(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
いくつかの側面において、本開示は、慢性移植片対宿主病(cGVHD)を処置する方法に関する。いくつかの態様において、方法は、それを必要とする対象に、EZH2阻害剤、Bcl6阻害剤および/またはBRD4阻害剤を、投与することを含む。本開示は、少なくとも部分的に、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤、B細胞リンパ腫6タンパク質(Bcl6)阻害剤および/またはブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)阻害剤を、慢性移植片対宿主病(cGVHD)を処置するために用いることができるという発見に基づく。
zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤、B細胞リンパ腫6タンパク質(Bcl6)阻害剤および/またはブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)阻害剤が、同種移植の前に対象に投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤、B細胞リンパ腫6タンパク質(Bcl6)阻害剤および/またはブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)阻害剤が、同種移植の後に対象に投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
EZH2阻害剤、Bcl6阻害剤および/またはBRD4阻害剤が、同種移植の少なくとも1週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年、2年または3年後に対象に投与される、請求項16に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0041】
発明の詳細な説明
定義
特定の官能基および化学用語の定義は、以下にさらに詳細に記載される。化学元素は、CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.の表紙内側の元素周期表に従って同定され、特定の官能基は、本明細書に記載されるように一般的に定義される。さらに、有機化学の一般原理、ならびに特定の官能部分および反応性は、以下に記載されている:Thomas Sorrell, Organic Chemistry, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March, March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987。本開示は、本明細書において記載される置換基の例示的なリストにより限定されることを決して意図しない。
【0042】
本明細書に記載の化合物は、1以上の不斉中心を含むことができ、したがって、種々の異性体形態、例えば、鏡像異性体および/またはジアステレオマーで存在することができる。例えば、本明細書に記載の化合物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態であってもよく、または、例えばラセミ混合物または1もしくは2以上の立体異性体に富む混合物を含む、立体異性体の混合物の形態であることができる。異性体は混合物から、当業者に知られている方法によって単離することができ、該方法としては例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)およびキラル塩の形成および結晶化を含む;または、好ましい異性体は、不斉合成によって調製することができる。例えば、以下を参照:Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen et al., Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962);およびWilen, Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)。本開示はさらに、本明細書に記載の化合物を、実質的に他の異性体を含まない個々の異性体として、および代替的に、様々な異性体の混合物として、包含する。
【0043】
値の範囲が列挙されている場合は、範囲内の各値と部分範囲を包含することが意図される。例えば、「C
1〜6」は、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、C
6、C
1〜6、C
1〜5、C
1〜4、C
1〜3、C
1〜2、C
2〜6、C
2〜5、C
2〜4、C
2〜3、C
3〜6、C
3〜5、C
3〜4、C
4〜6、C
4〜5、およびC
5〜6を包含することが意図される。
【0044】
用語「脂肪族」は、飽和および不飽和両方の、直鎖(すなわち、非分枝)、分枝、非環式、環式、または多環式の脂肪族炭化水素であって、任意に1以上の官能基で置換されているものを含む。当業者によって理解されるように、「脂肪族」は本明細書において、限定はされないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル部分を包含することが意図される。したがって、用語「アルキル」は、直鎖、分岐、および環式のアルキル基を含む。類似の慣例は、「アルケニル」、「アルキニル」などの他の一般的用語に適用される。さらに、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などは、置換および非置換の基の両方を包含する。ある態様において、「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(環式、非環式、置換、非置換、分枝または非分枝)を示すために使用される。
【0045】
ある態様において、本開示で使用されるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。別のある態様において、本開示で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、本開示で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、本開示で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、本開示で使用されるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜4個の炭素原子を含む。例示の脂肪族基としてはしたがって、限定はされないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−CH
2−シクロプロピル、ビニル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロブチル、−CH
2−シクロブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、−CH
2−シクロペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、シクロヘキシル、−CH
2−シクロヘキシル部分などが挙げられ、これらは再度、1以上の置換基を有してもよい。アルケニル基としては、限定はされないが、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどが挙げられる。代表的なアルキニル基としては、限定はされないが、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニルなどが挙げられる。
【0046】
用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分枝の飽和炭化水素基のラジカルを指す(「C
1〜10アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜9個の炭素原子を有する(「C
1〜9アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を有する(「C
1〜8アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜7個の炭素原子を有する(「C
1〜7アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する(「C
1〜6アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を有する(「C
1〜5アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する(「C
1〜4アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を有する(「C
1〜3アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を有する(「C
1〜2アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「C
1アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C
2〜6アルキル」)。C
1〜6アルキル基の例としては、メチル(C
1)、エチル(C
2)、プロピル(C
3)(例えば、n−プロピル、イソプロピル)、ブチル(C
4)(例えば、n−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル)、ペンチル(C
5)(例えば、n−ペンチル、3−ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3−メチル−2−ブタニル、第三級アミル、およびヘキシル(C
6)(例えば、n−ヘキシル)が挙げられる。アルキル基のさらなる例としては、n−ヘプチル(C
7)、n−オクチル(C
8)等が挙げられる。特に他の規定のない限り、アルキル基の各々は独立して、非置換であるか(「非置換アルキル」)、または、1以上の置換基(例えばFなどのハロゲン)で置換されている(「置換アルキル」)。ある態様において、アルキル基は、非置換C
1〜10アルキル(非置換C
1〜6アルキルなど、例えば、−CH
3(Me)、非置換エチル(Et)、非置換プロピル(Pr、例えば、非置換n−プロピル(n−Pr)、非置換イソプロピル(i−Pr))、非置換ブチル(Bu、例えば、非置換n−ブチル(n−Bu)、非置換tert−ブチル(tert−Buまたはt−Bu)、非置換sec−ブチル(sec−Bu)、非置換イソブチル(i−Bu))である。ある態様において、アルキル基は、置換C
1〜10アルキルである(例えば置換C
1〜6アルキルなど、例えば−CF
3、Bn)。
【0047】
「アルケニル」は、2〜20個の炭素原子と、1以上の炭素−炭素二重結合を有し、および三重結合のない、直鎖または分枝状炭化水素基のラジカルを指す(「C
2〜20アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜10個の炭素原子を有する(「C
2〜10アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜9個の炭素原子を有する(「C
2〜9アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C
2〜8アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜7個の炭素原子を有する(「C
2〜7アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C
2〜6アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C
2〜5アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C
2〜4アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C
2〜3アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「C
2アルケニル」)。1以上の炭素−炭素二重結合は、内部(例えば、2−ブテニルのように)または末端(例えば、1−ブテニルのように)であることができる。C
2〜4アルケニル基の例としては、エテニル(C
2)、1−プロペニル(C
3)、2−プロペニル(C
3)、1−ブテニル(C
4)、2−ブテニル(C
4)、ブタジエニル(C
4)などが挙げられる。C
2〜6アルケニル基の例としては、前述のC
2〜4アルケニル基、ならびにペンテニル(C
5)、ペンタジエニル(C
5)、ヘキセニル(C
6)などが挙げられる。アルケニル基のさらなる例としては、ヘプテニル(C
7)、オクテニル(C
8)、オクタトリエニル(C
8)などが挙げられる。特に他の規定のない限り、アルケニル基の各々は独立して、任意に置換されており、すなわち、非置換であるか(「非置換アルケニル」)、または、1もしくは2個以上の置換基で置換されている(「置換アルケニル」)。ある態様において、アルケニル基は、非置換C
2〜10アルケニルである。ある態様において、アルケニル基は、置換C
2〜10アルケニルである。アルケニル基において、立体化学が指定されていないC=C二重結合
【化20】
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は、(E)−または(Z)−二重結合であってよい。
【0048】
「アルキニル」は、2〜20個の炭素原子、1以上の炭素−炭素三重結合、および任意に1以上の二重結合を有する、直鎖または分枝状炭化水素基のラジカルを指す(「C
2〜20アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜10個の炭素原子を有する(「C
2〜10アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜9個の炭素原子を有する(「C
2〜9アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を有する(「C
2〜8アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜7個の炭素原子を有する(「C
2〜7アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜6個の炭素原子を有する(「C
2〜6アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜5個の炭素原子を有する(「C
2〜5アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を有する(「C
2〜4アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2〜3個の炭素原子を有する(「C
2〜3アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「C
2アルキニル」)。1以上の炭素−炭素三重結合は、内部(例えば、2−ブチニルのように)または末端(例えば、1−ブチニルのように)であることができる。C
2〜4アルキニル基の例としては、限定されないが、エチニル(C
2)、1−プロピニル(C
3)、2−プロピニル(C
3)、1−ブチニル(C
4)、2−ブチニル(C
4)などが挙げられる。C
2〜6アルケニル基の例としては、前述のC
2〜4アルキニル基、ならびにペンチニル(C
5)、ヘキシニル(C
6)などが挙げられる。アルキニル基のさらなる例としては、ヘプチニル(C
7)、オクチニル(C
8)などが挙げられる。特に他の規定のない限り、アルキニル基の各々は独立して、任意に置換されており、すなわち、非置換であるか(「非置換アルキニル」)、または、1もしくは2以上の置換基で置換されている(「置換アルキニル」)。ある態様において、アルキニル基は、非置換C
2〜10アルキニルである。ある態様において、アルキニル基は、置換C
2〜10アルキニルである。
【0049】
「カルボシクリル」または「炭素環」は、3〜10個の環炭素原子および、非芳香族環系中に0個のヘテロ原子を有する、非芳香族環状炭化水素基のラジカルを指す(「C
3〜10カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜8個の環炭素原子を有する(「C
3〜8カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜6個の環炭素原子を有する(「C
3〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、3〜6個の環炭素原子を有する(「C
3〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は、5〜10個の環炭素原子を有する(「C
5〜10カルボシクリル」)。例示のC
3〜6カルボシクリル基としては、限定されないが、シクロプロピル(C
3)、シクロプロペニル(C
3)、シクロブチル(C
4)、シクロブテニル(C
4)、シクロペンチル(C
5)、シクロペンテニル(C
5)、シクロヘキシル(C
6)、シクロヘキセニル(C
6)、シクロヘキサジエニル(C
6)などが挙げられる。例示のC3〜8カルボシクリル基としては、限定されないが、前述のC3〜6カルボシクリル基ならびにシクロヘプチル(C
7)、シクロヘプテニル(C
7)、シクロヘプタジエニル(C
7)、シクロヘプタトリエニル(C
7)、シクロオクチル(C
8)、シクロオクテニル(C
8)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C
7)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C
8)などが挙げられる。例示のC
3〜10カルボシクリル基としては、限定されないが、前述のC
3〜8カルボシクリル基ならびにシクロノニル(C
9)、シクロノネニル(C
9)、シクロデシル(C
10)、シクロデセニル(C
10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C
9)、デカヒドロナフタレニル(C
10)、スピロ[4.5]デカニル(C
10)などが挙げられる。前述の例が示すように、ある態様において、カルボシクリル基は、単環(「単環式カルボシクリル」)または二環系(「二環式カルボシクリル」)などの、融合、架橋またはスピロ環系を含み、飽和され得るか、または部分的に不飽和であり得る。「カルボシクリル」はまた、上記で定義されたとおりの炭素環が1以上のアリール基またはヘテロアリール基と縮合しており、ここで付着点が炭素環上にあるような環系を含み、このような場合にも炭素数は、炭素環系中の炭素数を依然として指定している。特に他の規定のない限り、炭素環基の各々は、独立して、任意に置換されており、すなわち、非置換であるか(「非置換カルボシクリル」)、または、1もしくは2以上の置換基で置換されている(「置換カルボシクリル」)。ある態様において、カルボシクリル基は、非置換C
3〜10カルボシクリルである。ある態様において、カルボシクリル基は、置換C
3〜10カルボシクリルである。
【0050】
いくつかの態様において、「カルボシクリル」は、3〜10個の環炭素原子を有する単環式、飽和カルボシクリル基である(「C
3〜10シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3〜8個の環炭素原子を有する(「C
3〜8シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、3〜6個の環炭素原子を有する(「C
3〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5〜6個の環炭素原子を有する(「C
5〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は、5〜10個の環炭素原子を有する(「C
5〜10シクロアルキル」)。C
5〜6シクロアルキル基の例としては、シクロペンチル(C
5)、シクロヘキシル(C
5)が挙げられる。C
3〜6シクロアルキル基の例としては、前述のC
5〜6シクロアルキル基、ならびにシクロプロピル(C
3)およびシクロブチル(C
4)が挙げられる。C
3〜8シクロアルキル基の例としては、前述のC
3〜6シクロアルキル基、ならびにシクロヘプチル(C
7)およびシクロオクチル(C
8)が挙げられる。特に他の規定のない限り、シクロアルキル基の各々は独立して、非置換であるか(「非置換シクロアルキル」)、または、1以上の置換基で置換されている(「置換シクロアルキル」)。ある態様において、シクロアルキル基は、非置換C
3〜10シクロアルキルである。ある態様において、シクロアルキル基は、置換C
3〜10シクロアルキルである。
【0051】
「ヘテロシクリル」または「複素環」は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する、3〜10員非芳香族環系のラジカルを指し、ここで各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(3〜10員ヘテロシクリル」)。1個以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、付着点は、結合価が許す限り、炭素または窒素原子であることができる。ヘテロシクリル基は、単環(「単環式ヘテロシクリル」)、または二環系(「二環式ヘテロシクリル」)などの融合、架橋またはスピロ環系であることができ、飽和され得るか、または部分的に不飽和であり得る。ヘテロシクリル二環式環系は、1個以上のヘテロ原子を、一方または両方の環に含むことができる。「ヘテロシクリル」はまた、上記で定義されたとおりの複素環が、1以上のカルボシクリル基に縮合した環系を含み、ここで付着点は、炭素環上または複素環上のいずれかであり、あるいは、上記で定義されたとおりの複素環が、1以上のアリール基またはヘテロアリール基と縮合した環系を含み、ここで付着点は複素環上であり、かかる場合において、環員の数は、複素環系内の環員の数を依然として指定している。特に他の規定のない限り、ヘテロシクリルの各々は独立して、任意に置換されており、すなわち、非置換であるか(「非置換ヘテロシクリル」)、または、1もしくは2以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。ある態様において、ヘテロシクリル基は、非置換3〜10員ヘテロシクリルである。ある態様において、ヘテロシクリル基は、置換3〜10員ヘテロシクリルである。
【0052】
いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する、5〜10員の非芳香族環系であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「5〜10員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する、5〜8員の非芳香族環系であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜8員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する、5〜6員の非芳香族環系であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜6員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。
【0053】
1個のヘテロ原子を含有する例示の3員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アジリジニル、オキシラニル、チイラニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示の4員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニルおよびチエタニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル−2,5−ジオンが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ジオキソラニル、オキサスルフラニル(oxasulfuranyl)、ジスルフラニル(disulfuranyl)、およびオキサゾリジン−2−オンが挙げられる。3個のヘテロ原子を含む例示の5員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル(oxadiazolinyl)、およびチアジアゾリニル(thiadiazolinyl)が挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示の6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示の6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、およびジオキサニルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示の6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアジナニル(triazinanyl)が挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示の7員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示の8員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、アゾカニル、オキセカニル(oxecanyl)およびチオカニル(thiocanyl)が挙げられる。C6アリール環に縮合した例示の5員ヘテロシクリル基(本明細書において、5,6−二環式複素環とも称する)としては、限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニル(benzoxazolinonyl)などが挙げられる。アリール環に縮合した例示の6員ヘテロシクリル基(本明細書において、6,6−二環式複素環とも称する)としては、限定されないが、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられる。
【0054】
「アリール」は、6〜14個の環炭素原子を有し、芳香族環系にヘテロ原子のない、単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)の、4n+2芳香族環系(例えば、環状配列で共有される6、10、または14個のπ電子を有する)のラジカルを指す(「C
6〜14アリール」)。いくつかの態様において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C
6アリール」;例えばフェニル)。いくつかの態様において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C
10アリール」;例えば1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。いくつかの態様において、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C
14アリール」;例えば、アントラシル)。「アリール」はまた、上記で定義されたとおりのアリール環が、1以上のカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合しており、ここでラジカルまたは付着点がアリール環上にある環系も含み、かかる場合において、炭素原子の数は、アリール環系における炭素原子の数を依然として指定している。特に他の規定のない限り、アリール基の各々は独立して、任意に置換されており、すなわち、非置換であるか(「非置換アリール」)、または、1以上の置換基で置換されている(「置換アリール」)。ある態様において、アリール基は、非置換C
6〜14アリールである。ある態様において、アリール基は、置換C
6〜14アリールである。
【0055】
「アラルキル」は、アルキルおよびアリールの部分集合であり、任意に置換されたアリール基で置換された任意に置換されたアルキル基を指す。ある態様において、アラルキルは、任意に置換されたベンジルである。ある態様において、アラルキルはベンジルである。ある態様において、アラルキルは、任意に置換されたフェネチルである。ある態様において、アラルキルはフェネチルである。
【0056】
「ヘテロアリール」は、環炭素原子および芳香族環系に1〜4個の環ヘテロ原子を有する、5〜10員の単環式または二環式の、4n+2芳香族環系(例えば、環状配列で共有される6または10個のπ電子を有する)のラジカルを指し、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。1個以上の窒素原子を含むヘテロアリール基において、付着点は、結合価が許す限り、炭素または窒素原子であることができる。ヘテロアリール二環式環系は、一方または両方の環に1個以上のヘテロ原子を含むことができる。「ヘテロアリール」は、上記で定義されたとおりのヘテロアリール環が、1以上のカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合しており、ここで付着点はヘテロアリール環上にあり、およびかかる場合において、環員の数は、ヘテロアリール環系における環員の数を依然として指定している。「ヘテロアリール」はまた、上記で定義されたとおりのヘテロアリール環が、1以上のアリール基と縮合しており、ここで付着点はアリールまたはヘテロアリール環上のいずれかであり、およびかかる場合において、環員の数は、縮合アリール/ヘテロアリール環系における環員の数を指定する。1つの環がヘテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリル、など)において、付着点はいずれかの環上であることができ、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば、2−インドリル)か、またはヘテロ原子を含まない環(例えば、5−インドリル)である。
【0057】
いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、環炭素原子および、芳香族環系に1〜4個の環ヘテロ原子を有する、5〜10員の芳香族環系であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(5〜10員ヘテロアリール)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、環炭素原子および芳香族環系に1〜4個の環ヘテロ原子を有する、5〜8員の芳香族環系であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(5〜8員ヘテロアリール)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、環炭素原子および芳香族環系に1〜4個の環ヘテロ原子を有する、5〜6員の芳香族環系であり、ここで各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、および硫黄から選択される(5〜6員ヘテロアリール)。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。特に他の規定のない限り、ヘテロアリール基の各々は独立して、任意に置換されており、すなわち、非置換であるか(「非置換ヘテロアリール」)、または、1もしくは2以上の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。ある態様において、ヘテロアリール基は、非置換5〜14員ヘテロアリールである。ある態様において、ヘテロアリール基は、置換5〜14員ヘテロアリールである。
