特表2017-534814(P2017-534814A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-534814(P2017-534814A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(54)【発明の名称】二段クローズドセンタ電気油圧弁
(51)【国際特許分類】
   F15B 13/043 20060101AFI20171027BHJP
【FI】
   F15B13/043 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-518159(P2017-518159)
(86)(22)【出願日】2015年9月30日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月19日
(86)【国際出願番号】US2015053225
(87)【国際公開番号】WO2016054211
(87)【国際公開日】20160407
(31)【優先権主張番号】62/058,490
(32)【優先日】2014年10月1日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517110519
【氏名又は名称】モーグ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】カップ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】マズールキエヴィチ,クリストファー
【テーマコード(参考)】
3H002
【Fターム(参考)】
3H002BA02
3H002BB01
3H002BC02
3H002BD02
3H002BE01
3H002BE07
(57)【要約】
サーボ弁(15)であって、モータ(16)と、モータ付勢機構(20)と、第1位置から第1オフ・ヌル位置に移動されるように適合された第1段弁部材(22)と、第1弁部材(22)の移動と共に第1位置から第2位置に移動されるように適合された第2段弁部材(29)と、第1弁部材(22)と第2弁部材(29)との間で作用する伝達リンク(34)と、モータ(16)と伝達リンク(34)との間で作用する偏心ドライブ部材(35)と、を備え、伝達リンク(34)及びドライブ部材(35)が、モータ(16)の選択的運動により伝達リンク(34)に第1弁部材(22)を移動させ、第1弁部材(22)の移動により第2弁部材(29)を移動させ、第2弁部材(29)の移動により伝達リンク(34)に第1弁部材(22)を第1オフ・ヌル位置からヌル位置に戻るように移動させるように構成された、サーボ弁(15)である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二段サーボ弁であって、
ステータ及びロータヌル位置を有するロータを備え、前記ステータによって発生した磁場の影響の下でモータ軸を中心として回転するように構成及び配置された、モータと、
前記ロータを前記ロータヌル位置に付勢するように構成及び配置された、付勢機構と、
第1チャンバ内に第1弁軸に沿って移動可能に設置された第1弁部材を有し、前記第1弁部材と前記第1チャンバとの間に画定された少なくとも1つのポートからの流体の流れを選択的に調節するべく前記第1チャンバ軸に沿って第1ヌル位置から第1オフ・ヌル位置に移動されるように適合された、第1段弁と、
前記第1弁の前記ポートと流体連通し、第2チャンバ内に第2弁軸に沿って移動可能に設置された第2弁部材を有し、前記第2弁部材と前記第2チャンバとの間の少なくとも1つのポートからの流体の流れを選択的に調節するべく前記第1弁部材の移動の関数として前記第2弁軸に沿って第1位置から第2位置に移動されるように適合された、第2段弁と、を備え、
前記第1段弁及び前記第2段弁は、前記第1段弁部材が前記ヌル位置にあるときに、前記第2段弁部材が圧力平衡にあって、移動しないように構成及び配置され、
前記第1弁部材と前記第2弁部材との間で作用する伝達リンクと、
前記ロータと前記伝達リンクとの間で作用し、前記モータ軸から或る距離だけオフセットされる第1偏心軸を有し、前記モータ軸を中心とした前記ロータの選択的回転により前記伝達リンクを運動させるように配置された、偏心ドライブ部材と、
を備え、
前記伝達リンク及び前記ドライブ部材は、前記ロータの前記ロータヌル位置から第2ロータ位置への選択的運動により前記ドライブ部材及び前記伝達リンクに前記第1弁部材を前記第1ヌル位置から前記第1オフ・ヌル位置に移動させるように構成及び配置され、
前記第1弁部材の前記第1ヌル位置から前記第1オフ・ヌル位置への移動により前記第2弁部材を前記第1位置から前記第2位置に移動させ、
前記第2弁部材の前記第2位置への移動により前記伝達リンクに前記第1弁部材を前記第1オフ・ヌル位置から前記ヌル位置に戻るように移動させる、
