(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-534672(P2017-534672A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(54)【発明の名称】ケト酸類化合物の不斉水素化反応
(51)【国際特許分類】
C07C 51/367 20060101AFI20171027BHJP
C07C 59/11 20060101ALI20171027BHJP
C07C 59/115 20060101ALI20171027BHJP
C07C 59/13 20060101ALI20171027BHJP
C07C 59/01 20060101ALI20171027BHJP
B01J 31/24 20060101ALI20171027BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20171027BHJP
【FI】
C07C51/367
C07C59/11
C07C59/115
C07C59/13
C07C59/01
B01J31/24 Z
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-533670(P2017-533670)
(86)(22)【出願日】2015年4月28日
(85)【翻訳文提出日】2017年3月14日
(86)【国際出願番号】CN2015077660
(87)【国際公開番号】WO2016041351
(87)【国際公開日】20160324
(31)【優先権主張番号】201410468805.9
(32)【優先日】2014年9月15日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517090705
【氏名又は名称】浙江九洲薬物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(74)【代理人】
【識別番号】100130225
【弁理士】
【氏名又は名称】洗 理恵
(72)【発明者】
【氏名】嚴普査
(72)【発明者】
【氏名】李原強
(72)【発明者】
【氏名】車大慶
(72)【発明者】
【氏名】章向東
(72)【発明者】
【氏名】陳康
(72)【発明者】
【氏名】イェン永亮
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA06
4G169BA27A
4G169BA27B
4G169BC74A
4G169BC74B
4G169BE01A
4G169BE01B
4G169BE14A
4G169BE14B
4G169BE16A
4G169BE16B
4G169BE27A
4G169BE27B
4G169BE36A
4G169BE36B
4G169BE37A
4G169BE37B
4G169BE38A
4G169BE38B
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4G169BE46B
4G169BE48A
4G169BE48B
4G169CB02
4G169CB57
4G169CB70
4H006AA02
4H006AB84
4H006AC41
4H006BA22
4H006BA28
4H006BA37
4H006BA46
4H006BA47
4H006BA48
4H006BB14
4H006BC11
4H006BC19
4H006BE10
4H006BE20
4H006BE90
4H006BJ10
4H006BJ50
4H006BN10
4H006BS10
4H039CA60
4H039CB20
(57)【要約】
本発明は、有機化学の技術分野に関し、具体的には、式(I)(ただし、R
1が、フェニル基、置換されたフェニル基、ナフチル基、置換されたナフチル基、C
1〜C
6アルキル基又はアラルキル基であり、前記置換基が、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6アルコキシ基、ハロゲンであり、前記置換基の個数が1〜3であり、Mは、構造(II)を有するキラルスピロピリジルアミノホスフィンリガンドイリジウム錯体であり、Rが水素、3-メチル、4-
tBu又は6-メチルである)に示されるα-ケト酸類化合物の不斉水素化反応に関する。
【化1】
【化2】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(B)で表される化合物の製造方法であって、
【化1】
(ただし、R
1が、フェニル基、置換されたフェニル基、ナフチル基、置換されたナフチル基、C
1〜C
6アルキル基又はアラルキル基であり、前記置換基が、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6アルコキシ基、ハロゲンであり、前記置換基の個数が1〜3である。)
Mは、下記構造を有するキラルスピロピリジルアミノホスフィンリガンドイリジウム錯体であり、
【化2】
(ただし、Rが水素、3-メチル、4-
tBu又は6-メチルである)
