特表2017-535770(P2017-535770A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-535770(P2017-535770A)
(43)【公表日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】検知のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 17/12 20060101AFI20171102BHJP
   G01D 5/14 20060101ALI20171102BHJP
【FI】
   G01R17/12 B
   G01D5/14 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-522594(P2017-522594)
(86)(22)【出願日】2015年10月21日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月10日
(86)【国際出願番号】FI2015050715
(87)【国際公開番号】WO2016071560
(87)【国際公開日】20160512
(31)【優先権主張番号】14191823.5
(32)【優先日】2014年11月5日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】アレン マーク
【テーマコード(参考)】
2F077
2G025
【Fターム(参考)】
2F077AA21
2F077CC08
2F077TT16
2G025EA00
2G025EB01
2G025EC09
2G025ED01
(57)【要約】
本開示の態様によれば、検知のための装置および方法が提供される。前記装置は、ブリッジ回路配置として設けられる第1の出力端子と、第2の出力端子と、センサとを含むセンサ回路を備える。前記センサ回路は、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間の電圧差に基づいてセンサ測定値を決定できるように構成される。前記装置は、前記第1の出力端子から前記センサ回路を通って前記第2の出力端子へと電流が流れることを防止するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリッジ回路配置として設けられる第1の出力端子と、第2の出力端子と、センサとを含むセンサ回路を備える装置であって、
前記センサ回路は、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間の電圧差に基づいてセンサ測定値を決定できるように構成され、
前記装置は、前記第1の出力端子から前記センサ回路を通って前記第2の出力端子へと電流が流れることを防止するように構成される、
装置。
【請求項2】
前記ブリッジ回路配置はホイートストンブリッジ配置である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも第2のセンサ回路をさらに備え、前記少なくとも第2のセンサ回路は、第1の出力端子および第2の出力端子を備え、前記センサ回路の前記出力端子は、前記少なくとも第2のセンサ回路の前記出力端子と並列接続される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記センサ回路および前記少なくとも第2のセンサ回路の一方または両方を入力電圧に対して選択的に結合および分離することと、
前記センサ回路および前記少なくとも第2のセンサ回路の一方または両方を接地に対して選択的に結合および分離することと、
の一方または両方を行うように構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ブリッジ回路配置は複数の回路分枝を含み、前記複数の回路分枝の1つの回路分枝は複数の辺を含み、前記複数の辺の1つの辺は少なくとも1つのインピーダンス素子を含む、請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記ブリッジ回路配置は複数の回路分枝を含み、前記複数の回路分枝の1つの回路分枝は複数の辺を含み、前記複数の辺の1つの辺は少なくとも1つのダイオードを含む、請求項1から5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記ブリッジ回路配置は複数の回路分枝を含み、前記複数の回路分枝の1つの回路分枝は複数の辺を含み、前記複数の辺の1つの辺は少なくとも1つのトランジスタを含む、請求項1から6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記ブリッジ回路配置は複数の回路分枝を含み、前記複数の回路分枝の1つの回路分枝は複数の辺を含み、前記複数の辺の1つの辺は少なくとも1つのスイッチを含む、請求項1から7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
複数のセンサ回路をさらに備える、請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
出力読取り対象の1つまたは複数のセンサ回路を前記複数のセンサ回路から選択的に指定するように構成される手段をさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記複数のセンサ回路から選択された1つまたは複数のセンサ回路を入力電圧および/または接地に結合するように構成される手段をさらに備える、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
