(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-534100(P2017-534100A)
(43)【公表日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】USB Type C−MHL M1での充電切れバッテリーの充電
(51)【国際特許分類】
G06F 1/26 20060101AFI20171020BHJP
G06F 3/00 20060101ALI20171020BHJP
【FI】
G06F1/26 F
G06F1/26 Z
G06F3/00 Q
G06F3/00 V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-511216(P2017-511216)
(86)(22)【出願日】2015年8月24日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月3日
(86)【国際出願番号】FI2015050542
(87)【国際公開番号】WO2016030573
(87)【国際公開日】20160303
(31)【優先権主張番号】14/469,037
(32)【優先日】2014年8月26日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】タルモラ ペッカ
【テーマコード(参考)】
5B011
【Fターム(参考)】
5B011DA13
5B011DB19
5B011DB20
5B011DB22
5B011GG03
5B011GG06
(57)【要約】
ケーブル、コネクタ、および/またはその他デバイスのための、方法と、コンピュータ・プログラム製品を含む装置とが提供される。一側面では、装置が提供される。装置は、ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスへの結合を可能にするよう構成された第1のインターフェースと、結合されるとモバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の量を少なくとも判断し、第1のインターフェースに結合されたプルアップ回路構成の値を判断された量に基づいて調整するよう構成されたコントローラ回路構成と、モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスへの結合を可能にするよう構成された第2のインターフェースと、を備えてもよい。関連する装置、システム、方法、および物品も記載される。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスへの結合を可能にするよう構成された第1のインターフェースと;
結合されるとモバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の量を少なくとも判断し、前記第1のインターフェースに結合されたプルアップ回路構成の値を前記判断された量に基づいて調整するよう構成されたコントローラ回路構成と;
前記モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスへの結合を可能にするよう構成された第2のインターフェースと;
を有する装置。
【請求項2】
前記プルアップ回路構成は、前記第1のインターフェースの設定制御線に結合された1つ以上のプルアップ抵抗器を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プルアップ回路構成は、前記第1のインターフェースの設定制御線に結合された電流源を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記コントローラ回路構成は、前記モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の前記量を判断するために前記第2のインターフェースにてデータ線に結合する、請求項1〜3に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラ回路構成は、前記モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の前記量を前記ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスに通知することを可能にするために、前記値を調整する、請求項1〜4に記載の装置。
【請求項6】
前記コントローラ回路構成は、前記ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスにおける電源が、前記第1のインターフェースにおけるモバイル・ハイデフィニション・リンク・プロトコル通信を提供するオルタナティブ・インターフェース・モードの電力を供給するのに不十分である場合、前記量を判断して前記値を調整する、請求項1〜5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のインターフェースは、ユニバーサル・シリアル・バス・デバイス・タイプcインターフェースを有する、請求項1〜6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のインターフェースは、モバイル・ハイデフィニション・リンク・ネクスト・インターフェースを有する、請求項1〜7に記載の装置。
【請求項9】
前記プルアップ回路構成はさらに、前記第2のインターフェースにて電力源に結合される、請求項1〜8に記載の装置。
【請求項10】
前記コントローラ回路構成は、前記モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の前記判断された量を、電力供給通信を介して前記第1のインターフェースに提供するようさらに構成される、請求項1〜9に記載の装置。
【請求項11】
第2のインターフェースに結合されるとモバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の量をコントローラ回路構成により判断することと;
ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスへの結合を可能にするよう構成された第1のインターフェースに結合されたプルアップ回路構成の値を、前記コントローラにより調整すること、ただし、前記調整は、前記判断された量に基づく、前記調整することと;
を含む方法。
【請求項12】
前記プルアップ回路構成は、前記第1のインターフェースの設定制御線に結合された1つ以上のプルアップ抵抗器を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プルアップ回路構成は、前記第1のインターフェースの設定制御線に結合された電流源を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記コントローラ回路構成は、前記モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の前記量を判断するために前記第2のインターフェースにてデータ線に結合する、請求項11〜13に記載の方法。
【請求項15】
前記コントローラ回路構成は、前記モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の前記量を前記ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスに通知することを可能にするために、前記値を調整する、請求項11〜14に記載の方法。
【請求項16】
