特表2017-533404(P2017-533404A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-533404(P2017-533404A)
(43)【公表日】2017年11月9日
(54)【発明の名称】熱電併給装置および熱電併給方法
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/00 20060101AFI20171013BHJP
   F24H 1/00 20060101ALI20171013BHJP
   F24D 3/08 20060101ALI20171013BHJP
   F24D 11/00 20060101ALI20171013BHJP
【FI】
   F24D3/00 B
   F24H1/00 631C
   F24D3/08 K
   F24H1/00 H
   F24D11/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-535151(P2017-535151)
(86)(22)【出願日】2015年9月17日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月28日
(86)【国際出願番号】GB2015052694
(87)【国際公開番号】WO2016042334
(87)【国際公開日】20160324
(31)【優先権主張番号】1416531.0
(32)【優先日】2014年9月18日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517094976
【氏名又は名称】ブリティッシュ ガス トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン エイドリアン ロビン
(72)【発明者】
【氏名】オマリー ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】バーロウ リー クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】キーオン ウィリアム ジェームス
【テーマコード(参考)】
3L070
3L071
3L122
【Fターム(参考)】
3L070AA01
3L070BB01
3L070BB10
3L070BB16
3L070DE01
3L070DF01
3L070DF03
3L070DG01
3L071CE01
3L071CE04
3L071CE05
3L122AA02
3L122AA12
3L122AA34
3L122AA47
3L122AA62
3L122AA66
3L122AA73
3L122AB12
3L122AD01
3L122BA32
3L122BA33
3L122BB05
3L122BB06
3L122DA02
3L122EA50
3L122EA74
3L122FA01
3L122FA05
3L122FA09
(57)【要約】
建物内の機器への電力供給に寄与するように動作可能な発電機と、伝熱流体を循環させて発電機を冷却するように構成される伝熱回路と、建物の少なくとも1つの区域を暖房する暖房器と建物に供給する温水を蓄える貯湯タンクとに熱エネルギーを提供する熱源と熱源からの熱エネルギーを伝熱回路から得た熱エネルギーで補うように構成される熱交換器とを備える暖房システムと、使用者が、(a)建物の少なくとも1つの区域に対する所望の温度と、所望の温度が維持される第1期間と、(b)貯湯タンクから温水を供給する第2期間とのうちの少なくとも1つを選択できるように構成されるユーザーインターフェースと、(i)貯湯タンクの熱容量と、(ii)第1期間と、所望の温度と、建物の少なくとも1つの区域の現在の温度とのうちの少なくとも1つに基づいて、発電機の作動時を決定するように構成される制御器と、を備えることを特徴とする、建物用の温度制御装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の民生機器への電力供給に寄与するように動作可能な発電機と、
伝熱流体を循環させて前記発電機を冷却するように構成される伝熱回路と、
前記建物の少なくとも1つの区域を暖房するための暖房器と前記建物に供給する温水を蓄えるように構成される貯湯タンクとに熱エネルギーを提供する熱源と、前記熱源からの熱エネルギーを前記伝熱回路から得た熱エネルギーで補うように構成される熱交換器と、を備える暖房システムと、
(a)前記建物の少なくとも1つの区域に対する所望の温度と、前記所望の温度が維持される第1期間と、
(b)前記貯湯タンクから温水を供給する第2期間と、
のうち、少なくとも1つを使用者に選択させるように構成されるユーザーインターフェースと、
(i)前記貯湯タンクの熱容量と、
(ii)前記第1期間と、前記所望の温度と、前記建物の少なくとも1つの区域の現在の温度と、
のうち、少なくとも1つに基づいて、前記発電機の作動時を決定するように構成される制御器と、
を備える、
ことを特徴とする、
建物用の温度制御装置。
【請求項2】
前記制御器は、
前記第1期間の前に前記発電機と前記熱源との両方を作動させて、前記第1期間の開始時に前記建物の少なくとも1つの区域内の前記所望の温度を達成するように構成される、
請求項1記載の温度制御装置。
【請求項3】
前記制御器は、
前記暖房器の少なくとも一部を予熱する予熱段階で、前記熱源の電源を入れる前に、前記発電機を作動させて発電するように構成される、
請求項1または2記載の温度制御装置。
【請求項4】
建物内の電気器具への電力供給に寄与するように動作可能な発電機と、
伝熱流体を循環させて前記発電機を冷却するように構成される伝熱回路と、
前記建物の少なくとも1つの区域を暖房するための暖房器に熱エネルギーを提供する熱源と、前記熱源からの熱エネルギーを前記伝熱回路から得た熱エネルギーで補うように構成される熱交換器と、を備える暖房システムと、
前記建物の少なくとも1つの区域に対する所望の温度と、前記所望の温度が維持される第1期間と、を使用者に選択させるように構成されるユーザーインターフェースと、