選択されていないセンサ回路を入力電圧および/または接地から分離するように構成される手段をさらに備える、請求項9から11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記複数のセンサ回路は第1の基板上に設けられ、前記装置は第2の基板をさらに備え、前記第2の基板は、
前記複数のセンサ回路の1つまたは複数を選択的に指定する手段と、
前記複数のセンサ回路の1つまたは複数を入力電圧/接地に選択的に結合する手段と、
前記複数のセンサ回路の1つまたは複数を入力電圧/接地から選択的に分離する手段と、の1つまたは複数を含む、
請求項9から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の装置の1つまたは複数を含むモジュール、デバイス、または配列。
【請求項15】
センサ回路の出力端子から前記センサ回路を通って前記センサ回路の別の出力端子へと電流が流れることを防止するための動作を少なくとも部分的に実行させることを含む方法であって、
前記センサ回路は、ブリッジ回路配置として設けられるセンサを含み、前記センサ回路は、前記センサ回路の前記出力端子間の電圧差に基づいてセンサ測定値を決定できるように構成される、
方法。
【請求項16】
前記センサ回路の前記出力端子を、少なくとも第2のセンサ回路の出力端子と並列接続するための動作を少なくとも部分的に実行させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記センサ回路を入力電圧および/または接地に結合することと、
前記第2のセンサ端子を入力電圧および/または接地から分離することと、
の1つまたは複数のための動作を少なくとも部分的に実行させることを含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
請求項15または16に記載の方法を装置が少なくとも実行できるように構成される手段を備える装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示における例は、検知のための装置および方法に関する。一部の非限定的な例は、センサ配列において用いるセンサ回路に関する。
【背景】
【0002】
センサから出力信号を読み取るまたは測定する従来のセンサシステムは、必ずしも最適ではない。例えば、特定の特性(例えば、温度、湿度、圧力、応力、ひずみ、および光)を検知する従来のシステムのいくつかは、電圧等の出力信号をセンサから読み取り測定する場合がある。この出力信号は、センサが反応する特性の特定に用いることができる。従来のセンサシステムのいくつかは、センサの電圧出力のわずかな変化を検出する能力が限られていることがある。
【0003】
本明細書における公開済み文献または背景の列挙や議論は、こうした文献や背景が当該技術分野の最新状況の一部であること、または一般知識であることとして必ずしも理解されなくてもよい。本開示の1つまたは複数の態様/例は、背景にある1つ以上の課題を解決してもよく、そうでなくてもよい。
【摘要】
【0004】
本開示の必ずしもすべてではないが少なくとも一部の例によると、装置が提供される。前記装置は、ブリッジ回路配置として設けられる第1の出力端子と、第2の出力端子と、センサとを含むセンサ回路を備え、前記センサ回路は、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間の電圧差に基づいてセンサ測定値を決定できるように構成され、前記装置は、前記第1の出力端子から前記センサ回路を通って前記第2の出力端子へと電流が流れることを防止するように構成される。
【0005】
前記ブリッジ回路配置はホイートストンブリッジ配置である。
【0006】
1つまたは複数の前記装置は、モジュールやデバイスの一部として、または配列内に配置されて提供されてもよい。
【0007】
本開示の必ずしもすべてではないが少なくとも一部の例によると、方法が提供される。前記方法は、センサ回路の出力端子から前記センサ回路を通って前記センサ回路の別の出力端子へと電流が流れることを防止することを含み、前記センサ回路は、ブリッジ回路配置として設けられるセンサを含み、前記センサ回路は、前記センサ回路の前記出力端子間の電圧差に基づいてセンサ測定値を決定できるように構成される。
【0008】
本開示の必ずしもすべてではないが少なくとも一部の例によると、装置が提供される。前記装置は、前述の方法を前記装置が少なくとも実行できるように構成される手段を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の詳細な説明および特定の実施形態の理解に有用な、本開示における様々な例をより良く理解するために、単なる例として添付の図面を参照する。
図1】本開示に係る例示的装置の概略図である。
図2】本開示の別の例示的装置の概略図である。
図3図3Aおよび図3Bは、本開示の例示的装置のセンサ回路を示す回路図である。
図4A】本開示の例示的装置に係る、図3Aに示すセンサ回路の配列をそれぞれ示す回路図である。
図4B】本開示の例示的装置に係る、図3Bに示すセンサ回路の配列をそれぞれ示す回路図である。
図5】本開示の例示的装置に係るセンサ回路の配置を示す図である。
