(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
本明細書に示されるのは、胎盤由来の接着細胞エクソソームの組成物、ならびにこれを作製及び使用する方法である。一態様では、本明細書に示されるのは、胎盤細胞によって生成されるか、及び/または胎盤細胞、例えば、胎盤由来の接着細胞に由来するエクソソームを含む組成物である。特定の実施形態では、本明細書に示されるエクソソームは、例えば、1、2、3、4、5、6またはそれ以上の継代の間、インビトロで培養された胎盤由来の接着細胞によって生成される。
前記エクソソームが、CD3−、CD11b−、CD14−、CD19−、CD33−、CD192−、HLA−A−、HLA−B−、HLA−C−、HLA−DR−、CD11c−またはCD34−である、請求項1または2に記載の組成物。
前記エクソソームが、CD3−、CD11b−、CD14−、CD19−、CD33−、CD192−、HLA−A−、HLA−B−、HLA−C−、HLA−DR−、CD11c−及びCD34−である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
前記マイクロRNAが、miR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3pまたはlet−7d−3pである、請求項6に記載の組成物。
前記エクソソームが、間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも少なくとも2倍高いレベルで少なくとも1つのマーカー分子を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
胎盤由来の接着細胞エクソソームに外因性因子をロードする方法であって、外因性因子がエクソソームにロードされるように、胎盤由来の接着細胞エクソソーム及び外因性因子をインキュベートすること含む、前記方法。
【発明を実施するための形態】
【0045】
5.詳細な説明
5.1 胎盤由来接着細胞エクソソーム
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームを選択して、下記のとおり、それらの形態学及び/または分子マーカーによって特定してもよい。本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、当該分野で公知のエクソソーム、例えば、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞由来のエクソソーム、例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載のエクソソームとは別個である。従って、本明細書において用いる場合、「胎盤由来の接着細胞エクソソーム」という用語は、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞から得られるエクソソームまたはそれに由来するエクソソームを含むことは意味しない。
【0046】
特定の実施形態では、本明細書において記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームの集団は、細胞、例えば、有核細胞、例えば胎盤の細胞、例えば、胎盤由来の接着細胞を含まない。
【0047】
5.1.1.胎盤由来接着細胞エクソソームマーカー
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、当該エクソソームを特定及び/または単離するために用いられ得るマーカーを含む。これらのマーカーは、例えば、タンパク質であっても、核酸であっても、単糖類分子であっても、グリコシル化タンパク質であっても、脂質分子であってもよく、モノマー型で存在しても、オリゴマー型で存在しても、及び/または多量体型で存在してもよい。特定の実施形態では、このマーカーは、エクソソームが由来する胎盤由来の接着細胞によって生成される。特定の実施形態では、このマーカーは、エクソソームが由来する胎盤由来の接着細胞によって提供されるが、マーカーは、当該細胞によって高レベルで発現されることはない。特異的な実施形態では、本明細書において記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームのマーカーは、対照のマーカー分子と比較した場合、もとの細胞との比較で、エクソソーム中で高い。別の特異的な実施形態では、本明細書において記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームのマーカーは、別の細胞型(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞及び前脂肪細胞の間葉系幹細胞)から得られたエクソソームと比較して当該エクソソーム中で富化されており、ここでは、エクソソームは同一の方法を通じて得られ、ここでエクソソームが由来する細胞は、同一の条件下で維持される。
【0048】
エクソソームの三次元構造によって、エクソソームの表面上のマーカーの保持、及び/またはエクソソーム内にマーカーが含まれることが可能になる。同様に、マーカー分子は、部分的にエクソソーム内に存在しても、部分的にエクソソームの外面上に存在しても、及び/またはエクソソームのリン脂質二重層を横切って存在してもよい。特異的な実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームに関連するマーカーはタンパク質である。特定の実施形態では、このマーカーは、エクソソームリン脂質二重層中に固定されるか、またはエクソソームリン脂質二重層を横切って固定され、そのためこのタンパク質分子の一部は、エクソソーム内であるが、同じ分子の一部は、エクソソームの外面に露出されている膜貫通タンパク質である。特定の実施形態では、このマーカーは、全体がエクソソーム内に含まれる。別の特異的な実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームに関連するマーカーは核酸である。特定の実施形態では、当該核酸は、非コードRNA分子、例えば、micro−RNA(miRNA)である。
【0049】
5.1.1.1.表面マーカー
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、それらの特定を可能にし、かつそれらのもとの胎盤由来の接着細胞ならびに他の細胞及び非細胞材料を含まない胎盤由来の接着細胞エクソソームの実質的に純粋な集団を単離/獲得するために用いられ得る表面マーカーを含む。エクソソーム表面マーカー組成物を決定するための方法は、当該分野で公知である。例えば、エクソソームの表面マーカーは、蛍光活性化細胞分取(FACS)またはウエスタンブロッティングによって検出され得る。
【0050】
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、それらを当該分野で公知の他のエクソソームから識別することを可能にする別個の表面マーカーを含む。特異的な実施形態では、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、以下のマーカーのうち1、2、3、4、5またはそれ以上を含む:CD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、CD200(例えば、FACSによって決定可能)。
【0051】
1つの特異的な実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって決定されるようにCD55
+及びCD10
+である。
【0052】
特異的な実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD10
+及びCD55
+(例えば、FACSによって決定される)であり、さらに絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞エクソソームまたは前脂肪細胞の間葉系幹細胞エクソソーム(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)よりも高レベルでCD82、CD142、CD49c、及びCD90を含む。
【0053】
ある特異的な実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD9
+である。別の特異的な実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD10
+である。別の特異的な実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD13
+である。別の特異的な実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD29
+である。別の特異的な実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD44
+である。別の特異的な実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49b
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49c
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD55
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD59
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD63
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD73
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD81
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD82
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD90
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD98
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD105
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD141
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD142
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD151
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD164
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD295
+である。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD200
+である。このようなマーカーの存在の決定は、例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって行ってもよい。別の実施形態では、本明細書に記載されるのは、上述の表面マーカーの任意の組み合わせを含む胎盤由来の接着細胞エクソソームの集団である。
【0054】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD9
+であり、さらに、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200からなる群より選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0055】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD10
+であり、かつさらにCD9、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0056】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソーム は、CD13
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0057】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD29
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0058】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD44
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0059】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49b
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0060】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49c
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0061】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD55
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0062】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD59
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0063】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD63
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0064】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD73
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0065】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD81
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0066】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD82
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0067】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD90
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0068】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD98
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0069】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD105
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0070】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD141
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0071】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD142
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0072】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD151
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0073】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD164
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0074】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD295
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0075】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD200
+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD164、及びCD295の群から選択される1つ以上のマーカーを含む。
【0076】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49b
+、CD49c
+、CD98
+、CD29
+、CD142
+、CD10
+、CD47
+、CD55
