特表2017-535901(P2017-535901A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-535901仮想現実環境においてユーザをガイドするための感覚フィードバックシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-535901(P2017-535901A)
(43)【公表日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】仮想現実環境においてユーザをガイドするための感覚フィードバックシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20171102BHJP
【FI】
   G06F3/01 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-544546(P2017-544546)
(86)(22)【出願日】2015年11月5日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月6日
(86)【国際出願番号】US2015059329
(87)【国際公開番号】WO2016073783
(87)【国際公開日】20160512
(31)【優先権主張番号】62/126,695
(32)【優先日】2015年3月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/075,742
(32)【優先日】2014年11月5日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517160525
【氏名又は名称】バルブ コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】517160547
【氏名又は名称】ソーヤー,デイビッド
(71)【出願人】
【識別番号】517160569
【氏名又は名称】バードウェル,ケネス
(71)【出願人】
【識別番号】517160570
【氏名又は名称】バーネット,ケネス
(71)【出願人】
【識別番号】517160606
【氏名又は名称】レイドフォード,トリスタン
(71)【出願人】
【識別番号】517160617
【氏名又は名称】レイビー,アーロン
(71)【出願人】
【識別番号】517160639
【氏名又は名称】リッジウェイ,エミリー
(71)【出願人】
【識別番号】517160640
【氏名又は名称】ブラチョス,アレキサンダー シー.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ソーヤー,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】バードウェル,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】バーネット,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】レイドフォード,トリスタン
(72)【発明者】
【氏名】レイビー,アーロン
(72)【発明者】
【氏名】リッジウェイ,エミリー
(72)【発明者】
【氏名】ブラチョス,アレキサンダー シー.
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA57
5E555AA74
5E555BA20
5E555BA90
5E555BB20
5E555BB40
5E555BC04
5E555BE17
5E555CA42
5E555CB23
5E555CB82
5E555DA08
5E555DD08
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
例えばウォークアラウンド仮想現実環境などの仮想/拡張現実環境においてユーザをガイドするための感覚フィードバック(「介添」)システム及び方法が説明される。典型的な実施形態は、なし得る機能及び/又は用途の中でもとりわけ、ユーザが行動する物理操作空間における物体との衝突を回避することを支援する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実世界の障害物との衝突の可能性を頭部装着型ディスプレイのユーザに警告するための方法であって、
基準点に対する前記障害物の位置を明らかにするステップと、
前記基準点に対する前記ユーザの位置を継続的に監視するステップと、
前記障害物の1つの前記位置と前記ユーザの前記位置との距離が既定の警告閾値よりも小さくなる時を決定するための第1の検出を実行するステップと、