前記アルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム-t-ブトキシド、カリウム-t-ブトキシドから選択されたものであり、
前記アルカリと基質である(A)で表される化合物との使用量のモル比が(1.0〜3):1である方法。
【請求項2】
前記アルカリと基質である(A)で表される化合物との使用量のモル比は(1.001〜1.5):1である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記R1は、フェニル基、置換されたフェニル基、ナフチル基、置換されたナフチル基である請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記Rは、4-tBuである請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記アルカリは、ナトリウム-t-ブトキシド、カリウム-t-ブトキシドである請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
窒素の保護下で、水素ガス圧が0.5〜10MPaであり、アルカリの使用量が1.0〜3.0モル当量であり、有機溶剤中で、化学式(A)で表される化合物から、0.00001〜0.01モル当量のキラルスピロピリジルアミノホスフィンリガンド錯体(M)の触媒により、(B)で表される化合物を得ることを特徴とする請求項1、3から5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
窒素の保護下で、水素化内管に化学式(A)で表される化合物、1.0〜3モル当量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム-t-ブトキシド又はカリウム-t-ブトキシド、0.0001〜0.01モル当量の触媒M及び溶剤を加え、当該反応内管を高圧反応釜に入れ、水素ガスを圧力0.5〜10MPaまで充填し、10〜90℃で攪拌し1〜30時間反応させて前記化学式(B)で表される化合物を得ることを特徴とする請求項1、3から5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、トルエン、メチル-t-ブチルエーテル、ジオキサン、DMFから選択されたものである請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2014年9月15日に中国国家知識産権局に出願され、出願番号が201410468805.9で、発明の名称が「α-ケト酸類化合物の不斉水素化反応」である中国特許出願に基づく優先権を主張し、当該特許出願の全文を引用により本願に取り込む。
【0002】
本発明は、リガンドの化学技術分野に関し、具体的には、α-ケト酸類化合物の不斉水素化反応に関する。
【背景技術】
【0003】
α-ケト酸類化合物の不斉水素化反応は、本分野における報告がほとんど見当たらず、金属リガンド錯体によりα-ケト酸類化合物を直接に不斉水素化することに対する当該分野における報告も、ほぼ空白状態にある。その原因として、α-ケト酸類化合物類のカルボキシル基は金属と複合して触媒を毒化させ、反応収率を低下させるためであり、また、α-ケト酸類化合物のα-カルボニル基とカルボン酸のカルボニル基とが空間上基本的に共平面であるので、キラルリガンド触媒であるα-ケト酸類化合物の両面の攻撃機会が均等となり、反応収率又はエナンチオ選択性が低くなると考えられている。
【0004】
下記構造を有するキラルスピロピリジルアミノホスフィンリガンド錯体は、最初に南開大学により研究開発されたものである。
【化1】
【0005】
当該化合物は、公開番号CN102040625の中国特許出願書類に公開されており、主にアリールケトン、エノン、ケト酸エステル類化合物の不斉水素化反応に用いられ、かつ、実施例11の表1の番号27に記載された結果から分かるように、α-ケト酸エステルに対する触媒結果が理想的ではなかった。
【0006】
不斉水素化反応の有機合成での重要な地位に鑑みて、新たなプロセスを研究開発して、α-ケト酸類化合物の不斉水素化反応が困難で又はできないという技術課題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
α-ケト酸類化合物の不斉水素化反応が困難で又はできないという技術課題を解決するために、本発明は、以下の技術手段を提供する。
【化2】
(ただし、R
1が、フェニル基、置換されたフェニル基、ナフチル基、置換されたナフチル基、C
1〜C
6アルキル基又はアラルキル基であり、前記置換基が、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6アルコキシ基、ハロゲンであり、前記置換基の個数が1〜3である。)
Mは、下記構造を有するキラルスピロピリジルアミノホスフィンリガンドイリジウム錯体であり、
【化3】
(ただし、Rが、水素、3-メチル、4-
tBu又は6-メチルである。)
【0008】
