特表2017-533779(P2017-533779A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-533779(P2017-533779A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】女性衛生用タンポンの成形方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/20 20060101AFI20171020BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20171020BHJP
【FI】
   A61F13/20 260Z
   A61F13/15 240
   A61F13/20 210
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-525945(P2017-525945)
(86)(22)【出願日】2015年11月11日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月28日
(86)【国際出願番号】US2015060098
(87)【国際公開番号】WO2016077427
(87)【国際公開日】20160519
(31)【優先権主張番号】14/540,671
(32)【優先日】2014年11月13日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】597046982
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Gmbh
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ペリー・ケネス・エイ
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200BB05
3B200CA18
3B200DB08
3B200DF09
3B200EA02
3B200EA18
(57)【要約】
成形された寸法安定性のあるタンポンを形成するプロセスは、タンポン半加工品を径方向に圧縮して、ある中間物綿撒糸直径と長手方向軸とを有する、寸法安定性のある中間物綿撒糸を形成する工程と、前記中間物綿撒糸を中空のキャリアー内に配置して、この中間物綿撒糸と中空のキャリアーとを金型の中に挿入する工程と、中空のキャリアー内に収容された中間物綿撒糸の端部を圧迫するピストンを介して、中間物綿撒糸を金型内へと付勢する工程と、この中空のキャリアーを金型から引き抜く工程とにより、中間物綿撒糸の露出端部が金型を実質的に満たすことができ、これにより成形された寸法安定性のあるタンポンを形成する工程と、この成形された寸法安定性のあるタンポンを金型から取り出す工程と、この成形された寸法安定性のあるタンポンを、その形状に合致する一次パッケージ内に封入する工程と、を含む。この金型は、中空のキャリアーを通過させて引き抜くことができるアクセス開口部を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形された寸法安定性のあるタンポンを形成するプロセスであって、
a.タンポン半加工品を径方向に圧縮して、ある中間物綿撒糸直径を有する、実質的に円筒形の、寸法安定性のある中間物綿撒糸を形成する工程と、
b.ある長さと、第1の閉鎖端部と、第2の開放端部とを有する、成形された一次タンポンパッケージを形成する工程であって、該成形された一次タンポンパッケージが、
i.前記第1の閉鎖端部から延出する、第1の拡張された部分と、
ii.前記第2の開放端部から延出する、第2の部分と、を有し、
該第2の部分は実質的に円筒形であり、かつ前記中間物綿撒糸直径よりも大きい、実質的に均一な直径を有し、前記第1の拡張された部分は、前記第1の部分の該実質的に均一な直径よりも大きい最大直径を有する、
工程と、
c.前記中間物綿撒糸を、前記成形された一次タンポンパッケージに挿入する工程であって、該中間物綿撒糸の第1の部分は、該成形された一次タンポンパッケージの前記第1の拡張された部分に隣接し、かつ、前記中間物綿撒糸の第2の部分は、該成形された一次タンポンパッケージの前記第2の部分に隣接する、工程と、
d.前記中間物綿撒糸の前記第1の部分を膨張させて、前記成形された一次タンポンパッケージの前記第1の拡張された部分を実質的に満たすことにより、該寸法安定性のあるタンポンを形成する工程と、
e.前記成形された一次タンポンパッケージの前記第2の開放端部を閉じる工程と、
を含む、プロセス。
【請求項2】
前記成形された一次タンポンパッケージが、熱成形されたポリマーフィルムを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記中間物綿撒糸の前記第1の部分を膨張させる工程が、
a.前記成形された一次タンポンパッケージの前記第1の拡張された部分の外側表面を、実質的に剛性の金型で支持する工程と、
b.前記中間物綿撒糸の前記第2の部分の外側表面を支持する工程と、