前記コントローラ回路構成は、前記ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスにおける電源が、前記第1のインターフェースにおけるモバイル・ハイデフィニション・リンク・プロトコル通信を提供するオルタナティブ・インターフェース・モードの電力を供給するのに不十分である場合、前記量を判断して前記値を調整する、請求項11〜15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のインターフェースは、ユニバーサル・シリアル・バス・デバイス・タイプcインターフェースを有する、請求項11〜16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のインターフェースは、モバイル・ハイデフィニション・リンク・ネクスト・インターフェースを有する、請求項11〜17に記載の方法。
【請求項19】
前記プルアップ回路構成はさらに、前記第2のインターフェースにて電力源に結合される、請求項11〜18に記載の方法。
【請求項20】
前記コントローラ回路構成は、前記モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の前記判断された量を、電力供給通信を介して前記第1のインターフェースに提供するようさらに構成される、請求項11〜19に記載の方法。
【請求項21】
第2のインターフェースに結合されるとモバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の量を判断する手段と;
ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスへの結合を可能にするよう構成された第1のインターフェースに結合されたプルアップ回路構成の値を調整する手段であって、前記調整は、前記判断された量に基づく、前記調整する手段と;
を有する装置。
【請求項22】
前記プルアップ回路構成は、前記第1のインターフェースの設定制御線に結合された1つ以上のプルアップ抵抗器を備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記プルアップ回路構成は、前記第1のインターフェースの設定制御線に結合された電流源を備える、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記コントローラ回路構成は、前記モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の前記量を判断するために前記第2のインターフェースにてデータ線に結合する、請求項21〜23に記載の装置。
【請求項25】
前記コントローラ回路構成は、前記モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の前記量を前記ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスに通知することを可能にするために、前記値を調整する、請求項21〜24に記載の装置。
【請求項26】
前記コントローラ回路構成は、前記ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスにおける電源が、前記第1のインターフェースにおけるモバイル・ハイデフィニション・リンク・プロトコル通信を提供するオルタナティブ・インターフェース・モードの電力を供給するのに不十分である場合、前記量を判断して前記値を調整する、請求項21〜25に記載の装置。
【請求項27】
前記第1のインターフェースは、ユニバーサル・シリアル・バス・デバイス・タイプcインターフェースを有する、請求項21〜26に記載の装置。
【請求項28】
前記第2のインターフェースは、モバイル・ハイデフィニション・リンク・ネクスト・インターフェースを有する、請求項21〜27に記載の装置。
【請求項29】
前記プルアップ回路構成はさらに、前記第2のインターフェースにて電力源に結合される、請求項21〜28に記載の装置。
【請求項30】
前記コントローラ回路構成は、前記モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の前記判断された量を、電力供給通信を介して前記第1のインターフェースに提供するようさらに構成される、請求項21〜29に記載の装置。
【請求項31】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項11から20のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成されるプログラム命令を備える、コンピュータ・プログラム。
【請求項32】
第1のインターフェースと;
前記第1のインターフェースの結合を可能にするよう構成された第2のインターフェースと;
モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の量を少なくとも判断し、前記第2のインターフェースに結合されたプルアップ回路構成の値を前記判断された量に基づいて調整するよう構成されたコントローラ回路構成と;
前記モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスへの結合を可能にするよう構成された第3のインターフェースと;
を有する装置。
【請求項33】
ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスまたはユーザ機器の少なくとも1つが前記第1のインターフェースを備える、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスへの結合を可能にするよう構成された第1のインターフェースと;
結合されるとモバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の量を少なくとも判断して、前記第1のインターフェースに結合されたプルアップ回路構成の値を前記判断された量に基づいて調整するよう構成されたコントローラ回路構成と;
第2のインターフェースと;
前記第2のインターフェースへの結合を可能にするよう構成された第3のインターフェースと;
を有する装置。
【請求項35】
前記モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスは、前記第3のインターフェースを備える、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記第3のインターフェースは、モバイル・ハイデフィニション・リンク・レセプタクルを有する、請求項34〜35に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願明細書に記載される主題は、ケーブル、コネクタ、および/または充電器に関する。
【0002】
ユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)とともに使用されるコネクタなどの物理的なコネクタを使用して、デバイス同士を結合することができる。USB標準は、USBの物理的および電気的側面を定義するために使用され得る。そうした標準の例としては、ユニバーサル・シリアル・バス3.1仕様およびユニバーサル・シリアル・バス3.0仕様、ならびにそれらに対する任意の追加、改訂、および更新が挙げられる。より近時においては、サイズが相対的に小さくプラグの向きおよび/またはケーブルの方向に関係なく結合可能なように構成されているUSB型コネクタとして、USB Type−Cコネクタが出現した。
【0003】