【0058】
1個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピロリル、フラニル、チオフェニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルが挙げられる。3個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられる。4個のヘテロ原子を含有する例示の5員ヘテロアリール基としては、限定されないが、テトラゾリルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示の6員環ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリジニルが挙げられる。2個のヘテロ原子を含有する例示の6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルが挙げられる。3個または4個のヘテロ原子を含有する例示の6員ヘテロアリール基としては、限定されないが、それぞれ、トリアジニルおよびテトラジニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含有する例示の7員ヘテロアリール基としては、限定されないが、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルが挙げられる。例示の5,6−二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル(benzoxazolyl)、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが挙げられる。例示の6,6−二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられる。
【0059】
「ヘテロアラルキル」は、アルキルおよびヘテロアリールの部分集合であり、任意に置換されたヘテロアリール基で置換された任意に置換されたアルキル基を指す。
【0060】
「不飽和」または「部分的に不飽和」は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む基を指す。「部分的に不飽和な」環系は、さらに、複数の不飽和部位を有する環を包含することが意図されているが、芳香族基(例えば、アリールまたはヘテロアリール基)を含むことは意図しない。同様に、「飽和」は、二重結合または三重結合を含まない基、すなわち、すべてが単一結合を含む基を指す。
【0061】
二価の架橋基である、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は、さらに接尾辞−エンを使用して参照され、例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アリーレン、および、ヘテロアリーレンである。
【0062】
特に明示的に他の規定のない限り、結合価が許す限り、本明細書に記載の原子、部分、または基は、非置換であっても置換であってもよい。「任意に置換された(optionally substituted)」という用語は、置換または非置換を意味する。
【0063】
基は、特に明示的に他の規定のない限り、任意に置換されている。用語「任意に置換されている(optionally substituted)」は、置換されているかまたは非置換であることを意味する。特定の態様において、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は、任意に置換されている(例えば、「置換」もしくは「非置換」アルキル、「置換」もしくは「非置換」アルケニル、「置換」もしくは「非置換」アルキニル、「置換」もしくは「非置換」カルボシクリル、「置換」もしくは「非置換」ヘテロシクリル、「置換」もしくは「非置換」アリール、または「置換」もしくは「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換」は、「任意」の用語が先行するかどうかに関わらず、基(例えば、炭素または窒素原子)に存在する少なくとも1つの水素が、許容し得る置換基で置換されていることを意味し、ここで該置換基は、置換により安定した化合物をもたらす置換基、例えば、転位(rearrangement)、環化、脱離、または他の反応による変換を自然に受けない化合物をもたらす置換基である。特に他の規定のない限り、「置換された」基は、置換基を、基の1以上の置換可能な位置に有し、あらゆる所与の構造において、2つ以上の位置が置換されている場合、置換基は、各位置で同一かまたは異なるかのいずれかである。「置換された」という用語は、有機化合物の全ての許容し得る置換基による置換を含むことが意図され、安定な化合物の形成をもたらす、本明細書に記載の置換基のいずれかである。本開示は、安定な化合物に到達するために、あらゆる全てのかかる組み合わせを意図する。本開示の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/または、ヘテロ原子の原子価を満たし安定な部分の形成をもたらす、本明細書に記載のあらゆる適切な置換基を、有していてもよい。ある態様において、置換基は、炭素原子置換基である。ある態様において、置換基は、窒素原子置換基である。ある態様において、置換基は、酸素原子置換基である。ある態様において、置換基は、硫黄原子置換基である。
【0064】
例示の炭素原子置換基としては、限定はされないが、ハロゲン、−CN、−NO
2、−N
3、−SO
2H、−SO
3H、−OH、−OR
aa、−ON(R
bb)
2、−N(R
bb)
2、−N(R
bb)
3+X
−、−N(OR
cc)R
bb、−SH、−SR
aa、−SSR
cc、−C(=O)R
aa、−CO
2H、−CHO、−C(OR
cc)
2、−CO
2R
aa、−OC(=O)R
aa、−OCO
2R
aa、−C(=O)N(R
bb)
2、−OC(=O)N(R
bb)
2、−NR
bbC(=O)R
aa、−NR
bbCO
2R
aa、−NR
bbC(=O)N(R
bb)
2、−C(=NR
bb)R
aa、−C(=NR
bb)OR
aa、−OC(=NR
bb)R
aa、−OC(=NR
bb)OR
aa、−C(=NR
bb)N(R
bb)
2、−OC(=NR
bb)N(R
bb)
2、−NR
bbC(=NR
bb)N(R
bb)
2、−C(=O)NR
bbSO
2R
aa、−NR
bbSO
2R
aa、−SO
2N(R
bb)
2、−SO
2R
aa、−SO
2OR
aa、−OSO
2R
aa、−S(=O)R
aa、−OS(=O)R
aa、−Si(R
aa)
3、−OSi(R
aa)
3−C(=S)N(R
bb)
2、−C(=O)SR
aa、−C(=S)SR
aa、−SC(=S)SR
aa、−SC(=O)SR
aa、−OC(=O)SR
aa、−SC(=O)OR
aa、−SC(=O)R
aa、−P(=O)
2R
aa、−OP(=O)
2R
aa、−P(=O)(R
aa)
2、−OP(=O)(R
aa)
2、−OP(=O)(OR
cc)
2、−P(=O)
2N(R
bb)
2、−OP(=O)
2N(R
bb)
2、−P(=O)(NR
bb)
2、−OP(=O)(NR
bb)
2、−NR
bbP(=O)(OR
cc)
2、−NR
bbP(=O)(NR
bb)
2、−P(R
cc)
2、−P(R
cc)
3、−OP(R
cc)
2、−OP(R
cc)
3、−B(R
aa)
2、−B(OR
cc)
2、−BR
aa(OR
cc)、C
1〜10アルキル、C
1〜10パーハロアルキル、C
2〜10アルケニル、C
2〜10アルキニル、C
3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C
6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリール、が挙げられ、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のR
dd基で置換されているか;あるいは炭素原子上の2個のジェミナルな水素は、基=O、=S、=NN(R
bb)
2、=NNR
bbC(=O)R
aa、=NNR
bbC(=O)OR
aa、=NNR
bbS(=O)
2R
aa、=NR
bbまたは=NOR
ccで置き換えられ;
R
aaの各々は、独立して、C
1〜10アルキル、C
1〜10ペルハロアルキル、C
2〜10アルケニル、C
2〜10アルキニル、C
3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C
6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または2つのR
aa基は結び合って、3〜14員ヘテロシクリルまたは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のR
dd基で置換されており;
R
bbの各々は、独立して、水素、−OH、−OR
aa、−N(R
cc)
2、−CN、−C(=O)R
aa、−C(=O)N(R
cc)
2、−CO
2R
aa、−SO
2R
aa、−C(=NR
cc)OR
aa、−C(=NR
cc)N(R
cc)
2、−SO
2N(R
cc)
2、−SO
2R
cc、−SO
2OR
cc、−SOR
aa、−C(=S)N(R
cc)
2、−C(=O)SR
cc、−C(=S)SR
cc、−P(=O)
2R
aa、−P(=O)(R
aa)
2、−P(=O)
2N(R
cc)
2、−P(=O)(NR
cc)
2、C
1〜10アルキル、C
1〜10パーハロアルキル、C
2〜10アルケニル、C
2〜10アルキニル、C
3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C
6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールから選択されるか、あるいは2個のR
bb基は、結び合って3〜14員のヘテロシクリルまたは5〜14員のヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のR
dd基で置換されており;
R
ccの各々は、独立して、水素、C
1〜10アルキル、C
1〜10ペルハロアルキル、C
2〜10アルケニル、C
2〜10アルキニル、C
3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C
6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または2つのR
cc基は結び合って、3〜14員ヘテロシクリルまたは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のR
dd基で置換されており;
R
ddの各々は、独立して、ハロゲン、−CN、−NO
2、−N
3、−SO
2H、−SO
3H、−OH、−OR
ee、−ON(R
ff)
2、−N(R
ff)
2、−N(R
ff)
3+X
−、−N(OR
ee)R
ff、−SH、−SR
ee、−SSR
ee、−C(=O)R
ee、−CO
2H、−CO
2R
ee、−OC(=O)R
ee、−OCO
2R
ee、−C(=O)N(R
ff)
2、−OC(=O)N(R
ff)
2、−NR
ffC(=O)R
ee、−NR
ffCO
2R
ee、−NR
ffC(=O)N(R
ff)
2、−C(=NR
ff)OR
ee、−OC(=NR
ff)R
ee、−OC(=NR
ff)OR
ee、−C(=NR
ff)N(R
ff)
2、−OC(=NR
ff)N(R
ff)
2、−NR
ffC(=NR
ff)N(R
ff)
2、−NR
ffSO
2R
ee、−SO
2N(R
ff)
2、−SO
2R
ee、−SO
2OR
ee、−OSO
2R
ee、−S(=O)R
ee、−Si(R
ee)
3、−OSi(R
ee)
3、−C(=S)N(R
ff)
2、−C(=O)SR
ee、−C(=S)SR
ee、−SC(=S)SR
ee、−P(=O)
2R
ee、−P(=O)(R
ee)
2、−OP(=O)(R
ee)
2、−OP(=O)(OR
ee)
2、C
1〜6アルキル、C
1〜6パーハロアルキル、C
2〜6アルケニル、C
2〜6アルキニル、C
3〜10カルボシクリル、3〜10員のヘテロシクリル、C
6〜10アリール、5〜10員のヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のR
gg基で置換されており、または2個のジェミナルなR
dd置換基は、結び合って、=Oまたは=Sを形成することができ;
R
eeの各々は、独立して、C
1〜6アルキル、C
1〜6ペルハロアルキル、C
2〜6アルケニル、C
2〜6アルキニル、C
3〜10カルボシクリル、C
6〜10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、および3〜10員ヘテロアリールから選択され、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のR
gg基で置換されており;
R
ffの各々は、独立して、水素、C
1〜6アルキル、C
1〜6ペルハロアルキル、C
2〜6アルケニル、C
2〜6アルキニル、C
3〜10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C
6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから選択されるか、または2つのR
ff基は結び合って、3〜14員ヘテロシクリルまたは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のR
gg基で置換されており;ならびに
R
ggの各々は、独立して、ハロゲン、−CN、−NO
2、−N
3、−SO
2H、−SO
3H、−OH、−OC
1〜6アルキル、−ON(C
1〜6アルキル)
2、−N(C
1〜6アルキル)
2、−N(C
1〜6アルキル)
3+X
−、−NH(C
1〜6アルキル)
2+X
−、−NH
2(C
1〜6アルキル)
+X
−、−NH
3+X
−、−N(OC
1〜6アルキル)(C
1〜6アルキル)、−N(OH)(C
1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC
1〜6アルキル、−SS(C
1〜6アルキル)、−C(=O)(C
1〜6アルキル)、−CO
2H、−CO
2(C
1〜6アルキル)、−OC(=O)(C
1〜6アルキル)、−OCO
2(C
1〜6アルキル)、−C(=O)NH
2、−C(=O)N(C
1〜6アルキル)
2、−OC(=O)NH(C
1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C
1〜6アルキル)、−N(C
1〜6アルキル)C(=O)(C
1〜6アルキル)、−NHCO
2(C
1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C
1〜6アルキル)
2、−NHC(=O)NH(C
1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH
2、−C(=NH)O(C
1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C
1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC
1〜6アルキル、−C(=NH)N(C
1〜6アルキル)
2、−C(=NH)NH(C
1〜6アルキル)、−C(=NH)NH
2、−OC(=NH)N(C
1〜6アルキル)
2、−OC(NH)NH(C
1〜6アルキル)、−OC(NH)NH
2、−NHC(NH)N(C
1〜6アルキル)
2、−NHC(=NH)NH
2、−NHSO
2(C
1〜6アルキル)、−SO
2N(C
1〜6アルキル)
2、−SO
2NH(C
1〜6アルキル)、−SO
2NH
2,−SO
2C
1〜6アルキル、−SO
2OC
1〜6アルキル、−OSO
2C
1〜6アルキル、−SOC
1〜6アルキル、−Si(C
1〜6アルキル)
3、−OSi(C
1〜6アルキル)
3、−C(=S)N(C
1〜6アルキル)
2、C(=S)NH(C
1〜6アルキル)、C(=S)NH
2、−C(=O)S(C
1〜6アルキル)、−C(=S)SC
1〜6アルキル、−SC(=S)SC
1〜6アルキル、−P(=O)
2(C
1〜6アルキル)、−P(=O)(C
1〜6アルキル)
2、−OP(=O)(C
1〜6アルキル)
2、−OP(=O)(OC
1〜6アルキル)
2、C
1〜6アルキル、C
1〜6パーハロアルキル、C
2〜6アルケニル、C
2〜6アルキニル、C
3〜10カルボシクリル、C
6〜10アリール、3〜10員のヘテロシクリル、5〜10員のヘテロアリールであるか;あるいは2個のジェミナルなR
gg置換基は、結び合って、=Oまたは=Sを形成することができ;ここで、X
−は対イオンである。
【0065】
「対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電子的中性(electronic neutraliy)を維持するために、正に帯電した基に結合した負に帯電している基である。アニオン性対イオンは、一価(すなわち、1つの正式な負電荷を含む)であってもよい。アニオン性対イオンは、二価または三価などの多価(すなわち、1より多くの正式な負電荷を含む)であってもよい。例示の対イオンとしては、ハロゲン化物イオン(例えば、F
−、Cl
−、Br
−、I
−)、NO
3−、ClO
4−、OH
−、H
2PO
4−、HSO
4−、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、p−トルエンスルホナート、ベンゼンスルホナート、10−カンファースルホナート、ナフタレン−2−スルホナート、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホナート、エタン−1−スルホン酸−2−スルホナート等)、カルボン酸イオン(例えば、アセタート、エタン酸塩(ethanoate)、プロパノアート、ベンゾアート、グリセラート、ラクタート、タルトラート、グリコラートなど)、BF
4−、PF
4−、PF
6−、AsF
6−、SbF
6−、B[3,5−(CF
3)
2C
6H
3]
4]
−、BPh
4−、Al(OC(CF
3)
3)
4−、およびカルボランアニオン(例えば、CB
11H
12−または(HCB
11Me
5Br
6)
−)が挙げられる。
【0066】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、またはヨウ素(ヨード、−I)を指す。
【0067】
「アシル」は、−C(=O)R
aa、−CHO、−CO
2R
aa、−C(=O)N(R
bb)
2、−C(=NR
bb)R
aa、−C(=NR
bb)OR
aa、−C(=NR
bb)N(R
bb)
2、−C(=O)NR
bbSO
2R
aa、−C(=S)N(R
bb)
2、−C(=O)SR
aa、または−C(=S)SR
aaからなる群から選択される部分を指し、ここでR
aaおよびR
bbは、本明細書に定義のとおりである。
【0068】
窒素原子は、結合価が許す限り、置換されるかまたは非置換であることができ、および、第一、第二、第三、第四級窒素原子を含む。例示の窒素原子置換基としては、限定はされないが、水素、−OH、−OR
aa、−N(R
cc)
2、−CN、−C(=O)R
aa、−C(=O)N(R
cc)
2、−CO
2R
aa、−SO
2R
aa、−C(=NR
bb)R
aa、−C(=NR
cc)OR
aa、−C(=NR
cc)N(R
cc)
2、−SO
2N(R
cc)
2、−SO
2R
cc、−SO
2OR
cc、−SOR
aa、−C(=S)N(R
cc)
2、−C(=O)SR
cc、−C(=S)SR
cc、−P(=O)
2R
aa、−P(=O)(R
aa)
2、−P(=O)
2N(R
cc)
2、−P(=O)(NR
cc)
2、C
1〜10アルキル、C
1〜10パーハロアルキル、C
2〜10アルケニル、C
2〜10アルキニル、C
3〜10カルボシクリル、3〜14員のヘテロシクリル、C
6〜14アリール、および5〜14員のヘテロアリールが挙げられ、またはN原子に付着された2つのR
cc基は結び合って、3〜14員ヘテロシクリルまたは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のR
dd基で置換されており、およびここで、R
aa、R
bb、R
cc、およびR
ddは、上記で定義されたとおりである。
【0069】
ある態様において、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基である(アミノ保護基とも呼ばれる)。窒素保護基としては、限定はされないが、−OH、−OR
aa、−N(R
cc)
2、−C(=O)R
aa、−C(=O)N(R
cc)
2、−CO
2R
aa、−SO
2R
aa、−C(=NR
cc)R
aa、−C(=NR
cc)OR
aa、−C(=NR
cc)N(R
cc)
2、−SO
2N(R
cc)
2、−SO
2R
cc、−SO
2OR
cc、−SOR
aa、−C(=S)N(R
cc)
2、−C(=O)SR
cc、−C(=S)SR
cc、C
1〜10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C
2〜10アルケニル、C
2〜10アルキニル、C
3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C
6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリール基が挙げられ、ここで各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のR
dd基で置換されており、およびここで、R
aa、R
bb、R
cc、およびR
ddは、本明細書に定義のとおりである。窒素保護基は当技術分野で知られており、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されたものを含む;この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
例えば、アミド基などの窒素保護基(例えば、―C(=O)R
aa)としては、限定はされないが、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンアミド(nitrocinnamide)、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、およびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドが挙げられる。
【0071】
カルバマート基(例えば、−C(=O)OR
aa)などの窒素保護基としては、限定はされないが、以下が挙げられる:メチルカルバマート、エチルカルバマンテ(ethyl carbamante)、9−フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバマート、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチルカルバマート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバマート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバマート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバマート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバマート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバマート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバマート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバマート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバマート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エチルカルバマート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバマート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバマート(Pyoc)、2−(N、N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバマート、t−ブチルカルバマート(BOCまたはBoc)、1−アダマンチルカルバマート(Adoc)、ビニルカルバマート(Voc)、アリルカルバマート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバマート(Ipaoc)、シンナミルカルバマート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバマート(Noc)、8−キノリルカルバマート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバマート、アルキルジチオカルバマート、ベンジルカルバマート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバマート(Moz)、p−ニトロベンジルカルバマート、p−ブロモベンジルカルバマート、p−クロロベンジルカルバマート、2,4−ジクロロベンジルカルバマート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバマート(Msz)、9−アントリルメチルカルバマート、ジフェニルメチルカルバマート、2−メチルチオエチルカルバマート、2−メチルスルホニルエチルカルバマート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバマート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバマート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバマート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバマート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバマート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバマート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバマート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバマート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバマート、5−ベンズイソキサゾリルメチルカルバマート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバマート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバマート、3,5−ジメトキシベンジルカルバマート、o−ニトロベンジルカルバマート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバマート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバマート、t−アミルカルバマート、S−ベンジルチオカルバマート、p−シアノベンジルカルバマート、シクロブチルカルバマート、シクロヘキシルカルバマート、シクロペンチルカルバマート、シクロプロピルメチルカルバマート、p−デシルオキシベンジルカルバマート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバマート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバマート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバマート、1,1−ジメチルプロピニルカルバマート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバマート、2−フラニルメチルカルバマート、2−ヨードエチルカルバマート、イソボルニルカルバマート、イソブチルカルバマート、イソニコチニルカルバマート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバマート、1−メチルシクロブチルカルバマート、1−メチルシクロヘキシルカルバマート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバマート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバマート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバマート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバマート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバマート、フェニルカルバマート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバマート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバマート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバマート、および2,4,6−トリメチルベンジルカルバマート。
【0072】
スルホンアミド基(例えば、−S(=O)
2OR
aa)などの窒素保護基としては、限定はされないが、以下が挙げられる:p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミド。
【0073】
他の窒素保護基としては、限定はされないが、以下が挙げられる:フェノチアジニル(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリシリデンアミン、N−5−クロロサリシリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロミウム−またはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−酸化物、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミダート、ジベンジルホスホルアミダート、ジフェニルホスホルアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)。
【0074】
例示の酸素原子置換基としては、限定はされないが、−R
aa、−C(=O)SR
aa、−C(=O)R
aa、−CO
2R
aa、−C(=O)N(R
bb)
2、−C(=NR
bb)R
aa、−C(=NR
bb)OR
aa、−C(=NR