+、CD90
+、CD147
+、CD151
+、CD166
+、CD82
+及びCD200
+である。
【0077】
別の実施形態では、本明細書に記載されるのは、上述の表面マーカーの任意の組み合わせを含む胎盤由来の接着細胞エクソソームの集団である。
【0078】
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは一般には、表面マーカーCD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11cまたはCD34を含まない。従って、一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD3
−である。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD11b
−である。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD14
−である。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD19
−である。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD33
−である。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD192
−である。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、HLA−A
−である。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、HLA−B
−である。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、HLA−C
−である。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、HLA−DR
−である。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD11c
−である。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD34
−である。
【0079】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD3
−であり、かつCD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択される1つ以上のマーカーを含まない。
【0080】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD11b
−であり、かつCD3、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択される1つ以上のマーカーを含まない。
【0081】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD14
−であり、かつCD3、CD11b、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択される1つ以上のマーカーを含まない。
【0082】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD19
−であり、かつCD3、CD11b、CD14、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択される1つ以上のマーカーを含まない。
【0083】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD33
−であり、かつCD3、CD11b、CD14、CD19、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択される1つ以上のマーカーを含まない。
【0084】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD192
−であり、かつCD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択される1つ以上のマーカーを含まない。
【0085】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、HLA−A
−であり、かつCD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択される1つ以上のマーカーを含まない。
【0086】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、HLA−B
−であり、かつCD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択される1つ以上のマーカーを含まない。
【0087】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、HLA−C
−であり、かつCD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択される1つ以上のマーカーを含まない。
【0088】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、HLA−DR
−であり、かつCD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、CD11c及びCD34の群から選択される1つ以上のマーカーを含まない。
【0089】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD11c
−であり、かつCD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR及びCD34の群から選択される1つ以上のマーカーを含まない。
【0090】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD34
−であり、かつCD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR及びCD11cの群から選択される1つ以上のマーカーを含まない。
【0091】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD3
−、CD11b
−、CD14
−、CD19
−、CD33
−、CD192
−、HLA−A
−、HLA−B
−、HLA−C
−、HLA−DR
−、CD11c
−及びCD34
−である。
【0092】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD9+であり、かつさらにCD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらにCD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0093】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD10+であり、かつさらにCD9、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0094】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD13+であり、かつさらにCD9、CD10、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0095】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD29+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0096】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD44+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0097】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49b+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0098】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49c+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0099】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD55+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0100】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD59+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0101】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD63+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0102】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD73+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0103】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD81+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0104】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD82+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0105】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD90+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0106】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD98+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0107】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD105+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0108】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD141+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0109】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD142+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0110】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD151+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD164、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0111】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD164+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD295、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0112】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD295+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、及びCD200の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0113】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD200+であり、かつさらにCD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD164、及びCD295の群から選択される1つ以上のマーカーを含み、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0114】
別の実施形態では、本明細書に記載されるのは、上述の表面マーカーの任意の組み合わせを含む、胎盤由来の接着細胞エクソソームの集団である。
【0115】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD9
+、CD10
+、CD13
+、CD29
+、CD44
+、CD49b
+、CD49c
+、CD55
+、CD59
+、CD63
+、CD73
+、CD81
+、CD82
+、CD90
+、CD98
+、CD105
+、CD141
+、CD142
+、CD151
+、CD164
+、CD295
+、及びCD200
+であり、一方ではさらに、CD3、CD11b、CD14、CD19、CD33、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c及びCD34の群から選択されるマーカーの1つ以上を欠いている。
【0116】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD3
−、CD11b
−、CD14
−、CD19
−、CD33
−、CD192
−、HLA−A
−、HLA−B
−、HLA−C
−、HLA−DR
−、CD11c
−及びCD34
− であるが、一方ではさらに、CD9、CD10、CD13、CD29、CD44、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD82、CD90、CD98、CD105、CD141、CD142、CD151、CD164、CD295、及びCD200の群から選択されるマーカーの1つ以上を含んでいる。
【0117】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD9
+、CD10
+、CD13
+、CD29
+、CD44
+、CD49b
+、CD49c
+、CD55
+、CD59
+、CD63
+、CD73
+、CD81
+、CD82
+、CD90
+、CD98
+、CD105
+、CD141
+、CD142
+、CD151
+、CD164
+、CD295
+、CD200
+、CD3
−、CD11b
−、CD14
−、CD19
−、CD33
−、CD192
−、HLA−A
−、HLA−B
−、HLA−C
−、HLA−DR
−、CD11c
−及びCD34
−である。
【0118】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのCD4、CD5、CD6、CD7、CD8、CD16、CD24、CD25、CD26、CD27、CD32、CD35、CD37、CD39、CD45、CD46、CD54、CD56、CD61、CD74、CD86、CD88、CD91、CD99、CD103、CD108、CD112、CD117、CD119、CD120a、CD123、CD126、CD130、CD134、CD138、CD140a、CD140b、CD144、CD146、CD147、CD152、CD163、CD183、CD184、CD186、CD191、CD194、CD196、CDw198、CD202b、CD220、CD221、CD235a、CD252、CD266、CD271、CD273、CD274、CD318、CD326、CD333、CD334、HLA−DP、HLA−DQ、HLA−G、IgD、IgM、NG2、PDGF、及び/またはSSEA−3を含まない。
【0119】
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD82
+であり、かつ例えば、FACSによる、例えば、フローサイトメトリーによって決定される、低いレベルのCD141(すなわち、CD141(低))を含む。
【0120】
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、例えば、FACSによって決定できる、当該分野で公知のエクソソームよりも多い量で表面マーカーを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、非胎盤由来の接着細胞エクソソーム中の当該マーカー(複数可)の量よりも高い量のCD49c、CD82、CD90、及び/またはCD142を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、前脂肪細胞の間葉系幹細胞または絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)のいずれか由来のエクソソーム中に存在する当該マーカー(複数可)の量よりも高い量のCD49c、CD82、CD90、及び/またはCD142を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームに存在する当該マーカー(複数可)の量よりも高い量のCD49c、CD73、CD82、CD90、及び/またはCD142を含む。
