかの実施形態では、1つ以上の要素(または、例示的な実施形態では、各要素)は2つ以上の部分を含み、当該部分は、トルク伝達部分長軸に平行な方向で独立して弾性的に圧縮可能かつ伸張可能である。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、少なくとも1つの肢が身体に挿入される機械デバイスを含む、鍵穴手術用の外科用システムに関し、当該デバイスは、(例えば、本明細書に記載するような)ヒューマノイドの構造特性を含む。いくつかの実施形態では、当該デバイスは、身体に挿入されないモータ・ユニットによって作動する。いくつかの実施形態では、当該デバイスは、機械肢とともに身体に挿入される1つ以上の画像診断デバイスを含む。任意選択で、当該システムは、1つ以上の外部画像診断デバイス(例えば、MRI、CT、超音波)を含む。任意選択で、1つ以上のデバイスから収集された画像は、ユーザに対してディスプレイに表示される。任意選択で、追加のデータならびに/あるいは処理された収集データ(例えば、1つ以上のシステムおよび/またはデバイス・センサから、データベースから)が、ユーザに対してディスプレイに表示される。
【0122】
いくつかの実施形態では、ユーザに対して表示されるデータとしては、任意選択で表示前に処理された画像および/または測定値、例えば内部デバイス測定値(例えば、デバイスとともに挿入され、かつ/またはデバイス腕に装着された、1つ以上のデバイス・センサからのものなど)が挙げられる。
【0123】
いくつかの実施形態では、任意選択で、表示画像(例えば、ビデオ画像)は、任意選択でアームの位置付けに対するヒトの眼を模した、アームに対する位置で、デバイスに装着されるかまたはデバイスとともに挿入されたカメラによって収集される。任意選択で、カメラの位置はデバイスの使用中に変更され、例えば、カメラがデバイス手に近付くことで(例えば、手術の)拡大視がもたらされる。
【0124】
いくつかの実施形態では、画像はユーザに対して表示する前に再配向され、例えば、画像はユーザの直観的方向に配向される。例えば、いくつかの実施形態では、第1の視点(例えば、内部カメラによる)から収集された画像は、身体上方におけるユーザの視点に配向される。例えば、いくつかの実施形態では、例えば内部カメラならびに/または内部および/もしくは外部超音波からの、二組以上の画像、例えば以前収集した画像(例えば、CT、MRI)およびリアルタイム画像は、同じ配向であるように配向される(例えば、画像が重ねられる)。
【0125】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、機械デバイス肢の作動に関する。いくつかの実施形態では、2つの歯車が同じ速度および方向で駆動されて、デバイス肢の可撓性部分を曲げることなく回転する。いくつかの実施形態では、2つの歯車は異なる速度および/または方向で駆動されて、デバイス肢の可撓性部分を曲げる。
【0126】
例えば、いくつかの実施形態では、第1の歯車およびねじ機構は中心シャフトに連結される。1つ以上の細長い要素は、可撓性部分とねじ機構との間に連結され、このように細長い要素を回転させることなくねじ機構を回転させることによって、細長い要素がシャフトの長軸に沿って横方向で動いて、可撓性部分の屈曲または延長が発生する。いくつかの実施形態では、細長い要素は第2の歯車に連結される。いくつかの実施形態では、第1および第2両方の歯車が同じ方向および速度で回転すると、可撓性部分が回転し、可撓性部分は屈曲/延長を変化させない。いくつかの実施形態では、第1の歯車が静止したままの状態で第2の歯車を回転させることで、屈曲/延長が発生するが、屈曲部分は回転しない。いくつかの実施形態では、第1および第2の歯車が異なるように回転する(例えば、異なる方向で、かつ/または同じ方向だが異なる速度で、かつ/または第2の歯車が静止したままの状態で第1の歯車を回転させる)と、可撓性部分は回転するとともに曲がる(屈曲/延長)。いくつかの実施形態では、各歯車はモータによって駆動される。いくつかの実施形態では、各可撓性部分は、2つの歯車を含む上述の機構によって駆動される。
【0127】
例示的な実施形態では、デバイスは単一の切開部を通して身体内に挿入される。いくつかの実施形態では、デバイスは自然開口(例えば、膣、直腸、口、および/または鼻孔)に挿入される。任意選択で、デバイスは自然開口の1つ以上の切開部を通して挿入される。
【0128】
いくつかの実施形態では、機械腕は小さい横断方向寸法を有し、それにより、いくつかの実施形態では、1つ以上の腕は、小さい切開部を通して身体内に挿入され、かつ/または狭い自然開口(例えば、膣)内に挿入され、かつ/または狭いチャネル(例えば、自然開口内部のチャネル、例えば食道)内に挿入される。
【0129】
任意選択で、いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部品は、電気外科手術用先端部を、例えば単極電気外科手術用先端部、双極電気外科手術用先端部を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の構成要素またはツール(例えば、サービストンネル、吸引ツール、灌注ツール、膨張ツール)が、任意選択で単一の切開部を通して、機械腕とともに挿入される。
【0131】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、2つ以上の曲げ可能部分を含む機械肢に関し、少なくとも1つの部分の曲げは、その部分に連結された細長い要素の張力を変化させることによって制御され、少なくとも1つの他の部分の曲げは、その部分に連結された細長い要素(例えば、ねじ機構)に対してトルクを加えることによって制御される。
【0132】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、把持具の作動を制御するための(例えば、モータによる)要素の動きが、少なくとも1つのセグメント分、把持具から分離される、把持具に関する(例えば、少なくとも橈骨における把持具の制御)。いくつかの実施形態では、把持具の作動は、把持具に連結された把持具延長部の回転によるものである。
【0133】
例示的な実施形態では、把持具の作動は腕の外側で、例えば把持具が連結された機械腕の胴体で、例えばデバイスの外側で制御される。
【0134】
いくつかの実施形態では、把持具延長部は、1つ以上の把持具トルク伝達部分(例えば、本明細書のいずれかの部分で上述したような)を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、把持具延長部は、1つ以上のセグメントおよび/または接続区画および/またはトルク伝達部分の1つ以上の中空部分を通して、把持具から離れる方向で延在する。
【0136】
いくつかの実施形態では、把持具の作動はねじ機構によるものであり、把持具の作動は、把持具に連結され把持具から離れる方向で延在する把持具延長部(例えば、細長い要素)を旋回させることによるものである。いくつかの実施形態では、細長い要素を連続して回転させることによって、把持具が周期的に開閉する。いくつかの実施形態では、細長い要素を第1の方向(例えば、時計方向)で回転させると把持具が閉止し、細長い要素を第2の方向(例えば、反時計方向)で回転させると把持具が開放される。ねじ機構による把持具の作動の潜在的な利益は、少なくとも1つのセグメントを通って延在する細長い要素を牽引/解放することによって制御される把持具の作動が、把持具が把持具の対向する部分間のオブジェクトを固定するのと比べて、細長い要素が中を通って移動するデバイス腕の、曲げおよび/または動きに影響されないことである。
【0137】
いくつかの実施形態では、1つ以上の機械肢可撓性部分は曲げ可能であり、かつ/またはセグメントは、肢(任意選択で、エンド・エフェクタの長さを含む)の遠位端が肢支持セグメントに位置付け可能であるようにしてサイズ決めされる。いくつかの実施形態では、支持セグメントは管状である。
【0138】
いくつかの実施形態では、機械肢は、肢が肢支持セグメントに対して180°以上曲げ可能であるように、曲げ可能である。
【0139】
いくつかの実施形態では、可撓性部分は複数の要素(例えば、リンク、例えば上述したようなもの)を含む。いくつかの実施形態では、可撓性部分という用語は、単一の制御および/または単一のユニットを使用して曲げられる部分を指す。
【0140】
本発明の少なくとも1つの実施形態について詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の記載で説明される、かつ/または図面および/もしくは実施例に例示される構成要素ならびに/あるいは方法の構造と構成の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な形で実践または実施することが可能である。
【0141】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するようなデバイスおよび/またはシステムおよび/または方法は、例えば
図42A〜
図49Eに示され、かつ/またはそれらに関して記載するような、方法および/または装置および/またはシステム(例えば、制御に関して)を使用して制御され、ならびに/あるいは本明細書に記載するような治療で使用される。
【0142】
他の制御技術が、本明細書に記載するようなデバイスおよび/またはシステムとともに使用されてもよく、本明細書に記載するようなデバイスおよび/またはシステムが他の治療で使用されてもよい。
【0144】
本発明のいくつかの実施形態の広範な一態様は、1つ以上の入力デバイスの測定された動きを使用した外科用デバイスの制御に関し、外科用デバイスおよび1つ以上の入力オブジェクトは両方とも、接続された部分の連続構造を含み、入力オブジェクトの1つ以上の部分の動きによって、外科用デバイスの連続して対応する部分の動きが制御される。
【0145】
例えば、いくつかの実施形態では、入力オブジェクト関節は外科用デバイスの可撓性部分に対応し、例えば、各入力オブジェクト関節は外科用デバイスの単一の可撓性部分に対応する。
【0146】
いくつかの実施形態では、入力オブジェクトはユーザの身体部分を含み、例えば、ユーザの肢の測定された動きによって外科用デバイス肢の動きが制御される。いくつかの実施形態では、入力オブジェクトは、ユーザによって(例えば、手動で)動かされる入力デバイスを含む。いくつかの実施形態では、入力デバイスは入力デバイス肢を含み、入力デバイス肢の動きによって対応する外科用デバイス肢の動きが制御される。いくつかの実施形態では、外科用デバイスは、ユーザの身体の測定された動き、およびユーザが制御する入力デバイスの動きの両方によって制御される。
【0147】
本発明のいくつかの実施形態の広範な一態様は、直感的に制御可能な外科用システムに関する。
【0148】
いくつかの実施形態では、システムは、外科用デバイスに構造が類似した入力オブジェクトを含み、入力オブジェクトの動きによって外科用デバイスの動きが制御される。
【0149】
いくつかの実施形態では、入力デバイスのセグメント対(例えば、2つの隣接した入力デバイス・セグメント)の有効セグメント長さ間の比は、対応する外科用デバイスのセグメント対間の有効セグメント長さ比とほぼ同じである。
【0150】
いくつかの実施形態では、外科用デバイスの駆動された部分はそれぞれ、入力デバイスの対応する部分を有する。いくつかの実施形態では、外科用デバイス腕および入力デバイス腕は、接続部分によって連結されたセグメントを含む。いくつかの実施形態では、入力デバイス腕は、少なくとも、対応する連結された外科用デバイス腕の数の関節および/またはセグメントを含む。いくつかの実施形態では、入力デバイスおよび外科用デバイスは、同じ数のセグメントおよび/または同じ数の接続部分を含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、入力デバイスの1つ以上の部分は、外科用デバイスの対応する部分と同じ自由度を有する。例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイス部分は、対応する外科用デバイス部分とほぼ同じ量で曲げ可能である。例えば、外科用デバイス部分の長軸を中心にして回転可能な外科用デバイス部分は、入力デバイス部分の長軸を中心にして回転可能な入力デバイス部分に対応する。
【0152】
潜在的に、入力オブジェクトおよび外科用デバイスが類似の構造であることによって、外科用デバイスが直感的に制御される。
【0153】
概要−例示的な入力デバイスの運動制御
【0154】
本発明のいくつかの実施形態の広範な一態様は、外科用デバイスを制御する入力デバイスに関し、入力デバイスおよび外科用デバイスは両方とも、接続された部分の連続構造を含む少なくとも1つの部品(例えば、肢)を有し、入力デバイスの1つ以上の部分の動きによって、外科用デバイスの連続して対応する部分の動きが制御される。いくつかの実施形態では、入力デバイスおよび/または外科用デバイスの連続構造は、接続部分(例えば、枢動関節および/または可撓性区画)によって接続されたセグメント(例えば、剛性部分)を含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、外科用および/または入力デバイスの部分の連続連結は、線形的な連続連結であり、例えば、当該部分が連結されているとき、当該部分の中心長手方向軸は同一直線上にある。
【0156】
いくつかの実施形態では、入力デバイス肢は関節によって連続して連結されたセグメントを含む。いくつかの実施形態では、外科用デバイス肢は、任意選択で外科用デバイス・セグメントによって連結された、連続して連結された可撓性部分を含む。いくつかの実施形態では、関節周りにおける入力デバイス・セグメントの動きの自由度は、対応する外科用デバイス可撓性部分の動きの自由度とほぼ同じである。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性外科用デバイス部分は、可撓性外科用デバイス部分に対応する関節によって連結された2つの入力デバイス・セグメント間の角度と同じ角度で曲げ可能である。
【0157】
いくつかの実施形態では、関節によって連結された入力デバイス・セグメントの長軸間の角度によって、対応する外科用デバイス可撓性部分の角度が制御される。その場合、例えば、外科用デバイス可撓性部分の角度は、可撓性部分端部における可撓性部分の長軸接線間で定義される。その場合、例えば、外科用デバイス可撓性部分の角度は、有効セグメント長軸間の角度として定義される(例えば、有効セグメント軸が本明細書に記載するものである場合)。
【0158】
例示的な実施形態では、入力デバイスは、外科用デバイスよりも角度が付いた形状、および/または外科用デバイスよりも相対横方向拡張範囲が大きい形状を含む。例えば、例示的な実施形態では、入力デバイス接続部分は剛性セグメント間の枢動接続であるが、外科用デバイス接続部分は(例えば、本明細書の「例示的な長い関節」と題したセクションに記載されるような)長い曲げ可能な区画である。いくつかの実施形態では、入力デバイスの枢動点接続区画は有効入力デバイス肢間の交点には配設されず、例えば潜在的に、入力デバイスおよび外科用デバイスの構造間の差が低減される。
【0159】
いくつかの実施形態では、入力デバイス橈骨と入力デバイス上腕骨との間の角度によって、外科用デバイス橈骨と外科用デバイス上腕骨との間の角度が制御され、その場合、入力デバイスの橈骨と上腕骨の有効長さの比は、外科用デバイスの橈骨と上腕骨の有効長さの比とほぼ同じである。
【0160】
いくつかの実施形態では、外科用デバイスの動きは比率を定められたユーザの手の動きである。
【0161】
例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、入力デバイス・セグメントをどこで把持するかを選択することによって、入力デバイス(および外科用デバイス)の動きに対するユーザの手の動きの縮尺を選択する。
【0162】
例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイスは、ユーザの手の動きの縮尺を定めるハンドル(任意選択で延長可能)を含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、入力デバイスは、外科用デバイスの部分から拡大された1つ以上の部分を含み(例えば、入力デバイスの一部分は外科用デバイスの拡大された部分である)、つまりユーザの手の大きい動きは外科用デバイスの小さい動きに移行して、潜在的に、ユーザ(例えば、手)の動きによる外科用デバイスの精密な制御が容易になる。
【0164】
いくつかの実施形態では、入力デバイスおよび外科用デバイスの対応する部分は、異なる数のセグメントおよび/または接続部分を有する。例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイス・セグメントは、外科用デバイスの2つ以上の部分(例えば、いくつかのセグメント)の動きを制御する。例えば、入力デバイスは、いくつかの実施形態では、2つ以上の部分および/または2つ以上の接続部分を含む外科用デバイスの一部分を制御する、接続部分(例えば、ピボット)によって接続された2つのセグメント(例えば、剛性セグメント)を含む。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、延長された可撓性部分を含む外科用デバイスの一部分を制御する(例えば、外科用デバイスは内視鏡構造を含む)、接続部分(例えば、ピボット)によって接続された2つのセグメント(例えば、剛性セグメント)を含む。いくつかの実施形態では、多数の入力デバイス部分が異なる数の外科用デバイス部分を制御し、マッピングは有効なセグメントを識別することを含み、例えば、有効な入力デバイス・セグメントは、対応する外科用デバイス・セグメントとは異なる数の入力デバイス部分を含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、外科用デバイスは、1つ以上の延長部分(例えば、長軸長さが増加する1つ以上のセグメントおよび/または関節)を含む。いくつかの実施形態では、入力デバイスは対応する延長可能部分を含み、その延長の程度によって、対応する外科用デバイス部分の延長の程度が制御される。
【0166】
いくつかの実施形態では、ユーザは、入力デバイスの部分を手動で動かして、外科用デバイスの動きを制御する。いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば片手を使用して、デバイスの2つ以上の部分の位置を同時に制御する。いくつかの実施形態では、入力デバイスは2つの肢(本明細書では「腕」とも呼ばれる)を含み、ユーザは各肢を片手で制御する。
【0167】
いくつかの実施形態では、入力デバイスは、関節によって相互接続された剛性部分から構築される、1つ以上の腕を含む。いくつかの実施形態では、入力デバイスは少数の自由に移動可能なセグメントを有する。例えば、10未満、または5未満、または4未満のセグメントが同時に自由に移動可能である。潜在的に、少数の自由に移動可能なセグメントによって、例えば、ユーザの片手で1つのセグメントを把持して、各セグメントの位置および/または動きをユーザが制御することが容易になる。
【0168】
いくつかの実施形態では、入力デバイス腕は、ヒトの腕と同様の構造および/または動きの自由度を有して、潜在的に、セグメントの動きおよび/または位置付けの手動制御がヒトユーザにとって直感的になる。
【0169】
いくつかの実施形態では、2つの隣接した入力デバイス・セグメントの長軸間の角度によって、2つの対応する隣接した外科用デバイス・セグメントの長軸間の角度が制御される。いくつかの実施形態では、1つ以上の入力デバイス・セグメントの回転によって、対応する外科用デバイス・セグメントの回転が制御される。
【0170】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、入力デバイスに関し、デバイスの関節連結セグメントは十分に低摩擦なので、ユーザが入力デバイスを動かすことによって外科用デバイスを制御しているとき、入力デバイスはユーザによって簡単に動かすことができる。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、ユーザによって開始されていない動きに対して抵抗性であり、入力デバイスは例えば、1つ以上の係止機構を含む。例えば、潜在的に、入力デバイスの望ましくない動きによって外科用デバイスが偶発的に動くのを防ぐ。本発明のいくつかの例示的な実施形態では、入力デバイスは低抵抗の関節を有し、関節を選択的に係止することができる1つ以上の要素を含む。
【0171】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、1つ以上の係止機構を含む入力デバイスに関し、係止機構は、係止構成のとき、関節においてセグメントが動くのを防ぐ。いくつかの実施形態では、入力デバイスが使用中でないとき、デバイスは(例えば、自動的に)適所で係止されて、例えば、外科用デバイスの動きを防ぐ。
【0172】
いくつかの実施形態では、入力デバイス係止機構は、関節に連結された歯車によって(例えば、入力デバイス関節のところで)入力デバイスの部分に対して適所で噛合する、1つ以上の要素(例えば、歯付き要素)を含む。いくつかの実施形態では、入力デバイス係止機構は、入力デバイスの部分を適所で摩擦によって保持する要素を含む。
【0173】
本明細書では、「デバイス」という用語が修飾語句なしで使用される場合、その用語は、1つ以上の関節肢を含む外科用デバイスを指す。
【0174】
いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分は、ユーザによって動かされたオブジェクト(例えば、本明細書では「入力デバイス」とも呼ばれるアバタ)の測定された動きによって制御される。いくつかの実施形態では、ユーザによって操作されるアバタは、任意選択で小型化された、デバイスの少なくとも一部分(例えば、デバイス腕)の表現である。例えば、1つ以上のデバイス部分(例えば、関節)は、対応するアバタ部分(例えば、関節)の位置および/または動きによって制御される。
【0175】
いくつかの実施形態では、アバタの動きは、モーション・キャプチャ技術を使用して測定される。いくつかの実施形態では、アバタの動きは、例えばアバタの上および/または中に装着された、1つ以上のセンサを使用して測定される。
【0176】
いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、ユーザの解剖学的構造の1つ以上の部分のモデルに対してデバイスアバタを位置付け、ユーザはアバタを動かして、解剖学的構造モデルに対して治療を行い、デバイスは対応する患者の解剖学的構造に対して治療を行う。
【0177】
概要−例示的な外科用デバイス・ツール制御
【0178】
本発明のいくつかの実施形態の広範な一態様は、外科用デバイス・ツール(例えば、外科用デバイス肢の遠位端に連結されたエンド・エフェクタ)の制御に関する。例えば、2つ以上の対向する区画(例えば、握持具)を含む外科用デバイス・ツールの開放および/または閉止の制御。
【0179】
いくつかの実施形態では、入力デバイスは、例えば外科用デバイスのエンド・エフェクタを制御する、1つ以上のユーザ・インターフェースを含む。いくつかの実施形態では、外科用デバイスのエンド・エフェクタは、入力デバイス上に配置されたボタンによって制御される。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、外科用デバイスのエンド・エフェクタの表現を含むので、例えば、ユーザは、入力デバイスに目を向けることによって外科用デバイスのエンド・エフェクタの構成を見ることができる。
【0180】
いくつかの実施形態では、マッピングされたユーザの手および/もしくは手首の動き、ならびに/またはユーザが保持するツールの動きによる、1つ以上のデバイス・ハンド・ツールの制御。いくつかの実施形態では、デバイス腕は、手首関節で橈骨セグメントに連結された、1つ以上のハンド・ツールを含む。例示的な実施形態では、各デバイス腕はハンド・ツールを含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、デバイス・ハンド・ツールは、2つ以上の部品を含み、開放および閉止構成を有し、当該部品の遠位端を分離するとツールが開かれ、当該部分の遠位端はともにツール(例えば、鋏、2つ以上の対向部分を備えた把持具)を閉止する。いくつかの実施形態では、デバイス・ツールの開閉(「ツール作動」)は、ユーザの手の開閉(「ユーザツール作動」)によって制御される。
【0182】
いくつかの実施形態では、デバイス・ツールは、ユーザによって保持および/または移動されるツールを表すオブジェクト(「ツール・アバタ」)の測定された動きによって制御される。例えば、いくつかの実施形態では、鋏ツールを含むデバイスは一対の鋏を保持するユーザによって制御され、例えば、デバイス鋏の開閉(ツール作動)は、アバタ鋏の開閉「アバタ作動」によって制御される。いくつかの実施形態では、ツール・アバタは支持要素に取り付けられない。いくつかの実施形態では、ツール・アバタは入力デバイスに連結される。いくつかの実施形態では、ツール・アバタの回転は機械腕の自動的な(例えば、ロボット制御の)動きを制御する。
【0183】
いくつかの実施形態では、デバイス手および/またはハンド・ツールの回転は、(例えば、モーション・キャプチャ技術、および/またはユーザの手に装着された1つ以上のセンサを使用して)ユーザの指位置を測定することによって制御される。いくつかの実施形態では、手の回転は、(例えば、モーション・キャプチャ技術を使用して、かつ/またはアバタ上に任意選択で装着された1つ以上のセンサを使用して)ツール・アバタの配向を測定することによって制御される。
【0184】
いくつかの実施形態では、任意選択で、2つ以上の腕および/または2つ以上のデバイス・ハンド・ツールに関して、同期されたユーザの腕の動きとユーザツールの作動および/またはアバタツールの作動にしたがって、デバイス腕の動きおよびデバイス・ツールの作動は同期される(例えば、同時に起こる)。いくつかの実施形態では、ユーザの動きを同時に測定することによって、デバイス腕の動きおよびツールの作動(例えば、デバイスの開閉)が制御される。
【0186】
本発明のいくつかの実施形態の広範な一態様は、関節がある機械デバイスの制御に関し、1つ以上のデバイス部分の動きは、対応するユーザ身体部分の測定されたマッピングした動きによって制御される(例えば、デバイス肘関節の動きは、ユーザの肘関節の測定されたマッピングした動きによって制御される)。いくつかの実施形態では、各デバイス関節は、対応するユーザの腕関節の測定された動きによって制御される。
【0187】
いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス腕部分は、対応するユーザの腕部分の測定された動きおよび/または対応する入力デバイスの測定された動きによって制御され、残りのデバイス部分はロボティクスを、例えば逆運動学を使用して制御される。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス腕は伸ばされ、(例えば、ユーザに快適に働く腕の位置を提供するため)ユーザの上腕骨セグメントはユーザの体側で下向きに保持される。ユーザの手、橈骨、および手首の位置によって、デバイスの手、橈骨、および手首の動きが制御され、肘と肩の位置および動きは逆運動学によって制御される。
【0188】
いくつかの実施形態では、1つ以上のユーザ身体部分(例えば、セグメント関節および/またはセグメント)の位置および/または動きは、例えばモーション・キャプチャ技術を用いて、3D空間で測定される。例えば、ユーザ・セグメント(例えば、腕)関節の相対位置および/または動きは、捕捉された画像(例えば、ビデオ画像)から抽出される。別の方法として、またはそれに加えて、測定値は、ユーザに取り付けられた1つ以上の運動センサによって収集される。いくつかの実施形態では、運動センサは、測定される各ユーザ・セグメントおよび/または関節に取り付けられる。
【0189】
いくつかの実施形態では、2つのユーザ腕セグメント間の1つ以上の変化する角度は、測定されたユーザ関節の動きから計算される。いくつかの実施形態では、対応するデバイス腕セグメントは、測定された変化する角度にしたがって動かされる。いくつかの実施形態では、ユーザの骨格(例えば、関節位置およびセグメント位置を含む)が測定値からモデル化される。いくつかの実施形態では、モデル化された骨格を使用して外科用デバイス肢が制御される。
【0190】
いくつかの実施形態では、制御はデバイスの1つ以上の部分に関するものであり、当該デバイスは、例えば、デバイスおよびユーザの開始角度が同じでない場合、デバイスがユーザの腕とは異なる解剖学的構造(例えば、異なるセグメント比)を有する場合、対応するユーザの角度変化にしたがって2つのセグメント間の角度を変化させる。いくつかの実施形態では、デバイス角度はほぼ同じ度数で変更される。いくつかの実施形態では、デバイス角度は比率を定められた度数で変更される。
【0191】
潜在的に、測定したユーザの動きを使用したデバイス制御によって、例えば、物理的に快適であるユーザの動き、ならびに/またはユーザ制御の動きが直感的および/もしくは簡単に学習されることの1つ以上が提供され、その結果、誤った動きの量が少なくなる。
【0192】
いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザの脚の運動を使用して1つ以上のデバイス・セグメントを制御する。
【0194】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、モード間でのシステムの移行に関する。いくつかの実施形態では、移行はユーザの身振りの検出による。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザはシステムを、測定されたユーザの動きが外科用デバイスによって模倣されるモードから、ユーザが身振り(例えば、ユーザの脚を持ち上げる)を行うことによって模倣が終わる休止モードへと移行する。
【0195】
いくつかの実施形態では、デバイスは(例えば、単一の治療の間)2つ以上のモードで動作させられる。いくつかの実施形態では、デバイスはモードを使用して適所へと動かされ、各デバイス部分は対応するユーザの身体部分の動きによって制御され、そのため、例えば、デバイス手が例えば組織上で動作する適所にあると、ユーザは、例えばより少ないデバイス部分がユーザの動き(例えば、上述するような)によって制御されるように動作モードを変更して、例えば精密な作業のために動きが縮小される。
【0196】
いくつかの実施形態では、あるユーザの身体の動きおよび/または身振りは外科用デバイスの動きを制御するのに使用され、他のユーザの身体の動きおよび/または身振りはシステムのモードを変更するのに使用される。
【0198】
いくつかの実施形態では、1つ以上の外科用デバイス・ユーザの腕の対、または外科用デバイス・入力デバイスの腕の対は(例えば、デバイスによる治療前に)初期化され、外科用デバイス腕位置(例えば、セグメント間の角度)が、ユーザおよび/または入力デバイス腕位置と位置合わせされる(例えば、デバイス腕および/またはユーザの腕は初期化中に動かされる)。
【0199】
いくつかの実施形態では、外科用デバイスの1つ以上の部分(例えば、外科用デバイス腕)の動きは、ユーザおよび/または入力デバイスの腕における1つ以上の部分の動きとほぼ同時である。あるいは、いくつかの実施形態では、例えば、デバイス(例えば、デバイス腕)の動きは遅延され、ユーザが(例えば、ユーザの身体とともに、かつ/または入力デバイスとともに)動きをもたらし、次に任意選択で、デバイスの動きを制御するために動きを許可する。いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分は、ユーザ制御の動き(例えば、ユーザの身体の動きおよび/またはユーザによる入力デバイスの動き)と同じ速度で動く。あるいは、いくつかの実施形態では、デバイスは異なる速度(例えば、より低速)で、任意選択でユーザ定義の速度で動く。いくつかの実施形態では、ユーザは1つ以上のタイミングオプションを選択する。例えば、精密な作業の間、ユーザは、デバイスの動きを制御するのにユーザの動きが減速および/または遅延されるモードを選択する。
【0200】
いくつかの実施形態では、外科用デバイスは2つ以上の腕を含む。いくつかの実施形態では、2つの外科用デバイス腕の動きは、2つのユーザの腕および/または2つの入力デバイス腕の動きをマッピングすることによって制御される。いくつかの実施形態では、2つの外科用デバイス腕の動きは、2つのユーザの腕および/または2つの入力デバイス腕の同期された動きにしたがって同期される。デバイス腕の同期された制御の潜在的な利点は、2つ以上のデバイス腕がともに働いて、例えば、組織を保持および/または伸張し、組織を同時に切断し、組織の一部分をともに把持する(例えば、オブジェクトを1つのハンド・ツールから別のハンド・ツールに渡す)ことが可能な点である。
【0201】
いくつかの実施形態では、ユーザは、入力オブジェクト肢のマッピングされた動き(例えば、ユーザの動きおよび/または入力デバイスの動きを使用する、上述のような制御)によって制御される、デバイス肢を選択する。いくつかの実施形態では、ユーザは、外科用デバイス肢を選択し、ユーザおよび/または入力デバイス肢を選択し、選択された外科用デバイス肢は、選択されたユーザおよび/または入力デバイス肢のマッピングされた動きによって制御される。いくつかの実施形態では、デバイスは3つ以上の腕を含み、ユーザは2つのデバイス腕を選択し、第1のデバイス腕は、第1のユーザの腕および/または第1の入力デバイス腕のマッピングされた動きによって制御され、第2のデバイス腕は、第2のユーザの腕および/または第2の入力デバイス腕のマッピングした測定された動きによって制御される。いくつかの実施形態では、選択されない腕は静止したままであり、かつ/または異なる制御方法で(例えば、ユーザの脚の動きを使用して、第2のユーザによって制御されて、自動制御されて、例えばロボティクスによって)動かされる。
【0202】
いくつかの実施形態では、入力デバイスの動きおよびユーザ身体の動きは両方とも、外科用デバイスを制御するのに使用され、例えば、第1の外科用デバイス腕は入力デバイス腕のユーザの動きによって制御され、第2の外科用デバイス腕は、ユーザの身体の部分の測定された動きによって制御される。
【0203】
任意選択で、システム(例えば、上述したようなもの)は、ユーザの腕・外科用デバイス腕の対(ならびに/または入力デバイス・外科用デバイス腕の対)を外科用デバイスの制御に対して自動的に割り当てるが、その割当ては、例えば、外科用デバイス腕の位置に基づく(例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、どのユーザおよび/または入力腕がどの外科用デバイス腕を制御するかを指定しない)。
【0204】
いくつかの実施形態では、ユーザは、1つ以上の選択された外科用デバイス腕の制御(例えば、マッピングされた入力オブジェクトの動きによる外科用デバイス腕の動きの制御)を休止し、1つ以上の外科用デバイス腕を再選択(本明細書に記載するような選択)することによって、選択された外科用デバイス腕を変更する。いくつかの実施形態では、ユーザは休止し腕を再選択して、ユーザの左腕による第1のデバイス腕の制御と第2のデバイス腕の制御とを切り替えて、第2のデバイス腕をユーザの右腕で制御し、第2のデバイス腕をユーザの左腕で制御する。
【0205】
いくつかの実施形態では、ユーザは最初の外科用デバイス腕を所望の位置で休止し(例えば、ユーザの解剖学的構造を適所で保持するため)、別の外科用デバイス腕(例えば、第3の腕)を選択して2つの腕の動きを継続させる。
