(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-534345(P2017-534345A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(54)【発明の名称】摺動扉機構を有する家具物品
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20171027BHJP
E05D 15/10 20060101ALI20171027BHJP
【FI】
A47B55/00
E05D15/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-516927(P2017-516927)
(86)(22)【出願日】2015年9月10日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月28日
(86)【国際出願番号】IB2015056944
(87)【国際公開番号】WO2016059488
(87)【国際公開日】20160421
(31)【優先権主張番号】TV2014A000146
(32)【優先日】2014年10月12日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516265621
【氏名又は名称】ボルトルッツィ システミ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ジロット,アドリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】ダル カステル,ロドルフォ
【テーマコード(参考)】
2E034
3B067
【Fターム(参考)】
2E034GA04
2E034GA08
2E034GB15
3B067AA05
3B067AA06
3B067AA11
3B067DA00
3B067DA03
3B067DA04
(57)【要約】
家具物品(10)の扉のための機構を記載する。家具物品は、コンパートメント(V)、コンパートメントを閉鎖/開放する摺動扉(22、24)、コンパートメントの内部に組み付け、コンパートメントを開放する水平移動の間に扉を支持する機構(40)を備える。機構は、扉を移動させてコンパートメントを開放する際の支持点(48、58)を扉上に有し、点は、扉の摺動に平行な方向に沿って家具物品に対して変位可能であり、前記点は、コンパートメントに拘束した剛性要素(46、56)内に含まれている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具物品(10)であって、
コンパートメント(V)、
前記コンパートメントを閉鎖/開放する摺動扉(22、24)、
前記コンパートメントを開放する水平移動の間に前記扉を支持するため、前記コンパートメントの内部に組み付けた機構(40)
を備え、
前記機構は、前記扉を移動させて前記コンパートメントを開放する際の支持点(48、58)を前記扉上に有し、
前記点は、前記扉の摺動に平行な方向に沿って前記家具物品に対して変位可能であり、前記点は、前記コンパートメントに拘束した剛性要素(46、56)内に含まれている、家具物品(10)。
【請求項2】
前記剛性要素は、前記コンパートメントの内部に組み付けた回転可能アーム(44、46、54、56)を備え、前記コンパートメントを開放する水平移動の間、前記扉を支持する、請求項1に記載の家具物品(10)。
【請求項3】
前記回転可能アームは、前記扉を移動させて前記コンパートメントを開放する際、前記扉の摺動方向に平行であるように構成した区分(44、54)を備え、前記アームは、前記コンパートメントに付けたヒンジによって−使用時−垂直軸(X1)周りに移動する、請求項2に記載の家具物品(10)。
【請求項4】
前記区分は、前記回転可能アームに付けたヒンジによって−使用時−垂直軸(X2)周りに移動する、請求項3に記載の家具物品(10)。
【請求項5】
前記区分を前記回転可能アームに付けたヒンジによって移動させ、前記回転可能アーム自体を回転させて前記扉の摺動方向に平行に配置できるようにし、前記区分の自由端は、前記扉の開放方向に面している、請求項3又は4に記載の家具物品(10)。
【請求項6】
前記区分は、前記自由端上に組み付けた転動要素(48、58)を備え、組み付けた前記扉又は案内部は、前記転動要素上を摺動することができる、請求項3又は4又は5に記載の家具物品(10)。
