特表2017-534487(P2017-534487A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-534487移行型断面形状を有する供給ミキサー用の排出ゲートアダプタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-534487(P2017-534487A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(54)【発明の名称】移行型断面形状を有する供給ミキサー用の排出ゲートアダプタ
(51)【国際特許分類】
   B28C 7/16 20060101AFI20171027BHJP
【FI】
   B28C7/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-519615(P2017-519615)
(86)(22)【出願日】2015年10月15日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月12日
(86)【国際出願番号】US2015055630
(87)【国際公開番号】WO2016069273
(87)【国際公開日】20160506
(31)【優先権主張番号】62/072,654
(32)【優先日】2014年10月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/736,510
(32)【優先日】2015年6月11日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】596172325
【氏名又は名称】ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(72)【発明者】
【氏名】スタンレー・シー・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・シャムウェイ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・パーカー
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス・アール・ウィットボールド
【テーマコード(参考)】
4G056
【Fターム(参考)】
4G056AA10
4G056CD36
4G056CE02
(57)【要約】
スラリーを収容するように構成されたインレット開口部(56)と、スラリーを分配装置(40)に供給するように構成されたアウトレット開口部(58)とを有するゲートアダプタ(38)を備える、石膏スラリーミキサー(12)用の排出ゲート(36)が提供される。ゲートアダプタ(38)は、両端に2つの異なる移行型断面形状を有する。具体的には、ゲートアダプタ(38)は、四辺形のインレット開口部(60)を有するインレット部(64)と、 ほぼ円形のアウトレット開口部(62)を有するアウトレット部(66)と、 インレット部とアウトレット部(64、66)との間に介在する移行部(68)とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石膏スラリーミキサー(12)用の排出ゲート(36)であって、
スラリーを収容するように構成されたインレット開口部(56)とスラリーを分配装置(40)に送出するように構成されたアウトレット開口部(58)、とを有するゲートアダプタ(38)を備え、
前記ゲートアダプタ (38)は両端に2つの異なる移行型横断面形状を有し、また、前記ゲートアダプタ(38)は、
四辺形のインレット開口部(60)を有するインレット部(64)と、
ほぼ円形のアウトレット開口部(62)を有するアウトレット部(66)と、
前記インレット部64とアウトレット部(66)との間に介在する移行部(68)と、を備える排出ゲート(36)。
【請求項2】
前記インレット開口部(60)の四辺形の断面形状は、前記アウトレット開口部(62)の円形断面形状にゲートアダプタ(38)の長手方向軸に沿って移行する請求項1に記載の排出ゲート。
【請求項3】