c.軸方向の力を前記中間物綿撒糸に印加して、前記第1の部分を、前記成形された一次タンポンパッケージの第1の拡張された部分及び前記実質的に剛性の金型に対して押し付けて、該中間物綿撒糸の該第1の部分を径方向に膨張させる工程と、
を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
成形された寸法安定性のあるタンポンを形成するプロセスであって、
a.タンポン半加工品を径方向に圧縮して、ある中間物綿撒糸直径及び長手方向軸を有する、寸法安定性のある中間物綿撒糸を形成する工程と、
b.前記中間物綿撒糸を中空のキャリアー内に配置する工程と、
c.前記中間物綿撒糸及び前記中空のキャリアーを、望ましい最終タンポン形状に対応する形状を有する金型の中に挿入する工程であって、該望ましい最終タンポン形状は、該中間物綿撒糸の最大直径よりも大きい、前記長手方向軸に対して垂直な最大寸法を有し、該金型は、該中空のキャリアーを通過させて引き抜くことが可能なアクセス開口部を有する、工程と、
d.前記中空のキャリアー内に収容された前記中間物綿撒糸の端部を圧迫するピストンを介して、該中間物綿撒糸を前記金型内へと付勢する工程と、該中空のキャリアーを該金型から引き抜く工程とにより、該中間物綿撒糸の露出端部が該金型に対して押し付けられ、ここで、該中間物綿撒糸に対する軸方向の力が、該中間物綿撒糸の前記長手方向軸から径方向への膨張をもたらし、これにより、該中間物綿撒糸の該露出端部が該金型を実質的に満たすことができ、これにより、前記成形された寸法安定性のあるタンポンを形成する工程と、
e.前記成形された寸法安定性のあるタンポンを前記金型から取り出す工程と、
f.前記成形された寸法安定性のあるタンポンを、その形状に合致する一次パッケージ内に封入する工程と、
を含む、プロセス。
【請求項5】
前記金型が分離空洞金型である、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記金型の前記拡張部分が、前記中間物綿撒糸の前記長手方向軸に対して垂直な方向に、円形の断面を有する、請求項4に記載のプロセス。
【請求項7】
前記金型の前記拡張部分が、前記中間物綿撒糸の前記長手方向軸に対して垂直な方向に、楕円形の断面を有する、請求項4に記載のプロセス。
【請求項8】
前記金型の前記拡張部分が、前記タンポンの前記挿入端部に対応する、請求項4に記載のプロセス。
【請求項9】
前記金型の前記拡張部分が、前記タンポンの中央部分に対応する、請求項4に記載のプロセス。
【請求項10】
前記金型の前記拡張部分が、複数の拡張領域を含む、請求項4に記載のプロセス。
【請求項11】
1つの拡張部分が、前記タンポンの前記挿入端部に対応する前記金型空洞の第1の端部に配置され、かつ、別の拡張部分が、該タンポンの前記抜去端部に対応する該金型空洞の第2の端部に配置されている、請求項10に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非円筒形状を有する繊維性タンポンを成形するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
個人衛生物品用の個々の吸収性物品は、一般に包装材又はオーバーラップと呼ばれる材料シートによって環境から保護される。具体的には、タンポンは各タンポンを個別の一次パッケージに入れる包装材を使用しており、これらは次に、二次パッケージ(多くの場合は箱)に入れてまとめて販売されることがある。タンポンは、一般にアプリケータタンポンと指式タンポンの2種類に分類される。アプリケータタンポンは基本的に、アプリケータ内に収容されたタンポンである。アプリケータはプラスチック又は厚紙であってよく、フィンガーグリップや、挿入を容易にするためのペタルなどの設計要素を含み得る。
【0003】
アプリケータタンポンの包装材は、典型的に細長く、余裕があり、両端部でフランジ又はフィンによって封止されており、一端部にユーザーが長手方向に包装材を破って開けるのに用いる小さな切れ目又は切り込みを備える。
【0004】
指式タンポンは基本的に圧縮された円筒形物品であり、先細の挿入端部を含み得る。指式タンポンはアプリケータには収容されておらず、典型的に、包装材内に収容されている。指式タンポンの包装材は、典型的に密着して、多くの場合に周囲の全体でタンポンの外表面に接触しており、挿入端部及び抜去端部の両方でタンポンに対して封止されている。この密着包装は、タンポンの形状を維持し、変形を防ぐのに役立つことがある。
【0005】
歴史的に、包装材はプラスチック(例えばポリプロピレン)又はセロハンなどの透明なタイプの材料で製造されている。指式タンポンは典型的に、吸収性材料を覆うカバーを更に含んでいるため、タンポンを包装材から容易に取り出せるようにし、かつ包装材の一部が挿入中にタンポンに付着しないようにするための、スリップ剤又は帯電防止剤を含める必要が時に生じる。
【0006】
長年にわたって、指式タンポンの包装材には多くの問題が生じている。タンポンは、圧縮後に「弛緩」し、ぴったり密着するため包装材から取り出し難くなることがある。一部の包装材料は、実際にタンポンの外表面にくっつき、材料の相互作用によって取り出し難くなることがあり、ユーザーがタンポンからオーバーラップを引き剥がす原因となる。例えば、国際公開WO第2004/080362号を参照のこと。一方、包装材料の選択によっては包装材に静電気が存在することがあり、包装材の封止を破ってタンポンを取り出した後に包装材の断片がユーザーの指にくっつく原因となる。
