(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-533715(P2017-533715A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】調節性ポリヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
C12N 15/09 20060101AFI20171020BHJP
C12N 15/113 20100101ALI20171020BHJP
C12N 7/04 20060101ALI20171020BHJP
【FI】
C12N15/00 AZNA
C12N15/00 G
C12N7/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】112
(21)【出願番号】特願2017-525592(P2017-525592)
(86)(22)【出願日】2015年11月13日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月11日
(86)【国際出願番号】US2015060564
(87)【国際公開番号】WO2016077689
(87)【国際公開日】20160519
(31)【優先権主張番号】62/079,590
(32)【優先日】2014年11月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/212,004
(32)【優先日】2015年8月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/234,477
(32)【優先日】2015年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517157204
【氏名又は名称】ボイジャー セラピューティクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VOYAGER THERAPEUTICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ホウ、ジンジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ノネンマッハ、マチュー イー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ、ペンチェン
【テーマコード(参考)】
4B065
【Fターム(参考)】
4B065AA90Y
4B065AA95X
4B065AA95Y
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA23
4B065CA44
4B065CA46
(57)【要約】
本発明は、調節性ポリヌクレオチドの組成物、およびその調製、製造および治療的使用のための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調節性ポリヌクレオチドで次のものからなるもの
(a)ステム−ループ構造を形成するためのステムおよびループと;
(i)前記ステムループ構造の5’ステムの基部またはその近くに位置するUGモチーフと;
(ii)パッセンジャー鎖および随意的に5’スペーサー領域を含む5’ステムアーム(前記5’スペーサー領域は、それが存在する場合には、前記UGモチーフと前記パッセンジャー鎖との間に位置している)と;
(iii)前記ループ領域の5’末端に位置するUGUGモチーフからなるループ領域と;
(iv)ガイド鎖および随意的に3’スペーサー領域を含む3’ステムアーム(前記3’ステムアームでは、ウリジンがガイド鎖の5’末端に存在し、前記3’スペーサー領域は、それが存在する場合には、1つのヘリカルターンを形成するのに十分な長さを有している)と;
(b)前記ステムループ構造の5’に位置する第1の隣接領域と;および
(c)前記ステムループ構造の3’に位置する第2の隣接領域(前記第2の隣接領域はCNNCからなる)。
【請求項2】
前記ステムループ構造のループ領域が、古典的マイクロRNAに由来する、請求項1に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記古典的マイクロRNAがmiR−22である、請求項2に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項4】
前記第1または第2の隣接領域の少なくとも1つがlet−7bに由来する、請求項3に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項5】
前記第1の隣接領域が、表1に記載の5’隣接領域である、請求項1に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項6】
前記ループ領域が、表2に記載のループ領域群の1つである、請求項1に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項7】
前記第2の隣接領域が、表3に記載の3’隣接領域である、請求項1に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項8】
前記ガイド鎖が、部位2と部位15の間に位置するマイクロRNAシード配列からなる、請求項1に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項9】
前記ガイド鎖が、部位2〜7、2〜8または2〜9に位置するマイクロRNAシード配列からなる、請求項8に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項10】
前記ガイド鎖が15〜30ヌクレオチドの長さである、請求項1に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項11】
前記パッセンジャー鎖が、ガイド鎖と少なくとも70%相補的である、請求項10に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項12】
前記ガイド鎖が21〜25ヌクレオチドの長さである、請求項10に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項13】
前記ガイド鎖が22ヌクレオチド長である、請求項12に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項14】
前記ガイド鎖が21ヌクレオチド長である、請求項12に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項15】
前記ガイド鎖が、哺乳動物コーディングmRNAおよび哺乳動物ノンコーディングRNAからなる群から選択される標的RNAと少なくとも70%相補的である、請求項10に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項16】
前記標的RNAが哺乳動物コーディングmRNAである、請求項15に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項17】
前記コーディングmRNAが、神経細胞、組織または器官において発現される、請求項16に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【請求項18】
人工のpre−microRNAであって、次のものからなるもの:
(a)ステム−ループ構造を形成するためのステムおよびループと;
(i)パッセンジャー鎖および5’スペーサー領域をからなる5’ステムアーム(前記5’スペーサー領域が前記パッセンジャー鎖の5’側に位置している)と;
(ii)そのループ領域の5’末端に位置するUGUGモチーフからなるループ領域と;
(iii)ガイド鎖および3’スペーサー領域からなる3’ステムアーム(前記3’ステムアームでは、ウリジンがガイド鎖の5’末端に存在し、前記3’スペーサー領域が1つのらせん状のターンを形成するのに十分な長さを有している)と;
(iv)随意的に、前記ステムループ構造の5’ステムの基部またはその近くに位置するUGモチーフ。
【請求項19】
人工のpre−microRNAであって、次のものからなるもの:
(a)ステム−ループ構造を形成するためのステムおよびループと;
(i)ガイド鎖および5’スペーサー領域をからなる5’ステムアーム(前記5’スペーサー領域が前記ガイド鎖の5’側に位置している)と;
(ii)そのループ領域の5’末端に位置するUGUGモチーフからなるループ領域と;
(iii)パッセンジャー鎖および3’スペーサー領域からなる3’ステムアーム(前記3’ステムアームでは、ウリジンがパッセンジャー鎖の5’末端に存在し、前記3’スペーサー領域が1つのらせん状のターンを形成するのに十分な長さを有している)と;
(iv)随意的に、前記ステムループ構造の5’ステムの基部またはその近くに位置するUGモチーフ。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一項に記載の調節性ポリヌクレオチドをコードするプラスミドまたはベクター。
【請求項21】
組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)構築物からなる、請求項20に記載のベクター。
【請求項22】
請求項21に記載のAAV構築物からなる組換えAAVウイルス。
【請求項23】
AAV1,AAV2,AAV3,AAV4,AAV5,AAV6,AAV7,AAV8,AAV9,AAV9.47,AAV9(hu14),AAV10,AAV11,AAV12,AAVrh8,AAVrh10およびAAV−DJからなる群から選択されるキャプシド血清型からなる、請求項22に記載の組換えAAVウイルス。
【請求項24】
前記カプシド血清型が、AAV2、AAVrh10、AAV9(hu14)、AAV−DJおよびAAV9.47からなる群から選択される、請求項23に記載の組換えAAVウイルス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2014年11月14日に出願されたModulatory Polynucleotideと題された米国仮特許出願第62/079,590号、2015年8月31日に出願されたModulatory Polynucleotideと題された米国仮特許出願第62/212,004号、2015年9月29日に出願されたModulatory Polynucleotideと題された米国仮特許出願第62/234,477号の権利を主張しており、その各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表の参照
本出願は、電子フォーマットの配列表と共に提出されている。当該配列表は、2015年11月12日に作成された1014PCTSL.txtと題されたファイルとして提供されており、そのサイズは235,330バイトである。配列表の電子フォーマットでの情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
発明の分野
本発明は、調節性ポリヌクレオチドの設計、調製、製造および/または製剤化するための組成物、方法、プロセス、キットおよびデバイスに関する。いくつかの実施形態では、このような調節性ポリヌクレオチドは、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)によってまたはそのウィルス内にコードされていてもよく、人工のmicroRNA、人工のpre−microRNA、および/または人工のpri−microRNAを含んでいてもよい。
【背景技術】
【0004】
マイクロRNA(すなわち、miRNAまたはmiR)は、小型、ノンコーディング、一本鎖リボ核酸分子(RNA)であり、通常、その長さは19〜25ヌクレオチドである。哺乳動物のゲノムでは、1000を超えるマイクロRNAが同定されている。成熟したマイクロRNAは、標的mRNAの相補的配列と部分的または完全に対形成することにより、主に、標的メッセンジャーRNA(mRNA)の3’非翻訳領域(3’−UTR)に結合し、転写後レベルでの標的mRNAの分解を促進し、場合によっては翻訳の開始を阻害する。マイクロRNAは、細胞周期および成長の調節、アポトーシス、細胞増殖および組織発生などの多くの重要な生物学的過程において重要な役割を果たしている。
【0005】
miRNA遺伝子は、一般に、miRNAの長い一次転写物(すなわちpri−miRNA)として転写される。pri−miRNAは、miRNAの前駆体(すなわちpre−miRNA)に切断され、成熟した機能的なmiRNAを生成するようにさらに処理される。
【0006】
多くの標的発現ストラテジーが核酸ベースの創薬技術を使用しているが、特異性が高く、オフターゲット効果が少ない改良された核酸創薬技術の必要性が依然として存在する。
本発明は、人工のpri−microRNA、pre−microRNAおよび成熟したmicroRNA構築物の形態におけるそのような改良創薬技術、およびそれらを設計する方法を提供する。これらの新規な構築物は、合成されたスタンドアロン分子であってもよく、または細胞に投与するためのプラスミドまたは発現ベクターにコードされてもよい。そのようなベクターは、アデノ関連ウイルスベクター、例えばAAV血清型のいずれかのベクターゲノムまたはレンチウイルスなどの他のウイルス投与ビヒクルを含むが、これに限定されない。
【発明の概要】
【0007】
本明細書には、調節性ポリヌクレオチドを設計、調製、製造、および/または製剤化するのための組成物、方法、プロセス、キットおよびデバイスが記載されている。
いくつかの実施形態では、このような調節性ポリヌクレオチドは、プラスミドまたはベクターまたは組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)によってコードされるか、またはそれらに含まれていてもよく、当該調節性ポリヌクレオチドは、人工のマイクロRNA、人工のpre−microRNA、および/または人工のpri−microRNAからなり得る。
【0008】
本発明の様々な実施形態の詳細は、以下の説明に記載されている。本発明のその他の特徴、目的、および利点は、明細書および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0009】
本発明の前述及び他の目的、特徴および利点は、添付の図面に示されるように、本発明の特定の実施形態の以下の説明から明らかにする。添付の図面では、記載されている類似の参照符号が、異なる視点を通して同じ部分を表している。図面は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の様々な実施形態の原理を例示することに重点を置いている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明によるAAVベクターにコードされた人工のpri−microRNAの概略図である。
【
図2】AAVベクターにコードされたpri−mRNA構築物の活性を示すヒストグラムである。
【
図3】AAVベクターにコードされた調節性ポリヌクレオチドのガイド鎖のHEK293T細胞における活性を示すヒストグラムである。
【
図4】AAVベクターにコードされた調節性ポリヌクレオチドのパッセンジャー鎖のHEK293T細胞における活性を示すヒストグラムである。
【
図5】AAVベクターにコードされた調節性ポリヌクレオチドのガイド鎖のHeLa細胞における活性を示すヒストグラムである。
【
図6】AAVベクターにコードされた調節性ポリヌクレオチドのパッセンジャー鎖のHeLa細胞における活性を示すヒストグラムである。
【
図7】発現された細胞内AAV DNAの定量のヒストグラムである。
【
図8】AAVベクターにコードされた構築物のヒト運動ニューロンにおける活性を示すヒストグラムである。
【
図9】U251MG細胞におけるSOD1の用量依存性サイレンシングを示すチャートである。
【
図10】ヒト星状細胞におけるSOD1の用量依存的サイレンシングを示すチャートである。
【
図11】U251MG細胞におけるSOD1のサイレンシングの経時変化を示すチャートである。
【
図13】ITR、イントロン(I)及びpolyA(P)に対する調節性ポリヌクレオチド(MP)の位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の組成物
本発明によれば、人工のマイクロRNAとして機能する調節性ポリヌクレオチドが提供される。本明細書中で使用される場合、「調節性ポリヌクレオチド」は、標的遺伝子のレベルまたは量を調節する(増加させるか、減少させる)ように機能する任意の核酸ポリマーである。調節性ポリヌクレオチドは、調節に先立って、細胞内でプロセシングされる前駆体分子を含む。調節性ポリヌクレオチドまたはそのプロセシングされた形態は、細胞に投与するためのプラスミド、ベクター、ゲノム、またはその他の核酸発現ベクターにコードされてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、調節性ポリヌクレオチドは、マイクロRNA転写物(pri−miR)またはマイクロRNA前駆体(pre−miR)として設計され、それらが細胞内でプロセシングされ、高度に特異的な人工のマイクロRNAを産生する。
【0013】
調節性ポリヌクレオチド、特に本発明の人工のマイクロRNAは、古典的配列または構造骨格に基づいて、または既知のマイクロRNA、pri−microRNAあるいはpre−microRNAに基づいて、設計することができる。このような配列は、米国特許公報US2005/0261218および米国特許公報US2005/0059005に教示されているような任意の既知のマイクロRNAまたはその前駆体に対応し得る(その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0014】
マイクロRNA(すなわち、miRNAまたはmiR)は、19〜25ヌクレオチド長のノンコーディングRNAであり、これは、核酸分子の3’UTRに結合し、核酸分子の安定性を低下させるかまたは翻訳を阻害することによって、遺伝子発現を下方制御する。本発明の調節性ポリヌクレオチドは、1つまたはそれ以上のマイクロRNA配列、マイクロRNAシード、または人工のマイクロRNA(例えばマイクロRNAとして機能する配列)からなり得る。
【0015】
マイクロRNA配列は、「シード」領域からなる。シード領域とは、すなわち、成熟したマイクロRNAの2〜9位の領域の配列であり、この配列は、miRNA標的配列に対し完全なワトソン・クリック型相補性を有する。マイクロRNAシードは、成熟したマイクロRNAの2〜8位または2〜7位または2〜9位からなり得る。いくつかの実施形態では、マイクロRNAシードは7ヌクレオチド(例えば、成熟したマイクロRNAのヌクレオチド2〜8)からなり得、当該のマイクロRNAシードでは、対応するmiRNA標的のシード相補的部位が、マイクロRNAの1位に対向するアデニン(A)に隣接している。いくつかの実施形態では、マイクロRNAシードは6ヌクレオチド(例えば、成熟したマイクロRNAのヌクレオチド2〜7)からなり得、当該のマイクロRNAシードでは、対応するmiRNA標的のシード相補的部位が、マイクロRNAの1位に対向するアデニン(A)に隣接している。例えば、以下を参照せよ:Grimson A,Farh KK,Johnston WK,Garrett−Engele P,Lim LP,Bartel DP;Mol Cell.2007 Jul 6;27(1):91−105;(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。天然に存在するマイクロRNAにおいては、マイクロRNAシードの塩基は、標的配列と完全な相補性を有する。
【0016】
本明細書で教示しているように、設計パラメータまたはルールが同定されており、それらを適用して、オフターゲット効果が少ない優れた標的遺伝子調節特性を有する調節性ポリヌクレオチド(例えば、人工のマイクロRNA)を設計する。
【0017】
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドの分子骨格は、所望の標的遺伝子調節特性を有する調節性ポリヌクレオチドを作製するように設計および最適化することができる。非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、オフターゲット効果が少ない優れた標的遺伝子調節特性を有し得る。
【0018】
一実施形態では、人工miRなどの本発明の調節性ポリヌクレオチドは、高度に特異的な標的認識および低いガイド/パッセンジャー比をもたらす一組の規則に従ってアセンブルされたモジュラーエレメントまたは配列モチーフから構成される。そのようなモジュールまたは配列モチーフには、以下が含まれるが、それらに限定されない:二重鎖領域;隣接領域;ループ;最適化ループ;UGUGループ;GUドメイン;スペーサー(近位および遠位モチーフまたはモジュール間隔を制御するためのスペーサー、またはターン、ループまたはバルジなどの構造エレメントを導入するためのスペーサー);CNNCモチーフ;およびループ、バルジ、ミスマッチ、ウォブルおよび/またはそれらの組み合わせを包含する熱力学的非対称領域。人工miRを構築する際に、単独でまたは組み合わせて適用され得る規則の非限定的な例には、以下で教示されているものが含まれる:Silence 2011,2:4;Gu,et al.,Cell 151,900−911,November 9,2012;Schwartz,et al.,Cell,Vol.115,199−208,October 17,2003;Park,et al.,Nature,Vol.475,101,14 July 2011;Ketley et al.,2013,PLoS ONE 8(6);Liu,et al.,Nucleic Acids Research,2008,Vol.36,No.9 2811−2824;Dow,et al.,2013,Nat Protoc.;7(2):374−393.doi:10.1038/nprot.2011.446;Auyeung,et al.,Cell 152,844−858,February 14,2013;Gu et al.,Cell 2012 Nov 9,151(4):900−11;Fellmann et al.Molecular Cell 41,733−746,2011;Han et al.Cell 125,887−907,2006;Betancur et al.Frontiers in Genetics,Vol.3,Art.127,1−6 July 2012;Schwarz et al.Cell Vol 115,199−208,2003(これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0019】
上記のモジュールまたは配列モチーフに加えて、調節性ポリヌクレオチドは、パッセンジャー鎖およびガイド鎖の少なくとも1つまたは双方からなる。パッセンジャー鎖およびガイド鎖は、調節性ポリヌクレオチドのステムループ構造の5’アームまたは3’アーム上に配置され得るか、または位置し得る。
【0020】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドの3’ステムアームは、ガイド鎖の3’末端の下流に11ヌクレオチドを有し得、これらの11ヌクレオチドは、5’ステムアームのパッセンジャー鎖の5’末端の上流の13ヌクレオチドのうちの11ヌクレオチドと相補性を有する。
【0021】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、6ヌクレオチドであるシステインを有し得、これらの6ヌクレオチドは、調節性ポリヌクレオチドの3’ステムアームの3’末端の下流の6ヌクレオチドである。
【0022】
一実施形態において、調節性ポリヌクレオチドは、ガイド鎖のmiRNAシードマッチからなる。別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、パッセンジャー鎖のmiRNAシードマッチからなる。さらに別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、ガイド鎖またはパッセンジャー鎖のシードマッチを含まない。
【0023】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、ガイド鎖に対して顕著な全長オフターゲットをほとんど有さない場合がある。別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、パッセンジャー鎖に対して顕著な全長オフターゲットをほとんど有さない場合がある。さらに別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドは、ガイド鎖に対しても、パッセンジャー鎖に対しても、顕著な全長オフターゲットをほとんど有さない場合がある。
【0024】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、in vitroで活性が高い場合がある。別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、in vitroで活性を低い場合がある。さらに別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドはin vitroで、ガイド鎖活性が高く、パッセンジャー鎖活性が低い場合がある。
【0025】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドはin vitroで、ガイド鎖活性が高く、パッセンジャー鎖活性が低い。ガイド鎖による標的ノックダウン(KD)は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、99.5%または100%であり得る。ガイド鎖による標的ノックダウンは、60〜65%、60〜70%、60〜75%、60〜80%、60〜85%、60〜90%、60〜95%、60〜99%、60〜99.5%、60〜100%、65〜70%、65〜75%、65〜80%、65〜85%、65〜90%、65〜95%、65〜99%、65〜99.5%、65〜100%、70〜75%、70〜80%、70〜85%、70〜90%、70〜95%、70〜99%、70〜99.5%、70〜100%、75〜80%、75〜85%、75〜90%、75〜95%、75〜99%、75〜99.5%、75〜100%、80〜85%、80〜90%、80〜95%、80〜99%、80〜99.5%、80〜100%、85〜90%、85〜95%、85〜99%、85〜99.5%、85〜100%、90〜95%、90〜99%、90〜99.5%、90〜100%、95〜99%、95〜99.5%、95〜100%、99〜99.5%、99〜100%、または99.5〜100%であり得る。非限定的な例として、ガイド鎖による標的ノックダウン(KD)は70%より大きい。
【0026】
一実施形態では、最寄りのオフターゲットのパッセンジャー鎖のIC50は、標的のガイド鎖のIC50を100倍したものより大きい。非限定的な一例として、最寄りのオフターゲットのパッセンジャー鎖のIC50が、標的のガイド鎖のIC50を100倍したものより大きい場合、調節性ポリヌクレオチドは、in vitroで、ガイド鎖活性が高く、パッセンジャー鎖活性が低いと言われている。
【0027】
一実施形態では、ガイド鎖の5’プロセシングは、in vitroまたはin vivoにおいて、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、99%または100%の割合で、5’末端での正確な開始(n)を有する。非限定的な例として、ガイド鎖の5’プロセシングは正確であり、in vitroにおいて、少なくとも99%の割合で5’末端での正確な開始(n)を有する。非限定的な例として、ガイド鎖の5’プロセシングは正確であり、in vivoにおいて、少なくとも99%の割合で、5’末端における正確な開始(n)を有する。
【0028】
一実施形態では、ガイド鎖対パッセンジャー鎖(G:P)の比は、in vitroあるいはin vivoで、1:99,5:95,10:90,15:85,20:80,25:75,30:70,35:65,40:60,45:55,50:50,55:45,60:40,65:35,70:30,75:25,80:20,85:15,90:10,95:5,または99:1である。非限定的な例として、in vitroにおいて、ガイド鎖とパッセンジャー鎖の比は、80:20である。非限定的な例として、in vivoにおいて、ガイド鎖とパッセンジャー鎖の比は、80:20である。
【0029】
一実施形態では、ベクターゲノムの完全性は、構築物の全長の少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または99%以上である。
【0030】
調節性ポリヌクレオチド
一実施形態では、既知のRNAi構築物またはRNAi剤のいずれも、本発明の調節性ポリヌクレオチドまたは人工のマイクロRNAのパッセンジャー鎖および/またはガイド鎖のを設計するための出発構築物として機能し得る。これらには、以下が含まれる:古典的siRNA;低分子干渉RNA(siRNA);二重鎖RNA(dsRNA);逆方向反復;短鎖ヘアピンRNA(shRNA);小さな一時的に制御されるRNA(stRNA);放射状クラスター化阻害RNA、非対称クラスター化阻害RNA、線形クラスター化抑制RNA、および複合型または化合物クラスター化阻害RNAを含むクラスター化阻害RNA(cRNA);ダイサー基質;DNA指向性RNAi(ddRNAi);一本鎖RNAi(ssRNAi);マイクロRNA(miRNA)アンタゴニスト;マイクロRNA模倣物;マイクロRNAアゴニスト;ブロックミル(別名、エクスマリウス);マイクロRNA擬態物;マイクロRNA加減物;スーパーmiR;PCT公開WO/2005/013901に開示されるオリゴマー構築物(その内容が全体として本明細書に組み込まれる);米国特許第20090131360号に開示されているような3成分RNAi構築物(その内容はその全体が本明細書に組み込まれる);PCT公開WO/2010/011346に開示されたソロ−rxRNA構築物(その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる);PCT公開WO/2010/033247に開示されているsd−rxRNA構築物(その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる);PCT公開WO/2010/002851およびWO/2009/141146に開示されているような、RNAレベルを低下させ、免疫応答を調節する二重作用RNAi構築物(その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);およびPCT公開WO/2006/130201、WO/2007/086990、WO/2009/046397、WO/2009/149182、WO/2009/086428に開示されているような、設計上の標的の発現を増加させる抗RNA(agRNA)または小型活性化RNA(saRNA)(その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0031】
同様に、上に列挙したマイクロRNAのいずれかのpri−microRNAまたはpre−microRNAはまた、本発明の調節性ポリヌクレオチドの分子骨格として機能し得る。
【0032】
一実施形態では、出発構築物は、マウス、ラット、イヌ、サル、またはヒトなどの任意の関連種に由来し得る。
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、CMV、U6、CBA、またはSV40イントロンを有するCBAプロモーターを含むがそれらに限定されないプロモーターの下流の発現ベクター中に位置していてもよい。さらに、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置していてもよい。非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、1,2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または30以上のヌクレオチドだけ、プロモーターより下流に位置しているか、および/または発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置していてもよい。別の非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、1〜5、1〜10、1〜15、1〜20、1〜25、1〜30、5〜10、5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、10〜15、10〜20、10〜25、10〜30、15〜20、15〜25、15〜30、20〜25、20〜30または25〜30ヌクレオチドだけ、プロモーターより下流に位置しているか、および/または発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置していてもよい。非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、ヌクレオチドの最初の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、あるいは25%以上だけ、プロモーターより下流に位置しているか、および/または発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置していてもよい。別の非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、ヌクレオチドの最初の1〜5%、1〜10%、1〜15%、1〜20%、1〜25%、5〜10%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、あるいは20〜25%だけ、プロモーターより下流に位置しているか、および/または発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置していてもよい。
【0033】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置していてもよい。さらに、調節性ポリヌクレオチドは、CMV、U6、CBA、またはSV40イントロンを有するCBAプロモーターを含むがそれらに限定されないプロモーターの下流の発現ベクター中に位置していてもよい。非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、1,2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または30以上のヌクレオチドだけ、プロモーターより下流に位置しているか、および/または発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置していてもよい。別の非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、1〜5、1〜10、1〜15、1〜20、1〜25、1〜30、5〜10、5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、10〜15、10〜20、10〜25、10〜30、15〜20、15〜25、15〜30、20〜25、20〜30または25〜30ヌクレオチドだけ、プロモーターより下流に位置しているか、および/または発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置していてもよい。非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、ヌクレオチドの最初の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、あるいは25%以上だけ、プロモーターより下流に位置しているか、および/または発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置していてもよい。別の非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、ヌクレオチドの最初の1〜5%、1〜10%、1〜15%、1〜20%、1〜25%、5〜10%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、あるいは20〜25%だけ、プロモーターより下流に位置しているか、および/または発現ベクター中のポリアデニル化配列の上流に位置していてもよい。
【0034】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドはscAAV中に位置していてもよい。
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドはssAAV中に位置していてもよい。
