(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-534266(P2017-534266A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(54)【発明の名称】均質化したたばこ材料、および均質化したたばこ材料を製造する方法
(51)【国際特許分類】
A24B 3/14 20060101AFI20171027BHJP
A24B 15/30 20060101ALI20171027BHJP
【FI】
A24B3/14
A24B15/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-516694(P2017-516694)
(86)(22)【出願日】2015年9月9日
(85)【翻訳文提出日】2017年3月27日
(86)【国際出願番号】EP2015070655
(87)【国際公開番号】WO2016050471
(87)【国際公開日】20160407
(31)【優先権主張番号】14187203.6
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】クリプフェル ヨリック
(72)【発明者】
【氏名】パイネンバーグ ヨハネス ペトラス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ドイル マイケル エリオット
(72)【発明者】
【氏名】マンズール ベドヤ ジュアン デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ラウシス パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ジャリオールト マリン
【テーマコード(参考)】
4B043
【Fターム(参考)】
4B043BB11
4B043BB17
4B043BB21
4B043BB25
4B043BC12
4B043BC19
(57)【要約】
本発明は、均質化したたばこ材料の調製のための方法に関し、前記方法は、
約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルから成る平均サイズを有する繊維を得るためにセルロース繊維をパルプ化および精製する工程と、
1つ以上のたばこタイプのたばこのブレンドを、約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルから成る平均サイズを有するたばこ粉末へ粉砕する工程と、
スラリーを形成するために、パルプを、異なるたばこタイプのたばこ粉末ブレンドと組み合わせ、かつ前記均質化したたばこ材料の総重量の乾燥質量基準で約1パーセント〜約5パーセントから成る量で結合剤と組み合わせる工程と、
スラリーを均質化する工程と、
スラリーから均質化したたばこ材料を形成する工程と、を含む方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
均質化したたばこ材料を調製するための方法であって、
約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルから成る平均サイズを有する繊維を得るためにセルロース繊維をパルプ化および精製する工程と、
1つ以上のたばこタイプのたばこのブレンドを、約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルから成る平均サイズを有するたばこ粉末へ粉砕する工程と、
スラリーを形成するために、前記パルプを、前記異なるたばこタイプのたばこ粉末ブレンドと組み合わせ、かつ前記均質化したたばこ材料の総重量の乾燥質量基準で約1パーセント〜約5パーセントから成る量で結合剤と組み合わせる工程と、
前記スラリーを均質化する工程と、
前記スラリーから前記均質化したたばこ材料を形成する工程と、を含む方法。
【請求項2】
パルプ化および精製する前記工程が、
前記セルロース繊維を少なくとも部分的に解繊する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スラリーを振動する工程を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
パルプ化および精製する前記工程が、
約1ミリメートル〜約3ミリメートルから成る平均サイズを有する繊維を得るためにセルロース繊維をパルプ化および精製する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
パルプ化および精製する前記工程が、
濃縮したパルプを形成する工程であって、前記セルロース繊維の量が前記濃縮したパルプの総重量の約3パーセント〜約5パーセントの量である、工程と、
前記濃縮したパルプを希釈する工程であって、前記セルロース繊維の量が前記希釈したパルプの総重量の約1パーセント未満である、工程と、を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
エアロゾル形成体を前記スラリーに添加する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記スラリーから均質化したたばこ材料を形成する前記工程であって、
前記スラリーのウェブをキャスティングする工程と、
前記キャストウェブを乾燥する工程と、を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上のたばこタイプのたばこをブレンドする前記工程が、以下のたばこ、すなわち、
ブライトたばこ、
ダークたばこ、
アロマティックたばこ、
フィラーたばこ、のうちの1つ以上をブレンドする工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
均質化したたばこ材料であって、
セルロース繊維および水を含むパルプと、
約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルの平均粉末サイズを有する異なるたばこタイプの粉末のブレンドと、
前記均質化したたばこシートの乾燥質量で約1パーセント〜約5パーセントの量の結合剤と、を含み、
前記たばこ粉末ブレンドに添加される前記セルロース繊維が、前記均質化したたばこシートの総重量の乾燥質量基準で約1パーセント〜約3パーセントから成る量であり、かつそれらの平均サイズが約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルから成る、均質化したたばこ材料。
【請求項10】
前記たばこ粉末ブレンドに添加される前記セルロース繊維の前記平均サイズが約1ミリメートル〜約3ミリメートルから成る、請求項9に記載の均質化したたばこ材料。
【請求項11】
約1ミリメートル〜3ミリメートルから成る平均サイズを有する前記たばこ粉末ブレンドに添加されるセルロース繊維の割合が、前記パルプの中の前記セルロース繊維の前記サイズの標準偏差の4倍に等しい、請求項9または10に記載の均質化したたばこ材料。
【請求項12】
前記たばこ粉末ブレンドに添加される前記セルロース繊維が木材セルロース繊維を含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の均質化したたばこ材料。
【請求項13】
前記たばこ粉末ブレンドに添加される前記セルロース繊維が、少なくとも部分的に解繊される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の均質化したたばこ材料。
【請求項14】
前記結合剤がグアーを含む、請求項9〜13のいずれか1項に記載の均質化したたばこ材料。
【請求項15】
エアロゾル形成体を含む、請求項9〜14のいずれか1項に記載の均質化したたばこ材料。
【請求項16】