前記第1の検出に応答して、前記障害物の1つとの衝突の可能性の表示を前記ユーザに提供するために、前記頭部装着型ディスプレイに視覚警報を表示するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記ユーザの前記位置は、前記頭部装着型ディスプレイの一部の位置を継続的に監視することによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザが持っている物体の前記位置を継続的に監視するステップと、前記物体の前記位置と前記障害物の1つの前記位置との距離が前記既定の警告閾値よりも小さくなる時を決定するための第2の検出を実行するステップと、前記第2の検出に応答して、前記物体と前記障害物の1つとの衝突の可能性の表示を前記ユーザに提供するために、前記頭部装着型ディスプレイに視覚警報を表示するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、その内容の全体が参照によって本願に組み込まれる、2014年11月5日に出願された米国特許仮出願第62/075,742号及び2015年3月1日に出願された米国特許仮出願第62/126,695号の利益を主張するものである。
【0002】
[0003] 本開示は一般に、例えばウォークアラウンド仮想現実環境などの仮想/拡張現実環境においてユーザをガイドするため、及び、ユーザが行動する物理操作空間における物体との衝突の回避を支援するための感覚フィードバックシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0005] 様々な拡張及び/又は仮想現実システム及び/又は環境が知られている。1つの現世代のデスクトップ仮想現実(「VR」)体験は、(例えばパーソナルコンピュータ(「PC」、ラップトップ又はゲーム機などの)据置型コンピュータにつながれるか、又は、独立式であってよい頭部装着型ディスプレイ(「HMD」)を用いて生み出される。そのようなデスクトップVR体験は概して、ユーザの感覚を周囲環境から遮断し、完全没入型であろうと試みるものである。
【0004】
[0006] ウォークアラウンド仮想現実システムを使用する際の物理的物体との衝突は現在、ユーザをガイドする第2の人物(「介添人」)を操作空間内に設けること、及び/又は、(例えば、隣接する壁からある程度の距離で途切れる分厚い絨毯を床に敷くなどして)物理的ヒントを与えることのいずれかによって特定の状況下で解決されている。
【0005】
[0007] この技術における現在の限界に対処することが望ましい。
【0006】
[0008] 一例として、以下、一定の比率に縮小されたものではない添付図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の特定の実施形態の態様を実現するために使用され得るコンピューティングデバイスの典型的な図である。
図2】本発明の特定の実施形態の態様を実現するために使用され得る光受信機及びセンサを備える頭部装着型仮想現実装置を装着した人間のユーザの典型的な図である。
図3】本発明の特定の実施形態の態様を実現するために使用され得る光学位置追跡システムにおける送信機/受信機構成の典型的な図である。
図4】本発明の特定の実施形態の態様を実現するために使用され得る4つの光受信機を有する頭部装着型仮想現実ディスプレイの典型的な図である。
図5】特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、ソフト境界はプレイヤーによって定められ半透明の多角形として床上に見えており、ハード境界はプレイヤーの実在する空間における物理的な壁の位置を示す格子状の光る線として見えている。
図6】特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、衝突の切迫をユーザに警告するハード境界介添システムの2つのヘッドセット内ビューが示され、描写された格子は現実世界の壁の位置を示す。
図7】特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、プレイヤーの体験を形にする助けとなるゲームシーン内の他の要素の配置に関してソフト境界データを使用する例を示す。
図8】特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、ユーザを取り巻く現実操作空間における物理的境界の位置に関してユーザに視覚的に警告するために仮想空間の壁にパターンを描画する例を示す。
図9】特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、ユーザを取り巻く現実操作空間における物理的境界の位置に関してユーザに視覚的に警告するために壁にパターンを描画する別の例を示す。