サーボ弁。
【請求項2】
前記伝達リンクが、第1接続部で前記第1弁部材と係合する第1端部分を備え、
前記伝達リンクが、第2接続部で前記第2弁部材と係合する第2端部分を備え、
前記偏心ドライブ部材と前記伝達リンクが第3接続部で結合される、
請求項1に記載のサーボ弁。
【請求項3】
前記伝達リンクと前記偏心ドライブ部材が前記第3接続部で回転可能に結合される、請求項2に記載のサーボ弁。
【請求項4】
前記伝達リンクが、前記第2接続部を中心とした選択的回転に伴って前記第1弁部材を前記第1ヌル位置から前記第1オフ・ヌル位置に移動させるように構成及び配置される、請求項2に記載のサーボ弁。
【請求項5】
前記伝達リンクが、前記第3接続部を中心とした選択的回転に伴って前記第1弁部材を前記第1オフ・ヌル位置から前記第1ヌル位置に戻るように移動させるように構成及び配置される、請求項2に記載のサーボ弁。
【請求項6】
前記伝達リンクが、前記第1偏心軸を中心とした選択的回転に伴って前記第1弁部材を前記第1オフ・ヌル位置から前記ヌル位置に戻るように移動させるように構成及び配置される、請求項2に記載のサーボ弁。
【請求項7】
前記第1偏心軸が前記第3接続部と位置合わせされる、請求項6に記載のサーボ弁。
【請求項8】
前記第1段弁が第2ポートを備え、
前記第2段弁の前記第2チャンバが第1チャンバ及び第2チャンバを備え、
前記第1ポートが前記第1チャンバに流動接続され、前記第2ポートが前記第2チャンバに流動接続され、
前記第2弁部材が、前記第1チャンバと前記第2チャンバとの油圧差の関数として前記第2弁軸に沿って前記第1位置から前記第2位置に移動されるように適合される、請求項1に記載のサーボ弁。
【請求項9】
前記付勢機構がねじりばねを備える、請求項1に記載のサーボ弁。
【請求項10】
前記ロータが本質的に磁石からなる、請求項1に記載のサーボ弁。
【請求項11】
前記ステータが、円形リング状コアと、前記コアの周りに相対して配向される前記コアを中心とした巻線を備える、請求項1に記載のサーボ弁。
【請求項12】
前記第1チャンバ及び前記第2チャンバがそれぞれシリンダを備え、前記第1段弁部材及び前記第2段弁部材がそれぞれ弁スプールを備える、請求項1に記載のサーボ弁。
【請求項13】
前記第1段弁部材が実質的に平行な壁によって境界を定められるスロットを備え、前記伝達リンクが前記スロット壁と係合する丸みのある端縁部を備え、前記第2弁部材が実質的に平行な壁によって境界を定められるスロットを備え、前記伝達リンクが前記スロット壁と係合する第2の丸みのある端縁部を備える、請求項1に記載のサーボ弁。
【請求項14】
前記ドライブ部材と前記伝達リンクとの間で作用する少なくとも1つの軸受をさらに備える、請求項1に記載のサーボ弁。
【請求項15】
前記モータがトロイダルである、請求項1に記載のサーボ弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電気油圧サーボ弁の分野に関し、より具体的には、改善された二段電気油圧サーボ弁に関する。
【背景技術】
【0002】
電気油圧サーボ弁が公知である。これらは、単段を有するもの又は多段を有するものと考えられる場合がある。両方の形態において、弁スプールが、シリンダに沿って制御された移動をするようにシリンダ内にスライド可能に設置される。弁スプールがシリンダ内の中央位置又はヌル位置にあるときに、弁スプール上の種々のランドが、流れが弁を通るのを防ぐべく、制御出口と流体連通するポートを覆う。スプールのオフ・ヌル移動の方向及び大きさが、弁を通る流れを制御する。種々の形態の単段サーボ弁が、米国特許第4,951,549号、米国特許第5,263,680号、米国特許第4,641,812号、米国特許第5,146,126号に代表的に図示及び説明されており、これらの開示の全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0003】
単段弁又は直接駆動弁は、一般に、弁スプールと直接係合し、スプールをオフ・ヌルに選択的に移動させる、モータ又は一部の他の機構を有する。多段弁は、第2段での弁スプールの移動を制御するパイロット段を有する場合がある。パイロット段は、電気的区域である場合があり、第2段は、油圧区域である場合がある。二段電気油圧サーボ弁の一例が、米国特許第3,228,423号に図示及び説明されており、その開示の全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0004】