【0121】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、非胎盤由来の接着細胞エクソソーム中の当該マーカー(複数可)の量よりも低い量のCD164を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、前脂肪細胞の間葉系幹細胞または絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームに存在する当該マーカー(複数可)の量よりも低い量のCD164を含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD164を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍低いレベルで含む(ここでCD164含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD164を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍低いレベルで含む(ここでCD164含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD164を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍低いレベルで含む(ここでCD164含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD164を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍低いレベルで含む(ここでCD164含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。
【0122】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49cを、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高いレベルで含む(ここでCD49c含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49cを、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍高いレベルで含む(ここでCD49c含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49cを、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高いレベルで含む(ここでCD49c含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49cを、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍高いレベルで含む(ここでCD49c含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。
【0123】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD73を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高いレベルで含む(ここでCD73含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD73を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍高いレベルで含む(ここでCD73含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD73を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高いレベルで含む(ここでCD73含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD73を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍高いレベルで含む(ここでCD73含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。
【0124】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD82を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高いレベルで含む(ここでCD82含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD82を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍高いレベルで含む(ここでCD82含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD82を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高いレベルで含む(ここでCD82含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD82を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍高いレベルで含む(ここでCD82含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。
【0125】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD90を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高いレベルで含む(ここでCD90含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD90を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍高いレベルで含む(ここでCD90含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD90を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高いレベルで含む(ここでCD90含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD90を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍高いレベルで含む(ここでCD90含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。
【0126】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD142を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高いレベルで含む(ここでCD142含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD142を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍高いレベルで含む(ここでCD142含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD142を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高いレベルで含む(ここでCD142含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD142を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍高いレベルで含む(ここでCD142含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。
【0127】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49c、CD90、CD142及びCD82を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高いレベルで含む(ここでCD49C、CD90、CD142及びCD82含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49C、CD90、CD142及びCD82を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍高いレベルで含む(ここでCD49C、CD90、CD142及びCD82含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでこのエクソソームは、同様の条件下で回収し、ここでこの起源の細胞は、同様の条件下で増殖する)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49C、CD90、CD142及びCD82を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍または10倍高いレベルで含む(ここでCD49C、CD90、CD142及びCD82含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD49C、CD90、CD142及びCD82を、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)または前脂肪細胞の間葉系幹細胞由来のエクソソームよりも2倍〜3倍、3倍〜4倍、4倍〜5倍、5倍〜6倍、6倍〜7倍、7倍〜8倍、8倍〜9倍または9倍〜10倍高いレベルで含む(ここでCD49C、CD90、CD142及びCD82含量は、同じ実験条件下で測定し(例えば、フローサイトメトリーによって、例えば、FACSによって)、ここでは、同じ数及び/または量のエクソソームを各サンプルについて用いる)。
【0128】
本明細書に記載されるエクソソームのマーカーに加えて、本明細書において記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、さらに特定の他のエクソソームのマーカーを含んでもよい。例えば、特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、本明細書に記載の任意のマーカーの組み合わせに加えて、エクソソームの表面マーカーFLOT1、ALIX、ANXA5、及びTSG101を含む。別の実施形態では、本明細書に開示されるのは、上述の表面マーカーの任意の組み合わせを含む、胎盤由来の接着細胞エクソソームの組成物である。
【0129】
5.1.1.2.MicroRNA
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、1つ以上の核酸分子、例えば、1つ以上の非コードRNA分子を含む。特定の実施形態では、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、マイクロRNA(miRNA)を含む。一般には、miRNAは、広範な細胞機能を調節し、疾患及び代謝の調節にかかわる、17〜22ヌクレオチド(nt)の非コードRNAである。miRNAレベルを検出する方法は、当該分野で周知、例えば、リアルタイムPCR(RT−PCR)、例えば、Taqmanアッセイである。他の特定の実施形態では、胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miRNAsであって、RT−PCRに供され、そして対照のRNAと比較された場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞中の同じmiRNAよりも1.1、2、5、10、100、500、600、700、800、900、1000、1100または1200倍高いレベルで含まれるか、または絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞中の同じmiRNAよりも1.1〜2、2〜5、2〜10、5〜10、10〜100、100〜500、500〜600、600〜700、700〜800、800〜900、900〜1000、1000〜1100もしくは1100〜1200倍高いレベルで含まれる。
【0130】
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、以下のmiRNAのうち1、2、3、4またはそれ以上の検出可能なレベルを含む:miR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3p。一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−218−5pを含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−133bを含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−422aを含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−564を含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−16−5pを含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのlet−7aを含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−92を含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−142−3pを含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−451を含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−124−5pを含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−223−3pを含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−630を含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−296−5pを含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのlet−7b−3pを含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのlet−7d−3pを含む。
【0131】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−218−5pを含み、かつさらにmiR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0132】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−133を含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0133】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−422aを含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0134】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−564を含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0135】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−16−5pを含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0136】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのlet−7aを含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0137】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−92を含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0138】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−142−3pを含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0139】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−451を含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0140】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−124−5pを含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0141】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−223−3pを含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0142】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−630を含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0143】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのmiR−296−5pを含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0144】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのlet−7b−3pを含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む