前記伝熱回路から得た熱エネルギーを利用して前記暖房器を予熱する予熱期間に前記発電機のみを作動させ、前記少なくとも1つの区域で前記所望の温度が達成されるまで、前記発電機と前記熱源とを共に作動させるように構成される制御器と、
を備える、
ことを特徴とする、
建物用の温度制御装置。
【請求項5】
前記熱源は、
前記建物に供給する温水を蓄えるように構成される貯湯タンクに熱を提供するように構成され、
前記制御器は、
(i)前記貯湯タンクの熱容量と、
(ii)前記第1期間と、前記所望の温度と、前記建物の少なくとも1つの区域の現在の温度と、
のうち、少なくとも1つに基づいて、前記発電機の作動時を決定するように構成される、
請求項4記載の温度制御装置。
【請求項6】
前記制御器は、
前記建物の少なくとも1つの区域の温度に基づいて第1信号を取得し、
前記温度の変化率に基づいて第2信号を取得し、
前記第1信号と、前記第2信号と、前記所望の温度とに基づいて、前記熱源の電源投入時を決定するように構成される、
請求項2、3または5のいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項7】
前記制御器は、
前記貯湯タンクの熱容量が、設定閾値レベルより高い場合、前記発電機を作動させるように構成される、
請求項1、3、5または6のいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項8】
前記制御器は、
ユーザーコマンドに基づいて前記発電機を作動させるように構成され、
(a)前記貯湯タンクの熱容量と、
(b)前記第1期間と、前記所望の温度と、前記建物の少なくとも1つの区域の現在の温度と、
のうち、少なくとも1つに基づいて、前記ユーザーコマンドを無効にするように構成される、
請求項1乃至3のいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項9】
ネットワークを通じて遠隔装置と通信し、前記遠隔装置から受信したメッセージに基づいて前記発電機へのユーザーコマンドを無効にするように構成される通信インターフェース、
を備える、
請求項1乃至8のいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項10】
前記制御器と前記暖房システムとの間で第1プロトコルに従って信号を送受信するように構成されるシリアル通信インターフェースと、
前記制御器から前記発電機への通信コマンドを第2プロトコルに従って送受信するように結合されたプロトコル変換器と、
を備える、
請求項1乃至9のいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項11】
建物内の電気器具への電力供給に寄与するように動作可能な発電機と、
伝熱流体を循環させて前記発電機を冷却するように構成される伝熱回路と、
前記建物の少なくとも1つの区域を暖房するための暖房器に熱エネルギーを提供する熱源と、前記熱源からの熱エネルギーを前記伝熱回路から得た熱エネルギーで補うように構成される熱交換器と、を備える暖房システムと、
前記建物の少なくとも1つの区域に対する所望の温度と、前記所望の温度が維持される期間と、を使用者に選択させるように構成されるユーザーインターフェースと、
前記発電機を作動させて発電し、前記熱交換器を使用して前記暖房器を予熱し、前記建物の少なくとも1つの区域の温度に基づいて第1信号を取得し、前記温度の変化率に基づいて第2信号を取得し、前記使用者によって選択された期間と、前記所望の温度と、前記第1信号と、前記第2信号と、に基づいて、前記熱源の電源投入時を決定するように構成される制御器と、
を備える、
ことを特徴とする、
建物用の温度制御装置。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれかに記載の特徴を備える、
請求項11記載の温度制御装置。
【請求項13】
別個の住居にそれぞれ設置されている複数の熱電併給(CHP)システムと、
前記複数のCHPシステムとネットワーク上で通信するように構成される通信インターフェースと、
前記通信インターフェースに結合され、前記複数のCHPシステムと通信する制御器と、
を備え、
前記制御器は、
前記通信インターフェースを通じてコマンドを送り、第1住居に設置されている第1CHPシステムを作動させるよう動作可能で、
(a)第2住居内の電力供給の状態と、
(b)電力供給網の汎化状態と、
のうち、少なくとも1つに基づいて、前記第1CHPシステムを制御するように構成される、
ことを特徴とする、
配電制御装置。
【請求項14】
前記制御器は、
前記第1住居の時間依存熱需要を示すデータに基づいて、前記第1CHPシステムが発電するように制御するように構成される、
請求項13記載の配電制御装置。
【請求項15】
前記制御器は、
第1地域のCHPシステムにコマンドを送り、
前記第1地域の選択された数のCHPシステムを作動させて発電させ、
その数を第2地域内の少なくとも1つのCHPシステムから前記通信インターフェースを通じて受信した少なくとも1つのメッセージに基づいて決定する、
ように構成される、
請求項13または14記載の配電制御装置。
【請求項16】
前記制御器は、
作動させる特定のCHPシステムを、前記作動させる特定のCHPシステムの切替サイクルの回数に基づいて選択するように構成される、
請求項13または14記載の配電制御装置。
【請求項17】
前記制御器は、
(a)前記特定のCHPシステムのプログラムされた開始時間と、
(b)前記特定のCHPシステムに関連する熱容量と、
のうち、少なくとも1つに基づいて、前記作動させる特定のCHPシステムを選択するように構成される、
請求項13乃至16のいずれかに記載の配電制御装置。
【請求項18】
前記制御器は、
特定のCHPシステムから前記通信インターフェースを通じて受信したメッセージに基づいて、前記特定のCHPシステムに関連する熱容量を示すデータを取得するように構成される、
