(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-536512(P2017-536512A)
(43)【公表日】2017年12月7日
(54)【発明の名称】家具の部品および家具の付属品を接合するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
F16B 12/20 20060101AFI20171110BHJP
F16B 12/46 20060101ALI20171110BHJP
A47B 55/00 20060101ALI20171110BHJP
A47B 96/06 20060101ALI20171110BHJP
F16B 12/02 20060101ALI20171110BHJP
【FI】
F16B12/20 D
F16B12/46 A
A47B55/00
A47B96/06 B
A47B96/06 H
F16B12/02 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-518202(P2017-518202)
(86)(22)【出願日】2015年9月4日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月5日
(86)【国際出願番号】EP2015070278
(87)【国際公開番号】WO2016055218
(87)【国際公開日】20160414
(31)【優先権主張番号】MI2014A001751
(32)【優先日】2014年10月7日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】511084533
【氏名又は名称】エッフェジー ブレヴェッティ ソシエタ レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】EFFEGI BREVETTI S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジオヴァンネッティ,アントニオ
【テーマコード(参考)】
3B067
3J024
【Fターム(参考)】
3B067AA08
3B067AB02
3B067DA04
3J024AA13
3J024AA22
3J024AA45
3J024BA02
3J024BA03
3J024CA07
(57)【要約】
棚ユニット、本棚、引き出しユニット、ベッドフレーム、種々の台座等の家具の一部および家具の付属品の一部のための接合デバイス(10)であって、ケーシングまたは容器本体(11)を備え、ケーシングまたは容器本体(11)は、接合される家具のアイテムの構成要素の一つに形成された台座に挿入するのに適しているとともに、拡張ブッシング(24)を備えており、前記拡張ブッシングは、前記ケーシングまたは容器本体の開放端に対して外向きに延びており、かつ構成要素と接合される家具のアイテムの別の構成要素の別の台座と嵌合するのに適しており、該台座に、前記ケーシングまたは容器本体(11)が挿入されており、前記接合デバイスは、拡張ブッシング(24)の拡張変形移動および前記拡張ブッシングの後方への牽引移動において協働する駆動手段の直線かつ往復の運動のためのカム機構(26)を備え、前記カム機構(26)と駆動手段とは、ケーシングまたは容器本体(11)内に収容され、かつ、工具(54)によって駆動される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚ユニット、本棚、引き出しユニット、ベッドフレーム、種々の台座等の家具の部品および家具の付属品のための接合デバイスであって、ケーシングまたは容器本体(11)を備え、前記ケーシングまたは容器本体(11)は、接合される家具のアイテムの構成要素の一つに形成された台座に挿入するのに適しているとともに、拡張ブッシングを備えており、前記拡張ブッシングは、前記ケーシングまたは容器本体の開放端に対して外向きに延びており、かつ構成要素と接合される家具のアイテムの別の構成要素の別の台座と嵌合するのに適しており、該台座に、前記ケーシングまたは格納体(11)が挿入されており、前記接合デバイスは、拡張ブッシング(24)の拡張変形移動および前記拡張ブッシングの後方への牽引移動において協働する駆動手段の直線かつ往復の運動のためのカム機構(26)を備え、前記カム機構(26)と駆動手段とは、ケーシングまたは容器本体(11)内に収容され、かつ工具(54)によって駆動され、前記ブッシングの前記駆動手段は、下部スライダー(20)と上部スライダー(22)とを備え、前記下部スライダー(20)と前記上部スライダー(22)とは、前記カム機構(26)によってオーバーラップした状態で往復滑走することを特徴とする接合デバイス(10)。