図6図5に示すセンサ回路を個別に選択する際に用いる選択回路を示す図である。
図7図7は、本開示の例示的方法を示すフローチャートである。
【詳細説明】
【0010】
図面は装置100の概略図であり、この装置100は、ブリッジ回路配置103として設けられる第1の出力端子104と、第2の出力端子105と、センサ102とを含むセンサ回路101を備え、センサ回路101は、センサ回路101の第1の出力端子104と第2の出力端子105との間の電圧差に基づいてセンサ測定値を決定できるように構成され、装置100は、第1の出力端子104からセンサ回路101を通って第2の出力端子105へと電流が流れることを防止するように構成される。
【0011】
以下に、本開示の例を図面を参照して説明する。類似する特徴を示すために、図面において類似する参照番号を用いている。明確さのために、すべての参照番号をすべての図面に表示しているわけではない。
【0012】
図1は、本開示の例に係る装置100の概略図である。装置100はセンサ回路101を備える。センサ回路はブリッジ回路配置103として構成され、ブリッジ回路配置103内にセンサ102を備える。
【0013】
ブリッジ回路配置103は2つの分枝ABCおよびAB'Cを含む。各分枝は少なくとも2つの辺を含む。すなわち、第1の分枝ABCは辺ABおよびBCを含み、第2の分枝AB'Cは辺AB'およびB'Cを含む。センサ回路の各回路分枝は、各分枝の中間地点に位置する出力端子を備える。第1の出力端子104は、第1の分枝ABCの辺ABと辺BCとの中間点Bに配置される。同様に、第2の出力端子105は、第2の分枝AB'Cの辺AB'と辺B'Cとの中間点B'に配置される。
【0014】
センサ回路は入力端子106および107を備え、これらの入力端子を介して入力電圧がセンサ回路に供給されてもよい。第1の入力端子106は、第1の分枝と第2の分枝に共通の節点A、すなわち、2つの分枝ABCおよびAB'Cが分岐し始める場所に配置される。第2の端子107は、第1の分枝と第2の分枝に共通の節点C、すなわち、2つの分枝ABCおよびAB'Cが合流する場所に配置される。入力端子106に電圧Vが供給されてもよく、端子107はより低い電位、例えば接地に接続されてもよい。
【0015】
センサ102は、センサ回路101の1つの分枝AB'Cの1つの辺AB'内に配置される。センサ測定値は、センサ回路の出力端子104と105との間の電圧差に基づいて決定することができる。
【0016】
センサ102は、センサの測定対象として構成されている特性に応じて抵抗値が変わる、抵抗型センサであってもよい。センサは、公称インピーダンス値(抵抗成分と無効成分の両方を有してもよい)を有してもよく、検出/測定の際にその実数部と虚数部の両方が変化するか、または1つの成分のみが変化する。センサ回路101の他の辺AB、BC、およびB'Cそれぞれに、1つまたは複数の電気部品108、109、および110が設けられてもよい。
【0017】
センサ回路が配置されるブリッジ配置は、特に、例えばホイートストンブリッジ配置であってもよい。ブリッジ回路配置がホイートストンブリッジ配置である場合、各辺の電気部品108、109、および110はそれぞれ固有のインピーダンス値(抵抗成分と無効成分の両方を有してもよい)を有する。電気部品は、既知のインピーダンス値の参照部品として機能してもよい。特定の例において、電気部品は抵抗器に対応してもよい。ある特定の例において、抵抗器108および109の値は同じ(R)であってもよく、抵抗器110の値はセンサ102の公称抵抗(R)と同じである。センサ102の抵抗の変動(ΔR)によって、出力端子104と105との間に電圧差が生じてもよい。センサのパラメータの測定値は、出力端子104と105との間の電圧差の測定に基づいて決定されてもよい。ホイートストンブリッジ配置等のブリッジ配置を用いることにより、センサの抵抗値を高い精度で測定でき、センサ測定の精度を向上できる。
【0018】
装置100は、ある出力端子からセンサ回路を通って他の出力端子へと電流が流れることを防止するように構成される。例えば装置は、電圧が出力端子104および105に印加される場合、電流が、出力端子105から辺B'AおよびABを通って出力端子104へと流れることができないように、また、出力端子105から辺B'CおよびCBを通って出力端子104へと流れることができないように構成されてもよい。同様に装置は、電流が、出力端子104から辺BAおよびAB'を通って出力端子105へと流れることができないように、また、出力端子104から辺BCおよびCB'を通って出力端子105へと流れることができないように構成されてもよい。ある出力端子から他の出力端子への電流の流れの防止を、図において斜線付き矢印で示している。
【0019】
図1の各辺の部品ブロック102、108、109、および110は動作可能であり、記載する機能は単一の物理的実体(図3A、3B、4A、4B、および5に示す辺の抵抗器とダイオードの組合せを参照して説明するもの等)によって実行されても実行されなくてもよい。
【0020】
装置は、1つまたは複数の電気部品、および/または、ある出力端子から別の出力端子へとセンサ回路の辺を通って電流が流れることを防止する手段を備えてもよい。いくつかの例において、そのような手段は、ある出力端子から別の出力端子へとセンサ回路の辺を通って電流が流れることを防止するように構成される任意のデバイス、機構、または回路の1つまたは複数であってもよい。いくつかの例において、そのような手段は、特に、例えばダイオード、トランジスタ、および/またはスイッチを適切に設けることによって、ある出力端子から別の出力端子へとセンサ回路の辺を通って電流が流れることを防止するように配置された電気部品の配置であってもよい。