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のフリップITRの5’末端近くに位置していてもよい。別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のフリップITRの3’末端近くに位置していてもよい。さらに別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のフロップITRの5’末端近くに位置していてもよい。さらに別の実施形態において、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のフロップITRの3’末端近くに位置していてもよい。一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のフリップITRの5’末端とフロップITRの3’末端との間に位置していてもよい。一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のフリップITRの3’末端とフリップITRの5’末端の間に(例えば、フリップITRの5’末端とフロップITRの3’末端との間に、またはフロップITRの3’末端とフリップITRの5’末端の間に)位置していてもよい。非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のITR(例えば、フリップまたはフロップITR)の5’末端または3’末端から、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30ヌクレオチド、または30ヌクレオチド以上だけ、下流に位置していてもよい。非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のITR(例えば、フリップまたはフロップITR)の5’末端または3’末端から、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30ヌクレオチド、または30ヌクレオチド以上だけ、上流に位置していてもよい。別の非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のITR(例えば、フリップまたはフロップITR)の5’末端または3’末端から、1〜5、1〜10、1〜15、1〜20、1〜25、1〜30、5〜10、5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、10〜15、10〜20、10〜25、10〜30、15〜20、15〜25、15〜30、20〜25、20〜30、または25〜30ヌクレオチドだけ、下流に位置していてもよい。別の非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のITR(例えば、フリップまたはフロップITR)の5’末端または3’末端から、1〜5、1〜10、1〜15、1〜20、1〜25、1〜30、5〜10、5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、10〜15、10〜20、10〜25、10〜30、15〜20、15〜25、15〜30、20〜25、20〜30、または25〜30ヌクレオチドだけ、上流に位置していてもよい。非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のITR(例えば、フリップまたはフロップITR)の5’末端または3’末端から、ヌクレオチドの最初の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、または25%以上だけ、上流に位置していてもよい。別の非限定的な一例として、調節性ポリヌクレオチドは、発現ベクター中のITR(例えば、フリップまたはフロップITR)の5’末端または3’末端から、ヌクレオチドの最初の1〜5%、1〜10%、1〜15%、1〜20%、1〜25%、5〜10%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、または20〜25%だけ、下流に位置していてもよい。
【0035】
分子骨格
いくつかの実施形態では、調節性ポリヌクレオチドの出発分子骨格は、既知または野生型のpri−microRNAまたはpre−microRNAである。その他の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドの分子骨格は、最初に設計される(以下を参照せよ:Cullen,Gene Therapy(2006)13,503−508 work with miR30;Chung,et al.,Nucleic Acids Research,2006,Vol.34,No.7 working with miR−155;(その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0036】
本明細書中で使用される場合、「分子骨格」は、それに続く分子を設計または作製するための配列または構造的基礎を形成するフレームワークまたは出発分子を指す。
図1参照。本発明の調節性ポリヌクレオチドは、図示されているように、pri−miRとして設計され得る。この図には、pri−miR分子骨格が示されている。ペイロード(例えば、本明細書に記載のsiRNA、miRNAまたはその他のRNAi剤)からなる調節性ポリヌクレオチドは、先行する5’隣接配列からなり、この5’隣接配列は、任意の長さを有し、野生型マイクロRNA配列にその全体がまたは一部分が由来するものであってもよいし、また完全に人工的であってもよい。
【0037】
同様に、この図に示されているる3’隣接配列は、5’隣接配列とサイズおよび起点が同じであってよい。どちらかの隣接配列が存在しなくてもよい。この3’隣接配列は、1つまたはそれ以上のCNNCモチーフを任意に含むことができ、このCNNCモチーフでは、「N」は任意のヌクレオチドを表す。
【0038】
図示されたステムループ構造のステムを形成することは、少なくとも1つのペイロード配列の最小値である。いくつかの実施形態では、ペイロード配列は、部分的に相補的であるかまたは標的配列にハイブリダイズする少なくとも1つの核酸配列からなる。いくつかの実施形態では、ペイロードは野生型マイクロRNAである。いくつかの実施形態では、ペイロードは、siRNA分子またはsiRNA分子の断片である。いくつかの実施形態では、ペイロードは、1つまたはそれ以上のマイクロRNA、人工マイクロRNA、またはsiRNAからなり得る実質的に二重鎖の構築物である。
【0039】
いくつかの実施形態において、ステムループの5’アームはパッセンジャー鎖からなる。この鎖は、標的との同一性を反映する点でセンス鎖としても知られている。パッセンジャー鎖は、15〜30ヌクレオチドの長さであり得る。パッセンジャー鎖は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチドの長さであり得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、ステムループの3’アームは、ガイド鎖からなる。この鎖は、標的との相同性を反映する点でアンチセンス鎖としても知られている。ガイド鎖は、15〜30ヌクレオチドの間の長さ、21〜25ヌクレオチドの間の長さ、または22ヌクレオチドの長さであってよい。パッセンジャー鎖は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチドの長さであり得る。いくつかの例では、ガイド鎖は、5’末端の「G」ヌクレオチドからなる。
【0041】
いくつかの実施形態では、ガイド鎖がマイクロRNAまたは人工マイクロRNAからなる場合、ガイド鎖は1つまたはそれ以上のマイクロRNAシード配列からなり得る。このシード配列は、ガイド鎖の最初の5’ヌクレオチドに対して、またはダイサー切断部位に対して、ガイド鎖の2〜7位、2〜8位、または2〜9位に位置していてよい。
【0042】
その他の実施形態では、パッセンジャー鎖は3’アーム上に存在し、ガイド鎖はステムループ構造のステムの5’アーム上に存在する。
パッセンジャー鎖およびガイドス鎖は、その長さの実質的な部分にわたって完全に相補的であり得る。その他の実施形態では、パッセンジャー鎖およびガイド鎖は、鎖の長さの少なくとも50,60,70,80,85,90,95、または99%独立して、少なくとも70,80,90,95、または99%相補的であり得る。
【0043】
パッセンジャー鎖の同一性もガイド鎖の相同性も、標的に対して100%相補的である必要はない。
ステムループ構造のパッセンジャー鎖とガイド鎖とを分離することは、ループ(ループモチーフとしても知られている)である。ループは、いかなる長さであってもよく、4〜30ヌクレオチドの間の長さ、4〜20ヌクレオチドの間の長さ、4〜15ヌクレオチドの間の長さ、5〜15ヌクレオチドの間の長さ、6〜12ヌクレオチドの間の長さ、6ヌクレオチドの長さ、7ヌクレオチドの長さ、8ヌクレオチドの長さ、9ヌクレオチドの長さ、10ヌクレオチド、11ヌクレオチドの長さ、および/または12ヌクレオチドの長さである。
【0044】
いくつかの実施形態では、ループは、少なくとも1つのUGUGモチーフからなる。いくつかの実施形態では、UGUGモチーフは、ループの5’末端に位置する。
1つまたはそれ以上のモジュールを互いに分離するために、調節性ポリヌクレオチドにスペーサー領域が存在してもよい。そのようなスペーサー領域は、1つまたはそれ以上存在してもよい。
【0045】
一実施形態では、8〜20個、すなわち8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個のヌクレオチドの長さのスペーサー領域が、パッセンジャー鎖と隣接配列の 間に存在していてよい。
【0046】
一実施形態では、スペーサーは13ヌクレオチドであり、パッセンジャー鎖の5’末端と隣接配列との間に位置する。一実施形態において、スペーサーは、配列のヘリックス・ターン1個を形成するのに十分な長さである。
【0047】
一実施形態では、8〜20個(すなわち8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、あるいは20個)のヌクレオチドのスペーサー領域が、ガイド鎖と隣接配列に間に存在し得る。
【0048】
一実施形態では、スペーサー配列は10〜13個(すなわち10,11,12または13個)のヌクレオチドであり、ガイド鎖の3’末端と隣接配列の間に位置し得る。一実施形態において、スペーサーは、配列のヘリックス・ターン1個を形成するのに十分な長さである。
【0049】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、ステムの基部にある少なくとも1つのUGモチーフからなり、それによってGヌクレオチドが対になっており、Uヌクレオチドは対になっていない。いくつかの実施形態では、対になっていないUヌクレオチドは隣接配列に位置している。
【0050】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、5’から3’の方向に、それぞれ1個の5’隣接配列、5’アーム、ループモチーフ、3’アームおよび3’隣接配列からなる。非限定的な一例として、5’アームはパッセンジャー鎖からなり、3’アームはガイド鎖からなる。別の非限定的な一例において、5’アームはガイド鎖からなり、3’アームはパッセンジャー鎖からなる。
【0051】
一実施形態では、5’アーム、ペイロード(例えば、パッセンジャー鎖および/またはガイド鎖)、ループモチーフおよび/または3’アーム配列を改変することができる(例えば、1つまたはそれ以上のヌクレオチドを置換したり、および/またはヌクレオチドを付加したり欠損させたりする)。改変は、構築物の機能に有益な変化を引き起こし得る(例えば、標的配列のノックダウンを増加させる、構築物の分解を減少させる、オフターゲット効果を低下させる、ペイロードの効率を高める、ペイロードの分解を減少させる)。
【0052】
一実施形態では、パッセンジャー鎖配列を改変することができる(例えば、1つ以上のヌクレオチドを置換する、ヌクレオチドを付加する、および/またはヌクレオチドを削除する)。非限定的な一例として、パッセンジャー鎖配列は、配列の最後の4個のヌクレオチド内に1個または2個の置換を含み得る(例えば、CがGに置換されている)。別の非限定的な一例として、パッセンジャー鎖配列は、配列の5’末端から7〜15ヌクレオチド以内に、1個または2個の置換を含み得る(例えば、UがAに置換されている、またはCがGに置換されている)。
【0053】
一実施形態では、3’アーム鎖配列を改変することができる(例えば、1つまたはそれ以上のヌクレオチドを置換する、ヌクレオチドを付加する、および/またはヌクレオチドを削除する)。非限定的な一例として、’アームの配列は、配列の最初の4ヌクレオチド内に、1個または2個の置換を含み得る(例えば、AがUに置換されている)。
【0054】
一実施形態では、ペイロード構築物の分子骨格は、5’隣接領域、ループモチーフおよび3’隣接領域からなる。5’隣接領域とループモチーフとの間に、第1のペイロード領域が存在し、ループモチーフと3’隣接領域との間には、第2のペイロード領域が存在し得る。第1および第2のペイロード領域は、本明細書に記載のsiRNA、miRNAまたはその他のRNAi剤、断片または変異体からなり得る。第1および第2のペイロード領域はまた、互いに同じ、異なる、または相補的な配列からなり得る。非限定的な一例として、第1ペイロード領域配列は、siRNA構築物のパッセンジャー鎖であり得、第2ペイロード領域配列は、siRNA構築物のガイド鎖であり得る。パッセンジャー配列とガイド配列とは、互いに実質的に相補的であり得る。別の非限定的な一例として、第1のペイロード領域配列は、siRNA構築物のガイド鎖であり得、第2のペイロード領域配列は、siRNA構築物のパッセンジャー鎖であり得る。パッセンジャー配列とガイド配列とは、互いに実質的に相補的であり得る。
【0055】
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドの分子骨格は、5’隣接領域、ループ領域および3’隣接領域からなる。本明細書に記載される分子骨格に使用され得る5’隣接領域、ループ領域および3’隣接領域の配列の非限定的な例を表1〜3に示す。
【0059】
表1〜3に記載されている領域のいずれも、本明細書に記載されている分子骨格に使用することができる。
一実施形態では、分子骨格は、表1に表示されている1つの5’隣接領域からなり得る。非限定的な一例として、分子骨格は、5’隣接領域5F1,5F2,5F3または5F4からなり得る。
【0060】
一実施形態では、分子骨格は、表2に表示されている1つのループモチーフ領域からなり得る。非限定的な一例として、分子骨格は、ループモチーフ領域L1、L2、L3、L4またはL5からなり得る。
【0061】
一実施形態では、分子骨格は、表3に表示されている1つの3’隣接領域からなり得る。非限定的な一例として、分子骨格は、3’隣接領域3F1,3F2,3F3,3F4,3F5または3F6からなり得る。
【0062】
一実施形態では、分子骨格は、表1および表2に記載されているように、少なくとも1つの5’隣接領域および少なくとも1つのループモチーフ領域からなり得る。非限定的な一例として、分子骨格は、5F1とL1、5F1とL2、5F1とL3,5F1とL4,5F1とL5、5F2とL1、5F2とL2、5F2とL3、5F2とL4、5F2およびL5、5F3とL1、5F3とL2、5F3とL3、5F3とL4、5F3とL5、5F4とL1、5F4とL2、5F4とL3,5F4とL4、または5F4とL5からなり得る。
【0063】
一実施形態では、分子骨格は、表2および3に記載されているように、少なくとも1つの3’隣接領域および少なくとも1つのループモチーフ領域からなり得る。非限定的な一例として、分子骨格は、3F1とL1、3F1とL2、3F1とL3、3F1とL4、3F1とL5、3F2とL1、3F2とL2、3F2とL3、3F2とL4、3F2とL5、3F3とL1,3F3とL2、3F3とL3,3F3とL4,3F3とL5、3F4とL1、3F4とL2、3F4とL3、3F4とL4、3F4とL5、3F5とL1、3F5とL2、3F5とL3、3F5とL3、3F5とL4、3F5とL5、3F6とL1、3F6とL2、3F6とL3、3F6とL4、3F6とL5からなり得る。
【0064】
一実施形態では、分子骨格は、表1および表3に記載されているように、少なくとも1つの5’隣接領域および少なくとも3’隣接領域からなり得る。非限定的な一例として、分子骨格は、5F1と3F1,5F1と3F2,5F1と3F3,5F1と3F4,5F1と3F5,5F1と3F6、5F2と3F1,5F2と3F2,5F2と3F3,5F2と3F4,5F2と3F5,5F2と3F6、5F3と3F1,5F3と3F2,5F3と3F3,5F3と3F4,5F3と3F5,5F3と3F6、5F4と3F1,5F4と3F2,5F4と3F3,5F4と3F4,5Fと3F5,5F4と3F6からなり得る。
【0065】
一実施形態では、分子骨格は、少なくとも1つの5’隣接領域、少なくとも1つのループモチーフ領域および少なくとも1つの3’隣接領域からなり得る。非限定的な一例として、分子骨格は、5F1、L1および3F1;5F1、L1および3F2;5F1、L1および3F3;5F1、L1および3F4;5F1、L1および3F5;5F1、L1および3F6;5F2、L1および3F1;5F2、L1および3F2;5F2、L1および3F3;5F2、L1および3F4;5F2、L1および3F5;5F2、L1および3F6;5F3、L1および3F1;5F3、L1および3F2;5F3、L1および3F3;5F3、L1および3F4;5F3、L1および3F5;5F3、L1および3F6;5F4、L1および3F1;5F4、L1および3F2;5F4、L1および3F3;5F4、L1および3F4;5F4、L1および3F5;5F4、L1および3F6;5F1、L2および3F1;5F1、L2および3F2;5F1、L2および3F3;5F1、L2および3F4;5F1、L2および3F5;5F1、L2および3F6;5F2、L2および3F1;5F2、L2および3F2;5F2、L2および3F3;5F2、L2および3F4;5F2、L2および3F5;5F2、L2および3F6;5F3、L2および3F1;5F3、L2および3F2;5F3、L2および3F3;5F3、L2および3F4;5F3、L2および3F5;5F3、L2および3F6;5F4、L2および3F1;5F4、L2および3F2;5F4、L2および3F3;5F4、L2および3F4;5F4、L2および3F5;5F4、L2および3F6;5F1、L3および3F1;5F1、L3および3F2;5F1、L3および3F3;5F1、L3および3F4;5F1、L3および3F5;5F1、L3および3F6;5F2、L3および3F1;5F2、L3および3F2;5F2、L3および3F3;5F2、L3および3F4;5F2、L3および3F5;5F2、L3および3F6;5F3、L3および3F1;5F3、L3および3F2;5F3、L3および3F3;5F3、L3および3F4;5F3、L3および3F5;5F3、L3および3F6;5F4、L3および3F1;5F4、L3および3F2;5F4、L3および3F3;5F4、L3および3F4;5F4、L3および3F5;5F4、L3および3F6;5F1、L4および3F1;5F1、L4および3F2;5F1、L4および3F3;5F1、L4および3F4;5F1、L4および3F5;5F1、L4および3F6;5F2、L4および3F1;5F2、L4および3F2;5F2、L4および3F3;5F2、L4および3F4;5F2、L4および3F5;5F2、L4および3F6;5F3、L4および3F1;5F3、L4および3F2;5F3、L4および3F3;5F3、L4および3F4;5F3、L4および3F5;5F3、L4および3F6;5F4、L4および3F1;5F4、L4および3F2;5F4、L4および3F3;5F4、L4および3F4;5F4、L4および3F5;5F4、L4および3F6;5F1、L5および3F1;5F1、L5および3F2;5F1、L5および3F3;5F1、L5および3F4;5F1、L5および3F5;5F1、L5および3F6;5F2、L5および3F1;5F2、L5および3F2;5F2、L5および3F3;5F2、L5および3F4;5F2、L5および3F5;5F2、L5および3F6;5F3、L5および3F1;5F3、L5および3F2;5F3、L5および3F3;5F3、L5および3F4;5F3、L5および3F5;5F3、L5および3F6;5F4、L5および3F1;5F4、L5および3F2;5F4、L5および3F3;5F4、L5および3F4;5F4、L5および3F5;または5F4、L5および3F6からなり得る。
【0066】
一実施形態では、分子骨格は、当該分野で公知の1つまたはそれ以上のリンカーからなり得る。リンカーは、領域間を、または1つの分子骨格を別の分子骨格から分離し得る。非限定的な一例として、分子骨格はポリシストロニックであり得る。
【0067】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、以下の特性の少なくとも1つを用いて設計される:ループ変異体、シードミスマッチ/バルジ/ウォブル型変異体、ステムミスマッチ、ループ変異体および基底ステムミスマッチ変異体、シードミスマッチおよび基底ステムミスマッチ変異体、ステムミスマッチおよび基底ステムミスマッチ変異体、シードウォブル型および基底ステムウォブル型変異体、あるいはステム配列変異体。
【0068】
一実施形態では、分子骨格は、プロモーター(例えば、CMV、U6、CBA、またはSV40イントロンを有するCBAプロモーターを含むが、これらに限定されない)の下流に位置し得る。さらに、分子骨格は、ポリアデニル化配列の上流に位置し得る。非限定的な一例として、分子骨格は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30ヌクレオチド以内にまたは30ヌクレオチド以上だけ、前記プロモーターから下流に、および/または前記ポリアデニル化配列の上流に位置し得る。非限定的な一例として、分子骨格は、1〜5、1〜10、1〜15、1〜20、1〜25、1〜30、5〜10、5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、10〜15、10〜20、10〜25、10〜30、15〜20、15〜25、15〜30、20〜25、20〜30あるいは25〜30ヌクレオチド以内の、前記プロモーターから下流に、および/または前記ポリアデニル化配列の上流に位置し得る。非限定的な一例として、分子骨格は、ヌクレオチドの最初の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%以内または25%以上の、プロモーターから下流に、および/またはポリアデニル化配列の上流に位置し得る。別の非限定的な例として、分子骨格は、最初の1〜5%、1〜10%、1〜15%、1〜20%、1〜25%、5〜10%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、または20〜25%以内の、プロモーターから下流に、および/またはポリアデニル化配列の上流に位置し得る。
【0069】
一実施形態では、分子骨格は、ポリアデニル化配列の上流に位置し得る。さらに、分子骨格は、プロモーター(例えば、CMV、U6、CBA、またはSV40イントロンを有するCBAプロモーターを含むが、これらに限定されない)の下流に位置し得る。非限定的な一例として、分子骨格は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30ヌクレオチド以内にまたは30ヌクレオチド以上だけ、前記プロモーターから下流に、および/または前記ポリアデニル化配列の上流に位置し得る。非限定的な一例として、分子骨格は、1〜5、1〜10、1〜15、1〜20、1〜25、1〜30、5〜10、5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、10〜15、10〜20、10〜25、10〜30、15〜20、15〜25、15〜30、20〜25、20〜30あるいは25〜30ヌクレオチド以内の、前記プロモーターから下流に、および/または前記ポリアデニル化配列の上流に位置し得る。非限定的な一例として、分子骨格は、ヌクレオチドの最初の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%以内または25%以上の、プロモーターから下流に、および/またはポリアデニル化配列の上流に位置し得る。別の非限定的な例として、分子骨格は、最初の1〜5%、1〜10%、1〜15%、1〜20%、1〜25%、5〜10%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、または20〜25%以内の、プロモーターから下流に、および/またはポリアデニル化配列の上流に位置し得る。
【0070】
一実施形態では、分子骨格はscAAVに位置し得る。
一実施形態では、分子骨格はssAAVに位置し得る。
一実施形態では、分子骨格は、フリップITRの5’末端近くに位置し得る。別の実施形態において、分子骨格は、フリップITRの3’末端の近くに位置し得る。さらに別の実施形態では、分子骨格は、フロップITRの5’末端近くに位置し得る。さらに別の実施形態では、分子骨格は、フロップITRの3’末端近くに位置し得る。一実施形態では、分子骨格は、フリップITRの5’末端とフロップITRの3’末端との間に位置し得る。一実施形態では、分子骨格は、フリップITRの3’末端およびフリップITRの5’末端の間に(例えば、フリップITRの5’末端とフロップITRの3’末端との間に、または、フロップITRの3’末端およびフリップITRの5’末端の間に)位置し得る。非限定的な一例として、分子骨格は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30ヌクレオチド以内にまたは30ヌクレオチド以上だけ、ITR(例えば、フリップあるいはフロップITR)の5’末端あるいは3’末端から下流に、位置し得る。非限定的な一例として、分子骨格は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30ヌクレオチド以内にまたは30ヌクレオチド以上だけ、ITR(例えば、フリップあるいはフロップITR)の5’末端あるいは3’末端から上流に、位置し得る。非限定的な一例として、分子骨格は、1〜5,1〜10,1〜15,1〜20,1〜25,1〜30,5〜10,5〜15,5〜20,5〜25,5〜30,10〜15,10〜20,10〜25,10〜30,15〜20,15〜25,15〜30,20〜25,20〜30あるいは25〜30ヌクレオチド以内の、ITR(例えば、フリップあるいはフロップITR)の5’末端あるいは3’末端から下流に、位置し得る。非限定的な一例として、分子骨格は、1〜5,1〜10,1〜15,1〜20,1〜25,1〜30,5〜10,5〜15,5〜20,5〜25,5〜30,10〜15,10〜20,10〜25,10〜30,15〜20,15〜25,15〜30,20〜25,20〜30あるいは25〜30ヌクレオチド以内の、ITR(例えば、フリップあるいはフロップITR)の5’末端あるいは3’末端から上流に、位置し得る。非限定的な一例として、分子骨格は、ヌクレオチドの最初の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%以内または25%以上の、ITR(例えば、フリップあるいはフロップITR)の5’末端あるいは3’末端から上流に、位置し得る。別の非限定的な例として、分子骨格は、最初の1〜5%、1〜10%、1〜15%、1〜20%、1〜25%、5〜10%、5〜15%、5〜20%、5〜25%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、または20〜25%以内の、プロモーターから下流に、および/またはポリアデニル化配列の上流に位置し得る。
【0071】
発現ベクター
一実施形態では、発現ベクター(例えば、AAVベクター)は、本明細書に記載の分子骨格の少なくとも1つからなる調節性ポリヌクレオチドの少なくとも1つからなり得る。
【0072】
一実施形態では、発現ベクターは、ITRからITR5’から3’まで、ITR、プロモーター、イントロン、調節ポリヌクレオチド、ポリA配列およびITRを含み得る。
ゲノムサイズ
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドをコードする核酸配列からなるベクターゲノムは、一本鎖または二重鎖ベクターゲノムであり得る。ベクターゲノムのサイズは、小、中、大または最大であり得る。さらに、ベクターゲノムは、プロモーターおよびポリAテールを含み得る。
【0073】
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドをコードする核酸配列を含むベクターゲノムは、小さな一本鎖ベクターゲノムであり得る。小さな一本鎖ベクターゲノムは、サイズが約2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4および3.5kbのように、サイズが2.7から3.5kbであり得る。非限定的な例として、小さな一本鎖ベクターゲノムは、3.2kbのサイズであり得る。さらに、ベクターゲノムは、プロモーターおよびポリAテールを含み得る。
【0074】
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドをコードする核酸配列を含むベクターゲノムは、小さな二本鎖ベクターゲノムであり得る。小さな二本鎖ベクターゲノムは、約1.3、1.4、1.5、1.6、1.7kbのサイズのように、サイズが1.3から1.7kbであってもよい。非限定的な例として、小さな二本鎖ベクターゲノムは、1.6kbのサイズであり得る。さらに、ベクターゲノムは、プロモーターおよびポリAテールを含み得る。
【0075】
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドをコードする核酸配列からなるベクターゲノムは、中型一本鎖ベクターゲノムであり得る。中程度の一本鎖ベクターゲノムは、サイズが約3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2および4.3kbのように、サイズが3.6から4.3kbであってもよい。非限定的な例として、中程度の一本鎖ベクターゲノムは、4.0kbのサイズであり得る。さらに、ベクターゲノムは、プロモーターおよびポリAテールを含み得る。
【0076】
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドをコードする核酸配列を含むベクターゲノムは、中程度の二本鎖ベクターゲノムであり得る。中程度の二本鎖ベクターゲノムは、サイズが約1.8、1.9、2.0および2.1kbのように、1.8から2.1kbのサイズであり得る。非限定的な例として、中程度の二本鎖ベクターゲノムは、2.0kbのサイズであり得る。さらに、ベクターゲノムは、プロモーターおよびポリAテールを含み得る。
【0077】
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドをコードする核酸配列を含むベクターゲノムは、大きな一本鎖ベクターゲノムであり得る。大きな一本鎖ベクターゲノムは、サイズが約4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9および6.0kbのように、サイズが4.4から6.0kbであってもよい。非限定的な例として、大きな一本鎖ベクターゲノムは、4.7kbのサイズであり得る。別の非限定的な例として、大きな一本鎖ベクターゲノムは、4.8kbのサイズであり得る。さらに別の非限定的な例として、大きな一本鎖ベクターゲノムは、サイズが6.0kbであってもよい。さらに、ベクターゲノムは、プロモーターおよびポリAテールを含み得る。
【0078】
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドをコードする核酸配列を含むベクターゲノムは、大きな二本鎖ベクターゲノムであり得る。大きな二本鎖ベクターゲノムは、約2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9および3.0kbのサイズのように、2.2から3.0kbのサイズであり得る。非限定的な例として、大きな二本鎖ベクターゲノムは、2.4kbのサイズであり得る。さらに、ベクターゲノムは、プロモーターおよびポリAテールを含み得る。
【0079】
プロモーター
当業者は、標的細胞が、種特異的、誘導性、組織特異的または細胞周期特異的なプロモーターを含むがこれらに限定されるものではない特異的なプロモーターを必要とすることを認識するであろう(Parr et al.,Nat Med.3:1145−9(1997);この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。Med.3:1145−9(1997);その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0080】
一実施形態では、プロモーターは、調節性ポリヌクレオチド中のペイロードに効率的であると考えられるプロモーターである。
一実施形態では、プロモーターは、標的とされる細胞に対して効率的であると考えられるプロモーターである。
【0081】
一実施形態では、プロモーターは、標的組織(神経系組織を含むが、これに限定されるものではない)において、ある期間中ペイロードの発現を提供する弱いプロモーターである。発現は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、15時間後、16時間後、17時間後、18時間後、19時間後、20時間後、21時間後、22時間後、23時間後、1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後、10日、11日、12日、13日、2週間、15日、16日、17日、18日、19日、20日、3週間、22日、23日、24日、27日、28日、29日、30日、31日、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、11ヶ月、1年、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月、2年、3年、4年、6年、7年、8年、9年、10年、または10年以上の期間、持続する。発現は、1〜5時間、1〜12時間、1〜2日、1〜5日、1〜2週間、1〜3週間、1〜4週間、1〜2ヶ月、1〜4ヶ月、1 6〜6ヶ月、3〜6ヶ月、3〜9ヶ月、4〜8ヶ月、6〜12ヶ月、1〜2年、1〜5年、2〜5年、3〜6年、3〜8、4〜8年、または5〜10年の期間、持続する。非限定的な一例として、プロモーターは、神経組織におけるペイロードの持続的発現のための弱いプロモーターである。
【0082】
一実施形態では、プロモーターは、1kb未満のプロモーターであってよい。プロモーターは、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、あるいは800以上の長さであってよい。プロモーターは、200〜300,200〜400,200〜500,200〜600,200〜700,200〜800,300〜400,300〜500,300〜600,300〜700,300〜800、400〜500,400〜600,400〜700,400〜800,500〜600,500〜700,600〜800,600〜700,600〜800,700〜800の長さであってよい。
【0083】
一実施形態では、プロモーターは、CMVおよびCBAを含むがこれらに限定されない2つあるいはそれ以上の構成要素の組み合わせであってよい。各構成要素は、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800または800以上の長さであってよい。各構成要素は、200−300、200−400、200−500、200−600、200−700、200−800、300−400、300−500、300−600、300−700、300−800、400−500、400−600、400−700、400−800、500−600、500−700、500−800、600−700、600−800、700−800の長さを有することができる。非限定的な一例として、プロモーターは、382ヌクレオチドのCMVエンハンサー配列と260ヌクレオチドのCBAプロモーター配列との組み合わせである。
【0084】
一実施形態では、ベクターゲノムは、導入遺伝子標的特異性および発現を増強するための少なくとも1つのエレメントを含む(例えば、Powell et al.参照 Viral Expression Cassette Elements to Enhance Transgene Target Specificity and Expression in Gene Therapy,2015;その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。導入遺伝子標的特異性および発現を増強するエレメントの非限定的な例には、プロモーター、内在性miRNA、転写後調節エレメント(PRE)、ポリアデニル化(PolyA)シグナル配列および上流エンハンサー(USE)、CMVエンハンサーおよびイントロンがある。
【0085】
一実施形態では、ベクターゲノムは、導入遺伝子標的特異性および発現を増強するための少なくとも1つのエレメントを含む(例えば、Powell et al.参照 Viral Expression Cassette Elements to Enhance Transgene Target Specificity and Expression in Gene Therapy,2015;その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。ほとんどの組織において発現を促進するプロモーターには、ヒト伸長因子1α−サブユニット(EF1α)、前初期サイトメガロウイルス(CMV)、ニワトリβ−アクチン(CBA)およびその誘導体CAG、βグルクロニダーゼ(GUSB)、またはユビキチンC(UBC)が含まれるが、それらに限定されない。組織特異的発現要素を使用して、発現をニューロン、星状細胞、または希突起膠細胞に制限するために使用することができる特定の細胞型(神経系プロモーターを含むがこれに限定されない)に発現を制限することができる。ニューロンの組織特異的発現エレメントの非限定的な例には、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、血小板由来成長因子(PDGF)、血小板由来成長因子B鎖(PDGF−β)、シナプシン(Syn)、メチル−CpG結合タンパク質2(MeCP2)、CaMKII、mGluR2、NFL、NFH、nβ2、PPE、EnkおよびEAAT2プロモーターが含まれる。星状細胞の組織特異的発現エレメントの非限定的な例には、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)およびEAAT2プロモーターが含まれる。希突起膠細胞に対する組織特異的発現エレメントの非限定的な例は、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)プロモーターである。