【0206】
いくつかの実施形態では、ユーザ制御は、ユーザに対して(例えば、画面上に)表示される視覚フィードバックによって支援され、例えば、外科用デバイスの少なくとも一部の構成を説明するデータ(例えば、画像)が任意選択で、リアルタイムで撮像された、かつ/または以前に撮像された患者の解剖学的構造に関連して、表示される。いくつかの実施形態では、外科用デバイスおよび/または解剖学的構造の画像は、ビデオ画像および/またはリアルタイム超音波画像および/またはCT画像および/またはMRI画像である。
【0207】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、身体に挿入される少なくとも1つの肢を備えた機械デバイスを含む、鍵穴手術用の外科用システムに関し、コントローラは、ユーザの脚の対応する部分の測定された動き(測定デバイス、例えばカメラによって測定される)にしたがって、肢の1つ以上の動きを制御する。いくつかの実施形態では、デバイスは、機械腕を用いて身体に挿入される1つ以上の画像診断デバイスを含む。任意選択で、システムは、1つ以上の外部画像診断デバイス(例えば、MRI、CT、超音波)を含む。任意選択で、1つ以上のデバイスから収集された画像は、ユーザに対してディスプレイ上に表示される。任意選択で、追加のデータおよび/または処理された(例えば、1つ以上のシステムおよび/またはデバイス・センサから、データベースからの)収集データが、ユーザに対してディスプレイ上に表示される。
【0208】
任意選択で、いくつかの実施形態では、2つ以上のユーザが、例えば、外科用デバイスを同時に制御する。いくつかの実施形態では、異なるユーザが、任意選択で異なるタイプの制御を使用して、外科用デバイスの異なる部分を制御する。例えば、いくつかの実施形態では、第1のユーザは、入力デバイスを使用して外科用デバイスの部分を制御し、第2のユーザは、測定されたユーザ身体の動きを用いて外科用デバイスの部分を制御する。いくつかの実施形態では、マルチユーザ制御は連続的であり、例えば、第1のユーザの制御の動きが、次に第2のユーザの動きが外科用デバイスによって実施される。別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、マルチユーザ制御の動きは外科用デバイスによって同時に実施される。
【0209】
いくつかの実施形態では、入力オブジェクト部分と外科用デバイス部分との間のマッピングは、セグメント長さを使用する。いくつかの実施形態では、マッピングは、例えば、外科用デバイスの有効セグメントおよび/または有効セグメント長さに関して(例えば、本明細書に記載するような)方法を使用して定義したような、有効長さを使用する。いくつかの実施形態では、有効長さは、入力オブジェクトの異なる構成(例えば、曲げの角度)に対して変化する。いくつかの実施形態では、有効入力デバイス・セグメントは1つの技術を使用して定義され、これらの有効入力デバイス・セグメント、および/またはこれらの有効入力デバイス・セグメント間の関係(例えば、有効セグメント間の角度)がマッピングされて、対応する外科用デバイス・セグメントおよび/または有効セグメントが制御され、外科用デバイス有効セグメントは同じまたは異なる技術を使用して定義される。
【0210】
いくつかの実施形態では、2つの有効入力デバイス・セグメント(例えば、
図5A〜Dに関して記載されるように定義された有効セグメント)間の角度は、対応する有効外科用デバイス・セグメントの曲げを制御するのに使用される。例えば、いくつかの実施形態では、セグメントを接続する関節の角度とも称される、2つの隣接した入力デバイス・セグメント間の測定された角度は、入力デバイス・セグメントに対応する可撓性部分の作動、例えば、可撓性部分の曲げおよび/または回転(可撓性部分長軸を中心とする)に対する、制御信号を生成するのに使用される。
【0211】
いくつかの実施形態では、入力デバイス部分は外科用デバイス部分に対応し、外科用デバイス部分は、入力デバイス部分の測定された位置および/または相対位置(例えば、他の入力デバイス部分に対する)に基づいて作動する。
【0212】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するような制御技術および/または制御のための装置は、図面に記載されるようなデバイスおよび/またはシステムおよび/または方法によって実施され、ならびに/あるいは本明細書に記載するような治療で使用される。
【0213】
他のデバイスおよび/またはシステムおよび/またはデバイス(例えば、当該技術分野の外科用デバイス)が、本明細書に記載するような制御技術および/または制御のための装置を使用して制御されてもよい。
【0215】
本発明のいくつかの実施形態の広範な一態様は、少なくとも1つの機械肢を含む、身体内に挿入するための外科用デバイスに関し、肢は十分に可撓性であるので、デバイスは、機械肢の挿入方向とは異なる方向から標的にアクセスするように曲げることができる。
【0216】
いくつかの実施形態では、外科用デバイス肢は少なくとも2つの可撓性部分を含み、いくつかの実施形態では、当該部分の少なくとも1つは、少なくとも120°、または少なくとも90°、または少なくとも100°、または少なくとも140°、または少なくとも160°、または少なくとも180°、または少なくとも190°、または少なくとも200°、または少なくとも210°、またはそれよりも小さいかもしくは大きいかもしくは中間の角度で、曲げ可能(屈曲/延長)である。いくつかの実施形態では、2つの可撓性肢区画の曲げは少なくとも180°の組み合わせ角度である。いくつかの実施形態では、1つ以上の可撓性部分は、最大400°、350°、300°、または270°曲げ可能である。いくつかの実施形態では、肢は最大400°、350°、300°、または270°曲げ可能である。
【0217】
いくつかの実施形態では、デバイス肢可撓性部分は長く、少なくとも1つの可撓性区画の長軸長さは、可撓性区画長軸に垂直な可撓性区画の最大拡張範囲の少なくとも2倍、または少なくとも1.5倍、または少なくとも3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍、または少なくとも8倍、または少なくとも10倍である。
【0218】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、身体内に挿入するための少なくとも1つの肢を含む外科用デバイスに関し、当該肢は、一方向で曲げ可能な可撓性部分を含み、大幅に曲げ可能(例えば、屈曲および/または延長の可能な角度が大きい)である。
【0219】
いくつかの実施形態では、外科用デバイス肢は、少なくとも2つの独立して一方向で曲げ可能な可撓性部分を含み、いくつかの実施形態では、当該部分の少なくとも1つは、少なくとも120°、または少なくとも90〜180°、または少なくとも100〜120°、またはそれよりも小さいかもしくは大きいかもしくは中間の角度で曲げ可能(屈曲/延長)である。いくつかの実施形態では、2つの可撓性肢の曲げは少なくとも180°の組み合わせ角度である。例えば、第1の可撓性区画の端部における長軸接線間の第1の角度と、第1の可撓性区画の端部における長軸接線間の第2の角度との合計は、少なくとも180°である。例えば、隣接したセグメント対の長軸間の第1の角度と、異なるセグメント対の長軸間の第2の角度との合計は、少なくとも180°である。隣接したセグメント対は、可撓性区画によって直接連結されたセグメントとして定義される。
【0220】
いくつかの実施形態では、各可撓性部分は、可撓性部分長軸を中心にして独立して回転可能である。
【0221】
本発明のいくつかの実施形態の広範な一態様は、治療方法(例えば、内視鏡手術)に関し、少なくとも1つの関節がある機械肢を含むデバイスは、任意選択で切開部を通して身体(例えば、患者)に挿入され、肢は身体内で曲がって標的(例えば、身体器官)にアクセスしそれを治療する。いくつかの実施形態では、肢が身体内で曲がる能力を使用して、挿入方向の次善の最適性が補償される。
【0222】
いくつかの実施形態では、可撓性肢部分の曲げは、デバイスが標的に接触および/またはアクセスする方向が、デバイスが身体に入る方向とは異なる(例えば、少なくとも1つの3D平面内で、それよりも少なくとも90°大きいかもしくは小さい)ような曲げである。
【0223】
いくつかの実施形態では、可撓性肢部分の曲げは、少なくとも2つの関節角度がそれぞれ0°よりも大きいときであり、関節角度は、連結されたデバイス・セグメント(および/または有効セグメント)長軸間の角度として測定される。いくつかの実施形態では、肢の曲げは、すべての肢関節角度の合計が0°超過、10°以上、45°以上、または90°以上、または180°以上、または360°以上であるような曲げである。
【0224】
いくつかの実施形態では、肢の曲げは、デバイスが身体に入る方向が、標的を切開部に接続する直線の方向とは異なる(例えば、少なくとも10°大きいかもしくは小さい、少なくとも45°大きいかもしくは小さい、少なくとも90°大きいかもしくは小さい)ような曲げである。
【0225】
いくつかの実施形態では、1つ以上の肢を含むデバイスは、障害物の周りで曲がることによって標的にアクセスする。例えば、1つ以上の肢は、挿入地点と標的との間の直線から離れて湾曲する経路内で曲がる(例えば障害物がデバイスの挿入地点と標的との間にある場合、例えば、経路は標的を貫通しない)。いくつかの実施形態では、デバイスは2つ以上の肢を含む。いくつかの実施形態では、デバイス肢は同じ方向から標的に近付き、いくつかの実施形態では、デバイス肢は異なる方向から標的に近付き、例えば、アクセス方向の差は20°以下、20°以上、または45°以上、または90°以上、または180°以上、または270°以上である。
【0226】
いくつかの実施形態では、標的は器官の一部分であり、障害物は器官の異なる部分である。例えば、いくつかの実施形態では、標的領域は器官の後方にあり、デバイスは器官の前方にある切開部を通して挿入される。デバイスが導入されるにしたがって、デバイスの1つ以上の部分が器官の周りで曲がって、器官の後方にある標的にアクセスして、例えば器官を「抱きかかえ」、デバイスは、器官の周囲の10〜100%、または20〜90%、または50〜90%、またはそれよりも少ないかもしくは多いかまたは中間の範囲または割合に接触し、ならびに/あるいはそれを取り囲む。
【0227】
いくつかの実施形態では、身体内における1つ以上の肢を含むデバイスの曲げは、障害物の下方(例えば、身体内のより深いところ)にある標的にアクセスするためのものであり、標的と体表面(例えば、皮膚表面)との間に描かれる最短直線は障害物を貫通する。例えば、いくつかの実施形態では、胸郭が障害物(例えば、胸郭下の器官に対する障害物)であり、胸部手術は、腹部切開部を通してデバイスを挿入することによって実施される。例示的な実施形態では、腹部切開部に挿入されたデバイスは、肋骨下の経路を辿り、肋骨下の位置から曲がって胸郭内部の標的にアクセスする。
【0228】
いくつかの実施形態では、機械デバイスは、実質的に上方からではない方向から患者に挿入され、例えば、鉛直に対するデバイスの挿入角度は、75°超過、または90°超過、75〜175°である(90°を超える角度は、患者が仰臥位または腹臥位にあるときの、患者の下方の方向からの挿入角度に対応する)。いくつかの実施形態では、機械デバイスは、横方向で患者に挿入され、例えば患者の脚の間で、例えば骨盤出口を通して患者に挿入される。
【0229】
いくつかの実施形態では、画像はユーザが治療を実施するのをガイドする。例えば、画像は機械デバイスとともに挿入されたカメラによって獲得される。いくつかの実施形態では、カメラは、曲げ可能な機械肢の上に(例えば、その遠位端で)装着され、例えば、カメラの構造および/または可撓性は、機械デバイス肢に関して上述したようなものである。いくつかの実施形態では、他の画像診断方法、例えばMRI、CT、超音波などによって収集された画像(例えば、以前の獲得画像)を使用して、治療がガイドされる。
【0230】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、治療方法に関し、患者の身体内の1つ以上の機械デバイス肢は長い経路を辿り、身体内の肢の長さ(例えば、身体内の肢の一部における長軸長さの合計を測定)は、標的と、本明細書では「入口点」と称される、身体内へのデバイスの挿入地点との間の距離に比べて長い。いくつかの実施形態では、身体内におけるデバイス肢の長さは、標的と入口点との直線距離の少なくとも1.2倍、または少なくとも1.5倍、または少なくとも2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍である。長い経路の潜在的な利益は、所与の入口点(例えば、切開部)に対して所望の標的に対するアクセスが広範囲であることである。長い経路の潜在的な利益は、所与の標的に対して、広範囲の入口点でデバイスを挿入できることである。
【0231】
いくつかの実施形態では、デバイスは2つ以上の肢を含み、肢はともに標的にアクセスしそれを治療する。例示的な実施形態では、デバイスは2つの肢を含み、任意選択で、両方の肢が曲がって標的にアクセスしそれを治療する。
【0232】
身体内で曲がるデバイスの潜在的な利益は、所望の入口点および/または所望の挿入角度でデバイスを挿入する一方、標的を所望の方向から治療できることである。いくつかの実施形態では、所与の挿入角度および/または所与の入口点に対して、広範囲の治療角度(デバイス肢が標的に近付く角度)が利用可能である。
【0233】
いくつかの実施形態では、治療(例えば、手術)は、(腹腔鏡手術では通常そうであるように)標的の上の方向から標的にアクセスする一方、デバイスの挿入は標的の下に位置する自然開口を通すことによる。
【0234】
例えば、例示的な実施形態では、デバイスは、膣(切開部は子宮の下)を通して身体内に挿入され、身体内で曲がって、下方向(例えば、標準的な腹腔鏡方向、例えば、標準的な腹腔鏡方向よりも直接標的領域に衝突する方向、例えば、実質的に後下方向)から子宮の頂部(上方部分)にある標的領域にアクセスする。膣の切開部を通して下方向から子宮にアクセスすることの潜在的な利益は、確立された腹腔鏡手術技術を使用して、ただし腹部切開部よりも潜在的に低侵襲性である膣の切開部を通して、手術できることである。
【0235】
いくつかの実施形態では、デバイスの曲げは、デバイスが身体内に挿入されるにしたがって可撓性デバイス部分を曲げることによって起こり、例えば、セグメントは挿入されるにしたがって曲がり、かつ/または連続セグメントが挿入されるにしたがってその前に挿入されたセグメントが曲がる。いくつかの実施形態では、直線のデバイスが身体内に挿入され、デバイスが挿入されると、例えば、デバイス部分の作動によって、かつ/または身体内におけるデバイスと患者組織との摩擦を受けて曲がる。いくつかの実施形態では、1つ以上の折り畳まれた部分を備えたデバイスが身体内に挿入され、曲がって展開される。
【0236】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、膣を通した子宮摘出方法に関する。いくつかの実施形態では、デバイスは、膣に作られた切開部を通して挿入される。例示的な実施形態では、デバイスは、ダグラス窩に入る後膣円蓋の切開部を通して挿入される。いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分は、子宮の周りで曲がって子宮域(例えば、子宮、膣、頸部、子宮を取り囲む組織、ファロピウス管、卵巣)に対する手術を実施する。いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分が曲がって、例えば、デバイスが後膣円蓋を通って入るのが子宮から離れる方向なので、子宮の外側から子宮にアクセスする。いくつかの実施形態では、デバイスは、基底部よりも頸部に近い、子宮の基部にある腹腔に入って曲がり、少なくとも部分的に下方向から、かつ/または腹部表皮面(例えば、臍)上の地点から子宮までの直線の方向(例えば、腹腔鏡方向)から子宮に近付く。いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス肩部は基底部よりも頸部の近くに位置付けられる。いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス肩部は頸部よりも基底部の近くに位置付けられる。
【0237】
いくつかの実施形態では、後円蓋の切開部はベレシュ針を使用して作られ、その針を通して次に、腹腔を任意選択で膨張させる。いくつかの実施形態では、切開部は、デバイスの挿入前に拡大および/または拡張される。いくつかの実施形態では、後円蓋の切開部はトロカールを使用して作られる。
【0238】
いくつかの実施形態では、膣内に挿入されたポートは、腹腔を封止し、かつ/または外科用デバイス(例えば、ポートを通して挿入される)および/もしくは子宮マニピュレータ(例えば、ポートを通して挿入される)を支持する。
【0239】
別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、ポートは切開部に入れられて、切開部を封止し、かつ/またはデバイスに対する支持を提供する。任意選択で、ポートは頸部に連結されて、例えばポートに対する支持を提供する。任意選択で、ポートは子宮マニピュレータに連結される。
【0240】
任意選択で、子宮マニピュレータは婦人科手術(例えば、子宮摘出手術)で使用される。いくつかの実施形態では、子宮マニピュレータが固定される一方で、後膣円蓋に対するアクセスが可能になる。任意選択で、いくつかの実施形態では、デバイスはポートに連結することによって支持され、ポートは例えば頸部に連結される。任意選択で、ポートは子宮マニピュレータに連結される。頸部に連結されたポートによってデバイスを支持することの潜在的な利益は、薄い組織層の切開部を通して腹腔にアクセスできることであり、層は、例えば、ポート(例えば、後膣円蓋の切開部)の十分な支持を提供することができない。
【0241】
いくつかの実施形態では、後膣円蓋の膣腔から切開部が作られる前に、腹腔が膨張させられる。潜在的な利益は、一般に、膨張によって器官同士の間隔が増加し、他の組織(例えば、直腸)に対して損傷をもたらす切開のリスクが潜在的に低減される。いくつかの実施形態では、切開部は、最初に腹部に作られ(例えば、臍帯切開部)、そこを通して(例えば、二酸化炭素を用いて)腹部を膨張させる。
【0242】
いくつかの実施形態では、腹部の膨張はファロピウス管の内部切開部を通して行われる。いくつかの実施形態では、内部キャビティおよび切刃を含むデバイスは、子宮からファロピウス管内へと挿入される。いくつかの実施形態では、切刃はファロピウス管を通って腹腔まで穿孔する。次に、腹腔は、デバイスの内部キャビティを通って挿入されるガスによって膨張される。いくつかの実施形態では、内部キャビティを含むデバイスは、例えば、上述したように、ファロピウス管に切開部を作る際に、吸引および圧力フィードバックを使用する。
【0243】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、患者の身体の一部分に連結されたポートに関し、そこを通して、機械腕を含むデバイスが挿入される。いくつかの実施形態では、ポートは、自然開口(例えば、膣)内へと挿入され、かつ/またはそこに連結される。いくつかの実施形態では、子宮マニピュレータおよび/または他の任意のツールが、ポートを通して患者に挿入される。潜在的に、ポートは、そこを通して挿入されたツール(例えば、支持部分)が患者に対して動くのを防止および/または低減する。任意選択で、いくつかの実施形態では、ポートはシステムの一部分に、例えば患者支持面に連結される。
【0244】
いくつかの実施形態では、治療(例えば、子宮摘出)は、ポートを自然開口に挿入すること、および/またはポートを自然開口に連結し、次に1つ以上の機械デバイス肢を、ポートを通して患者に挿入することを含む。
【0245】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、切開部の作成に関し、例えば、切断される組織と切刃との間の圧力を(例えば、吸引を使用して)増加させることによって、組織は切刃に近付けられる(例えば、組織は、切刃を備える要素に近付けられる)。いくつかの実施形態では、切開部が作られると、切刃と組織との間の圧力が低減されて、さらなる切断を防ぐ。いくつかの実施形態では、測定された圧力の低減が、切開部が作られていることを示すと、圧力はさらに低減される(例えば、適用された吸引の停止による)。
【0246】
いくつかの実施形態では、切開のためのデバイスは、切刃を含むデバイス端部と切断される身体組織との間の圧力増加によって、組織がデバイスと接触させられるように、サイズおよび形状が決められる。
【0247】
例えば、いくつかの実施形態では、切開部は、頸部が凹状部分に嵌合し、窪み内の圧力の増加によって後円蓋が凹状部分の縁部と接触するようにサイズが決められた、凹状部分(例えば、入口および/または空洞および/または窪みおよび/またはカップ形状)を備えた、切刃を含むデバイスを使用して、後膣円蓋に作られる。いくつかの実施形態では、凹状部分の縁部は任意選択で鋭い切刃を含む。いくつかの実施形態では、凹状部分は、鋭い縁部分が後膣円蓋に位置する状態で、頸部の上に配置される。カップおよび/または組織は、切刃が後膣円蓋に切開部を作るまで、ともに運ばれる。潜在的な利益は、(例えば、異なる深さの凹状部分および/または異なる長さの切刃を使用した)切開部の位置および/または拡張範囲に対する制御である。
【0248】
いくつかの実施形態では、組織および凹状部分は吸引によってともに運ばれる。任意選択で、吸引圧力の低減は、切開部が成功裏に作られていることの確認に使用される。吸引を使用することの潜在的な利益は、例えば直腸を損傷するリスクを低減する、最小限の力での切断、ならびに/あるいは切断の速度および/または力に対する制御である。
【0249】
いくつかの実施形態では、切開部は、ファロピウス管内に挿入される切刃を含むデバイスによってファロピウス管に作られる。いくつかの実施形態では、切刃とファロピウス管との間の圧力が低減されて、管が圧潰し、管の一部分が切刃と接触する。
【0250】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、例えば、患者の解剖学的構造を押しやって、かつ/または保持して、手術域から離し、かつ/またはそこから遮蔽することによる、ユーザ組織の保護に関する。いくつかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載するような)機械腕を含むシステムは、(例えば、本明細書に記載するような)牽引子ツールを含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、ツールは支持体上に装着され、機械腕を含むデバイスは支持体上に装着される。
【0252】
いくつかの実施形態では、ツールは、1つ以上の機械腕から離れるように(例えば、1つ以上の方向で)延長可能であり、ツールは伸張によって拡張し、かつ/または(例えば、モータによって)押される。
【0253】
いくつかの実施形態では、機械デバイス腕およびツールは同じモータ・ユニットによって作動する。
【0254】
いくつかの実施形態では、牽引子ツールは機械腕に連結され、かつ/または機械腕は牽引子ツールのエンド・エフェクタを含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、患者に挿入されるツールは伸張可能部分を含む。いくつかの実施形態では、ツールが挿入され、伸張され、ユーザの組織を押し、かつ/または保持して、手術されている患者身体の部分から離すのに使用される。例えば、いくつかの実施形態では、腸は、例えば子宮摘出の間、ツールによって押されて子宮から離される。いくつかの実施形態では、ツールは、機械腕を含むデバイスと同じ挿入方向で、かつ/または同じ切開部を通して挿入される。
【0256】
いくつかの実施形態では、1つ以上の機械肢は、異なる角度で挿入され、かつ/または異なる深さまで挿入され、かつ/または異なる切開部を通して挿入される。例えば、任意選択で異なる方向から、2つ以上の機械肢による標的へのアクセスを支援する。
【0257】
いくつかの実施形態では、外科用デバイス機械肢の少なくとも一部分は、例えば、デバイス腕と患者との間の滅菌分離を提供するカバーで、例えば滅菌カバーで被覆される。例えば、電気絶縁性カバー。
【0258】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するデバイスおよび/またはシステムおよび/または方法は、胸郭の治療(例えば、甲状腺切除術)で使用される。
【0259】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するデバイスおよび/またはシステムおよび/または方法は脾切除術で使用される。
【0260】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するデバイスおよび/またはシステムおよび/または方法は、生殖器手術(例えば、不妊治療、避妊)で使用される。
【0261】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載するデバイスおよび/またはシステムおよび/または方法は、骨盤再建手術で使用される。
【0262】
いくつかの実施形態では、腹部標的に対して実施される治療は、例えば、表面腹部切開部を通して、かつ/または骨盤出口を通して(例えば、生殖器および/もしくは排泄器の自然開口を通して)デバイス腕を腹部に挿入し、腕を曲げて標的に近付けることによって実施される。
【0263】
いくつかの実施形態では、治療は、1つ以上のデバイス腕を胸郭下で胸郭の上または下にある切開部から挿入し、デバイス腕を曲げて標的にアクセスすることによって、胸郭の標的に対して実施される。いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載するように、1つ以上のデバイス腕は隣接した肋骨間で挿入される。
【0264】
いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス肢は、本明細書では「関節」とも称される可撓性接続区画によって連結された、一連の少なくとも2つの剛性セグメントを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの剛性セグメントは長く、例えば、1つ以上の長い剛性セグメントの長軸長さは、前記長軸に垂直なセグメントの最大拡張範囲の少なくとも1.5倍、または少なくとも2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍、または中間値である。長い剛性部分の潜在的な利益は、例えばより多数のより短い部分と比べて、例えば、動きおよび/または制御の誤りは各関節の誤った動きの合計なので、動きおよび/または制御の誤りが低減されることである。
【0265】
いくつかの実施形態では、デバイスならびに/または剛性である(および/もしくは剛性セグメントによって形成された)デバイス肢の長軸長さの比率は大きく、例えば20%以上、40%以上、60%以上、または80%以上である。いくつかの実施形態では、剛性セグメント長軸長さの合計の比率は、総合的なデバイスおよび/または肢の長軸長さと比べて、例えば、20%以上、40%以上、60%以上、または80以上である。
【0266】
いくつかの実施形態では、治療方法は、1つ以上の機械肢(例えば、本明細書に記載するような)と1つ以上の腹腔鏡ツールとを含む、デバイスを挿入することを含む。いくつかの実施形態では、標的は、1つ以上の機械肢および腹腔鏡ツールによって同時および/または連続的に治療される。
【0268】
次に図面を参照すると、
図1は、本発明のいくつかの実施形態による、複数の腕を含むデバイス100(例えば、外科用デバイス)の簡略化した概略側面図である。いくつかの実施形態では、デバイスは第1の腕104と第2の腕102とを含む。
【0269】
いくつかの実施形態では、各腕104、106は、第1の接続区画108、110によって第1のセグメント112、114に連結された支持セグメント102、103を含み、第1のセグメント112、114は、第2の接続区画120、122によって第2のセグメント116、118に連結され、さらに、第3の接続区画128、130によって第2のセグメント116、118に連結された第3のセグメント124、126を含む。
【0270】
いくつかの実施形態では、支持セグメント102、103の1つ以上は剛性である。いくつかの実施形態では、支持セグメント102、103の1つ以上は可撓性であるか、または可撓性部分を含む。
【0271】
いくつかの実施形態では、支持セグメント102、103は、例えばカバー102aによって連結される。いくつかの実施形態では、支持セグメントは、胴体長さの一部分のみで連結されるか、または連結されない。
図1Bは、本発明のいくつかの実施形態による、複数の腕104、106を含むデバイス100の簡略化した概略図である。
【0272】
いくつかの実施形態では、1つ以上の腕はヒューマノイドのような構造を含む。明瞭にするため、本明細書のいくつかの部分では、デバイス・セグメントおよび接続区画は解剖学的名称によって呼ばれる。支持セグメント102、103は第1の胴体102および第2の胴体とも称され、第1の接続区画108、110は第1の肩関節108、第2の肩関節110とも称され、第1のセグメント112、114は第1の上腕骨112および第2の上腕骨114とも呼ばれ、第2の接続区画120、122は第1の肘関節120および第2の肘関節122とも呼ばれ、第2のセグメント116、118は第1の橈骨116および第2の橈骨118とも呼ばれ、第3のセグメント124および126は第1のハンド・ツール124および第2のハンド・ツール126とも呼ばれる。
【0273】
いくつかの実施形態では、1つ以上の接続区画はヒンジを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の接続区画は可撓性であり、かつ/または可撓性部分を含む。例示的な実施形態では、例えば、さらに詳細に後述するように、デバイス腕は肘関節および肩関節を含み、関節の曲がりは関節長軸の方向で関節に沿って分配される。
【0274】
いくつかの実施形態では、胴体102、103はともに近接し、例えば、第1の胴体102の長軸および第2の胴体103の長軸は、互いの5mm以内、または3mm以内、または1mm以内である。
【0275】
いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス・セグメントは、ほぼ円筒状の外形(例えば、橈骨、上腕骨)を有する。いくつかの実施形態では、関節は円形の長軸断面を有する。あるいは、いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス・セグメントおよび/または関節は、非円形の断面外形、例えば楕円形、正方形、長方形、不規則形状を有する。
【0276】
いくつかの実施形態では、機械腕は、1つ以上の短い、かつ/または調節可能なセグメントを含む。いくつかの実施形態では、可撓性部分は直接接続される。
【0277】
図1C〜Dは、本発明のいくつかの実施形態による、機械腕の簡略化された概略側面図である。
図1Cは、上腕骨セグメント112が短い例示的な実施形態を示しており、例えば、セグメントは、1〜50mm、または1〜35mm、または10〜20mm、または約10mm、またはより短いもしくは長いもしくは中間の範囲または長さの長軸長さJを含む。
【0278】
いくつかの実施形態では、ユーザは、所望のセグメント長さを含む腕を選択し、例えば、選択は、患者の解剖学的構造および/または実施される処置に基づく。例えば、小児を治療する場合、ユーザは、いくつかの実施形態では、(例えば、
図1Cに示されるような)1つ以上の短いセグメントを備えた1つ以上の腕を選択する。例えば、肥満患者を治療する場合、ユーザは、いくつかの実施形態では、1つ以上の長いセグメントを備えた腕、例えば(例えば、
図1Dに示されるような)長い上腕骨セグメントを備えた標準的な腕を選択する(例えば、上腕骨セグメント長さJ’は、10〜100mm、または20〜35mm、または10〜20mm、またはより短いもしくは長いもしくは中間の範囲または長さである)。
【0279】
いくつかの実施形態では、デバイスは、異なる構造の腕(例えば、異なるセグメント長さ、例えば、異なる腕サイズ)を備えたキットを含む。
【0280】
別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、例えば、治療の間および/またはデバイスの設定の間、1つ以上のセグメント長さは調節可能である。例えば、いくつかの実施形態では、
図1Cに示される腕は、(例えば、上腕骨セグメント212の入れ子構造によって)
図1Dに示される構成に調節可能である。
【0281】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセグメントの延長および/または引込みは、セグメントに接続された部分を機械腕の他の部分に対して動かすことによって実践される。例えば、いくつかの実施形態では、セグメント延長部(例えば、
図33Bの延長部3316E)が(例えば、モータ・ユニット、例えば
図40のモータ・ユニット4000内に位置するモータによって)動かされて、セグメント(例えば、
図33Bのセグメント3316)の長さが増加する。いくつかの実施形態では、モータは、ねじ機構を使用して、セグメント延長部を動かす(例えば、
図36A〜
図36Bに関して記載するような、握持具を作動させるねじ機構に類似したねじ機構)。
【0282】
例示的な動きの自由度、例示的なヒトの動きの自由度
【0283】
いくつかの実施形態では、デバイス肢は少なくともヒトの腕の動きの自由度を有する。一般に、ヒトの肢(例えば、腕、脚)のセグメントは屈曲および延長によって、近位側セグメント関節から動き、近位側セグメント関節を中心にして回転する。例えば、ヒトの橈骨は、肘のところで屈曲し延長し、肘を中心にして回転する。
【0284】
近位側関節という用語は、本明細書では、セグメントが連結された胴体からの逸脱が最も少ない関節を指し、例えば、手の近位側関節は手首であり、橈骨の近位側関節は肘関節であり、上腕骨の近位側関節は肩関節である。
【0285】
近位側セグメントという用語は、本明細書では、(例えば、近位側セグメント関節によって)セグメントが連結された胴体からの逸脱が最も少ないセグメントを指す。例えば、手の近位側セグメントは橈骨であり、橈骨の近位側セグメントは上腕骨であり、上腕骨の近位側セグメントは胴体である。
【0286】
いくつかの実施形態では、1つ以上の関節は一方向で曲げ可能および延長可能である。いくつかの実施形態では、セグメントの近位側関節を中心にしたセグメントの回転は、近位側セグメント長軸を中心にした近位側セグメントの回転によって達成される。例えば、手首関節を中心にした手の回転は、橈骨長軸を中心にした橈骨の回転による。
【0287】
一般に、腕に関するヒトの動きの自由度は、回転および屈曲の角度を限定する。任意選択で、いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば1つ以上の制御モードの間、ヒトの動きの自由度に制限される。
【0288】
図2Aは、本発明のいくつかの実施形態による、機械腕204の簡略化された概略側面図である。
【0289】
いくつかの実施形態では、腕204の各セグメントはセグメント長軸を中心にして回転可能である。例えば、いくつかの実施形態では、胴体202は胴体長軸202Lを中心にして回転可能202Rである。例えば、いくつかの実施形態では、上腕骨212は上腕骨長軸212Lを中心にして回転可能212Rである。例えば、いくつかの実施形態では、橈骨216は橈骨216Lを中心にして回転可能216Rである。