前記アウトレット部(64)は、頂壁(76)、底壁(78)、およびアウトレット部(64)の2つの対向する側壁(80,82)によって少なくとも部分的に画定されるインレットチャンバ(74)を含む請求項1に記載の排出ゲート。
【請求項4】
前記インレットチャンバ(74)の頂壁および底壁(76,78)の内面間のインレット部(64)の外縁(84)近傍の第1の内径D1は、頂壁(76)および底壁(78)の内面間のインレット部と移行部(64,68)の第1の結合縁部(86)近傍の、D1と対向する第2の内径D2より小さい請求項3に記載の排出ゲート。
【請求項5】
対向する側壁(80,82)の内面間のインレット部(64)の外縁(84)近傍の第3の内径D3は、側壁(80,82)の内面間のインレット部(64)と移行部(68)の第1の結合縁部(86)近傍の第4内径D4より大きい請求項3に記載の排出ゲート。
【請求項6】
前記インレットチャンバ(74)は、ほぼ四辺形の断面形状を有し、頂壁、底壁、および側壁(76,78,80,82)のうちの少なくとも1つは、インレット部(64)の外縁(84)と、インレット部と移行部(64,68)の第1の結合縁部(86)との間に傾斜した内面(88)を有する請求項3に記載の排出ゲート。
【請求項7】
前記アウトレット部(66)は、前記インレット部[66]の長手方向軸に沿って所定の内径を有する環状に包囲する内壁(92)によって画定されるアウトレットチャンバ(90)を含み、アウトレット部(66)の外縁(94)近傍の第1の内径ID1およびアウトレット部と移行部(66,68)の第2の結合縁部(96)近傍の第2の内径ID2は、ほぼ同じ長さである請求項1に記載の排出ゲート。
【請求項8】
前記移行部(68)は、前記インレット部と移行部(64,68)の第1の結合縁部(86)近傍のインレット部(64)から延びる頂壁、底壁、および側壁(76,78,80,82)によって少なくとも部分的に画定された移行チャンバ(98)を含み、移行チャンバ(98)は、アウトレット部と移行部(66,68)の第2の結合縁部(96)近傍のアウトレット部(66)から延びる環状に包囲する内壁(92)によって少なくとも部分的にさらに画定される請求項1に記載の排出ゲート。
【請求項9】
インレット部、アウトレット部、および移行部(64,66,68)の少なくとも1つは、インレット部、アウトレット部、および移行部(64,66,68)の少なくとも1つの内面によって画定されるスラリー通路(102)の中心近くに配置された少なくとも1つの注入ポート(100)を有する請求項1に記載の排出ゲート。
【請求項10】
四辺形のインレット開口部(60)を有するインレット部(64)と、
ほぼ円形のアウトレット開口部(62)を有するアウトレット部(66)と、
インレット部64とアウトレット部66との間に介在する移行部68と、を備える、石膏スラリーミキサー(12)から混錬スラリーを送出するためのゲートアダプター(38)であって、
インレット開口部(60)の四辺形の断面形状が、アウトレット開口部(62)の円形断面形状にゲートアダプタ(38)の長手方向軸に沿って移行するゲートアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連技術の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)項に基づき2014年10月30日に出願された米国仮出願第62/072,654号、および2015年6月11日に出願された米国特許出願第14/736,510号の優先権を主張する。ここに本明細書の一部を構成するものとして上記公報の内容を援用する。
【0002】
本開示は、一般に、焼石膏および水を含む出発原料から石膏製品を作成するための装置に関し、特に、攪拌された石膏スラリーをウォールボード製造ラインに供給するのに用いられるタイプのスラリーミキサーに取り付けて使用する改良された石膏スラリーミキサー用のゲートに関する。
【背景技術】
【0003】