【0086】
一実施形態では、ベクターゲノムはユビキタスプロモーターを含む。ユビキタスプロモーターの非限定的な例には、CMV、CBA(誘導体CAG、CBhなどを含む)、EF−1α、PGK、UBC、GUSB(hGBp)、およびUCOE(HNRPA2B1−CBX3のプロモーター)が挙げられる。Yuら(Molecular Pain 2011,7:63;その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、ラットDRG細胞および一次DRG細胞におけるCAG、EFIα、PGKおよびUBCプロモーター下でのeGFPの発現をレンチウイルスベクターを用いて評価し、UBCがその他の3つのプロモーターよりも弱い発現しか示さず、すべてのプロモーターに対してわずか10〜12%のグリア発現しか見られなかったことを見出した。Soderblomら(E.Neuro 2015;この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、運動皮質に注入後のAAV8におけるCMVおよびUBCプロモーターによるeGFPの発現、およびCMVプロモーターによるAAV2におけるeGFPの発現を評価した。UBCまたはEFIαプロモーターを含むプラスミドの鼻腔内投与は、CMVプロモーターによる発現よりも長く持続した気道発現を示した(例えば、Gill et al.,Gene Therapy 2001,Vol.8,1539−1546を参照せよ;この内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。Husainら(Gene Therapy 2009;その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、hGUSBプロモーター、HSV−1LATプロモーターおよびNSEプロモーターを用いてHβH構築物を評価し、HβH構築物はマウスの脳においてNSEよりも弱い発現を示すことを見出した。PassiniおよびWolfe(J.Virol.2001,12382−12392;その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、新生仔マウスの脳室内注射後のHβHベクターの長期効果を評価し、少なくとも1年間は持続的な発現があることを見いだした。(Gene Therapy 2001,8,1323−1332;その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、NF−LおよびNF−Hプロモーターを使用した場合に、CMV−lacZ、CMV−luc、EF、GFAP、hENK、nAChR、PPE、PPE + wpre、NSE(0.3kb)、NSE(1.8kb)およびNSE(1.8kb + wpre)に比較して、Xuらは、プロモーター活性の降順が、NSE(1.8kb)、EF、NSE(0.3kb)、GFAP、CMV、hENK、PPE、NFLおよびNFHであることを見出した。NFLは650ヌクレオチドのプロモーターであり、NFHは920ヌクレオチドのプロモーターである。いずれも肝臓には存在しないが、NFHは感覚固有受容性ニューロン、脳および脊髄に豊富であり、NFHは心臓に存在する。Scn8aは、DRG、脊髄および脳全体にわたって発現し、海馬ニューロンおよび小脳プルキンエ細胞、皮質、視床および視床下部に特に高い発現が見られる470ヌクレオチドのプロモーターである(例えば、Drews et al.2007およびRaymond et al.2004を参照せよ;この内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。
【0087】
一実施形態では、ベクターゲノムはUBCプロモーターからなる。UBCプロモーターは、300〜350ヌクレオチドのサイズを有し得る。非限定的な一例として、UBCプロモーターは332ヌクレオチドの長さである。
【0088】
一実施形態では、ベクターゲノムはGUSBプロモーターを含む。GUSBプロモーターは、350〜400ヌクレオチドのサイズを有し得る。非限定的な例として、GUSBプロモーターは378ヌクレオチドの長さである。非限定的な一例として、構築物は、AAV−プロモーター−CMV/グロビンイントロンhFXN−RBGであってよく、この構築物では、AAVが自己相補的であってよく、AAVがDJ血清型であってよい。
【0089】
一実施形態では、ベクターゲノムはNFLプロモーターを含む。NFLプロモーターは、600〜700ヌクレオチドのサイズを有し得る。非限定的な一例として、NFLプロモーターは650ヌクレオチドの長さである。非限定的な一例として、構築物は、AAV−プロモーター−CMV/グロビンイントロンhFXN−RBGであってよく、この構築物では、AAVが自己相補的であってよく、AAVがDJ血清型であってよい。
【0090】
一実施形態では、ベクターゲノムはNFHプロモーターを含む。前記NFHプロモーターは、900〜950ヌクレオチドのサイズを有し得る。非限定的な一例として、NFHプロモーターは920ヌクレオチドの長さである。非限定的な一例として、構築物は、AAV−プロモーター−CMV/グロビンイントロンhFXN−RBGであってよく、この構築物では、AAVが自己相補的であってよく、AAVがDJ血清型であってよい。
【0091】
一実施形態では、ベクターゲノムはscn8aプロモーターを含む。scn8aプロモーターは、450〜500ヌクレオチドのサイズを有し得る。非限定的な一例として、scn8aプロモーターは470ヌクレオチドの長さである。非限定的な一例として、構築物は、AAV−プロモーター−CMV/グロビンイントロンhFXN−RBGであってよく、この構築物では、AAVが自己相補的であってよく、AAVがDJ血清型であってよい。
【0092】
一実施形態では、ベクターゲノムはFXNプロモーターを含む。
一実施形態では、ベクターゲノムはPGKプロモーターを含む。
一実施形態では、ベクターゲノムはCBAプロモーターを含む。
【0093】
一実施形態では、ベクターゲノムはCMVプロモーターを含む。
一実施形態では、ベクターゲノムは、肝臓または骨格筋プロモーターを含む。肝臓プロモーターの非限定的な例には、hAATおよびTBGが挙げられる。骨格筋プロモーターの非限定的な例には、Desmin、MCKおよびC5−12が挙げられる。
【0094】
一実施形態では、発現ベクターは、エンハンサーエレメント、プロモーターおよび/または5’UTRイントロンからなる。エンハンサーには、CMVエンハンサーが含まれるがそれに限定されず、プロモーターには、CMV、CBA、UBC、GUSB、NSE、シナプシン、MeCP2、およびGFAPプロモーターが含まれるがそれらに限定されず、5’UTR/イントロンには、SV40およびCBA−MVMが含まれるがそれらに限定されない。非限定的な例として、組み合わせて使用されるエンハンサー、プロモーターおよび/またはイントロンには以下が挙げられる:(1)CMVエンハンサー、CMVプロモーター、SV40 5’UTRイントロン;(2)CMVエンハンサー、CBAプロモーター、SV40 5’UTRイントロン;(3)CMVエンハンサー、CBAプロモーター、CBA−MVM 5’UTRイントロン;(4)UBCプロモーター;(5)GUSBプロモーター;(6)NSEプロモーター;(7)シノプシンプロモーター;(8)MeCP2プロモーターおよび(9)GFAPプロモーター。
【0095】
一実施形態では、発現ベクターは操作されたプロモーターを有する。
イントロン
一実施形態では、ベクターゲノムは、導入遺伝子標的特異性および発現を増強するための少なくとも1つのエレメントを含む(例えば、Powell et al.参照 Viral Expression Cassette Elements to Enhance Transgene Target Specificity and Expression in Gene Therapy,2015;その内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)、例えばイントロン。イントロンの非限定的な例には、MVM(67〜97 bps)、F.IX短縮イントロン1(300 bps)、βグロビンSD/免疫グロブリン重鎖スプライスアクセプター(250 bps)、アデノウイルススプライスドナー/免疫グロブリンスプライスアクセプター(500 bps)、SV40晩期スプライスドナー/スプライスアクセプター(19S/16S)(180bps)、およびハイブリッドアデノウイルススプライスドナー/IgGスプライスアクセプター(230bps)が挙げられる。
【0096】
一実施形態では、イントロンは100〜500ヌクレオチドの長さを有し得る。イントロンは、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490または500の長さを有し得る。プロモーターは、80−100、80−120、80−140、80−160、80−180、80−200、80−250、80−300、80−350、80−400、80−450、80−500、200−300、200−400、200−500、300−400、300−500または400−500の長さを有し得る。
【0097】
細胞への導入
本発明の調節性ポリヌクレオチドは、様々なアプローチのいずれかを用いて宿主細胞に導入することができる。調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターによる感染が影響され得る。適切なウイルスベクターの例には、複製欠損レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ベクター、およびレンチウイルスベクターが挙げられる。
【0098】
本発明によれば、治療および/または診断に使用するためのウイルスベクターは、目的の核酸ペイロードまたはカーゴの形質導入に必要な最小構成要素まで蒸留または還元されたウイルスからなる。
【0099】
このようにして、ウイルスベクターは特異的投与のための媒体として設計され、そのようなウイルスベクターは野生型ウイルスに見られる有害な複製および/または組み込みの特徴を欠いている。
【0100】
本明細書中で使用されている「ベクター」という語は、本発明の調節性ポリヌクレオチドのような異種分子を輸送、形質導入、またはそのキャリアとして作用する任意の分子または部分を指す。「ウイルスベクター」とは、関心の持たれているペイロード分子をコードするかまたはそれからなる1つまたはそれ以上のポリヌクレオチド領域からなるベクターであり、その例には、導入遺伝子、ポリペプチドまたはマルチポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは調節性核酸が挙げられる。本発明のウイルスベクターは、組換えにより産生されてよく、アデノ随伴ウイルス(AAV)親または参照配列に基づくものであってもよい。本発明において有用であり得る血清型には、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV9.47、AAV9(hu14)、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAV−DJおよびAAV−DJ8が含まれる。
【0101】
一実施形態において、本発明において有用であり得る血清型は、AAV−DJ8であり得る。AAV−DJ8のアミノ酸配列は、ヘパリン結合ドメイン(HBD)を除去するために、2つまたはそれ以上の突然変異を含んでいてよい。その全体が参照により本発明に組み込まれている内容である、米国特許第7,588,772号の1には、以下の2つの突然変異が含まれる:(1)アミノ酸587におけるアルギニン(R;Arg)がグルタミン(Q;Gln)に変化しているR587Q、および(2)アミノ酸590におけるアルギニン(R;Arg)がスレオニン(T;Thr)に変化しているR590T。別の非限定的な一例として、当該AAV−DJ配列は、以下に示す3つの突然変異からなっていてよい:(1)アミノ酸406のリシン(K;Lys)がアルギニン(R;Arg)に変化したK406R、(2)アミノ酸587のアルギニン(R;Arg)がグルタミン(Q;Gln)に変化したR587Q、(3)アミノ酸590のアルギニン(R;Arg)がスレオニン(T;Thr)に変化したR590T。
【0102】
AAVベクターはまた、自己相補的AAVベクター(scAAV)からなっていてよい。scAAVベクターは、双方のDNA鎖を含み、それらが共にアニーリングし、二本鎖DNAを形成する。第二鎖合成をスキップすることにより、scAAVは細胞内での迅速な発現を可能にする。
【0103】
一実施形態では、本発明で使用されるAAVベクターはscAAVである。
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、任意の関連種(例えば、ヒト、イヌ、マウス、ラットまたはサルが含まれるが、それらに限定されない)から細胞に導入することができる。
【0104】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、治療される疾患に関連する細胞に導入することができる。非限定的な例として、その疾患はALSであり、標的細胞は運動ニューロンおよび星状細胞である。
【0105】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、標的配列の内在性発現が高い細胞に導入することができる。
別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、標的配列の内在性発現が低い細胞に導入することができる。
【0106】
一実施形態では、その細胞は、AAV形質導入の高い効率を有するものであってよい。
1つの実施形態において、調節性ポリヌクレオチドのin vitro分析に使用され得る細胞は、HEK293、HeLa、ヒト初代星状細胞、ヒト星状細胞株(U251MG)、SH−SY5Y−ニューロンおよびヒトiPSC由来運動ニューロン前駆細胞が含まれるが、それらに限定されない。
【0107】
標的核酸
本発明の調節性ポリヌクレオチドは、コード遺伝子およびノンコーディング遺伝子を含む任意の遺伝子または核酸構築物を標的とすることができる。ヒトまたは霊長類のタンパク質をコードする遺伝子(DNAまたはmRNA)を標的とすることができる。さらに、ノンコーディング遺伝子(例えば、長ノンコーディングRNA(lncRNA))も標的とすることができる。
【0108】
そのようなlncRNA分子およびそのようなlncRNAを標的とするように設計されたRNAi構築物の例(それらのすべてが、調節性ポリヌクレオチドによって標的化されている)は、それぞれ国際公開WO2012/018881A2に教示されており、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0109】
一実施形態では、本発明の調節性ポリヌクレオチドは、当該分野で公知の任意の遺伝子を標的とすることができる。非限定的な一例として、遺伝子はSOD1であり得る。
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、15〜19ヌクレオチド長の配列を標的とすることができる。非限定的な一例として、標的は、表1に記載されている配列のいずれかであり得る。別の非限定的な一例として、標的は、NM_000454.4のヌクレオチド406〜424であり得る。さらに別の非限定的な一例として、標的は、NM_000454.4のヌクレオチド645〜661であり得る。
【0110】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、21ヌクレオチド長の配列を標的とすることができる。一態様では、標的は、NM_000454.4の任意の21mer配列または当該分野で公知の任意の遺伝子であり得る。非限定的な一例として、標的は、NM_000454.4のヌクレオチド521〜541であり得る。別の非限定的な一例として、標的は、NM_000454.4のヌクレオチド639〜659であり得る。別の非限定的な一例として、標的は、NM_000454.4のヌクレオチド640〜660であり得る。別の非限定的な一例として、標的は、NM_000454.4のヌクレオチド645〜665であり得る。別の非限定的な一例として、標的は、NM_000454.4のヌクレオチド664〜684であり得る。
【0111】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、ヒトゲノム中の任意の遺伝子またはmRNA(例えば、ハンチントン病、ALSなどを含むがこれらに限定されないCNS障害に関連する遺伝子)を標的とするように設計することができる。
【0112】
医薬組成物
本明細書の医薬組成物、すなわち投与されるペイロードからなる調節性ポリヌクレオチド(例えば、AAVなどのウイルスのようなコーディングプラスミドまたは発現ベクター)の記載は、主にヒトへの投与に適した医薬組成物に関するものであるけれども、当業者は、そのような組成物が、一般に、その他の動物(例えば、非ヒト哺乳動物などのヒト以外の動物)への投与に適していることを理解するであろう。医薬組成物を種々の動物への投与に適したものにするために、ヒトへの投与に適した医薬組成物の改変はよく理解されており、通常の熟練した獣医学の薬理学者は、もし実験を行なうとすれば、単に通常の実験でこのような改変を設計および/または実施することができる。当該医薬組成物の投与が企図される対象には、ヒトおよび/または他の霊長類;ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、イヌ、マウスおよび/またはラットのような商業的に関連する哺乳動物を含む哺乳類;および/または家禽、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、および/またはシチメンチョウのような商業的に関連する鳥類を含むが、それらに限定されない。
【0113】
いくつかの実施形態では、組成物は、ヒト、ヒトの患者、または対象に投与される。本開示の目的のために「有効成分」という語句は、一般に、ペイロードを担持するウイルスベクター、または本明細書に記載のウイルスベクターによって投与される調節性ポリヌクレオチドペイロード分子のいずれかを指す。
【0114】
本明細書に記載された医薬組成物の製剤は、薬理学の分野において既知または今後開発される任意の方法によって調製することができる。一般に、そのような調製方法は、活性成分を賦形剤および/または1つまたはそれ以上の他の補助成分と会合させる工程を包含し、必要であればおよび/または望ましい場合には、生成物を所望の単回投与単位または複数回投与単位に、分割し、成形し、および/または包装する工程をも包含する。
【0115】
本発明による医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容される賦形剤および/または任意の追加の成分の相対量は、処置される対象の同一性、サイズおよび/または状態に依存して変化し、さらに組成物が投与されるルートに依存して変化する。
【0116】
製剤化
調節性ポリヌクレオチドまたはそれらをコードするウイルスベクターは、以下の1つまたはそれ以上の賦形剤を用いて製剤化することができる:(1)安定性を高める;(2)細胞トランスフェクションまたは形質導入を高める;(3)持続放出または遅延放出を可能にする;(4)生体内分布を変化させる(例えば、ウイルスベクターを特定の組織または細胞型に標的化する)。
【0117】
本発明の製剤には、限定することなく、生理食塩水、リピドイド、リポソーム、脂質ナノ粒子、ポリマー、リポプレックス、コア−シェルナノ粒子、ペプチド、タンパク質、ウイルスベクターでトランスフェクションした細胞(例えば、対象への移植のための細胞)、ナノ粒子模倣物、およびそれらの組み合わせを含めてよい。さらに、本発明のウイルスベクターは、自己組織化核酸ナノ粒子を用いて製剤化してよい。
【0118】
本明細書に記載された医薬組成物の製剤は、薬理学の分野において既知または今後開発される任意の方法によって調製することができる。一般に、そのような調製方法は、有効成分を賦形剤および/または1つまたはそれ以上の他の補助成分と会合させる工程を含む。
【0119】
本開示による医薬組成物は、バルクで、単一の単位用量として、および/または複数の単一単位用量として調製、包装および/または販売されてよい。本明細書では、「単位用量」という語は、所定量の活性成分からなる医薬組成物の個別の量を指す。活性成分の量は、一般的に、対象に投与されるであろう活性成分の用量および/またはこのような用量の特定のニーズを満たす一部分(例えば、そのような用量の半分または三分の一)に等しい。
【0120】
本開示による医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容される賦形剤および/または任意の追加の成分の相対量は、処置される対象の同一性、サイズおよび/または状態に依存して変化し、さらに組成物が投与されるルートに依存して変化する。例えば、組成物は、0.1%〜99%(w/w)の有効成分からなっていてよい。一例として、組成物は、0.1%〜100%(例えば、0.5〜50%、1〜30%、5〜80%、少なくとも80%(w/w))の活性成分からなっていてよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の製剤は、少なくとも1つのペイロード分子を含み得る。非限定的な一例として、製剤は、1個、2個、3個、4個、または5個の調節性ポリヌクレオチドペイロード分子を含み得る。一実施形態では、該製剤は、以下を含むがこれらに限定されないカテゴリーから選択されたタンパク質を標的とする調節性ポリヌクレオチドペイロード構築物を含み得る:ヒトタンパク質、動物由来タンパク質、細菌タンパク質、生物学的タンパク質、抗体、免疫原性タンパク質、治療用ペプチドおよびタンパク質、分泌タンパク質、形質膜タンパク質、細胞質および細胞骨格タンパク質、細胞内膜結合タンパク質、核タンパク質、ヒト疾患に関連するタンパク質および/または非ヒト疾患に関連するタンパク質。一実施形態では、製剤は、少なくとも3つのペイロードコンストラクト標的タンパク質を含む。
【0122】
いくつかの実施形態において、薬学的に許容される賦形剤は、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%純粋であってよい。いくつかの実施形態において、賦形剤は、ヒトおよび獣医学のための使用が承認されている。いくつかの実施形態では、賦形剤が、米国食品医薬品局によって承認されている。いくつかの実施形態において、賦形剤は、医薬グレードのものである。いくつかの実施形態において、賦形剤は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方および/または国際薬局方の基準を満たす。
【0123】
本明細書では、賦形剤は、所望の特定の剤形に適したものである限り、任意のおよび全ての溶媒、分散媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散または懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、防腐剤などを含むが、これらに限定されない。医薬組成物を調製するための様々な賦形剤および組成物を調製するための技術は、当該分野で公知である(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21
st Edition,A.R.Gennaro,Lippincott,Williams & Wilkins,Baltimore,MD,2006を参照せよ;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。任意の従来の賦形剤媒体が、任意の望ましくない生物学的効果を生じさせることによって、あるいは医薬組成物の他の成分(群)と有害に相互作用することによって、ある物質またはその誘導体と不適合でない限りにおいては、従来の賦形剤媒体の使用は、本開示の範囲内で考えられてよい。
【0124】
希釈剤の例には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム乳糖、ショ糖、セルロース、微晶質セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉末糖等、および/またはそれらの組み合わせが含まれるが、それらの限定されない。
【0125】
不活性成分
いくつかの実施形態では、調節性ポリヌクレオチド製剤は、不活性成分である少なくとも1つの賦形剤からなり得る。本明細書中では、「不活性成分」という語は、製剤に含まれる1つ以上の不活性薬剤を指す。いくつかの実施形態では、本発明の処方物において使用され得る不活性成分の全てまたは一部は、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されているか、あるいは承認されていない。
【0126】
本明細書に開示されている調節性ポリヌクレオチドを有するウイルスベクターの製剤は、カチオンまたはアニオンを含み得る。一実施形態では、製剤は、限定されないが、Zn2+、Ca2+、Cu2+、Mg+およびそれらの組み合わせなどの金属カチオンを含む。非限定的な例として、製剤は、金属カチオンと複合体を形成するポリマーおよび調節性ポリヌクレオチドを含み得る(例えば、米国特許第6,265,389および6,555,525を参照せよ;それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0127】
投与
本発明の調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、治療上有効な結果をもたらす任意の経路によって投与することができる。これらの経路には、腸内(腸内に)、胃腸内、硬膜外(硬膜内に)、経口(口を介して)、経皮、経皮、大脳内(大脳内)、脳室内(脳室に入る)、皮膚上への塗布(皮膚への塗布)、皮内(皮膚自体の中)、皮下(皮膚の下)、経鼻投与(鼻を通して)、静脈内(静脈内に)、静脈内ボーラス、静脈点滴(静脈内に)、動脈(動脈内)、筋肉内(筋肉内に)、心臓内(心臓内に)、骨髄内注入(骨髄内に)、くも膜下腔内(脊柱管内)、腹腔内、(腹腔への輸液または注射)、膀胱内注入、硝子体内、(眼を通して)、海綿内注入(病的腔に)、腔内(陰茎の基部に)、膣内投与、子宮内、追加の羊水投与、経皮(全身分布のために無傷の皮膚を通した拡散)、経粘膜(粘膜を通した拡散)、経膣、吹送(吸入)、舌下、唇下、浣腸、点眼(結膜上)、耳下腺内、耳介(耳の中または耳を介して)、口腔(頬に向かって)、結膜、皮膚、歯(1つの歯または複数)、電気浸透、子宮頸部、内皮内、気管内、体外、血液透析、浸潤、間質性、腹腔内、羊水内、関節内、胆道内、気管支内、気管内、軟骨内(軟骨内)、仙骨内(仙骨内)、大槽内(大槽内の小脳髄腔内)、角膜内(角膜内)、歯内膜内、冠状動脈(冠動脈内)、海綿体内(陰茎の海綿体の膨張可能な空間内)、椎間板内(椎間板内)、導管内(腺管内)、十二指腸内(十二指腸内)、硬膜内(硬膜内またはその下)、表皮内(表皮内に)、食道内(食道に)、胃内(胃の内部に)、歯内組織内(歯肉内)、腹腔内(小腸の遠位部分内)、病巣内(局所の病変内または直接の導入)、管腔内(管の内腔内)、胸腔内(リンパ内)、髄内(骨の骨髄腔内)、髄膜内(髄膜内)、眼内(眼内)、卵巣内(卵巣内)、心膜内(心膜内)、胸膜内(胸膜内)、前立腺内(前立腺内)、肺内(肺または気管支内)、内腔(鼻腔または眼窩洞内)、脊髄内(脊柱内)、滑膜内(関節の滑膜腔内)、肩甲骨内(腱内)、精巣内(睾丸内)、髄腔内(脳脊髄軸の任意のレベルの脳脊髄液内)、胸腔内(胸腔内)、管腔内(器官の細管内)、腫瘍内(腫瘍内)、中耳内(オーロス媒体内)、血管内(血管または血管内)、心室内(心室内)、イオントフォレシス(可溶性塩のイオンが身体の組織に移動する電流)、灌漑(開いた創傷または体腔を浸したり洗い流す)、喉頭(喉頭に直接)、経鼻胃(鼻から胃の中に)、閉塞性包帯技術(局所経路投与後その領域を閉塞する包帯によって覆われる)、眼科(外眼に)、口腔咽頭(口および咽頭に直接)、非経口、経皮、関節周囲、硬膜外、回神経、歯周病、直腸、呼吸器(局所的または全身的効果のために経口または鼻吸入によって気道内に)、眼球後ろ(眼窩の後ろ、または眼球の後ろ)軟組織、くも膜下腔、結膜下、粘膜下層、局所、経胎盤(胎盤を通してまたは胎盤を横切って)、経気管(気管の壁を通して)、胸腔鏡(横隔膜腔を横切って、またはそれを通って)、尿管(尿管内)、尿道(尿道内)、膣、尾骨ブロック、診断、神経ブロック、胆道灌流、心臓灌流、フォトフェレーシスまたは脊髄が含まれるがこれらに限定されない。特定の実施形態において、組成物は、それらが血液脳関門、血管関門、またはその他の上皮障壁を越えることができるように投与され得る。一実施形態では、投与経路のための製剤は、少なくとも1つの不活性成分を含んでいてよい。
【0128】
投薬
本発明は、本発明によるウイルスベクターおよびそれらの調節性ポリヌクレオチドペイロードまたは複合体を、それを必要とする対象に投与することからなる方法を提供する。ウイルスベクターの医薬用、造影用、診断用、または予防用の組成物は、疾患、障害、および/または状態(例えば、作業記憶障害に関連する疾患、障害、および/または状態)を予防、治療、診断または造影するのに有効な任意の量および投与経路を用いて、対象に投与することができる。正確な必要量は、対象の動物種、年齢、および一般的な状態、疾患の重篤度、特定の組成物、その投与様式、その活性様式などに依存して、対象によって異なるであろう。本発明による組成物は、典型的には、投与の容易さおよび投与量の均一性のために、単位剤形で処方される。しかし、本発明の組成物の1日総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定され得ることが理解されるであろう。任意の特定の患者に対する治療上有効な、予防上有効な、または適切なイメージング用量のレベルは、以下を含む様々な要因によって決まる:治療される障害およびその障害の重篤度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別および食事;使用される特定の調節性ポリヌクレオチドペイロードの投与時間、投与経路、および排泄速度;治療の持続時間;使用される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;医学分野でよく知られている同様の要因。
【0129】
特定の実施形態では、本発明によるウイルスベクター医薬組成物は、対象の体重に対し1日当たり投与量で、約0.0001mg/kg〜約100mg/kg、約0.001mg/kg〜約0.05mg/kg、約0.005mg/kg〜約0.05mg/kg、約0.001mg/kg〜約0.005mg/kg、約0.05mg/kg〜約0.5mg/kg、約0.01mg/kg〜約50mg/kg、約0.1mg/kg〜約40mg/kg、約0.5mg/kg〜約30mg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、または約1mg/kg〜約25mg/kgを投与するのに十分な調節性ポリヌクレオチド用量レベルで、1日に1回あるいはそれ以上の頻度で投与し、所望の治療効果、診断効果、予防効果、または造影効果を得ることができる(例えば、国際公開第WO2013078199号に記載されている単位用量の範囲を参照せよ;その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。所望の調節性ポリヌクレオチド用量は、1回以上(例えば、1日に1回以上の投与)投与することができる。特定の実施形態では、所望の調節性ポリヌクレオチド用量は、複数の投与(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回。11回、12回、13回、14回またはそれ以上の投与)を行なって投与することができる。複数の投与を行なう場合、本明細書に記載されているような分割投与計画を使用することができる。本明細書で使用される「分割投与量」は、単回用量または一日総用量の2つ以上の用量への分割、例えば単回用量の2回以上の投与である。本明細書で使用される「単一単位用量」は、1回分用量/一回/1つの経路/1つの接触点で投与される任意の調節ポリヌクレオチド治療剤の用量、すなわち単回投与である。本明細書中で使用される場合、「1日の総投与量」は、24時間に与えられる、または処方される量である。それは単一単位用量として投与することができる。一実施形態では、本発明の調節性ポリヌクレオチドを含むウイルスベクターは、分割用量で被験者に投与される。それらは、緩衝液中でのみ、または本明細書に記載の製剤中で処方することができる。
【0130】
一実施形態では、本発明による組成物の細胞への投与は、VGをウイルスゲノム、VG/mLを組成物濃度、mL/時間を延長された投与の速度とするとき、[VG/時間 = mL/時間 * VG/mL]によって定義される送達速度から成る。
【0131】
一実施形態では、本発明による組成物の細胞への送達は、被験者あたりの総濃度が約1x10
6 VGから約1x10
16VGの間であり得る。いくつかの実施形態では、送達は、約1x10
6、2x10
6、3x10
6、4x10
6、5x10
6、6x10
6、7x10
6、8x10
6、9x10
6、1x10
7、2x10
7、3x10
7、4x10
7、5x10
7、6x10
7、7x10
7、8x10
7、9x10
7、1x10
8、2x10
8、3x10
8、4x10
8、5x10
8、6x10
8、7x10
8、8x10
8、9x10
8、1x10
9、2x10
9、3x10
9、4x10
9、5x10
9、6x10
9、7x10
9、8x10
9、9x10
9、1x10
10、2x10
10、3x10
10、4x10
10、5x10
10、6x10
10、7x10
10、8x10
10、9x10
10、1x10
11、2x10
11、2.1x10
11、2.2x10
11、2.3x10
11、2.4x10
11、2.5x10
11、2.6x10
11、2.7x10
11、2.8x10
11、2.9x10
11、3x10
11、4x10
11、5x10
11、6x10
11、7x10
11、7.1x10
11、7.2x10
11、7.3x10
11、7.4x10
11、7.5x10
11、7.6x10
11、7.7x10
11、7.8x10
11、7.9x10
11、8x10
11、9x10
11、1x10
12、1.1x10
12、1.2x10
12、1.3x10
12、1.4x10
12、1.5x10
12、1.6x10
12、1.7x10
12、1.8x10
12、1.9x10
12、2x10
12、3x10
12、4x10
12、4.1x10
12、4.2x10
12、4.3x10
12、4.4x10
12、4.5x10
12、4.6x10
12、4.7x10
12、4.8x10
12、4.9x10
12、5x10
12、6x10
12、7x10
12、8x10
12、8.1x10
12、8.2x10
12、8.3x10
12、8.4x10
12、8.5x10
12、8.6x10
12、8.7x10
12、8.8x10
12、8.9x10
12、9x10
12、1x10
13、2x10
13、3x10
13、4x10
13、5x10
13、6x10
13、6.7x10
13、7x10
13、8x10
13、9x10
13、1x10
14、2x10
14、3x10
14、4x10
14、5x10
14、6x10
14、7x10
14、8x10
14、9x10
14、1x10
15、2x10
15、3x10
15、4x10
15、5x10
15、6x10
15、7x10
15、8x10
15、9x10
15、または1x10
16 VG/subjectの組成物濃度であり得る。
【0132】
一実施形態では、本発明による組成物の細胞への送達は、被験者あたりの総濃度が約1x10
6 VG/kgから1x10
16 VG/kgの間である。いくつかの実施形態では、投与は、1x10
6、2x10
6、3x10
6、4x10
6、5x10
6、6x10
6、7x10
6、8x10
6、9x10
6、1x10
7、2x10
7、3x10
7、4x10
7、5x10
7、6x10
7、7x10
7、8x10
7、9x10
7、1x10
8、2x10
8、3x10
8、4x10
8、5x10
8、6x10
8、7x10
8、8x10
8、9x10
8、1x10
9、2x10
9、3x10
9、4x10
9、5x10
9、6x10
9、7x10
9、8x10
9、9x10
9、1x10
10、2x10
10、3x10
10、4x10
10、5x10
10、6x10
10、7x10
10、8x10
10、9x10
10、1x10
11、2x10
11、2.1x10
11、2.2x10
11、2.3x10
11、2.4x10
11、2.5x10
11、2.6x10
11、2.7x10
11、2.8x10
11、2.9x10
11、3x10
11、4x10
11、5x10
11、6x10
11、7x10
11、7.1x10
11、7.2x10
11、7.3x10
11、7.4x10
11、7.5x10
11、7.6x10
11、7.7x10
11、7.8x10
11、7.9x10
11、8x10
11、9x10
11、1x10
12、1.1x10