ケーブル、コネクタ、および/またはその他デバイスのための、方法と、コンピュータ・プログラム製品を含む装置とが提供される。
【0004】
いくつかの例示の実施形態では、装置が提供され得る。装置は、ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスへの結合を可能にするよう構成された第1のインターフェースと、結合されるとモバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の量を少なくとも判断し、第1のインターフェースに結合されたプルアップ回路構成の値を判断された量に基づいて調整するよう構成されたコントローラ回路構成と、モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスへの結合を可能にするよう構成された第2のインターフェースと、を備えてもよい。
【0005】
いくつかの変形では、以下の特徴を含め、本願明細書において開示される特徴の1つ以上が、任意選択で、実現可能な任意の組み合わせに含められることが可能である。プルアップ回路構成は、第1のインターフェースの設定制御線に結合された1つ以上のプルアップ抵抗器を備えてもよい。プルアップ回路構成は、第1のインターフェースの設定制御線に結合された電流源を備えてもよい。コントローラ回路構成は、モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の量を判断するために第2のインターフェースにてデータ線に結合してもよい。コントローラ回路構成は、モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の量をユニバーサル・シリアル・バス・デバイスに通知することを可能にするために、値を調整してもよい。コントローラ回路構成は、ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスにおける電源が、第1のインターフェースにおけるモバイル・ハイデフィニション・リンク・プロトコル通信を提供するオルタナティブ・インターフェース・モードの電力を供給するのに不十分である場合に、量を判断してもよく、値を調整してもよい。第1のインターフェースは、ユニバーサル・シリアル・バス・デバイス・タイプcインターフェースを備えてもよい。第2のインターフェースは、モバイル・ハイデフィニション・リンク・ネクスト・インターフェースを備えてもよい。プルアップ回路構成はさらに、第2のインターフェースにて電力源に結合されてもよい。コントローラ回路構成は、モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の判断された量を、電力供給通信を介して第1のインターフェースに提供するようさらに構成されてもよい。
【0006】
いくつかの例示の実施形態では、装置が提供され得る。装置は、第1のインターフェースと、第1のインターフェースの結合を可能にするよう構成された第2のインターフェースと、モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の量を少なくとも判断し、第2のインターフェースに結合されたプルアップ回路構成の値を判断された量に基づいて調整するよう構成されたコントローラ回路構成と、モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスへの結合を可能にするよう構成された第3のインターフェースと、を備えてもよい。
【0007】
いくつかの変形では、以下の特徴を含め、本願明細書において開示される特徴の1つ以上が、任意選択で、実現可能な任意の組み合わせに含められることが可能である。ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスまたはユーザ機器の少なくとも1つが第1のインターフェースを備えてもよい。
【0008】
いくつかの例示の実施形態では、装置が提供され得る。装置は、ユニバーサル・シリアル・バス・デバイスへの結合を可能にするよう構成された第1のインターフェースと、結合されるとモバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスにて供給可能な電流および/または電圧の量を少なくとも判断し、第1のインターフェースに結合されたプルアップ回路構成の値を判断された量に基づいて調整するよう構成されたコントローラ回路構成と、第2のインターフェースと、第2のインターフェースへの結合を可能にするよう構成された第3のインターフェースと、を備えてもよい。
【0009】
いくつかの変形では、以下の特徴を含め、本願明細書において開示される特徴の1つ以上が、任意選択で、実現可能な任意の組み合わせに含められることが可能である。モバイル・ハイデフィニション・リンク・デバイスは、第3のインターフェースを備えてもよい。第3のインターフェースは、モバイル・ハイデフィニション・リンク・レセプタクルを備えてもよい。
【0010】
上記の側面および特徴は、所望の構成に応じて、システム、装置、方法、および/または物品に実装されてもよい。本願明細書に記載された主題の1つ以上の変形の詳細が、添付図面および下記の説明中に記載される。本願明細書において記載される主題の特徴および利点は、本記載および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面には以下を示す。
【0012】
【
図1】USB Type CをMHL M1に結合するケーブル・システムの例を示す。
【0013】
【
図2A】いくつかの例示的な実施形態による、USB Type CをMHL M1に結合するケーブル・システムの別の例を示す。
【0014】
【
図2B】いくつかの例示的な実施形態による、USB Type CをMHL M1にインターフェースで接続するプロセスを示す。
【0015】
【
図3】いくつかの例示的な実施形態による装置の例を示す。
【0016】
図面中、同じ表示が、同一または類似の項目を指すために使用されている。
【0017】
本願明細書において開示される例の一部は、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)およびモバイル・ハイデフィニション・リンク(MHL:Mobile High−definition Link)を含む特定タイプのコネクタおよびインターフェースを指すが、他のタイプのアクセサリおよびインターフェースも本願明細書において開示された主題に従って使用され得る。さらに、一部の例は、特定のピン配列構成を示すが、他の構成も使用され得る。
【0018】
モバイル・ハイデフィニション・リンク(MHL)インターフェースは、モバイル高速インターフェースを提供するべく、MHL3.0およびそれに対する任意のその後の改訂および更新など、1つ以上の標準により規定されている。MHLインターフェース標準の各先行バージョンは、USB Micro−BおよびHDMI(登録商標)Type Aコネクタなどの他のインターフェースタイプに対するサポートを提供した。しかしながら、MHLは、MHL Next M1(またはより簡潔にM1コネクタ)と呼ばれる専用のMHL限定コネクタを規定する可能性がある。M1コネクタは、対称形で上下反転可能なマルチピンコネクタ(例えば32ピン)となるかもしれず、M1コネクタは、例えば、6本の高速遷移数最少差動信号伝送方式(TMDS:transition−minimized differential signaling)レーン、専用USB2.0線、ID線、eCBUS線、VBUS電力、および/またはGNDリターンを提供するよう構成され得る。
【0019】