bb)N(R
bb)
2、−S(=O)R
aa、−SO
2R
aa、−Si(R
aa)
3、−P(R
cc)
2、−P(R
cc)
3、−P(=O)
2R
aa、−P(=O)(R
aa)
2、−P(=O)(OR
cc)
2、−P(=O)
2N(R
bb)
2および−P(=O)(NR
bb)
2が挙げられ、ここでR
aa、R
bbおよびR
ccは、本明細書に定義のとおりである。ある態様において、酸素原子上に存在する酸素原子置換基は、酸素保護基である(ヒドロキシル保護基ともいう)。酸素保護基は当技術分野で知られており、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されたものを含む;この文献は、参考により本明細書に組み込まれる。例示の酸素保護基としては、限定はされないが、以下が挙げられる:メチル、t−ブチルオキシカルボニル(BOCまたはBoc)、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p、p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジスルフラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルマート、ベンゾイルホルマート、アセタート、クロロアセタート、ジクロロアセタート、トリクロロアセタート、トリフルオロアセタート、メトキシアセタート、トリフェニルメトキシアセタート、フェノキシアセタート、p−クロロフェノキシアセタート、3−フェニルプロピオナート、4−オキソペンタノアート(レブリナート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロアート、アダマントアート、クロトナート、4−メトキシクロトナート、ベンゾアート、p−フェニルベンゾアート、2,4,6−トリメチルベンゾアート(メシトアート)、アルキルメチルカーボナート、9−フルオレニルメチルカーボナート(Fmoc)、アルキルエチルカーボナート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボナート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボナート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボナート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボナート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボナート、アルキルビニルカーボナート、アルキルアリルカーボナート、アルキルp−ニトロフェニルカーボナート、アルキルベンジルカーボナート、アルキルp−メトキシベンジルカーボナート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボナート、アルキルo−ニトロベンジルカーボナート、アルキルp−ニトロベンジルカーボナート、アルキルS−ベンジルチオカーボナート、4−エトキシ−1−ナフチルカーボナート、メチルジチオカーボナート、2−ヨードベンゾアート、4−アジドブチラート、4−ニトロ−4−メチルペンタノアート、o−(ジブロモメチル)ベンゾアート、2−ホルミルベンゼンスルホナート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチラート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾアート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセタート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセタート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセタート、クロロジフェニルアセタート、イソブチラート、モノスクシノアート、(E)−2−メチル−2−ブテノアート、o−(メトキシアシル)ベンゾアート、α−ナフトアート、ニトラート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN−フェニルカルバマート、ボラート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェナート、スルファート、メタンスルホナート(メシラート)、ベンジルスルホナート、およびトシラート(Ts)。
【0075】
例示の硫黄原子置換基としては、限定はされないが、−R
aa、−C(=O)SR
aa、−C(=O)R
aa、−CO
2R
aa、−C(=O)N(R
bb)
2、−C(=NR
bb)R
aa、−C(=NR
bb)OR
aa、−C(=NR
bb)N(R
bb)
2、−S(=O)R
aa、−SO
2R
aa、−Si(R
aa)
3、−P(R
cc)
2、−P(R
cc)
3、−P(=O)
2R
aa、−P(=O)(R
aa)
2、−P(=O)(OR
cc)
2、−P(=O)
2N(R
bb)
2および−P(=O)(NR
bb)
2が挙げられ、ここで、R
aa、R
bbおよびR
ccは、本明細書に定義のとおりである。ある態様において、硫黄原子上に存在する硫黄原子置換基は、硫黄保護基である(チオール保護基ともいう)。硫黄保護基は当技術分野で知られており、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されたものを含む;この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0076】
用語「脱離基」とは、合成有機化学の分野におけるその通常の意味が与えられ、求核剤によって置き換えられることが可能な原子または基を指す。好適な脱離基の例としては、限定はされないが、ハロゲン(F、Cl、Br、またはI(ヨウ素)など)、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキル−カルボニルオキシ(例えばアセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシ、メトキシ、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ、ピキシル(pixyl)、およびハロホルマートが挙げられる。いくつかの場合において、脱離基は、トルエンスルホナート(トシラート、−OTs)、メタンスルホナート(メシラート、−OMs)、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ(ブロシラート(brosylate)、−OBs)、−OS(=O)
2(CF
2)
3CF
3(ノナフラート、−ONf)、またはトリフルオロメタンスルホナート(トリフラート、−OTf)などのスルホン酸エステルである。いくつかの場合において、脱離基は、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシなどのブロシラートである。いくつかの場合において、脱離基は、2−ニトロベンゼンスルホニルオキシなどのノシラートである。いくつかの態様において、脱離基は、スルホナート含有基である。いくつかの態様において、脱離基は、トシラート基である。脱離基はまた、ホスフィンオキシド(例えば、光延反応の最中に形成される)、または、エポキシドもしくは環状スルフェートなどの内部脱離基でもあり得る。脱離基の他の非限定例としては、水、アンモニア、アルコール、エーテル部分、チオエーテル部分、ハロゲン化亜鉛、マグネシウム部分、ジアゾニウム塩、および銅部分が挙げられる。
【0077】
「炭化水素鎖」は、置換または非置換二価のアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を指す。炭化水素鎖は、以下を含む:(1)炭化水素鎖の2個のラジカルのすぐ間の炭素原子の1以上の鎖;(2)任意に、炭素原子の鎖上の1以上の水素原子;および(3)任意に、炭素原子の鎖上の1以上の置換基(「非鎖(non-chain)置換基」であって、水素でないもの)。炭素原子の鎖は、連続的に連結した炭素原子(「鎖原子」)からなり、水素原子またはヘテロ原子を含まない。しかし、炭化水素鎖の非鎖置換基は、水素原子、炭素原子およびヘテロ原子を含む任意の原子を含んでもよい。例えば、炭化水素鎖−C
AH(C
BH
2C
CH
3)−は、1個の鎖原子C
A、C
A上の1個の水素原子、および非鎖置換基−(C
BH
2C
CH
3)を含む。用語「C
x炭化水素鎖」(ここでxは正の整数である)とは、炭化水素鎖の2個のラジカルの間にx個の鎖原子を含む炭化水素鎖を指す。1より多くの可能なxの値が存在する場合、最小の可能なxの値を炭化水素鎖の定義のために用いる。例えば、−CH(C
2H
5)−は、C
1炭化水素鎖であり、
【化21】
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は、C
3炭化水素鎖である。ある範囲の値が用いられる場合、範囲の意味は、本明細書において記載されるとおりである。例えば、C
3〜10炭化水素鎖とは、炭化水素鎖の2個のラジカルのすぐ間の炭素原子の最短の鎖の鎖原子の数が、3、4、5、6、7、8、9、または10個である、炭化水素鎖を指す。炭化水素鎖は、飽和していてもよい(例えば−(CH
2)
4−)。炭化水素鎖はまた、不飽和であってもよく、炭化水素鎖中のどこかに1以上のC=Cおよび/またはC≡C結合を含む。例えば、−CH=CH−(CH
2)
2−、−CH
2−C≡C−CH
2−および−C≡C−CH=CH−は全て、非置換および置換炭化水素鎖の例である。ある態様において、炭化水素鎖は、非置換である(例えば−C≡C−または−(CH
2)
4−)。ある態様において、炭化水素鎖は、置換されている(例えば−CH(C
2H
5)−および−CF
2−)。炭化水素鎖上の任意の2個の置換基は、結び合って、任意に置換されたカルボシクリル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、または任意に置換された ヘテロアリール環を形成してもよい。例えば、
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
は全て、炭化水素鎖の例である。対照的に、ある態様において、
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
は、本明細書において記載される炭化水素鎖の範囲内ではない。C
x炭化水素鎖の鎖原子がヘテロ原子で置き換えられる場合、生じる基は、C
x−1炭化水素鎖と対照的に、鎖原子がヘテロ原子で置き換えられているC
x炭化水素鎖として言及される。例えば、
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
は、1個の鎖原子が酸素原子で置き換えられているC
3炭化水素鎖である。
【0078】
用語「薬学的に許容し得る塩」とは、健全な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等なしに、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適した塩であって、妥当な便益/リスク比と釣り合うものを指す。薬学的に許容し得る塩は、当技術分野で知られている。例えば、Berge et al.は、J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19において薬学的に許容し得る塩を詳細に記載しており、この文献は参考により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の化合物の薬学的に許容し得る塩は、適切な無機および有機の酸および塩基から誘導されるものを含む。薬学的に許容し得る、非毒性酸付加塩の例としては、アミノ基の塩であって、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、またはマロン酸などの有機酸と形成される、あるいはイオン交換などの当技術分野で知られている他の方法を使用して形成される、前記アミノ基の塩である。他の薬学的に許容し得る塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN
+(C
1〜4アルキル)
4−の塩が挙げられる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に許容し得る塩としては、適切な場合には、非毒性アンモニウム、四級アンモニウム、および、例えばハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩などの対イオンを用いて形成されたアミンカチオンが挙げられる。
【0079】
用語「溶媒和物」とは、通常加溶媒分解反応によって溶媒と関連している化合物またはその塩の形態を指す。この物理的会合は、水素結合を含んでよい。従来の溶媒としては、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテルなどが挙げられる。本明細書に記載の化合物は、例えば結晶形で調製することができ、および溶媒和されてもいてもよい。適切な溶媒和物は、薬学的に許容し得る溶媒和物を含み、さらに、化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物の両方を含む。ある例において、溶媒和物は、例えば、1以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合、単離することができる。「溶媒和物」は、溶液相のおよび単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物は、水和物、エタノラート、およびメタノラートを含む。
【0080】
用語「水和物」とは、水と関連している化合物を指す。典型的には、化合物の水和物に含まれる水分子の数は、水和物中の化合物分子の数に対して一定割合となる。したがって、化合物の水和物は、例えば一般式R・xH
2Oにより表現することができ、式中、Rは化合物であり、xは0より大きい数である。所与の化合物は、複数種類の水和物を形成することができ、例えば、一水和物(xは1である)、低い水和物(xは0より大きく1より小さい、例えば、半水和物(R・0.5H
2O))、および多水和物(例えば、xは1より大きい数、例えば二水和物(R・2H
2O)および六水和物(R・6H
2O))である。
【0081】
用語「互変異性体」または「互変異性」とは、水素原子の少なくとも1つの正式な移行および原子価内の少なくとも1つの変化(例えば、単結合から二重結合へ、三重結合から単結合へ、またはその逆)から生じる、2以上の相互変換可能な化合物を指す。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒、およびpHを含むいくつかの要因に依存する。互変異性化(すなわち、互変異性の対を提供する反応)は、酸または塩基によって触媒することができる。例示の互変異性化には、ケトからエノールへ、アミドからイミドへ、ラクタムからラクチムへ、エナミンからイミンへ、およびエナミンから異なるエナミンへの互変異性化が含まれる。
【0082】
また、同じ分子式を有するが、それらの原子の結合または空間でのそれらの原子の配置の、性質または順序が異なる化合物を、「異性体」と呼ぶことも理解される。空間でのそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。
【0083】
互いの鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いに重ね合わせることができない鏡像であるものは、「鏡像異性体」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、4つの異なる基に付着している場合、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その不斉中心の絶対配置により特徴付けることができ、Cahn and PrelogのR−およびS−配列規則によって記載され、または、分子が偏光面を回転する様式により、右旋性または左旋性として(すなわち、それぞれ(+)または(−)異性体として)指定される。キラル化合物は、個別の鏡像異性体として、またはそれらの混合物として存在することができる。等しい割合の鏡像異性体を含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0084】
用語「多形」とは、化合物(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)の結晶形を指す。すべての多形は、同一の元素組成を有する。異なる結晶形は通常、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性、および溶解性を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、貯蔵温度、およびその他の要因によって、1つの結晶形が支配的となり得る。化合物の様々な多形は、異なる条件の下での結晶化によって調製することができる。
【0085】
用語「プロドラッグ」とは、切断可能な基を有し、加溶媒分解によりまたは生理学的条件下で本明細書に記載の化合物となる化合物を指し、これは、in vivoで薬学的に活性である。かかる例としては、限定はされないが、コリンエステル誘導体など、N−アルキルモルホリンエステルなど、が挙げられる。本明細書に記載の化合物の他の誘導体は、それらの酸および酸誘導体形態の両方において活性を有するが、酸感受性形態ではしばしば、哺乳類生物での溶解度、組織適合性、または遅延放出の利点を提供する(Bundgard, H., Design of Prodrugs, pp. 7-9, 21-24, Elsevier, Amsterdam 1985を参照)。プロドラッグは、当業者によく知られている酸誘導体を含み、例えば親の酸と適切なアルコールとの反応により調製されたエステル、または親の酸化合物と置換もしくは非置換のアミンとの反応により調製されたアミド、または酸無水物、または混合無水物である。本明細書に記載の化合物上につりさげられた酸性基に由来する、単純な脂肪族または芳香族エステル、アミド、および無水物は、特定のプロドラッグである。いくつかの場合においては、二重エステル型プロドラッグ、例えば(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルを調製することが望ましい。本明細書に記載の化合物の、C
1〜C
8アルキル、C
2〜C
8アルケニル、C
2〜C
8アルキニル、アリール、C
7〜C
12置換アリール、およびC
7〜C
12アリールアルキルのエステルが好ましい。
【0086】
用語「小分子」は、天然の、または人工的に作り出された(例えば化学合成によって)、比較的小分子量を有する分子を指す。典型的には、小分子は、有機化合物である(すなわち、炭素を含有する)。小分子は、複数の炭素−炭素結合、立体中心、および他の官能基(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボニル、および複素環など)を含んでいてもよい。ある態様において、小分子の分子量は、約1,000g/mol以下、約900g/mol以下、約800g/mol以下、約700g/mol以下、約600g/mol以下、約500g/mol以下、約400g/mol以下、約300g/mol以下、約200g/mol以下、または約100g/mol以下である。ある態様において、小分子の分子量は、少なくとも約100g/mol、少なくとも約200g/mol、少なくとも約300g/mol、少なくとも約400g/mol、少なくとも約500g/mol、少なくとも約600g/mol、少なくとも約700g/mol、少なくとも約800g/mol、少なくとも約900g/mol、または少なくとも約1,000g/molである。上記範囲の組み合わせ(例えば、少なくとも約200g/molおよび約500g/mol以下)も可能である。ある態様において、小分子は、薬物などの、治療的に活性な剤である(例えば、米国食品医薬品局によって承認された、米国連邦規則集(CFR)に提供されている分子)。小分子はまた、1以上の金属原子および/または金属イオンと複合体を形成することができる。この例において、小分子はまた、「有機金属小分子(small organometallic molecule)」としても言及される。好ましい小分子は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいて生物学的効果を生成するという点で、生物学的に活性である。小分子としては、限定はされないが、放射性核種および造影剤が挙げられる。ある態様において、小分子は薬物である。好ましくは、ただし必ずしも必要ではないが、薬物は、適切な政府機関や規制機関によって、ヒトまたは動物での使用について安全で効果的なものと既にみなされたものである。例えば、ヒトへの使用が承認された薬物は、FDAにより21 C.F.R. §§330.5、331〜361、および440〜460にリストされており、これは参照により本明細書に組み込まれる;獣医学的使用のための薬物は、FDAにより21 C.F.R. §§500〜589にリストされており、これは参照により本明細書に組み込まれる。リストされたすべての薬物は、本発明に従った使用に許容し得ると考えられる。
【0087】
本開示は、少なくとも部分的に、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤、B細胞リンパ腫6タンパク質(Bcl6)阻害剤および/またはブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)阻害剤を、慢性移植片対宿主病(cGVHD)を処置するために用いることができるという発見に基づく。したがって、本開示の側面は、cGVHDを処置するための方法、および同種移植を受けている対象において肺機能を改善するための方法に関する。
【0088】
本開示のいくつかの側面は、慢性移植片対宿主病(cGVHD)を処置するための方法に関し、該方法は、それを必要とする対象に、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤、B細胞リンパ腫6タンパク質(Bcl6)阻害剤および/またはブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)阻害剤を、cGVHDを処置するために有効な量で投与することを含む。
【0089】
本明細書において用いられる場合、「cGVHD」とは、移植された細胞または組織(移植片)中に存在する免疫細胞による移植レシピエント(宿主細胞)の攻撃をもたらす、同種移植の医学的合併症を指す。例えば、移植片中に存在する白血球細胞(T細胞を含む)は、宿主の組織を抗原性であるものとして認識して、宿主組織に対する免疫応答を誘発し得、当該宿主組織は、その免疫無防備状態により、その攻撃に対して防御することができない。
【0090】
慢性移植片対宿主病(cGVHD)は、通常は、対象が同種の組織移植または放射線照射されていない血液の輸血を受けてから100日より後に起きる。本明細書において用いられる場合、「同種の」とは、移植の宿主に対して遺伝的に異なるかまたは免疫学的に不適合な組織移植を指す。いくつかの態様において、同種移植組織は、細胞である。いくつかの態様において、細胞は、血液細胞である。いくつかの態様において、細胞は、幹細胞、任意にヒト幹細胞である。いくつかの態様において、幹細胞は、造血幹細胞または骨髄由来幹細胞である。いくつかの態様において、同種移植組織は、器官である。移植されることができる器官の非限定的な例は、肺、心臓、腎臓、肝臓、膵臓、腸、胃、角膜、皮膚および骨である。
【0091】
cGVHDの標的器官は、皮膚、眼、肝臓、口、胃腸管、神経筋系、肺または尿生殖器を含む。いくつかの態様において、cGVHDは、対象において、同種組織移植の場所において発症する。いくつかの態様において、cGVHDは、対象において、同種組織移植の場所から離れた場所において発症する。cGVHDに関連する共通の徴候および症状は、当該分野において公知であり、これらに限定されないが、発疹、皮膚が盛り上がったまたは変色した領域、ドライアイまたは視力の変化、ドライマウス、口内の白斑、辛い食品に対する疼痛または感受性、息切れ、cGVHDを有さない対象と比較して損なわれた肺機能(例えば、肺の耐性の増大、肺の弾性の増大、肺のコンプライアンスの減少)、閉塞性細気管支炎、肺におけるコラーゲンの沈着、肺におけるIgの沈着、嚥下困難、嚥下による疼痛、体重減少、疲労、筋肉脱力、筋痛を含む。cGVHDはまた、免疫系においても存在し得、リンパ球の枯渇および/または同種抗体を分泌する胚中心の形成をもたらす。本明細書において用いられる場合、「同種抗体」とは、同じ種の遺伝的に異なる個体からの抗原と反応する抗体を指す。例えば、cGVHDにおいて、免疫細胞を含む移植片の導入は、宿主組織に対する同種抗体の産生を引き起こす。
【0092】
いくつかの側面において、本開示は、本明細書において記載される化合物のうちの少なくとも1つの有効量を投与することにより、それを必要とする対象においてcGVHDを処置する方法に関する。処置を必要とする対象は、cGVHDを有するものとして同定されている対象であり、すなわち、対象は、医師により(例えば当該分野において周知の方法を用いて)cGVHDを有するものとして診断されている。いくつかの態様において、処置を必要とする対象は、cGVHDを有するかまたはこれを発症することが疑われる対象、例えば、cGVHDの指標である1以上の症状を呈する対象である。用語「処置を必要とする対象」は、さらに、cGVHDを発症するリスクがある対象、例えば、同種移植を受けることになっている対象、または急性GVHDを有する対象を含む。
【0093】
いくつかの態様において、対象は、同種組織移植の結果としてcGVHDを発症する。いくつかの態様において、対象は、同種輸血の結果としてcGVHDを発症する。いくつかの態様において、対象は、同種末梢血輸血の結果としてcGVHDを発症する。いくつかの態様において、対象は、同種組織移植を経験しているが、未だcGVHDを発症していない。いくつかの態様において、EZH2阻害剤、Bcl6阻害剤および/またはBRD4阻害剤は、同種移植を受ける前に、対象に投与される。いくつかの態様において、EZH2阻害剤、Bcl6阻害剤および/またはBRD4阻害剤は、同種移植を受ける少なくとも1か月、1週間、3日、2日または1日前に、対象に投与される。いくつかの態様において、EZH2阻害剤、Bcl6阻害剤および/またはBRD4阻害剤は、同種移植を受けた後に、対象に投与される。いくつかの態様において、EZH2阻害剤、Bcl6阻害剤および/またはBRD4阻害剤は、同種移植の少なくとも1週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、1年、2年または3年後に、対象に投与される。いくつかの態様において、EZH2阻害剤、Bcl6阻害剤および/またはBRD4阻害剤は、同種移植の少なくとも100日後に、対象に投与される。
【0094】
投与が企図される「対象」として、これらに限定されないが、ヒト;商業に関連する哺乳動物、例えばウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコおよび/またはイヌ)ならびに鳥類(例えば商業に関連する鳥類、例えばニワトリ、アヒル、ガチョウおよび/またはシチメンチョウ)が挙げられる。いくつかの態様において、対象は、哺乳動物である。いくつかの態様において、対象は、ヒトである。いくつかの態様において、対象は、非ヒト霊長類である。
【0095】
本明細書において用いられる場合、用語「処置」、「処置する」および「処置すること」とは、cGVHDを逆転させること、緩和すること、その発症を遅延させること、またはその進行を阻害することを指す。処置は、少なくとも部分的に、cGVHDの既存の徴候および症状を寛解させること、さらなる症状を予防すること、症状の根底にある原因を寛解させるかまたは予防すること、状態の重篤度を予防するかまたは状態を逆転させることを含む。したがって、いくつかの態様において、cGVHDの処置は、対象において改善された肺機能をもたらす。いくつかの態様において、cGVHDの処置は、対象の肺へのコラーゲンの沈着の減少をもたらす。いくつかの態様において、cGVHDの処置は、対象において、胚中心の形成の減少をもたらす。いくつかの態様において、本明細書において開示される化合物は、同種移植を受けている対象において、cGVHDの徴候および症状の発症を予防する。
【0096】
本開示のいくつかの側面は、同種移植を受けている対象において肺機能を改善するための方法に関し、該方法は、それを必要とする対象に、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤、B細胞リンパ腫6タンパク質(Bcl6)阻害剤および/またはブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)阻害剤を、肺機能を改善するために有効な量で投与することを含む。
【0097】
肺の合併症は、同種移植後の遅発型の死亡率に著しく寄与する。本明細書において記載される化合物は、同種移植を受けている対象により経験される低下した肺機能の徴候および症状を寛解させるために用いることができる。低下した肺機能の徴候および症状として、これらに限定されないが、息切れの増加、発熱、咳、痰、低酸素血症が挙げられる。いくつかの態様において、肺機能の改善は、少なくとも1つの肺機能試験(PFT)を用いて決定することができる。用語「肺機能試験」および「PFT」は、本明細書において用いられる場合、肺疾患の重篤度を試験するために用いられる一連の診断的研究を指す。用語「PFT」は、これらに限定されないが、肺容量曲線(閉塞性疾患の基準)、肺容積決定(拘束性疾患の基準)、および拡散能力試験を含む。いくつかの態様において、少なくとも1つの肺機能試験は、努力肺活量試験(forced vital capacity test:FVC)、1秒間努力呼気量試験(forced expiratory volume in one second test:FEV1.0)、および肺一酸化炭素拡散能力試験(diffuse capacity of lungs for carbon monoxide test:DLCO)からなる群より選択される試験を含む。
【0098】
本明細書において用いられる場合、用語「努力肺活量試験」および「FVC」とは、最大の努力による呼気の容積の決定を指す。それは、通常は、単純な肺活量測定において、呼気の流速と共に測定される。
【0099】
用語「1秒間努力呼気量試験」および「FEV1.0」とは、本明細書において用いられる場合、完全な呼吸の後の初めの1秒間の間に強制的に吐き出される呼気の容積の決定を指す(通常はFVCの>75%を占める)。この値は、絶対値として、およびFVCのパーセンテージ(FEV 1% FVC)として記録される。
【0100】
本明細書において用いられる場合、用語「肺一酸化炭素拡散能力試験」、「DLCO」とは、呼吸における一酸化炭素の吸収の決定を指す。「DLCO」試験のために、患者は、既知量の少量の一酸化炭素を吸気し、10秒間息を停め、次いで呼息する。肺胞の(最後に吐き出された(end-expired))気体の試料を、一酸化炭素について分析し、次いでその呼吸の間に吸収された量を計算し、mL/分/mmHgとして表す。
【0101】
当業者は、任意の投与の様式、慣用的に用いられ、活性剤に関して不活性なビヒクルまたはキャリアを、本明細書において開示される組成物を調製および投与するために利用することができることを、理解するであろう。かかる方法、ビヒクルおよびキャリアの説明は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences、第4版(1970年)において記載されるものであり、その開示は、本明細書において参考として援用される。本発明の原理に暴露された当業者は、好適かつ適切なビヒクル、賦形剤およびキャリアを決定することにおいて、または、それと共に活性成分を配合して本発明の医薬組成物を形成することにおいて、何らの困難をも経験しないであろう。