石膏製品は以下のように製造することが知られている。焼石膏を水中に分散させてスラリーを形成し、次いで所望の成形型または表面上にスラリーを鋳造し、この焼石膏(硫酸カルシウム半水和物または無水物)を水と反応させ硬貨させ水和石膏(硫酸カルシウム二水和物)を形成する。混錬石膏の製造に関連するいくつかの操作上の問題に対処するための従来の装置および方法は、同一譲受人に譲渡された米国特許第6,494,609号および第7,007,914号に開示され、両者ともにその全体が参考として援用されている。石膏ウォールボード用ミキサーは、典型的には、当該技術分野において周知の他の添加剤の中から焼石膏および水を収容するためのインレット口を有するミキシングチャンバを画定するハウジングを備える。また、当該ミキサーは、内容物を攪拌して混錬物またはスラリーの状態に混錬するためのインペラーまたは他のタイプの攪拌機を備える。このようなミキサーは、典型的には、遮断ブロックまたはドアを有する円形の排出ゲートまたはスロットを接線方向に有する。この排出ゲートは、ミキサーからのスラリーの流れを制御するが、より厚い又はより薄いウォールボードが所望される場合のように、製品要求が変化する場合、スラリーの流れを調整又は変更することは困難である。
【0004】
従来、接線方向の排出ゲートまたはスロットは、ミキサー周壁上のアウトレットに配置され、スラリーの大部分を排出する。一般的に円形の断面を有する可撓性ホースは、ほぼ矩形の排出ゲートに挿入され、ウォールボード製造ラインの移動コンベアベルト等の所望の場所にスラリーを搬送する。しかしながら、排出ゲート開口部とホースとのそれぞれの断面形状の相違のために、ホースは、ゲートからの潜在的なスラリー流量、特に円形ゲート開口部の上部を循環するスラリーの全部を捕捉しない。その結果、ミキサーまたは排出ゲート内のスラリーの一部は、ミキサー内を流れ続け、ミキシングチャンバ内に再進入する。また、スラリーはミキサーまたは排出ゲート内に半固定状態になることが知られており、これは製品としてのウォールボードに塊を生成するため望ましくなく、半固定状態の粒子をミキシングチャンバから洗浄する手間を要する場合がある。
【0005】
従来のミキサーでは、排出ゲートの円形のインレット/アウトレット開口部の最高点および/または最低点を移動するスラリーの一部は、ミキサーから完全に逃げることができず、ミキサー内を循環し続け、それによってスラリー塊および増粘スラリーチャンクが生じる。その結果、アプリケーションによっては、円形排出ゲートは、半固定化、堆積および目詰まりなどのスラリー流動の問題を引き起こし、混錬スラリーをミキサーから排出ゲートのアウトレット開口部に効率的に供給することを困難にする。
【0006】
よって、作動中に混錬スラリーの円滑な供給を促進するために、ミキサーから排出ゲートのアウトレット開口部への石膏スラリーの均一な流れを提供する改善された排出ゲートが必要となる。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、ミキサーおよび排出ゲートの内部におけるスラリー及び混錬物の改善された流れを促進する装置を提供するとともに、改善された排出ゲート構成を提供する。本発明の排出ゲートの主な態様は、ほぼ矩形のインレット開口部と、ほぼ円形のアウトレット開口部を有するゲートアダプタまたは減速機をゲートに備えることである。具体的には、インレット開口部の矩形断面形状は、アウトレット開口部の円形断面形状にゲートアダプタの長手方向軸に沿って移行する。このような構成により、ゲートアダプタの長手方向軸の全長に沿って、徐々に連続的に移行が進み形状がブレンドする断面形状が作り出される。ゲートアダプタにおけるこのような移行型構成は、ゲートを通る混錬スラリーの所望の一貫した流れを促進する上で非常に有益であることが判明している。
【0008】
さらに、排出ゲート内のスラリー混錬を促進するためにミキシングチャンバからスラリーが流れる際、混錬スラリー全てを送出することが重要である。スラリー混錬の動力学は予測できないが、移動するスラリーがゲートを出る際に均一に送出されることが重要である。本発明のミキサーゲートにおいては、ゲートアダプタは、スラリーの流れの背圧を調整するためにゲートのアウトレットに設置される。このように、本発明のゲートアダプタは、均一な圧力でより均一に混錬スラリーを送出する。
【0009】