【請求項2】
前記下部スライダー(20)は、頭部(21)を備え、前記頭部(21)は、容器本体(11)の開放端の方向を向いており、かつ拡張ブッシング(34)を支持するのに適しており、前記上部スライダー(22)は、第1部位(29)を備え、前記第1部位(29)は、前記ケーシングまたは容器本体(11)の開放端の方向に延びており、かつ前記下部スライダー(20)の頭部(21)に対して同軸上にあり、前記頭部に挿入されるのに適していることを特徴とする請求項1記載の接合デバイス。
【請求項3】
前記カム機構(26)は、中心体(42)を備え、前記中心体(42)は、外部側面の中心部分において、第1ローブ(44)、または下部ローブと、第2ローブ(46)または上部ローブとが展開しており、前記第1ローブ(44)、または前記下部ローブと、前記第2ローブ(46)または前記上部ローブとは、実質的に対向しており、中心体(42)の軸に対して相互に平行かつ垂直な2つの平面に沿って展開し、それぞれ、前記下部スライダー(20)の内部プロファイルと前記上部スライダー(22)の内部プロファイルとに接触できるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の接合デバイス。
【請求項4】
前記カム機構(26)の中心体(42)は、中心孔(52)を備え、前記中心孔(52)は、選択的に貫通しており、前記カム機構(26)の回転駆動に適した工具(54)の導入を可能にする形状であることを特徴とする請求項3に記載の接合デバイス。
【請求項5】
前記拡張ブッシング(24)は、第1半体(34)と第2半体(36)とを備え、前記第1半体(34)と前記第2半体(36)とは、互いに結合し、かつ下部スライダー(20)の頭部(21)と同軸上に嵌合/固定されており、更に切り込み(37)を備え、前記切り込み(37)は、2つの対向する翼(38)を規定する直径方向の平面に沿って形成されており、前記翼(38)は、軸方向に形成された歯を外部に備えていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の接合デバイス。
【請求項6】
前記拡張ブッシング(40)の前記第1半体(34)と前記第2半体(36)とは、単一の部品を形成するように接合されていることを特徴とする、請求項5記載の接合デバイス。
【請求項7】
前記ケーシングまたは前記容器本体(11)は、第1半シェル(12)と第2半シェル(14)と、孔または開口(18、18’)とを備え、前記第1半シェル(12)と前記第2半シェル(14)と、前記孔または前記開口(18、18’)は、前記2つの半シェルの縦軸に垂直な方向、かつ下部スライダー(20)のスロット(27)および上部スライダー(22)のスロット(32)を介した同軸上に形成されており、前記孔(18、18’)は、それぞれカム機構(26)の中心体(42)の上部と下部をそれぞれ保持すること、および前記カム機構の回転を指示することに適していることを特徴とする請求項3〜5のうちいずれか1項に記載の接合デバイス。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の接合デバイス(10)を使用して、組み立てユニット家具(60)の部品または家具の付属品を接合する方法であって、接合される1つの構成要素の厚み部分に形成された溝またはポケット(66)内に接合デバイスを挿入するステップと、前記ステップにおいて、前記溝またはポケット(66)の外側にブッシングの正面部を突出させるとともに、接合される別の構成要素の厚み部分に形成された別のポケット(68)に挿入させ、カム機構(26)の第1回転駆動により上部スライダー(22)にスラストアクションを起こさせ、かつブッシングへ拡張するような力を与えることで、前記溝またはポケット(66)の横方向の表面にラジアル圧力による動作を引き出すステップと、カム機構(26)の第2の回転駆動により、下部スライダー(22)にスラストアクションを起こさせ、かつ前記の拡張したブッシングに牽引力を与えることによって、前記拡張したブッシングが前記ケーシングまたは前記容器本体(11)に対して後方に移動させ、前記溝またはポケット(66)の横表面にラジアル応力の別の動作を、接合される前記別の構成要素を牽引する動作と合わせて引き出すステップとを有することを特徴とする接合方法。
