特表2017-533570(P2017-533570A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-533570バスバーを収容するための改良された構造を有する火工式回路遮断器およびその組立方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-533570(P2017-533570A)
(43)【公表日】2017年11月9日
(54)【発明の名称】バスバーを収容するための改良された構造を有する火工式回路遮断器およびその組立方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 39/00 20060101AFI20171013BHJP
【FI】
   H01H39/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-532212(P2017-532212)
(86)(22)【出願日】2015年9月8日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月24日
(86)【国際出願番号】EP2015070511
(87)【国際公開番号】WO2016038043
(87)【国際公開日】20160317
(31)【優先権主張番号】14306381.6
(32)【優先日】2014年9月9日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517002546
【氏名又は名称】エアバス・サフラン・ローンチャーズ・エス・ア・エス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロレンゾン,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】ナドー,ジャン−ポール
(72)【発明者】
【氏名】マルラン,フレデリック
(57)【要約】
本体2、点火器4、ピストン5およびバスバー6を備える火工式回路遮断器1にして、ピストン5が切刃51を備え、バスバー6の電気伝導を遮断するために、上昇位置から下降位置まで法線方向Z−Zに沿って移動して、バスバー6の部分を切断し、それによってバスバー6を2つの異なる部分に切り離すようになされており、本体2は、法線方向Z−Zに垂直に、本体2の長手方向(X−X)を通して配設された、長手方向スロット21を備え、バスバー6と長手方向スロット21とが、バスバー6が挿入スロット21内部に摺動可能に挿入できるように構成されている、火工式回路遮断器1であって、本体2の長手方向スロット21内部に摺動可能に挿入されるようになされた引出し7をさらに備え、それによって、本体2に挿入されると、引出し7と本体2とが、バスバー6が摺動可能に挿入される、本体2を通過する挿入スロットを画定することを特徴とする、火工式回路遮断器1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(2)、点火器(4)、ピストン(5)およびバスバー(6)を備える火工式回路遮断器にして、ピストン(5)およびバスバー(6)が本体(2)内部に収容されるようになされており、
ピストン(5)が、切刃(51)を備え、バスバー(6)の電気伝導を遮断するために、上昇位置から下降位置まで、法線方向(Z−Z)に沿って移動して、バスバー(6)の部分を切断し、それによってバスバー(6)を2つの異なる部分に切り離すようになされており、
本体(2)は、法線方向(Z−Z)に垂直に、本体(2)の長手方向(X−X)を通して配設された、長手方向スロット(21)を備え、バスバー(6)および長手方向スロット(21)は、バスバー(6)が挿入スロット(21)内部に摺動可能に挿入できるように構成されている、火工式回路遮断器(1)であって、
本体(2)の長手方向スロット(21)内部に摺動可能に挿入されるようになされた、引出し(7)をさらに備え、それによって、本体(2)に挿入さると、引出し(7)と本体(2)とが、バスバー(6)が摺動可能に挿入される、本体(2)を通過する挿入スロットを画定することを特徴とする、火工式回路遮断器(1)。
【請求項2】
引出し(7)と本体(2)とが、バスバー(6)が挿入スロット内部に摺動可能に挿入されるように構成された、本体(2)を通過する挿入スロットを画定する、請求項1に記載の火工式回路遮断器(1)。
【請求項3】
引出し(7)が、本体(2)の開口内部に配置されると引出し(7)のさらなる変位を防止するようになされた係合手段を備える、請求項1または2に記載の火工式回路遮断器(1)。
【請求項4】
引出し(7)とバスバー(6)とが、本体(2)内部に挿入されるとバスバー(6)と引出し(7)とを係合するようになされたインデクセーション手段を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の火工式回路遮断器(1)。
【請求項5】