開示される実施形態の対応する部品、部分、又は表面への括弧内付記と共に、単に例示する目的で、限定するためではなく、改善された二段電気油圧サーボ弁(15)であって、ステータ(18)及びロータヌル位置(図1)を有するロータ(19)を備え、ステータによって発生した磁場の影響の下でモータ軸(17)を中心として回転するように構成及び配置された、モータ(16)と;ロータをロータヌル位置に付勢するように構成及び配置された、付勢機構(20)と;第1チャンバ(23)内に第1弁軸(24)に沿って移動可能に設置された第1弁部材(22)を有し、第1弁部材と第1チャンバとの間に画定された少なくとも1つのポート(25、26)からの流体の流れを選択的に調節するべく第1チャンバ軸に沿って第1ヌル位置(図1)から第1オフ・ヌル位置(図4)に移動されるように適合された、第1段弁(21)と;第1弁のポートと流体連通し、第2チャンバ(30)内に第2弁軸(31)に沿って移動可能に設置された第2弁部材(29)を有し、第2弁部材と第2チャンバとの間の少なくとも1つのポート(32、33)からの流体の流れを選択的に調節するべく第1弁部材の移動の関数として第2弁軸に沿って第1位置(図1)から第2位置(図5)に移動されるように適合された、第2段弁(28)と;を備え、第1段弁及び第2段弁は、第1段弁部材がヌル位置にあるときに、第2段弁部材が圧力平衡にあって、移動しないように構成及び配置され;第1弁部材と第2弁部材との間で作用する伝達リンク(34)と;ロータと伝達リンクとの間で作用し、モータ軸から或る距離(51)だけオフセットされる第1偏心軸(36)を有し、モータ軸を中心としたロータの選択的回転により伝達リンクを運動させるように配置された、偏心ドライブ部材(35)と;を備え、伝達リンク及びドライブ部材は、ロータのロータヌル位置から第2ロータ位置(図4)への選択的運動によりドライブ部材及び伝達リンクに第1弁部材を第1ヌル位置から第1オフ・ヌル位置(図4)に移動させるように構成及び配置され;第1弁部材の第1ヌル位置から第1オフ・ヌル位置への移動により第2弁部材を第1位置から第2位置(図5)に移動させ;第2弁部材の第2位置への移動により伝達リンクに第1弁部材を第1オフ・ヌル位置からヌル位置(図5)に戻るように移動させる、サーボ弁(15)が提供される。
【0005】
伝達リンクは、第1接続部(70)で第1弁部材と係合する第1端部分(58)を備えてよく、伝達リンクは、第2接続部(72)で第2弁部材と係合する第2端部分(59)を備えてよく、偏心ドライブ部材と伝達リンクは第3接続部(71)で結合される。伝達リンクと偏心ドライブ部材は、第3接続部で回転可能に結合されてよい。伝達リンクは、第2接続部を中心とした選択的回転に伴って第1弁部材を第1ヌル位置から第1オフ・ヌル位置に移動させるように構成及び配置されてよい。伝達リンクは、第3接続部を中心とした選択的回転に伴って第1弁部材を第1オフ・ヌル位置からヌル位置に戻るように移動させるように構成及び配置されてよい。伝達リンクは、第1偏心軸を中心とした選択的回転に伴って第1弁部材を第1オフ・ヌル位置からヌル位置に戻るように移動させるように構成及び配置されてよい。第1偏心軸(36)は、第3接続部(71)と位置合わせされてよい。第1段弁は、第2ポート(26)を備えてよく、第2段弁の第2チャンバは、第1サブチャンバ(65a)及び第2サブチャンバ(65b)を備えてよく、ポートは、第1サブチャンバに流動接続されてよく、第2ポートは、第2サブチャンバに流動接続されてよく、第2弁部材は、第1サブチャンバと第2サブチャンバとの油圧差の関数として第2弁軸に沿って第1位置から第2位置に移動されるように適合されてよい。付勢機構は、ねじりばね(46)を備えてよい。ロータは本質的に磁石からなってよい。ステータは、円形リング状コア(43)と、コアの周りに相対して配向されるコアを中心とした巻線(44、45)を備えてよい。第1チャンバ及び第2チャンバは、それぞれシリンダを備えてよく、第1段弁部材及び第2段弁部材は、それぞれ弁スプールを備えてよい。第1段弁部材は、実質的に平行な壁(60)によって境界を定められるスロット(75)を備えてよく、伝達リンクは、スロット壁と係合する丸みのある端縁部(58)を備えてよい。第2弁部材は、実質的に平行な壁(61)によって境界を定められるスロット(76)を備えてよく、伝達リンクは、スロット壁と係合する第2の丸みのある端縁部(59)を備えてよい。サーボ弁は、ドライブ部材と伝達リンクとの間で作用する少なくとも1つの軸受(56)を備えてよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1段弁がシリンダに対して中央位置又はヌル位置にあり、第2段弁が第2段弁を通る流れを防ぐ第1位置にある、改善された二段電気油圧弁の一実施形態の概略図である。
図2図1に示されたモータの拡大概略図である。
図3図1に示された弁の垂直断面図である。
図4】ロータが図1に示された位置から時計回り方向に約10°回転されており、このような運動がドライブ部材及び伝達リンクを通じて第1段弁スプールのオフ・ヌルへの随伴運動をもたらす、図1に示された弁の概略図である。
