(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-533872(P2017-533872A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】液体生成物を調製するためにベース液体と組み合わせられる液体成分の一人分供給量で充填された使い捨てカートリッジ
(51)【国際特許分類】
B67D 3/00 20060101AFI20171020BHJP
【FI】
B67D3/00 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2017-545525(P2017-545525)
(86)(22)【出願日】2015年11月17日
(85)【翻訳文提出日】2017年7月10日
(86)【国際出願番号】US2015061126
(87)【国際公開番号】WO2016081480
(87)【国際公開日】20160526
(31)【優先権主張番号】2013824
(32)【優先日】2014年11月17日
(33)【優先権主張国】NL
(31)【優先権主張番号】2013947
(32)【優先日】2014年12月9日
(33)【優先権主張国】NL
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517171233
【氏名又は名称】アピケ・ホールディングス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤスパー・ヤコブス・ファン・デ・スロイス
(72)【発明者】
【氏名】ロランド・ヴァルデマール・フェルベーク
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA05
3E082BB02
3E082BB04
3E082CC05
3E082CC08
3E082CC10
3E082EE05
3E082FF09
(57)【要約】
本発明は、液体生成物を調製するためにベース液体と組み合わせられる液体成分、例えば、人の消費に適した飲料を調製するために、水、例えば炭酸水と組み合わせられる飲料濃縮物の一人分供給量で充填された使い捨てカートリッジに関する。カートリッジは、カートリッジの底部の分配開口部まで延在する垂直に延在するチャネルと、貯蔵部およびカートリッジの外側の間に延在する1つまたは複数の分配流路とを含む。分配流路には、ベース液体および液体成分が平行な流れで分配されるように分配開口部に隣接して配置された出口開口部が設けられ、液体成分はベース液体の流れの外側を実質的に被覆し、その結果、液体成分とベース液体との実際の混合は、両方が分配された後にのみ起こる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体生成物、例えば、人の消費に適した液体食品を調製するためにベース液体と組み合わせられる液体成分、例えば、飲料を調製するために、水、例えば炭酸水と組み合わせられる飲料濃縮物の一人分供給量で充填された使い捨てカートリッジであって、
底部および上部を備えたカートリッジ本体であって、液体成分の一人分供給量で充填された貯蔵部を画定するカートリッジ本体を含み、
前記上部は前記貯蔵部と連通する開口部を有し、前記開口部は上部密封フィルムによって気密式に密封され、
前記カートリッジ本体はさらにカラムを含み、前記カラムは前記底部から前記カラムの上端部まで上方に突出する部分を有し、
チャネルが、前記カラムの前記上端部の入口から前記カラムの底端部の分配開口部まで前記カラムを貫いて延在し、前記分配開口部は前記カートリッジ本体の前記底部に配置され、
前記カラムは前記チャネルを画定する内側表面と、前記カラムの前記上端部の上側表面とを有する壁を有し、
前記上部密封フィルムは前記カラムの前記上端部に封着され、
前記カートリッジ本体の前記底部は可撓性部分を前記カラムに隣接して、例えばその周囲に有し、その結果、前記カラムは、その上に及ぼされる力によって、前記カートリッジ本体の前記上部に対して、例えば前記本体の周壁の上縁部に対して下方に、より高い初期位置とより低い分配位置との間で移動可能であり、
ベース液体フィードランスが前記カラム内の前記チャネルの前記入口に接続可能であり、それにより前記ベース液体をチャネルに供給すること、およびベース液体の流れを、前記分配開口部を介して分配することが可能になり、前記流れは外側を有し、
前記カートリッジ本体には、前記貯蔵部から前記液体成分を分配するように適合された1つまたは複数の分配流路が設けられ、
前記1つまたは複数の分配流路は、前記貯蔵部内の液体成分が前記1つまたは複数の分配流路に流入できるように配置された1つまたは複数の分配流路入口開口部を有し、
前記1つまたは複数の分配流路は1つまたは複数の分配流路出口開口部を有し、前記1つまたは複数の分配流路出口開口部はそこから出てくる液体成分が、前記カラムの前記底端部の前記分配開口部から分配される前記ベース液体の流れの前記外側と合流するように配置され、
前記カートリッジは、孔を設けられた底部密封フィルムを有し、前記底部密封フィルムは、前記密封フィルムの前記孔が前記カラムの前記分配開口部と整列されるように前記カートリッジ本体の前記底部に対して配置され、
前記底部密封フィルムは前記カラムでおよび前記カラムから離れた1つまたは複数の場所で前記カートリッジ本体に封着され、
前記底部密封フィルムは、前記カラムがそのより低い分配位置へ、下方へ移動されることにより破裂および/または前記分配開口部から引き離され、それにより前記流路出口開口部からの分配を可能にするように適合されている、
使い捨てカートリッジ。
【請求項2】
前記1つまたは複数の分配流路出口開口部が、好ましくは円形配置で、前記分配開口部の周りに配置され、前記底部密封フィルムが、前記少なくとも1つまたは複数の分配流路出口開口部を気密式に密封し、
前記底部密封フィルムは、前記カラムがそのより低い分配位置に下方へ移動されることにより破裂および/または前記分配流路出口開口部から引き離され、それにより前記分配流路出口開口部を開放するように適合されている、請求項1に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項3】
前記カートリッジ本体の前記底部から前記カラムの前記上端部まで上方に突出する前記カラムの前記部分が前記カラムの上部であり、
前記カラムがさらに下部脚部を含み、前記脚部は、前記カートリッジ本体の前記底部から前記カラムの前記底端部まで下方に突出し、その結果、前記カラムの前記壁の前記底側表面および前記カラムの前記底端部の前記分配開口部は、前記カートリッジ本体の前記底部から離間されている、請求項1または2に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項4】
前記1つまたは複数の分配流路が前記カラムの前記壁内に配置され、前記分配流路出口開口部が前記カラムの前記壁の前記底側表面に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項5】
前記1つまたは複数の分配流路が、前記カートリッジ本体の前記底部に少なくとも部分的に配置され、前記1つまたは複数の分配流路出口開口部が、前記カートリッジ本体の前記底部に、前記カラムの前記脚部に隣接して、好ましくは前記カラムの前記脚部の周囲に円形構成で配置され、その結果、前記1つまたは複数の分配流路出口開口部から出てくる液体成分が前記カラムの前記脚部の壁の外側表面と接触し、前記カラムの前記壁の前記外側表面上を流れ、前記カラムの前記底端部の前記分配開口部から出てくるベース液体流と合流する、請求項3に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項6】
前記1つまたは複数の分配流路が、前記カラムの前記壁内に配置され、前記分配流路出口開口部が、前記カラムの前記脚部の前記壁の外側表面内に、前記カートリッジ本体の前記底部と前記カラムの前記底端部との間に設けられ、その結果、前記1つまたは複数の分配流路出口開口部から出てくる液体成分が、前記カラムの前記壁の前記外側表面上を流れ、前記カラムの前記底端部の前記分配開口部から出てくるベース液体流と合流する、請求項3に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項7】
前記カラムの前記脚部が、第1の直径を有する前記カートリッジ本体の前記底部に隣接する第1の部分と、前記第1の直径より小さい第2の直径を有する隣接する第2の部分とを有し、前記第1および第2の脚部は肩部によって分離され、
前記1つまたは複数の分配流路が前記カラムの前記壁内に配置され、前記分配流路出口開口部が前記肩部内に設けられ、その結果、前記1つまたは複数の分配流路出口開口部から出てくる液体成分が、前記下部脚部の前記壁の前記外側表面上を流れ、前記カラムの前記底端部で前記分配開口部から出てくるベース液体流と合流する、請求項3に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項8】
前記排出出口開口部から出た前記液体成分を案内するために、1つまたは複数の排出溝が前記カラムの前記脚部の前記外側表面に設けられ、各排出溝は分配流路出口開口部から前記カラムの前記底端部に向かって、好ましくは前記カラムの前記脚部の前記端面まで延在する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項9】
前記カラムの前記壁の前記底側表面が前記チャネルの中心軸に対して垂直に延在する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項10】
前記1つまたは複数の分配流路の前記1つまたは複数の出口開口部が、前記液体成分を、ベース液体の前記流れの前記外側の周りに環状シュラウドとして分配するように配置される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項11】
前記底部密封フィルムが、前記分配開口部の周りに封着された内側ループ状密封領域と、前記1つまたは複数の分配流路出口開口部から離れた前記カートリッジ本体に、例えば前記カートリッジの前記底部の非可撓性部分に封着された外側ループ状密封領域とを有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項12】
前記貯蔵部内の液体成分を加圧することにより前記1つまたは複数の分配流路を介した前記液体成分の分配を促進するために、加圧ガスを前記貯蔵部に導入することを可能にするように前記上部密封フィルムが穿孔可能である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項13】
前記カートリッジ本体が、前記上部密封フィルムの下で前記貯蔵部内に配置された1つまたは複数の上部密封フィルム穿孔部材を含み、前記シール穿孔部材は、例えば前記カラムがその初期位置からより低い分配位置まで下方へ移動されることにより、前記上部密封フィルムが下方に移動されるとき、前記上部密封フィルムと係合し、前記上部密封フィルムを局所的に破裂させ、それにより、加圧ガスの前記貯蔵部への導入を可能にする1つまたは複数の孔を提供するために、前記上部シールの近くに配置された切断用頂部を有する、請求項12に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項14】
穿孔部材が、前記カートリッジの前記底部と一体の底端部と、前記底部から上方に前記貯蔵部を通って前記上部シール近くに位置する前記切断用頂部まで延在する本体とを有し、場合によっては前記貯蔵部の前記周壁と一体である側を有する、請求項13に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項15】
前記1つまたは複数の分配流路出口開口部の合計面積が、前記1つまたは複数の分配流路入口開口部の合計面積よりも数倍大きく、例えば少なくとも10倍大きい、請求項1〜14のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項16】
前記1つまたは複数の分配流路に流れ制限部が設けられ、それは例えば狭い入口開口部の形態のものであり、例えば最大でも2mm2の断面を有する入口開口部である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項17】
分配流路入口開口部が、前記分配流路の隣接セクションに対してある角度で配向され、その結果、前記入口開口部を通過する液体成分の噴流が前記流路の壁部分に衝突し、それにより前記噴流の速度を低下させ、好ましくは消滅させる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項18】
前記1つまたは複数の分配流路に狭い流入セクションおよび広い流出セクションが設けられ、その結果、前記狭い流入セクションが、前記貯蔵部から前記分配流路出口開口部に流れる液体成分の流れに対する制限部を形成する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項19】
前記流出セクションが前記カラム内の前記チャネルと実質的に平行に延在し、前記入口セクションが前記流出セクションに対してある角度をなして延在し、その結果、例えば液体成分のガス加圧に起因する、前記入口開口部を通過する液体成分の噴流は、前記流出セクションの壁部分に衝突し、それにより前記噴流の速度を低下させ、好ましくは消滅させる、請求項18に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項20】
前記上部密封フィルムが前記カラム内の前記チャネルの前記入口を覆って密封し、前記ベース液体フィードランスが、ベース液体を前記入口に供給するために、前記上部密封フィルムを貫通することができる、請求項1〜19のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項21】
前記カラム内の前記チャネルが、第1の直径を有する上部と、前記分配開口部まで延在する隣接する下部とを有し、前記下部および分配開口部が第2の直径を有し、前記第1の直径は前記第2の直径より大きい、請求項1〜20のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項22】
前記カラムの前記チャネルの前記分配開口部が、6〜10ミリメートルの、例えば約8ミリメートルの直径を有する、請求項1〜21のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項23】
前記カートリッジ本体が、開口を画定する上縁部を有する周壁を有し、前記上部密封フィルムが、例えば外向きに突出したフランジとして具体化される前記上縁部に固定され、例えば前記半径方向に突出するフランジは、分配装置の支持表面上で前記カートリッジを支持するように具体化されている、請求項1〜22のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項24】
前記カートリッジ本体が前記底部の周辺に周壁を有し、前記チャネルが前記カートリッジの前記周壁の軸に対して同心である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項25】
前記カートリッジ本体が、射出成形されたモノリシックプラスチック本体部分を備え、前記モノリシックプラスチック本体部分は、周壁、底部、および前記カラムの一部を少なくとも含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項26】