図10】特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、ユーザを取り巻く現実操作空間における物理的境界の位置に関してユーザに視覚的に警告するために壁にパターンを描画する別の例を示す。
図11】特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、ユーザを取り巻く現実操作空間における物理的境界の位置に関してユーザに視覚的に警告するために壁にパターンを描画する別の例を示す。
図12】特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、ユーザを取り巻く現実操作空間における物理的境界の位置に関してユーザ/開発者に視覚的に警告するために床にパターンを描画する例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0021] 当業者は、以下に記す本発明の説明が例示目的にすぎず、いかなる場合も限定的ではないことを認識する。本開示の利益を得るそのような当業者には本発明の他の実施形態が容易に提案され、本明細書で定義される一般原理は、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく他の実施形態及び用途にも適用され得る。従って、本発明は、示される実施形態に限定されるものとは意図されておらず、本明細書に開示される原理及び特徴と一致する最も広い範囲に当てはまることが意図されている。以下、添付図面に示すような本発明の特定の実施形態が詳細に参照される。図面及び以下の説明全体にわたり、同一の符号は、同一又は類似の部品を指すために用いられる。
【0009】
[0022] この詳細な説明において説明されるデータ構造及びコードは、通常、コンピュータシステムによって使用するためのコード及び/又はデータを格納することができる任意のデバイス又は媒体であってよいコンピュータ可読記憶媒体に格納される。これは、例えばディスクドライブ、磁気テープ、CD(コンパクトディスク)、及びDVD(デジタルバーサタイルディスク又はデジタルビデオディスク)などの磁気及び光記憶デバイス、並びに、(信号が変調される搬送波を有する又は有しない)伝送媒体において具現化されたコンピュータ命令信号を含むが、それらに限定されない。例えば、伝送媒体は、例えばインターネットなどの通信ネットワークを含んでよい。
【0010】
[0023] 図1は、本発明の特定の実施形態の態様を実現するために使用され得るコンピューティングデバイス100の典型的な図である。コンピューティングデバイス100は、バス101、1以上のプロセッサ105、メインメモリ110、読取専用メモリ(ROM)115、記憶デバイス120、1以上の入力デバイス125、1以上の出力デバイス130、及び通信インタフェース135を含んでよい。バス101は、コンピューティングデバイス100の構成要素間での通信を可能にする1以上の導体を含んでよい。プロセッサ105は、命令を解釈及び実行する任意の種類の従来型プロセッサ、マイクロプロセッサ又は処理論理を含んでよい。メインメモリ110は、プロセッサ105によって実行されるための情報及び命令を格納するランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の種類の動的記憶デバイスを含んでよい。ROM115は、プロセッサ105によって使用されるための静的情報及び命令を格納する従来型ROMデバイス又は他の種類の静的記憶デバイスを含んでよい。記憶デバイス120は、磁気及び/又は光記録媒体、及びそれに対応するドライブを含んでよい。入力デバイス125は、例えばキーボード、マウス、ペン、スタイラス、手書き文字認識、音声認識、生体メカニズムなど、ユーザがコンピューティングデバイス100に情報を入力することを可能にする1以上の従来型メカニズムを含んでよい。出力デバイス130は、ディスプレイ、プロジェクタ、A/V受信機、プリンタ、スピーカなどを含む、ユーザに情報を出力する1以上の従来型メカニズムを含んでよい。通信インタフェース135は、コンピューティングデバイス/サーバ100が他のデバイス及び/又はシステムと通信することを可能にする任意のトランシーバ様式メカニズムを含んでよい。コンピューティングデバイス100は、例えばデータ記憶デバイス120などの他のコンピュータ可読媒体から又は通信インタフェース135を介して、他のデバイスからメモリ110に読み込み得るソフトウェア命令に基づいて動作を実行してよい。メモリ110に含まれるソフトウェア命令は、プロセッサ105に、後述するプロセスを実行させる。あるいは、本発明に従うプロセスを実行するため、ソフトウェア命令の代わりに又はソフトウェア命令とともに、ハードワイヤード回路が使用されてもよい。従って、様々な実施は、ハードウェア回路とソフトウェアとの任意の特定の組み合わせに限定されるものではない。