請求項9〜15に記載の均質化したたばこ材料の一部分、または請求項1〜8に記載の方法により実現される均質化したたばこ材料の一部分を含むエアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、均質化したたばこ材料を製造するためのプロセスに関する。特に、本発明は、例えば、紙巻たばこまたは「燃やさない加熱式」たばこを含有する製品などのエアロゾル発生物品で使用する均質化したたばこ材料を製造するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、たばこ製品の製造では、たばこ葉の他に均質化したたばこ材料も使用される。この均質化したたばこ材料は、例えば、たばこ茎またはたばこダストなどの、一般にカットフィラーの製造にあまり適していないたばこ植物の部分から製造される。一般に、たばこダストは製造中にたばこ葉の取り扱いの間に副産物として作り出される。
【0003】
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこシートおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは、一般的にスラリーを形成するためにたばこダストと結合剤とを混合する工程を含む。次にスラリーは、例えば、いわゆるキャストリーフを製造するために粘性のあるスラリーを移動する金属ベルト上にキャスティングすることによってたばこウェブを作り出すために使用される。あるいは、再構成たばこを作り出すために、粘性が低くかつ水含有量が高いスラリーを製紙と似たプロセスで使用することができる。調製されると、紙巻たばこおよび他の喫煙物品のために適切なたばこカットフィラーを製造するための葉たばこと類似した様式で、均質化したたばこウェブを切断してもよい。従来の紙巻たばこで使用するための均質化したたばこの機能は、実質的に充填力、引き出し抵抗、たばこロッドの硬さ、および燃焼特性などのたばこの物理的特性に限定される。この均質化したたばこは、一般に味わいに対する影響を有するようには設計されていない。このような均質化したたばこを作成するプロセスは、例えば、欧州特許第EP0565360号に開示されている。
【0004】
「燃やさない加熱式」の加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体としての使用が意図されている均質化したたばこ材料は、従来的な紙巻たばこでフィラーとしての使用が意図されている均質化したたばことは異なる組成を持つ傾向にある。加熱式エアロゾル発生物品では、エアロゾルを形成するために、エアロゾル形成基体が比較的低い温度に加熱される。さらに、均質化したたばこ材料中に存在するたばこは、エアロゾル発生物品中に存在する一般にたばこのみであるか、または大部分のたばこを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
均質化したたばこ材料ウェブに由来する均質化したたばこ材料を含むエアロゾル発生物品の製造の間、均質化したたばこウェブは、一般にある程度の物理的取り扱い(例えば、湿潤、移動、乾燥、および切断など)に耐える必要がある。従って、最終的なたばこ材料の品質に対する影響なしに、または影響が最小限でこのような取り扱いに耐えるように適合された均質化したたばこウェブを提供することが望ましいことになる。特に、均質化したたばこ材料ウェブが完全な破れまたは部分的な破れをほとんど示さないのが望ましいことになる。破れた均質化したたばこウェブは、製造の間のたばこ材料の損失につながる可能性がある。部分的にまたは完全に破れた均質化したたばこウェブは、機械のダウンタイム、ならびに機械の停止および起動の間の廃棄物にもつながる場合がある。
【0006】
従って、このような加熱式エアロゾル発生物品の異なる加熱特性およびエアロゾル形成の必要性に適合された、「燃やさない加熱式」の加熱式エアロゾル発生物品での使用のための均質化したたばこウェブを調製するための新しい方法に対する必要性がある。このような均質化したたばこウェブは、必要とされる製造プロセスに耐えるようにさらに適合されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の態様によると、本発明は均質化したたばこ材料の製造のための方法に関する。この方法は、パルプを形成するようにセルロース繊維をパルプ化および精製する工程、および1つ以上のたばこタイプのたばこのブレンドを粉砕する工程を含む。さらなる工程では、異なるたばこタイプのたばこブレンド粉末をパルプおよび結合剤と組み合わせることによってスラリーが形成される。さらなる工程は、スラリーを均質化する工程と、スラリーから均質化したたばこ材料を形成する工程と、を含む。本発明によると、パルプ化および精製する工程は、約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルの平均サイズを有するセルロース繊維を作り出す。粉砕する工程は、約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルから成る平均サイズを有するたばこ粉末ブレンドを製造する。スラリーの中に結合剤が均質化したたばこシートの総重量の乾燥質量基準で約1パーセント〜約5パーセントの量で添加される。
【0008】
「均質化したたばこ材料」という用語は、本明細書を通して、たばこ材料の粒子の凝集によって形成される任意のたばこ材料を含むように使用される。本発明では、均質化したたばこのシートまたはウェブは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎の一方または両方を粉砕することによって、またはその他の方法で粉末化することによって得られた粒子状たばこを凝集することにより形成される。
【0009】
さらに、均質化したたばこ材料は、たばこの処理、取り扱い、および移送中に形成された少量のたばこダスト、たばこ微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0010】
均質化したたばこ材料内に存在するたばこは、実質的にエアロゾル発生物品内に存在するたばこのみ(またはその大部分)を構成するので、エアロゾルの特徴(その風味など)への影響は、主に均質化したたばこ材料に由来する。たばこの使用を最適化するために、均質化したたばこ材料の中に存在するたばこからの物質の放出は単純化されることが好ましい。本発明によると、たばこ粉末(少なくとも合計たばこ粉末量の一部分)は、たばこの細胞構造と同一のサイズまたはたばこの細胞構造のサイズ未満である。たばこを約0.05ミリメートルまで細かく粉砕すると、有利なことに、たばこ細胞構造を開くことができ、またこのようにしてたばこ自体からのたばこ物質のエアロゾル化が改善されると考えられる。平均粉末サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルであるたばこ粉末を提供することによってエアロゾル化が改善されうる物質の例は、ペクチン、ニコチン、精油、およびその他の風味である。以下では、「たばこ粉末」という用語は、本明細書を通して、平均サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルであるたばこを示すために使用される。
【0011】
約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルのたばこ粉末の同一の平均サイズも、スラリーの均質性を改善する場合がある。大きすぎるたばこ粒子(すなわち、約0.15ミリメートルより大きいたばこ粒子)は、スラリーから形成された均質化したたばこウェブの中の欠陥および弱い区域の原因となる場合がある。均質化したたばこウェブ内の欠陥は、均質化したたばこウェブの引張強さを減少する場合がある。引張強さが低減すると、エアロゾル発生物品の製造におけるその後の均質化したたばこウェブの取り扱いの困難につながる場合があり、例えば、機械の停止を生じる可能性がある。さらに、不均質なたばこウェブは、同一の均質化したたばこウェブから製造されたエアロゾル発生物品間で意図しないエアロゾル送達において差異を作り出す場合がある。従って、エアロゾル発生物品用の許容可能な均質化したたばこ材料を得るためのスラリーを形成するための出発たばこ材料としては、比較的小さい平均粒子サイズを有するたばこが望ましい。小さすぎるたばこ粒子は、このさらなる低減に対する利点を追加することなく、それらのサイズ低減のためのプロセスで必要とされるエネルギー消費量を増加する。