【請求項9】
前記カム機構の前記第1回転駆動の間であって、前記上部スライダー(22)は、静止状態の前記下部スライダー(20)を前方へ平行移動させ、前記カム機構の前記第2回転駆動の間であって、前記下部スライダー(20)は、静止状態の上部スライダー(22)を後方に平行移動させることを特徴とする請求項8に記載の家具の部品の接合方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、家具の部品および家具の付属品を接合するためのデバイスに関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、棚ユニット、本棚、引出ユニット、ベッドフレーム、座席類等の家具および/または家具の付属品の組み立てに適したデバイスに関する。
【0003】
家具と家具の付属品は、単体で形成されているのではなく、単一の部品を組み合わせることで形作られ、例えば本棚または、棚ユニット、椅子または家具のその他の任意のアイテムを代表する、組立品全体を形作ることになる、安定してかつ取り外し可能に接合できる単一部品によって、ますます頻繁に形成されることが知られている。
【0004】
このようなキット構造は、例えば、構造物の輸送設備、さらに大型の輸送設備、家具を直接、備え付け場所で組み立てる可能性、または、さらに専門家でないユーザーによっても輸送と組み立てができる可能性に結びつく十分な利点が必要とされる。
【0005】
異なる構成要素または家具の単一の部品を、それぞれ互いに接合させるために使用される保持要素は、例えば、タイロッドまたはブッシングブッシング、カム等の手段によって規定される。
【0006】
本棚タイプの家具のアイテム、または、棚ユニットを一つの例として参照すると、それは、通常、互いに偏向状態で平行した、2つの垂直な支柱を備え、同じ支柱の縦方向の突出面に垂直な面に沿った状態で、支柱の間に挟まれており、本、雑誌、花瓶および/またはその他の多数の様々な物を載せて支える面を定めることができる1つ以上の棚を備える。
【0007】
フレームと該フレームに対する棚との構造物の組み立ては、ブッシング、または棚の(または支柱の)厚み部分に挿入されたカムに代表される保持手段を用いて、支柱(あるいは棚)に挿入されたピンまたはネジに対応したクランプ動作と協働して実行されてもよく、ブッシングまたはカムは適切な道具(スクリュードライバまたはアレンキー(登録商標)等)を使用して駆動させてもよく、ブッシングまたはカムを回転させることにより、前記ピンまたはネジを上記ブッシングまたはカムに固定させることが可能となる。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これらクランプまたは固定手段は、相互(棚の内部と支柱の内部との両方)に結合する部品の厚み部分において協働する(ブッシングおよびネジもしくはピン)部品を収容するための溝を形成する必要があることに関連するいくつかの大きな問題を伴う。
【0009】
より詳細には、上記クランプ手段は、作業者がブッシングまたはカム、およびネジまたはピンを各台座に挿入し、その後クランプを行うようネジまたはピンに作用させるため、組み立てにより長い時間が掛かる。
【0010】
上記問題を解決するために、支柱または棚のそれぞれの厚み部分に挿入するのに適した拡張ジョイントを使用する着脱可能な接合方法の別の方法が開発されており、上記拡張ジョイントは、一般的にプラスチック材料で形成された拡張ブッシングと、上記拡張ブッシングに同軸上に挿入されたネジと、さらに、接合される部品の1つの厚み部分に形成された溝に挿入され、上記拡張ジョイントのネジまたはピンと結合するのに適した偏心ブッシングと、を備える。家具の2つの構成要素間で相互にクランプすることは、上記偏心ブッシングに作用する工具で作用することで生じ、その結果、偏心ブッシングを回転させ、そしてブッシング上記偏心ブッシングに対してピンを後ろ向きに移動させ、同じ偏心ブッシングが同じ偏心ブッシングの半径方向の拡張を伴い挿入される。
【0011】
しかしながら、これらの既存の拡張ジョイントもまた、組み立てられる両方の部品に挿入されるべき要素が、結果として家具の上記部品内に適切な溝および台座を形成する必要があるという事実に関連するあるいくつかの大きな問題点がある。
【0012】