【0021】
ある出力端子から別の出力端子へとセンサ回路の辺を通って流れる電流、すなわち規約電流を防止することによって、電圧差が出力端子に印加されてセンサ回路内に電流の流れが生じることを防止できる。これによって、全体的な出力に悪影響を及ぼすことなく、第1のセンサ回路の出力を、他のセンサ回路の他の出力と並列に結合することができる。事実上、並列接続されるさらなるセンサ回路は「開回路」となるか、事実上、第1のセンサ回路の出力電圧から「電気的に隔離」される。並列接続されるそのような追加のセンサ回路のインピーダンスは、第1のセンサ回路の出力に影響を及ぼさない。このため、出力電圧によって他の各センサ回路に電流が流れることができる場合に配線抵抗およびトランジスタチャネル抵抗等によって生じるであろう、第1のセンサ回路における出力電圧の「電圧降下」を防ぐことができる。装置の出力も、温度や湿度等の変動する環境条件下において生じうる様々なセンサ回路のインピーダンスの変動に、より柔軟に対応できる。また、並列接続されたすべてのセンサ回路に共通の単一の出力を提供することもでき、配列内の各センサのインピーダンス値が大きく異なる場合でも、配列全体を読み取るために必要となるのは単一の出力だけになる。これによって、各センサ回路で個別に読取りを行う場合に要するであろう読取り回数が削減される場合がある。これによって全体のアーキテクチャがより単純になることがあり、センサの読取り精度の低下を最小限に抑えつつ、本開示の装置を組み合わせて、複数のセンサ回路を含む任意のサイズのセンサ配列として拡張することができる場合がある。本開示の例によって、センサ回路の配列を提供することができ、この配列において、各センサ回路は異なるインピーダンス値を有してもよく、各センサ回路内のセンサは異なる特性/パラメータ、特に、例えば温度、湿度、圧力、応力、ひずみ、および光の1つまたは複数を検知するように構成できる。
【0022】
いくつかの例において、センサはグラフェンベースセンサであってもよい。グラフェンベースセンサは、特に、例えば光検出器および/またはバイオセンサとして構成されてもよい。
【0023】
グラフェンベースセンサは、検知層がグラフェン層の真上に設けられるグラフェン電界効果トランジスタ(Graphene Field Effect Transistor:GFET)構造として実装されてもよい。検知層において生成された電荷によって、GFETデバイスがゲート制御され、当該デバイス内を流れる電流が変化する。このように、GFETは事実上、前述のようにセンサ回路を用いて読み取ることができる可変抵抗器に相当するとみなされる。本開示の例により、複数のグラフェンベースセンサ回路の出力を並列に結合できてもよい。これによって、複数のグラフェンベースセンサからの測定値を、単一の共通出力ペアから読み取ることが可能になり、必要なのは単一の読取り値ペアのみとなる(複数のセンサ回路の個々のセンサ回路ごとに読取り値ペアが必要であるのとは異なる)。これによって、複数のセンサ回路の読取り/測定のために、より単純で、複雑さが低減された配置が提供される場合がある。
【0024】
図2は、図1のセンサ回路101と第2のセンサ回路201との組合せを含む別の装置200を示す概略図である。第1のセンサ回路101の出力は、第2のセンサ回路201の出力と並列接続される。
【0025】
第1のセンサ回路101の入力端子106はスイッチ205を介して入力電圧Vに、入力端子107はスイッチ205'を介して接地等のより低い電位に、それぞれ選択的に結合される。同様に、第2のセンサ回路201は、スイッチ206を介して入力電圧Vに、スイッチ206'を介して接地に、それぞれ選択的に結合される。
【0026】
センサ回路のすべての出力を並列に結合すると、すべてのセンサ回路における全体出力208、209だけを提供することが可能になり、個々のセンサ回路からの出力の読取りが容易になる。回路をさらに追加することも可能であり、その出力を並列接続してセンサ配列を形成してもよいことは理解されるであろう。
【0027】
各センサ回路を入力電圧に選択的に結合可能にすることで、端子208および209において測定される配列出力が、選択/指定された単一のセンサ回路のみの出力に対応するように、配列内の複数のセンサ回路から単一のセンサ回路を個別に選択/指定できるようにしてもよい。
【0028】
選択されていないセンサ回路を入力電圧から分離することは、選択されていないセンサ回路ではその出力端子間に電圧差が生じないことを意味する。したがって、その選択されていないセンサ回路は、配列全体の電圧出力にいかなる電圧も付与しない。選択されていないセンサ回路を接地から分離すると、選択されていないセンサ回路の出力端子から接地へと電流が流れる配線経路、例えば、B'からCまたはBからCの可能性が排除される。
【0029】
したがって、本開示の例は、配列内の他のセンサ回路からのクロストークなしで配列内の各センサ回路から測定値を読み取るための指定方式を提供し、配列内の他の(選択されていない)センサ回路による、選択されたセンサ回路から出力された信号への混入を防ぐ場合がある。
【0030】
図3Aは、本開示の装置300の例を示す図であり、具体的には、センサ回路301の電気部品、およびセンサ回路を入力電圧に選択的に結合する手段205、205'の配置を示す回路図である。図3Aの例において、センサ回路を選択/指定する手段は、センサ回路301を入力電圧Vおよび接地に選択的に結合/分離するスイッチ205および205'に対応する。
