(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-534041(P2017-534041A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】空気加湿のための水滴を生成する装置およびこの種の装置を有する加湿システム
(51)【国際特許分類】
F24F 6/12 20060101AFI20171020BHJP
F24F 6/00 20060101ALI20171020BHJP
【FI】
F24F6/12 101Z
F24F6/00 B
F24F6/00 G
F24F6/00 E
F24F6/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-517720(P2017-517720)
(86)(22)【出願日】2015年9月28日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月31日
(86)【国際出願番号】CH2015000143
(87)【国際公開番号】WO2016049785
(87)【国際公開日】20160407
(31)【優先権主張番号】14003395.2
(32)【優先日】2014年10月1日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】516065755
【氏名又は名称】コンデア グループ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Condair Group AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダリオ クアドローニ
(72)【発明者】
【氏名】マティアス シュトライフ
(72)【発明者】
【氏名】レモ ブーハー
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055BB11
3L055DA03
3L055DA05
3L055DA13
(57)【要約】
水が非常に小さいホールを有するメッシュの振動によって噴霧される加湿装置(1)が示される。メッシュは、バルブ装置によって供給されるリザーバの一部であり、バルブ装置は、水を、導管から装置内のいくつかの送水管を通り導管に戻す、または、リザーバに導く。装置およびこの種の装置を備えるシステムによって、ほとんど視覚的に検出できない非常に微細な水のミストで、部屋のような区画を加湿および/または冷却することができる。システムおよび装置は、手入れがほとんど不要な永久装置の一部であるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水滴を生成するための装置(1)であって、前記装置(1)は、
導水管への接続のための流入コネクタ(3)および流出コネクタ(4)を有する貫通ダクト(2)と、
前記ダクト(2)および前記装置(1)のリザーバ(9)に接続する送水管(6、7、8)を有するバルブ装置(5)と、
を備え、
前記バルブ装置は、前記リザーバ(9)を所定の充填レベルまで充填するように提供され、
前記リザーバ(9)は、前記装置(1)の滴発生器(10)の穿孔されたメッシュ(11)によって一方側で閉鎖され、
前記メッシュは、前記メッシュの一方側で、前記リザーバ内に存在する水によって覆われるように構成され、
前記滴発生器の前記メッシュが振動するとき、前記装置(1)の水滴出口(12)を形成する前記メッシュは、前記メッシュの他方側から滴を放出し、
前記装置(1)は、前記バルブ装置(5)および前記滴発生器(10)を制御するための制御ユニット(25)をさらに備える、
装置(1)。
【請求項2】
前記リザーバには、前記メッシュから離隔して、かつ、前記リザーバの前記充填レベルより上の点に圧力同等化開口(19)が設けられている、
請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記ダクト(2)は、スロットル(23)を備え、
前記バルブ装置には、
前記スロットルより前の前記ダクト(2)の上流の点(16)で前記ダクト(2)に接続する第1の送水管(6)と、前記スロットルの後ろの前記ダクト(2)の下流の点(17)で前記ダクトに接続する第2の送水管(7)と、前記リザーバ(9)につながる第3の送水管(8)と、が設けられ、
前記バルブ装置は、前記制御ユニット(25)によって制御可能であり、
前記バルブ装置(5)によって、前記バルブ装置の1つの位置において、前記第1の送水管(6)と前記第2の送水管(7)とを互いに接続しながら、このバルブ位置において、前記第3の送水管(8)が前記第1および第2の送水管から切断され、
特に、前記バルブ装置(5)によって前記第1の送水管(6)と前記第3の送水管(8)とを接続することによって、前記バルブ装置の第2の位置において、前記第3の送水管(8)およびそれゆえ前記リザーバ(9)を前記ダクト(2)に接続する、