【0007】
指式タンポンの新しい改良には、タンポンの本体を成形することと、溝を変化させることと、隆起又は陥凹などの表面変化を提供することとが含まれる。これらのタイプの成形された又はパターン形成されたタンポンを製造する方法には典型的に、分離金型空洞を伴い、これによりタンポンは、タンポンの形状又は表面を破壊することなく、金型から取り出すことが可能になる。指で挿入するための、成形されたタンポンについては、清潔さを確保する包装材を提供することが、課題となり得る。成形されたタンポンは、その形状を維持するために、非円筒形の包装材が必要となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、清潔さを提供し、かつ保管中にタンポンの形状維持に役立つような包装材を提供するとともに、成形されたタンポンを形成するための解決策を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
我々は、驚くべきことに、成形された寸法安定性のあるタンポンを提供する新しい方法を見出し、この望ましい最終的タンポン形状は、中間物綿撒糸の最大直径よりも大きい、長手方向軸に対して垂直な最大寸法を有する。本発明の一態様において、成形された寸法安定性のあるタンポンを形成するプロセスは、タンポン半加工品を径方向に圧縮して、ある中間物綿撒糸直径と長手方向軸とを有する、寸法安定性のある中間物綿撒糸を形成する工程と、ある長さと、第1の閉鎖端部と、第2の開放端部とを有する、成形された一次タンポンパッケージを形成する工程と、この中間物綿撒糸を、前記成形された一次タンポンパッケージに挿入する工程であって、この中間物綿撒糸の第1の部分は、前記成形された一次タンポンパッケージの第1の拡張された部分に隣接し、かつ、この中間物綿撒糸の第2の部分は、前記成形された一次タンポンパッケージの第2の部分に隣接する、工程と、この中間物綿撒糸の第1の部分を膨張させて、前記成形された一次タンポンパッケージの第1の拡張された部分を実質的に満たすことにより、寸法安定性のあるタンポンを形成する工程と、前記成形された一次タンポンパッケージの第2の開放端部を閉じる工程と、を含む。
【0010】
本発明の別の一態様において、成形された寸法安定性のあるタンポンを形成するプロセスは、タンポン半加工品を径方向に圧縮して、ある中間物綿撒糸直径と長手方向軸とを有する、寸法安定性のある中間物綿撒糸を形成する工程と、前記中間物綿撒糸を中空のキャリアー内に配置して、この中間物綿撒糸と中空のキャリアーとを金型の中に挿入する工程と、前記中空のキャリアー内に収容された前記中間物綿撒糸の端部を圧迫するピストンを介して、前記中間物綿撒糸を前記金型内へと付勢する工程と、この中空のキャリアーを前記金型から引き抜く工程とにより、前記中間物綿撒糸の露出端部が前記金型に対して押し付けられ、ここで、前記中間物綿撒糸に対する軸方向の力が、前記中間物綿撒糸の長手方向軸から径方向への膨張をもたらし、これにより、前記中間物綿撒糸の露出端部が前記金型を実質的に満たすことができ、これにより、成形された寸法安定性のあるタンポンを形成する工程と、この成形された寸法安定性のあるタンポンを金型から取り出す工程と、この成形された寸法安定性のあるタンポンを、その形状に合致する一次パッケージ内に封入する工程と、を含む。この金型は、中空のキャリアーを通過させて引き抜くことができるアクセス開口部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】先行技術によるタンポンの斜視図である。
図2】本発明によるタンポンの斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による、中間物綿撒糸の斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による、一次タンポンパッケージの側面図である。
図5A】形成マンドレル上に配置された、形成前の、中間物一次タンポンパッケージの側面図である。
図5B図5Aの形成マンドレル上に配置された、中間物一次タンポンパッケージの断面図である。
図6A】パッケージ形成金型(断面で示されている)内の、形成マンドレル上に配置された、中間物一次タンポンパッケージの側面図である。
図6B】パッケージ形成金型(断面で示されている)内で膨張された、形成マンドレル上に配置された、図6Aの中間物一次タンポンパッケージの側面図である。
図7図5〜6の実施形態の一次タンポンパッケージの側面図である。
図8】一次タンポンパッケージ、中間物綿撒糸、中空マンドレルキャリアー、及びピストンの組立体をタンポン形成金型に配置する前の、この組立体の側面図である。
図9】本発明のプロセスの一工程を表わし、タンポン形成金型(断面で示されている)内に位置付けられた、図8の組立体の側面図であり、軸方向の力がタンポンの底部に印加されている。
図10】本発明のプロセスの一工程を表わし、図8〜9の組立体の側面図であり、成形された寸法安定性のあるタンポンが、タンポン形成金型(断面で示されている)内で形成されている。