12、1.2x10
12、1.3x10
12、1.4x10
12、1.5x10
12、1.6x10
12、1.7x10
12、1.8x10
12、1.9x10
12、2x10
12、3x10
12、4x10
12、4.1x10
12、4.2x10
12、4.3x10
12、4.4x10
12、4.5x10
12、4.6x10
12、4.7x10
12、4.8x10
12、4.9x10
12、5x10
12、6x10
12、7x10
12、8x10
12、8.1x10
12、8.2x10
12、8.3x10
12、8.4x10
12、8.5x10
12、8.6x10
12、8.7x10
12、8.8x10
12、8.9x10
12、9x10
12、1x10
13、2x10
13、3x10
13、4x10
13、5x10
13、6x10
13、6.7x10
13、7x10
13、8x10
13、9x10
13、1x10
14、2x10
14、3x10
14、4x10
14、5x10
14、6x10
14、7x10
14、8x10
14、9x10
14、1x10
15、2x10
15、3x10
15、4x10
15、5x10
15、6x10
15、7x10
15、8x10
15、9x10
15または1x10
16 VG/kgの組成物濃度であり得る。
【0133】
一実施形態では、1用量あたり約10
5から10
6ウイルスゲノム(単位)を投与することができる。
一実施形態では、本発明による組成物の細胞への投与は、約1x10
6 VG/mLから1x10
16 VG/mLである。いくつかの実施形態において、投与は、約1x10
6、2x10
6、3x10
6、4x10
6、5x10
6、6x10
6、7x10
6、8x10
6、9x10
6、1x10
7、2x10
7、3x10
7、4x10
7、5x10
7、6x10
7、7x10
7、8x10
7、9x10
7、1x10
8、2x10
8、3x10
8、4x10
8、5x10
8、6x10
8、7x10
8、8x10
8、9x10
8、1x10
9、2x10
9、3x10
9、4x10
9、5x10
9、6x10
9、7x10
9、8x10
9、9x10
9、1x10
10、2x10
10、3x10
10、4x10
10、5x10
10、6x10
10、7x10
10、8x10
10、9x10
10、1x10
11、2x10
11、3x10
11、4x10
11、5x10
11、6x10
11、7x10
11、8x10
11、9x10
11、1x10
12、1.1x10
12、1.2x10
12、1.3x10
12、1.4x10
12、1.5x10
12、1.6x10
12、1.7x10
12、1.8x10
12、1.9x10
12、2x10
12、2.1x10
12、2.2x10
12、2.3x10
12、2.4x10
12、2.5x10
12、2.6x10
12、2.7x10
12、2.8x10
12、2.9x10
12、3x10
12、3.1x10
12、3.2x10
12、3.3x10
12、3.4x10
12、3.5x10
12、3.6x10
12、3.7x10
12、3.8x10
12、3.9x10
12、4x10
12、4.1x10
12、4.2x10
12、4.3x10
12、4.4x10
12、4.5x10
12、4.6x10
12、4.7x10
12、4.8x10
12、4.9x10
12、5x10
12、6x10
12、7x10
12、8x10
12、9x10
12、1x10
13、2x10
13、3x10
13、4x10
13、5x10
13、6x10
13、6.7x10
13、7x10
13、8x10
13、9x10
13、1x10
14、2x10
14、3x10
14、4x10
14、5x10
14、6x10
14、7x10
14、8x10
14、9x10
14、1x10
15、2x10
15、3x10
15、4x10
15、5x10
15、6x10
15、7x10
15、8x10
15、9x10
15、または1x10
16 VG/mLの組成物濃度であり得る。
【0134】
組み合わせ
調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、1つまたはそれ以上の他の治療剤、予防剤、診断剤または造影剤と組み合わせて使用することができる。「〜と組み合わせて」とは、薬剤を同時に投与しなければならないこと、および/または共に投与するように処方しなければならないことを暗示することを意図するものではない。尤も、これらの投与方法は本開示の範囲内である。組成物は、1つまたはそれ以上の他の所望の治療または医療処置と同時に、その前に、またはその後に投与することができる。一般に、各薬剤は、その薬剤について決定された用量および/または時間スケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、本開示は、医薬組成物、予防組成物、診断組成物または画像形成組成物を、その生物学的利用能を改善し、その代謝を低減および/または修飾し、その排泄を阻害し、および/または身体内の分布を改変する薬剤と組み合わせて投与することができる。
【0135】
投与
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、欧州特許出願第EP1857552号に記載されたAAVビリオンの投与方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0136】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、欧州特許出願EP2678433に記載されたAAVベクターを使用してタンパク質を投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0137】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、米国特許第5858351号に記載されているAAVベクターを使用してDNA分子を投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0138】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、米国特許第6211163号に記載の血流にDNAを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0139】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、米国特許第6325998号に記載されたAAVビリオンを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0140】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、米国特許第6335011号に記載されている筋肉細胞にDNAを投与するための方法を用いて投与またすることができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0141】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、米国特許第6610290号に記載されている筋肉細胞および組織にDNAを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0142】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、米国特許第7704492号に記載されている筋肉細胞にDNAを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0143】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、米国特許第7112321号に記載されているペイロードを骨格筋に投与するための方法を用いて投与することができ、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0144】
一実施形態では、ウイルスベクターは、米国特許第7588757号に記載された中枢神経系にペイロードを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0145】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、米国特許第8283151号に記載されたペイロードを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0146】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、米国特許第8318687号に記載されたアルツハイマー病の治療のためにペイロードを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0147】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、国際特許公開WO2012144446に記載されているペイロードを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0148】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、国際特許公開第WO2001089583号に記載のグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)投与ベクターを使用してペイロードを投与する方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0149】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、国際特許公開第WO2001096587号に記載されたペイロードを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0150】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、国際特許公開第WO2002014487号に記載されている筋肉組織にペイロードを投与する方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0151】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、国際特許公開番号WO2012057363に記載されているペイロードを神経細胞に投与する方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0152】
本明細書に記載のウイルスベクターの医薬組成物は、バイオアベイラビリティ、治療許容域および/または分布容積の1つまたはそれ以上によって特徴付けられる。
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターを製剤化することができる。非限定的な例として、製剤の塩基性および/または浸透圧は、中枢神経系または中枢神経系の領域または成分における最適な薬物分布を確実にするように最適化され得る。
【0153】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、単一経路投与によって対象に投与され得る。
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、多部位投与経路を介して対象に投与され得る。対象の2つ、3つ、4つ、5つ、または5つ以上の部位に、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターを投与することができる。
【0154】
一実施形態では、対象に、ボーラス注入を用いて、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターを投与し得る。
一実施形態では、対象に、数分、数時間または数日間にわたる持続的投与を用いて、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターを投与することができる。注入速度は、対象、分布、処方または別の送達パラメータに応じて変化され得る。
【0155】
一実施形態では、複数部位への投与のために、カテーテルを脊椎の2つ以上の部位に配置され得る。調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、連続的および/またはボーラス注入で投与することができる。投与の各部位は異なる投薬レジメンであってもよく、または同じ投薬レジメンを投与部位ごとに使用してよい。非限定的な例として、投与部位は、頚部および腰部領域にあり得る。別の非限定的な例として、投与部位は子宮頸部領域にあり得る。別の非限定的な例として、投与部位は、腰部領域にあり得る。
【0156】
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターの投与の前に、対象を脊髄の解剖学的構造および病状について分析し得る。非限定的な例として、脊柱側弯症を有する被験者は、脊柱側弯症を伴わない被験者と比較して、異なる投薬レジメンおよび/またはカテーテルの位置を有し得る。
【0157】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターの投与中の対象の脊椎の向きは、地面に対して垂直であり得る。
別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターの投与中の対象の脊椎の向きは、地面に対して水平であり得る。
【0158】
一実施形態では、対象の脊椎は、調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターの投与中に、地面に比してある角度を有し得る。地面と比較し、被験者の脊椎の角度は少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150または180度であり得る。
【0159】
一実施形態において、投与方法および持続時間は、脊髄における広範な形質導入を提供するように選択される。非限定的な例として、髄腔内投与は、脊髄の吻側−尾側の長さに沿って広い形質導入を提供するために使用される。別の非限定的な例として、複数部位注入は、脊髄の吻側−尾側の長さに沿ってより均一な形質導入を提供する。さらに別の非限定的な例として、長期の注入により、脊髄の吻側−尾側の長さに沿ってより均一な形質導入を提供する。
【0160】
バイオアベイラビリティ
本発明の調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、本明細書に記載の投与剤/製剤化剤またはビヒクルを含む組成物に製剤化された場合、本明細書に記載の投与剤を欠いている組成物と比較して生物学的利用能の増加を示し得る。本明細書で使用する「バイオアベイラビリティ」という語は、対象に投与される特定の薬剤の所定量の全身利用可能性を指す。バイオアベイラビリティは、化合物の哺乳動物への投与後の無変化体の化合物の曲線下面積(AUC)または最大血清または血漿濃度(C
max)を測定することによって評価することができる。AUCは、横軸(X軸)に沿った時間に対する縦軸(Y軸)に沿って、化合物の血清または血漿濃度をプロットした曲線下面積を定量するものである。一般に、特定の化合物のAUCは、当業者に公知であり、G.S.Banker,Modern Pharmaceutics,Drugs and the Pharmaceutical Sciences,v.72,Marcel Dekker,New York,Inc.,1996(この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている方法により計算することができる。
【0161】
C
max値とは、対象への化合物の投与後に対象の血清または血漿中で観察される化合物の最大濃度を指す。特定の化合物のC
max値は、当業者に公知の方法を用いて測定することができる。本明細書で使用される「バイオアベイラビリティの増加」または「薬物動態の改善」という語句は、対象における本発明のウイルスベクターの全身利用可能性(AUC、C
max、またはC
minにより測定する)を増加させ得る作用を指す。いくつかの実施形態では、このような作用は、本明細書に記載の1つあるいはそれ以上の投与剤との同時投与からなる。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターのバイオアベイラビリティは、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25% 約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70 少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または約100重量%である。
【0162】
治療許容域
本発明の調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、本明細書に記載されているような1つまたはそれ以上の投与剤と共に製剤化された場合、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の投与剤なしで投与されたウイルスベクターの治療域と比較して、化合物および/または組成物の投与の治療域の増加を示し得る。本明細書で使用される「治療許容域」という語は、治療効果を引き出す可能性が高い、血漿濃度の範囲、または作用部位における治療活性物質のレベルの範囲を指す。いくつかの実施形態では、製剤中で投与された場合、ウイルスベクターの治療域は、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約100%、増加し得る。
【0163】
分布容積
本発明の調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターは、本明細書に記載されているような1つまたはそれ以上の投与剤と共に製剤化された場合、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の投与剤を欠いている製剤と比較して、分布容積(V
dist)が改善(例えば、減少または標的化)され得る。V
distは、血液または血漿中の薬剤の濃度に対する、体内の同一薬剤の量を指す。本明細書で使用される「分布容積」という語は、血液または血漿中の濃度と同じ濃度で、体内の薬剤の総量を含有するであろう流体容積を指す:V
distは、体内の薬剤の量を、血液または血漿中の薬剤の濃度で除したものに等しい。例えば、所定の薬剤の用量が10mgで、血漿濃度が10mg/Lである場合は、分布容積は1リットルになる。分布容積は、薬剤が血管外組織に存在する程度を反映している。分布容積が大量である場合は、血漿タンパク質と比較して、薬剤が組織成分に結合する傾向を反映している。臨床現場では、V
distは、定常状態の濃度を達成するための負荷量を決定するために使用されることがある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の投与剤と同時投与された場合の本発明のウイルスベクター組成物の分布容積は、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10% 約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55 少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、減少する。
【0164】
キットとデバイス
本発明は、本発明の方法を簡便および/または効果的に実施するための様々なキットを提供する。典型的に、キットは、ユーザが対象の複数回の治療を行い、および/または複数回の実験を行うのに十分な量および/または数の成分からなる。
【0165】
本発明のベクター、構築物、調節性ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドのいずれかをキットに含めることができる。いくつかの実施形態では、キットは、本発明の化合物および/または組成物を作製および/または合成するための試薬および/または指示書をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、キットは、1つまたはそれ以上のバッファも含み得る。いくつかの実施形態において、本発明のキットは、タンパク質または核酸アレイまたはライブラリを作製するための成分を含み得るので、例えば、固体支持体を含み得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、キット成分は、水性媒体または凍結乾燥形態のいずれかで包装され得る。キットの容器手段は、一般に、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジまたはその他の容器手段を含み、その中に構成要素を配置し、好ましくは適切に分注する。複数のキット成分がある場合(標識試薬と標識は一緒に包装されてもよい)、キットは一般に第2、第3またはその他の追加の容器を含み、その中に追加の成分を別々に配置し得る。いくつかの実施形態では、キットはまた、滅菌した薬学的に許容される緩衝液および/またはその他の希釈剤を収容するための第2の容器手段からなり得る。いくつかの実施形態では、成分の様々な組み合わせを1つまたはそれ以上のバイアルに含めてよい。本発明のキットはまた、典型的には、本発明の化合物および/または組成物を収用する手段(例えば、商業的販売用に密閉された、タンパク質、核酸、およびその他の試薬を収用する容器)を含み得る。そのような容器は、所望のバイアルが保持される注入またはブロー成形されたプラスチック容器を含み得る。
【0167】
いくつかの実施形態において、キット構成要素は、1つおよび/またはそれ以上の液体溶液で提供される。いくつかの実施形態では、液体溶液は水溶液であり、滅菌水溶液が特に好ましい。いくつかの実施形態において、キット成分は、乾燥粉末として提供され得る。試薬および/または成分が乾燥粉末として提供される場合は、そのような粉末は、適切な量の溶媒の添加によって再構成され得る。いくつかの実施形態では、溶媒は、別の容器手段で提供され得ることが想定される。いくつかの実施形態において、標識色素は、乾燥粉末として提供される。いくつかの実施形態では、10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,120,120,130,140,150,160,170,180,190,200,300,400,500,600,700,800,900,1000マイクログラムの乾燥色素、または少なくともまたは最大限で、それらの量の乾燥色素が、本発明のキットで提供される。そのような実施形態では、次に、DMSOなどの任意の適切な溶媒に色素を再懸濁させることができる。
【0168】
いくつかの実施形態では、キットは、キット構成要素の使用法、およびキットに含まれていないその他の試薬の使用法に関する説明書を含み得る。説明書は、実施可能な変形を含み得る。
【0169】
デバイス
いくつかの実施形態では、本発明の化合物および/または組成物は、デバイスと組み合わせるか、デバイスの上にコーティングするか、またはデバイス中に埋め込むことができる。デバイスには、歯科インプラント、ステント、骨置換、人工関節、弁、ペースメーカーおよび/またはその他の移植可能な治療デバイスを含み得るが、これらに限定されない。
【0170】
本発明は、1つまたはそれ以上の調節性ポリヌクレオチドペイロード分子をコードするウイルスベクターを組み込むことができるデバイスを提供する。これらの装置は、ヒト患者のようなそれを必要とする対象に直ちに投与され得るウイルスベクターを安定な製剤中に含む。
【0171】
投与用のデバイスを使用して、本明細書で教示される単回投与、複数回投与または分割投与計画に従って、本発明の調節性ポリヌクレオチドからなるウイルスベクターを投与する。
【0172】
細胞、器官および組織への複数投与のための当技術分野で公知の方法およびデバイスを、本発明の実施形態として本明細書に開示された方法および組成物と組み合わせて使用することが考えられる。これらには、例えば、複数の針を有する方法及びデバイス、ルーメン又はカテーテルなどを使用するハイブリッドデバイス、並びに熱/電流/放射線駆動メカニズムを利用するデバイスが含まれる。
【0173】
本発明の調節性ポリヌクレオチドは、異常なまたは望ましくない標的発現によって特徴付けられる任意の疾患または障害の治療、予防または改善において使用され得る。
定義
本明細書中の様々な箇所において、本開示の化合物の置換基は、群でまたは範囲で開示される。本開示が、そのような群および範囲の構成員のそれぞれおよび全てのサブコンビネーションを含むことが、特に意図されている。
【0174】
約:本明細書で使用されている「約」という語は、列挙された値の+/−10%を意味する。
併用投与:本明細書中で使用されている「組み合わせて投与される」または「組み合わせ投与」という語句は、2つまたはそれ以上の薬剤を、患者に対する各薬剤の効果の重複が存在し得るように、同時にまたはある間隔内で対象に投与することを指す。いくつかの実施形態において、これらの薬剤は、相互間隔が約60分、30分、15分、10分、5分、または1分以内で投与される。いくつかの実施形態において、薬剤の投与は、短い間隔をあけて行なわれるので、コンビナトリアル(例えば、相乗)効果が達成される。
【0175】
動物:本明細書で使用されている「動物」という語は、動物界の任意の構成員を指す。いくつかの実施形態では、「動物」とは、任意の発達段階のヒトを指す。いくつかの実施形態において、「動物」とは、任意の発生段階における非ヒト動物を指す。ある実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、げっ歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、またはブタ)である。いくつかの実施形態では、動物には、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、および虫類が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作された動物、またはクローンである。
【0176】
約:本明細書で使用されている「約」または「約」という語は、関心のもたれている1つまたはそれ以上の値に適用される場合に、記載された基準値に類似する値を指す。ある実施形態において、「約」または「約」という語は、別段の記載がない限り、または文脈から明らかでない限り(そのような数が可能な値の100%を超える場合を除いて)、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、あるいは記載された基準値のいずれかの方向(より大きいか、より小さい)を指す。
【0177】
と関連した:本明細書中で使用されている「と関連した」、「共役した」、「連結された」、「付着した」および「係留された」という語は、2つまたはそれ以上の部分に関して使用される場合、以下を意味する:当該部分が、直接的にまたは連結剤として機能する1つまたはそれ以上の追加の部分を介して、相互に物理的に会合しているかまたは結合して、当該部分が条件(当該構造が使用される、例えば、生理学的条件)の下で物理的に結合したままであるように、十分に安定した構造を形成する。「関連」は、厳密に直接共有化学結合によるものである必要はない。この語はまた、「関連する」存在が物理的に結合したままであるように、イオン結合または水素結合またはハイブリダイゼーションに基づく結合が十分に安定していることを示唆し得る。
【0178】
二官能性の:本明細書中で使用されている「二官能性の」という語は、少なくとも2つの官能を有し、またはそれらを維持する任意の物質、分子、または部分を指す。これらの官能は、同じ結果または異なる結果に影響を与える可能性がある。官能を生成する構造は、同じであっても異なっていてもよい。
【0179】
生体適合性:本明細書中で使用されている「生体適合性」という語は、免疫系による傷害、毒性または拒絶のリスクをほとんど呈しないかまたは全く呈しない生きた細胞、組織、器官または系と適合することを意味する。
【0180】
生分解性:本明細書にされている「生分解性」という語は、生物の作用によって無害な生成物に分解することができることを意味する。
生物学的に活性がある:本明細書中で使用されている「生物学的に活性」という語句は、生物学的系および/または生物において活性を有する任意の物質の特徴を指す。例えば、生物に投与された場合に、その生物に生物学的作用を及ぼす物質は、生物学的に活性であると考えられる。特定の実施形態では、本発明の調節性ポリヌクレオチドは、当該ポリヌクレオチドの一部でも生物学的に活性であるか、または生物学的に関連性があると考えられる活性を模倣している場合に、生物学的に活性であると考えられる。
【0181】
誘導された多能性ステム細胞:本明細書中で使用されている「誘導された多能性ステム細胞」という語句は、いくつかの異なる細胞型のいずれかを形成するように誘導され得る細胞である。
【0182】
化合物:本明細書で使用されている「化合物」という語は、説明されている構造のすべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体および同位体を含むことを意味する。
本明細書に記載の化合物は、非対称(例えば、1つまたはそれ以上の立体中心を有する)であり得る。エナンチオマーおよびジアステレオマーなどのすべての立体異性体は、特に断りのない限り、意図されている。不斉炭素原子を含む本開示の化合物は、光学活性体またはラセミ体で単離することができる。光学的に活性な形態を光学活性出発物質から調製する方法に関する方法は、ラセミ混合物の分割または立体選択的合成など、当技術分野で公知である。オレフィンの多くの幾何異性体、C=N二重結合などもまた、本明細書に記載の化合物中に存在することができ、このような安定した異性体は全て、本開示において考慮される。本開示の化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載され、異性体の混合物として、または分離された異性体として単離され得る。
【0183】
本開示の化合物は、互変異性体も含む。互変異性体は、単結合が隣接する二重結合と交換され、それに付随してプロトンが移動することに起因する。互変異性体は、同じ実験式および全電荷を有する異性体プロトン化状態であるプロトン互変異性体を含む。
【0184】
本開示の化合物はまた、中間化合物または最終化合物中に存在する原子の同位体の全てを含む。「同位体」は、原子番号は同じであるが、核内の異なる数の中性子から生じる異なる質量数を有する原子を指す。例えば、水素の同位体には、トリチウムおよび重水素がある。
【0185】
本開示の化合物および塩は、通常の方法によって、溶媒分子または水分子と組み合わせて、溶媒和物および水和物を形成することにより、調製することができる。
保存された:本明細書中で使用されている「保存された」という語は、比較対象の2つまたはそれ以上の配列の同じ位置において、それぞれ改変されていない状態で発生するポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列のヌクレオチドまたはアミノ酸残基を指す。比較的保存されているヌクレオチドまたはアミノ酸は、配列中のその他の場所に現れるヌクレオチドまたはアミノ酸に比べて、多くの関連配列の間で保存されているものである。
【0186】
いくつかの実施形態では、2つまたはそれ以上の配列は、相互に100%同一である場合に、「完全に保存されている」と言う。いくつかの実施形態において、2つまたはそれ以上の配列は、それらが少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である場合に、「高度に保存されている」と言う。いくつかの実施形態では、2つまたはそれ以上の配列は、それらが約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%、約98%、または約99%同一である場合に、「高度に保存されている」と言う。いくつかの実施形態では、2つまたはそれ以上の配列は、それらが少なくとも30%同一、少なくとも40%同一、少なくとも50%同一、少なくとも60%同一、少なくとも70%同一、80%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である場合に、「保存されている」と言う。いくつかの実施形態では、2つまたはそれ以上の配列は、それらが約30%同一、約40%同一、約50%同一、約60%同一、約70%同一、約80%同一、約90% %同一、約95%同一、約98%同一、または約99%同一である場合に、「保存されている」と言う。配列の保存は、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの全長に適用され得るか、またはその一部、領域または特徴に適用され得る。
【0187】
除放性:本明細書で使用されている「除放性」という語は、治療結果を達成するために放出の特定のパターンに適合する医薬組成物または化合物の放出プロファイルを指す。
環状あるいは環化:本明細書で使用されている「環状」という語は、連続したループの存在を指す。環状分子は、円形である必要はなく、連結されていて切れ目のないサブユニットの鎖を形成する。
【0188】
細胞増殖抑制性:本明細書中で使用されている「細胞増殖抑制性」という語は、細胞(例えば、ヒト細胞などの哺乳動物細胞)、細菌、ウイルス、真菌、原生動物、寄生生物、プリオンの成長、分裂または増殖を、阻害、減少、抑制させること、またはそれらの組み合わせを指す。
【0189】
細胞毒性:本明細書中で使用されている「細胞毒性」とは、細胞(例えば、ヒト細胞などの哺乳動物細胞)、細菌、ウイルス、真菌、原生動物、寄生生物、プリオンを殺傷すること、あるいは、有害、有毒、または致命的な影響をもたらすこと、またはそれらの組み合わせを指す。
【0190】
投与:本明細書で使用されている「投与」という語は、化合物、物質、存在、部分、カーゴまたはペイロードを投与する行為または様式を指す。
投与剤:本明細書中で使用されている「投与剤」という語は、標的細胞への調節性ポリヌクレオチドのin vivo投与を少なくとも部分的に促進する任意の物質を指す。
【0191】
不安定化:本明細書中で使用されている「不安定な」、「不安定化する」または「不安定化領域」という語句は、同じ領域または同じ分子の開始型、野生型または天然形態よりも安定性の低い領域または分子を意味する。
【0192】
検出可能な標識:本明細書中で使用されている「検出可能な標識」とは、当技術分野で公知の方法によって容易に検出される、別の存在に付着される、取り込まれる、または会合される1つまたはそれ以上のマーカーを指し、その例には、放射線、蛍光、化学発光、酵素活性、吸光度などがある。検出可能な標識には、放射性同位体;フルオロフォア;発色団;酵素;色素;金属イオン;ビオチン、アビジン、ストレプトアビジンおよびハプテンのようなリガンド;量子ドットなどがある。検出可能な標識は、本明細書に開示されるペプチドまたはタンパク質の任意の位置に位置し得る。これらは、アミノ酸、ペプチド、またはタンパク質内にあってもよく、またはN末端もしくはC末端に位置していてもよい。
【0193】
ジアステレオマー:本明細書で使用されている「ジアステレオマー」という語は、互いの鏡像ではなく、互いに重ね合わせることができない立体異性体を意味する。
消化する:本明細書で使用されている「消化する」という語は、より小さな断片または成分に分解することを意味する。ポリペプチドまたはタンパク質に言及する場合、消化のよりペプチドの生産がもたらされる。
【0194】
遠位:本明細書で使用されている「遠位」という語は、中心から離れて位置している、または関心の持たれているポイントまたは領域から離れて位置していることを意味する。
投薬計画:本明細書で使用されている「投薬計画」は、治療、予防、または緩和ケアの投与スケジュールまたは医師により決定された投薬計画である。
【0195】
エナンチオマー:本明細書で使用されている「エナンチオマー」という語は、本発明の化合物の個々の光学活性形態を意味し、それらは、少なくとも80%(すなわち、1つのエナンチオマーの少なくとも90%、およびその他のエナンチオマーの多くとも10%)、好ましくは少なくとも90%、またより好ましくは少なくとも98%の光学純度またはエナンチオマー過剰率(当該分野で標準的な方法によって決定される)を有する。
【0196】
カプセル化する:本明細書で使用されている「カプセル化する」という語は、封入、包囲または封入することを意味する。
操作された:本明細書中では、本発明の実施形態は、それらが構造的であってもまたは化学的であっても、出発点、野生型または天然型の分子から変化した特徴または特性を有するように設計されている場合、「操作されている」という。
【0197】
有効量:本明細書中で使用されている薬剤の「有効量」という語は、有益なまたは望ましい結果(例えば臨床結果)をもたらすのに十分な量であり、したがって、「有効量」は、薬剤が適用される状況に依存する。例えば、癌を治療する薬剤を投与する状況において、薬剤の有効量は、例えば、本明細書で定義されるように、薬剤の投与なしで得られる応答と比較して、癌の治療を達成するのに十分な量である。
【0198】
エキソソーム:本明細書で使用されている「エキソソーム」という語は、哺乳動物細胞によって分泌される小胞、またはRNA分解に関与する複合体である。
発現:本明細書中で使用されている核酸配列の「発現」という語は、以下の事象の1つまたはそれ以上を指す:(1)(例えば、転写により)DNA配列からRNA鋳型を産生する;(2)(例えば、スプライシング、編集、5’キャップ形成、および/または3’末端プロセシングにより)、RNA転写産物をプロセシングする;(3)RNAをポリペプチドまたはタンパク質へ翻訳する;(4)ポリペプチドまたはタンパク質の翻訳後修飾。