図5】第2段弁が所望の第2位置に移動されており、このような移動が伝達リンクを通じて第1段弁スプールの図1に示されたヌル位置に戻る随伴運動をもたらす、図1に示された弁の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
最初に、この詳細な説明がその一部をなす記載の本明細書の全体によって同じ要素、部分、又は表面がさらに説明又は解説されるので、いくつかの図面の全体を通して一貫して同様の参照番号が同じ構造要素、部分、又は表面を識別することを意図されることがはっきりと理解されるべきである。他に指定のない限り、図面は、本明細書と共に読まれることを意図され(例えば、クロスハッチング、部品の配置、割合、度合いなど)、本発明の記載の説明全体の一部と考えられるべきである。以下の説明で用いられる場合の「水平」、「垂直」、「左」、「右」、「上」及び「下」という用語、並びにその形容詞的語句の派生語及び副詞相当語句の派生語(例えば、「水平方向に」、「右方向に」、「上方に」など)は、単純に、特定の図面が読者に面する場合の例示される構造体の配向を指す。同様に、「内方に」及び「外方に」という用語は、一般に、必要に応じてその伸長軸か又は回転軸に対する表面の配向を指す。
【0008】
ここで図面を参照すると、改善された二段電気油圧弁が提供され、その一実施形態が概して15で示される。弁15は、大まかには、モータ16、付勢機構20、ドライブ部材35、伝達リンク34、第1段弁21、及び第2段弁28を含むものとして示される。
【0009】
この実施形態では、モータ16は、単一の極及び位相並びに限られた角変位を有するロータリブラシレスDCトロイドモータである。図示されるように、モータ16は、ステータ18及びロータ19を含む。図2に示されるように、この実施形態では、ステータ18は、トロイドであり、周りにコイル44及び45が巻かれる円形リングに形状設定されたコア43を有する。コイル44は、コア43の周りに半ばまで、6時の位置から12時の位置へ、時計回りに巻かれ、次いで、折り返され、巻かれずに、6時の位置へ戻り、一方、コイル45は、コア43の周りに半ばまで、6時の位置から12時の位置へ、反時計回りに巻かれ、次いで、折り返され、巻かれずに、6時の位置へ戻る。加えて、コイル44及び45は、コア43の中心円軸17に対して反対方向にコア43の周りに巻かれる。コイル44は一方向に巻かれ、回転及び磁場に応じて電流が電磁気力を一方向に生じることになる。コイル44の端を折り返して、これをコア43の周りに反対方向に巻かれるコイル45へ接続することによって、両方のコイルからの和のトルクが提供されるが、インダクタンスはほとんど打ち消される。金属軟磁性コア43の円周の半分にわたる経路と、反対端の周りに巻かれ、そこで始まり、次いで、戻ってくる、コア43の円周の他の半分にわたる第2経路を有する、図示される配線により、電流及び電磁気力からのトルクの和が提供されるが、インダクタンスは打ち消される。さらに、ワイヤを図示されるように接合することによって、単一のコイルが提供される。しかしながら、冗長性を付与するために、ワイヤ44及び45は、2本撚りワイヤ又はツイストペアであってよい。コントローラ又はコンピュータからの電力が一方のワイヤにおいて失われる場合、又はワイヤのうちの一方が破断する場合に、他方のワイヤを、全く同じことをするのに利用可能である。電気的に、これにより、非常に速いデバイスがもたらされる。
【0010】
トロイドを提供するべくコイル44及び45をリング状コア43の周りに巻くことによって、ステータ歯付き設計と比べた場合のトルク密度はより低い。しかしながら、存在するコギング又はトルクリプルも著しくより低い。加えて、ワイヤ44及び45を軟磁性コア43の周りに巻き、ワイヤを流れる電流の周波数又は速度に応じて電流を両方向に変化させることによって、速度の関数としての動きへの小さいダンパー又は抵抗、或いは速度の関数としての増加したトルク抵抗のように作用する渦電流損失が生じる。これに対処する典型的な方法は、ステータコア43を積層から形成することである。複数の積層とそれらの間の絶縁材を有するコアを、このようなダンピング又は渦電流損失を減少させる又はなくすために用いることができる。しかしながら、この実施形態では、いくらかのダンピングが望ましい。2(two halves)、3(three−thirds)、4(four−fourths)又はそれ以上などの特定の数の積層を有するステータコア43を設計することによって、安定した高性能の弁を提供するべくダンピング量を選択することができる。
【0011】
この実施形態では、ロータ19は、本質的に永久磁石からなる。したがって、磁石は、接地ばね46及び出力シャフト52以外の、ロータ全体を含む。磁石から出てくるパワーはより大きいものであり、磁石の形状により、製造の複雑化をもたらさずに磁石の円弧角をより大きくすることができる。
【0012】
