特表2017-537287(P2017-537287A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-537287熱交換器、熱交換モジュール、熱交換装置、及び熱源ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-537287(P2017-537287A)
(43)【公表日】2017年12月14日
(54)【発明の名称】熱交換器、熱交換モジュール、熱交換装置、及び熱源ユニット
(51)【国際特許分類】
   F28D 1/047 20060101AFI20171117BHJP
   F28F 1/00 20060101ALI20171117BHJP
   F25B 39/00 20060101ALI20171117BHJP
【FI】
   F28D1/047 C
   F28F1/00 B
   F25B39/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-502170(P2017-502170)
(86)(22)【出願日】2015年10月28日
(85)【翻訳文提出日】2017年1月13日
(86)【国際出願番号】CN2015093042
(87)【国際公開番号】WO2016091021
(87)【国際公開日】20160616
(31)【優先権主張番号】201420783711.6
(32)【優先日】2014年12月11日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515258882
【氏名又は名称】ダンフォス・マイクロ・チャンネル・ヒート・エクスチェンジャー・(ジャシン)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ルー,シャンシュン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ホンビン
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA37
3L103BB42
3L103DD04
3L103DD32
3L103DD53
3L103DD67
(57)【要約】
空冷式冷水ユニット又は商用屋上機械のために使用される熱交換装置の熱交換器(1、2、10、20)、熱交換モジュール(100)、熱交換装置(65、75、115)、及び熱源ユニット。熱交換器(1、2、10、20)は、略四辺形側面を有する本体(15、65、75、115)と、本体(15、65、75、115)に接続される曲げ部(16、17、66、67、76、77、116、117)、及び略四辺形側面を有する少なくとも1つの曲げ部(17、67、77、117)とを備え、2つの曲げ部(16、17、66、67、76、77、116、117)が存在する場合、一方の曲げ部(17、67、77、117)が略四辺形側面を有し、他方が略台形側面を有し、本体(15、65、75、115)と曲げ部(16、17、66、67、76、77、116、117)との間に延在する少なくとも1つの熱交換管(13)とを備え、曲げ部(16、17、66、67、76、77、116、117)内の熱交換管(13)は、本体(15、65、75、115)が位置する平面が、2つの曲げ部(16、17、66、67、76、77、116、117)のそれぞれが位置する平面に対して垂直か、略垂直であるように、本体部(15、65、75、115)内の熱交換管(13)に対して傾斜され、曲げられる。熱交換器(1、2、10、20)、熱交換モジュール(100)、熱交換装置(65、75、115)、及び熱源ユニットは、熱交換器(1、2、10、20)の間の空間を有効に利用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換器であって、前記熱交換器は、
略四辺形側面を有する本体部と、
前記本体部に接続される少なくとも1つの曲げ部であって、前記少なくとも1つの曲げ部の1つが略平行四辺形の側面を有する、少なくとも1つの曲げ部と、
前記本体部と前記曲げ部との間に延在する少なくとも1つの熱交換管であって、前記曲げ部内の熱交換管は、前記本体部が位置する平面が、前記曲げ部が位置する平面に対して垂直か、略垂直であるように、前記本体部内の熱交換管に対して傾斜され、曲げられる、少なくとも1つの熱交換管と、
を備えることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの曲げ部は2つの曲げ部であり、前記2つの曲げ部のうちの一方は略平行四辺形の側面を有し、他方の曲げ部は略台形側面を有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記熱交換管の2つの側面は、幅方向を軸として用いて角度αにそれぞれ曲げられ、前記熱交換管の各側面上の曲げ点が、第1の曲げ軸上に実質的に位置し、前記熱交換管が、前記第1の曲げ軸に沿って角度βに曲げられ、
βは台形側面の2つの非平行側面の間の狭角であり、前記角度αはβ/2−5°からβ/2+5°の範囲にあり、前記台形側面の短い縁端が底部に位置する場合、各熱交換管の長さは、底部から頂部へ2L×tgαずつ徐々に増加し、前記曲げ部における熱交換管の間の距離はLであることを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記少なくとも1つの曲げ部は、両方が略平行四辺形の側面を有する2つの曲げ部であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記熱交換管の2つの側面は、幅方向を軸として用いてそれぞれ曲げられ、前記熱交換管の各側面上の曲げ点が、第1の曲げ軸上に実質的に位置し、前記熱交換管が、前記第1の曲げ軸に沿って曲げられることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記熱交換管の一方の側面は、幅方向を軸として用いて曲げられ、前記熱交換管のこの側面上の曲げ点が、第1の曲げ軸上に実質的に位置し、前記熱交換管が、前記第1の曲げ軸に沿って曲げられることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項7】