【0199】
特徴:本明細書で使用されている「特徴」という語は、特質、特性、または特有の要素を指す。
製剤:本明細書中で使用されている「製剤」という語は、少なくとも1つの調節性ポリヌクレオチドおよび投与剤を含む。
【0200】
断片:本明細書中で使用されている「断片」という語は、ある部分を指す。例えば、タンパク質の断片は、培養細胞から単離された全長タンパク質を消化することによって得られるポリペプチドからなる。
【0201】
機能性:本明細書中で使用されている「機能的」生物学的分子は、それが特徴付けられる特性および/または活性を示す形態の生物学的分子である。
相同性:本明細書中で使用されている「相同性」という語は、ポリマー分子間の全体的な関連性を指し、例えば、核酸分子間((e.g.、DNA分子および/またはRNA分子)および/またはポリペプチド分子間の関連性を指す。いくつかの実施形態では、ポリマー分子は、その配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または99%同一または類似している場合に、互いに「相同性」を有すると考えられる。「相同性を有する」という語は、必然的に、少なくとも2つの配列(ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列)の間の比較を指す。本発明によれば、2つのポリヌクレオチド配列がコードするポリペプチドが、少なくとも約20アミノ酸の少なくとも1つのストレッチについて、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはさらには99%である場合に、これらのポリヌクレオチド配列は相同性を有すると考えられる。いくつかの実施形態では、相同性を有するポリヌクレオチド配列は、少なくとも4〜5個の一意的に特定されるアミノ酸のストレッチをコードする能力によって特徴付けられる。長さが60ヌクレオチド未満のポリヌクレオチド配列の場合、相同性は、少なくとも4個〜5個の一意的に特定されるアミノ酸のストレッチをコードする能力によって決定される。本発明によれば、2つのタンパク質が、少なくとも約20アミノ酸の少なくとも1つのストレッチについて、少なくとも約50%、60%、70%、80%または90%同一である場合に、これらのタンパク質配列は相同であるとみなされる。
【0202】
同一性:本明細書中で使用されている「同一性」という語は、例えば、ポリヌクレオチド分子間(例えば、DNA分子間および/またはRNA分子間)、および/またはポリペプチド分子間などのポリマー分子間の全体的な関連性を指す。例えば、2つのポリヌクレオチド配列のパーセント同一性の計算は、最適な比較目的のために2つの配列を整列させることによって行うことができる(例えば、最適なアラインメントのために第1および第2の核酸配列の一方または双方にギャップを導入し、非同一配列は比較目的のために無視することができる)。特定の実施形態では、比較目的のために整列された配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%である。次いで、対応するヌクレオチド位置のヌクレオチドを比較する。第1の配列中の位置が、第2の配列中の対応する位置と同じヌクレオチドによって占有される場合、当該分子はその位置で同一である。2つの配列間のパーセント同一性は、2つの配列の最適な整列のために導入される必要があるギャップの数および各ギャップの長さを考慮に入れた、当該配列によって共有される同一位置の数の関数である。2つの配列間の配列の比較および同一性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。例えば、2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、以下に記載されるような方法を用いて決定され得る:Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University Press,New York,1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,Academic Press,New York,1993;Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,G.,Academic Press,1987;Computer Analysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,New Jersey,1994;and Sequence Analysis Primer,Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.,M Stockton Press,New York,1991;これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,Academic Press,New York,1993;Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,G.,Academic Press,1987;Computer Analysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,New Jersey,1994;and Sequence Analysis Primer,Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.,M Stockton Press,New York,1991;これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、MeyersおよびMillerのアルゴリズム(CABIOS,1989,4:11−17)を用いて決定することができる。これは、PAM120加重残基表、12のギャップ長ペナルティおよび4のギャップペナルティを用いてALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。あるいは、2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、NWSgapdna.CMPマトリックスを使用するGCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを使用して決定することができる。配列間のパーセント同一性を決定するために一般的に用いられる方法には、Carillo,H.,and Lipman,D.,SIAM J Applied Math.,48:1073(1988)に開示されているものが含まれるが、これに限定されない(その内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。同一性を決定する技法は、広く入手可能なコンピュータプログラムにまとめられている。2つの配列間の相同性を決定するためのコンピュータソフトウェアの例には、GCGプログラムパッケージ、Devereux,J.et al.,Nucleic Acids Research,12(1),387(1984)),BLASTP,BLASTN,and FASTA Altschul,S.F.et al.,J.Molec.Biol.,215,403(1990)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0203】
遺伝子の発現を阻害する:本明細書において、「遺伝子の発現を阻害する」という句は、遺伝子の発現産物の量を減少させることを意味する。発現産物は、遺伝子(例えば、mRNA)から転写されたRNA、または遺伝子から転写されたmRNAから翻訳されたポリペプチドであり得る。典型的には、mRNAレベルの低下は、それから翻訳されるポリペプチドのレベルの低下をもたらす。発現レベルは、mRNAまたはタンパク質を測定するための標準的な技術を用いて決定することができる。
【0204】
異性体:本明細書で使用されている「異性体」という語は、本発明のいずれかの化合物の任意の互変異性体、立体異性体、エナンチオマー、またはジアステレオマーを意味する。本発明の化合物は、1つまたはそれ以上のキラル中心および/または二重結合を有し得るので、二重結合異性体(すなわち、幾何E/Z異性体)またはジアステレオマー(例えば、エナンチオマー(すなわち、(+)または(−))またはシス/トランス異性体)などの立体異性体として存在すると認識される。本発明によれば、本明細書に記載の化学構造(つまり、本発明の化合物)は、対応する立体異性体のすべてを包含する。立体異性体のすべてとは、立体的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋な形態、エナンチオマー的に純粋な形態、またはジアステレオマー的に純粋な形態)と、エナンチオマーと立体異性体との混合物(例えば、ラセミ体)との双方を指す。本発明の化合物のエナンチオマーと立体異性体との混合物は、典型的には、それらの成分であるエナンチオマーまたは立体異性体に、既知の方法によって分解することができ、そのような方法の例には、キラル相高速クロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩複合体としての化合物の結晶化、またはキラル溶媒中での化合物の結晶化が挙げられる。エナンチオマーおよび立体異性体は、立体異性的にまたは鏡像異性的に純粋な中間体、試薬および触媒から、周知の不斉合成法によっても得ることができる。
【0205】
In vitro:本明細書中で使用されている「in vitro」という語は、生物(例えば、動物、植物、または微生物)内ではなく、人工的な環境で起こる事象を指し、その例には、例えば、試験管または反応容器中、細胞培養中、ペトリ皿中などがある。
【0206】
In vivo:本明細書中で使用されている「in vivo」という語は、生物(例えば、動物、植物、または微生物、あるいはそれらの細胞または組織)内で起こる事象を指す。
【0207】
単離された:本明細書中で使用されている「単離された」という語は、それが会合している成分の少なくともいくつかから分離された物質または存在を意味する(自然界であるか、実験的環境であるかにかかわらず)。単離された物質は、それらが結合していた物質に関して、様々なレベルの純度を有し得る。単離された物質および/または存在は、それらが最初に結合していたその他のコンポーネントの少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、またはそれ以上から分離している。いくつかの実施形態において、単離された薬剤は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97% 98%、約99%、または約99%以上純粋である。本明細書中で使用されているように、物質が実質的にその他の成分を含まない場合に、その物質は「純粋」である。
【0208】
実質的に単離された:「実質的に単離された」とは、化合物が、それが形成または検出された環境から実質的に分離されることを意味する。部分的な分離には、例えば、本開示の化合物において豊化された組成物が含まれる。実質的な分離には、本開示の化合物またはその塩の重量で、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99重量%を含む組成物が含まれる。化合物およびその塩を単離するための方法は、当技術分野では日常的に行なわれている作業である。
【0209】
リンカー:本明細書で使用されているリンカーという語は、原子の群(例えば10個〜1000個の原子)を指し、炭素、アミノ、アルキルアミノ、酸素、硫黄、スルホキシド、スルホニル、カルボニルおよびイミンなどの原子の群または基の群からなり得る。リンカーは、核酸塩基または糖部分上の修飾されたヌクレオシドまたはヌクレオチドに第1の末端で、ペイロード(例えば、検出可能または治療剤)に第2の末端で、結合させることができる。リンカーは、核酸配列への取り込みを妨害しない程度の長さであってもよい。リンカーは、本明細書中に記載されるように、調節性ポリヌクレオチド多量体を形成する(例えば、2つまたはそれ以上の調節性ポリヌクレオチド分子の連結を介して)または調節性ポリヌクレオチド複合体を形成するため、ならびにペイロードを投与するためなど、任意の有用な目的のために使用され得る。リンカーに組み込むことができる化学基の例としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、エーテル、チオエーテル、エステル、アルキレン、ヘテロアルキレン、アリールまたはヘテロシクリルが含まれるがこれらに限定されず、これらのそれぞれが本明細書に記載されているように最適に置換されている。リンカーの例には、不飽和アルカン、ポリエチレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、またはテトラエチレングリコールなどのエチレンまたはプロピレングリコールモノマー単位)、デキストランポリマーおよびその誘導体が含まれるがそれらに限定されない。その他の例には、例えばジスルフィド結合(−S−S−)またはアゾ結合(−N=N−)のようなリンカー内の開裂可能な部分が含まれるがこれらに限定されない。これらは還元剤または光分解を用いて切断することができる。選択的に開裂可能な結合の非限定的な例には、例えばトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)またはその他の還元剤の使用および/または光分解によって切断することができるアミノ結合、ならびに例えば酸性または塩基性加水分解により切断することができるエステル結合が挙げられる。
【0210】
マイクロRNA(miRNA)結合部位:本明細書中で使用されているマイクロRNA(miRNA)結合部位という語は、miRNAの少なくとも「シード」領域が結合する核酸転写物のヌクレオチド位置または領域を表す。
【0211】
修飾された:本明細書で使用されている「修飾された」という語は、本発明の分子の変化した状態または構造を指す。分子は、化学的、構造的、および機能的に多くの態様で修飾することができる。
【0212】
天然起源の:本明細書中で使用されている「天然に存在する」という語は、人工的に補助されずに、天然に存在することを意味する。
中和抗体:本明細書中で使用されている「中和抗体」という語は、その抗原に結合し、細胞が有する生物活性を中和または無効にすることによって抗原または感染因子から細胞を防御する抗体を指す。
【0213】
非ヒト脊椎動物:本明細書で使用されている「非ヒト脊椎動物」とは、野生および家畜種を含むホモサピエンスを除くすべての脊椎動物を含む。非ヒト脊椎動物の例には、アルパカ、バンテン、バイソン、ラクダ、ネコ、ウシ、シカ、イヌ、ロバ、ガヤル、ヤギ、モルモット、ウマ、ラマ、ラバ、ブタ、ウサギ、トナカイ、ヒツジ、水牛、ヤクなどの哺乳類が含まれるが、それらに限定されない。
【0214】
オフターゲット:本明細書中で使用される場合、「オフターゲット」とは、任意の1つ以上の標的、遺伝子または細胞転写産物に対する任意の意図しない効果をいう。
オープンリーディングフレーム:本明細書で使用されている「オープンリーディングフレーム」または「ORF」という語は、所与のリーディングフレームにおける終止コドンを含まない配列を指す。
【0215】
作動可能に連結された:本明細書中で使用されている「作動可能に連結された」という語句は、2つまたはそれ以上の分子、構築物、転写物、存在、部分などの間の機能的連結を指す。
【0216】
必要に応じて置換されている:本明細書では、「必要に応じて置換されたX」(例えば、必要に応じて置換されたアルキル)という句は、「Xが必要に応じて置換されているX」と同義であると意図される(例えば、アルキルが必要に応じて置換されているアルキル)。これは、特徴「X」(例えば、アルキル)それ自体が随意であるということを意図するものではない。
【0217】
ペプチド:本明細書中で使用されている「ペプチド」という語は、50アミノ酸の長さ未満(例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸の長さ)である。
【0218】
患者:本明細書中で使用されている「患者」という語は、治療を求めているか、治療の必要性があるか、治療が必要であるか、治療を受けているか、治療を受けるであろう対象、または特定の疾患または状態について訓練を受けた専門家によって治療を受けている対象を指す。
【0219】
医薬的に許容される:「薬学的に許容される」という語句は、「薬学的に許容される」という句は、本明細書では、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的な利益/リスク比に見合う、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題または合併症なしに投与することができる化合物、材料、組成物および/または剤形を指す。
【0220】
薬学的に許容される賦形剤:本明細書で使用されている「薬学的に許容される賦形剤」という語句は、本明細書に記載の化合物以外の任意の成分(例えば、活性化合物を懸濁または溶解することができるビヒクル)であって、患者において実質的に非毒性で非炎症性であるという特性を有する成分を指す。賦形剤の例には、以下が挙げられる:抗癒着防止剤、酸化防止剤、結合剤、コーティング剤、圧縮助剤、崩壊剤、染料(色)、皮膚軟化剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、フィルム形成剤またはコーティング剤、風味剤、香料、流動化剤(流動促進剤)、潤滑剤、保存剤、印刷インキ、吸着剤、懸濁剤または分散剤、甘味料、および水和水。賦形剤の例には、以下が含まれるが、それらに限定されるものではない:ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微晶質セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、およびキシリトール。
【0221】
薬学的に許容される塩:本開示は、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩も含む。本明細書中で使用されている「薬学的に許容される塩」という語句は、存在する酸または塩基部分をその塩形態に変換することによって(例えば、遊離塩基を適切な有機酸と反応させることによって)親化合物を修飾する、開示化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、アミンのような塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩;等が含まれるが、それらに限定されなるものではない。代表的な酸付加塩の例としては、酢酸塩、酢酸、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩の例には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、ならびに非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオンがあり、それらの例には、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の薬学的に許容される塩には、例えば非毒性無機または有機酸から形成される親化合物の従来の非毒性塩が含まれる。本開示の薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性部分を含む親化合物から、従来の化学的方法によって合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を、適切な塩基または酸の化学量論量と、水中または有機溶媒中で、またはその2種の混合物中で反応させることによって調製することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。適切な塩のリストは、次を参照のこと。Remington’s Pharmaceutical Sciences,17
th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418,Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use,P.H.Stahl and C.G.Wermuth(eds.),Wiley−VCH,2008,and Bergeら,Journal of Pharmaceutical Science,66,1−19(1977);これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0222】
薬学的に許容される溶媒和物:本明細書で使用されている「薬学的に許容される溶媒和物」という語句は、適切な溶媒の分子が結晶格子に組み込まれている本発明の化合物を意味する。適切な溶媒は、投与される投与量で生理学的に許容される。例えば、溶媒和物は、有機溶媒、水、またはそれらの混合物を含む溶液からの結晶化、再結晶化、または沈殿によって調製することができる。適切な溶媒の例は、エタノール、水(例えば、一水和物、二水和物および三水和物)、Nメチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMEU)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−(1H)−ピリミジノン(DMPU)、アセトニトリル(ACN)、プロピレングリコール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、2−ピロリドン、安息香酸ベンジル等が挙げられる。水が溶媒である場合、溶媒和物は「水和物」と呼ばれる。
【0223】
薬物動態学:本明細書中で使用されている「薬物動態学」という語は、分子または化合物の任意の1つまたはそれ以上の特性を指し、そのような特性は、生体に投与される物質の結果予測の決定に関連する。薬物動態は、吸収、分布、代謝および排泄の程度および速度を含むいくつかの領域に分けられる。これは一般に、以下を表すADMEという略語で呼ばれている:(A)吸収(Absorption)とは、物質が血液循環に入る過程を指す;(D)(Distribution)分布とは、身体の体液および組織全体に物質が分散または拡散することを指す;(M)代謝(Metabolism)(または生物変換)(Biotransformation)とは、親化合物の娘代謝物への不可逆的変換を指す;(E)排泄(Excretion)(または排除)(Elimination)とは、物質が身体から排除されることを指す。まれに、一部の薬物は、体組織に不可逆的に蓄積することがある。
【0224】
物理化学的:本明細書中で使用されている「物理化学的」という語は、物理的および/または化学的性質を意味するかまたはそれに関連していることを指す。
予防する:本明細書中で使用されている「予防する」という語は、感染、疾患、障害および/または状態の発症を部分的にまたは完全に遅延させること;特定の感染、疾患、障害および/または状態の1つまたはそれ以上の症状、特徴、または臨床症状の発症を部分的にまたは完全に遅延させること;特定の感染症、疾患、障害および/または状態の1つまたはそれ以上の症状、特徴、または兆候の発症を部分的にまたは完全に遅延させること;特定の疾患、障害および/または状態からの進行を部分的にまたは完全に遅延させること;および/または感染、疾患、障害、および/または状態に関連する病状を発症するリスクを減少させることを指す。
【0225】
プロドラッグ:本開示は、本明細書に記載の化合物のプロドラッグも含む。本明細書中で使用されている「プロドラッグ」という語は、それが化学的または物理的変化により治療剤として作用することが予測される形態の任意の物質、分子または存在をいう。プロドラッグは、何らかの方法で共有結合または隔離され、哺乳動物対象に投与する前に、投与中に、または投与後に活性薬物部分を放出するかまたは活性薬物部分に変換され得る。プロドラッグは、化合物中に存在する官能基を、通常の操作またはin vivoのいずれかにより、修飾が切断されるような方法で修飾して親化合物にすることにより、調製することができる。プロドラッグには、哺乳動物対象に投与された時に、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、またはカルボキシル基が、開裂して遊離ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリルまたはカルボキシル基をそれぞれ形成する化合物が含まれる。プロドラッグの調製および使用は、T.Higuchi and V.Stella,“Pro−drugs as Novel Delivery Systems,” Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987(これらは双方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。いくつかの実施形態において、本発明のpri−miRは、pre−miRのプロドラッグであり得る。同様に、pri−miRsあるいはpre−miRsのいずれかが、それらからプロセッシングされる人工のmiRのプロドラッグであり得る。
【0226】
増殖する:本明細書中で使用されている「増殖する」という語は、成長、拡大または増加するか、または急速な成長、拡大または増加を引き起こすことを意味する。「増殖性」とは増殖能力を有することを意味する。「抗増殖性」は、増殖特性に対し正反対である特性、または不適切な特性を有することを意味する。
【0227】
予防法:本明細書中で使用されている「予防法」という語は、疾患の広がりを防ぐために使用される治療または治療経過を指す。
予防措置:本明細書において、「予防措置」とは、健康を維持し、疾患の広がりを防ぐためにとられる措置を指す。
【0228】
タンパク質開裂部位:本明細書中で使用されている「タンパク質切断部位」という語句は、化学的、酵素的または光化学的手段によってアミノ酸鎖の制御された開裂が達成され得る部位を指す。
【0229】
タンパク質開裂シグナル:本明細書中で使用されている「タンパク質切断シグナル」という語句は、開裂のためにポリペプチドをフラグ付けまたはマーキングする少なくとも1つのアミノ酸を指す。
【0230】
目的のタンパク質:本明細書中で使用されている語「目的のタンパク質」または「所望のタンパク質」という語には、本明細書で提供されるものおよびそのフラグメント、突然変異体、改変体、および改変が含まれる。
【0231】
近位:本明細書で使用されている「近位」という語は、中心または関心の持たれている点または領域の近くに位置していることを意味する。
精製された:本明細書で使用する「精製する」、「精製された」、「精製」とは、望ましくない成分、材料の脱脂、混和または不完全なものから実質的に純粋または異物がない状態にすることを意味する。
【0232】
試料:本明細書中で使用される場合、「サンプル」または「生物学的サンプル」という語は、その組織、細胞または構成要素のサブセット(例えば、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、羊水、臍帯血、尿、膣液および精液などを含むがそれらに限定されない体液)を指す。サンプルには、さらに、生物全体またはその組織、細胞もしくは構成部分のサブセット、またはその断片もしくは一部分から調製されたホモジネート、溶解物または抽出物を含み得、その例には、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚、呼吸器系、腸系および尿生殖路の外部切片、涙、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、器官が含まれるが、これらに限定されない。サンプルは、さらに、タンパク質または核酸分子のような細胞成分を含み得る栄養培地またはゲルのような培地を指す。
【0233】
シグナル配列:本明細書中で使用されている「シグナル配列」という語句は、タンパク質の輸送または局在化を指図することができる配列を指す。
単一単位用量:本明細書で使用されている「単一単位用量」という語句は、1回の用量/1回の投与/単一の経路/単一の接触点(すなわち単一の投与事象)で投与される任意の治療剤の用量である。
【0234】
類似性:本明細書中で使用されている「類似性」という語は、例えば、ポリヌクレオチド分子間(例えば、DNA分子および/またはRNA分子など)および/またはポリペプチド分子間などのポリマー分子間の全体的な関連性を指す。パーセント類似性の計算が当技術分野で理解されるような保存的置換を考慮に入れていることを除いて、パーセント同一性の計算と同じ方法で、ポリマー分子の相互のパーセント類似性の計算を行うことができる。
【0235】
分割用量:本明細書で使用されている「分割用量」は、単一単位用量または1日総用量を2回またはそれ以上の用量に分割することを指す。
安定した:本明細書で使用されている「安定した」という語は、反応混合物から有用な程度の純度まで単離するのに十分に頑強であり、好ましくは有効な治療薬に製剤化することができる化合物を指す。
【0236】
安定化された:明細書中で使用されている「安定化する」、「安定化された」、「安定化された領域」は、安定した状態にする、または安定した状態になることを指す。
立体異性体:本明細書中で使用されている「立体異性体」という語は、化合物(例えば、本明細書に記載されている全ての化学式の化合物)が有し得るすべての可能な異なる異性体および配座異性体の形態を指し、特に、基本分子構造のすべての可能な立体化学的形態および立体配座的形態、すべてのジアステレオマー、エナンチオマーおよび/または配座異性体を指す。本発明のいくつかの化合物は、異なる互変異性体形態で存在してもよく、後者はすべて本発明の範囲内に含まれる。
【0237】
対象:本明細書中で使用されている「対象」または「患者」という語は、例えば、実験、診断、予防および/または治療の目的で、本発明による組成物を投与する任意の生体を指す。典型的な対象には、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、およびヒトなどの哺乳類)および/または植物が含まれる。
【0238】
実質的に:本明細書中で使用されている「実質的に」という語は、関心の持たれている特徴または特性の全体またはほぼ全体的な範囲または程度を示す定性的条件を指す。生物学的技術における当業者は、生物学的および化学的現象が、完了する、完全に進む、および/または絶対的な結果を達成あるかまたは回避することは極めてまれであることを、理解しているであろう。したがって、「実質的に」という語は、本明細書では、多くの生物学的および化学的現象に特有である完全性の潜在的な欠如を表すために使用されている。
【0239】
実質的に等しい:用量間の時間差に関連して本明細書で使用されているこの語は、プラスマイナス2%を意味する。
実質的に同時に:本明細書で使用される場合、および複数の用量に関連する場合、この語は2秒以内を意味する。
【0240】
〜に罹患している:疾患、障害、および/または状態に「罹患している」個体は、疾患、障害および/または状態の1つまたはそれ以上の症状を有すると診断されているか、またはそれらを呈している。
【0241】
〜に罹患しやすい:疾患、障害および/または状態「に罹患しやすい」個体は、疾患、障害および/または状態を有する診断されていないか、および/または疾患、障害および/または状態の症状を示していないが、疾患またはその症状を発症する傾向を有する。いくつかの実施形態では、疾患、障害および/または状態(例えば、癌)に罹患しやすい個体は、以下の1つまたはそれ以上によって特徴付けられ得る:(1)疾患、障害および/または状態の発症に関連する遺伝子変異;(2)疾患、障害および/または状態の発症に関連する遺伝的多型;(3)疾患、障害および/または状態に関連するタンパク質および/または核酸の発現および/または活性の増加および/または低下;(4)疾患、障害および/または状態の発症に関連する習慣および/またはライフスタイル;(5)疾患、障害および/または状態の家族歴;および(6)疾患、障害、および/または状態の発症に関連する微生物への曝露および/または感染。いくつかの実施形態では、疾患、障害および/または状態に罹患しやすい個体は、疾患、障害および/または状態を発症する。いくつかの実施形態では、疾患、障害および/または状態に罹りやすい個体は、疾患、障害および/または状態を発症しない。
【0242】
徐放:本明細書で使用されている「徐放」という語は、特定の期間にわたる放出速度に適合する医薬組成物または化合物放出プロファイルを指す。
合成された:「合成された」という語は、人間の手によって生み出された、調製された、および/または製造されたことを意味する。本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドまたはその他の分子の合成は、化学的または酵素的であってもよい。
【0243】
標的細胞:本明細書中で使用されている「標的細胞」という語は、関心のもたれている任意の1つまたはそれ以上の細胞を指す。このような細胞は、in vitro、in vivo、in situ、または生物の組織または臓器に存在する。このような生物は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト、最も好ましくは患者である。
【0244】
治療薬:「治療剤」という語は、対象に投与された場合に、治療的、診断的および/または予防的効果を有し、および/または所望の生物学的および/または薬理学的効果を引き出す任意の薬剤を指す。
【0245】
治療有効量:本明細書中で使用されている「治療有効量」という語は、疾患、障害、および/または状態に罹患しているかまたは罹患しやすい対象に投与された場合に、例えば、パーキンソン病などの感染症、疾患、障害および/または状態の発症を治療、症状改善、診断、予防、および/または遅延させるのに十分である投与薬剤(例えば、核酸、薬物、治療剤、診断剤、予防剤など)の量を指す。疾患、障害および/または状態に罹患しているかまたは罹患しやすい対象に投与される場合に十分であり、感染症、疾患、障害および/または状態の治療を開始し、症状を改善し、診断し、予防し、および/または遅らせる量を意味する。
【0246】
治療上有効な転帰:本明細書中で使用されている「治療的に有効な転帰」という語は、感染、疾患、障害および/または状態に罹患しているかまたは感染、疾患、障害および/または状態に罹患しやすい対象において、感染症、疾患、障害および/または状態を治療、改善、診断、予防、および/またはその発症を遅延させるに十分である転帰を意味する。
【0247】
一日の用量の総量:本明細書中で使用される場合、「1日の総投与量」は、24時間に与えられる、または処方される量である。それは単一単位用量として投与することができる。
【0248】
トランスフェクション:本明細書中で使用されている「トランスフェクション」という語は、外因性核酸を細胞に導入する方法を指す。トランスフェクションの方法には、化学的方法、物理的処理およびカチオン性脂質または混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0249】
治療する:本明細書で使用されている「治療する」という語は、特定の感染症の1つまたはそれ以上の症状または特徴の部分的または完全な緩和、改良、改善、軽減、発症の遅延、進行の阻害、重症度の軽減、および/または発生率 の減少を指す。例えば、癌を「治療する」とは、腫瘍の生存、成長および/または拡散を阻害することを指す。治療は、疾患、障害、および/または状態の徴候を呈していない対象に、および/または疾患、障害および/または状態の初期徴候のみを呈している対象に、疾病、障害、および/または状態に関連する病理を発症するリスクを減少させる目的で投与することができる。
【0250】
修飾されていない:本明細書中で使用されている「修飾されていない」という語は、いずれかの方法で変更される前の任意の物質、化合物、または分子を指す。未改変のものは、生体分子の野生型または天然型を指す場合があるが、必ずしもそうであるとは限らない。分子は、一連の修飾を受けてもよく、それにより、それぞれの修飾された分子は、その後の修飾のための「未修飾」の出発分子として機能し得る。
【0251】
同等のものおよび適用範囲
当業者であれば、本明細書に記載された本発明による特定の実施形態について多くの同等のものを認識するか、またはルーチンの実験のみを用いて確認することができるであろう。本発明の範囲は、上記の説明に限定されるように意図されているのではなく、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0252】
特許請求の範囲において、「a」、「an」および「the」などの不定冠詞は、文脈からその逆であることあるいは明らかに示されていない限り、1つまたはそれ以上のものを意味する。ある群の1つまたはそれ以上の構成員の間に「or」を含む請求項または説明は、文脈からその逆であることあるいは明らかに示されていない限り、群の構成員の1つ、1つ以上、またはすべてが所与の製品またはプロセスに存在しているか、使用されているか、または関連している場合に、満たされているとみなされる:本発明は、群の構成員の1つだけが所与の製品またはプロセスに存在しているか、使用されているか、または関連している実施形態を含む。本発明は、群の構成員の1つ以上またはすべてが所与の製品またはプロセスに存在しているか、使用されているか、または関連している実施形態を含む。
【0253】
「〜からなる(comprising)」という語は、開かれていることを意図しており、追加の要素またはステップを含めることを許可するが、追加の要素またはステップを含めることを必要とはしていないことにも留意されたい。「〜からなる(comprising)」という語が本明細書で使用される場合、「から構成されている(consisting of)」という語もこのように包含され、明示される。