【0011】
[0024] 特定の実施形態において、メモリ110は、限定ではないが、例えばDRAM、SRAM、DDR RAM、又は他のランダムアクセスソリッドステートメモリデバイスなどの高速ランダムアクセスメモリを含んでよく、限定ではないが、例えば1以上の磁気ディスク記憶デバイス、光ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性ソリッドステート記憶デバイスなどの不揮発性メモリを含んでよい。メモリ110は、プロセッサ105から遠隔に位置する1以上の記憶デバイスを任意選択的に含んでよい。メモリ110、又はメモリ110内の1以上の記憶デバイス(例えば1以上の不揮発性記憶デバイス)は、コンピュータ可読記憶媒体を含んでよい。特定の実施形態において、メモリ110又はメモリ110のコンピュータ可読記憶媒体は、様々な基本システムサービスを操作するため及びハードウェア依存タスクを実行するための手順を含むオペレーティングシステム、1以上の通信ネットワークインタフェース及び例えばインターネット、他の広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、都市エリアネットワークなどの1以上の通信ネットワークを介してコンピューティングデバイス110と他のコンピュータとを接続するために使用されるネットワーク通信モジュール、ユーザがコンピューティングデバイス100とインタラクトすることを可能にし得るクライアントアプリケーションといったプログラム、モジュール及びデータ構造の1以上を格納してよい。
【0012】
[0025] 本発明の特定の実施形態は、操作空間における少なくとも3自由度を有する追跡可能な頭部装着型ディスプレイ(「HMD」)を備え、任意選択的に、少なくとも2自由度の位置追跡を有する1以上のセンサを備える。HMD及び任意選択のセンサは、コントローラに感覚入力を提供し、当該コントローラが次に、HMD又は他の出力デバイスに感覚フィードバックを提供する。限定ではないが、HMDは、(例えばパーソナルコンピュータ(「PC」)、ラップトップ又はゲーム機などの)据置型コンピュータにつながれてよく、あるいは独立式であって(すなわち、一部又は全ての感覚入力、コントローラ/コンピュータ及び出力の全てが単一の頭部装着型デバイスに搭載されて)もよい。
【0013】
[0026] 図2は、本発明の特定の実施形態の態様を実現するために使用され得る光受信機及びセンサ(230a、230b、230cなど)を備える頭部装着型仮想現実装置(220)を装着した人間のユーザ(210)の典型的な図である。
【0014】
[0027] 図3は、本発明の特定の実施形態の態様を実現するために使用され得る光学位置追跡システムにおける送信機/受信機構成の典型的な図である。図3に示すように、典型的な光学位置追跡システムは、追跡容積全体に光信号(310)を掃出する基地局(320)を備える。各特定の実施の要件に依存して、複数の基地局が組み込まれてよく、各基地局が複数の光信号を生成してよい。例えば、単一の基地局は通常6自由度追跡には十分であるが、ヘッドセット及び周辺機器用に安定した部屋規模の追跡を提供するには、いくつかの実施形態では複数の基地局が必要になり得る。光受信機(例えば230)は、頭部装着型仮想現実装置(220)又は他の追跡対象物に組み込まれる。特定の実施形態において、光受信機は、待機時間の少ないセンサ融合をサポートするために各追跡対象デバイスにおいて加速度計及びジャイロスコープ慣性計測装置(「IMU」)と対になっている。図3に示すように、縮尺感覚を提供するために一般的な12オンスのソーダ又はビール缶(330)が図示される。
【0015】
[0028] 特定の実施形態に係る各基地局(320)は、直交軸上でシーンと交差する直線ビーム(310)を掃出する2つのロータを含む。各掃出サイクルの開始時、特定の実施形態に係る基地局(320)は、全てのセンサに可視である全方位光パルス(「シンク信号」)を発する。従って、各センサは、シンク信号とビーム信号との持続時間を計ることによって掃引容積における固有の角位置を計算する。センサ距離及び方位は、単一の剛性物体に取り付けられた複数のセンサを用いて導出される。
【0016】
[0029] 各実施の特定の要件に依存して、当業者には既知である技術を用いて他の様々な追跡システムが組み込まれてよい。
【0017】
[0030] 図4は、本発明の特定の実施形態の態様を実現するために使用され得る4つの光受信機(230a、230b、230c、230d)を有する頭部装着型仮想現実ディスプレイ(220)の典型的な図である。
【0018】