請求項16記載の配電制御装置。
【請求項19】
前記熱容量を示すデータを取得することは、
熱需要情報と、
一日のうちの時間と、一年のうちの時期と、現在の温度と、のうち、少なくとも1つと、
に基づいて、見積もることを含む、
請求項18記載の配電制御装置。
【請求項20】
前記CHPシステムの少なくとも1つは、
前記住居内の電力供給の周波数と電圧とのうち、少なくとも1つを前記制御器に提供し、前記住居内の電力供給状態を示すように構成される、
請求項13乃至19のいずれかに記載の配電制御装置。
【請求項21】
住居内の民生機器に対する電力供給に寄与するように動作可能な発電機と、
伝熱流体を循環させて前記発電機を冷却し、前記住居の暖房要件に寄与するように構成される伝熱回路と、
前記発電機のユーザー制御を可能にするように構成されるユーザーインターフェースと、
ネットワーク上で遠隔装置と通信し、前記発電機を制御するコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて前記発電機の前記ユーザー制御を無効にするように構成される制御器と、
を備える、
ことを特徴とする、
住居用の熱電併給装置。
【請求項22】
前記制御器は、
前記住居への電力供給の周波数と電圧のうち、少なくとも1つを示すデータを含むメッセージを前記遠隔装置に送信するように構成される、
請求項21記載の熱電併給装置。
【請求項23】
前記制御器は、
前記住居の熱容量と、前記住居の現在の熱需要と、前記住居の時間依存熱需要と、のうちの一つを示すメッセージを前記遠隔装置に送信するように構成される、
請求項21または22記載の熱電併給装置。
【請求項24】
熱源と、
前記建物内の電力供給に寄与するよう発電し、かつ前記建物に熱エネルギーを提供するように構成される発電機と、
を備える、建物用の暖房発電装置を制御する方法であって、
前記建物の少なくとも1つの区域の所望の温度を示すデータを取得することと、
前記所望の温度に関連する第1サーモスタット設定値を選択することと、
前記少なくとも1つの区域の温度を監視することと、
前記温度が前記第1サーモスタット設定値未満である場合、前記発電機と前記熱源とを共に作動させ、前記温度が前記第1サーモスタット設定値より大きい場合、前記発電機のみを作動させることと、
を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項25】
前記温度が第2サーモスタット設定値より大きい場合、前記発電機の電源を切ること、
を含む、
請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記暖房発電装置は、
蓄熱体を、
含み、
前記蓄熱体の温度が第3サーモスタット設定値未満である場合、前記発電機と前記熱源とを共に作動させ、熱エネルギーを前記蓄熱体に提供することと、
前記蓄熱体の温度が前記第3サーモスタット設定値より大きい場合は前記発電機のみを作動させることと、
を含む、
請求項24または25記載の方法。
【請求項27】
前記温度が第4サーモスタット設定値より大きい場合、前記発電機の電源を切ることを含む、
請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記設定値の少なくとも1つを設定して一定期間内で前記発電機の電源を入れたり切ったりする回数を減らすこと、
を含む、
請求項24乃至27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記設定値の少なくとも1つを設定して前記発電機の作動時間を延長すること、
を含む、
請求項24乃至28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記蓄熱体は、
前記建物内で温水を蓄えて提供するように構成される貯湯タンクで構成される、
請求項24乃至29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
一定期間内で前記発電機の電源を入れたり切ったりする回数を減らすように前記熱源の電源を入れる前記設定値を決定すること、
を含む、
請求項24乃至30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記蓄熱体と前記建物の暖房システムとのうち、一方へ前記発電機から出力された熱を選択的に分流させ、前記発電機の電源を切ることが必要となるのを避けること、
を含む、
請求項24乃至31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
ユーザー制御を優先させ、前記発電機を作動させること、
を含む、
請求項24乃至32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
建物内の電気器具に対する電力供給に寄与するよう動作可能な発電機と、
伝熱流体を循環させて前記発電機を冷却するように構成される伝熱回路と、
前記建物の少なくとも1つの区域を暖房するための暖房器に熱エネルギーを提供する熱源と、前記熱源からの熱エネルギーを前記伝熱回路から得た熱エネルギーで補うように構成される熱交換器と、を備える暖房システムと、
前記伝熱回路から得た熱エネルギーを、前記暖房器と前記建物の蓄熱体とのうち、一方に分流させ、前記蓄熱体または前記建物の少なくとも1つの区域の選択された閾値温度を超えないように前記発電機の作動時間を延長するように構成される制御器と、
を備える、
ことを特徴とする、
建物用の温度制御装置。
【請求項35】
前記制御器は、
前記建物の少なくとも1つの区域の温度が第1サーモスタット設定値を超えた場合に前記伝熱回路から得た熱エネルギーを、前記蓄熱体に分流するように構成される、
請求項34記載の温度制御装置。
【請求項36】
前記制御器は、
前記蓄熱体の温度が第2サーモスタット設定値を超えた場合に前記伝熱回路から得た熱エネルギーを、前記暖房器に分流するように構成される、
請求項34または35記載の温度制御装置。
【請求項37】
前記制御器は、