前記アルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム-t-ブトキシド、カリウム-t-ブトキシドから選択されたものであり、上記の基質であるAで表される化合物との使用量のモル比は、(1.0〜3):1であり、好ましくは(1.001〜1.5):1である。
前記溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、トルエン、メチル-t-ブチルエーテル、ジオキサン、DMF等から選択されたものである。
【0009】
好ましくは、R
1は、フェニル基、置換されたフェニル基、ナフチル基、置換されたナフチル基である。
好ましくは、本発明は、窒素の保護下で、水素ガス圧が0.5〜10MPaであり、アルカリの使用量が1.0〜3.0モル当量であり、有機溶剤中で、α-ケト酸であるAで表される化合物から、0.00001〜0.01モル当量のキラルスピロピリジルアミノホスフィンリガンド錯体(M)の触媒により、Bで表される化合物を得るという技術手段を採用する。
【0010】
より好ましくは、窒素の保護下で、水素化内管に基質A、1.0〜3モル当量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム-t-ブトキシド又はカリウム-t-ブトキシド、0.0001〜0.01モル当量の触媒M及び溶剤を加え、当該反応内管を高圧反応釜に入れ、水素ガスを圧力0.5〜10MPaまで充填し、10〜90℃で攪拌し1〜30時間反応させて生成物Bを得る。
【0011】
本発明は、反応で用いられるアルカリの量を変化させることにより、基質分子におけるカルボキシル基と中心金属との強配位作用を克服し、α-ケト酸の直接不斉触媒水素化を実現した。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例12の条件で得られた3a化合物の光学純度のHPLCスペクトルである。
【
図2】実施例17の条件で得られた3c化合物の光学純度のHPLCスペクトルである。
【
図3】実施例26の条件で得られた3l化合物の光学純度のHPLCスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の内容をよりよく理解するために、以下、具体的な実施例を参照してさらに説明するが、具体的な実施形態は、本発明の内容を制限するものではない。
【0014】
HPLCアナライザー及び分析方法:
型番:Agilent 1200
クロマトカラム:Chiracel OD-H、4.6mm×250mm×5μm
移動相A:n-ヘキサン
移動相B:イソプロパノール
流速:1.0mL/min
カラム温度:35℃
波長:210nm
サンプル注入量:5μL
【0015】
実施例1:2-ヒドロキシ-2-フェニル酢酸の製造
【化4】
【0016】
窒素の保護下で、200mLの水素化内管に基質であるα-ケト酸2a(3g、20mmol)、カリウム-t-ブトキシド(112mg、1mmol)、触媒M(20mg、0.02mmol、R=3-メチル)及び溶剤(50mL)を加えた。当該反応内管を高圧反応釜に入れた。水素ガスにより釜内の雰囲気を置換した後、初期水素ガスを圧力15気圧まで充填し、室温で攪拌し24時間反応させた。水素化反応が終わると、水素ガスを排出し、オートクレーブを開いた。反応液から、短シリカゲルによる高速濾過により触媒を除去し、核磁気共鳴(NMR)により反応転化率を分析した。製品がメチルエステルに誘導化された後、光学純度を測定し、結果を表1に示した。
【0017】
下記表1における実施例2〜15は、実施例1の方法と同じ操作により得られた試験結果である。
【化5】
【0019】
B/Sは、アルカリと基質であるα-ケト酸との割合を表し、conv.は、核磁気検出により得られた基質転化率を表す。
【0020】
下記表2の実施例16〜30は、1cを触媒とし、実施例1の方法と同じ操作により得られた試験結果である。
【化6】
【0024】
実施例31:(R)-2-ヒドロキシ-2-(2-クロロフェニル)酢酸の製造
実施例1の方法と同じ操作により、高転化率実験を行った(S/C=50000)。
【化7】
【0025】
実施例32:(S)-2-ヒドロキシ-2-フェニル酢酸の製造
【化8】
【0026】
窒素の保護下で、200mLの水素化内管に基質であるα-ケト酸2a(3g、20mmol)、水酸化カリウム(1.68g、30mmol)、触媒1c(20mg、0.02mmol)及びn-ブタノール(50mL)を加えた。当該反応内管を高圧反応釜に入れた。水素ガスにより釜内の雰囲気を置換した後、初期水素を圧力30気圧まで充填し、室温で攪拌し10時間反応させた。水素化反応が終わると、水素ガスを排出し、オートクレーブを開いた。反応液から、短シリカゲルによる高速濾過により触媒を除去し、核磁気共鳴(NMR)により反応転化率を分析した結果100%であった。製品がメチルエステルに誘導化された後、光学純度を測定した結果84%eeであった。
【0027】
実施例33:(S)-2-ヒドロキシ-2-(2-ナフチル)酢酸の製造
【化9】