MHLが進化する一方、USBインターフェースも進化しており、Type Cコネクタを提供している。USB Type Cコネクタは、1×USB2.0、2×USB3.1、2×CC線/VCON、VBUS、および/またはGNDの能力を有する、対称形で上下反転可能な24ピンコネクタとして実装され得る。さらに、USB Type Cコネクタは、SBU(
side
band
use(サイドバンドユーズ)ピンおよび/または将来的使用のために保留(
reserved for
future
use))ピンを2本備え得る。Type C仕様は、オルタネート・インターフェース・モードでのType Cインターフェースの使用を可能にし得る。このオルタネート・インターフェース・モードには、特定の電力供給(PD:power delivery)通信を使用して入ることができる。このオルタネート・インターフェース・モードでは、Type Cピンの一部が、非USBプロトコル用に再割り当てされることが可能であり、結果としてType Cピンの機能性の配列に柔軟性を与える。この柔軟性は、Type Cコネクタが、とりわけMHLとともに使用されることを可能にし得る。例えば、Type Cコネクタを備えるスマートフォンなどのType Cデバイスが、ケーブルを介して、テレビ、セット・トップ・ボックス、および同様のものなどのMHL M1デバイスに結合され得る。
【0020】
図1は、いくつかの例示の実施形態による、USB Type Cレセプタクル105、Type C対M1 MHLケーブル150、およびM1レセプタクル195を備えるシステム100を示す。
【0021】
USB Type Cレセプタクル105は、次のピン:電力提供のための(VBUS)と表示された電源バス、(SBU 1およびSBU 2と表示された)データ・ピン、および/または(CC1と表示された)設定制御ピンのうち1つ以上を備え得るが、他のピン配列構成および/またはピンの数量も使用され得る。さらに、USB Type Cレセプタクル105は、ホスト・デバイス、アクセサリ・デバイス、スマートフォン、および/またはその他任意のデバイスなどのデバイスに所在してもよい。
【0022】
図1はUSB Type CおよびMHL Next M1を示すが、他のタイプのインターフェースも使用され得る。さらに、
図1は、Type Cおよび/またはMHLのピン配列機能性の全てを示すものではない(例えば、示されている高速データ・レーンは、それらが本願明細書において開示される主題の説明に必須ではないため、図示されていない)。
【0023】
さらにType C対M1 MHLケーブル150(以下ケーブル・システム150)は、Type Cプラグ152、ケーブル回路構成170、およびM1プラグ180を備えてもよい。
【0024】
Type Cプラグ152は、Type Cレセプタクル105に結合してもよい。さらに、VBUS、SBU 1、SBU 2、CC1、および/または他のピンが結合できるように、Type Cプラグ152のピン配列の一部は、Type Cレセプタクル105としてのピン配列構成に類似してもよい。
【0025】
ケーブル回路構成170は、識別子(ID:identifier)チップ175などのコントローラ・チップを備えてもよい。このIDチップは、(SW1と表示された)スイッチ178を介してVBUSにより給電されてもよく、このスイッチは、制御線169を介したIDチップ175の制御下で(開として示されているが)開閉可能である。
【0026】
ケーブル回路構成170は、プルダウン抵抗器172(Rd)をさらに備えてもよい。ケーブル・システム150がType Cレセプタクル105に結合すると、プルダウン抵抗器172がCC線173Cをプルダウンして、有効な接続が行われたこと、および/またはケーブル・システム150がスレーブであることを、Type Cデバイスに示してもよい。次に、IDチップ175は、USB電力供給(PD)通信プロトコルをCC線173A〜C上で開始してもよい。このPD通信プロトコルはCC線上のベースバンドで、ホスト・デバイス199のType Cインターフェースおよびレセプタクル105を、MHLデバイス196との適合性を与えるべくMHLに設定され得るオルタネート・インターフェース・モードにするために生じ得る。
【0027】
ホスト・デバイス199のType Cインターフェース/レセプタクル105がオルタネート・インターフェース・モードのとき、Type Cホスト・デバイス199は、例えばMHLデバイス196と通信するためにMHLステートまたはモードで動作するべく、ピン配列設定を再定義してもよい。ホスト・デバイス199はさらに、(SW2と表示されている)スイッチ198Aを閉じてもよく、その結果、(Rdと表示されている)抵抗器198BがCBUS/ID線182の1つからグランドに接続される。スイッチ198Aを閉じる(これによりホスト199の(Rdと表示されている)抵抗器198BをMHLプラグのCBUS/ID線182に結合する)ことは、MHLシステムが、ケーブル・システム150の両プラグ152/180の極性または向きを認識できるようにしてもよい。もう一方のID/CBUS線184は、MHL eCBUS通信に使用されてもよい。さらに、VBUS線上のスイッチ178(SW1)が閉じられてもよく、したがって、MHLシンク196は、電源として機能でき、Type Cデバイスは、例えばMHL NextおよびUSB Type C仕様に従って充電電流を取り込むことができる。
【0028】
しかしながら、Type Cデバイス199のバッテリーが消耗している(例えば充電切れ、充電不足、または同様の状態である)場合、Type Cデバイス199の電力はPD通信を実行するには不十分であり、Type Cデバイス199がオルタネート・インターフェース・モードに入ってMHLモード動作を提供することが困難になる。それでもType Cデバイスは、そのバッテリーを充電するためにVBUSを介して受電することはできるかもしれない。しかし、USB Type C仕様によれば、これを行うためにType Cデバイスは、Type C電源/充電器(この事例ではケーブル・システム170および/またはMHLデバイス196)がVBUSを介して接続して充電を開始できるようにするために、プルダウン抵抗(または電流シンク)を両CCピンにおいて提供する必要があるかもしれない。
【0029】
バッテリーが消耗している場合には、ケーブル・システムは、部分的にUSB充電器として機能する必要があるかもしれない。よって、ケーブル・システムは、CC線のためのプルアップ抵抗器を提供してもよく、VBUS線(単数または複数)に電力を提供してもよい。したがって、ケーブル・システムは、USBホスト(例えば充電器などの電力源として)と、USBスレーブ・デバイスとの双方として機能できる、いわゆる「USBデュアルロールデバイス」として動作してもよい。いくつかの例示の実施形態によれば、バッテリーが消耗している場合、ケーブル・システムは、ホストモードで動作して充電電流または電圧を提供してもよい。通常動作では、2つのデュアルロールUSBデバイス同士が接続されているとき(すなわちType Cデバイスおよびケーブル・システム)、ケーブル・システムはホストまたはデバイス・アクセサリ(もしくはスレーブ)として動作し得るが、PD通信がMHLでのオルタナティブ・インターフェース・モード動作に移行すると、USBホストとデバイス・アクセサリとの区別はほとんど問題にならない。さらに、USBホスト/デバイスロールは、例えばSwapRolesなどのPDコマンドを使用して入れ替えられてもよい。
【0030】
いくつかの例示の実施形態では、本願明細書において開示される主題は、USBおよびMHLなどの異なる2つのインターフェースを結合し得るケーブル・システムを提供し得る。
【0031】