【0145】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのlet−7d−3pを含み、かつさらにmiR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p及びlet−7b−3pの群から選択される1つ以上の検出可能なレベルのmiRNAを含む。
【0146】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−218−5p、miR−133b、miR−422a、miR−564、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−124−5p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pを含む。
【0147】
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、他の細胞(例えば、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞、例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)のエクソソームから、それらが含むmiRNAに基づいて識別され得る。
【0148】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−133bを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件下で処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0149】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−422aを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0150】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−16−5pを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0151】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、let−7aを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0152】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−92を、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0153】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−142−3pを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0154】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−451を、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0155】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−124−5pを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0156】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−223−3pを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0157】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−630を、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0158】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−296−5pを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0159】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、let−7b−3pを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0160】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、let−7d−3pを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0161】
他の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−133b、さらにmiR−422a、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上のmiRNAを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0162】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−422a、さらにmiR−133b、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上のmiRNAを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0163】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−16−5p、さらにmiR−133b、miR−422a、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上のmiRNAを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0164】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、let−7a、さらにmiR−133b、miR−422a、miR−16−5p、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上のmiRNAを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0165】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−92、さらにmiR−133b、miR−422a、miR−16−5p、let−7a、miR−142−3p、miR−451、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上のmiRNAを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0166】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−142−3p、さらにmiR−133b、miR−422a、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−451、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上のmiRNAを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0167】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−451、さらにmiR−133b、miR−422a、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上のmiRNAを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0168】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−223−3p、さらにmiR−133b、miR−422a、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上のmiRNAを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0169】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−630、さらにmiR−133b、miR−422a、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−223−3p、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上のmiRNAを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0170】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−296−5p、さらにmiR−133b、miR−422a、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−223−3p、miR−630、let−7b−3p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上のmiRNAを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0171】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、let−7b−3p、さらにmiR−133b、miR−422a、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p及びlet−7d−3pの群から選択される1つ以上のmiRNAを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0172】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、let−7d−3p、さらにmiR−133b、miR−422a、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p及びlet−7b−3pの群から選択される1つ以上のmiRNAを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0173】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、miR−133b、miR−422a、miR−16−5p、let−7a、miR−92、miR−142−3p、miR−451、miR−223−3p、miR−630、miR−296−5p、let−7b−3p及びlet−7d−3p、または前述のいずれかの組み合わせを、エクソソーム及びそれが由来する細胞を同様の条件によって処理した場合、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(例えば、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞)由来のエクソソームと比較したとき、少なくとも2倍高いレベルで含む。
【0174】
5.1.1.3.血管形成タンパク質
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、血管形成を促進する1つ以上のタンパク質を含む。例えば、ELISAベースの方法、例えば、AngioSecretome Milliplex(Millipore)を用いて、血管形成タンパク質レベルを検出する方法は、当該分野で周知である。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームに関連する血管形成タンパク質の存在及び相対レベルは、以下のセクション6.2.4.3によって決定される。
【0175】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、エンドグリン、レプチン、アンジオポイエチン−2、G−CSF、ホリスタチン、FGF−2、HGF、VEGF−A、IL−8及びEGFの群から選択される1つ以上の血管形成タンパク質を含む。別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、エンドグリン、レプチン、アンジオポイエチン−2、G−CSF、ホリスタチン、FGF−2、HGF、VEGF−A、IL−8及びEGFの群から選択される1つ以上の血管形成タンパク質を、エクソソームを欠いている培養培地よりも高いレベルで含む。別の実施形態では、当該血管形成タンパク質は、10pg/ml、50pg/ml、100pg/ml、500pg/ml、1,000pg/ml、2,000pg/ml、4,000pg/ml、6,000pg/ml、8,000pg/ml、10,000pg/ml、12,000pg/ml、14,000pg/ml、16,000pg/ml、18,000pg/ml、20,000pg/ml、25,000pg/ml、30,000pg/ml、35,000pg/ml、40,000pg/ml、45,000pg/ml、もしくは50,000pg/mlまたはそれ以上の濃度で培養培地中に存在する。別の実施形態では、当該血管形成タンパク質は、10pg/ml〜50pg/ml、50pg/ml〜100pg/ml、100pg/ml〜500pg/ml、500pg/ml〜1,000pg/ml、1,000pg/ml〜2,000pg/ml、2,000pg/ml〜4,000pg/ml、4,000pg/ml〜6,000pg/ml、6,000pg/ml〜8,000pg/ml、8,000pg/ml〜10,000pg/ml、10,000pg/ml、12,000pg/ml、12,000pg/ml〜14,000pg/ml、14,000pg/ml〜16,000pg/ml、16,000pg/ml〜18,000pg/ml、18,000pg/ml〜20,000pg/ml、20,000pg/ml〜25,000pg/ml、25,000pg/ml〜30,000pg/ml、30,000pg/ml〜35,000pg/ml、35,000pg/ml〜40,000pg/ml、40,000pg/ml、45,000pg/mlまたは45,000pg/ml〜50,000pg/mlの濃度で培養培地中に存在する。
【0176】
5.1.2 エクソソームの大きさ及び識別特徴
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、約50nm〜150nmの直径である。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、当該分野で公知の方法(例えば、電子顕微鏡及びNanoparticle Tracking Assay)によって決定した場合、約70nm〜150nmの直径、約100nm〜150nmの直径、または約130nm〜145nmの直径である。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、細胞細片及び/または非細胞細片から、それらの大きさに基づいて識別できる。特定の実施形態では、本明細書に記載のエクソソームは、それらの形状によって識別可能であり、例えば、本明細書に記載されるエクソソームは、当該分野で公知の画像化技術(例えば、電子顕微鏡)によって見れば、カップ形である。
【0177】
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、それらの分子組成(例えば、表面マーカータンパク質またはmiRNA分子)に基づいて特定され得る。セクション5.1.1.を参照のこと。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、それらの分子プロファイル(例えば、それらが含む表面マーカータンパク質及び/またはmiRNA分子)に基づいて、他のエクソソーム(すなわち、非胎盤由来の接着細胞エクソソーム)から識別できる。セクション5.1.1.を参照のこと。
