特表2017-536490(P2017-536490A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-536490高水圧対応のマッドバランス管推進機の到達部装置及び工法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-536490(P2017-536490A)
(43)【公表日】2017年12月7日
(54)【発明の名称】高水圧対応のマッドバランス管推進機の到達部装置及び工法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/04 20060101AFI20171110BHJP
   E21D 9/06 20060101ALI20171110BHJP
【FI】
   E21D9/04 F
   E21D9/06 311Z
   E21D9/06 301E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-573991(P2016-573991)
(86)(22)【出願日】2015年12月10日
(85)【翻訳文提出日】2017年1月10日
(86)【国際出願番号】CN2015000884
(87)【国際公開番号】WO2017075742
(87)【国際公開日】20170511
(31)【優先権主張番号】201510752859.2
(32)【優先日】2015年11月4日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516376536
【氏名又は名称】中鉄十八局集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】彭仕国
(72)【発明者】
【氏名】韓利民
(72)【発明者】
【氏名】潘建立
(72)【発明者】
【氏名】張▲ビン▼梁
(72)【発明者】
【氏名】高海東
(72)【発明者】
【氏名】黄欣
(72)【発明者】
【氏名】劉応亮
(72)【発明者】
【氏名】馬勝利
(72)【発明者】
【氏名】羅興虎
(72)【発明者】
【氏名】宮大輝
【テーマコード(参考)】
2D054
【Fターム(参考)】
2D054AC15
2D054EA07
(57)【要約】
【課題】 高水圧対応のマッドバランス管推進機の到達部装置及び工法を提供することを課題とする。
【解決手段】 高水圧対応のマッドバランス管推進機の到達部装置及び工法であって、ワイヤブラシを到達部圧力チャンバーの1層目止水材として用い、十分の支圧能力を持たせて管セクション外壁の水土圧力に耐えられ、土砂流出を防止し;2層目はゴム止水材で止水し;そして2層の止水材間にポリウレタン樹脂を注入して管推進機と地層の水系統連絡を閉塞し、管セクション外壁と到達口管の間に泥水を注入して閉塞することで、到達部チャンバーを開けても漏水がなく、スムーズに管推進機の到達作業を完成させる。従来技術に比べると、本発明は、マッドバランス管推進機作業過程の透水、漏水事故を効果的に阻止でき、大幅に工法実施の安全性を向上する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高水圧対応のマッドバランス管推進機の到達部装置であって、該装置は管推進機カッターヘッド(4)と到達口管(6)とフロントチャンバー(7)とセンタチャンバー(8)とリアチャンバー(9)と圧力逃し管(10)と圧力逃し管のバルブ(11)と到達部チャンバー台座(12)と管推進機到達受台(13)と泥水タンク(14)と覗き窓(15)、井字形リブプレート(16)とボルト穴(17)と排泥孔(18)とフロントチャンバー補強リブプレート(19)とセンタチャンバー補強リブプレート(20)と予備グラウトホース(21)とワイヤブラシ型止水材(22)とゴム止水材(23)と、を含み、
前記フロントチャンバー(7)、前記センタチャンバー(8)、前記リアチャンバー(9)は、順次に繋がって到達部チャンバー本体を構成し、前記チャンバー本体が前記到達部チャンバー台座(12)上に取り付けられ;前記管推進機カッターヘッド(4)が前記チャンバー本体の前端に設けられ且つパイプルーフの管セクション(5)と接触し、