請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記リザーバ内の水の前記所定の充填レベルを検出するように構成されるレベル検出器(15、25)を備える、
請求項1から3のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項5】
前記レベル検出器は、第1の充填レベル電極と、第2の充填レベル電極と、を備え、前記リザーバ内の水の導電率の測定値を提供する、
請求項4に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記レベル検出器は、さらなる充填レベルを検出するために提供および配置される第3の電極(18)を備える、
請求項5に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記第2の充填レベル電極は、前記メッシュ(11)自体によって提供される、
請求項5または6に記載の装置(1)。
【請求項8】
センサ信号によって前記リザーバ内の水のゼロレベルを検出する低レベルのセンサが提供され、
特に、前記低レベルの検出器は、前記メッシュ(11)を備える、
請求項1から7のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項9】
前記圧力同等化開口(19)には、空気透過性かつ粒子非透過性の閉鎖物、特に疎水性膜が設けられている、
請求項2から8のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項10】
前記装置(1)が取り付けられるとき、前記装置(1)は、水平メッシュ位置につながるその取り付けによって、および、垂直メッシュ位置につながるその取り付けによって機能するように、前記リザーバには、リザーバ形状および前記リザーバ内のリメッシュ位置が提供される、
請求項1から9のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項11】
前記バルブ装置から前記リザーバにつながる前記送水管(8)は、前記リザーバに入る水が前記リザーバ内の前記メッシュの面を洗浄するように、前記水を導く前記リザーバの位置で終了する、
請求項1から10のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の装置(1)の動作方法であって、
加湿要求に応じて、前記リザーバ(9)は、前記バルブ装置(5)を制御することによって、前記ダクト(2)からの水で前記充填レベルまで充填され、
前記充填レベルに到達した後、前記バルブ装置は、前記リザーバへのさらなる給水を停止し、
前記バルブ装置は、前記ダクトからの水によって、継続的または定期的に浄化され、
水滴は、前記メッシュを振動駆動することによって、前記リザーバ内に含まれる前記水から生成される、
方法。
【請求項13】
前記リザーバは、進行中の加湿要求に応じて再充填され、
特に、前記リザーバは、前記リザーバ内の前記水のレベルが、前記リザーバ内に配置される追加の充填レベル電極(18)によって検出可能な追加の低い充填レベルに到達するとき、再充填される、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記リザーバ内の前記水が完全に使い果たされた後、加湿要求がもはや存在しないとき、前記リザーバが空のままである間、浄化のみが継続される、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
部屋またはキャビネットまたはテラリウムのような、いくつかの区画(30〜33)の加湿または断熱冷却のためのシステムであって、前記システムは、
前記いくつかの区画につながる導水管(20)と、
前記導水管(20)に直列に接続され、滴を前記区画のそれぞれに放出するように構成される請求項1〜11のいずれかに記載の装置(1)と、
を備え、
前記装置(1)は、少なくとも1つの加湿センサ(35)、特に区画ごとに1つの加湿センサ(35)を備え、
前記加湿センサ(35)は、その信号を前記装置(1)の対応する制御装置に送信することによって、1つまたは複数の装置(1)を制御する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水滴を生成する装置、この種の装置を動作する方法、および、この種の装置を用いた区画の加湿システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