【0028】
窒素の保護下で、200mLの水素化内管に基質であるα-ケト酸2m(4g、20mmol)、カリウム-t-ブトキシド(3.36g、30mmol)、触媒1b(20mg、0.02mmol)及びn-ブタノール(50mL)を加えた。当該反応内管を高圧反応釜に入れた。水素ガスにより釜内の雰囲気を置換した後、初期水素ガスを圧力15気圧まで充填し、室温で攪拌し12時間反応させた。水素化反応が終わると、水素ガスを排出し、オートクレーブを開いた。反応液から、短シリカゲルによる高速濾過により触媒を除去し、核磁気共鳴(NMR)により反応転化率を分析した結果100%であった。製品がメチルエステルに誘導化された後、光学純度を測定した結果95%eeであった。
【0029】
実施例34:(R)-2-ヒドロキシ-3,3-ジメチル酪酸の製造
【化10】
【0030】
窒素の保護下で、200mLの水素化内管に基質であるα-ケト酸2o(2.6g、20mmol)、カリウム-t-ブトキシド(3.36g、30mmol)、触媒1b(40mg、0.04mmol)及びn-ブタノール(50mL)を加えた。当該反応内管を高圧反応釜に入れた。水素ガスにより釜内の雰囲気を置換した後、初期水素ガスを圧力15気圧まで充填し、室温で攪拌し24時間反応させた。水素化反応が終わると、水素ガスを排出し、オートクレーブを開いた。反応液から、短シリカゲルによる高速濾過により触媒を除去し、核磁気共鳴(NMR)により反応転化率を分析した結果100%であった。製品がベンジルエステルに誘導化された後、光学純度を測定した結果85%eeであった。
【0031】
具体的な実施形態を参照しながら本発明を十分に説明したが、注意すべきことは、様々な変更と修正は当該分野における技術者にとって明らかである。このような変更と修正は、添付された特許請求の範囲により特定された本発明の技術的範囲に含まれると理解される。
【手続補正書】
【提出日】2017年3月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(B)で表される化合物の製造方法であって、
【化1】
(ただし、R
1は、フェニル基、置換されたフェニル基、ナフチル基、置換されたナフチル基、C
1〜C
6アルキル基又はアラルキル基であり、前記置換基は、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6アルコキシ基、ハロゲンであり、前記置換基の個数が1〜3である)
Mは、下記構造を有するキラルスピロピリジルアミノホスフィンリガンドイリジウム錯体であり、
【化2】
(ただし、Rが水素、3-メチル、4-
tBu又は6-メチルである)
前記アルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム-t-ブトキシド、カリウム-t-ブトキシドから選択されたものであり、
前記アルカリと基質である(A)で表される化合物との使用量のモル比が(1.0〜3):1である方法。
【請求項2】
前記アルカリと基質である(A)で表される化合物との使用量のモル比は(1.001〜1.5):1である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記R1は、フェニル基、置換されたフェニル基、ナフチル基、置換されたナフチル基である請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記Rは、4-tBuである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記アルカリは、ナトリウム-t-ブトキシド、カリウム-t-ブトキシドである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
窒素の保護下で、水素ガス圧が0.5〜10MPaであり、アルカリの使用量が1.0〜3.0モル当量であり、有機溶剤中で、化学式(A)で表される化合物から、0.00001〜0.01モル当量のキラルスピロピリジルアミノホスフィンリガンド錯体(M)の触媒により、(B)で表される化合物を得ることを特徴とする請求項1、3から5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
窒素の保護下で、水素化内管に化学式(A)で表される化合物、1.0〜3モル当量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム-t-ブトキシド又はカリウム-t-ブトキシド、0.0001〜0.01モル当量の触媒M及び溶剤を加え、当該反応内管を高圧反応釜に入れ、水素ガスを圧力0.5〜10MPaまで充填し、10〜90℃で攪拌し1〜30時間反応させて前記化学式(B)で表される化合物を得ることを特徴とする請求項1、3から5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、トルエン、メチル-t-ブチルエーテル、ジオキサン、DMFから選択されたものである請求項1乃至7のいずれか1項に記載の製造方法。
【国際調査報告】