いくつかの例示の実施形態では、ケーブル・システムは、Type CデバイスをMHLデバイスに結合してもよい。
【0032】
いくつかの例示の実施形態では、ケーブル・システムは、抵抗器、識別回路構成、および/または同様のものなどの回路構成を備えてもよい。いくつかの例示の実施形態では、ケーブル・システム回路構成は、結合されたMHLデバイスからの充電能力情報を示すためおよび/または充電能力情報をType Cデバイスに通知するためのIDチップを備えてもよい。いくつかの例示の実施形態では、ケーブル・システムはさらに、充電電流または電圧を充電能力情報に基づいて調整する可変抵抗器を備えてもよい。抵抗器は、充電器および/またはケーブル・システム内に所在してもよい。
【0033】
いくつかの例示の実施形態では、ケーブル・システムはType Cデバイスのバッテリーが消耗しても動作し得るが、ケーブル・システムはそれ以外のときにも使用され得る。例えばケーブル・システムは、Type C USBデバイスがMHLをまったくサポートしない場合に使用されてもよい。
【0034】
図2Aは、いくつかの例示の実施形態による、USB Type Cレセプタクル105、Type CーM1 MHLケーブル250(ケーブル・システム250)、およびM1レセプタクル195を備えてもよいシステム200を示す。いくつかの例示の実施形態によれば、さらにケーブル・システム250は、Type Cプラグ152、ケーブル回路構成270、およびM1プラグ180を備えてもよい。
【0035】
ケーブル・システム250は、2つのプラグを備えるものとして示されているが、いくつかの例示の実施形態では、プラグの1つ以上は他の形でも実装され得る。例えばプラグ152は、デバイス199のUSBインターフェースに直接配線されてもよい。同じく、プラグ180は、デバイス196のMHLインターフェースに直接配線されてもよい。さらに、プラグ152および/またはプラグ180はレセプタクルとしても実装され得る。
【0036】
スイッチ270は、1つ以上の位置の間で切り替わるように構成されてもよい。第1の位置では、スイッチ270は、ケーブル・システムをホストとして動作させるために(例えば電力または充電をもたらすために)、設定制御(CC1)線173Bをプルアップ抵抗器272に結合してもよい。第2の位置では、スイッチ270は、設定制御線173Bをプルダウン抵抗器172に結合して、USBデバイスをホストにしてもよい。第3の位置では、スイッチ270は、設定制御線173Bを開位置に結合して、ケーブル・システムを中間状態にしてもよい(例えば、中間状態では、どのプルアップ抵抗器またはプルダウン抵抗器も結合されず、これは事実上、ケーブル・システムがUSBデバイス199に接続されないことを表す)。第3の位置は、ケーブル・システムがMHLシンクへの接続を介して給電されるまで、CC線173Bの接続を回避するためにCC線を切断されたままにする。スイッチ270は、IDチップ275などの制御回路構成により制御されてもよく、この制御は制御線282を介してもよい。IDチップはさらに、電源をVBUSに結合するようにスイッチ178を線280を介して制御してもよい。いくつかの例示の実施形態では、IDチップ275を備えるケーブル回路構成270は、上記のとおり、USB動作もサポートするために、スイッチ270を制御して、プルアップ抵抗器、Ru、272を設定制御(CC1)線173Bに結合してもよい(例えば、ケーブル・システム250および/またはMHLデバイス196により充電/給電のために提供可能な電流または電圧を表す抵抗値をデバイス199が判断/読み取りできるようにするために、一定の抵抗を提供する)。さらに、いくつかの例示の実施形態によれば、プルアップ抵抗器、Ru、272の抵抗値は、IDチップ275を備えるケーブル回路構成270により変化されてもよい。例えば、IDチップ275は、いくつかの例示の実施形態によれば、MHLプロトコルおよびCBUS1/ID 233AまたはBを介してMHLデバイス196と通信して、MHLデバイス196にてどの程度の電流または電力がType Cデバイス199の給電または充電のために供給可能かを判断してもよい。この判断に基づき、次にIDチップ275は、プルアップ抵抗器、Ru、272の値を変化させてもよく、その結果、Type Cデバイス199は、ケーブル・システム250およびMHLデバイス196を用いた充電中にどの程度の充電または電圧を期待できるかを判断することができる。いくつかの例示の実施形態によれば、このようにして、ケーブル・システム250は、USB充電を開始するために、MHLにて供給可能な充電または電圧の量を(MHLプロトコルを介して)判断して、供給可能な充電または電圧をプルアップ抵抗器Ru272を介してType Cデバイスに通知してもよい。
【0037】
プルアップ抵抗器、Ru、272の値は、どの程度の充電電流がケーブル・システム250から引き込み可能かをType Cデバイス199などの結合されているデバイスに通知またはアドバタイズするために、(ホスト・デバイスとして機能している)ケーブル・システム250により使用されてもよい。なお、Type Cデバイス199のバッテリーが消耗しまたは充電不足であるとき、Type Cデバイス199はまだUSB動作モードであるかもしれず、よって、Type Cデバイス199は、MHLシンク196がどの程度の電力を提供できそうかを判断するためにMHLシンク196と直接にMHLモードで通信しないかもしれない。しかし、IDチップが、eCBUS 233A/Bを介してMHLシンク196と通信してその情報を取得してもよい。
【0038】
Type Cデバイス199は、上記のとおり、プルアップ抵抗器Ru272の値を読み取りまたは判断してもよく、その値は、初期には、ホスト・デバイスとして機能するケーブル・システム250により処理可能な最小電流に従って設定されてもよい(例えば、USB2.0デバイスに対して約500mAなどであるが、他の値も使用され得る)。MHLシンク196の供給可能な電流は、この最小電流よりもはるかに高いかもしれないが、Type C199は、(MHLモードを提供するように設定可能な)オルタネート・インターフェース・モードに入るためのPD通信を開始するのに十分な電力を(VBUSからの充電を介して)得るまでは、より高い量の供給可能充電電流を判断することができない。よって、Type C199充電は、Type C199がオルタネート・インターフェース・モード/MHLモードに入って、充電のために供給可能なより高い電流をMHLシンク196が有するかどうかを判断するまで、より低い最小電流・より遅い速度で行われてもよい。
【0039】
いくつかの例示の実施形態では、IDチップ275は、eCBUS 233AまたはB上でMHLシンク196と通信してもよく、この通信は、MHLシンク196がどの程度の電流を提供できるかを問い合わせおよび/または判断してもよい。この例では、IDチップ275を備えたケーブル回路構成250が、(バッテリーが消耗しているかもしれない)Type Cデバイス199に代わって動作し、MHLシンク196がどの程度の電流をType Cデバイス199に提供できるかを問い合わせおよび/または判断する。この問い合わせ/判断の結果に基づき、IDチップ275は次に、MHLシンク196により提供可能な電流量を表す抵抗値にプルアップ抵抗器Ru272を調整してもよい。プルアップ抵抗器Ru272の値は、標準により所定されて、表1に示される利用可能な3つの電流クラスを有してもよい。
【0040】