【0102】
「有効量」とは、所望される生物学的応答、すなわちcGVHDを処置することを惹起するために十分な量を指す。当業者には理解されるであろうが、本明細書において記載される化合物の有効量は、所望される生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置されている状態、投与の様式、ならびに対象の年齢および健康などの要因に依存して変化し得る。有効量は、これらに限定されないが、cGVHDに関連する1以上の症状を遅延させるか、軽減するか、阻害するか、寛解させるか、または逆転させるために必要な量を含む。例えば、cGVHDの処置において、かかる用語は、改善された肺機能(例えば、肺の耐性の増大、肺の弾性の増大、肺のコンプライアンスの減少)を指してもよい。
【0103】
化合物の有効量は、1日または数日間にわたる1以上の用量の投与において、約0.001mg/kg〜約1000mg/kgで変化し得る(投与の様式に依存する)。ある態様において、有効量は、約0.001mg/kg〜約1000mg/kg、約0.01mg/kg〜約750mg/kg、約0.1mg/kg〜約500mg/kg、約1.0mg/kg〜約250mg/kgおよび約10.0mg/kg〜約150mg/kgで変化する。当業者は、適切な治療有効量を経験的に決定することができるであろう。
【0104】
いくつかの側面において、本開示は、慢性移植片対宿主病(cGVHD)を処置するための方法に関し、該方法は、それを必要とする対象に、zesteホモログ2エンハンサー(EZH2)阻害剤、B細胞リンパ腫6タンパク質(Bcl6)阻害剤および/またはブロモドメイン含有タンパク質4(BRD4)阻害剤を、cGVHDを処置するために有効な量で投与することを含む。
【0105】
ポリコーム群(PcG)タンパク質複合体ファミリーの中心的な触媒成分である、ホモログ2のエンハンサー(EZH2)は、ヒストンH3リジン27のジおよびトリメチル化(H3K27me2/3)を触媒して、遺伝子発現をサイレンシングする、ヒストンメチルトランスフェラーゼである。EZH2の触媒部位は、いくつかのクロマチン関連タンパク質中に見出される高度に保存された配列モチーフであるSETドメイン(Su(var)3-9、Enhancer of Zeste、Trithoraxにちなんで命名された)中に存在する。EZH2は、正常な発達において決定的な役割を果たし、EZH2欠損マウスは、着床および原腸陥入の不全に起因して、胚の初期の段階において死亡する。このタンパク質は、胚外肺葉発達タンパク質、VAV1オンコプロテインおよびX連鎖核タンパク質(XNP)と関連する。このタンパク質はまた、造血および中枢神経系において役割を果たし得る。
【0106】
B細胞リンパ腫6タンパク質(Bcl6)は、転写リプレッサーとして作用するZnフィンガー転写因子である。Bcl6は、胚中心の形成のために必要とされる濾胞性T細胞(T
FH)の分化のための主要な調節因子である。
【0107】
BET(ブロモドメインおよび末端外(bromodomain and extra-terminal))タンパク質は、4つの緊密に関連するブロモドメイン含有タンパク質(BRD2、BRD3、BRD4およびBRDT)であり、これらは、47のブロモドメイン含有タンパク質のより大きなファミリーのサブセットを構成する。ブロモドメインは、ブロモドメイン含有タンパク質をヒストンにターゲティングして、それによりクロマチンの構造および機能に影響を及ぼす、アセチル−リジン結合ポケットである。BETタンパク質ブロモドメインのクロマチンへの結合は、遺伝子発現を調節し、その結合の小分子阻害は、遺伝子発現に対して選択的な効果をもたらす。当該分野において公知のBETブロモドメイン阻害剤の非限定的な例として、JQ1、およびUS 2013/0184264において記載されているそのアナログが挙げられる;US 2013/0184264の開示は、本明細書において参考として援用参考として援用される。したがって、いくつかの態様において、本開示の方法および医薬組成物は、US 2013/0184264において記載され本明細書において参考として援用されるBETブロモドメイン阻害剤を含む。本開示はさらに、かかる化合物の薬学的に許容し得る塩を包含する。いくつかの態様において、本開示の方法および医薬組成物は、JQ1および/またはUS 2013/0184264において記載されているそのアナログなどのBRD4阻害剤を含む。
【0108】
cGVHDのためには、胚中心(GC)形成、免疫グロブリン沈着および増加した濾胞性ヘルパーT細胞が必要とされる(Flynn et al. Blood. 2014 Jun 19;123(25):3988-98)。いかなる特定の理論によっても拘束されることは望まないが、EZH2阻害剤、Bcl6阻害剤および/またはBRD4阻害剤が、濾胞性ヘルパーT細胞および胚中心(GC)形成を減少させ、それにより、cGVHDを処置/予防すると考えられる。本明細書において用いられる場合、「阻害剤」とは、ビヒクルと比較して、細胞におけるEZH2、Bcl6またはBRD4の生物学的活性を減少(例えば遅延、停止)または防止させる化合物の能力を指す。いくつかの態様において、EZH2、Bcl6またはBRD4の阻害剤として、これらに限定されないが、小分子、ペプチド、ペプチド模倣物、抗体または核酸が挙げられる。
【0109】
化合物
EZH2阻害剤の例は、本明細書において記載される。いくつかの態様において、EZH2阻害剤は、式(I):
【化25】
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の化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体およびプロドラッグであって、式中:
R
A1は、ハロゲン、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、−OR
a、−N(R
a)
2、−SR
a、−CN、−SCN、−C(=NR
a)R
a、−C(=NR
a)OR
a、−C(=NR
a)N(R
a)
2、−C(=O)R
a、−C(=O)OR
a、−C(=O)N(R
a)
2、−NO
2、−NR
aC(=O)R
a、−NR
aC(=O)OR
a、−NR
aC(=O)N(R
a)
2、−OC(=O)R
a、−OC(=O)OR
a、−OC(=O)N(R
a)
2、または
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、窒素原子に結合している場合は窒素保護基、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または硫黄原子に結合している場合は硫黄保護基であるか、あるいは、R
aのうちの2つは、結び合って、置換または非置換のヘテロ環式環、または置換または非置換のヘテロアリール環を形成し;
R
Aは、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、または置換または非置換ヘテロアリールであり;
R
Bは、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、または置換または非置換ヘテロアリールであるか;
あるいはR
AとR
Bとは、結び合って、置換または非置換の炭素環式環、または置換または非置換のヘテロ環式環を形成し;
R
Cは、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
R
A2は、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、窒素保護基、または弾頭であり;
R
A3は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
a,−N(R
a)
2、または弾頭であり;
R
A4は、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基であり;ならびに
R
A5は、式:
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
のものであって、式中:
R
A6は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A7は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
2〜6アルキル、炭素環式環系に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A8は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A9は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A10は、−OR
a、−N(R
a)
2、または弾頭であり;
R
A11の各々は、独立して、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
nは、0、1、2、3または4であり;
R
A12は、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、窒素保護基、または弾頭であり;
R
A13の各々は、独立して、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり;
R
A14は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A15は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A16は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
2〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;ならびに
R
A17は、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換C
1〜6アルキル、窒素保護基、または弾頭である。
【0110】
いくつかの態様において、EZH2阻害剤は、式(I):
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであり、式中:
R
A1は、ハロゲン、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、−OR
a、−N(R
a)
2、−SR
a、−CN、−SCN、−C(=NR
a)R
a、−C(=NR
a)OR
a、−C(=NR
a)N(R
a)
2、−C(=O)R
a、−C(=O)OR
a、−C(=O)N(R
a)
2、−NO
2、−NR
aC(=O)R
a、−NR
aC(=O)OR
a、−NR
aC(=O)N(R
a)
2、−OC(=O)R
a、−OC(=O)OR
a、または−OC(=O)N(R
a)
2であり;
R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、窒素原子に結合している場合は窒素保護基、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または硫黄原子に結合している場合は硫黄保護基であるか、あるいは、R
aのうちの2つは、結び合って、置換または非置換のヘテロ環式環、または置換または非置換のヘテロアリール環を形成し;
R
A2は、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、または窒素保護基であり;
R
A3は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A4は、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基であり;ならびに
R
A5は、式:
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
ものであり、式中:
R
A6は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A7は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
2〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A8は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A9は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A10は、−OR
aまたは−N(R
a)
2であり;
R
A11の各々は、独立して、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
nは、0、1、2、3または4であり;
R
A12は、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
R
A13の各々は、独立して、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり;
R
A14は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A15は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;
R
A16は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
2〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり;ならびに
R
A17は、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基である。
【0111】
式(I)は、ピリジニル環上に置換基R
A1を含む。ある態様において、R
A1は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
A1は、置換または非置換アルキル(例えば置換または非置換C
1〜6アルキル)である。ある態様において、R
A1は、Meである。ある態様において、R
A1は、−CF
3、Bn、Et、パーフルオロエチル、Pr、パーフルオロプロピル、Bu、またはパーフルオロブチルである。ある態様において、R
A1は、置換または非置換アルケニル(例えば置換または非置換C
2〜6アルケニル)である。ある態様において、R
A1は、置換または非置換アルキニル(例えば置換または非置換C
1〜6アルキニル)である。ある態様において、R
A1は、置換または非置換カルボシクリル(例えば炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、R
A1は、置換または非置換ヘテロシクリル(例えばヘテロ環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式ヘテロシクリルであって、ここでヘテロ環式環系中の1、2または3個の原子は、独立して、窒素、酸素、または硫黄)である。ある態様において、R
A1は、置換または非置換ピペラジニルである。ある態様において、R
A1は、式:
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、式中、R
A14は、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。ある態様において、R
A1は、式:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A1は、式:
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、式中、R
A14は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
A1は、式:
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A1は、式:
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、式中、L
Aは、結合、または置換または非置換C
1〜100炭化水素鎖であり、任意に、ここで、炭化水素鎖の1以上の鎖原子は、独立して、−O−、−S−、または−NR
a−で置き換えられており;およびX
Aは、小分子、ペプチド、タンパク質、またはポリヌクレオチドである。ある態様において、R
A1は、式:
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、式中、rは、0または1であり、kは、0〜11の整数(境界を含む)であり、pは、0〜10の整数(境界を含む)、およびqは、0〜10の整数(境界を含む)である。ある態様において、kは、3〜11の整数(境界を含む)であり、pは0であり、およびqは、0、1、2、3、4、5または6である。ある態様において、X
Aは、小分子である。ある態様において、X
Aは、小分子薬物(例えば
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
式中、Z
Aは、−O−または−NH−であるか、または本明細書において記載されるさらなる医薬剤であって、小分子であるもの)である。ある態様において、X
Aは、小分子標識(例えばビオチン部分
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
または小分子フルオロフォア)である。ある態様において、R
A1は、置換または非置換オキセタニル、置換または非置換テトラヒドロフラニル、置換または非置換ピロリジニル、置換または非置換テトラヒドロピラニル、置換または非置換ピペリジニル、置換または非置換モルホリニル、置換または非置換アゼパニル、または置換または非置換ジアゼパニルである。ある態様において、R
A1は、式:
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、式中、R
aの各々は、独立して、非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)である)。ある態様において、R
A1は、置換または非置換アリール(例えば置換または非置換の6〜10員のアリール)である。ある態様において、R
A1は、置換または非置換フェニルである。ある態様において、R
A1は、置換または非置換ヘテロアリール(例えば置換または非置換の5〜6員の単環式ヘテロアリールであって、ここで、ヘテロアリール環系中の1、2、3または4個の原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)である。ある態様において、R
A1は、−OR
a(例えば−OH、−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe、−OEt、−OPr、−OBu、または−OBn)、または−O(置換または非置換フェニル)(例えば−OPh))である。ある態様において、R
A1は、−SR
a(例えば−SH、−S(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−SMe、−SEt、−SPr、−SBu、または−SBn)、または−S(置換または非置換フェニル)(例えば−SPh))である。ある態様において、R
A1は、−N(R
a)
2(例えば−NH
2、−NH(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−NHMe)、または−N(置換または非置換C
1-
6アルキル)−(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−NMe
2))である。ある態様において、R
A1は、−CNである。ある態様において、R
A1は、−SCNまたは−NO
2である。ある態様において、R
A1は、−C(=NR
a)R
a、−C(=NR
a)OR
a、または−C(=NR
a)N(R
a)
2である。ある態様において、R
A1は、−C(=O)R
a(例えば−C(=O)(置換または非置換アルキル)または−C(=O)(置換または非置換フェニル))である。ある態様において、R
A1は、−C(=O)OR
a(例えば−C(=O)OH、−C(=O)O(置換または非置換アルキル)(例えば−C(=O)OMe)、または−C(=O)O(置換または非置換フェニル))である。ある態様において、R
A1は、−C(=O)N(R
a)
2(例えば−C(=O)NH
2、−C(=O)NH(置換または非置換アルキル)、−C(=O)NH(置換または非置換フェニル)、−C(=O)N(置換または非置換アルキル)−(置換または非置換アルキル)、または−C(=O)N(置換または非置換フェニル)−(置換または非置換アルキル))である。ある態様において、R
A1は、−NR
aC(=O)R
a(例えば−NHC(=O)Me)である。ある態様において、R
A1は、−NR
aC(=O)OR
aまたは−NR
aC(=O)N(R
a)
2である。ある態様において、R
A1は、−OC(=O)R
a、−OC(=O)OR
a、または−OC(=O)N(R
a)
2である。ある態様において、R
A1は、置換または非置換アルキル、−OR
a、−N(R
a)
2、−C(=O)OR
a、または−NR
aC(=O)R
aである。ある態様において、R
A1は、非置換C
1〜6アルキル、−OMe、−NH
2、−N(Me)
2、−C(=O)OH、−C(=O)OMe、または−NHC(=O)Meである。ある態様において、R
A1は、
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
である。本明細書において記載される化合物であって、式:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
の部分を含むものは、ヒドラジドである。
【0112】
式(I)および(II)のいずれか一方の部分
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
は、置換基R
A、R
BおよびR
Cを含む。ある態様において、R
Aは、Hである。ある態様において、R
Aは、置換アシルである。ある態様において、R
Aは、非置換アシルである。ある態様において、R
Aは、アセチルである。ある態様において、R
Aは、−C(=O)R
c(例えば−C(=O)(置換または非置換アルキル))である。ある態様において、R
Aは、−C(=O)OR
c(例えば−C(=O)O(置換または非置換アルキル)または−C(=O)OH)である。ある態様において、R
Aは、−C(=O)N(R
c)
2、(例えば−C(=O)NH
2、−C(=O)NH(置換または非置換アルキル)、または−C(=O)N(置換または非置換アルキル)
2)である。ある態様において、R
Aは、非置換アルキルである。ある態様において、R
Aは、置換アルキルである。ある態様において、R
Aは、非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Aは、置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Aは、少なくとも1個のハロゲンで置換されたC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Aは、−CH
3である。ある態様において、R
Aは、置換メチルである。ある態様において、R
Aは、−CH
2F、−CHF
2、または−CF
3である。ある態様において、R
Aは、Et、置換エチル、Pr、置換プロピル、Bu、または置換ブチルである。ある態様において、R
Aは、非置換アルケニルである。ある態様において、R
Aは、置換アルケニルである。ある態様において、R
Aは、非置換C
1〜6アルケニルである。ある態様において、R
Aは、置換C
1〜6アルケニルである。ある態様において、R
Aは、非置換アルキニルである。ある態様において、R
Aは、置換アルキニルである。ある態様において、R
Aは、非置換C
1〜6アルキニルである。ある態様において、R
Aは、置換C
1〜6アルキニルである。ある態様において、R
Aは、置換カルボシクリルである。ある態様において、R
Aは、非置換カルボシクリルである。ある態様において、R
Aは、飽和カルボシクリルである。ある態様において、R
Aは、不飽和カルボシクリルである。ある態様において、R
Aは、炭素環系中に任意に1、2または3つの二重結合を含む、3〜8員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R
Aは、炭素環系中に任意に1、2、3または4つの二重結合を含む、5〜14員の二環式カルボシクリルである。ある態様において、R
Aは、炭素環系中に任意に1、2、3、4または5つの二重結合を含む、5〜20員の三環式カルボシクリルである。ある態様において、R
Aは、炭素環系中に任意に1、2、3、4、5、または6つの二重結合を含む、5〜26員の四環式カルボシクリルである。ある態様において、R
Aは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、R
Aは、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、R
Aは、不飽和ヘテロシクリルである。ある態様において、R
Aは、不飽和ヘテロシクリルである。ある態様において、R
Aは、複素環系中に任意に1または2つの二重結合を含む、3〜8員の単環式ヘテロシクリルであり、ここで複素環系中の1、2または3つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。ある態様において、R
Aは、複素環系中に任意に1、2または3つの二重結合を含む、5〜14員の二環式ヘテロシクリルであり、ここで複素環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。ある態様において、R
Aは、複素環系中に任意に1、2、3または4つの二重結合を含む、5〜20員の三環式ヘテロシクリルであり、ここで複素環系中の1、2、3、4または5つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。ある態様において、R
Aは、置換アリールである。ある態様において、R
Aは、非置換アリールである。ある態様において、R
Aは、6〜14員のアリールである。ある態様において、R
Aは、6〜10員のアリールである。ある態様において、R
Aは、置換フェニルである。ある態様において、R
Aは、非置換フェニルである。ある態様において、R
Aは、置換ナフチルである。ある態様において、R
Aは、非置換ナフチルである。ある態様において、R
Aは、置換ヘテロアリールである。ある態様において、R
Aは、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、R
Aは、5〜6員の単環式ヘテロアリールであり、ここでヘテロアリール環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。ある態様において、R
Aは、8〜10員の二環式ヘテロアリールであり、ここでヘテロアリール環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。
【0113】
ある態様において、R
Aは、表1Aにおいて示される部分である。ある態様において、R
Aは、表1Bにおいて示される部分である。
【表A-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表A-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表A-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表A-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表A-5】
[この文献は図面を表示できません]
【表A-6】
[この文献は図面を表示できません]
【表A-7】
[この文献は図面を表示できません]
【表A-8】
[この文献は図面を表示できません]
【表B】
[この文献は図面を表示できません]
【0114】
R
A基は、独立して、1以上の置換基R
cを含み得る。ある態様において、すべてのR
cは、同一である。ある態様において、2つのR
cは、互いに異なる。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、Hである。ある態様において、R
cの各々は、Hである。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、置換または非置換アシル(例えば、アセチル)である。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、置換または非置換アルキル(例えば、置換または非置換C
1〜6アルキル)である。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、−CH
3である。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、−CF
3、非置換エチル、ペルフルオロエチル、非置換プロピル、ペルフルオロプロピル、非置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、置換または非置換アルケニル(例えば、置換または非置換C
1〜6アルケニル)である。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、置換または非置換アルキニル(例えば、置換または非置換C
1〜6アルキニル)である。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、置換または非置換カルボシクリル(例えば、炭素環系中に任意に1、2または3つの二重結合を含む、置換または非置換の、3〜8員の単環式カルボシクリル;または、炭素環系中に任意に1、2、3または4つの二重結合を含む、置換または非置換の、5〜14員の二環式カルボシクリル)である。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、置換または非置換ヘテロシクリル(例えば、複素環系中に任意に1または2つの二重結合を含む、置換または非置換の、3〜8員の単環式ヘテロシクリル、ここで複素環系中の1、2または3つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である;または、複素環系中に任意に1、2または3つの二重結合を含む、置換または非置換の、5〜14員の二環式ヘテロシクリル、ここで複素環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)である。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、置換または非置換アリール(例えば、置換または非置換の、6〜10員のアリール)である。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、置換または非置換フェニルである。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、置換または非置換ヘテロアリール(例えば、置換または非置換の、5〜6員の単環式ヘテロアリール、または置換または非置換の、8〜10員の二環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)である。ある態様において、R