【0178】
5.1.3.胎盤由来接着細胞
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、胎盤由来の接着細胞(例えば、それらの開示が全体として参照によって本明細書に援用される米国特許第7,468,276号;同第8,057,788号及び同第8,202,703号に開示される胎盤由来の接着細胞)に由来する。
【0179】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD34
−、CD10
+、CD105
+及びCD200
+の胎盤由来の接着細胞に由来する。
【0180】
別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは骨髄由来の間葉系幹細胞よりも少なくとも2倍高いレベルで1つ以上の遺伝子を発現する胎盤由来の接着細胞に由来し、ここでこの遺伝子は、ACTG2、ADARB1、AMIGO2、ARTS−1、B4GALT6、BCHE、C11orf9、CD200、COL4A1、COL4A2、CPA4、DMD、DSC3、DSG2、ELOVL2、F2RL1、FIJ10781、GATA6、GPR126、GPRC5B、HLA−G、ICAM1、IER3、IGFBP7、IL1A、IL6、IL18、KRT18、KRT8、LIPG、LRAP、MATN2、MEST、NFE2L3、NUAK1、PCDH7、PDLIM3、PJP2、RTN1、SERPINB9、ST3GAL6、ST6GALNAC5、SLC12A8、TCF21、TGFB2、VTN、及びZC3H12Aからなる群より選択される。別の実施形態では、本明細書に記載されるエクソソームが由来する胎盤由来の接着細胞は、1つ以上の遺伝子を、骨髄由来の間葉系幹細胞よりも少なくとも2倍高いレベルで発現し、ここで当該1つ以上の遺伝子は、LOVL2、ST3GAL6、ST6GALNAC5、及び/またはSLC12A8のうちの1つ以上である。別の実施形態では、本明細書において提供されるエクソソームが由来する胎盤由来の接着細胞は、1つ以上の遺伝子を、骨髄由来の間葉系幹細胞よりも少なくとも2倍高いレベルで発現し、ここで当該1つ以上の遺伝子は、CPA4、TCF21、VTN、B4GALT6、FLJ10781、及び/またはNUAK1のうちの1つ以上である。
【0181】
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、培養物中で増殖される胎盤由来の接着細胞、例えば、組織培養基板に結合された胎盤由来の接着細胞から、または生きている生物体(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)に投与された胎盤由来の接着細胞から得られる。特定の実施形態では、細胞を、血清の存在下で培養する。別の特定の実施形態では、細胞を、血清の非存在下で培養する。
【0182】
一実施形態では、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームが由来する胎盤由来の接着細胞は、実質的にもともと胎児由来であり、例えば、胎盤由来の接着細胞は、約または少なくとも90%、95%、99%もしくは100%がもともと胎児由来である。別の実施形態では、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームが由来する胎盤由来の接着細胞は、混合物に由来し、例えば、胎盤由来の接着細胞は、胎児及び母親の両方に由来する。
【0183】
特定の実施形態では、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームが由来する胎盤由来の接着細胞は、胎盤由来の接着細胞由来のエクソソームの単離の前に継代された。特定の実施形態では、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームが由来する胎盤由来の接着細胞は、胎盤由来の接着細胞由来のエクソソームの単離の前に、約または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18もしくは20回継代された。特定の実施形態では、本明細書において提供されるエクソソームは、6回継代の間インビトロで培養された胎盤由来の接着細胞から収集される。特定の実施形態では、本明細書において提供されるエクソソームは、6継代で胎盤由来の接着細胞から収集され、7継代で培養上清から収集される。
【0184】
特定の実施形態では、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームが由来する胎盤由来の接着細胞は、胎盤由来の接着細胞由来のエクソソームの単離の前に増殖された。特定の実施形態では、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームが由来する胎盤由来の接着細胞は、胎盤由来の接着細胞由来のエクソソームの単離の前に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38または40集団倍加以上に増殖された。
【0185】
ある特定の実施形態では、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームが由来する胎盤由来の接着細胞は、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞ではないか、及び/または絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞を含まず、例えば、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームが由来する胎盤由来の接着細胞は、Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451に記載される絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞ではない。別の実施形態では、この胎盤由来の接着細胞が由来する供給源は、絨毛膜絨毛を含まない。
【0186】
5.2.胎盤由来接着細胞エクソソームを単離する方法
5.2.1 培地からエクソソームを得る方法
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、セクション5.1.3.に記載される例えば、胎盤由来の接着細胞から生成され得る。特定の実施形態では、このような胎盤由来の接着細胞の培養は、培養培地中へのエクソソームの堆積を生じ、ここで当該エクソソームは、本明細書に記載され、かつ当該分野で公知の技術を用いて培養培地から単離され得る。本明細書において記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームの単離は、サイズ濾過を用い、密度依存遠心分離を用い、かつ当該分野で公知の他の方法を用いることによって、胎盤由来の接着細胞エクソソームと会合する特定の表面マーカー分子に基づいて達成され得る。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームの単離は、培養培地中に存在する混入の細胞性物質及び非細胞性物質からエクソソーム集団を実質的に精製する2つ以上の技術を組み合わせてもよい。
【0187】
5.2.1.1.超遠心分離によるエクソソームの単離
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、超遠心分離を用いて細胞培養培地の他の成分から分離される。特定の実施形態では、胎盤由来の接着細胞の培養物から収集された培養培地を単離して、培養培地中に存在する細胞性物質及び非細胞性物質から胎盤由来の接着細胞エクソソームを分離するのに十分な時間、高速(例えば、100,000×g)で遠心分離する。特定の実施形態では、この胎盤由来の接着細胞は、胎盤由来の接着細胞エクソソームの単離のために培養培地を収集する前に、血清(例えば、ウシ胎仔血清)の存在下で培養される。別の特定の実施形態では、この胎盤由来の接着細胞は、胎盤由来の接着細胞エクソソームの単離のために培養培地を収集する前に、血清(例えば、ウシ胎仔血清)の非存在下で培養される。一実施形態では、胎盤由来の接着細胞の培養物から収集された培養培地は、下の実施例1の方法によって単離されて遠心分離される。
【0188】
5.2.1.2.蛍光活性化細胞分取によるエクソソームの単離
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、1つ以上の表面マーカータンパク質を含有することに基づいて、及び/または1つ以上の表面マーカータンパク質を欠くことに基づいて単離及び/または精製され得る。具体的には、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、非胎盤由来の接着細胞エクソソーム、または胎盤由来の接着細胞エクソソーム(目的の表面マーカーを含まない)から実質的に単離され得る。例えば、特定の組み合わせの表面マーカーを含む胎盤由来の接着細胞エクソソームの1つの小集団は、表面マーカーの固有のまたは実質的に異なる組み合わせを含むエクソソーム(例えば、胎盤由来の接着細胞エクソソーム)の1つ以上の追加的な集団から単離されてもよい。従って、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、本明細書に記載される表面マーカーの任意の組み合わせに基づいて単離されても、及び/または精製されてもよい。セクション5.1.1.を参照のこと。
【0189】
一実施形態では、蛍光活性化細胞分取(FACS)を使用して、エクソソームに存在する細胞表面マーカーに特異的な抗体を用いて、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームを分離するか、及び/または精製する。細胞及びエクソソームを単離するためにFACSを用いる方法は、当該分野で公知である。
【0190】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームを精製/単離する方法は、本明細書に記載されるエクソソームの集団と固体基板(例えば、ラテックスビーズ)とを、当該エクソソームと当該基板との間の複合体の作製(例えば、パッシブ吸着反応による)を可能にするのに十分な時間及び条件下で接触させるステップを包含する。別の特定の実施形態では、当該エクソソームと当該基板との間の複合体の作製(例えば、パッシブ吸着反応による)を可能にするのに十分な時間及び条件下で、固体基板(例えば、ラテックスビーズ)と接触されたエクソソームの集団を、本明細書に記載される方法(例えば、本明細書に記載されるFACS法)によって分離する。
【0191】
別の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、2部分の「サンドイッチ」検出技術を用いて、精製されるか、及び/または単離されてもよい。特定の実施形態では、部分的に精製されるか、または精製されていない集団中のエクソソームは、最初に基板、例えば、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームの表面上に存在するタンパク質に特異的な抗体でコーティングされているビーズの集団(例えば、ラテックスビーズの集団)と接触される。特定の実施形態では、CD63を特異的に認識する抗体を用いて、このような方法を用いて、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームを単離する。別の特定の実施形態では、MHCクラスII分子ファミリーのメンバーを特異的に認識する抗体を用いて、このような方法を用いて本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームを単離する。最初の接触ステップの後、基板に結合されたエクソソームを、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームの表面に存在する表面マーカータンパク質に特異的な第二の分子によって接触させる。特定の実施形態では、この表面分子は、テトラスパニンであり、かつ当該抗体は、蛍光標識された抗体である。別の特定の実施形態では、この表面分子は、FLOT1、ALIX、ANXA5、TSG101、アネキシンV、CD3、CD9、CD10、CD11b、CD13、CD14、CD19、CD29、CD33、CD44、CD46、CD47、CD49b、CD49c、CD55、CD59、CD63、CD73、CD81、CD90、CD98、CD105、CD142、CD147、CD151、CD164、CD166、CD192、HLA−A、HLA−B、HLA−C、HLA−DR、CD11c、CD34、CD49dまたはCD200のうちのいずれか1つである。
【0192】
5.2.1.3.サイズ排除クロマトグラフィーを用いるエクソソームの単離
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、サイログロブリン二量体、サイログロブリン単量体、免疫グロブリン(例えば、IgG)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ミオグロブリン、及びウラシルを含む、培養培地中に存在する共通の混入物から単離、及び/または精製され得る(セクション6.3を参照のこと)。一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームを、サンプル中で、共通の培養培地混入物(例えば、サイログロブリン、IgG、BSA、ミオグロブリンまたはウラシル)から、0.5mL/分の流速でHPLCで当該サンプルを流したとき、画分収集の開始後、10分〜11分または11分〜12分で収集した画分中で、サイズ排除カラム(例えば、TSK Guard SWXLカラム)によって、識別する。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、当該サンプルを0.5mL/分の流速でHPLCで流した後、サイズ排除カラム(例えば、TSK Guard SWXLカラム)から収集したサンプルの最初の検出可能なピーク中に溶出する。
【0193】
エクソソームの単離は、サイズ、例えば、約50〜150nmの直径に基づいてもよい。従って、エクソソームのサイズによって、サイズ排除クロマトグラフィーと組み合わせた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの技術を使用して、実質的に純粋なエクソソームの集団を単離すること、及び/または単離されるエクソソーム集団の純度を決定することが可能になる。具体的には、本明細書に記載される方法の1つによって精製されるか及び/または単離されるエクソソームを、HPLCによって引き続いて精製して、混入している高分子及び他の望ましくない混入物を除去してもよい。HPLC及びサイズ排除クロマトグラフィーを用いて、分子の混合された集団を分離する方法は、当該分野で周知であり、かつこれは半多孔性基板及びイオン/pH勾配に依拠して、混合された集団の種々の成分を示差的に分離する。
【0194】
一実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソーム(例えば、培養培地から以前に単離されているエクソソーム)は、HPLC(例えば、Agilent 1200 Series LCシステムを用いる)を含む方法を用いてさらに精製される。特定の実施形態では、当該方法はさらに、サイズ排除クロマトグラフィーカラム(例えば、TSK Guard SWXL及び/またはTSKゲルG4000,Tosoh Corp.)及び緩衝液(例えば、20mMのK
2PO
4、150mMのNaCl、pH7.2)を、固定流速(例えば、0.5ml/分)で用いるステップを包含する。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、50〜150nmの直径を有する。
【0195】
5.2.2.インビボの抗体捕獲
特定の実施形態では、本明細書において記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、本明細書において記載される胎盤由来の接着細胞または胎盤由来の接着細胞のエクソソームの導入後に、被験体(例えば、マウスまたはヒト)から単離される。一実施形態では、被験体(例えば、マウス)に、本明細書に記載されるエクソソームに含まれるか、またはその上にあるタンパク質に対して特異的な抗体を注射し、ここでこのような抗体は、第二の高親和性分子(例えば、ビオチン)に結合される。当該被験体(例えば、マウス)にはさらに、本明細書に記載の胎盤由来の接着細胞及び/または単離される胎盤由来の接着細胞を注射する(例えば、静脈内注射、腹腔内注射または筋肉内注射)。当該胎盤由来の接着細胞がエクソソームを生成するために十分な時間の後、この被験体(例えば、マウス)由来の血液を単離し、これには、本明細書に記載のような胎盤由来の接着細胞エクソソーム及びエクソソームタンパク質に特異的な抗体を含む複合体を含んでいる。当該抗体エクソソーム複合体は、前記抗体に結合された第二の高親和性分子(例えば、ビオチン)に特異的である基質(例えば、ストレプトアビジン)を含むことによって精製してもよく、得られた抗体−エクソソーム複合体は、本明細書に記載の任意の方法によってさらに精製してもよい。
【0196】
5.2.3.定量