前記伝熱回路から得た熱エネルギーを、前記暖房器と前記蓄熱体とのうちのどちらに分流させるかを、ユーザー指定熱需要に基づいて、決定するように構成される、
請求項34乃至36のいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項38】
前記制御器は、
前記建物の外部気温に少なくとも部分的に基づいて、前記熱需要を決定するように構成される、
請求項37記載の温度制御装置。
【請求項39】
前記蓄熱体は、
前記建物内で温水を蓄えて提供するように構成される貯湯タンクを含む、
請求項34乃至38のいずれかに記載の温度制御装置。
【請求項40】
前記制御器は、
前記熱源とは異なるサーモスタット設定値に従って前記発電機を作動させるように構成される、
請求項34乃至39のいずれかに記載の温度制御装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、代替エネルギーの供給に関する。より詳細には、本発明は、建物を暖房し、その建物に電力を供給するために使用することができるような熱電併給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
気候変動問題に対処し、かつ、建物の暖房とその建物屋内への電力供給にかかる使用者の費用を削減するために、エネルギーの効率化に対する要望が高まってきている。
【0003】
家庭用の建物や、商業用の建物に熱電併給装置、いわゆるCHP(Combined Heat and Power)を利用することが提案されており、その利用は、建物屋内への電力供給と、建物の暖房と、の双方の需要を満たすのに役立つ。状況次第では、CHP装置は、十分な量の電力を発電して建物の電力供給需要を満たし、かつ、電力を電力網に戻すことも可能である。CHPシステムの設置台数が増え、電力を電力網へ送り込むようになると、それらは重要な電力源となり得る。また、電力網自体も、ある時には電力源として機能し、別の時には電力吸収源として機能する部分を有して、更に複雑になり得る。
【0004】
熱電併給装置を最大限効率的に利用するためには、CHP装置が生成した電力と熱との双方を、その熱電併給装置が設置されている建物内で利用することが望ましい。
【0005】
建物の暖房需要は毎日変動し、また、季節毎に変動する。電力需要もまた、同様の周期的、または準周期的な建物個々の状況により変動する。その他にも、電力需要には、短期的および長期的な経時変動もある。多数の建物がある1つの共通電力供給網に接続しているとき、そうした需要の変動は、電力供給網に負荷をかけ、例えば、電圧の降下や、交流主電源供給信号の周波数の変動を引き起こすなど、電力供給の質を下げ得る。このような問題は、それぞれの地理的位置に異なった影響を及ぼし得る。その影響の程度や性質は、電力の可用性と、その供給ネットワークの局所的な容量と、局所的な電力需要と、に依存する。
【0006】
電力需要のピーク値とトラフ値とは、暖房需要とある程度相関性があり得るが、その相関度だけでは電力供給者が使用者の電力需要に対処するためにCHPシステムに頼る十分な根拠とはならない。本発明は、こうした問題と、その問題に関連する技術的な問題と、に対処することを目的とする。
【発明の概要】
【0007】
本発明の態様と実施形態とは、添付の特許請求項の範囲に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、一例として説明する。
図1】熱電併給装置を示す図である。
図2】配電制御装置と、複数の熱電併給システムと、を有するCHPシステムを示す図である。
【0009】
図面において、同様の要素については同一の参照番号が付される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、建物10の温度制御装置を示す。温度制御装置は、建物10の使用者が利用可能な電源供給部28に寄与するように配置された発電機26を有する。発電機26は、電力を電力供給網に戻すように動作してもよい。以下に詳述するように、温度制御装置は、さらに貯湯タンク18の熱容量および/または建物10内の暖房の需要に基づいて、発電機26の作動タイミングを決定するように構成された制御器16を備える。図1に示される温度制御装置は、暖房器20と貯湯タンク18を有する暖房システムを備える。暖房システムは、さらに暖房システム自体の熱源22から供給される熱を、発電機26を冷却した際に出る過剰の熱で補うように構成される熱交換器24を備える。
【0011】
暖房システムの熱源22は、例えば、ガスボイラまたは石油燃焼ボイラなどの燃料バーナを備えてもよい。熱源22は、暖房器20に接続される。暖房器20は、建物10の1つ以上の区域を暖房する複数の流体充填放熱器から構成されてもよい。熱源22は、貯湯タンク18に蓄えられる温水とも接続される。貯湯タンク18は、建物10内の使用者が利用できるように温水を蓄え、提供するように構成される。
【0012】
伝熱回路は、発電機から過剰な熱を取り除き、伝熱流体を熱交換器24に供給するために、伝熱流体を発電機26のエンジンの周りで循環するように構成される。熱交換器24は、建物10内に設けられてもよく、例えば、暖房システムにより少なくとも部分的に暖房される建物10内のある区域に設けられてもよい。伝熱流体は、摂氏0℃未満の融点を有する流体でもよい。例えば、伝熱流体は、グリコールでもよい。
【0013】
熱交換器24は、暖房システムに接続され、熱源22からの熱エネルギーを伝熱回路からの熱エネルギーで補うように調整される。
【0014】