[0031] 特定の実施形態におけるHMDは、動的仮想環境(「仮想空間」)をユーザに提示する。HMDが操作空間内で追跡されることによって、操作空間におけるユーザの動きが仮想空間の表現に転写される。HMD又は任意選択の追加センサが、例えば壁や家具など操作空間内の物理的障害物に接近すると、衝突を回避するために、仮想空間又は操作空間のいずれかにおいてユーザに感覚フィードバックが提供される。
【0019】
[0032] 特定の典型的な実施形態において、システムは、1以上の方法のプログラム入力によって操作空間の境界及び限界を定めることにより、ユーザによって事前に準備される(「ソフト境界」)。他の実施形態において、システムは、1以上のセンサ技術によって空間内の実際の障害物を自動的に検出する(「ハード境界」)。
【0020】
[0033] 特定の実施形態の態様に係るコントローラは、HMD及び/又は外部センサからの検出信号を受信及び処理し、ソフト境界及び/又はハード境界の近接に基づいて、及び/又はユーザによる明確なフィードバック要求(例えば「オーバーレイボタン」)に基づいて、ユーザに向けて対応するフィードバックを生成する。
【0021】
[0034] 限定ではないが、各特定の実施の要件に依存して、ソフト境界は以下の方法(斯かる方法の組み合わせも含む)で定められ得る。
【0022】
[0035] ・マウス及びキーボードによってコンピュータにデータを入力する方法、
【0023】
[0036] ・追跡対象物(HMD又は例えばゲームコントローラなど他の装着センサ)を操作空間のn個の角へ動かす方法、及び/又は、
【0024】
[0037] ・追跡対象HMDを1つの位置で装着し、操作空間内の少なくとも2つの場所から操作空間のn個の角の各々に(HMDの物理的回転又はHMDが視線追跡技術を有する場合は眼球の回転のいずれかで)視線を向ける方法(視線を向けた角を三角測量する方法)。
【0025】
[0038] 限定ではないが、各特定の実施形態の要件に依存して、ハード境界は以下の方法(斯かる方法の組み合わせも含む)で定められ得る。
【0026】
[0039] ・HMD又はHMD外部に取り付けられた奥行きカメラを使用すること、及び/又は、
【0027】
[0040] ・例えばレーザや超音波など距離を計測するための他のセンサを使用すること。
【0028】
[0041] 限定ではないが、各特定の実施の要件に依存して、感覚フィードバックは以下の方法(斯かる方法の組み合わせも含む)で与えられ得る。
【0029】
[0042] ・警報音、
【0030】
[0043] ・触覚フィードバック(HMD又は例えばユーザが持っているゲームコントローラなど他の装着可能デバイスに含まれる鳴動又はアクチュエータ)、
【0031】
[0044] ・HMDに表示される視覚警報標識、
【0032】
[0045] ・仮想環境の上にスーパーインポーズされた、HMDに表示されるソフト境界のCG描画オーバーレイ、
【0033】
[0046] ・HMDに搭載された1以上のカメラのパススルービデオ信号、及び/又は、
【0034】
[0047] ・仮想環境のコントローラに送信されたカスタムアプリケーションプログラムインタフェース(「API」)トリガ、すなわち、仮想環境の次元が物理環境に自動的に調整される、及び/又は仮想環境固有のカスタム警報が生成される(例えば、ユーザが操作空間の境界に接近すると、ゲーム内キャラクターがユーザに立ち止まるよう指示する)。
【0035】
[0048] 上記システム及び方法のいずれかは、既定の閾値をユーザが横切るとトリガされるデジタル警報信号、又は明度を高くする(例えば、ユーザが障害物に近づくにつれ部屋境界部のオーバーレイが次第に明るくなり、ユーザが更に接近すると鳴動感覚が強くなることによってサポートされる)アナログ警報のいずれかとして実現され得る。
【0036】
[0049] 1つの実施形態は、ユーザが、自身の操作空間によって提供されるものよりも広い面積の仮想環境を体験することができるように、仮想空間において自身の仮想表現を動的に位置変更することを可能にする。1つのそのような典型的な実施形態において、操作空間は3メートル四方の正方形である。仮想環境は、この操作空間の数倍のサイズの部屋である。その全てを体験するために、ユーザは、仮想環境における自身の表現の位置変更をトリガしてよい。この例において、ユーザは、動き回り、自身の「非実体」仮想表現及び仮想環境の地面に投影された3メートル四方の正方形を回転させることができる。位置変更した空間を受け入れると、ユーザは、仮想環境における自身の新たな場所へ「テレポート」され、自身の操作空間内で物理的に動くことによって、仮想環境のこの新たな部分を引き続き動き回ることができる。
【0037】
[0050] 図5は、特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、ソフト境界はユーザによって定義され半透明の多角形として床上に見えており、ハード境界はユーザの実在する操作空間における物理的な壁の位置を示す格子状の光る線として見えている。