水の蒸発による空気加湿の周知の装置が存在する。分散される空気加湿のための微細に霧化された水滴を用いることも同様に考察されてきた(16.ステータスセミナー「Forschen und Bauen im Kontext von Energie und Umwelt」、2010年9月2日/3日、Ch.Vogel、Dr.A.Grueniger、Dr.B.Wellig、「Ein behagliches Raumklima durch direkte adiabate Raumluftbefeuchtung mit Tropfen(DART)」)。しかしながら、この概念は、今まで日常使用に合う現実的な装置では用いられていなかった。国際公開第2008/100077号(WO2008/100077A1)は、建物の水道管に接続された内蔵型加湿器を示す。この加湿器は、リザーバの底で圧電セラミック振動器を用いて、リザーバから上昇し、リザーバより上に排出される霧化された水を提供する。加湿器が停止し、所定量の水がリザーバ内に残るときの細菌を防止するために、リザーバ内の水を除去する乾燥器が示唆される。国際公開第2010/015124号(WO2010/015124A1)は、リザーバと、リザーバの底の超音波トランスデューサと、リザーバから上向きに延在するミスト案内ダクトと、を有する他の加湿器を示す。米国特許出願公開第2002/0163090号明細書(US2002/0163090A1)および特開2006−292249号公報も同様に加湿器を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それゆえ、本発明によって解決される課題は、改良された加湿器を提供することにあり、特に、コストおよびエネルギー効率的かつ衛生的に危険でなく、部屋または他の区画の加湿を、非常に小さい水滴で提供することにあり、この加湿器は、キャビネット、例えば部屋および他の区画内に永久的に設置されるように構成され、設置のライフサイクルが長いため、日常使用に適している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明による装置およびシステムによって解決される。
【0005】
装置は、導水管への接続のための流入コネクタおよび流出コネクタを有する貫通ダクトと、前記ダクトおよび装置のリザーバに接続する送水管を有するバルブ装置と、を備え、前記バルブ装置は、リザーバを所定の充填レベルまで充填するように提供され、リザーバは、装置の滴発生器の穿孔された膜またはメッシュによって、それぞれ、一方側で閉鎖され、メッシュは、メッシュの一方側で、前記リザーバ内に存在する水によって覆われるように構成され、滴発生器のメッシュが振動するとき、装置の水滴出口を形成するメッシュは、メッシュの他方側から滴を放出し、装置は、バルブ装置および滴発生器を制御するための制御ユニットをさらに備える。
【0006】
この種の装置は、メッシュの滴発生器を、リザーバに対する出入口を有する貫通ダクトおよび制御されるバルブ装置と組み合わせて有し、結果として、この種の装置が区画、特に部屋の壁または屋根に設置されるとき、水漏れを確実に回避できるとともに、衛生的な問題を引き起こしうる量の残存水を確実に回避できる装置になることが明らかである。部屋またはキャビネットまたはテラリウムのようないくつかの区画の加湿または断熱冷却のためのシステム内で用いられるとき、いくつかの区画につながる閉リングの導水管を備え、この種の装置は、制御されかつ安全な、区画の加湿を可能にする。装置は、送水管に直列に接続され、滴を区画のそれぞれに放出するように構成される。少なくとも1つの加湿センサおよび特に区画ごとに1つの加湿センサによって、1つまたは複数の装置の制御が可能になる。
【0007】
好適実施形態では、リザーバには、メッシュから離隔して、かつ、リザーバの充填レベルより上の点に圧力同等化開口が設けられている。この種の開口によって、メッシュの過剰圧力を受動的に回避することができ、それゆえ、非常に確実にかつバルブ制御と独立してこの機能を実行する。メッシュの過剰圧力によって、水が大きい水滴によってメッシュから落下しうるので、視覚的に水として検出されうる、または、区画内の家具または物品に損害を与えるおそれがある。メッシュ自体もまた、過剰圧力によって損害が与えられ、その寿命が低下するおそれがある。装置およびシステムは、好適実施形態によってこの点で改善される。
【0008】
さらなる好適実施形態では、装置は、送水管を洗浄することを可能にし、このためにダクト内にスロットルを備え、バルブ装置には、スロットルより前のダクトの上流の点でダクトに接続する第1の送水管と、スロットルの後ろのダクトの下流の点でダクトに接続する第2の送水管と、リザーバにつながる第3の送水管と、が設けられ、バルブ装置は、制御ユニットによって制御可能であり、バルブ装置の1つの位置において、第1の送水管と第2の送水管とをバルブ装置内で接続し、第3の送水管が第1および第2の送水管から切断され、バルブ装置の第2の位置において、第3の送水管をダクトに接続する。バルブ装置の送水管を洗浄することは、衛生的な危険が装置およびシステムによって常に引き起こされ得ないことを保証する。
【0009】