【0254】
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。方法および材料は、本開示での使用のために本明細書に記載されており、当技術分野で公知の他の適切な方法および材料も使用することができる。
【0255】
範囲が与えられている場合、エンドポイントが含まれる。さらに、別途示されない限り、あるいは文脈および当業者の理解から明白でない限り、範囲として表される値は、本発明の多様な実施形態において記載された範囲内の任意の特定の値または部分範囲、当該範囲の下限の単位の10分の1までと想定される(文脈上明確に別途指示されている場合を除く)と理解されるべきである。
【0256】
さらに、先行技術に含まれる本発明の特定の実施形態はすべて、特許請求の範囲のいずれか1つまたはそれ以上から明白に除外され得ることが理解されるべきである。そのような実施形態は、当業者に知られているとみなされるので、除外が明示的に本明細書に記載されていなくても除外されてよい。本発明の組成物の特定の実施形態(例えば、それによってコードされる任意の核酸またはタンパク質、任意の生産方法、任意の使用方法など)は、先行技術の存在に関連しているか否かにかかわらず、何らかの理由で、1つまたはそれ以上以上の請求項から除外されることがある。
【0257】
引用文献に明示的に記載されていない場合でも、すべての出典(例えば、参考文献、出版物、データベース、データベースエントリー、およびここに引用された先行技術)は、参照により本出願に組み込まれる。引用された出典と本出願に矛盾する記述がある場合は、本出願の記述が優先するものとする。
【0258】
セクションおよび表の見出しは、限定することを意図していない。
実施例
実施例1:調節性ポリヌクレオチド(人工的なpri−microRNAあるいはpre−microRNA)の設計
人工的なpri−microRNAあるいはpre−microRNAは、標的核酸(例えば、RNAまたはDNA)と少なくとも部分的にハイブリダイズすることができる少なくとも1つの鎖と、一つまたはそれ以上の以下の特徴とを有する人工miR(または人工siRNA)をコードするshRNAまたはステムループ構造として設計される:(a)基ステムの基部にあるUGモチーフ;(b)miRNAループの5’末端にあるUGUGモチーフ;(c)ガイド鎖の5’末端にあるウリジン;(d)例えばmiR−22のような古典的マイクロRNAに由来するループ構造;(e)3’隣接配列にあるCNNC;(f)例えばlet−7bのような古典的マイクロRNA由来の隣接領域;および/または(g)パッセンジャー鎖とガイド鎖との間の1つまたはそれ以上のバルジおよびミスマッチ。
【0259】
設計された配列は、操作されるか、合成されるか、またはプラスミドまたはベクターに挿入されて、細胞または生物に投与される。適切なプラスミドまたはベクターは、標的細胞に形質導入またはトランスフェクトするものである。
【0260】
アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)、ウイルス粒子またはウイルス全体を使用することができる。
投与により、調節性ポリヌクレオチドのプロセシングが起こり、標的核酸の発現レベルを変化させる人工のマイクロRNAを生成する。
【0261】
標的の効果的なノックダウンは、当該技術分野の方法によって測定され、オフターゲット効果をほとんど示さない。
調節性ポリヌクレオチドの効果的なパッセンジャー/ガイド鎖の二重鎖(例えば、pri−microRNAあるいはpre−microRNA)は、プロセシングが測定された時に、パッセンジャー鎖に対するガイド鎖の比が95%を超えることを示す。
【0262】
実施例2:パッセンジャー/ガイド鎖の最適化
特異的かつ強力な標的発現の標的ノックダウンまたは調節を達成するために、本発明のpri−microRNAあるいはpre−microRNAのステムループ構造の二重鎖を形成するパッセンジャー鎖およびガイド鎖は、例えばsiRNA(低分子干渉RNA)として、別々に最適化し得る。
【0263】
siRNAは、選択対象の標的核酸に対して、以下の特徴を有する古典的siRNAとして設計される:二重鎖の3’末端に3’ジヌクレオチドオーバーハングを有する19塩基対の中央二重鎖を有し、アンチセンス鎖が当該19ヌクレオチド領域にわたって標的核酸に対して完全な相補性を有する。
【0264】
あるいは、siRNAは、センス鎖(パッセンジャー鎖)が標的核酸に対して19未満のヌクレオチド同一性を含むように、設計される。
センス−アンチセンス(パッセンジャー/ガイド)鎖二重鎖塩基対形成の改変は、バルジまたはミスマッチを導入するために行われる。挿入または欠失またはミスマッチは、センス鎖の5’末端または3’末端に組み込まれてもよく、これらの挿入または欠失は、ガイド鎖上に反映されてもされなくてもよい。
【0265】
得られたsiRNAを、標的ノックダウンおよびその他の関連する生理学的および薬物動態学的特性およびオフターゲット効果の程度について、当該分野で公知の標準的な方法によって試験する。
【0266】
オフターゲット効果の少ない十分な標的ノックダウンを示すsiRNAを、本発明のpri−microRNAあるいはpre−microRNAのパッセンジャー鎖およびガイド鎖として、さらなる修飾を加えるか加えずに、操作する。
【0267】
実施例3:SOD1のパッセンジャー鎖/ガイド鎖の設計
本発明のpri−microRNAあるいはpre−microRNAのための最適なパッセンジャー鎖およびガイド鎖の設計において、一連の19−merセンス鎖(パッセンジャー鎖)配列を、スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1;GenBank Reference NM_000454.4)の配列から選択した。SOD1 mRNA(DNAとして示す)の配列は以下の通りである:GTTTGGGGCCAGAGTGGGCGAGGCGCGGAGGTCTGGCCTATAAAGTAGTCGCGGAGACGGGGTGCTGGTTTGCGTCGTAGTCTCCTGCAGCGTCTGGGGTTTCCGTTGCAGTCCTCGGAACCAGGACCTCGGCGTGGCCTAGCGAGTTATGGCGACGAAGGCCGTGTGCGTGCTGAAGGGCGACGGCCCAGTGCAGGGCATCATCAATTTCGAGCAGAAGGAAAGTAATGGACCAGTGAAGGTGTGGGGAAGCATTAAAGGACTGACTGAAGGCCTGCATGGATTCCATGTTCATGAGTTTGGAGATAATACAGCAGGCTGTACCAGTGCAGGTCCTCACTTTAATCCTCTATCCAGAAAACACGGTGGGCCAAAGGATGAAGAGAGGCATGTTGGAGACTTGGGCAATGTGACTGCTGACAAAGATGGTGTGGCCGATGTGTCTATTGAAGATTCTGTGATCTCACTCTCAGGAGACCATTGCATCATTGGCCGCACACTGGTGGTCCATGAAAAAGCAGATGACTTGGGCAAAGGTGGAAATGAAGAAAGTACAAAGACAGGAAACGCTGGAAGTCGTTTGGCTTGTGGTGTAATTGGGATCGCCCAATAAACATTCCCTTGGATGTAGTCTGAGGCCCCTTAACTCATCTGTTATCCTGCTAGCTGTAGAAATGTATCCTGATAAACATTAAACACTGTAATCTTAAAAGTGTAATTGTGTGACTTTTTCAGAGTTGCTTTAAAGTACCTGTAGTGAGAAACTGATTTATGATCACTTGGAAGATTTGTATAGTTTTATAAAACTCAGTTAAAATGTCTGTTTCAATGACCTGTATTTTGCCAGACTTAAATCACAGATGGGTATTAAACTTGTCAGAATTTCTTTGTCATTCAAGCCTGTGAATAAAAACCCTGTATGGCACTTATTATGAGGCTATTAAAAGAATCCAAATTCAAACTAAAAAAAAAAAAAAAAAA (配列番号:15)。
【0268】
19merは、センス鎖の最も5’側の位置、センス鎖の逆相補鎖であるアンチセンス鎖とともに、表4に示されている。
19merを、試験対象のsiRNAを設計するためのコア出発配列として使用した。
【0275】
上記の表4のコア開始センス−アンチセンス対を次に二重鎖siRNAとして操作した。そうすることで、センス鎖の最も3’側のヌクレオチドは、全ての場合において、シチジン(C)ヌクレオチドに変化し、その後、標的と同一性を有する18個のヌクレオチドのみ残った。
【0276】
次いで、センス鎖およびアンチセンス鎖のそれぞれの3’末端のジヌクレオチド末端を付加して、表5の二重鎖を作製した。
【0284】
次いで、siRNAをアニールし、SOD1ノックダウンについて試験する。
実施例4:SOD1を標的とするpri−microRNAあるいはpre−microRNA
実施例3の実験から有効であることが判明したSOD1 siRNAのパッセンジャー/ガイド鎖二重鎖を発現ベクターに操作し、中枢神経系または神経細胞系の細胞にトランスフェクトする。siRNAノックダウン試験で利用されるオーバーハングは、siRNAのための古典的dTdTであるけれども、合成されたpri−miRあるいはpre−miRにおけるオーバーハングは、任意のジヌクレオチドオーバーハングを含み得る。
【0285】
使用される細胞は、初代細胞または多能性幹細胞(iPS細胞)に由来するものであってもよい。
v次に、SOD1ノックダウンを測定し、ディープシーケンスを行って、発現ベクターに投与された各pri−microRNAあるいはpre−microRNAからプロセッシングされたパッセンジャー鎖およびガイド鎖を決定する。
【0286】
ノックダウン、例えばRNA誘導性サイレンシング複合体(RISC)プロセッシングの有効性を明らかにするため、パッセンジャー鎖に対するガイド鎖比を算出する。
N末端を配列決定して分裂部位を決定し、標的の均質な分裂の割合を算出する。分裂率は90%を上回ることが予想される。
【0287】
並行試験でHeLa細胞を同時にトランスフェクションし、SOD1のin vitroノックダウンを分析する。オフターゲット効果を明らかにするため対照としてルシフェラーゼ構築物を用いる。
【0288】
ディープシーケンスを再度実施する。
実施例5:SOD1を標的とするpri−microRNAあるいはpre−microRNA
本発明によれば、priおよびpre−microRNAが設計された。これらを表6A、6B、7Aおよび7Bに示す。配列は5’から3’の方向で記述され、ステムループ構造の領域はその順序で表内で分割されている。表7Aおよび7Bにおいて、配列の名称の「miR」成分は、必ずしもmiRNA遺伝子の配列番号付けに対応するわけではない(例えば、VOYmiR−101は配列の名称である場合に、miR−101がその配列の一部であることを必ずしも意味していない)。
【0296】
実施例6:SOD1を標的とするPriおよびpre−microRNA;in vivo試験
In vivo試験を実施して、実施例5のpri− または pre−microRNA構築物の有効性を試験する。
【0297】
表8は、検討すべき実験的設計変数の概要を示している。
調節性核酸(priまたはpre−microRNA)の設計は、miR30に由来するループ領域を含み、ステム領域は、let7に由来するか、バルジ、ミスマッチおよびアシンメトリー領域が異なるパッセンジャー鎖の様々な組み合わせに由来する。
【0299】
実施例7:AAV−miRNAベクターにおけるpri−miRNA構築物
表7に記載のSOD1 siRNAのパッセンジャー/ガイド鎖二重鎖をAAV−miRNA発現ベクターに操作する。ITRからITRへの構築物(5’から3’)は、突然変異体ITR、プロモーター(CMVie、U6またはCB6プロモーターのいずれか;これらには、CMVieエンハンサー、CBAプロモーターおよびSV40イントロンが含まれる)、表7記載のpri−miRNA構築物、ウサギグロビンポリAおよび野生型ITRからなる。In vitroおよびin vivo試験を実施し、AAV−miRNA発現ベクターの有効性を検証する。
【0300】
実施例8:HeLa細胞におけるpri−miRNA構築物の活性
実施例7に記載されたpri−miRNA構築物の7つ(VOYmiR−103、VOYmiR−105、VOYmiR−108、VOYmiR−114、VOYmiR−119、VOYmiR−120、およびVOYmiR−127)と二重鎖mCherry対照とをHeLaにトランスフェクトし、構築物の活性を試験した。
【0301】
A.パッセンジャーおよびガイド鎖の活性
これらの7つのpri−miRNA構築物と二重鎖mCherry対照とをHeLa細胞にトランスフェクトした。48時間後、内在性mRNA発現を評価した。pri−miRNA構築物の7つはすべて、ガイド鎖の活性が高く、75〜80%のノックダウンを伴っていたが、パッセンジャー鎖の活性は低いかまたは無かった。miRNA候補ベクターのガイド鎖は高い活性を示し、SOD1の75〜80%ノックダウンをもたらしたが、パッセンジャー鎖はほとんど活性を示さなかった。
【0302】
B.SOD1上のmiRNAの活性
7つのpri−miRNA構築物および二重鎖mCherry(dsmCherry)対照を、HeLa細胞に、1e4 vg/細胞、1e3 vg/細胞、または1e2 vg/細胞の感染多重度(MOI)でトランスフェクトした。72時間後、内在性mRNA発現を評価した。pri−miRNA構築物の7つ全てが、1e3 vg/細胞の濃度で効率的なノックダウンを示した。pri−miRNA構築物の大部分は、
図2に示すように、高い活性(75〜80%ノックダウン)を示した。
【0303】
実施例9:pri−miRNA構築物の活性
実施例7に記載されたpri−miRNA構築物の30個(VOYmiR−102.860,VOYmiR−102.861,VOYmiR−102.866,VOYmiR−102.870,VOYmiR−102.823,VOYmiR−104.860,VOYmiR−104.861,VOYmiR−104.866,VOYmiR−104.870,VOYmiR−104.823,VOYmiR−109.860,VOYmiR−109.861,VOYmiR−109.866,VOYmiR−109.870,VOYmiR−109.823,VOYmiR−114.860,VOYmiR−114.861,VOYmiR−114.866,VOYmiR−114.870,VOYmiR−114.823,VOYmiR−116.860,VOYmiR−116.861,VOYmiR−116.866,VOYmiR−116.870,VOYmiR−116.823,VOYmiR−127.860,VOYmiR−127.861,VOYmiR−127.866,VOYmiR−127.870,VOYmiR−127.823)と VOYmiR−114および二重鎖mCherryの対照とを細胞にトランスフェクトし、構築物の活性を試験した。
【0304】
A.HEK293のパッセンジャーおよびガイド鎖の活性
30個のpri−miRNA構築物および2個の対照をHEK293T細胞にトランスフェクトした。24時間後、内在性mRNA発現を評価した。pri−mRNA構築物の大部分は、ガイド鎖の活性が高かったが(
図3)、パッセンジャー鎖の活性は低いかまたは無かった(
図4)。
【0305】
B.HeLaのパッセンジャーおよびガイド鎖の活性
30個のpri−miRNA構築物および2個の対照をHeLa細胞にトランスフェクトした。48時間後、内在性mRNA発現を評価した。pri−mRNA構築物の大部分は、ガイド鎖の活性が高かったが(図(
図5)、パッセンジャー鎖の活性が低いかまたは無かった(
図6)。
【0306】
C.HelAおよびHEK293の相関
30個のpri−miRNAのノックダウン効果は、HeLa細胞とHEK293細胞との間で同様であった。30個のpri−miRNA構築物は、構築物のガイド鎖についてのノックダウン効果を示した(
図3および
図5を参照せよ)。pri−miRNA構築物のガイド鎖の大部分は、70〜90%のノックダウン効果を示した。
【0307】
D.カプシドの選択
HeLaおよびHEK293由来の最良のpri−miRNA構築物を、AAVにパッケージングし、HeLa感染に付した。当該構築物をパッケージするのに最適なAAVを決定するために、AAV2またはAAV−DJ8のいずれかにパッケージングしたmCherryを、10μg/細胞、1e2vg/細胞、1e3vg/細胞、1e4vg/細胞または1e5vg/細胞のMOIでHeLa細胞に感染させ、発現を40時間後に評価した。AAV2を、最良のpri−miR構築物をパッケージするためのキャプシドとして選択した。
【0308】
E.AAV2産生
HeLaおよびHEK293由来の最良のpri−miRNA構築物をAAV2(1.6kb)にパッケージし、二重鎖mCherry(dsmCherry)対照もパッケージした。パッケージした構築物は、分析前にイドオキシアルカノール精製を行った。AAVの力価を表9に示す。
【0310】
HeLa細胞におけるSOD1ノックダウンに対する形質導入の効果を
図7に示す。さらに、HeLa細胞において、より大きいMOI(1.0E+05に1.0E+04を比較)では、全ての構築物についてノックダウンの増加を示さなかった。
【0311】
F.ヒト運動ニューロン前駆細胞(HMNP)における構築物の活動
実施例9Eに記載された最良の18個のpri−miRNA構築物とmCherryの対照とを、10E5のMOIでヒト運動ニューロン前駆細胞(HMNP)細胞に感染させた。48時間後、内在性mRNA発現を評価した。構築物の約半分が、HMNP中のSOD1の50%以上のサイレンシングをもたらし、そのうちの4つは70%以上のサイレンシングをもたらした(
図8)。
【0312】
G.インビボ試験用の構築物の選抜
標的配列に大きな影響を及ぼし、カセットに軽微な影響しか及ぼさない上位12個のpri−miRNAパッケージ化構築物を選択した。AAV−rh10キャプシド内にパッケージングされた構築物を注射用に製剤し、構築物が及ぼすin vivoへの影響を試験するため哺乳類に投与した。
【0313】
H.種々の細胞株における活性
pri−miRNAパッケージ化構築物の活性を、HeLa、SH−SY5Y、U87MGおよび初代ヒト星状細胞において試験した。HeLa細胞における活性は、1〜5pMの範囲であった。SH−SY5Y細胞における活性は13〜17pMの範囲であった。U87MG細胞における活性は約1pMであった。初代ヒト星状細胞の活性は49〜123pMの範囲であった。
【0314】
実施例10:Pri−miRNAのIn Vitro試験
実施例9Dに記載の18個のpri−miRNAおよびmCherry対照をAAV2にパッケージングし、この試験に使用した。この試験には、培地(500mlのDMEM/F−12 GLUTAMAX(商標)補充物(Life Technologies、Cat#.10565−018)、50mlのFBS(Life Technologies、Cat#16000−044、lot:1347556)、5mlのMEM非必須アミノ酸溶液(100x)(Cat.# 11140−050)、および5mlのHEPES(1M)(Life Technologies、Cat#15630−080))中のHEK293T細胞(Fisher Scientific、Cat.# HCL4517)、培地(500 ml のDMEM/F−12 GLUTAMAXTM補充物(Life Technologies、Cat#.15630−080)、50mlのFBS(Life Technologies、Cat#16000−044、lot:1347556)、5mlのMEM非必須アミノ酸溶液(100x)(Cat.# 11140−050)、および5mlのHEPES(1M)(Life Technologies、Cat#15630−080))中で培養したU251MG細胞(P18)(Sigma,Cat#.09063001−1VL)、または、AGM SingleQuot Kit Suppl&Growth Factor(Lonza、Cat# CC−4123)を補充した培地(ABM Basal Medium 500 ml(Lonza、Cat# CC−3186))中の正常ヒトアストロサイト(HA)(Lonza、Cat# CC−2565)を用いて構築物を試験した。HEK293T細胞(96ウェルプレートに5×10E4細胞/ウェル)、U251MG細胞(96ウェルプレートに2×10E4細胞/ウェル)およびHA細胞(96ウェルプレートに2×10E4細胞/ウェル)を播種し、細胞の感染に使用したMOIは1.0E+05であった。48時間後、細胞を分析した。その結果を表10に示す。
【0317】
ほとんどの構築物について、HEK293T細胞において80%以上のノックダウンが観察された。U251MG細胞およびHA細胞において、構築物の半分以上が80%を超えるノックダウンを示した。
【0318】
実施例11:用量依存性のSOD1の減少
実施例9Eに記載されている18個のpri−miRNA構築物の4つとmCherryの対照を、1.0E+02、1.0E+03、1.0E+04、1.0E+05あるいは1.0E+06のMOIで、ヒト星状細胞株(U251MG)または初代ヒト星状細胞(HA)にトランスフェクトした。48時間後、内因性mRNA発現および用量依存性サイレンシングを評価し、その結果を
図9(U251MG)および
図10(HA)に示す。すべての構築物について、用量の増加はまた、ノックダウンされたSOD1 mRNAの量の増加と相関した。
【0319】
実施例12:SOD1ノックダウンの時間的経過
SOD1 siRNAの陰性対照および陽性対照である2つのpri−miRNA構築物(VOYmiR−120およびVOYmiR−122)を、ヒト星状細胞株(U251MG)にトランスフェクトした。
図10に示すように、相対SOD1 mRNAを60時間測定した。11.hSOD1のノックダウンのうち70〜75%は、Nucleofectorトランスフェクション後の両方のpri−miR構築物について見られたが、中でも12〜24時間の間に最大のノックダウンを示した。
【0320】
実施例13:SOD1ノックダウンと鎖のパーセント
VOYmiR−104を、50pM、100 pMおよび150 pMの濃度で、HeLa細胞にトランスフェクトし、未処理(UT)細胞と比較した。相対的なSOD1 mRNA、ガイド鎖のパーセントおよびパッセンジャー鎖のパーセントを、
図11A−11Cに示すように、36、72、108および144時間で決定した。12A−12C.最も高い濃度(150pM)は発現の最大低下を示したが、3つの用量すべてがSOD1の発現の有意な減少を示した。
【0321】
実施例14:SOD1を標的とするPri−miRNA
Pri−miRNAは、イヌSOD1のために設計され、その構築物を表11に示す。イヌSOD1は、本発明で標的とする領域において、ヒトと100%保存されている。配列は5’から3’の方向で記述され、ステムループ構造の領域はその順序で表内で分割されている。表11において、配列名の「miR」成分は、必ずしもmiRNA遺伝子の配列番号に対応するとは限らない(例えば、dVOYmiR−102が配列名である場合に、それは必ずしもmiR−102が配列の一部であることを意味しない)。
【0323】
実施例15:調節ポリヌクレオチドの位置が及ぼす影響
A.ウイルス力価への影響
調節性ポリヌクレオチド(VOYmiR−114またはVOYmiR−126)を、発現ベクター(ゲノムサイズ約2400ヌクレオチド;scAAV)の
図13に示す6つの異なる部位に挿入した。ここで、「ITR」は逆方向末端反復を表し、「I」はイントロンを表し、「P」はポリAを表し、「MP」は調節性ポリヌクレオチドを表す。
図13においてウイルス力価を、TaqMan PCRを用いて6つの部位および対照(調節性ポリヌクレオチドを含まない構築物;scAAV)について評価し、その結果を表12に示す。
【0326】
B.ゲノムの完全性への影響
調節性ポリヌクレオチド(VOYmiR−114)を、発現ベクター(ゲノムサイズ約2400ヌクレオチド;scAAV)の
図13に示す6つの異なる部位、および調節性ポリヌクレオチドを含まない対照(scAAV)に挿入した。
図13において精製されたAAV調製物からウイルスゲノムを抽出し、中性アガロースゲル上に流した。短縮型ゲノムが全ての構築物で見られた。短縮型ゲノムのおよそのパーセント(総数に対するパーセント)を表13に示す。
【0328】
短縮型ゲノムは位置6が最大値であり位置4および5が最小値だった。
C.ノックダウン効率への影響
調節性ポリヌクレオチド(VOYmiR−114)を、発現ベクター(AAV2)(ゲノムサイズ約2400ヌクレオチド;scAAV)の
図13に示す6つの異なる部位に挿入した。
図13において1x10
4vg/cell,1x10
3vg/cellおよび1x10
2vg/cellでHeLa細胞の形質導入を実施した。SOD1 mRNA発現(対照eGFPの%として)を感染72時間後に測定した。その結果を表14に示す。
【0331】
位置3は最も高いSOD1 mRNA発現を示し(対照の%として)、位置4は最も低いSOD1 mRNA発現を示した(対照の%として)。
実施例16:ゲノムサイズの影響
A.ウイルス力価への影響
調節性ポリヌクレオチド(VOYmiR−114)を、発現ベクター(AAV2)(ゲノムサイズ約2400ヌクレオチド;scAAV)の
図13に示す部位1、2、5、および6に挿入した。
図13において調節性ポリヌクレオチドを含まない二重鎖対照(ゲノムサイズ1.6kb;scAAV ctrl)と、二重鎖発現ベクター(scAAV miR114;ITR(105ヌクレオチド)−プロモーター(〜900ヌクレオチド)−調節性ポリヌクレオチド(158ヌクレオチド)−ポリA配列(127ヌクレオチド)およびITR)と、調節性ポリヌクレオチドを含まない対照(eGFP;scAAV)とを比較した。ウイルス力価をTaqMan PCRを用いて評価した。その結果を表15に示す。
【0333】
位置5の構築物で最も低いウイルス力価、位置2の構築物で最も高いウイルス力価が観察された。
B.ゲノムの完全性への影響
調節性ポリヌクレオチド(VOYmiR−114)を、発現ベクター(AAV2)(ゲノムサイズ約2400ヌクレオチド;scAAV)の
図13に示す部位1、2、5、および6に挿入した。
図13において調節性ポリヌクレオチドを含まない二重鎖対照(ゲノムサイズ1.6kb;scAAV ctrl)と、二重鎖発現ベクター(scAAV miR114;ITR(105ヌクレオチド)−プロモーター(〜900ヌクレオチド)−調節性ポリヌクレオチド(158ヌクレオチド)−ポリA配列(127ヌクレオチド)およびITR)と、調節性ポリヌクレオチドを含まない対照(eGFP;scAAV)とを比較した。短縮型ゲノムはすべての構築物で見られるが、その短縮型ゲノムのおよそのパーセント(合計のパーセント)を表16に示す。
【0335】
全ての構築物はいくつかの短縮型ゲノムを有することが断定された。
さらなる試験を行い、異なる調節性ポリヌクレオチドの効果を決定した。VOYmiR−114およびVOYmiR−126を、3’ITR(順方向)付近に調節性ポリヌクレオチドを有する別個の複数の発現ベクター(ゲノムサイズ1.6kb;scAAV)に挿入した。VOYmiR−114構築物の場合、ベクターゲノムの5’末端(1526ヌクレオチド)と調節ポリヌクレオチドの中心(可撓性ループの中央)の間の距離は1115ヌクレオチドである。VOYmiR−126構築物の場合、ベクターゲノムの5’末端(1626ヌクレオチド)と調節ポリヌクレオチドの中心(可撓性ループの中央)との間の距離は1164ヌクレオチドである。
【0336】
VOYmiR−114構築物について、ウイルス力価(15cm培養皿当たりのVG)は約1.1E+11であった。VOYmiR−126構築物について、イントロンプローブウイルス力価(15cm培養皿当たりのVG)は約1.2E+12であった。対照は約2.1E+11(15cm培養皿当たりのVG)であった。VOYmir−114は約20%の短縮型ゲノムを有し、VOYmiR−126は約15%の短縮型ゲノムを有し、対照は約5%の短縮型ゲノムを有した。
【0337】
実施例17:一本鎖構築物の影響
A.ウイルス力価への影響
調節性ポリヌクレオチド(VOYmiR−114)を、発現ベクター(ゲノムサイズ4.7 kb;ssAAV)の
図13に示す部位1、3、および5に挿入した。また、調節性ポリヌクレオチドを含まない対照(ゲノムサイズ2kb;ssAAV)も試験した。
図13においてウイルス力価をTaqMan PCRを用いて評価した。その結果を表17に示す。
【0339】
位置3が最も高いウイルス力価を示し、位置1そして位置5の順で続いた。
B.ゲノムの完全性への影響
調節性ポリヌクレオチド(VOYmiR−114)を、発現ベクター(ゲノムサイズ4.7 kb;ssAAV)の
図13に示す部位1、3、および5に挿入した。また、調節性ポリヌクレオチドを含まない対照(ゲノムサイズ2kb;ssAAV)も試験した。
図13において精製されたAAV調製物からウイルスゲノムを抽出し、中性アガロースゲル上に流した。短縮型ゲノムが全ての構築物で見られた。短縮型ゲノムのおよそのパーセント(総数に対するパーセント)を表18に示す。
【0341】
短縮型ゲノムは位置5が最大値であり位置3が最小値であった。
C.ノックダウン効率への影響
調節性ポリヌクレオチド(VOYmiR−114)を、発現ベクター(ゲノムサイズ4.7kb;ssAAV)の
図13に示す部位1、3、および5に挿入した。また、調節性ポリヌクレオチドを含まない対照(ゲノムサイズ2kb;ssAAV)も試験した。さらに、調節性ポリヌクレオチドを含まない一本鎖対照(ゲノムサイズ2kb;ssAAV ctrl)と、調節性ポリヌクレオチドを含まない二重鎖対照(ゲノムサイズ1.6kb;scAAV ctrl)と、二重鎖発現ベクター(scAAV miR114;ITR(105ヌクレオチド)−プロモーター(〜900ヌクレオチド)−調節性ポリヌクレオチド(158ヌクレオチド)−ポリA配列(127ヌクレオチド)およびITR)とを作成した。
図13において1x10
4vg/cell,1x10
3vg/cellおよび1x10
2vg/cellでHeLa細胞の形質導入を実施した。感染72時間後のSOD1 mRNA発現(対照eGFPの%として)を感染の72時間後に測定した。その結果を表19に示す。
【0343】
位置3は最も高いSOD1 mRNA発現(対照の%として)を有し、次いで位置1であり、最も低いSOD1 mRNA発現を有する一本鎖構築物(対照の%として)は位置5であった。一本鎖構築物のいずれも、調節性ポリヌクレオチドを含む二重鎖対照ほど低いノックダウン効率を有さなかった。
【0344】
実施例18:in vivoでのSOD1ノックダウン
pri−miRNAの in vivo生体活動を測定するために、自己相補のpri−miRNA(VOYmiR−114.806、VOYmiR127.806、VOYmiR102.860、VOYmiR109.860、VOYmiR114.860、VOYmiR116.860、VOYmiR127.860、VOYmiR102.861、VOYmiR104.861、VOYmiR109.861、VOYmiR114.861、VOYmiR109.866、VOYmiR116.866、またはVOYmiR127.866)がCBAプロモーターを有するAAV−DJにパッケージングされた。
【0345】
マウスにおいて、これらのパッケージされたpri−miRNAまたはビヒクルのみの対照(5%ソルビトールおよび0.001%F−68を含むリン酸緩衝化生理食塩水)を、10分間の点鼻内注入によって投与した。ヒトSOD1を発現し、体重約20〜30gの雌または雄のTg(SOD1)3Cje/Jマウス(Jackson Laboratory、バーハーバー、メイン州)に線条体を標的とする5μLの被験物質の片側注入をする(ブレグマに対し、前後+0.5mm、中外+2mm。頭蓋骨表面に対し、背腹3.8mm)。被験物質を、33ゲージ針を用いて、予め充填されポンプ制御されたハミルトンマイクロシリンジ(1701モデル、10μl)を用いて、毎分0.5uLで注射する(被験物質当たり5匹の動物)。注射後1、2、3、4または6週間で動物を屠殺し、脳を摘出し、1mmの冠状スラブからの注入部位を包含する同側の線条ならびに隣接する1mmの冠状スラブからの線条体組織を解剖し、瞬間凍結させる。マウス組織サンプルを溶解し、ヒトSOD1タンパク質レベル、SOD1およびマウスGAPDH(mGAPDH)mRNAレベルを定量する。SOD1タンパク質レベルを、ELISA(eBioscience(Affymetrix、サンディエゴ、カリフォルニア州))により定量し、全タンパク質レベルをBCA分析(ThermoFisher Scientific、ウォルサム、マサチューセッツ州)によって定量する。各組織サンプルについて、全タンパク質に対して標準化されたSOD1タンパク質のレベルは、2回の測定の平均値で計算される。これら標準化したSOD1タンパク質レベルをビヒクル群に対してさらに標準化し、次に平均して群(治療群)の平均を得る。SOD1およびmGAPDH mRNAレベルをqRT−PCRによって定量する。各組織サンプルについて、SOD1/mGAPDH(標準化したSOD1 mRNAレベル)の比率を、3回の測定の平均値で計算する。次いで、これらの比率を平均して群(治療群)の平均値を得る。これらの群の平均は、ビヒクル群に対してさらに標準化される。
【0346】
ヒト以外の霊長類においては、被験物質(CBAプロモーターを有するAAV−DJにパッケージされたpri−miRNAの1×10
13−3x10
13vg)またはビヒクルは、髄腔内腰椎ボーラスにより投与される。約2.5〜8.5kgの体重のメスのカニクイザル(Macaca fascicularis、CR Research Model Houston、ヒューストン、テキサス州)には、腰椎に位置するカテーテルの先端を有する移植された単一髄腔内カテーテルを投与する。被験物質を、約60分間隔で、1mLボーラス注射(毎分1mL)を3回投与する(被験物質当たり4匹の動物)。投与後4〜6週間で動物を屠殺し、選択した組織を採取して生物分析および組織学的評価を行う。SOD1タンパク質およびmRNAレベルを、ビヒクル群に対してCBAプロモーターを有するAAV−DJにパッケージングされたpri−miRNAで治療した後の抑制について評価する。
【0347】
実施例19:VOYmiR−114.806を用いたin vivoでのSOD1ノックダウン
Tg(SOD1)3Cje/Jマウスにおいて、CBAプロモーターを含むAAVDJにパッケージングされたVOYmiR−114.806を、実施例18に記載したように投与する。マウスに、一方向性線条体投与によって投与した。投与量は3.7x10
9vgであった。1週間または2週間後、標準化したSOD1タンパク質レベルの有意な減少はなかった。ビヒクル対照群のSOD1タンパク質濃度は、1週間および2週間後にそれぞれ98+11%(標準偏差)および98+10%であった。第3週までに、VOYmiR−114.806は、標準化SOD1タンパク質レベルをビヒクル対照群の84±1%±2%9.0%に減少させたが、これは統計的に有意であった(p<0.05、Dunnettのポストホック分析による一元配置ANOVA)。第4週および第6週までに、VOYmiR−114.806は、正常化SOD1タンパク質レベルをそれぞれビヒクル対照グループの73+7.9%(p<0.0001)および75+7.4%(p<0.0001)減少させた。これらの結果は、CBAプロモーターを有するAAV−DJにパッケージングされたVOYmiR−114.806が、SOD1タンパク質レベルをダウンモジュレーションするのにin vivoで有効であることを実証している。さらに、これらの結果は、CBAプロモーターを有するAAVDJ中にパッケージングされたVOYmiR−114.806の3.7x10
9vgの総線条体用量がSOD1タンパク質レベルの有意なダウンモジュレーションをもたらしたことを実証する。
【0348】
本発明は、記載された幾つかの実施形態に関して、ある程度の長さで、ある程度の特殊性を以て説明されているが、本発明は、そのような特殊性、実施形態、または任意の特定の実施形態に限定されるように意図されておらず、本発明は、添付の特許請求の範囲を参照して解釈されるべきである。その理由は、先行技術を考慮してそのような請求の範囲を可能な限り広く解釈するためであり、また本発明の意図する範囲を効果的に包含するためである。
【0349】
本明細書で言及された全ての刊行物、特許出願、特許およびその他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本明細書が支配する。さらに、セクション見出し、材料、方法、および実施例は、例示的なものに過ぎず、限定することを意図するものではない。
【誤訳訂正書】
【提出日】2017年6月7日
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】請求項1
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【請求項1】
調節性ポリヌクレオチドで次のものを含むもの
(a)ステム−ループ構造を形成するためのステムおよびループであって、前記ステム−ループ構造の配列は、5’から3’の方向に;
(i)前記ステム−ループ構造の5’ステムの基部またはその近くに位置するUGモチーフと;
(ii)パッセンジャー鎖および随意的に5’スペーサー領域を含む5’ステムアーム(前記5’スペーサー領域は、それが存在する場合には、前記UGモチーフと前記パッセンジャー鎖との間に位置している)と;
(iii)ループ領域の5’末端に位置するUGUGモチーフを含むループ領域と;
(iv)ガイド鎖および随意的に3’スペーサー領域を含む3’ステムアーム(前記3’ステムアームでは、ウリジンがガイド鎖の5’末端に存在し、前記3’スペーサー領域は、それが存在する場合には、1つのヘリカルターンを形成するのに十分な長さを有している)と
を含むステムおよびループと;
(b)前記ステム−ループ構造の5’に位置する第1の隣接領域と;および
(c)前記ステム−ループ構造の3’に位置する第2の隣接領域(前記第2の隣接領域はCNNCを含む)。