空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換器であって、前記熱交換器は、
略四辺形側面を有する本体部と、
前記本体部に接続される2つの曲げ部であって、前記2つの曲げ部のそれぞれが略台形側面を有する、2つの曲げ部と、
前記本体部と前記曲げ部との間に延在する少なくとも1つの熱交換管であって、前記曲げ部内の熱交換管は、前記本体部が位置する平面が、前記2つの曲げ部のそれぞれが位置する平面に対して垂直か、略垂直であるように、前記本体部内の熱交換管に対して傾斜され、曲げられる、少なくとも1つの熱交換管と、
を備えることを特徴とする熱交換器。
【請求項8】
前記熱交換管の2つの側面は、幅方向を軸として用いて角度αにそれぞれ曲げられ、前記熱交換管の各側面上の曲げ点が、第1の曲げ軸上に実質的に位置し、前記熱交換管が、前記第1の曲げ軸に沿って角度βに曲げられ、
βは台形側面の2つの非平行側面の間の狭角であり、前記角度αはβ/2−5°からβ/2+5°の範囲にあり、前記台形側面の短い縁端が底部に位置する場合、各熱交換管の長さは、底部から頂部へ4L×tgαずつ徐々に増加し、前記曲げ部における熱交換管の間の距離はLであることを特徴とする請求項7に記載の熱交換器。
【請求項9】
空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換器であって、前記熱交換器は、
本体部と、
前記本体部に接続される少なくとも1つの曲げ部であって、前記少なくとも1つの曲げ部が唯一の曲げ部であり、前記曲げ部が曲げられた台形側面を有する、少なくとも1つの曲げ部と、
前記本体部と前記曲げ部との間に延在する少なくとも1つの熱交換管であって、前記曲げ部内の熱交換管は、前記本体部が位置する平面が、前記曲げ部が位置する平面に対して垂直か、略垂直であるように、前記本体部内の熱交換管に対して傾斜され、曲げられる、少なくとも1つの熱交換管と、
を備えることを特徴とする熱交換器。
【請求項10】
前記熱交換管の一方の側面は、幅方向を軸として用いて角度αに曲げられ、前記熱交換管のこの側面上の曲げ点が、第1の曲げ軸上に実質的に位置し、
前記曲げられた熱交換管は、前記第1の曲げ軸とは異なる第2の曲げ軸に沿って角度βに曲げられ、
βは台形側面の2つの非平行側面の間の狭角であり、前記角度αはβ/2−5°からβ/2+5°の範囲にあり、前記台形側面の短い縁端が底部に位置する場合、各熱交換管の長さは、底部から頂部へ2L×tgαずつ徐々に増加し、前記曲げ部における熱交換管の間の距離はLであることを特徴とする請求項9に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記第1の曲げ軸と第2の曲げ軸との間の距離は、200mm以下であることを特徴とする請求項10に記載の熱交換器。
【請求項12】
また、前記熱交換器の2つの対向する側面に配設される2つのヘッダも備え、
前記熱交換管は、前記本体部及び曲げ部において所定間隔で配置され、前記本体部及び曲げ部において互いと略平行に延在する複数の熱交換管であり、
前記熱交換管のそれぞれは、前記曲げ部及び本体部を通って前記2つのヘッダの一方から他方のヘッダへ延在することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記熱交換管は扁平管であり、フィンは、曲げ点ではない前記扁平管のそれらの部分上に配設され、前記扁平管の端部が前記ヘッダと垂直連通することを特徴とする請求項12に記載の熱交換器。
【請求項14】
空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換モジュールであって、前記熱交換装置が少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、各熱交換モジュールが共に接合される2つの同一で一致する熱交換器を備え、各熱交換器は、請求項2又は3に記載の前記熱交換器であることを特徴とする熱交換モジュール。
【請求項15】
空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換モジュールであって、前記熱交換装置が、共に接合される2つの熱交換器を備える少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、各熱交換モジュールは、2つの異なるが一致する熱交換器を備え、これらの熱交換器のうちの一方は、請求項8又は9に記載の前記熱交換器であり、これらの熱交換器のうちの他方は、請求項4又は5に記載の前記熱交換器であることを特徴とする熱交換モジュール。
【請求項16】
空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換モジュールであって、前記熱交換装置が、共に接合される2つの熱交換器を備える少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、各熱交換モジュールは、2つの異なるが一致する熱交換器を備え、これら2つの熱交換器のうちの一方は、請求項4又は5に記載の前記熱交換器であり、これら2つの熱交換器のうちの他方は、略平行四辺形の側面を有する本体部のみを有することを特徴とする熱交換モジュール。
