(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-535170(P2017-535170A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(54)【発明の名称】ラウドスピーカーアレイ
(51)【国際特許分類】
H04R 1/40 20060101AFI20171027BHJP
【FI】
H04R1/40 310
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-518821(P2017-518821)
(86)(22)【出願日】2015年10月8日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月29日
(86)【国際出願番号】EP2015073255
(87)【国際公開番号】WO2016055567
(87)【国際公開日】20160414
(31)【優先権主張番号】102014220544.1
(32)【優先日】2014年10月9日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100134119
【弁理士】
【氏名又は名称】奥町 哲行
(72)【発明者】
【氏名】ビーア・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ベッツ・ローレンツ
(72)【発明者】
【氏名】エーリッヒ・ルッツ
【テーマコード(参考)】
5D018
【Fターム(参考)】
5D018AF22
(57)【要約】
ラウドスピーカーアレイは、包囲型バッフルおよび複数の音響変換器を含む。包囲型バッフルは、第1の主要表面上に互いに隣接して配置された複数の凹部を含む。複数の音響変換器の音響変換器は、それぞれの音響変換器のために各凹部によって包囲された背面容積が形成されるように、関連する凹部内に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主要表面(12a)上に互いに隣接して配置された複数の凹部(14a〜14p、14f’)を備える包囲型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)と、
複数の音響変換器(16a〜16p)と、を備え、
前記複数の音響変換器(16a〜16p)の各音響変換器(16a〜16p)は、それぞれの音響変換器(16a〜16p)のために各凹部によって包囲された背面容積(14a〜14p、14f’)が形成されるように、前記複数の凹部の関連する凹部内に配置される、ラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項2】
前記複数の音響変換器は、1×mラインアレイとして配置されるか、または
前記複数の音響変換器(16a〜16p)は、n×m面状アレイとして配置される、請求項1に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項3】
各凹部は、止まり穴によって形成される、請求項1または請求項2に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項4】
各凹部は、円形、楕円形、および/または長方形の形状を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項5】
前記凹部の深さに対する幅の比は、3:1〜1:3の比で提供される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項6】
前記包囲型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)は、サンドイッチ構造として具現化される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項7】
前記包囲型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)は、背板(12b’’’’)と、複数の貫通孔を有する有孔板と、を含み、前記有孔板は、前記背板(12b’’’’)が前記第1の表面(12a)に対向する第2の表面上の前記貫通孔を閉鎖するように、前記背板(12b’’’’)に対向して配置される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項8】
前記包囲型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)は、少なくとも1つの少なくとも1つの音導部を含み、
前記音導部は、ホーン、バスレフ経路、および伝送線路を含む群に由来する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項9】
前記包囲型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)は、前記複数の音響変換器(16a〜16p)に電気的に接触するために複数の導体路が形成される導体路層(12c’’’)を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項10】