引出し(7)が、バスバー(6)を通過するピストン(5)の切刃(51)の移動を可能にするように構成された受入れ溝(72)を備え、受入れ溝(72)とピストン(5)とが、ピストン(5)がその下降位置にあるときにピストン(5)の切刃(51)が受入れ溝(72)の表面と連続的に接触するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の火工式回路遮断器(1)。
【請求項6】
前記受入れ溝(72)が、受入れ溝(72)の2つの横断方向表面を画定する三角形であり、それによって、ピストン(5)がその下降位置にあるときにピストン(5)の切刃(51)がこれらの横断方向表面の1つと連続的に接触する、請求項5に記載の火工式回路遮断器(1)。
【請求項7】
前記受入れ溝(72)が、ピストン(5)の切刃(51)の形状に対してその形状が相補的である、表面を有する、請求項5または6に記載の火工式回路遮断器(1)。
【請求項8】
バスバー(6)が、本体(2)の長手方向スロット(21)内部に配置されるとさらなる変位を防止するようになされた係合手段(6a、6b、6c、6d、6e)を備える、請求項1から7のいずれかに記載の火工式回路遮断器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、火工式回路遮断器の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
火工式回路遮断器は、例えば、異常な使用条件に応じて、電気回路を不能化するために広く使用されている。
【0003】
従来型の火工式回路遮断器は、導電要素として働くバスバーを使用し、このバスバーは、バスバーの2つの部分の間の電気伝導を停止することによって回路を開放させるために、ピストンによって、その横断方向に沿って2つの別個の部分に切断または遮断することができる。本文中においては、ピストンによるバスバーの切断に言及するときは、ピストンによるその切断または遮断のいずれかを意味するものとする。
【0004】
米国特許出願公開第2010/218659号明細書および米国特許出願公開第2013/056344号明細書は、そのような、知られている火工式回路遮断器を開示している。
【0005】
そのような火工式回路遮断器において、繰り返し発生する問題は、普通は火工式回路遮断器の組立て中に一体化される、バスバーの組立てにあり、これらの火工式回路遮断器は、バスバーのまわりに構成要素をオーバーモールディングまたはボルト締めすることによって、全体的に、それらに付属するバスバーと一緒に提供される。
【0006】
さらに、追加的な繰り返し発生する問題としては、回路遮断器の本体と、バスバーの様々なモデルとの適合性がある。従来型の回路遮断器には、実際に、特定のバスバーが設けられて、それによって、厚さおよび幅などの異なる寸法を有するバスバーと、それらが使用されることが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/218659号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/056344号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、この問題に対して少なくとも部分的に応えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、本体、点火器、ピストンおよびバスバーを備える火工式回路遮断器にして、ピストンおよびバスバーが本体内に収容されるようになされており、ピストンが、切り刃を備え、バスバーの電気伝導を遮断するために、上昇位置から下降位置まで法線方向に沿って移動して、バスバーの部分を切断し、それによってバスバーを2つの異なる部分に切り離すようになされており、本体は、法線方向に垂直に、本体の長手方向を通して配設された長手方向スロットを備え、バスバーと長手方向スロットとは、バスバーが挿入スロット内部に摺動可能に挿入できるように構成されている、火工式回路遮断器であって、本体の長手方向スロット内部に摺動可能に挿入されるようになされた引出しを備え、それによって、本体内に挿入されると、引出しと本体とが、バスバーが摺動可能に挿入される、本体を通過する挿入スロットを画定することを特徴とする、火工式回路遮断器を提供する。
【0010】
引出しは、通常、それが本体の開口内に配置されると、引出しのさらなる変位を防止するようになされた係合手段を備える。
【0011】
引出しおよびバスバーは、また、本体内に挿入されるとバスバーと引出しとを係合するようになされた、インデクセーション手段(indexation means)を備える。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、引出しは、バスバーを通過するピストンの切刃の移動を可能にするように構成された受入れ溝を備え、受入れ溝とピストンは、ピストンが移動してその下降位置に到達すると、ピストンの切刃が受入れ溝の表面と連続的に接触するように構成されている。
【0013】
前記受入れ溝は、例えば、受入れ溝の2つの横断表面を画定する三角形であり、それによって、ピストンがその下降位置にあるときに、ピストンの切り刃がこれらの横断方向表面の1つと連続的に接触する。
【0014】
