(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-535067(P2017-535067A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(54)【発明の名称】アクティブ基板位置合わせシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20171027BHJP
H01L 21/265 20060101ALI20171027BHJP
H01L 21/266 20060101ALI20171027BHJP
H01J 37/317 20060101ALI20171027BHJP
【FI】
H01L21/68 G
H01L21/265 603C
H01L21/265 M
H01J37/317 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-513708(P2017-513708)
(86)(22)【出願日】2015年9月4日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月28日
(86)【国際出願番号】US2015048463
(87)【国際公開番号】WO2016043987
(87)【国際公開日】20160324
(31)【優先権主張番号】62/050,363
(32)【優先日】2014年9月15日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】500239188
【氏名又は名称】ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】アーロン ピー ウェッブ
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ジェイ ミラー
(72)【発明者】
【氏名】タミー ジョウ プライド
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー エヌ グラント
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ ディー ストラスナー
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ ティー カールソン
【テーマコード(参考)】
5C034
5F131
【Fターム(参考)】
5C034CC10
5F131AA02
5F131AA12
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5F131KB09
5F131KB54
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(57)【要約】
オン注入装置用のアクティブ基板位置合わせシステムであり、本システムは、プラテンと、前記プラテンの上に置かれた基板の移動を制限するために前記プラテンに隣接して配置された基板係合表面を選択的に移動するように構成されたレジストレーション装置と、前記基板が前記プラテンの上に置かれる前に前記基板の画像をキャプチャするように構成されたカメラと、前記カメラ及び前記レジストレーション装置と通信するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記基板の移動を予め決められた方法で制限するために、前記基板係合表面を前記画像に基づいて移動させるように、前記レジストレーション装置に命令するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラテンと、
前記プラテンの上に置かれた基板の移動を制限するために、前記プラテンに隣接して配置された基板係合表面を選択的に移動するように構成されたレジストレーション装置と、
前記基板が前記プラテンの上に置かれる前に前記基板の画像をキャプチャするように構成されたカメラと、
前記カメラ及び前記レジストレーション装置と通信するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記基板の移動を予め決められた方法で制限するために、前記基板係合表面を前記画像に基づいて移動させるように、前記レジストレーション装置に命令するように構成されている、イオン注入装置用のアクティブ基板位置合わせシステム。
【請求項2】
前記プラテンに隣接して配置され、前記基板を前記基板係合表面と係合するまで押すように構成されたプッシャーをさらに備える、請求項1記載の基板位置合わせシステム。
【請求項3】
前記プッシャーは前記プラテンの第1の側面に互いに平行に配置された第1及び第2のプッシャーを備える、請求項2記載の基板位置合わせシステム。
【請求項4】
前記レジストレーション装置は、前記プラテンの前記第1の側面に配置された第1のレジストレーション装置及び第2のレジストレーション装置を備える、請求項1記載の基板位置合わせシステム。
【請求項5】
前記プラテンの第2の側面に配置された第3のレジストレーション装置をさらに備える、請求項4記載の基板位置合わせシステム。