【請求項7】
前記機構は、前記コンパートメントに付けたヒンジによって移動する第1の対の平行アーム(44、54)、及びそれぞれが前記第1のアームに付けたヒンジによって移動する第2の対の平行アーム(46、56)を備える、請求項1から6のうちいずれか一項に記載の家具物品(10)。
【請求項8】
1つ又は各対の前記アームは、剛性要素(60、62)によって接続されている、請求項7に記載の家具物品(10)。
【請求項9】
1つ又は各対の前記アームは、前記剛性要素の一端に挿入する座を備える、請求項8に記載の家具物品(10)。
【請求項10】
1つ又は各対の前記アームは、固着要素(42、52)を介して、前記コンパートメント又は前記家具物品に付けたヒンジによって移動し、前記固着要素は、
前記家具物品又は前記コンパートメントに固定可能な基部、及び
前記基部に対して適所に調節可能な部分
を備える、請求項7又は8又は9に記載の家具物品(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉のための機構に関し、詳細には、摺動扉のための運動システムに関し、該機構を備える家具物品に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の家具物品には、摺動扉が組み付けられており、これらは、ヒンジによって移動する扉の欠点、即ち、それほど大きくないコンパートメントの閉鎖表面及びかさばる開放半径、をなくすようにするためのものである。各摺動扉は、車輪を有するキャリッジに接続された一対のブラケットによって支持され、車輪は、レールの内部を摺動し、レールは、金属区分で形成され、家具物品の天井及び/又は底部上に配置されている。
【0003】
ブラケット及びキャリッジは、扉を支持、案内するには十分ではなく、可動アームが、扉を閉鎖するコンパートメントの内部に組み付けて追加される。
【0004】
そのようなアームは、扉を片持ち状態で家具物品に対して外すことを可能にするように、扉に直交する方向で直線的に拡張可能であり、一端には車輪の付いたL字形状部を有する。L字形状部は、扉の水平行程を増大させるのに役立つが、それにもかかわらず、これらのシステムの問題には、水平行程が、アームにより課される端部停止部によって制限されるため、コンパートメントを完全に開放することができないということがある。L字部の横断区分の長さを増大させると、扉の開放行程を増大させるが、閉鎖行程は減少する。妥協案を選択しているが、満足のいくものではない。L字形アームを移動させるために、アームは、歯付き車輪上で噛み合うラックも備える。このシステムは、音が大きく、その動きには、歯付き車輪がラックに対し噛み合うことで生じるいくつかの摩擦がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの問題のうち少なくとも1つをなくすことが本発明の主な目的であり、本発明は、添付の特許請求の範囲において定義し、従属請求項は、有利な変形形態を定義する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、家具物品を提案するものであり、家具物品は、
コンパートメント、
コンパートメントを閉鎖/開放する摺動扉、
コンパートメントを開放する水平移動の間に扉を支持するため、コンパートメントの内部に組み付けた機構
を備え、
機構は、扉を移動させてコンパートメントを開放する際の支持点を扉上に有し、
点は、扉の摺動に平行な方向に沿って家具物品に対して変位可能であり、前記点は、前記コンパートメントに拘束された剛性要素内に含まれている。
【0007】
支持点が平行に移動可能であることで、扉の端部停止部が移動し、扉がコンパートメントをより大きく開放することができる。
【0008】
好ましくは、剛性要素は、コンパートメントの内部に組み付けた回転可能アームを備え、コンパートメントを開放する水平移動の間、扉を支持する。本発明は、単純で堅牢な解決策であり、支持点の変位を制限する従来技術の直線移動をなくす。
【0009】
好ましくは、回転可能アームは、扉を移動させてコンパートメントを開放する際、扉の摺動方向に平行であるように構成した区分又は部分を備え、アームは、コンパートメントに付けたヒンジによって−使用時−垂直軸周りに移動する。
【0010】