駆動電子機器(20)は、前記第1の主要表面上、または前記第1の主要表面に対向する第2の主要表面上、または前記包囲型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)内に配置され、前記駆動電子機器(20)は、前記複数の音響変換器(16a〜16p)を駆動するように構成される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項11】
ラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)を製造するための方法であって、
包囲型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)の第1の主要表面に互いに隣接して配置された複数の凹部(14a〜14p、14f’)を提供することと、
前記凹部(14a〜14p、14f’)によって音響変換器(16a〜16p)の背面容積が形成されるように、前記複数の凹部(14a〜14p、14f’)の関連する凹部(14a〜14p、14f’)内に複数の前記音響変換器(16a〜16p)を配置することと、を含む、方法。
【請求項12】
互いに隣接して配置された前記複数の凹部(14a〜14p、14f’)を提供するステップは、キャリアプレートを提供するサブステップと、フライス加工によって複数の凹部(14a〜14p、14f’)を挿入するサブステップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
互いに隣接して配置された前記複数の凹部(14a〜14p、14f’)を提供する前記ステップは、鋳造成形または射出成形のステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
第1の主要表面(12a)上に互いに隣接して配置された複数の止まり穴(14a〜14p、14f’)を備えるバッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)と、
複数の音響変換器(16a〜16p)と、を備え、
前記複数の音響変換器(16a〜16p)のそれぞれの音響変換器(16a〜16p)と一緒になって、各止まり穴が前記それぞれの音響変換器(16a〜16p)の包囲された背面容積(14a〜14p、14f’)を形成するように、前記複数の音響変換器(16a〜16p)の各音響変換器(16a〜16p)は、前記複数の止まり穴の関連する止まり穴の中に配置される、ラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項15】
前記バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)の各止まり穴は、深絞り加工品として、鋳造成形品として、または射出成形品として、前記複数の止まり穴(14a〜14p、14f’)によって形成される、請求項14に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
包囲型バッフルおよび複数の音響変換器を有するラウドスピーカーアレイ、ならびにその製造方法
【背景技術】
【0002】
ラウドスピーカーアレイは、例えば、ラインアレイまたは面状アレイとして配置されてもよい。
【0003】
ラウドスピーカーアレイは、種々の音響放射シナリオにおいてますます重要な役割を果たしている。従来のラウドスピーカーに勝る重要な利点は、各個々の音響変換器を個別に駆動することによってラウドスピーカーアレイの放射特性に影響を及ぼす可能性である。
【0004】
従来技術によるラウドスピーカーアレイの製造は、複雑であり、材料および組み立ての面でかなりの労力を費やしてようやく実現されることが多い。音響短絡を避けるために、アレイの後方音が、前方に発せられる音から分離されなければならない。これは、例えば、閉鎖され得る筐体内にラウドスピーカーアレイを設置することによって達成される。用途によっては、アレイ内の個々のラウドスピーカーを個別に駆動することは、隣接する変換器が筐体内の後方音圧による影響を受けるのを避けるために、例えば、音響変換器ごとに気密に隔離され得る別個の筐体を必要とする。したがって、各個々の変換器に独自の閉鎖した筐体容積を持たせるために、ラウドスピーカーアレイの筐体は、いわゆるチャンバに分割されなければならないが、それは多大な労力を必要とする。
【0005】
米国特許第7,201,251号に開示されているように、アレイ構造は、個々の閉鎖したラウドスピーカー筐体を直列に配置することによっても代替的に実現することができる。しかしながら、アレイのサイズによっては、上述の両方の概念に関与する材料および組み立ての面における労力はそれに準じて高い。よって、改善された手法の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,201,251号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ラウドスピーカーアレイのためのラウドスピーカー筐体の単純な構造、およびラウドスピーカーアレイの簡便な製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項によって達成される。