【請求項6】
前記カメラは、前記基板が前記プラテンの上に置かれる前に前記基板上の第1のドーパントパターンの像をキャプチャするように構成され、前記コントローラは、前記基板上の前記第1のドーパントパターンが、前記基板が前記プラテン上に置かれた後で、前記基板上に投射される第2のドーパントパターンと整列するために、前記基板係合表面を前記画像に基づいて移動させるように、前記レジストレーション装置に命令するように構成されている、請求項1記載のアクティブ基板位置合わせシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記基板が前記プラテン上に置かれた後で、前記基板上に投射されるドーパントパターンが前記基板の中心に位置するために、前記基板係合表面を前記画像に基づいて移動させるように、前記レジストレーション装置に命令するように構成されている、請求項1記載のアクティブ基板位置合わせシステム。
【請求項8】
プラテンと、
前記プラテンの上に置かれた基板の移動を制限するために、前記プラテンの第1の側面に配置された第1及び第2の基板係合表面をそれぞれ選択的に移動するように構成された第1及び第2のレジストレーション装置と、
前記基板が前記プラテンの上に置かれる前に前記基板の画像をキャプチャするように構成されたカメラと、
前記カメラ及び前記第1及び第2のレジストレーション装置と通信するコントローラであって、前記基板の移動を予め決められた方法で制限するために、前記第1及び第2の基板係合表面を前記画像に基づいて移動させるように前記第1及び第2のレジストレーション装置に命令するように構成されているコントローラと、
前記プラテンの第2の側面に互いに平行に配置され、前記基板を前記第1及び第2の基板係合表面と係合するまで押すように構成された第1及び第2のプッシャーと、
を備える、アクティブ基板位置合わせシステム。
【請求項9】
基板を位置合わせする方法であって、前記方法は、
前記基板のライブ画像をキャプチャするステップと、
前記基板の前記ライブ画像に基づいて、プラテンに隣接して配置された基板係合表面を、前記基板が前記プラテンの上に置かれた後で所定の向きを呈するように移動させるステップと、
前記基板を前記プラテンの上に置くステップと、
前記基板を前記基板係合表面と係合するまで移動させるステップと、
を備える方法。
【請求項10】
前記基板の前記ライブ画像をキャプチャするステップは、前記基板上の第1のドーパントパターンのライブ画像をキャプチャするステップを含み、前記基板係合表面を移動させるステップは、前記第1のドーパントパターンが、前記基板が前記プラテン上に置かれた後で、前記基板上に投射される第2のドーパントパターンと整列するように前記基板係合表面を移動させるステップを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第2のドーパントパターンのテスト画像をキャプチャするステップと、
前記第1のドーパントパターンの前記ライブ画像を前記第2のドーパントパターンの前記テスト画像と比較するステップと、
をさらに備える、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記基板係合表面を移動させるステップは、前記基板が前記プラテンの上に置かれた後で、前記基板上に投射されるドーパントパターンが前記基板の中心に位置するように前記基板係合表面を移動させるステップを含む、請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記ドーパントパターンのテスト画像をキャプチャするステップと、
前記基板の前記ライブ画像を前記ドーパントパターンの前記テスト画像と比較するステップと、
をさらに含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記基板を前記基板係合表面と係合するまで移動させるステップは、前記基板を前記基板係合表面と係合するまで押すために、前記プラテンの反対側に配置されたプッシャーを前記基板係合表面に対して駆動するステップを含む、請求項9記載の方法。
【請求項15】
前記基板を前記基板係合表面と係合するまで移動させるステップは、前記基板を、前記プラテンの一側面に互いに間隔を置いて配置された第1及び第2の基板係合表面と係合するまで、移動させるステップを含む、請求項9記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
相互参照
本出願は、2014年9月15日に出願された米国仮特許出願第62/050,363号の優先権を主張するものであり、その全内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明の実施形態は半導体及び太陽電池の分野に関し、特にイオン注入装置用のアクティブ基板位置合わせシステム及び対応方法に関する。
【背景技術】
【0003】