弁部材が前記カートリッジの前記貯蔵部内におよび前記カラムの外側に配置され、前記弁部材は、前記カラムがより高い初期位置からより低い分配位置に移動されたときに前記カラムに対して可動、例えばスライド可能であるように、前記カートリッジ内に固定した状態で配置され、
ここで、前記カラムの前記より高い初期位置において、前記弁部材は、前記貯蔵部が閉鎖されるように、前記1つまたは複数の分配流路を閉鎖し、
ここで、前記カラムの前記より低い分配位置において、前記弁部材は前記1つまたは複数の分配流路から離れるように移動して、その結果、前記貯蔵部が開放される、請求項1〜25のいずれか一項に記載の使い捨てカートリッジ。
【請求項27】
液体生成物、例えば液体食品、例えば飲料の調製のためのシステムであって、
a)請求項1〜26のいずれか一項に記載の液体成分の一人分供給量で充填された使い捨てカートリッジと、
b)分配装置、例えば飲料分配装置であって、少なくとも、
・前記装置内の分配位置に前記使い捨てカートリッジを収容して保持するためのホルダ、
・前記分配位置に配置されるベース液体フィードランスを有するベース液体供給アセンブリであって、前記ランスは、例えば前記カートリッジの前記上部密封フィルムを貫通する間に、前記使い捨てカートリッジの前記カラムのチャネルに接続し、それによりベース液体を前記チャネルに供給できるように具体化される、ベース液体供給アセンブリ、
・前記カートリッジの前記ホルダおよび前記ベース液体フィードランスの相対的な移動をもたらすように適合された作動可能な変位装置であって、前記変位装置が作動されると前記ランスが前記カラムに接続し、前記カラムを前記カートリッジ本体の前記上部に対して下方に移動し、それにより前記底部密封フィルムを破裂させおよび/または前記分配開口部から引き離し、それにより前記1つまたは複数の流路出口開口部からの前記液体成分の分配を可能にする、作動可能な変位装置、
を備えられた分配装置とを含み、
前記ベース液体供給アセンブリは、ベース液体を前記チャネルに供給するように適合され、前記ベース液体は前記分配開口部からの流れとして現れ、前記液体成分は前記1つまたは複数の流路出口開口部から分配され、前記ベース液体流の外側と合流する、システム。
【請求項28】
前記分配装置がさらに、
・加圧ガス源、好ましくは加圧空気源、例えばエアポンプと、
・前記カートリッジの前記上部に、例えば前記上部密封フィルムに、例えば前記使い捨てカートリッジの前記周壁の上縁部でまたはその近くで、密封係合するように適合された環状ガスシールを有する加圧ドーム部材とを含み、
前記システムは、前記上部密封フィルムの少なくとも一部を開封、例えば穿孔、破断、破裂、および/または引き裂くように適合され、および、
前記貯蔵部の中の前記液体成分を加圧しそれにより前記1つまたは複数の分配流路を介した前記貯蔵部からの前記液体成分の分配を促進するべく加圧ガスの前記貯蔵部への流入を許容するために、その前記ガスシールが前記使い捨てカートリッジの前記上部に密封係合し、および前記上部密封フィルムが開封されたとき、前記ドーム部材の下への加圧ガスの供給を可能にするように前記加圧ガス源は前記加圧ドーム部材に接続される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記使い捨てカートリッジが、少なくとも請求項13に従って具体化され、その結果、前記カラムがその初期位置からそのより低い分配位置まで下方に移動されることに起因して、前記上部密封フィルムの下で前記貯蔵器内に配置された前記1つまたは複数の上部密封フィルム穿孔部材が前記上部密封フィルムと係合し、前記上部密封フィルムを局所的に破裂させ、それにより、前記加圧ガスの前記貯蔵部への導入を可能にする1つまたは複数の孔を提供する。請求項27または28に記載のシステム。
【請求項30】
前記上部密封フィルムに、例えば前記上部密封フィルムをレーザ加工することによって、1つまたは複数の予め形成された刻み線が設けられ、前記1つまたは複数の予め形成された刻み線は、前記カラムが初期位置からより低い分配位置に下方に移動されることにより、前記上部密封フィルムを破裂させ、それにより開封するように適合される、請求項27〜29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記分配装置が、水道または他の水供給源への接続部と、水冷却器および冷却水用の保持タンクと、炭酸ガス源に、例えば炭酸ガスのボトルに接続された炭酸化装置、例えば、一人分が調製される際に前記冷水保持タンクから前記ベース液体フィードランスまで水ダクトを流れる冷水流に炭酸ガスを溶解させるように適合されたインライン炭酸化装置とを含む、請求項27〜30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記液体供給アセンブリは、前記ベース液体として水、例えば炭酸水、例えば選択的に炭酸化および非炭酸化される水、例えば冷却された、冷却されていない、および/または熱い非炭酸水を供給するように装備されている、請求項27〜31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記分配装置が、
・フレームと、
・前記カートリッジを前記装置のフレームに対して分配位置に保持するように構成されたカートリッジホルダ、例えば引き出しを含み、
前記作動可能な変位装置が、前記ベース液体フィードランスのフレームに対する移動、例えば垂直方向の上下移動を生じさせるように適合され、前記ベース液体フィードランスは、一体的に移動するように、前記環状ガスシールを有する前記加圧ドーム部材と一体化される、請求項28に記載のシステム。
【請求項34】
第1の可撓性ホースが前記液体フィードランスに接続され、第2の可撓性ホースが前記加圧ドーム部材に接続される、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記カートリッジ用の前記ホルダは、前記カートリッジを前記底部が下を向いた状態で実質的に水平な位置に収容して保持するように取り付けられ、前記ホルダは、前記液体生成物の分配の間、前記生成物が前記ホルダと距離を置くような方法で前記カートリッジの前記底部の下に開口部を有する、請求項27〜33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
風味付けされた炭酸飲料を炭酸水の流れから調製するためのカートリッジであって、前記カートリッジを通ってまたはそれに沿って前記炭酸水の流れが通過するための流れチャネルを画定し、および液体濃縮物を受け入れるための貯蔵部であって、前記濃縮物がそれを通って前記貯蔵部を出て前記流れと接触することができる少なくとも1つの分配流路を含む貯蔵部と、最初に前記分配流路を閉鎖するためのシールとを含み、前記分配流路は、比較的小さな流れ断面を有する絞り領域と、比較的大きな流れ断面を有する前記流れと接触するための分配流路出口開口部とを含み、前記絞り領域は、前記分配流路出口開口部と前記貯蔵部との間にある、カートリッジ。
【請求項37】
請求項1〜36のいずれか一項に記載のカートリッジおよび/またはシステムおよび/または装置を使用する、液体生成物、例えば炭酸飲料の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その譲受人に譲受されかつここに書くことによって本明細書に参照により明示的に組み込まれる、2014年11月17日に出願されたオランダ国出願番号NL2013824号明細書(表題“DISPOSABLE CARTRIDGE FILLED WITH A SINGLE SERVE PORTION OF A LIQUID INGREDIENT TO BE COMBINED WITH A BASE LIQUID FOR THE PREPARATION OF A LIQUID PRODUCT”)および2014年12月9日に出願されたオランダ国出願番号NL2013947号明細書(表題“SYSTEM, DISPOSABLE CARTRIDGE, AND METHOD FOR THE PREPARATION OF A LIQUID PRODUCT”)に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、液体生成物、例えば人の消費に適した液体食品を調製するために、ベース液体と組み合わせられる液体成分、例えば、飲料を調製するために、水、例えば炭酸水と組み合わせられる飲料濃縮物の一人分供給量(single serve portion)で充填された使い捨てカートリッジに関する。
【背景技術】
【0003】
使い捨てカートリッジに基づく飲料調製システムの例は、例えば、米国特許第4808346号明細書、国際公開第2005/077811号パンフレット、国際公開第2007/114685号パンフレット、米国特許出願公開第2014/0331868号明細書、および米国特許出願公開第2015/0125586号明細書に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、改善案または少なくとも有用な代替案を提供することを目的とする。例えば、先行技術のシステムは、例えば瓶または缶から分配される同じ飲料と比較して、炭酸飲料の調製に際して満足のいく結果を示さない。同じく、例えば、消費者によって取り扱いが容易であり、および/または大量生産およびコストの面で魅力的であるカートリッジに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、本発明は、ベース液体の流れから飲料を調製するためのカートリッジであって、ベース液体の流れを、カートリッジを通してまたはカートリッジに沿って通すための流れチャネルを画定し、および液体成分を受け入れるための貯蔵部であって、それを通って成分が貯蔵部を出てベース液体の流れと接触できる少なくとも1つの分配流路を含む貯蔵部と、分配流路を最初に閉鎖するシールとを備え、分配流路が、比較的小さい流れ断面を有する絞り領域と、比較的より大きい流れ断面を有するベース液体の流れと接触するための分配流路出口開口部とを含み、絞り領域は分配流路出口開口部と貯蔵部との間にある、カートリッジを提案する。
【0006】
使い捨てカートリッジは、請求項1または以下に記載の特徴を有するように具体化されてもよい。
【0007】
本発明の第1の態様によるカートリッジは、特に炭酸飲料の調製に適し、その際、液体成分がカラム内のチャネルを流れる炭酸水の流れを風味付けおよび/または着色する。
【0008】
この設計では、炭酸水は、入口から分配開口部までチャネルを単に通過し、この分配開口部から炭酸水の流れとして現れる。説明されるように、炭酸水の流れは、好ましくは、カートリッジを通過する間にいかなる形でも妨げられず、また妨害もされず、好ましくは、チャネルは、類似の断面のフィードランス(feed lance)内にダクトの直線状延長部を形成する。また、分配開口部からの分配は、好ましくはいかなる形でも妨げられず、好ましくはカートリッジまたは装置のどの部分とも接触せずに消費者用の飲用容器内にまっすぐ落ちる。炭酸水の流れの乱れを回避することによって、炭酸水に溶解した炭酸ガスができるだけその中に保持されるという効果が達成される。これは、飲料の品質にとって有益であり、また、炭酸ガスの効率的な使用を可能にし、これは例えば、空のときに消費者によって交換される必要のあるガスボトルに炭酸ガスが貯蔵されるときに重要である。
【0009】
この設計では、飲料産業においてしばしば言及される液体成分またはシロップは、炭酸水または他のベース液体が流れるチャネルに流入しない。その代わりに、液体成分は、分配された液体成分が分配開口部から出てくる炭酸水の流れの外側と合流するように配置された1つまたは複数の分配流路出口開口部から分配される。
【0010】
炭酸水の流れの外側は、溶解した炭酸ガスの一部の膨張および/または逃散に起因するある種の乱流をそれ自体示すので、液体成分の合流される流れは、炭酸水の流れに徐々に取り込まれ、それと非常に効果的に混合する。これにより、例えば炭酸水と液体成分が衝突して混合される混合チャンバを有するカートリッジの設計と比較して、炭酸水からの炭酸ガスの損失が最小限に抑えられることが観察されている。したがって実際的には、液体成分を分配された炭酸水の流れと合流させるまたは結合するプロセスは、カートリッジの分配開口部の直ぐ下流で行われ、密な混合は、流れが飲用容器内に移動する間に効果的に起こる自律的なプロセスである。
【0011】
好ましくは、前記液体成分は、出現する炭酸水の流れの周りの環状シュラウドとして流れる。
【0012】
好ましくは、1つまたは複数の分配流路出口開口部から出る液体成分は、分配開口部から出てくるベース液体、例えば炭酸水の流れとほぼ平行な方向性を有し、例えばそれによって、炭酸水の流れの過度の乱れを回避するようにする。
【0013】
この設計では、分配開口部と整列された、例えば前記分配開口部と同じまたは似た直径を有する底部密封フィルムの予め形成された孔が、前記底部密封フィルムまたはその一部が分配開口部から出るベース液体の流れと干渉する危険性を回避する。説明されるように、炭酸水中の炭酸ガスおよび/または他のガスの保持の観点から、何らかの妨害により流れからのガスの損失が引き起こされるので、流れを妨害しないことが望ましい。
【0014】
またこの設計では、ユーザが底部密封フィルムを除去する必要はない。カートリッジは、カラムがそのより低い分配位置に移動されることにより、底部密封フィルムの効果的な開封を引き起こす。
【0015】
上部密封フィルムはチャネルの入口を覆って延在してもよいが、別の設計では、上部密封フィルムもチャネルの入口と整列される孔を有する。
【0016】
好ましくは、チャネルは直線状および垂直状である。
【0017】
カラムはカートリッジの中心に配置され、貯蔵部がカラムの周りに環状貯蔵部として延在していると好ましい。例えば、カートリッジは、断面がほぼ円形であり、カラムの周りに同心円状に配置された周壁を有する。しかしながら、カラムおよび/またはチャネルが中心から離れて、または貯蔵部の一方の側に配置されることは排除されない。チャネルがカートリッジの外部に形成され、それによってベース液体の流れがカートリッジを効果的に迂回し、その後ベース液体と液体成分とが合流することさえ可能である。
【0018】
例えば、カートリッジには、その中の液体成分を表す識別記号、例えばバーコードまたは他の方法が設けられ、それにより分配装置が適切なベース液体を、フィードランスを介して供給するために前記識別記号を読み取ることが可能になる。
【0019】
ある実施形態では、1つまたは複数の分配流路出口開口部は、好ましくは円形配置で分配開口部の周りに配置され、底部密封フィルムは少なくとも1つまたは複数の分配流路出口開口部を気密式に密封し、底部密封フィルムは、カラムがそのより低い分配位置に下方へ移動されることにより、破裂および/または分配流路出口開口部から引き離され、それにより分配流路出口開口を開放するように適合される。この実施形態は、底部密封フィルムが1つまたは複数の出口開口部を直接密封することを可能にし、それにより、さらなる弁等が分配流路を閉鎖する必要性を回避する。本明細書で説明するように、いくつかの実施形態では、例えばカラムの外部の貯蔵部の中にある、このような弁が、底部密封フィルムが存在しない設計において、またはさらなるシールが所望される場合に、設けられてもよい。
【0020】