図示されるように、付勢機構20はロータ19に作用する。この実施形態では、付勢機構20は、ロータ19を所望のヌル位置又は接地位置に戻るように付勢するように設定されたねじりばね46及びクランプ48を備える。機構20は、ロータ19を付勢するためにばねのように作用するだけでなく、ロータ19をステータ18に対して定位置に支持又は保持するようにも作用する。軸受上の軸17を中心として回転するのではなく、ロータ19は、ばね46によって吊られ、曲げ歪み要素として作用する。これは、軸受及び摩擦要素のような部品を排除する。図示されるように、ばね46は、ロータ19の一部であり、ハウジング38の上部41のキャビティの頂部に延び、そこで接地される。ロータ19の底部にある単一の宝石軸受49は、横の動きを除去するために用いられる。ロータ19及び付勢機構20をゼロ又は地面に基準づける(reference)ことでモータ16並びに弁21及び28がハウジング38に接地及び基準づけられるようにするために、第2段弁28の出力流れに対するモータ16のヌルを基準づけるために望まれる位置を得るべく、クランプ48をハウジング38に対して調整する又は回転させることができる。クランプ48は、回転により調整することができ、したがって、ねじりばね46が屈曲されない又は歪められない所望のモータヌル位置をもたらすべく、ロータ19がステータ18に対して回転により調整される。したがって、ロータ19のヌル位置は、モータ16に近づく必要なしにクランプ48を所望の回転位置に再設定することによってユーザによって要望に応じて調整されてよい。ねじりばねが図示及び説明されるが、他の付勢機構が代替として用いられてよい。
【0013】
図示されるように、ロータ19の出力シャフト52は、ハウジング38に対してモータ軸17を中心として回転する。この実施形態では、ドライブ部材35は、中心軸36を中心とした細長い偏心円筒形シャフトである。偏心ドライブシャフト35は、モータ軸17がドライブシャフト35の中心縦軸36から或る距離51だけオフセットされるようにオフセットリンク50によってロータ19に回転可能に結合される。したがって、ロータ19の出力シャフト52は、偏心ドライブシャフト35の縦軸36がロータ19の回転軸17からずれて設定されるように偏心ドライブ35にリンクされる。ロータ19が軸17を中心として回転するときに、該回転が偏心ドライブシャフト35に伝達されて、シャフト35の遠位端54が円弧経路53内で移動する。このような動きは、接続ジョイント71で伝達リンク34に伝達される。
【0014】
伝達リンク34は、弁21のスプール22と弁28のスプール29との間に概して横断する方向に延びる。図示されるように、伝達リンク34は、接続ジョイント70でスプール22のスロット又はシート75と係合する第1端58と、接続ジョイント72でスプール29のスロット又はシート76と係合する第2端59と、接続ジョイント71を形成するべく偏心ドライブシャフト35の端ピン54を受け入れるように寸法設定及び構成された端58及び59間の凹部又は開口部55とを備える。図示されるように、端58は、弁スプール22のノッチ又はスロット75のそれぞれ60で示される2つの対向する平行な平坦な壁の間に受け入れられる丸みのあるボール状端部である。同様に、端59は、弁スプール29のノッチ又はスロット76のそれぞれ61で示される2つの対向する平行な平坦な壁の間に受け入れられる丸みのあるボール状端部である。この設計は、伝達リンク34がスプール22及び28とロータ軸17との間で可能な位置ずれを引き出すようなものである。伝達リンク34の端58及び59は概して球形であり、リンク34へ機械加工されるので、それらは、伝達リンク34が角度をなしてスイープし、弁スプール22及び28を依然として駆動することを可能にするが、それらはまた、システムを位置ずれに関して動的に調整することも可能にし、これにより、拘束、過度の摩擦、及び妨害の可能性を低下させる。リンク34は、スプール及びドライブシャフトが、部材のすべてが機械的に接続されるが拘束しないようなそれらの定められた位置を得ようとすることを可能にする。
【0015】
偏心ドライブ35の端ピン54は、伝達リンク34の穴55内に嵌る。ドライブ35のピン54と伝達リンク34の穴55との間の環状イヤリング56は、接続ジョイント71でのいくらかの相対回転運動を可能にする。しかしながら、ドライブ35のピン54の円弧53の運動が、伝達リンク34を直線の様態に見えるように運動させ、これにより、第1スプール22を軸24に沿って移動させる。
【0016】
図3に示されるように、弁15は、概して38で示される組み立てられた本体である。本体38は、第1段弁21及び第2段弁28を収容する下部又はベース部39と、モータ16を収容する中間部又は中央部40と、付勢機構20を収容する上部又は頂部41を含む。したがって、弁15の内部本体38は、それぞれ本体38内にプレスされるブッシングへ機械加工されるチャンバ23及び30内に着座する2つのスプール22及び29である。