さらに、問題点として、ユーザーが、接合される部品の台座に拡張ジョイントの構成要素を挿入しなければならず、さらにその後、偏心ブッシングに作用してピンを移動させ、台座内の上記ブッシングを拡張させなければならないため、一層組み立て時間が長くなることに関連している。
【0013】
さらに、問題点として、偏心ブッシングが緩みやすいことで、結果として、ピンが移動し、ピンがブッシング上記ブッシングの非拡張位置へ戻ってしまうことになり、この結果、家具の部品間でのクランプによる固定において、避けられない緩みが生じてしまう場合がある。
【0014】
EP0949424は、正面領域で平らにされたボルトで構成される2つの木製シートを接合させるデバイスを開示している。それは、1つの挿入プレートを形成し、該挿入プレートは、領域の伸長、クランプ、拡張とともにケース内を縦方向に移動することができる。ボルトの平らな正面部分は、デバイスをロックし、かつ2つの家具部品を結合させるために時計回りに回転可能な偏心要素を挿入するための開口を有する。
【0015】
本発明の目的は、上記の問題点を解消することにある。
【0016】
より詳細には、本発明の目的は、数の少ない構成要素からなる家具の一部と家具の付属品の一部のための単一部品接合デバイスを提供することにある。
【0017】
さらに、本発明の目的は、相互に組み立てられる部品に対して実行される機械によるプロセス数の低減を可能とする接合デバイスを提供することである。
【0018】
さらに、本発明の目的は、組み立て部品間のクランプが緩む危険性を伴わない接合デバイスを提供することである。
【0019】
さらに、本発明の目的は、家具のアイテム(本棚内に取り付けられる棚等)の構成部品の組み立てと分解とを簡単、便利かつ迅速に行うことで、組み立てと分解の両方に係る時間を低減できる接合デバイスを提供することである。
【0020】
さらに、本発明の目的は、高レベルの耐性と信頼性とを時間的に保証するのに適しており、さらには例えば、簡単かつ経済的に製造することが可能であるような、家具の一部または家具の付属品の一部をそれぞれユーザーが接合することができるデバイスを実現することである。
【0021】
上記の目的および他の目的は、請求項1に記載の特徴を有する発明によって達成される。
【0022】
本発明によれば、棚ユニット、本棚、引き出しユニット、ベッドフレーム、種々の台座等の家具および家具の付属品のための接合デバイスであって、ケーシングまたは容器本体を備え、前記ケーシングまたは容器本体は、接合される家具のアイテムの構成要素の一つに形成された台座に挿入するのに適しているとともに、拡張ブッシングを備えており、拡張ブッシングは、ケーシングまたは容器本体の開放端に対して外向きに延びており、かつケーシングまたは格納体が挿入される構成要素と接合される家具のアイテムの別の構成要素の別のアイテム台座と嵌合するのに適した接合デバイスが提供され、上記接合デバイスは、拡張ブッシングの拡張変形移動および該拡張ブッシングの後方への牽引移動において協働する機械的駆動手段の直線かつ往復の運動のためのカム機構を備え、カム機構と駆動手段とは、ケーシングまたは容器本体内に収容されて工具によって駆動される。
【0023】
本発明の有益な実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0024】
本発明の家具の一部または家具の付属品の一部のための接合デバイスの構造的および機能的特徴は、例示のみの目的で供された実施形態(但しこれに限定されない)を説明する添付図面を参照として、下記になされた詳細な説明により、明確になるであろう。
【0025】
図1は、本発明の家具の一部または家具の付属品の一部をそれぞれ接合するためのデバイスを分解した状態の、不等角投影を模式的に示す図である。
【0026】
図2は、デバイスの駆動のための工具を使用して組み立て、かつ提供されたデバイスの不等角投影を模式的に示す図である。
【0027】
図3、
図5、
図7は、垂直方向面に沿って部分的に区分化され、かつ駆動用工具を構成されていることを示した本発明の接合デバイスの駆動局面の不等角投影を示す図である。
【0028】
図4、
図6、
図8は、
図3、
図5および
図7における本発明のデバイスの詳細を模式的に示す拡大図である。
【0029】
図9は、本発明の接合デバイスを使用した組み立てに適した家具のアイテムを分解した状態の、不等角投影を模式的に示す図であり、上記家具のアイテムは、上記接合デバイスの筐体を示すために部分的に断面化されている。
【0030】
図10は、本発明の接合デバイスの配置を示すために組み立てられ、かつ部分的に断面化された