【0012】
たばこ粉末の平均サイズの低減は、そのたばこスラリーの粘性の低減の効果にも起因して有益であり、それによってより良好な均質性が可能になる。ところが、約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルのサイズにおいて、たばこ粉末の中のたばこセルロース繊維は実質的に破壊される。従って、たばこ粉末の中のたばこセルロース繊維は、結果として得られる均質化したたばこウェブの引張強さにごくわずかな貢献しかしない場合がある。慣習的に、これは結合剤の添加によって補償される。それでもなお、スラリー、ひいては均質化したたばこ材料の中に存在しうる結合剤の量には事実上の限界がある。これは、水と接触した時に結合剤がゲルになる傾向に起因する。ゲル化はスラリーの粘性に強く影響し、これは今度はその後のウェブ製造プロセス(例えば、キャスティングのような)のためのスラリーの重要なパラメータとなる。従って、均質化したたばこ材料の中に比較的少量の結合剤を有することが好ましい。本発明によると、1つ以上のたばこタイプのブレンドに添加される結合剤の量は、スラリーの乾燥質量で約1パーセント〜約5パーセントから成る。スラリーで使用される結合剤は、本明細書に記述されるガムまたはペクチンのうちのいずれかとすることができる。結合剤は、たばこ粉末が均質化したたばこウェブを通して実質的に分散されたままになることを確保する場合がある。ガムの記述的な検討のためには、Gums And Stabilizers For The Food Industry,IRL Press(G.O.Phillip et al.eds.1988)、Whistler,Industrial Gums:Polysaccharides And Their Derivatives,Academic Press(2d ed.1973)、およびLawrence,Natural Gums For Edible Purposes,Noyes Data Corp.(1976)を参照されたい。
【0013】
任意の結合剤を採用してもよいが、好ましい結合剤は、天然ペクチン(果実ペクチン、柑橘類ペクチン、またはたばこペクチンなど)、グアーガム(ヒドロキシエチルグアーおよびヒドロキシプロピルグアーなど)、ローカストビーンガム(ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルローカストビーンガムなど)、アルギネート、デンプン(変性デンプンまたは誘導体化デンプンなど)、セルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースなど)、タマリンドガム、デキストラン、プラロン、コニャックフラー、キサンタンガム、およびこれに類するものである。本発明で使用するために特に好ましい結合剤はグアーである。
【0014】
一方では、たばこ粉末の平均サイズが比較的小さく、かつ結合剤の量が低減されると、結果的に非常に均質なスラリー、そして次に非常に均質な均質化したたばこ材料をもたらす場合があるが、他方では、このスラリーから得られる均質化したたばこウェブの引張強さは比較的低く、処理中に均質化したたばこ材料上に作用する力に適切に耐えるために潜在的に不十分である場合がある。
【0015】
本発明によると、スラリーの中にセルロース繊維が導入される。それらのセルロース繊維はたばこ自体の中に存在するセルロース繊維へ添加され、すなわち本明細書で述べるセルロース繊維は、たばこブレンド粉末の中に天然に存在する繊維以外の繊維であり、また以下ではこれらを「添加されたセルロース繊維」と呼ぶ。スラリー内のへのセルロース繊維の導入は、強化剤として作用して、たばこ材料ウェブの引張強さを増加する。従って、たばこの中に既に存在するものに加えてセルロース繊維を添加することによって均質化したたばこ材料ウェブの弾力性が増加する場合がある。これは、エアロゾル発生物品の製造中、均質化したたばこ材料の滑らかな製造プロセスおよびその後の取り扱いを支持する。一方で、これはエアロゾル発生物品および他の喫煙物品を製造する上での製造効率、コスト効率、再現性、および生産速度の増加につながる可能性がある。
【0016】
均質化したたばこ材料のスラリーに含むためのセルロース繊維は当業界において周知であり、柔らかい木材繊維、堅い木材繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、たばこ繊維、およびこれらの組み合わせを含むが、これに限定されない。パルプ化に加えて、セルロース繊維は、精製、機械的パルプ化、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせなどの適切な処理を受ける場合がある。
【0017】
繊維粒子は、たばこ茎材料、葉柄または他のたばこ植物材料を含む場合がある。木材繊維などのセルロースベースの繊維はリグニン含有量が低いことが好ましい。別の方法として、植物繊維などの繊維を上記の繊維とともに、またはその代替として使用してもよく、これには大麻および竹が含まれる。
【0018】
添加されるセルロース繊維での1つの関連のある因子は、セルロース繊維の長さである。セルロース繊維が短すぎる場合、繊維は結果として得られる均質化したたばこ材料の引張強さに対して効率的に貢献しないことになる。セルロース繊維が長すぎる場合、セルロース繊維はスラリーの均質性に影響することになり、特に薄い均質化したたばこ材料、例えば、数百マイクロメートルの厚さの均質化したたばこ材料では、今度は均質化したたばこ材料内に不均質性および他の欠陥を作り出す場合がある。本発明によると、たばこ粉末を含むスラリー内の添加されるセルロース繊維のサイズは、平均サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルであり、また結合剤の量はスラリーの乾燥質量で約1パーセント〜約5パーセントであり、平均サイズは約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルであることが有利である。セルロース繊維の平均繊維サイズは、約1ミリメートル〜約3ミリメートルであることが好ましい。このさらなる低減が精製する工程によって得られることが好ましい。本明細書では、繊維の「サイズ」は繊維長さを意味する、すなわち、繊維長さは繊維の主要寸法である。それゆえ、平均繊維サイズは平均繊維サイズ長さを意味する。平均繊維長さは所与の繊維数あたりの平均繊維長さであり、長さが約200マイクロメートルより短い、または約10.000マイクロメートルより長い繊維を除外し、かつ幅が約5マイクロメートルより狭い、または約75マイクロメートルより広い繊維を除外する。さらに、本発明によると、たばこ粉末ブレンドの中に存在するセルロース繊維に添加されたセルロース繊維の量は、スラリーの総重量の乾燥質量基準で約1パーセント〜約3パーセントから成ることが好ましい。スラリーの成分のこれらの値は、均質なたばこウェブの引張強さに対処するために結合剤のみに依存する均質化したたばこ材料と比較してより高いレベルの均質化したたばこ材料の均質性を維持しつつも、引張強さの改善を示した。同時に、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体として均質化したたばこ材料が使用される時に、平均サイズ(例えば、平均長さ)が約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルであるセルロース繊維は、細かく粉砕したたばこ粉末からの物質の放出を著しく阻害しない。本発明によると、比較的速くかつ信頼できる均質化したたばこウェブの製造プロセスだけでなく、高度に再現可能なエアロゾルの放出に適合した基体を得ることができる。
【0019】