装置および特にそのバルブ装置が、リザーバ内の水の所定の充填レベルを検出するように構成されるレベル検出器を備えることがさらに好ましい。これによって、リザーバ内の水量が、メッシュにかかるリザーバの水圧に関して安全側にあるように制御し、それゆえメッシュの寿命を最適化することができる。好適実施形態では、レベル検出器は、第1の充填レベル電極および第2の充填レベル電極とともに機能し、前記リザーバ内の水の導電率の測定値を提供する。特に空のレベルと完全なレベルとの間の追加の充填レベルは、さらなる充填レベルを検出するために提供および配置される第3の電極によって提供されてもよい。好適実施形態は、第2の充填レベル電極として金属メッシュまたは金属化メッシュを用いる。一方、装置およびシステムの完全な制御のために、低レベルのセンサは、センサ信号によって前記リザーバ内の水のゼロレベルを検出するために提供され、特に、低レベルの検出器がメッシュを備えることが好ましい。
【0010】
リザーバ内の水の汚染のいかなる可能性も回避するために、過剰圧力の開口を有する実施形態では、この種の開口には、空気透過性かつ粒子非透過性の閉鎖物、特に疎水性膜が設けられる。さらなる好適実施形態では、水をバルブ装置からリザーバに提供する送水管は、メッシュがリザーバに入る水によって洗浄可能な位置でリザーバに開口する。これによって、リザーバが充填されるとき、この洗浄水によって、メッシュ上に存在しうる気泡を取り除くことができる。
【0011】
本発明のさらなる態様は、請求項12に従って装置を動作する方法である。したがって、加湿要求に応じて、または、水滴による断熱冷却のための要求に応じて、例えば、区画内の空気が湿度閾値未満であるという信号を制御装置に送信するセンサ信号によって、リザーバは、バルブ装置を制御することによって、ダクトからの水で充填レベルまで充填される。充填レベルに到達した後、バルブ装置は、リザーバへのさらなる給水を停止し、バルブ装置は、ダクトからの水によって、継続的または定期的に浄化され、水は、ダクトから送水管を通り、送水管は、ダクトからバルブ装置につながり、そこからダクトに戻り、水滴は、メッシュを振動駆動することによって、リザーバ内に含まれる水から生成される。
【0012】
リザーバの水が完全に使い果たされた後、進行中の加湿要求があるか否かに応じて、充填および滴生成のステップのいずれかが繰り返される、または、リザーバが空のままである間、送水管およびバルブ装置の浄化のみが継続される。
【0013】
他の有利な実施形態は、従属請求項および以下の好適実施形態の説明において記載される。
【0014】
以下の詳細な説明から、本発明は、よりよく理解され、上述した以外の目的が明らかになる。この種の説明は、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に従う装置、システムおよび方法によって加湿または冷却されるいくつかの区画を概略的に示す。
【
図2】本発明に従う装置の一実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、4つの区画を示す。この種の区画は、建物の部屋でもよく、例えば仕事部屋または居間でもよい。区画は、加湿されるおよび/または断熱冷却によって冷却される食品用の陳列棚、テラリウム、冷蔵庫または他の任意の区画でもよく、加湿および/または冷却は、水滴の非常に微細なミスト、または換言すれば噴霧(nebulize)された水または霧化(atomize)された水によって達成可能である。
【0017】
区画の数、例えば部屋の数は、もちろん制限されるものではない。後述するように、1つの区画のみが加湿されてもよいし、非常に多数の区画が加湿されてもよい。扉および窓および区画の他の特徴は、図面を単純にするために示されない。水源からもたらされ、加湿されるすべての部屋につながる導水管20が示される。水は、水道水とすることもできるし、または、好ましくは、オゾン化または紫外線によって追加で処理されてもよい、および/または、銀イオンで処理されてもよい純水とすることもできる。水は、導管20内を矢印方向Wに流れる。
【0018】
加湿装置1は、この導管内に配置され、この種の装置のための一例を示す
図2に関して後述されるように、導管と直列に接続される。したがって、各装置1は、導管との直列接続のために、導管から入る水のための入口接続と、装置から流出し、導管に戻る水のための出口接続と、を有する。電力供給もまた、各装置に接続される。電力供給は、装置ごとに個別でもよいし、図示のように、区画を通ってつながる電力供給ケーブル22によって提供されてもよい。好ましくは、装置のための供給電圧は、低電圧であり、この低電圧が危険ではないので、大部分の国におけるケーブルは、給水配管に結合される。電力供給に加えて、この種のケーブル22は、各装置の制御装置に接続される電気制御線を備えてもよい。
【0019】
湿度用のセンサ35は、好ましくは、各区画内に存在する。区画の1つにおいてセンサ35から装置1に向けられた矢印によって示されるように、センサ35は、無線で各装置1の制御装置に接続されてもよい。接続は、ブルートゥース接続でもよい。または、センサは、ケーブル22に電気的に接続され、それゆえ、対応する装置1の制御装置にワイヤで接続されてもよい。例えば