ある実施形態では、カートリッジ本体の底部からカラムの上端部まで上方に突出するカラムの部分はカラムの上部であり、カラムはさらに下部脚部を有し、この脚部は、カラムの壁の底側表面とカラムの底端部の分配開口部とがカートリッジ本体の底部から離間されるように、カートリッジ本体の底部からカラムの前記底端部まで下方に突出する。この特徴は、カラムがそのより低い分配位置に移動されるときに、カラムの脚部が底部密封フィルムの予め形成された孔の中に突き出ることができるので、底部密封フィルムの効果的な開封を可能にする。また、この設計は、液体成分がカートリッジの底に付着してそこに固着すること、および/または成分がベース液体の流れと合流する分配開口部から流れ出ることを回避することを可能にする。
【0021】
好ましい実施形態では、1つまたは複数の分配流路がカラムの壁内に配置され、分配流路出口開口部がカラムの壁の底側表面に設けられる。この設計は、カラムの関連部分の厚さ内に、例えば好ましい上記の脚部内に、1つまたは複数のダクトを効果的に形成する。分配流路は、垂直方向に見て複数の半円形断面流路を含むことができ、例えばそのそれぞれが1つの入口開口部に関連付けられ、例えば1つの入口開口部は、例えば最大でもその断面の半分である、分配流路の断面の一部である断面を有する。
【0022】
別の実施形態では、1つまたは複数の分配流路は、カートリッジ本体の底部に少なくとも部分的に配置され、1つまたは複数の分配流路出口開口部は、カートリッジ本体の底部に、カラムの脚部に隣接して、好ましくはカラムの脚部の周囲に円形構成で配置され、その結果、前記1つまたは複数の分配流路出口開口部から出る液体成分はカラムの脚部の壁の外側表面と接触し、カラムの壁の外側表面上を流れ、カラムの底端部にある分配開口部から出てくるベース液体流と合流する。したがって、壁の厚さ内の流路を通って流れる代わりに、液体成分は、その下端部に達するまで外側表面に沿って流れ、その後、分配開口部から出てくるベース液体流と合流する。
【0023】
別の実施形態では、1つまたは複数の分配流路は、カラムの壁内に配置され、分配流路出口開口部は、カラムの脚部の壁の外側表面内に、カートリッジ本体の底部とカラムの底端部との間に設けられ、その結果、前記1つまたは複数の分配流路出口開口部から出る液体成分は、カラムの壁の外側表面上を流れ、カラムの底端部の分配開口部から出てくるベース液体流と合流する。
【0024】
別の実施形態では、カラムの脚部は、第1の直径を有するカートリッジ本体の底部に隣接する第1の部分と、前記第1の直径より小さい第2の直径を有する隣接する第2の部分とを有し、第1および第2の脚部は肩部によって分離され、1つまたは複数の分配流路はカラムの壁の中に配置され、分配流路出口開口部は肩部に設けられ、その結果、前記1つまたは複数の分配流路出口開口部から出てくる液体成分は、下部脚部の壁の外側表面上を流れ、カラムの底端部で分配開口部から出てくるベース液体流と合流する。
【0025】
ある実施形態では、1つまたは複数の排出出口開口部から出た液体成分を案内するために、1つまたは複数の排出溝がカラムの脚部の外側表面に設けられ、各排出溝は1つまたは複数の分配流路出口開口部からカラムの底端部に向かって、好ましくはカラムの脚部の端面まで延在する。1つまたは複数の溝は、例えば分配開口部から出てくるベース液体の流れの周りに液体成分の前述のシュラウドを形成するために、液体成分の流れを分配する働きをし得る。1つまたは複数の溝はまた、それが1つまたは複数の出口開口部から出るときに液体成分を減速させるように、および/または前記流れを、ベース液体の出現する流れと実質的に平行な、例えば垂直の流れに方向付けるように構成されてもよい。
【0026】
液体成分と合流してその後自律的に混合するベース液体の良好に方向付けられた流れを形成することを目的とする実施形態では、カラムの壁の底側表面がチャネルの中心軸に対して垂直に延在する。
【0027】
ある実施形態では、1つまたは複数の分配流路の1つまたは複数の出口開口部は、液体成分を、ベース液体の流れの外側の周りに環状シュラウドとして分配するように配置される。
【0028】
ある実施形態では、底部密封フィルムは、分配開口部の周りに封着された内側ループ状密封領域と、1つまたは複数の分配流路出口開口部から離れたカートリッジ本体に、例えばカートリッジの底部の非可撓性部分に封着された外側ループ状密封領域とを有する。内側ループ状領域は、カラムのより低い分配位置への動きに伴って解放されるが、外側ループ状領域は、カートリッジに固定されたままであることが想定される。好ましくは、カラムの脚部は、カラムがその分配位置に移動されたとき、好ましくは底部密封フィルムが引き裂かれることなく、底部密封フィルムの予め形成された孔の中に効果的に押し込まれる。
【0029】
ある実施形態では、上部密封フィルムは、例えば、1つまたは複数の分配流路を介したその分配を支援するように、その中の液体成分を加圧するために、加圧ガスを貯蔵部に導入することを可能にするように、開封可能である、例えば穿孔可能である、または他の方法が可能である。ガスは、任意の適切な方法で、例えばカニューレまたはガス通路によって、またはカートリッジおよび貯蔵部と連通している密封チャンバを加圧することによって、導入することができる。
【0030】
ある実施形態では、カートリッジ本体は、上部密封フィルムの下で貯蔵部内に配置された1つまたは複数の上部密封フィルム穿孔部材を含み、このシール穿孔部材は、例えばカラムがその初期位置からより低い分配位置まで下方へ移動されることにより、上部密封フィルムが下方に移動されるとき、上部密封フィルムと係合し、上部密封フィルムを局所的に破裂させ、それにより、加圧ガスの貯蔵部への導入を可能にする1つまたは複数の孔を提供するために、上部シールの近くに配置された切断用頂部を有する。この設計は、分配装置の工具または部材による上部密封フィルムの穿孔の必要性を回避する。この工具または部材は、液体成分が上部密封フィルムの下面に付着する場合があるのでまたは付着し得るので、後に汚染を受けやすくなるだろう。また、このような工具または部材はいずれも、分配装置の設計を複雑にし得るものであり、および/または消費者による接触を考慮すると、鋭利であるかまたは尖っているので好ましくないかもしれない。
【0031】
1つまたは複数のガス圧導入開口部を、上部密封フィルムに、または前記内側穿孔部材の1つまたは複数と組み合わせて形成するための代替的な実施形態では、カラムがより低い分配位置へ移動すると破れる1つまたは複数の刻み線が上部密封フィルムに設けられる。この移動により、上部密封フィルムはカラムの上部だけでなくその外周の周りでも固定されるので、上部密封フィルムは引っ張られる。刻み線に高すぎる応力が発生するため、その後フィルムは破れる。この破裂は、上部密封フィルムの下の1つまたは複数の穿孔部材が存在によって補助され得る。
【0032】
ある実施形態では、カートリッジの上部シール穿孔部材は、カートリッジの底部と一体の底端部と、底部から上方に貯蔵部を通って上部シール近くに位置する切断用頂部まで延在する本体とを有し、場合によっては周壁と一体である側を有する。
【0033】
ある実施形態では、1つまたは複数の分配流路出口開口部の合計面積または断面は、1つまたは複数の分配流路入口開口部の合計面積よりも数倍大きく、例えば少なくとも10倍大きい。分配流路出口のこの実施形態は、カートリッジと共に使用される分配装置が、貯蔵器内の液体成分に排出力を、例えば貯蔵部内の液体成分にガス圧力を及ぼすように適合されている場合、特に有利である。比較的狭い入口開口部は、液体成分のための絞り部として働き、絞り部は排出力に基づいて1つまたは複数の分配流路への安定した流量を生成することを可能にする。同じ分配流路のより大きいサイズの出口開口は、液体成分が最終的に出口開口部から出る前に、液体成分の減速または遅れを可能にする。したがって、絞り部領域は、分配流路の入口に配置されてもよいが、それが分配流路の出口開口の上流にある範囲で、中間位置で画定されてもよいことが理解されるであろう。
【0034】
ある実施形態では、1つまたは複数の分配流路には、流れ制限部、好ましくは、例えば1つまたは複数の狭い入口開口部の形態の、分配流路の一部として形成された固定されたまたは一定の流れ制限部が設けられ、例えば組み合わせられた入口開口部または他の流れ制限部は最大で8mm
2の断面を有する。例えば、1つまたは複数の入口開口部は、それぞれ1〜2mm
2の断面積を有する。貯蔵部から分配される液体成分の粘度に依存して、流れ制限部はカートリッジの製造時に調整できることは理解されよう。
【0035】
ある実施形態では、分配流路入口開口部は、分配流路の隣接セクションに対してある角度で配向され、その結果、例えば流路の流れ制限部として具体化される、入口開口部を通過する液体成分の噴流は、流路の壁部分に衝突し、それにより前記噴流の速度を低下させ、好ましくは消滅させる。
【0036】
ある実施形態では、1つまたは複数の分配流路は、比較的狭い流入セクションと比較的広い流出セクションとを備え、その結果、狭い流入セクションが、貯蔵部から分配流路出口開口部に流れる液体成分の流れに対する制限部を形成する。広い流出セクションは、液体成分が出口開口部から出る前に液体成分の減速を可能にする。ある実施形態では、流出セクションは、カラム内のチャネルと実質的に平行に延在し、流入セクションは、流出セクションに対してある角度をなして延在し、その結果、例えば液体成分のガス加圧に起因する、入口開口部を通過する液体成分の噴流は、流出セクションの壁部分に衝突し、それにより前記噴流の速度を低下させ、好ましくは消滅させる。
【0037】
ある実施形態では、上部密封フィルムには、チャネルの入口と整列された予め形成された孔が設けられる。別の実施形態では、上部密封フィルムは、カラム内のチャネルの入口を覆って密封する。その結果、ベース液体フィードランスが、ベース液体をチャネルの前記入口に供給するために、前記上部密封フィルムを貫通することができることが想定される。
【0038】
ある実施形態では、カラム内のチャネルは、第1の直径を有する上部と、前記分配開口部まで延在する隣接する下部とを有し、前記下部および分配開口部は第2の直径を有し、第1の直径は第2の直径より大きい。チャネルのこの段差のある直径は、フィードランスの前端部をより広い上部に導入することを可能にし、好ましくは、フィードランス内のダクトは実質的に第2の直径に対応する内径を有する。このようにして、フィードランスおよびカートリッジ内のチャネルの隣接する部分を通る、ベース液体、例えば炭酸水用のほぼ一定の直径のダクトが形成される。これは、炭酸水の場合に水からの炭酸ガスの余分な損失をもたらし得る流れの過度の妨害を回避するか、または少なくとも低減する。
【0039】
ある実施形態では、カラムのチャネルの、好ましくは同じくチャネルの隣接する第2の部分の分配開口部は、5〜20ミリメートル、例えば8〜16mm、例えば約10ミリメートルの直径を有する。
【0040】
ある実施形態では、カートリッジ本体は、開口を画定する上縁部を有する周壁を有し、上部密封フィルムは前記上縁部に固定され、例えばこの縁部は外向きに突出したフランジとして具体化され、例えば前記半径方向に突出するフランジは、分配装置の支持表面上で、例えばそのような装置の引き出しの上でカートリッジを支持するように具体化されている。
【0041】
ある実施形態では、カートリッジ本体は底部の周囲に周壁を有し、チャネルはカートリッジの周壁の軸に対して同心である。他の実施形態では、カラムはカートリッジの中心からオフセットされ、例えば周壁の1つの側に隣接する。
【0042】
ある実施形態では、カートリッジ本体は、射出成形されたモノリシックプラスチック本体部分を備え、モノリシックプラスチック本体部分は、少なくとも周壁、底部、およびカラムの一部、例えばカラムの脚部を含み、および場合によっては、カラムの上部の下部も含み、例えばその部分は上記の第2の直径を画定し、ここで、ある実施形態では、カラムの残りの部分は、カラムの上部の下部に取り付けられる別個に成形されたプラスチック部品として具体化される。後者の実施形態は、例えば、モノリシックプラスチック本体部分の型の簡素化を可能にするので、射出成形技術の観点から有利であり得る。
【0043】
ある実施形態では、弁部材が、カートリッジの貯蔵部内におよびカラムの外側に配置され、この弁部材は、カラムがより高い初期位置からより低い分配位置に移動されたときにカラムに対して可動、例えばスライド可能であるように、カートリッジ内に固定した状態で配置され、
ここで、カラムのより高い初期位置において、弁部材は、貯蔵部が閉鎖されるように、1つまたは複数の分配流路を閉鎖し、
ここで、カラムのより低い分配位置において、弁部材は1つまたは複数の分配流路から離れるように移動して、その結果、貯蔵部が開放される。この実施形態は、1つまたは複数の分配流路の入口で貯蔵部を閉鎖することを可能にする。
【0044】
本発明はさらに、液体生成物、例えば液体食品、例えば飲料の調製のためのシステムに関し、システムは、
a)本明細書に記載される液体成分の一人分供給量で充填された使い捨てカートリッジと、
b)分配装置、例えば飲料分配装置であって、少なくとも、
・装置内の分配位置に使い捨てカートリッジを収容して保持するためのホルダ、
・分配位置に配置されるベース液体フィードランスを有するベース液体供給アセンブリであって、ランスは、例えばカートリッジの上部密封フィルムを貫通する間に、使い捨てカートリッジのカラムのチャネルに接続するように具体化され、それによりベース液体をチャネルに供給できる、ベース液体供給アセンブリ、
・カートリッジのホルダおよびベース液体フィードランスの相対的な移動をもたらすように適合された作動可能な変位装置であって、変位装置が作動されるとランスがカラムに接続し、カラムをカートリッジ本体の上部に対して下方に移動し、それにより底部密封フィルムを破裂させおよび/または分配開口部から引き離し、それにより1つまたは複数の流路出口開口部からの液体成分の分配を可能にする、作動可能な変位装置、
を備えられた分配装置とを含み、
ベース液体供給アセンブリは、ベース液体を前記チャネルに供給するように適合され、ベース液体は分配開口部からの流れとして現れ、前記液体成分は1つまたは複数の流路出口開口部から分配され、前記ベース液体流の外側と合流する。
【0045】
ある実施形態では、分配装置はさらに、
・加圧ガス源、好ましくは加圧空気源、例えばエアポンプと、
・カートリッジの上部に、例えば上部密封フィルムに、例えば使い捨てカートリッジの周壁の上縁部でまたはその近くで、密封係合するように適合された環状ガスシールを有する加圧ドーム部材とを含み、
システムは、上部密封フィルムの少なくとも一部を開封、例えば穿孔、破断、破裂、および/または引き裂くように適合され、および、
貯蔵部の中の液体成分を加圧しそれにより1つまたは複数の分配流路を介した貯蔵部からの液体成分の分配を促進するべく加圧ガスの貯蔵部への流入を許容するために、そのガスシールが使い捨てカートリッジの上部に密封係合し、および上部密封フィルムが開封されたとき、ドーム部材の下への加圧ガスの供給を可能にするように加圧ガス源は加圧ドーム部材に接続される。
【0046】
ある実施形態では、使い捨てカートリッジは、1つまたは複数の穿孔部材を備えて具体化され、その結果、カラムがその初期位置からそのより低い分配位置まで下方に移動されることに起因して、上部密封フィルムの下で貯蔵器内に配置された1つまたは複数の上部密封フィルム穿孔部材が上部密封フィルムと係合し、上部密封フィルムを局所的に破裂させ、それにより、加圧ガスの貯蔵部への導入を可能にする1つまたは複数の孔を提供する。
【0047】