【請求項17】
前記2つの熱交換器が共に接合される場合に形成される空気漏出領域は、空気バッフル板を備えることを特徴とする請求項16に記載の熱交換モジュール。
【請求項18】
空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換モジュールであって、前記熱交換装置が、共に接合される2つの熱交換器を備える少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、各熱交換モジュールは、2つの同一で一致する熱交換器を備え、これら2つの熱交換器のそれぞれが、請求項6に記載の前記熱交換器であることを特徴とする熱交換モジュール。
【請求項19】
前記2つの熱交換器が共に接合される場合に形成される空気漏出領域は、空気バッフル板を備えることを特徴とする請求項18に記載の熱交換モジュール。
【請求項20】
空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換モジュールであって、前記熱交換装置が、共に接合される2つの熱交換器を備える少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、各熱交換モジュールは、2つの同一で一致する熱交換器を備え、これら2つの熱交換器のそれぞれが、請求項9〜13のいずれか一項に記載の前記熱交換器であることを特徴とする熱交換モジュール。
【請求項21】
前記2つの熱交換器が共に接合される場合に形成される空気漏出領域は、空気バッフル板を備えることを特徴とする請求項20に記載の熱交換モジュール。
【請求項22】
空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換モジュールであって、前記熱交換装置が少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、前記少なくとも1つの熱交換モジュールは、共に接合される4つの熱交換器を備え、
前記4つの熱交換器のうちの2つは、同じ寸法及び略四辺形側面を有し、前記4つの熱交換器のうちの他の2つは、同じ寸法及び台形側面を有し、
各熱交換器は、前記熱交換器の2つの対向する側面に配設される2つのヘッダを備え、
複数の熱交換管は、前記ヘッダと連通し、前記熱交換器の前記側面において所定間隔で配置されて、その内部で互いと略平行に延在することを特徴とする熱交換モジュール。
【請求項23】
前記熱交換管は、その上にフィンが設けられる扁平管であることを特徴とする請求項22に記載の熱交換モジュール。
【請求項24】
空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置であって、請求項14〜23のいずれか一項に記載の前記熱交換モジュールである少なくとも1つの熱交換モジュールを備える熱交換装置。
【請求項25】
熱源ユニットであって、前記熱源ユニットは、また、互いに協働する、熱交換装置と、ブロワと、前記熱交換装置と連通する排水板と、前記熱交換装置以外の冷却サイクル構成部品を収容する機械室とを備え、前記熱交換装置は、請求項24に記載の前記熱交換装置であることを特徴とする熱源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年12月11日付出願の中国特許出願第201420783711.6号明細書、発明の名称「Heat exchanger,heat exchange module,heat exchange device and heat source unit」の優先権を主張するものであり、その内容の全てを引用して本明細書中に組み込む。
【0002】
本発明は、加熱、換気及び空気調和、自動車、冷却及び輸送の分野に関し、特に、蒸発器、凝縮器、又は水タンク等のための熱交換器、熱交換モジュール、熱交換装置、及び熱源ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術文献、国際公開第2011013672号パンフレットは熱源ユニットを開示している。特に、熱源ユニットは複数の空気熱交換器を備え、各空気熱交換器は、所定間隔で配置される複数の放熱フィンと、放熱フィンを貫通する熱交換管と、2つの側部に延在し、同じ方向に曲げられた曲げ板部と、熱交換モジュールとを備えている。各熱交換モジュールは2つの空気熱交換器を備え、各空気熱交換器は、別の空気熱交換器の曲げ部と対向して配設される曲げ部を有している。空気熱交換器は、底縁部が互いに近接しているが、上縁部が離間されるように傾斜され、従って、熱交換モジュールは、側面図において略V字状である。
【0004】
しかし、熱源ユニット内の左右側部の熱交換器の縁部は、V字状構造の上部において離間されている。従って、囲い板(又は金属板)が依然として2つの熱交換器を接続するために必要であり、結果として、2つの熱交換器の間の空間は有効に利用されていない。
【0005】
これまでよりも高い要件が、加熱、換気、及び空気調和システム(HVACシステム)のエネルギー効率に掛けられているため、より高い性能の熱交換器に対するニーズが、これまでよりも増加している。現在、先行技術における唯一の選択は、より大型の熱交換器及び空調システムを製造することにあり、これは、製造及び設置コストを増加させる。
【0006】