【0290】
図3は、本発明のいくつかの実施形態による、手セグメント224の簡略化された概略側面図である。いくつかの実施形態では、手セグメント324は手長軸を中心にして回転可能である。
【0291】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセグメントは両方の方向(例えば、セグメント長軸を中心にした時計方向および反時計方向)で回転可能である。あるいは、いくつかの実施形態では、1つ以上のセグメントは、セグメント長軸を中心にして、一方向のみで回転可能である。
【0292】
図2Aを再び参照すると、いくつかの実施形態では、例えば、ヒトが立ち、および/または屈み、および/または飛び上がる能力に相似して、デバイスは、胴体長軸202Lに平行な方向で移動可能232である。
【0293】
いくつかの実施形態では、各セグメントは、セグメントの近位側関節で屈曲し延在する。例えば、いくつかの実施形態では、橈骨216は肘関節220で屈曲し延在する。例えば、いくつかの実施形態では、上腕骨212は肩関節208で屈曲し延在する。
図3を参照すると、例えば、いくつかの実施形態では、ハンド・ツール324は手首328で屈曲し延在する。
【0294】
いくつかの実施形態では、関節におけるセグメントの屈曲および延長は、関節が曲がる角度として測定される。いくつかの実施形態では、セグメントの屈曲および延長は、屈曲したセグメントの長軸と屈曲したセグメントよりも近位側のセグメントの長軸との間の角度として測定される。例えば、屈曲した橈骨長軸と上腕骨長軸との間の角度。
【0295】
例示的な実施形態では、可撓性部分(例えば、肘関節220、上腕骨212)は均一に曲がり、曲げた場合の曲率半径は、可撓性部分を曲げたときのその部分に沿って一定である。いくつかの実施形態では、1つ以上の可撓性部分は、異なる曲率半径のサブ部分を含む(例えば、可撓性部分を形成する複数のリンクのスタックは、異なる寸法(例えば、異なる長さ)のリンクで構成され、かつ/またはリンク間のギャップ(例えば、
図27のギャップ2799)が異なる寸法を有する)。
【0296】
図2Bは、本発明のいくつかの実施形態による、関節220によって接続された2つのセグメント212、216の簡略化された概略図である。
図2Bは、第1のセグメント長軸216Lと第2のセグメント長軸212Lとの間の、角度θとしてのセグメント216の屈曲の測定値を示している。
【0297】
いくつかの実施形態では、例えば十分な関節長さ(例えば、関節の長軸の長さは、両方のセグメントの二重に組み合わされた直径/断面の最大拡張範囲よりも長い)と、関節が屈曲および/または延長する能力とにより、θは180°超過である。
【0298】
図2Cは、本発明のいくつかの実施形態による、可能な肢の位置、および/または時間に伴うデバイスの動きを示している。
図2Cは、180°以上である関節の曲げの例示的な角度を含む、例示的なデバイス肢の潜在的な可撓性を示している。
【0299】
図2Aを再び参照すると、いくつかの実施形態では、上腕骨212は、肩関節208(本明細書では肩部屈曲とも称される)で、少なくとも45°以下、または少なくとも90°以下、または少なくとも180°以下、屈曲および延在209する。いくつかの実施形態では、肩部屈曲は180°超過である。いくつかの実施形態では、肩部屈曲は250°以下または300°以下である。例示的な実施形態では、肩部屈曲は約200°である。
【0300】
いくつかの実施形態では、橈骨216は、肘関節220(本明細書では肘部屈曲とも称される)から、少なくとも45°以下、または少なくとも90°以下、または少なくとも180°以下、屈曲および延在する。いくつかの実施形態では、肘部屈曲は180°超過である。いくつかの実施形態では、肘部屈曲は250°以下または300°以下である。例示的な実施形態では、肘部屈曲は約200°である。
【0301】
次に
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、手セグメント324(例えば、ハンド・ツール)は手首関節328で屈曲および延在329bする。いくつかの実施形態では、手セグメント324は、例えば、ヒトの橈側および/または尺側変位に対応する動きにおいて、橈骨長軸329aに垂直な面内(例えば、鋏刃325a、325bを含む面内)で、手首関節を中心にして回転可能である。いくつかの実施形態では、手セグメント324の屈曲および延長は、橈骨316Lの長軸に垂直な軸329bが中心である。いくつかの実施形態では、橈側および尺側変位は軸329cが中心である。
【0302】
いくつかの実施形態では、手セグメント224、324は、少なくとも45°以下、または少なくとも60°以下、または少なくとも90°以下、または少なくとも180°以下、手首関節228、328から屈曲および延在する(本明細書では手首屈曲とも称される)。例示的な実施形態では、手首屈曲は90°(例えば、±45°)である。
【0303】
いくつかの実施形態では、機械腕は、ヒトの腕よりも複雑さが低い構造(例えば、より少ない部分)および/または低い動きの自由度を含む。
【0304】
例えば、いくつかの実施形態では、機械腕は手首関節を含まない。例えば、いくつかの実施形態では、エンド・エフェクタの屈曲および延長は、肘関節に対応する可撓性区画によって制御される。例えば、いくつかの実施形態では、エンド・エフェクタは、剛性部分(例えば、橈骨に対応する)に連結され、エンド・エフェクタおよび剛性部分両方の屈曲は、剛性部分に連結された可撓性区画によって制御される。
【0305】
ここで
図1Cを再び参照すると、いくつかの実施形態では、機械腕104cは、第2のセグメント116に連結されたエンド・エフェクタ124を含み、連結は剛性連結である(例えば、第3の接続区画を含まず、例えば、手首関節を含まない)。いくつかの実施形態では、機械腕104cは、可撓性の第1の部分108に連結された支持セグメント102を含み、可撓性の第1の部分108は可撓性の第2の部分116に連結される。
【0306】
いくつかの実施形態では、エンド・エフェクタ124および第2のセグメント116は一個片であり、かつ/または剛直に接続される。
【0307】
いくつかの実施形態では、エンド・エフェクタ124は第2のセグメント116とは独立して回転可能であり、例えば、エンド・エフェクタ124はエンド・エフェクタ長軸124Lを中心にして回転可能である。
【0308】
いくつかの実施形態では、手セグメント(例えば、
図1Aおよび
図1Bの124、126、
図2Aの224、
図3の324)はハンド・ツールを含む。いくつかの実施形態では、ハンド・ツールは鋏(例えば、
図1Aの124、
図2Aの224、
図3の324)を含む。ハンド・ツールについてはさらに詳細に後述する。
【0309】
いくつかの実施形態では、デバイスは少なくとも2つの可撓性部分を含み、各可撓性部分は少なくとも120°曲げ可能である。いくつかの実施形態では、2つの可撓性部分はともに180°以下で曲げ可能である。いくつかの実施形態では、2つの可撓性部分はともに180°を超えて曲げ可能である。いくつかの実施形態では、1つまたは2つまたはそれ以上のデバイス可撓性部分は、180°以上曲げ可能である。例示的な実施形態では、組み合わされた屈曲によって、デバイスの曲がりの合計が360°以上になる。例えば、デバイス関節は、例えば
図2Cによって示されるように、デバイスが空間に円および/またはコイルを形成するように曲げられる。
【0310】
いくつかの実施形態では、1つ以上の腕セグメントは、ヒトの動きの自由度よりも動くことができる。例えば、例示的な実施形態では、上腕骨は上腕骨長軸を中心にして回転し、かつ/または橈骨は橈骨長軸を中心にして回転し、かつ/または手は上腕骨長軸を中心にして回転する。
【0312】
いくつかの実施形態では、例えば患者の体内のデバイスは大幅に可撓性である。潜在的な利益は、例えば、患者の体内におけるデバイスの経路および/または動きが可撓性であること(例えば、組織の損傷を低減する)、ならびに/あるいは所望のやり方(例えば、切開部の位置、切開部が作られる角度)で外科的処置を実施するのが可能なことである。
【0313】
上述したように、いくつかの実施形態では、隣接したセグメントに対する各セグメント(および/または有効セグメント)の角度は、例えば、連結関節を中心にしたセグメントの屈曲/延長によって調節可能である。任意選択で、各セグメントは可撓性/延長可能であり、セグメントの近位側関節を中心にして回転可能である。
【0314】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセグメントに対して、セグメントの屈曲は180°以下またはそれ以上であり、セグメントは、近位側セグメント関節の周りで180°以下またはそれ以上回転可能である。いくつかの実施形態では、セグメント遠位端の可能な位置によって、セグメントの近位側関節の周りで円筒が形成される。潜在的な利益は、空間内におけるデバイスの可能な位置が広範囲なことである。
【0315】
例示的な手から胴体までの距離、腕の橈骨間の角度
【0316】
いくつかの実施形態では、デバイスは可撓性なので、デバイスの1つ以上の手および/またはデバイスの橈骨の1つ以上の遠位端の位置は、ほぼ胴体および/または肩関節に配置可能である。いくつかの実施形態では、2つ以上の手および/または橈骨の遠位端は、胴体がともに近接しているとき(例えば、互いの10mm以内、5mm以内、または3mm、または1mm)、および任意選択で、ほぼ胴体および/または肩関節に配置可能である。潜在的な利益は、胴体に近い標的に(例えば、1つ以上のハンド・ツールを用いて)アクセスできることである。
【0317】
いくつかの実施形態では、橈骨の遠位端と肩関節との間隔は、上腕骨または橈骨の長さの40%、または20%、または10%、または5%、または1%まで低減可能である。いくつかの実施形態では、橈骨の遠位端と胴体との間隔は、上腕骨または橈骨の長さの40%、または20%、または10%、または5%、または1%まで低減可能である。
【0318】
いくつかの実施形態では、第1の腕の橈骨長軸と第2の腕の橈骨長軸との間の角度(本明細書では、「橈骨角度」)は、ほぼゼロ(腕が胴体の前方に平行に伸ばされる)と、例えば手が胴体の前方にあって揃っている中間角度を通して、例えば肘が外側にあって手が揃っている、180°以下との間で調節可能である。
【0319】
平行な橈骨(および、例えば20°未満の他の小さい橈骨角度)の潜在的な利益は、デバイスが、アクセスが制限された区域に対して相互作用する(例えば、動作する)のが可能なことであり、例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは狭い通路を通して標的にアクセスする。腕の橈骨間の角度が大きい(例えば、45°超過)ことの潜在的な利益は、腕(例えば、腕手)が胴体に近い標的にアクセスできることである。
【0321】
いくつかの実施形態では、身体内におけるデバイスの潜在的な長さ(例えば、手の軸方向長さ、橈骨の軸方向長さ、上腕骨の軸方向長さ、および胴体の軸方向長さを含む長さ)は長い。
【0322】
いくつかの実施形態では、ヒトの身体内におけるデバイスの最も深い拡張範囲に対して、ヒトの身体内におけるデバイスの潜在的な長さは長い。いくつかの実施形態では、上腕骨セグメントの長さは、20〜100mm、または40〜80mm、または50〜70mm、または約60mmである。いくつかの実施形態では、橈骨セグメントの長さは、10〜90mm、または20〜70mm、または30〜60mm、または約50mmである。
【0323】
例えば、いくつかの実施形態では、デバイスを曲げる、かつ/または折り畳むことが可能なことは、任意選択で、身体内への最大挿入深さ(例えば、皮膚表面および/または切開部位からデバイスの一部分までの最長直線経路として測定される、最大深さ)と比べて、デバイスが患者の身体内の長い経路を移動することを意味する。
【0325】
いくつかの実施形態では、1つ以上の関節は軸方向で長い。例えば、いくつかの実施形態では、関節は1つ以上のセグメント長さに対して長い。例えば、いくつかの実施形態では、関節は、1つ以上のセグメントの最大断面寸法(例えば、セグメント直径)に対して長い。
【0326】
いくつかの実施形態では、デバイス関節は、ヒトの解剖学的構造の関節長さに対して(例えば、セグメント長さおよび/または直径に対して)長い。
【0327】
いくつかの実施形態では、関節長軸長さは、関節の最大断面拡張範囲(例えば、関節の直径)の少なくとも1.5倍、または2倍、または3倍、または5倍である。
【0328】
長い関節の潜在的な利益は、可能な屈曲および/または延長が増加することであり、例えば、いくつかの実施形態では、長い関節は、セグメントが互いに接触することによって屈曲および/または延長が妨げられないことを意味する。
【0329】
1つ以上の長い関節を含むデバイスの潜在的な利益は(例えば、枢動関節および/またはヒンジを備えたデバイスとは対照的に)、デバイスのより小さい横方向拡張範囲で、デバイスを曲げられることである。さらなる潜在的な利益は、例えば、組織に対する侵襲および/または損傷が潜在的に少ない、関節のラウンダーおよび/またはより緩やかな湾曲である。例えば、
図5Aを参照すると、長い関節および/または曲率半径が大きい関節(例えば、いくつかの実施形態では、関節の最小曲率半径は2〜15mm、または4〜12mm、または6〜10mm、または中間の値である)は、小さい横方向の拡張範囲を有する。例えば、小さい横方向拡張範囲は、長い関節の中点と有効セグメント長軸の交点との間の長さLが、例えば関節が45°以上曲げられたときの、関節の遠位側にある肢の有効長さ(例えば、肢長さB’)の5〜50%、または10〜40%、またはより小さいかもしくはより大きいかもしくは中間の範囲または割合であることと関連付けられる。
【0331】
いくつかの実施形態では、胴体厚さ(例えば、直径)および/または肩関節厚さ(例えば、直径)は、1mm〜20mm、または3mm〜15mm、または5mm〜10mm、または中間値である。例示的な実施形態では、胴体直径および/または肩関節直径は約8mmである。
【0332】
いくつかの実施形態では、上腕骨厚さ(例えば、直径)および/または肘関節厚さ(例えば、直径)は、1mm〜15mm、または2mm〜10mm、または4mm〜8mm、または中間値である。例示的な実施形態では、上腕骨厚さ(例えば、直径)および/または肘関節厚さ(例えば、直径)は約6mmである。
【0333】
いくつかの実施形態では、橈骨厚さ(例えば、直径)および/または肩関節厚さ(例えば、直径)は、0.5mm〜10mm、または1mm〜6mm、または3mm〜4mm、または中間値である。例示的な実施形態では、橈骨厚さ(例えば、直径)および/または手首関節厚さ(例えば、直径)は約3〜4mmである。
【0334】
いくつかの実施形態では、上腕骨セグメントの中心長軸長さは、20〜100mm、または40〜80mm、または50〜70mm、または約60mm、または中間値である。いくつかの実施形態では、橈骨セグメントの中心長軸長さは、10〜90mm、または20〜70mm、または30〜60mm、または中間値、または約50mmである。
【0335】
いくつかの実施形態では、関節の最小曲率半径は、2〜15mm、または4〜12mm、または6〜10mm、または中間値である。
【0336】
例示的な実施形態では、関節の最小曲率半径は約10mmである。追加の例示的な実施形態では、関節の最小曲率半径は6mmである。
【0337】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセグメントは薄い。いくつかの実施形態では、薄いセグメントは、長軸長さの約20%以下、または長軸長さの10%以下、または長軸長さの8%以下、または長軸長さの6%以下、または中間値の、セグメント長軸に垂直な最大拡張範囲を有する。薄いデバイスの潜在的な利益は、身体内におけるデバイスの侵襲性が低減されることであり、例えば、デバイスが変位させる、かつ/または損傷する組織は、長さが同じ幅広のデバイスよりも少ない。
【0338】
図4Bは、本発明のいくつかの実施形態による、機械腕404の簡略化された概略側面図である。
【0339】
いくつかの実施形態では、支持セグメントおよび肩関節は、ほぼ同じ厚さおよび/または断面形状および/または寸法を有する。いくつかの実施形態では、肩関節および上腕骨セグメントは、ほぼ同じ厚さおよび/または断面形状および/または寸法を有する。いくつかの実施形態では、肘関節および橈骨セグメントは、ほぼ同じ厚さおよび/または断面形状および/または寸法を有する。
【0340】
いくつかの実施形態では、肘関節および/または橈骨セグメントの厚さ(例えば、
図4Bの寸法C)は、1〜20mm、または3〜15mm、または7〜11mm、または約9mm、またはより薄いかもしくは厚いかもしくは中間の範囲または厚さである。例示的な実施形態では、寸法Cは9mmである。
【0341】
例示的な実施形態では、支持セグメント厚さ(例えば、直径)、つまり寸法Dは8mmである。
【0342】
いくつかの実施形態では、肩関節、上腕骨セグメント、肘関節、およびエンド・エフェクタの長さを含む橈骨セグメントを含む、機械腕の一部分の中心長軸長さEは、50〜200mm、または80〜150mm、または90〜120mm、または約110mm、またはより短いかもしくは長いかもしくは中間の範囲または長さである。例示的な実施形態では、長さEは111.7mmである。
【0343】
いくつかの実施形態では、2つ以上の機械肢を含むデバイスの2つの支持セグメント(胴体セグメント)は、肢支持セグメントの長軸がほぼ平行である(例えば、平行の5°もしくは10°もしくは20°以内)であるようにして構成される(例えば、基部に取り付けられる)。いくつかの実施形態では、肢支持セグメントの長軸は異なる方向で構成される。
【0344】
ヒトの腕に対する例示的な構造上の相違および類似
【0345】
いくつかの実施形態では、2つ以上のセグメントはヒトのセグメント長さ比と同様の長さ比を有する。
図4Aは、本発明のいくつかの実施形態による、ヒトの上半身401を示す簡略化した概略図と比較することによってデバイス・ヒューマノイドのプロポーションを示した、デバイス400の簡略化した概略側面図である。いくつかの実施形態では、デバイスおよび/または腕の2つの寸法間の比は、等価の平均的なヒトの比とほぼ同様である。例えば、いくつかの実施形態では、上腕骨セグメント中心長軸長さは、橈骨セグメント中心長軸長さよりも約20%長い。いくつかの実施形態では、上腕骨セグメント長軸長さは、橈骨長さよりも約15%、または約25%長い。
【0346】
いくつかの実施形態では、有効セグメント長さは可撓性区画の中点間の中心長軸に沿って測定され、またはセグメントが最も遠位側のセグメントである場合、セグメントの遠位端と、セグメントの近位端を腕に取り付ける可撓性部分の中点との間の中心長軸に沿って測定される。
【0347】
いくつかの実施形態では、デバイスには1つ以上のセグメントがない(例えば、全体が可撓性部分で構成される)。いくつかの実施形態では、有効セグメント長さは、いくつかの実施形態では、可撓性部分の中点間の中心長軸に沿って(または、いくつかの実施形態では、直線の長さとして)測定される。いくつかの実施形態では、最も遠位側の可撓性部分の場合、有効セグメント長さは、最も遠位側の可撓性部分の遠位端と、最も遠位側の可撓性部分の近位端に連結された可撓性部分の中点との間の中心長軸に沿って(または、いくつかの実施形態では、直線の長さとして)測定される。
【0348】
いくつかの実施形態では、有効セグメント長さは、隣接したセグメントの中心点における長軸に正接する軸の延長部(または、セグメントがない場合、可撓性部分が接続する可撓性部分の長軸に正接する軸の延長部)の交点間の直線の長さとして測定される。最も遠位側の有効セグメントの有効セグメント長さは、いくつかの実施形態では、隣接したセグメントの中心点における長軸に正接する軸の長軸延長部(または、セグメントがない場合、可撓性部分が接続する可撓性部分の長軸に正接する軸の延長部)と、最も遠位側のセグメントの遠位端(または、最も遠位側のセグメントがない場合、デバイスは可撓性部分および/またはエンド・エフェクタにおいて遠位側で終端し、最も遠位側の可撓性部分の遠位端)との交点間の直線の長さとして測定される。
【0349】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセグメント有効長さ比は、平均ヒューマノイドセグメント長さ比とほぼ同じである。例えば、
図4Bを再び参照すると、いくつかの実施形態では、有効橈骨長さはA、有効上腕骨長さはBであり、長軸長さの比A対Bは、ほぼヒトの橈骨対上腕骨長さ(例えば、約1:1.2)である。
【0350】
いくつかの実施形態では、デバイス腕が異なる構成である、例えば異なる可撓性部分の曲げの拡張範囲が異なるとき、1つ以上の有効セグメント長さ比は、対応するヒトセグメント比の範囲内に留まる。
【0351】
図5Aは、本発明のいくつかの実施形態による、可能なデバイス位置、および/または時間に伴うデバイスの動きを示している。例えば、腕構成504は、有効セグメント長さA’、B’が両方とも、デバイス腕が直線のときの長さから増加された構成を示している。有効セグメント長さは、セグメントの中心部分の延長された中心長軸間の交点から測定され、最も遠位側のセグメント(例えば、有効長さA’)の場合、セグメントの遠位端から交点まで測定される。
【0352】
いくつかの実施形態では、関節における曲げを増加することによって個々の有効セグメント長さが増加する。例えば、有効長さB’’は有効長さB’よりも短い。しかしながら、有効長さ間の、例えば有効上腕骨長さと橈骨長さとの間の比は、腕が、1つの関節が曲げられ別の関節が直線である直線位置にあるときに、その比から最も大幅に変化する。例えば、デバイス腕が肩関節では曲がり、肘関節では直線のとき、上腕骨の有効長さは、腕が直線位置にあるときの上腕骨長さよりも増加するが、橈骨の有効長さは腕が直線位置にあるときと変化しない。
【0353】
図5B〜
図5Dは、本発明のいくつかの実施形態による、機械腕の簡略化された概略側面図である。
【0354】
あるいは、有効な肢は、可撓性区画の(長手方向および/または径方向の)中心点を接続する直線であると見なされる。
図5Bおよび
図5Cは、有効な第1のセグメントが、長さC’が肩の中点591と肘の中点593とを接続する直線であり、有効な第2のセグメントが、長さD’が手首の中点595と肘の中点593とを接続する直線である、有効な肢を示している。
【0355】
例示的な実施形態では、長さA(
図4B)は36.2mm、長さBは44mm(
図4B)である。例示的な実施形態では、長さC’(
図5B)は48mm、長さD’(
図5B)は40mm、長さC’’(
図5B)は44mm、長さD’’(
図5B)は36mmであり、有効な第1のセグメント長さと有効な第2のセグメント長さの比は、(例えば、肩関節が静止しているときの肩関節の異なる曲がり角度に関して)約1.2でほぼ同じままである。
【0356】
あるいは、有効な肢は、腕の位置の中央長手方向長軸に沿って測定されたものと見なされ、第1のセグメント有効長さは、手首の中点から肘の中点まで測定された長手方向長軸に沿って測定され(例えば、
図5Dに示される長さE+F)、第2のセグメント有効長さは、手首の中点から肘の中点まで測定された長手方向長軸に沿って測定される(例えば、
図5Dに示される長さG+H)。例示的な実施形態では、長さEは31.3mm、長さFは18.3mm、長さGは18.3mm、および高さHは23mmである。
【0357】
図4Aを再び参照すると、いくつかの実施形態では、デバイスはヒトの解剖学的構造よりも薄い。例えば、いくつかの実施形態では、最大デバイス・セグメント断面積に対するデバイス・セグメント軸長さの比は、平均のヒト解剖学的構造比よりも大きく、例えば1.5倍超過、または2倍超過、または4倍超過、または10倍超過である。
【0358】
薄いデバイスの潜在的な利益は、組織の変位は最小限で、かつ/または組織の損傷は最小限で、体内の標的に近付くのが可能なことである。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスの挿入に要する切開部のサイズは小さい。いくつかの実施形態では、デバイスは1つの腕を含み、切開部サイズは、17mm未満、または15mm未満、または10mm未満、または約8mmである。いくつかの実施形態では、デバイスは2つ以上の腕を含み、切開部サイズは、30mm未満、または20mm未満、または約16mmである。
【0359】
いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイス・セグメント長さに対して、平均的なヒトの肩部よりも幅が狭い肩部を有し、例えば、第1の胴体の近位側にある上腕骨の第1の腕端部と、第2の胴体の近位側にある上腕骨の第2の腕端部との間で測定される最大デバイス肩部は、上腕骨長さに対して短く、平均的なヒトの比の75%未満、または50%未満、または25%未満である。
【0360】
いくつかの実施形態では、胴体長さは、例えば、1つ以上の腕セグメント長さに対して、ヒトの胴体長さよりも長い。長い胴体の潜在的な利益は、広範囲の必要な深さまで、デバイスを患者の体内に挿入できることである。
【0362】
いくつかの実施形態では、腕は異なる幾何学形状および/または特徴を有する。例えば、いくつかの実施形態では、異なる腕は異なるハンド・ツールを有する。
図1を再び参照すると、第1の腕104は鋏状ハンド・ツール124を有し、第2の腕106は握持ハンド・ツール126を有する。ハンド・ツールについてはさらに詳細に後述する。
【0363】
いくつかの実施形態では、異なる腕は異なるセグメントおよび/または関節の幾何学形状を有する。
図6は、本発明のいくつかの実施形態による、複数の腕を含むデバイスの簡略化された概略側面図である。いくつかの実施形態では、第1の腕604は、第2の腕の肩関節610よりも長い肩関節608を有する。任意選択で、いくつかの実施形態では、セグメント寸法および/またはヒンジ寸法および/または動きの自由度は、異なる腕では異なる。
【0365】
いくつかの実施形態では、デバイスは2つの腕を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは1つの腕を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは3つ以上の腕を含む。
図7は、本発明のいくつかの実施形態による、3つ以上の腕を含むデバイス700の簡略化された概略側面図である。いくつかの実施形態では、デバイス700は、第1の腕704と、第2の腕706と、第3の腕705とを含む。
【0366】
任意選択で、1つ以上の腕は異なるハンド・ツールを有する。いくつかの実施形態では、第1の腕704は鋏状ハンド・ツール724を有し、第2の腕706および第3の腕705は握持ハンド・ツール726、725を有する。ハンド・ツールについてはさらに詳細に後述する。
【0367】
任意選択で、2つ以上の胴体は互いに連結される。
【0368】
いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス機械肢は1つ以上の他の肢よりも大きい。いくつかの実施形態では、デバイスは3つの機械腕を含み、ほぼ同じ寸法を、例えば、セグメント長軸長さ、および/または関節長軸長さ、および/またはセグメント長軸に垂直な最大セグメント拡張範囲、および/または関節長軸に垂直な最大関節拡張範囲を有する、第1および第2の腕を備える。例示的な実施形態では、第3の腕は第1および第2の腕よりも大きい。
【0369】
いくつかの実施形態では、より長い腕は、対応する第1および/または第2の腕のセグメント寸法の1.5倍、または2倍、または5倍、または10倍の大きさの、1つ以上の部分寸法(寸法が、セグメント長軸、関節長軸、セグメント長軸に垂直なセグメント最大拡張範囲、および関節長軸に垂直な関節最大拡張範囲を含む場合)を有する。より長い腕の潜在的な利益は、例えば、腕がより多くの力を(例えば、組織に対して)加えられること、および/または腕を組織のより大きい表面積に接触させられることである。
【0370】
いくつかの実施形態では、より長い腕(例えば、より長い第3の腕)は、(例えば、後述するように)腕の動きを制御する追加の細長い要素を含む。例えば、いくつかの実施形態では、より長い腕は、2つの細長い要素、または3つ以上の細長い要素、または4つの細長い要素を含む。いくつかの実施形態では、第3の腕は第1および第2の腕よりも少ない関節を含む。いくつかの実施形態では、第3の腕は、例えば、標的区域へのアクセスを提供し、かつ/またはそこに対する張力を増加させるため、患者の解剖学的構造を保持および/または押圧および/または再位置付けするのに使用される。
【0371】
いくつかの実施形態では、第3の腕は足の動きを模倣することによって制御される。いくつかの実施形態では、第3の腕は第1のユーザ脚の動きを模倣することによって制御され、第4の腕は第2のユーザ脚の動きを模倣することによって制御される。
【0373】
任意選択で、いくつかの実施形態では、デバイス700は1つ以上の追加の構成要素を含み、構成要素は例えば、機械肢に連結される。いくつかの実施形態では、構成要素は身体内に挿入され、任意選択で、1つ以上の機械デバイス肢と同じ切開部に挿入され、例えば、構成要素は追加のツールである。
【0374】
いくつかの実施形態では、デバイス700はサービストンネル740を含む。いくつかの実施形態では、サービストンネルは、デバイス腕内の開口部および中空部分によって形成される。いくつかの実施形態では、サービストンネルは別個の構成要素である。いくつかの実施形態では、サービストンネル740は、例えば縫合ワイヤを渡す、腕の部位に対するアクセスを提供する。
【0375】
いくつかの実施形態では、デバイス700は吸引および/または灌注のためのチューブ742を含む。任意選択で、チューブ742はサービストンネル740を通して挿入される。いくつかの実施形態では、吸引チューブを使用して、外科手術の分野で知られているように、手術中の流体、例えば血液が抽出される。
【0376】
いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば患者の体内からの画像を提供する、1つ以上の画像診断デバイス(例えば、カメラ、超音波デバイス)を含む。内部カメラについてはさらに詳細に後述する。
【0377】
いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば、デバイス内および/または患者の体内の条件に関する情報を提供する、1つ以上のセンサ、例えば温度センサ、運動センサ、圧力センサを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の圧力センサを使用して、力のフィードバックがユーザに提供される。
【0378】
いくつかの実施形態では、胴体および任意選択で追加のツールは、例えば、互いに20mm、または10mm、または5mm以内で、ともに近接して位置付けおよび/または連結され、潜在的な利益は、小さい切開部および/または小さい自然開口にデバイスが挿入されることである。
【0379】
いくつかの実施形態では、追加のツールは、ユーザ組織を保持および/または押圧し、例えば切断のために組織を離して保持して、切断される組織に対して張力を提供するのに使用される。任意選択で、組織を保持するハンド・ツールは拡張部分を含み、その表面は、1つ以上の部分を、他の部分を越えて展開および/または膨張および/または摺動させることによって、拡張することができる(例えば、扇状の構造)。
【0381】
いくつかの実施形態では、複数の腕を含むデバイスは、外科用および/または治療用システムの一部である。
図8は、本発明のいくつかの実施形態による、システム850の簡略化された概略ブロック図である。
【0382】
いくつかの実施形態では、システムはユーザ制御852を含み、それを通してユーザは複数の腕を含むデバイス800を方向付ける。
【0383】
いくつかの実施形態では、デバイス800は1つ以上の画像診断デバイス856を含む。
【0384】
いくつかの実施形態では、デバイス800は、デバイスコントローラ855を、例えばモータ(例えば、腕セグメントの動きを制御する)を含む。
【0385】
任意選択で、デバイス制御の1つ以上の部品はデバイスの外部にある。任意選択で、デバイス制御の1つ以上の部品は手動であり、例えば、ユーザは(例えば、デバイスの身体内への挿入および/または抽出によって、例えば、1つ以上の細長い要素を引っ張ることによって、例えば、1つ以上のセグメント延長部を回転させることによって)動きを直接制御する。
【0386】
いくつかの実施形態では、システム850は、1つ以上の画像診断デバイス858、例えば外部画像診断デバイス、例えば超音波を含む。
【0387】
いくつかの実施形態では、システムは、例えば、情報および/または画像をユーザに対して示す、ディスプレイ854を含む。
【0388】
いくつかの実施形態では、システム850は、例えば、画像診断デバイス856、858によって収集された画像を格納する、データベース860を含む。
【0389】
任意選択で、システム850は1つ以上の処理アプリケーションを含む。いくつかの実施形態では、デバイス制御は自動であり、例えば、処理アプリケーションがモータおよび/またはアクチュエータの動きを制御する。
【0390】
いくつかの実施形態では、画像診断デバイス856および/または画像診断デバイス858および/またはデータベース860および/またはディスプレイ854のうちの1つ以上は、処理アプリケーションを含む。いくつかの実施形態では、単一の処理アプリケーションが2つ以上のシステム要素を制御する。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザ制御852およびディスプレイ854は、単一ユニット(例えば、コンピュータおよび/またはタッチスクリーン)の一部である。
【0391】
いくつかの実施形態では、システム850の1つ以上の部分は異なる場所にある。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス800は第1の場所にあり、ユーザ制御852およびディスプレイ854は第2の場所にある。例えば、外科医の手術を受けている患者が異なる場所に、例えば異なる部屋および/または数キロメートル離れたところにいることが容易になる。
【0393】
いくつかの実施形態では、外科用デバイスは、入力デバイスを使用して制御される(例えば、外科用システムの動き)。別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、外科用システムは、測定されたユーザ身体の動きによって制御される。
【0394】
図42Aは、本発明のいくつかの実施形態による、制御システム4250の簡略化された概略ブロック図である。
【0395】
いくつかの実施形態では、システム4250は入力デバイス4200ipを含み、入力デバイス4200ipは1つ以上のセンサ4210を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ4210は、入力デバイスの位置に基づいて出力を生成する(例えば、センサについては、本明細書の別の箇所でさらに詳細に記載する)。
【0396】
任意選択で、いくつかの実施形態では、入力デバイス4200ipは、1つ以上のユーザ・インターフェース4212を、例えば、(例えば入力デバイス腕に装着された)1つ以上のボタンおよび/またはタッチスクリーンを含む。
【0397】
別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、ユーザ・インターフェースは入力デバイスの別の部分に、例えば、外科用デバイス支持体上および/または別の部分上、例えば患者ベッド上に装着される。