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞培養物から単離されたエクソソームを定量して、総収率を決定してもよい。エクソソーム収率を定量する方法は、当該分野で公知であり、かつこれには、Bradfordアッセイ、BCAアッセイ、分光光度法(例えば、NanoDrop分光光度計を用いる)、直接酵素連結免疫吸着アッセイ(例えば、CD63/CD9/CD81 ExoELISA(System Biosciences))、画像化技術、例えば、Nanoparticle Tracking Analysis(例えば、Nanosight LM10(Malvern Instruments)または電気的インピーダンスベースの測定、例えば、qNano(IZON))が挙げられる。これらの方法によれば、エクソソームの収率は、単離された材料の総量(例えば、1日あたり1細胞あたりに単離されたエクソソーム材料の質量)として、または規定容積の培養培地中の個々の粒子の数(例えば、1mLの培養培地あたりのエクソソーム粒子)として決定してもよい。
【0197】
5.2.4.収率
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、本明細書に記載の方法にしたがって単離してもよいし、それらの収率は、定量されてもよい。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、1リットルの培養培地(例えば、血清の有無の培養培地)あたり約0.5〜5.0mgの濃度で単離される。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、1リットルの培養培地(例えば、血清を含有する培養培地)あたり約2〜3mgの濃度で単離される。別の特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、1リットルの培養培地(例えば、血清を欠いている培養培地)あたり約0.5〜1.5mgの濃度で単離される。
【0198】
5.2.5.貯蔵及び保存
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、長期保管を可能にする条件、またはエクソソームの分解を阻害する条件に置いて保存してもよい。
【0199】
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、適切な温度で緩衝化剤を含む組成物中で上記の方法による収集後に保管され得る。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、例えば、約−20℃または約−80℃で凍結保管される。
【0200】
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、例えば、小さい容器、例えば、アンプル(例えば、2mLのバイアル)中に凍結保存してもよい。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、約0.1mg/mL〜約10mg/mLの濃度で凍結保存される。
【0201】
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、約−80℃〜約−180℃の温度で凍結保存される。凍結保存されたエクソソームを、使用のために解凍する前に液体窒素に移してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、アンプルが一旦約−90℃に達すれば、それらを液体窒素保管領域に移す。凍結保存はまた、制御速度の冷凍庫を用いて行ってもよい。凍結保存されたエクソソームは、使用前に約25℃〜約40℃の温度で解凍してもよい。
【0202】
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームは、短期間の間、約4℃〜約20℃の温度で保管される(例えば、2週間未満)。
【0203】
5.3.組成物
本明細書にさらに提供されるのは、組成物、例えば、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームを含む、医薬組成物である。例えば、セクション5.1.を参照のこと。本明細書に記載される組成物は、エクソソームでの処置が有益である被験体(例えば、ヒト被験体)における特定の疾患及び障害の処置に有用である。セクション5.4.1.を参照のこと。
【0204】
特定の実施形態では、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームを含むことに加えて、本明細書に記載される組成物(例えば、医薬組成物)は、薬学的に許容される担体を含む。本明細書において用いる場合、「薬学的に許容される」という用語は、動物における、及びさらに具体的には、ヒトにおける使用のための、連邦政府の規制機関もしくは合衆国政府によって承認されるか、米国薬局方、または他の一般に認識される薬局方に列挙されることを意味する。薬学的に許容される担体の文脈で、本明細書で用いられる「担体」という用語は、薬学的組成物とともに投与される、希釈液、アジュバント、賦形剤またはビヒクルを指す。生理食塩水溶液及びデキストロース及びグリセロールの水溶液をまた、特に注射可能溶液のための液体担体として使用してもよい。適切な賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。適切な医薬的担体の例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に、JP RemingtonおよびAR Gennaroが、1990,第18版に記載している。
【0205】
特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物はさらに、1つ以上の緩衝液、例えば、生理食塩水、リン酸塩緩衝化生理食塩水(PBS)、ダルベッコのPBS(DPBS)、及び/またはクロースリン酸塩グルタミン酸塩緩衝液を含む。他の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、緩衝液を含まない。特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物はさらにプラズマライトを含む。
【0206】
特定の実施形態では、本明細書に記載される組成物はさらに、1つ以上の塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム(monosodium glutamate)、及びアルミニウム塩(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)、またはこのようなアルミニウム塩の混合物)を含む。他の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、塩を含まない。
【0207】
本明細書に記載される組成物は、投与のための指示と一緒に容器、パックまたは分配器中に含まれてもよい。
【0208】
本明細書に記載される組成物は、使用前に保管されてもよく、例えば、この組成物は、凍結保管されてもよいし(例えば、約−20℃または約−80℃で);凍結された条件(例えば、約4℃)で保管されてもよいし;または室温で保管されてもよい。
【0209】
5.3.1.製剤及び投与経路
疾患または病態の処置及び/または予防における治療用途に有効である胎盤由来の接着細胞エクソソーム(セクション5.1を参照のこと)または本明細書に記載される組成物(セクション5.3を参照のこと)の量は、疾患の性質に依存し、かつ標準的な臨床技術によって決定できる。被験体に投与すべき、胎盤由来の接着細胞エクソソーム、またはその組成物の正確な投与量はまた、投与の経路及び処置されるべき疾患または病態の重篤性に依存しており、かつ施術者及び各々の被験者の環境の判定によって決定すべきである。例えば、有効な投薬量は、投与の手段、標的部位、患者の生理学的状態(年齢、体重、及び健康を含む)、患者がヒトであるか動物であるか、投与される他の医薬、ならびに処置が予防的であるかまたは治療的であるか次第で変化し得る。処置投薬量は、必要に応じて、安全性及び有効性を最適化するために滴定される。
【0210】
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソーム(セクション5.1を参照のこと)、またはその組成物(セクション5.3を参照のこと)の量は、当該分野で公知の種々の経路を介して行ってもよい。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソーム、またはその組成物は、局所(local)投与、全身的投与、皮下投与、非経口投与、静脈内投与、筋肉内投与、局所(topical)投与、経口投与、皮内投与、経皮投与、または鼻腔内投与によって投与される。特定の実施形態では、当該投与は、静脈内注射を介する。特定の実施形態では、当該投与は、皮下注射を介する。特定の実施形態では、当該投与は、局所である。別の特定の実施形態では、胎盤由来の接着細胞エクソソーム、またはその組成物は、細胞外基質を含む製剤中で投与される。別の特定の実施形態では、胎盤由来の接着細胞エクソソーム、またはその組成物は、1つ以上の追加的な送達デバイス、例えば、ステントと組み合わせて投与される。別の特定の実施形態では、胎盤由来の接着細胞エクソソーム、またはその組成物は、局所的に、例えば、低酸素組織(例えば、虚血性疾患の処置では)、または流入領域リンパ節などの、当該エクソソームもしくは組成物で処置されるべき領域の部位で、もしくはその周囲で投与される。
【0211】
5.4.使用の方法
5.4.1.血管形成から利益がある疾患の処置
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソーム(セクション5.1を参照のこと)、及びその組成物(セクション5.3を参照のこと)は、血管形成を促進し、従って、血管形成から利益がある疾患及び障害を処置するために用いられ得る。従って、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソーム、またはその組成物を用いて、その必要な被験体において血管形成を促進する方法である。本明細書において用いる場合、「処置する(treat)」という用語は、被験体における疾患、障害もしくは病態、またはその任意のパラメーターもしくは症状の時間経過における重篤度の治癒、寛解、改善、軽減または低減を包含する。特定の実施形態では、本明細書に提供される方法によって処置される被験体は、哺乳動物、例えば、ヒトである。
【0212】
一実施形態では、本明細書に提供されるのは、被験体において血管新生または血管形成を誘導する方法であって、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームまたはその組成物をその被験体に投与するステップを包含する方法である。従って、本明細書に提供される方法を用いて、血管形成/血管新生の増大から利益のある被験体における疾患及び障害を処置してもよい。血管形成の増大から利益があり、従って、胎盤由来の接着細胞エクソソーム及び本明細書に記載される組成物で処置され得るこのような疾患/病態の例としては、限定するものではないが、心筋梗塞、うっ血性心不全、末梢動脈疾患、重症下肢虚血、末梢血管疾患、左心低形成症候群、糖尿病性の足の潰瘍、静脈性潰瘍または動脈性潰瘍が挙げられる。
【0213】
一実施形態では、本明細書に提供されるのは、例えば、末梢血管系で、血流が破壊されている被験体を処置する方法であり、当該方法は、この被験体に対して、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームまたはその組成物を投与するステップを包含する。特定の実施形態では、本明細書において提供される方法は、本明細書において提供される胎盤由来の接着細胞エクソソームまたはその組成物を用いて虚血を有する被験体を処置するステップを包含する。特定の実施形態では、この虚血は、末梢動脈疾患(PAD)であり、例えば、重症下肢虚血(CLI)である。特定の他の実施形態では、この虚血は、末梢血管疾患(PVD)、末梢動脈疾患、虚血性血管疾患、虚血性心疾患、または虚血性腎疾患である。
【0214】
5.4.2.患者集団
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソーム(セクション5.1を参照のこと)は、本明細書に記載される任意の疾患または病態のための治療の必要な被験体に投与される(セクション5.4.1を参照のこと)。別の実施形態では、本明細書に記載される組成物(セクション5.3を参照のこと)は、本明細書に記載される任意の疾患または病態のための治療の必要な被験体に投与される。特定の実施形態では、当該被験体はヒトである。
【0215】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームまたは組成物は、血管形成及び/または血管新生を増大する治療の必要な被験体(例えば、ヒト)に投与される。
【0216】
5.5.キット
本明細書に提供されるのは、医薬的パックまたはキットであって、これは、本明細書に記載される医薬組成物、すなわち、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームを含む組成物の1つ以上の成分を充填された1つ以上の容器を備える。このような容器(複数可)には必要に応じて、医薬品または生物製剤の製造、使用または販売を規制する政府機関が定める形態の注意書きを伴う場合があり、この注意書きは、ヒトの投与に関する製造、使用または販売の機関による承認を反映している。
【0217】
本明細書に記載されるキットは、上記の方法で用いてもよい(セクション5.4を参照のこと)。本明細書に記載される組成物は、個体に対して容易に投与可能な形態で調製されてもよい。例えば、この組成物は、医薬用途に適切である容器内に含まれてもよい。このような容器は、例えば、滅菌のプラスチックバッグ、フラスコ、ジャー、またはこの組成物を容易に分注できる他の容器であってもよい。例えば、この容器は、血液バッグまたはレシピエントに対する液体の静脈内投与に適切な他のプラスチックの医学的に許容されるバッグであってもよい。
【0218】
5.6.送達システム
本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソーム、及びその組成物は、薬剤(複数可)、例えば、エクソソームに対して外因性の薬剤(複数可)とともにロードされてもよい。このようなエクソソーム及びその組成物は、例えば、標的細胞、例えば、エクソソームを得た細胞型以外の細胞中に採取してもよく、それによって、外因性因子(複数可)、例えば、薬剤(複数可)を標的細胞中に送達してもよい。
【0219】
従って、本明細書に提供されるのは、胎盤由来の接着細胞エクソソームに、外因性因子、例えば、薬剤をロードする方法である。一実施形態では、このような方法は、胎盤由来の接着細胞エクソソーム及び外因性因子、例えば、薬剤をインキュベートするステップ、例えば室温で、サポニン透過化、凍結/解凍サイクル、超音波処理、または押し出しの有無でインキュベートするステップを包含する。例えば、参照によって本明細書に援用される、Haney et al.,2015,J.Controlled Release 207:18−30を参照のこと。特定の実施形態では、外因性因子、例えば、薬剤は、室温でのインキュベーションによって、胎盤由来の接着細胞エクソソーム中にロードされる。特定の実施形態では、外因性因子、例えば、薬剤は、10℃、15℃、18℃、20℃、22℃、25℃、28℃、30℃、35℃、または40℃でのインキュベーションによって胎盤由来の接着細胞エクソソーム中にロードされる。特定の実施形態では、インキュベーション、例えば、室温でのインキュベーションは、胎盤由来の接着細胞エクソソームのサポニン透過化なしで行う。特定の実施形態では、インキュベーション、例えば、室温でのインキュベーションは、胎盤由来の接着細胞エクソソームのサポニン透過化とともに行う。特定の実施形態では、外因性因子、例えば、薬剤を、凍結/解凍サイクル、例えば、1、2、3、4、5回以上の凍結/解凍サイクルによって胎盤由来の接着細胞エクソソーム中にロードする。特定の実施形態では、外因性因子、例えば、薬剤を、超音波処理によって胎盤由来の接着細胞エクソソーム中にロードする。特定の実施形態では、外因性因子、例えば、薬剤を、押し出しによって、胎盤由来の接着細胞エクソソーム中にロードする。特定の実施形態では、外因性因子、例えば、薬剤を、エレクトロポレーションによって、胎盤由来の接着細胞エクソソーム中にロードする。特定の実施形態では、外因性因子、例えば、薬剤を用いてエクソソームをロードする方法は、上記の任意の組み合わせを包含する。
【0220】
特定の実施形態では、本明細書において記載される胎盤由来の接着細胞胎盤由来の接着細胞エクソソームに組み込まれた外因性因子、例えば、薬剤は、ポリペプチドを含む。特定の実施形態では、この外因性因子、例えば、薬剤は、結合剤、例えば、抗体、例えば、ヒト抗体、ヒト化抗体もしくはキメラ抗体、またはその抗原結合フラグメントなどである。特殊な実施形態では、この抗体は、一価特異的、二価特異的もしくは多価特異的抗体、またはその抗原結合フラグメントである。さらに他の特定の実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体またはFabフラグメントである。特定の実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、胎盤由来の接着細胞エクソソームの補助なしでは標的細胞中に内部移行しない。
【0221】
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームにロードされた外因性因子、例えば、薬剤は、1つ以上の核酸を含む。特定の実施形態では、この1つ以上の核酸は、siRNAまたはmiRNAを含む。
【0222】