一実施形態では、スラリーを収容するように構成されたインレット開口部と、スラリーを分配装置に送出するように構成されたアウトレット開口部とを有するゲートアダプタを備える石膏スラリーミキサー用の排出ゲートが提供される。ゲートアダプタは、両端に2つの異なる遷移断面形状を有する。具体的には、ゲートアダプタは、四辺形のインレット開口部を有するインレット部と、ほぼ円形のアウトレット開口部を有するアウトレット部と、 インレット部とアウトレット部との間に介在する移行部とを含む。
【0010】
別の実施形態では、石膏スラリーミキサーから混錬スラリーを送出するためのゲートアダプタが提供される。ゲートアダプタは、四辺形のインレット開口を有するインレット部と、ほぼ円形のアウトレット開口部を有するアウトレット部と、インレット部とアウトレット部との間に介在する移行部とを含む。インレット開口部の四辺形断面形状は、ゲートアダプタの長手方向軸に沿ったアウトレット開口部の円形断面形状に移行する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の排出ゲートの特徴を組み込んだ混錬装置の部分平面図である。
図2】インレット部、アウトレット部、および移行部を備えた本発明のゲートアダプタの側面斜視図である。
図3】インレット開口部を備えた本発明の排出ゲートの部分的な内部斜視図である。
図4】例えば流出口を備えた図3に示す本発明の排出ゲートの拡大図である。
図5】アウトレット開口部を備えた本発明の排出ゲートの外観側面斜視図である。
図6】組み立て前の、図2のゲートアダプタの拡大正面斜視図である。
図7】インレット開口部を備えた図2のゲートアダプタの部分側面図である。
図8】組立後の、排出ゲート上に設置された図2の本発明のゲートアダプタの平面図である。
図9A】本発明のゲートアダプタの側面図である。
図9B図9Aのゲートアダプタの上面図である。
図9C図9Aのゲートの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、例えばスラリーを混錬および分配するための混錬装置を10で示し、この混錬装置10は、スラリーを収容して混錬するように構成されたハウジング14を有するミキサー12を含む。ハウジング14は、好ましくは垂直な軸18、上部半径方向壁20、下部半径方向壁22および環状周壁24を有する略円筒形のミキシングチャンバ16を画定する。焼石膏用インレット口26および水用インレット口28は両方とも、好ましくは垂直軸18に近接した上部半径方向壁20に配置される。尚、インレット口26,28は、ミキサー12の他の部分に配置することもでき、重力により簡単に石膏および水を混錬室16に供給することができるように、それぞれ石膏および水供給容器(図示せず)に接続される。また、当技術分野でよく知られているように、石膏および水以外の石膏製品(例えば、促進剤、遅延剤、充填剤、でんぷん、結合剤、強化剤など)を調製するためにスラリーにしばしば使用される他の材料または添加剤もまた、これらのインレット口または同様に配置された他のインレット口をから供給される。
【0013】
攪拌器30は、ミキシングチャンバ16内に配置され、垂直軸18と同心に配置され上部半径方向壁20を通って延びるほぼ垂直な駆動シャフト32を有する。シャフト32は、ミキシングチャンバ16の内容物を混錬するために攪拌機30を攪拌するのに適した任意の速度でシャフトを回転させるために、モータ等従来の駆動源に接続される。一般的には275−300rpmの範囲の速度となる。この回転により、得られた水性スラリーが、矢印Aで示す反時計回りまたは時計回りに外向き螺旋形状を描いて、ほぼ遠心方向に搬送される。また、本発明のミキサー30は、撹拌機からチャンバ16内のスラリー内に延伸する攪拌ピン(図示せず)の存在により、「ピン」ミキサーとも呼ばれる。尚、この攪拌機30の図示は比較的簡略化して、当該技術分野で知られている石膏スラリーミキシングチャンバで一般的に使用される攪拌機の基本原理を示すことのみとする。突起またはパドルを使用するものを含む攪拌器の構成も考案されている。
【0014】