cの少なくとも1つは、窒素原子へ付着されているとき、窒素保護基(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
cは、酸素原子へ付着されているとき、酸素保護基(例えば、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイルまたはベンゾイル)である。ある態様において、R
cは、硫黄原子へ付着されているとき、硫黄保護基(例えば、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニルまたはトリフェニルメチル)である。ある態様において、2つのR
cは結び合って、置換または非置換の複素環(例えば、複素環系中に任意に1または2つの二重結合を含む、置換または非置換の、3〜8員の単環式複素環、ここで複素環系中の1、2または3つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)を形成する。ある態様において、2つのR
cは結び合って、置換または非置換のヘテロアリール環(例えば、置換または非置換の、5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ここでヘテロアリール環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)を形成する。
【0115】
ある態様において、R
Bは、Hである。ある態様において、R
Bは、置換アシルである。ある態様において、R
Bは、非置換アシルである。ある態様において、R
Bは、アセチルである。ある態様において、R
Bは、−C(=O)R
d(例えば、−C(=O)(置換または非置換アルキル))である。ある態様において、R
Bは、−C(=O)OR
d(例えば、−C(=O)O(置換または非置換アルキル)または−C(=OH))である。ある態様において、R
Bは、−C(=O)N(R
d)
2、(例えば、−C(=O)NH
2、−C(=O)NH(置換または非置換アルキル)または−C(=O)N(置換または非置換アルキル)
2)である。ある態様において、R
Bは、非置換アルキルである。ある態様において、R
Bは、置換アルキルである。ある態様において、R
Bは、非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Bは、置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Bは、少なくとも1つのハロゲンで置換されたC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Bは、−CH
3である。ある態様において、R
Bは、置換メチルである。ある態様において、R
Bは、−CH
2F、−CHF
2、または−CF
3である。ある態様において、R
Bは、エチルである。ある態様において、R
Bは、プロピルである。ある態様において、R
Bは、ブチルである。ある態様において、R
Bは、ペンチルである。ある態様において、R
Bは、ヘキシルである。ある態様において、R
Bは、非置換アルケニルである。ある態様において、R
Bは、置換アルケニルである。ある態様において、R
Bは、非置換C
1〜6アルケニルである。ある態様において、R
Bは、置換C
1〜6アルケニルである。ある態様において、R
Bは、非置換アルキニルである。ある態様において、R
Bは、置換アルキニルである。ある態様において、R
Bは、非置換C
1〜6アルキニルである。ある態様において、R
Bは、置換C
1〜6アルキニルである。ある態様において、R
Bは、置換カルボシクリルである。ある態様において、R
Bは、非置換カルボシクリルである。ある態様において、R
Bは、飽和カルボシクリルである。ある態様において、R
Bは、不飽和カルボシクリルである。ある態様において、R
Bは、炭素環系中に任意に1、2または3つの二重結合を含む、3〜8員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R
Bは、炭素環系中に任意に1、2、3または4つの二重結合を含む、5〜14員の二環式カルボシクリルである。ある態様において、R
Bは、炭素環系中に任意に1、2、3、4または5つの二重結合を含む、5〜20員の三環式カルボシクリルである。ある態様において、R
Bは、炭素環系中に任意に1、2、3、4、5、または6つの二重結合を含む、5〜26員の四環式カルボシクリルである。ある態様において、R
Bは、置換ヘテロシクリルである。ある態様において、R
Bは、非置換ヘテロシクリルである。ある態様において、R
Bは、不飽和ヘテロシクリルである。ある態様において、R
Bは、不飽和ヘテロシクリルである。ある態様において、R
Bは、複素環系中に任意に1または2つの二重結合を含む、3〜8員の単環式ヘテロシクリルであり、ここで複素環系中の1、2または3つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。ある態様において、R
Bは、複素環系中に任意に1、2または3つの二重結合を含む、5〜14員の二環式ヘテロシクリルであり、ここで複素環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。ある態様において、R
Bは、複素環系中に任意に1、2、3または4つの二重結合を含む、5〜20員の三環式ヘテロシクリルであり、ここで複素環系中の1、2、3、4または5つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。ある態様において、R
Bは、置換アリールである。ある態様において、R
Bは、非置換アリールである。ある態様において、R
Bは、6〜14員のアリールである。ある態様において、R
Bは、6〜10員のアリールである。ある態様において、R
Bは、置換フェニルである。ある態様において、R
Bは、非置換フェニルである。ある態様において、R
Bは、置換ナフチルである。ある態様において、R
Bは、非置換ナフチルである。ある態様において、R
Bは、置換ヘテロアリールである。ある態様において、R
Bは、非置換ヘテロアリールである。ある態様において、R
Bは、5〜6員の単環式ヘテロアリールであり、ここでヘテロアリール環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。ある態様において、R
Bは、8〜10員の二環式ヘテロアリールであり、ここでヘテロアリール環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。
【0116】
ある態様において、R
Bは、表1Aにおいて示される部分である。ある態様において、R
Bは、表1Bにおいて示される部分である。
【0117】
R
B基は、独立して、1以上の置換基R
dを含み得る。ある態様において、すべてのR
dは、同一である。ある態様において、2つのR
dは、互いに異なる。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、Hである。ある態様において、R
dの各々は、Hである。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、置換または非置換アシル(例えば、アセチル)である。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、置換または非置換アルキル(例えば、置換または非置換C
1〜6アルキル)である。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、−CH
3である。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、−CF
3、非置換エチル、ペルフルオロエチル、非置換プロピル、ペルフルオロプロピル、非置換ブチル、またはペルフルオロブチルである。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、置換または非置換アルケニル(例えば、置換または非置換C
1〜6アルケニル)である。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、置換または非置換アルキニル(例えば、置換または非置換C
1〜6アルキニル)である。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、置換または非置換カルボシクリル(例えば、炭素環系中に任意に1、2または3つの二重結合を含む、置換または非置換の、3〜8員の単環式カルボシクリル;または、炭素環系中に任意に1、2、3または4つの二重結合を含む、置換または非置換の、5〜14員の二環式カルボシクリル)である。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、置換または非置換ヘテロシクリル(例えば、複素環系中に任意に1または2つの二重結合を含む、置換または非置換の、3〜8員の単環式ヘテロシクリル、ここで複素環系中の1、2または3つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である;または、複素環系中に任意に1、2または3つの二重結合を含む、置換または非置換の、5〜14員の二環式ヘテロシクリル、ここで複素環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)である。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、置換または非置換アリール(例えば、置換または非置換の、6〜10員のアリール)である。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、置換または非置換フェニルである。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、置換または非置換ヘテロアリール(例えば、置換または非置換の、5〜6員の単環式ヘテロアリール、または置換または非置換の、8〜10員の二環式ヘテロアリール、ここでヘテロアリール環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)である。ある態様において、R
dの少なくとも1つは、窒素原子へ付着されているとき、窒素保護基(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
dは、酸素原子へ付着されているとき、酸素保護基(例えば、シリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイルまたはベンゾイル)である。ある態様において、R
dは、硫黄原子へ付着されているとき、硫黄保護基(例えば、アセトアミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニルまたはトリフェニルメチル)である。ある態様において、2つのR
dは結び合って、置換または非置換の複素環(例えば、複素環系中に任意に1または2つの二重結合を含む、置換または非置換の、3〜8員の単環式複素環、ここで複素環系中の1、2または3つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)を形成する。ある態様において、2つのR
dは結び合って、置換または非置換のヘテロアリール環(例えば、置換または非置換の、5〜6員の単環式ヘテロアリール環、ここでヘテロアリール環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)を形成する。
【0118】
ある態様において、R
AとR
Bとは、同一である。ある態様において、R
AとR
Bとは、互いに異なる。ある態様において、R
Aは、表1Bのエントリーにおいて示される部分であり、R
Bは、エントリーにおいて示される他の部分である。
【0119】
ある態様において、R
AおよびR
Bは結び合って、置換または非置換の、飽和または不飽和の炭素環を形成する。ある態様において、R
AおよびR
Bは結び合って、炭素環系中に任意に1、2または3つの二重結合を含む、3〜8員の単環式炭素環を形成する。ある態様において、R
AおよびR
Bは結び合って、炭素環系中に任意に1、2、3または4つの二重結合を含む、5〜14員の二環式炭素環を形成する。ある態様において、R
AおよびR
Bは結び合って、炭素環系中に任意に1、2、3、4または5つの二重結合を含む、5〜20員の三環式炭素環を形成する。
【0120】
ある態様において、R
AおよびR
Bは結び合って、置換または非置換の、飽和または不飽和の複素環を形成する。ある態様において、R
AおよびR
Bは結び合って、複素環系中に任意に1または2つの二重結合を含む、3〜8員の単環式複素環を形成し、ここで複素環系中の1、2または3つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。ある態様において、R
AおよびR
Bは結び合って、複素環系中に任意に1、2または3つの二重結合を含む、5〜14員の二環式複素環を形成し、ここで複素環系中の1、2、3または4つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。ある態様において、R
AおよびR
Bは結び合って、複素環系中に任意に1、2、3、4または5つの二重結合を含む、5〜20員の三環式複素環を形成し、ここで複素環系中の1、2、3、4または5つの原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である。
【0121】
ある態様において、R
AとR
Bとは、結び合って、表1Cにおいて示される部分を形成する。
【表C】
[この文献は図面を表示できません]
【0122】
ある態様において、R
Cは、Hである。ある態様において、R
Cは、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えば、Me、−CH
3、−CF
3、非置換エチル、ペルフルオロエチル、非置換プロピル、ペルフルオロプロピル、非置換ブチル、またはペルフルオロブチル)である。ある態様において、R
CはMeである。ある態様において、R
Cは、窒素保護基(例えば、Bn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。
【0123】
式(I)は、置換基R
aのうちの1以上を含んでもよい。式(I)がR
aのうちの2以上を含む場合、R
aのうちの任意の2つは、互いに同じであっても異なっていてもよい。ある態様において、R
aのうちの少なくとも1つは、Hである。ある態様において、R
aの各々は、Hである。ある態様において、R
aのうちの少なくとも1つは、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、窒素原子に結合している場合は窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)、酸素原子に結合している場合は酸素保護基(例えばシリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイルまたはベンゾイル)、または硫黄原子に結合している場合は硫黄保護基(例えばアセタミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニルまたはトリフェニルメチル)、であるか、あるいは、R
aのうちの2つは、結び合って、置換または非置換のヘテロ環式環、または、置換または非置換のヘテロアリール環を形成する。
【0124】
式(I)は、置換基R
A2を、2,7−ジアザインドリル環の1位において含む。ある態様において、R
A2は、Hである。ある態様において、R
A2は、置換または非置換アシルである。ある態様において、R
A2は、−C(=O)R
aであり、任意にここで、R
aは、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または置換または非置換C
2〜6アルケニルである。ある態様において、R
A2は、−C(=O)R
aであり、ここで、R
aは、置換または非置換ビニルである。ある態様において、R
A2は、−C(=O)CH=CH
2である。ある態様において、R
A2は、−C(=O)OR
aであり、任意にここで、R
aは、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または酸素保護基(例えばシリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイルまたはベンゾイル)である。ある態様において、R
A2は、−C(=O)N(R
a)
2であり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A2は、置換または非置換アルキル(例えば置換または非置換C
1〜6アルキル)である。ある態様において、R
A2は、Meである。ある態様において、R
A2は、Etである。ある態様において、R
A2は、n−Prである。ある態様において、R
A2は、i−Prである。ある態様において、R
A2は、Bu(例えばn−Bu、i−Bu、sec−Buまたはt−Bu)である。ある態様において、R
A2は、非置換ペンチル(例えば非置換n−ペンチル、非置換t−ペンチル、非置換ネオペンチル、非置換イソペンチル、非置換sec−ペンチル、または非置換3−ペンチル)である。ある態様において、R
A2は、sec−Bu、t−Buまたは非置換3−ペンチルである。ある態様において、R
A2は、−CF
3、Bn、パーフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチルまたはパーフルオロペンチルである。ある態様において、R
A2は、−CH
2C(=O)−NH−N=C(R
a)
2である。ある態様において、R
A2は、置換または非置換カルボシクリル(例えば炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、R
A2は、置換または非置換シクロプロピルである。ある態様において、R
A2は、非置換シクロプロピルである。ある態様において、R
A2は、置換または非置換シクロブチルである。ある態様において、R
A2は、置換または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
A2は、非置換シクロプロピル、非置換シクロブチル、または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
A2は、置換または非置換ヘテロシクリル(例えばヘテロ環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式ヘテロシクリルであって、ここで、ヘテロ環式環系中の1、2または3個の原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)。ある態様において、R
A2は、置換または非置換テトラヒドロピラニルである。ある態様において、R
A2は、式:
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A2は、式:
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。
ある態様において、R
A2は、置換または非置換オキセタニル、置換または非置換テトラヒドロフラニル、置換または非置換ピロリジニル、置換または非置換ピペリジニル、置換または非置換モルホリニル、または置換または非置換ピペラジニルである。ある態様において、R
A2は、式:
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、ここで、R
aの各々は、独立して、非置換C
1〜6アルキル(例えばMe))である。ある態様において、R
A2は、窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A2は、Bocである。ある態様において、R
A2は、弾頭である。
【0125】
式(I)および(II)のいずれか一方は、独立して以下の群から選択される1以上の弾頭を含んでもよく:
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
ここで:
L
3は、結合であるか、または任意に置換されたC
1〜4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1以上の炭素単位は、独立して、−C=O−、−O−、−S−、−NR
L3a−、−NR
L3aC(=O)−、−C(=O)NR
L3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NR
L3aC(=S)−、−C(=S)NR
L3a−、トランス−CR
L3b=CR
L3b−、シス−CR
L3b=CR
L3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NR
L3a−、−NR
L3aS(=O)−、−S(=O)
2−、−S(=O)
2O−、−OS(=O)
2−、−S(=O)
2NR
L3a−、または−NR
L3aS(=O)
2−で置き換えられており、ここで、R
L3aは、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基であり、およびここで、R
L3bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたカルボシクリル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであるか、あるいは2個のR
L3b基は、結び合って、任意に置換された炭素環式または任意に置換されたヘテロ環式環を形成し;
L
4は、結合であるか、または任意に置換された分枝状または非分枝状のC
1〜6炭化水素鎖であり;
R
E1、R
E2およびR
E3の各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたカルボシクリル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、−CN、−CH
2OR
EE、−CH
2N(R
EE)
2、−CH
2SR
EE、−OR
EE、−N(R
EE)
2、−Si(R
EE)
3、または−SR
EEであり、ここで、R
EEの各々は、独立して、水素、任意に置換されたアルキル、任意に置換されたアルコキシ、任意に置換されたアルケニル、任意に置換されたアルキニル、任意に置換されたカルボシクリル、任意に置換されたヘテロシクリル、任意に置換されたアリール、または任意に置換されたヘテロアリールであるか、あるいは2個のR
EE基は、結び合って、任意に置換されたヘテロ環式環を形成するか;あるいはR
E1およびR
E3、またはR
E2およびR
E3、またはR
E1およびR
E2は、結び合って、任意に置換された炭素環式または任意に置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
E4は、脱離基であり;
R
E5は、ハロゲンであり;
R
E6は、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
Yの各々は、独立して、O、S、またはNR
E7であり、ここで、R
E7は、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
aは、1または2であり;ならびに
zの各々は、独立して、原子価が許容する限り、0、1、2、3、4、5または6である。
【0126】
ある態様において、式(I)および(II)のいずれか一方は、弾頭を含まない。ある態様において、式(I)および(II)のいずれか一方は、1つの弾頭を含む。ある態様において、式(I)および(II)のいずれか一方は、2以上の弾頭を含む。式(I)または(II)が2以上の弾頭を含む場合、弾頭のうちの任意の2つは、同じであっても互いに異なっていてもよい。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、式(i−1a):
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
(i−1a)のものである。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、式(i−1b):
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
(i−1b)のものである。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、式(i−1c):
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
(i−1c)のものである。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、式(i−1d):
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
(i−1d)のものである。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、式(i−1e):
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
(i−1e)のものである。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、式(i−1f):
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
(i−1f)のものである。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、式(i−1g):
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
(i−1g)のものである。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、式(i−1h):
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つの弾頭は、
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0127】
式(I)は、2,7−ジアザインドリル環の3位において置換基R
A3を含む。ある態様において、R
A3は、Hである。ある態様において、R
A3は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
A3は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
A3は、Meである。ある態様において、R
A3は、−CF
3、Bn、Et、パーフルオロエチル、Pr、パーフルオロプロピル、Bu、またはパーフルオロブチルである。ある態様において、R
A3は、−OR
aであり、任意にここで、R
aは、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、置換または非置換アシル、または酸素保護基(例えばシリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイルまたはベンゾイル)である。ある態様において、R
A3は、−OC(=O)R
aであり、任意にここで、R
aは、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または置換または非置換C
2〜6アルケニル(例えば置換または非置換ビニル)である。ある態様において、R
A3は、−OC(=O)CH=CH
2である。ある態様において、R
A3は、−N(R
a)
2であり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、置換または非置換アシル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A3は、−N(R
a)C(=O)R
aであり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または置換または非置換C
2〜6アルケニル(例えば置換または非置換ビニル)である。ある態様において、R
A3は、−NHC(=O)CH=CH
2である。ある態様において、R
A3は、弾頭である。
【0128】
式(I)は、窒素原子上に置換基R
A4を含む。ある態様において、R
A4は、Hである。ある態様において、R
A4は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
A4は、Meである。ある態様において、R
A4は、−CF
3、Bn、Et、パーフルオロエチル、Pr、パーフルオロプロピル、Bu、またはパーフルオロブチルである。ある態様において、R
A4は、窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。
式(I) は、置換基R
A5である。ある態様において、R
A5は、式:
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
ある態様において、R
A5は、式:
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A5は、式:
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A6は、Hである。ある態様において、R
A6は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
A6は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
A6は、Meである。ある態様において、R
A6は、置換メチル(例えば−CF
3またはBn)である。ある態様において、R
A6は、Et、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)、Pr、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)、Bu、または置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)である。ある態様において、R
A6は、−OR
a(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
A6は、−N(R
a)
2であり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A6は、−NH
2、−NHMe、または−N(Me)
2である。ある態様において、R
A7は、Hである。ある態様において、R
A7は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
A7は、置換または非置換C
2〜6アルキルである。ある態様において、R
A7は、Etである。ある態様において、R
A7は、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)である。ある態様において、R
A7は、n−Prである。ある態様において、R
A7は、i−Prである。ある態様において、R
A7は、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)である。ある態様において、R
A7は、Buまたは非置換ペンチルである。ある態様において、R
A7は、置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)または置換ペンチル(例えばパーフルオロペンチル)である。ある態様において、R
A7は、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R