図2に示されるように、センサ35は、装置1の一部でもよい。好ましくは、各区画は、その同一区画の装置1に接続されているセンサ35を有する。1つのセンサが、2つ以上の装置1のために提供され、これらの2つ以上の装置1が、同一のセンサ信号または加湿要求にそれぞれ応答してもよい。
【0020】
各装置1は、噴霧された水のための出口12を有する。「噴霧される」という用語の代わりに、「霧化される」という用語も同様に用いられる。「滴」という用語は、本願明細書では、マイクロホールをそれぞれ有するメッシュまたは膜の振動によって生成される非常に微細な水滴のために用いられる。この技術は、吸入目的のための医療用噴霧器から特に公知である。多数の非常に微細なホールを有するメッシュが提供される。メッシュの一方側に、液体(本発明では単なる水)が存在し、ホールは非常に微細であるので、水は静止したメッシュを通過しない。しかしながら、メッシュが数キロヘルツで振動するとき、細かい水滴は、メッシュを通過し、非常に小さいサイズを有する水滴のミストとしてメッシュの他方側に出る。この種の穿孔された膜またはメッシュのそれぞれ、および、圧電性の振動手段および振動を提供するための発電機は、当業者に公知であり、市場で利用可能である。メッシュ、圧電ドライバおよび発電機回路は、これらの部分およびこれらの接続が公知であるので、本願明細書では詳細に説明されない。
【0021】
図2は、装置1の1つを概略的により詳細に示す。図示のダクト2は、ダクトまたは装置の入口コネクタ3からそれぞれダクトまたは装置の出口コネクタ4まで装置1を通って水を通過させる。装置1およびそれゆえダクト2を導水管20に接続するためのコネクタは、単に概略的に参照番号3、4によって描写される。これは、標準的な送水管コネクタとすることができる。それゆえ、水は、導管20からこの導管内に存在する圧力下で、方向Wで、コネクタ3を通りダクト2に入り、水は、ダクトからコネクタ4を介して導管20に出る。ダクト2から、送水管6は、その開口16でダクト2に接続され、単なる箱によって概略的に示されるバルブ装置5につながる。破線は、バルブ装置5により提供される異なる水流方向を示し、以下で説明される。バルブ装置5から、もう1つの送水管7は、ダクト2に戻り、そこの開口17でダクト2に接続される。第3の送水管8は、バルブ装置5からリザーバ9につながる。バルブ装置5は、制御装置25と呼ばれる装置1の制御回路によって制御される。これは、当業者に公知のマイクロコンピュータに基づく制御回路とすることができる。制御装置25および電力供給エネルギーを必要とする装置1の他の構成要素は、上述した電気線22によって供給される。制御線22’を介して入る外側の制御信号が処理される場合、これは、制御装置25によって同様に行われる。それゆえ、制御装置は、信号をセンサ35から受信することができるか、または、上述したようにこの種のセンサ信号を無線で受信することができる。この場合、制御装置25は、本実施形態では図示されない装置1の無線受信機に接続される。制御装置は、装置1の滴出口12を提供するメッシュ11を含む滴発生器10の起動および停止を同様に制御する。
【0022】
リザーバ内に含まれる水が噴霧され、メッシュの出口側12で装置1から出るように、メッシュ11は、リザーバ9の一部を形成する。
【0023】
バルブ装置5が、送水管6を送水管8に接続するとともに、送水管7を遮断するように、制御装置25を介してバルブ装置5を制御することによって、リザーバ9は、充填される。それゆえ、導管20から供給されるダクト2からの水は、リザーバ9に充填される。好ましくは、送水管8は、メッシュ11の近傍でリザーバ9内につながるので、メッシュの面は、送水管8を介してリザーバに入る水によって洗浄される。充填は、図の破線によって示される上の充填レベルFまでしか許容されない。過剰充填を回避するために、少なくとも1つのセンサが提供され、このセンサは、好ましくは、上の充填レベルに到達することを抵抗測定によって検出できるように、下方電極および上方電極を備える。水が下方充填レベル電極と上方充填レベル電極との間に存在するとき、抵抗測定は、電極を接続する水がない場合より低い値を与える。図示の実施形態では、下方電極は、少なくとも部分的に導電性のメッシュ11自体によって提供されるので、充填レベル電極として機能してもよい。上方電極15は、リザーバ9内の金属部分である。電極11、15の両方は、制御装置25に接続され、制御装置25は、抵抗測定を行い、それゆえ、最大充填レベルに到達するときを検出することができる。中間電極18も同様に提供されてもよい。この電極18もまた制御装置25により用いられ、下方電極11と電極18との間の抵抗を測定する。
【0024】