【0398】
任意選択で、いくつかの実施形態では、入力デバイス4200ipは、例えば、センサ4210および/またはユーザ・インターフェースによって生成された信号を処理および/または格納する、内部プロセッサおよび/またはメモリ(図示なし)を含む。
【0399】
入力デバイス4200ipの代わりに、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、システム4250はユーザ運動検出装置4256を含む。いくつかの実施形態では、装置4256は1つ以上の運動検出センサ4758を含む。例示的な実施形態では、運動検出センサ4758は1つ以上のカメラである。いくつかの実施形態では、1つ以上の運動検出センサ4758は、収集された画像からユーザの身体部分の位置および/または動きを検出する内部プロセッサを含み、内部プロセッサは、検出された身体部分の位置をプロセッサ4716に送信する。いくつかの実施形態では、センサ4758は生の画像データをプロセッサ4216に送信する。
【0400】
いくつかの実施形態では、システム4250はプロセッサ4216を含み、プロセッサは、入力デバイス4200ipから(かつ/またはユーザ運動検出装置4256から)信号を受信し、受信した信号に基づいて、1つ以上の外科用デバイス・モータ4214を制御する制御信号を生成する。
【0401】
いくつかの実施形態では、(例えば、「例示的なフィルタ処理」の項に記載するように)プロセッサが入力デバイスから受信した信号は、例えば、制御信号を生成する際にフィルタ処理される。
【0402】
任意選択で、いくつかの実施形態では、プロセッサ4216はディスプレイ4254と通信する。例えば、例示的な実施形態では、ディスプレイは、例えば、入力デバイス4200ipおよび/または外科用デバイス・モータ4214から受信した信号に基づいて、入力デバイスおよび/または外科用デバイスの図形表現を表示する。
【0404】
いくつかの実施形態では、デバイス手の動きおよび配向は、ユーザの手の動きおよび/または入力デバイスの動きおよびデバイスの他の部分の動きによって制御され、例えばロボティクスによって制御され、当該分野で知られているように逆運動学によって制御され、その場合、逆運動学は、3D空間内におけるいくつかの身体セグメントの運動を所与として、身体セグメントの関節角度の計算に関係する。
【0405】
いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の関節の動きおよび/または位置は、ロボティクスを使用して、例えば、任意選択で動きの制約を有する逆運動学を使用して制御される。
【0406】
いくつかの実施形態では、1つ以上の関節(および/またはセグメント)の動きは、対応するユーザ関節の測定されたマッピングした動きおよび/または対応する入力デバイス関節の測定された動きによって制御され、1つ以上の他の関節は、例えばロボティクスによって、自動的に制御される。ユーザが1つ以上の関節を制御することの潜在的な利益は、ユーザがデバイスの経路を制御して、例えば、障害物を回避する(例えば、器官などの障害物に対する損傷を回避する)。
【0407】
いくつかの実施形態では、デバイス腕エンド・エフェクタ(例えば、ハンド・ツール)の動きは、対応するユーザ身体部分の測定されたマッピングした動き、および/または対応する入力デバイス部分の測定されたマッピングした動き(例えば、ユーザの手首関節および/または手位置および/または橈骨遠位端)によって制御され、1つ以上の他の関節の動きは、例えばロボティクスによって自動的に制御される。
【0408】
いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば障害物の周りの、所望の経路上(例えば、身体内)で、デバイスを操縦する(例えば、表示画像によって支援される)。関節の経路および/または動きはユーザによって指定されるので、いくつかの実施形態では、デバイスの運動は、所望の位置でエンド・エフェクタを位置付ける動きが自動的に計算および/または最適化される、ロボティクスを使用して制御されるデバイスよりも、効率が悪い(例えば、速度が遅い、経路の長さが長い)。
【0409】
いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス腕の制御は半ロボット的であり、ユーザ身体部分の測定された動きおよび/または入力デバイスの測定された動きが、ロボティクス計算の開始点として使用され、そこでデバイスの位置および/または動きが(例えば、逆運動学を使用して)計算される。いくつかの実施形態では、測定されたユーザ身体の動きをマッピングする際、1つ以上のデバイス部分の位置は、ユーザ身体部分の30%以内または20%以内または10%以内である。
【0410】
図42Bは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス腕の制御方法のフローチャートである。
【0411】
4302で、任意選択で、外科用デバイスおよび/またはユーザ腕および/または入力デバイス腕の位置が初期化(例えば、整合)される。いくつかの実施形態では、4302で、外科用デバイス腕の位置(例えば、セグメント長軸間の角度)およびユーザの腕の位置が初期化される。
【0412】
4304で、ユーザ関節の動きおよび/または入力デバイスの動きが測定される。
【0413】
いくつかの実施形態では、デバイス腕およびユーザ腕(および/または入力デバイス腕)が、ほぼ同じ位置にあると(例えば、いくつかの実施形態では、整合は、ユーザデバイス腕の位置の間の矛盾が閾値を上回ったときにのみ求められる)、4304で、少なくとも1つのユーザ腕の位置が測定される。
【0414】
4306で、測定された動きが処理される。いくつかの実施形態では、処理は、測定された入力オブジェクトの動きを外科用デバイス関節の動きにマッピングすることを含み、例えば、ユーザ身体の動きが、例えば関節の解剖学的構造に対するユーザの解剖学的構造のマッピングを使用して、デバイスの制御に使用される。
【0415】
いくつかの実施形態では、入力デバイスの動きを外科用デバイスの動きにマッピングすることは、有効入力デバイス・セグメント間の角度を有効外科用デバイス・セグメント間の角度にマッピングすることを含む。上記に記載したのは、有効外科用デバイス・セグメントの異なる説明であり、異なる実施形態では、本明細書に記載する、有効外科用デバイス・セグメントを判断および/または測定する各方法は、入力デバイスの動きを外科用デバイスの動きに対してマッピングする際に使用される。
【0416】
いくつかの実施形態では、入力オブジェクト・デバイス部分のマッピングされた中点(例えば、関節の中点)は、(例えば、入力オブジェクト・デバイス関節の中点の動きを外科用デバイス関節の中点にマッピングすることによって)外科用デバイスを制御するのに使用される。
【0417】
いくつかの実施形態では、マッピングは、入力オブジェクトの構造と外科用デバイスの構造との間の矛盾を補正することを含む。
【0418】
任意選択で、いくつかの実施形態では、処理は、測定された動きをフィルタ処理すること(許可されない動きを除去するため)を含む。いくつかの実施形態では、処理は、制御モードにしたがって処理することを含み、例えば、制御モードは
図48に関して記載するようなものである(例えば、タイミング・モードにおける時間遅延の導入)。
【0419】
4308で、1つ以上の外科用デバイス腕は、処理された所望のデバイスの動きにしたがって動かされる。
【0420】
入力デバイスを含む例示的な外科用システム
【0421】
いくつかの実施形態では、外科用システムは、入力デバイスの動きによって制御可能な外科用デバイスを含む。いくつかの実施形態では、外科用デバイスは患者に挿入される(例えば、腹腔鏡手術の間)。
【0422】
図43は、本発明のいくつかの実施形態による、入力デバイス4400ipを使用して外科用デバイス4400を制御しているユーザ4464の写真である。
【0423】
いくつかの実施形態では、入力デバイスは、入力デバイスの第1の腕4404ipと入力デバイスの第2の腕4406ipとを含む。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、2つよりも少ないかまたは多い腕を、例えば1つの腕、3つの腕、2つ〜6つの腕を含む。
【0424】
いくつかの実施形態では、入力デバイス腕はそれぞれ、対応する外科用デバイス腕の動きを制御し、例えば、入力デバイスの第1の腕4404ipは外科用デバイスの第1の腕4404ipを制御し、入力デバイスの第2の腕4406ipは外科用デバイスの第2の腕4406を制御する。
【0425】
いくつかの実施形態では、入力デバイス腕は、外科用デバイスの別の部分を、例えば、外科用デバイスとともに挿入された画像装置を制御するのに使用される。いくつかの実施形態では、2つ以上の腕が外科用デバイスの単一の部分(例えば、腕)を制御するのに使用される。
【0426】
いくつかの実施形態では、外科用デバイスは、第1の外科用腕4404と第2の外科用腕4406とを含む。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、第1の入力デバイス腕と第2の入力デバイス腕とを含み、例えば、第1の入力デバイス腕4404ipの動きによって第1の外科用腕の動きを制御し、かつ/または第2の入力デバイス腕4406ipの動きによって第2の外科用腕の動きを制御する。
【0427】
いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、入力デバイスの一部分をユーザの手で把持および/またはガイドすることによって、入力デバイスを手動で動かす。いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザの手および/または腕を用いて、入力デバイス腕の2つ以上の部分をガイドする。例えば、
図43に示されるように、ユーザ4464は、入力デバイス上腕骨4416ipをユーザの手首および/または腕4464wでガイドしながら、入力デバイス橈骨4424ipをユーザの手4464hで把持および/またはガイドすることによって、入力デバイス腕の橈骨を制御する。
【0428】
例示的な実施形態では、ユーザは、1つの入力デバイス腕の一部分をそれぞれの手で把持する。例えば、
図43に示されるように、ユーザは、入力デバイス橈骨を把持および/またはガイドすることによって、各入力デバイス腕4404ip、4406ipを動かす。
【0429】
図43は、本発明のいくつかの実施形態による、入力デバイス4400ipを使用して外科用デバイス4400を制御しているユーザ4464の写真である。
【0430】
いくつかの実施形態では、上述したように、外科用システムは測定されたユーザ身体の動きを使用して、外科用デバイスを制御する。
【0431】
図44Aは、本発明のいくつかの実施形態による、外科用システムの使用を示す簡略化された概略図である。いくつかの実施形態では、(例えば、切開部4562を通して)患者4560に挿入されているデバイス4500の動きは、ユーザ4564の動きを模倣することによって制御される。
【0432】
例えば、
図42Aに関して上述したように、いくつかの実施形態では、システムは運動検出装置を含む。例示的な実施形態では、1つ以上のセンサがディスプレイ上に装着される(ディスプレイの例示的な機能性は、例えば、本明細書の別の箇所に記載している)。
【0433】
外科用システムの部品の例示的な位置付け
【0434】
図44Bおよび
図44Cは、本発明のいくつかの実施形態による、外科用システムの簡略化された概略図である。いくつかの実施形態では、治療されている(例えば、手術を受けている)患者4760は、少なくとも部分的に、患者支持面4780(例えば、手術台および/または患者ベッド、患者支持面という用語は、本明細書では交換可能に「ベッド」とも称される)によって支持される。いくつかの実施形態では、任意選択でベッド4780に装着される外科用デバイス4700は、患者4760を治療する(例えば、手術を行う)のに使用される。いくつかの実施形態では、外科用デバイス4700の少なくとも一部分は、例えば、自然開口(例えば、膣)を通して、かつ/または切開部を通して、患者4760に挿入される。
【0435】
いくつかの実施形態では、入力デバイス4700ipは患者に近接して位置付けられ、例えば、患者ベッド上、および/または患者の1mもしくは50cmもしくは20cm以内に装着される。いくつかの実施形態では、ユーザ(例えば、外科医)を患者に近接して配置できることによって、ユーザが滅菌野の中にいることが可能になり、かつ/または潜在的に、緊急的状況におけるユーザの応答時間が低減され、例えば潜在的に、外科医が患者および/または医療チームの他のメンバーとやり取りすることが可能になる。
【0436】
いくつかの実施形態では、入力デバイス4700ipは、患者ベッドおよび/または床に取り付けられる(例えば、
図45Dの支持体5101ipは患者ベッドおよび/または床に連結される)。
【0437】
いくつかの実施形態では、例えば、
図44Bによって示されるように、外科医が従来の腹腔鏡手術位置に、例えば患者の胴体に近接して位置付けられるようにして、入力デバイス4700ipが位置付けられる。
【0438】
いくつかの実施形態では、例えば、
図44Cに示されるように、入力デバイス4700ipは、患者の脚の間に位置付けられる(例えば、入力デバイス4700ipは、(例えば、少なくとも部分的に広げられた)患者の脚の間に収まるように、サイズおよび/または形状が決められる)。例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイスの外科用設置面積(例えば、入力デバイスが占める床面積)は、1cm
2〜1m
2、または10cm
2〜50cm
2、または20cm
2〜50cm
2、またはそれよりも狭いもしくは広いもしくは中間の範囲または区域である。
【0439】
例えば、例示的な実施形態では、(例えば、
図44Cによって示されるように)患者4760の脚は広げられ、例えば、脚はベッド4780に取り付けられたあぶみ(図示なし)によって保持される。外科用デバイス4700は、例えば、膣から患者4760に挿入され、入力デバイス4700ipおよび/または外科医4764は患者の脚の間に位置する。
【0440】
いくつかの実施形態では、外科用システムは、(例えば、
図8のディスプレイ854を参照して記載したような)ディスプレイ4764を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイ4764は、例えば
図44Bに示されるような、腹腔鏡処置におけるディスプレイの位置を複製するように位置および/または角度が決められる。いくつかの実施形態では、患者の身体はディスプレイを形成し、例えば、患者の身体上に、(例えば、患者に挿入されたカメラからの、かつ/または画像装置、例えばMRI、CT、超音波などによって収集された)画像が投影される。
【0441】
いくつかの実施形態では、治療は、例えば
図44Cに示されるような腹腔鏡処置であるが、ディスプレイ4764は、開放手術の外科医における治療の視野を複製するように位置および/または角度が決められる。
【0442】
次に
図44Aを参照すると、いくつかの実施形態では、デバイスは、さらにまたは別の方法として、測定されたユーザ身体の動きによって制御される。いくつかの実施形態では、ユーザが、測定された身体の動きを用いてデバイスの動きを制御する場合、ユーザは許容範囲内に、例えば、ユーザ身体の動きを検出するカメラの指定された視野内にある。いくつかの実施形態では、システムは、許容範囲(例えば、床の上の印、印付けおよび/または指定された椅子)に関する指示を含む。いくつかの実施形態では、許容範囲は、ユーザによって調節可能である(例えば、ユーザは、いくつかの実施形態では、運動検出機器を所望の場所へと動かす)。
【0444】
いくつかの実施形態では、ユーザは、オブジェクト(本明細書では、「入力オブジェクト」または「アバタ」と称される)を動かすことによってデバイスを制御する。
【0445】
いくつかの実施形態では、患者の体内におけるデバイスの1つ以上の部分の位置および/または動きは、ユーザがデバイスの1つ以上の部分のアバタを動かすことによって制御される。いくつかの実施形態では、アバタは、デバイスの1つ以上の部分を任意選択で縮小または拡大したモデルである。任意選択で、アバタは、いくつかの実施形態では、アバタの位置および/または動きを測定する、1つ以上のセンサを含む。いくつかの実施形態では、アバタの動きはモーション・キャプチャ技術を使用して測定される。いくつかの実施形態では、アバタは、マーカを含み、かつ/または少なくとも部分的に、例えばモーション・キャプチャを支援するため、反射材料で被覆される。いくつかの実施形態では、アバタは固定の制御コンソールの一部である。
【0446】
いくつかの実施形態では、アバタは手持ち式であり、ならびに/あるいは台および/または机に固定可能である。
【0447】
外科用デバイスの動きに対する入力デバイスの動きの例示的なマッピング
【0448】
図45Aは、本発明のいくつかの実施形態による、入力デバイス腕4804ipの簡略化された概略側面図である。
図45Bは、本発明のいくつかの実施形態による、外科用デバイス腕4804の簡略化された概略側面図である。いくつかの実施形態では、入力デバイス腕4804ipは外科用デバイス腕4804を制御する。
【0449】
いくつかの実施形態では、入力デバイス構造は、外科用デバイスの(任意選択で比率を定められた)比および/または寸法、また任意選択で、外科用デバイスとは合致しない1つ以上の他の寸法および/または比とほぼ同じ(本明細書では「合致する」とも称される)、1つ以上の比および/または寸法を有する。
【0450】
例えば、例示的な実施形態では、入力デバイスおよび外科用デバイスの2つの有効セグメント長さ間の長さ比はほぼ同じであり、例えば、比の間の差の0〜5%、もしくは0〜1%、もしくは0〜0.5%、またはそれよりも少ないもしくは多いもしくは中間の範囲または値である。有効セグメント長さが、他のセグメントの長軸の交点間における、かつ/または軸の交点とセグメントの終点との間における、セグメントの中心長軸の長さである場合。
【0451】
例えば、
図45Aを参照すると、入力デバイス腕4800ipの上腕骨4812ipの有効長さは、支持体(例えば、支持長軸4803ip)を備えた上腕骨長軸4813ipと橈骨長軸4817ipの交点の間で測定された、長さHipである。入力デバイス腕4800ipの橈骨4816ipの有効長さは、橈骨長軸4817ipと入力デバイス橈骨4816ipの終点の交点の間で測定された、長さRipである。
【0452】
潜在的に、有効入力デバイス橈骨長さが、エンド・エフェクタの長さを含まない有効外科用デバイス橈骨長さに対応することは、異なるエンド・エフェクタ(例えば、異なるサイズのエンド・エフェクタ)を備えた外科用デバイスに対して、制御の精度が維持されることを意味する。
【0453】
いくつかの実施形態では、入力デバイスと外科用デバイスとの間における、1つ以上の整合セグメント長さ比によって、例えば、デバイス間の構造上の違いにかかわらず、入力デバイスを用いて外科用デバイスを直感的に制御することが可能になる。例えば、いくつかの実施形態では、外科用デバイス(例えば、本明細書の別の箇所に記載するような)は、長い接続部分を含むが、いくつかの実施形態では、(例えば、
図43および/または
図45Aおよび/または
図45Gに示されるように)入力デバイス腕関節はピボットを含む。
【0454】
いくつかの実施形態では、入力デバイスと外科用デバイスとの間の有効セグメント長さ比は整合するが、実際のセグメント長さ比は整合しない。例えば、いくつかの実施形態では、外科用デバイスは、(例えば、本明細書の「例示的な長い関節」と題したセクションに記載されるような)長い接続部分を含み、外科用デバイスを制御することができる入力デバイスは、短い接続部分、例えばピボット接続(例えば、
図45Aに示されるような)を含む。潜在的に、利点は、入力デバイスの制御が簡単なこと(例えば、入力デバイス・セグメントはピボットを中心にして自由に回転し、例えば、入力デバイス・セグメントは、望ましくない自由度で長い関節から動かない)、および/または角がない形状(例えば、患者の組織を損傷しにくい)を有する外科用デバイスの制御が簡単なことである。
【0455】
例示的な実施形態では、1つ以上の入力デバイス・セグメントの厚さ(例えば、円筒状セグメントの直径、および/または最大のセグメント断面寸法)は、外科用デバイスのものとは異なる(例えば、それよりも大きい)。入力デバイス・セグメント厚さを増加させることによって、潜在的に、センサおよび/または係止デバイス(例えば、本明細書の別の箇所で
図46A、
図46Fに関して記載するような)のための空間が提供され、ならびに/あるいはユーザが快適および/または簡単に操作できる寸法が入力デバイスに提供される。
【0456】
例示的な実施形態では、入力デバイス・セグメント厚さは、20〜26cm、もしくは13〜18cm、もしくは13〜26cm、またはそれよりも薄いかもしくは厚いかもしくは中間の範囲または厚さである。
【0457】
例示的な実施形態では、外科用デバイス・セグメント厚さは、6〜8cm、もしくは4〜8cm、もしくは4〜6cm、またはそれよりも薄いかもしくは厚いかもしくは中間の範囲または厚さである。
【0458】
例示的な実施形態では、外科用デバイス・セグメント厚さと入力デバイス・セグメント厚さの比は、1:0.5〜1:3、またはそれよりも小さいかもしくは大きいかもしくは中間の範囲または比である。
【0459】
例示的な実施形態では、外科用デバイス・セグメント長さと入力デバイス・セグメント長さの比は、1:0.5〜1:3、またはそれよりも小さいかもしくは大きいかもしくは中間の範囲または比である。
【0460】
外科用デバイス・セグメント間の角度の例示的な制御
【0461】
いくつかの実施形態では、2つの入力デバイス・セグメントの長軸間の測定された角度、および/または角度の変化は、対応する2つの外科用デバイス・セグメントの長軸間の角度を制御および/または変更するのに使用される。
【0462】
いくつかの実施形態では、測定は、2つのデバイス・セグメントの長軸間の物理的角度(例えば、角度α)である。いくつかの実施形態では、測定は、2つのデバイス・セグメントの長軸間の角度の変化である。
【0463】
例えば、いくつかの実施形態では、外科用デバイス上腕骨4812の長軸4813と、外科用デバイス支持体4802の長軸4803との間の角度α’は、入力デバイス上腕骨4812ipの長軸4813ipと、入力デバイス支持体4802ipの長軸4803ipとの間の角度αによって制御される。
【0464】
例えば、いくつかの実施形態では、外科用デバイス橈骨4816の長軸4817と、外科用デバイス上腕骨4812の長軸4813との間の角度β’は、入力デバイス橈骨4816ipの長軸4817ipと、入力デバイス上腕骨4812ipの長軸4813ipとの間の角度βによって制御される。
【0465】
例示的な実施形態では、外科用デバイスは、隣接した入力デバイス・セグメントと対応する隣接した外科用デバイス・セグメントとの間における、角度の一対一のマッピングを使用して制御される。
【0466】
外科用デバイス・セグメントの回転の例示的な制御
【0467】
図45Cは、本発明のいくつかの実施形態による、入力デバイス腕4804ipの簡略化された概略側面図である。
【0468】
いくつかの実施形態では、セグメントの長軸を中心にした入力デバイス・セグメントの回転は、対応する外科用デバイス・セグメントの回転を制御するのに使用される。
【0469】
いくつかの実施形態では、測定は回転の物理的角度である。いくつかの実施形態では、測定は回転角度の変化である。
【0471】
図45Gは、本発明のいくつかの実施形態による、入力デバイスの簡略化された概略側面図である。
【0472】
いくつかの実施形態では、隣接したセグメントが接続区画(例えば、関節)によって接続される、1つ以上の入力デバイス腕セグメント(例えば、セグメント)。いくつかの実施形態では、例えば、外科用デバイスのいくつかの実施形態とは異なり、1つ以上の腕接続区画は枢動関節である。
【0473】
いくつかの実施形態では、1つ以上の入力デバイス腕(例えば、腕4904ipおよび/または腕4906ip)は、第1の接続区画(例えば、4908、4910)によって第1のセグメント(例えば、4912ip、4914ip)に連結された支持セグメント(例えば、4902ip、4902aip)を含み、第1のセグメント(例えば、4912ip、4914ip)は、第2の接続区画(例えば、4920ip、4922ip)によって第2のセグメント(例えば、4916ip、4918ip)に連結され、第3のセグメント(例えば、4924ip、4926ip)は、第3の接続区画(例えば、4928ip、4930ip)によって第2のセグメント(例えば、4916ip、4918ip)に連結される。
【0474】
いくつかの実施形態では、1つ以上(例えば、すべて)の入力デバイス・セグメントが、セグメント長軸を中心にして回転可能である。
【0475】
いくつかの実施形態では、隣接したセグメントの長軸間の角度(屈曲)は調節可能である。
【0476】
いくつかの実施形態では、1つ以上の支持セグメント4902ip、4904ipは、入力デバイス・プラットフォーム4960に接続される。
【0477】
いくつかの実施形態では、プラットフォーム4960に対する支持セグメントの角度は調節可能であり、調節は、例えば、デバイスのセットアップ中(例えば、腕がユーザによって調節される)および/または入力デバイスの使用中である。いくつかの実施形態では、1つ以上の入力腕支持区画(例えば、支持区画4920ip)は、穴4982の上の調節可能な点でプラットフォーム4960に接続される。いくつかの実施形態では、1つ以上の入力腕支持区画の角度は、例えば、床に対して平行または垂直であるように初期化される。いくつかの実施形態では、入力腕支持区画の調節可能な角度によって、腕の位置を初期化することが可能になり、例えば、プラットフォームは床に対して角度を付けられる。
【0478】
いくつかの実施形態では、入力デバイス支持区画の角度の調節は、外科用デバイス支持セグメントの角度、例えば外科用デバイスが(例えば、ポートを通して)患者の体内に入る角度を変更するのに使用される。いくつかの実施形態では、外科用デバイスの1つ以上の部分が(例えば、ポートおよび/または自然開口を通して)患者の体内に入る角度を変更するため、異なる制御方法が使用される。いくつかの実施形態では、外科用デバイスの異なる部分(例えば、異なる肢)が異なる角度で患者に挿入される。いくつかの実施形態では、支持セグメントは細長い要素であり、例えば、肢支持セグメントに接続された接続部分およびセグメントは、支持構造の長さの50%未満、または20%未満(例えば、外科用デバイス肢が従来の腹腔鏡ツールと類似の構造を含む場合)の最大長さを有する。
【0479】
いくつかの実施形態では、入力デバイス腕4904ip、4906ipの間の間隔は、例えば、1つ以上の入力デバイス腕を入力デバイス・プラットフォーム4960に調節可能に取り付けることによって調節可能である。いくつかの実施形態では、デバイス・プラットフォーム上における1つ以上の入力デバイス腕の位置は、一次元、または二次元、または三次元で調節可能である。
【0480】
例示的な実施形態では、プラットフォーム4960はスライダ・レール4962を含み、各腕は、蝶ナット4968を使用してスライダ・レール上の適所に締め付けられた、スライダ4964、4966に取り付けられる。
【0481】
図49Bは、本発明のいくつかの実施形態による、ハンドル4960、4961を含む入力デバイスの簡略化された概略側面図である。いくつかの実施形態では、1つ以上の入力デバイス肢はハンドルを含む。いくつかの実施形態では、各入力デバイス肢はハンドルを含む。
【0482】
いくつかの実施形態では、入力デバイスは小さく、例えば潜在的に、コストが低減され、かつ/または所望の位置付け(例えば、
図47A〜
図47Bに関して記載したように、患者に近付ける)が容易になる。例えば、いくつかの実施形態では、小さい入力デバイス肢は、5〜100cm、もしくは10〜50cm、もしくは10〜30cm、またはそれよりも小さいかもしくは大きいかもしくは中間の範囲または寸法の、最大寸法(例えば、真っ直ぐにしたとき)を有する。
【0483】
いくつかの実施形態では、入力デバイスは、接続区画の枢動点が有効セグメント間の交点にないようにして構成される。例えば、
図45Aを参照すると、接続区画4820ipの枢動点4820pivは、軸4813ipおよび4817ipの交点にない。いくつかの実施形態では、枢動点(例えば、枢動点)4820pivは、セグメントの軸の交点(例えば、軸4813ipと4817ipとの間の交点)よりも、セグメント(例えば、セグメント4av12ip、4816ip)が枢動点の周りで枢動する長手方向中心点の近くに配設される。潜在的に、セグメント間の枢動点が、セグメントが枢動点を中心にして回転する長手方向中心点の近くに配設される、入力デバイス構造は、セグメント間の関節が長い外科用デバイス構造と整合する。いくつかの実施形態では、枢動点によって、180°および/または180°超過の曲がりが可能になる。
【0484】
いくつかの実施形態では、入力デバイスは1つの腕を含む。いくつかの実施形態では、入力デバイスは2つの腕を、または3つ以上の腕を含む。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、挿入された外科用デバイス腕それぞれに対して腕を含む。例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイスは、機械的な外科用デバイス腕それぞれに対する腕と、カメラ(例えば、
図10Aのカメラ1078)を制御する追加の入力デバイスとを含む。
【0486】
いくつかの実施形態では、入力デバイス腕は1つ以上のハンドルを含む。いくつかの実施形態では、(例えば、外科用デバイスの対応する部分の動きを制御するために)入力デバイス腕を動かすユーザは、ハンドルを把持する。
【0487】
図45Dは、本発明のいくつかの実施形態による、ハンドル5160を含む入力デバイス腕の簡略化された概略側面図である。
【0488】
いくつかの実施形態では、ユーザはハンドル5160を片手で把持し、例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは2つの入力デバイス腕を、それぞれの手で1つずつ制御する。
【0489】
例示的な実施形態では、ハンドル5160は、銃身部分5162および握把部分5164を備えた銃形状を含む(例えば、ハンドル5160は腹腔鏡ツール・ハンドルであり、いくつかの実施形態では、当該技術分野の他の腹腔鏡ツール・ハンドルがハンドル5160に使用される)。例えば、銃身部分5162が、入力デバイス橈骨5116ipの長軸5117ipに対して平行な(例えば、同一線上の)、銃身長軸5166を有する場合。
【0490】
いくつかの実施形態では、握把部分5164の長軸5168は、銃身部分長軸5166に垂直な構成要素を含み、例えば、握把部分長軸5168は、銃身部分長軸に対して45〜135°、もしくは70〜110°、もしくは約90°、またはそれよりも小さいかもしくは大きいかもしくは中間の範囲の、角度θにある。いくつかの実施形態では、銃身部分長軸および握把部分長軸は共面である。
【0491】
いくつかの実施形態では、握把部分5164は、ユーザの手で快適に握持されるようにサイズおよび形状が決められ、例えば、握把の最大断面寸法が2〜8cmである円形断面を有する。
【0492】
ハンドル5160の潜在的な利益は、入力デバイスおよび外科用デバイスの幾何学形状間の直感的な関係(例えば、入力デバイスの1つ以上の肢長さの比は、外科用デバイスの入力比とほぼ同じである)を維持しながら、ユーザ制御が快適なことである。ハンドル5160のさらなる潜在的な利益は、ユーザが入力デバイスを所望のやり方で動かす能力を維持しながら、入力デバイスを小さくできることである(例えば、快適な大きさよりも小さく、かつ/またはユーザが簡単に動きを制御できる大きさよりも小さい)。
【0493】
図52Aは、本発明のいくつかの実施形態による、ハンドルを含む入力デバイス腕の簡略化された概略側面図である。
図52Bは、本発明のいくつかの実施形態による、外科用デバイス腕の簡略化された概略側面図である。
図52Aおよび
図52Bは、入力デバイス長軸の角度が外科用デバイスのセグメント長軸とほぼ整合する、入力デバイスによる外科用腕の制御を示している。
【0495】
いくつかの実施形態では、システムは1つ以上のユーザ・インターフェースを含み、例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイスは1つ以上のユーザ・インターフェースを含む。
【0496】
いくつかの実施形態では、1つ以上の入力デバイスのユーザ・インターフェースは入力デバイス腕に装着されて、例えば、腕を握持するユーザは、ユーザの手の位置を維持しながらユーザ・インターフェースを使用する。例えば、
図44を再び参照すると、入力腕4404ipはボタン4462を含み、
図43では、ユーザ4464がそれを使用している(ユーザの指はボタン4462を押下する位置にある)一方で、入力デバイス腕4404ipを保持している。例示的な実施形態では、ボタン4462はばね式レバーに連結され、ボタン4462を押下することによって、連結された部分が回転する。いくつかの実施形態では、回転センサは回転の程度を感知する。
【0497】
例示的なユーザ・インターフェースは、押しボタン、スライド・ボタン、スクロール・ホイール、接触式ボタン、および/またはLCDディスプレイを含む。
【0498】
いくつかの実施形態では、入力デバイス上に装着されたユーザ・インターフェースはエンド・エフェクタを制御し、例えば、エンド・エフェクタを開閉する(例えば、エンド・エフェクタの開閉には、対向部分、例えば鋏、握持具を用いる)。例えば、例示的な実施形態では、ボタン4462と関連付けられた回転センサからの信号を使用して、対応するエンド・エフェクタが制御される。
【0499】
例えば、
図43を再び参照すると、いくつかの実施形態では、ボタン4462は、外科用デバイス・エンド・エフェクタ4424の開閉を制御する。
【0500】
いくつかの実施形態では、ユーザはボタン4462を押下して、エンド・エフェクタ4424の構成を(開放から閉止へ、または閉止から開放へと)変更する。いくつかの実施形態では、ボタン4462の押下の程度によって、エンド・エフェクタ4424の開放の程度が制御される。例えば、エンド・エフェクタ4424が完全に開放されることに関連する、ボタン4462の完全な押下、および/またはエンド・エフェクタ4424が閉止されることに関連する、ボタン4462の押下がないこと、および/またはエンド・エフェクタ4424の開放の程度に関連する、ボタン4462の押下の程度。いくつかの実施形態では、ボタン。
【0501】
追加の例示的なユーザ・インターフェース・ボタンが、
図4avA〜Bのボタン4862、
図45Gのボタン4962、4964、および
図45Dのボタン5166、5164に示されている。
【0502】
いくつかの実施形態では、ユーザ・インターフェース・ボタンは、ユーザがボタン(例えば、ばね式ボタン)に対する圧力の印加をやめると元の状態に戻る。任意選択で、ボタンが元の状態に戻ることによって、外科用デバイス・エンド・エフェクタが元の状態に戻る。あるいは、いくつかの実施形態では、ユーザがボタンを解放するまで、ボタンは適所(例えば、押下位置および/または半押下位置)に留まる。
【0503】
例示的な実施形態では、ボタン5166の相対的な動きは、エンド・エフェクタの作動を制御するのに使用される。いくつかの実施形態では、ユーザはボタン5166を押下して、対応するデバイス腕エンド・エフェクタを開閉する。