パルプ化および精製する工程は、セルロース繊維を少なくとも部分的に解繊する工程を含むことが好ましい。本明細書で考慮されている解繊されるセルロース繊維は、たばこブレンドの中に含有されているセルロース繊維に添加されるものである。添加された繊維の解繊は、均質化したたばこウェブの強化を改善する場合がある。繊維の解繊を得るために、繊維は、例えば、機械的摩擦力、剪断力、および圧縮力を受ける。解繊は、セルロース繊維の細胞壁の部分的剥離を含む場合があり、結果として、顕微鏡で見ると毛で覆われたような外観を湿ったセルロース繊維の表面にもたらす。この「毛」はミクロフィブリルとも呼ばれる。最も小さいミクロフィブリルは、個別のセルロース鎖ほど小さくてもよい。解繊は、スラリーが乾燥した後のセルロース繊維間の相対結合面積を増加し、均質化したたばこウェブの引張強さを増加する傾向がある。
【0020】
この方法は、スラリーを振動する工程を含むことが好ましい。スラリーを振動すること、すなわち、例えば、スラリーが存在するタンクまたはサイロを振動することは、スラリーの均質化を補助する場合がある。混合と一緒に振動も実施される場合、キャスティングするために最適な標的値までスラリーを均質化するために必要とされる混合時間がより短くなる場合がある。
【0021】
有利なことに、パルプ化および精製する工程は、濃縮したパルプを形成する工程であって、セルロース繊維の量が濃縮したパルプの総重量の約3パーセント〜約5パーセントである工程と、前記濃縮したパルプを希釈する工程であって、セルロース繊維の量が希釈したパルプの総重量の約1パーセント未満である工程と、を含む。スラリーを形成するために、パルプの中に存在するセルロース繊維がたばこブレンドの中に天然に存在するセルロース繊維に追加される。例えば、濃縮したパルプは水を用いて約4〜約20の倍数で希釈されてもよい。
【0022】
パルプは、セルロース繊維と水とを一緒に添加することによって形成される。水は2つの分離した工程で添加されることが好ましい。最初に、パルプはセルロース繊維と第一の水量とを一緒に混合して製造され、そのためパルプ総重量中のセルロース繊維の量は約3パーセント〜約5パーセントから成る。次に、この濃縮したパルプは保存され、スラリーを形成する他の成分に添加されるまで保存および希釈されるのが好ましい。このようにして、スラリーの中に導入される水量を簡単に制御することができる。
【0023】
有利なことに、方法はエアロゾル形成体をスラリーに添加する工程を含む。均質化したたばこ材料のウェブのためのスラリーに含むための適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、一価アルコール(メントールのような)、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これに限定されない。例えば、本明細書による均質化したたばこ材料が加熱式エアロゾル発生物品の中でエアロゾル形成基体として使用されるよう意図されている場合、均質化したたばこ材料のウェブは、エアロゾル形成体含有量が乾燥質量基準で約5重量パーセント〜約30重量パーセントであってもよい。発熱体を有する電気的に動作するエアロゾル発生システムでの使用が意図されている均質化したたばこウェブは、均質化したたばこ材料の乾燥質量基準で約5パーセント〜約30パーセントのエアロゾル形成体を含むことが好ましい場合があり、均質化したたばこ材料の乾燥質量基準で約10パーセント〜約25パーセントであることが好ましい。発熱体を有する電気的に動作するエアロゾル発生システムでの使用が意図されている均質化したたばこウェブは、エアロゾル形成体がグリセロールであることが好ましい場合がある。
【0024】
好ましい実施形態では、スラリーから均質化したたばこ材料を形成する工程は、スラリーのウェブをキャスティングする工程と、キャストウェブを乾燥する工程とを含む。
【0025】
均質化したたばこ材料のウェブは、上述のように調製されたスラリーを支持表面上でキャスティングすることを一般的に含む種類のキャスティングプロセスによって形成されることが好ましい。次に、均質化したたばこ材料のウェブを形成するためにキャストウェブを乾燥し、次に、支持表面から取り外すことが好ましい。
【0026】
キャスティングにおいて前記キャストたばこ材料ウェブの水分は、キャストにおけるたばこ材料の総重量の約60重量パーセント〜約80重量パーセントであることが好ましい。均質化したたばこ材料の製造方法は、前記キャストウェブを乾燥する工程と、前記キャストウェブを巻き取る工程と、を含み、巻き取り工程における前記キャストウェブの水分はたばこ材料ウェブの総重量の約7パーセント〜約15パーセントであることが好ましい。巻き取り工程における前記均質化したたばこウェブの水分は、均質化したたばこウェブの総重量の約8パーセント〜約12パーセントであることが好ましい。
【0027】
1つ以上のたばこタイプのたばこをブレンドする前記工程は、以下のたばこ、すなわちブライトたばこ、ダークたばこ、アロマティックたばこ、フィラーたばこのうちの1つ以上をブレンドすることを含むことが好ましい。本発明では、均質化したたばこ材料は、適切にブレンドされた異なるたばこタイプのたばこラミナおよびたばこ茎によって形成される。「たばこタイプ」という用語を用いて、たばこの異なる品種のうちの1つが意味される。本発明に関しては、これらの異なるたばこタイプは、ブライトたばこ、ダークたばこおよびアロマティックたばこの3つの主な群に区別される。これらの3つの群間の区別は、たばこがたばこ製品中でさらに加工される前に受ける乾燥処理プロセスに基づく。
【0028】
ブライトたばこは、一般的に大きく、明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ブライトたばこ」という用語は熱風送管乾燥処理されたたばこに対して使用される。ブライトたばこの例としては、チャイニーズ熱風送管乾燥処理、熱風送管乾燥処理ブラジル、バージニアたばこなどのUS熱風送管乾燥処理、インディアン熱風送管乾燥処理、タンザニア産の熱風送管乾燥処理、または他のアフリカン熱風送管乾燥処理が挙げられる。ブライトたばこは、糖対窒素の比が高いことによって特徴付けられる。感覚的な見方からは、ブライトたばこは、乾燥処理後、スパイスの効いたそして活気のある感覚と関連付けられたたばこタイプである。本発明によると、ブライトたばこは、還元糖の含有量が葉の乾燥質量基準で約2.5パーセント〜約20パーセント、かつ合計アンモニア含有量が葉の乾燥質量基準で約0.12パーセント未満であるたばこである。還元糖には、例えばグルコースまたはフルクトースが含まれる。合計アンモニアには、例えばアンモニアおよびアンモニア塩が含まれる。
【0029】
ダークたばこは、一般的に大きく暗い色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ダークたばこ」という用語は空気乾燥処理したたばこに対して使用される。さらに、ダークたばこは発酵していてもよい。主として噛みタバコ、嗅ぎたばこ、葉巻たばこ、およびパイプブレンド用に使用されるたばこもこの範疇に含まれる。感覚的な見方からは、ダークたばこは、乾燥処理後、スモーキーでダークシガータイプの感覚と関連付けられるたばこタイプである。ダークたばこは糖対窒素の比が低いことによって特徴付けられる。ダークたばこに対する例は、バーレーマラウイまたは他のアフリカンバーレー、乾燥処理したダークブラジルガルパオ、日光乾燥処理または空気乾燥処理したインドネシアカストリ(Kasturi)である。本発明によると、ダークたばこは、還元糖の含有量が葉の乾燥質量基準で約5パーセント未満で、かつ合計アンモニア含有量が葉の乾燥質量基準で最高約0.5パーセントであるたばこである。
【0030】
アロマティックたばこは、しばしば小さい明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「アロマティックたばこ」という用語は、芳香成分含有量、例えば、精油の含有量が高い他のたばこに対して使用される。感覚的な見方からは、アロマティックたばこは、乾燥処理後、スパイスの効いたそして芳香を持つ感覚と関連付けられたたばこタイプである。アロマティックたばこに対する例は、グリークオリエント、オリエントターキー、セミオリエントたばこだが火力乾燥処理もされたたばこ、ペリクなどのUSバーレー、ルスティカ、USバーレーまたはメリーランドである。