本暖房システムは、使用者が建物10の所望の温度を設定可能なユーザーインターフェース12を備える。ユーザーインターフェースは、例えば、ボタン、スイッチ、タッチスクリーン、または、ポインティングデバイスなどの人によって操作される入力装置と、例えば、スクリーンや他の表示手段などの1つ以上の出力装置と、を備えてもよい。例えば、ユーザーインターフェース12は、建物10内の一部屋や部屋の集合体などの特定の区域の温度を使用者が所望の温度に設定できるように構成されてもよい。一般に、ユーザーインターフェース12は少なくとも1つの、所望の温度が維持される第1期間を設定できるように操作可能である。例えば、ユーザーインターフェース12は、使用者が暖房の開始時刻と、継続時間または終了時刻と、を選択できるように操作可能に構成されてもよい。一般に、暖房を行う場合、使用者は朝のある期間を設定し、同日のそれより後の期間で、所望の温度を維持したい期間を別途設定することもできる。ユーザーインターフェース12は、使用者が少なくとも1つの、使用者が貯湯タンク18から温水を使用したい期間である第2期間を設定できるように操作可能であってもよい。
【0015】
貯湯タンク18は、貯湯タンク18が貯水可能な容量、任意の時刻のタンク18の貯水レベル、タンク18内の水温に関連する所定の熱容量を有する。
【0016】
貯湯タンク18は、制御器16がタンク18の熱容量および/または使用者の熱湯需要を満たすことに関連する熱需要を決定できるように、貯水レベル信号と、温度信号と、を制御器16に供給するように構成されている1つ以上のセンサを備えてもよい。暖房システムは、建物10内の1つ以上の区域の温度と、場合によっては建物10の外の温度と、を示す信号を、制御器16に供給する1つ以上の温度センサをさらに備えてもよい。説明の便宜上、これらのセンサは、図1に図示されていない。
【0017】
制御器16は、通信インターフェース14と接続されてもよい。この通信インターフェース14は、例えば、構内情報通信網(LAN)などの、無線および/または有線のネットワークを通じて、建物10以外の場所に存在する装置などの遠隔装置と通信する。構内情報通信網(LAN)は、インターネットなどの通信網などの広域ネットワークに接続可能でもよい。制御器16は、通信インターフェース14、例えば、LAN上および/またはMODBUSプロトコルに従って動作可能なシリアル通信バスを通じて、図1に示される装置の1つ以上の他の部材と通信可能に構成されてもよい。発電機26は、主電源28で利用可能な電圧や周波数などのデータをCANBUSメッセージの形式で報告するように構成されてもよい。CHPシステムの制御器は、CANBUSからのデータをMODBUSなどの他のプロトコルに変換可能に構成されてもよい。制御器は、例えば、ユーザーインターフェース12からMODBUSコマンドを受け取るか、通信インターフェース12上で受け取ったメッセージの形式でMODBUSコマンドを受け取るように構成されてもよく、そのMODBUSメッセージをCANBUSコマンドに変換して発電機26の動作を開始または停止するように構成されてもよい。MODBUSインターフェースは、MODBUS RTU(シリアル)でもよく、実施形態によってはIPおよび/またはTCPデータネットワークなどのデータネットワークプロトコル上のMODBUSでもよい。
【0018】
制御器16は、建物10の熱容量、例えば、貯湯タンク18の熱容量および/または暖房に関連する熱需要を、通信インターフェース14経由で遠隔装置に報告できるように構成されてもよい。制御器16は、また、建物10に対する外部主電源の電圧および/または周波数を示すデータを発電機26から取得できるように構成されてもよい。
【0019】
制御器16は、貯湯タンク18の熱容量を示すデータを取得できるように構成されてもよく、例えば、制御器16は、貯湯タンク18からのセンサ信号に基づいて貯湯タンク18の熱容量を決定するように構成されてもよい。制御器16は、また、暖房の熱需要を決定するように構成されてもよい。この決定は、1つ以上のセンサ信号と、温度同センサ信号に関連する建物10の1つ以上の区域に対する所望の温度と、使用者が設定した温度を維持する期間と、に基づいて行われてもよい。
【0020】
給湯システムの動作中には、制御器16は、貯湯タンク18の熱容量を示すデータを取得し、貯湯タンクの熱容量が設定閾値レベルより高い場合は、発電機26の電源を入れて熱交換器24を作動させて貯湯タンク18に蓄えるための水を温める。閾値レベルは、熱交換器24から出力された熱を基に設定されてもよく、発電機26に少なくとも1分間、例えば、少なくとも5分間、例えば、少なくとも30分間、確実に電源が入り、貯湯タンク18の熱容量を満たすようにしてもよい。また、制御器は、貯湯タンクの熱容量が設定閾値レベルを超えた(つまり、水温が超過している)ことを示すデータ、または熱容量が設定閾値レベル未満であることを示すデータ、を取得してもよく、このデータに基づいて、発電機26の電源を切ってもよい。
【0021】
電力供給網の地理的分布のバランスを取るために、制御器16は、発電機26の電源を切るコマンドを受け取ってもよい。例えば、コマンドは、遠隔装置から通信インターフェース14を通じて受け取られてもよい。制御器16は、コマンドに、貯湯タンク18に蓄えられている温水の量が使用者の要求を満たすのに十分であるかを判定して応答してもよく、温水の量が十分でない場合、制御器16は、熱源22の電源を入れて貯湯タンク18用の温水を温めてもよい。
【0022】
暖房システムの動作中には、制御器16は、建物10のある区域に対して使用者が所望の温度を設定した第1期間の開始前に、発電機26の電源を入れ、熱交換器24を利用して暖房器20および/または建物10の同区域を少なくとも部分的に予熱する。
【0023】
制御器16は、暖房器20および/または建物10の同区域の温度がいつ平衡状態に達したかを、例えば、温度変化率が設定閾値未満であることの検知に基づいて、または発電機26と熱交換器24とを設定期間作動させることで、判定してもよい。
【0024】
予熱段階の終了時、かつ、第1期間の開始前に、同区域が未だ所望の温度に達していない場合、制御器16は、発電機26と、熱源22と、の両方を作動させて同区域を温めてもよい。二重加熱期間用に発電機と熱源22の電源を入れる時刻を設定して、第1期間の開始時に同区域において所望の温度が達成されるようにしてもよい。
【0025】