【0017】
4つのポートが本体38の中に入る。図1及び図3に示すように、弁15のベース39は、供給圧Ps、流体戻りR、及び2つの制御ポートC1、C2のそれぞれへの作動的接続部を有する。したがって、4つの流体接続部が存在するので、この弁は四方サーボ弁である。しかしながら、実施形態は四方弁に限定されず、要望に応じて三方弁又は一部の他の形態に容易に適合させることもできることがはっきりと理解されるべきである。制御ポートC1及びC2は、第2段弁28の出力部である。供給ポートPsは、高圧の油、水、又は他の流体又はガスを引き込み、第2段弁28の供給部又は圧力チャンバ63a及び63b並びに第1段弁21の圧力チャンバ62a及び62bの両方につながる。第1弁21は、パイロット段であり、非常に小さいスロットを有するので、どのような汚染粒子も捕らえ及び取り込み、弁スプール22を妨害するのを防ぐために、圧力チャンバ62a及び62bへの供給ライン内にフィルタ64a及び64bがそれぞれ設けられる。第1段弁21のポート25及び26からの出力流れは、第2段弁28のチャンバ30のそれぞれの端チャンバ65a及び65bにつながる。
【0018】
ベース39は、それぞれ第1段弁21及び第2段弁28の弁部材22及び29のスライド移動を受け入れる及び適応するためにチャンバ23及び30を形成する2つの水平貫通孔を有する。この実施形態では、チャンバ23及び30は円筒形である。しかしながら、このような貫通孔は、非円形の断面を有して、チャンバが直角プリズムなどの非円筒形の形状又は他の類似の形状となるようにしてもよい。この実施形態では、弁部材22及び29は、円筒形の弁スプールである。しかしながら、弁スプールは、剪断プレートを形成する直角プリズムなどの代替的な形状を有してもよい。弁スプール22が軸24に沿って直線的に移動し、弁スプール29が軸24に平行な軸31に沿って直線的に移動するように、弁チャンバ23及び30並びに弁スプール22及び29は、それぞれ軸24及び31を中心として細長い。両方の軸24及び軸31は、モータ軸17及び偏心ドライブシャフト35の縦軸36を横断する。
【0019】
ベース39はまた、第1段スプール22と第2段スプール29との間で作用する伝達リンク34の運動を受け入れる及び適応するためにチャンバ42を形成する、チャンバ23及び30間に横方向に延びる水平貫通孔を含む。中間部40は、ベース部39に面し、且つ係合し、モータ16を収容するように適合される。上部41は、機構20を保護するように取り囲み、且つ覆う、カバーの性質をもつ。
【0020】
図1及び図3に示すように、弁スプール22は、その長手方向の範囲に沿って通常の様態で複数のランド及び溝を備え、伝達リンク34の端58によってシリンダ23内で図1に示された軸24に沿ってヌル位置から要望に応じて左方向又は右方向のいずれかに選択的に且つ制御可能にシフトされるように適合される。このヌル位置において、弁スプール22上のそれぞれのランドは、第2段弁28のシリンダ30のそれぞれチャンバ65a及び65bと連通するポート25及び26を覆う。図示されるように、図1のヌル構成において、シリンダチャンバ30のポート25を通る油圧供給Ps及び供給チャンバ62a間の油圧流れは、ランド68bによってブロックされる。同様に、シリンダチャンバ30のポート26を通る油圧供給Ps及び供給チャンバ62bは、ランド68cによってブロックされる。チャンバ62a及び62b内の油圧流体は、それぞれスプールランド68b及び68cによって流出を防がれる。したがって、スプール22、次いでスプール29は、圧力平衡に起因して移動を制約される。
【0021】
図1及び図3に示すように、弁スプール29は、その長手方向の範囲に沿って通常の様態で複数のランド及び溝を備え、端チャンバ65a及び65b間の圧力差によってシリンダ30内で図1に示された軸31に沿った位置から要望に応じて左方向又は右方向のいずれかに選択的に且つ制御可能にシフトされるように適合される。この位置において、弁スプール29上のそれぞれのランドは、弁を通る流れを防ぐためにそれぞれ制御開口部C1及びC2のポート32及び33を覆う。
【0022】
コイル44、45は、軸17を中心としてロータ19を時計回り方向又は反時計回り方向のいずれかに回転させるのに適切な大きさ及び極性の電流を該コイルに供給することによって選択的に励磁されてよい。ロータの運動方向は、供給される電流の極性によって決まる。ロータの運動角の大きさは、供給される電流の大きさによって決まる。
【0023】
