特表2017-533360(P2017-533360A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特表2017533360-木枠隔壁の改良された音響性能 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-533360(P2017-533360A)
(43)【公表日】2017年11月9日
(54)【発明の名称】木枠隔壁の改良された音響性能
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/86 20060101AFI20171013BHJP
   C04B 28/14 20060101ALI20171013BHJP
   C04B 24/10 20060101ALI20171013BHJP
   C04B 24/26 20060101ALI20171013BHJP
   C04B 14/42 20060101ALI20171013BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20171013BHJP
   G10K 11/165 20060101ALI20171013BHJP
【FI】
   E04B1/86 T
   C04B28/14
   C04B24/10
   C04B24/26 C
   C04B14/42 Z
   E04B1/86 A
   G10K11/16 120
   G10K11/165
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-518313(P2017-518313)
(86)(22)【出願日】2015年10月9日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月26日
(86)【国際出願番号】GB2015052968
(87)【国際公開番号】WO2016055807
(87)【国際公開日】20160414
(31)【優先権主張番号】1417905.5
(32)【優先日】2014年10月9日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517113093
【氏名又は名称】サン−ゴバン プラコ ソシエテ パル アクシオン サンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】リドー ヤン
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンズ ロバート
【テーマコード(参考)】
2E001
4G112
5D061
【Fターム(参考)】
2E001DF02
2E001FA07
2E001GA12
2E001GA46
2E001HA03
2E001HC02
2E001JA22
2E001JD02
2E001LA01
4G112PA17
4G112PB19
4G112PB30
5D061AA13
5D061AA22
5D061BB00
(57)【要約】
ビルディング構造のための隔壁は支持枠及び複数のねじにより支持枠に固定された石膏ボードを含む。その石膏ボードは石膏に対し少なくとも1質量%の量でその中に埋め込まれた繊維だけでなく、石膏に対し少なくとも1質量%の量で存在するポリマー添加剤を有する石膏マトリックスを含む。支持枠は複数の細長い木材を含み、かつ最も近い隣接ねじの平均間隔が400mm より大きい。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルディング構造のための隔壁であって、その隔壁は支持枠及び複数のねじにより支持枠に固定された少なくとも一つの石膏ボードを含み、
その石膏ボードは石膏に対し少なくとも1質量%の量でその中に埋め込まれた繊維を有する石膏マトリックスを含み、その石膏マトリックスは更に石膏に対し少なくとも1質量%の量で存在するポリマー添加剤を含み、
支持枠は複数の細長い木材を含み、かつ
最も近い隣接ねじの平均間隔が400mm より大きいことを特徴とする前記隔壁。
【請求項2】
最も近い隣接ねじの平均間隔が500mm より大きい、請求項1記載の隔壁。
【請求項3】
最も近い隣接ねじの平均間隔が550mm より大きい、請求項1又は2記載の隔壁。
【請求項4】
繊維が石膏に対し少なくとも3質量%の量で石膏マトリックス中に存在する、請求項1から3のいずれか1項記載の隔壁。
【請求項5】
ポリマー添加剤が石膏に対し少なくとも3質量%の量で存在する、請求項1から4のいずれか1項記載の隔壁。
【請求項6】
ポリマー添加剤が石膏に対し少なくとも5質量%の量で存在する、請求項5記載の隔壁。
【請求項7】
繊維が石膏に対し約3質量%の量で存在し、かつポリマー添加剤が石膏に対し約5質量%の量で存在する、請求項1から6のいずれか1項記載の隔壁。
【請求項8】
石膏ボードが支持枠と直接接触している、請求項1から7のいずれか1項記載の隔壁。
【請求項9】
ねじの少なくとも一部が石膏ボードの周辺付近に分布され、石膏ボードの周辺に配置された木材とかみ合う、請求項1から8のいずれか1項記載の隔壁。
【請求項10】
少なくとも一つのねじが石膏ボードの周辺から位置を変えられる石膏ボードの内部領域に配置され、石膏ボードの内部領域と接触する中央木材とかみ合い、中央木材に沿って配置された最も近い隣接ねじの平均距離が600mm より大きい、請求項1から9のいずれか1項記載の隔壁。
【請求項11】
中央木材に沿って配置された最も近い隣接ねじの平均距離が800mm より大きい、請求項10記載の隔壁。
【請求項12】
中央木材に沿って配置された最も近い隣接ねじの平均距離が1000mmより大きい、請求項11記載の隔壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改良された音響性能を有する木枠隔壁、特に石膏ボードクラッディングを有する木枠隔壁の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
石膏ボードクラッディングを有する木材スタッド隔壁は均等のクラッディングを有する金属スタッド隔壁より悪い音響性能を示すと考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