A7は、置換または非置換シクロプロピル、置換または非置換シクロブチル、または置換または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
A7は、−OR
a(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
A7は、−N(R
a)
2であり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A7は、−NH
2、−NHMe、−NHEt、−N(Me)
2、または−N(Et)
2である。ある態様において、R
A7は、置換または非置換シクロプロピルまたは−N(R
a)
2であり、ここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。
【0129】
ある態様において、R
A5は、式:
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
式:
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
の部分はまた、その互変異性体形態
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。ある態様において、R
A5は、式:
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A5は、式:
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A5は、式:
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A8は、Hである。ある態様において、R
A8は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
A8は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
A8は、Meである。ある態様において、R
A8は、置換メチル(例えば−CF
3またはBn)である。ある態様において、R
A8は、Et、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)、Pr、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)、Bu、または置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)である。ある態様において、R
A8は、−OR
a(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
A8は、−N(R
a)
2であり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A8は、−NH
2、−NHMe、または−N(Me)
2である。ある態様において、R
A9は、Hである。ある態様において、R
A9は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
A9は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
A9は、Meである。ある態様において、R
A9は、置換メチル(例えば−CF
3またはBn)である。ある態様において、R
A9は、Etである。ある態様において、R
A9は、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)である。ある態様において、R
A9は、n−Prである。ある態様において、R
A9は、i−Prである。ある態様において、R
A9は、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)である。ある態様において、R
A9は、Buまたは非置換ペンチルである。ある態様において、R
A9は、置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)または置換ペンチル(例えばパーフルオロペンチル)である。ある態様において、R
A9は、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R
A9は、置換または非置換シクロプロピル、置換または非置換シクロブチル、または置換または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
A9は、−OR
a(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
A9は、−N(R
a)
2であり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A9は、−NH
2、−NHMe、−NHEt、−N(Me)
2、または−N(Et)
2である。ある態様において、R
A9は、置換または非置換シクロプロピル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり、ここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または、窒素原子に結合している場合は窒素保護基である。
【0130】
ある態様において、R
A5は、式:
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A5は、式:
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A5は、式:
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A5は、式:
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A5は、式:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A5は、式:
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A10は、−OR
a(例えば−OH)である。ある態様において、R
A10は、−N(R
a)
2である。ある態様において、R
A10は、−NH
2である。ある態様において、R
A10は、−NHR
aであり、ここで、R
aは、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A10は、弾頭である。ある態様において、R
A10は、−NHC(=O)R
aであり、任意にここで、R
aは、置換または非置換ビニルである。ある態様において、R
A10は、−NHC(=O)CH=CH
2である。式(I)がR
A11の2以上を含む場合、R
A11のうちの任意の2つは、同じであっても互いに異なっていてもよい。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、ハロゲンである。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、Brである。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、F、Cl、またはIである。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、Meである。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、置換メチルである(例えば−CF
3またはBn)。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、Etである。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)である。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、n−Prである。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、i−Prである。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)である。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、Me、Et、またはn−Prである。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、Buまたは非置換ペンチルである。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)または置換ペンチル(例えばパーフルオロペンチル)である。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、置換または非置換シクロプロピル、置換または非置換シクロブチル、または置換または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、−OR
a(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、−N(R
a)
2であり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、−NH
2、−NHMe、−NHEt、−N(Me)
2、または−N(Et)
2である。ある態様において、R
A11のうちの少なくとも1つは、置換または非置換C
1〜6アルキル、置換または非置換シクロプロピル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり、ここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または、窒素原子に結合している場合は窒素保護基である。ある態様において、nは、0である。ある態様において、nは、1である。ある態様において、nは、2である。ある態様において、nは、3である。ある態様において、nは、4である。
【0131】
ある態様において、R
A5は、式:
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A5は、式:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A12は、Hである。ある態様において、R
A12は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
A12は、Meである。ある態様において、R
A12は、−CF
3、Bn、Et、パーフルオロエチル、Pr、パーフルオロプロピル、Bu、またはパーフルオロブチルである。ある態様において、R
A12は、窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A12は、弾頭である。式(I)がR
A13の2以上を含む場合、R
A13のうちの任意の2つは、同じであっても互いに異なっていてもよい。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、Meである。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、置換メチル(例えば−CF
3またはBn)である。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、Etである。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)である。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、n−Prである。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、i−Prである。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)である。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、Me、Et、またはn−Prである。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、Buまたは非置換ペンチルである。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)または置換ペンチル(例えばパーフルオロペンチル)である。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、置換または非置換シクロプロピル、置換または非置換シクロブチル、または置換または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、−OR
a(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、−N(R
a)
2であり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、−NH
2、−NHMe、−NHEt、−N(Me)
2、または−N(Et)
2である。ある態様において、R
A13のうちの少なくとも1つは、ハロゲン、置換または非置換シクロプロピル、−OR
a、または−N(R
a)
2であり、ここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または、窒素原子に結合している場合は窒素保護基である。ある態様において、mは、0である。ある態様において、mは、1である。ある態様において、mは、2である。ある態様において、mは、3、4、5、6、7、または8である。ある態様において、mは、9である。
【0132】
式(I)は、置換基R
A5を含む。ある態様において、R
A5は、式:
【化81】
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ある態様において、R
A5は、式:
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A5は、式:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
A14は、Hである。ある態様において、R
A14は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
A14は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
A14は、Meである。ある態様において、R
A14は、置換メチル(例えば−CF
3またはBn)である。ある態様において、R
A14は、Et、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)、Pr、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)、Bu、または置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)である。ある態様において、R
A14は、−OR
a(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
A14は、−N(R
a)
2であり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A14は、−NH
2、−NHMe、または−N(Me)
2である。ある態様において、R
A15は、Hである。ある態様において、R
A15は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
A15は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
A15は、Meである。ある態様において、R
A15は、置換メチル(例えば−CF
3またはBn)である。ある態様において、R
A15は、Et、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)、Pr、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)、Bu、または置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)である。ある態様において、R
A15は、−OR
a(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
A15は、−N(R
a)
2であり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A15は、−NH
2、−NHMe、または−N(Me)
2である。ある態様において、R
A16は、Hである。ある態様において、R
A16は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
A16は、置換または非置換C
2〜6アルキルである。ある態様において、R
A16は、Etである。ある態様において、R
A16は、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)である。ある態様において、R
A16は、n−Prである。ある態様において、R
A16は、i−Prである。ある態様において、R
A16は、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)である。ある態様において、R
A16は、Buまたは非置換ペンチルである。ある態様において、R
A16は、置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)または置換ペンチル(例えばパーフルオロペンチル)である。ある態様において、R
A16は、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R
A16は、置換または非置換シクロプロピル、置換または非置換シクロブチル、または置換または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
A16は、−OR
a(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
A16は、−N(R
a)
2であり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A16は、−NH
2、−NHMe、−NHEt、−N(Me)
2、または−N(Et)
2である。ある態様において、R
A16は、置換または非置換シクロプロピルまたは−N(R
a)
2であり、ここで、R
aの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A17は、Hである。ある態様において、R
A17は、置換または非置換アシルである。ある態様において、R
A17は、−C(=O)R
aであり、任意にここで、R
aは、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または置換または非置換C
2〜6アルケニルである。ある態様において、R
A17は、弾頭である。ある態様において、R
A17は、−C(=O)R
aであり、ここで、R
aは、置換または非置換ビニルである。ある態様において、R
A17は、−C(=O)CH=CH
2である。ある態様において、R
A17は、−C(=O)OR
aであり、任意にここで、R
aは、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または酸素保護基(例えばシリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイルまたはベンゾイル)である。ある態様において、R
A17は、−C(=O)N(R
a)
2であり、任意にここで、R
aの各々は、独立して、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
A17は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
A17は、Meである。ある態様において、R
A17は、−CF
3、Bn、Et、パーフルオロエチル、Pr、パーフルオロプロピル、Bu、またはパーフルオロブチルである。ある態様において、R
A17は、窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。
【0133】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0134】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0135】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0136】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0137】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0138】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、ここで、R
A14は、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。
【0139】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0140】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0141】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0142】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0143】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、ここで、R
A2は、窒素保護基(例えばBoc)である。
【0144】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0145】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであり、任意にここで、R
A2の各々は、i−Prである。
【0146】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【化99】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、ここで、kの各々は、独立して、3〜11の整数(境界を含む)である。
【0147】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0148】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0149】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0150】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0151】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0152】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0153】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化106】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0154】
ある態様において、式(I)の化合物は、式:
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0155】
例示的な式(I)の化合物として、これらに限定されないが、以下:
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体およびプロドラッグが挙げられる。
【0156】
例示的な式(I)の化合物として、さらに、これらに限定されないが、以下:
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体およびプロドラッグが挙げられる。
【0157】
ある態様において、EZH2阻害剤は、式:
【化111】
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の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0158】
ある態様において、EZH2阻害剤は、式(II):
【化112】
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の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであり、式中:
R
B1は、ハロゲン、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、−OR
b、−N(R
b)
2、−SR
b、−CN、−SCN、−C(=NR
b)R
b、−C(=NR
b)OR
b、−C(=NR
b)N(R
b)
2、−C(=O)R
b、−C(=O)OR
b、−C(=O)N(R
b)
2、−NO
2、−NR
bC(=O)R
b、−NR
bC(=O)OR
b、−NR
bC(=O)N(R
b)
2、−OC(=O)R
b、−OC(=O)OR
b、−OC(=O)N(R
b)
2、または
【化113】
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であり、
R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、窒素原子に結合している場合は窒素保護基、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または硫黄原子に結合している場合は硫黄保護基であるか、あるいは、R
bのうちの2つは、結び合って、置換または非置換のヘテロ環式環または置換または非置換のヘテロアリール環を形成し;
R
Aは、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、または置換または非置換ヘテロアリールであり;
R
Bは、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、または置換または非置換ヘテロアリールであるか;
あるいは、R
AとR
Bとは、結び合って、置換または非置換の炭素環式環または置換または非置換のヘテロ環式環を形成し;
R
Cは、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
R
B2は、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、窒素保護基、または弾頭であり;
R
B3は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
b、−N(R
b)
2、または弾頭であり;
R
B4は、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基であり;ならびに
R
B5は、式:
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、式中:
R
B6は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、または−N(R
b)
2であり;
R
B7は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
2〜6アルキル、または、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルであり;
R
B8は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、または−N(R
b)
2であり;
R
B9は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、または、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルであり;
R
B10は、−OR
b、−N(R
b)
2、または弾頭であり;
R
B11の各々は、独立して、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、または−N(R
b)
2であり;
uは、0、1、2、3または4であり;
R
B12は、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、窒素保護基、または弾頭であり;
R
B13の各々は、独立して、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、または−N(R
b)
2であり;
vは、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり;
R
B14は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
b、または−N(R
b)
2であり;
R
B15は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
b、または−N(R
b)
2であり;
R
B16は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
2〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、−OR
b、または−N(R
b)
2であり;ならびに
R
B17は、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換C
1〜6アルキル、窒素保護基、または弾頭である。
【0159】
ある態様において、EZH2阻害剤は、式(II):
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであり、式中:
R
B1は、ハロゲン、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、−OR
b、−N(R
b)
2、−SR
b、−CN、−SCN、−C(=NR
b)R
b、−C(=NR
b)OR
b、−C(=NR
b)N(R
b)
2、−C(=O)R
b、−C(=O)OR
b、−C(=O)N(R
b)
2、−NO
2、−NR
bC(=O)R
b、−NR
bC(=O)OR
b、−NR
bC(=O)N(R
b)
2、−OC(=O)R
b、−OC(=O)OR
b、または−OC(=O)N(R
b)
2であり;
R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、窒素原子に結合している場合は窒素保護基、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または硫黄原子に結合している場合は硫黄保護基であるか、あるいは、R
bのうちの2つは、結び合って、置換または非置換のヘテロ環式環または置換または非置換のヘテロアリール環を形成し;
R
B2は、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、または窒素保護基であり;
R
B3は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
b、または−N(R
b)
2であり;
R