図11】一次タンポンパッケージ内で形成された、成形された寸法安定性のあるタンポンの側面図であり、その一次タンポンパッケージの残る開口部を閉じる前の状態である。
図12図5〜11の最終的なパッケージ済み成形製品の側面図である。
図13】本発明の代替的なプロセスの一工程を表わし、タンポン形成金型(断面で示されている)内に位置付けられた、中間物綿撒糸の組立体、中空マンドレルキャリアー、及びピストンの側面図であり、軸方向の力がタンポンの底部に印加されている。
図14図13のプロセスの一工程を表わし、図13の組立体の側面図であり、成形された寸法安定性のあるタンポンが、タンポン形成金型(断面で示されている)内で形成されている。
図15A】代替的なタンポン形状の側面描画である。
図15B】代替的なタンポン形状の側面描画である。
図15C】代替的なタンポン形状の側面描画である。
図16A】代替的なタンポン形状の上面図である。
図16B図16Aのタンポンの側面図である。
図16C図16A〜Bのタンポンの端面図であり、拡張部分の楕円形の断面図を示す。
図17A】代替的なタンポン形状の上面図である。
図17B図17Aのタンポンの側面図である。
図17C図17A〜Bのタンポンの端面図であり、拡張部分の楕円形の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上に簡潔に要約された本発明のより詳細な説明は、添付図面に図示されたその実施形態を参照することにより得ることができる。ただし、添付図面は、本発明の典型的な実施形態のみを図示しており、したがって、本発明の範囲を限定するものと考慮されるべきではないことに注意するべきである。なぜなら本発明は、その他の同様に有効な実施形態を認めることができるからである。
【0013】
図1を参照して、従来技術による径方向に圧縮された女性衛生用タンポン10は、挿入端部30と、延出する抜去ストリング50を有する抜去端部40とを有する、圧縮された繊維の概ね円筒形の本体20である。このようなタンポンは、追加のアプリケータを必要とせずに、経血の吸収のためにユーザーの膣内に挿入できるような、十分な寸法安定性を有する。これらのタンポンはしばしば指式タンポンと呼ばれ、指で挿入することができる(アプリケータなしで、ユーザーの指の使用によって)。しばしば、これらのタンポンは流体透過性の外側カバー60を備え、リブ80により分離された、概ね長手方向に延在する複数の溝70を形成するように圧縮されている。この溝は、Frieseらの米国特許第6,310,269号に記述されるように、長手方向中央軸に対して平行に揃っていてよく、Schoellingの同第8,735,647号に記述されるように外側表面の周りを螺旋形に配向されていてよく、あるいは、Fungらの同第8,460,262 B2号、Kimballらの同第8,827,975 B2号及び同第8,834,439 B2号、並びにHysalma GmbHの欧州特許第1 459 720 B1号に記述されるように、製品の長さに沿って他の向きにされていてもよい。
【0014】
我々は、このような従来技術のタンポンを、流通させ消費者に販売するための成形されたタンポンに変形することが可能であることを見出した。具体的には、我々は、女性衛生用タンポン100を、その一方の端部に拡張部分110を有する構造に形成する方法を開発した。本発明によるそのようなタンポン100を図2に示す。このタンポンは、挿入端部130と、延出する抜去ストリング150を有する抜去端部140とを有する、圧縮された繊維の本体120を有する。ここでも、このタンポンは、ユーザーの膣内に指で挿入できるような、十分な寸法安定性を有する。このようなタンポンは、下記に記述されるプロセスによって形成される。要約すると、このタンポンの少なくとも一部分が中空マンドレルの内部に維持された状態で、このタンポンが分離空洞金型へと軸方向に圧縮される。その結果、図2に示すように、タンポン100は拡大された挿入部分110を有する。好ましい一実施形態において、タンポン100は更に、カバー160、長手方向溝170及び長手方向リブ180を有する。
【0015】
図2のタンポンは、我々の新しいプロセスに従って製造することができる。最初に、従来型の、径方向に圧縮され、寸法的安定性のある、中間物綿撒糸直径D図3に示す)を有する実質的に円筒形の中間物綿撒糸190は、Frieseらの米国特許第6,310,269号、Schoellingの同第8,735,647号に記述される外側表面の周りに螺旋形に配向された、あるいは、Fungらの同第8,460,262 B2号、Kimballらの同第8,827,975 B2号及び同第8,834,439 B2号、並びにHysalma GmbHの欧州特許第1 459 720 B1号に記述される製品の長さに沿った他の配向うちの、1つ又は2つ以上に従って作製することができ、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。一般的に言って、中間物綿撒糸は、タンポン半加工品と呼ばれる吸収材料の成形された塊を最初に得ることによって形成される。この半加工品は、シート状材料の巻物、連続した吸収材料の部分、ランダムに又はほぼ均一に配向された吸収材料の塊、個別に調製された又は注型された吸収材料の塊などの形態であってもよい。タンポン半加工品は、比較的圧縮されておらず、比較的低密度を有する。タンポン半加工品は、その後、全体的な寸法が使用前の半加工品の寸法より小さい中間物綿撒糸を形成するよう圧縮される。この中間物綿撒糸190は次に更に、図2に示す拡張部分110を備えるように加工される。