表1の例では、IDチップ275は、プルアップ抵抗器Ru272を、例えば、電流源(この事例ではMHLデバイス196)が3アンペア提供できる場合には10キロオームに、電流源196が1.5アンペア提供できる場合には22キロオームに、などと調整してもよい。表1は、Type C USB仕様により規定された所定値を示すが、抵抗器の他の所定値が他の電流値に対応付けられることも可能である。したがって、IDチップ275(またはその他任意のコントローラ回路構成)は、適切なプルアップ値を設定してもよく、その結果、Type Cデバイス199は、表1に従って電流を引き込んでもよく、これは、より大きな電流、ひいてはより高速な充電を可能にし得る。
【0041】
Type Cデバイス199のバッテリーが、Type Cデバイス199が起動して動作できるレベルまで充電されると、IDチップ275は、PD通信を開始し、次に、表1に示されたよりもさらに高い電圧または電流がMHLシンクにより許されまたは供給可能であればそれを得るための電力ネゴシエーションを、MHLシンクと行ってもよい。
【0042】
図2Aは、プルアップ抵抗器回路構成272を単一の抵抗器として示すが、プルアップ抵抗器回路構成272は、いくつかの例示の実施形態によれば、MHLにて供給可能な電圧または電流に基づき特定の抵抗値を提供するためにIDチップ275によりCC1線173Bに結合可能な複数の抵抗器を備えてもよい。プルアップ抵抗器回路構成は、他の回路形式を用いて実装されることもあり得る。例えば、可変電流源が使用されてもよい。さらに説明すると、電流は、MHLにて供給可能な電圧または電流に対応する特定の抵抗に符合する電流量を表すように、IDチップにより制御されてもよい(例えば、IDチップのアナログ出力電圧が特定の抵抗値に相当する電流値を制御する、D/Aコンバータ)。
【0043】
図2Bは、いくつかの例示的な実施形態による、USB Type CをMHL M1にインターフェースで接続するプロセス280を示す。
図2Bの記載は
図2Aも参照する。
【0044】
いくつかの例示の実施形態によれば、284にて、USBデバイス199を充電するためにMHLデバイス196にて供給可能な電流および/または電圧の量を、IDチップ275などのコントローラ・チップが判断してもよい。例えばIDチップ275は、CBUS 233Aおよび/またはBを介してMHLデバイス196に問い合わせを行い、MHLデバイス196にて供給可能な電流および/または電圧の量を判断してもよい。さらに、この判断はMHLプロトコルに従ってもよい。さらに、この判断は、USBデバイス199の給電または充電をサポートするために実行されてもよい(例えば、USBデバイス199のバッテリーが消耗している場合)。例えばコントローラ・チップは、Type Cデバイスとの通信を開始することにより、USBデバイスが有する電力が(例えば消耗した/充電不足のバッテリーが原因で)不十分であると判断してもよい。コントローラ・チップは、応答がない場合にType Cデバイスのバッテリーが消耗しているかまたは充電不足であるかもしれない(かつ/またはMHLをサポートしない)と判断してもよいが、いずれにしても、コントローラ・チップがホストとして動作してプロセス280による充電を可能にしてもよい。
【0045】
いくつかの例示の実施形態によれば、286にてIDチップ275は、284にて判断された量に基づき、272のプルアップ抵抗器回路構成の値を選択してもよい。例えば、284にて判断された量は、表1に関して上述した抵抗値の選択を指示してもよいが、他の抵抗値が使用されてもよい。
【0046】
いくつかの例示の実施形態によれば、288にて、IDチップ275は、286にて選択された値に基づき、プルアップ抵抗回路構成を調整してもよい。例えば、IDチップ275は、電流源196が1.5アンペアを提供できる場合、プルアップ抵抗器の値を22キロオームに調整してもよいが、他の調整も使用されてもよい。抵抗回路構成が電流源回路構成として実装される場合、調整は、286にて選択された値に基づき電流源回路構成を変更してもよい。
【0047】
図3は、いくつかの例示の実施形態による装置10のブロック図を示す。装置10(またはその一部)は、例えばデバイス199および/またはデバイス196を提供するように構成されてもよい。
【0048】
装置10は、送信機14および受信機16と通信する少なくとも1つのアンテナ12を備えてもよい。あるいは、送信アンテナと受信アンテナとは別々であってもよい。装置10はさらに、送信機および受信機との間でそれぞれ信号の提供および信号の受信を行い装置の機能を制御するよう構成された、プロセッサ20を備えてもよい。プロセッサ20は、送信機および受信機への導線を介して制御信号をもたらすことにより送信機および受信機の機能を制御するよう構成されてもよい。同じく、プロセッサ20は、プロセッサ20をディスプレイまたはメモリなどの他の構成要素に接続する導線を介して制御信号をもたらすことにより装置10の他の構成要素を制御するよう構成されてもよい。プロセッサ20は例えば、回路構成、少なくとも1つの処理コア、付随するデジタル信号プロセッサ(単数または複数)を備える1つ以上のマイクロプロセッサ、付随するデジタル信号プロセッサのない1つ以上のプロセッサ(単数または複数)、1つ以上の補助プロセッサ、1つ以上のマルチコアプロセッサ、1つ以上のコントローラ、処理回路構成、1つ以上のコンピュータ、集積回路(例えば特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)、および/または同様のもの)を備える他の様々な処理構成要素、またはそれらの何らかの組み合わせを含む、多様な形で具現化され得る。よって、
図3には単一のプロセッサとして示されているが、いくつかの例示の実施形態では、プロセッサ20は複数のプロセッサまたは処理コアを有してもよい。
【0049】
プロセッサ20によって送受信される信号は、該当するセルラ・システムのエア・インターフェース標準、および/または異なる任意数の有線または無線ネットワーキング技術に従った信号情報を備えてもよい。無線ネットワーキング技術は、米国電気電子学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11、802.16、および/または同様のものなど、Wi−Fi、ワイヤレス・ローカル・アクセス・ネットワーク(WLAN:wireless local access network)技術を含むが、これらに限定はされない。さらに、こうした信号は、音声データ、ユーザが生成したデータ、ユーザがリクエストしたデータ、および/または同様のものを備えてもよい。
【0050】
装置10は、1つ以上のエア・インターフェース標準、通信プロトコル、変調形式、アクセス型、および/または同様のものを用いて動作できてもよい。例えば、装置10および/またはその中のセルラ・モデムは、様々な第1世代(1G:first generation)通信プロトコル、第2世代(2G(second generation)または2.5G)通信プロトコル、第3世代(3G:third−generation)通信プロトコル、第4世代(4G:fourth−generation)通信プロトコル、インターネット・プロトコル・マルチメディア・サブシステム(IMS:Internet Protocol Multimedia Subsystem)通信プロトコル(例えば、セッション開始プロトコル(SIP:session initiation protocol))および/または同様のものに従って動作できてもよい。例えば装置10は、2Gワイヤレス通信プロトコルIS−136、時分割多元接続TDMA(Time Division Multiple Access)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ、すなわちGSM(登録商標))、IS−95、符号分割多元接続、すなわちCDMA(Code Division Multiple Access)、および/または同様のものに従って動作できてもよい。