上記に鑑みて、上記問題を少なくとも部分的に解決することのできる新規の熱交換器、熱交換モジュール、熱交換装置、及び熱源ユニットを提供するニーズが明らかに存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、先行技術における上記の問題及び欠陥の少なくとも1つの態様を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様において、空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換器が提供され、熱交換器は、
略四辺形側面を有する本体部と、
本体部に接続される少なくとも1つの曲げ部であって、少なくとも1つの曲げ部の1つが略平行四辺形の側面を有する、少なくとも1つの曲げ部と、
本体部と曲げ部との間に延在する少なくとも1つの熱交換管であって、曲げ部内の熱交換管は、本体部が位置する平面が、曲げ部が位置する平面に対して垂直か、略垂直であるように、本体部内の熱交換管に対して傾斜され、曲げられる、少なくとも1つの熱交換管とを備えている。
【0009】
少なくとも1つの曲げ部は2つの曲げ部であり、2つの曲げ部のうちの一方は略平行四辺形の側面を有し、他方の曲げ部は略台形側面を有するのが好ましい。
【0010】
熱交換管の2つの側面は、幅方向を軸として用いて角度αにそれぞれ曲げられ、熱交換管の各側面上の曲げ点が、第1の曲げ軸上に実質的に位置し、熱交換管が、第1の曲げ軸に沿って角度βに曲げられるのが好ましく、
βは台形側面の2つの非平行側面の間の狭角であり、角度αはβ/2−5°からβ/2+5°の範囲にあり、台形側面の短い縁端が底部に位置する場合、各熱交換管の長さは、底部から頂部へ2L×tgαずつ徐々に増加し、曲げ部における熱交換管の間の距離はLである。
【0011】
少なくとも1つの曲げ部は、両方が略平行四辺形の側面を有する2つの曲げ部であるのが好ましい。
【0012】
熱交換管の2つの側面は、幅方向を軸として用いてそれぞれ曲げられ、熱交換管の各側面上の曲げ点が、第1の曲げ軸上に実質的に位置し、熱交換管が、第1の曲げ軸に沿って曲げられるのが好ましい。
【0013】
少なくとも1つの曲げ部は、唯一の曲げ部であり、曲げ部は、略平行四辺形の側面を有するのが好ましい。
【0014】
熱交換管の一方の側面は、幅方向を軸として用いて曲げられ、熱交換管のこの側面上の曲げ点が、第1の曲げ軸上に実質的に位置し、熱交換管が、第1の曲げ軸に沿って曲げられるのが好ましい。
【0015】
本発明の別の態様において、空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換器が提供され、熱交換器は、
略四辺形側面を有する本体部と、
本体部に接続される2つの曲げ部であって、2つの曲げ部のそれぞれが略台形側面を有する、2つの曲げ部と、
本体部と曲げ部との間に延在する少なくとも1つの熱交換管であって、曲げ部内の熱交換管は、本体部が位置する平面が、2つの曲げ部のそれぞれが位置する平面に対して垂直か、略垂直であるように、本体部内の熱交換管に対して傾斜され、曲げられる、少なくとも1つの熱交換管とを備えている。
【0016】
熱交換管の2つの側面は、幅方向を軸として用いて角度αにそれぞれ曲げられ、熱交換管の各側面上の曲げ点が、第1の曲げ軸上に実質的に位置し、熱交換管が、第1の曲げ軸に沿って角度βに曲げられるのが好ましい。
【0017】
βは台形側面の2つの非平行側面の間の狭角であり、角度αはβ/2−5°からβ/2+5°の範囲にあり、台形側面の短い縁端が底部に位置する場合、各熱交換管の長さは、底部から頂部へ4L×tgαずつ徐々に増加し、曲げ部における熱交換管の間の距離はLである。
【0018】
本発明の別の態様において、空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換器が提供され、熱交換器は、
本体部と、
本体部に接続される少なくとも1つの曲げ部であって、少なくとも1つの曲げ部が唯一の曲げ部であり、曲げ部が曲げられた台形側面を有する、少なくとも1つの曲げ部と、
本体部と曲げ部との間に延在する少なくとも1つの熱交換管であって、曲げ部内の熱交換管は、本体部が位置する平面が、曲げ部が位置する平面に対して垂直か、略垂直であるように、本体部内の熱交換管に対して傾斜され、曲げられる、少なくとも1つの熱交換管とを備えている。
【0019】
熱交換管の一方の側面は、幅方向を軸として用いて角度αに曲げられ、熱交換管のこの側面上の曲げ点が、第1の曲げ軸上に実質的に位置し、
曲げられた熱交換管は、第1の曲げ軸とは異なる第2の曲げ軸に沿って角度βに曲げられ、
βは台形側面の2つの非平行側面の間の狭角であり、角度αはβ/2−5°からβ/2+5°の範囲にあり、台形側面の短い縁端が底部に位置する場合、各熱交換管の長さは、底部から頂部へ2L×tgαずつ徐々に増加し、曲げ部における熱交換管の間の距離はLであるのが好ましい。
【0020】
第1の曲げ軸と第2の曲げ軸との間の距離は、200mm以下であるのが好ましい。
【0021】
また、熱交換器の2つの対向する側面に配設される2つのヘッダも含まれ、
熱交換管は、本体部及び曲げ部において所定間隔で配置され、本体部及び曲げ部において互いと略平行に延在する複数の熱交換管であり、
熱交換管のそれぞれは、曲げ部及び本体部を通って2つのヘッダの一方から他方のヘッダへ延在するのが好ましい。
【0022】
熱交換管は扁平管であり、フィンは、曲げ点ではない扁平管のそれらの部分上に配設され、扁平管の端部がヘッダと垂直連通するのが好ましい。
【0023】
本発明の別の態様において、空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換モジュールが提供され、熱交換装置が少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、各熱交換モジュールが共に接合される2つの同一で一致する熱交換器を備え、各熱交換器は、上で説明した熱交換器である。