前記到達部チャンバー台座(12)は、前記管推進機到達受台(13)上に取り付けられ、前記フロントチャンバー(7)と前記到達口管(6)がボルトを通じて固結し;前記管推進機到達受台(13)がパイプルーフ施工の作業坑(1)の側壁と鉄筋コンクリートの地下連続壁(2)の間に設けられ;前記圧力逃し管(10)の一端が前記リアチャンバー(9)と連なり、且つ前記圧力逃し管(10)上に前記圧力逃し管のバルブ(11)を設け、前記圧力逃し管(10)の他端が前記泥水タンク(14)と連なり;前記リアチャンバー(9)の端面上に前記井字形リブプレート(16)を設け、前記リアチャンバー(9)の端面頂部に前記覗き窓(15)を設け、前記リアチャンバー(9)の端面底部に前記排泥孔(18)を設け;前記リアチャンバー(9)の端面上に前記ボルト穴(17)を均一且つ対称的に設け;前記フロントチャンバー(7)の外周に前記フロントチャンバー補強リブプレート(19)を溶接しており;前記センタチャンバー(8)の外周に前記センタチャンバー補強リブプレート(20)を溶接しており;前記到達口管(6)と前記フロントチャンバー(7)と間の前記チャンバー本体上に前記ワイヤブラシ型止水材(22)を設け;前記フロントチャンバー(7)と前記センタチャンバー(8)と間の前記チャンバー本体上にゴム止水材(23)を設け;前記予備グラウトホース(21)は前記到達口管(6)と前記ワイヤブラシ型止水材(22)との間の前記チャンバー本体上及び前記ワイヤブラシ型止水材(22)と前記ゴム止水材(23)との間の前記チャンバー本体上に設けられる特徴とする高水圧対応のマッドバランス管推進機の到達部装置。
【請求項2】
高水圧対応のマッドバランス管推進機到達工法であって、前記工法の流れは、次の通りとし、
S1:管推進機到達受台(13)上にフロントチャンバー(7)、センタチャンバー(8)、リアチャンバー(9)の順通り組み立てた後ボルトで到達口管(6)と繋がり、
S2:圧力逃し管(10)から到達部チャンバーに清浄水を満たし、前記到達部チャンバーの気密性、浸水・漏水箇所の検査し、ボルトの締め付け、接合ゴムパッキン交換等の措置を行って補修し、合格後前記到達部チャンバーの水が空になるまで排出し、圧力逃し管のバルブ(11)を開けてマッドバランスの泥水を満たし、
S3:管推進機(4)の到達前に測量結果によってカッターヘッド姿勢を調整し、前記管推進機(4)が良好な姿勢で前記到達部チャンバーに到達させ、
S4:前記管推進機(4)の掘進速度を1cm/min以内に制御し、減速して坑口部無筋コンクリート(3)の鏡切りを行って前記到達部チャンバーに貫入し、前記圧力逃し管のバルブ(11)を閉め、
S5:前記管推進機(4)全体が前記到達部チャンバーの到達指定位置に入り、チャンバー内の泥水を抜き、泥水管路を洗浄し、前記管推進機(4)の操作を停止し、
S6:予備グラウトホース(21)は、2層の止水材間に向かってポリウレタン樹脂を注入し止水(前記予備グラウトホースがフロントチャンバーの直上、左下及び右下という3つの位置に配置され、周方向120度配置となる)し;グラウトは小型エアー式グラウトポンプを用い、先に下側の予備グラウトホースに注入してから上部の予備グラウトホースに注入し、グラウト時のグラウト速度ができる限りゆっくり、グラウトの流出を避け、ポリウレタン樹脂とワイヤブラシを十分結合して一体に形成し、地層中の土砂流出を防止し、フロントチャンバー(7)とセンタチャンバー(8)の水系統連絡を閉塞し、
S7:前記ポリウレタン樹脂が凝固してから止水効果を検査し、前記予備グラウトホースを開け、鉄筋でグラウト導管をチャンバー内まで浚い、浸水がないと、到達口管のグラウトを行うことができ;浸水があれば、浸水部位にポリウレタン樹脂を注入し、
S8:前記到達口管(6)上の前記予備グラウトホースから泥水(前記予備グラウトホースが前記到達口管の直上、左下及び右下という3つの位置に配置され、周方向120度配置となる)を注入し;グラウト時、油圧グラウトポンプを用い、先に一側の予備グラウトホースに注入し、他側の予備グラウトホースを開け、他側の予備グラウトホースからグラウト液が流出した時、前記グラウトホースを閉め、そして上部の予備グラウトホースを開け、グラウト液が流出した時、前記予備グラウトホースを閉め;グラウトの圧力が過大の場合、その他の予備グラウトホースに変わってグラウトし、管セクション外壁と前記到達口管との間の空隙をグラウト液で満たし、フロントチャンバー(7)、到達口管(6)と地層中水の連絡を閉塞し、