ある実施形態では、上部密封フィルムには、1つまたは複数の予め形成された刻み線が、例えば、上部密封フィルムをレーザ加工することによって設けられ、前記1つまたは複数の予め形成された刻み線は、カラムが初期位置からより低い分配位置に下方に移動されることにより、上部密封フィルムを破裂させ、それにより開封するように適合される。
【0048】
ある実施形態では、分配装置は、水道または他の水供給源への接続部と、水冷却器および冷却水用の保持タンクと、炭酸ガス源に、例えば炭酸ガスのボトルに接続された炭酸化装置、例えば、一人分が調製される際に前記冷水保持タンクから前記ベース液体フィードランスまで水ダクトを流れる冷水流に炭酸ガスを溶解させるように適合されたインライン炭酸化装置とを含む。
【0049】
ある実施形態では、液体供給アセンブリは、ベース液体として水、例えば炭酸水、例えば選択的に炭酸化および非炭酸化される水、例えば冷却された、冷却されていない、および/または熱い非炭酸水を供給するように装備されている。
【0050】
ある実施形態では、分配装置は、
・フレームと、
・カートリッジを装置のフレームに対して分配位置に保持するように構成されたカートリッジホルダ、例えば引き出しとを含み、
作動可能な変位装置は、ベース液体フィードランスのフレームに対する移動、例えば垂直方向の上下移動を生じさせるように適合され、ベース液体フィードランスは、一体的に移動するように、前記環状ガスシールを有する加圧ドーム部材と一体化される。
【0051】
ある実施形態では、第1の可撓性ホースが液体フィードランスに接続され、第2の可撓性ホースが加圧ドーム部材に接続される。
【0052】
ある実施形態では、カートリッジ用のホルダは、カートリッジを底部が下を向いた状態で実質的に水平な位置に収容して保持するように装備され、ホルダは、液体生成物の分配の間、前記生成物がホルダと距離を置くような方法でカートリッジの底部の下に開口部を有する。
【0053】
本発明はまた、液体生成物、例えば炭酸飲料の調製方法にも関し、この方法では、本明細書または添付の特許請求の範囲に定義されるカートリッジおよび/またはシステムおよび/または装置が使用される。
【0054】
本発明はさらに、液体生成物、例えば人の消費に適した液体食品の調製のためにベース液体と組み合わせられる液体成分、例えば、飲料を調製するために、水、例えば炭酸水と組み合わせられる飲料濃縮物の一人分供給量で充填された使い捨てカートリッジを提供し、使い捨てカートリッジは、
底部および上部を備えたカートリッジ本体、例えば成形プラスチック本体であって、液体成分の一人分供給量で充填された貯蔵部を画定するカートリッジ本体を含み、
上部は、前記貯蔵部と連通する開口部を有し、開口部は上部密封フィルムによって気密式に密封され、
カートリッジ本体はさらにカラムを含み、前記カラムは底部から前記カラムの上側まで上方に突出する部分を有し、
垂直に延在するチャネルが、カラムの上端部の入口からカートリッジ本体の底部の開口部までカラムを貫いて延在し、
前記底部は可撓性部分をカラムに隣接して、例えばその周囲に有し、その結果、カラムは、その上に及ぼされる力によって、本体の上部に対して、例えば本体の周壁の上縁部に対して下方に、より高い初期位置とより低い分配位置との間で移動可能であり、
弁部材が、カートリッジ内におよびカラムの外側に配置され、この弁部材は、カラムがより高い初期位置からより低い分配位置に移動されたときにカラムに対して移動可能、例えば摺動可能であるように、カートリッジ内に固定された状態で配置され、
カートリッジ本体には、貯蔵部から液体成分を分配するように配置された1つまたは複数の分配流路が設けられ、
カラムのより高い初期位置において、弁部材は、貯蔵部が閉鎖されるように1つまたは複数の分配流路を閉鎖し、
カラムのより低い分配位置において、弁部材は、貯蔵部が開放されるように1つまたは複数の分配流路から離れるように移動し、
ベース液体フィードランスは、ベース液体がチャネルに供給され、カートリッジの底部の開口部を介してカートリッジを出ることができるように、カラム内のチャネルの入口に接続可能であり、
好ましくは、前記1つまたは複数の分配流路は、分配された液体成分がチャネルの出口でまたはその近傍でチャネル内のベース液体と組み合わされるように配置される。
【0055】
本発明によるカートリッジのある実施形態では、カートリッジ内に配置された弁部材は、カラムがより低い分配位置へ下方に移動することにより破裂および/または分配流路出口開口部から引き離され、それにより分配流路出口開口部を開放するように適合された底部密封フィルムと組み合わされる。
【0056】
当業者であれば、本発明の一実施形態に関して必要であるまたは任意であると本明細書で考察した技術的特徴は、その特徴がその指定の機能を果たす状態で、本明細書に記載した1つまたは複数の他の実施形態に等しく適用可能であり得ることを認識するであろう。そのような組み合わせは、組み合わせが技術的に不可能な解決策をもたらさない限りおよび/または所望の機能性を満たす限り、本明細書においてすべて想定される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】本発明によるシステムの例の斜視断面図を示し、このシステムは、その一部が示されている分配装置と、液体生成物を調製するためにベース液体と混合される液体成分、例えば飲料濃縮物の一人分供給量を有する使い捨てカートリッジとを含む。
【
図4】液体成分のない
図1のカートリッジの断面図を示す。
【
図5】
図4のカートリッジの断面図の部分近接図を示す。
【
図6】
図1のカートリッジの断面図の部分近接図を示し、カラムは分配位置にある。
【
図7】
図1のカートリッジの斜視底面図の部分近接図を示し、カラムは分配位置にある。
【
図8】
図4のカートリッジの断面図を示し、上部シールおよび底部シールはない。
【
図9】
図1のカートリッジの斜視上面図を示し、カラムは分配位置にある。
【
図10】分配サイクルの開始前の
図1のシステムの側断面図を示す。
【
図11】分配サイクル中の
図1のシステムの側断面図を示す。
【
図12】
図1のカートリッジの斜視断面図を示し、分配位置にあるカラム内のチャネルを経由する、水、例えば炭酸水の供給流と、出口開口部からの液体成分の流れとを有する。
【
図13-15】本発明によるカートリッジ内の代替的な分配チャネルの部分断面図を概略的に示す。
【
図16】カートリッジの代替実施形態の断面図を示し、カートリッジに内側弁が設けられている。
【
図17】
図16のカートリッジの断面図を示し、カートリッジのカラムは分配位置にある。
【
図18】
図1の飲料分配装置およびカートリッジを概略的に示す。
【
図19】代替的なカートリッジと、カートリッジの底部シールを分配開口部から取り除くための剥離部材とを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本記載において、本発明の好ましい適用によれば、液体成分は、一人分容器、例えば飲用グラスを炭酸飲料の一人分で充填するために炭酸水の流れと組み合される飲料濃縮物である。
【0059】
ある実施形態において、装置はまた、あるいは代替的に、液体成分を非炭酸水、例えば熱いまたは冷たい非炭酸水と組み合わせるように具体化される。一般に、炭酸水は冷たい水であろう。
【0060】
炭酸飲料の調製の分野での使用が想定されるが、この発明的カートリッジおよび/または装置は他の液体生成物を調製するために、例えば調剤分野等において使用することもできることは明白である。
【0061】
第1の態様によれば、本発明は、液体生成物、例えば人の消費に適した液体食品を調製するためにベース液体と組み合わせられる液体成分の一人分供給量で充填された使い捨てカートリッジを提供する。本発明はさらに、液体生成物、例えば液体食品、例えば飲料を調製するためのシステムに関する。
【0062】
図1は、本発明による、液体生成物、例えば液体食品、例えば飲料を調製するためのシステム1の一例の斜視断面図を示す。システムは、分配装置、例えば、飲料分配装置2と、使い捨てカートリッジ3とを含む。
図1、
図10および
図11では、分配装置2の一部のみが示されている。
図18は、
図1、
図10および
図11に示される部分を含む飲料分配装置2と、
図1のカートリッジとを概略的に示す。
【0063】
システムは、使い捨てカートリッジ3内に保持された液体成分4、例えば飲料濃縮物の一人分供給量を、装置2によって供給されたベース液体と組み合わせ、それにより液体生成物を調製するように構成される。
図1において、システムは、分配サイクルの開始前の状態で示されている。
【0064】
以下、最初に、分配装置およびシステムよりも使い捨てカートリッジについて詳細に考察する。
【0065】
図2に断面図で示される使い捨てカートリッジ3は、飲料を調製するために、水、例えば炭酸水と組み合される液体成分4、例えば飲料濃縮物の一人分供給量で充填される。
図4、5および8は、液体成分のない同じ使い捨てカートリッジの断面図を示す。
【0066】
使い捨てカートリッジ3は、カートリッジ本体5と、上部密封フィルム6と、底部密封フィルム7とを備えている。カートリッジ本体5は、
図2において液体成分4の一人分供給量で充填されている貯蔵部8を画定する。カートリッジ本体5は、底部9と上部10とを有する。上部10は、貯蔵部8と連通する開口部11を有し、この開口部は、上部密封フィルム6によって気密式に密封されている。
【0067】
カートリッジ本体5はさらに、カートリッジ本体5の底部9からカラム12の上端部13まで上方に突出する部分を有するカラム12を含む。
【0068】
チャネル14はカラムの前記上端部の入口26からカラム12の底端部16の分配開口部15までカラム12を通って延在し、分配開口部はカートリッジ本体5の底部9の側に配置される。
【0069】
カラム12は、チャネル14を画定する内面18と、カラムの底端部16の底面19と、カラムの上端部13の上面20とを有する壁17を有する。上側密封フィルム6はカラム12の前記上端部13に封着される。
【0070】
分配装置2のベース液体フィードランス30が、カラム12内のチャネル14の入口に接続され、それにより、ベース液体をチャネルに供給すること、および外側を有するベース液体の流れを、分配開口部15を経由して分配することが可能になる。
【0071】
カートリッジ本体5の底部9は、カラム12に隣接して、例えばその周囲に、柔軟性部分21を有し、その結果、カラムはカートリッジ本体の上部10に対して、例えばカートリッジ本体の周壁の上縁部に対してかけられた力によって下方に、
図2および4に例えば示されるより高い初期位置と、
図6に示されるより低い分配位置との間で移動可能である。
【0072】
本発明によれば、カートリッジ本体5には、貯蔵部8から液体成分4を分配するように構成された1つまたは複数の分配流路が、示されている実施形態では2つの分配流路22がさらに設けられている。図示の実施形態では、分配流路22はそれぞれ、貯蔵部8内の液体成分が1つまたは複数の分配流路22に入ることができるように配置された1つの分配流路入口開口部23と、1つの分配流路出口開口部24とを有する。分配流路出口開口部24は、それから出てくる液体成分の流れ54がカラム12の底端部16で分配開口部15から分配されるベース液体流53の外側と合流するように配置される(
図12参照)。
【0073】
代替実施形態では、分配流路に複数の入口開口部および/または複数の出口開口部を設けてもよく、および/または分配流路は入口開口部および/または出口開口部を共有してもよいことに留意されたい。
【0074】
使い捨てカートリッジ3は底部密封フィルム7を有し、底部密封フィルム7は孔25を備えられ、密封フィルムの孔がカラム12の分配開口部15と整列されるようにカートリッジ本体の底部に対して、すなわちその側に沿って、配置される。底部密封フィルム7は、カラム12でおよびカラム12から離れた1つまたは複数の位置で、カートリッジ本体5に封着される。
【0075】
図示された実施形態では、底部密封フィルム7は、カラム12の底端部16に、分配開口部15の周りで封着された内側ループ状密封領域と、分配流路出口開口24から離れてカートリッジ本体5に、カートリッジの底部9の非柔軟性部分50に封着された外側ループ状密封領域とを有する。
【0076】
本発明によれば、底部密封フィルム7は、カラム12がより低い分配位置に下方へ移動されることが原因で、破裂しおよび/または分配開口部15から引き離され、それにより流路出口開口部24からの分配が可能になる。
【0077】
図示された実施形態では、内側ループ状領域は、カラムがそのより低い分配位置へ移動すると解放される一方、外側ループ状領域はカートリッジに固定されたままである。
図5は、カラム12がより高い初期位置にあり、底部密封フィルム7が分配流路出口開口部24を密封している使い捨てカートリッジを示している。
図6および
図7は、カラム12がそのより低い分配位置にあり、底部密封フィルムが分配開口部15および分配流路出口開口部24から引き離され、それによって液体成分を、分配流路を介して分配することが可能になっている使い捨てカートリッジを示す。
【0078】
底部密封フィルム7は、ベース液体流がカートリッジから出る分配開口部または出口15に対応する孔を有する。底部密封フィルムの形状としての、例えば、その中に中心孔を有するディスクのようなこの設計は、底部密封フィルムの破裂後に破裂したフィルムのフラップがベース液体の流れと干渉することを回避する。理解されるように、このような干渉は、放出されたベース液体流中の二酸化炭素の保持にとって有害となり得る。
【0079】
ある実施形態では、底部密封フィルムには、例えば上部密封フィルムをレーザ加工することによって、1つまたは複数の予め形成された刻み線が設けられ、この1つまたは複数の予め形成された刻み線は、例えばフィードランスがカラムをその初期位置からより低い分配位置へ、下方へ移動することによってシールが引っ張られることが原因で、破裂し、それによって密封フィルムを開口するように適合される。
【0080】
同じく、底部シールにカートリッジ3の分配開口部15に対応する孔を設けることは、底部シールが引っ張られ、その結果、
図7に示されるように、カラムの一部または分配流路出口開口部を有するカラムの少なくとも一部がそれを通過して分配流路出口開口部を開放し、液体成分を、分配流路を経由して分配することを可能にすることができるように構成される実施形態を可能にする。このような実施形態では、底部密封フィルムは主に引っ張られ、シールの裂け目はほとんどないかもしれないし、または存在すらしないかもしれない。
【0081】
カートリッジ3は、液体成分4がカラム12内のチャネル14を介して分配される炭酸水の流れを風味付けおよび/または着色する、炭酸飲料の調製に特に適している。使い捨てカートリッジ3の設計は、炭酸水がチャネル14を通って入口26から分配開口部15まで単に通過し、この分配開口部から炭酸水の流れとして現れることを可能にする。
【0082】
分配サイクルの間、液体成分4は、分配流路22を介して貯蔵部8から分配され、分配流路22の出口開口部24は、炭酸水の流れ53がカートリッジの底側で分配開口部15から現れた後、分配された液体成分54が炭酸水の流れ53の外側と合流するように配置される(
図12参照)。このように、液体成分の流れは、炭酸水の流れを乱すことなく炭酸水の流れに加えられる。炭酸水の流れの乱れを避けることによって、炭酸水に溶解した炭酸ガスができるだけその中に保持されるという効果が達成される。これは、飲料の品質にとって有益であり、また、炭酸ガスの効率的な使用を可能にし、これは、例えば、空のときに消費者によって交換される必要のあるガスボトルに炭酸ガスを貯蔵するときに重要である。