【0009】
第1の包囲型バッフルおよび複数の音響変換器を有するラウドスピーカーアレイを提供する。包囲型バッフルは、第1の主要表面上に互いに隣接して配置された複数の凹部を備える。複数の音響変換器の各音響変換器は、それぞれの音響変換器のために各凹部によって包囲された背面容積が形成されるように、複数の凹部の関連する凹部内に配置される。
【0010】
したがって、本発明の核心は、複数のチャンバを有するラウドスピーカー筐体の代わりに、複数の凹部を有する包囲型バッフルを用いることである。原則として、包囲型バッフルは、厚みを増加させた平坦な要素であるため、凹部またはチャンバが直接その中に形成され得、音響変換器を凹部に挿入した後に背面容積を形成し得る。よって、ラインアレイおよび面状アレイの両方として自由自在に拡大縮小され得る単純なラウドスピーカー構造を製造することができる。
【0011】
実施形態によれば、凹部は、止まり穴として、例えば、ドリル加工またはフライス加工された止まり穴として形成され、その結果、例えば、円形の形状を備え得るが、楕円形またはさらには長方形の形状も備え得る。凹部の深さに対する幅の比は、5:1〜1:5、3:1〜1:3の範囲、または2:1〜1:2の範囲である。
【0012】
さらなる実施形態によれば、包囲型バッフルが複数の(接合されたおよび/または概ね接続された)層を有するサンドイッチ構造として構成されることも考えられる。この場合、一実施形態によれば、1つまたはいくつかの表層(第1の主要表面を参照)が、凹部のための複数の貫通孔を含み、最後の層は、この場合も同様に、止まり穴が形成されるように凹部を閉鎖する後壁を形成することも可能である。
【0013】
さらなる実施形態によれば、包囲型バッフルは、例えば、ホーン、バスレフ経路、または伝送路の形態で、少なくとも1つの音導部を含む。
【0014】
さらなる実施形態によれば、包囲型バッフルは、音響変換器に電気的に接触するための導体路を有する導体層も備え得る。その配置は、バッフルの材料の選択に応じて変化する。
【0015】
さらなるラウドスピーカーアレイを製造するための方法を提供する。この方法は、包囲型バッフルの第1の主要表面に互いに隣接して配置された複数の凹部を提供すること、および音響変換器の背面容積を形成するように、関連する凹部内に複数の音響変換器を配置することの2つの基本的なステップを含む。この実施形態では、ラウドスピーカー全体が、非常に単純な、したがって安価な様式で製造されることが有利である。
【0016】
製造において、互いに隣接して配置された複数の凹部を提供するステップは、フライス加工もしくはドリル加工を介してキャリアプレートに凹部を挿入することによって、または直接成形によって、例えば、鋳造成形もしくは射出成形によって、1つの方法ステップで達成され得る。前述の全ての製造方法は、1つの部品およびいくつかの部品の両方からの単純かつ迅速な製造が可能である一方で、複雑性が低いことに起因して、製造または少なくとも筐体の製造が完全自動様式においても達成され得るという利点を提供する。
【0017】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1a】第1の実施形態による線形ラウドスピーカーアレイの概略3次元図を示す。
【図1b】さらなる実施形態によるさらなる線形ラウドスピーカーアレイの概略断面図を示す。
【図2】さらなる実施形態による平坦なパネル型のラウドスピーカーアレイの概略3次元図を示す。
【図3a】さらなる実施形態による、サンドイッチ構造としての包囲型バッフルを有するラウドスピーカーアレイの概略断面図を示す。
【図3b】さらなる実施形態による、サンドイッチ構造としての包囲型バッフル、および重畳後壁を有するラウドスピーカーアレイの概略断面図を示す。
【図3c】付加的な実施形態による付加的な駆動電子機器を有するラウドスピーカーアレイの概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
続いて、図を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する前に、同一の要素および構造には、それらの記述が同義であり、かつ相互に適用可能であるように、同一の参照番号が付与されることに注意されたい。
【0020】