【0016】
このプロセスの一実施形態において、それ自体に対する垂直方向の寸法より実質的に大きく、かつ長手方向軸X−Xを画定するある長さと、第1の閉鎖端部210と、第2の開放端部220とを有する一次タンポンパッケージ200が形成される(図4)。一次タンポンパッケージ200は、第1の閉鎖端部から延出する第1の部分230と、第2の部分240とを有する。この端部は、当業者に周知の技術によって閉鎖することができる。例えば、端部を中心に4回、6回又はそれ以上折り畳む、折り畳み密封である。折り畳み回数が多いほど、円筒形状により良く合致することができる。加えて、湾曲したフランジ密封も使用することができる。一次タンポンパッケージ200の第2の部分240は、中間物綿撒糸190の直径Dよりも大きい実質的に均一の直径Dを備えた実質的な円筒形であり、同時に、第1の部分230は、長手方向軸X−Xに対して垂直な少なくとも1つの寸法に沿って、第2の部分240に比べて拡張している。
【0017】
一実施形態において、一次タンポンパッケージ200は、円筒形マンドレルの周りにプラスチックの包装材料のシートを巻き付け、シートを密封して円筒形チューブを形成することにより、形成され得る。このチューブの一方の端部は閉じて密封されており、これにより、1つの開放端部を有する円筒形の細長い一次タンポンパッケージ中間物が得られる。図5A及び5Bに示すように、閉鎖端部260を備えた中間物一次タンポンパッケージ250は次に、形成端部280を備えた第2の中空の形成マンドレル270上に配置される。中空の形成マンドレル270は、(形成マンドレルの大部分に比べて)低減された直径と、形成端部280にある空気送達開口部282と、後述のように空気を循環させるための空気送達及び空気戻り開口部284とを有する。図6Aに示すように、中間物一次タンポンパッケージ250及び中空の形成マンドレル270は、高温空気成形機内の金型290内に配置され、これはクランプ292を用いて閉じられ、形成チャンバ294が分離される。高温空気は、マンドレルの形成端部280の間の隙間を通って、一次タンポンパッケージ中間物250(矢印286で示す)内の空気送達開口部282に向かって、中空の形成マンドレル270の内部の導管272を通って送達され、この高温空気は空気戻り開口部284と、中空の形成マンドレル270の環状部274(矢印288で示す)から取り出されて、プラスチック材料を軟化させる。図6Bに示すように、環状部274からの空気は閉塞され(例えばプラグ276によって)、一次タンポンパッケージ250の内部を加圧し、このパッケージの閉鎖端部260を膨張させて、金型290の形状にする。これにより、図4及び7に示すように、一次タンポンパッケージ200の第1の端部210近くに、一次タンポンパッケージの拡張された第1の部分230が作製される。
【0018】
中間物タンポン綿撒糸190を、望ましい、寸法安定性のある女性衛生用タンポンに形成するために、一次タンポンパッケージ200の形状に実質的に対応する分離空洞金型300を有する装置が、使用される。図8に示すように、実質的に円筒形の中間物タンポン綿撒糸190が、中空マンドレルキャリアー310内に配置され、成形された一次タンポンパッケージ200が、キャリアー/中間物タンポン綿撒糸310/190の上に配置される。結果として得られる組立体を分離空洞金型300内に配置し、ピストン320は、一次タンポンパッケージ200の長手方向軸X−Xに沿って、中間物タンポン綿撒糸190に揃えられる。分離空洞金型300を閉じ(その中に組立体を挿入する前又は後に)、タンポン成形プロセスを進める。図9に示すように、中空マンドレルキャリアー310は、中間物タンポン綿撒糸190の周りから引き抜かれて、分離空洞金型300の拡張部分340内にある綿撒糸190の端部330の露出する量が多くなる。中空マンドレルキャリアー310が引き抜かれると、ピストン320が長手方向軸X−Xに沿って力を印加し、中間物タンポン綿撒糸190の露出端部330に力が印加され、分離空洞金型300に対して押し付けられる。この軸方向の力(矢印350で示す)は、中間物タンポン綿撒糸190の露出端部330の径方向膨張(矢印360で示す)に変換されて、分離空洞金型300及び一次タンポンパッケージ200の拡張された体積340を満たす。中空マンドレルキャリアー310が引き続き分離空洞金型300から引き抜かれ、ピストン320が引き続き中間物タンポン綿撒糸190に力を印加して分離空洞金型300に対して押し付けると、この繊維性構造は、分離空洞金型300及び一次タンポンパッケージ200の拡張部分330内への膨張を完了する(図10に示す)。中空マンドレルキャリアー310が分離空洞金型300の拡張部分330から抜け、繊維性構造体が金型330の拡張部分を満たすと、ピストン320は、金型300内への前進を停止する。
【0019】