【0504】
例示的な実施形態では、スクロール・ボタン5165はロッドに連結され、回転センサはボタン5165の回転を測定する。いくつかの実施形態では、スクロール・ボタン5165は、エンド・エフェクタの開放および/または閉止を制御するのに使用される。いくつかの実施形態では、1つ以上のボタン(例えば、スクロール・ボタン5165)は、機械腕とともに挿入されたカメラ、および/または収集された画像の表示を制御する。
【0505】
いくつかの実施形態では、エンド・エフェクタ長軸を中心にした、かつ/またはエンド・エフェクタが連結されるセグメントの長軸を中心にした、対応する外科用デバイス・エンド・エフェクタの回転は、軸5166を中心にしたハンドル5160の回転によって制御される。別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、対応する外科用デバイス・エンド・エフェクタの回転は、ボタン5165の回転によって制御される。いくつかの実施形態では、軸5166を中心にしたハンドル5160の回転、およびボタン5165の両方によって、対応する外科用デバイス・エンド・エフェクタの回転が制御されて、例えば、快適でない、かつ/または人間工学的でないハンドル位置を、ユーザが回避および/または除外することが可能になる。
【0506】
いくつかの実施形態では、ユーザは、入力デバイスの1つ以上の部分を手動で動かして、エンド・エフェクタを動作させる。例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイスは鋏を含み、ユーザは鋏を手動で開閉して、例えば、外科用デバイス鋏の開閉を制御する。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、入力デバイス肢の遠位端に連結された複数の部分を含み、例えば、部分のうちの1つ以上を動かす(例えば、手動で動かす)ことによって、外科用デバイス・エンド・エフェクタの対応する部分の動きが制御される。
【0507】
入力デバイスを使用した例示的な比率決定
【0508】
いくつかの実施形態では、入力デバイス腕は、外科用デバイス腕と同じサイズかまたはそれよりも大きい部分を含む。例示的な実施形態では、入力デバイスのセグメント有効長さと外科用デバイスのセグメント有効長さとの比は、5:1〜1:1、もしくは3:1〜1:1、またはそれよりも小さいかもしくは大きいかもしくは中間の範囲または比である。潜在的に、外科用腕よりも大きい入力デバイス腕を含むシステムは、外科用デバイスの微細な動き制御においてユーザを支援する。
【0509】
いくつかの実施形態では、外科用システムは、異なるサイズの入力デバイス腕および/または異なるサイズの外科用デバイス腕を含む。例えば、いくつかの実施形態では、外科手術(例えば、外科手術における外科的動きの寸法)および/またはユーザの好みに応じて、ユーザは入力デバイス腕のサイズを選択する。例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイスは、異なるサイズの腕を含み、例えば、腕は同じサイズの外科用デバイス腕を制御する。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、外科用デバイス腕を選択し、次に入力デバイス・サイズを(例えば、異なるサイズの入力デバイス腕のキットから)選択する。いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、治療(例えば、外科手術)中に入力デバイスを変更して、微細な外科的動きが求められるときに入力デバイスをより大きいデバイスに変更する。
【0510】
いくつかの実施形態では、ユーザは、外科用デバイス上のユーザの手の動きの比率決定を手動で制御する。いくつかの実施形態では、ユーザは、同じ手の動きに対して、橈骨の把持する部分を選択することによって、(例えば、外科用デバイス・エンド・エフェクタの位置に関連して)入力デバイス腕橈骨の遠位端のより大きいまたはより小さい動きを生成することができる。例えば、入力デバイス橈骨の遠位端および/またはその近くで入力デバイス腕を把持する、ユーザの手の動き(例えば、
図44に示されるような)によって、ユーザが入力デバイス橈骨を(橈骨と上腕骨との接続により近い)より近位側で把持したときの同じ手の動きよりも小さい、橈骨の遠位部分の動きが生成される。
【0511】
いくつかの実施形態では、ハンドルはセグメントに取り付けられ、ユーザがそのセグメントを使用して、入力デバイスの少なくとも一部分(例えば、上述の「ハンドルを含む例示的な入力デバイス」のセクションで上述したような、例えばハンドル)を動かすことによって、ユーザの動きの比率が定められる。例えば、いくつかの実施形態では、ハンドルは入力デバイス・セグメントの遠位側に延在し、即ち、大きいユーザの手の動きが、ハンドルが取り付けられるセグメントの近位端のより小さい動きに変換される。
【0512】
調節可能な比率決定を備えた例示的な入力デバイス
【0513】
いくつかの実施形態では、入力デバイスは、例えば、ユーザの動き(例えば、ユーザの手の動き)が異なる量で比率を定められる、調節可能な比率決定を含む。
【0514】
ハンドルは摺動して、ハンドルから握持具までの距離を変更する。
【0515】
図45Eは、本発明のいくつかの実施形態による、ハンドル5360を含む入力デバイス腕5304ipの簡略化された概略側面図である。
図45Fは、本発明のいくつかの実施形態による、延長されたハンドル5360を含む入力デバイス腕5304ipの簡略化された概略側面図である。いくつかの実施形態では、セグメント5316ipからのハンドル5360の間隔は、(例えば、
図45Eに示される間隔Lから
図45Fに示される間隔L’まで)増加し、即ち、ユーザによるハンドルの動きはセグメント5316ipのより小さい動きに変換される。
【0516】
いくつかの実施形態では、ハンドルの間隔の可能な量は、最小から最大まで連続しており、例えば、ユーザが間隔の量を選択する。あるいは、いくつかの実施形態では、ハンドルの間隔の離散的な量が入力デバイス腕によって提供される。
【0518】
図54A〜
図54Bは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる構成の入力デバイス・セグメント5412ip、5415ip間の接続5408ipを含む、入力デバイス腕5404ipの一部分の簡略化された概略側面図である。
【0519】
本明細書の別の箇所に記載するように(例えば、
図45C、
図45Gに関して記載するように)、いくつかの実施形態では、入力デバイス・セグメントはセグメント長軸を中心にして回転可能であり、例えば、セグメント中心長軸を中心にした、方向D1での第2のセグメント5412ipの回転は、
図46Aに示される入力デバイス腕5404ipの部分を、
図46Bに示される構成にする。
【0520】
いくつかの実施形態では、隣接した入力デバイス腕セグメント間の1つ以上の接続は、枢動接続を含む。いくつかの実施形態では、隣接したセグメントの互いに対する屈曲は、枢動接続の周りでのものである。例えば、枢動接続5408ipを中心にした方向D2での第1のセグメント5412ipの回転は、
図46Bに示される入力デバイス腕5404ipを、
図46Cに示される構成にする。
【0522】
いくつかの実施形態では、入力デバイスの上および/または中に装着されたセンサは、入力デバイスの動きを測定し、この測定された動きは外科用デバイスの動きを制御するのに使用される。
【0523】
いくつかの実施形態では、入力デバイスの1つ以上の部分はセンサを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の入力デバイス・セグメントは、セグメントの回転を測定するセンサを含む。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、1つ以上の入力デバイス関節の屈曲の程度を感知する、1つ以上のセンサを含む。
【0524】
図46Aを再び参照すると、いくつかの実施形態では、運動センサが入力デバイス接続部分上に装着される。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、枢動軸5470を中心にした第1のセグメント5412ipの回転を感知し、センサは、例えば、セグメント5404ipに対する第1のセグメント5412ipの屈曲に対応する信号を生成する。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、セグメント長軸(
図46Aには図示なし)を中心にした第2のセグメント5412ipの回転を感知する。
【0525】
いくつかの実施形態では、接続部分は、各セグメントに接続されこれによって屈曲する2つのブラケットを含み、ブラケットは、枢動点でともに接続される。
【0526】
例示的な実施形態では、接続部分5408ipは、内側ブラケット5474の周りで枢動する、第1のセグメント5412ipに連結された外側ブラケット5472を含む。いくつかの実施形態では、第2のセグメント5412ipは内側ブラケット5474に連結され、内側ブラケット5474内で回転可能である。
【0527】
例示的な実施形態では、セグメント5404ipはシャフト歯車5476に連結され、シャフト歯車5476はセグメント5416ipとともに内側ブラケット5474内で回転し、例えば、セグメント10av16ipが回転すると、シャフト歯車5476は内側ブラケット5474内で摺動する。外側ブラケット5472は第1および第2の歯車5478、5479を含む。いくつかの実施形態では、第1および第2の歯車5478、5479は、第1のセグメント5412ipに対する第2のセグメント5412ipの屈曲に伴って回転する。
【0528】
いくつかの実施形態では、シャフト歯車5476は第1および第2の歯車5478、5479と連係し、シャフト歯車5476がセグメント5404ipの長軸を中心にして回転することで、第1の歯車5478および第2の歯車5479が、軸5470を中心にして異なる回転方向で回転する。いくつかの実施形態では、セグメント5412ip、5414ipの互いに対する屈曲によって、第1および第2の歯車5478、5479が、軸5470を中心にして同じ回転方向で回転する。
【0529】
いくつかの実施形態では、接続部分5408ipは2つのセンサを含む。例えば、例示的な実施形態では、外側ブラケット5472に接続(例えば、その上および/または中に装着)された第1のセンサ5482は、第1の歯車5478の回転(例えば、回転の方向および/または量)を感知し、第2のセンサ5484は第2の歯車5479の回転を感知する。いくつかの実施形態では、第1および第2の歯車5478、5479のうちの1つの回転をそれぞれ感知する、2つのセンサは、5412ip、5416ipの互いに対するセグメントの屈曲の両方を測定するのに十分な情報を提供し、両方の歯車10av78、5479は同じ方向で回転し、セグメント長軸を中心にした第2のセグメント5474の回転では、歯車10av78、5479は異なる方向で回転する。
【0530】
あるいは、いくつかの実施形態では、入力デバイス腕セグメントはそれぞれ、セグメントの回転を感知する少なくとも1つのセンサと、セグメント間の屈曲を感知する追加センサとを含む。
【0531】
例示的な実施形態では、センサ5482、5484は、例えば、歯車上に装着された磁石の位置をセンサが感知する、磁気差動エンコーダ(例えば、ロータ・エンコーダ)である。他の運動センサ、例えば光エンコーダが、本発明によって想起され包含される。
【0532】
いくつかの実施形態では、入力デバイスの隣接したセグメント対それぞれの間の各接続は、
図46Aに関して記載したような接続部分を含む。いくつかの実施形態では、2つ以上の接続部分からのセンサ出力は、例えば、セグメントが同時に屈曲し回転する状況における、セグメントでの屈曲および/または回転を判断するのに使用される。
【0533】
図45Dを再び参照すると、いくつかの実施形態では、位置センサは電気コネクタ5164を含む。コネクタ5164は、例えば、位置センサからの信号を伝送する(例えば、無線で、ならびに/あるいはコネクタはワイヤおよび/またはケーブルを使用して接続される)。
【0535】
いくつかの実施形態では、入力デバイスは1つ以上の係止機構を含む。いくつかの実施形態では、ユーザは入力デバイスの1つ以上の部分を係止する。
【0536】
例えば、いくつかの実施形態では、処置の間、ユーザは1つ以上の外科用デバイス部分を静止させたまま、他のセグメントを動かすことを望み、ユーザは、対応する入力デバイス部分を適所で係止し、次に、入力デバイスを使用して外科用デバイスの他の部分を動かし続ける。
【0537】
例えば、いくつかの実施形態では、安全上の警告を受け取ると、ユーザが手動で、かつ/またはシステムが自動で、入力デバイスの1つ以上の部分を係止して、例えば、外科用デバイスのさらなる動きを防止する。いくつかの実施形態では、係止は最後の位置に入る。いくつかの実施形態では、係止は帰着位置に入る(例えば、入力デバイスは帰着位置へと動き、次にその位置で係止する)。
【0538】
例えば、いくつかの実施形態では、ユーザが、入力デバイスの把持を離し、かつ/または緩め、ならびに/あるいは入力デバイスの制御を中断すると、入力デバイスの1つ以上の部分は、手動および/または自動で適所に係止される。例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイスは、ユーザが入力デバイスと接触している量(例えば、接触面積および/または強度および/または接触圧力)を検出する、1つ以上のセンサ(例えば、圧力センサ)を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、センサ信号と、例えばメモリに格納されている閾値とを比較することによって)接触が失われたことおよび/または不十分な接触が検出されると、入力デバイスは自動的に係止される(例えば、センサ信号を受信するプロセッサがコマンド信号を生成し、かつ/またはそれを入力デバイスの係止機構に送信する)。
【0539】
いくつかの実施形態では、係止構成のとき、単一の係止機構が、セグメントの回転と、隣接したセグメント間の屈曲とを防止する。いくつかの実施形態では、係止機構は2つのセグメント間の接続部に配置される。
【0540】
いくつかの実施形態では、係止機構は、1つ以上の歯車5476、5478、5479の回転を防止する1つ以上の要素を含む。
【0541】
図46Dは、本発明のいくつかの実施形態による、非係止構成の係止要素を含む入力デバイス腕接続部分5508ipの簡略化された概略側面図である。
図46Eは、本発明のいくつかの実施形態による、係止構成の係止要素を含む入力デバイス腕接続部分5508ipの簡略化された概略側面図である。
【0542】
例示的な実施形態では、係止要素5586は、第1および第2の歯車5578、5579を係止して、例えば、歯車5578、5579の回転を防止する。いくつかの実施形態では、係止要素5586は外側ブラケット5572に接続される。
【0543】
図46Eを参照すると、係止要素5586は係止構成の状態にある。いくつかの実施形態では、係止要素5586は、第1および第2の歯車5578、5579の回転を防止する、外側ブラケット5572に固定された歯車を含む。いくつかの実施形態では、固定の第1および第2の歯車5578、5579は、シャフト歯車5576(および、いくつかの実施形態では、セグメント5516ip)の回転を防止する。
【0544】
いくつかの実施形態では、係止要素は、例えば、ユーザが要素を手動で押すことによって、手動で係止構成と非係止構成との間で動かされる。いくつかの実施形態では、アクチュエータは(例えば、自動で、かつ/またはユーザ入力を受信すると)係止要素5586を動かす。
【0545】
いくつかの実施形態では、単一の係止機構(例えば、5586)は、各接続部分で、すべての入力デバイス・セグメントの回転および屈曲を係止することができる。潜在的な利点は、入力デバイス腕のサイズおよび/または複雑さが低減されることである。
【0546】
あるいは、いくつかの実施形態では、各接続部分は2つ以上の係止機構を含み、例えば、セグメントの回転を防止する機構、およびセグメントの屈曲を防止する別の機構を含む。
【0547】
歯車係止要素の潜在的な利点は、ロックの抵抗性が高く、安全なロックが提供されることである。しかしながら、歯車係止は、いくつかの実施形態では、離散的な数の係止位置をもたらす。
【0548】
図46Fは、本発明のいくつかの実施形態による、係止機構を含む入力デバイス腕接続部分5608ipの簡略化された概略側面図である。いくつかの実施形態では、係止機構は、歯車5676、5678、5679のうちの少なくとも1つの回転を防止する。
【0549】
いくつかの実施形態では、第1の係止要素5686は、第1の歯車5678の回転を防止するのに使用される。いくつかの実施形態では、第1の係止要素6286は、シャフトの周りに締め付けられた要素(
図46Fでは見えていない)であり、第1の歯車5678に接続され、例えば、係止要素5686がシャフトの周りに締め付けられると、係止要素6286とシャフトとの間の摩擦を増加させる。
【0550】
例示的な実施形態では、第1および第2の歯車5678、5679はそれぞれ、第1および第2の係止要素5686、5688それぞれを使用して係止可能である。歯車のうちの2つを係止することの潜在的な利益は、係止の強度が増加することである。いくつかの実施形態では、シャフト歯車5676も係止機構によって係止される。
【0551】
例示的な実施形態では、第2の係止要素5688は、第2の歯車5679に接続されたシャフトを部分的に取り囲む形状を有し、第2の歯車は、係止要素の端部5690、5692を互いに向かって引っ張ることによって、例えば端部5690、5692に取り付けられたワイヤ(図示なし)を引っ張ることによって、適所で係止される。係止要素5688、5690の潜在的な利益は、任意の位置で関節を係止できること(例えば、継続的な係止)である。しかしながら、係止強度は、いくつかの実施形態では、係止要素(例えば、5688)と、係止要素がその上に締め付けられる部分(例えば、輪軸5691)との間の摩擦力によって限定される。
【0552】
ユーザ身体の動きを模倣することによる例示的な制御
【0553】
いくつかの実施形態では、デバイス腕の1つ以上の部分(例えば、関節)の動きは、ユーザの腕の対応する部分の測定された動きによって制御される(例えば、ユーザ関節の動きによって対応するデバイス関節の動きを制御する)。いくつかの実施形態では、デバイスの部分に対して本明細書で使用する解剖学上の名称は、ユーザの動きがデバイスを制御するのに使用される場合の、対応するユーザの部分の名称である。
【0554】
いくつかの実施形態では、デバイス腕のセグメントの互いに対する位置(セグメント長軸間の角度)は、ユーザ腕のセグメントの互いに対する位置によって制御される(例えば、デバイス腕およびユーザ腕の位置は整合される)。
【0555】
いくつかの実施形態では、デバイスおよび腕の位置(セグメント長軸間の角度)は、初期化プロセスで位置合わせされ、位置の整合および/または制御は動きの制御によって維持される。例えば、デバイス腕およびユーザ腕が同じ位置で開始する場合であって、ユーザの動きが正確にデバイスにマッピングされた場合、腕は整合位置にあるままである。例示的な実施形態では、デバイスの動きおよびデバイス・セグメントの位置は両方とも、測定されたユーザの動きによって制御される。
図47Bを参照すると、画像B1〜B4は、腕およびデバイスの位置がユーザ腕(画像A1〜A4)の測定によって制御される、デバイス腕を示している。
【0556】
図47Aは、本発明のいくつかの実施形態による、ユーザおよびデバイス腕の動きを示す一連の写真図面である。
【0557】
A1は、伸ばしたユーザの腕を示し、B1は、この腕の配向を模倣し、デバイス上腕骨の長軸とデバイス橈骨の長軸との間が約180°である、デバイス腕を示している。A1からA2の位置へと動かすために、ユーザは肘のところで腕を曲げる(肘屈曲)。B2は、この腕の配向を模倣し、上腕骨長軸と橈骨長軸との間が約90°である、デバイス腕を示している。A2からA3の位置へと動かすために、ユーザは、上腕骨を(ユーザの)前方方向で回転させる(内側回転)。
【0558】
B3は、デバイス上腕骨を約90°回転させることによって、この腕の配向を模倣しているデバイス腕を示している。A3からA4の位置へと動かすために、ユーザは、掌がユーザの前方に面するように、自身の手を回転させている(手首回内)。B3は、橈骨を約90°時計方向回転させることによって、この腕の配向を模倣しているデバイス腕を示している。
【0559】
任意選択で、いくつかの実施形態では、例えばデバイス腕に対するデバイスカメラ位置は、例えば、ユーザの腕に対する、ユーザの頭部位置によって制御される。いくつかの実施形態では、デバイスカメラ位置は、ユーザ頭部の動きによって選択的に制御されて、例えば、デバイスカメラを動かすことなくユーザが自身の頭部を旋回させて、例えばディスプレイを見ることができる。いくつかの実施形態では、ユーザの頭部位置の模倣は位置の範囲内である。いくつかの実施形態では、頭部の動きは、カメラを制御するのに使用する前にフィルタ処理される(例えば、急速な、かつ/または予期しないユーザ頭部位置は、デバイスカメラによって模倣されない)。
【0561】
いくつかの実施形態では、例えば、ユーザがデバイスを制御するために、ユーザの腕の動きが測定される(例えば、腕の部分それぞれの位置および/または配向を測定することによる)。いくつかの実施形態では、測定はモーション・キャプチャ技術を使用する(例えば、1つ以上の赤外線運動検出カメラを使用する)。
図47Aは、本発明のいくつかの実施形態による、モーション・キャプチャ技術を使用したデバイス腕の制御を示している。
図47Bでは、測定された関節位置は、画像A1〜A4上に白い円として示されている。
【0562】
いくつかの実施形態では、1つ以上のユーザ腕の画像が捕捉される。いくつかの実施形態では、測定は、関節の位置および/または動きを、例えば、3D空間内における関節の位置および/または動き、互いに対する関節の位置および/または動きを抽出することを含む。いくつかの実施形態では、関節は、例えば画像から抽出された、空間内の点および/または領域としてモデル化される。
【0563】
別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、1つ以上の他の腕パラメータ、例えば、1つ以上のセグメントの動き、セグメント間の角度が測定される。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のセグメントは、例えば画像から抽出した線である、空間内におけるセグメント長軸の線によってモデル化される。例えば、いくつかの実施形態では、セグメント間の角度、および/またはセグメント間の角度の変化が測定される(例えば、画像から抽出される)。
【0564】
いくつかの実施形態では、ユーザ腕の位置の測定は、モーション・キャプチャの分野では知られているように、例えば関節で、マーカ(例えば、反射マーカ)をユーザ上に配置することによって支援される。例示的な実施形態では、マーカは4mmの球である。例示的な実施形態では、キネクト(商標)モーション・キャプチャ技術が使用される。
【0565】
それに加えて、または別の方法として、いくつかの実施形態では、例えばユーザに固着された1つ以上のセンサが、ユーザ身体の位置および/または運動を測定する(例えば、位置センサ、運動センサ)。
【0566】
いくつかの実施形態では、ユーザは、ツール・アバタ(例えば、鋏、把持具)を保持し、ツールの位置および/または配向および/または動きおよび/または作動(例えば、開放、閉止)の測定値が、(例えば、モーション・キャプチャを使用して)測定され、デバイス・ツール(例えば、ハンド・ツール)を制御するのに使用される。いくつかの実施形態では、ツール・アバタの測定された配向は、ユーザ手首の位置を測定するのに使用される。いくつかの実施形態では、ツール・アバタは反射コーティングを含んで、モーション・キャプチャを支援する。
【0567】
例示的なユーザ運動制御位置、例えば座位または立位
【0568】
いくつかの実施形態では、ユーザが座位にあるとき、ユーザは、ユーザの身体運動を用いて外科用デバイスを制御する。いくつかの実施形態では、ユーザは起立している。他の例示的な位置としては、支持部(例えば、机および/または壁)にもたれかかるなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、運動検出(例えば、プロセッサ、例えば
図42Aのプロセッサ4216によって実現される)は、ユーザの位置(例えば、ユーザが座位または立位にあるか)に応じて調整される。
【0569】
より詳細に後述するように、いくつかの実施形態では、座位と立位との間の移行を使用して、システムのモードが変更される。
【0570】
いくつかの実施形態では、ユーザが座位または立位のどちらにあるかの検出は、脊椎の測定位置の間の測定高さの差、および/または臀部中心から足までの測定距離、および/または他の身体部分の間の距離に基づく。
【0571】
測定されたユーザの動きの例示的なマッピング
【0572】
いくつかの実施形態では、ユーザ肢の測定値は、デバイスを制御するためにデバイスに対してマッピングされる。いくつかの実施形態では、ユーザ腕部分(例えば、セグメントおよび/または関節)は、対応するデバイス部分にマッピングされる。いくつかの実施形態では、マッピングは自動であり、部分の動きの抽出された測定値は、制御のため、解剖学的等価物に対して(例えば、橈骨対橈骨、上腕骨対上腕骨)自動的にマッピングされる。あるいは、いくつかの実施形態では、デバイス・セグメントに対する測定されたユーザ・セグメントのマッピングは、デバイスの使用前および/または使用後に、ユーザによって定義される。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、肩関節が繊細な組織部分の近くにある場合、制御を簡単にするため、ユーザ手セグメントによるデバイス肩関節の制御を設定する。
【0573】
いくつかの実施形態では、例えば、ユーザ腕部分がデバイス腕部分にマッピングされると、ユーザ部分の測定された動きが、デバイス部分の動きを制御するためにマッピングされる。
【0574】
いくつかの実施形態では、デバイス腕セグメント間の1つ以上の比は、ヒトの比とほぼ同じであり(例えば、橈骨セグメントの長さは上腕骨セグメントの長さよりも20%短い)、例えば、測定されたユーザ腕の動きとデバイス腕の動きとの間のマッピングの1つ以上の部分が比率である。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス・セグメントの長さは、ヒトの腕セグメントの長さを縮小したものであり、ユーザ腕の動きは、例えば、デバイス制御のためにデバイスに対して縮小される。
【0575】
例えば、いくつかの実施形態では、デバイス腕は、ユーザ腕の長さ(胴体を除外)の10分の1の長さ(胴体を除外)を有し、その長さは、上腕骨が胴体に接するところからハンド・ツールおよび/または橈骨の遠位先端までが直線であるときの、(ユーザおよびデバイス両方の)腕の長軸長さとして測定される。次に、いくつかの実施形態では、例えば、ユーザ橈骨の遠位端をx方向で10cm動かした場合、デバイス橈骨の遠位端はそれに対応してx方向で1cm動かされる。
【0576】
例示的な実施形態では、ユーザ関節の動きが測定される。関節測定値から、ユーザ・セグメント間の角度および/または角度変化が計算される。いくつかの実施形態では、計算された角度および/または角度変化は、デバイス、セグメントの動きを制御するのに使用され、例えば、2つのユーザ腕セグメント間の角度における10°の増加は、デバイス腕の対応するセグメント間の角度における10°の増加に対応し、デバイス・セグメントによって動く距離は適切に比率が定められる。
【0577】
いくつかの実施形態では、ユーザの異なる部分の測定された動きは、異なるマッピングを使用して、デバイス制御のためにマッピングされる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス・エンド・エフェクタの制御のためのマッピングは、例えば、いくつかのデバイス部分の動きを低減するための、他のデバイス部分の制御のためのものとは異なるマッピングである。
【0578】
いくつかの実施形態では、例えば、異なるヒトの腕はセグメント間の比が異なるので、デバイスは(例えば、ユーザがデバイスを使用し始める前に)個々のユーザに対して校正される。いくつかの実施形態では、ユーザの腕の長さは、ユーザの腕が真っ直ぐなときの、ユーザ腕セグメントの長さを測定することによって測定される。例えば、ユーザの腕が真っ直ぐに保たれているとき、測定された関節位置(例えば、3D空間内)によって、関節間のセグメントの長さが提供される。いくつかの実施形態では、デバイスを治療で使用する前に、システムは、ユーザの腕(または両腕)とデバイスの腕(または両腕)との間で自動校正を行う。
【0579】
いくつかの実施形態では、ヒトの腕およびデバイス腕は異なるセグメント比を有し(例えば、デバイスは、橈骨が上腕骨よりも長くカニのようである)、例えば、デバイスは(いずれかの箇所に記載するように)相対的な動きで動く。例えば、いくつかの実施形態では、異なる比のセグメントを備えたデバイスは、ユーザ手の位置および/または動きにしたがってデバイス・エンド・エフェクタを動かすことによって制御される一方、測定されたユーザの肘と肩の関節位置および/または動きを、他のデバイス関節のロボット制御のための開始点として使用する。
【0580】
いくつかの実施形態では、デバイス制御は2つ以上のマッピング・モードを含む。第1のモードでは、例えば、大まかな位置付けの動きに関して、デバイスは、1:1のマッピングを用いてユーザ・セグメントの角度を模倣する。代替モードでは、例えば、微細な作業(例えば、デバイスが位置付けられてからの手術)に関して、より大きいユーザの身振りを使用して微細なデバイスの動きを制御し、例えば、いくつかの実施形態では、ユーザの上腕骨が肩関節の周りで20°偏向すると、デバイス上腕骨は2°偏向される。
【0581】
いくつかの実施形態では、ユーザは、腕を指定の位置まで、例えば肘掛けまで動かすことによって、微細作業モードを選択する。
【0583】
いくつかの実施形態では、初期化の間、ユーザは、ユーザ腕および/または入力デバイス腕の位置(例えば、上記で定義したような腕の位置)を、外科用デバイス腕位置に対して整合する(任意選択で、2つのユーザ腕および2つのデバイス腕の場合、ユーザ腕のそれぞれがデバイス腕に対応する)。
【0584】
例えば、いくつかの実施形態では、ユーザはデバイスの画像を見て、外科用デバイス腕の配向を真似るように自身の腕(および/または入力デバイス腕)を動かす。いくつかの実施形態では、ユーザは、例えばディスプレイ上の視覚的な、かつ/または音声のフィードバックを受信して、外科用デバイス腕に対するユーザ腕(および/または入力デバイス腕)の整合をガイドする。いくつかの実施形態では、ユーザは2つの腕を同時に整合する。
【0585】
いくつかの実施形態では、外科用デバイス腕位置が、ユーザ腕位置(および/または入力デバイス腕位置)に対して整合される。例えば、ユーザ腕(および/または入力デバイス腕)が所望の位置にあると、外科用デバイス腕は(例えば、自動的に)位置へと動き、外科用デバイス腕関節の位置、および/または互いに対するセグメントの角度、および/またはデバイス腕の配向は、ユーザ腕(および/または入力デバイス腕)を模倣する。いくつかの実施形態では、デバイス腕・ユーザ腕の対を初期化すると、外科用デバイス腕の1つの部分は空間内で静止したままであり(例えば、胴体および/またはエンド・エフェクタ)、他の部分は、外科用デバイスをユーザ位置(および/または入力デバイス位置)へと初期化するように動く。いくつかの実施形態では、ユーザは静止部分を定義する。
【0586】
任意選択で、外科用デバイス腕の初期化は自動であり、例えば、ロボティクス(例えば、運動学および/または運動の制約)の使用による。
【0587】
いくつかの実施形態では、例えば、外科用デバイスを身体内に挿入する前に、外科用デバイスは、特定のユーザの解剖学的構造に合わせて初期化される。例えば、1つ以上のセグメント長さは調節可能である。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のセグメント長さは、例えば、セグメント比がユーザ肢のセグメント比と同じであるように調節される。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のセグメント長さは、例えば、セグメント、および/または2つのセグメント長さの比が入力デバイスと整合するように調節される。
【0588】
いくつかの実施形態では、例えば、外科用デバイスの動きのマッピングが完全に正確でない場合、使用中(例えば、治療および/または手術の間)、外科用デバイス腕は、時間経過後および/またはある回数の動きの後および/またはある距離を動いた後に再初期化される。
【0589】
いくつかの実施形態では、ユーザの配向および/またはデバイスの原点を測定するための、ユーザの原点(および/または入力デバイスの原点)が設定される。例えば、いくつかの実施形態では、空間内におけるデバイスの配向は、空間内におけるユーザの配向(空間内における入力デバイスの配向)に対して整合される。
【0590】
いくつかの実施形態では、外科用腕を含むシステムは、腕が直線位置および/または初期化位置にあるときにそれを認識することができる。例えば、腕はセンサを含み、センサ信号を受信するプロセッサは信号から位置を推論し、いくつかの実施形態では、腕が真っ直ぐかどうかを識別する。
【0591】
いくつかの実施形態では、例えば、外科用デバイスを使用して治療が実施される前に、外科用デバイスおよび入力デバイスは初期化される。いくつかの実施形態では、外科用デバイスに対する入力デバイスの初期化は、入力デバイスおよび外科用デバイスの構造的構成(例えば、セグメントの長軸間の角度)を位置合わせすることを含む。いくつかの実施形態では、例えば、構造的構成が位置合わせされると(例えば、初期化および/または再初期化の間)、センサの始点が設定される。
【0592】
いくつかの実施形態では、外科用デバイス腕は直線位置へと初期化され、セグメント長軸は平行(例えば、同一線上)である。いくつかの実施形態では、外科用デバイス腕は直線位置で提供され、例えば、工場で直線位置に校正される。いくつかの実施形態では、外科用デバイス腕を真っ直ぐにするのにジグが使用される。
【0593】
いくつかの実施形態では、例えば、外科用システム(例えば、
図42Aに示されるシステム4250)が使用される前に、入力デバイス腕はジグを使用して初期化される。例えば、例示的な実施形態では、入力デバイス腕を真っ直ぐにして、真っ直ぐな外科用デバイス腕と整合させるのに、ジグが使用される。
【0595】
いくつかの実施形態では、外科用デバイスは、任意の運動センサを含まず、かつ/または外科用デバイスの構成(例えば、セグメント間の角度など)に関するフィードバックを提供しない。
【0596】
いくつかの実施形態では、外科用デバイス腕および入力デバイス腕は再初期化される(例えば、長軸間の角度の整合)。いくつかの実施形態では、再初期化はシステムエラーの場合に、例えば、外科用デバイス腕および/または入力デバイス腕における機械的な問題、ならびに/あるいは(例えば、モータおよび/またはセンサにおける)電気的な問題の場合に実施される。
【0597】
いくつかの実施形態では、外科用デバイスと入力オブジェクト(例えば、入力デバイスおよび/またはユーザ身体部分)の構成の違いが検出される。
【0598】
いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、外科用腕の構成の違い(例えば、外科用デバイスが挿入された画像および/またはディスプレイに表示された外科用腕のモデルを使用してみた場合)を視覚的に識別して、違いを検出する。
【0599】
いくつかの実施形態では、外科用システムは、例えば、感知した入力オブジェクトの構成と外科用デバイス構成のモデルとの矛盾に基づいて(例えば、外科用デバイスのモータの動きに基づいて)、違いを自動的に検出する。
【0600】
いくつかの実施形態では、入力オブジェクトと外科用デバイスの構成の違い(例えば、
図42Aのプロセッサ4216によって判断される、閾値を上回る違い)が検出されると、例えば、ユーザが手動で「休止」命令をユーザ・インターフェースに入力し、かつ/または(例えば、
図42Aのプロセッサ4216によって開始される)自動的な休止によって、入力デバイスによる外科用デバイスの動きの制御が休止される。
【0601】
いくつかの実施形態では、位置合わせは、ユーザが入力オブジェクトを手動で動かす(例えば、ユーザが入力デバイスを手動で動かす、ユーザがユーザの身体を動かす)ことによるものであり、任意選択で、ユーザは、表示画像(例えば、外科用デバイスの実際の画像および/またはモデル化された画像)ならびに/あるいは命令によってガイドされる。
【0602】
いくつかの実施形態では、入力デバイスの少なくとも一部分は、例えば、入力デバイス上のアクチュエータ(例えば、プロセッサによって制御される)によって、かつ/または別個の位置合わせデバイスによって、自動的に位置合わせされる。
【0603】
いくつかの実施形態では、入力デバイスは、外科用デバイス腕を備えた外科用デバイスの作動と関連付けられるプロセッサを校正するのに使用される。例えば、いくつかの実施形態では、校正は、外科用デバイス腕の実際の配向とメモリに格納された腕の配向(例えば、作動制御信号から導き出された腕の配向)との不整合(例えば、機械的な問題および/または電力の損失による)があると実施される。いくつかの実施形態では、ユーザは、入力オブジェクト(例えば、入力デバイス)を使用して、外科用デバイス腕を格納された腕の構成に対して位置合わせする。
【0604】
いくつかの実施形態では、入力デバイスおよび外科用デバイスが再位置合わせされた後、入力デバイスの動きによる、外科用デバイスの動きの制御が再開される。
【0605】
いくつかの実施形態では、入力デバイス腕の初期化および/または位置合わせを使用して、どの入力デバイス腕がどの外科用デバイス腕を制御するかが変更される。例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイスは、外科用腕よりも少数の腕を含み、例えば、いくつかの実施形態では、5つの外科用デバイス腕が2つの腕を有する入力デバイスによって制御される。
【0606】
いくつかの実施形態では、ユーザが、どの外科用デバイス腕が入力デバイス腕によって制御されるかを変更すると、いくつかの実施形態では、それぞれの腕は位置合わせおよび/または初期化され、例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイス腕は、制御される新しい外科用デバイスの位置まで自動的に動く。
【0607】
いくつかの実施形態では、2つ以上の外科用デバイスが入力デバイスを使用して制御され、かつ/または異なる切開部を通して挿入された機械腕が入力デバイスによって制御される。例えば、いくつかの実施形態では、患者に経膣的に挿入されている機械腕の動きを制御する入力デバイスは、次に、腹部の切開部を通して(例えば、臍の切開部を通して)同じ患者に挿入されている(例えば、同時に挿入された)機械腕を制御するのに使用される。
【0608】
いくつかの実施形態では、2つ以上の入力デバイス(および/または入力オブジェクト、例えば、測定されたユーザ身体の動き)を使用して、1つ以上の外科用デバイスが制御され、例えば、1人を超える外科医が例えば同時に、例えば連続して、患者を手術することが可能になる。
【0609】
入力デバイスを動かすこととは別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、入力デバイスおよび外科用デバイスの位置合わせは、外科用デバイスの1つ以上の部分を動かすことを含む。
【0610】
それに加えて、または別の方法として、いくつかの実施形態では、再初期化(例えば、このセクションに記載するような)は、外科用デバイスの1つ以上の部分とユーザの身体の1つ以上の部分との間におけるものである(例えば、ユーザ身体の測定された動きを使用して、外科用デバイスの部分の動きが制御される)。
【0612】
任意選択で、いくつかの実施形態では、測定されたユーザの動き、および/またはユーザの動きからマッピングされた所望のデバイスの動きは、デバイスが動かされる前に(例えば、望ましくないかつ/または損傷を与える動きを除去するため)フィルタ処理される。それに加えて、または別の方法として、いくつかの実施形態では、入力デバイスの測定された動きは、入力デバイスの動きにしたがってデバイスが動かされる前にフィルタ処理される。
【0613】
いくつかの実施形態では、動きは、大きい動きを除去するためにフィルタ処理される。例えば、いくつかの実施形態では、大きい動きは、規定の作業範囲(例えば、腹部)からデバイスを取り出す動き、および/または上腕骨および橈骨の長軸長さの合計よりも大きい動きである。いくつかの実施形態では、動きは、急な動きを除去するためにフィルタ処理される。例えば、測定された急な動きは遅くされ、かつ/または除去される。いくつかの実施形態では、震え(例えば、高速の小さい動き、例えば、動きの持続時間が0.1s未満、または0.05s未満、または0.01s未満の場合に、橈骨長軸長さの20%または10%または5%未満にマッピングする動き)が除去される。
【0614】
いくつかの実施形態では、動きは、許可されない、かつ/または損傷を与える領域への動きを除去するようにフィルタ処理される。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、許可されない領域、例えば器官内へと動くことが防止される。いくつかの実施形態では、デバイスを許可されない領域へと動かそうとするユーザは、例えば、ディスプレイを通して、音声警告で、アバタの力フィードバックを通して、ユーザに連結されたデバイスのフィードバック(例えば、振動および/または視覚フィードバック(例えば、照明および/もしくは点滅光))を通して(例えば、入力デバイスがフィードバックを提供する)、警報および/または警告を受信する。
【0615】
いくつかの実施形態では、許可されない領域は、例えば、デバイスを用いた治療(例えば、手術)を開始する前に、(例えば、ユーザによって)印付けされる。
【0616】
例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、許可された領域の縁部を画成するために動くように外科用デバイスに命令し、許可された領域の指示を(例えば、メモリ)に格納することによって、許可されない領域を描写する。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、(例えば、入力デバイスおよび/または測定されたユーザの動きを使用して)外科用デバイスを、境界を通して(および/または個々の境界点まで)動かし、境界の線および/または点が格納される。
【0617】
いくつかの実施形態では、許可されない領域は、収集された画像、例えば、(例えば、外科用デバイスとともに)患者に挿入された画像装置(例えば、カメラ)によって収集された画像、および/または追加の画像装置(例えば、CT、MRI、超音波など)によって収集された画像において、特定され、かつ/またはその上に印付けされる。いくつかの実施形態では、治療前に画像から特定された許可されない領域は、治療中に収集された画像上にマッピングされて、フィルタ処理のために許可されない領域が生成される。
【0618】
例えば、例示的な実施形態では、ユーザが転倒し、ユーザの腕の動きは転倒を除去するようにフィルタ処理され、外科用デバイスは動きを休止する。
【0619】
いくつかの実施形態では、例えば、ユーザによって、かつ/または画像診断、例えばCT、MRIから指定される、解剖学的マップは、許可されない領域を含む。いくつかの実施形態では、ユーザが外科用デバイスを許可されない領域へと動かそうとした場合、および/または外科用デバイスを許可されない領域の近くに動かした場合、警報が、例えば音声警報、ディスプレイ警報が開始される。
【0621】
いくつかの実施形態では、システム(例えば、
図42Aのシステム4250および/または
図8のシステム850および/または
図45のシステム4550)は、複数の動作モード(本明細書では、「状態」とも称される)を含む。
【0622】
図48は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なシステム・モードの簡略化された概略図である。
【0623】
いくつかの実施形態では、システムは、入力オブジェクト(例えば、入力デバイスおよび/または測定されたユーザ身体の動き)の動きによって外科用デバイスの動きを制御する、デバイスの動き制御モード6302を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、より詳細に後述するように)2つ以上のデバイスの動きの状態がある。いくつかの実施形態では、システムは、同時に2つ以上のモードの状態にあり(例えば、システムは、同時に2つ以上の外科用デバイスの動き制御モードの状態にある)、例えば、いくつかの実施形態では、微細運動モードおよび相対運動モードが同時に稼働する。
【0624】
例示的な外科用デバイスの動き制御モード6302は、より詳細に後述されており、例えば、比率決定モード6304、外科用デバイスの1つ以上の部分が荷電される電気外科手術モード6306、相対制御モード6308、タイミング・モード、同時制御モード6310、許可されない領域モード6312、入力オブジェクトの動きが外科用デバイスの動きを制御するのに使用される前にマッピングおよび/またはフィルタ処理される、マッピング・モード6318が挙げられる。
【0625】
いくつかの実施形態では、モードは、ユーザが1つ以上のユーザ・インターフェースを使用することによって選択される。いくつかの実施形態では、モードは、(例えば、より詳細に後述するように)ユーザが身振りを使用することによって選択される。
【0626】
いくつかの実施形態では、システムは、外科用デバイスの動きの制御が休止される休止モード6320を含む。いくつかの実施形態では、別のモードを選択する前に休止モード6304に入り、例えば、いくつかの実施形態では、外科用デバイスの動き制御モード6302との間の移行および/またはその制御モードの選択および/または再選択の前に、休止モードに入る。
【0627】
いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上の再開モード6322(例えば、より詳細に後述するような)を含む。
【0628】
いくつかの実施形態では、システムは、例えば、システムの1つ以上の部分が校正および/または初期化される、1つ以上の校正モードを含む。
【0629】
いくつかの実施形態では、システムは、例えば、外科用デバイス腕とともに挿入されたカメラが制御される、1つ以上のカメラ制御モード6330を含む。いくつかの実施形態では、カメラは、外科用デバイスの動き制御モード6302のうちの1つ以上を用いて制御され、例えば、カメラ位置は相対制御モードおよび/またはタイミング・モード、許可されない領域モードなどを用いて制御される。いくつかの実施形態では、カメラ制御モード6330は画像診断モードを、例えばズームを含む。
【0630】
いくつかの実施形態では、システムは、異なるユーザ姿勢に対するモードを含み、例えばユーザは座位または立位である。任意選択で、いくつかの実施形態では、身振り制御は、異なるユーザ姿勢では異なる。
【0631】
例示的な外科用デバイス運動制御モード
【0632】
いくつかの実施形態では、システムはユーザ運動制御モードを含み、ユーザは、ユーザの身体の運動によって外科用デバイスの動きを制御する。いくつかの実施形態では、システムは、入力デバイス制御モードを含み、ユーザは、入力デバイスを動かすことによって外科用デバイスの動きを制御する。いくつかの実施形態では、システムは、ユーザ運動制御および入力デバイス制御を組み合わせたモードを含み、例えば、外科用デバイスの1つ以上の部分の動きは入力デバイスの動きによって制御され、外科用デバイスの1つ以上の部分の動きは、測定されたユーザ身体の動きによって制御される。
【0634】
いくつかの実施形態では、デバイスによるユーザの動きの模倣が休止および/または調節される、様々な状況がある。
【0635】
いくつかの実施形態では、システムは休止状態を含み、例えば、ユーザ身体の動きおよび/または入力デバイスの動きは外科用デバイスの動きに影響しない。
【0636】
いくつかの実施形態では、ユーザは、外科用デバイスによるユーザの動きの模倣および/または入力デバイスによる動きの制御(例えば、ユーザ・インターフェースによる)を選択的に休止する。例えば、ユーザが(例えば、筋肉疲労によって)休憩したい場合、および/またはより快適な位置に変更したい場合、ユーザは、ユーザの動きの模倣および/または入力デバイスによる動きの制御を休止する。いくつかの実施形態では、ユーザは、異なるモードに移行するために(例えば、その前に)デバイスを休止する。
【0637】
いくつかの実施形態では、ユーザは、1つ以上の腕を選択的に休止し、次にユーザの腕の動き(および/または入力デバイスによる動きの制御)を使用して、1つ以上の腕の制御を選択的に再開する。いくつかの実施形態では、ユーザは、腕の休止および選択を使用して、2つ以上の腕を制御する。例えば、(例えば、ユーザの腕の動きを使用して)2つの腕の動きを制御するユーザは、一方または両方の腕を休止し、次に最初の2つの腕とは1つ以上が任意選択で異なる2つの腕を選択して、動きを再開する。
【0638】
いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば、ヒトの動きの自由度よりも大きいデバイスの動きの自由度を使用する(ならびに/あるいは使用されている入力デバイスの動きの自由度よりも大きいデバイスの動きの自由度を使用する)ために、デバイスの一部分を休止する。
【0639】
例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザがセグメントをそれ以上回転させられなくなるまで、ユーザ・セグメントを回転させる。ユーザは、次に、デバイスを休止し、ユーザがセグメントの回転を継続できるように、例えばセグメントを旋回させることによって、セグメントを再位置付けする。
【0640】
例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば手をドリルおよび/またはねじ回しとして使用するため、ユーザの手で可能な程度よりも大幅にデバイス手を回転させる、ユーザの手の運動を模倣するのを休止する。
【0641】
いくつかの実施形態では、ユーザは、入力デバイスを切り替えるために(例えば異なる比率の入力デバイスを使用するため、例えば異なる数の肢を備えた入力デバイスを使用するため、例えばデバイス・ツールおよび/または腕を挿入および/または除去する際)、ユーザ入力デバイスを用いた制御を休止する。
【0642】
いくつかの実施形態では、ユーザは、例えば制御方法(例えば、後述するような)の間で切り替えるために、1つ以上の腕を模倣するのを休止する。
【0643】
任意選択で、模倣を再開した後、デバイスおよび/またはユーザ腕は、例えば上述したように、初期化される。
【0645】
いくつかの実施形態では、外科用デバイスが休止された後、異なるタイプの再開モードがあり、外科用デバイスの動きの制御が再開される。
【0646】
例えば、いくつかの実施形態では、休止モードに入る際(および/または、休止モードを離れるときに制御を再開する際)、外科用デバイス腕および/または入力デバイス腕は、システムが帰着モードの状態にある、帰着位置へと動く(例えば、真っ直ぐになる)。
【0647】
例えば、いくつかの実施形態では、システムが休止モードを出る場合、ユーザの身体部分および/または入力デバイスの部分は外科用デバイス肢に位置合わせされる。
【0648】
例えば、いくつかの実施形態では、休止モードに入った後、制御は(例えば、以下の「例示的な相対的動きのモード」に記載されるような)相対制御で再開される。任意選択で、休止モード後に相対制御モードに入るため、例えば、ユーザ・インターフェースを用いて、かつ/またはユーザの身振りを用いて、相対的動きのモードが選択される。
【0650】
いくつかの実施形態では、システムは異なるモードを有し、それにより、同じサイズのユーザの動き(測定されたユーザ身体の動きおよび/または入力デバイスのユーザの動き)によって異なるサイズの外科用デバイスの動きがもたらされる。いくつかの実施形態では、ユーザは異なる比率のモードの間で移行する(ユーザの動きが異なる量で比率決定される)。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、第1の比率のモードを使用して、最初の大きい外科的な動き(例えば、切開)を行い、次に、微細な作業のモードに移行して、例えば縫合のために、外科用デバイスによって行われるときのユーザの動きが縮小される。
【0652】
いくつかの実施形態では、システムは、動きを制御するタイミングに関して異なるモードを含み(例えば、ユーザデバイス本体の部分の測定された動きおよび/または入力デバイスのユーザの動き)、それによって外科用デバイスの対応する動きがもたらされる。
【0653】
いくつかの実施形態では、デバイス(例えば、デバイス腕)の動きは、ユーザ腕および/または入力デバイス腕の動きとほぼ同時である(例えば、2秒未満、または1秒未満、または0.5秒未満、または0.1秒未満の遅延)。
【0654】
あるいは、いくつかの実施形態では、デバイス(例えば、デバイス腕)の動きが遅延され、例えば、ユーザは動きを行い、次に任意選択でデバイスの動きを制御するための動きを許可する。
【0655】
いくつかの実施形態では、デバイスは、ユーザの動きと同じ速度でユーザ関節の測定にしたがって動く。あるいは、いくつかの実施形態では、デバイスは異なる速度で(例えば、より低速で)動く。
【0656】
いくつかの実施形態では、ユーザは、(例えば、ユーザ・インターフェースを通して、かつ/またはユーザ身体の身振りを用いて)遅延および/または速度変化の量を選択する。
【0657】
いくつかの実施形態では、ユーザは、(例えば、入力デバイスの動きおよび/またはユーザ身体の動きによって)制御の動きを実施して、外科用デバイスの動きを制御するが、ユーザの制御の動きは格納され、時間遅延後に外科用デバイスの動きを制御するのに使用される。
【0658】
例えば、例示的な実施形態では、ユーザは、ユーザ制御の動きを(例えば、
図42Aのプロセッサ4216がメモリにアクセス可能な場合、例えばメモリに)記録する。記録後、いくつかの実施形態では、そのユーザ(または異なるユーザ)が、予め記録された動きを使用して外科用デバイスの制御を開始する。
【0659】
いくつかの実施形態では、ユーザは、予めプログラムされた動きおよび/または動きのシーケンスのリストから選択することによって、外科用デバイスの動きを制御する。
【0660】
いくつかの実施形態では、制御の動きのシーケンスを記録するユーザは、(例えば、ユーザ・インターフェースを通して)シーケンス内の1つ以上の区切り点を選択する。いくつかの実施形態では、1つ以上の区切り点を含む制御の動きのシーケンスが外科用デバイスによって実施されると、外科用デバイスは各区切り点で(例えば、ある期間の間、および/または「動き再開」コマンドをユーザから受信するまで)休止する。
【0661】
いくつかの実施形態では、記録された動きおよび/または動きのシーケンスの表現は、外科用デバイスを制御するユーザに対して表示されて(例えば、入力デバイスを使用して、かつ/またはユーザ身体の動きを用いて)、例えば、どのように処置を実施するかに関してユーザの支援および/または指導を行う。いくつかの実施形態では、記録された動きからのユーザの動きの偏差についての表現が表示される。
【0663】
任意選択で、ユーザ身体の1つ以上の部分および/または入力デバイスの一部分の測定された動きは、外科用デバイスの一部分が測定された部分と同じ位置を有することなく、外科用デバイスのその一部分を制御し、外科用デバイスの位置は、セグメントの互いに対する配向である。
【0664】
例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のセグメントの相対的動きは、ユーザの動きによって制御される(例えば、デバイス腕の1つ以上の部分は、ユーザの腕の位置へと初期化されない)。例えば、デバイス腕の一部分は曲げられ(例えば、デバイス橈骨とデバイス上腕骨との間の角度は180°未満である)、ユーザの腕は真っ直ぐ(ユーザ橈骨とユーザ上腕骨との間の角度は180°である)であるが、ユーザの上腕骨に対してユーザの橈骨を曲げることによって、例えばいくつかの実施形態では、同じ度数だけ、デバイス上腕骨に対するデバイス橈骨の動きがもたらされる。
【0665】
例えば、例示的な実施形態では、1つ以上のデバイス腕は(例えば、身体内の標的にアクセスするため)、例えば上腕骨と支持区画との間が90°以上の角度で伸ばされ、(例えば、快適な作業のための腕の位置をユーザに提供するため)対応するユーザ上腕骨セグメントは、例えば上腕骨と支持区画との間が70°未満の角度で(例えば、ユーザの体側で)下向きに保持される。ユーザの手および/または橈骨および/または手首の相対運動は、次に、デバイスの手、橈骨、および手首それぞれの動きを制御する。
【0667】
いくつかの実施形態では、ユーザ関節の測定は1つ以上の肢(例えば、ユーザの両腕、腕と脚、2つの腕と1つ以上の脚)の同時測定である。いくつかの実施形態では、2つ以上の入力デバイス肢の動きの測定は同時である。
【0668】
任意選択で、外科用デバイス腕は次に、例えば測定にしたがって、同時に動かされる。2つ以上のデバイス腕が同時に働くことが可能なことの潜在的な利点は、例えば、組織の一部分をともに把持すること、オブジェクトを1つのハンド・ツールから別のものに渡すことなどである。
【0669】
いくつかの実施形態では、ユーザの腕の動き、ならびにユーザの手および/またはツール・アバタの動きは同時に測定される。任意選択で、外科用デバイス腕は動かされ、同時に、デバイス・ハンド・ツールは作動(例えば、開放、閉止)させられる。潜在的な利点は、ツールの位置および/または配向のユーザ制御と、例えば従来の手術と類似した、ツールの使用とが同時であることである。
【0670】
動きの自由度モードに対する例示的な制限
【0671】
いくつかの実施形態では、動きの自由度の制限モードでは、例えば、1つ以上の関節の回転における方向および/または量が制限される場合、および/または1つ以上の関節の屈曲が制限される場合、入力デバイスおよび/または外科用デバイスの動きは限定される。いくつかの実施形態では、ユーザは1つ以上の関節における動きの自由度の限界を指定する。いくつかの実施形態では、システムは、ヒトの動きの自由度モードを含み、外科用デバイスおよび/または入力デバイスの一部分の自由度は、対応する身体部分の自由度に制限される(例えば、外科用デバイス腕および/または入力デバイス腕は、ヒトの腕におけるマッピングされた動きの自由度に限定される)。
【0672】
一般に、ヒトの動きの自由度(例えば、腕に対する)は、セグメントの回転および屈曲の角度に対する限定を含む。任意選択で、いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば1つ以上の制御モードの間、ヒトの動きの自由度に限定される。
【0673】
モード間の移行および/またはモード選択の例示的な制御
【0674】
いくつかの実施形態では、システムはモード間で移行され、かつ/またはモードは、ユーザ・インターフェース(例えば、ボタンおよび/またはタッチスクリーンおよび/またはコンピュータ端末および/または音声認識ユニットなど)を通して選択される。
【0675】
別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、ユーザは、モードを選択し、かつ/またはシステムによって認識される身振りを行うことによって1つのモードから別のモードへと移行する。
【0676】
いくつかの実施形態では、身振りは単一のユーザの動きであり、例えば、ユーザはユーザの脚を持ち上げ、例えば、ユーザは(例えば、座位と立位との間で)位置を移動する。いくつかの実施形態では、身振りは、1つのユーザの身体部分(例えば肢、例えば、ユーザの脚を持ち上げる)を用いたものである。いくつかの実施形態では、身振りは、2つ以上の身体部分の動きおよび/または位置付けを伴い、例えば、例示的な身振りはユーザが脚を組むことである。
【0677】
いくつかの実施形態では、身振りは2つ以上の連続した動きを伴い、例えば、ユーザはユーザの脚を持ち上げ、次にまた脚を下ろす。さらなる例示的な連続した身振りとしては、上腕骨が床に対して約45°の角度であるように、腕の片方を持ち上げ、次に持ち上げた腕を臀部に向かって下ろす(同じ上腕骨に対して90°の角度で行う)。この身振りは、例えば、腹腔鏡の腕の動きを開始および/または再開するのに使用される。
【0678】
いくつかの実施形態では、ユーザは、1つ以上の身体部分を指定の位置および/または指定のオブジェクトまで動かすことによって、モードを変更する(例えば、休止モードを開始する)。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザの腕を肘掛け(例えば、指定の肘掛け)に乗せることによって、デバイス腕の制御を休止する。
【0679】
動きの制御の例示的な開始(操作者になること)
【0680】
いくつかの実施形態では、システムは、各ユーザに対して1つ以上の識別子を格納する(例えば、メモリ内、例えばメモリは、例えば、
図42Aのプロセッサ4216によってアクセス可能である)。いくつかの実施形態では、ユーザ識別子は、ユーザの身体寸法(例えば、相対的な関節位置から構築される骨格)を含む。いくつかの実施形態では、格納および/または許可された骨格を有するユーザのみが、デバイスを操作することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、システムカメラの視野に入り、かつ/または最初の身振り(例えば、開始の身振り)を行い、システムは、ユーザが外科用デバイスを制御するのを可能にする前に、検出された身体部分の位置が格納された骨格と整合するかをチェックする。
【0681】
いくつかの実施形態では、開始の身振りを行うユーザは操作者になる。
【0682】
いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザが例えば制御チェアに座っていること、および/または制御域で座っていることを検出すると、操作者になる。
【0684】
いくつかの実施形態では、ユーザのシステム使用における1つ以上の点で、例えば、ユーザがシステムの使用を開始すると、ユーザが位置を(例えば、座位から立位に)変更すると、1つ以上の身体部分の1つ以上の位置が測定され、いくつかの実施形態では、記録される。
【0685】
いくつかの実施形態では、身振りの認識は、記録されたユーザ身体部分の位置(および/または格納された身体部分の平均位置)を使用する。例えば、例示的な実施形態では、ユーザが座ると、1つ以上のユーザの足の高さが測定および/または記録される(例えば、メモリに)。いくつかの実施形態では、記録された足の高さを使用して、測定された足の高さおよび/または足の高さの変化が、操作者が「足を持ち上げる」身振りを行ったか否かに関連するか否かが判断される。運動制御モードでは、例えば、脚および/または足が、外科用デバイスの一部分(例えば、デバイス肢)の運動を制御するのに使用されると、予め記録された座位の足の位置を使用して、ユーザの足が動かされているかが判断され、かつ/または足の位置を使用して、ユーザの足の動きの量が定量化される。
【0686】
外科用デバイス・ハンド・ツールの例示的な制御
【0687】
例えば、(例えば、「例示的なユーザ・インターフェース」と題したセクションで)上述したように、ユーザは、ユーザ・インターフェースを使用してハンド・ツール(本明細書では、エンド・エフェクタとも称される)を制御する。
【0688】
いくつかの実施形態では、ユーザは、ハンド・ツールの部分に対応する入力デバイスの部分を動かすことによって、ハンド・ツールを制御する。
【0689】
別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、1つ以上のハンド・ツール(本明細書では、「エンド・エフェクタ」とも称される)は、ユーザの手の測定された動きによって制御される。いくつかの実施形態では、ハンド・ツールの作動(例えば、開放および閉止)は、ユーザの指および/または親指の相対位置によって制御される。いくつかの実施形態では、ツールの閉止は、ツールの2つ以上の点および/または表面が互いに近付けられたときである(例えば、鋏刃の平坦面を摺動して接触させ、かつ/または近接させる)。いくつかの実施形態では、ツールの開放は、ツールの2つ以上の点および/または表面がさらに離れるように動かされたときである。
【0690】
いくつかの実施形態では、ユーザは、ハンド・ツールの位置および/または動きを制御し(例えば上述したように、例えば、ユーザの腕の動きを使用して橈骨の遠位端を位置付けることによる)、同時にハンド・ツールを作動させる(例えば、ハンド・ツールの開放および閉止を制御する)。
【0691】
例示的な実施形態では、ハンド・ツールは、ユーザの親指および指の遠位端が合わさると閉止され、かつ/またはユーザの親指および指の遠位端が離されると開放される。
【0692】
図49Aは、本発明のいくつかの実施形態による、開いたユーザの手の簡略化された概略図である。
図49Bは、本発明のいくつかの実施形態による、ハンド・ツールが開位置にある場合のハンド・ツールを含むデバイス腕の一部分の簡略化された概略図である。
【0693】
図49Cは、本発明のいくつかの実施形態による、閉じたユーザの手の簡略化された概略図である。
図49Dは、本発明のいくつかの実施形態による、ハンド・ツールが閉位置にある場合のハンド・ツールを含むデバイス腕の一部分の簡略化された概略図である。いくつかの実施形態では、
図49Bに示される開位置から、
図49Dに示される位置へのデバイス・ハンド・ツールの移行は、
図49Aに示される位置から
図49Bに示されるユーザの手の位置へとユーザの手を動かすことによって達成される。
【0694】
いくつかの実施形態では、ユーザの手の回転は、ユーザの親指および/または1つ以上の指の遠位端の相対位置を検出することによって測定される。いくつかの実施形態では、手の長軸回転を中心にしたデバイスの手の回転は、測定されたマッピングしたユーザの手の回転によって制御される。
【0695】
いくつかの実施形態では、ユーザは、「ショートカット」運動を行って、デバイス腕および/または手の動きもしくは一連の動き(例えば、身振り)、例えば、縫合糸の結び目を結ぶ動き、ねじ締めおよび/または穴あけのための繰返しの回転を開始する。
【0696】
図49Eは、本発明のいくつかの実施形態による、測定されたユーザの手の位置を使用したデバイス手の例示的な制御を示す一連の写真図面である。いくつかの実施形態では、ユーザの指先および親指の位置および/または動きは、モーション・キャプチャ技術を使用して捕捉され、捕捉された位置は画像Aに白い円で示されている。
【0697】
いくつかの実施形態では、ユーザによって保持されたツール・アバタの測定されたマッピングした配向および/または動きによって、デバイス・ハンド・ツールの配向および/または動きが制御される。いくつかの実施形態では、ツール・アバタはユーザ・ハンド・ツールの小型モデルである。いくつかの実施形態では、ツール・アバタは、手でアバタを把持してユーザが操作して、ツール・アバタを作動させる部分を含む。例えば、いくつかの実施形態では、鋏状ハンド・ツールは、ユーザが鋏を保持することによって制御される。
【0698】
例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは鋏を保持し、その運動および/または開閉は、デバイスの鋏状ハンド・ツールによって(例えば、鋏の1つ以上の部分のモーション・キャプチャを使用して)模倣される。いくつかの実施形態では、ハンド・ツール・アバタは、モーション・キャプチャを支援するため、マーカを含み、かつ/または少なくとも部分的に、例えば反射材料で被覆される。
【0699】
いくつかの実施形態では、ハンド・ツール・アバタは、上述したようなデバイスアバタの一部である。
【0700】
任意選択で、いくつかの実施形態では、アバタによって組織の力フィードバックがユーザに提供される。例えば、鋏アバタは、デバイス・ハンド・ツールの鋏によって切断されている組織の抵抗に対応して、開放および閉止に抵抗する。例えば、鋏または握持具は電気外科手術を実施する。
【0701】
いくつかの実施形態では、ツール・アバタは、力フィードバックをユーザに提供し、例えばデバイス・ツールの条件に関するユーザ情報を提供する。例えば、デバイスは1つ以上の圧力センサを含み、そこからのデータは、例えば1つ以上のアクチュエータを通して、ユーザにフィードバックを提供するのに使用される。例えば、例示的な実施形態では、鋏アバタは、対応するデバイス鋏状ハンド・ツールが切断している組織の抵抗を反映して、鋏のユーザによる開閉に対する抵抗を提供する。
【0703】
画像診断デバイスを含む例示的なデバイス
【0704】
任意選択で、いくつかの実施形態では、デバイスは、任意選択で1つ以上の機械肢を含むデバイスとともに患者に挿入される、1つ以上の画像診断デバイス(例えば、カメラ、内視鏡、超音波など)を含む。例示的な実施形態では、画像診断デバイスはカメラである。
【0705】
いくつかの実施形態では、デバイス肢に対するカメラの位置付けはおおよそ、対応するヒトの腕に対するヒトの頭部の平均的な位置付けである。
【0706】
例えば、いくつかの実施形態では、カメラから機械肢の1つ以上の部分までの距離の比は、デバイスの1つ以上の部分とそれと等価のヒトの身体部分との比とほぼ同じである。
【0707】
いくつかの実施形態では、カメラは、デバイス腕および/または手に対して、ヒトの腕および/または手からのヒトの眼と同じ位置に位置付けられ、例えば、カメラは、肩関節の上方にある上腕骨の対応する(例えば、比率を定めた)長さに配置される。
【0708】
いくつかの実施形態では、カメラは、画像が、対応するユーザ身体部分に対してヒトの眼が有するのと同じデバイス部分の視野(FOV)および/または角度を有するように、位置付けられる。潜在的な利益は、カメラが、ユーザの身体の動きを使用したユーザ制御を支援する、デバイスの直感的な視像を提供することである。
【0709】
図9Aは、本発明のいくつかの実施形態による、複数の腕904、906およびカメラ978を含むデバイス900の簡略化された概略図である。
図9Bは、本発明のいくつかの実施形態による、複数の腕904、906およびカメラ978を含むデバイス900の簡略化された概略図である。
【0710】
いくつかの実施形態では、腕に対するカメラ978の位置は調節可能である。例えば、
図9Bに示されるように、いくつかの実施形態では、カメラ978は、例えばハンド・ツール924、926に近付くように動いて、例えば、接近作業のための詳細画像を提供する。かかる動きは、接近作業のための自然なヒトによる位置付けと類似しており、多くの場合、手および頭部が微細な作業のために互いに近付く。
【0711】
任意選択で、ユーザはカメラの位置を制御する。いくつかの実施形態では、ユーザの頭部および/または首の位置および/または動きが測定され、カメラを制御するのに使用される。