【0031】
センサ回路301は、ホイートストンブリッジ構成として配置される。このような条件下ではすべてのダイオードは順方向バイアスであるため、スイッチ205および205'が閉であり、電圧Vがセンサ回路を介して接地と結合されている場合、センサ回路301は従来の分圧器ホイートストンブリッジと同様に動作する。出力端子304と305との間の電圧差に基づいて、センサからの測定値を決定してもよい。ホイートストンブリッジ構成を用いると、センサのインピーダンス、すなわち抵抗の極めて小さい変化を検出することが可能になり、非常に高精度の測定値を得ることが可能になる。例えば、インピーダンス素子を用いてインピーダンス値(純粋な抵抗値ではなく)を測定する場合、特定のセンサ回路の選択およびダイオードのバイアスにDC電圧を用いることができるが、回路全体に小さいAC信号が印加され、その結果、出力においてAC信号(その大きさおよび位相)が測定される可能性がある。
【0032】
第1の分枝ABCの第1の辺ABには、通常の抵抗値Rを有する抵抗器がダイオードと直列に設けられている。このダイオードは、入力電圧に対し順方向バイアス(すなわち、電流が節点AからBへと流れてもよいが、節点BからAには流れないように)されている。同様に、第1の分枝ABCの第2の辺BCには、通常の抵抗値Rを有する抵抗器が、やはり順方向バイアスされたダイオードと直列に設けられている。第2の分枝AB'Cの辺AB'およびB'Cのそれぞれに、順方向バイアスされるようにダイオードが設けられている。第2の分枝の第1の辺AB'には、センサもダイオードと直列に設けられている。このセンサは公称値Rを有するが、センサの抵抗は変動(ΔR)するように構成されており、この抵抗の変動は、センサによって検知されるパラメータに基づく。第2の分枝の第2の辺B'Cには、通常の値Rを有する追加の抵抗器がダイオードと直列に設けられている。
【0033】
このように、各辺には、電流が各分枝を一方向のみに、すなわち第1の分枝経由でAからB、Cへと、および第2の分枝経由でAからB'、Cへと流れるように、順方向バイアスされるように構成されたダイオードが含まれる。このダイオードは、一方の出力端子304からセンサ回路の辺を通って他方の出力端子305へと電流が流れることを防止するように構成される。すなわち、出力端子304から辺BAおよびAB'(または辺BCおよびCB')を通って出力端子305へと電流が流れることが防止され、同様に、出力端子305から辺B'AおよびAB(または辺B'CおよびCB)を通って出力端子304へと電流が流れることが防止される。
【0034】
図3Bは、装置300'を示す図であり、装置300'はセンサ回路301、およびセンサ回路を入力電圧に選択的に結合する代替手段305,305'を備える。図3Bの例において、センサ回路を選択/指定する手段は、センサ回路301を入力電圧Vおよび接地に選択的に結合/分離するトランジスタ306、307、および308の配置を含む。
【0035】
いくつかの例において、センサ回路を選択/指定する手段、および、センサ回路を入力電圧および/または接地に対して結合/分離するように構成される手段は、そのために適切に構成される回路か、またはそのために適切に配置される電気部品の配置であってもよい。
【0036】
トランジスタ306には、Vに接続されたドレイン、Vに接続されたゲート、および節点Aにおいてセンサ回路301の入力と接続されたソースが設けられている。トランジスタ307には、節点Cにおいてセンサ回路301と接続されたドレイン、Vに接続されたゲート、およびトランジスタ308のドレインに接続されたソースが設けられている。トランジスタ308のゲートはVに、ソースは接地に接続されている。このような構成において、ソース端子はより低い電位(例えば、接地)に接続され、ドレイン端子はより高い電位(例えば、V)に接続される。
【0037】
装置300および300'はそれぞれセンサ回路301のアーキテクチャを提供する。これによって、複数のセンサ回路の出力を並列に結合して、センサ配列から測定値を読み取るために1つの出力しか必要ないように配列を形成できる。これは、ホイートストンブリッジ構成に配置され、各分枝にダイオードを備えるセンサ回路と、各センサ回路を入力電圧に対して選択的に結合/分離するように構成された手段とによって達成される。
【0038】
本開示の特定の例は、次のような利点をもたらす可能性があるセンサ回路およびセンサ配列のアーキテクチャを提供する。
センサ読取りにおける高い信号対雑音比、
センサ読取りの精度を損なうことなく任意のサイズのセンサ配列へと拡縮可能なアーキテクチャ、および/または
各センサ回路の通常のインピーダンス値が大幅に異なる場合であっても、配列全体の読取りに必要なのは単一の出力のみ
【0039】
本開示の例は、光検出器等の大きな領域の配列に適用してもよく、ウェアラブルエレクトロニクス用の多感覚表面等の低コストで可橈性のあるセンサ配列デバイスにも同様に適用可能である。
【0040】
図4Aは、図3Aの装置300の配列を含む装置400を示す図である。装置300は行列として配置され、特定の1つの装置300をVおよび接地に選択的に結合、すなわち選択された特定の装置300に対するスイッチ205および205'を閉にし、残りのすべての装置300を入力電圧および接地から分離、すなわち選択されていない装置300に対するスイッチ205および205'を開にすることで、個別に選択的に指定および読取り可能である。