図9の家具のアイテムの不等角投影を模式的に示す図である。
【0031】
図11および
図12は、本発明の接合デバイスの2つの詳細を拡大したものを模式的に示す図であり、上記詳細の拡大図は、上記部品を結合した後の
図9と
図10の家具のアイテムの部品間をクランプした状態の2つの局面を示すように最適化されている。
【0032】
前述の図面を参照すると、本発明の家具の一部または家具の付属品の一部のための接合デバイスは、前述した図面における10によって全体が示され、実質的に円筒形状で、一端が開口しており、好ましくは、亜鉛、アルミニウム、真鍮、プラスチック材料、または、目的に適し、かつ、下記に記載する構成要素の含有に適した別の材料で形成された、上部半シェル12と下部半シェル14によって規定されるケーシングまたは容器本体11を構成している。
【0033】
上部半シェル12と下部半シェル14とは、ネジまたは合わせ釘の使用、接着、または、別の公知の好適な接続方法(プラスチック材料でできた半シェルの場合、種々のスナップ方式による接続等)によって互いに接合され、それぞれのシェルは、上記半シェルの外向き横方向の表面に沿った軸方向に形成された、1つ以上の鋸歯状部15を備え、孔のある壁上で、ケーシングまたは容器本体11、または、下記に詳細に記載した接合デバイスにより挿入された台座を、より強固に把持することを確実に実行できる機能を有する。
【0034】
上部半シェル12と下部半シェル14とは、それぞれ、以下に明確にその機能を示す、貫通孔、または、開口18・18’を有する。
【0035】
ケーシングまたは容器本体11の内部は、下記に記載したような家具の部品間でのクランプを実行するために適した構成要素を収納し、
下部半シェル14内に配置された下部スライダー20
上部半シェル12内に配置された上部スライダー22
拡張ブッシング24および
カム機構26を、含んでいる。
【0036】
下部スライダー20は、ケーシングの下部半シェル14の内部に同軸上に配置されており、実質的に環状の形状で、容器本体に対して同軸上にあり、かつ同じ容器本体の開放端の方向に向いている頭部21と、容器本体11の台座方向、より詳細には、下部半シェル14の台座方向を向く基部23と、上記頭部21と基部23との間の中間にあり、2つの半シェル12および半シェル14の上記貫通孔または開口部18・18’と同軸の貫通スロット27が設けられた、中央部25とで構成されている。
【0037】
上部スライダー22は、下部スライダーの上部であって上部半シェル12上に配置されており、容器本体11の開放端の方向に突出し、かつ下部スライダー20の頭部21に対して同軸上にある円筒形状の第1部位29と、容器本体11の台座の方向に突出し、かつ2つの半シェル12および14の開口18と開口18’と下部スライダー20の貫通スロット27と同軸上の貫通スロット32が設けられる第2部位30とを備える。上部スライダー22の第1部位29は、終端部において第2部位30に対向し、上記第1部位29と下部スライダー20の頭部21の向きとを横断して突出するオプション付属器29’を有し、上記機能は下記でより詳細に説明する。
【0038】
拡張型ブッシング24は、図で示された好適な実施形態では、第1半体34と第2半体36とを構成し、下部スライダー20の頭部21上かつ同頭部に対して同軸上に固定される(ねじれ結合等)のと同様に、互いに結合、かつ噛合する。
【0039】
拡張ブッシング24の第1半体34と第2半体36は、それぞれ、下部スライダー20の上記頭部との結合に適した半管状のリア部34’と36’と、軸方向に形成された歯40を外側に設けられた2つの翼38を規定した直径方向の面に沿って形成された切り込み部37を構成した正面部34’’と36’’とを備える。
【0040】
カム機構26は、孔または開口18と開口18’に対して同軸上に配置され、円筒形状で、孔または開口部18および開口部18’の径および、下部スライダー20の貫通スロット27の径、および上部スライダー22の貫通スロット32の径に対して実質的に対応した外形寸法を有する中心体42を構成する。実際は、中心体42は、貫通スロット27、さらに貫通スロット32と嵌合し、かつホールまたは開口18、18’とも嵌合することで、下記記載の移動が実行される。
【0041】
上記の中心体42は、さらに、下記記載のカムの駆動のために適した工具54(
図1に示す)の導入を可能にする形状をした中央孔52を構成する。
【0042】