【0031】
さらに、ブレンドは、いわゆるフィラーたばこも含んでもよい。フィラーたばこは具体的なたばこタイプではないが、ブレンドで使用され、かつ最終製品に特異的な特徴を有する芳香の方向性をもたらさないその他のたばこタイプを補完するために主に使用される。フィラーたばこの例は、他のたばこタイプの茎、中央脈、または葉柄である。具体的な例は、熱風送管乾燥ブラジルの葉柄下部の熱風送管乾燥処理した茎でありうる。
【0032】
たばこの各種類の中で、たばこ葉は、例えば、原産、植物内での配置、色、表面性状、サイズ、および形状に関してさらに等級分けされる。たばこ葉のこれらの特徴および他の特徴は、たばこブレンドを形成するために使用される。たばこのブレンドは、同一の種類または異なる種類に属するたばこの混合物であり、その結果たばこブレンドは凝集した特異的な特徴を有する。この特徴は、例えば、加熱または燃焼された時の独特の味わいまたは特異的なエアロゾルの組成とすることができる。ブレンドは、一つのものと他方のものの所与の比率で特定されたたばこタイプおよび等級を含む。
【0033】
本発明によると、同一のたばこタイプ内での異なる等級は、各ブレンド構成成分のばらつきを低減するためにクロスブレンドされてもよい。本発明によると、特異的な所定の特徴を有する望ましいブレンドを実現するために異なるたばこ等級が選択される。例えば、ブレンドは、乾燥質量基準の均質化したたばこ材料あたりの還元糖、合計アンモニア、および合計アルカロイドの標的値を有してもよい。合計アルカロイドは、例えば、ニコチン、ならびにノルニコチン、アナタビン、アナバシン、およびミオスミンを含む少量アルカロイドである。
【0034】
例えば、ブライトたばこは、等級Aのたばこ、等級Bのたばこ、および等級Cのたばこを含んでもよい。等級Aのブライトたばこは、等級Bおよび等級Cのブライトたばこと化学的特性がわずかに異なる。アロマティックたばこは、等級Dのたばこおよび等級Eのたばこを含んでもよく、等級Dのアロマティックたばこは、等級Eのアロマティックたばこと化学的特性がわずかに異なる。たばこブレンドに対する例証のために可能な標的値は、例えば、乾燥質量基準で合計たばこブレンドの約10パーセントの還元糖の含有量とすることができる。選択した標的値を達成するために、70パーセントのブライトたばこと30パーセントのアロマティックたばことを、たばこブレンドを形成するために選択してもよい。70パーセントのブライトたばこは等級Aのたばこ、等級Bのたばこ、および等級Cのたばこの中から選択されるが、30パーセントのアロマティックたばこは等級Dのたばこおよび等級Eのたばこから選択される。ブレンドの中に含まれる等級A、B、C、D、Eのたばこの量は、たばこブレンドに対する標的値に適合するために、等級A、B、C、D、Eのたばこの各々の化学的組成に依存する。
【0035】
第二の態様によると、本発明は、セルロース繊維および水、異なるたばこタイプの粉末のブレンド、および結合剤を含むパルプを含む均質化したたばこ材料に関し、これらはスラリーを形成するために一緒に組み合わせられる。本発明によると、たばこ粉末は、平均粉末サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルであり、結合剤の量がスラリーの乾燥質量基準で約1パーセント〜約5パーセントから成り、またたばこ粉末に添加されるセルロース繊維はスラリーの乾燥質量基準で約1パーセント〜約3パーセントの量であり、そしてそれらの平均サイズは約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルから成る。
【0036】
セルロース繊維は、スラリーの乾燥質量基準で約1パーセント〜約3パーセントの量でたばこ粉末に添加される。たばこはそれ自体の中にいくらかのセルロース繊維を含んでおり、従ってたばこの中のセルロース繊維の天然の存在に起因して、均質化したたばこ材料の中のセルロース繊維の合計量は、スラリーの乾燥質量基準で約1パーセント〜約3パーセントよりも高い場合がある。ところが、第一の態様に関連して記述したように、たばこ繊維はたばこの粉末への粉砕に起因して非常に小さい葉片に切断される。たばこ粉末に添加される約1ミリメートル〜3ミリメートルから成る平均サイズを有するセルロース繊維の割合は、前記パルプの中のセルロース繊維のサイズの標準偏差の4倍に等しいことが好ましい。繊維は、処理の前には長さの非常に広い範囲を有する天然生成物である。精製する工程によって天然のものより狭い範囲のものが得られることが好ましい。本発明の方法の精製する工程に起因して、結果として得られる繊維の長さは平均に非常に近い傾向がある。これはセルロース繊維の長さの変化が比較的小さいことを意味する。平均値よりずっと長い繊維によって生じる均質化したたばこ材料の中の不均質または欠陥のリスクは最小化される場合がある。特に、長い繊維は、たばこウェブの中に延長した不均質区域をしばしば作り出すいわゆるドラッガー(dragger)をキャストたばこウェブの中に作り出す場合がある。たばこ粉末に添加されるセルロース繊維は木材セルロース繊維であることが好ましい。あるいは、セルロース繊維の供与源は、例えば、たばこ、亜麻、または大麻などの別の植物材料である。
【0037】
有利なことに、添加されるセルロース繊維は少なくとも部分的に解繊される。好ましい実施形態では、結合剤はグアーを含む。均質化したたばこ材料は、キャストリーフたばこであってもよい。スラリーは、たばこ粉末、ならびに好ましくは繊維粒子、エアロゾル形成体、風味、および結合剤のうちの1つ以上を含む。関連する利点は上記の発明の方法と併せて既に説明され、そして単純化のために繰り返さない。
【0038】
均質化したたばこ材料のウェブは、たばこスラリーを移動金属ベルト上にキャスティングすることを一般的に含む種類のキャスティングプロセスによって形成されることが好ましい。均質化したたばこ材料のウェブを形成するためにキャストウェブを乾燥し、次に支持表面から取り外すことが好ましい。
【0039】
キャスティングにおいて前記キャストたばこ材料ウェブの水分はキャストたばこウェブの総重量の約60重量パーセント〜約80重量パーセントであることが好ましい。均質化したたばこ材料の製造方法は、前記キャストウェブを乾燥する工程と、前記キャストたばこウェブを巻き取る工程と、を含み、巻き取り工程における前記キャストたばこウェブの水分はキャストたばこウェブの総重量の約7重量パーセント〜約15重量パーセントであることが好ましい。
【0040】
第三の態様によると、本発明は上述の均質化したたばこ材料の一部分を含むエアロゾル発生物品に関する。
【0041】
エアロゾル発生物品は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品である。エアロゾル発生物品は、不燃性のエアロゾル発生物品であってもよく、または可燃性のエアロゾル発生物品であってもよい。不燃性のエアロゾル発生物品は、例えば、エアロゾル形成基体を加熱することにより、または化学反応により、またはエアロゾル形成基体の機械的な刺激により、エアロゾル形成基体を燃焼することなしに揮発性化合物を放出する。燃焼性エアロゾル発生物品は、例えば、従来の紙巻たばこでの場合の通り、エアロゾル形成基体の直接的な燃焼によりエアロゾルを放出する。
【0042】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル揮発性化合物を形成することができ、またエアロゾル形成基体を加熱または燃焼することによって放出しうる揮発性化合物を放出する能力を有する。エアロゾル形成生成物品で使用される均質化したたばこ材料のために、エアロゾル形成体はキャストリーフを形成するスラリーに含まれることが好ましい。所定の特性のうちの1つ以上に基づいてエアロゾル形成体を選んでもよい。機能的には、エアロゾル形成体は、エアロゾル形成体の特定の気化温度を超えて加熱された時、エアロゾル形成体が気化してエアロゾル内のニコチンおよび/または風味剤を運ぶことができるメカニズムを提供する。
【0043】