このようにして、支持点は、水平に揺動することによってより多く移動することができる。
【0011】
好ましくは、区分は、回転可能アームに付けたヒンジによって−使用時−垂直軸周りに移動する。このようにして、支持点は、より一層多く移動することができ、扉の開放行程を最大にする。
【0012】
具体的には、前記区分は、回転可能アームに付けたヒンジによって移動し、回転可能アーム自体を回転させて扉の摺動方向に平行に配置できるようにすることが有利である。端部停止部が開口に向かって移動し、更にはコンパートメント縁部側にまでかなり移動するという、扉に対する利益が得られる。
【0013】
具体的には、及び同じ理由のために、以前の変形形態の組合せ又は代替では、前記区分を回転可能アームに付けたヒンジによって移動させ、(i)回転可能アーム自体を回転させて扉の摺動方向に平行に配置できるようにし、(ii)区分の自由端は、扉の開放方向に面していることが有利である。
【0014】
好ましくは、区分は、前記自由端上に組み付けた車輪又は転動体を備え、扉、又は扉上に組み付けた案内部は、転動体上を摺動することができる。
【0015】
好ましくは、機構は、安定性及び抵抗力を高めるために、いくつかの回転可能アームを備える。具体的には、機構は、コンパートメント、好ましくはコンパートメントの境界を定める天井パネル及び床パネルに付けたヒンジによって移動する第1の対の平行アーム、並びにそれぞれが第1のアームに付けたヒンジによって移動する第2の対の平行アームを備えることができる。第2の対のアームは、前記区分のために説明した変形形態の全て又はいくつかを取ることができる。好ましくは、各対のアームは、必要部品及び備品の数を最小にするために、互いに等しい。
【0016】
好ましくは、強度を増大させるために、1つ又は各対のアームは、バー、又は硬質、例えば真直ぐな部材によって接続されている。好ましくは、アームは、バー又は硬質要素の一端を挿入するためのスロット若しくは座、又はバー若しくは硬質要素のための取付け手段を備える。
【0017】
好ましくは、第1のアーム又は回転可能アームは、コンパートメントに付けたヒンジによって移動するか、固着要素、例えば、例えば角のあるブラケットを介して移動可能である。固着要素は、家具物品又はコンパートメントに固定可能な基部、及び基部に対して適所に調節可能な部分を備えることができる。
【0018】
利点は、アームを扉に組み付ける及び/又は扉に結合する際、アームの位置を調節することである。
【0019】
本発明の別の態様は、分離機構であり、この分離機構により、汎用の家具物品を備える、又は従来技術の家具物品と交換することができる。
【0020】
したがって、上記で定義した、1点の家具のための機構を提案するものであり、
機構は、コンパートメントを開放する水平移動の間に扉を支持するため、コンパートメント内に組み付け可能であり、
機構は、扉を移動させてコンパートメントを開放する際の支持点を扉上に有し、
点は、扉の摺動に平行な方向に沿って家具物品に対して変位可能であり、前記点は、コンパートメントに拘束した剛性要素内に含まれている。
【0021】
具体的には、機構自体は、本明細書で定義又は記載する特徴のいくつか又は全てを備えることができる。
【0022】
例えば、機構は、
−回転可能アームを備えることができ、回転可能アームは、前記コンパートメントの内部に組み付け、コンパートメントを開放する水平移動の間に扉を支持するように構成する、及び/又は
−回転可能アームは、扉を移動させてコンパートメントを開放する際、回転可能アーム自体を扉の摺動方向に平行に配置するように構成した区分若しくは部分を備えることができ、アームは、コンパートメントに付けたヒンジによって−使用時−垂直軸周りに移動する、及び/又は
−区分は、回転可能アームに付けたヒンジによって−使用時−垂直軸周りに移動することができる、及び/又は
前記区分は、回転可能アームに付けたヒンジによって移動することができ、区分自体を回転させ、扉に垂直に配置できるようにする、及び/又は
前記区分は、回転可能アームに付けたヒンジによって移動することができ、(i)区分自体を回転させ、扉の摺動方向に平行に配置できるようにし、(ii)区分の自由端は、扉の開放方向に沿って向けられている、及び/又は
区分は、前記自由端上に組み付けた車輪若しくは転動要素を備えることができ、扉、若しくは扉上に組み付けた案内部は、転動要素上を摺動することができる、及び/又は