中空マンドレルキャリアー310は一次タンポンパッケージ200内から完全に引き抜くことができ、分離空洞金型300を開いて、そこから成形されたタンポン100を取り出すことができる。当然ながら、中空マンドレルキャリアー310はタンポン100の非拡張部分の周りに留まってよく、これにより金型300からの取り外しが支援される。次に一次パッケージ200の開放端部220(図11に示す)を閉鎖して、最終的な、パッケージされ成形されたタンポン製品1000(図12に示す)を提供することができる。この端部はまた、当業者に周知の技術によって閉鎖することができる。例えば、上述のような折り畳み密封、フランジシール(所望により切れ目を備え、裂開の伝播によりパッケージを開けることができる)である。あるいは、一次タンポンパッケージは、強化された開封体を組み込むことができる。
【0020】
我々のプロセスの別の一実施形態において(図13及び14に示す)、望ましい最終仕上げタンポンの形状に実質的に対応する分離空洞金型300’を有する装置が使用される。前の実施形態と同様、実質的に円筒形の中間物タンポン綿撒糸190が中空マンドレルキャリアー310内に配置される。しかしながら、中空マンドレルキャリアー310と実質的に円筒形の中間物タンポン綿撒糸190とのみが、分離空洞金型300’内に配置されている組立体を形成し、ピストン320は、中間物タンポン綿撒糸190の長手方向軸X’−X’に沿って中間物タンポン綿撒糸190に揃えられる。分離空洞金型300’を閉じ(その中に組立体を挿入する前又は後に)、タンポン成形プロセスを進める。中空マンドレルキャリアー310は、中間物タンポン綿撒糸190’の周りから引き抜かれて、分離空洞金型300の拡張部分340’内にある綿撒糸の端部330の露出する量が多くなる。中空マンドレルキャリアー310が引き抜かれると、ピストン320が長手方向軸X’−X’に沿って力を印加し、中間物タンポン綿撒糸190の露出端部330を、分離空洞金型300’に対して押し付ける。この軸方向の力(矢印350で示す)は、中間物タンポン綿撒糸190の露出端部330の径方向膨張(矢印360で示す)に変換されて、分離空洞金型300’の拡張された体積340’を満たす。中空マンドレルキャリアー310が分離空洞金型300’の拡張部分340’から抜け、繊維性構造体が金型300’の拡張部分340’を満たすと、ピストン320は、金型300’内への前進を停止する。中空マンドレルキャリアー310は分離空洞金型300’内から完全に引き抜くことができ、分離空洞金型を開いて、そこから成形されたタンポン100を取り出すことができる。当然ながら、中空マンドレルキャリアー310はタンポン100の非拡張部分の周りに留まってよく、これにより金型300’からの取り外しが支援される。次に成形されたタンポン100は一次タンポンパッケージ内に封入することができ、このパッケージは仕上げられたタンポンに適応するようあらかじめ成形されていてよく、あるいは、例えばシュリンクラップにより、仕上げられたタンポンの周りに形成されてもよい(前の実施形態で図12に示す)。
【0021】
タンポンは、拡張された端部、特に拡張された挿入端部を備えた物として上記で述べられているが、別の実施形態も想到され、これには、2つの拡張された端部410、420、及び抜去ストリング450を有するタンポン400(図15A)、2つの圧縮された端部510、520、拡張された中央部分530、及び抜去ストリング550を有するタンポン500(図15B)、並びに、圧縮された挿入端部610、拡張された抜去端部620、及び抜去ストリング650を有するタンポン600(図15C)、及びこれらに類するものが挙げられる。これらの実施形態は、望ましい形状を提供するよう改変された分離空洞金型を必要とする可能性がある。加えて、図15Cの実施形態は、抜去端部の寸法に対応する断面寸法を備えた第2のピストンを必要とし得る。
【0022】
加えて、仕上げられたタンポンの断面は、円筒形又は他の望ましい形状であり得る。例えば、異なる断面形状を有するタンポン700が図16に示されている。図16A〜Cに示すように、仕上げられたタンポン700の圧縮部分710の断面は実質的に円筒形であってよく、一方、拡張部分720の断面はより楕円形であってもよい。別の一実施形態において、異なる断面形状を有するタンポン800が図17に示されている。図17A〜Cに示すように、仕上げられたタンポン800の圧縮部分810の断面は円筒形から楕円形へと先細になっていてよく、一方、拡張部分820の断面はより楕円形であってもよい。
【0023】
このタンポンが圧縮により形成されるとき、このタンポンの少なくとも一部分が中空マンドレルの内部に維持された状態で、この中間物綿撒糸が分離空洞金型内へと軸方向に圧縮される。これにより上述のように、分離空洞金型内への径方向膨張が生じる。中間物綿撒糸は、仕上げられたタンポンよりも長い。一実施形態において、この仕上げられたタンポンの長さは、形成される元となった中間物綿撒糸の長さの約80%〜約95%である。好ましくは、この一実施形態において、この仕上げられたタンポンの長さは、形成される元となった中間物綿撒糸の長さの約90%である。
【0024】