本発明は以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】
図1は、本発明による均質化したたばこ材料を製造する方法の流れ図を示す。
【
図2】
図2は、
図1の方法の工程のうちの1つの拡大図を示す。
【
図3】
図3は、
図1の方法の工程を実施するため装置の概略図を示す。
【
図4】
図4は、
図1の方法の別の工程を実施するため装置の概略図を示す。
【
図5】
図5は、
図1の方法のさらなる工程を実施するため装置の概略図を示す。
【
図6】
図6は、
図1の方法のさらなる工程を実施するため装置の概略図を示す。
【
図7】
図7は、
図1の方法のさらなる工程を実施するため装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
最初に
図1を参照すると、本発明によるスラリーの製造方法が示される。本発明の方法の第一の工程は、均質化したたばこ材料を製造するためのたばこブレンドに使用されるたばこタイプおよびたばこ等級の選択100である。本方法で使用されるたばこタイプおよびたばこ等級は、例えば、ブライトたばこ、ダークたばこ、アロマティックたばこ、およびフィラーたばこである。
【0046】
均質化したたばこ材料のために使用される製造が意図されている選択されたたばこタイプおよびたばこ等級のみが、本発明の方法の以下の工程による処理を受ける。
【0047】
方法は、選択したたばこを設置するさらなる工程101を含む。この工程は、例えば、製品追跡およびトレーサビリティのためにバーコードリーダーによって検証することができる等級および品質などのたばこの完全性を点検する工程を含んでもよい。たばこの葉は、収穫および乾燥処理の後、例えば、葉柄位置、品質、および色を記述する等級が与えられる。
【0048】
さらに、均質化したたばこ材料の製造のためにたばこを製造施設に移送する場合には、設置する工程101は、たばこ箱を再度箱詰めする工程またはたばこ箱のケースを開ける工程も含んでもよい。次に、再度箱詰めされたたばこは、たばこを計量するために計量ステーションに供給されることが好ましい。
【0049】
さらに、たばこを設置する工程101は、通常たばこ葉は移送のために移送箱内でベール梱包へと圧縮されているので、必要に応じて、ベール梱包を開く工程を含んでもよい。
【0050】
以下に詳細に述べるように、各たばこタイプに対して以下の工程が実施される。その後これらの工程は等級毎に実施されてもよく、その結果1つの生産ラインのみを必要とする。あるいは、異なるたばこタイプは分離したラインで処理されてもよい。一部のたばこタイプに対する処理工程が異なる場合、これは有利でありうる。例えば、従来の主なたばこプロセスでは、ダークたばこは通常追加的なケーシングを受けるので、ブライトたばことダークたばことは少なくとも部分的に分離されたプロセスで処理される。ところが、本発明によると、均質化したたばこウェブの形成の前にブレンドされたたばこ粉末にケーシングを添加しないことが好ましい。
【0051】
さらに、本発明の方法はたばこ葉を粗く粉砕する工程102を含む。
【0052】
本発明の方法の変形によると、
図1に図示するように、たばこを設置する工程101の後で、かつたばこを粗く粉砕する工程102の前に、さらに細断する工程103が実施される。細断する工程103では、たばこは、平均サイズが約2ミリメートル〜約100ミリメートルから成る細片へと細断される。
【0053】
細断する工程103の後、細片から非たばこ材料を取り除く工程を実施することが好ましい(
図1に図示せず)。
【0054】
その後、細断されたたばこは、粗く粉砕する工程102に向かって搬送される。たばこ葉の細片を粗く粉砕するためのミルへのたばこの流量を制御および測定することが好ましい。
【0055】
粗く粉砕する工程102では、たばこ細片は約0.25ミリメートル〜約2ミリメートルの平均粒子サイズまで減少する。この段階では、たばこ粒子はその細胞がまだ実質的に損傷されておらず、また結果として得られる粒子はこれに関連する搬送問題をもたらさない。
【0056】
粗く粉砕する工程102の後、たばこ粒子は、ブレンドする工程104へ(例えば、空気輸送によって)搬送されることが好ましい。あるいは、粗く粉砕する工程102の前にブレンドする工程104を実施してもよく、または存在する場合には、細断する工程103の前にブレンドする工程104を実施してもよく、あるいは細断する工程103と粗く粉砕する工程102との間にブレンドする工程104を実施してもよい。
【0057】
ブレンドする工程104で、たばこブレンドのために選択された異なるたばこタイプの全ての粗く粉砕されたたばこ粒子はブレンドされる。従って、ブレンドする工程104は全ての選択されたたばこタイプに対して単一の工程である。これは、ブレンドする工程の後は、全ての異なるたばこタイプに対して単一のプロセスラインのみが必要であることを意味する。
【0058】
ブレンドする工程104では、粒子状の様々なたばこタイプの混合を実施することが好ましい。たばこブレンドの特徴のうちの1つ以上を測定および制御する工程を実施することが好ましい。本発明によると、予め設定した標的値(複数可)による望ましいブレンドが得られるようにたばこの流れを制御してもよい。例えば、ブレンドは乾燥質量基準でブレンド内の合計たばこの少なくとも約30パーセントのブライトたばこ1を含み、また乾燥質量基準でブレンド内の合計たばこの乾燥質量基準で少なくとも約0パーセント〜約40パーセント(例えば、約35パーセント)の割合でダークたばこ2およびアロマティックたばこ3を各々含むことが望ましい場合がある。乾燥質量基準でブレンド内の合計たばこの約0パーセント〜約20パーセントの割合でフィラーたばこ4も導入することがより好ましい。従って異なるたばこタイプの流量は、この様々なたばこタイプの比が得られるように制御される。あるいは、使用される異なるたばこ葉に対して粗く粉砕する工程102がその後行われる場合、工程102の初めの計量する工程が、流量を制御する代わりに、たばこタイプおよび等級当たりの使用されるたばこの量を決定する。
【0059】
図2では、ブレンドする工程104の間の様々なたばこタイプの導入を示す。
【0060】
当然のことながら、各たばこタイプはそれ自体が下位ブレンドである可能性があり、言い換えれば、「ブライトたばこタイプ」は、例えば、バージニアたばことブラジル熱風送管乾燥処理たばことの異なる等級のブレンドである可能性がある。
【0061】
ブレンドする工程104の後、約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルのたばこ粉末平均サイズまで細かく粉砕する工程105が実施される。この細かく粉砕する工程105は、たばこのサイズをスラリーの調製のために適切な粉末サイズまで減少する。この細かく粉砕する工程105の後、たばこの細胞は少なくとも部分的に破壊され、たばこ粉末が粘着性になる場合がある。
【0062】
このようにして得られたたばこ粉末は、たばこスラリーを形成するためにすぐ使用することができる。あるいは、例えば、適切な容器内でのさらなるたばこ粉末の保存の工程を挿入してもよい(図示せず)。
【0063】
図1による均質化したたばこ材料の形成のための、たばこをブレンドする工程およびたばこを粉砕する工程は、
図3に概略的に図示されるたばこを粉砕およびブレンドするための装置200を使用して実施される。装置200は、異なるたばこタイプの蓄積、積層解除、計量、および検査が行われるたばこ受容ステーション201を含む。随意に、たばこがカートンの中に入れられて移送されている場合には、たばこを収容するカートンの取り出しが受容ステーション201で実施される。随意に、たばこ受容ステーション201は、たばこベール梱包分割ユニットも備える。
【0064】