【0024】
本発明の別の態様において、空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換モジュールが提供され、熱交換装置が、共に接合される2つの熱交換器を備える少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、各熱交換モジュールは、2つの異なるが一致する熱交換器を備え、これらの熱交換器のうちの一方は、上で説明した熱交換器であり、これらの熱交換器のうちの他方は、上で説明した熱交換器である。
【0025】
本発明の別の態様において、空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換モジュールが提供され、熱交換装置が、共に接合される2つの熱交換器を備える少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、各熱交換モジュールは、2つの異なるが一致する熱交換器を備え、これら2つの熱交換器のうちの一方は、上で説明した熱交換器であり、これら2つの熱交換器のうちの他方は、略平行四辺形の側面を有する本体部のみを有している。
【0026】
2つの熱交換器が共に接合される場合に形成される空気漏出領域は、空気バッフル板を備えるのが好ましい。
【0027】
本発明の別の態様において、空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換モジュールが提供され、熱交換装置が、共に接合される2つの熱交換器を備える少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、各熱交換モジュールは、2つの同一で一致する熱交換器を備え、これら2つの熱交換器のそれぞれが、上で説明した熱交換器である。
【0028】
2つの熱交換器が共に接合される場合に形成される空気漏出領域は、空気バッフル板を備えるのが好ましい。
【0029】
本発明の別の態様において、空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換モジュールが提供され、熱交換装置が、共に接合される2つの熱交換器を備える少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、各熱交換モジュールは、2つの同一で一致する熱交換器を備え、これら2つの熱交換器のそれぞれが、上で説明した熱交換器である。
【0030】
2つの熱交換器が共に接合される場合に形成される空気漏出領域は、空気バッフル板を備えるのが好ましい。
【0031】
本発明の別の態様において、空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置の熱交換モジュールが提供され、熱交換装置は、共に接合される4つの熱交換器を備える少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、
4つの熱交換器のうちの2つは、同じ寸法及び略四辺形側面を有し、4つの熱交換器のうちの他の2つは、同じ寸法及び台形側面を有し、
各熱交換器は、熱交換器の2つの対向する側面に配設される2つのヘッダを備え、
複数の熱交換管は、ヘッダと連通し、熱交換器の側面において所定間隔で配置されて、その内部で互いと略平行に延在する。
【0032】
熱交換管は、その上にフィンが設けられる扁平管であるのが好ましい。
【0033】
本発明の別の態様において、空冷ウォーターチラーユニット又は商用屋上機械上で使用するための熱交換装置が提供され、熱交換装置は、上で説明した熱交換モジュールである少なくとも1つの熱交換モジュールを備えている。
【0034】
本発明の別の態様において、熱源ユニットが提供され、熱源ユニットは、また、互いに協働する、熱交換装置と、ブロワと、熱交換装置と連通する排水板と、熱交換装置以外の冷却サイクル構成部品を収容する機械室とを備え、熱交換装置は、上で説明した熱交換装置である。
【0035】
本発明のこれら及び/又は他の態様及び利点は、添付図面と共に好ましい実施形態の以下の説明によって、明確及び容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、本発明による熱交換装置の略図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態による熱交換器の略図である。
図3図3は、図2に示す熱交換器を備える、本発明の第1の実施形態による熱交換モジュールの略図である。
図4図4は、本発明の第2の実施形態による熱交換器の略図である。
図5図5は、本発明の第2の実施形態による別の熱交換器の略図である。
図6図6は、図4及び図5の2つの熱交換器を備える、本発明の第2の実施形態による熱交換モジュールの略図である。
図7図7は、本発明の第3の実施形態による熱交換モジュールの略図である。
図8図8は、本発明の第4の実施形態による熱交換モジュールの略図である。
図9図9は、本発明の第5の実施形態による熱交換器の略図である。
図10図10は、図9の熱交換器を備える、本発明の第5の実施形態による略図である。
図11図11は、本発明の第6の実施形態による熱交換モジュールの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の技術的な解決法を、図1〜11と共に、実施形態を用いることによって、以下で更に詳細に説明する。この説明において、同一又は類似の図面標示は、同一又は類似の構成部品を示している。添付図面に関連する本発明の実施形態の以下の説明は、本発明の発明概念全体を説明することを目的としており、本発明を制限するものとして解釈すべきではない。