一方、前述のとおり、制御器16は、二重加熱期間中に、発電機26の電源を切るコマンドを受け取るように構成されてもよい。また、制御器16は、発電機26の作動時間を延長するように構成されてもよい。例えば、制御器16は、建物10の同区域の温度(場合によっては温度変化率も)の監視を継続しながら、二重加熱(増加)期間の終了に向かい、同区域の温度が所望の温度に近づくと、発電機26の電源を切る前に暖房システムの熱源22の電源を切ってもよい。その時、制御器16は、所望の温度を超えることなく、発電機26の運転を継続できるかを判定してもよい。例えば、発電機26は、暖房が必要とされる時はいつも作動されてもよい。
【0026】
図1に図示され、参照されて説明された本システムの実施の形態は、例えば、電力供給網上の特定の地域に集中した電力需要の変動を吸収するための、電力供給を補充し制御する配電制御装置に利用してもよい。
【0027】
そのような装置の一例が図2に示される。図2に示される装置は、それぞれ別の住居に設置されて、各住居内の電力供給に寄与する電力を発電するCHPシステム30−1,30−2,30−3,30−4,32−1,32−2,32−3,32−4の分散ネットワークを備える。
【0028】
図2に示される電力供給網は、複数の変電所34,40,42に導線36(例えば、ケーブル)で接続され、そこに電力を供給する発電所38を備える。図2の全てのCHPシステムは、電力供給網34,36,38,40に接続されており、これを広範囲な地理的領域(例えば、国の大部分または全域)に拡張してもよい。電力供給網は、高圧送電網36を備え、ある地域で発電された電気が、他の地域での需要を満たすために使用され得ることを確実にするために、発電所38と変電所34,40,42とを接続する。
【0029】
例えば、第1地域の第1群の住居内のCHPシステム組30は、第1変電所34により電力供給網に接続されてもよく、一方、第2群の住居内のCHPシステム第2組32は、第2変電所40により電力供給網に接続されてもよい。第1群の住居30内の電力需要変動は、同住居への電力供給の電圧および/または周波数に影響を与え得り、また、例えば、第2群の住居32などの他の住居への供給にも悪影響を及ぼし得る。
【0030】
図2に示される配電制御装置は、制御器160と、制御器160がネットワーク上で複数のCHPシステムと通信できるように配置された通信インターフェース140と、を備える。
【0031】
図2に示される制御器160の通信インターフェース140は、サーバを備えてもよい。サーバは、選択された個々のCHPシステムおよび/または選択された組のCHPシステムに対してインターネットなどの通信網でメッセージを送受信するように構成された有線、または、無線インターフェースを有する。
【0032】
CHPシステム30,32それぞれは、CHPシステムにより電力供給網から取得可能な電力供給の電圧および/または周波数を示すデータを、制御器160に対して提供できるように構成される。いくつかまたは全てのCHPシステムは、CHPシステムが設置されている住居内で提供可能な熱容量を示すデータ、例えば、住居の貯湯タンク18に関連する熱容量および/または暖房システムに関連する熱容量および/または熱需要を示すデータ、を制御器160に対して提供できるように構成されてもよい。CHPシステムは、さらに、例えば、使用者が選択した運転期間や所望温度からなるプログラムに基づいて、暖房システムの熱需要を時間の関数として示すデータを提供するように構成されてもよい。CHPシステムは、さらに、少なくとも1つの区域内の住居の温度および/または外部温度を示すデータを提供するように構成されてもよい。
【0033】
制御器160は、例えば、1つ以上の変電所からの供給の監視および/または1つ以上のCHPシステムにより測定された電圧の周波数の監視など、電力供給網により提供される交流電圧の周波数を監視するように構成される。制御器160は、周波数が50Hz±0.5Hz以内に確実に留まるように構成されてもよい。
【0034】
制御器160は、複数の住居の時間依存熱需要および/または熱容量を示すデータを保存し、データに基づいて、ある特定の時間に発電力を増加できる(または住居からの需要を減らすことができる)一連の組のCHPシステムと、同CHPシステムの持続時間と、を決定するように構成されてもよい。例えば、制御器160は、作動可能な第1組のCHPシステムを特定して、CHPシステムが設置されている住居内の熱需要および/または熱容量を超えないように最低15分間同CHPシステムを発電させて、需要を減らしてもよい。この第1組のCHPシステムは、0.5Hzを超える電力供給の周波数変動が発生した際の急速予備電力を提供するために使用されてもよい。制御器160は、さらに、時間依存熱需要および/または熱容量データに基づいて、5分以内に自動的に、または7分以内に手動指示により、電力を提供可能(または消費を減少可能)で、最低4時間は稼働可能な第2組のCHPシステムを決定してもよい。第2組のシステムは、急速始動予備電力を提供するために使用されてもよい。このように、使用者の住居に分散されているCHPシステムの集合体は、仮想発電所を提供するために作動されてもよい。
【0035】
これを実現させるために、制御器160は、1つ以上の住居に関連する熱需要を示すデータ、例えば、熱需要を時間の関数として示すデータ、を取得するように構成される。同データは、さらに、1つ以上の住居内で提供可能な熱容量、例えば、住居にある貯湯タンク18を補充することで利用可能な熱容量、を示してもよい。いくつかまたは全てのデータは、CHPシステムから受信するメッセージに含まれてもよい。いくつかまたは全てのデータは、局所的に保存されてもよい。例えば、それは、予め決められるか、季節変動すなわち経時的変動に基づいてもよく、かつ、見積もりを含んでもよい。制御器160は、さらに、例えば、電力供給網の1つ以上の変電所に関連する場所など、ある特定の場所における低電圧状態または過電圧状態を示すデータなど、電力供給網の汎化状態を示すデータを取得するように構成されてもよい。データは、使用者の入力および/または監視に基づくデータ、または電力供給網内の他の装置から受け取った遠隔測定データでもよい。
【0036】