図1aは、線形ラウドスピーカーアレイ10を示す。線形ラウドスピーカーアレイは、直列に配置された全部で6個の音響変換器16a〜16fを有する細長い包囲型バッフル12を含む。包囲型バッフル12は、例えば、木材もしくはアルミニウム、または1×6の凹部14a〜14fがその中に挿入され得るように十分な壁厚を有する異なる筐体材料で作製される。凹部14a〜14fは、互いに隣接して配置される止まり穴として提供され、また、音響変換器16a〜16fに対応して、直列に配置される。完全性のために、全ての凹部14a〜14fが包囲型バッフル12の同じ主要表面12a上に配置されていることに注意されたい。対応する凹部14a〜14f内に配置される複数の音響変換器16a〜16fも、まさにこの主要表面12a上に提供される。この時点で、凹部14a〜14fは、例えば、キャリアプレート12に止まり穴をフライス加工もしくはドリル加工することによって製造されてもよいか、または射出成形によって直接的に製造され得ることに留意されたい。
【0021】
凹部14a〜14f内における音響変換器16a〜16fのこの配置に起因して、明確性のために参照番号14a〜14fによっても示される1つの包囲された背面容積が、対応する音響変換器16a〜16fのために凹部14a〜14fによってそれぞれ形成される。複数の音響変換器16a〜16fの複数の背面容積14a〜14fは、互いに隔離されており、音響的に切り離されていると言うこともできる。したがって、背面容積14a〜14fは、筐体材料12において直接的にいわゆる個々の筐体を形成し、個々の筐体は、後方音によって互いに影響を及ぼすことができないように互いから隔離されている。従来のラウドスピーカーのチャンバと比較して、例えば、穴または組立許容誤差に起因する気密隔離の欠陥が生じ得ない。容積14a〜14fは、ほぼ同じサイズである。さらなる利点は、このようにして製造される筐体12の高い強度、および有孔板、または例えばハニカムコアに類似した板構造に起因する高い内部制動性である。
【0022】
この時点で、複数の音響変換器16a〜16fは、必ずではないが、好ましくは、同じ種類の音響変換器として具現化され、その配置によってアレイが形成されることに留意されたい。個々の音響変換器16a〜16fを別々に駆動することにより、アレイ10から有向性様式で音を放射させることができ、その方向は、音響変換器16a〜16fが駆動される様式によって変化し得る。
【0023】
図1bには、可変筐体容積を有する実施形態が示される。図1bは、包囲型バッフル12’内に配置された6個の音響変換器16a〜16fを有するラウドスピーカーアレイ10’を示す。凹部14a〜14eは、図1aの凹部14a〜14eに対応するが、凹部14fはサイズが縮小されている。
【0024】
この断面図では、凹部14a〜14eが包囲型バッフル12’のほぼ全厚にわたって延在することが見て取れる。この場合、幅に対する深さの比は、約1:1.5である。凹部14f’は、深さが浅く、したがって包囲された背面容積が少なく、幅に対する深さの比は約1:2である。たとえ音響変換器16fが音響変換器16a〜16eと同じ種類の音響変換器を用いた場合でも、音響変換器16fは、包囲された背面容積14f’が小さいことに起因して改善された特徴を備える。ここでも見て取ることができるように、1×nの凹部14a〜14f’間のボア穴の距離はほぼ一定である。
【0025】
代替として、止まり穴14f’の深さを変化させる代わりに、またはそれに加えて、改善された特徴を形成するために、凹部14f’の直径または幅を変化させることも考えられる。凹部14f’の直径または広がりを変化させた場合、改善された寸法に起因して異なる音響変換器16fが典型的に用いられる。代替として、変換器の開口部が音響変換器16fに一致し続けるように、円錐状のボア穴が用いられてもよい。
【0026】
図2は、平坦なラウドスピーカーアレイ10’’を示す。これは、音響変換器16a〜16pの背面容積14a〜14pとしての役割を果たす4×4の凹部14a〜14pが挿入される平坦な包囲型バッフル12’’を含む。見て取れるように、凹部14a〜14pおよび音響変換器16a〜16pは、4×4マトリックスおよび/または一般的なm×mマトリックスとして配置されており、個々の凹部14a〜14p間のドリル加工距離は、X方向およびY方向において任意選択的に同じである。
【0027】
図3a〜図3cを参照して、図2の平坦なラウドスピーカーアレイ10’’、ならびに図1aおよび図1bのライン型ラウドスピーカーアレイ10および10’の下位変形例を、それぞれ説明する。
【0028】
図3aは、サンドイッチ構造として具現化された包囲型バッフル12’’’を示す。この目的のために、包囲型バッフルは、ラウドスピーカー16a〜16cを配置するための主要表面を形成する第1の表層12a’’’と、第2の裏層12b’’’とを含む。任意選択的に、層12a’’’と層12b’’’との間に中間層12c’’’が提供されてもよい。凹部14a〜14cは、3つの層12a’’’、12b’’’、および12c’’’を含むまさにこのサンドイッチにおいて形成される。
【0029】
実施形態によれば、中間層12c’’’は、ラウドスピーカー16a〜16cに電気的に接触するために1つ以上の導体路を含んでもよい。この電気的接触は、例として、ラウドスピーカーの膜の共振コイルに接触する、ラウドスピーカー16aの接触部18によって示される。層12a’’’および12b’’’の材料の選択に応じて、ラウドスピーカーの信号またはその一部も、これらの層によって実現され得る。したがって、導電層12a’’’および12b’’’が、変換器16a〜16cのための接地を形成することが考えられる。