S9:泥水が凝固してからグラウト効果を検査し、前記予備グラウトホースを開け、グラウト管を前記到達口管内まで浚い、浸水がない場合、チャンバーを開けて到達作業を行うことができ;浸水がある場合、浸水部位に泥水を注入し、
S10:グラウト効果の検査に合格した後、排泥孔(18)を開けてチャンバー内の泥水を排出し、後蓋を開いて直接チャンバー内に漏水又は浸水現象の有無を点検し、漏水がない時センタチャンバー(8)及びリアチャンバー(9)の上半円部分を解体し、チャンバー内の泥水、砂利を清掃し、前記管推進機(4)を引き上げると、直ちにその下半円部分を解体し、
S11:前記管推進機(4)後の1、2セクション目の管セクション(5)内の予備サヤ管位置に2液性グラウトを注入して止水し、完全に前記到達口管(6)と地層中水の連絡を遮断し;グラウト完成後管内の配線・配管の解体作業を開始でき、
S12:2液性グラウトが凝固してからサヤ管を開いて止水効果を検査し、浸水のある部位にグラウトし;グラウト効果が要求を満たした後、フロントチャンバー及びリングを解体し、直ちに鋼板で前記管セクション(5)と前記到達口管(6)と間の隙間を閉塞し、
S13:管内の配線・配管を全て解体した後、泥水置換グラウトを行い、到達作業を完成する
ことを特徴とする高水圧対応のマッドバランス管推進機到達工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッドバランス管推進技術分野に属し、高水圧対応のマッドバランス管推進機到達部装置及び工法に関する。
【背景技術】
【0002】
マッドバランス管推進機の鏡切到達は、特に、地下水が豊富で、土質が軟弱であり、水圧が大きな複雑地質地層において、管推進施工中の重大なリスクポイントの1つである。管推進機が到達部圧力チャンバーに入った後、到達部チャンバーを開けてカッターヘッドを処理し、配線・配管を取り外す必要がある。到達部チャンバーを開ける過程中、地下水が豊富で且つ圧力が大きく、管セクション外壁の土壌体が洗掘しやすく、湧水、ボイリングが現れ、地層中の土砂を流出させ、管推進曲線線形及びパイプルーフ施工に影響を及ぼし、土砂流出量が過大となることで、地表面の沈下或いは亀裂等の安全上の問題が起きる恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ワイヤブラシを到達部圧力チャンバーの1層目止水材として用い、十分の支圧能力を持たせて管セクション外壁の水土圧力に耐えられ、土砂流出を防止し;2層目はゴム止水材で止水し;そして2層の止水材間にポリウレタン樹脂を注入して管推進機と地層の水系統連絡を閉塞し、管セクション外壁と到達口管の間に泥水を注入して閉塞することで、到達部チャンバーを開けても漏水がなく、スムーズに管推進機の到達作業を完成させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明が用いる技術的手段としては、高水圧対応のマッドバランス管推進機到達部装置であり、該装置が管推進機カッターヘッド4と到達口管6とフロントチャンバー7とセンタチャンバー8とリアチャンバー9と圧力逃し管10と圧力逃し管のバルブ11と到達部チャンバー台座12と管推進機到達受台13と泥水タンク14と覗き窓15、井字形リブプレート16とボルト穴17と排泥孔18とフロントチャンバー補強リブプレート19とセンタチャンバー補強リブプレート20と予備グラウトホース21とワイヤブラシ型止水材22とゴム止水材23と、を含み;
フロントチャンバー7、センタチャンバー8、リアチャンバー9は、順次に繋がって到達部チャンバー本体を構成し、チャンバー本体が到達部チャンバー台座12上に取り付けられ;管推進機カッターヘッド4がチャンバー本体の前端に設けられ且つパイプルーフの管セクション5と接触し;