上記外側面の中央部分であって、カム機構26の上記中心体42の外側面の外部から、実質的に対向し、互いに平行で、かつ中心体の軸に垂直な2つの面に沿って突出する、第1ローブ44つまり低ローブと、第2ローブ46つまり高ローブは、それぞれ、下記に記載する機能のため、下部スライダー20の中央部25の内部プロファイルおよび上部スライダー22の第2部位30の内部プロファイルと接触するように最適化されている。
【0043】
上記第1ローブ44および第2ローブ46のプロファイルは、下記で説明するように、低スライダー20および高スライダー22を移動させるため、計算された移動則またはリフト則を関数として選択される。
【0044】
本発明の家具の部品と家具の付属品の部品のための接合デバイスの機能は、上記で詳細に説明した構造的特徴を参照して、
図3〜
図8を参照して以下で説明する。
【0045】
図3および
図4の詳細の拡大
図Xを参照することで、本発明の接合デバイスのある構成が、カム26の中心体42の中央孔52に挿入された工具54とともに示される。
【0046】
この構成において、上部スライダー22は、下部スライダー20の頭部21の縁に対して隣接する付属器29’とともに最も後方に移動した位置にある。
【0047】
図5と
図6の詳細の拡大
図Yは、本発明のデバイスが第1の駆動で移動した配置を示すものである。
【0048】
より詳細には、矢印Aで表示されるように、工具54によって、回転力を与え、好ましくは、カム機構26を90°回すことで、その結果、第2ローブ46つまり上部ローブが、上部スライダー22の第2部位30の内部プロファイル上で推進する動作を起こし、その結果、ケーシングまたは容器本体11の端が開放する方向に変換される。
【0049】
上部スライダー22の第1部位29は、カム機構26の第2ローブ46により引き出される次の推進動作によって、下部スライダー20の頭部21に内的にかつ同軸方向に前進し、ブッシング24の後部に嵌合し、さらに同ブッシングの正面部分の方向に前進し、好ましい実施形態における拡張ブッシング24を定める第1半体34と、第2半体36の翼38をラジアル方向(
図5の矢印“B”で示されるよう)に開口するよう力を与える。特に、
図3〜
図8は、半体36の動作と変位は完全に同一のものであることを考慮して、拡張ブッシング24の半体34のみを表示する。
【0050】
本発明のデバイスの第1変位または拡張の形態では、低スライダー20は、停滞し続ける。
【0051】
図7と
図8の詳細の拡大
図Zを参照すると、本発明の接合デバイスの第2の移動形態が示される。
【0052】
図中の矢印Cで示されるように、工具54を使用して、さらに回転させ、好ましくは、カム機構26を90℃回転させる。当該回転は先に説明した第1変位の形態から開始される。
【0053】
カム機構26の第1ローブ44、つまり下部ローブの上記回転の結果、
図7の矢印Dで表示されたケーシングまたは容器本体11の基部方向を後方に向かって移動させる、下部スライダー20の中央部25の内部プロファイルを推進させる動作が引き起こされる(第1ローブ44は、実質的に第2ローブ46と対向して突出している)。
【0054】
拡張ブッシング24が下部スライダー20の頭部21と嵌合、かつ結合することを考慮に入れると、上記下部スライダー20が後方へ変位することによって、それに対応するように拡張ブッシング24が後方に移動する。上記下部スライダー20は、拡張ブッシング24を牽引するように動作する。
【0055】
より好ましい実施形態においては、下部スライダー20が変位する間、上部スライダー22は、カム機構26の第2ローブ46と嵌合を維持した状態で静止し続け、拡張ブッシング24が後方に移動することを考慮すると、上部スライダー22の第1部位29は、拡張ブッシング24を規定する第1半体34および第2半体36の翼部38をさらにラジアル方向に開口させる拡張ブッシングの正面部とさらに嵌合し、その結果、下記に記載する家具の部品を安定してクランプすることを達成することができる。
【0056】
下部スライダー20の貫通スロット27及び上部スライダー22の貫通スロット32は、工具54を使用することで回転駆動されたカム機構26に対して、上記スライダーにスライドを伴わせる。
【0057】
図9〜
図12は、本発明の接合デバイスを使用して組み立てられた家具のアイテムの例を示したものである。
【0058】
図9は、2つの対向かつ平行した肩部62と、同じ棚に垂直で互いに平行でかつ対向する肩部の間に挿入された2つの棚部64とを構成する家具60を分解した状態の、不等角投影を示すものである。
【0059】