【0083】
炭酸水の流れの外側は、溶解した二酸化炭素の一部の膨張および/または逃散に起因する一種の乱流をそれ自体示すことに留意されたい。かくして、液体成分の合流された流れは、その後、炭酸水の流れに徐々に巻き込まれ、それと非常に効果的に混合される。これにより、例えば、炭酸水と液体成分が衝突して混合される混合チャンバを有するカートリッジの設計と比較して、炭酸水からの二酸化炭素の損失が最小限に抑えられることが観察されている。したがって実用的な期間の間、液体成分を分配された炭酸水の流れと合流させるまたは結合するプロセスはカートリッジの分配開口部のすぐ下流で行われ、密接な混合は、流れが飲用容器に向かっておよびその中に流れ込む間に効果的に起こる自律的プロセスである。
【0084】
図1、10および11はシステム1を示し、ここで使い捨てカートリッジ3は分配装置2の分配位置にある。
【0085】
分配装置2は、ベース液体を使い捨てカートリッジ3のチャネル14に供給するように適合されたベース液体供給アセンブリ28を含む。ベース液体供給アセンブリ28は、分配位置に配置されるベース液体フィードランス30を有する。ランス30は、例えば、使い捨てカートリッジの上部密封フィルムを貫通する間に使い捨てカートリッジのカラムのチャネルに接続するように具体化され、その結果、ベース液体をチャネルに供給することができる。
図11は、使い捨てカートリッジ3のカラム12のチャネル14に接続されたランス30を示す。
【0086】
分配中、ベース液体は、ランス30を通ってチャネル14に供給され、カートリッジ本体の底部9の分配開口15から流れ53として現れ、そこで流れの外側は、1つまたは複数の分配流路出口開口24から分配される液体成分54と合流する(
図12参照)。
【0087】
ベース液体供給アセンブリの他に、飲料分配装置2は、ホルダ27と、作動可能な変位装置29とを備えている。
【0088】
ホルダ27は、使い捨てカートリッジ3を装置2内の分配位置に収容して保持するように構成されている。
【0089】
図示された実施形態では、ホルダ27は、スライド式引出しとして具現化され、カートリッジの底部9が下を向き、カートリッジのカラム12内のチャネル14が垂直になった状態でカートリッジ3を実質的に水平な位置に収容および保持するように装備されている。 ホルダ27は、液体生成物の分配の間、当該生成物がホルダと距離を置くような方法で、カートリッジの底部より下に開口部を有する(
図1参照)。これは、流れの過度の乱れを回避し、例えば、液体生成物の二酸化炭素含有量の減少および/または装置の汚れおよび/または連続的な供給の間の交差汚染を回避する。
【0090】
作動可能な変位装置29は、カートリッジ3用のホルダ27とベース液体フィードランス30との相対的な移動を生じさせるように適合され、その結果、変位装置が操作されるとランスがカラム12に接続し、カラムをカートリッジ本体5の上部10に対して下方に移動し、それによって底部密封フィルム7を破裂させ、および/または分配開口部15から引き離し、それによって、分配流路出口開口部24から液体成分4を分配することが可能になる(
図11および12参照)。
【0091】
図示された実施形態において、分配装置は、傍心機構(excenter mechanism)36と、ホルダ110内に保持されたカートリッジ1に対してランス120の移動を引き起こすように構成された電動モータとを含む動作可能な変位装置29を有する。
【0092】
図18は、
図1、
図10および
図11に示される部分と、
図1のカートリッジとを含む飲料分配装置を概略的に示している。装置2は、ハウジング205と、装置内の分配位置にカートリッジ3を収容して保持するための引出し27とを有する。分配位置は、飲用グラス216用の支持体215の真上にある。
【0093】
装置2は、空気ポンプ34と、空気ポンプから貯蔵部への加圧空気の流入を許容するように上側密封フィルムが穿孔される場所の周囲で使い捨てカートリッジ3に密封係合するように適合された外側ガスシールをその周囲に沿って有する加圧ドーム部材35とを含む。
【0094】
ベース液体フィードランス30は、ホルダ27に保持されたカートリッジ3に対するドーム部材35およびランス30の動きをもたらすように適合された、ここでは傍心機構および電気モータを有する作動可能な変位装置29によって、ここでは垂直に駆動される往復運動ユニットとしてドーム部材35と一体化される。
【0095】
装置2は、水道に接続される水入口39を有する。参照番号265は水を例えば2〜10℃の温度に冷却するための水冷装置を示す。
【0096】
水冷装置39の出口は、弁アセンブリ266を介して、一方ではランス30に直接接続され、他方では炭酸化装置51、例えばインラインまたはタンクレス炭酸化装置に接続される。CO
2ボトル275も炭酸化装置51に接続されているので、CO
2は冷却水に溶解されてからランス30に供給可能である。
【0097】
参照数字280は、ランス30に熱水を供給するように構成された流水式給湯器を示す。その流れは、熱水弁281によって制御される。
【0098】
参照番号300は、例えば装置内の分配位置に配置されているとき、カートリッジ3の温度を感知するように適合された温度センサを示す。
【0099】
センサ300は、例えばカートリッジの貯蔵部内の液体成分が受ける空気圧の温度依存性の制御を可能にするように、空気ポンプ34の動作を制御するガス圧力制御装置310に接続されている。
【0100】
いくつかの実施形態では、空気ポンプ34は、大気圧よりも0.5〜2.5バール高い空気圧を生成するように適合される。いくつかの実施形態では、空気ポンプ34は、例えばバーコードを読み取ることによって、カートリッジ上の可読表示に依存する所定の空気圧を生成し、好ましくは、前記圧力は分配サイクルにわたって一定である。
【0101】
いくつかの実施形態では、例えば約250mlの飲料のグラス用の分配サイクルは15〜30秒かかる。
【0102】
実施形態では、液体成分とベース液体との間の体積比は、1:4〜1:10であってもよい。例えば、貯蔵部内の50mlの体積の液体成分は飲用グラスを充填するために200〜250mlの炭酸水と組み合わせられる。
【0103】
ある実施形態では、貯蔵部からの液体成分の分配流量は、ベース液体の分配サイクルにわたって実質的に均一であり、例えば約2〜3ml/秒である。
【0104】
ホルダの分配位置の下方のある距離の所に、装置2は、ベース液体と液体成分との混合流を受けるためのマグカップまたは他の容器、例えば飲用グラス216用の設置場所215を有する。
【0105】
図10は、分配サイクル開始前の
図1のシステムの側断面図を示し、カートリッジのカラム12はその初期位置にあり、上部密封フィルム6および底部密封フィルム7は無傷の状態である。
【0106】
図11は、分配サイクル中の
図1のシステムの側断面図を示し、フィードランス30はカラム12に接続され、カートリッジのカラム12はより低い分配位置にあり、上部密封フィルム6は穿孔され、底部密封フィルム7は分配開口部15および分配流路出口開口部24から引き離され、それによって液体成分が分配流路を介して分配されることが可能になる。
【0107】
この設計では、炭酸水は、単にカラム12のチャネル14を通過し、炭酸水の流れとしてカラム12の分配開口部から出る。図示された実施形態では、チャネル14は、類似の断面のフィードランス30内のダクト31の直線状延長部を形成する。チャネル14を通過する間に、例えば、チャネル内に突出する隆起、チャネルの軌道内の湾曲または隅部、あるいはベース液体または液体成分の衝突する流れによって、炭酸水の流れが妨げられることも妨害されたりすることもない。また、図示された実施形態では、ベース液体の流れは、カートリッジまたは装置の一部と一切接触することなく分配開口部から真直ぐ下に消費者用の飲用容器の中に分配される。
【0108】
炭酸水の流れの乱れを避けることによって、炭酸水に溶解した炭酸ガスができるだけその中に保持されるという効果が達成される。これは、飲料の品質にとって有益であり、また、炭酸ガスの効率的な使用を可能にし、これは例えば空のときに消費者によって交換される必要のあるガスボトルに炭酸ガスを貯蔵するときに重要である。
【0109】
ある実施形態では、システムは、例えば、使い捨てカートリッジに設けられた上部密封フィルムの少なくとも一部を開封する、例えば穿孔する、破る、破裂させるおよび/または引裂くように適合される。
【0110】
例えば
図2において図示されるカートリッジの実施形態では、上部密封フィルムは、カラムの上端部で開口部を覆い、カラム内のチャネルの入口を密封する。このような実施形態では、ベース液体フィードランスは、好ましくはカートリッジの上部密封フィルムを貫通して使い捨てカートリッジのカラムのチャネルに接続され、その結果、ベース液体をチャネルに供給できるように具現化されている。代替実施形態では、上部密封フィルムには、チャネルの入口と整列された予め形成された孔が設けられる。
【0111】
上部密封フィルム6は、液体成分4の一人分供給量を保持する貯蔵部8と連通する開口11を気密式に密封する。ある実施形態では、システムは、上部密封フィルムを貫通しておよび/または破裂させて液体成分を保持する貯蔵部へのアクセスを提供するように構成されている。図示された特定の実施形態では、使い捨てカートリッジ3には、切断用頂部33を有する複数の上部密封フィルム穿孔部材32が設けられている。この穿孔部材は、上部密封フィルム6の下で貯蔵部8内に配置され、それらの各切断用頂部33は上部シール7の近くに配置されている(
図8参照)。
【0112】
上部密封フィルム6が下方に移動されると、穿孔部材32が上部密封フィルムと係合し、上部密封フィルムを局所的に破裂させ、それによって上部密封フィルムに1つまたは複数の孔を設ける。ある実施形態では、カラムがより高い初期位置にあるとき、カラムの上端部は上部密封フィルムに当接している。図示の実施形態では、カラム12の上端部13は、上部密封フィルム6に接続され、例えば、チャネル入口26を貯蔵部8から分離する密封接続を達成するようにヒートシールされる。カートリッジ本体5のカラム12がその初期位置からより低い分配位置まで下方に移動することにより、およびフィードランスが上部密封フィルムを押し下げることによって、上部密封フィルム6は下方に移動される。
【0113】
カートリッジ3の上部シール6内の穿孔部材32によって設けられる1つまたは複数の孔(
図9参照)は、貯蔵部8へのガスの導入を可能にし、従って液体成分4の流出に起因して貯蔵部内に真空が発生することを防止する。このような真空は、液体成分の流れに悪影響を及ぼす可能性がある。図示の実施形態では、上部シールの開口部は、加圧ガスを導入し、液体成分の流れを促し、場合によっては能動的に制御するために使用される。
【0114】
追加的にまたは代わりとして、ある実施形態では、上部密封フィルムには、例えば上部密封フィルムをレーザ加工することによって、1つまたは複数の予め形成された刻み線が設けられ、前記1つまたは複数の刻み線は、例えばフィードランスがカラムをその初期位置からより低い分配位置へ下方に移動させることによって、シールが引っ張られることにより上部密封フィルムを破裂させ、それによって開封するように適合される。
【0115】
図9は、カラム12が低い位置に移動されたために低い位置にある上側密封フィルム6を示す。穿孔部材32の切断用頂部33は上側密封フィルム6を穿孔した。好ましい実施形態では、穿孔部材35は、貯蔵部8の底部から上方に延びるリブ要素の形態で提供され、一方の側でカートリッジ3の周壁36に接続される。図示の実施形態では、穿孔部材32は、カートリッジ本体5と一体である。別の実施形態では、穿孔部材は、別個の部品の一部であり、この部品は、貯蔵部を密封する前に貯蔵部の中に配置される。
【0116】
図示された実施形態では、穿孔部材32には、平面図で見てU字形の切断用頂部33が設けられている。U字形のために、穿孔部材32は、一方の側に沿って開いているチャネルを囲み、このチャネルは上部密封フィルム6が穿孔されたときに貯蔵部8へのアクセスを提供する。穿孔部材のこの構成は、穿孔された上部密封フィルムの一部が、上部密封フィルムに穿孔された開口を閉塞する可能性を低減する。
【0117】
図示の実施形態では、貯蔵部8を密封する上部密封フィルム6を穿孔するための穿孔部材32は貯蔵部内に設けられている。代替の実施形態では、カートリッジの貯蔵部内の穿孔部材に加えて、またはその代わりに、フィードランスまたは分配装置の他の部品に、使い捨てカートリッジの貯蔵部を密封する上部密封フィルムの少なくとも一部を開封する、例えば穿孔する、破る、破裂させる、および/または引裂くように構成された穿孔部材が設けられる。ある実施形態では、装置は、中心カラムと周壁との間の領域において上部密封フィルムを穿刺するように適合された穿刺部材を含み、装置は、前記穿刺部材を介して加圧ガス、例えば空気を前記貯蔵部に供給するように適合される。
【0118】
ある実施形態では、分配装置は、水道または他の水供給源への接続部の形態のベース液体供給部、水冷却器および冷却水用の保持タンク、炭酸ガス源、例えば炭酸ガスのボトルに接続された炭酸化装置、例えば、一杯分の供給が調製されるときに前記冷却水保持タンクから前記ベース液体フィードランスへ水ダクトを通って流れる冷却水の流れに炭酸ガスを溶解させるように適合されたインライン炭酸化装置を含む。図示の実施形態では、第1の可撓性ホース55が、ベース液体供給部39を液体フィードランス30に接続する。ある実施形態では、装置は、前記ベース液体を、例えば5〜15℃の温度まで冷却するように適合された冷却装置を含む。ある実施形態では、装置は家庭用冷蔵庫に、例えばそのドアに組み込まれる。
【0119】
ある実施形態では、装置は炭酸化装置を含む。ある実施形態では、液体供給アセンブリは、ベース液体として水、例えば炭酸水、例えば選択的に炭酸化および非炭酸化される水、例えば冷却されている、冷却されていない、および/または熱い非炭酸水を供給するために装備されている。
【0120】
図示された実施形態では、分配装置には水道管に接続される水入口39が備えられる。炭酸化装置51が、水入口39をフィードランス30に接続するチャネル内に設けられる。両方の構成要素は図に概略的に描かれている。
【0121】
図示の実施形態では、分配装置2は、使い捨てカートリッジ3の貯蔵部8内の液体成分4を加圧し、それによって貯蔵部から1つまたは複数の分配流路22を介したその分配を補助するために、図に概略的に描かれる空気ポンプ34として具体化された加圧ガス源を備える。これは、例えば、液体成分がむしろ粘性である場合に有利であり、また、例えば、液体成分とベース液体との間の比率の観点において、例えば、一杯分の飲料の分配サイクルの間、前記分配の制御を可能にする。ガス圧制御は、必要に応じて、液体成分の任意の温度依存性粘度効果を補償するために使用することもでき、例えば液体成分が低温のときにガス圧力を増大させる。ある実施形態では、装置は、分配サイクルの開始時に、例えば装置のホルダに置かれたとき、または分配位置に到達または移動するときに、液体成分および/またはカートリッジの温度を感知するように適合された温度センサを備えることができる。ある実施形態では、カートリッジには、その中の液体成分を表す識別情報、例えばバーコードまたは他の方法が提供され、それにより分配装置は適切なベース液体を、フィードランスを介して供給するために前記識別情報を読み取ることが可能になる。ユーザが前記温度、例えば「冷蔵庫から取り出したカートリッジ」および「周囲温度カートリッジ」を入力することを想定することもできる。上部密封フィルムが、温度変化により色が変化し、それによって液体成分の実際の温度の指標を提供する温度応答性着色領域を有することも想定できる。そのようにして装置は、カートリッジ上の温度またはそのインジケータを読み取るセンサを有してもよく、またはユーザは、装置に正しい入力を提供するように案内されてもよい。