制御器160は、さらに、あるCHPシステムの電源を入れて発電するように指示するコマンドを含むメッセージを送信し、また、あるCHPシステムの電源を切るように指示するコマンドを含むメッセージを送信するように動作可能である。制御器160は、選択された組のCHPシステムに対して共通のメッセージを送信するように構成されてもよく、また、これらのCHPシステムから取得したデータに基づいて、CHPシステム組を選択するように構成されてもよい。
【0037】
ある動作モードでは、制御器160は、ある特定の変電所が提供する電力供給の電圧を示すデータを取得することで、電力供給網の汎化状態を監視する。同データが同変電所における供給電圧が目標電圧未満であることを示す場合、制御器160は、変電所からの出力電力供給がこの目標を満たすように、変電所に提供する入力電力供給に必要な電圧変化を決定する。次に、制御器160は、変電所における電圧を目標電圧まで上げるために、発電するためおよび/または関連する住居からの負荷を軽減するために立ち上げ可能なCHPシステム組を選択してもよい。同CHPシステム組は、一日のうちの時間(および/または一年のうちの時期)と、これらのCHPシステムに関連する住居の時間依存熱需要および/または熱容量を示すデータと、に基づいて選択されてもよい。これにより、第1住居に設置されたCHPシステムを電力供給網の汎化状態に基づいて作動させる1つの方法が提供される。
【0038】
別の動作モードでは、制御器160は、第1住居で電力供給の状態を監視し、同状態に基づいて1つ以上の他の住居におけるCHPシステムの発電機26の動作を制御する。例えば、第1住居のCHPシステムは、この住居の電力供給網から制御器160への電力供給の電圧および/または周波数を報告してもよい。電圧または周波数が目標範囲外(例えば、目標値の1%以内)である場合、制御器160は、第1住居における電力供給の電圧および/または周波数を目標範囲に修正するために、1つ以上の他のCHPシステムへコマンドを送る。同1つ以上の他のCHPシステムは、一日のうちの時間(および/または一年のうちの時期)と、これらのCHPシステムに関連する住居の時間依存熱需要および/または熱容量を示すデータと、に基づいて選択されてもよい。前述のとおり、電力供給の質(例えば、電圧または周波数)を示すデータは、CHPシステムから取得されてもよい。だたし、当然のことだが、データの一部または全ては、CHPシステムに接続された電力計から取得されてもよい。
【0039】
制御器160は、他の住居における電力需要に基づいて、それらの住居で作動される発電機を選択してもよい。例えば、制御器は、第1住居と同一もしくは関連する(例えば、同じ変電所に関連する)電源に接続された第2住居の発電機の電源を入れて第2住居からの負荷を軽減するように構成されてもよく、第2住居は、その電力需要に基づいて選択されてもよい。
【0040】
制御器160からCHPシステムに送られるコマンドは、住居のユーザーインターフェース12を使って使用者が設定したユーザー指定の制御を無効にするように構成されてもよい。これにより、制御器160は、第1地域のCHPシステムにコマンドを送り、同地域のCHPシステム(例えば、ある共通の変電所に接続された複数のCHPシステム)を作動させて発電することができる。
【0041】
制御器160は、第2地域(例えば、異なる変電所に接続されている)のCHPシステムから受信するメッセージ(または複数のメッセージ)に基づいて変電所の数を決定してもよい。これにより、制御器160は、第2変電所からの負荷を軽減して第1変電所における電圧を目標レベルにまで引き上げてもよい。
【0042】
他の機能や動作モードは、図2に示されるシステムに利用されてもよい。一例として、制御器160は、複数の特定のCHPシステムを選択するように構成されて、直後にまた切らなければならないCHPシステムの電源を入れることを避けてもよい。例えば、制御器160は、選択された最低時間以上作動できるCHPシステムだけを選択してもよい。または、制御器160は、他のCHPシステムをオンラインにするのではなく、1つのCHPシステム、または、一群のCHPシステムの作動時間を延長することで、CHPシステムの切替サイクル回数に基づいた最少切替回数で電力供給網の需要を満たしてもよい。制御器160は、1つ以上のCHPシステムの切替サイクル数を示すデータを保存するように構成されてもよい。
【0043】
前述の実施例は、説明のための例であることが理解され得る。例えば、図2を参照して説明された住居は、商業施設など、どのような種類の建物でもよい。
【0044】
別の例として、いくつかの実施例では、制御器160は、例えば、1つ以上の変電所からの電力供給において、電力供給網のある領域での電気不足を示すデータを取得するように構成されている。また、制御器160は、電力供給網に接続されていて(a)その時点で発電しておらず、かつ、(b)建物の温度を選択された閾値レベルよりも上昇させずともCHPシステムを作動することができる熱容量を有する住居に設置されている、複数のCHPシステムを特定することで、電気不足に対応するように構成されている。この閾値レベルは、ユーザーコマンドによって設定されてもよく、または、制御器160によって設定されてもよい。いくつかの例においては、制御器は、CHPシステムが設置されている住居から取得された温度信号に基づいて、これらのCHPシステムを識別するように構成されてもよい。これにより、温度が閾値以下(例えば、17度以下)の住居内のCHPシステムを作動させて発電し、同住居の温度が閾値を超えた(例えば、18度以上に達した)とき、同CHPシステムの電源を切ることができる。これにより、電力供給網内での負荷の制限、または発電容量の増加といった利点をもたらし得る。
【0045】