受入れ溝は、ピストンの切刃の形状に有利に適合された、その他の形状と断面で設計することができる。
【0015】
バスバーは、本体の長手方向スロット内に配置されるとさらなる変位を防止するようになされた係合手段を備える。
【0016】
本発明はまた、火工式回路遮断器を組み立てる方法であって、
− 本体と引出しの間に挿入スロットを画定するように、火工式回路遮断器の本体の長手方向スロット内に引出しを挿入するステップと、
− 次いで、火工式回路遮断器の本体を通りバスバーを挿入するステップと、
を含む、方法に関する。
【0017】
この方法は、通常、点火器とピストンを、本体の内部空隙内に挿入する、予備ステップをさらに含む。
【0018】
本発明のその他の特徴、目的および利点は、以下の説明において詳述されるが、この説明は、純粋に説明のためのものであり、限定的に解釈されるべきではなく、また添付の図面の観点において、読まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一態様による火工式回路遮断器の組立図である。
図2】本発明の一態様による火工式回路遮断器の分解図である。
図3図1および2に開示された火工式回路遮断器の断面図である。
図4】火工式回路遮断器の本体内部のバスバーの組立てを示す図である。
図5】本発明の別の態様による、火工式回路遮断器の組立図である。
図6】本発明の別の態様による、火工式回路遮断器の分解図である。
図7図5および6に開示された火工式回路遮断器の断面図である。
図8図5および6に開示された火工式回路遮断器の断面図である。
図9】切断されたバスバーと係止手段の実施形態を備える、図5および6に開示された火工式回路遮断器の断面図である。
図10図9に開示された火工式回路遮断器の引出しおよびバスバーの組立てのステップを示す図である。
図11図9に開示された火工式回路遮断器の引出しおよびバスバーの組立てのステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
様々な図において、共通の要素は、同一の参照番号を使用して識別されている。
【0021】
図1から3は、本発明の一態様による火工式回路遮断器1の様々な視野図を開示する。
【0022】
図において開示された火工式回路遮断器1は、
− 本体2、
− 保持器3、
− 点火器4、
− ピストン5、および
− バスバー6
を備える。
【0023】
本体2は、内部体積内にピストン5および点火器を収容するようになされている。保持器3は、通常、本体2の外表面に製作された凹部内に配置される。
【0024】
ピストン5は、上昇位置と下降位置の間で、図面上で軸Z−Zによって表されている、火工式回路遮断器1の法線方向に沿って、移動することができる。
【0025】
点火器4が使用されていない限り、ピストン5は、例えば図3および4に表されているような、その上昇位置に留まる。
【0026】
作動されると、点火器4は、例えば図5に表されているように、ピストン5を、その上昇位置から下降位置まで駆動するように構成されており、そこでピストン5が、バスバー6の電気状態を遮断するために、バスバー6を、任意に近位部分および遠位部分と名付けられる2つの異なる部分に切り離す。
【0027】
バスバーの切断を達成するために、ピストン5は切刃51を備え、この切刃51は、下部面から突出するとともに、ピストン5がそれに沿って移動する法線方向Z−Zに垂直な横断方向Y−Yに沿って、バスバー6を切断または遮断するために、バスバー6と接触するようになされている。
【0028】
本体は、ピストン5がそれに沿って平行移動する法線方向Z−Zに垂直な、長手方向X−Xに沿って、それ自体を通過して延びる、長手方向スロット21を含む。
【0029】
この長手方向スロット21は、電気回路を本体2から突出するバスバー6の両端に接続することによって、本体2を通過して電気伝導を確立するために、本体2の両反対側面から突出するように、本体2を通過してバスバー6を摺動可能に挿入できるようになされている。
【0030】
図4は、長手方向スロット21内部でのバスバー6の挿入を示す。
【0031】
この図に表されるように、火工式回路遮断器1は、バスバー6を除いて、組み立てられている。次いで、バスバーが、例えば、図1および3に表されるように、本体2の両反対側面から突出するように、本体2の長手方向スロット21を通過して、摺動可能に挿入される。
【0032】
したがって、火工式回路遮断器1全体を、バスバー6なしに組み立てて、次いで、装置を完成させるために、バスバー6を本体2内部に摺動可能に挿入することができる。
【0033】
これによって、組立て中に本体内部に一体化される、付随するバスバーと一緒に提供されるのが普通である、従来型の火工式回路遮断器とは反対に、火工式回路遮断器1のその他の構成要素と独立して、バスバー6を設けることができる。
【0034】
バスバー6および本体2は、通常、本体2に対してバスバー6の正しい配置を確保するとともに、挿入されるとバスバー6を本体2内部に維持するように、インデクセーション手段を含む。
【0035】