到達部チャンバー台座12は、管推進機到達受台13上に取り付けられ;フロントチャンバー7と到達口管6がボルトを通じて固結し;管推進機到達受台13がパイプルーフ施工の作業坑1の側壁と鉄筋コンクリートの地下連続壁2の間に設けられ;圧力逃し管10の一端がリアチャンバー9と連なり、且つ圧力逃し管10上に圧力逃し管のバルブ11を設け、圧力逃し管10の他端が泥水タンク14と連なり;リアチャンバー9の端面上に井字形リブプレート16を設け、リアチャンバー9の端面頂部に覗き窓15を設け、リアチャンバー9の端面底部に排泥孔18を設け;リアチャンバー9の端面上にボルト穴17を均一且つ対称的に設け;フロントチャンバー7の外周にフロントチャンバー補強リブプレート19を溶接しており;センタチャンバー8の外周にセンタチャンバー補強リブプレート20を溶接しており;到達口管6とフロントチャンバー7と間のチャンバー本体上にワイヤブラシ型止水材22を設け;フロントチャンバー7とセンタチャンバー8と間のチャンバー本体上にゴム止水材23を設け;予備グラウトホース21は到達口管6とワイヤブラシ型止水材22との間のチャンバー本体上及びワイヤブラシ型止水材22とゴム止水材23との間のチャンバー本体上に設けられる。
【0005】
高水圧対応のマッドバランス管推進機到達工法であって、該工法の流れは、次の通りとする。
【0006】
S1:図1に示すように、管推進機到達受台13上にフロントチャンバー7、センタチャンバー8、リアチャンバー9の順通り組み立てた後ボルトで到達口管6と繋がる。
【0007】
S2:圧力逃し管10から到達部チャンバーに清浄水を満たし、到達部チャンバーの気密性、浸水・漏水箇所の検査し、ボルトの締め付け、接合ゴムパッキン交換等の措置を行って補修し、合格後到達部チャンバーの水が空になるまで排出し、圧力逃し管のバルブ11を開けてマッドバランスの泥水を満たす。
【0008】
S3:管推進機4の到達前に測量結果によってカッターヘッド姿勢を調整し、管推進機4が良好な姿勢で到達部チャンバーに到達させる。
【0009】
S4:管推進機4の掘進速度を1cm/min以内に制御し、減速して坑口部無筋コンクリート3の鏡切りを行って到達部チャンバーに貫入し、圧力逃し管のバルブ11を閉める。
【0010】
S5:管推進機4全体が到達部チャンバーの到達指定位置に入り、チャンバー内の泥水を抜き、泥水管路を洗浄し、管推進機4の操作を停止する。
【0011】
S6:図3に示すように、予備グラウトホース21は、2層の止水材間に向かってポリウレタン樹脂を注入し止水(予備グラウトホースがフロントチャンバーの直上、左下及び右下という3つの位置に配置され、周方向120度配置となる)し;グラウトは小型エアー式グラウトポンプを用い、先に下側の予備グラウトホースに注入してから上部の予備グラウトホースに注入し、グラウト時のグラウト速度ができる限りゆっくり、グラウトの流出を避け、ポリウレタン樹脂とワイヤブラシを十分結合して一体に形成し、地層中の土砂流出を防止し、フロントチャンバー7とセンタチャンバー8の水系統連絡を閉塞する。
【0012】
S7:ポリウレタン樹脂が凝固してから止水効果を検査し、予備グラウトホースを開け、鉄筋でグラウト導管をチャンバー内まで浚い、浸水がないと、到達口管のグラウトを行うことができ;浸水があれば、浸水部位にポリウレタン樹脂を注入する。
【0013】
S8:到達口管6上の予備グラウトホースから泥水(予備グラウトホースが到達口管の直上、左下及び右下という3つの位置に配置され、周方向120度配置となる)を注入し;グラウト時、油圧グラウトポンプを用い、先に一側の予備グラウトホースに注入し、他側の予備グラウトホースを開け、他側の予備グラウトホースからグラウト液が流出した時、該グラウトホースを閉め、そして上部の予備グラウトホースを開け、グラウト液が流出した時、該予備グラウトホースを閉め;グラウトの圧力が過大の場合、その他の予備グラウトホースに変わってグラウトし、管セクション外壁と到達口管との間の空隙をグラウト液で満たし、フロントチャンバー7、到達口管6と地層中水の連絡を閉塞する。
【0014】
S9:泥水が凝固してからグラウト効果を検査し、予備グラウトホースを開け、グラウト管を到達口管内まで浚い、浸水がない場合、チャンバーを開けて到達作業を行うことができ;浸水がある場合、浸水部位に泥水を注入する。
【0015】
S10:グラウト効果の検査に合格した後、排泥孔18を開けてチャンバー内の泥水を排出し、後蓋を開いて直接チャンバー内に漏水又は浸水現象の有無を点検し、漏水がない時センタチャンバー8及びリアチャンバー9 の上半円部分を解体し、チャンバー内の泥水、砂利を清掃し、管推進機4を引き上げると、直ちにその下半円部分を解体する。