分離空洞金型空洞の体積と、中間物綿撒糸に対する軸方向の力に応じて、仕上げられたタンポンの繊維密度は、形成される元となった中間物綿撒糸の繊維密度とほぼ同じであってよく、又は異なっていてもよい。当業者には、仕上げられたタンポンの拡張部分において望ましい繊維密度を達成するために力及び体積を調節することを知っているであろう。本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語「繊維密度」及びその変化形は、所与の繊維構造体の容積における繊維がない空間に対する繊維の相対的割合に関する。
【0025】
好ましい一実施形態において、中間物綿撒糸から成形されたタンポンを形成するのに使用される分離空洞金型は、周囲条件で操作される。別の実施形態において、プロセスに使用される材料に応じて、繊維を拡張された形状に固定するのに十分な熱を追加することが有利である場合がある。
【実施例】
【0026】
本発明は、本発明の組成物、形態、及び装置の生産方法を例示する以下の具体的な実施例への参照によって、更に理解されるであろう。組成物、形態、及び装置の生産方法に関する多数の変形例が、当業者に明らかになるであろうことを理解されたい。以下の実施例は、単に例示的なものであり、部及び百分率は、特に表示のない限り重量に基づく。
【0027】
(実施例1)
Energizer Holdings,Ltd.から入手可能なものに類似の、レギュラー吸収性のo.b.(登録商標)タンポン(不織布カバーを有する)10本が、ハンドプレス機で形成され、これらは上述のように、拡張された端部を有する包装材内で成形された。対応するレギュラー吸収性のo.b.(登録商標)タンポンは全般に、約30〜40ニュートン(N)の範囲の柱強度を有している。結果として得られた製品を、下記のように柱強度について試験を行った。寸法及び柱強度を下記の表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
試験の結果、この製品は指式タンポンのためのユーザー挿入要件を維持していることが示された。驚くべきことに、非円筒形状であってもこの製品のコラム強度は顕著に弱まってはいないことがわかった。
【0030】
柱強度試験:圧縮モードで応力をかけていき、その結果、タンポンの剛性が失われた点に達するのに必要となった力を測定する。
【0031】
1.0精度と正確さ:
1.1ロードセル:印加した力の±1%
1.2負荷フレーム速度及び偏位:±1%
1.3秤の精度:±0.01g
【0032】
2.0装置:
2.1張力計、Instron又は同等品。
2.2少なくとも100N(圧縮)が測定可能な、較正済みロードセル。
2.3 Bluehillソフトウェア又は同等品。
2.4テンプレートホルダー(セクション15.5の図を参照)。
【0033】
3.0サンプル調製:なし
【0034】
4.0操作条件:
4.1張力計は、下記のパラメーターを含むようセットアップしなければならない。
試験パラメーター
試験速度700mm/分
情報パラメーター
データレート:20Hz
破断感度(オプション):3.5%
行程距離:3cm
弾性率(ヤングの引張応力):0.5mm〜16mm
降伏オフセット(ヤングの引張応力):0.8mm
【0035】
5.0手順:
5.1テンプレートホルダーを張力計に取り付ける。サンプルホルダーの間の距離を8.9センチメートル(3.5インチ)に設定する。この距離の風袋分を測定する。
5.2試験を行う形態に適したテンプレートをテンプレートホルダーに配置する。上のテンプレートホルダーをネジで定位置にロックする。
5.3張力計の力をゼロ点調整する。
5.4タンポンの包装を除去し、ストリングを伸ばす。
5.5タンポンの重量を量り、下のプレートの上に配置する。タンポンが垂直に配置されているようにすること。
5.6張力計をスタートする。クロスヘッドは速度700mmで下向きに動かし、最大3cmまで、又はタンポンが「破断」するまで作動させる。
5.6.1「破断」点は、ソフトウェアにより自動的に認識される。負荷フレームはスタート位置に戻る。
5.6.2「破断」点が認識されない場合、試験の過程を最後まで実施してから停止し、スタート位置に戻る。グラフ上の破断点にカーソルを合わせ、画面で得た値を記録することにより、最大力を読み取ることができる。
5.6残りのタンポンについて、5.3〜5.5を繰り返す。
5.7すべての結果を印刷し、イニシャルを記入し、各ロットについて日付を記入する。
【0036】
(実施例2)
Energizer Holdings,Ltd.から入手可能なものに類似の、レギュラー吸収性のo.b.(登録商標)タンポン(不織布カバーを有する)10本が、ハンドプレス機で形成され、これらは上述のように、拡張された端部を有する包装材内で成形された。結果として得られた製品を、21 CFRパート801、サブパートH、セクション801.430(f)(2)[2014年4月1日改正]に記述されるシンジナ試験に従って吸収度について試験した。対応するレギュラー吸収性のo.b.(登録商標)タンポンは全般に、12〜15グラム(g)の範囲の吸収度を有している。本発明のタンポンの寸法及び吸収度を下記の表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
この試験の結果、この吸収度は予想外に、同じ重量の円筒形製品の範囲の上端程度又はこれを上回ることを示している。