【0122】
図示された実施形態では、分配装置にはさらに、カートリッジ3の上部に、例えば使い捨てカートリッジの周壁36の上縁にある上部密封フィルム6に密封係合するように適合された環状ガスシール38を有する加圧ドーム部材35が備えられている。
【0123】
図示された実施形態では、加圧ガス源34は、第2の可撓性ホース56を介して加圧ドーム部材35に接続されている。加圧ガス源34は、加圧ドーム部材35に接続され、それにより、そのガスシール38が使い捨てカートリッジ3の上部に密封係合し、上部密封フィルム6が開封されたときに、加圧ガスのドーム部材の下への供給を許容し、貯蔵部8への加圧ガスの流入を許容し、前記液体成分4を加圧し、それによって液体成分の貯蔵部8から1つまたは複数の分配流路22を介した分配を促す。
【0124】
示された実施形態では、ベース液体フィードランス30は、前記環状ガスシール38を有する加圧ドーム部材35と一体化され、一体的に移動するようになっている。この設計では、加圧ドーム部材35には、使い捨てカートリッジ3のカラム12の上端部でまたはその近くで上部密封フィルム6と係合するための第2環状ガスシール57が設けられ、加圧ガスのカートリッジのチャネルへの漏れを防止する。図示された実施形態では、この第2環状ガスシール38は、カラム12の上端部13に係合するようにフィードランス上に設けられる。代替実施形態では、第2環状ガスシールは、フィードランスが前記カラムに結合されたときにカートリッジのカラムのチャネルの内側と係合するように、フィードランス上に設けられる。
【0125】
図示された実施形態では、分配装置2は、ホルダ27に保持されたカートリッジ3に対してドーム部材35およびフィードランス30の移動をもたらすように構成された、傍心機構37および電気モータを含む作動可能な変位装置29を有する。
【0126】
変位装置29が作動されると、フィードランス30は上部密封フィルム6を穿孔し、カラム12のチャネル14に接続する。ここではドーム部材35と一緒のフィードランス30の下方への連続した動きは、ベース液体フィードランスにカラム12をその初期位置からその下降した分配位置に移動させ、穿孔部材32に上部シール6を穿孔させ、底部シール7を破裂させおよび/または分配流路出口開口部24から引き離し、それによって分配流路出口開口部を開放する。さらに、ドーム部材35の下方への動きは、環状ガスシール38をカートリッジ3の上部と、例えば使い捨てカートリッジの周壁36の上縁の上側密封フィルム6と密封係合させる。
【0127】
このように、この設計では、フィードランス30とドーム部材35の組み合わせられた下方への動きにより、分配開口部からのベース液体の分配と、カートリッジの分配流路出口からの液体成分の分配とが可能になり、後者は加圧ガスを用いた貯蔵部の加圧によって支援され、それにより、カートリッジ1からの飲料濃縮物等の分配を許容して、液体生成物、例えば液体食品、例えば飲料、例えば炭酸飲料を調製する。
【0128】
本発明はまた、液体生成物、例えば液体食品、例えば飲料、例えば炭酸飲料の調製方法に関し、この方法では本発明によるカートリッジ3および装置2が使用される。この方法は、
・加圧ドーム部材35の環状ガスシール38を、上部密封フィルム6が加圧ガスの貯蔵部への流入を許容するように開封される場所の周囲で、例えば使い捨てカートリッジの周壁の上端部で、使い捨てカートリッジ3と密封係合するステップと、
・上部密封フィルム6の開封を引き起こすステップと
・カートリッジ3のカラム12をその分配位置に移動させ、それによって、底部密封フィルム7を破裂および/または分配流路出口開口部24から引き離し、それによって分配流路出口開口部を開放するステップと、
・カートリッジ3のカラム12のチャネル14を通してベース液体を供給するステップであって、そのようにしてカートリッジの底部に分配開口部15からベース液体の流れ53を分配する、ステップと、
・前記ドーム部材35の下に加圧ガスを供給し、それによって前記ガスによって使い捨てカートリッジ3の貯蔵部8内の液体成分4を加圧し、それによって1つまたは複数の分配流路22を介した貯蔵部からのその分配を支援するステップと、
・液体成分を、分配開口部から出てくるベース液体流と合流させるステップと
を含む。
【0129】
示された実施形態では、ユーザは、引き出し27をスライドして開け、引き出しの対応する空洞にカートリッジ3を配置することによって開始する。ユーザは、引き出し27をカートリッジ1とともにハウジング内にスライドさせることによって閉め、これによりカートリッジは装置の分配位置に移動される。この状況を
図10に示す。
【0130】
変位装置29をここで作動し、ベース液体フィードランス30が上部密封フィルム6を穿孔し、カラム12のチャネル14に接続するようにする。ここでは加圧ドーム部材35と一緒のフィードランス30の下向きの連続した動きが、ベース液体フィードランスにカラム12をその分配位置に移動させ、従ってカラムをその初期位置からより低い分配位置へと押し下げ、それによってカートリッジ3からの飲料濃縮物等の分配が可能になる。この状況を
図11に示す。
【0131】
好ましいように、使い捨てカートリッジ3には、上部密封フィルム6の下に配置された1つまたは複数の、ここでは2つの穿孔部材32が設けられ、その結果、上部密封フィルムをここではベース液体フィードランス30によって押し下げると、穿孔部材32が上部密封フィルム6と係合して上部密封フィルムを局所的に破裂させ、それによりカラム12が分配位置にあるときに分配流路22を介した液体成分の分配を支援するように液体成分4を加圧するために加圧ガスを貯蔵部8に導入できる孔が密封フィルムに設けられる。この例では、穿孔部材32は、一体的に成形されたスパイク構成物として具体化されている(
図8および9参照)。
図6、7、9および12において、カートリッジは孤立して、すなわち分配装置のない状態で示され、そのカラムは分配位置にあり、その上部密封フィルムは穿孔され、その底部密封フィルムは引き裂かれている。
【0132】
ここで、炭酸水および加圧ガス、例えば空気の供給が開始され、場合によっては他方に対する時間遅延がある。ここで液体成分4は分配流路22を通過する際に支援され、分配された液体成分の流れ54は、チャネル14の分配開口部15から出る水の流れ53と混合される。液体成分とベース液体とのこの合流を
図12に示す。
【0133】
1つまたは複数の分配流路22の1つまたは複数の出口開口部24は、基本的に、ベース液体の流れ53の周りに環状シュラウドとして流れ液体成分54を分配するように配置される。流れベース液体53および流れ液体成分54は、それらがカートリッジ3から現れた直後よりも、それらが相互混合するさらなる移動の間に互いに結合し、ことによると最終的な混合は混合物がグラスまたは他の飲用容器へ渦を巻いて入り込む際に起こる。前記混合は、炭酸水がベース液体として使用されるときに特に見られ、液体成分を炭酸水と混合するこの方法は、ベース液中に炭酸ガスを保持するために非常に有益であることに注意されたい。対照的に、1つまたは複数の液体成分の流れを炭酸水の流れに効果的に噴射させることは、炭酸水を過度に攪拌し、それにより炭酸ガスの大部分を逃がし、その結果最終的な飲料は限定された炭酸ガスを含むことが観察される。
【0134】
いったん一杯分の供給が調製されると、水または他のベース液体の流れは停止される。望むのであれば、カートリッジを完全に空にするために、および/または液体成分、例えば飲料濃縮物の最後の液滴が確実に排出されるように、いくらかのガス流を継続してもよい。これは、成分の損失および装置の汚れを回避する。
【0135】
分配サイクルの最後に、ドーム部材35およびランス30はカートリッジ3から離れた初期位置に移動され、それにより、ここでは引き出し27を開けてカートリッジを取り出すことによってカートリッジ1を取り外すことができる。
【0136】
図示された本発明によるシステムの好ましい実施形態では、カートリッジはホルダに置かれたとき、上部フランジから懸架される、というのも、ホルダが前記上部フランジのための対応する支持面を形成するからである。
【0137】
図4および8に、カートリッジ本体5は、貯蔵部へのアクセスを提供する開口部を囲む上縁部を有する周壁36を有することが示されている。上部密封フィルム6は、例えば外向きに突出したフランジ44として具体化されている前記上縁部に固定され、例えば、その半径方向に突出したフランジはさらに、分配装置、図示の実施形態では引き出し27の支持表面上でカートリッジを支持するように具体化される。好ましいように、図示の実施形態では、ドーム部材35の外側ガスシール38は、上縁部44上の上部密封6フィルムに同じく係合する。
【0138】
さらに、カートリッジ3用のホルダ27は、カートリッジの底部9が下を向いた状態でカートリッジをほぼ水平な位置で収容し保持するように取り付けられ、ホルダは、液体生成物を分配する間、前記生成物がホルダと距離を置くような方法でカートリッジの底部の下に開口を有する。
【0139】
分配開口部15と整列された、例えば前記分配開口部と同じまたは同様の直径を有する底部密封フィルム8の予め形成された孔25は、カラムがその分配位置に動かされたときに分配開口部から出てくるベース液体の流れと前記底部密封フィルムまたはその一部が干渉する危険性を回避する。説明したように、炭酸水中の炭酸ガスおよび/または他のガスの保持の観点から、流れを妨害しないことが望ましい。妨害は流れからのガスの損失を引き起こすからである。
【0140】
また、この設計では、ユーザが底部密封フィルムを除去する必要はない。カートリッジは、カラムがそのより低い分配位置に移動されることにより、底部密封フィルムの効果的な開封を引き起こす。
【0141】
図示された実施形態では、カートリッジ本体の底部9からカラム12の上端部13まで上方に突出するカラム12の部分はカラム12の上部40であり、カラム12はさらに下部脚部41を有し、この脚部は、カートリッジ本体の底部からカラムの底端部16まで下方に突出し、その結果、カラム12の壁17の底側表面19およびカラム12の底端部の分配開口部15は、カートリッジ本体5の底部9から離間される。この特徴は、カラム12がそのより低い分配位置へ移動されるときカラム12の脚部41が底部密封フィルムの予め形成された孔25の中に突き出てそれを貫通するので、底部密封フィルム7の効果的な開封を可能にする。同じくこの設計は、液体成分がカートリッジの底に付着してそこに固着すること、および/または成分がベース液体の流れと合流する分配開口部から流れ出ることを回避することを可能にする。
【0142】
代わりの実施形態では、カラムの下端部は、カートリッジの底部と同じ高さであり得る。このような実施形態では、1つまたは複数の分配流路は、カートリッジ本体の底部に少なくとも部分的に配置され得、ここで1つまたは複数の分配流路出口開口部は、カラムの分配開口部の近くでカートリッジ本体の底部に配置され、その結果、前記1つまたは複数の分配流路出口開口から出る液体成分は、カラムの底端部で分配開口部から出るベース液体の流れの外側と接触する。
【0143】
図示された実施形態では、1つまたは複数の分配流路22がカラム12の壁17に配置され、分配流路出口開口部24がカラム12の壁17の底側表面19に設けられる。この設計は、カラムの関連部分の厚さ内で、例えば好ましい上述した脚部41内でダクトを効果的に形成する。
【0144】
図示された実施形態では、分配流路22は、カラム12の直線状の中央チャネル14に平行に延びている。カラム12の壁17の底側表面19に設けられた1つまたは複数の分配流路出口開口24から出る液体成分は、分配開口部15から出るベース液体の流れ53、例えば炭酸水の流れに概ね平行な方向を有し、それにより例えば炭酸水流の過度の乱れを回避する。
【0145】
液体成分54と合流し、次いでそれと自律的に混合するベース液体の上手く指向された流れ53を作り出すことを目的とする図示された実施形態では、カラム12の壁17の底側表面19は、チャネル14の中心軸に対して垂直に延在する。
【0146】
さらに、分配流路24の1つまたは複数の出口開口部24は、ベース液体の流れの外側の周りの環状シュラウドとして液体成分を分配するように配置される。
【0147】
図示の実施形態では、分配流路22は、例えばそれぞれ1つの入口開口部に関連付けられた、垂直方向に見て半円形の断面の出口流路24を含む。さらに、分配流路入口開口部23は、分配流路出口開口部24の断面の一部である断面を有する。
【0148】
図13は、本発明によるカートリッジの代替実施形態の一部を示す。この設計では、カラム12に脚部41が設けられ、1つまたは複数の分配流路22が、カートリッジ本体5の底部9に、カラムの脚部に隣接して、好ましくはカラムの脚部の周りに円形配置で配置され、それにより1つまたは複数の分配流路出口開口部24から出る液体成分がカラム12の脚部41の壁17の外側表面と接触し、カラムの壁の外側表面上を流れ、カラムの底端部16において分配開口部15から出てくるベース液体流と合流する。したがって、壁の厚さ内の流路を流れる代わりに、液体成分は、その下端部に達するまで外側表面に沿って流れ、その後、分配開口部15から出てくるベース液体流と合流する。
【0149】
図14は、本発明によるカートリッジの代替的な実施形態の一部を示しており、1つまたは複数の分配流路出口開口部23は、カラム12の脚部41の壁17の外側表面に、カートリッジ本体5とカラム12の底端部16との間に配置されている。この実施形態においても、前記1つまたは複数の分配流路出口開口部から出てくる液体成分は、カラムの壁の外側表面を流れて、カラム12の底端部で分配開口部15から出るベース液体流と合流する。
図14には、底部密封フィルム7の一部も示されている。この設計では、図に示すように、カラムがその初期位置にあるとき、底部密封フィルム7をカラムの脚部の外側表面に固定して、分配流路出口開口部を密封する。
【0150】
図15は、本発明によるカートリッジのさらに別の実施形態を示しており、カラム12の脚部41は、第1の直径を有するカートリッジ本体5の底部9に隣接する第1の部分42と、前記第1の直径より小さい第2の直径を有する隣接する第2の部分43とを有し、第1および第2の脚部は肩部44によって分離されている。したがって、カラム12の脚部41には、より小さい直径を有する第2の部分の形態の戻りが設けられる。この設計では、1つまたは複数の分配流路22がカラム12の壁17に配置され、分配流路出口開口部24が肩部44に設けられ、その結果、1つまたは複数の分配流路出口開口部から出る液体成分は第2の脚部43の壁の外側表面上を流れて、カラム12の底端部で分配開口部15から出てくるベース液体流と合流する。
【0151】
図13〜
図15に示す実施形態は、底部密封フィルムおよび/またはカートリッジの貯蔵部の内側に位置する内側弁を備えることができる。底部密封フィルムは、例えば、肩部および/または例えば
図14に示すようにカラムの脚部の外側表面に固定することができる。
【0152】