【0016】
S11:管推進機4後の1、2セクション目の管セクション5内の予備サヤ管位置に2液性グラウトを注入して止水し、完全に到達口管6と地層中水の連絡を遮断し;グラウト完成後管内の配線・配管の解体作業を開始できる。
【0017】
S12:図4に示すように、2液性グラウトが凝固してからサヤ管を開いて止水効果を検査し、浸水のある部位にグラウトし;グラウト効果が要求を満たした後、フロントチャンバー及びリングを解体し、直ちに鋼板で管セクション5と到達口管6と間の隙間を閉塞する。
【0018】
S13:管内の配線・配管を全て解体した後、泥水置換グラウトを行い、到達作業を完成する。
【発明の効果】
【0019】
従来技術に比べると、本発明は、マッドバランス管推進機作業過程の透水、漏水事故を効果的に阻止でき、大幅に工法実施の安全性を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】マッドバランス管推進機の到達部圧力チャンバー作業を示す模式図である。
図2】マッドバランス管推進機の到達部圧力チャンバーのリアチャンバー後蓋の構造を示す模式図である。
図3】マッドバランス管推進機の到達部圧力チャンバーのフロントチャンバー止水材の構造を示す模式図である。
図4】管壁と到達口管の閉塞用鋼板を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1乃至図4に示すように、高水圧対応のマッドバランス管推進機の到達部装置は、管推進機カッターヘッド4と到達口管6とフロントチャンバー7とセンタチャンバー8とリアチャンバー9と圧力逃し管10と圧力逃し管のバルブ11と到達部チャンバー台座12と管推進機到達受台13と泥水タンク14と覗き窓15、井字形リブプレート16とボルト穴17と排泥孔18とフロントチャンバー補強リブプレート19とセンタチャンバー補強リブプレート20と予備グラウトホース21とワイヤブラシ型止水材22とゴム止水材23と、を含み;
フロントチャンバー7、センタチャンバー8、リアチャンバー9は、順次に繋がって到達部チャンバー本体を構成し、チャンバー本体が到達部チャンバー台座12上に取り付けられ;管推進機カッターヘッド4がチャンバー本体の前端に設けられ且つパイプルーフの管セクション5と接触し;
到達部チャンバー台座12は、管推進機到達受台13上に取り付けられ;フロントチャンバー7と到達口管6がボルトを通じて固結し;管推進機到達受台13がパイプルーフ施工の作業坑1の側壁と鉄筋コンクリートの地下連続壁2の間に設けられ;圧力逃し管10の一端がリアチャンバー9と連なり、且つ圧力逃し管10上に圧力逃し管のバルブ11を設け、圧力逃し管10の他端が泥水タンク14と連なり;リアチャンバー9の端面上に井字形リブプレート16を設け、リアチャンバー9の端面頂部に覗き窓15を設け、リアチャンバー9の端面底部に排泥孔18を設け;リアチャンバー9の端面上にボルト穴17を均一且つ対称的に設け;フロントチャンバー7の外周にフロントチャンバー補強リブプレート19を溶接しており;センタチャンバー8の外周にセンタチャンバー補強リブプレート20を溶接しており;到達口管6とフロントチャンバー7と間のチャンバー本体上にワイヤブラシ型止水材22を設け;フロントチャンバー7とセンタチャンバー8と間のチャンバー本体上にゴム止水材23を設け;予備グラウトホース21は到達口管6とワイヤブラシ型止水材22との間のチャンバー本体上及びワイヤブラシ型止水材22とゴム止水材23との間のチャンバー本体上に設けられる。
【0022】
高水圧対応のマッドバランス管推進機の到達工法の流れは、次の通りとする。
【0023】
S1:図1に示すように、管推進機到達受台13上にフロントチャンバー7、センタチャンバー8、リアチャンバー9の順通り組み立てた後ボルトで到達口管6と繋がる。
【0024】
S2:圧力逃し管10から到達部チャンバーに清浄水を満たし、到達部チャンバーの気密性、浸水・漏水箇所の検査し、ボルトの締め付け、接合ゴムパッキン交換等の措置を行って補修し、合格後到達部チャンバーの水が空になるまで排出し、圧力逃し管のバルブ11を開けてマッドバランスの泥水を満たす。
【0025】