イオン注入は導電率を変化させる不純物を半導体及び太陽電池基板内に導入する技術である。イオン注入中に、所望の不純物材料がイオンソースチャンバ内でイオン化され、イオンは加速されたイオンビームを形成し、イオンビームは集束され、処理チャンバ内に置かれた基板の表面に照射される。イオンビーム内のエネルギーイオンは基板材料本体内に侵入し、基板材料の結晶格子内に埋め込まれて所望の導電率の領域を形成する。
【0004】
太陽電池製造業の2つの懸案事項はスループットと太陽電池効率である。太陽電池効率は1太陽電池セルが電気に変換し得る太陽エネルギーの量であり、製造精度に密接に関係する。技術の進歩に伴って、太陽電池製造業界内の競争力を保つために、より高い太陽電池効率が要求されている。従って、製造スループットを維持もしくは高めながら精度を高めることが非常に望ましい。
【0005】
イオン注入は、太陽電池を正確にドーピングする実行可能な方法として実証されている。イオン注入の使用は、炉拡散などの既存の技術に必要なプロセスを不要にする。例えば、炉拡散の代わりにイオン注入を使用すれば、イオン注入は所望の表面以外の領域にドーピングしないため、レーザエッジアイソレーションプロセスを除去することができる。プロセスの除去に加えて、イオン注入の使用によってより高い効率が実証されている。イオン注入は、太陽電池の全表面の全面注入又は太陽電池の一部分の選択的(又はパターン化)注入を実行する能力も提供する。イオン注入を用いた高いスループットでの選択的注入は炉拡散に使用される費用と時間のかかるリソグラフィ又はパターン化プロセスを不要にする。選択的注入は新たな太陽電池設計も可能にする。
【0006】
ある種の太陽電池の注入は必要なジオメトリ及び公差を達成するためにミクロンレベルの精度を必要とし得る。例えば、選択エミッタ(SE)及び相互嵌合背面接点(IBC)型太陽電池は数ミクロン間隔のドープ領域を有する。このようなドープ領域をセル内に生成するためにイオン注入中にマスクを使用する場合、領域の位置はセルに対するマスクの位置によって決まる。場合によっては、セルの領域内への2以上の不純物材料の連続的な導入が要求され得る。これは、第1のドーパントを第1のマスクを用いて第1のイオン注入ステーションでセルに注入し、次に第2のドーパントを第2のマスクを用いて第2の注入ステーションでセルに注入することによって達成することができる。第1のドーパント及び第2のドーパントをセルの個別の領域に注入するために、第1及び第2のマスクは相補的パターンでなければならないとともに、セルに対してほぼ同一に位置合わせされなければならない。他の場合には、マスクドーパントパターンをセル上で正確にセンタリングすることが要求され得る。以上から分かるように、正確なマスク位置合わせが上述した場合(即ち、複数のマスクパターンを連続的に位置合わせする場合又は一つのマスクパターンをセンタリングする場合)に達成されなければ、セルは望みどおりに機能しない可能性及び/又はセルの製造に使用されるその後のプロセスが正確に位置合わせされない可能性がある。
【0007】
太陽電池製造の精度、信頼性及び速度のどんな改善も世界中の太陽電池製造業者に有益であり、代替エネルギー資源としての太陽電池の採用を加速する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
この概要は、詳細な説明で以下にさらに述べる単純化した形態での概念の選択を紹介するためのものである。この概要は、請求の要旨の重要な特徴又は本質的な特徴を特定するものではなく、また請求の要旨の範囲を決定するためのものでもない。
【0009】
本発明に係わるイオン注入装置用のアクティブ基板位置合わせシステムの例示的な実施形態は、プラテンと、前記プラテンの上に置かれた基板の移動を制限するために、前記プラテンに隣接して配置された基板係合表面を選択的に移動するように構成されたレジストレーション装置と、前記基板が前記プラテンの上に置かれる前に前記基板の画像をキャプチャするように構成されたカメラと、前記カメラ及び前記レジストレーション装置と通信するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記基板の移動を予め決められた方法で制限するために、前記第1及び第2の基板係合表面を前記画像に基づいて移動させるように、前記レジストレーション装置に命令するように構成されている。
【0010】
本発明に係わるイオン注入装置用のアクティブ基板位置合わせシステムの別の例示的な実施形態は、プラテンと、前記プラテンの上に置かれた基板の移動を制限するために、前記プラテンの第1の側面に配置された第1及び第2の基板係合表面をそれぞれ選択的に移動するように構成された第1及び第2のレジストレーション装置と、前記基板が前記プラテンの上に置かれる前に前記基板の画像をキャプチャするように構成されたカメラと、前記カメラ及び前記第1及び第2のレジストレーション装置と通信するコントローラであって、前記基板の移動を予め決められた方法で制限するために、前記第1及び第2の基板係合表面を前記画像に基づいて移動させるように、前記第1及び第2のレジストレーション装置に命令するように構成されているコントローラと、前記プラテンの第2の側面に互いに平行に配置され、前記基板を前記第1及び第2の基板係合表面と係合するまで押すように構成された第1及び第2のプッシャーと、を備える。