図4では、ロータ19は、軸17を中心として図1に示された回転ヌル位置から時計回り方向におよそ10°回転されている状態で示される。ロータ19が図4に示されるように軸17を中心として時計回りに回転するときに、このような回転が偏心ドライブシャフト35のピン54を円弧53に沿って右に移動させる。この時点で、前述のようにその両端での平衡化された圧力に起因してスプール29が移動を制約されるので、リンク34のボール端59とスプール29のスプールノッチ壁61との間の接続ジョイント72は、一時的に固定された軸として作用する。これと前述の偏心オフセットにより、偏心ドライブシャフト35のピン54の円弧53に沿った右への移動が、伝達リンク34のボール端58を右に移動させる。したがって、ボール端58及び接続ジョイント70が接続ジョイント72に対して時計回りに回転する。これが起こる際に、ボール端58は、弁スプール22をシリンダ23内で一軸方向に軸24に沿って右に移動させる。図4に示されるように、弁スプール22がオフ・ヌルに及び右に移動される際に、スプールランド68b及び68cはそれぞれポート25及び26上にもはや位置合わせされず、これにより、流体がそれぞれポート25及び26へ及びそこから流れ、次に、チャンバ30内のポート73a及び73bへ及びそこから第2段弁28のそれぞれピストンチャンバ65a及び65bへ流れることが可能となる。このようなスプール22の移動は、ポート25を高い供給圧に曝し、ポート26を低い戻り圧に曝す。このスプール22の変位された状態は、流体が供給部から第2段弁28のチャンバ65aへ流入し、第2段弁28のチャンバ65bを出て戻るように流れ、したがって、スプール29の一方の端とスプール29の他方の端との間に圧力差を生み出すことを可能にする。
【0024】
これが起こるときに、第1段弁21からの制御ポート25及び26が前述のように第2段弁28のスプール29の端と通じているので、スプール29がシリンダ30内で一軸方向に軸31に沿って右に移動される。図5に示されるように、弁スプール29が右に移動される際に、スプールランド69a及び69bはそれぞれポート32及び33上にもはや位置合わせされず、これにより、流体がそれぞれポート32及び33並びに制御C1及びC2へ及びそこから流れることが可能となる。このようなスプール29の移動は、ポート32を高い供給圧Psに曝し、ポート33を低い戻り圧Rに曝す。
【0025】
スプール29の右への移動も伝達リンク34を運動させる。特に、図5に示されるように、この時点で、ドライブシャフト35の端ピン54がモータ16によって定位置に保持されるので、ピン54とリンク34の穴55との間の接続ジョイント71は、固定された軸として作用する。スプール29の右への移動と共に、ボール端59及び接続ジョイント72が、接続ジョイント71及び偏心軸36を中心として反時計回りに運動して、伝達リンク34を接続ジョイント71及び偏心軸36を中心として反時計回りに回転させる。軸36を中心とした伝達リンク34の反時計回りの回転が、伝達リンク34のボール端58及び接続ジョイント70を接続ジョイント71及び偏心軸36を中心として反時計回りに且つ左に運動させる。ボール端58の左への運動が、弁スプール22をシリンダ23内で、第1段弁21がヌル位置に戻るまで、左に移動させる。図5に示されるように、弁スプール22が左に移動される際に、スプールランド68b及び68cがそれぞれポート25及び26の上に再び位置合わせされ、これにより、ポート25から端チャンバ65aへ及びポート26から第2段弁28のチャンバ30の端チャンバ65bへの流体の流れが止まる。スプール29は、ポート25及び26が閉じ、スプール29の両端での平衡圧力が戻ると共に、移動を止める。したがって、スプール29は、ロータ19及び偏心ドライブピン54の保持位置の動きを打ち消し、伝達リンク34を、該伝達リンク34が第1段弁21の第1段スプール22のヌルを再び確立するまで、軸36を中心として回転させる。
【0026】
供給される電流の極性が反転された場合、ロータ17は軸17を中心として反時計回りに回転することになり、このような回転が、偏心ドライブシャフト36のピン54を円弧53に沿って左に運動させ、次に、伝達リンク34のボール端58を左に運動させ、これにより、スプール22がシリンダ23に対して反対方向に変位するようにスプール22を軸24に沿ってオフ・ヌルへ左に移動させる。接続ジョイント70、71、及び72は、それらの軸がアクチュエータ本体38に対して固定されないので、浮動する接続部と考えられる。軸17は浮動しない。
【0027】
ロータ19は、ねじりばね43上に吊られる慣性質量であることから、ロータ19の周波数が、特に該周波数が弁15の動作周波数の中央にある場合に、潜在的な問題である。これに対処するために、いくらかのダンピングがもたらされる。第1段弁21と第2段弁28との間の増幅により、ダンピングを有すること及び応答を遅らせることが容認可能である。このようなダンピングは2つの場所でもたらされる。前述のように、いくらかのダンピングが、コア43を形成するラミネーションの数を制御することによってもたらされてよい。第2に、図1に示されるように、第1段スプール22の動きの抑制を助けるために、Rと第1段チャンバ23の端チャンバとの間の流体接続の端のところに、狭めるオリフィス74a及び74bが設けられる。ロータ19が激しく共振し始めることになった場合、スプール22とロータ19が前述のようにドライブ部材35及び伝達リンク34を介して接続されるので、必然的に第1段スプール22はこれと共に動き始めることになるであろう。これが起こり始める場合、オリフィス74a及び74bが第1段スプール22の動きを妨げ始め、動的減衰器又はばねの様相を呈することになる。