棚64の厚み部分に溝、またはポケット66が形成されており、上記溝またはポケットは、上記ポケットの外部に延び、かつ肩部62の厚み方向に形成されたポケット68内に挿入するのに適したブッシング24の正面部が上記溝、またはポケットに挿入されるような、本発明の接合デバイス10を収容する機能を有する。
【0060】
棚64は、さらに、溝またはポケット66の軸に垂直に形成された孔70を有し、クランプ動作を実行するカム機構26の中央孔52と結合するように、工具53が挿入されることを可能とする機能を有する。
【0061】
図11および
図12は、本発明の接合デバイスを使用して組み立てられた家具60のアイテムの一部の詳細を拡大した2つの図を示したもので、当該デバイス10は、家具のアイテムの肩部62の別のポケット68に拡張ブッシング24の正面部分が挿入された状態の構成(
図11の詳細)を示したもので、第2の移動の形態において、拡張ブッシングは、下部スライダー20によって引き出された牽引動作の後、上記ポケットの壁に対してクランプを行い、その結果、肩部62に対して、棚64を確実かつ安定した接続されることとなる。
【0062】
第1の90°の回転により、溝またはポケット66に対して半径方向の応力でクランプする駆動を実行する上記拡張ブッシングが、翼を開口するよう拡張ブッシング24を拡張させ、第2の90°の回転により、拡張ブッシングに、ラジアル応力と、家具のアイテムの2つの構成要素間の牽引力とが関連したさらなる拡張を伴い、後方へ移動の推進力を与える方法により、拘束物が緩む危険性がなく、部品間を安定してクランプすることを規定することができる。
【0063】
家具のアイテムの選択的分解は、工具54を使用することで、組み立て/クランプの位相を特性付ける、反対方向に回転を与え、デバイスを前記の状態の構成に戻るよう実行されてもよい。
【0064】
上記利点から分かるように、本発明の家具の部品または家具の付属品のための接合デバイスが達成する利点は明らかである。
【0065】
本発明の家具の部品および家具の付属品のための接合デバイスを使用することで、専門家でないユーザーが素早く、かつ簡単な方法で家具または家具の付属品の組み立て/分解できるメリットがある。実際、接合デバイスの構造的構成と、特にカム機構26は、部品間のクランプとアンクランプを、上記カムに180°の全体の回転を(工具54によって)与えることで、特別または高いトルク値を必要とすることなく実行することが可能となる。
【0066】
カム機構の全回転は、好ましい実施形態を参照して記載したものと異なっていてもよく、さらに45°または180°にそれぞれ等しい半円の回転(移動による第1構成または、移動または牽引動作による第2の構成)を伴う90°または360°に等しい回転であってもよいことに留意すべきである。
【0067】
さらに利点として、本発明のデバイスが、接続された部品間の拘束物が緩むかもしれない危険を防ぐことができることである。実際には、同じカム上にさらなる回転を与え、第1移動または拡張の構成から開始する、カム機構によって引き起こされた移動の影響を受け下部スライダーが後方へ移動することにより、拡張ブッシングに対して牽引動作が起きることは、互いに接続された家具の部品間のクランプの強固にするのと、より安定した拘束を実現できる。
【0068】
さらなる利点として、本発明のクランプデバイスのみが、2つの構成要素のうち1つの厚み部分に形成された座部に挿入された単一要素(クランプデバイス10)を使用することで、部品間に拘束とクランプ動作を実行することを可能にし、従来型の拡張ピンでの場合、ブッシングの拡張のための変形において、偏心ブッシング(ピンを収容するものに面する構成要素の厚み部分に挿入される)を必要とすることないように、結合されるための別の構成要素を使用する必要がない。
【0069】
本発明の接合デバイスのさらなる利点として、家具のアイテムの部品を互いに接続可能とすることは、接合デバイスを完全に目前から見えなくした状態を維持することで、その結果、組み立てられる家具または家具の付属品のアイテムの高い美的価値を保証できる。
【0070】
本発明は、特に本発明の一実施形態を参照し、もっぱら非限定的な例を挙げつつ以上に説明したが、上記の説明を考慮すると、あらゆる変更や変形が可能であることは当業者にとって明らかである。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲内における全ての変更および変形を含むということを意図する。
【国際調査報告】