図2に開示された実施形態において、バスバー6のインデクセーション手段は、本体2の対応する表面に当接するようになされて、バスバー6の側面に配設された、ノッチ6a、6b、6c、6dを含む。これらのノッチは、バスバー6を挿入スロット内部に挿入する特有の方法を規定して、本体2内でのその挿入の方向にバスバーを不動化することを可能にするために、非対称にすることができる。
【0036】
図2および3に開示された実施形態において、インデクセーション手段は、バスバー6の中心長手方向軸X−Xに沿って配設されて、本体2の内部反対側面に当接して、バスバーを本体2内でのその挿入の反対方向において不動化することを可能にするようになされた、中心ブレード6eを含む。
【0037】
前記ブレード6eの形状および数は、修正して、本体2の設計に適合させることができる。
【0038】
図4に開示される実施形態において、インデクセーション手段は、バスバー6内部に配設された貫通穴67と、バネ27と結合されて、本体2の凹部28に装着された位置決めピン26とを含む。インデクセーション手段には、バスバー6の定位置での保持を強化するために、複数の貫通穴67および/または位置決めピン26を含めることができる。
【0039】
位置決めピン26は、バスバー6の挿入中には、バスバーが位置決めピン26を凹部28内に押し戻し、貫通穴67が位置決めピン26と位置合わせされる位置にバスバーが入いると、位置決めピン26が、バネ27によって凹部28から押し出されて、バスバー6の貫通穴67に係合し、したがって、火工式回路遮断器1の本体2に対して、バスバー6を定位置に固定するように構成されている。
【0040】
位置決めピン26および貫通穴67は、通常、非円形断面を有し、その結果として、位置決めピン26は、取扱いおよび組立て中に回転しない。
【0041】
図5から11は、本発明の一態様による火工式回路遮断器1の代替的実施形態の様々な視野図を開示している。
【0042】
図5から11に開示された火工式回路遮断器1は、
− 本体2、
− 保持器3、
− 点火器4、
− ピストン5、
− バスバー6、および
− 引出し7
を備える。
【0043】
図1から3を参照してすでに説明したように、本体2は、内部体積内にピストン5および点火器を収容するようになされている。保持器3は、通常、本体2の外表面に製作された凹部内部に配置される。
【0044】
ピストン5は、上昇位置と下降位置の間で、引出し上で軸Z−Zによって表されている、火工式回路遮断器1の法線方向に沿って、移動することができる。
【0045】
点火器4が使用されていない限り、ピストン5は、例えば、図7および8に表されるように、その上昇位置に留まる。
【0046】
作動されると、点火器4は、例えば、図9に表されているように、ピストン5をその上昇位置から下降位置まで駆動するように構成されており、そこで、ピストン5は、バスバー6の電気状態を遮断するために、バスバー6を、任意に近位部分および遠位部分と名付けられる2つの異なる部分に切り離す。
【0047】
バスバーの切断を達成するために、ピストン5は切刃51を備え、この切刃51は、下部面から突出するとともに、ピストン5がそれに沿って移動する法線方向Z−Zに垂直な横断方向Y−Yに沿って、バスバー6を切断または遮断するために、バスバー6と接触するようになされている。
【0048】
本体は、ピストン5がそれに沿って平行移動する法線方向Z−Zに垂直な、長手方向X−Xに沿って、それ自体を通過して延びる、長手方向スロット21を備える。
【0049】
この実施形態において、火工式回路遮断器1は引出し7を備え、この引出し7は、通常は、本体2内部に納まるように、本体2の長手方向スロット21内に挿入されて、バスバー6を受け入れるようになされた挿入スロットを、本体2と引出し7の間に画定するように構成されている。
【0050】
したがって、この実施形態において、長手方向スロット21は、引出し7とバスバー6の両方を収容するように、図1から4について開示された実施形態におけるよりも、大きい寸法を有する。
【0051】
図10および11は、本体2の長手方向スロット21内部での、引出し7およびバスバー6の連続的な挿入を図解している。
【0052】
図10に示されるように、引出し7は、最初に、本体2の長手方向スロット21内部に挿入されて、それによって、例えば、引出し7および本体2の上に配設された、ノッチおよび/またはくぼみによって、本体の内部に保持される。
【0053】
図示された実施形態において、引出し7は、引出し7が本体2内部に完全に挿入されると、本体の挿入止め23に当接する、一端上のノッチ73と、本体2内部に完全に挿入されると、引出し7の偶発的な外れを防止するために、戻り防止手段として作用する突起74とを備える。この突起74は、本体2の挿入止め23の反対側の、本体の外れ止め24に当接する。
【0054】
引出し7の高さは、通常、長手方向スロット21の高さよりも小さく、それによって、引出し7と本体2の間に挿入スロットを形成し、その上、引出し7が突起74を有していても、引出し7を本体2の長手方向スロット内部に挿入することを可能にする。
【0055】