【0038】
本発明の背景技術から理解されるように、本発明の重要な設計点は、文献国際公開第2011013672号パンフレット内の熱源ユニットに使用される熱交換モジュールの改良にある。特に、その文献内の熱交換器の一部は、側面図において略V字形に編成されているため、略V字状の空間が対向する空気熱交換器の曲げ部の間に形成される。明らかに、前記文献において、共に嵌合された一対の熱交換器の本体部間の空間と、それらの隣接する曲げ部間の空間とは、両方、略同じV字状に形成され、言い換えれば、それらの間の狭角は同じであり、略30〜90°の範囲にある。最終的な結果として、一対の熱交換器の間のV字状空間が有効に利用されていないことが生じる。それらの間の狭角が大きいため、V字状空間は、空気又は風がV字状空間を通過し、それによって、熱交換効果に悪影響を及ぼさないよう、略V字形に切断された板本体、すなわち、囲い板によって閉鎖されなければならない。
【0039】
本発明において、前記文献において言及された欠点を少なくとも部分的に首尾良く解決する熱交換器、熱交換モジュール、熱交換装置、及び熱源ユニットが提供される。従って、以下の説明は、本発明が熱交換器、熱交換モジュール、熱交換装置、及び熱源ユニットを改良することに焦点を当てる。前記文献内で言及された熱源ユニットにおける構成部品(ブロワ、熱交換装置と連通する排水板、及び、熱交換装置以外の冷却サイクル構成部品を収容する機械室等)の配置も、本発明に適用されてもよく、従って、前記文献は、ここでは再度、詳細に説明しないそれらの構成部品の具体的な説明に対して参照されてもよい。
【0040】
従来の熱交換器が略長方形であり、V字状側面を閉鎖するために金属薄板要素を必要とすることは、前記文献から明らかである。それは、前記文献においてV字状側面と称されるが、実際の製造プロセスにおいて、本発明の添付図面及び前記文献から見て取ることができるように、略台形を有するよう概して製造されることは、ここで説明されるべきである。従って、本発明において、それは、実際の状況により良好に合致するように、台形側面と称される。本発明の目的は、異なる用途及び設置要件に適合するよう、熱交換面積を増加させることにある。本発明において、金属薄板要素によって閉鎖される台形側面は、共に接合した後、熱交換モジュールの側面が台形又は略台形を形成するように、熱交換器を曲げることによって少なくとも部分的に置換されることは、以下から見て取ることができる。
【0041】
本発明の実施形態による熱交換器、熱交換モジュール、熱交換装置、及び熱源ユニットは、特に、熱源ユニット、空冷ウォーターチラーユニット、又は商用屋上機械に使用される商用空調システムに適用されてもよい。一般に、熱交換装置は、左右側面と垂直な少なくとも1つの略台形側面(以下、台形熱交換側面部と略す)を有する少なくとも1つの熱交換モジュールを備え、ここで、それら上のヘッダ及び熱交換管及び/又はフィンが、熱交換側面に設けられる。
【0042】
当業者は、熱交換装置が複数の熱交換モジュール100を有する場合、熱交換装置が、同じ型の複数の熱交換モジュール100から形成されるか、又は、必要に応じて、本発明に従う異なる型の熱交換モジュール100の何らかの組み合わせを採用してもよいことを理解するであろう。
【0043】
図1を参照すると、熱交換モジュール100の上端は、上部板50を備え、ブロワモジュール又はユニット30が、上部板50上で熱交換器1及び2に対応する位置に設けられている。一実施形態において、円筒形風吹出口31が、上部板50から上方突出方向に設けられ、ファンシュラウド32が、風吹出口31の突出端面を覆っている。ブロワ30は、風吹出口31に収容されたプロペラ型ファンと、ファンシュラウド32の反対に取り付けられる軸心と、ファンモータとを備え、プロペラ型ファンは回転軸上に取り付けられている。
【0044】
無論、熱交換モジュール100を良好に所定位置に固定するために、熱交換モジュール100の底部は、それを所定位置に固定する支持エレメント又は支持フレーム(図示せず)を備えていてもよい。実際には、図1が示すように、熱交換モジュール100の左右側面は、厳密に言うとV字状側面ではないが、実際の用途において台形側面である。図に示すように、各熱交換モジュール100は、紙面の左右側面の両方に、2つの非平行縁端間で狭角θを有する台形熱交換側面を有している。
【0045】
ここで、記述及び説明を容易にするため、熱交換部又はその内部に含まれる熱交換器/熱交換ユニットのみが示されている。
【0046】
本発明の第1の実施形態による熱交換器及びそれから形成される熱交換モジュールの略図を示す図2〜3を参照する。特に図3を参照すると、熱交換モジュール100は、曲げられた熱交換ユニット10及び熱交換ユニット20を備え、以下で述べるように、熱交換ユニット10及び熱交換ユニット20は、同一であるか異なっていてもよい。各熱交換ユニット10又は20は、1つ以上の熱交換器から形成されてもよく、ここでは、簡略化及び便宜のために、各熱交換ユニットは、単一の熱交換器として描かれ、説明されている。本発明の第1の実施形態において、熱交換器10及び20は全く同じである。
【0047】