図3では、1つの種類のたばこのための生産ラインのみを示すが、ブレンドする工程が実施される時期によっては、本発明による均質化したたばこ材料ウェブで使用される各たばこタイプのために同一の設備が存在してもよい。さらにたばこは、細断する工程103のためにシュレッダー202内に導入される。シュレッダー202は、例えば、ピンシュレッダーとすることができる。シュレッダー202は、たばこ細片を解いて細片をより小さい葉片へと細断するように、全てのサイズのベール梱包を取り扱うように適合されることが好ましい。各生産ライン内の細断されたたばこは、例えば、空気輸送203によって、粗く粉砕する工程102のためにミル204へ運ばれる。搬送中に細断されたたばこの中の異物が取り除かれるように制御がなされることが好ましい。例えば、細断されたたばこの空気輸送に沿って、ストリング除去コンベアシステム、重粒子分離装置、および金属検出器が存在してもよく、添付図ではこれら全てが205で示される。
【0065】
ミル204は、たばこ細片の約0.25ミリメートル〜約2ミリメートルのサイズまでの粗い粉砕に適合する。ミルのローターの速さを制御することができ、またたばこ細断片の流量に基づいて変化させることができる。
【0066】
均一なマスフロー制御のためのバッファサイロ206を粗い粉砕機ミル204の後に位置させることが好ましい。さらに、ミル204は、安全のためにスパーク検出器および安全停止システム207を装備していることが好ましい。
【0067】
例えば、空気輸送208によって、たばこ粒子がミル204からブレンダー210へ搬送される。ブレンダー210は、その中に適切な弁制御システムが存在するサイロを含むことが好ましい。ブレンダー内に、所定のブレンドのために選択されたたばこの全ての異なる種類の全てのたばこ粒子が導入される。ブレンダー210内でたばこ粒子は均一なブレンドへと混合される。たばこ粒子のブレンドは、ブレンダー210から細かく粉砕するステーション211へと搬送される。
【0068】
細かく粉砕するステーション211は、細かいたばこ粉末を製造するための、例えば、正しい仕様、すなわち約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルのたばこ粉末に対して適切に設計された補助設備を有する衝撃分類ミルである。スラリー調製プロセスが行われる下流のスラリーバッチ混合タンクへの連続供給のためのバッファ粉末サイロ213へ細かいたばこ粉末を運ぶために、細かく粉砕するステーション211の後に、空気輸送ライン212が適合される。
【0069】
図1の均質化したたばこ材料の製造のための方法は、懸濁液の調製工程106をさらに含む。懸濁液の調製工程106は、懸濁液を形成するためにエアロゾル形成体5と結合剤6とを混合する工程を含むことが好ましい。エアロゾル形成体5は、グリセロールとグアーを含む結合剤6とを含むことが好ましい。
エアロゾル形成体中の結合剤の懸濁液を形成する工程106は、エアロゾル形成体5と結合剤6とを容器内に装填して両者を混合する工程を含む。次に、結果として得られた懸濁液はスラリー内に導入されるまで保存されることが好ましい。グリセロールは2つの工程でグアーに添加されることが好ましく、第一の量のグリセロールはグアーと混合され、次に第二の量のグリセロールが移送パイプ内に注入され、これによりライン内の掃除しにくい場所を残さないように加工ラインを掃除するようにグリセロールが使用される。
本発明の工程106によるエアロゾル形成体中の結合剤の懸濁を実施するように適合されたスラリー調製ライン300を
図4に図示する。
スラリー調製ライン300は、グリセロールなどのエアロゾル形成体、バルクタンク301と、エアロゾル形成体5をタンク301から移送しかつその流量を制御するように適合された質量流量制御システム303を有するパイプ移送システム302とを含む。さらに、スラリー調製ライン300は、結合剤処理ステーション304と、ステーション304において受けられた結合剤6を移送および計量するための空気輸送および供給システム305を含む。
【0070】
タンク301および処理ステーション304のそれぞれからのエアロゾル形成体5および結合剤6は、混合タンク306に、または混合タンク306であるだけでなく結合剤6とエアロゾル形成体5を均一に混合するように設計されたスラリー調製ライン300の一部に移送される。
【0071】
均質化したたばこ材料を実現する方法は、セルロースパルプ107を調製する工程を含む。パルプを調製する工程107は、セルロース繊維7および水8を濃縮した形態で混合する工程を含むことが好ましく、随意に、そのように得られたパルプを保存して、次にスラリーを形成する前に濃縮したパルプを希釈する。セルロース繊維(例えば、ボードまたは袋の中にある)をパルパーに装填し、次に水を用いて液化する。結果として得られる水/セルロース溶液は異なる密度で保存してもよいが、工程107の結果であるパルプは「濃縮」であることが好ましい。「濃縮」は、希釈前に、パルプの中のセルロース繊維内の合計量が合計パルプ重量の約3パーセント〜5パーセントであることを意味することが好ましい。好ましいセルロース繊維は柔らかい木材繊維である。スラリー内のセルロース繊維の合計量は、スラリーの乾燥質量で約1パーセント〜約3パーセントであることが好ましく、スラリーの乾燥質量で約1.2パーセント〜約2.4パーセントであることが好ましい。
【0072】
水とセルロース繊維とを混合する工程は、有利なことに約15℃〜約40℃から成る温度において、約20〜約60分間持続することが好ましい。
【0073】
パルプの保存が実施される場合、保存時間は約0.1日〜約7日で変化することが好ましい場合がある。
【0074】
有利なことに、水希釈は濃縮したパルプを保存する工程後に行われる。水は、セルロース繊維がパルプの総重量の約1パーセント未満である量で濃縮したパルプに添加される。例えば、約3〜約20から成る倍数の希釈を行うことができる。さらに、濃縮したパルプと添加される水の混合を含む追加的な混合工程が行われてもよい。追加的な混合工程は、約15℃〜約40℃の温度にて約120分間〜約180分間持続することが好ましく、約18℃〜約25℃の温度であることがより好ましい。
【0075】
セルロース繊維、グアー、およびグリセロール用のすべてのタンクおよび移送パイプは、移送時間を低減し、廃棄物を最低限にし、二次汚染を回避し、かつ掃除を容易にするために、可能な限り最適に短く設計されていることが好ましい。さらに、セルロース繊維、グアー、およびグリセロール用の移送パイプは、素早くかつ途切れない流れを可能にするように可能な限り真っ直ぐであることが好ましい。特にエアロゾル形成体中の結合剤の懸濁液については、移送パイプ内の曲がりによって流量の低い区域または流れが停止する区域さえも生じる可能性があり、これが次に、ゲル化が生じ、これによって潜在的に移送パイプ内を閉塞させる区域となる可能性がある。前述したように、これらの閉塞は掃除の必要性、そして製造プロセス全体の停止につながる可能性がある。
【0076】
パルプ調製の工程107の後、随意の繊維の解繊の工程が実施されることが好ましい(
図1に図示せず)。
【0077】
パルプ形成の方法工程107を実施するための装置400を
図5に図示する。
図5は、セルロース繊維7をボード/シートまたはけば立てた繊維などのバルク形態で取り扱うよう適合されたことが好ましい供給システム401と、パルパー402とを含む、セルロース繊維供給調製ライン400を概略的に図示する。供給システム401はセルロース繊維をパルパー402に向けるように適合され、これが次に、受け取った繊維を均一に分散させるように適合される。
【0078】
パルパー402は、パルパー内の温度を所与の温度間隔内で保持する温度制御ユニット401a、および回転速度制御ユニット401bを含み、これによりパルパー402内に存在するインペラ(図示せず)を約5 rpm〜約35 rpmから成る速度に制御および保持することが好ましい。
【0079】
セルロース繊維供給調製ライン400は、水8をパルパー402内に導入するように適合された水ライン404をさらに含む。パルパー402内に導入される水の流量を制御する流量コントローラ405が水ライン404内に追加されることが好ましい。
【0080】
セルロース繊維供給調製ライン400は、繊維を処理および解繊するための繊維精製システム403もさらに含み、これにより長い繊維および絡まった繊維が取り除かれ均一な繊維分布が得られる。
【0081】