本発明による好ましい実施形態では、分配流路は、カートリッジの貯蔵部内に配置された入口開口部とカートリッジの外側に配置された出口開口部との間に延びていることに留意されたい。液体成分が出てくる分配流路出口開口部は、ベース液体の流れが出てくる分配開口部と同じ高さ、またはそれよりも高い位置にある。したがって、液体成分の流れは、分配開口部でまたはその上で分配される。
【0153】
さらに、液体成分の流れは好ましくは、分配される前、分配流路チャネルによっておよび/またはチャネルを画定するカラムの壁の外側表面によって、ベース液体の流れに対して平行に案内される。液体成分の流れおよびベース液体の流れは、カートリッジから分配される前、分配開口部を出るベース液体の流れに平行な流れで液体成分が分配されるように、好ましくはチャネルを画定するカラムの壁によってのみ分離される。さらに、液体成分の流れは、ベース液体の流れの十分近くで提供され、それにより液体成分の流れはベース液体の流れによって「拾われる」。
【0154】
したがって、本発明によるカートリッジの好ましい実施形態では、ベース液体の流れおよび液体成分の流れは、カートリッジの壁部分のみによって分離された平行流として分配される。分配された後、平行流は合流し、液体成分がベース液の流れの外側を被覆する。液体成分とベース液体との実際の混合は、ベース液体および液体成分が分配されて初めて行われる。
【0155】
さらに好ましい実施形態では、カラムの下部には、1つまたは複数の分配流路の一連の出口開口部が設けられ、これら出口開口部は、ベース液体、例えば炭酸水が現れる出口または開口部の周りに円形配置で配置される。好ましい実施形態では、1つまたは複数の出口開口部は、液体成分を基本的にベース液体の流れの周りの環状シュラウドとして分配するように配置される。上述したように、ベース液体の流れおよび液体成分の流れは、それらがカートリッジから分配された直後ではなく、それらが相互混合するさらなる移動の間に互いに結合し、ことによると最後の混合は混合物がグラスまたは他の飲用容器に渦を巻いて入り込む際に起こる。前記混合は炭酸水がベース液体として使用されるときに特に見られ、液体成分を炭酸水と混合するこの方法は、ベース液体中に炭酸ガスを保持するために非常に有益であることに注目されたい。対照的に、1つまたは複数の液体成分の流れを炭酸水の流れに効果的に噴射させることは、炭酸水を過度に攪拌し、それにより炭酸ガスの大部分を逃がし、その結果最終的な飲料は限定された炭酸ガスを含むことが観察される。
【0156】
成分がカラムの脚部の外側表面に沿って流れる実施形態では、1つまたは複数の排出溝が、1つまたは複数の排出出口開口部から現れた液体成分を案内するためにカラムの脚部の外側表面に設けられる。ある実施形態では、各排出溝は、1つまたは複数の分配流路出口開口部からカラムの底端部に向かって、好ましくはカラムの脚部の端面まで延在する。1つまたは複数の溝は、液体成分の流れを分配する働きをし得、例えば分配開口部から出てくるベース液体の流れの周囲に液体成分のシュラウドを形成する。ある実施形態では、溝は、脚部の外側表面上に螺旋状に設けられてもよい。1つまたは複数の溝はまた、液体成分が1つまたは複数の出口開口部から出てくる際にそれを減速させるように、および/または前記流れをベース液体の出現する流れに対して実質的に平行な、例えば垂直の流れに方向付けるように構成されてもよい。
【0157】
例えば
図4および
図5に示す好ましい実施形態では、1つまたは複数の分配流路出口開口部は、分配開口部の周りに円形配置で配置され、底部密封フィルムが少なくとも1つまたは複数の分配流路出口開口部を気密式に密封し、底部密封フィルムは、カラムがそのより低い分配位置に下方へ移動されることにより破裂および/または分配流路出口開口部から引き離されるように作られ、それにより分配流路出口開口部を開放する。この実施形態は、底部密封フィルムが1つまたは複数の出口開口部を直接密封することを可能にし、それにより、さらなる弁等が分配流路を閉鎖する必要性を回避する。
【0158】
図示された実施形態では、カートリッジの底部は、カラムの垂直方向の移動を可能にするために、カラム12の周りに環状の可撓性部分21を有する。カートリッジ本体はさらに、可撓部分21を取り囲む非可撓部分50を有し、底部密封フィルム7は、例えばヒートシールにより、非可撓部分に固定される。カラムの適切な垂直ストロークと組み合わせて、底部密封フィルムは破裂し、および/または分配流路の出口から引き離される。
【0159】
ある実施形態では、底部密封フィルムは、分配開口部の周りのカラムの底端部に封着された内側ループ状密封領域と、1つまたは複数の分配流路出口開口部から離れてカートリッジ本体に、たとえばカートリッジの底部の非可撓部分に封着された外側ループ状密封領域とを有する。内側ループ状領域は、カラムのより低い分配位置への動きに伴って解放されるが、外側ループ状領域はカートリッジに固定されたままであることが想定される。好ましくは、カラムの脚部は、好ましくは底部密封フィルムが引き裂かれることなく、底部密封フィルムの予め形成された孔の中に、そしてそこを通って効果的に押し込まれる。
【0160】
底部密封フィルムは、分配流路出口開口部を気密式に密封するとき、分配流路出口開口部の周りでカラムに封着されて、前記開口部を密封することができる。このような実施形態では、分配流路出口開口部から離れてカートリッジ本体に取り付けられた密封フィルムの外周は、密封機能を果たす必要はなく、カラムがその分配位置に移動されるときシールが分配開口部および分配流路出口開口部から引き離されることを可能にするようにカートリッジに取り付けるだけでよい。従って、底部密封フィルムは、いくつかの離散した地点でカートリッジ本体に封着することができ、その外周に沿って途切れない密封を必要としない。
【0161】
図示されているように、可撓性の底部21は、カラム12の下降分配部分において、下降漏斗を形成し、その結果、残留液体が、最適にはカートリッジの底部の近くで、ひいてはカラムを下げることによって形成された漏斗の底部でカラム12に配置された分配入口開口部23に到達することができる。必要に応じて、可撓性の底部21が撓んでその初期位置に戻るか、または実質的にその初期位置に収まる場合、同じ配置は、飲料等が調製され、フィードランス30が上方へ移動した後、カートリッジからの液体成分の残留漏れを回避する、またはさらに妨げる。
【0162】
図2および
図3に示す実施形態では、カートリッジ本体5は、カートリッジの底部9の周囲に周壁36を有し、チャネル14はカートリッジの周壁の軸に対して同心である。他の実施形態では、カラムはカートリッジの中心からオフセットされ、例えば周壁の1つの側に隣接する。このような実施形態では、カラムには、カラムの移動を可能にするために、カラムの脚部の周囲に環状の、さらには円形の、可撓性部分がさらに設けられてもよいことに注意されたい。
【0163】
ある実施形態では、1つまたは複数の分配流路出口開口部の合計面積または断面は、1つまたは複数の分配流路入口開口部の合計面積よりも数倍大きく、例えば少なくとも10倍大きい。例えば、
図8に示すカートリッジ3には、2つの分配流路入口開口部23が設けられ(
図8参照)、および2つの対応する分配流路出口開口部24が設けられ(
図7参照)、この出口開口部24はそれぞれ、対応する入口開口部23の断面よりも数倍大きい断面を有する。
【0164】
1つまたは複数の分配流路出口開口部の合計面積または断面が1つまたは複数の分配流路入口開口部の合計面積よりも数倍大きい実施形態は、カートリッジと併せて使用される分配装置が貯蔵部内の液体成分に排出力を、例えば貯蔵部内の液体成分にガス圧をかけるように適合されているとき、特に有利である。比較的狭い入口開口部は、液体成分のための絞り部として働き、排出力に基づいて1つまたは複数の分配流路に安定した流量を形成することを可能にする。同じ分配流路のより大きいサイズの出口開口部は、液体成分が最終的に出口開口部から出る前に、液体成分の減速または遅れを可能にする。
【0165】
ある実施形態では、1つまたは複数の分配流路には、流れ制限部、好ましくは、例えば1つまたは複数の狭い入口開口部の形態の、分配流路の一部として形成された固定されたまたは一定の流れ制限部が設けられ、例えば組み合わせた入口開口部または他の流れ制限部は最大で8mm
2の断面を有する。例えば、1つまたは複数の入口開口部は、それぞれ1〜2mm
2の断面を有する。貯蔵部から分配される液体成分の粘度に依存して、流れ制限部はカートリッジの製造時に調整できることは理解されよう。
【0166】
図示の実施形態では、
図4および
図5を参照すると、分配流路入口開口部23は、分配流路22の隣接セクションに対してある角度で配向され、その結果、例えば流路の流れ制限部として具体化される、入口開口部を通過する液体成分の噴流は、流路の壁部分に衝突し、それにより前記噴流の速度を低下させ、好ましくは消滅させる。
【0167】
ある実施形態では、1つまたは複数の分配流路に狭い流入セクションと広い流出セクションが設けられ、その結果、狭い流入セクションが貯蔵部から分配流路出口開口部に流れる液体成分の流れに対する制限部を形成する。このような実施形態では、流れ制限部は、分配流路の一部として形成され、したがって分配流路の内側、すなわち分配流路入口開口部の下流に配置される。狭い流入セクションに続く広い流出セクションは、液体成分が分配流路出口開口部から出る前に液体成分の減速を可能にする。
【0168】
ある実施形態では、流出セクションは、カラム内のチャネルと実質的に平行に延在し、流入セクションは、流出セクションに対して角度をなして延在し、その結果、例えば液体成分のガス加圧のために、流入セクションを通過する液体成分の噴流は、分配流路の流出セクションの壁部分に衝突し、それにより、前記噴流の速度を低下させ、好ましくは消滅させる。
【0169】
例えば
図2に示す実施形態では、カラム12内のチャネル14は、チャネル14の入口から延び第1の直径を有する上部チャネル部分45と、チャネルの分配開口部15まで延在する隣接する下部チャネル部分46とを有し、前記下部チャネル部分および分配開口部は第2の直径を有し、第1の直径は前記第2の直径よりも大きい。このチャネル14の段付きの直径は、フィードランス30の前端部をより広い上部45に導入することを可能にし、フィードランス内のダクトは実質的に第2の直径に対応する内径を有する。このようにして、フィードランス30の内側ダクトおよび下部チャネル部分は、フィードランスおよびカートリッジ内のチャネルの隣接部分を通過するベース液体、例えば炭酸水用のほぼ一定の直径のダクトを形成する。これは、炭酸水の場合に水からの炭酸ガスの余分な損失をもたらし得るベース液体の流れの過度の妨害を回避するか、または少なくとも低減する。
【0170】
ある実施形態では、カラムのチャネルの分配開口部、好ましくは同じくチャネルの隣接する第2の部分は、6〜15ミリメートル、例えば約10ミリメートルの直径を有する。
【0171】
ある実施形態では、カートリッジ本体は、射出成形されたモノリシックプラスチック本体部分を備え、モノリシックプラスチック本体部分は、少なくとも周壁、底部、およびカラムの一部分、例えばカラムの脚部、および場合によってはカラムの上部の下部、例えば上記の第2の直径を画定する部分も含み、ある実施形態では、カラムの残りの部分は、カラムの上部の下部に嵌め込まれる別個に成形されたプラスチック部品として具体化される。後者の実施形態は、例えば、モノリシックプラスチック本体部分用の型の簡素化を可能にするので、射出成形技術の観点から有利であり得る。
【0172】
ここで
図16〜17を参照して、使い捨てカートリッジ3の別の例を考察するが、このカートリッジは、カートリッジの貯蔵部8内におよびカラム12の外側に配置された弁部材47を備え、この弁部材は、カラムがより高い初期位置からより低い分配位置に移動されるとき、カラムに対して移動可能、例えばスライド可能であるようにカートリッジ内に静止した状態で配置される。カラムがより高い初期位置にあるとき(
図16参照)、弁部材は、1つまたは複数の分配流路を閉鎖し、その結果、貯蔵部が閉鎖されるようにし、カラムがより低い分配位置にあるとき(
図17参照)、弁部材は、貯蔵部が開放されるように1つまたは複数の分配流路から離れる方向に移動している。この実施形態は、分配流路入口開口部の所で貯蔵部を閉鎖することを可能にする。
【0173】
弁部材47は、カートリッジ3に組み付けられる別個の部品として製造することができる。しかしながら、本体5を成形した後に弁部材を共射出成形することにより弁部材47を具現化することがより好ましい。認識されるように、弁部材47は、弁部材およびカートリッジの図示された動作方法を妨害するように本体のカラムおよび可撓性部分にしっかりと融合されるような方法でカートリッジの本体と一体化してはならない。
【0174】
弁部材のプラスチックとカラム12を含むカートリッジ3の本体5のプラスチックとの間に軽い付着のみが生じるように、または付着が全く生じないように、弁部材47を共注入することが提案される。これは、非適合性のプラスチックを選択することによって実現可能であり、例えば、本体は、例えばPPの非晶質プラスチックから作製可能である。弁部材は、結晶性プラスチック、例えばポリカーボネートPCまたはABSから成形可能である。これらの組み合わせにより、弁部材と接触している本体5の表面への弁部材47の軽い付着を得ることが可能になる。
【0175】
弁部材は、カラム12を取り囲む環状部分48を有し、環状部分48は、分配流路入口開口24を覆って延在し、カラムの周りの対応する環状密封面と密封接触する密封面を有することが示されている。
【0176】
カラム12が押し下げられたときに弁部材47の静止位置を維持するために、弁部材47はここでは1つまたは複数のスポーク部分49を有し、1つまたは複数のスポーク部分49は環状部分48から離れる方に延在し底部の非可撓性部分50に支持されおよびここでは好ましいように使い捨てカートリッジ3の本体の周壁36に対して支持するように延在する。非可撓性底部50は、底部の可撓性部分21の周りに延在することが示されている。
【0177】
図17で見ることができるように、弁部材47は、カラム12の下方移動に追随せず、その結果、弁部材は、もはや1つまたは複数の分配流路22の1つまたは複数の分配流路入口開口部23を覆ったり閉鎖したりしない。この例のように弁部材47が可撓性底部21の上に延在するように成形されていたとしても、非付着性または軽い付着性により、可撓性部分が変形して弁部材から離れることが可能である。
【0178】
図17はまた、貯蔵部内の液体成分4を加圧する目的で加圧ガスの貯蔵部8への流入を許容するための、上部密封フィルム6の穿孔または他の方法による破裂を示している。これは、
図16〜17に示されていない1つまたは複数の穿孔部材または前で考察したようなフィルムの下のカートリッジの本体と一体的に形成された同様のものによって行うことができる。さらに、チャネル14の入口を覆う上部密封フィルム6の部分のランス30による穿孔が52で示されている。
【0179】
図17は、液体成分54の比較的ゆっくりと移動する流れがベース液体53(ここでは炭酸水)の中心流の外側にどのように接するかを、および飲用容器へのさらなる移動過程においてベース液体とどのように徐々に相互混合するかを非常に概略的に示している。炭酸水の場合、流出する液体成分の流れは水流と交差せず、むしろ水流に沿って流れ、その後好ましくは環状シュラウドとして水流と接することが好ましい。
【0180】
好ましくは、分配流路入口開口部23は分配流路に対してある角度で配向され、その結果、例えば本明細書で考察するような液体成分の加圧のために、開放された入口から出てくる液体成分の噴流が分配流路の壁部分に衝突し、それによって前記噴流の速度を低下させ、好ましくは消滅させることが