【0011】
本発明に係わる基板位置合わせ方法の例示的な実施形態は、基板のライブ画像をキャプチャするステップと、前記基板の前記ライブ画像に基づいて、プラテンに隣接して配置された基板係合表面を、基板が前記プラテン上に置かれた後で所定の向きを呈するように移動させるステップと、前記基板を前記プラテの上に置くステップと、前記基板を前記基板係合表面と係合するまで移動させるステップとを備える。
【0012】
一例として、本発明の様々な実施形態をこれから添付図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係わる基板位置合わせシステムの例示的な実施形態の側面図である。
【
図2】
図1に示す例示的な基板位置合わせシステムのプラテンを示す平面図である。
【
図3】
図1に示す例示的な基板位置合わせシステムの基板レジストレーション装置を示す、
図2の3−3線に沿った断面図である。
【
図4】
図1に示す例示的な基板位置合わせシステムを用いて、順次の注入パターンを基板上で同一に整列させる、例示的な方法の流れ図である。
【
図5】
図1に示す例示的な基板位置合わせシステムを用いて、基板上に投射されるドーパントパターンが基板の中心になるように基板を方向づける、例示的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の係わるアクティブ基板位置合わせシステム及び方法を、本ステム及び方法の好ましい実施形態を示す添付図面を参照して、以下にさらに詳しく説明する。本システム及び方法は、多くの異なる形態に具体化することができ、本明細書に記載する実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。これらの実施形態は、本明細書が完璧かつ完全であるように、また当業者に対して本装置及び方法の要旨範囲を十分に伝えるように提示したものである。図面において、同一参照符号は全体を通して同様の要素を示す。
【0015】
本発明のアクティブ基板位置合わせシステム及び方法は、本明細書では、イオン注入装置及び関連のイオン注入プロセスと関連して説明される。他の実施形態では、本アクティブ基板位置合わせシステム及び方法は種々の他のシステム及びプロセスにおいて同様に実施することができ、例えば太陽電池又は半導体の製造に使用することができる。加えて、本明細書に開示する例示的なシステム及び方法は太陽電池の実施と関連して記載されるが、このような開示は説明のために与えられ、本システム及び方法は、半導体ウェハ、発光ダイオード(LED)、シリコンオンインシュレータ(SOI)ウェハ、及び他のこのようなコンポーネントなどの他のタイプのセルを実装するために同様に実施することができる。
【0016】
図1は、本発明に係わる基板位置合わせシステム(以後「システム10」という)の例示的な実施形態の概略側面図を示す。システム10は、注入すべき基板14を保持するプラテン12を有するイオン注入装置11を含む。イオン注入装置は、以下で詳述する動的基板レジストレーション装置16,18(このレジストレーション装置18は
図2に示す)を含み得る。イオン注入装置11はさらに、イオンビーム20がマスク19を通して基板14上に投射されたとき基板14上に所望の注入パターンを生成するためのマスク19を含み得る。システム10はさらに、基板14をプラテン12へ移送するように構成された移送機構21(例えば、ベルト、ロボットアーム等)を含み得る。システム10はさらに、移送機構21上又はプラテン12上に置かれた基板の画像、例えばこのような基板上に既に存在する注入パターンの画像、をキャプチャするように構成されたカメラ22を含み得る。カメラ22はコントローラ23に動作可能に接続し得る。コントローラは次に、以下でさらに説明されるように、レジストレーション装置16,18に動作可能に接続し得る。
【0017】
図2に示すプラテン12の平面図(
図2では明瞭のためにプラテン12上の基板14は示されていない)を参照すると、レジストレーション装置16,18はプラテン12の第1の側面に隣接して互いに離れて位置し、以下で述べるようにy軸に沿う基板14の移動を制御可能に制限するために使用することができる。システム10はさらに、レジストレーション装置16,18と反対側のプラテン12の第2の側面に隣接して位置する1以上のプッシャー24を含み得る。プッシャー24は、プッシャー24を
図2に示す矢印の方向に水平に前後に選択的に駆動するように構成された1以上の駆動機構に動作可能に接続し得る。基板14(
図1)がプラテン12の上に置かれると、後述するように、プッシャー24を用いて基板14をレジストレーション装置16,18に押し付け係合させることができる。システム10はさらに、以下で述べるようにx軸に沿う基板の移動を制御可能に制限するためにプラテン12の第3の側面に隣接する第3のレジストレーション装置26を含み得る。代わりに、レジストレーション装置26は、x軸に沿う基板14(
図1)の移動を制限するための固定の壁、ポスト、止め、又は他の静止構造と置き換えてもよい。
【0018】