B4は、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基であり;ならびに
R
B5は、式:
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、式中:
R
B6は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、または−N(R
b)
2であり;
R
B7は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
2〜6アルキル、または、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルであり;
R
B8は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、または−N(R
b)
2であり;
R
B9は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、または、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルであり;
R
B10は、−OR
bまたは−N(R
b)
2であり;
R
B11の各々は、独立して、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、または−N(R
b)
2であり;
uは、0、1、2、3または4であり;
R
B12は、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
R
B13の各々は、独立して、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、または−N(R
b)
2であり;
vは、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9であり;
R
B14は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
b、または−N(R
b)
2であり;
R
B15は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
1〜6アルキル、−OR
b、または−N(R
b)
2であり;
R
B16は、水素、ハロゲン、置換または非置換C
2〜6アルキル、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル、−OR
b、または−N(R
b)
2であり;ならびに
R
B17は、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基である。
【0160】
式(II)は、ピリジニル環上に置換基R
B1を含む。ある態様において、R
B1は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
B1は、置換または非置換アルキル(例えば置換または非置換C
1〜6アルキル)である。ある態様において、R
B1は、Meである。ある態様において、R
B1は、−CF
3、Bn、Et、パーフルオロエチル、Pr、パーフルオロプロピル、Bu、またはパーフルオロブチルである。ある態様において、R
B1は、置換または非置換アルケニル(例えば置換または非置換C
2〜6アルケニル)である。ある態様において、R
B1は、置換または非置換アルキニル(例えば置換または非置換C
1〜6アルキニル)である。ある態様において、R
B1は、置換または非置換カルボシクリル(例えば炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、R
B1は、置換または非置換ヘテロシクリルである(例えばヘテロ環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式ヘテロシクリルであって、ここで、ヘテロ環式環系中の1、2または3個の原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)。ある態様において、R
B1は、置換または非置換ピペラジニルである。ある態様において、R
B1は、式:
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、ここで、R
B14は、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。ある態様において、R
B1は、式:
【化118】
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のものである。ある態様において、R
B1は、式:
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、ここで、R
B14は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B1は、式:
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B1は、式:
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、ここで、L
Bは、結合、または置換または非置換C
1〜100炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1以上の鎖原子は、独立して、−O−、−S−、または−NR
b−で置き換えられており;ならびにX
Bは、小分子、ペプチド、タンパク質、またはポリヌクレオチドである。ある態様において、R
B1は、式:
【化122】
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のものであり、ここで、zは、0または1であり、wは、0〜11の整数(境界を含む)であり、xは、0〜10の整数(境界を含む)であり、yは、0〜10の整数(境界を含む)である。ある態様において、wは、3〜11の整数(境界を含む)であり、xは、0であり、およびyは、0、1、2、3、4、5または6である。ある態様において、X
Bは、小分子である。ある態様において、X
Bは、小分子薬物
【化123】
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ある態様において、X
Bは、小分子標識である(例えばビオチン部分
【化124】
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または小分子フルオロフォア)である。ある態様において、R
B1は、置換または非置換オキセタニル、置換または非置換テトラヒドロフラニル、置換または非置換ピロリジニル、置換または非置換テトラヒドロピラニル、置換または非置換ピペリジニル、置換または非置換モルホリニル、置換または非置換アゼパニル、または置換または非置換ジアゼパニルである。ある態様において、R
B1は、式:
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、ここで、R
bの各々は、独立して、非置換C
1〜6アルキル(例えばMe))である。ある態様において、R
B1は、置換または非置換アリール(例えば置換または非置換の、6〜10員のアリール)である。ある態様において、R
B1は、置換または非置換フェニルである。ある態様において、R
B1は、置換または非置換ヘテロアリールである(例えば置換または非置換の5〜6員の単環式ヘテロアリールであって、ここで、ヘテロアリール環系中の1、2、3または4個の原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)。ある態様において、R
B1は、−OR
b(例えば−OH、−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe、−OEt、−OPr、−OBu、または−OBn)、または−O(置換または非置換フェニル)(例えば−OPh))である。ある態様において、R
B1は、−SR
b(例えば−SH、−S(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−SMe、−SEt、−SPr、−SBu、または−SBn)、または−S(置換または非置換フェニル)(例えば−SPh))である。ある態様において、R
B1は、−N(R
b)
2(例えば−NH
2、−NH(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−NHMe)、または−N(置換または非置換C
1〜6アルキル)−(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−NMe
2))である。ある態様において、R
B1は、−CNである。ある態様において、R
B1は、−SCNまたは−NO
2である。ある態様において、R
B1は、−C(=NR
b)R
b、−C(=NR
b)OR
b、または−C(=NR
b)N(R
b)
2である。ある態様において、R
B1は、−C(=O)R
b(例えば−C(=O)(置換または非置換アルキル)または−C(=O)(置換または非置換フェニル))である。ある態様において、R
B1は、−C(=O)OR
b(例えば−C(=O)OH、−C(=O)O(置換または非置換アルキル)(例えば−C(=O)OMe)、または−C(=O)O(置換または非置換フェニル))である。ある態様において、R
B1は、−C(=O)N(R
b)
2(例えば−C(=O)NH
2、−C(=O)NH(置換または非置換アルキル)、−C(=O)NH(置換または非置換フェニル)、−C(=O)N(置換または非置換アルキル)−(置換または非置換アルキル)、または−C(=O)N(置換または非置換フェニル)−(置換または非置換アルキル))である。ある態様において、R
B1は、−NR
bC(=O)R
b(例えば−NHC(=O)Me)である。ある態様において、R
B1は、−NR
bC(=O)OR
bまたは−NR
bC(=O)N(R
b)
2である。ある態様において、R
B1は、−OC(=O)R
b、−OC(=O)OR
b、または−OC(=O)N(R
b)
2である。ある態様において、R
B1は、置換または非置換アルキル、−OR
b、−N(R
b)
2、−C(=O)OR
b、または−NR
bC(=O)R
bである。ある態様において、R
B1は、非置換C
1〜6アルキル、−OMe、−NH
2、−N(Me)
2、−C(=O)OH、−C(=O)OMe、または−NHC(=O)Meである。ある態様において、R
B1は、
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0161】
式(II)は、置換基R
bの1以上を含んでもよい。式(II)がR
bの2以上を含む場合、R
bのうちの任意の2つは、同じであっても、互いに異なっていてもよい。ある態様において、R
bのうちの少なくとも1つは、Hである。ある態様において、R
bの各々は、Hである。ある態様において、R
bのうちの少なくとも1つは、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、窒素原子に結合している場合は窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)、酸素原子に結合している場合は酸素保護基(例えばシリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイルまたはベンゾイル)、または、硫黄原子に結合している場合は硫黄保護基(例えばアセタミドメチル、t−Bu、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル、2−ピリジン−スルフェニルまたはトリフェニルメチル)であるか、あるいは、R
bのうちの2つは、結び合って、置換または非置換のヘテロ環式環、または、置換または非置換のヘテロアリール環を形成する。
式(II)は、インドリル環の1位において置換基R
B2を含む。ある態様において、R
B2は、Hである。ある態様において、R
B2は、置換または非置換アシルである。ある態様において、R
B2は、−C(=O)R
bであり、任意にここで、R
bは、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または置換または非置換C
2〜6アルケニルである。ある態様において、R
B2は、−C(=O)R
bであり、ここで、R
bは、置換または非置換ビニルである。ある態様において、R
B2は、−C(=O)CH=CH
2である。ある態様において、R
B2は、−C(=O)OR
bであり、任意にここで、R
bは、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または酸素保護基(例えばシリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイルまたはベンゾイル)である。ある態様において、R
B2は、−C(=O)N(R
b)
2であり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B2は、置換または非置換アルキル(例えば置換または非置換C
1〜6アルキル)である。ある態様において、R
B2は、Meである。ある態様において、R
B2は、Etである。ある態様において、R
B2は、n−Prである。ある態様において、R
B2は、i−Prである。ある態様において、R
B2は、Bu(例えばn−Bu、i−Bu、sec−Buまたはt−Bu)である。ある態様において、R
B2は、非置換ペンチル(例えば非置換n−ペンチル、非置換t−ペンチル、非置換ネオペンチル、非置換イソペンチル、非置換sec−ペンチル、または非置換3−ペンチル)である。ある態様において、R
B2は、sec−Bu、t−Buまたは非置換3−ペンチルである。ある態様において、R
B2は、−CF
3、Bn、パーフルオロエチル、パーフルオロプロピル、パーフルオロブチルまたはパーフルオロペンチルである。ある態様において、R
B2は、−CH
2C(=O)−NH−N=C(R
b)
2である。ある態様において、R
B2は、置換または非置換カルボシクリル(例えば炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリル)である。ある態様において、R
B2は、置換または非置換シクロプロピルである。ある態様において、R
B2は、非置換シクロプロピルである。ある態様において、R
B2は、置換または非置換シクロブチルである。ある態様において、R
B2は、置換または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
B2は、非置換シクロプロピル、非置換シクロブチル、または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
B2は、置換または非置換ヘテロシクリルである(例えばヘテロ環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む置換または非置換の3〜7員の単環式ヘテロシクリルであって、ここで、ヘテロ環式環系中の1、2または3個の原子は、独立して、窒素、酸素または硫黄である)。ある態様において、R
B2は、置換または非置換テトラヒドロピラニルである。ある態様において、R
B2は、式:
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B2は、式:
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B2は、置換または非置換オキセタニル、置換または非置換テトラヒドロフラニル、置換または非置換ピロリジニル、置換または非置換ピペリジニル、置換または非置換モルホリニル、または置換または非置換ピペラジニルである。ある態様において、R
B2は、式:
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
のものであり、ここで、R
bの各々は、独立して、非置換C
1〜6アルキル(例えばMe))である。ある態様において、R
B2は、窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B2は、Bocである。ある態様において、R
B2は、弾頭である。
【0162】
式(II)は、インドリル環の3位において置換基R
B3を含む。ある態様において、R
B3は、Hである。ある態様において、R
B3は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
B3は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B3は、Meである。ある態様において、R
B3は、−CF
3、Bn、Et、パーフルオロエチル、Pr、パーフルオロプロピル、Bu、またはパーフルオロブチルである。ある態様において、R
B3は、−OR
bであり、任意にここで、R
bは、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、置換または非置換アシル、または酸素保護基(例えばシリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイルまたはベンゾイル)である。ある態様において、R
B3は、−OC(=O)R
bであり、任意にここで、R
bは、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または置換または非置換C
2〜6アルケニル(例えば置換または非置換ビニル)である。ある態様において、R
B3は、−OC(=O)CH=CH
2である。ある態様において、R
B3は、−N(R
b)
2であり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、置換または非置換アシル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B3は、−N(R
b)C(=O)R
bであり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または置換または非置換C
2〜6アルケニル(例えば置換または非置換ビニル)である。ある態様において、R
B3は、−NHC(=O)CH=CH
2である。ある態様において、R
B3は、弾頭である。
【0163】
式(II)は、窒素原子上に置換基R
B4を含む。ある態様において、R
B4は、Hである。ある態様において、R
B4は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B4は、Meである。ある態様において、R
B4は、−CF
3、Bn、Et、パーフルオロエチル、Pr、パーフルオロプロピル、Bu、またはパーフルオロブチルである。ある態様において、R
B4は、窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。
【0164】
式(II)は、置換基R
B5を含む。ある態様において、R
B5は、式(ii−1):
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
ある態様において、R
B5は、式:
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B5は、式:
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B6は、Hである。ある態様において、R
B6は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
B6は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B6は、Meである。ある態様において、R
B6は、置換メチル(例えば−CF
3またはBn)である。ある態様において、R
B6は、Et、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)、Pr、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)、Bu、または置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)である。ある態様において、R
B6は、−OR
b(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
B6は、−N(R
b)
2であり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B6は、−NH
2、−NHMe、または−N(Me)
2である。ある態様において、R
B7は、Hである。ある態様において、R
B7は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
B7は、置換または非置換C
2〜6アルキルである。ある態様において、R
B7は、Etである。ある態様において、R
B7は、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)である。ある態様において、R
B7は、n−Prである。ある態様において、R
B7は、i−Prである。ある態様において、R
B7は、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)である。ある態様において、R
B7は、Buまたは非置換ペンチルである。ある態様において、R
B7は、置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)または置換ペンチル(例えばパーフルオロペンチル)である。ある態様において、R
B7は、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R
B7は、置換または非置換シクロプロピル、置換または非置換シクロブチル、または置換または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
B7は、−OR
b(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
B7は、−N(R
b)
2であり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B7は、−NH
2、−NHMe、−NHEt、−N(Me)
2、または−N(Et)
2である。ある態様において、R
B7は、置換または非置換シクロプロピルまたは−N(R
b)
2であり、ここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。
ある態様において、R
B5は、式:
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
式:
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
の部分はまた、その互変異性体形態を含む。
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
ある態様において、R
B5は、式:
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B5は、式:
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B5は、式:
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B8は、Hである。ある態様において、R
B8は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
B8は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B8は、Meである。ある態様において、R
B8は、置換メチル(例えば−CF
3またはBn)である。ある態様において、R
B8は、Et、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)、Pr、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)、Bu、または置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)である。ある態様において、R
B8は、−OR
b(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
B8は、−N(R
b)
2であり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B8は、−NH
2、−NHMe、または−N(Me)
2である。ある態様において、R
B9は、Hである。ある態様において、R
B9は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
B9は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B9は、Meである。ある態様において、R
B9は、置換メチル(例えば−CF
3またはBn)である。ある態様において、R
B9は、Etである。ある態様において、R
B9は、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)である。ある態様において、R
B9は、n−Prである。ある態様において、R
B9は、i−Prである。ある態様において、R
B9は、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)である。ある態様において、R
B9は、Buまたは非置換ペンチルである。ある態様において、R
B9は、置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)または置換ペンチル(例えばパーフルオロペンチル)である。ある態様において、R
B9は、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R
B9は、置換または非置換シクロプロピル、置換または非置換シクロブチル、または置換または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
B9は、−OR
b(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
B9は、−N(R
b)
2であり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B9は、−NH
2、−NHMe、−NHEt、−N(Me)
2、または−N(Et)
2である。ある態様において、R
B9は、置換または非置換シクロプロピル、−OR
b、または−N(R
b)
2であり、ここでR
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または、窒素原子に結合している場合は窒素保護基である。
ある態様において、R
B5は、式:
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B5は、式:
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B5は、式:
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B5は、式:
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B5は、式:
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B5は、式:
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B10は、−OR
b(例えば−OH)である。ある態様において、R
B10は、−N(R
b)
2である。ある態様において、R
B10は、−NH
2である。ある態様において、R
B10は、−NHR
bであり、ここでR
bは、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B10は、弾頭である。ある態様において、R
B10は、−NHC(=O)R
bであり、任意にここで、R
bは、置換または非置換ビニルである。ある態様において、R
B10は、−NHC(=O)CH=CH
2である。式(II)がR
B11の2以上を含む場合、R
B11のうちの任意の2つは、同じであっても互いに異なっていてもよい。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、ハロゲンである。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、Brである。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、F、Cl、またはIである。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、Meである。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、置換メチル(例えば−CF
3またはBn)である。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、Etである。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)である。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、n−Prである。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、i−Prである。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)である。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、Me、Et、またはn−Prである。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、Buまたは非置換ペンチルである。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)または置換ペンチル(例えばパーフルオロペンチル)である。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、置換または非置換シクロプロピル、置換または非置換シクロブチル、または置換または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、−OR
b(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、−N(R
b)
2であり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、−NH
2、−NHMe、−NHEt、−N(Me)
2、または−N(Et)
2である。ある態様において、R
B11のうちの少なくとも1つは、置換または非置換C
1〜6アルキル、置換または非置換シクロプロピル、−OR
b、または−N(R
b)
2であり、ここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または、窒素原子に結合している場合は窒素保護基である。ある態様において、uは、0である。ある態様において、uは、1である。ある態様において、uは、2である。ある態様において、uは、3である。ある態様において、uは、4である。
【0165】
ある態様において、R
B5は、式:
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B5は、式:
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
ある態様において、R
B12は、Hである。ある態様において、R
B12は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B12は、Meである。ある態様において、R
B12は、−CF
3、Bn、Et、パーフルオロエチル、Pr、パーフルオロプロピル、Bu、またはパーフルオロブチルである。ある態様において、R
B12は、窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B12は、弾頭である。式(II)がR
B13の2以上を含む場合、R
B13のうちの任意の2つは、同じであっても互いに異なっていてもよい。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、Meである。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、置換メチルである(例えば−CF
3またはBn)。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、Etである。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)である。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、n−Prである。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、i−Prである。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)である。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、Me、Et、またはn−Prである。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、Buまたは非置換ペンチルである。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)または置換ペンチル(例えばパーフルオロペンチル)である。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、置換または非置換シクロプロピル、置換または非置換シクロブチル、または置換または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、−OR
b(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、−N(R
b)
2であり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、−NH
2、−NHMe、−NHEt、−N(Me)
2、または−N(Et)
2である。ある態様において、R
B13のうちの少なくとも1つは、ハロゲン、置換または非置換シクロプロピル、−OR
b、または−N(R
b)
2であり、ここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、酸素原子に結合している場合は酸素保護基、または、窒素原子に結合している場合は窒素保護基である。ある態様において、vは、0である。ある態様において、vは、1である。ある態様において、vは、2である。ある態様において、vは、3、4、5、6、7、または8である。ある態様において、vは、9である。
【0166】
式(II)は、置換基R
B5を含む。ある態様において、R
B5は、式:
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
ある態様において、R
B5は、式:
【化149】
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のものである。ある態様において、R
B5は、式:
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。ある態様において、R
B14は、Hである。ある態様において、R
B14は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
B14は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B14は、Meである。ある態様において、R
B14は、置換メチル(例えば−CF
3またはBn)である。ある態様において、R
B14は、Et、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)、Pr、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)、Bu、または置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)である。ある態様において、R
B14は、−OR
b(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
B14は、−N(R
b)
2であり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B14は、−NH
2、−NHMe、または−N(Me)
2である。ある態様において、R
B15は、Hである。ある態様において、R
B15は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
B15は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B15は、Meである。ある態様において、R
B15は、置換メチル(例えば−CF
3またはBn)である。ある態様において、R
B15は、Et、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)、Pr、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)、Bu、または置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)である。ある態様において、R
B15は、−OR
b(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
B15は、−N(R
b)
2であり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B15は、−NH
2、−NHMe、または−N(Me)
2である。ある態様において、R
B16は、Hである。ある態様において、R
B16は、ハロゲン(例えばF、Cl、BrまたはI)である。ある態様において、R
B16は、置換または非置換C
2〜6アルキルである。ある態様において、R
B16は、Etである。ある態様において、R
B16は、置換エチル(例えばパーフルオロエチル)である。ある態様において、R
B16は、n−Prである。ある態様において、R
B16は、i−Prである。ある態様において、R
B16は、置換プロピル(例えばパーフルオロプロピル)である。ある態様において、R
B16は、Buまたは非置換ペンチルである。ある態様において、R
B16は、置換ブチル(例えばパーフルオロブチル)または置換ペンチル(例えばパーフルオロペンチル)である。ある態様において、R
B16は、炭素環式環系中に0、1または2個の二重結合を含む、置換または非置換の3〜7員の単環式カルボシクリルである。ある態様において、R
B16は、置換または非置換シクロプロピル、置換または非置換シクロブチル、または置換または非置換シクロペンチルである。ある態様において、R
B16は、−OR
b(例えば−OHまたは−O(置換または非置換C
1〜6アルキル)(例えば−OMe))である。ある態様において、R
B16は、−N(R
b)
2であり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B16は、−NH
2、−NHMe、−NHEt、−N(Me)
2、または−N(Et)
2である。ある態様において、R
B16は、置換または非置換シクロプロピルまたは−N(R
b)
2であり、ここで、R
bの各々は、独立して、水素、置換または非置換C
1〜6アルキル、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B17は、Hである。ある態様において、R
B17は、置換または非置換アシルである。ある態様において、R
B17は、−C(=O)R
bであり、任意にここで、R
bは、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または置換または非置換C
2〜6アルケニルである。ある態様において、R
B17は、弾頭である。ある態様において、R
B17は、−C(=O)R
bであり、ここで、R
bは、置換または非置換ビニルである。ある態様において、R
B17は、−C(=O)CH=CH
2である。ある態様において、R
B17は、−C(=O)OR
bであり、任意にここで、R
bは、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または酸素保護基(例えばシリル、TBDPS、TBDMS、TIPS、TES、TMS、MOM、THP、t−Bu、Bn、アリル、アセチル、ピバロイルまたはベンゾイル)である。ある態様において、R
B17は、−C(=O)N(R
b)
2であり、任意にここで、R
bの各々は、独立して、H、置換または非置換C
1〜6アルキル(例えばMe)、または窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。ある態様において、R
B17は、置換または非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B17は、Meである。ある態様において、R
B17は、−CF
3、Bn、Et、パーフルオロエチル、Pr、パーフルオロプロピル、Bu、またはパーフルオロブチルである。ある態様において、R
B17は、窒素保護基(例えばBn、Boc、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチルまたはTs)である。
【0167】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化151】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0168】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0169】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0170】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0171】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0172】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、ここで、R
B14は、水素、置換または非置換アシル、置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。
【0173】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0174】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0175】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0176】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0177】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、ここで、R
B2は、窒素保護基(例えばBoc)である。
【0178】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0179】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、任意にここで、R
B2の各々は、i−Prである。
【0180】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、ここで、wの各々は、独立して、3〜11の整数(境界を含む)である。
【0181】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0182】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0183】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0184】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0185】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0186】
ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0187】
ある態様において、R
B2がi−Prであり、R
B3が水素であり、かつR
B5が式(ii−1)のものである場合、R
B1は、Me、
【化173】
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OMe、または−NH(=O)Meではなく;およびR
B2が非置換C
3−5アルキルであり、R
B3がMeまたはハロゲンであり、かつR
B5が式(ii−1)のものである場合、R
B1は、Me、
【化174】
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−OMe、−NH
2、−N(Me)
2、−C(=O)OH、−C(=O)OMe、または−NH(=O)Meではない。ある態様において、R
B2がi−Prであり、R
B3が水素であり、かつR
B5が式(ii−1)のものである場合、R
B1は、非置換C
1〜6アルキル、−OR
b、−NH(=O)R
b、または非置換もしくは1個の非置換C
1〜6アルキルで置換された飽和の6員の単環式ヘテロシクリル(ここでヘテロ環式環系中の2個の原子は、独立して、酸素または窒素である)ではなく;およびR
B2が非置換C
3−5アルキルであり、R
B3がMeまたはハロゲンであり、かつR
B5が式(ii-1)のものである場合、R
B1は、非置換C
1〜6アルキル、−OR
b、−N(R
b)
2、−C(=O)OR
b、−NH(=O)R
b、または非置換もしくは1個の非置換C
1〜6アルキルで置換された飽和の6員の単環式ヘテロシクリル、(ここでヘテロ環式環系中の2個の原子は、独立して、酸素または窒素である)ではなく;ここで、R
bの各々は、独立して、Hまたは非置換C
1〜6アルキルである。ある態様において、R
B5が式(ii−1)のものである場合、R
B2は、非置換C
3−5アルキルではない。ある態様において、R
B3が水素であり、かつR
B5が式(ii−1)のものである場合、R
B2はi−Prではない。ある態様において、式(II)の化合物は、式:
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグではない。
【0188】
例示的な式(II)の化合物として、これらに限定されないが、以下:
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体およびプロドラッグが挙げられる。
【0189】
例示的な式(II)の化合物として、さらに、これらに限定されないが、以下:
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体およびプロドラッグが挙げられる。
【0190】
ある態様において、EZH2阻害剤は、式:
【化180】
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の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0191】
ある態様において、EZH2阻害剤は、式:
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0192】
ある態様において、式(I)または(II)の化合物は、可逆性EZH2阻害剤である。ある態様において、弾頭を含まない式(I)または(II)の化合物は、可逆性EZH2阻害剤である。ある態様において、弾頭を含まない式(I)または(II)の化合物は、EZH2と共有結合を形成しない。
【0193】
ある態様において、式(I)または(II)の化合物は、不可逆性EZH2阻害剤である。ある態様において、弾頭を含む式(I)または(II)の化合物は、不可逆性EZH2阻害剤である。ある態様において、1以上の弾頭を含む式(I)または(II)の化合物は、EZH2(例えばEZH2のシステイン残基)と1以上の共有結合を形成する。ある態様において、1以上の弾頭を含む式(I)または(II)の化合物は、EZH2と弾頭のうちの少なくとも1つとの間の反応(例えばマイケル付加)を通して、EZH2(例えばEZH2のシステイン残基)と1以上の共有結合を形成する。ある態様において、不可逆性EZH2阻害剤は、式:
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。
【0194】
Bcl6阻害剤の例は、当該分野において公知である。例えば、米国特許第8,338,464号、米国特許出願番号13/182,163、PCT公開番号WO2010008436 A1またはPCT公開番号WO2008066887 A2において開示されるBcl6阻害剤;これらの内容は、本明細書においてその全体において参考として援用される。
【0195】
いくつかの態様において、Bcl6阻害剤は、式:
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
のものである。
【0196】
いくつかの態様において、Bcl6阻害剤は、構造:
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
を有する化合物である。
いくつかの態様において、BRD4阻害剤は、
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0197】
本発明はさらに、以下の例により説明される。例は、決して、さらに限定するものとして解釈されるべきではない。本願を通して引用される全ての参考文献(学術文献、発行された特許、公開された特許出願および同時係属中の特許出願を含む)の全内容は、本明細書により参考として援用される。
【0198】
例
例1
方法
B10.BRレシピエントを、−3日および−2日においてシトキサンにより条件付けした(120mg/kg/日、i.p.)。−1日において、レシピエントに、X線によるTBIを行った(8.3Gy)。B6ドナーのBMから、抗Thy1.2 mAbとその後のウサギ補体によりT細胞を枯渇させた。T細胞は、脾臓から、ビオチン標識抗CD19、抗CD11b、抗CD11c、抗NK1.1および抗γδTCR(eBioscience)およびその後のストレプトアビジンビーズとのインキュベーション、ならびに磁性カラム(StemCell Technologies)による枯渇により精製した。0日において、レシピエントに、10×10
6のT細胞枯渇BM細胞を、同種脾臓から精製したT細胞(0.075〜0.1×10
6)ありおよびなしで投与した。個々のマウスの体重を、毎週記録した。示される場合、BM群およびT細胞群中のレシピエントに、EZH2阻害剤(9:1の比における10%ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンおよびDMSO中の、JQ-EZH2-5(75μg/動物/週3回)もしくはJQ1(50μg/動物/毎日)のいずれか)、またはPBS中のBcl 79-6(50μg/動物/週3回)を投与した。
【0199】
結果
T細胞におけるBcl6は、cGVHDの進行のために必要である。
cGVHDの動物モデルは、上の方法に従って準備した。表1は、動物モデルプロトコルのグラフ表現を示す。
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0200】
野生型骨髄(BM)とマウス脾臓に由来するBcl6ノックアウトT細胞(Bcl6 KO)との移植は、cGVHDのマウスモデルにおいて改善された肺機能をもたらした(
図1)。Bcl6 KO細胞を投与されているマウスは、野生型T細胞を投与されているマウスよりも低下した肺の耐性および弾性ならびに増大した肺のコンプライアンスを示す。Bcl6 KO細胞を投与されているマウスはまた、野生型T細胞を投与されているマウスと比較して、減少した濾胞性ヘルパーT細胞および胚中心B細胞を示す(
図2)。Bcl6 KO細胞で処置されたマウスの肺は、減少したコラーゲンおよびIg沈着を有する(
図3〜4)。Bcl6 KO細胞を投与されているマウスはまた、野生型T細胞を投与されているマウスと比較して、減少した胚中心のサイズを示す(
図3)。それは、Bcl6 KO細胞を投与されているマウスにおいて減少した。
【0201】
EZH2は、cGVHDの発症のためにB細胞およびT細胞において必要である。
表2は、この実験において用いられる動物モデルプロトコルのグラフ表現を提供する。
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0202】
図5は、野生型脾臓由来T細胞およびEZH2ノックアウト骨髄(EZH2 KO BM)を移植されたマウスにおける改善された肺機能を示す。EZH2 KO BMを野生型T細胞と共に投与されているマウスは、野生型骨髄を投与されているマウスと比較して、低下した肺の耐性および弾性ならびに増大した肺のコンプライアンスを有する。肺機能(耐性、弾性およびコンプライアンス)の類似の改善は、EZH2 KO 脾臓由来T細胞および野生型骨髄(
図6)を投与されているマウスの場合に起きた。さらに、EZH2 KO BMまたはEZH2 KO T細胞のいずれかを移植されたマウスは、胚中心形成の減少を示す(
図7)。これらのデータは、EZH2活性の阻害が、胚中心の形成およびアロ応答を予防することを示す。
【0203】
EZH2阻害剤または直接的Bcl6阻害剤は、cGVHDの発症を予防するであろう
表3は、この実験において用いられる動物モデルプロトコルのグラフ表現を提供する。
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0204】
本実験においては、動物に、野生型BMおよびT細胞を移植し、次いでビヒクル、EZH2阻害剤(JQ5もしくはUNC1999)またはBcl6阻害剤のいずれかにより処置した。UNC1999の投与は毒性であり、移植後63日間で40%未満の生存率をもたらした(
図8)。EZH2阻害剤JQ5による処置は、ビヒクルのみで処置されたマウスと比較した場合に、改善された肺機能をもたらしたことが、肺の耐性、弾性およびコンプライアンスにより測定された(
図9)。JQ5で処置されたマウスはまた、肺において減少したコラーゲン沈着を示した(
図10)。Bcl6阻害剤(79-6ペプチド)によるマウスの処置もまた、ビヒクル処置された対照マウスと比較して、肺機能を改善した(
図12)。胚中心B細胞の減少もまた、Bcl6阻害剤で処置されたマウスの脾臓において観察された(
図13)。Bcl6阻害剤で処置されたマウスの肺におけるコラーゲン沈着もまた、ビヒクル処置された対照マウスと比較して、減少した(
図13)。
【0205】
BRD4阻害剤JQ1は、胚中心を阻害することによりcGVHDを予防するであろう。
表4は、この実験において用いられる動物モデルプロトコルのグラフ表現を提供する。
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0206】
本実験においては、動物に、野生型BMおよびT細胞を移植し、次いでビヒクルまたはBRD4阻害剤(JQ1)のいずれかにより処置した。BRD4阻害剤(JQ1)によるマウスの処置は、ビヒクル処置された対照マウスと比較して、肺機能を改善した(
図14)。BRD4阻害剤(JQ1)で処置されたマウスの肺におけるコラーゲン沈着もまた、ビヒクル処置された対照マウスと比較して減少した(
図15)。
【0207】
類似の結果はまた、さらなる実験においても観察され(示さず)、ここで、JQ1処置は、ビヒクル処置された対照動物と比較して、肺機能試験における耐性および弾性を著しく低下させた。コンプライアンスは、これらのJQ1処置動物において、ビヒクル処置された対照動物と比較して、著しく増大した。
【0208】
まとめると、これらのデータは、マウスをJQ1で処置した場合に、肺疾患が改善されることを示唆する。
【0209】
本明細書において記載されるEZH2化合物の調製
本明細書において提供される化合物は、一般的な方法および手順を用いて、容易に入手可能な出発材料から調製することができる。例えば、式(I)の化合物は、スキーム1〜3のいずれか1つに従って調製することができ、式(II)の化合物は、スキーム1〜3のいずれか1つにおいて示される方法に類似の方法に従って調製することができる。典型的な、または好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、他に記述されない限り、他のプロセス条件もまた、用いることができる。最適な反応条件は、用いられる特定の反応物または溶媒により変化し得るが、かかる条件は、当業者により慣用的な最適化の手順により決定することができる。
【化189】
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【化190】
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【0210】
ある態様において、本明細書において記載されるヒドラジドを、本明細書において参考として援用される国際PCT出願PCT/US2015/044303において記載される方法に従って調製する。ある態様において、本明細書において記載されるヒドラジドは、スキーム4または5において示される方法に従って調製される。
【化191】
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【化192】
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【0211】
ある態様において、
【化193】
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は、
図21において記載されるアルデヒドまたはケトンである。
【0212】
例2
JQ5阻害ありおよびなしでのEZH2ノックアウト骨髄およびTreg
表5は、この実験において用いられる動物モデルプロトコルのグラフ表現を提供する。
【表5】
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【0213】
本実験においては、動物に、野生型またはEZH2ノックアウトBM、および野生型またはEZH2ノックアウトBM T細胞を移植し、次いで、ビヒクルまたはEZH2阻害剤(JQ5)のいずれかにより処置した。
【0214】
特に、B10.BRマウスを、−3および−2日において120mg/Kgのシクロホスファミドにより条件付け、−1日において全身放射線照射(830X)に供した。0日において、マウスに、脾細胞または精製された脾臓T細胞と共にまたはこれを用いずに、野生型B6骨髄を移植した。移植後28日に、マウスに、ビヒクル対照またはJQ5(75mg/Kg週3回)のいずれかを、56日まで投与した。60日において、マウスを、Scireq Flexiventシステムにおける強制オシレーション技術に供した。組織を収集して、トリクローム染色によるコラーゲン沈着、Ig沈着、胚中心、胚中心B細胞および濾胞性ヘルパーT細胞の存在について分析した。
【0215】
JQ5で処置されたマウスは、コンプライアンスの増大を伴う耐性および弾性の低下、肺機能の修復を有した(
図16)。EZH2 KO BMは、類似の結果を示し、これは、EZH2が疾患を引き起こすために骨髄由来細胞(B細胞)において重要であることを示す。Tregが特にEZH2 KOを有する場合、cGVHD対照マウス(カラム2)と類似の疾患の増大が存在するが、これは、JQ5によるEzh2阻害により克服された。
【0216】
濾胞性ヘルパーT細胞は、JQ5で治療的に処置されたマウスにおいて、またはEZH2 KO BMを有する動物において減少した。濾胞性ヘルパーT細胞は、Treg特異的なEZH2のKOにおいては減少しなかった(
図17)。濾胞性制御性T細胞は、cGVHDにおいて減少したが、JQ5によっては増大しなかった。
【0217】
胚中心B細胞の出現頻度は、cGVHD対照動物と類似していたが、JQ5処置マウスにおける胚中心B細胞の数は、著しく減少した(
図18)。
【0218】
Bcl679-6治療的介入
表6は、この実験において用いられる動物モデルプロトコルのグラフ表現を提供する。
【表6】
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【0219】
肺機能試験は、Bcl 79-6で処置した動物に対して行った。肺における胚中心B細胞および線維症の存在もまた評価した。B10.BRマウスを、−3および−2日において120mg/Kgのシクロホスファミドで条件付けし、−1日において全身放射線照射(830X)に供した。0日において、マウスに、脾細胞または精製された脾臓T細胞と共にまたはこれを用いずに、野生型B6骨髄を移植した。移植の28日後に、マウスに、ビヒクル対照またはBcl6 79-6のいずれかを(毎日50mg/Kg)、56日まで投与した。60日において、マウスを、Scireq Flexiventシステムにおける強制オシレーション技術に供した。組織を収集して、トリクローム染色によるコラーゲン沈着、Ig沈着、胚中心、胚中心B細胞および濾胞性ヘルパーT細胞の存在について分析した。
【0220】
Bcl6 79-6で処置した動物において、肺機能の回復を観察した(
図19)。マウスをBcl6 79-6で処置した場合に、胚中心B細胞の減少を観察した(
図19)。マウスをBcl6 79-6で処置した場合に、トリクローム染色においてコラーゲンの減少を観察した(
図19)。
【0221】
cGVHDにおけるBcl6 fl/fl X CD19-Cre骨髄細胞
表7は、この実験において用いられる動物モデルプロトコルのグラフ表現を提供する。
【表7】
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【0222】
動物を、Bcl6 KO骨髄由来B細胞で処置し、肺機能試験に供した。B10.BRマウスを、−3および−2日において120mg/Kgのシクロホスファミドで条件付けし、−1日において全身放射線照射(830X)に供した。0日において、マウスに、脾細胞または精製された脾臓T細胞と共にまたはこれを用いずに野生型B6骨髄を、あるいは、WT T細胞と共にまたはこれを用いずにBcl6 KO骨髄を移植した。60日において、マウスを、Scireq Flexiventシステムにおける強制オシレーション技術に供した。組織を収集して、トリクローム染色によるコラーゲン沈着、Ig沈着、胚中心、胚中心B細胞および濾胞性ヘルパーT細胞の存在について分析した。
【0223】
マウスに、B細胞においてBcl6を発現しない骨髄を移植した場合、それらは、慢性GVHD対照と比較した耐性および弾性の低下ならびにコンプライアンスの増大により示されるような病原性の肺機能を発症しなかった(
図20)。