挿入されると、本体2の内部に引出し7を維持するために、その他の手段を使用することが可能であり、例えば、可撓性のタングまたはブレードを引出し7内に製作して、本体2内部での引出し7の挿入中に、それらが曲げられ、引出し7の外れを防止するために、引出し7が挿入されると、本体2内で延びるように構成することが可能である。
【0056】
引出し7が、本体2内部に完全に挿入され、定位置に維持されると、引出し7および本体2は、バスバー6を受け入れるようになされた挿入スロットを画定する。
【0057】
次いで、バスバー6は、本体2の両反対側面から突出するように、例えば、図5および7に表されているように、本体2を通過して配置するために、図11に示されるように、挿入スロット内に摺動可能に挿入される。
【0058】
引出し7についてと同様に、バスバー6は、挿入スロット内部に挿入されると、引出し7および本体2に対してその位置を固定するために、通常、インデクセーション手段を備える。
【0059】
これらのインデクセーション手段は、引出し7および本体に対してバスバー6を不動化するか、またはその変位を、それが挿入スロット内部に挿入された方向と反対の、単一方向による並進に限定することができる。
【0060】
図6に開示された実施形態においては、バスバー6のインデクセーション手段は、本体2および/または引出し7の対応する表面に当接するようになされて、バスバー6の側面上に配設された、ノッチ6a、6b、6c、6dを含む。これらのノッチは、バスバー6を挿入スロット2内部に挿入する特有の方法を規定して、本体2内でのその挿入の方向において、バスバーを不動化することを可能にするために、非対称とすることができる。
【0061】
図6および7において開示された実施形態において、インデクセーション手段は、バスバー6の中心長手方向軸X−Xに沿って配設されて、本体2の内部反対側面に当接して、バスバーを、本体2内でのその挿入の反対方向において不動化することを可能にするようになされた、中心ブレード6eを含む。
【0062】
前記ブレード6eの形状および数は、修正して、本体2の設計に適合させることができる。
【0063】
引出し7は、挿入スロットの寸法および形状を修正するために適合させることが可能であり、したがって、火工式回路遮断器の本体2を、バスバー6の様々な型式および形状に適合させることを可能にする。
【0064】
火工式回路遮断器1は、したがって、開示のように、単一の構成要素、すなわち引出し7の変更を必要とするだけで、バスバー6の様々な型式および形状に適合させることができる。
【0065】
図9から11に開示されている実施形態において、インデクセーション手段は、バスバー6内部に配設された貫通穴67と、バネ77に結合されて、引出し7の凹部78内に装着された、位置決めピン76とを含む。インデクセーション手段には、バスバー6の定位置での保持を強化するために、複数の貫通穴67および/または位置決めピン76を含めることができる。
【0066】
位置決めピン76は、バスバー6の挿入中には、バスバーが位置決めピン76を凹部78内に押し戻し、貫通穴67が位置決めピン76と位置合わせされる位置にバスバー6が入ると、位置決めピン76が、バネ77によって凹部78から押し出されて、バスバー6の貫通穴67に係合し、したがって、火工式回路遮断器1の引出し7、および本体2に対して、バスバー6を定位置に固定するように構成されている。
【0067】
位置決めピン76および貫通穴67は、通常、非円形断面を有し、その結果として、位置決めピン76は、取扱いおよび組立て中に回転しない。
【0068】
図面に、より具体的には、図9に示されるように、引出し7は、通常、受入れ溝72を備え、この受入れ溝72は、横断方向Y−Yに沿って配設され、バスバー6の切断部分または遮断部分を受け入れるように構成されて、バスバー6を通過するピストン5の切刃51の移動を可能にする。
【0069】
図示された実施形態において、引出しは、三角形または全体的に三角形の断面を有する、受入れ溝72を含む。上昇位置から下降位置へそれが移動すると、ピストン5の切刃51は、バスバー6が切断されると、受入れ溝72の横断方向表面と接触する。受入れ溝72は、通常、ピストン5が移動して、その下降位置に到達すると、切刃51が、受入れ溝72の表面と連続的に接触するように構成される。
【0070】
このような、ピストンの切刃51と引出し7との連続的な接触は、バスバー6が切断されると、その2つの部分を互いに離隔させることを可能にして、それによって、関連する回路を確実に遮断するために、バスバー6のこれらの2つの部分の間の電気絶縁性を向上させる。ピストン5と引出し7の間のそのような連続的な接触によって、バスバー6が切断されると、バスバー6の2つの部分間におけるバスバー開口中に発生する可能性のある、潜在的なアーチ形成を遮断することができる。
【0071】
受入れ溝72の形状は、通常、ピストン5の切刃51の形状の反対形(negative)か、または相補形に適合されて、適当な接触を確保するために、ピストン5の切刃51と接触するようになされた、その表面の1つに沿ったシール手段を設けることができる。
図1
図2
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【国際調査報告】