ミキサーのアウトレット34には、移行型ゲートアダプタまたは減速機38を備えた排出ゲート36がミキサー12の周壁24に取り付けられ、充分混錬されたスラリーの大部分を、配管または可撓性のブーツまたはホースのような円筒形の導管42を介して矢印Bで示す方向に分配装置40に排出する。好ましい実施形態では、ゲートアダプタ38は、ステンレス鋼のような金属製であるが、他の同等の耐久性のある材料も考えられる。当該技術分野で知られているように、分配装置によって放出されるスラリーの最終的な目的地は、移動コンベヤーベルトを含む石膏ウォールボード製造ラインである。ミキサーのアウトレット34の形状は、好ましくは断面が矩形であるが、用途に適合するように他の適切な形状も考えられる。
【0015】
また、ミキサー12の構成は変更可能であると考えられるが、ミキサーは石膏ウォールボードの製造に一般的に使用される遠心型であり、アウトレット34が、ハウジング14に対して接線方向にスラリーを分配するタイプのものであることが好ましい。一実施形態では、遮断ブロック44が排出ゲート36と一体的に形成され、ウォールボードの所望の厚さ、典型的には1/4インチから1インチ内の分量のスラリーの流れを機械的に調整するように構成される。しかしながら、遮断ブロック44をゲート36に別個に製作し、その後に取り付けることも考えられる。
【0016】
作動中、この遮断ブロック44によって、石膏の早すぎる硬化が起こる場合もあり、その結果、スラリーの蓄積および最終的なウォールボードパネル製造ラインの詰まりおよび破壊が生じる。さらに、排出ゲート36が厚いウォールボードに設定されたものの、薄いウォールボードに変換されると、ミキシングチャンバ16内にかかる背圧が不十分となり、場合によってはスラリー成分の不完全かつ不均一な混錬が生じる。また、不十分な背圧は、ミキシングチャンバ16内の遠心内部流におけるデッドスポットまたはスロースポットをもたらし、混錬物中におけるスラリーの早すぎる硬化および望ましくない塊を生じさせる。このような場合、メンテナンスのためにウォールボードラインをシャットダウンしなければならず、生産の効率が低下する。以下に詳細に説明するように、本発明の排出ゲート36は、これら作動中の問題に対する解決策を提供する。
【0017】
図1図3及び図8に示すように、排出ゲート36において、本発明のゲートアダプタ又は減速機38は排出ゲートに取り外し可能に取り付けられ、ミキシングチャンバ16と流体連通することが好ましい。 典型的には、排出ゲート36は、上部部材46と、下部部材48と、上部部材と下部部材との間の空間によって画定されるキャビティまたはチャネル50を有する。上部部材46および下部部材48は、上側および下側混錬器の半径方向壁20,22の垂直方向間隔にほぼ対応する距離に分離されている。上部部材46および下部部材48の取り付けは、従来のファスナー、接着剤、溶接、または当技術分野で知られている他の適切な方法で第1の側壁52および第2の側壁54を使用することによって達成される。以下に詳細に説明するように、混錬されたスラリーは、キャビティまたはチャネル50内に注入され、ゲートアダプタ38に供給される。
【0018】
排出ゲート36は、ミキシングチャンバ16から混錬スラリーを収容するように構成されたインレット開口部56と、混錬スラリーをゲートアダプタ38に送出するように構成されたアウトレット開口部58、とを有する。インレット開口部56は、通常、ミキサーの矩形アウトレット34の形状または輪郭に従った形状を有し、同様に、アウトレット開口部58は、入口開口部の形状または輪郭とほぼ同じ形状を有する。ゲートアダプタ38のインレット開口部60がゲート36のアウトレット開口部58に接続され、反対側の端部でゲートアダプタのアウトレット開口部62が導管42に接続されることが好ましい(図1および図8)。
【0019】
図3および図4を参照すると、例えば中央孔を有する開放口63が、第2の側壁54の内面に設けられ、混錬スラリーの少量をミキシングチャンバ16から排出する。排出されたスラリーは、製造ライン上のウォールボードを予め濡らすために使用される。好ましい実施形態では、開放口63は、第2側壁54の内面からミキシングチャンバ16内に延びる「パックマン型」突出部を含むが、他の適切な形状も考えられる。
【0020】