特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームにロードされた外因性因子、例えば、薬剤は、1つ以上の遺伝子修飾成分を含む。特定の実施形態では、1つ以上の遺伝子修飾成分は、CRISPR−Casシステムを含む。さらに特異的な実施形態では、CRISPR−Casシステムは、ガイドRNAを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、エンドヌクレアーゼを含む。さらに特異的な実施形態では、CRISPR−Casシステムは、ガイドRNA及びエンドヌクレアーゼを含む。さらに特異的な実施形態では、CRISPR−Casシステムは、Cas9を含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、Cpf1を含む。特定の実施形態では、1つ以上の遺伝子修飾成分は、ジンクフィンガーヌクレアーゼを含む。特定の実施形態では、1つ以上の遺伝子修飾成分は、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システムを含む。
【0223】
別の実施形態では、本明細書に提供されるのは、標的細胞に対して、外因性因子、例えば、薬剤を送達する方法であって、ここではこの外因性因子は、胎盤由来の接着細胞エクソソームにロードされている。特定の実施形態では、この標的細胞は、エクソソームが得られた細胞型以外の細胞である。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームにロードされた、外因性因子、例えば、薬剤は、ポリペプチドを含む。特定の実施形態では、外因性因子、例えば、薬剤は、結合剤、例えば、抗体、例えば、ヒト抗体、ヒト化抗体もしくはキメラ抗体、またはその抗原結合フラグメントなどである。特殊な実施形態では、この抗体は、一価特異的、二価特異的もしくは多価特異的抗体、またはその抗原結合フラグメントである。さらに他の特定の実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体またはFabフラグメントである。特定の実施形態では、この抗体またはその抗原結合フラグメントは、標的細胞、例えば、エクソソームが得られた細胞型以外の細胞へ、胎盤由来の接着細胞エクソソームの補助なしでは内部移行しないであろう。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームにロードされた外因性因子、例えば、薬剤は、1つ以上の核酸を含む。特定の実施形態では、この1つ以上の核酸は、siRNAを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載されるこの胎盤由来の接着細胞エクソソームにロードされた外因性因子、例えば、薬剤は、1つ以上の遺伝子修飾成分を含む。特定の実施形態では、この1つ以上の遺伝子修飾成分は、CRISPR−Casシステムを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、ガイドRNAを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、エンドヌクレアーゼを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、ガイドRNA及びエンドヌクレアーゼを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、Cas9を含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、Cpf1を含む。特定の実施形態では、この1つ以上の遺伝子修飾成分は、ジンクフィンガーヌクレアーゼを含む。特定の実施形態では、この1つ以上の遺伝子修飾成分は、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システムを含む。
【0224】
本明細書に提供されるのは、被験体、例えば、ヒトに対して、外因性因子、例えば、薬剤を含んでいる個々の胎盤由来の接着細胞エクソソームを投与する方法である。特定の実施形態では、外因性因子、例えば、薬剤は、ポリペプチドを含む。特定の実施形態では、この外因性因子、例えば、薬剤は、結合剤、例えば、抗体、例えば、ヒト抗体、ヒト化抗体もしくはキメラ抗体、またはその抗原結合フラグメントなどである。特殊な実施形態では、この抗体は、一価特異的、二価特異的もしくは多価特異的抗体、またはその抗原結合フラグメントである。さらに他の特定の実施形態では、この抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体またはFabフラグメントである。特定の実施形態では、この抗体またはその抗原結合フラグメントは、標的細胞へは、胎盤由来の接着細胞エクソソームの補助なしでは内部移行しないであろう。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームにロードされた外因性因子、例えば、薬剤は、1つ以上の核酸を含む。特定の実施形態では、この1つ以上の核酸は、siRNAまたはmiRNAを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームにロードされた外因性因子、例えば、薬剤は、1つ以上の遺伝子修飾成分を含む。特定の実施形態では、この1つ以上の遺伝子修飾成分は、CRISPR−Casシステムを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、ガイドRNAを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、エンドヌクレアーゼを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、ガイドRNA及びエンドヌクレアーゼを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、Cas9を含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、Cpf1を含む。特定の実施形態では、この1つ以上の遺伝子修飾成分は、ジンクフィンガーヌクレアーゼを含む。特定の実施形態では、この1つ以上の遺伝子修飾成分は、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システムを含む。
【0225】
また本明細書に提供されるのは、1つ以上の外因性因子、例えば、薬剤をロードされた胎盤由来の接着細胞エクソソームを含む組成物である。特定の実施形態では、外因性因子、例えば、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームに組み込まれた薬剤は、ポリペプチドを含む。特定の実施形態では、外因性因子、例えば、薬剤は、結合剤、例えば、抗体、例えば、ヒト抗体、ヒト化抗体もしくはキメラ抗体、またはその抗原結合フラグメントなどである。特殊な実施形態では、この抗体は、一価特異的、二価特異的もしくは多価特異的抗体、またはその抗原結合フラグメントである。さらに他の特定の実施形態では、この抗体またはその抗原結合フラグメントは、単鎖抗体またはFabフラグメントである。特定の実施形態では、この抗体またはその抗原結合フラグメントは、標的細胞へは胎盤由来の接着細胞エクソソームの補助なしでは内部移行しないであろう。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームにロードされた外因性因子、例えば、薬剤は、1つ以上の核酸を含む。特定の実施形態では、この1つ以上の核酸は、siRNAまたはmiRNAを含む。特定の実施形態では、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームにロードされた外因性因子、例えば、薬剤は、1つ以上の遺伝子修飾成分を含む。特定の実施形態では、この1つ以上の遺伝子修飾成分は、CRISPR−Casシステムを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、ガイドRNAを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、エンドヌクレアーゼを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、ガイドRNA及びエンドヌクレアーゼを含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、Cas9を含む。さらに特異的な実施形態では、このCRISPR−Casシステムは、Cpf1を含む。特定の実施形態では、この1つ以上の遺伝子修飾成分は、ジンクフィンガーヌクレアーゼを含む。特定の実施形態では、この1つ以上の遺伝子修飾成分は、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)システムを含む。
【実施例】
【0226】
6.実施例
【0227】
6.1.実施例1:エクソソームを単離する方法
胎盤由来の接着細胞エクソソームは、以下の方法によって、CD10
+、CD200
+、CD105
+、CD34
−の胎盤由来の接着細胞培養物から単離した。
【0228】
ウシ胎仔血清(FBS)は、10,000×gで1時間、次いで100,000×gで18時間4℃での超遠心分離によって、混入しているウシのエクソソームを枯渇させた。得られた上清を、貯蔵及び使用の前、0.2μmのフィルターを通してろ過した。エクソソームを枯渇したFBSを、ダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)と24時間混合して、増殖培地を生成した。増殖培地を37℃に温め、胎盤由来の接着細胞を、300〜1,000細胞/cm
2の密度でプレートして、3日間、または細胞培養プラットフォームデバイス(Corning CELLSTACK 10−Tray、CELLBINDコーティング)中で80%コンフルエントまで培養した。胎盤由来の接着細胞エクソソームを、6回継代でプレートして、培養上清を7回継代で収集した。本明細書に記載されるエクソソームを単離するために用いた胎盤由来の接着細胞の胎盤の供給源は、絨毛膜絨毛を含まず、従って、胎盤由来の接着細胞エクソソームを生成するために用いた胎盤由来の接着細胞は、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞を含まない。
【0229】
培養上清の除去後、細胞培養単層をPBSで洗浄し、無血清培地(DMEM及び1×グルタミン)を再補充した。48時間後、無血清培養上清を収集して、下に記載のようにエクソソーム富化及び単離手順に供した。得られた細胞単層を、細胞カウント、エクソソーム収率比較及び比較研究のために回収した。
【0230】
コンフルエントな血清含有及び無血清の培養物からの上清を収集して、500mLのチューブ中で、400×gで5〜15分間、4℃で遠心分離した。次いで、遠心分離した上清を、新しい500mLのチューブに移して、3000×gで20〜60分、4℃で遠心分離した。次いで上清を、適切な超遠心チューブに移して、100,000×gで60分間、4℃で遠心分離した。得られたエクソソーム枯渇の上清の少量のアリコートを、さらなる解析のために保存して、残りは廃棄した。エクソソームを含有するペレットを、PBSまたは注射可能な生理食塩水中に再懸濁し、超遠心分離を繰り返した。その上清を廃棄して、得られたペレットを、PBSまたは注射可能な生理食塩水に再懸濁して、下に記載の実施例によって解析した。再懸濁されたペレットは、FBSを含有する培養物から単離された場合、「増殖エクソソーム」、またはFBSを欠いている培養物から単離された場合「無血清エクソソーム」と呼ぶ。
【0231】
単離されるエクソソーム組成物を、2mLの凍結バイアルにアリコートにして、−20〜−80℃で保管した。
【0232】
6.2.実施例2:胎盤由来接着細胞エクソソームの確認
本明細書に提示される結果によって、実施例1の細胞培養上清から単離された非細胞性物質はエクソソームであることが実証される。
【0233】
6.2.1.エクソソームのマーカー抗体アレイを用いる検出
胎盤由来の接着細胞エクソソームを、セクション6.1.のとおり単離した。単離した物質の400マイクログラムを、製造業者のプロトコールによって、Exo−Check(商標)エクソソーム抗体アレイ(System Biosciences)を用いて解析した。エクソソーム溶解液を、抗体アレイ上で一晩インキュベートして、そのサンプルを、Kodak Gel−Logicシステムを用いて画像化し、2分の露光後に発色させた。
図1(底部)に示されるとおり、胎盤由来の接着細胞エクソソーム物質は、4つのマーカーFLOT−1、ALIX、ANXA5及びTSG101についての検出可能シグナルを生じた。アレイキットの一部として含まれる陽性対照サンプルの使用は、同様にこれらのマーカーの検出可能シグナルを生じた(
図1の上側)。
【0234】
6.2.2.胎盤由来の接着細胞エクソソームサンプルの形状及び大きさの特徴付け
単離されたエクソソームを、陰性染色して、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて画像化し(
図2A)、両方ともエクソソームの特徴である約100nmの直径で、カップ形の形状(矢印)である場合が多い、別個の本体として存在することを見出した。精製されたエクソソームをさらに、ナノ粒子トラッキング解析(nanoparticle tracking analysis:NTA)によって解析して、単離される集団のサイズ分布を決定した。
図2Bに示されるとおり、胎盤由来の接着細胞エクソソームは、他の細胞型から単離されたエクソソームの既知の大きさと一致する、139nmの平均サイズであった。
【0235】
形態学的特徴及び特定されたタンパク質マーカーによって、上記の方法を用いて胎盤由来の接着細胞から単離された物質がエクソソームであることが実証された。
【0236】
6.3.実施例3:胎盤由来接着細胞エクソソームの精製
6.3.1.サイズ排除高速液体クロマトグラフィーによるエクソソーム精製
胎盤由来の接着細胞エクソソームを、セクション6.1と同様に単離し、さらに、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE−HPLC)によって解析した。絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞(MSC)からのエクソソームの溶出プロファイルを、血清含有(「増殖上清」)及び無血清(「無血清上清」)の胎盤由来の接着細胞培養物から得たエクソソームと比較した。エクソソーム調製物の溶出プロファイル(
図3B〜
図3D、矢印)を、既知の培養培地混入物の溶出ピークと比較して解析した(
図3A)。
【0237】
絨毛膜絨毛MSCエクソソームは、検出可能なレベルの混入物サイログロブリン及びBSAを含んだ(
図3B)。増殖上清の胎盤由来の接着細胞エクソソームはまた、検出可能なレベルのサイログロブリン及びBSA(
図3C)を含んだが、無血清上清の胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルではなんらこのような混入物を含まなかった(
図3D)。増殖上清または無血清培養物のいずれかから単離されたエクソソームの溶出プロファイルを、陽性対照のエクソソームのものと一致するピークで特徴付けた。無血清培養物エクソソームの場合には、溶出プロファイルは、予想されるエクソソーム溶出画分における単一の種として存在した(
図3D)。これらの結果によって、さらに、単離される胎盤由来の接着細胞の微小胞がエクソソームであること、及び無血清条件で増殖された細胞から単離されたエクソソームが、FBSの存在下で増殖された細胞から調製されたエクソソームと比較して代表的な混入物を欠くことが実証される。
【0238】
6.4.実施例4:胎盤由来接着細胞エクソソーム分子マーカー
本研究では、FACSを用いて、細胞表面マーカーのどのパネルが、エクソソームの表面に含まれるか、及び他の細胞型由来のエクソソームと比較して、胎盤由来の接着細胞エクソソームに対してどの表面マーカーが固有であるかを検査した。
【0239】
表面マーカータンパク質に加えて、エクソソームは、miRNAを含む小さい核酸を含んでもよいことが知られている。エクソソーム内に含まれるmiRNAの組成物は、エクソソームが由来した細胞型の間で異なってもよく、miRNAの存在及び量は、リアルタイムPCR(RT−PCR)を含めて、当該分野で公知の方法によって決定され得る。この研究では、胎盤由来の接着細胞エクソソームのmiRNA含量を検査して、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞由来のエクソソームと比較した。
【0240】
6.4.1.胎盤由来の接着細胞エクソソーム表面マーカー
セクション6.1のように単離した胎盤由来の接着細胞エクソソームを、FACSによって解析して、表面マーカーの組成物を、絨毛膜絨毛MSCまたは前脂肪細胞MSCのいずれかから単離されたエクソソームと比較した。これらの3つの細胞型由来のエクソソームは、いくつかの表面マーカーを示差的に含むことが確認された(表1)。FACS解析を用いて、胎盤由来の接着細胞由来のエクソソームは、絨毛膜絨毛MSCまたは前脂肪細胞MSC由来のエクソソームと比較して、これらのエクソソームが固有かまたは富化されている多数のマーカーを含むことを見出した。エクソソーム絨毛膜絨毛MSCまたは前脂肪細胞MSCから単離されたエクソソームと比較して、胎盤由来の接着細胞エクソソームは、CD10及びCD55(その両方とも両方の間葉系幹細胞エクソソーム集団では欠けていた)を含んだ。胎盤由来の接着細胞エクソソームはまた、高レベルのCD49c、CD82、CD90、及びCD142、例えば、0.5〜1対数の高レベルを、2つの間葉系幹細胞エクソソーム集団と比較して含んだ(表1)。逆に、胎盤由来の接着細胞エクソソームは、2つの間葉系幹細胞エクソソーム集団と比較して、低いレベルの、例えば、0.5〜1対数低いレベルのCD164を含んだ(表1)。胎盤由来の間葉系幹細胞エクソソームはまた、前脂肪細胞MSCエクソソームで検出されなかった、検出可能なレベルのCD295を含んだ(示さず)。表1に示すとおり、各々の進入における「+」の記号の数は、示したマーカーのレベルと相関しているが、「−」の記号は、示したマーカーが検出可能なレベルではないことを示す。