図3を参照すると、レジストレーション装置16とプラテン12及びマスク19の隣接部分を示す、
図2の3−3線に沿う切り欠き断面図が示されている。レジストレーション装置16はレジストレーション装置18、26と同一であってよく、従ってレジストレーション16の以下の説明はレジストレーション装置18,26にも適用してよい。
【0019】
レジストレーション装置16はプラテン12の下方に位置する駆動機構30に結合された細長いシャフト28を含むことができる。シャフト28はy軸に対してある傾斜角度に向けてよい。シャフト18は、その最上端において、プラテン12の基板支持表面29の上方まで伸びるとともに基板支持表面29に対して直角に向いた基板係合表面34を有するフィンガ32で終端してよい。駆動機構30は、
図3に矢印36で示すようにシャフト28をその長軸に沿って伸縮可能に構成してよい。シャフト28は上述したようにy軸に対してある角度傾いているので、シャフト28の伸縮は、
図3に矢印38で示すように、フィンガ32の基板係合表面34に対応する水平方向移動(即ちy軸に沿った移動)をもたらし得る。シャフト28の長軸に沿った移動はフィンガ32の垂直方向の移動(即ちy軸に沿った移動)も生じるため、基板係合表面34はこの表面34の適切な部分が基板14と係合するような大きさにしてよい。
【0020】
図示の実施形態では、シャフト28の収縮は基板係合表面34の左方向の水平移動を生じるが、シャフト28の伸張は基板係合表面34の右方向の水平移動を生じ得る。このように構成された駆動機構30はフィンガ32の基板係合表面34の水平位置を選択的に且つ正確に(例えば5μmの精度で)調整するために使用することができる。よって、基板係合表面34はプラテン12で支持された基板14の水平移動を制限する選択的に移動可能な境界として機能し得る。
【0021】
図4を参照すると、上述したシステム10を用いて順次の注入パターンを基板上で同一に位置合わせする例示的な方法を示す流れ図である。この方法は2以上の異なる不純物材料(例えば、ホウ素及びリン)を基板の所望の領域内に連続的に注入するために使用することができる。この方法は
図1−3に示すシステム10の概略図と関連して説明される。
【0022】
ブロック100において、注入装置11のマスク19により投射されるドーパントパターンの正確な向きを決定するために、マスク19を用いてテストパターンをテスト基板(図示せず)上に生成することができる。これは、テスト基板をプラテン12上に置き、イオンビームをマスク19を通して基板上に投射することによって達成し得る。カメラ22はテスト基板上に生成されたドーパントパターンを含むテスト基板の画像をキャプチャし、その画像は、例えばコントローラ23と関連するメモリ25に格納し得る。この画像(以後「テスト画像」と称す)はその後、後述するように、レジストレーション装置16,18(及び必要に応じ、もしあればレジストレーション装置26)の位置を調整するための基準点として使用し得る。
【0023】
ブロック110において、第1の不純物材料がマスクパターンで既に注入された基板、例えば
図1に示す基板14、が移送機構21によりプラテン12に向け移送され得る。
【0024】
基板12がまだ移送機構21上にある間に、カメラ22は、ブロック120において、基板のエッジ及び基板14上の既存のドーパントパターンを含む基板14の画像をキャプチャする。従って、この画像(以後「ライブ画像」と言う)は、基板14の向きに対する既存のドーパントパターンの正確な向きを示し得る。
【0025】
ブロック130において、コントローラ23は、ブロック120でキャプチャしたライブ画像を表すデータをブロック100でキャプチャしたテスト画像を表すデータとともに用いて、マスク19を通して投射されるドーパントパターンを基板14上の既存のドーパントパターンと正確に位置合わせするためには基板14をプラテン12上でどのような向きにすればよいかを決定することができる。
【0026】
ブロック140において、コントローラは、基板14上の既存のドーパントパターンが、基板14が以下に述べるように基板係合表面34と係合するまで移動された後に、マスク19を通して投射されるドーパントパターンと正確に一致するように、ブロック130で行われた決定に基づいて、レジストレーション装置16,18,26の駆動機構30を操作して、(上述したように)フィンガ32の基板係合表面34の水平位置を調整する。
【0027】
ブロック150において、基板14(その上に既存のドーパントパターンを有する)は移送機構21によって(又は別の装置によって)プラテン12上に置くことができる。ブロック160において、プッシャー24が基板14の一以上のエッジ部と係合するまで移動して、基板をレジストレーション装置16,18,26のフィンガ32の基板係合表面34に向けて水平に移動させることができる。
図2は基板14をy軸に沿ってレジストレーション装置16,18と係合するまで移動させるように構成されたプッシャー24を示すが、基板をx軸に沿ってレジストレーション装置26と係合するまで移動させるために1以上の追加のプッシャーを設けてもよい。このように基板14をブロック140で述べたように再配置された基板係合表面34と係合させることによって、基板14を基板上の既存のドーパントパターンがマスク19により投射されたドーパントパターンに対して正確に(例えば40μmの精度まで)整列する向きにすることができる。