パルプ化および精製する工程の終わりにおけるセルロース繊維の平均サイズは約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルから成ることが好ましく、約1ミリメートル〜約3ミリメートルから成ることがより好ましい。
【0082】
平均サイズは平均長さであると見なされる。繊維の各長さは繊維の構造に従って計算されるため、これは繊維の真の開発された長さである。平均繊維長さは繊維数あたりで計算され、例えば、5.000繊維について計算されてもよい。
【0083】
その長さおよび幅が以下の範囲内から成る場合、測定された対象物は繊維と見なされる。
【0084】
平均繊維長さを計算するために、TechPapSASによって製造された繊維にMorFiコンパクト繊維分析器を使用することができる。
【0085】
分析は、例えば、繊維を溶液中に入れて水性繊維性懸濁液を形成することによって実施される。脱イオン水を使用し、かつサンプル調製中は機械的混合を適用しないことが好ましい。混合は繊維分析器によって実施される。測定は、約22℃および約50パーセントの相対湿度にて少なくとも24時間置かれた繊維に対して実施されることが好ましい。
【0086】
セルロース繊維供給調製ライン400は、繊維精製システム403の下流に、システム403から出てきた高度に一貫した繊維溶液を保存するための繊維精製システム403に接続されたセルロースバッファタンク407を備えてもよい。
【0087】
セルロース繊維供給調製ライン400の終わりには、その中でパルプが希釈されるセルロース希釈タンク408が存在し、かつセルロースバッファタンク407に接続していることが好ましい。セルロース希釈タンク408は、その後のスラリー混合のために適正な一貫性のあるセルロース繊維を一回分として処理するように適合される。希釈用の水は、第二の水ライン410を経由してタンク408内に導入される。
【0088】
本発明によるスラリーを形成する方法は、スラリー形成の工程108をさらに含み、この工程では、工程106で得られるエアロゾル形成体中の結合剤の懸濁液9と、工程107で得られるパルプ10と、工程104で得られるたばこ粉末ブレンド11とが一緒に組み合わせられる。
【0089】
スラリー形成の工程108は、エアロゾル形成体中の結合剤の懸濁液9およびセルロースパルプ10のタンク内への導入の工程をまず含むことが好ましい。その後、たばこ粉末ブレンド11も同様に導入される。懸濁液9、パルプ10、およびたばこ粉末ブレンド11は、これらの各々がタンク内に導入される量を制御するために適切に投与されることが好ましい。スラリーはその成分の具体的な比率に従って調製される。随意に、水8も同様に添加される。
【0090】
スラリー形成の工程108も、混合する工程を含むことが好ましく、この工程では全てのスラリー成分が一定の時間、一緒に混合される。本発明によるさらなる方法の工程では、次にスラリーは、後に続くキャスティング工程109および乾燥工程110に移動される。
【0091】
本発明の方法を実現するための工程108に適合されたスラリー形成のための装置500を、
図6に概略的に図示する。装置500は、混合タンク501を含み、このタンクにはセルロースパルプ10およびエアロゾル形成体中の結合剤の懸濁液9が導入される。さらに、ブレンドおよび粉砕ラインからのたばこ粉末ブレンド11は細かく粉砕され、スラリーを調製するために特定の量で混合タンク501の中へと投与される。
【0092】
例えば、たばこ粉末ブレンド11は、連続的な上流粉末操作の確保およびスラリー混合プロセスの要求に見合うことを確実にするために、たばこ微粉バッファ貯留サイロ内に収容されてもよい。たばこ粉末は、好ましくは空気輸送システム(図示せず)によって混合タンク501に移送される。
【0093】
装置500は、好ましくは必要な量のスラリーの成分を投与するための粉末投与/計量システム(これも図示せず)をさらに含む。例えば、たばこ粉末は、精密な投与のために秤(図示せず)または計量ベルト(図示せず)によって計量されてもよい。混合タンク501は、均質なスラリーを形成するために乾燥成分および液体成分を混合するように特に設計されている。スラリー混合タンクは、混合タンク501の外部壁上で水冷却できるように水冷壁などのクーラー(図示せず)を含むことが好ましい。スラリー混合タンク501は、制御およびモニターする目的で、レベルセンサー、温度プローブ、およびサンプリングポートなどの1つ以上のセンサー(図示せず)をさらに装備している。混合タンク501は、スラリーの均一な混合を確保するように適合されたインペラ502を有し、これは、タンクの外部壁からタンクの内部部分へ、またはその逆にスラリーを移送するように特に適合される。専用の制御ユニットによってインペラの速さを制御できることが好ましい。混合タンク501は、制御された流量での水8の導入のための水ラインも含む。
【0094】
混合タンク501は2つの分離したタンクであって、その一つがスラリーの流れの中でもう一方の下流にあり、スラリー調製用の一つのタンクと、キャスティングステーションに連続的なスラリー供給を提供するための移送用のスラリーを有する第二のタンクと、を含むことが好ましい。
【0095】
均質化したたばこウェブを製造するための本発明の方法は、キャスティングする工程109をさらに含み、この中で工程108で調製されたスラリーは連続的なたばこウェブ中で支持体上にキャスティングされる。キャスティングする工程109は、スラリーを混合タンク501からキャスティングボックスへと移送することを含む。さらに、キャスティングボックスの中のスラリーのレベルおよびスラリーの水分をモニターする工程を含むことが好ましい。次に、キャスティングする工程109は、好ましくはキャスティングブレードによって鋼製コンベアなどの支持体上にスラリーをキャスティングすることを含む。さらに、エアロゾル形成物品内で使用するための最終的な均質化したたばこウェブを得るために、本発明の方法は、乾燥工程110を含み、この工程では、均質化したたばこ材料のキャストウェブは乾燥していることが好ましい。乾燥工程110は、キャストウェブを蒸気および加熱空気によって乾燥することを含む。キャストウェブが支持体と接触する側で蒸気を用いた乾燥工程が実施され、一方でキャストウェブの開放側で加熱空気を用いた乾燥が実施されることが好ましい。
【0096】
キャスティングする工程109および乾燥工程110を実施するための装置を、
図7に概略的に図示する。キャスティングおよび乾燥する装置600は、好ましくは流量制御を有するポンプなどのスラリー移送システム601と、スラリーがポンプによって移送されるキャスティングボックス602とを含む。キャスティングボックス602は、レベル制御603と、スラリーを均質化したたばこ材料の連続ウェブへとキャスティングするためのキャスティングブレード604とを装備することが好ましい。キャスティングボックス602は、キャストウェブの密度を制御するために密度制御装置605も含んでもよい。
【0097】
ステンレス鋼製のベルトコンベヤー606などの支持体は、キャスティングブレード604によってスラリーキャストを受け取る。
【0098】
キャスティングおよび乾燥する装置600は、スラリーのキャストウェブを乾燥するための乾燥ステーション608も含む。乾燥ステーション608は、蒸気加熱609および上方空気乾燥610を含む。
【0099】
キャスティング工程109および乾燥工程110の終わりにおいて、均質化したたばこウェブは支持体606から取り外されることが好ましい。乾燥ステーション608の後で適正な含水量にてキャストウェブのドクタリングを実施することが好ましい。
【0100】
水分の標的または仕様に達するようにウェブの含水量をさらに取り除くために、キャストウェブは二次乾燥プロセスを通過することが好ましい。
【0101】
乾燥工程110の後、例えば、単一のマスターボビンを形成するように、巻き取り工程111でキャストウェブを1つ以上のボビンに巻き取ることが好ましい。次に、切り込みを入れて小さいボビンを形成するプロセスによってより小さいボビンの製造を実施するために、このマスターボビンを使用してもよい。次に、エアロゾル発生物品(図示せず)の製造のためにより小さいボビンを使用してもよい。
【国際調査報告】