表1:前脂肪細胞MSCエクソソーム及び絨毛膜絨毛MSCエクソソームと比較した胎盤由来の接着細胞エクソソームの表面抗原
【表1】
【0241】
6.4.2.胎盤由来接着細胞エクソソームmiRNAマーカー
6.4.2.1.胎盤由来の接着細胞エクソソーム及び絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞エクソソームは、それらのmiRNA含量が異なる
胎盤由来の接着細胞エクソソームを、製造業者のプロトコール(System Biosciences)によるExoquick(商標)沈殿方法を用いて単離した。培養上清は、3000×gで15分間遠心分離し、得られたペレットを廃棄した。2ミリリットルの得られた上清を、10mlの組織培養上清に添加し、反転して混合した。得られた混合物を、4℃で一晩インキュベートした。インキュベーション後、その混合物を30分間1500×gで遠心分離し、その上清を廃棄して、ペレットを単離した。残りの液体を、1500×gでさらに5分間の遠心分離後の吸引によって除去した。そのペレットを、200ulのPBS中に再構築した。
【0242】
単離された胎盤由来の接着細胞エクソソーム及び絨毛膜絨毛MSCエクソソーム(Salomon et al.,2013,PLOS ONE,8:7,e68451)を溶解して、RNAを、製造業者の指示に従って、Ambion’s mirVana miRNA単離キット(カタログ番号1566)を用いて単離した。要するに、エクソソームを、溶解/結合緩衝液(Lysis/Binding Buffer)(miRNAホモジネート添加物(Homogenate Additive)を補充)を用いて、氷上で10分間溶解し、RNAを、酸−フェノール:クロロホルム抽出物を用いて単離し、エタノール洗浄で沈殿させた。50ナノグラムの精製RNAを、逆転写して、17のmiRNAについてのプローブセット及び対照のRNA RNU44を用いて、TaqMan(登録商標)qPCRシステム(Life Technologies)によってサンプルを増幅した。各々のサンプルについてCt値を算出した。
【0243】
図4Aに示すとおり、胎盤由来の接着細胞エクソソームは、絨毛膜絨毛MSCと比較して、3つの群の各々で解析した、高ベルの全てのmiRNAを含む。これらのデータによってさらに、本明細書に記載される胎盤由来の接着細胞エクソソームが、miRNA含量に基づいて、絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞エクソソームとは別個であることが示される。miRNA miR−451、miR−142−3p、miR−16−5p、miR−296−5p、miR−233−3p、miR−92、Let−7d*、miR−422a、及びmiR−133bは全てが、胎盤由来の接着細胞エクソソームと比較して、絨毛膜絨毛間葉細胞エクソソームについて2を超えるCt値の相違を示したことが示され(表2を参照のこと)、これによって、胎盤由来の接着細胞エクソソーム中のこれらのmiRNAの有意に高い存在が示される。示されるデータは、三連で行った1つの実験由来である。
表2:胎盤由来の接着細胞エクソソーム及び絨毛膜絨毛の間葉系幹細胞エクソソーム由来のmiRNAのCt値
【表2】
【0244】
6.4.3.胎盤由来接着細胞エクソソームは、血管形成タンパク質を含む
血管形成の分泌されたサイトカインについての胎盤エクソソームの含量をプロファイリングするために、Angioplexを、Human Mag Beadキット,HAGP1MAG−12K(Millipore)を用いて行った。このキットは、以下の17のサイトカインを検出するための分析物を備える:レプチン、エンドグリン、ホリスタチン、HGF、アンジオポイエチン−2、G−CSF、FGF−1、FGF−2、VEGF−A、VEGF−C、VEGF−D、EGF、エンドセリン−1、BMP−9、IL−8、HB−EGF、及びPLGF。エクソソームは、製造業者の示唆されるプロトコールに従って解析した。
【0245】
増殖エクソソーム及び無血清エクソソームは、実施例1に記載のとおり単離した。そのエクソソームは、血管形成分析物検出プロファイリングのために10.8×に希釈した、PBS中に含まれる100μgのタンパク質濃度の調製物を用いて調製した。エクソソームを、表面マーカー解析のためにエクソソームを分散する水浴中で、またはエクソソーム内解析のためにエクソソームを溶解するプローブを用いて超音波処理した。比較のために、増殖培地除去した細胞(「富化前馴化(pre−enrichment conditioned)」)ならびにエクソソーム及び他の細片を除去するために超遠心分離した増殖培地(「エクソソーム枯渇(exosome depleted)」)を、同じ方法を用いて解析した。
【0246】
胎盤由来の接着細胞エクソソームは、検出可能なレベルのいくつかのサイトカインを提示しており、これには、HGF及びVEGF−A(
図4B)、エンドグリン及びレプチン(
図4C)、アンジオポイエチン−2、G−CSF、ホリスタチン、FGF−2、及びIL−8(示さず)を含む。これらのサイトカインのほぼ全てが、試験された全ての増殖培地中で低レベルで存在し、これは、このサイトカインレベルが特にエクソソームに関連することを示している。これらのデータによって、胎盤由来の接着細胞エクソソームが、血管形成を促進することが公知のタンパク質因子を含むことが示される。
【0247】
6.5.実施例5:胎盤由来接着細胞エクソソーム標識及び細胞取り込み
単離された胎盤由来の接着細胞エクソソームが、培養された細胞へそれらの内容物を送達できるか否かを決定するために、エクソソームの取り込みアッセイを、TruCultureチューブに採取した血液を用いて行った。単離した胎盤由来の接着細胞エクソソーム(セクション6.1を参照のこと)を、1mlのエクソソーム懸濁物に2μlのPKH26を添加することによって、2μMのフルオロフォアPKH26を用いて標識して、暗野で、5分間室温でインキュベートした。エクソソームを、製造業者の指示に従って、Centricon 10kDa分子量カットオフカラムを用いて回収した。標識したエクソソームを、200μlのTruCulture血液調製物に添加し、37℃で5%のCO
2中で24時間インキュベートした。インキュベーション後、100μlの血液を、暗野で室温で15分間、白血球系列の特異的な抗体で染色した。インキュベーション後、赤血球をACK溶解溶液で溶解し、PBS、1%FBSで3×洗浄した。特定の白血球集団へのエクソソーム取り込みは、FlowJoソフトウェア及びPKH26蛍光における系列特異的なゲーティングによって決定した。
図5に示すとおり、PKH26について陽性染色されたいくつかの系列の種類によって、胎盤由来の接着細胞エクソソームが、培養細胞によって取り込まれ得ることが示されている。
【0248】
6.6.実施例6:胎盤由来接着細胞エクソソームは、ヒト血管内皮細胞の増殖を増強する
ヒト血管内皮細胞(HUVEC)を、マトリゲル上に14,000細胞/ウェルの濃度でプレートし、血清なしの漸増量の胎盤由来の接着細胞エクソソーム(セクション6.1を参照のこと)、血清なしの3×10
4個の胎盤由来の接着細胞、または培養培地単独のいずれかとともにインキュベートした。
図6に示すとおり、HUVECの増殖は、培養物に添加した胎盤由来の接着細胞エクソソームの濃度と相関した。これらのデータによって、胎盤由来の接着細胞エクソソームが、培養されたヒト細胞の増殖を増強し得ることが示される。
【0249】
6.7.実施例7:全血におけるサイトカイン産生に対するエクソソーム媒介性の効果
6.7.1.実験デザイン
免疫原性の刺激の結果としての血液中のサイトカイン発現に関するインビトロモデルを用いた。培養チューブ中では、2mlのMyriad RBM TruCulture(商標)培地を、1mlの全ヒト血液及び漸増量の胎盤由来の接着細胞エクソソーム(0、6、12、24、47及び94μg/ml)または胎盤由来の接着細胞(2.5、5、10、20または40×10
3細胞)とともに、24時間の10ng/mlのリポポリサッカライド(LPS)での刺激前に1時間インキュベートした。培養された血液中で産生されたサイトカインは、HCYTOMAG−60K|MILLIPLEX MAP Human Cytokine/Chemokine Magnetic Bead Panel − Immunology Multiplex Assay(Millipore)を用いて検出した。
【0250】
6.7.2.胎盤由来接着細胞及び胎盤由来接着細胞エクソソームは、全血中のサイトカイン産生を変更する
図7Aに示されるとおり、胎盤由来の接着細胞及び胎盤由来の接着細胞エクソソームは、特定のサイトカインのレベルを用量依存性の方式で低下する。増殖促進性のサイトカインTNF−α、IL−12p40、MIP1b及びIL−1Bは全てが、漸増量の胎盤由来の接着細胞または胎盤由来の接着細胞エクソソームとともに、LPS刺激性の全血中でインキュベートされた場合に低下した。逆に、MCP1レベルは、胎盤由来の接着細胞及び胎盤由来の接着細胞エクソソームの両方によって、刺激された全血中で増大され、このことは、胎盤由来の接着細胞及び胎盤由来の接着細胞エクソソームが、培養された細胞中でサイトカイン産生に影響し得ることを示している。
【0251】
6.7.3.胎盤由来接着細胞及び胎盤由来接着細胞のエクソソームは、刺激された血液におけるサイトカインのサブセットを示差的に調節する
図7Bに示されるとおり、胎盤由来の接着細胞エクソソームは、胎盤由来の接着細胞の存在下で増強される特定のサイトカインのレベルを増強しない。炎症に関連するサイトカインである、IFN−γ、IL−6、IL−8及びGM−CSFは、刺激された全血中の胎盤由来の接着細胞エクソソームの存在では増強されなかった。この知見によって、胎盤由来の接着細胞エクソソームは、それらが誘導された細胞の影響よりも培養された血液に対して異なる影響を発揮することが示される。
【0252】
6.8.実施例8:胎盤由来接着細胞のエクソソームは、インビトロで血管形成を促進する。
ヒト血管内皮細胞(HUVECs)は3継代または4継代で、48ウェルのマイクロタイターディッシュに、1ウェルあたり28,000細胞の密度でプレートした。細胞は、0.5mLのPBDかまたはEBM−2培養培地(Lonza)のいずれかの中で、GRF−Matrigel上で3日間維持した。次いで、HUVECを、血清含有(「増殖エクソソーム」)または無血清(「SFエクソソーム」)のいずれかの胎盤由来の接着細胞培養物から単離した種々の濃度の胎盤由来の接着細胞とともにインキュベートした。HUVEC増殖パターンには、結節形成及び管部分の長さ(tube segment length)(血管形成能の代わり)を含み、これを、全部で18〜19時間の間、2時間ごとにモニターした。HUVEC増殖パラメーターを、IncuCyte生細胞画像化システム(Essen BioScience)を用いて決定し、ImageJを用いて定量した。
【0253】
6.8.1.増殖エクソソーム及び無血清エクソソームは、HUVEC管形成を促進する。
図8Aに示すとおり、増殖エクソソームは、管部分の長さ及び分岐ポイントの頻度を、培養されたHUVECにおいて、用量依存性の方式で増大した。PBSとともにインキュベートしたHUVECと比較して、5μg/ウェル〜100μg/ウェルにおよぶ濃度における単離された精製されたエクソソームは、管部分の長さを増大した(8A、左)。同様に、増殖エクソソームで処置されたHUVECは、PBSで処置したHUVECと比較して結節の数が多かった(8A、右側)。
【0254】
増殖エクソソームで観察された結果と同様に、無血清培養物から単離された胎盤由来の接着細胞エクソソームは、HUVECの管部分の長さ及び分岐ポイント頻度を増大した。
図8Bに示されるとおり、5μg/ウェル〜100μg/ウェルの濃度におよぶエクソソームの存在下で培養されたHUVECは、PBSの存在下で培養されたHUVECと比較して、管部分の長さ(8B、左)、及び分岐ポイント頻度を増大した(8B、右側)。これらの結果、単離される胎盤由来の接着細胞エクソソームが、血管細胞増殖及び血管分岐頻度をインビトロで増殖し得ることが示され、これによって、血管形成促進因子として胎盤由来の接着細胞エクソソームの役割が示される。
【0255】
6.8.2.胎盤由来接着細胞エクソソームは、HUVEC細胞で遺伝子発現を変更する。
継代3のHUVEC細胞(Lonza Lot 8F3265;032514AR)を、完全EGM−2培地で4継代まで増殖させた。細胞を回収し、フィブロネクチンコーティングされたプレートに高密度で播種し、約100%コンフルエントまで3時間結合させた。細胞を、EBM−2培地中で約2時間血清の非存在下で培養した。培養したHUVECを、胎盤由来の接着細胞培養上清、50μgの胎盤由来の接着細胞エクソソーム、または対照として培養培地とともにインキュベートした。HUVEC上清及び細胞溶解液を、4、24、及び48時間収集し、遺伝子発現をこれらの早期、中期及び後期の時点で解析した。
【0256】
RNAは、製造業者の推奨するプロトコールにしたがって、Qiagen’s Rneasy Mini Kit(カタログ番号74134)を用いて単離した。3.5ugのRNAを、VILO RT MMを用いて逆転写し、40ngのcDNAを、Taqman Fast Universal PCR Master Mix及びTaqman Human VEGF Pathway Array 96ウェルFast Platesを用いて、RT−PCRによって解析した。
【0257】
VEGF経路アレイの結果を、
図8Cに示す(影が濃いほど、高い発現レベルを示す)。とりわけ、HUVECは、いずれの条件下でもACTA1、BAD、CASP9、MAP2K1、PLCG1、及びSHC1を発現できなかったが、26/44VEGF経路遺伝子は、胎盤由来の接着細胞エクソソーム及び/または胎盤由来の接着細胞培養上清で処置されたHUVECで上方制御された(
図8C)。重要なことに、これらの遺伝子のうちの多くが、血管形成で重要な役割を果たすことが公知である。
【0258】
いくつかの遺伝子発現のサブクラスは、胎盤由来の接着細胞エクソソーム及び/または胎盤由来の接着細胞培養上清によって、(i)細胞運動性(
図8D)、(ii)細胞増殖(
図8E−F)、及び(iii)一酸化窒素産生、細胞透過性及び細胞生存(
図8G)に関連する遺伝子を含む対照処置のHUVECと比較して変更された。これらの結果によって、胎盤由来の接着細胞エクソソームは、血管細胞の遺伝子発現プログラムを、例えば、増殖状態へ変更し得ることが示される。これらの結果によってまた、エクソソームの効果は、胎盤由来の接着細胞培養上清によって誘導される効果とは別個であり得ることも実証される。
【0259】
6.8.3.実施例9:胎盤由来接着細胞エクソソームは、マクロファージにおけるサイトカイン産生を変更する
単離された単球を、GM−CSFの存在下で、マクロファージへ分化されるまで7〜10日間培養した。5×10
4個のマクロファージを、胎盤由来の接着細胞エクソソームまたは胎盤由来の接着細胞及び100ng/mLのLPSとともに22〜24時間同時培養した。分泌されたサイトカインを、ヒト免疫多重パネル(Millipore,HCYTO−MAG−60K)を用いてプロファイリングした。アッセイは、Luminex FlexMAP−3Dシステムを用いて製造業者のプロトコールによって行った。
【0260】
図9Aに示されるとおり、胎盤由来の接着細胞及び胎盤由来の接着細胞エクソソームは、単球由来のマクロファージによって産生される特異的なサイトカインのレベルを用量依存性の方式で変更した。具体的には、TNF−α及びMCP−1は両方とも、漸増量の胎盤由来の接着細胞エクソソームとともに、LPS刺激のマクロファージの存在下でインキュベートされた場合、低下した。胎盤由来の接着細胞は、マクロファージ培養物中のMCP−1のレベルを低下しなかった。
【0261】
図9Bに示されるとおり(左の中心)、胎盤由来の接着細胞エクソソーム及び胎盤由来の接着細胞は両方とも、培養されたマクロファージにおいてTNF−α分泌を抑制したが、胎盤由来の接着細胞エクソソームは、培養されたマクロファージ中で、サイトカイン分泌(例えば、IL−8分泌)を広範に抑制し、胎盤由来の接着細胞は抑制しなかった。特に、これは、全血中で観察されたサイトカイン発現における変化と対照的である(実施例7を参照のこと)。これらの結果、胎盤由来の接着細胞エクソソームは、エクソソームが由来する細胞から、別個の方式で、培養された免疫細胞中でのサイトカイン発現を変更し得ることが示される。単球由来のマクロファージを、溶解された胎盤由来の接着細胞エクソソームとともにインキュベートした場合、IL−8抑制は、インタクトな胎盤由来の接着細胞エクソソームとともにインキュベートされた培養物と比較したとき減弱されている(
図9B、右側)。これらの結果によって、観察されるエクソソームの効果はエクソソーム自体の存在に起因するのであり、単にエクソソームを作製する構成要素の混合物に起因するのではないことが示される。
【0262】
均等物:
本開示は、本明細書に記載される特定の実施形態による範囲に限定されるものではない。実際、本明細書に提供される主題の種々の改変は、記載されるものに加えて、前述の説明及び添付の図面から当業者に明白であろう。このような改変は、添付の特許請求の範囲内におさまるものとする。
【0263】
種々の刊行物、特許及び特許出願を本明細書に引用しており、その開示は、その全体が参照によって本明細書に援用される。