水がリザーバ9の最大充填レベルFに到達するとき、制御装置25は、バルブ装置5を制御し、送水管8を送水管6から切断するので、さらなる水は、リザーバに入らない。次に、制御装置25は、滴発生器10を起動し、メッシュ11を振動させるので、水のミストは、出口12で装置1から出る。それゆえ、それぞれの区画内の空気には、区画の空中で蒸発する極めて微細な水滴が提供される。それゆえ、区画は、加湿および冷却される。リザーバ9内の水が完全に使い果たされた後、より多くの加湿が必要であるという信号として制御装置が解釈するセンサ35によるメッセージを制御装置25が依然受信する場合、リザーバを充填するステップが繰り返されてもよい。次に、充填されたリザーバは、同様にその内容物を噴霧することによって空にされる。中間電極18による好適な追加の充填レベル検出が存在する場合、センサ35による加湿要求が制御装置25によって検出される間、リザーバを完全に空にする必要はない。リザーバの充填レベルが電極18に到達したとき、リザーバは、すでに充填可能になる。それゆえ、加湿要求が存在する限り、リザーバ9は、空にならない。この種の要求がもはや存在しなくなった後にのみ、リザーバは、完全に空にされる。
【0025】
リザーバが空にされ、さらなる加湿が必要でないとき、加湿のための新規な要求が制御装置25によって認識されるまで、リザーバは、水が空のままにされる。この場合、その後、リザーバは充填され、噴霧が再開される。実際の加湿が必要でないとき、リザーバ9が空に保たれることは、装置1の操作の好適な態様である。このようにして、残留水は、リザーバ9内に存在しないか、または、ほとんど存在せず、それゆえ、水の衛生的な特性に対する懸念がなくなる。
【0026】
リザーバが上述したように充填されるとき、制御装置25は、バルブ装置5を制御し、送水管6(送水管8およびリザーバにそれぞれもはや接続されていない)は、次に送水管7に接続され、送水管6、バルブ装置5および次に送水管7に入る水は、ダクト2を介して装置から出て、流出コネクタ4に接続されている導管20に流れる。これによって、送水管6、7およびバルブ装置は、流入コネクタ3から入る導管20からの新鮮な水によって、(リザーバ9が充填されているときを除き)常に清掃される。これは、送水管6、7およびバルブ装置内にたまる残留水に対するあらゆる懸念も同様に解消する。リザーバがその内容物を噴霧することによって空にされた間、および、装置が空のリザーバにより「停止した」状態にあり、センサ35からの信号によってトリガされるような噴霧を求める新規な要求を待つ間、新鮮な水の流れが発生する。もちろん、図示されない主要の制御装置は、リザーバ9の充填および噴霧も同様に、例えば、各装置に接続されている信号線22’を介してトリガしてもよい。これは、すべての装置1を有するシステム全体が機能的な制御のために起動される場合に当てはまってもよい。
【0027】
リザーバ9には、好ましくは、圧力同等化開口19が設けられ、圧力同等化開口19は、リザーバにおいて、メッシュ11から離隔して、かつ、最大充填レベルより上に設けられている。この開口19は、充填中にメッシュ11を過剰圧力から保護し、リザーバの水圧があまりに高くなることを常に回避する。開口19は、空気透過性かつ粒子非透過性の閉鎖物によって、特に疎水性膜によって閉鎖されてもよく、リザーバのいかなる汚染を回避することができる。
【0028】
ダクト2は、好ましくはスロットル23を備え、バルブ装置がダクト2を迂回する送水管6および7を接続するときおよび接続する間に、送水管6、7およびバルブ装置を通る流れが常に存在することを確実にする。スロットルは、当業者に周知の任意のスロットリング手段によって、例えば、より小さい直径を有する前記ダクト2の部分によって形成可能である。
【0029】
リザーバ9は、リザーバ内に含まれるすべての水が噴霧されるように成形される。装置を区画の壁に取り付けるか、または、天井に取り付けるかに応じて、リザーバは、リザーバが確実に完全に空にできるように異なる形状を有してもよい。次に、取り付けに応じて、設置する人によって選択されなければならない2種類の装置が存在する。壁または天井の取り付け位置に関係なく、メッシュが最低レベルに存在するようにリザーバを成形することは可能であり、好ましい。この種のリザーバは、好ましく、
図2に概略的に示される。リザーバ9に異なる場所の2つのメッシュを設けることもでき、その結果、異なるメッシュは、装置の取り付け位置に応じて動作する。
【0030】
このように、水が非常に小さいホールを有するメッシュの振動によって噴霧される加湿装置が示される。メッシュは、バルブ装置によって供給されるリザーバの一部であり、バルブ装置は、水を、導管から装置内のいくつかの送水管を通り導管に戻すか、または、リザーバに導くことができる。装置およびこの種の装置を備えるシステムによって、ほとんど視覚的に検出できない非常に微細な水のミストによって、部屋のような区画を加湿および/または冷却することができる。システムおよび装置は、手入れがほとんど不要な永久装置の一部であるように構成される。
【0031】
本発明の好適実施形態が図示および説明されてきたが、本発明がこれらに限定されるものではなく、以下の請求項の範囲内でさまざまに実施および実行されてもよいことを理解されたい。
【国際調査報告】