図16に示されている(同じく
図12も参照されたい)。
【0181】
最も望ましい態様では、分配入口開口部23からの液体成分の噴出があっても、液体成分は、主として重力の影響により効果的に下に流れ、この際、流路の適切な狭い形状と組み合わせた液体成分の粘性が、出現する液体成分の低速を維持する。
【0182】
効果的には、分配流路22が液体成分の流れ抵抗器として作用し、その結果、加圧ガスを使用する本明細書で考察したような液体成分の加圧を使用して1つまたは複数の分配流路出口開口部24からの液体成分の均一な流れを生じさせることができることが望ましい。
【0183】
例えば
図16および17を参照して考察される設計は、カラムが下方に移動するまで、底部密封フィルムが分配流路出口開口部を閉鎖した状態に保つので、弁部材の存在を必要としないことが理解されるだろう。ある実施形態では、弁部材は依然として設けられていてもよく、この場合、底部密封フィルムは主に、分配流路への物質の進入に対抗する働きをする。当然のことながら、後者はまた、カートリッジを外側エンベロープ、例えば1つまたは複数のカートリッジを含む密封された小袋に包装することによって対抗することもでき、これは本明細書で考察した他のいずれのカートリッジに対しても行うことができる。しかしながら、好ましくは、カートリッジ内に配置された弁部材は、カラムがそのより低い分配位置に下方へ移動されることに起因して破裂するおよび/または分配流路出口開口部から引き離され、それにより分配流路出口開口部を開放するように適合された底部密封フィルムと組み合わされる。
【0184】
上述のカートリッジまたは少なくともそれらのプラスチック本体は代替的にU字形断面の環状体を画定し、Uの開放端の充填開口が上部密封フィルムによって閉鎖されていると説明することができる。
【0185】
このように、炭酸水の流れから風味付けされた炭酸飲料を調製するためのカートリッジは、外側周壁と内側周壁または中央カラムとの間に配置された、液体濃縮物を収容するための貯蔵部を画定するU字形断面の環状体として成形された本体を備え、中央カラムは貯蔵部へ流入することなく炭酸水の流れを通過させるための流れチャネルを画定し、貯蔵部は、上側密封フィルムで閉鎖されるUの開放端部にリング状の開口部を有し、Uの閉鎖端部の本体の底部は可撓性部分を有し、その結果、中央カラムは外側周壁に対して下方に変位可能であり、使用時に、中央カラムの下方への変位により分配流路の開放が生じ、それにより濃縮物は貯蔵部から出て、流れチャネルを通過した後または通過中に流れと接触することができる。
【0186】
上記のおよび後述するカートリッジまたは少なくともそれらの本体は代替的に、U字形断面の環状体を画定し、Uの開放端部の充填開口は上部密封フィルムによって閉鎖されていると説明することができる。カートリッジ本体は、最も好都合には、例えばワンピースまたはマルチピース射出成形作業においてプラスチック材料から形成することができ、または、例えば、カラムの上部ピースを、周壁、可撓性底部、およびカラムのさらなる部分を有する一体的にモノリシック成形されたカートリッジ本体ピースにレーザ溶接することによって、射出成形ピースから組み立てることができる。しかしながら、カートリッジの部品は、熱成形またはパリソンからのブロー成形によって製造されてもよいことは除外されない。
【0187】
本明細書において、本発明の好ましい適用例によれば、液体成分は、一人分容器、例えば飲用グラスを炭酸飲料の一人分で満たすために炭酸水の流れと組み合わされる飲料濃縮物である。使い捨てカートリッジは、好ましくはヘッドスペース52が液体成分の上に存在するような高さまで、前記液体成分の一人分供給量で充填される。
【0188】
本発明による分配装置のある実施形態では、装置には、加圧ガス源用の制御装置が設けられてもよく、それは例えば、例えば分配流路を開放するプロセスに関連して、液体成分の加圧の調整可能なタイミングを提供するように適合され、それは例えば有効な開放に対して時間を遅延させることによるものである。制御装置、例えば、加圧ガス源用のコンピュータ化された制御装置はまた、例えばその中の液体成分に関して、カートリッジを識別するように適合されたカートリッジ識別アセンブリにリンクされてもよい。
【0189】
ある実施形態では、分配装置のドームおよび/またはフィードランスおよび/またはホルダには、カートリッジと係合するようにおよび/またはカートリッジに配置されたロック装置と協働するように構成されたロック装置が設けられ、分配サイクルの間、フィードランスおよび/または加圧ドーム部材をカートリッジに対して固定し、および/または、カートリッジをホルダに対して固定する。例えば、バヨネットカップリング、ネジ山、ラチェットなど、または任意の他の適切な一時的固定装置を使用することができる。
【0190】
図10〜11に示す実施形態では、フィードランスと加圧ドーム部材は一緒に移動される。代替的な実施形態では、作動可能な変位装置は、加圧ドームとフィードランスを互いに独立して移動させるように適合され、例えば最初にカートリッジを加圧ドームと係合させ、続いて、加圧ドームに対してフィードランスを下方に移動させながら、上側シールまたは少なくともその中心部分を穿孔する。
【0191】
ある実施形態では、カートリッジのカラム内のチャネルの直径は、5〜20mm、例えば8〜16mm、例えば約10mmである。
【0192】
カートリッジの底部は、例えば、25〜75mm、例えば40〜60mmの直径を有し得る。底部の周囲に隣接する周壁は、例えば、25〜75mm、例えば40〜60mmの高さを有し得る。
【0193】
ある実施形態では、入口開口部または他の流れ制限部は、最大で8mm
2の合計断面を有し、例えば、1つまたは複数の入口開口部はそれぞれ0.3〜1mm、例えば0.6〜1.6mm、例えば約1.4mmの断面を有する。
【0194】
ある実施形態では、分配流路出口開口部はカラムの底壁表面に設けられ、分配流路出口開口部を画定する対向する垂直壁部分の間の幅は、0.5〜1.5mm、例えば0.7〜1.2mm、例えば約0.8mmである。
【0195】
ある実施形態では、分配開口部および分配流路出口開口部は、液体成分のシュラウド流れが、特に炭酸水が使用される場合に、ベース液体の流れに容易に接するように、互いに0.4〜1.0mm離れている。
【0196】
本文脈において、ドーム部材とは、特定の形状を意味するものではなく、ドーム部材がドーム部材の下の空間にガス圧力を維持することができるという事実のみを意味する。ドーム部材およびその各シールは、ドーム部材の下の領域を、例えば4バールの圧力まで密封可能であり得る。
【0197】
ガス供給源は、加圧ガス、例えば空気を、エアポンプによって、カートリッジの貯蔵部からの液体成分の放出を補償する流量で、例えば、2〜3ml/秒の量で供給可能であるべきであることが理解されよう。
【0198】
実施形態では、加圧ガス、例えば空気は、大気圧よりも0.5〜2.5バール高い圧力である。
【0199】
実際の流量と圧力範囲はかなり簡単なエアポンプで達成できることは理解されよう。
【0200】
例えば、貯蔵部は20〜75mlの、例えば50mlの液体成分を保持する。
【0201】
例えば、飲用グラス等に例えば200〜300mlの量の飲料を充填する分配または供給サイクルは、15〜30秒間続く。
【0202】
ある実施形態では、貯蔵部からの液体成分の放出の完了の後または終了時に、ガスを使用して1つまたは複数の分配流路を、例えば空気の最終ブーストによりパージして、残留物が前記流路に残らないようにすることができる。
【0203】
これに関連して、ベース液体、例えば炭酸水の、妨害も合成もないチャネルを通る流れは、チャネルが、入口から出口まで、例えばカートリッジの上部から底部まで、常時30mm
2より小さい、好ましくは常に40mm
2より大きい、更には50mm
2より大きい断面積を有することを必要とすると定義することができる。一般に、チャネルは、断面が200mm
2を超えない。
【0204】
ある実施形態では、チャネルの出口または分配開口部は、6〜15ミリメートル、例えば約8または10ミリメートルの直径を有する。円形でないチャネルまたは開口部の場合、開口部は、30mm
2より大きい、好ましくは40mm
2より大きい、またはさらには50mm
2より大きい断面積を有してもよい。開口部はまた、断面が200mm
2未満であってもよい。
【0205】
代替的実施形態では、作動可能な変位アセンブリは、空気圧モータ、例えば空気圧ピストンを含み、これに対し、加圧されたガス、例えば空気がエアポンプによって供給される。例えば、装置は単一のエアポンプを有し、単一のエアポンプは、例えば本明細書で考察したように、液体成分を加圧するためにドーム部材に接続され、かつまた前記空気圧モータに接続され、これは例えば、加圧空気をモータまたはドーム部材に導くための弁アセンブリを設けることによって達成される。作動可能な変位アセンブリのための空気圧モータと組み合わせて単一のエアポンプを設けることにより、作動可能な変位アセンブリのためだけの追加のモータを排除することができる。例えば、一体化された液体供給部材を有するドーム部材は、対応するシリンダ内で摺動可能な空気圧ピストンとして具体化される。
【0206】
ここでは環状シュラウドおよび環状分配流路出口を参照するが、ベース液体流は断面が円形である必要はなく、炭酸ガスの過度の放出を回避しながら液体成分との所望の接合または合流を達成した楕円形、細長形、多葉形または任意の他の形状であってもよいことが理解されよう。
【0207】
ある実施形態では、1つまたは複数の分配流路は、そこを通過する液体成分のための流れ抵抗器として具体化される。この構成は、例えば、液体成分の全量を分配サイクル全体にわたって実質的に均等に分配することを望む観点から、1つまたは複数の分配流路を通る液体成分の安定した流量を形成することを可能にし、例えばその結果、いつでも、飲用容器にプレーンなベース液体が堆積され、これは使用者の認識および飲料の品質に有害であり得る。
【0208】
本発明はさらに、液体生成物、例えば人の消費に適した液体食品の調製のためにベース液体と組み合わせられる液体成分、例えば、飲料を調製するための、水、例えば炭酸水と組み合わせられる飲料濃縮物の一人分供給量が充填された使い捨てカートリッジを提供し、使い捨てカートリッジは、
底部および上部を備えたカートリッジ本体であって、液体成分の一人分供給量で充填された貯蔵部を画定するカートリッジ本体を含み、
カートリッジ本体はカラムであってカラムの前記上端部の入口からカラムの底端部の分配開口部までカラムを通って延在するチャネルを備えたカラムをさらに備え、
ベース液体供給部材が、カラム内のチャネルの入口に接続可能であり、ベース液体をチャネルに供給し、分配開口部を介してベース液体の流れを分配することを可能にし、
カートリッジ本体には、貯蔵部から液体成分を分配するように適合された1つまたは複数の分配流路が設けられ、
その1つまたは複数の分配流路は、貯蔵部内の液体成分が1つまたは複数の分配流路に入ることができるように配置された1つまたは複数の分配流路入口開口部を有し、
その1つまたは複数の分配流路は、そこから出る液体成分がカラムの底端部の分配開口部から分配される前記ベース液体流の前記外側と合流するように配置された1つまたは複数の分配流路出口開口部を有し、
カラムはカートリッジ本体の底部からカラムの前記底端部まで下方に突出する下方脚部を有し、その結果、カラムの底側表面とカラムの底端部の分配開口部は、カートリッジ本体の底部から離され、
カートリッジは、孔を設けられた底部密封フィルムを有し、底部密封フィルムは、密封フィルムの孔がカラムの分配開口部と整列されるようなカートリッジ本体の底部であり、
孔の周りの底部密封フィルムは、脚部の底端部に封着され、その周囲でカラムから離れたカートリッジの底部の1つまたは複数の位置で封着され、例えばその結果、底部密封フィルムは円錐の形状で提供され、
この底部密封フィルムは、破裂するおよび/または分配開口部から引き離され、それにより流路出口開口部からの分配を可能にするように適合され、これは、カートリッジが分配装置内で、分配位置で使い捨てカートリッジを収容して保持するためのホルダに対してより低い分配位置へ、下方へ移動することに起因し、このホルダは、円錐形の底部密封フィルムとその孔およびその周囲の間で係合するための剥離部材、例えば剥離リングを設けられる。
【0209】
このようなカートリッジ103を
図19に示す。カートリッジ103は、それがホルダ127の中に下ろされ、剥離部材100が底部密封フィルム107に係合する直前の状態で示されている。図示の実施形態では、カートリッジ103はさらに、上部密封フィルム106で密封された貯蔵部108と、中央チャネル114を有するカラム112と、分配流路出口開口部124が底部密封フィルム107によって依然密封されている分配流路122とを含む。
【0210】
この設計では、シールは、底部分配フィルムとカートリッジが配置されているホルダとの間の相互作用によって、破裂されるおよび/または分配開口部から引き離される。カートリッジをホルダ内に下方向に押すことにより、ホルダに設けられた剥離部材は、その孔とその周囲との間で底部シールに係合し、底部密封フィルムをカートリッジの底部に向けて押す。このようにして、底部密封フィルムの孔はカートリッジのカラムの脚部に通され、カラムの脚部は底部密封フィルムの予め形成された孔に効果的に押し込まれ、この際、好ましくは、底部密封フィルムは引き裂かれない。この設計では、カートリッジは可動カラムを必要としない。
【0211】
ある実施形態では、底部密封フィルムは、O字形底部密封フィルムである。そのような実施形態では、底部密封フィルムは、カートリッジに取り付けられたときに円錐形を有する。さらに、剥離部材を使用して分配流路出口開口部から底部密封フィルムを除去する原理は、カートリッジのカラムの脚部を取り除くことによって適用できることが考えられ、その結果、分配開口部は、カートリッジの底部にまたはその近くに設けられ、カートリッジの底部より下方に延在する周壁を、カートリッジを設け、カートリッジの底部からある距離を置いて底部密封フィルムの周縁に密封表面を設ける。この設計では、O字形の底部密封フィルムを用いる場合、底部密封フィルムも円錐形状を有する。しかしながら、底部密封フィルムによって画定された仮想円錐の頂点は、先に説明した実施形態、すなわち脚部を有するカートリッジのカラムの場合のように、カートリッジから離れる代わりにカートリッジの頂部を指す。
【0212】
剥離部材は、例えば、好ましくは分配開口部と同心の剥離リングとして具体化される。代替的な実施形態では、剥離部材は分配開口部の周りで、等間隔でその孔とその周囲との間で底部密封フィルムと係合する複数の離散した剥離体を含む。
【0213】
ある実施形態では、剥離部材はディスク形状であり、外側カートリッジ本体の外径に類似の外径と、剥離された底部密封フィルム−その一部−が前記カラムの周囲にある状態でカラムの脚部を受け入れるのに十分大きい直径を有する中央開口部とを有する。さらなる実施形態では、剥離部材はホルダの底部を形成する。
【0214】
当業者であれば、本発明の一実施形態に関して必要であるまたは任意であると本明細書で考察した技術的特徴は、その特徴がその指定の機能を果たす状態で、本明細書に記載した1つまたは複数の他の実施形態に等しく適用可能であり得ることを認識するであろう。そのような組み合わせは、組み合わせが技術的に不可能な解決策をもたらさない限りおよび/または所望の機能性を満たす限り、本明細書においてすべて想定される。
【国際調査報告】