【0028】
弁15が定格電流で所与の定格流量を有することになるように付勢機構20が設けられる。ばね46は、ロータ19の適切な量の回転運動により、ばね46がその同じ量だけ偏向し、モータ16の定格電流及びトルク定数に等しい量の逆トルクを生じることになるように選択される。定格電流が35ミリアンペアであり、ロータ19上の10度の回転が望まれる場合、ばね46はそれに対応して選択される。したがって、所与の流量出力に関して、これを生じるために所与の電流入力が存在する。
【0029】
弁スプール29は、或る位置又はコマンドに達し、該位置に達したことを機械的に伝える。第2段スプール29の位置は、伝達リンク34を介して第1段スプール22に従属し、伝達リンク34の動きは、ばね46及びモータ16の電流又はトルク定数によりロータ19の位置に従属する。ゆえに、所与の電流量に関して、モータ16から出る或る量のトルクが偏心ピン54に動きをもたらし、これは次に、第1段スプール22の相対位置をもたらし、第2段スプール29は、伝達リンク34を介して第1段スプール22に従属する。
【0030】
弁15はいくつかの利点をもたらす。第1に、モータ16は極度に大きくする必要はない。第1段弁21が第2段弁スプール29を移動させるので、モータ16は、第1段スプール22を移動させるのに十分なパワーを有することだけを必要とする。第2に、第1段弁21は、より小さい運動量を有するが、中央ランド68b及び68cからスプール29の端65a及び65bへの制御された流れを有することによって第2段弁28の運動を増幅する。より大きい第2段スプール29のスロットはかなりより広く、ゆえに、第1段スプール22の非常に小さい運動で第2段スプール29による極めて大きな運動が達成される。第3に、弁15は、結果的に漏れ量が低減することになる。第4に、ロータは、対称で、バランスが取れている。スプール、モータ、及びロータの構成により、弁15上に外力をかける振動又は衝撃又は何らかの運動による加速が弁15を動かす可能性は低い。第5に、必要なのは所望の振幅に見合うのに十分なロータの運動が達成されるまでステータを時計回り又は反時計回りに運動させることであるため、ロータ19が本体38に取り付けられる様態は電流をヌルにするのを容易にする。第6に、ステータ18は、弁要素を取り囲む油圧チャンバによって案内され、ゆえに、モータは不安定な位置にはなく、ヌルを変化させることになる運動の対象とならない。この設計では、モータステータは、1ないし2度回転する又はシフトされることも可能であり、制約されているためヌルは変化させないであろう。
【0031】
好ましい実施形態では、ロータ19は、ロータヌル位置からずれてモータ軸17を中心としてプラス又はマイナス10度だけ回転するように設計される。最も制限された角度のトルクモータは、プラス又はマイナス30ないし35度までいくことができ、依然として一次関数のトルク及び電流を有する。この実施形態がたったの10度に制限される理由は、ばね46の剛性を定めることである。ストロークがより小さければ、ばね46がより剛性になり、これは第1段スプール22の共振周波数の増加を意味する。最適な選択は、ロータの角振幅をできるだけ最小にするが、それでいてバックラッシがなくされるのに十分な大きにすることである。
【0032】
説明された実施形態に種々のさらなる変化及び修正が加えられてよい。例えば、種々の部品の寸法、形状、及び構成は、付属の請求項に組み込まれる場合を除いて、重要とみなされない。そしてまた構造体の材料も重要とみなされない。前に示したように、弁スプールは、ベース上にスライド可能に直接設置されてよく、又はベース上に設けられた貫通孔の中に挿入されたブッシング内にスライド可能に設置されてよい。一実施形態では、丸みのあるヘッド部分が、互いから離れる方に付勢される2つの部分からなって、該丸みのあるヘッドが係合される弁スプールシートの壁との無摩擦の転がり接触を維持するように、ボール端58及び59のヘッドは分割される。ロータを本体に対して回転させるために、代替的なモータタイプが用いられてよい。
【0033】
したがって、改善された二段電気油圧弁の現在好ましい形態が図示及び説明され、そのいくつかの修正が論じられているが、請求項によって定義され区別される場合の本発明の範囲から逸脱することなく種々のさらなる変化及び修正が加えられてよいことを当業者はすぐに理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】