−機構は、いくつかの回転可能アームを含むことができる。具体的には、機構は、コンパートメント、好ましくはコンパートメントの境界を定める天井パネル及び床パネルに付けたヒンジによって移動する第1の対の平行アーム、並びにそれぞれが第1のアームに付けたヒンジによって移動する第2の対の平行アームを備えることができる。第2の対のアームは、前記コンパートメントのために説明した変形形態の全て又はいくつかを取ることができる。
【0023】
好ましくは、各対のアームは互いに等しい、及び/又は
−1つ又は各対のアームは、バー、若しくは例えば真直ぐな、硬質要素によって接続されている、及び/又は
アームは、バー若しくは硬質要素の一端を挿入することができるスロット若しくは座、又はバー若しくは硬質要素のための固定手段を備える、及び/又は
第1のアーム若しくは回転可能アームは、固着要素、例えば、例えば角のあるブラケットを介してコンパートメント若しくは家具物品に付けたヒンジによって移動する。固着要素は、コンパートメント若しくは家具物品に固定可能な基部、及び基部に対し適所に調節可能な部分を備えることができる。利点は、アームを扉に組み付ける及び/又は扉に結合させる際にアームの位置を調節できることである。
【0024】
本発明の利点は、添付の図面を参照する好ましい実施形態の以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】扉が閉鎖している家具物品の3次元図である。
【
図2】扉が開放されている、
図1の家具物品の3次元図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面では、同一の番号は、同一又は概念的に同様の部品を示し、要素は使用時のものとして説明する。
【0027】
図1は、家具物品10を示し、家具物品10は、天井パネル12、2つの側方パネル14、16、底部20、及び背面パネル28を備え、これらは、コンパートメントVの境界を定める。
【0028】
互いに対して水平に摺動する2つの扉22、24は、コンパートメントVを覆う(
図1)又は開放する(
図2)ことができる。
【0029】
各扉22、24は、キャリッジに接続した一対のブラケット30、32によって公知の様式で支持されており、キャリッジは、例えば天井パネル12上に設置したレール34の内部を摺動する転動体を備える。
【0030】
扉22、24を支持、案内するために、コンパートメントVの内部に組み付けた連結機構40がある。簡単にするために、機構は扉22に対するものと同一とすることができるため、扉24の機構のみを説明する。
【0031】
機構40(
図4)は、一対の第1のアーム44、54を備え、一対の第1のアーム44、54は、2つの任意選択の、例えば角のあるブラケット42、52により、コンパートメントVに付けたヒンジによって垂直軸X1周りに移動する。ブラケット42、52は、コンパートメントVの内部で軸X1、X2の微調整を可能にする。
【0032】
好ましくは、運動学及び構造を簡略化するために、アーム46、56及びアーム44、54は、互いに平行で、真直ぐである。
【0033】
第2の対の平行アーム46、56はそれぞれ、第1のアーム44、54に付けたヒンジによってX1に平行である垂直軸X2周りに移動する。
【0034】
アーム46、56の端部には、X1及びX2に平行な枢動軸X3を有する車輪48、58が組み付けられている。車輪48、58は、扉24の内側に組み付けた相補形案内部70の内部に摺動させることができる(
図6)。したがって、扉24は、外れることなく機構40に相対的に移動させることができる。
【0035】
機構40により大きな剛性を与えるために、好ましくは、アーム44、54は、バー60によって接続されている、及び/又はアーム46、56は、バー62によって接続されている。例えば、アーム44、54及びアーム46、56は、もう一方のアームに面する側に、バーの端部を挿入する溝又は空洞を有することができる。
【0036】
操作
扉24を移動してコンパートメントVを開放するには、扉24を家具物品10の外側の方に引くだけで十分である。ブラケット32及び機構40によって支持している扉24を、家具物品10から離して移動させ、この扉24自体を、閉鎖している扉22よりも外側に配置する。次に、扉24を押し、扉24を扉22に重ねることができる。
【0037】
扉24が閉鎖した状態である静止時(
図1)、機構40は、概ね