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】請求項2
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【請求項2】
前記ステム−ループ構造のループ領域が、古典的マイクロRNAに由来する、請求項1に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【誤訳訂正3】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】請求項8
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【請求項8】
前記ガイド鎖が、2位と15位の間に位置するマイクロRNAシード配列を含む、請求項1に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【誤訳訂正4】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】請求項9
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【請求項9】
前記ガイド鎖が、2〜7位、2〜8位または2〜9位に位置するマイクロRNAシード配列を含む、請求項8に記載の調節性ポリヌクレオチド。
【誤訳訂正5】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】請求項18
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【請求項18】
人工のpre−microRNAであって、次のものを含むもの:
(a)ステム−ループ構造を形成するためのステムおよびループであって、前記ステム−ループ構造の配列は、5’から3’の方向に;
(i)パッセンジャー鎖および5’スペーサー領域を含む5’ステムアーム(前記5’スペーサー領域が前記パッセンジャー鎖の5’側に位置している)と;
(ii)ループ領域の5’末端に位置するUGUGモチーフを含むループ領域と;
(iii)ガイド鎖および3’スペーサー領域を含む3’ステムアーム(前記3’ステムアームでは、ウリジンがガイド鎖の5’末端に存在し、前記3’スペーサー領域が1つのらせん状のターンを形成するのに十分な長さを有している)と;
(iv)随意的に、前記ステム−ループ構造の5’ステムの基部またはその近くに位置するUGモチーフ
を含むステムおよびループ。
【誤訳訂正6】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】請求項19
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【請求項19】
人工のpre−microRNAであって、次のものを含むもの:
(a)ステム−ループ構造を形成するためのステムおよびループであって、前記ステム−ループ構造の配列は、5’から3’の方向に;
(i)ガイド鎖および5’スペーサー領域を含む5’ステムアーム(前記5’スペーサー領域が前記ガイド鎖の5’側に位置している)と;
(ii)ループ領域の5’末端に位置するUGUGモチーフを含むループ領域と;
(iii)パッセンジャー鎖および3’スペーサー領域を含む3’ステムアーム(前記3’ステムアームでは、ウリジンがパッセンジャー鎖の5’末端に存在し、前記3’スペーサー領域が1つのらせん状のターンを形成するのに十分な長さを有している)と;
(iv)随意的に、前記ステム−ループ構造の5’ステムの基部またはその近くに位置するUGモチーフ
を含むステムおよびループ。
【誤訳訂正7】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】請求項21
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【請求項21】
組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)構築物を含む、請求項20に記載のベクター。
【誤訳訂正8】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】請求項22
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【請求項22】
請求項21に記載のAAV構築物を含む組換えAAVウイルス。
【誤訳訂正9】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】請求項23
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【請求項23】
AAV1,AAV2,AAV3,AAV4,AAV5,AAV6,AAV7,AAV8,AAV9,AAV9.47,AAV9(hu14),AAV10,AAV11,AAV12,AAVrh8,AAVrh10およびAAV−DJからなる群から選択されるカプシド血清型を含む、請求項22に記載の組換えAAVウイルス。
【誤訳訂正10】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0007
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0007】
本明細書には、調節性ポリヌクレオチドを設計、調製、製造、および/または製剤化するのための組成物、方法、プロセス、キットおよびデバイスが記載されている。
いくつかの実施形態では、このような調節性ポリヌクレオチドは、プラスミドまたはベクターまたは組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)によってコードされるか、またはそれらに含まれていてもよく、当該調節性ポリヌクレオチドは、人工のマイクロRNA、人工のpre−microRNA、および/または人工のpri−microRNA
を含み得る。
【誤訳訂正11】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0014
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0014】
マイクロRNA(すなわち、miRNAまたはmiR)は、19〜25ヌクレオチド長のノンコーディングRNAであり、これは、核酸分子の3’UTRに結合し、核酸分子の安定性を低下させるかまたは翻訳を阻害することによって、遺伝子発現を下方制御する。本発明の調節性ポリヌクレオチドは、1つまたはそれ以上のマイクロRNA配列、マイクロRNAシード、または人工のマイクロRNA(例えばマイクロRNAとして機能する配列)
を含み得る。
【誤訳訂正12】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0015
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0015】
マイクロRNA配列は、「シード」領域
を含む。シード領域とは、すなわち、成熟したマイクロRNAの2〜9位の領域の配列であり、この配列は、miRNA標的配列に対し完全なワトソン・クリック型相補性を有する。マイクロRNAシードは、成熟したマイクロRNAの2〜8位または2〜7位または2〜9位
を含み得る。いくつかの実施形態では、マイクロRNAシードは7ヌクレオチド(例えば、成熟したマイクロRNAのヌクレオチド2〜8)
を含み得、当該のマイクロRNAシードでは、対応するmiRNA標的のシード相補的部位が、マイクロRNAの1位に対向するアデニン(A)に隣接している。いくつかの実施形態では、マイクロRNAシードは6ヌクレオチド(例えば、成熟したマイクロRNAのヌクレオチド2〜7)
を含み得、当該のマイクロRNAシードでは、対応するmiRNA標的のシード相補的部位が、マイクロRNAの1位に対向するアデニン(A)に隣接している。例えば、以下を参照せよ:Grimson A,Farh KK,Johnston WK,Garrett−Engele P,Lim LP,Bartel DP;Mol Cell.2007 Jul 6;27(1):91−105;(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。天然に存在するマイクロRNAにおいては、マイクロRNAシードの塩基は、標的配列と完全な相補性を有する。
【誤訳訂正13】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0019
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0019】
上記のモジュールまたは配列モチーフに加えて、調節性ポリヌクレオチドは、パッセンジャー鎖およびガイド鎖の少なくとも1つまたは双方
を含む。パッセンジャー鎖およびガイド鎖は、調節性ポリヌクレオチドのステムループ構造の5’アームまたは3’アーム上に配置され得るか、または位置し得る。
【誤訳訂正14】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0022
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0022】
一実施形態において、調節性ポリヌクレオチドは、ガイド鎖のmiRNAシードマッチ
を含む。別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、パッセンジャー鎖のmiRNAシードマッチ
を含む。さらに別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、ガイド鎖またはパッセンジャー鎖のシードマッチを含まない。
【誤訳訂正15】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0036
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0036】
本明細書中で使用される場合、「分子骨格」は、それに続く分子を設計または作製するための配列または構造的基礎を形成するフレームワークまたは出発分子を指す。
図1参照。本発明の調節性ポリヌクレオチドは、図示されているように、pri−miRとして設計され得る。この図には、pri−miR分子骨格が示されている。ペイロード(例えば、本明細書に記載のsiRNA、miRNAまたはその他のRNAi剤)
を含む調節性ポリヌクレオチドは、先行する5’隣接配列
を含み、この5’隣接配列は、任意の長さを有し、野生型マイクロRNA配列にその全体がまたは一部分が由来するものであってもよいし、また完全に人工的であってもよい。
【誤訳訂正16】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0038
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0038】
図示されたステムループ構造のステムを形成することは、少なくとも1つのペイロード配列の最小値である。いくつかの実施形態では、ペイロード配列は、部分的に相補的であるかまたは標的配列にハイブリダイズする少なくとも1つの核酸配列
を含む。いくつかの実施形態では、ペイロードは野生型マイクロRNAである。いくつかの実施形態では、ペイロードは、siRNA分子またはsiRNA分子の断片である。いくつかの実施形態では、ペイロードは、1つまたはそれ以上のマイクロRNA、人工マイクロRNA、またはsiRNA
を含み得る実質的に二重鎖の構築物である。
【誤訳訂正17】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0039
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0039】
いくつかの実施形態において、ステムループの5’アームはパッセンジャー鎖
を含む。この鎖は、標的との同一性を反映する点でセンス鎖としても知られている。パッセンジャー鎖は、15〜30ヌクレオチドの長さであり得る。パッセンジャー鎖は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチドの長さであり得る。
【誤訳訂正18】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0040
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0040】
いくつかの実施形態において、ステムループの3’アームは、ガイド鎖
を含む。この鎖は、標的との相同性を反映する点でアンチセンス鎖としても知られている。ガイド鎖は、15〜30ヌクレオチドの間の長さ、21〜25ヌクレオチドの間の長さ、または22ヌクレオチドの長さであってよい。パッセンジャー鎖は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチドの長さであり得る。いくつかの例では、ガイド鎖は、5’末端の「G」ヌクレオチド
を含む。
【誤訳訂正19】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0041
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0041】
いくつかの実施形態では、ガイド鎖がマイクロRNAまたは人工マイクロRNA
を含む場合、ガイド鎖は1つまたはそれ以上のマイクロRNAシード配列
を含み得る。このシード配列は、ガイド鎖の最初の5’ヌクレオチドに対して、またはダイサー切断部位に対して、ガイド鎖の2〜7位、2〜8位、または2〜9位に位置していてよい。
【誤訳訂正20】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0044
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0044】
いくつかの実施形態では、ループは、少なくとも1つのUGUGモチーフ
を含む。いくつかの実施形態では、UGUGモチーフは、ループの5’末端に位置する。
1つまたはそれ以上のモジュールを互いに分離するために、調節性ポリヌクレオチドにスペーサー領域が存在してもよい。そのようなスペーサー領域は、1つまたはそれ以上存在してもよい。
【誤訳訂正21】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0049
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0049】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、ステムの基部にある少なくとも1つのUGモチーフ
を含み、それによってGヌクレオチドが対になっており、Uヌクレオチドは対になっていない。いくつかの実施形態では、対になっていないUヌクレオチドは隣接配列に位置している。
【誤訳訂正22】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0050
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0050】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチドは、5’から3’の方向に、それぞれ1個の5’隣接配列、5’アーム、ループモチーフ、3’アームおよび3’隣接配列
を含む。非限定的な一例として、5’アームはパッセンジャー鎖
を含み、3’アームはガイド鎖
を含む。別の非限定的な一例において、5’アームはガイド鎖
を含み、3’アームはパッセンジャー鎖
を含む。
【誤訳訂正23】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0054
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0054】
一実施形態では、ペイロード構築物の分子骨格は、5’隣接領域、ループモチーフおよび3’隣接領域
を含む。5’隣接領域とループモチーフとの間に、第1のペイロード領域が存在し、ループモチーフと3’隣接領域との間には、第2のペイロード領域が存在し得る。第1および第2のペイロード領域は、本明細書に記載のsiRNA、miRNAまたはその他のRNAi剤、断片または変異体
を含み得る。第1および第2のペイロード領域はまた、互いに同じ、異なる、または相補的な配列
を含み得る。非限定的な一例として、第1ペイロード領域配列は、siRNA構築物のパッセンジャー鎖であり得、第2ペイロード領域配列は、siRNA構築物のガイド鎖であり得る。パッセンジャー配列とガイド配列とは、互いに実質的に相補的であり得る。別の非限定的な一例として、第1のペイロード領域配列は、siRNA構築物のガイド鎖であり得、第2のペイロード領域配列は、siRNA構築物のパッセンジャー鎖であり得る。パッセンジャー配列とガイド配列とは、互いに実質的に相補的であり得る。
【誤訳訂正24】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0055
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0055】
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドの分子骨格は、5’隣接領域、ループ領域および3’隣接領域
を含む。本明細書に記載される分子骨格に使用され得る5’隣接領域、ループ領域および3’隣接領域の配列の非限定的な例を表1〜3に示す。
【誤訳訂正25】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0059
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0059】
表1〜3に記載されている領域のいずれも、本明細書に記載されている分子骨格に使用することができる。
一実施形態では、分子骨格は、表1に表示されている1つの5’隣接領域
を含み得る。非限定的な一例として、分子骨格は、5’隣接領域5F1,5F2,5F3または5F4
を含み得る。
【誤訳訂正26】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0060
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0060】
一実施形態では、分子骨格は、表2に表示されている1つのループモチーフ領域
を含み得る。非限定的な一例として、分子骨格は、ループモチーフ領域L1、L2、L3、L4またはL5
を含み得る。
【誤訳訂正27】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0061
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0061】
一実施形態では、分子骨格は、表3に表示されている1つの3’隣接領域
を含み得る。非限定的な一例として、分子骨格は、3’隣接領域3F1,3F2,3F3,3F4,3F5または3F6
を含み得る。
【誤訳訂正28】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0062
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0062】
一実施形態では、分子骨格は、表1および表2に記載されているように、少なくとも1つの5’隣接領域および少なくとも1つのループモチーフ領域
を含み得る。非限定的な一例として、分子骨格は、5F1とL1、5F1とL2、5F1とL3,5F1とL4,5F1とL5、5F2とL1、5F2とL2、5F2とL3、5F2とL4、5F2およびL5、5F3とL1、5F3とL2、5F3とL3、5F3とL4、5F3とL5、5F4とL1、5F4とL2、5F4とL3,5F4とL4、または5F4とL5
を含み得る。
【誤訳訂正29】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0063
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0063】
一実施形態では、分子骨格は、表2および3に記載されているように、少なくとも1つの3’隣接領域および少なくとも1つのループモチーフ領域
を含み得る。非限定的な一例として、分子骨格は、3F1とL1、3F1とL2、3F1とL3、3F1とL4、3F1とL5、3F2とL1、3F2とL2、3F2とL3、3F2とL4、3F2とL5、3F3とL1,3F3とL2、3F3とL3,3F3とL4,3F3とL5、3F4とL1、3F4とL2、3F4とL3、3F4とL4、3F4とL5、3F5とL1、3F5とL2、3F5とL3、3F5とL3、3F5とL4、3F5とL5、3F6とL1、3F6とL2、3F6とL3、3F6とL4、3F6とL5
を含み得る。
【誤訳訂正30】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0064
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0064】
一実施形態では、分子骨格は、表1および表3に記載されているように、少なくとも1つの5’隣接領域および少なくとも3’隣接領域
を含み得る。非限定的な一例として、分子骨格は、5F1と3F1,5F1と3F2,5F1と3F3,5F1と3F4,5F1と3F5,5F1と3F6、5F2と3F1,5F2と3F2,5F2と3F3,5F2と3F4,5F2と3F5,5F2と3F6、5F3と3F1,5F3と3F2,5F3と3F3,5F3と3F4,5F3と3F5,5F3と3F6、5F4と3F1,5F4と3F2,5F4と3F3,5F4と3F4,5Fと3F5,5F4と3F6
を含み得る。
【誤訳訂正31】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0065
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0065】
一実施形態では、分子骨格は、少なくとも1つの5’隣接領域、少なくとも1つのループモチーフ領域および少なくとも1つの3’隣接領域
を含み得る。非限定的な一例として、分子骨格は、5F1、L1および3F1;5F1、L1および3F2;5F1、L1および3F3;5F1、L1および3F4;5F1、L1および3F5;5F1、L1および3F6;5F2、L1および3F1;5F2、L1および3F2;5F2、L1および3F3;5F2、L1および3F4;5F2、L1および3F5;5F2、L1および3F6;5F3、L1および3F1;5F3、L1および3F2;5F3、L1および3F3;5F3、L1および3F4;5F3、L1および3F5;5F3、L1および3F6;5F4、L1および3F1;5F4、L1および3F2;5F4、L1および3F3;5F4、L1および3F4;5F4、L1および3F5;5F4、L1および3F6;5F1、L2および3F1;5F1、L2および3F2;5F1、L2および3F3;5F1、L2および3F4;5F1、L2および3F5;5F1、L2および3F6;5F2、L2および3F1;5F2、L2および3F2;5F2、L2および3F3;5F2、L2および3F4;5F2、L2および3F5;5F2、L2および3F6;5F3、L2および3F1;5F3、L2および3F2;5F3、L2および3F3;5F3、L2および3F4;5F3、L2および3F5;5F3、L2および3F6;5F4、L2および3F1;5F4、L2および3F2;5F4、L2および3F3;5F4、L2および3F4;5F4、L2および3F5;5F4、L2および3F6;5F1、L3および3F1;5F1、L3および3F2;5F1、L3および3F3;5F1、L3および3F4;5F1、L3および3F5;5F1、L3および3F6;5F2、L3および3F1;5F2、L3および3F2;5F2、L3および3F3;5F2、L3および3F4;5F2、L3および3F5;5F2、L3および3F6;5F3、L3および3F1;5F3、L3および3F2;5F3、L3および3F3;5F3、L3および3F4;5F3、L3および3F5;5F3、L3および3F6;5F4、L3および3F1;5F4、L3および3F2;5F4、L3および3F3;5F4、L3および3F4;5F4、L3および3F5;5F4、L3および3F6;5F1、L4および3F1;5F1、L4および3F2;5F1、L4および3F3;5F1、L4および3F4;5F1、L4および3F5;5F1、L4および3F6;5F2、L4および3F1;5F2、L4および3F2;5F2、L4および3F3;5F2、L4および3F4;5F2、L4および3F5;5F2、L4および3F6;5F3、L4および3F1;5F3、L4および3F2;5F3、L4および3F3;5F3、L4および3F4;5F3、L4および3F5;5F3、L4および3F6;5F4、L4および3F1;5F4、L4および3F2;5F4、L4および3F3;5F4、L4および3F4;5F4、L4および3F5;5F4、L4および3F6;5F1、L5および3F1;5F1、L5および3F2;5F1、L5および3F3;5F1、L5および3F4;5F1、L5および3F5;5F1、L5および3F6;5F2、L5および3F1;5F2、L5および3F2;5F2、L5および3F3;5F2、L5および3F4;5F2、L5および3F5;5F2、L5および3F6;5F3、L5および3F1;5F3、L5および3F2;5F3、L5および3F3;5F3、L5および3F4;5F3、L5および3F5;5F3、L5および3F6;5F4、L5および3F1;5F4、L5および3F2;5F4、L5および3F3;5F4、L5および3F4;5F4、L5および3F5;または5F4、L5および3F6
を含み得る。
【誤訳訂正32】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0066
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0066】
一実施形態では、分子骨格は、当該分野で公知の1つまたはそれ以上のリンカー
を含み得る。リンカーは、領域間を、または1つの分子骨格を別の分子骨格から分離し得る。非限定的な一例として、分子骨格はポリシストロニックであり得る。
【誤訳訂正33】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0071
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0071】
発現ベクター
一実施形態では、発現ベクター(例えば、AAVベクター)は、本明細書に記載の分子骨格の少なくとも1つ
を含む調節性ポリヌクレオチドの少なくとも1つ
を含み得る。
【誤訳訂正34】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0072
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0072】
一実施形態では、発現ベクターは、ITRからITR5’から3’まで、ITR、プロモーター、イントロン、調節ポリヌクレオチド、ポリA配列およびITRを含み得る。
ゲノムサイズ
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドをコードする核酸配列
を含むベクターゲノムは、一本鎖または二重鎖ベクターゲノムであり得る。ベクターゲノムのサイズは、小、中、大または最大であり得る。さらに、ベクターゲノムは、プロモーターおよびポリAテールを含み得る。
【誤訳訂正35】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0075
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0075】
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチドをコードする核酸配列
を含むベクターゲノムは、中型一本鎖ベクターゲノムであり得る。中程度の一本鎖ベクターゲノムは、サイズが約3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2および4.3kbのように、サイズが3.6から4.3kbであってもよい。非限定的な例として、中程度の一本鎖ベクターゲノムは、4.0kbのサイズであり得る。さらに、ベクターゲノムは、プロモーターおよびポリAテールを含み得る。
【誤訳訂正36】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0087
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0087】
一実施形態では、ベクターゲノムはUBCプロモーター
を含む。UBCプロモーターは、300〜350ヌクレオチドのサイズを有し得る。非限定的な一例として、UBCプロモーターは332ヌクレオチドの長さである。
【誤訳訂正37】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0094
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0094】
一実施形態では、発現ベクターは、エンハンサーエレメント、プロモーターおよび/または5’UTRイントロン
を含む。エンハンサーには、CMVエンハンサーが含まれるがそれに限定されず、プロモーターには、CMV、CBA、UBC、GUSB、NSE、シナプシン、MeCP2、およびGFAPプロモーターが含まれるがそれらに限定されず、5’UTR/イントロンには、SV40およびCBA−MVMが含まれるがそれらに限定されない。非限定的な例として、組み合わせて使用されるエンハンサー、プロモーターおよび/またはイントロンには以下が挙げられる:(1)CMVエンハンサー、CMVプロモーター、SV40 5’UTRイントロン;(2)CMVエンハンサー、CBAプロモーター、SV40 5’UTRイントロン;(3)CMVエンハンサー、CBAプロモーター、CBA−MVM 5’UTRイントロン;(4)UBCプロモーター;(5)GUSBプロモーター;(6)NSEプロモーター;(7)シノプシンプロモーター;(8)MeCP2プロモーターおよび(9)GFAPプロモーター。
【誤訳訂正38】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0097
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0097】
細胞への導入
本発明の調節性ポリヌクレオチドは、様々なアプローチのいずれかを用いて宿主細胞に導入することができる。調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターによる感染が影響され得る。適切なウイルスベクターの例には、複製欠損レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ベクター、およびレンチウイルスベクターが挙げられる。
【誤訳訂正39】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0098
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0098】
本発明によれば、治療および/または診断に使用するためのウイルスベクターは、目的の核酸ペイロードまたはカーゴの形質導入に必要な最小構成要素まで蒸留または還元されたウイルス
を含む。
【誤訳訂正40】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0100
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0100】
本明細書中で使用されている「ベクター」という語は、本発明の調節性ポリヌクレオチドのような異種分子を輸送、形質導入、またはそのキャリアとして作用する任意の分子または部分を指す。「ウイルスベクター」とは、関心の持たれているペイロード分子をコードするかまたはそれ
を含む1つまたはそれ以上のポリヌクレオチド領域
を含むベクターであり、その例には、導入遺伝子、ポリペプチドまたはマルチポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは調節性核酸が挙げられる。本発明のウイルスベクターは、組換えにより産生されてよく、アデノ随伴ウイルス(AAV)親または参照配列に基づくものであってもよい。本発明において有用であり得る血清型には、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV9.47、AAV9(hu14)、AAV10、AAV11、AAV12、AAVrh8、AAVrh10、AAV−DJおよびAAV−DJ8が含まれる。
【誤訳訂正41】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0101
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0101】
一実施形態において、本発明において有用であり得る血清型は、AAV−DJ8であり得る。AAV−DJ8のアミノ酸配列は、ヘパリン結合ドメイン(HBD)を除去するために、2つまたはそれ以上の突然変異を含んでいてよい。その全体が参照により本発明に組み込まれている内容である、米国特許第7,588,772号の1には、以下の2つの突然変異が含まれる:(1)アミノ酸587におけるアルギニン(R;Arg)がグルタミン(Q;Gln)に変化しているR587Q、および(2)アミノ酸590におけるアルギニン(R;Arg)がスレオニン(T;Thr)に変化しているR590T。別の非限定的な一例として、当該AAV−DJ配列は、以下に示す3つの突然変異
を含んでいてよい:(1)アミノ酸406のリシン(K;Lys)がアルギニン(R;Arg)に変化したK406R、(2)アミノ酸587のアルギニン(R;Arg)がグルタミン(Q;Gln)に変化したR587Q、(3)アミノ酸590のアルギニン(R;Arg)がスレオニン(T;Thr)に変化したR590T。
【誤訳訂正42】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0102
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0102】
AAVベクターはまた、自己相補的AAVベクター(scAAV)
を含んでいてよい。scAAVベクターは、双方のDNA鎖を含み、それらが共にアニーリングし、二本鎖DNAを形成する。第二鎖合成をスキップすることにより、scAAVは細胞内での迅速な発現を可能にする。
【誤訳訂正43】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0112
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0112】
医薬組成物
本明細書の医薬組成物、すなわち投与されるペイロード
を含む調節性ポリヌクレオチド(例えば、AAVなどのウイルスのようなコーディングプラスミドまたは発現ベクター)の記載は、主にヒトへの投与に適した医薬組成物に関するものであるけれども、当業者は、そのような組成物が、一般に、その他の動物(例えば、非ヒト哺乳動物などのヒト以外の動物)への投与に適していることを理解するであろう。医薬組成物を種々の動物への投与に適したものにするために、ヒトへの投与に適した医薬組成物の改変はよく理解されており、通常の熟練した獣医学の薬理学者は、もし実験を行なうとすれば、単に通常の実験でこのような改変を設計および/または実施することができる。当該医薬組成物の投与が企図される対象には、ヒトおよび/または他の霊長類;ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、イヌ、マウスおよび/またはラットのような商業的に関連する哺乳動物を含む哺乳類;および/または家禽、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、および/またはシチメンチョウのような商業的に関連する鳥類を含むが、それらに限定されない。
【誤訳訂正44】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0119
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0119】
本開示による医薬組成物は、バルクで、単一の単位用量として、および/または複数の単一単位用量として調製、包装および/または販売されてよい。本明細書では、「単位用量」という語は、所定量の活性成分
を含む医薬組成物の個別の量を指す。活性成分の量は、一般的に、対象に投与されるであろう活性成分の用量および/またはこのような用量の特定のニーズを満たす一部分(例えば、そのような用量の半分または三分の一)に等しい。
【誤訳訂正45】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0120
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0120】
本開示による医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容される賦形剤および/または任意の追加の成分の相対量は、処置される対象の同一性、サイズおよび/または状態に依存して変化し、さらに組成物が投与されるルートに依存して変化する。例えば、組成物は、0.1%〜99%(w/w)の有効成分
を含んでいてよい。一例として、組成物は、0.1%〜100%(例えば、0.5〜50%、1〜30%、5〜80%、少なくとも80%(w/w))の活性成分