【0028】
ブロック170において、イオン注入装置11は第2の不純物材料のイオンを含有するイオンビームをマスク19を通して基板内に注入してよい(第1の不純物材料は上述したように既に基板14に注入されている)。基板14はブロック160で述べたように方向づけられているので、マスク19によって基板14に投射されるドーパントパターンは基板上の既存のドーパントパターンと正確に一致する。
【0029】
ブロック180において、基板14はプラテン12から取り出し、更なる処理のために転送してよい。
【0030】
図5を参照すると、上述したシステム10を用いて基板上に投射されるドーパントパターンが基板の中心(例えば、基板のエッジに対して中心)に位置するように基板の向きを定める例示的な方法を示す流れ図が示されている。この方法は
図1−3に示すシステム10の概略図と関連して説明される。
【0031】
ブロック200において、注入装置11のマスク19で投射されるドーパントパターンの正確な向きを決定するために、マスク19を用いてテストパターンをテスト基板(図示せず)上に生成することができる。これは、テスト基板をプラテン12上に置き、イオンビームをマスク19を通して基板上に投射することによって達成し得る。カメラ22はテスト基板上に生成されたドーパントパターンを含むテスト基板の画像をキャプチャし、その画像は、例えばコントローラ23と関連するメモリ5に格納し得る。この画像(以後「テスト画像」と称す)はその後、後述するように、レジストレーション装置16,18(及び必要に応じ、もしあればレジストレーション装置26)の位置を調整するための基準点として使用し得る。
【0032】
ブロック210において、基板、例えば
図1に示す基板14、を移送機構21によってプラテン12に向け移送し得る。
【0033】
基板12がまだ移送機構21上にある間に、カメラ22は、ブロック220において、基板のエッジを含む基板14の画像をキャプチャし得る。従って、この画像(以後「ライブ画像」と言う)は、基板14の正確なサイズ及び形状を示し得る。
【0034】
ブロック230において、コントローラ23は、ブロック220でキャプチャしたライブ画像を示すデータをブロック200でキャプチャしたテスト画像を示すデータと一緒に用いて、マスク19により投射されたドーパントパターンを基板14の中心に正確に位置させるためには、基板14をプラテン12上でどのような向きにすればよいかを決定することができる。
【0035】
ブロック240において、コントローラ23は、基板14が以下で述べるように基板係合表面34と係合するまで移動した後に、マスク19により投射されるドーパントパターンが正確に基板14上の中心に位置するように、ブロック230で行われた決定に基づいて、レジストレーション装置16,18,26の駆動機構30を操作して、(上述したように)フィンガ32の基板係合表面34の水平位置を調整する。
【0036】
ブロック250において、基板14を移送機構21によって(又は別の装置によって)プラテン12上に置くことができる。
【0037】
ブロック260において、プッシャー24が基板14の一つのエッジと係合するまで移動し、プッシャー24と反対側の基板14のエッジがレジストレーション装置16,18,26のフィンガ32の基板係合表面34と係合するまで移動されるように、基板14を水平に(即ち水平基板面のx軸及びy軸に沿って)強制的に移動させることができる。
図2はレジストレーション装置26と反対側に位置するプッシャー24を示していないが、このようなプッシャーを設けてもよい。このように、基板14をブロック240で述べたように再配置された基板係合表面34と係合させることによって、基板14を、マスク19により投射されるドーパントパターンが基板14の中心に正確に(例えば40μmの精度まで)位置する向きにすることができる。
【0038】
ブロック270において、イオン注入装置11はイオンビームをマスク19を通して基板14上に投射することができる。基板14はブロック260で述べたように方向づけられるので、マスク19により基板14上に投射されるドーパントパターンは基板14の中心に正確に位置し得る。
【0039】
ブロック280において、基板14はプラテン12から取り出し、更なる処理のために転送することができる。
【0040】
本発明は、本明細書に記載される特定の実施形態の範囲に限定されない。実際には、本明細書に記載された実施形態に加えて、他の種々の実施形態及び変更例が、前述の記載及び添付の図面から当業者には明らかであろう。従って、かような他の実施形態及び変更例は、本発明の範囲に含まれるものと意図される。さらに、本明細書の開示は、特定の目的に対する、特定の環境における、特定の実施形態の文脈にて記載されているが、当業者は、その有用性はこれに限定されないこと及び、本発明があらゆる目的のために、あらゆる環境において有益に実行可能であることを認識されよう。
【国際調査報告】