図2を参照すると、本発明の第1の実施形態において、熱交換器10は、ヘッダ11、ヘッダ12、熱交換管13、及びフィン14を備えている。図2の紙面内の左右方向に水平に延在する複数の熱交換管(及び、設けられている場合はフィン)は、熱交換器10の本体部15を形成する一方で、図2の紙面内の左右方向に対して角度αで熱交換器10の2つの側面に配設される複数の熱交換管及びフィンは、曲げ部16及び曲げ部17を形成している。曲げ部16は、熱交換モジュールの台形熱交換側面(以下で説明する)の一部を形成するための略台形側面を有し、曲げ部17は、熱交換モジュールの別の台形熱交換側面の一部を形成するための略四辺形側面(平行四辺形として図中に示す)を有している。本体部15及び曲げ部16は、以下で説明するように、曲げ部16が、曲げ軸Yを軸として用いて、図2の紙面に対して外側に曲げられるという事実によって、曲げ軸Yと呼ばれる直線Yにおいて接続される。同じ原理によって、本体部15及び曲げ部17は、直線Y’において接続され、Y及びY’は、以下で説明するように、曲げ部16及び17が、曲げ軸Y及びY’を軸として用いて、図2の紙面に対して外側に曲げられるという事実によって、曲げ軸と呼ばれる。この実施例において、曲げ部16及び17は、それらの曲げ軸Y及びY’に沿って1回だけ曲げられることは、説明されなければならない。
【0048】
図2に示す熱交換器10において、ヘッダ11及び12は、熱交換器10の最も外側、すなわち、曲げ部16の右側及び曲げ部17の左側にそれぞれ配設される。ヘッダ11及びヘッダ12の長さは、等しいか、略等しいが、図に示すように、それらは、ある特定の角度を形成するか、又は、互いに対して傾斜されている。複数の熱交換管13は、所定間隔で互いに平行して、ヘッダ11とヘッダ12との間に配設されている。熱交換管13と嵌合するための複数のスロットが、ヘッダ11及び12上にそれぞれ設けられている。フィン14は、隣接する熱交換管13の間に配設される。この実施例において、熱交換管13は扁平管である。
【0049】
熱交換管13の2つの側面は、例えば、幅方向を軸として用いて、角度αに曲げられており、ここで、熱交換管が曲げられる点は、それぞれ、実質的に曲げ軸Y及びY’上に位置し、角度αはβ/2−5°からβ/2+5°の範囲にあり、ここで、βは台形熱交換側面の狭角θ以下である。同じ原理によって、熱交換器20は、熱交換器10と同一であるように、熱交換器10と同様の方法で編成されてもよく、ここでは説明しない。
【0050】
重要な点を説明することに焦点を合わせるために、図は、それらに関連するウォーターチラーユニット又は熱源ユニット内の関連構成部品を省略している。本発明の主な設計が熱交換装置に関係しているという事実に鑑みて、かかる省略は、当業者による本発明の理解に悪影響を及ぼさず、本発明の開示内容が不完全なものとなる原因とはならないであろう。
【0051】
熱交換装置が少なくとも1つの熱交換モジュールを備えることは、当該技術において周知である。本発明による熱交換装置が、1つ以上(例えば、2つ、3つ、5つ)の熱交換モジュールと、対応する数のブロワモジュール又はブロワユニットとを備えていてもよいことは理解され得、ここで、複数のブロワモジュール又はブロワユニットは、ブロワ装置又はブロワシステムを形成する。無論、各ブロワユニット又はモジュールも、1つのブロワ又はより多くのブロワであってもよい。
【0052】
一般に、熱交換モジュールは、共に接合される2つの熱交換器を備えている。無論、当業者は、熱交換モジュールを形成する方法が、上で説明した種類に限定されず、熱交換モジュールが、以下の方法でも形成されてもよい、すなわち、熱交換モジュールは、単一の熱交換ユニットを備えていてもよく、その台形熱交換側面が、単一の熱交換ユニットの一部を曲げること(例えば、単一の平板熱交換器の2つの端部を曲げること)によって形成されることを理解するであろう。代替として、熱交換モジュールは、また、複数の熱交換ユニットから形成されてもよく、ここで、台形熱交換側面部は、単一の熱交換ユニットによって形成され、台形熱交換側面は、熱交換モジュールの別の部分(例えば、それに隣接する別の熱交換器)に嵌合されている。代替として、熱交換モジュールは、また、互いに対向して共に嵌合される1つの熱交換ユニットと1つの支持部材(例えば金属板支持部材)とを備えてもよく、熱交換ユニットは台形熱交換側面を形成するよう曲げられ、台形熱交換側面は支持部材に嵌合されている。原則として、各熱交換ユニットは、従来の意味で単一の熱交換器であり、すなわち、2つのヘッダと、その間に所定間隔で平行に延在する複数の熱交換管(例えば、可能であれば、複数のフィンが配設されてもよい扁平管)とを有している。無論、複数の熱交換器が含まれてもよい。説明を簡潔にするため、単一の熱交換ユニットは、以下では熱交換器として略される。
【0053】
図2〜3に示すように、本発明の第1の実施形態において、各熱交換モジュールは、2つの同一の熱交換器を備え、すなわち、熱交換器10及び20は同じである。熱交換モジュールにおいて、各台形熱交換側面は、共に接合される2つの熱交換器の曲げ部から形成されている。
【0054】
特に、曲げ部16及び17内の熱交換管13は、本体部15が位置する平面が、2つの曲げ部のそれぞれが位置する平面に対して垂直か、略垂直であるように、本体部15内の熱交換管に対して傾斜され、曲げられている。
【0055】
図2を例に取ると、2つの側面に曲げ部を有する熱交換器10を曲げる方法は、以下のように説明され、すなわち、最初に扁平管13が曲げられ、次いで、熱交換器10の本体が曲げられる。具体的な曲げステップは、以下の通りであり、すなわち、まず第一に、各扁平管13の2つの側面(図面内の扁平管の左右側面等)が、扁平管の幅方向(すなわち、紙面内の前後方向)を軸として用いて角度αに曲げられ、曲げられた扁平管13は、次いで、ヘッダ11及び12内のスロット(図示せず)に順番に挿入される。次いで、扁平管の位置を調整することによって、全ての扁平管13の両側の曲げ点が、実質的に1本の線上、すなわち、図2に示す曲げ軸Y及びY’上にあることを確実にする。従って、熱交換器10は、本体部15と曲げ部16及び17とを形成する。フィン14は、その後、ろう付炉に入れられ、単一の本体を形成するよう、ろう付けされる隣接する扁平管の間に挿入される。最終的に、曲げられた熱交換器における曲げ部16及び17は、本体部15が曲げ部16及び17に対して垂直か、略垂直であるように(図3を参照)、曲げ軸Y及びY’を曲げ軸として用いて、本体部15と略垂直な方向に沿って曲げられる(すなわち、熱交換器の本体が曲げられる)。