さらに、例えば装置10は、2.5Gワイヤレス通信プロトコル汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)、拡張データGSM環境(EDGE:Enhanced Data GSM Environment)、および/または同様のものに従って動作できてもよい。さらに、例えば装置10は、3Gワイヤレス通信プロトコル、例としてユニバーサル・モバイル通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications System)、符号分割多元接続2000(CDMA2000)、WCDMA(登録商標)、時分割同期符号分割多元接続(TD−SCDMA:Time Division−Synchronous Code Division Multiple Access)、および/または同様のものなどに従って動作できてもよい。装置10はさらに、ロングターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)、発展型ユニバーサル地上無線アクセス・ネットワーク(E−UTRAN:Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)、および/または同様のものなどの3.9Gワイヤレス通信プロトコルに従って動作できてもよい。さらに、例えば装置10は、LTEアドバンストおよび/または同様のものなどの4Gワイヤレス通信プロトコル、ならびに後に開発され得る同様のワイヤレス通信プロトコルに従って動作できてもよい。
【0051】
当然のことながら、プロセッサ20は、装置10のオーディオ/ビデオおよび論理機能を実装する回路構成を備えてもよい。例えばプロセッサ20は、デジタル信号プロセッサ・デバイス、マイクロプロセッサ・デバイス、アナログ−デジタル変換器、デジタル−アナログ変換器、および/または同様のものを有してもよい。装置10の制御および信号処理機能は、デバイスのそれぞれの能力に従ってこれらのデバイス間に割り当てられてもよい。プロセッサ20はさらに、内蔵音声符号化器(VC:voice coder)20a、内蔵データモデム(DM:data modem)20b、および/または同様のものを有してもよい。さらにプロセッサ20は、メモリに記憶され得る1つ以上のソフトウェア・プログラムを動作させる機能性を備えてもよい。一般に、プロセッサ20および記憶されたソフトウェア命令は、装置10に動作を実行させるよう構成されてもよい。例えばプロセッサ20は、ウェブ・ブラウザなどの接続プログラムを動作させることができてもよい。接続プログラムは、装置10が、位置情報に基づくコンテンツなどのウェブ・コンテンツを、ワイヤレス・アプリケーション・プロトコル、すなわちWAP(wireless application protocol)、ハイパーテキスト転送プロトコル、すなわちHTTP(hypertext transfer protocol)、および/または同様のものなどのプロトコルに従って送受信できるようにしてもよい。
【0052】
装置10はさらに、例えばイヤホンまたはスピーカ24、リンガ22、マイクロホン26、ディスプレイ28、ユーザ入力インターフェース、および/または同様のものなどを含むユーザ・インターフェースを備えてもよく、これは、プロセッサ20に動作結合されてもよい。上述のとおり、ディスプレイ28は、タッチ・センシティブ・ディスプレイを備えてもよく、ユーザは、タッチおよび/またはジェスチャをして選択、値の入力、および/または同様のことを行ってもよい。プロセッサ20はさらに、スピーカ24、リンガ22、マイクロホン26、ディスプレイ28、および/または同様のものなどのユーザ・インターフェースの1つ以上の構成要素の少なくともいくつかの機能を制御するよう構成されたユーザ・インターフェース回路構成を備えてもよい。プロセッサ20および/またはプロセッサ20を有するユーザ・インターフェース回路構成は、例えば揮発性メモリ40、不揮発性メモリ42、および/または同様のものなどのプロセッサ20がアクセスできるメモリ上に記憶された、例えばソフトウェアおよび/またはファームウェアなどのコンピュータ・プログラム命令によって、ユーザ・インターフェースの1つ以上の構成要素の1つ以上の機能を制御するよう構成されてもよい。装置10は、例えば、検出可能な出力として機械的振動をもたらす回路など、モバイル端末に関係する様々な回路に給電するバッテリーを備えてもよい。ユーザ入力インターフェースは、キーパッド30(ディスプレイ28上に提示される仮想キーボードまたは外部結合されたキーボードとすることができる)および/またはその他入力デバイスなど、装置20がデータを受信できるようにするデバイスを有してもよい。
【0053】
図3に示されているように、装置10はさらに、データを共有および/または取得するための1つ以上のメカニズムを備えてもよい。例えば装置10は、短距離無線周波数(RF:radio frequency)送受信機および/またはインテロゲータ64を備えてもよく、その結果、データがRF技術に従って電子デバイスと共有され、かつ/または電子デバイスから取得されてもよい。装置10は、そのほか、赤外線(IR:infrared)送受信機66、Bluetooth(登録商標)ワイヤレス技術を使用して動作するBluetooth(BT)送受信機68、ワイヤレス・ユニバーサル・シリアル・バス(USB)送受信機70、Bluetooth Low Energy送受信機、ZigBee送受信機、ANT送受信機、セルラ・デバイス・ツー・デバイス送受信機、ワイヤレス・ローカル・エリア・リンク送受信機、および/またはその他任意の短距離無線技術などの短距離送受信機を備えてもよい。装置10、および特に短距離送受信機は、装置に近接した、例えば10メートル以内などにある電子デバイスへデータを送信することおよび/またはそれからデータを受信することができてもよい。Wi−Fiまたはワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーキング・モデムを備える装置10はさらに、6LoWPAN、Wi−Fi、低電力Wi−Fi、例えばIEEE802.11技術、IEEE802.15技術、IEEE802.16技術、および/または同様のものなどのWLAN技術を含む様々なワイヤレス・ネットワーキング技術に従って、電子デバイスからデータを送信および/または受信することができてもよい。
【0054】
装置10は、モバイル・サブスクライバに関係する情報要素を記憶できる、サブスクライバ識別モジュール(SIM:subscriber identity module)38、取り外し可能ユーザ識別モジュール(R−UIM:removable user identity module)、eUICC、UICC、および/または同様のものなどのメモリを有してもよい。SIMに加えて、装置10は、他の取り外し可能および/または固定メモリを備えてもよい。装置10は、揮発性メモリ40および/または不揮発性メモリ42を備えてもよい。例えば揮発性メモリ40は、ダイナミックおよび/またはスタティックRAM、オンチップまたはオフチップキャッシュメモリ、および/または同様のものを含むランダム・アクセス・メモリ(RAM:Random Access Memory)を備えてもよい。不揮発性メモリ42は、内蔵型および/または取り外し可能としてもよく、例えば、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ、例えばハードディスクなどの磁気記憶デバイス、フロッピーディスク・ドライブ、磁気テープ、光ディスクドライブおよび/または媒体、不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(NVRAM:non−volatile random access memory)、および/または同様のものを備えてもよい。