隔壁の性能のその他の特徴に悪影響を有しないで、木材スタッド隔壁の音響性能を改良することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くことに、クラッディングとして使用される石膏ボードが比較的高いレベルの繊維及びポリマー添加剤を含む場合、石膏クラッディングを木枠に接合する固定ねじの数が隔壁の音響性能を改良するように減少し得るとともに、難燃性が許容し得るレベルで維持されることが見い出された。この結果は反直感的である。何とならば、固定ねじの数の減少は難燃性のかなりの低下を不可避にもとらすと従来考えられていたからである。
それ故、第一の局面において、本発明はビルディング構造のための隔壁を提供し、その隔壁は支持枠及び複数のねじにより支持枠に固定された少なくとも一つの石膏ボードを含み、
その石膏ボードは石膏に対し少なくとも1質量%の量でその中に埋め込まれた繊維を有する石膏マトリックスを含み、その石膏マトリックスは更に石膏に対し少なくとも1質量%の量で存在するポリマー添加剤を含み、
支持枠は複数の細長い木材を含み、かつ
最も近い隣接ねじの平均間隔が400mm より大きい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の第一の局面の隔壁の実施態様の略正面図を示す。クラッディングが枠の詳細を示すために透明にされている。
図2】本発明の例示の例の隔壁の略正面図を示す。クラッディングが枠の詳細を示すために透明にされている。
図3】実施例1と比較例1についての音響試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
最も近い隣接ねじの平均間隔が500mm より大きく、好ましくは550mm より大きいことが好ましい。
ねじの数を減少することにより、隔壁の設置コストがまた減少される。
典型的には、ねじの少なくとも一部が石膏ボードの周辺付近に分布され、石膏ボードの周辺に配置された木材とかみ合う。
一般に、少なくとも一つのねじが石膏ボードの中央領域に配置され、石膏ボードの周辺から位置を換えられ、石膏ボードの中央領域に沿って配置された木材とかみ合い、石膏ボードの中央領域に沿って配置された最も近い隣接ねじの平均距離が600mm より大きい。
石膏ボードの中央領域に沿って配置された最も近い隣接ねじの平均距離が800mm より大きく、好ましくは1000mmより大きいことが好ましい。
繊維が石膏に対し少なくとも3質量%、更に好ましくは少なくとも5質量%の量で石膏マトリックス中に存在することが好ましい。
ポリマー添加剤が石膏に対し少なくとも3質量%、更に好ましくは少なくとも5質量%の量で存在することが好ましい。
典型的には、繊維がガラス繊維である。
典型的には、ポリマー添加剤が澱粉又はポリ酢酸ビニルの一種である。
石膏ボードが支持枠と直接接触しており、即ち、接着剤が石膏ボードを支持枠に結合するのに使用されていないことが好ましい。石膏ボードが一面又は両面にライナーを有する石膏コアーを含んでもよい。その場合には、ライナーが典型的には支持枠と直接接触している。
本発明が今図面を参照して実施例により説明されるであろう。
【実施例】
【0007】
実施例1
試験標本を木枠、絶縁材及び石膏ボードからつくった。
木枠はその間に延びる63mm x 38mm の木スタッドにより連結された63mm x 38mm のヘッドレール及びベースレールからなっていた。ヘッドレールとベースレールの間の距離は2400mmであり、一方、木スタッドを600mm の間隔で隔置した。
65mmの絶縁材をスタッドキャビティ内に入れた。
枠を下記の特性を有するボードの単層で両側で張り合わせた。
・3質量%の6mm のガラス繊維及び5質量%のTate & Lyle からのMerifilm澱粉を含む石膏コアー、及び
・ペーパーライナー。
ボードを調製するのに使用された化粧漆くいスラリーは0.7 の水ゲージ(即ち、水対化粧漆くいの質量比)を有していた。
ボードは12.5mmの厚さ及び約12kg/m2 の質量を有していた。ボード寸法は1200mmx 2400mmであった。
ボードを図1に示されたように枠に固定した。図1を参照して、枠が上部レール10及び下部レール12、二つの横スタッド14a、b 並びに中央スタッド16を含んでいた。
ボード20を上部レール10及び下部レール12並びに横スタッド14a、b に沿って600mm の間隔で隔置され、かつ中央スタッド16に沿って1200mmの間隔で隔置されるねじ22により枠に固定する。
【0008】
比較例1
試験標本を木枠、絶縁材及び石膏ボードからつくった。
木枠はその間に延びる63mm x 38mm の木スタッドにより連結された63mm x 38mm のヘッドレール及びベースレールからなっていた。ヘッドレールとベースレールの間の距離は2400mmであり、一方、木スタッドを600mm の間隔で隔置した。
65mmの絶縁材をスタッドキャビティ内に入れた。
枠を下記の特性を有するボードの単層で両側で張り合わせた。
・3質量%の6mm のガラス繊維及び5質量%のTate & Lyle からのMerifilm澱粉を含む石膏コアー、及び
・ペーパーライナー。
ボードを調製するのに使用された化粧漆くいスラリーは0.7 の水ゲージ(即ち、水対化粧漆くいの質量比)を有していた。
ボードは12.5mmの厚さ及び約12kg/m2 の質量を有していた。ボード寸法は1200mmx 2400mmであった。
ボードを図2に示されたように枠に固定した。図2を参照して、枠が上部レール10’ 及び下部レール12’ 、二つの横スタッド14’a、b 並びに中央スタッド16’ を含んでいた。
ボード20’ を上部レール10’ 及び下部レール12’ 並びに横スタッド14’a、b に沿って300mm の間隔で隔置され、かつ中央スタッド16’ に沿って300mm の間隔で隔置されるねじ22’ により枠に固定する。
音響試験
音響試験をBS EN ISO 10140-2:2010に従って行なった。結果を図3に示す。
結果をISO 717-1:1997 に示されたように処理し、これらの計算の結果は実施例1について42のRw値であり、また比較例1について39のRw値であった。
燃焼試験
燃焼試験を規格BS EN 1364-1 及びBS 476: パート22に従って行なった。
その規格の要件は実施例1及び比較例1の両方について満たされると示された。
【符号の説明】
【0009】
10−上部レール
12−下部レール
14a、b−横スタッド
16−中央スタッド
22−ねじ
図1
図2
図3
【国際調査報告】