【0039】
上記の明細書及び実施形態は、本明細書で開示される本発明の完全かつ非限定的な理解を助けるために提示されるものである。本発明の多くの変形形態及び実施形態が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能となるため、本発明は、以下に添付する特許請求の範囲に含まれるものである。
【0040】
〔実施の態様〕
(1) 成形された寸法安定性のあるタンポンを形成するプロセスであって、
a.タンポン半加工品を径方向に圧縮して、ある中間物綿撒糸直径を有する、実質的に円筒形の、寸法安定性のある中間物綿撒糸を形成する工程と、
b.ある長さと、第1の閉鎖端部と、第2の開放端部とを有する、成形された一次タンポンパッケージを形成する工程であって、該成形された一次タンポンパッケージが、
i.前記第1の閉鎖端部から延出する、第1の拡張された部分と、
ii.前記第2の開放端部から延出する、第2の部分と、を有し、
該第2の部分は実質的に円筒形であり、かつ前記中間物綿撒糸直径よりも大きい、実質的に均一な直径を有し、前記第1の拡張された部分は、前記第1の部分の該実質的に均一な直径よりも大きい最大直径を有する、
工程と、
c.前記中間物綿撒糸を、前記成形された一次タンポンパッケージに挿入する工程であって、該中間物綿撒糸の第1の部分は、該成形された一次タンポンパッケージの前記第1の拡張された部分に隣接し、かつ、前記中間物綿撒糸の第2の部分は、該成形された一次タンポンパッケージの前記第2の部分に隣接する、工程と、
d.前記中間物綿撒糸の前記第1の部分を膨張させて、前記成形された一次タンポンパッケージの前記第1の拡張された部分を実質的に満たすことにより、該寸法安定性のあるタンポンを形成する工程と、
e.前記成形された一次タンポンパッケージの前記第2の開放端部を閉じる工程と、
を含む、プロセス。
(2) 前記成形された一次タンポンパッケージが、熱成形されたポリマーフィルムを含む、実施態様1に記載のプロセス。
(3) 前記中間物綿撒糸の前記第1の部分を膨張させる工程が、
a.前記成形された一次タンポンパッケージの前記第1の拡張された部分の外側表面を、実質的に剛性の金型で支持する工程と、
b.前記中間物綿撒糸の前記第2の部分の外側表面を支持する工程と、
c.軸方向の力を前記中間物綿撒糸に印加して、前記第1の部分を、前記成形された一次タンポンパッケージの第1の拡張された部分及び前記実質的に剛性の金型に対して押し付けて、該中間物綿撒糸の該第1の部分を径方向に膨張させる工程と、
を含む、実施態様1に記載のプロセス。
(4) 成形された寸法安定性のあるタンポンを形成するプロセスであって、
a.タンポン半加工品を径方向に圧縮して、ある中間物綿撒糸直径及び長手方向軸を有する、寸法安定性のある中間物綿撒糸を形成する工程と、
b.前記中間物綿撒糸を中空のキャリアー内に配置する工程と、
c.前記中間物綿撒糸及び前記中空のキャリアーを、望ましい最終タンポン形状に対応する形状を有する金型の中に挿入する工程であって、該望ましい最終タンポン形状は、該中間物綿撒糸の最大直径よりも大きい、前記長手方向軸に対して垂直な最大寸法を有し、該金型は、該中空のキャリアーを通過させて引き抜くことが可能なアクセス開口部を有する、工程と、
d.前記中空のキャリアー内に収容された前記中間物綿撒糸の端部を圧迫するピストンを介して、該中間物綿撒糸を前記金型内へと付勢する工程と、該中空のキャリアーを該金型から引き抜く工程とにより、該中間物綿撒糸の露出端部が該金型に対して押し付けられ、ここで、該中間物綿撒糸に対する軸方向の力が、該中間物綿撒糸の前記長手方向軸から径方向への膨張をもたらし、これにより、該中間物綿撒糸の該露出端部が該金型を実質的に満たすことができ、これにより、前記成形された寸法安定性のあるタンポンを形成する工程と、
e.前記成形された寸法安定性のあるタンポンを前記金型から取り出す工程と、
f.前記成形された寸法安定性のあるタンポンを、その形状に合致する一次パッケージ内に封入する工程と、
を含む、プロセス。
(5) 前記金型が分離空洞金型である、実施態様4に記載のプロセス。
【0041】
(6) 前記金型の前記拡張部分が、前記中間物綿撒糸の前記長手方向軸に対して垂直な方向に、円形の断面を有する、実施態様4に記載のプロセス。
(7) 前記金型の前記拡張部分が、前記中間物綿撒糸の前記長手方向軸に対して垂直な方向に、楕円形の断面を有する、実施態様4に記載のプロセス。
(8) 前記金型の前記拡張部分が、前記タンポンの前記挿入端部に対応する、実施態様4に記載のプロセス。
(9) 前記金型の前記拡張部分が、前記タンポンの中央部分に対応する、実施態様4に記載のプロセス。
(10) 前記金型の前記拡張部分が、複数の拡張領域を含む、実施態様4に記載のプロセス。
【0042】
(11) 1つの拡張部分が、前記タンポンの前記挿入端部に対応する前記金型空洞の第1の端部に配置され、かつ、別の拡張部分が、該タンポンの前記抜去端部に対応する該金型空洞の第2の端部に配置されている、実施態様10に記載のプロセス。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
【国際調査報告】