図7のように構成され、アーム44、46、54、56は、パネル12の方に回り、向けられている(
図7)。
【0038】
扉24を家具物品10から引き離すと、アーム44、46、54、56が反対側パネル14の方にわずかに回転する。
【0039】
扉24を扉22に向け、扉22の上に水平摺動する間でさえ、アーム44、46、54、56は、閉鎖している扉22の方に(
図7及び
図8では反時計回りで)軸X1周りにわずかに回転する。
【0040】
水平摺動の行程が終了すると、案内部70の境界は車輪48、58と当接する。次に、アーム46、56の軸X1周りの回転、及びアーム44、54の軸X2周りの回転は、かなり増大する。最終的に、アーム44、54は、扉22、24の平面にほぼ直交し(このことは、背面パネル28に直交するのと同じである)、アーム46、56は、アーム44、54に実質的に直交する(
図8)。
【0041】
アーム44、54及びアーム46、56は、この点でL字形支持体を形成し、この支持体の外側区分は、扉22、24の平面に平行である(且つ扉22、24の摺動方向に平行である)。軸X2に対するアーム44、54とアーム46、56との間の連結により、機構40が変形し、扉24の動きに動的に従うことを可能にする。特に、アーム46、56のアーム44、54に対する回転は、扉24を移動させる際に転動体48、58の位置を変化させる。したがって、車輪48、58は、扉24の開/閉位置に対して2つの異なる位置を取ることができる。扉24の開放に対する停止限界の長さが得られる(アーム46、56が任意の長さを有することができる)だけではなく、アーム46、56とアーム44、54との間の(例えば回転に対する)相対的な変位により、前記Lの外側区分の長さに関する設計の制限がなくなる。というのは、そのような区分(ここではアーム46、56)が扉24に沿って移動するためである。実際、従来技術の剛性L字形アームの場合、支持点は、扉の摺動方向に相対的に固定されており、コンパートメントVの開放を越えないため、行程終端停止部は、固有に決定されている。
【0042】
アーム46、56と共に、車輪58、48(即ち扉24の支持点)も移動する。また、アーム46、56の回転により、前記支持点がコンパートメントVの中央縁部を飛び越すだけでなく、もう一方の閉鎖している扉22に重なることに留意されたい(
図9の10を参照)。したがって、扉24の停止限界は、扉22の方に広くなる及び/又は移動し、それによりコンパートメントVをより大きく開放することを可能にする。
【0043】
機構は、他の利点を有する。例えば、機構は、滑らかさが向上している。というのは、アーム44、46、53、56が回転し、比較的小さな直径を有するピンと共にヒンジによって移動するためであり、そのため、アームの回転の間に生じる摩擦は、レバーの長さと比較すると比例して無視できる。
【0044】
機構は、従来技術のピニオン−ラック結合のように相対的な遊びがないこと、及び非常に強固な区分でトーション・バー(例えばバー60、62を参照)を使用することができるために、剛性がより高くなっている。
【0045】
既に説明したものと比較して可能な変形形態は、例えば以下のものである:
・扉の数及び形態;
・案内部34内で上側キャリッジを使用して扉を移動又は支持することは任意選択であるが、有利である。機構40単独で扉を保持することができるものの、ほとんどの用途では、特に扉24を上側キャリッジ及び下側キャリッジによって案内する場合にキャリッジ30、32の非対称や詰まりを回避することによって、扉24を家具物品10の構造に対して垂直平行に保持するか、又は扉24の頂部及び底部を垂直に位置合わせして保つことを保証するだけであることがある。
・一対のアーム46、56及びアーム44、54の使用は任意選択であるが、支持体の剛性及び安定性を向上させる。一対のアーム46、56又はアーム44、54を有すれば十分であり得る。
・互いがヒンジによって移動する一対のアームの使用は任意選択である。例えば、端部をコンパートメントに付けたヒンジによって移動するL字形アームを有すれば十分であり得る。しかし、上述の扉のための支持点を移動するために、他のシステム、例えば、更に若しくはもっぱら、コンパートメントに付けたヒンジによって、扉の平面に直交する(即ち、背面パネル28に直交する)1つ又は複数の軸周りに移動するアーム、電気アクチュエータ又はドライバ又は連結した平行四辺形部、を実装することもできる。
【国際調査報告】