S3:管推進機4の到達前に測量結果によってカッターヘッド姿勢を調整し、管推進機4が良好な姿勢で到達部チャンバーに到達させる。
【0026】
S4:管推進機4の掘進速度を1cm/min以内に制御し、減速して坑口部無筋コンクリート3の鏡切りを行って到達部チャンバーに貫入し、圧力逃し管のバルブ11を閉める。
【0027】
S5:管推進機4全体が到達部チャンバーの到達指定位置に入り、チャンバー内の泥水を抜き、泥水管路を洗浄し、管推進機4の操作を停止する。
【0028】
S6:図3に示すように、予備グラウトホース21は、2層の止水材間に向かってポリウレタン樹脂を注入し止水(予備グラウトホースがフロントチャンバーの直上、左下及び右下という3つの位置に配置され、周方向120度配置となる)し;グラウトは小型エアー式グラウトポンプを用い、先に下側の予備グラウトホースに注入してから上部の予備グラウトホースに注入し、グラウト時のグラウト速度ができる限りゆっくり、グラウトの流出を避け、ポリウレタン樹脂とワイヤブラシを十分結合して一体に形成し、地層中の土砂流出を防止し、フロントチャンバー7とセンタチャンバー8の水系統連絡を閉塞する。
【0029】
S7:ポリウレタン樹脂が凝固してから止水効果を検査し、予備グラウトホースを開け、鉄筋でグラウト導管をチャンバー内まで浚い、浸水がないと、到達口管のグラウトを行うことができ;浸水があれば、浸水部位にポリウレタン樹脂を注入する。
【0030】
S8:到達口管6上の予備グラウトホースから泥水(予備グラウトホースが到達口管の直上、左下及び右下という3つの位置に配置され、周方向120度配置となる)を注入し;グラウト時、油圧グラウトポンプを用い、先に一側の予備グラウトホースに注入し、他側の予備グラウトホースを開け、他側の予備グラウトホースからグラウト液が流出した時、該グラウトホースを閉め、そして上部の予備グラウトホースを開け、グラウト液が流出した時、該予備グラウトホースを閉め;グラウトの圧力が過大の場合、その他の予備グラウトホースに変わってグラウトし、管セクション外壁と到達口管との間の空隙をグラウト液で満たし、フロントチャンバー7、到達口管6と地層中水の連絡を閉塞する。
【0031】
S9:泥水が凝固してからグラウト効果を検査し、予備グラウトホースを開け、グラウト管を到達口管内まで浚い、浸水がない場合、チャンバーを開けて到達作業を行うことができ;浸水がある場合、浸水部位に泥水を注入する。
【0032】
S10:グラウト効果の検査に合格した後、排泥孔18を開けてチャンバー内の泥水を排出し、後蓋を開いて直接チャンバー内に漏水又は浸水現象の有無を点検し、漏水がない時センタチャンバー8及びリアチャンバー9の上半円部分を解体し、チャンバー内の泥水、砂利を清掃し、管推進機4を引き上げると、直ちにその下半円部分を解体する。
【0033】
S11:管推進機4後の1、2セクション目の管セクション5内の予備サヤ管位置に2液性グラウトを注入して止水し、完全に到達口管6と地層中水の連絡を遮断し;グラウト完成後管内の配線・配管の解体作業を開始できる。
【0034】
S12:図4に示すように、2液性グラウトが凝固してからサヤ管を開いて止水効果を検査し、浸水のある部位にグラウトし;グラウト効果が要求を満たした後、フロントチャンバー及びリングを解体し、直ちに鋼板で管セクション5と到達口管6と間の隙間を閉塞する。
【0035】
S13:管内の配線・配管を全て解体した後、泥水置換グラウトを行い、到達作業を完成する。
【符号の説明】
【0036】
1 パイプルーフ施工の作業坑
2 鉄筋コンクリートの地下連続壁
3 無筋コンクリートの地下連続壁
4 管推進機カッターヘッド
5 パイプルーフの管セクション
6 到達口管
7 フロントチャンバー
8 センタチャンバー
9 リアチャンバー
10 圧力逃し管
11 圧力逃し管のバルブ
12 到達部チャンバー台座
13 管推進機到達受台
14 泥水タンク
15 覗き窓
16 井字形リブプレート
17 ボルト穴
18 排泥孔
19 フロントチャンバー補強リブプレート
20 センタチャンバー補強リブプレート
21 予備グラウトホース
22 ワイヤブラシ型止水材
23 ゴム止水材
24 閉塞用鋼板
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】