を含んでいてよい。
【誤訳訂正46】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0125
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0125】
不活性成分
いくつかの実施形態では、調節性ポリヌクレオチド製剤は、不活性成分である少なくとも1つの賦形剤
を含み得る。本明細書中では、「不活性成分」という語は、製剤に含まれる1つ以上の不活性薬剤を指す。いくつかの実施形態では、本発明の処方物において使用され得る不活性成分の全てまたは一部は、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されているか、あるいは承認されていない。
【誤訳訂正47】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0127
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0127】
投与
本発明の調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、治療上有効な結果をもたらす任意の経路によって投与することができる。これらの経路には、腸内(腸内に)、胃腸内、硬膜外(硬膜内に)、経口(口を介して)、経皮、経皮、大脳内(大脳内)、脳室内(脳室に入る)、皮膚上への塗布(皮膚への塗布)、皮内(皮膚自体の中)、皮下(皮膚の下)、経鼻投与(鼻を通して)、静脈内(静脈内に)、静脈内ボーラス、静脈点滴(静脈内に)、動脈(動脈内)、筋肉内(筋肉内に)、心臓内(心臓内に)、骨髄内注入(骨髄内に)、くも膜下腔内(脊柱管内)、腹腔内、(腹腔への輸液または注射)、膀胱内注入、硝子体内、(眼を通して)、海綿内注入(病的腔に)、腔内(陰茎の基部に)、膣内投与、子宮内、追加の羊水投与、経皮(全身分布のために無傷の皮膚を通した拡散)、経粘膜(粘膜を通した拡散)、経膣、吹送(吸入)、舌下、唇下、浣腸、点眼(結膜上)、耳下腺内、耳介(耳の中または耳を介して)、口腔(頬に向かって)、結膜、皮膚、歯(1つの歯または複数)、電気浸透、子宮頸部、内皮内、気管内、体外、血液透析、浸潤、間質性、腹腔内、羊水内、関節内、胆道内、気管支内、気管内、軟骨内(軟骨内)、仙骨内(仙骨内)、大槽内(大槽内の小脳髄腔内)、角膜内(角膜内)、歯内膜内、冠状動脈(冠動脈内)、海綿体内(陰茎の海綿体の膨張可能な空間内)、椎間板内(椎間板内)、導管内(腺管内)、十二指腸内(十二指腸内)、硬膜内(硬膜内またはその下)、表皮内(表皮内に)、食道内(食道に)、胃内(胃の内部に)、歯内組織内(歯肉内)、腹腔内(小腸の遠位部分内)、病巣内(局所の病変内または直接の導入)、管腔内(管の内腔内)、胸腔内(リンパ内)、髄内(骨の骨髄腔内)、髄膜内(髄膜内)、眼内(眼内)、卵巣内(卵巣内)、心膜内(心膜内)、胸膜内(胸膜内)、前立腺内(前立腺内)、肺内(肺または気管支内)、内腔(鼻腔または眼窩洞内)、脊髄内(脊柱内)、滑膜内(関節の滑膜腔内)、肩甲骨内(腱内)、精巣内(睾丸内)、髄腔内(脳脊髄軸の任意のレベルの脳脊髄液内)、胸腔内(胸腔内)、管腔内(器官の細管内)、腫瘍内(腫瘍内)、中耳内(オーロス媒体内)、血管内(血管または血管内)、心室内(心室内)、イオントフォレシス(可溶性塩のイオンが身体の組織に移動する電流)、灌漑(開いた創傷または体腔を浸したり洗い流す)、喉頭(喉頭に直接)、経鼻胃(鼻から胃の中に)、閉塞性包帯技術(局所経路投与後その領域を閉塞する包帯によって覆われる)、眼科(外眼に)、口腔咽頭(口および咽頭に直接)、非経口、経皮、関節周囲、硬膜外、回神経、歯周病、直腸、呼吸器(局所的または全身的効果のために経口または鼻吸入によって気道内に)、眼球後ろ(眼窩の後ろ、または眼球の後ろ)軟組織、くも膜下腔、結膜下、粘膜下層、局所、経胎盤(胎盤を通してまたは胎盤を横切って)、経気管(気管の壁を通して)、胸腔鏡(横隔膜腔を横切って、またはそれを通って)、尿管(尿管内)、尿道(尿道内)、膣、尾骨ブロック、診断、神経ブロック、胆道灌流、心臓灌流、フォトフェレーシスまたは脊髄が含まれるがこれらに限定されない。特定の実施形態において、組成物は、それらが血液脳関門、血管関門、またはその他の上皮障壁を越えることができるように投与され得る。一実施形態では、投与経路のための製剤は、少なくとも1つの不活性成分を含んでいてよい。
【誤訳訂正48】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0128
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0128】
投薬
本発明は、本発明によるウイルスベクターおよびそれらの調節性ポリヌクレオチドペイロードまたは複合体を、それを必要とする対象に投与すること
を含む方法を提供する。ウイルスベクターの医薬用、造影用、診断用、または予防用の組成物は、疾患、障害、および/または状態(例えば、作業記憶障害に関連する疾患、障害、および/または状態)を予防、治療、診断または造影するのに有効な任意の量および投与経路を用いて、対象に投与することができる。正確な必要量は、対象の動物種、年齢、および一般的な状態、疾患の重篤度、特定の組成物、その投与様式、その活性様式などに依存して、対象によって異なるであろう。本発明による組成物は、典型的には、投与の容易さおよび投与量の均一性のために、単位剤形で処方される。しかし、本発明の組成物の1日総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定され得ることが理解されるであろう。任意の特定の患者に対する治療上有効な、予防上有効な、または適切なイメージング用量のレベルは、以下を含む様々な要因によって決まる:治療される障害およびその障害の重篤度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康状態、性別および食事;使用される特定の調節性ポリヌクレオチドペイロードの投与時間、投与経路、および排泄速度;治療の持続時間;使用される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物;医学分野でよく知られている同様の要因。
【誤訳訂正49】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0130
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0130】
一実施形態では、本発明による組成物の細胞への投与は、VGをウイルスゲノム、VG/mLを組成物濃度、mL/時間を延長された投与の速度とするとき、[VG/時間 = mL/時間 * VG/mL]によって定義される送達速度
を含む。
【誤訳訂正50】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0133
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0133】
一実施形態では、1用量あたり約10
5から10
6ウイルスゲノム(単位)を投与することができる。
一実施形態では、本発明による組成物の細胞への投与は、
総濃度が約1x10
6 VG/mLから1x10
16 VG/mLである。いくつかの実施形態において、投与は、約1x10
6、2x10
6、3x10
6、4x10
6、5x10
6、6x10
6、7x10
6、8x10
6、9x10
6、1x10
7、2x10
7、3x10
7、4x10
7、5x10
7、6x10
7、7x10
7、8x10
7、9x10
7、1x10
8、2x10
8、3x10
8、4x10
8、5x10
8、6x10
8、7x10
8、8x10
8、9x10
8、1x10
9、2x10
9、3x10
9、4x10
9、5x10
9、6x10
9、7x10
9、8x10
9、9x10
9、1x10
10、2x10
10、3x10
10、4x10
10、5x10
10、6x10
10、7x10
10、8x10
10、9x10
10、1x10
11、2x10
11、3x10
11、4x10
11、5x10
11、6x10
11、7x10
11、8x10
11、9x10
11、1x10
12、1.1x10
12、1.2x10
12、1.3x10
12、1.4x10
12、1.5x10
12、1.6x10
12、1.7x10
12、1.8x10
12、1.9x10
12、2x10
12、2.1x10
12、2.2x10
12、2.3x10
12、2.4x10
12、2.5x10
12、2.6x10
12、2.7x10
12、2.8x10
12、2.9x10
12、3x10
12、3.1x10
12、3.2x10
12、3.3x10
12、3.4x10
12、3.5x10
12、3.6x10
12、3.7x10
12、3.8x10
12、3.9x10
12、4x10
12、4.1x10
12、4.2x10
12、4.3x10
12、4.4x10
12、4.5x10
12、4.6x10
12、4.7x10
12、4.8x10
12、4.9x10
12、5x10
12、6x10
12、7x10
12、8x10
12、9x10
12、1x10
13、2x10
13、3x10
13、4x10
13、5x10
13、6x10
13、6.7x10
13、7x10
13、8x10
13、9x10
13、1x10
14、2x10
14、3x10
14、4x10
14、5x10
14、6x10
14、7x10
14、8x10
14、9x10
14、1x10
15、2x10
15、3x10
15、4x10
15、5x10
15、6x10
15、7x10
15、8x10
15、9x10
15、または1x10
16 VG/mLの組成物濃度であり得る。
【誤訳訂正51】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0134
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0134】
組み合わせ
調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、1つまたはそれ以上の他の治療剤、予防剤、診断剤または造影剤と組み合わせて使用することができる。「〜と組み合わせて」とは、薬剤を同時に投与しなければならないこと、および/または共に投与するように処方しなければならないことを暗示することを意図するものではない。尤も、これらの投与方法は本開示の範囲内である。組成物は、1つまたはそれ以上の他の所望の治療または医療処置と同時に、その前に、またはその後に投与することができる。一般に、各薬剤は、その薬剤について決定された用量および/または時間スケジュールで投与される。いくつかの実施形態では、本開示は、医薬組成物、予防組成物、診断組成物または画像形成組成物を、その生物学的利用能を改善し、その代謝を低減および/または修飾し、その排泄を阻害し、および/または身体内の分布を改変する薬剤と組み合わせて投与することができる。
【誤訳訂正52】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0135
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0135】
投与
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、欧州特許出願第EP1857552号に記載されたAAVビリオンの投与方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正53】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0136
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0136】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、欧州特許出願EP2678433に記載されたAAVベクターを使用してタンパク質を投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正54】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0137
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0137】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、米国特許第5858351号に記載されているAAVベクターを使用してDNA分子を投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正55】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0138
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0138】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、米国特許第6211163号に記載の血流にDNAを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正56】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0139
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0139】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、米国特許第6325998号に記載されたAAVビリオンを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正57】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0140
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0140】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、米国特許第6335011号に記載されている筋肉細胞にDNAを投与するための方法を用いて投与またすることができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正58】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0141
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0141】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、米国特許第6610290号に記載されている筋肉細胞および組織にDNAを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正59】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0142
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0142】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、米国特許第7704492号に記載されている筋肉細胞にDNAを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正60】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0143
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0143】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、米国特許第7112321号に記載されているペイロードを骨格筋に投与するための方法を用いて投与することができ、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正61】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0145
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0145】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、米国特許第8283151号に記載されたペイロードを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正62】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0146
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0146】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、米国特許第8318687号に記載されたアルツハイマー病の治療のためにペイロードを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正63】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0147
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0147】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、国際特許公開WO2012144446に記載されているペイロードを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正64】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0148
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0148】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、国際特許公開第WO2001089583号に記載のグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)投与ベクターを使用してペイロードを投与する方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正65】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0149
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0149】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、国際特許公開第WO2001096587号に記載されたペイロードを投与するための方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正66】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0150
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0150】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、国際特許公開第WO2002014487号に記載されている筋肉組織にペイロードを投与する方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正67】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0151
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0151】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、国際特許公開番号WO2012057363に記載されているペイロードを神経細胞に投与する方法を用いて投与することができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【誤訳訂正68】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0152
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0152】
本明細書に記載のウイルスベクターの医薬組成物は、バイオアベイラビリティ、治療許容域および/または分布容積の1つまたはそれ以上によって特徴付けられる。
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターを製剤化することができる。非限定的な例として、製剤の塩基性および/または浸透圧は、中枢神経系または中枢神経系の領域または成分における最適な薬物分布を確実にするように最適化され得る。
【誤訳訂正69】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0153
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0153】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、単一経路投与によって対象に投与され得る。
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、多部位投与経路を介して対象に投与され得る。対象の2つ、3つ、4つ、5つ、または5つ以上の部位に、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターを投与することができる。
【誤訳訂正70】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0154
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0154】
一実施形態では、対象に、ボーラス注入を用いて、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターを投与し得る。
一実施形態では、対象に、数分、数時間または数日間にわたる持続的投与を用いて、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターを投与することができる。注入速度は、対象、分布、処方または別の送達パラメータに応じて変化され得る。
【誤訳訂正71】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0155
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0155】
一実施形態では、複数部位への投与のために、カテーテルを脊椎の2つ以上の部位に配置され得る。調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、連続的および/またはボーラス注入で投与することができる。投与の各部位は異なる投薬レジメンであってもよく、または同じ投薬レジメンを投与部位ごとに使用してよい。非限定的な例として、投与部位は、頚部および腰部領域にあり得る。別の非限定的な例として、投与部位は子宮頸部領域にあり得る。別の非限定的な例として、投与部位は、腰部領域にあり得る。
【誤訳訂正72】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0156
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0156】
一実施形態では、本明細書に記載の調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターの投与の前に、対象を脊髄の解剖学的構造および病状について分析し得る。非限定的な例として、脊柱側弯症を有する被験者は、脊柱側弯症を伴わない被験者と比較して、異なる投薬レジメンおよび/またはカテーテルの位置を有し得る。
【誤訳訂正73】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0157
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0157】
一実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターの投与中の対象の脊椎の向きは、地面に対して垂直であり得る。
別の実施形態では、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターの投与中の対象の脊椎の向きは、地面に対して水平であり得る。
【誤訳訂正74】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0158
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0158】
一実施形態では、対象の脊椎は、調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターの投与中に、地面に比してある角度を有し得る。地面と比較し、被験者の脊椎の角度は少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150または180度であり得る。
【誤訳訂正75】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0160
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0160】
バイオアベイラビリティ
本発明の調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、本明細書に記載の投与剤/製剤化剤またはビヒクルを含む組成物に製剤化された場合、本明細書に記載の投与剤を欠いている組成物と比較して生物学的利用能の増加を示し得る。本明細書で使用する「バイオアベイラビリティ」という語は、対象に投与される特定の薬剤の所定量の全身利用可能性を指す。バイオアベイラビリティは、化合物の哺乳動物への投与後の無変化体の化合物の曲線下面積(AUC)または最大血清または血漿濃度(C
max)を測定することによって評価することができる。AUCは、横軸(X軸)に沿った時間に対する縦軸(Y軸)に沿って、化合物の血清または血漿濃度をプロットした曲線下面積を定量するものである。一般に、特定の化合物のAUCは、当業者に公知であり、G.S.Banker,Modern Pharmaceutics,Drugs and the Pharmaceutical Sciences,v.72,Marcel Dekker,New York,Inc.,1996(この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている方法により計算することができる。
【誤訳訂正76】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0161
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0161】
C
max値とは、対象への化合物の投与後に対象の血清または血漿中で観察される化合物の最大濃度を指す。特定の化合物のC
max値は、当業者に公知の方法を用いて測定することができる。本明細書で使用される「バイオアベイラビリティの増加」または「薬物動態の改善」という語句は、対象における本発明のウイルスベクターの全身利用可能性(AUC、C
max、またはC
minにより測定する)を増加させ得る作用を指す。いくつかの実施形態では、このような作用は、本明細書に記載の1つあるいはそれ以上の投与剤との同時投与
を含む。いくつかの実施形態では、ウイルスベクターのバイオアベイラビリティは、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25% 約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70 少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、または約100重量%である。
【誤訳訂正77】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0162
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0162】
治療許容域
本発明の調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、本明細書に記載されているような1つまたはそれ以上の投与剤と共に製剤化された場合、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の投与剤なしで投与されたウイルスベクターの治療域と比較して、化合物および/または組成物の投与の治療域の増加を示し得る。本明細書で使用される「治療許容域」という語は、治療効果を引き出す可能性が高い、血漿濃度の範囲、または作用部位における治療活性物質のレベルの範囲を指す。いくつかの実施形態では、製剤中で投与された場合、ウイルスベクターの治療域は、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約100%、増加し得る。
【誤訳訂正78】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0163
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0163】
分布容積
本発明の調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターは、本明細書に記載されているような1つまたはそれ以上の投与剤と共に製剤化された場合、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の投与剤を欠いている製剤と比較して、分布容積(V
dist)が改善(例えば、減少または標的化)され得る。V
distは、血液または血漿中の薬剤の濃度に対する、体内の同一薬剤の量を指す。本明細書で使用される「分布容積」という語は、血液または血漿中の濃度と同じ濃度で、体内の薬剤の総量を含有するであろう流体容積を指す:V
distは、体内の薬剤の量を、血液または血漿中の薬剤の濃度で除したものに等しい。例えば、所定の薬剤の用量が10mgで、血漿濃度が10mg/Lである場合は、分布容積は1リットルになる。分布容積は、薬剤が血管外組織に存在する程度を反映している。分布容積が大量である場合は、血漿タンパク質と比較して、薬剤が組織成分に結合する傾向を反映している。臨床現場では、V
distは、定常状態の濃度を達成するための負荷量を決定するために使用されることがある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の投与剤と同時投与された場合の本発明のウイルスベクター組成物の分布容積は、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10% 約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55 少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、減少する。
【誤訳訂正79】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0164
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0164】
キットとデバイス
本発明は、本発明の方法を簡便および/または効果的に実施するための様々なキットを提供する。典型的に、キットは、ユーザが対象の複数回の治療を行い、および/または複数回の実験を行うのに十分な量および/または数の成分
を含む。
【誤訳訂正80】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0166
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0166】
いくつかの実施形態では、キット成分は、水性媒体または凍結乾燥形態のいずれかで包装され得る。キットの容器手段は、一般に、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジまたはその他の容器手段を含み、その中に構成要素を配置し、好ましくは適切に分注する。複数のキット成分がある場合(標識試薬と標識は一緒に包装されてもよい)、キットは一般に第2、第3またはその他の追加の容器を含み、その中に追加の成分を別々に配置し得る。いくつかの実施形態では、キットはまた、滅菌した薬学的に許容される緩衝液および/またはその他の希釈剤を収容するための第2の容器手段
を含み得る。いくつかの実施形態では、成分の様々な組み合わせを1つまたはそれ以上のバイアルに含めてよい。本発明のキットはまた、典型的には、本発明の化合物および/または組成物を収用する手段(例えば、商業的販売用に密閉された、タンパク質、核酸、およびその他の試薬を収用する容器)を含み得る。そのような容器は、所望のバイアルが保持される注入またはブロー成形されたプラスチック容器を含み得る。
【誤訳訂正81】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0171
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0171】
投与用のデバイスを使用して、本明細書で教示される単回投与、複数回投与または分割投与計画に従って、本発明の調節性ポリヌクレオチド
を含むウイルスベクターを投与する。
【誤訳訂正82】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0200
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0200】
断片:本明細書中で使用されている「断片」という語は、ある部分を指す。例えば、タンパク質の断片は、培養細胞から単離された全長タンパク質を消化することによって得られるポリペプチド
を含む。
【誤訳訂正83】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0253
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0253】
「〜
を含む(comprising)」という語は、開かれていることを意図しており、追加の要素またはステップを含めることを許可するが、追加の要素またはステップを含めることを必要とはしていないことにも留意されたい。「〜
を含む(comprising)」という語が本明細書で使用される場合、「から
なる(consisting of)」という語もこのように包含され、明示される。
【誤訳訂正84】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0299
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0299】
実施例7:AAV−miRNAベクターにおけるpri−miRNA構築物
表7に記載のSOD1 siRNAのパッセンジャー/ガイド鎖二重鎖をAAV−miRNA発現ベクターに操作する。ITRからITRへの構築物(5’から3’)は、突然変異体ITR、プロモーター(CMVie、U6またはCB6プロモーターのいずれか;これらには、CMVieエンハンサー、CBAプロモーターおよびSV40イントロンが含まれる)、表7記載のpri−miRNA構築物、ウサギグロビンポリAおよび野生型ITR
を含む。In vitroおよびin vivo試験を実施し、AAV−miRNA発現ベクターの有効性を検証する。
【誤訳訂正85】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0307
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0307】
D.カプシドの選択
HeLaおよびHEK293由来の最良のpri−miRNA構築物を、AAVにパッケージングし、HeLa感染に付した。当該構築物をパッケージするのに最適なAAVを決定するために、AAV2またはAAV−DJ8のいずれかにパッケージングしたmCherryを、10μg/細胞、1e2vg/細胞、1e3vg/細胞、1e4vg/細胞または1e5vg/細胞のMOIでHeLa細胞に感染させ、発現を40時間後に評価した。AAV2を、最良のpri−miR構築物をパッケージするための
カプシドとして選択した。
【誤訳訂正86】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0312
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0312】
G.インビボ試験用の構築物の選抜
標的配列に大きな影響を及ぼし、カセットに軽微な影響しか及ぼさない上位12個のpri−miRNAパッケージ化構築物を選択した。AAV−rh10
カプシド内にパッケージングされた構築物を注射用に製剤し、構築物が及ぼすin vivoへの影響を試験するため哺乳類に投与した。
【国際調査報告】