図1図2及び図5図8を参照すると、本発明の排出ゲート36の主な特徴は、キャビティ50又はその隣接領域内のスラリー蓄積及び目詰まりを減少させるためにゲートアダプタ38が移行型断面形状を有することである。ミキサーのアウトレット34は四辺形の、好ましくは矩形開口部を有し、ゲート36のインレット開口部56およびアウトレット開口部58はほぼ同じ四辺形形状を有し、矩形断面形状のキャビティ50を画定することが好ましい。このような矩形開口部は、ミキシングチャンバ16のより大きな領域における混錬スラリーの捕捉を従来の円形ゲートよりも高める。例えば、従来の円形ゲートの円形開口部は、その最も高い点で1と1/8インチの高さであるが、本発明の排出ゲート36の矩形開口部は、幅3/4インチ、高さ1と3/4インチである。従って、矩形開口部は、円形開口部よりも一層多くの循環スラリーを一時的に収容し、これによりミキサー内の全てのスラリーを捕捉する。そして、矩形開口部を円形開口部に移行させてミキサー内の背圧制御を強化するように構成される。
【0021】
好ましい実施形態では、ゲートアダプタ38は、その両端に2つの異なる断面形状を有する。具体的には、ゲートアダプタ38のインレット開口部60の内周は、ゲートからゲートアダプタへの混錬スラリーの流動制限を生じさせずにスムーズに供給するために、ゲート36の矩形アウトレット開口部58の形状または輪郭にほぼ従った形状を有する(図1,7,8)。しかしながら、ゲートアダプタ38のアウトレット開口部62の外周は、円筒形導管42の形状または輪郭と相補的な形状を有する。したがって、従来の配管継手およびホースクランプのように、導管42は、混錬スラリーを分配装置40に送出するためにアウトレット開口部62と摺動可能に嵌合する(図1,7および8)。
【0022】
図2図7図8および図9A図9Cを参照すると、本発明のゲートアダプタ38は、矩形のインレット開口部60を有するインレット部64と、円形のアウトレット開口部62を有するアウトレット部66と、インレット部およびアウトレット部との間に介在する移行部68とを備える。インレット開口部60において、複数の孔72を有する平面プレート70がインレット部64に固定され、留め具および当技術分野で公知の他の適切な方法を使用してアダプタ38をゲート36に接続する。プレート70として四辺形の形状が示されているが、用途に適合するように他の適切な形状も考えられる。
【0023】
本発明のゲートアダプタ38の主な特徴は、インレット開口部60の矩形または四辺形の断面形状が、アウトレット開口部62の円形断面形状にゲートアダプタ38の長手方向軸に沿って移行することである。この構成により、ゲートアダプタ38の長手方向軸の全長に沿って、徐々に連続的に移行して形状がブレンドする断面形状が作り出される。
【0024】
より具体的には、インレット部64は、少なくとも部分的に頂壁76、底壁78、およびインレット部の2つの対向する側壁80,82(図9Aおよび9B)によって画定されたインレットチャンバ74を含む。インレットチャンバ74の頂壁76および底壁78の内面間のインレット部64の外縁84近傍の第1の内径D1(図9A)は、頂壁と下壁の内面間のインレット部64と移行部68の第1の結合縁部86近傍の、対向する第2の内径D2より小さい。
【0025】
しかしながら、側壁80,82の内面間の外縁84近傍の第3の内径D3(図9B)は、側壁の内面間の第1の結合縁部86近傍の第4の内径D4より大きい。その結果、インレットチャンバ74は、ほぼ四辺形の、好ましくは矩形の断面形状を有し、頂壁、底壁、および側壁76,78,80,82のうちの少なくとも1つは、外縁84と第1の結合縁部86との間に、傾斜した、または先細の内面88を有する。
【0026】
例えば、傾斜した内面88は、側面から見たαが約23度であり、所定の長さにわたって第1の結合縁部86に向かって徐々に傾斜している(図2および図9A)。所定の長さは、用途に合わせて可変であると考えられる。傾斜した内面88は、排出ゲート36からの混錬されたスラリーの円滑な流れを容易にし、したがって、移行部68およびアウトレット部66に次から次へとスラリーが流入しながらその流れが妨害されない。
【0027】