【0712】
いくつかの実施形態では、画像診断デバイス(例えば、カメラ)は、例えば、1つ以上のデバイス関節で曲がる。
図9Cは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス肩関節で曲げられた、複数の腕904、906およびカメラ978を含むデバイス900の簡略化された概略図である。
【0713】
図9Dは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス肩関節で曲げられた、複数の腕904、906およびカメラ978を含むデバイス900の簡略化された概略図である。
図9Dに示されるように、いくつかの実施形態では、曲がった画像診断デバイスは、例えばデバイス腕に対して可動である。
【0714】
いくつかの実施形態では、機械腕(例えば、本明細書のいずれかの箇所に記載したような構造を備える)はカメラを含む。例えば、いくつかの実施形態では、機械腕エンド・エフェクタおよび/または第3のセグメントは1つ以上のカメラを含む。例えば、いくつかの実施形態では、機械腕は、2つ以上の剛性区画によって接続された2つ以上の可撓性区画を備えた構造を含み、カメラは腕に(例えば、腕の遠位端に)配設される。
【0715】
本明細書のいずれかの場所で(例えば、
図7に関連して)言及するように、いくつかの実施形態では、1つ以上の腕は第1および第2の腕よりも少ない関節を含む。
【0716】
図10Aは、本発明のいくつかの実施形態による、カメラ1078を含む機械腕1005を含むデバイス1000の簡略化された概略側面図である。いくつかの実施形態では、機械腕1005は、第1の可撓性区画1010によってカメラ1078に接続された支持区画1002を含む。いくつかの実施形態では、カメラ1078は腕1005の遠位端に配設される。
【0717】
いくつかの実施形態では、カメラを含む機械腕の動きは、ユーザ頭部の測定された動きによって制御される。例えば、空間内におけるユーザ頭部の動きによるか、かつ/またはいずれかの身体部分(例えば、胴体および/または頸部)に対するユーザ頭部の動きによる。
【0718】
いくつかの実施形態では、カメラを含む機械腕の動きは、ユーザ肢(例えば、腕)の測定された動きによって制御される。例えば、腕は、少なくとも第1および第2の可撓性部分(例えば、本明細書のいずれかの箇所に記載するような)を含み、その動きは、ユーザの肩関節および肘関節によってそれぞれ制御される。
【0719】
それに加えて、または別の方法として、いくつかの実施形態では、カメラを含む機械腕の動きは、(例えば、本明細書のいずれかの箇所に記載するように)入力デバイスの部分の動きによって制御される。
【0720】
それに加えて、または別の方法として、いくつかの実施形態では、患者の身体内に挿入された1つ以上のツール(例えばカメラ、例えば機械腕、例えば
図7のチューブ742)の位置は、1つ以上のデバイス腕によって制御される。例えば、いくつかの実施形態では、ツールは、1つ以上のデバイス腕によって把持され、所望の位置へと動かされる。例えば、いくつかの実施形態では、ツール(例えばカメラ、例えば
図13のカメラ1378)は、弾性的に変形可能な部分を含むので、ツールを位置付ける際、ツールが再位置付けされるまでツールは適所に留まる。例えば、いくつかの実施形態では、吸引チューブ(例えば、
図7のチューブ742)は、チューブを動かす外科用腕によって位置付けられる。いくつかの実施形態では、ツール(例えばチューブ、例えば
図7のチューブ742)は、1つ以上の弾性的に変形可能な部分を含むので、例えば、機械デバイス腕を動かすことによってツールが所望の位置へと動かされ、ツールが解放されると元の位置に向かって戻る。
【0722】
次に
図8に戻ると、任意選択で、いくつかの実施形態では、システムはデバイス800とは別個に画像診断デバイス858を含む。いくつかの実施形態では、画像診断デバイス858は、デバイス800が患者の体内で動いている(例えば、手術を実施している)とき、リアルタイム画像診断を提供する。例えば、いくつかの実施形態では、外部超音波が、例えば、身体内部のデバイス800の画像を提供するのに使用される。
【0723】
いくつかの実施形態では、画像診断デバイス858(例えば、MRI、CT、核画像診断、超音波など)は、例えば、デバイス800を挿入する前に画像を収集して、手術を支援する解剖学的マップを提供する。いくつかの実施形態では、画像診断デバイス858は、デバイス800を身体内で使用している間、および/またはデバイスを除去した画像を提供する。
【0725】
いくつかの実施形態では、画像は表示される(例えば、ユーザに対して)。例えば、いくつかの実施形態では、内部画像診断デバイスからの画像は、患者の体内におけるデバイスの位置に関するフィードバックを提供するために表示される。
図8を再び参照すると、いくつかの実施形態では、1つ以上の画像がユーザに対してディスプレイ854に表示される。
【0726】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ854は、ユーザが見ることができる画面(例えば、コンピュータ・モニタ)である。いくつかの実施形態では、ディスプレイ864は仮想現実(VR)環境の一部であり、例えば、ディスプレイ864はVRバイザ内部の1つ以上の画面である。
【0728】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ854は、患者の体内におけるデバイス800の画像を示す。いくつかの実施形態では、画像は、1つ以上の内部カメラによって提供され、カメラは、例えば、デバイス800とともに挿入されたカメラ(例えば、
図9Aのカメラ978)であり、その画像が表示される。いくつかの実施形態では、画像は、別個の画像装置、例えば外部超音波画像装置によって提供される。いくつかの実施形態では、リアルタイム画像、例えば、患者の体内のカメラからのリアルタイム画像、外部リアルタイム画像診断(例えば、外部超音波)が表示される。いくつかの実施形態では、表示画像は、以前に獲得された、例えばCT、MRI、核画像診断画像である。いくつかの実施形態では、画像は計算された画像、例えば、解剖学的モデルである。
【0730】
いくつかの実施形態では、収集された画像が表示される。例えば、いくつかの実施形態では、内部カメラによって捕捉された画像が直接表示される。例えば、
図45では、ディスプレイ4554によって表示されている上部画像4554aは、カメラ4501によって提供された画像である。
【0731】
別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、画像は表示前に処理される。
【0732】
いくつかの実施形態では、画像は、表示のために組み合わせられ、かつ/または重ね合わされる。例えば、いくつかの実施形態では、リアルタイム画像診断(例えば、患者の体内のカメラから)は、以前に獲得した画像または他のデータ(例えば、CTおよび/またはMRIおよび/または解剖学的モデルおよび/またはデバイス・センサ・データなど)と重ね合わされるか、またはそれと同時に表示される。
【0733】
いくつかの実施形態では、画像は表示前に再配向される。
図45を次に参照すると、例えば、いくつかの実施形態では、内部カメラ4501は視野(FOV)4501aを有し、身体部分を一方向から見ており、この器官のユーザ視像4564aは別の方向からのものである。いくつかの実施形態では、カメラから捕捉された画像は、ユーザ視のために再配向され、例えばディスプレイ4554に表示された下部画像4554bは、患者4564aのユーザ視のために配向されているカメラ4501によって収集された画像を示す。例えば、いくつかの実施形態では、カメラを含むデバイスは膣を通して挿入されて、デバイス腕および子宮の近接視像を提供するが、患者は手術台の上で仰臥位になっており、例えば、子宮のユーザ視は後側方向である。いくつかの実施形態では、カメラから捕捉された画像は(例えば、処理アプリケーションによって)処理され、ユーザ視のために再配向される。
【0734】
いくつかの実施形態では、ユーザは(例えば、ユーザ・インターフェースを通して)表示画像を制御し、例えば、ユーザは画像を回転させ、かつ/または拡大もしくは縮小する。いくつかの実施形態では、患者に対する測定されたユーザ視(例えば、患者および/またはデバイスに対するユーザ頭部の距離および配向)を使用して、捕捉された画像が再配向される。
【0735】
例示的なデバイス支持部、任意選択でデバイスはユーザによる支持を要しない
【0736】
いくつかの実施形態では、デバイスはスタンドアロン型であり、例えば、ユーザの支持を要しない。いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部分は支持部によって少なくとも部分的に支持される。いくつかの実施形態では、ユーザはデバイスと直接相互作用しない。いくつかの実施形態では、デバイスの動きはほぼ自動化されている。
【0737】
図11Aは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス1100が支持部1182によって保持されているシステム1150の簡略化された概略図である。
【0738】
いくつかの実施形態では、デバイス1100はベッド1180に連結される。いくつかの実施形態では、患者1160は、デバイス1100を使用する外科的処置のためにベッド1180に横たわる。いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の構成要素、例えばデバイス制御の1つ以上の部分(例えば、モータ)は、ベッドの下、例えばハウジング1184内に配置される。いくつかの実施形態では、支持部1182はデバイス1100をハウジング1184に接続する。任意選択で、他の構成要素、例えばディスプレイに接続する、他の構成要素、例えば変換器がハウジング1184内に配置される。
【0739】
例示的な実施形態では、デバイスの動きを制御する主モータ・ユニットはハウジング1184内に配置され、例えば、いくつかの実施形態では、トルク伝達要素は、トルクをハウジング1184内のモータからデバイス1100に伝達し、かつ/またはデバイス関節の屈曲を生じさせる細長い要素は、ハウジング1184内のモータに連結される。
【0740】
いくつかの実施形態では、ベッドの上方にあるデバイスの動きは、ベッドの下方にあるモータ・ユニットを使用して、配向コントローラを介して制御され、例えば平行四辺形のリンク機構を使用し、それは例えば、国際特許出願公開WO2011/036626号に記載されているようなものであり、その全体を本明細書に参照により組み込む。
【0741】
1つ以上の構成要素がベッドの下方(例えば、ハウジング1184内)に配置されることの潜在的な利益は、手術室におけるシステムの設置面積が低減されることである。構成要素がベッドの上方および/または周囲ではなくベッドの下方に配置されることのさらなる潜在的な利益は、患者に対する(例えば、緊急的状況における)アクセスが潜在的に改善されることである。
【0742】
デバイスがベッドに連結されることの潜在的な利益は、例えば手術中に、デバイスをベッドおよび/または患者に対して同じ位置に残したまま、ベッドを動かし、かつ/またはその角度を変更できることである。別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、患者および/またはベッドに対するデバイスの位置は、例えば、デバイスによる治療前および/または手術中に調節可能である。
【0743】
任意選択で、いくつかの実施形態では、支持部1182はデバイスを手術のための位置へと動かす。いくつかの実施形態では、支持部1182は、患者1160に挿入するための所望の位置へデバイスを動かす。いくつかの実施形態では、支持部1182はデバイスを、垂直および/または水平および/または横方向に動かし、かつ/またはデバイス1100を患者1160に挿入し、かつ/またはデバイス1100を患者から抜き出す。
【0744】
図11Aに示される実施形態では、支持腕1182およびハウジング1184は1584の足端部に配置される。この配置の潜在的な利益は、患者の下部構造を通して、例えば膣を通して手術を行うのが簡単になることである。
図11Aでは、患者1160は、デバイスを膣内に挿入するのに適した位置で示されており、患者の脚は持ち上げられ広げられている(例えば、図示されないあぶみによって保持される)。
【0745】
図11Bは、本発明のいくつかの実施形態による、デバイス1500が支持部1582によって保持されているシステム1150の簡略化された概略図である。
図11Bに示される実施形態では、支持腕1182およびハウジング1184はベッド1180の長軸中心に配置される。この配置の潜在的な利益は、デバイスを使用した腹部および/または胸郭手術が簡単になることである。
【0746】
いくつかの実施形態では、床の下方、および/または腕がハウジングに当たるベッド周囲におけるハウジングの位置は、調節可能である。例えば、腕および/またはハウジングは異なる手術に対して動かされる。
【0747】
図12は、本発明のいくつかの実施形態による、2つの腕1200が支持部1282によって保持され、動作面1280に連結されたデバイスを含むシステム1250の簡略化された概略側面図である。
【0748】
任意選択で、いくつかの実施形態では、デバイス支持部1282はデバイス1200を動作面1280(例えば、患者が例えばそれによって支持される、台/ベッド)に連結する。いくつかの実施形態では、デバイス支持部1282は、例えばデバイス支持部の長さ全体に沿って可撓性である。いくつかの実施形態では、デバイス支持部1282は一連の連結されたセグメントを含む。いくつかの実施形態では、デバイス1200を作動させるモータ1284は支持頭部内に配置される。
【0749】
可撓性および/または調節可能なデバイス支持部の潜在的な利益は、多種多様な位置および/または角度で動作面に対してデバイスを位置付けられることである。さらなる潜在的な利益としては、システムの設置面積が小さいこと、患者の準備(例えば、麻酔)などの準備時間が短くなること、ドッキング・プロセスが簡単なことが挙げられる。さらなる潜在的な利益としては、任意選択で、デバイスを用いた治療中および/または手術中に、患者の上半身に対する患者の下半身の位置を変更できること、例えば、任意選択で治療中および/または手術中に、トレンデレンブルグ位を調節できることが挙げられる。さらなる潜在的な利益としては、資本設備のコストが少なく、かつ/またはサイズが小さいこと、ならびに/あるいは、例えばデバイスおよび/システムを簡単に動かせるので(例えば、小さいサイズおよび/または少ない重量および/または特別な手術室のインフラストラクチャが不要)、専用手術室が不要なことが挙げられる。
【0750】
いくつかの実施形態では、デバイスは、患者の上方ではない方向(例えば、横方向、例えば患者の脚の間)から、患者に挿入される。いくつかの実施形態では、デバイスを患者ベッドに取り付けることによって、上方ではない挿入方向が可能になる。
【0751】
いくつかの実施形態では、外科用システムは、例えば、そこを通してデバイスが患者に挿入されるポートを含む。いくつかの実施形態では、ポートは患者に連結され、例えば、自然開口および/または切開部に挿入される。
【0752】
いくつかの実施形態では、ポートは支持部に連結される。
図13は、本発明のいくつかの実施形態による、支持部1382によって動作面1380に連結されたポート1312を含むシステム1350の簡略化された概略側面図である。いくつかの実施形態では、デバイス1300およびポート1312は同じ支持部1382によって連結される。
【0753】
いくつかの実施形態では、デバイスおよびポートは異なる支持要素によって保持される。
図14は、本発明のいくつかの実施形態による、ポート支持部1482bおよびデバイス支持部1482aを含むシステム1450の簡略化された概略側面図である。いくつかの実施形態では、デバイス1400およびポート1412は両方とも、動作面1480に連結される。別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、デバイス1400および/またはポート1412は、1つ以上の他のオブジェクト、例えば、床、天井に連結された支持部によって保持される。
【0754】
支持部(例えば、デバイスおよび/またはポート支持部)の潜在的な利益は、デバイスおよび/またはポートの望ましくない動きが低減されることである。
【0755】
いくつかの実施形態では、支持部は、例えば支持面レールに対するアタッチメントを含む、腹腔鏡位置決め装置である。いくつかの実施形態では、市販の外科用位置決め腕、例えばスイス国のFisso(登録商標)によって販売されている外科用腕が、本発明のデバイスとともに使用するのに適している。
【0756】
図15は、本発明のいくつかの実施形態による、支持部1582によって保持されたデバイス1500の簡略化された概略図である。
【0757】
いくつかの実施形態では、支持部1582は患者動作面の一部分、例えばレール1502に付着する。いくつかの実施形態では、レール1502上における支持部1582の取付け位置は調節可能であって、例えば、患者動作面に対する支持部の取付け位置の線形的調節が可能になる。
【0758】
いくつかの実施形態では、支持部1582は、ポート1512およびモータ・ユニット1514に取り付けられ(モータ・ユニット1514の動作は、いくつかの実施形態では、例えば、
図40のモータ・ユニット4000に関連して記載したようなものである)、デバイス1500はモータ・ユニット1514に取り付けることによって支持される。
【0759】
いくつかの実施形態では、支持部1582は複数の関節接合を含み、セグメント間の角度および/またはセグメント長さが調節可能であり、例えば、機械肢および/またはポート1512および/またはモータ・ユニット1514(例えば、デバイス1500の肢を作動させる)を含む、デバイス1500の位置および/または角度の調節が可能になる。
【0760】
いくつかの実施形態では、1つ以上のモータを使用して、デバイス1500が、システムの1つ以上の部分に対して(例えば、ポート1512および/またはモータ・ユニット1514に対して)、例えば患者の体内へ、かつ/または患者の体外へと動かされる。いくつかの実施形態では、モータ・ユニット1514は、1つ以上のデバイス腕をモータ・ユニットに対して動かす1つ以上のモータを含み、例えば、1つ以上の支持セグメント位置はモータ・ユニットに対して変更される。いくつかの実施形態では、デバイス1500の動きは、ユーザが入力オブジェクト制御および/またはユーザ・インターフェースを使用することによって制御される。
【0762】
いくつかの実施形態では、デバイスはユーザによって保持される。
【0763】
例えば、いくつかの実施形態では、ユーザは、デバイスの位置を保持し、かつ/またはデバイスを制御しながらそれを挿入し、例えば、デバイスを片腕で保持し、デバイス腕の動きを他方の腕で制御し、例えばデバイスを手動で挿入し、デバイスが挿入されると、デバイス腕の動きをユーザの腕で制御する。
【0764】
例えば、いくつかの実施形態では、第1のユーザがデバイスを支持し、かつ/またはデバイスを患者に挿入し、第2のユーザが患者の体内におけるデバイス腕の動きを制御する。
【0765】
いくつかの実施形態では、デバイスは支持部によって部分的に支持され、ユーザはデバイスのさらなる手動支持および/またはガイドを提供する。
【0767】
図16は、本発明のいくつかの実施形態による、デバイスの使用方法のフローチャートである。
【0768】
1686で、複数の腕を含むデバイスが、患者の切開部を通して挿入される。1688で、オブジェクトがデバイス腕の動きを制御し、例えば、測定されたユーザの腕の動きおよび/または入力デバイス(例えば、ユーザによって動かされる)の測定された動きが、患者の体内におけるデバイス腕の動きを方向付ける。1690で、デバイスが切開部を通して除去される。
【0770】
いくつかの実施形態では、デバイスは、単一の切開部を使用する手術に使用される。いくつかの実施形態では、デバイスは、例えばSILS(単孔式腹腔鏡下手術)を含む、腹腔鏡手術で使用される。
図17Aは、本発明のいくつかの実施形態による、患者の単一の切開部の簡略化された概略図である。いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば、単一の臍帯切開部を示す
図17Aに示されるように、単一の切開部を通して挿入される。
【0771】
いくつかの実施形態では、デバイスの異なる部分が2つ以上の切開部に挿入されてもよい。
図17Bは、本発明のいくつかの実施形態による、患者の複数の切開部の簡略化された概略図である。例えば、いくつかの実施形態では、第1のデバイス腕は第1の切開部を通して挿入され、第2のデバイス腕は第2の切開部を通して挿入される。いくつかの実施形態では、デバイスは単一の切開部を通して挿入され、追加のツール、例えば腹腔を膨張させるツールが、1つ以上の別個の切開部を通して挿入される。
【0772】
図17Cは、本発明のいくつかの実施形態による、患者の切開部の簡略化された概略図である。
図17Cに示される切開部は、デバイスを身体に挿入するのに必要な大きさよりも大きく、かつ/または腹腔鏡手術切開部よりも大きい。例えば、皮膚表面上における切開部の最大範囲は、1cm以上、または2cm以上、または10cm以上、または20cm以上である。いくつかの実施形態では、デバイスは、挿入されたデバイスの少なくとも一部分および/または皮膚レベルの下にあるデバイスの部分が、ユーザの目に見える場合に使用される。任意選択で、例えば、デバイスが少なくとも部分的に目に見える場合、システムは、身体内に挿入される画像装置を有さず、かつ/または画像がユーザに対して表示されない。
【0774】
いくつかの実施形態では、デバイスはNOTES(自然開口越経管腔的内視鏡手術)で使用される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの機械肢(例えば、本明細書のいずれかの箇所に記載するような)を含むデバイスは、自然開口、例えば、膣、直腸、口に挿入される。いくつかの実施形態では、デバイスが自然開口に挿入されると、デバイスは、自然開口の切開部を通して身体内にさらに挿入される。いくつかの実施形態では、デバイスが自然開口に挿入されると、デバイスは、自然チャネル(例えば、食道、結腸)を通して、また次に任意選択で、自然チャネルの切開部を通して、身体内にさらに挿入される。
【0775】
NOTESを実施するときにデバイスを使用する治療および/または手術の潜在的な利益は、デバイスが身体内で曲がることができ、潜在的に、広い角度範囲での標的への接近(例えば、標的の手術および/または治療)がもたらされることである。
【0776】
いくつかの実施形態では、1つ以上の関節がある機械腕を含むデバイスは、例えば可撓性が低い腹腔鏡ツールよりも大きい、狭い開口および/または管腔に挿入されたとき、広い範囲のアクセス方向および/または治療の動きを提供する。
【0777】
図18は、本発明のいくつかの実施形態による、手術を実施する自然開口を通して挿入された少なくとも1つの機械肢(例えば、本明細書のいずれかの箇所に記載するような)を含む、デバイスの簡略化された概略図である。いくつかの実施形態では、デバイスは、患者の膣内に挿入され、例えば膣で、切開部を通して患者身体内にさらに挿入される。
図18は、膣から頸部を通して子宮1892内まで挿入されている、複数の腕1804、1806を含むデバイスを示している。デバイス・ハンド・ツール1824、1826は、ファロピウス管1894に手術を施しており、子宮の切開部1862を通してアクセスが提供される。
【0778】
例示的な実施形態では、少なくとも1つの機械肢(例えば、本明細書のいずれかの箇所に記載されるような)を含むデバイスは、膣および後円蓋の切開部を通してダグラス窩内に挿入されて、例えば、子宮を手術する(例えば、子宮摘出を行う)。代替実施形態では、少なくとも1つの機械肢(例えば、本明細書のいずれかの箇所に記載されるような)を含むデバイスは、鼻孔および/または口を通して鼻腔まで挿入されて、鼻腔に手術を施す。代替実施形態では、少なくとも1つの機械肢(例えば、本明細書のいずれかの箇所に記載されるような)を含むデバイスは、食道を通して挿入されて、胃に手術を施す。
【0779】
遠隔に配置される例示的な機械腕コントローラ
【0780】
いくつかの実施形態では、デバイス腕セグメントを回転させる、かつ/またはデバイス腕セグメントを曲げる要素(例えば、モータ)を含むコントローラは、遠隔に配置され、例えば、いくつかの実施形態では、制御要素(例えば、モータ)は、デバイス胴体内および/またはデバイス支持部(例えば、上述したような)内に配置される。
【0782】
いくつかの実施形態では、関節の周りにおけるセグメントの屈曲および/または延長、ならびに/あるいは曲げ(例えば、有効セグメントの互いに対する屈曲および/または延長)は、各セグメントに連結された細長い要素(例えば、ワイヤ、リボン、テープ、ケーブル)を用いて遠隔で制御され、細長い要素の1つ以上の張力を変化させる(例えば、引っ張る、解放する)ことによって、要素に連結された要素が屈曲または延在する。いくつかの実施形態では、セグメントは、例えばセグメントの第1の面に連結された、第1の細長い要素を引っ張ることによって一方向で曲げられ、例えばセグメントの第2の面(例えば、セグメントの第1の面とは反対側)に連結された、第2の細長い要素を引っ張ることによって真っ直ぐにされる。
【0783】
いくつかの実施形態では、セグメントおよび/または有効セグメントの曲げを制御する1つ以上の細長い要素は、デバイスの1つ以上の中空部分内部でデバイスに連結される。例えば、
図34Bの細長い要素3480および/または
図35Bの細長い要素3580および3581に関して記載したように、例えば、細長い要素は、例えばガイド要素、例えば
図34Bの3486a、3486b、3486c、
図35Bの3586a、3586bによって、1つ以上の中空デバイス部分の内表面に連結される。
【0784】
いくつかの実施形態では、1つ以上の細長い要素は、1つ以上のデバイス部分(例えば、中空デバイス部分)の外表面に連結される。例えば、
図31Cを参照すると、いくつかの実施形態では、細長い要素(図示なし)は、フィン3181、3183によってデバイス腕の部分の外表面に連結される。いくつかの実施形態では、外科用デバイス肢は(例えば、シースで)被覆され、例えば、外側に連結された細長い要素を潜在的に保護する。
【0785】
例示的な実施形態では、1つ以上の細長い要素はリボン形状であり、例えば、平坦な断面形状を含み(例えば、細長い要素の断面は細長い要素の長軸に垂直である)、例えば、断面の最大寸法は、断面の最小寸法の1.25倍、または1.5倍、または2倍、または3倍、または4倍、または10倍である。リボン形状の細長い要素の潜在的な利益は、例えば、ワイヤの細長い要素と比較して、所与の最小断面寸法に対して強度が増加することである。いくつかの実施形態では、リボン形状の細長い要素は、複数の要素が限定された断面空間内に位置する、入れ子構造の場合に有利である。
【0786】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセグメントの屈曲および/または延長は、弾性の細長い構成要素(例えば、ニチノール(NiTi)製)を引っ張ることによるものであり、例えば、国際特許出願公開WO2011/036626に記載されているように、細長い構成要素を解放すると、細長い構成要素はセグメントを弾性的に戻す。
【0788】
いくつかの実施形態では、セグメントの回転は、(例えば、コネクタによる)セグメントに連結されたセグメントの延長部の回転によって制御され、延長部は、例えば、(例えばデバイスの外側を延在する)セグメントからある距離の位置まで延在する。いくつかの実施形態では、セグメントの回転は曲がったセグメント延長部の回転による。
【0789】
いくつかの実施形態では、セグメント延長部は、1つ以上の近位側セグメントの内部で入れ子状に(配設)され、例えば、手延長部は橈骨および/または上腕骨および/または胴体内部で入れ子状にされ、橈骨延長部は上腕骨および/または胴体内部で入れ子状にされる。
【0790】
図19は、本発明のいくつかの実施形態による、入れ子状のセグメント延長部を備えた腕2004の簡略化された概略図である。いくつかの実施形態では、手延長部2024E(グレーの陰影)に連結された手2024は、
図19の白い矢印によって示されるように、手延長部2024Eの回転によって回転可能である。いくつかの実施形態では、手延長部は、上腕骨2012および橈骨延長部2016Eの内部で入れ子状にされる。いくつかの実施形態では、橈骨延長部2016Eは上腕骨2012内部で入れ子状にされる。
【0791】
いくつかの実施形態では、セグメント延長部はトルク伝達部分を含むので、セグメントは、セグメント延長部が曲げられると、セグメント延長部を使用して回転可能である。
図20は、本発明のいくつかの実施形態による、曲げ可能なトルク伝達部分を備えた、セグメント延長部2024Eを含む腕2004の簡略化された概略図である。
【0793】
いくつかの実施形態では、曲げ可能なトルク伝達部分は、複数の連結されたトルク伝達要素を含む。
【0794】
図21は、本発明のいくつかの実施形態による、トルク伝達要素の簡略化された概略図である。いくつかの実施形態では、トルク伝達部分は、トルク伝達部分のコネクタによって連結された要素のスタックを含む。
【0795】
いくつかの実施形態では、トルク伝達要素は、単一のトルク伝達要素の回転によって、隣接したトルク伝達要素と同じ方向でトルク(例えば、要素間のコネクタによって伝達される)が作られ、それによって隣接したトルク伝達要素が回転するように、形作られ積み重ねられる。
【0796】
例示的な実施形態では、トルク伝達要素は、2つのコネクタ2196a、2196bを備えた上部トルク伝達要素と、2つのコネクタ2196c、2196dを備えた下部要素とに連結される。いくつかの実施形態では、各要素は4つのビームを含み、2つの上部ビーム2198a、2198bは上部の隣接した要素(図示なし)に接続され、2つの下部ビーム2198c、2198dは下部の隣接した要素(図示なし)に接続される。いくつかの実施形態では、要素間のコネクタは要素間でトルクを伝達する。いくつかの実施形態では、1つ以上のビームはビーム長軸に沿って剛性であり、例えば、ビームの圧潰および/またはトルク伝達部分の捻じれに対抗する。
【0797】
いくつかの実施形態では、例えば、
図21に示されるように、2つ以上の要素を備えたトルク伝達部分は、トルク伝達部分の周りで90°間隔の空き空間を有し、つまり、トルク伝達部分は、空き空間の圧縮および膨張によって、トルク伝達部分長軸に垂直な任意の方向で直線位置から曲げ可能および/または偏向可能である。
【0798】
いくつかの実施形態では、リンクは、4つを超えるビームおよび/または4つを超えるコネクタを含み、例えば、トルク伝達部分は、トルク伝達部分の周りで90°未満の空き空間を有する。
【0799】
いくつかの実施形態では、トルク伝達部分の最大曲げおよび/または偏向は、内側の曲がりの空き空間が閉止されていることに対応する。いくつかの実施形態では、トルク伝達部分の橈骨の最小曲げは、15mm、または10mm、または8mm、または6mm、または4mmである。例示的な実施形態では、トルク伝達部分の最小限に曲がった橈骨は10mmである。代替の例示的な実施形態では、トルク伝達部分の最小限に曲がった橈骨は6mmである。
図22は、本発明のいくつかの実施形態による、トルク伝達部分の拡散パターンである。
図22で見えているのは、要素間の接続2296、およびビーム間の空き空間2299である。
【0800】
図23は、本発明のいくつかの実施形態による、第1および第2の要素2397a、2397bを備えた直線のトルク伝達部分の簡略化された概略側面図である。
図24は、本発明のいくつかの実施形態による、2つの要素を備えた曲げトルク伝達部分の簡略化された概略側面図である。
図23では、中点2402はビームの例示的な弾性曲げを示す。
【0801】
いくつかの実施形態では、
図24に示されるように、トルク伝達部分が曲がると、曲がりの外側にある要素間の空き空間が拡大し(2499E)、かつ/または曲がりの内側にある空き空間が接触する(2499C)。
【0802】
いくつかの実施形態では、曲がりの間、トルク伝達部分長さ(例えば、
図23および
図24に点線で示されるような)は、長さが変化しない(元の長さを維持する)。
【0803】
いくつかの実施形態では、要素は中空チューブをレーザー切断することによって構築される。
【0804】
いくつかの実施形態では、トルク伝達部分は、100g/100mm、0.1Nmを伝達することができる。いくつかの実施形態では、トルク伝達部分は、0.01〜1Nmもしくは0.01〜0.5Nm、またはそれよりも低いもしくは高いもしくは中間の範囲またはトルクを伝達することができる。いくつかの実施形態では、トルク伝達部分のトルク伝達能力は、接続部、例えば
図22の接続部2292の強度、および/またはトルク伝達部分の圧潰に対する抵抗と関連付けられる。
【0805】
図25は、本発明のいくつかの実施形態による、複数の要素を備えた直線のトルク伝達部分の簡略化された概略側面図である。
図26は、本発明のいくつかの実施形態による、複数の要素を備えた曲がったトルク伝達部分の簡略化された概略側面図である。
【0807】
いくつかの実施形態では、関節は1つ以上のリンクによって形成される。いくつかの実施形態では、関節は複数のリンクのスタックによって形成される。
図27は、本発明のいくつかの実施形態による、2つのリンク2702を含む直線の関節2700の簡略化された概略図である。
【0808】
図28は、本発明のいくつかの実施形態による、関節長軸を中心にして回転した2つのリンクを含む関節2800の簡略化された概略図である。
【0809】
いくつかの実施形態では、リンクは、例えば、一方向での偏向を可能にする(例えば、それによって屈曲および/または延長が一方向になる)、1つ以上のエア・ギャップ2799、2899を含む。いくつかの実施形態では、エア・ギャップ2799、2899は連続したリンクの同じ側に配置される。いくつかの実施形態では、エア・ギャップ2799、2899は、リンクの周りを延在しないので、関節の曲げ方向が制限される。
【0810】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリンクは、例えば関節が曲がったときに、例えば、リンクが分解されるのを防止する、くさび2760、2860を含む。いくつかの実施形態では、リンクは、リンクを隣接したリンクに連結する、コネクタ2762、2862(例えば、リンクピン)を含む。
【0811】
例示的な実施形態では、各リンクは関節長軸から16°以内で回転可能である。いくつかの実施形態では、90°屈曲するために6つのリンクが使用され、いくつかの実施形態では、180°屈曲するために12のリンクが使用される。
【0812】
図29は、本発明のいくつかの実施形態による、関節長軸を中心にして回転する複数のリンクを含む関節の側面図である。
【0813】
いくつかの実施形態では、ガイド要素(例えば、より詳細に後述するようなフィンまたはリング)が、リンクに連結される。いくつかの実施形態では、ガイド要素は2つ以上のリンクに連結される。
図30は、本発明のいくつかの実施形態による、ガイド要素3086を含む複数のリンクを含む関節の簡略化された概略側面図である。
図30に示される実施形態では、ガイド要素はリングである。
【0814】
いくつかの実施形態では、ガイド要素は、穴またはスロットを通して突出するリングの一部分によって、リンクに連結される。
図29を再び参照すると、スロット2994はいくつかのリンクでは目に見える。
【0815】