【0041】
図4Aの配列400において、各装置300の出力は並列に結合されており、配列全体(この場合は3×3の配列として例示)は選択されたセンサ回路の節点BとB'との間の電圧に対応する単一の出力401から測定される(選択されていないセンサ回路はVおよび接地から分離されているため、出力を提供/付与していない)。
【0042】
選択された各センサ回路を電圧Vと接地の間に選択的に結合し、他のセンサ回路を電圧Vと接地に接続しないようにするために、アクティブマトリクスバックプレーンを設けてもよい。
【0043】
選択されたセンサ回路(例えば、センサ1,1)の出力電圧は他のすべてのセンサ回路と並列に結合されているが、他のセンサ回路それぞれの各辺には必ず逆方向バイアスのダイオードが存在し、他のすべてのセンサ回路はVおよび接地から分離されている。これは事実上、現在指定/選択され測定される1つを除く他のすべてのセンサ回路は「開回路」であり、事実上、選択されたセンサ回路の出力電圧から電気的に隔離されていることを意味する。他のセンサ回路のインピーダンスが、配列出力401において測定される、選択されたセンサ回路からの出力電圧に影響を及ぼさないようにすると有益である。
【0044】
いくつかの例において、出力読取り対象の1つまたは複数のセンサ回路を複数のセンサ回路から選択的に指定するように構成される手段は、出力読取り対象の1つまたは複数のセンサ回路を複数のセンサ回路から選択的に指定するように構成/配置された任意のデバイス、機構、回路、または電気部品の配置の1つまたは複数であってもよい。いくつかの例において、複数のセンサ回路から選択された1つまたは複数のセンサ回路を入力電圧および/または接地に結合するように構成される手段は、複数のセンサ回路から選択された1つまたは複数のセンサ回路を入力電圧および/または接地に結合するように構成/配置された任意のデバイス、機構、回路、または電気部品の配置の1つまたは複数であってもよい。いくつかの例において、複数のセンサ回路のうち選択されていない1つまたは複数のセンサ回路を入力電圧および/または接地から分離するように構成される手段は、複数のセンサ回路のうち選択されていない1つまたは複数のセンサ回路を入力電圧および/または接地から分離するように構成/配置された任意のデバイス、機構、回路、または電気部品の配置の1つまたは複数であってもよい。
【0045】
図4Bは、図3Bの装置300'を3×3の行列のマトリクスに配置した配列400'を示す図である。図3Aに示すスイッチ205および205'の代わりに、各センサ回路301を入力電圧Vおよび接地に対して選択的に結合および分離する手段がトランジスタによって提供される。トランジスタ306、307、および308の配置が各センサ回路に設けられている。これらのトランジスタは、センサ回路の配列を駆動するアクティブマトリクスバックプレーンを形成してもよい。
【0046】
配列400'において、Vは一度に1つの列に印加される列電圧(例えば、VD,1、VD,2、およびVD,3のうちの1つ)であり、Vは一度に1つの行に印加される行電圧(例えば、VG,1、VG,2、およびVG,3のうちの1つ)である。図4Bの配置では、3つのトランジスタすべてにゲート電圧が印加されている場合、すなわちVとVの両方がゼロ以外であり、トランジスタを導通している「ON」状態へと切り替えるのに十分な大きさである場合にかぎり、複数のセンサ回路のうち任意のセンサ回路300'をVと接地の両方に結合できる。
【0047】
単一のセンサ回路は、その行にVおよび列にVが供給されたときに選択/指定(他のすべては除外)され、残りのセンサ回路は選択/指定されないままにしてもよい。行電圧Vおよび列電圧Vは、多重化回路(図示しない)を介して一度に1つずつ順次指定されてもよい。
【0048】
配列400'(および図6のトランジスタアーキテクチャ600)において、配列の各「セル」内では、2つのトランジスタ(図3Bにおける306および307)が行電圧VGNによってゲートされ、1つのトランジスタ(図3Bにおける308)のみが列電圧VDNによってゲートされる。他の例では、上部節点(A)と入力電圧Vとの間に、Vによってゲートされるさらなるトランジスタを設けることもできる。つまり、Vが印加されない他の列はすべて分離される。これによって、センサ回路を選択的に分離する代替の手段が提供される。図4Bおよび図6の配置では、センサ回路の分枝にダイオードが設けられているため、このような追加のVゲートトランジスタは不要である。したがって、例えば図4Bにおいて、行V1および列VD1にそれぞれ任意の電圧を印加してセンサ1,1を指定し、他のVGN行およびVDN列は電圧ゼロとする場合、例えばセンサ1,2もVG1によってトランジスタがゲートされON状態になる。つまり、センサ1,2の上部節点(点A)は実際にはVD2(電位ゼロ)に接続される。しかしながら、センサ回路1,2の分枝にあるダイオードのため、センサ回路1,2の出力からVD2へと電流が流れることはない。このため、図4Bおよび図6の例の構成において、入力電圧からセンサ回路を分離するために、前述のような列電圧VDNによってゲートされる追加のトランジスタは不要である。
【0049】