別の例として、前述のとおり、熱および/または電気の需要は、時間の関数として変化する可能性があり、自動温度調節器のユーザープログラムにより(例えば、図1を参照して説明された、前述のユーザーインターフェースと制御器とを介して)定義されてもよい。これらのようなユーザー指定の要求に加えて、図2に示される制御器160は、例えば、建物内のセンサから取得した温度データに基づく建物内部と外部の温度差に基づいて、熱需要を決定するように構成されてもよい。同温度差は、例えば、一般的、地域的な温度測定などの地域統計に基づいて決定されてもよい。例えば、共通外部温度は、共通地域内の住居群ごとの同温度差を決定するために、使用されてもよい。制御器は、ある特定の住居または住居群内の温度を維持するために必要な電力を示すデータを保存してもよい。このデータは、内部温度と外部温度との間の温度差の単位温度当たりの電力のような関係性を含んでいてもよい。制御器は、同保存されたデータ、同じ住居に関連した内部/外部温度データ、および/または、自動温度調節器のユーザープログラムにより(例えば、図1を参照して説明された、前述のユーザーインターフェースと制御器とを介して)定義可能なユーザー暖房プログラムに基づいて、前述のような負荷制限のために電源を入れる複数のCHPシステムを選択するように構成されてもよい。
【0046】
本開示の暖房発電装置は、発電機用と熱源(例えば、ボイラー)用に異なるサーモスタット設定値を用いて作動してもよい。本装置は、建物の温度を所望の範囲内に保ちながら、発電機をできるだけ作動するように構成されてもよい。例えば、第1サーモスタット設定値は、建物の所定区域の所望の温度に基づいて決定されてもよい。制御器は、所定区域の温度を監視し、同温度が第1サーモスタット設定値未満の場合、発電機と熱源とを共に作動してもよい。制御器は、所定区域の温度が第1サーモスタット設定値を超え、第2サーモスタット設定値未満の場合、発電機のみを作動する(例えば、熱源の電源が切られる)ように構成されてもよい。
【0047】
制御器は、貯湯タンクまたは同様な基準の相変化材料(Phase Change Material、PCM)蓄熱体などの蓄熱体に熱エネルギーを提供するように構成されてもよい。例えば、制御器は、蓄熱体の温度が第3サーモスタット設定値未満の場合、発電機と熱源を共に作動して、蓄熱体に熱エネルギーを提供するように構成されてもよい。制御器は、蓄熱体の温度が第3サーモスタット設定値より大きく、蓄熱体の温度が第4サーモスタット設定値未満の場合、発電機のみを作動する(例えば、熱源の電源が切られる)ように構成されてもよい。
【0048】
これらのサーモスタット設定値は、一定期間に発電機の電源を入れたり切ったりする回数を減らすために設定されてもよい。例えば、これらの設定値は、その建物の既知の温度上昇時間または温度降下時間に基づいて、または、熱源および/または暖房の既知の応答時間に基づいて、または、例えば、内部温度と外部温度との間の単位温度差当たりの電力損失などの建物のある区域の既知の熱損失に基づいて設定されてもよい。
【0049】
さらなる実施形態が想定される。当然のことながら、いずれか1つの実施例に関連して説明された任意の特徴は、単独で、または記載された他の特徴と組み合わせて利用されてもよく、他の実施例の1つ以上の特徴と組み合わせて利用されてもよく、または、任意の他の実施例の任意の組み合わせでもよい。さらに、添付の特許請求項の範囲に定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、均等物と前述されていない変更も、利用され得る。例えば、いくつかの実施例において、蓄熱ヒーターおよび/または相変化材料蓄熱体のような蓄熱体が、貯湯タンクに加えて、またはこれに代えて利用されてもよい。別の例として、当然のことだが、データは、任意の適切な制御器を用いて受信されて、使用者に出力されてもよい。例えば、図1に示されるユーザーインターフェース(およびこの制御器の1つ以上の態様)は、Wi−Fi(RTM)対応デバイス、またはスマートフォンやタブレットなどの電気通信デバイスなどの使用者が携帯する(例えば、手持ち式の)電子デバイスにより提供されてもよい。
【0050】
図面全般を参照して、当然のことだが、概略機能ブロック図は、本開示に記載のシステムおよび装置の機能を示すために使用される。しかしながら、当然のことだが、機能は、このように分割する必要はなく、記載され、特許請求されたもの以外のハードウェアの特定の構造を意味すると解釈されるべきものではない。図面に示された1つ以上の要素の機能は、さらに細分化されてもよく、および/または本開示の装置全体に分散されてもよい。いくつかの実施例では、図面に示された1つ以上の要素の機能は、単一の機能ユニットに統合されてもよい。
【0051】
いくつかの実施例では、1つ以上のメモリ要素は、本開示に記載された動作を実施するために使用されるデータおよび/またはプログラム命令を保存できる。本開示の実施形態は、本開示に記載および/または特許請求される方法のうちの任意の1つ以上を実行するプロセッサをプログラムし、および/または本開示に記載および/または特許請求されるデータ処理装置を提供するように動作可能なプログラム命令を有する有形の非一時的記憶媒体を提供する。
【0052】
本開示に概説される機能および装置は、上述のように構成された汎用コンピュータ、または論理ゲートアセンブリなどの固定ロジックまたはプロセッサによって実行されるソフトウェアおよび/またはコンピュータプログラム命令などのプログラム可能なロジックにより提供することができる制御器および/またはプロセッサを利用して実行されてもよい。他の種類のプログラム可能なロジックは、プログラム可能なプロセッサ、プログラム可能なデジタルロジック(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、消去可能プログラム可能読取専用メモリ(EPROM)、電気消去可能プログラム可能読取専用メモリ(EEPROM))、特定用途向け集積回路(ASIC)、または他の種類のデジタルロジック、ソフトウェア、コード、電子的命令、フラッシュメモリ、光ディスク、CD−ROM,DVD−ROM,磁気カードまたは光カード、他の種類の電子的命令を保存するために適した機械読取可能媒体、またはそれらの任意の適切な組合せを含む。



図1
図2
【国際調査報告】