インレット部64とは異なり、アウトレット部66は、アウトレット部の長手方向軸に沿って所定の内径を有する環状に包囲する内壁92によって画定されるアウトレットチャンバ90を含む。従って、アウトレット部66の外縁94近傍の第1の内径ID1(図9A図9B)とアウトレット部66と移行部68の第2の結合縁部96近傍の第2の内径ID2は、ほぼ同じ長さである。
【0028】
次に、図2図8及び図9A図9Bを参照する。本発明のアダプタ38の別の主な態様によると、移行部68は、第1の結合縁部86近傍のインレット部64から延びる上部、底部及び側壁76,78,80,82によって少なくとも部分的に画定された移行チャンバ98を含む。さらに、移行チャンバ98はまた、第2の結合縁部96近傍のアウトレット部66から延びる、環状に包囲する内壁92により少なくとも部分的に画定される。その結果、移行チャンバ98は、移行部68の長手方向軸に沿って、第1の結合縁部86近傍の矩形断面形状から第2の結合縁部96近傍の円形断面形状に移行する。
【0029】
内部の断面形状の移行は、移行部68の長手方向軸の全長に沿って徐々に形状がブレンドするように進む。このような移行構成は移行部68のみに示されているが、異なる用途に応じて少なくとも部分的にインレット部64およびアウトレット部66に移行する構成であってもよい。そのようにして、インレット部、アウトレット部、および移行部64,66,68は、混錬スラリーを収容するため、流体連通して互いに接続されるとともに排出ゲート36のキャビティ50に接続される。当技術分野で知られている適切な金属成形および延伸方法を使用することによって、1つまたは複数のマンドレル(図示せず)を使用して、インレット部、アウトレット部、および移行部64,66,68の少なくとも1つにこの移行形状を作成する。
【0030】
図2図6および図9A図9Bに戻る。これらの図に示すように、インレット部、アウトレット部、および移行部64,66,68の少なくとも1つ、好ましくは、移行部は、少なくとも1つのチャンバ74,90,98によって画定されたスラリー通路102の中心近傍またはその中心に配置された少なくとも1つの注入ポートまたは発泡ポート100を有する。図では1つの注入ポート100のみが示されているが、用途に応じて任意の数の開口が考えられる。ポート100の位置は、スラリー通路102の中央にあることが好ましいが、用途に適合するように通路内の他の位置も考えられる。ポート100は円形であることが好ましいが、直線状、ジグザグ状、楕円形および不規則な形状等、他の適切な幾何学的形状も考えられる。例えば、ポート100は、水性フォームまたは他の所望の添加剤の導入に使用される。ポート100は、添加剤を導入するのに必要な圧力を測定するために使用することもできると考えられる。
【0031】
好ましい実施形態では、注入ポート100は、発泡体をゲートアダプタ38のチャンバ74,90,98、好ましくは移行チャンバ98の少なくとも1つに注入するための開口部106(図9B)に適合する細長い本体104を有する。細長い本体104は円筒形状を有することが好ましいが、異なる用途に適合するように他の適切な形状も考えられる。任意のガセット108(図2)が注入ポート100を支持するために設けられ、当技術分野で公知の相補的なねじ山付き端部、接着剤、溶接、溶接、およびその他の方法を使用することによって、インレット部、アウトレット部、および移行部64,66,68の少なくとも1つへのポート100の取り付けが達成される。例えば、ポート100は、移行チャンバ98と流体連通するようにゲートアダプタ38の移行部68に取り付けられ、泡がポートを通過してスラリーの流れの進行方向に対して約90°の角度で移行チャンバ内の移動スラリーに注入されるように構成される。このような注入ポート100の構成により、スラリーの流れに対して90度の所望の形状の注入角が達成される。
【0032】
本発明の排出ゲートの特定の実施形態を図示し説明してきたが、当業者であれば、本開示から逸脱することなく、より広範な態様で、および添付の特許請求の範囲に記載する範囲で、変更および改変を行うことができることが理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
【国際調査報告】