例示的な実施形態では、ガイド・フィンおよび/またはリングは、リングを関節内部に挿入することによって、リンクに嵌合される。
【0817】
図31Aは、本発明のいくつかの実施形態による、入れ子状のセグメント延長部を備えた腕3104の簡略化された概略断面図である。
図31Bは、本発明のいくつかの実施形態による、腕の一部分の簡略化された概略側面図である。破線は、
図31Aに示され、
図31Bに示される腕の部分を示している。
【0818】
いくつかの実施形態では、腕3104は、手首関節3128で橈骨3116に連結されたハンド・ツール3124を含む。
【0819】
いくつかの実施形態では、橈骨3116は、2つのトルク伝達部分を含む橈骨延長部に連結され、肘トルク伝達部分3116ETTは肘関節3120の内部に配設され、肩トルク伝達部分3116STTは肩関節3108の内部に配設される。いくつかの実施形態では、橈骨3116は、コネクタ3116Cによって上腕骨3112に連結される。いくつかの実施形態では、部分3116Cは、橈骨3116を上腕骨3112に接続する一方、上腕骨3122の自由回転を可能にする。いくつかの実施形態では、
図31Aの領域Aでは、橈骨部分3116上の突出部は部分3116C上の圧痕に嵌合する。例示的な実施形態では、橈骨部分3116上のリング状の突出部(例えば、橈骨部分3116に接続(例えば、溶接)された材料のリング)は、部分3116C上の圧痕に嵌合する。同様に、いくつかの実施形態では、部分3112Cおよび3112は、整合する突出部と圧痕とによって接続される(例えば、部分3112上のリング突出部が、部分3112Cの整合する圧痕に嵌合する)。
【0820】
いくつかの実施形態では、「接続区画」は、コネクタおよび関節、例えば肩関節3108およびコネクタ3112C、例えば肘関節3120およびコネクタ3116Cを含む。
【0821】
図31Cは、本発明のいくつかの実施形態による、腕の一部分の簡略化された概略断面図である。いくつかの実施形態では、例えば、Aにおいて、部分は、部分3116C上の圧痕に嵌合するリング突出部を含む。
【0822】
いくつかの実施形態では、部分3116Cは、1つ以上の細長い要素に対する定着を提供し、例えば、細長い要素は部分3116Cancに接続/連結される。
【0823】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコネクタが部分を連結する一方で、1つの部分が、部分の長軸の周りのコネクタ内で回転することを可能にする。例えば、接続部分3116Cは、橈骨3116が接続部分3116C内で橈骨長軸を中心にして回転することを可能にする。
【0824】
いくつかの実施形態では、上腕骨3112は、1つのトルク伝達部分を含む上腕骨延長部に連結され、肩トルク伝達部分3112STTは肩関節3108の内部に配設される。いくつかの実施形態では、上腕骨はコネクタ3112Cによって胴体3102に連結される。
【0825】
いくつかの実施形態では、機械腕は、第1および第2の可撓性部分(例えば、肘関節および肩関節)を含み、それらはともに短い接続セグメントと連結される(例えば、肩および肘関節を連結する上腕骨区画は短い)。いくつかの実施形態では、可撓性部分間の連結は点接続である(例えば、肩および肘関節は直接接続される)。
【0826】
いくつかの実施形態では、剛性定着部分(例えば、部分3116C)は2つの可撓性部分を接続し、定着部分は、例えば細長い部分の近位側における、関節の屈曲および延長を制御する細長い要素の定着を提供する。いくつかの実施形態では、定着は、関節のうちの1つの一部分、例えば近位側関節の遠位部分によって提供される。
【0827】
いくつかの実施形態では、1つ以上の剛性セグメントはない。
図32は、本発明のいくつかの実施形態による、入れ子状のセグメント延長部を備えた腕3204の簡略化された概略断面図である。いくつかの実施形態では、肘関節3220および肩関節3208は直接連結される(例えば、腕3204は上腕骨部分を有さない)。
【0828】
図33Aは、本発明のいくつかの実施形態による、入れ子状のセグメント延長部を備えた例示的な腕3204の簡略化された概略断面図である。
【0829】
図33Bは、本発明のいくつかの実施形態による、橈骨セグメント延長部3316Eに連結された、橈骨に連結されたハンド・ツール3324の簡略化された概略図である。いくつかの実施形態では、橈骨セグメント延長部3316Eは、肘トルク伝達部分3316ETTおよび肩トルク伝達部分3316STTを含む。
【0830】
上述したように、いくつかの実施形態では、細長い要素は、腕関節における腕セグメントの屈曲および延長を制御するのに使用される。いくつかの実施形態では、細長い要素は、セグメントおよび/または関節および/またはセグメント延長部および/またはトルク伝達部分における軸方向の空隙を貫通する。
【0831】
図33Cは、本発明のいくつかの実施形態による、橈骨延長部の一部分の簡略化された概略断面図である。いくつかの実施形態では、1つ以上の細長い要素3370は、ガイド要素によって、トルク伝達部分リンク3324STT、3324ETTに連結される。いくつかの実施形態では、ガイド要素はフィン3386である。別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、ガイド要素はリングである。
【0832】
いくつかの実施形態では、セグメント延長部(およびセグメント)の回転中、細長い要素は要素内の適所に留まり、例えばガイド要素(例えば、フィン3386)によって適所で連結されているので、例えば要素とともに回転する。
【0833】
いくつかの実施形態では、電気供給ケーブル3371が橈骨セグメント延長部を貫通して、例えば、電気をハンド・ツールに供給する(例えば、電気外科手術のため)。
【0834】
図34Aは、本発明のいくつかの実施形態による、上腕骨延長部3412Eに連結された上腕骨を含むデバイス腕部分の簡略化された概略側面図である。
図34Bは、本発明のいくつかの実施形態による、上腕骨延長部3412Eに連結された上腕骨3412の簡略化された概略断面図である。
【0835】
いくつかの実施形態では、肘関節3420は2つ以上の細長い要素に連結され、第1の細長い要素3480は引っ張られて、橈骨3416を一方向で曲げ(屈曲もしくは延在させ)、第2の細長い要素(図示なし)は引っ張られて、橈骨を反対方向で曲げる。いくつかの実施形態では、肘関節3420は3つ以上の細長い要素に連結されて、潜在的に、要素が動く最大負荷(例えば、ハンド・ツールによって保持される橈骨、組織)を増加させる。
【0836】
例示的な実施形態では、細長い要素3480は、ガイド要素(例えば、フィン3486a)によって肘関節3420リンクに、またガイド要素(例えば、フィン3486c)によって肩トルク伝達部分リンクに連結される。いくつかの実施形態では、フィン3486はそれぞれ、細長い要素をギャップ3488内で保持して、細長い要素3480がギャップ3488内で摺動する(例えば、引っ張られる、解放される)ことを可能にする。いくつかの実施形態では、1つ以上のガイド要素はリングである。いくつかの実施形態では、フィンおよび/またはリングは、細長い要素を、(例えば、セグメントおよび/または関節、および/またはトルク伝達部分の)中空領域の内縁部で保持する。
【0837】
同様に、いくつかの実施形態では、第2の細長い要素(図示なし)は、中空部分の内縁部の異なる部分に連結される。例えば、第2の細長い要素は、肘関節3420の反対側にあるリンクに連結された第2の細長い要素のフィン3486bによって、肘関節3420の対角線反対側に連結される。いくつかの実施形態では、第1の細長い要素のフィン3486aおよび第2の細長い要素のフィン3486bは、異なるリンクに、例えば交互リンクに連結される。例示的な実施形態では、第1の細長い要素のフィンおよび第2の細長い要素のフィンは交互リンクに連結され、第1の細長い要素のフィンと第2の細長い要素のフィンの各対ごとに、2つのリンクがフィンを有さない。
【0838】
いくつかの実施形態では、1つ以上の細長い要素3420は部分3416Cに固着される。例えば、いくつかの実施形態では、細長い要素3420の遠位端は部分3416Cに固着される。あるいは、いくつかの実施形態では、細長い要素は単に摺動可能に連結されて、例えば、部分3416C内のギャップを通ってループする。
【0839】
図35Aは、本発明のいくつかの実施形態による、胴体3502に連結された肩関節3508の簡略化された概略側面図である。
図35Bは、本発明のいくつかの実施形態による、胴体3502に連結された肩関節3508の簡略化された概略断面図である。いくつかの実施形態では、第1の細長い要素(例えば、ケーブル、リボン、ワイヤ、テープ)3580は、フィン3586aによって肩関節のリンクに連結される。いくつかの実施形態では、第2の細長い要素3581のケーブルは、フィン3586bによって肩関節のリンクに連結される。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の細長い要素は第1の細長い要素に連結されて、潜在的に強度の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、ケーブルおよびフィンは、橈骨および橈骨延長部に関して、上述したような機能性を有する。
【0841】
いくつかの実施形態では、1つ以上の機械肢を含むデバイス(例えば、本明細書のいずれかの箇所に記載するような)は、腕の近位端に連結されたモータ・ユニットによって作動する。
【0842】
例示的な実施形態では、単一の関節の曲げ(屈曲および延長)ならびに回転は、2つの歯車の動きによって制御される。
図39は、本発明のいくつかの実施形態による、機械肢関節を制御する作動機構3901の簡略化された概略側面図である。
【0843】
いくつかの実施形態では、回転歯車3902は中心シャフト3904に連結され、中心シャフト3904は延長部(例えば、
図33Aの3316E)に連結される。いくつかの実施形態では、中心シャフト3904の遠位部分(回転歯車3902の方向D)は、延長部に連結される。いくつかの実施形態では、回転歯車3902の回転によって中心シャフト3904が回転し、それによって次いで、中心シャフトに連結された延長部が回転する。
【0844】
いくつかの実施形態では、曲げ歯車3906は、ねじ山3908を含む部分に連結される。曲げ歯車3906の回転によって、ねじ山3908が回転する。いくつかの実施形態では、第1のナット3910および第2のナット3912はねじ山3908に連結され、それにより、ねじ山の回転によって、中心シャフト3904の長軸3914に平行なナットの線形的な動きが生成され、第1のナット3910および第2のナット3912は異なる方向で動く。いくつかの実施形態では、第1のナット3910および第2のナット3912は細長い要素3910eeおよび3912eeにそれぞれ接続され、ナットの線形的な動きによって一方の細長い要素が引っ張られるとともに他方が解放され、かつ/または押されて、関節の屈曲/延長が生じる。
【0845】
いくつかの実施形態では、関節の回転は、回転歯車3902および曲げ歯車3904両方の回転によってもたらされる。いくつかの実施形態では、関節の曲がりは、曲げ歯車のみの回転によってもたらされる。いくつかの実施形態では、関節の同時の曲がりおよび回転は、回転歯車および曲げ歯車が異なる量および/または異なる方向で回転することによってもたらされる。例えば、いくつかの実施形態では、関節の同時の曲がりおよび回転は、曲げ歯車を静止させて保持する一方で回転歯車を回転させることによってもたらされる。
【0846】
いくつかの実施形態では、カバー3916は、中心シャフト、ねじ山、およびナットを被覆し、例えば、屑または他の物質が機構に入るのを潜在的に防止する。
【0847】
いくつかの実施形態では、各機械デバイス関節は、上述したような作動機構に(例えば、延長部が関節に連結されることによって)連結される。例えば、いくつかの実施形態では、各延長部分(例えば、上述したような)は中心シャフトに連結され、屈曲および延長を制御する細長い部分(例えば、上述したような)は作動機構のナットに連結される。いくつかの実施形態では、単一の機械肢の作動機構は線形的に配置され、中心シャフトは入れ子状構成で配設され、内側の中心シャフトは歯車による制御のために突出する。
【0848】
図40は、本発明のいくつかの実施形態による、機械腕を含むデバイスを作動させるモータ・ユニット4000の簡略化された概略側面図である。いくつかの実施形態では、第1の機械腕4002および第2の機械腕4006を含むデバイスは、モータ・ユニット4000によって制御される。
【0849】
いくつかの実施形態では、第1の回転歯車4002aおよび第1の曲げ歯車4006aを含む、第1の作動機構4001aは、肩関節の屈曲/延長および回転を駆動する。
図35A〜
図35Bを次に参照すると、例えば、いくつかの実施形態では、第1の作動機構4001aは、部分3502を回転させることによって肩関節を回転させ、部分3512Cに取り付けられた細長い要素(例えば、
図35Bの3581)の動きによって、関節3508の屈曲および延長をもたらす。
【0850】
いくつかの実施形態では、第2の回転歯車4002bおよび第2の曲げ歯車4006bを含む、第2の作動機構4001bは、肘関節の屈曲/延長および回転を駆動する。いくつかの実施形態では、モータに連結された1つ以上の駆動歯車は、モータ・ユニット4000の下方に配設される。例えば、いくつかの実施形態では、第2の曲げ歯車4006bを駆動する、モータに連結された歯車は、モータ・ユニット4000の下面に配設される。例えば、歯車4099は、第2の機械腕4006に対応する第2の作動機構を駆動する。
図34A〜
図34Bを次に参照すると、例えば、いくつかの実施形態では、第2の作動機構4001bは、部分3412Eを回転させることによって肘関節を回転させ、部分3416Cに取り付けられた細長い要素(例えば、
図34Bの3480)の動きによって、関節3508の屈曲および延長をもたらす。
【0851】
いくつかの実施形態では、第3の回転歯車4002cおよび第3の曲げ歯車4006cを含む、第3の作動機構4001cは、エンド・エフェクタを作動させ(例えば、握持具を開閉し)、手首関節の回転を駆動する。
図1Cを参照すると、いくつかの実施形態では、第3の作動機構4001bは回転し、エンド・エフェクタ124を作動させ、例えば、いくつかの実施形態では、第3の回転歯車4006cの回転によってエンド・エフェクタ(例えば、
図1Aのエンド・エフェクタ124)を開閉する。例えば、いくつかの実施形態では、握持具は、例えば
図36Bに関連して記載したような、開閉機構の回転/ねじ締めを含み、第3の回転歯車4006cの回転によってエンド・エフェクタを開閉させる。いくつかの実施形態では、回転歯車4006cの回転によってナット3602が回転する。
【0852】
デバイス腕が、曲がることができる手首関節(例えば、
図33B〜Cに示されるような)も含む実施形態では、モータ・ユニットは、手首関節の屈曲/延長を作動させる追加の機構を含む。
【0853】
いくつかの実施形態では、同様に、第2の機械肢4006は、例えば6つのモータを含む、3つの作動機構によって作動する。例示的な実施形態では、身体に挿入するためのデバイスは、12のモータによって作動する、2つの機械肢を含む。
【0854】
いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のモータ(例えば、13番目のモータ)が、デバイス腕をモータ・ユニットに向かって、かつ/またはモータ・ユニットから離れる方向で動かす。例えば、いくつかの実施形態では、モータ・ユニットの(例えば、支持部および/または患者支持面に対する)取付けの位置は、例えばモータによって変更される。
【0855】
例えば、
図15を参照すると、いくつかの実施形態では、レール1502に対する支持部1582の取付けの位置が変更される(例えば、支持部1582上に配置されたモータによる)。例えば、いくつかの実施形態では、支持部1482に対するモータ・ユニット1514の取付けの位置が変更される(例えば、支持部1582上に配置されたモータによる)。
【0856】
例えば、モータ・ユニットが固定の構成で支持されているとき、および/または患者の体内へのデバイスの動きを自動化するため、例えば、デバイスを患者の身体内へと動かし、かつ/または身体の外に動かす。いくつかの実施形態では、モータ・ユニット4000内に配置されたモータは、デバイス腕を患者の体内へ、かつ/または患者の体外へと動かす。
【0857】
いくつかの実施形態では、例えば、関節の回転によって、回転させた関節の遠位側にある関節の回転も引き起こすように、2つ以上の作動機構が関節の回転の際に駆動される。例えば、いくつかの実施形態では、肩関節を回転指せる場合、歯車4002a、4006a、4002b、4006bは同じ方向で回転させられる。例えば、いくつかの実施形態では、肘関節を回転させる場合、歯車4002b、4006b、4002b、4006bは同じ方向で回転させられる。例えば、いくつかの実施形態では、エンド・エフェクタを回転させる場合、歯車4002b、4006bは同じ方向で回転させられる。いくつかの実施形態では、入れ子部分が外側部分と同時に回転することで、内部の細長い要素(例えば、屈曲/延長をもたらすのに使用される細長い要素、例えば電力供給を提供する細長い要素)に対する応力および/またはその絡まりが防止される。
【0858】
いくつかの実施形態では、1つ以上の作動機構が関節の屈曲/延長に使用される。例えば、いくつかの実施形態では、肩関節を曲げるため、肩関節および肘関節の両方を曲げるための細長い要素が動かされる。いくつかの実施形態では、肘のための細長い要素が動かされず、かつ/または解放されない場合、肘関節と関連付けられた細長い要素における応力は、肩関節の動きに抵抗する。例えば、肩関節の曲げは、第1の作動機構4001aおよび第2の作動機構4001b内の歯車を回転させることによってもたらされる。
【0859】
いくつかの実施形態では、モータ・ユニットは、1つ以上の位置センサを含み、かつ/またはコマンドを格納するメモリを含むプロセッサによって制御される。いくつかの実施形態では、位置センサからおよび/または制御メモリからのデータは、デバイス部分の位置を推論するのに使用される。
【0860】
いくつかの実施形態では、モータ・ユニットは小型であり、例えば、長軸長さは100〜600mm、または200〜400mm、または約300mm、モータ・ユニット長軸に垂直な最大拡張範囲は20〜100mm、または30〜80mm、または60mmである。
【0861】
いくつかの実施形態では、モータ・ユニット4002は、例えば、単極および/または双極エネルギーをデバイスに(例えば、デバイス・エンド・エフェクタに)送達する、構造(例えば、電気接点を含む)を含む。
図41は、本発明のいくつかの実施形態による、エンド・エフェクタに電気を供給する要素を含むモータ・ユニットの一部分の簡略化された側面図である。
【0862】
いくつかの実施形態では、部分4130は、4130を回転させると、それによってエンド・エフェクタが回転するように、エンド・エフェクタに連結され、例えば、部分4120は
図33Bの部分3316Cに連結される。いくつかの実施形態では、歯車4132はエンド・エフェクタを作動させ、例えば、歯車4132の回転によって、把持具エンド・エフェクタの顎部が開放および/または閉止される。いくつかの実施形態では、接点4122および4124は、リング部分4126および4128にそれぞれ電気を供給する。いくつかの実施形態では、接点4122、4124の一方は正電圧を、他方は負電圧を提供して、双極電源を提供する。いくつかの実施形態では、リング部分4126および4128はそれぞれ、(例えば、4130を通るワイヤを通して)エンド・エフェクタに電気的に接続され、リング部分の一方は把持具の片側に連結され、他方は把持具の他方の側に連結される。例えば、
図36Bを参照すると、いくつかの実施形態では、362aおよび3624bは、リング部分4126および4128に電気的に連結される。
【0863】
いくつかの実施形態では、電源はワイヤを通してモータ・ユニットに供給され、例えば、
図40を参照すると、いくつかの実施形態では、接点4020は電源に接続される。
【0864】
いくつかの実施形態では、モータ・ユニットは3つ以上の機械肢および/または追加のデバイス要素を駆動する。例えば、いくつかの実施形態では、モータ・ユニットは2つのデバイス肢およびカメラを駆動する。
図10Bは、本発明のいくつかの実施形態による、3つ以上の腕を含むデバイスを作動させるモータ・ユニット1050の一部の簡略化された概略側面図である。いくつかの実施形態では、モータ・ユニット1050は、第3の肢の関節に対する作動デバイスを含む。例えば、
図10Aに示される実施形態では、モータ・ユニットは、関節1010を作動させる単一の作動ユニットを有する。いくつかの実施形態では、モータ・ユニットは1つ以上の湾曲部分1052を含み、例えばそこを中心シャフトが貫通する。いくつかの実施形態では、湾曲部分1052を貫通する中心シャフトは、トルク伝達部分(例えば、本明細書のいずれかの箇所に記載したような)を含む。
【0866】
いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス肢の最遠位側セグメント(例えば、手セグメント)はハンド・ツールを含む。
【0867】
いくつかの実施形態では、ツールは患者を直接治療し(例えば、組織を切断する、動かす)、例えばデバイス肢の他の部分は、ツールを適正位置に配置し、かつ/またはツールを動かす。
【0868】
いくつかの実施形態では、それに加えて、かつ/または別の方法として、ハンド・ツールは情報を収集する。例えば、いくつかの実施形態では、ハンド・ツールはカメラである。例えば、いくつかの実施形態では、ハンド・ツールは1つ以上のセンサを含む。
【0869】
例示的な実施形態では、ハンド・ツールは、手首関節によって、橈骨セグメントの遠位端に取り付けられる。いくつかの実施形態では、デバイス肢は、肢の遠位端以外の地点、例えば関節で、肢に連結される1つ以上のツールを含む。例えば、いくつかの実施形態では、肢は、肘関節に、または橈骨および/もしくは上腕骨上の肘関節付近に連結されたツールを含み、ツールは例えば、ハンド・ツールから離して組織を保持する。
【0870】
いくつかの実施形態では、肢はハンド・ツールを含まず、例えば、橈骨(例えば、遠位端)が組織を押しやるかまたは動かす。いくつかの実施形態では、ツール、例えば鋏、把持具は、例えば組織を押しやる、鈍い器具として使用される。
【0872】
いくつかの実施形態では、デバイス腕は鋏状ハンド・ツールを含む。
図3を再び参照すると、鋏状ハンド・ツール324は、第2の部分325bに連結された第1の部分325aを含む。いくつかの実施形態では、鋏状ハンド・ツール324は、第1の部分325aの平坦面を摺動させて、第2の部分325bの平坦面に近接および/または接触させることによって切断する。任意選択で、1つ以上の部分325a、325bは鋭い縁部を含む。いくつかの実施形態では、鋏状ハンド・ツール324は組織を切断する。別の方法として、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、鋏状ハンド・ツール324は、例えば鋏が閉止されたとき、患者組織を押しやり、かつ/または保持するのに使用される。いくつかの実施形態では、鋏状ハンド・ツール324の1つ以上の部分は、より詳細に後述するように、電気外科用に荷電される。
【0874】
いくつかの実施形態では、デバイス腕は把持ハンド・ツールを含む。いくつかの実施形態では、把持具は2つ以上の対向部分を含み、把持具は、2つ以上の対向部分を合わせることによって閉止されて、例えばオブジェクト(例えば、患者組織)を把持する。いくつかの実施形態では、対向部分は離れるように動いて、把持具を開放する。
図36Aは、本発明のいくつかの実施形態による、閉止された把持ハンド・ツール3624の簡略化された概略図である。
図36Bは、本発明のいくつかの実施形態による、開放された把持ハンド・ツール3624の簡略化された概略図である。
【0875】
いくつかの実施形態では、第1の把持具側3624aは第2の把持具側3624bに枢動可能に連結される。いくつかの実施形態では、開放把持具構成から閉止把持具構成へと動かす際、第1の把持具側および第2の把持具側の対向面は互いに向かって動く。いくつかの実施形態では、
図36Aに示されるように、把持具側3624a、3624bの間にオブジェクトがない場合、把持具を閉止することによって、それらの側の対向面3624cが接触する。
【0876】
任意選択で、いくつかの実施形態では、把持具の1つ以上の側は突出部を、例えば、1つ以上の鋸歯状縁部および/または1つ以上の突出歯を含む。潜在的に、突出部により、握持具が保持している組織の握持が改善される(例えば、握持力が増加する)。
【0877】
いくつかの実施形態では、握持具の対向面は(例えば、
図36Aおよび
図36Bに示されるように)平滑および/または平坦である。いくつかの実施形態では、握持具の対向面は、鋸歯状であり、かつ/または噛み合い、かつ/または歯を含み、例えば、外科用握持具の分野で知られているように、潜在的に圧力および/または握持を増加させる。
【0878】
いくつかの実施形態では、ユーザ組織は対向面3624cの間で保持される。いくつかの実施形態では、把持ハンド・ツールは、対向面3624cの間で組織を保持し、潜在的な利益は、患者組織を引っ張り、かつ/または引裂くことが可能なことである。
【0879】
いくつかの実施形態では、旋回および/またはねじ締め機構によって把持具側が開閉する。いくつかの実施形態では、ナット3602は、第1のビーム3604および第2のビーム3606に連結される。第1のビーム3604は把持具の第1の側3624aに連結され、第2のビーム3606は把持具の第2の側3624bに連結される。いくつかの実施形態では、例えば、ナット3602を一方向(例えば、時計方向)で旋回させることによってナットが把持具側に向かって押しやられて、第1および第2のビーム間の角度が増加し、例えば
図36Aと
図36Bとの間での移行に示されるように、把持具側が開く。いくつかの実施形態では、ナット3602は、ナットに連結された細長い要素を旋回させることによって旋回し、細長い要素は任意選択で、ハンド・ツールおよび/またはデバイス腕の外に延在する。例示的な実施形態では、細長い要素は単一のニチノール要素(例えば、ケーブル、テープ、ワイヤ)である。トルクを使用して鉗子側を作動させる(開閉する)他の方法が想到され、本出願に含まれる。
【0880】
トルク、ならびに/あるいはナットおよび/またはねじなどの自己係止機構を使用することの潜在的な利益は、細長い要素と相互作用する腕の動きによって把持具の握持が緩まないことである。
【0881】
別の方法として、またはその代わりに、いくつかの実施形態では、把持ハンド・ツールの開閉は、把持具制御の分野で知られているように、1つ以上の細長い要素を引っ張り、解放することによって制御される。
図37は、本発明のいくつかの実施形態による、閉止された把持ハンド・ツール3724の簡略化された概略図である。
【0882】
いくつかの実施形態では、ハンド・ツールは(例えば、手首関節3628によって)、ハンド・ツールを橈骨に連結する接続部分3624Couに連結される。いくつかの実施形態では、手首関節はピボットである。あるいは、いくつかの実施形態では、デバイス腕は曲げ可能な手首関節を含まず、例えば、ハンド・ツール3624は橈骨セグメントに直接連結される。
【0883】
ヒューマノイド構造を備えた例示的な把持具
【0884】
いくつかの実施形態では、デバイス腕は、ヒューマノイド構造(握持ハンド・ツール)を備えた把持具を含む。いくつかの実施形態では、把持ハンド・ツールの1つ以上の対向部分は関節接合される。いくつかの実施形態では、1つ以上の対向部分は、ヒトの指と同じ数のセグメントおよび接続関節を含む。
図38は、本発明のいくつかの実施形態による、握持ハンド・ツール3824の簡略化された概略図である。ヒューマノイド構造を備えたハンド・ツールの潜在的な利益は、ツールの直感的な動きを含み、手作業の手術と同じようにして外科的動き(例えば、縫合)を行うことができる。
【0886】
いくつかの実施形態では、ハンド・ツールは、ユーザの組織を保持し、かつ/または押しやり、例えば組織を切断のために離して保持して、切断される組織に張力を提供するのに使用される。任意選択で、組織を保持するハンド・ツールは拡張部分を含み、その表面を、1つ以上の部分を、他の部分を越えて展開および/または膨張および/または摺動することによって拡張させることができる(例えば、扇状構成)。
【0887】
いくつかの実施形態では、1つ以上のハンド・ツール、例えば、ドリル、ねじ回し、針、メス、吸引デバイス、高調波メス、内視鏡処置の分野で知られているような他のデバイス(例えば、外科用デバイス)である。
【0889】
任意選択で、いくつかの実施形態では、1つ以上のデバイス・ハンド・ツールは、電気外科手術用の1つ以上の荷電部分を含む。いくつかの実施形態では、デバイス・ハンド・ツールは、単極電気外科手術のための単極帯電部分を含む。いくつかの実施形態では、双極電気外科手術のため、ハンド・ツールの1つの部分は負荷電され、ハンド・ツールの別の部分は正荷電される。
【0890】
例示的な実施形態では、
図36Aおよび
図36Bを参照すると、双極電気外科手術のため、第1の把持具側3624aは第2の把持具側3624bとは逆に荷電される(例えば、第1の把持具側3624aは正荷電され、第2の把持具側3624bは負荷電され、その逆もまた真である)。
【0891】
例示的な実施形態では、
図3を参照すると、双極電気外科手術のため、第1の部分325aは第2の部分325bとは逆に荷電される(例えば、第1の部分325aは正帯電され、第2の部分325bは負帯電され、その逆もまた真である)。
【0892】
いくつかの実施形態では、例えば、ユーザがユーザの腕の動きを用いてデバイスの動きを制御することによって、追加のユーザ・インターフェース(例えば、足ペダル)を使用して、電気外科手術のための荷電を活性化する。
【0894】
いくつかの実施形態では、機械腕(例えば、本明細書に記載するような)を含むデバイスの1つ以上の部分は、無菌および/または滅菌可能である(例えば、デバイス肢は無菌である)。いくつかの実施形態では、デバイスの1つ以上の部品は交換可能であり、例えば、いくつかの実施形態では、例えば治療の間に、1つ以上のデバイス肢が交換され、かつ/または1つ以上のツールが交換される。
【0895】
いくつかの実施形態では、エンド・エフェクタは機械腕にねじ留めされ、例えば、それを腕から除去するのにねじが緩められる。
【0896】
いくつかの実施形態では、1つ以上の機械腕はモータ・ユニットに摩擦結合されて、例えば、潜在的に、機械腕の除去および/交換を可能にしている。
【0897】
いくつかの実施形態では、機械腕は無菌シースを含み、かつ/または無菌シースは、例えばデバイスによる治療を開始する前は、機械腕の上に配置される。
【0899】
本明細書で使用するとき、「約」という用語は±20%を指す。
【0900】
「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有している」という用語、およびそれらの活用は、「〜を含むがそれに限定されない」ことを意味する。
【0901】
「〜から成る」という用語は「〜を含み、それに限定される」ことを意味する。
【0902】
「本質的に〜から成る」という用語は、組成物、方法、または構造が、追加の成分、ステップ、および/または部品を含んでもよいことを意味するが、ただし、追加の成分、ステップ、および部品が、特許請求する組成物、方法、または構造の基本的な新規の特性を実質的に変更しない場合に限る。
【0903】
本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈による特段の明示がない限り、複数を含む。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、化合物の混合物を含む、複数の化合物を含んでもよい。
【0904】
本出願全体を通して、本発明の様々な実施形態が範囲形式で提示されることがある。範囲形式での記載は、単に便利かつ簡潔にするためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきでないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、すべての可能な下位範囲、ならびにその範囲内の個々の数値を具体的に開示しているものと見なされるべきである。例えば、1〜6などの範囲の記載は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば1、2、3、4、5、および6など、具体的に開示された下位範囲を有するものと見なされるべきである。これは範囲の幅にかかわらず当てはまる。
【0905】
数値範囲が本明細書に示される場合は常に、示された範囲内のあらゆる列挙される数値(分数または整数)を含むことを意味する。第1の指示数と第2の指示数と「の間の範囲」、および第1の指示数「から」第2の指示数「までの範囲」という語句は、本明細書では交換可能に使用され、第1および第2の指示数ならびにそれらの間のすべての分数および整数を示すことを意味する。
【0906】
本明細書で使用するとき、「方法」という用語は、化学分野、薬理学分野、生物学分野、生化学分野、および医学分野の実務者に知られているか、またはそれらの実務者によって知られている方式、手段、技術、および手順から容易に開発される、方式、手段、技術、および手順を含むがそれらに限定されない、所与のタスクを遂行する方式、手段、技術、および手順を指す。
【0907】
本明細書で使用するとき、「治療する」という用語は、状態の進行を抑止すること、実質的に阻害すること、緩徐化もしくは逆行させること、状態の臨床的もしくは審美的症状を実質的に軽減すること、または状態の臨床的もしくは審美的症状の発現を実質的に防止することを含む。
【0908】
明瞭にするために別個の実施形態の文脈で記載されている、本発明の特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよい。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている、本発明の様々な特徴はまた、別個に提供されてもよく、または任意の適切な下位組み合わせで、または本発明の他の任意選択で記載される実施形態において適しているものとして提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で記載される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは動作不能な場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるものではない。
【0909】
本発明をその具体的な実施形態と関連して記載してきたが、多くの代替例、修正、および変形が当業者には明白となることは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および広範な範囲内にある、かかるすべての代替例、修正、および変形を包含するものとする。
【0910】
本明細書で言及するすべての出版物、特許、および特許出願は、個々の出版物、特許、または特許出願がそれぞれ、参照によって本明細書に組み込まれたものとして具体的かつ個別に指示された場合と同じ程度まで、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。それに加えて、本明細書におけるあらゆる参照文献の引用または特定は、かかる参照文献が本明細書の従来技術として利用可能であることを許容するものと解釈すべきでない。セクションの見出しが使用される限りにおいて、それらは必ずしも限定と解釈されるべきでない。