【0038】
[0051] 図6は、特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、衝突の切迫をユーザに警告するハード境界介添システムの2つのヘッドセット内ビューが示され、描写された格子は現実世界の壁の位置を示す。
【0039】
[0052] 図7は、特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、プレイヤーの体験を形にする助けとなるゲームシーン内の他の要素の配置に関してソフト境界データを使用する例を示す。図7に示すシーンにおいて、たいまつ(710a、710b、710c、710d)は、ユーザがそれらをどのように設定したかにかかわらず自動的に境界の角に配置される。図7に示す弓(720)は、ユーザが好むプレイの方向で、ユーザのソフト境界(730)の前縁に配置される。図7に示す構成に係る特定の実施形態は、個々のユーザのソフト境界設定を自動的に測定し、それに順応する。
【0040】
[0053] 特定の実施において、本発明の態様に係る介添境界の出現は、仮想環境においてユーザが体験する没入感覚を低減させ得る。これは、各特定の実施の要件に依存して、以下の解決策の各々又はその組み合わせによって対処し得る。
【0041】
[0054] 第1に、介添境界は瞬時に十分な明るさで表示されるのではなく、ユーザがユーザの現実環境(「操作空間」)の実際の境界に接近するにつれて徐々に明るくなる。各壁について個々のフェード値が計算されてよく、(4つの壁を有する通常一般的な室内操作空間を想定すると)第5のフェード値は、ユーザが立っている空間の外縁である境界メッシュに適用される(例えばこれは、強調された立方体の縁部として出現してよい)。1つの実施形態における第5のフェード値は、4つの壁の各々に関するフェード値の最大値として実現されてよい。その結果、ユーザが壁の方へ後退すると、境界メッシュが十分な明るさで光る。特定の実施形態において、ユーザが壁の方へ後退した際にユーザが他の壁を見るのを支援するために、フェード値は意図的に、隣り合う壁及び対向する壁にわずかに流出してよい。この技術によって、ユーザは、介添警報が激しくなることなく全ての壁の位置を知ることができる。特定の実施形態において、没入感覚を増すために、最も明るい介添境界が有効化され、ある程度の期間(例えば4秒間)十分な明るさで表示された後、全ての介添警報の明るさが元の明るさの20%まで徐々に弱められる。
【0042】
[0055] 第2に、ユーザに最も近い壁の境界のみが(例えば光る格子として)十分な明度で示され、他の壁は輪郭/外角が示されるのみである。第3に、介添境界の明度は、それらがスーパーインポーズされている仮想環境の明るさに対して定められてよい。この基礎となる明るさは、描画された仮想環境に基づいてライブで計測されるか、又はAPIを介して、体験を駆動するゲームによって提供され得る。第4に、ユーザが1つの場所に数秒間立ち続け、境界がどこにあるかを理解した後、自動的に介添境界が溶暗することによって、ユーザは、壁に接近しても、VR環境を損なわずに体験できる。
【0043】
[0056] 特定の実施において、本発明の態様に係る介添警報システムは、ユーザが極めて敏速に動いている場合、ユーザを衝突前に立ち止まらせるには遅すぎる警報を示すことがある。これは、各特定の実施の要件に依存して、以下の解決策の各々又はその組み合わせによって対処し得る。
【0044】
[0057] 第1に、介添警報が意図的に早期に示されてよい。しかしこれは、ユーザがVRを体験し得る使用空間が小さくなるという望ましくない影響を与え得る。第2に、追跡対象物(例えばユーザのHMD装置及び/又は関連ハンドヘルドコントローラ)の速度及び/又は加速度が計測され、これらの計測の結果に基づいて、介添境界が早く又は遅く示されてよい。第3に、敏速な動きの危険性及びそれに伴う介添警報の表示の速度/明度が経験則によって導出されてよい。例えば、本発明の態様に係るシステムは、特定のVR体験をユーザが通常どのように体験するか(例えば、緩慢な探査が一般的であるものか、又は敏速な動きが一般的であるものか)を計測してよい。また、典型的なシステムが(例えばログイン、視線追跡カメラ、身長、典型的な動きのパターンなどによって)ユーザを識別するように設計される場合、システムは、この特定のユーザが通常どの程度迅速に動き介添警報に反応するかに警報を基づかせることができる。第4に、ゲーム/アプリケーションが広大な使用空間を事実上必要としない場合、空間を最大化する必要性が低いので、介添警報は積極的であってよい。
【0045】
[0058] 特定の実施において、本発明の態様に係る初期部屋設定は、比較的手動的かつ非直観的なものとして認識され得る。これは、各特定の実施形態の要件に依存して、以下の解決策の各々又はその組み合わせによって対処し得る。