【0030】
図3bは、同じくサンドイッチ構造として具現化されたさらなる包囲型バッフル12’’’’を示す。この場合、サンドイッチ構造は、複数の貫通ボア穴を有する表層12a’’’’(有孔板とも称される)と、後壁を形成し、したがっていずれの間隙も有しない裏層12b’’’とを含む。この後壁12b’’’と接合された後に、複数の貫通ボア穴によって有孔板12a’’’’に筐体容積14a〜14cが構成されるという点において有利である。貫通ボア穴は、止まり穴と比較して製造するのが非常に容易であるため、そのような構造は、製造費の面で改善される。
【0031】
図3cは、止まり穴として具現化される凹部14aおよび14bを有するさらなる包囲型バッフル12’’’’’を示す。ラウドスピーカー16aおよび16bのための駆動電子機器20は、第1の主要表面の包囲型バッフル12’’’’’上に提供される。駆動電子機器20は、例えば、アレイの複数の音響変換器の個々の駆動を調整するように構成されてもよい。この場合、バッフルは、所々で必要とされる可能性がある熱放散を実現する、いわゆる冷却層(冷却面)を含んでもよく、かつ/またはそれに組み込まれてもよい。
【0032】
駆動電子機器20は、ワイヤによって変換器16aおよび16bに接続され、ここでは、ラウドスピーカー16aのための接触ワイヤ18によって例示的に示されている。代替として、図3aを参照して説明されるように、接続は、導体路によって具現化されることも考えられる。この実施形態において、包囲型バッフル12’’’’’がサンドイッチ構造として具現化されるか、またはこの実施形態において1つの部品として具現化されるかは重要ではないことに留意されたい。
【0033】
前述の実施形態を参照すると、用いられる音響変換器16a〜16eは、膜および発振コイルを有する古典的な往復式の音響変換器であり得るが、静電的音響変換器または小型ラウドスピーカー、例えば、MEMSスピーカーでもあり得ることに注意されたい。
【0034】
さらなる実施形態によれば、いわゆる音導部、例えば、ホーン、バスレフ経路、または伝送線路が、包囲型バッフルの担体材料に組み込まれてもよい。
【0035】
前述の実施形態を参照すると、導体路層の代わりに、または導体路層に加えて、包囲型バッフルは、単一ラウドスピーカーのケーブル敷設のためにフライス加工された部分を備え得ることにも留意されたい。
【0036】
図3aを参照すると、導体路層12c’’’は、必ずしも中間層として具現化される必要はないが、第1の主要表面またはさらなる主要表面上に配置されてもよいことに注意されたい。この点において、導体路層12c’’’は、サンドイッチ構造と併せて使用されるのみではないことは、当業者には明らかである。
【0037】
図3cを参照すると、駆動電子機器20は、第2の対向する主要表面上(すなわち、後側)に配置されてもよいこと、または表面と面一になるようにさらなる凹部に挿入されてもよいことに留意されたい。
【0038】
でしばしば「止まり穴」と称される要素は、空洞または窪みという意味の凹部であり、正面側の平面から見たときに、開口部がバッフル内に延在し、バッフル内で閉鎖されるという事実によって定義される。さらに、容積部が板の厚さを超えて突出するように湾曲した構成(例えば、深絞り加工によって提供されるプラスチック板)は、止まり穴として理解される。この場合、一方では、任意の形状の止まり穴(円形、長方形、または自由な形状)、また他方では、任意の深部の穴プロファイル、すなわち、線形、円錐形、または任意の数学関数経路に対応する別の形状が考えられる。
【0039】
密封された筐体に言及する場合、当業者は、閉鎖筐体、および例えば、ヘルムホルツ共振器の意味で共振器を有する筐体の両方、すなわち、バスレフ型筐体または受動膜を有する筐体を理解することにさらに留意されたい。
【0040】
さらなるラウドスピーカーアレイの製造方法に関する。基本的な変形例において、これは、凹部によって包囲型バッフルの背面容積が形成されるように、「バッフルの第1の主要表面に互いに隣接して配置された複数の凹部を提供するステップ」と「複数の凹部の関連する凹部内に複数の音響変換器を配置するステップ」とを含む。さらなる実施形態によれば、複数の凹部を提供する第1のステップは、フライス加工、ドリル加工、または機械加工全般のいずれかによって達成され得る。代替として、他の材料除去法によって(例えば、エネルギー衝撃によって)または化学的手段によって、固体材料に凹部を作製することもできる。代替として、形成様式において、例えば、深絞り加工品として、または成形様式において鋳造品もしくは射出成形品として、凹部を有する包囲型バッフルが直接製造されることも考えられる。
【0041】
前述の実施形態を参照すると、回路基板上のラウドスピーカーアセンブリ(多層回路基板に直接フライス加工されたラウドスピーカー筐体)は、例示の目的を果たしているに過ぎず、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義されるということに注意されたい。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【手続補正書】