揮発性メモリ40のように、不揮発性メモリ42は、データの一時記憶のためのキャッシュ領域を備えてもよい。揮発性および/または不揮発性メモリの少なくとも一部がプロセッサ20に組み込まれてもよい。メモリは、デバイス199、196、および/またはその他任意のデバイスを提供するために装置により使用され得る1つ以上のソフトウェア・プログラム、命令、複数の情報、データ、および/または同様のものを記憶してもよい(例えば、メモリはチップ175および/または275などのコントローラを提供してもよい)。メモリは、国際移動体装置識別番号(IMEI:international mobile equipment identification)コードなどの、装置10を一意に識別できる識別子を有してもよい。例示の実施形態では、プロセッサ20は、メモリ40および/または42に記憶されたコンピュータ・コードを使用して、デバイス199、196、および/またはその他任意のデバイスに関して本願明細書において開示された1つ以上の側面を制御および/または提供するよう構成され得る(例えば、メモリはチップ175および/または275などのコントローラを提供してもよい)。
【0055】
本願明細書に開示された実施形態の一部は、ソフトウェア、ハードウェア、アプリケーション論理、またはソフトウェアとハードウェアとアプリケーション論理との組み合わせにおいて実装され得る。ソフトウェア、アプリケーション論理、および/またはハードウェアは、例えばメモリ40、制御装置20、または電子コンポーネント上に存在し得る。いくつかの例示の実施形態では、アプリケーション論理、ソフトウェア、または命令セットは、様々な従来のコンピュータ可読媒体のうちの任意のものにおいて維持される。本文書の文脈では、「コンピュータ可読媒体」は、例が
図3に示されている、コンピュータまたはデータ・プロセッサ回路構成などの命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって、またはそれに関連して使用される命令を含むこと、記憶すること、伝達すること、伝播させること、または搬送することができる任意の非一時的な媒体であってもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータなどの命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれに関連して使用される命令を含むこと、または記憶することができる任意の媒体とされ得る、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を有してもよい。
【0056】
添付の特許請求の範囲に記載の範囲、解釈、または用途を限定するものでは決してないが、本願明細書において開示された例示の実施形態1つ以上の技術的効果は、充電速度が向上すること、および/または異なるインターフェース間の互換性が提供されることである。
【0057】
本願明細書に記載された主題は、所望の構成に応じて、システム、装置、方法、および/または物品において具現化されてもよい。例えば、本願明細書に記載された基地局およびユーザ機器(またはその中の1つ以上のコンポーネント)および/またはプロセスは、プログラム・コードを実行するプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、組み込みプロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、および/またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を使用して実装可能である。これら様々な実装は、少なくとも1つのプログラマブル・プロセッサを備えるプログラマブル・システム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータ・プログラムにおける実装を含んでもよく、このプログラマブル・プロセッサは、専用であっても汎用であってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信し、それらにデータおよび命令を送信するように結合される。これらコンピュータ・プログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェア・アプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、プログラム・コード、またはコードとしても知られる)は、プログラマブル・プロセッサ用の機械語命令を備え、高水準手続き型および/またはオブジェクト指向プログラミング言語、および/またはアセンブリ言語/機械語で実装されてもよい。本願明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械命令を受信する機械可読媒体を含め、プログラマブル・プロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される任意のコンピュータ・プログラム製品、機械可読媒体、コンピュータ可読記憶媒体、装置、および/またはデバイス(例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD:Programmable Logic Device))を指す。同じく、プロセッサおよびプロセッサに結合されたメモリを備えてもよいシステムも本願明細書に記載されている。メモリは、本願明細書に記載の動作の1つ以上をプロセッサに実行させる1つ以上のプログラムを備えてもよい。
【0058】
少数の変形を詳細に上述したが、他の変更または追加が可能である。特に、さらなる特徴および/または変形が、本願明細書に記載されたものに加えてもたらされてもよい。さらに、上述の実装は、開示された特徴の様々な組み合わせおよび部分的組み合わせ、および/または上記で開示されたいくつかのさらなる特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせを対象とする。他の実施形態が、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内にあり得る。
【0059】
所望に応じて、本願明細書で説明された種々の機能は、異なる順序で実行されること、および/または互いに同時に実行されることが可能である。さらに、所望に応じて、上述の機能のうちの1つ以上を、任意選択とすることも、組み合わせることもできる。一部の実施形態の様々な側面が独立クレームに記載されているが、一部の実施形態の他の側面は、特許請求の範囲に明示的に記載された組み合わせのみではなく、記載された実施形態および/または従属クレームからの特徴と、独立クレームの特徴との他の組み合わせを含む。さらに、この点において、上記の事項は例示の実施形態について記載しているが、これらの記載は、限定的な意味に捉えられてはならないということを指摘しておく。むしろ、添付の特許請求の範囲において定義される一部の実施形態の範囲から逸脱することなく加えることができる変化および変更がいくつかある。他の実施形態が、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内にあり得る。「基づく」という用語は、「少なくとも基づく」を含む。「など」という語句の使用は、別段指示がなければ、「例えば…など」を意味する。
【国際調査報告】