いくつかの例において、複数のセンサ回路から1つまたは複数を選択的に指定する手段は、複数のセンサ回路から1つまたは複数を選択的に指定するように構成/配置された任意のデバイス、機構、回路、または電気部品の配置の1つまたは複数であってもよい。いくつかの例において、複数のセンサ回路それぞれを入力電圧および/または接地に選択的に結合する手段は、複数のセンサ回路それぞれを入力電圧および/または接地に選択的に結合するように構成/配置された任意のデバイス、機構、回路、または電気部品の配置の1つまたは複数であってもよい。いくつかの例において、複数のセンサ回路それぞれを入力電圧および/または接地から選択的に分離する手段は、複数のセンサ回路それぞれを入力電圧および/または接地から選択的に分離するように構成/配置された任意のデバイス、機構、回路、または電気部品の配置の1つまたは複数であってもよい。
【0050】
すべてのセンサ回路の出力を並列に結合して単一の出力とするために、各センサ回路にダイオードに組み込むと、順方向バイアスのダイオードにおける電圧降下を適切に制御し、各センサ回路の抵抗器における電圧降下より小さくすることができる。センサインピーダンスの小さな相対的変化を測定する場合でも、ダイオードによって、各センサ回路の出力電圧における誤差が最小限になる。
【0051】
配列の様々なセンサ回路におけるセンサおよび電気インピーダンス素子/抵抗器の公称インピーダンス値は大きく異なる場合があるが、配列の出力からの単一の出力電圧によるセンサ読取りに、単一の同じ出力を用いることができる。
【0052】
センサ配列は、センサ回路の数および基板にわたる配列全体の物理的サイズの両面から任意に拡縮可能である。センサ回路の出力電圧は最小の電流で測定できるため、コネクタ配線の抵抗による、読取りの精度、ひいては検出感度への影響は最小になる。
【0053】
本開示のアーキテクチャは、導体の経路に沿った電圧降下が、特に経路が印刷されている場合に大きくなる可能性のある、大きな領域のセンサ配列に特に適切である。
【0054】
大きな領域への適用に加えて、このセンサ回路およびセンサ配列アーキテクチャは、可橈性または伸縮性のあるエレクトロニクス用途にも適する場合がある。配列を可橈性または伸縮性を持つように構成する場合、センサ、トランジスタ、およびダイオードを個別の部品とし、可橈性または伸縮性のあるキャリア基板上にそれらの部品を組み込んでもよい。特定の例において、センサおよびセンサ回路自体を、各センサを選択する手段が設けられる基板の層(例えば、アクティブマトリクスバックプレーン)とは異なる基板の層上に設けることができる。このような例では、2つの層をビアホールによって相互接続することができる。
【0055】
図5は、配列に設けられたセンサ回路301の配置を示す図である。この配列では、配列の単一の出力を提供するように、各センサ回路の出力が並列接続されている。装置500は、センサ回路301の配列を備えるが、各センサ回路を入力電圧および接地に選択的に結合する手段を備えない(代わりに、そのような選択的な結合/分離は、各センサ回路301をVおよび接地に対して選択的に結合および分離する手段を備える図6の装置600によって個別に行われる)。装置500はホイートストンブリッジセンサ配列を備え、装置600によってトランジスタバックプレーン/選択回路が提供される。このトランジスタバックプレーン/選択回路によってセンサ回路が個別に選択され、選択された(1つまたは複数の)センサ回路から、測定値が単一の配列出力によって読み取られる。
【0056】
配列500の複数のセンサ回路301は第1の基板503上に設けてもよい(様々なセンサ回路それぞれを選択的に指定し、各センサ回路を入力電圧および接地に対して選択的に結合/分離する手段の配列は、図6に示すように、第2の基板603上に設けてもよい)。
【0057】
図6のトランジスタアーキテクチャは、センサ回路配置500を設けた基板/層503とは別の基板/層603に設けてもよい。トランジスタバックプレーン600は、有機電界効果トランジスタ(Organic Field Effect Transistor:OFET)を用いて実装してもよい。トランジスタバックプレーン600は、結合端子点501および601ならびに端子点502および602においてビアホールによってセンサ回路配置500と適宜に相互接続してもよい。
【0058】
センサ回路、および/または、センサ回路と、センサ回路をVおよび接地に選択的に結合する手段との両方を含む構造全体は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、エアロゾルジェット堆積等の、印刷エレクトロニクス製造方法を用いて製造してもよい。
【0059】
前述の装置は、モジュール、デバイス、またはセンサ配列の1つまたは複数として提供してもよい。
【0060】
図7は、本発明の方法700を示すフローチャートである。
【0061】
ブロック701において、センサ回路の出力端子からセンサ回路自体を通ってこのセンサ回路の別の出力端子へと電流が流れることを防止する。ブロック702において、センサ回路の出力端子を、少なくとも第2のセンサ回路の出力端子と並列接続する。ブロック703において、センサ回路と第2のセンサ回路のいずれか一方を入力電圧および/または接地に結合する。ブロック704において、センサ回路と第2のセンサ回路の他方を入力電圧および/または接地から分離する。
【0062】
前述の方法において複数のセンサ回路を用いてもよく、センサ回路の1つまたは複数を選択して入力電圧/接地に結合し、残りの選択されていないセンサ回路を入力電圧/接地から分離してもよいことは理解されるであろう。
【0063】
図7のフローチャートは、多くのありうる例の中の1つを示したものである。示したブロックの順序は、絶対的に必要とされる順序ではなく、原則として、様々なブロックを異なる順序で実行することができる。すべてのブロックが必要であるわけではない。