【提出日】2016年10月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主要表面(12a)上に互いに隣接して配置された複数の止まり穴(14a〜14p、14f’)を備える一体型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)と、
複数の音響変換器(16a〜16p)と、を備え、
前記複数の音響変換器(16a〜16p)の各音響変換器(16a〜16p)は、それぞれの音響変換器(16a〜16p)のために、各止まり穴が前記複数の音響変換器(16a〜16p)の前記それぞれの音響変換器(16a〜16p)と一緒になって、包囲された背面容積(14a〜14p、14f’)を形成するように、前記複数の止まり穴の関連する止まり穴内に配置される、ラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項2】
前記複数の音響変換器は、1×mラインアレイとして配置されるか、または
前記複数の音響変換器(16a〜16p)は、n×m面状アレイとして配置される、請求項1に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項3】
各凹部は、円形、楕円形、または長方形の形状を備える、請求項1または請求項2に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項4】
前記凹部の深さに対する幅の比は、3:1〜1:3の比で提供される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項5】
前記止まり穴(14a〜14p、14f)は、フライス加工される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項6】
前記包囲型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)は、前記複数の音響変換器(16a〜16p)に電気的に接触するために複数の導体路が形成される導体路層(12c’’’)を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項7】
駆動電子機器(20)は、前記第1の主要表面上、または前記第1の主要表面に対向する第2の主要表面上、または前記包囲型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)内に配置され、前記駆動電子機器(20)は、前記複数の音響変換器(16a〜16p)を駆動するように構成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項8】
前記止まり穴(14a〜14p、14f)は、前記一体型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)のほぼ全厚にわたって延在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項9】
駆動電子機器(20)は、前記包囲型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)内に配置され、前記駆動電子機器(20)は、前記複数の音響変換器(16a〜16p)を駆動するように構成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項10】
音導部、ホーン、バスレフ経路、および/または伝送線路が、前記包囲型バッフルの担体材料に組み込まれる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)。
【請求項11】
ラウドスピーカーアレイ(10、10’、10’’)を製造するための方法であって、
一体型バッフル(12、12’、12’’、12’’’、12’’’’、12’’’’’)の第1の主要表面に互いに隣接して配置された複数の止まり穴(14a〜14p、14f’)を提供することと、
前記止まり穴(14a〜14p、14f’)によって音響変換器(16a〜16p)の背面容積が形成されるように、前記複数の止まり穴(14a〜14p、14f’)の関連する止まり穴(14a〜14p、14f’)内に複数の前記音響変換器(16a〜16p)を配置することと、を含む、方法。
【請求項12】
互いに隣接して配置された前記複数の凹部(14a〜14p、14f’)を提供するステップは、キャリアプレートを提供するサブステップと、フライス加工によって複数の凹部(14a〜14p、14f’)を挿入するサブステップと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
互いに隣接して配置された前記複数の凹部(14a〜14p、14f’)を提供する前記ステップは、深絞り加工、鋳造成形または射出成形のステップを含む、請求項11に記載の方法。
【国際調査報告】