【0046】
[0059] 第1に、ユーザは、自分のコントローラを持ち、それを操作空間の壁/床/天井の一部又は全てに沿って動かしながら、現実の操作空間内を歩き回るだけでよい。このプロセスによって得られる計測値は、当業者には既知であるように任意の適切な技術を用いて介添システムコントローラへ送信される。これらの計測された絶対位置に基づいて、本発明の態様に係るシステムはその後、コントローラが検出した位置の全てを含む最小多面体を計算する。第2に、当業者には既知である様々な種類の距離測定器(例えば超音波、レーザ)が特定の実施に組み込まれてよく、これらは、ユーザによる介在をほとんど又は一切必要とすることなく、操作空間の境界に関して必要な情報を生成し得る。
【0047】
[0060] 特定の実施形態において、独立制御される永続的な地面外周の概念を拡大すると、壁様式は外周様式とは異なってよく、この場合外周は、鉛直壁隔離部、天井外形、及び地面外形を含む。外周様式は、以下のサブセットであってよい。
【0048】
[0061] 1.動的な外周
【0049】
[0062] 2.永続的な地面外形を有する動的外周
【0050】
[0063] 3.永続的な地面外形のみ
【0051】
[0064] 4.動的な地面外形のみ(自分の空間を熟知している真のミニマリスト向け)
【0052】
[0065] 5.なし
【0053】
[0066] 特定の実施形態において、ユーザは、当業者には既知である技術を用いた任意の適切なユーザインタフェース及び/又は設定ユーティリティを介して、表示される介添境界の侵襲性、積極性、フェード距離、及び/又は色彩設計を選択してよい。例えば色彩設計の選択に関して、適切な色彩パレットが既定されユーザがそこから選択してよく、又は、本発明の態様に係るシステムによって明度が生成されるが、ユーザは色調及び/又は彩度を選択することができる。また、ユーザ選択は、特定のゲーム又はアプリケーションに依存して調整及び/又は保存されてよい。
【0054】
[0067] 図8は、特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、ユーザを取り巻く現実の操作空間における物理的境界の位置に関してユーザに視覚的に警告するために、仮想空間の壁に正方形パターンを描画する例を示す。
【0055】
[0068] 図9は、特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、ユーザを取り巻く現実の操作空間における物理的境界の位置に関してユーザに視覚的に警告するために、仮想空間の壁に(交点が取り除かれた)格子パターンを描画する別の例を示す。
【0056】
[0069] 図10は、特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、ユーザを取り巻く現実の操作空間における物理的境界の位置に関してユーザに視覚的に警告するために、仮想空間の壁にパターンを描画する別の例を示す。これは図9に示すパターンに類似するが、正方形開口部が約2.25倍の面積である(すなわち、線部分が1.5倍の間隔である)。
【0057】
[0070] 図11は、特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、ユーザを取り巻く現実の操作空間における物理的境界の位置に関してユーザに視覚的に警告するために、仮想空間の壁にパターン(すなわち、各壁に1本の水平線)を描画する別の例を示す。
【0058】
[0071] 図12は、特定の実施形態に係る典型的なディスプレイを示し、ユーザを取り巻く現実の操作空間における物理的境界の位置に関してユーザ/開発者に視覚的に警告するために、仮想空間の床にパターンを描画する例を示す。各特定の実施の要件に依存して、これは、消失することがない床レベルでの永続的な線ループとして表示されてよく、ユーザ又は開発者が、下方を一目見るだけで操作空間において壁がどこにあるかを常に知ることができるように支援する。
【0059】
[0072] 上記説明は多数の具体例を含み、特定の典型的な実施形態が説明され添付図面に示されているが、そのような実施形態は例示目的にすぎず、幅広い発明に制限を設けるものではないこと、また、上述したように他の様々な改変例が当業者には想起され得ることから、本発明は、図示及び説明された特定の構造及び構成に限定されるものではないことは理解されるべきである。本発明は、本明細書に開示される様々な種類及び/又は実施形態に含まれる要素の任意の組み合わせ又は部分的組み合わせを含む。
図1
図2
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【国際調査報告】