【0064】
示されたブロックの特定の順序は、それらのブロックに対して必要な順序または好ましい順序が存在することを必ずしも意味するものではなく、ブロックの順序および配置は変更されてもよい。さらに、いくつかのブロックを省略することも可能である。
【0065】
特定の例において、1つまたは複数のブロックを異なる順序で、または時間的に重複して、順次または同時に実行してもよい。1つまたは複数のブロックは、いくつかの方法の組合せにおいて省略、追加、または変更してもよい。
【0066】
本開示のさらなる例によると、装置が提供され、当該装置は、前述の方法を当該装置が少なくとも実行できるように構成される手段を備える。
【0067】
装置の例は、様々な構成要素を含むことに関連して説明したが、当該構成要素は、当該装置の対応する処理要素またはプロセッサとして実装されるか、あるいは当該処理要素またはプロセッサによって制御される場合もあることを理解されたい。この点において、以下に記載する各構成要素は、前述の各構成要素の対応する機能を実行するように構成された任意のデバイス、手段、回路、または電気部品の配置の1つまたは複数であってもよい。例えば、電流が分枝の辺へと「逆流」することを防ぐセンサ回路のダイオードは、各出力端子と共通出力線の間、例えば、点BとB'との間の各辺に設けたスイッチまたはトランジスタに置き換えることができる。(しかしながら、トランジスタを用いると、電圧出力が小さいことと、トランジスタのチャネル抵抗の変動によって、センサ測定または検出の精度が低くなる場合がある。)
【0068】
先行する記載において説明された特徴は、明示的に記載された組合せ以外の組合せで用いられてもよい。本開示の例および添付の特許請求の範囲は、当業者に自明の任意の方法で適切に組み合わせてもよい。
【0069】
本文書内の「含む、備える(comprise)」という単語は、限定的な意味ではなく、非限定的な意味で使用される。したがって、「Yを含むX」に関してはすべて、「Xは1つのYを含んでもよい」と「複数のYを含んでもよい」の両方を意味する。限定的な意味を有する「含む、備える(comprise)」を意図する場合は、「〜を1つのみ含む」等と言及することにより、文脈内で明確にするであろう。
【0070】
本明細書において、「接続(connect)」、「結合(couple)」という語句やこれらの派生語は、協働しうるように互いに接続/結合されることを含む。また、「接続/結合」には、任意の数の中間要素やその組合せを含む場合があり、また中間要素を含まない場合もある。
【0071】
本発明の詳細な説明では、様々な例について言及した。例に関する特徴または機能の説明は、これらの特徴または機能が、その例に存在することを示す。本明細書中で「例(example)」、「例えば(for example)」、「〜てもよい、〜できる、〜場合がある(may)」として明確に言及されている場合でも、明確に言及されていない場合でも、このような特徴および機能が、少なくとも記載された例には存在することを意味する。すなわち、例として記載されている、記載されていないにかかわらず、これら特徴および機能が、他のいくつかの例またはすべての例に存在する可能性があり、また必ずしもそうではないことを意味する。このように、「例」、「例えば」、「〜てもよい、〜できる、〜の場合がある」は、ある例示群における特定の例であることを指す。上記特定の例の特性は、その特定の例のみの特性、上記例示群の特性、または上記例示群に属する一群の特性である場合がある。ここで、この上記例示群に属する一群は、上記例示群に属する全例示ではなく、一部の例示を含む。
【0072】
本明細書において、「任意/当該の[機能、要素、構成要素、手段...](a/an/the [feature、element、component、means …])」という記述は、別途記載がないかぎり、「少なくとも1つの[機能、要素、構成要素、手段... [(at least one [feature、element、component、means …])」として解釈される。
【0073】
前述のとおり、本開示のいくつかの例を説明したが、本明細書に記載したような構造および特徴の特定の例と同等の機能を提供するが、簡潔さと明確さのために上記の説明では省略した、代替の構造および方法の特徴がありうることを当業者は認識されるであろう。それでもなお、そのような代替の構造または方法の特徴が、本開示の例に関する前述の説明において明示的に除外されていないかぎり、前述の説明は、同等の機能を提供する代替の構造および方法の特徴への言及を暗黙的に含むものとして読むべきである。
【0074】
特定の例を参照して種々の特徴を記述してきたが、こうした特徴は、記述の有無を問わずその他の例にも含まれる場合がある。提示した例は、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、変更が加えられることを理解されたい。
【0075】
前述のように本明細書において、とりわけ重要であると考えられる本開示の例の特徴に注目を集めるように努めてきた。しかし、前述の記載にて言及され、さらに/あるいは添付の図面に示された特許されうるすべての特徴およびそれらの組合せに対して、前述の記載や添付の図面にそうした特徴が特段強調されていたかどうかにかかわらず、本出願人はその保護を求めるものである点を理解されたい。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
【国際調査報告】