【0056】
図2及び3に示すように、本体部15は、熱交換モジュール100における長方形側面である一方で、熱交換器10の曲げ部16及び17は、それぞれ、他の熱交換器20の2つの曲げ部と共に熱交換モジュール100の台形熱交換側面を形成している。しかし、本体部15が長方形である場合は単なる一例であり、例えば、略正方形、台形、又は平行四辺形の、必要に応じて何らかの適切な形状を有していてもよいことは、理解され得る。
【0057】
曲げ部16において、最底部の扁平管は最短の長さを有し、最上部の扁平管は最長の長さを有し、扁平管の間の間隔はLである。更に、曲げ部における扁平管の長さは、底部から頂部へ2Ltgαずつ徐々に増加するのが好ましい。製作の便宜上、各扁平管の長さはわずかに調整されてもよい。
【0058】
曲げる間、扁平管の曲げ角度αは、台形側面(すなわち、曲げ部16)の2つの非平行縁端間の狭角βの略半分であるのが好ましいが、一般に、β/2−5°からβ/2+5°の範囲内であることだけが必要である。曲げ軸Yとヘッダ12との間の狭角βは、熱交換台形側面の頂角θと略等しいかそれよりも小さいことが好ましい。無論、上で説明した曲げ方法は、単に本発明の一例であり、当業者は、無論、(例えば、異なる角度で曲げを行う等)必要に応じて別の曲げ方法を選択することができる。
【0059】
組立の便宜上、ヘッダ11又は12に位置する扁平管13のその端部は、扁平管13がヘッダ12内のスロットに垂直又は略垂直に挿入されるように、曲げられてもよい。無論、当業者は、熱交換器10を曲げることが容易で、曲げ半径を可能な限り小さくできるように、実質的又は本質的に何のフィンも扁平管13の曲げ点(すなわち、実質的に曲げ軸Y及びY’の位置)に配置しなくてもよい。
【0060】
当業者は、この実施形態において、熱交換モジュール100における右側熱交換器10及び左側熱交換器20が実質的に同一又は対称であるため、熱交換器20の構造及び曲げ原理が熱交換器10の構造及び曲げ原理と実質的に同じであることを理解するであろうから、ここでは再度説明しない。
【0061】
再度、図3を参照すると、熱交換器10及び熱交換器20は、それらのそれぞれのヘッダによって互いに接続されて、熱交換モジュール100を形成している。すなわち、熱交換器10及び熱交換器20の曲げ部が、それぞれ、熱交換モジュール100の2つの台形熱交換側面として用いられ、そのため、熱交換面積が増加するように、熱交換器10内のヘッダ11は、熱交換器20内のヘッダ22と接続され、熱交換器10内のヘッダ12は、熱交換器20内のヘッダ21と接続される。当業者は、上で説明した編成に限定されることなく、必要に応じて特定の編成を選択してもよい。上記の例は、単に例証となる説明を提供するために与えられており、本発明を限定するものとして解釈するべきではない。
【0062】
本発明の第2の実施形態による熱交換モジュールを示す図4〜6を参照し、この熱交換モジュールは、2つの非対称の熱交換器60及び70から形成される。熱交換器60は、方形本体部65と略平行四辺形の2つの曲げ部66及び67とを有している。2つの曲げ部66及び67において、扁平管の長さは同じである。その曲げステップは、第1の実施形態におけるものと同じであり、唯一の差は、2つの平行四辺形曲げ部が曲げることによって形成されているという点である。このため、曲げステップの簡単な説明を提供する。
【0063】
熱交換器60の曲げステップは、以下で簡潔に説明される。
【0064】
まず第一に、扁平管が曲げられ、次いで、熱交換器60のコア本体が曲げられ、熱交換器のコア本体を組み立てる前に、各扁平管の2つの側面が、それぞれ、幅方向を軸として用いて、角度αに曲げられなければならない。αは台形側面のV字形の狭角βの半分と略等しいのが好ましく、曲げ部66及び67において、各扁平管は、同じ長さを有している。しかし、製作の便宜上、各扁平管の長さはわずかに調整されてもよい。
【0065】
他の熱交換器70は、方形本体部75と2つの略台形の曲げ部76及び77とを有している。熱交換器70の曲げステップは、以下の通りである。
【0066】
まず第一に、扁平管が曲げられ、次いで、熱交換器70のコア本体が曲げられ、熱交換器のコア本体を組み立てる前に、各扁平管の2つの側面が、それぞれ、幅方向を軸として用いて、角度αに曲げられなければならない。αは台形熱交換側面のV字形の狭角βの半分と略等しいのが好ましく、各曲げ部76又は77において、最底部の扁平管は最短であり、最上部の扁平管は最長であり、扁平管同士の長さは、底部から頂部へ2L×tgαずつ徐々に増加する。言い換えれば、熱交換器70において、各扁平管の長さは、底部から頂部へ4L×tgαずつ徐々に増加する。製作の便宜上、各扁平管の長さはわずかに調整されてもよい。
【0067】
図7は、本発明の第3の実施形態による熱交換モジュールを示している。熱交換モジュールは、2つの非対称の熱交換器60及び40を備えている。この熱交換器60は、図6における熱交換器60と同じであり、従って、同じ参照ラベルを用いて示す(以下の通り、そのため、再度説明しない)。
【0068】
他の熱交換器40は、熱交換器60と同一又は略同一の本体部のみを有する従来の熱交換器である。差異は、方形本体部の2つの端部がそれぞれヘッダを備えているという点である。
【0069】
熱交換器60及び40が共に接合されると、熱交換モジュールの各台形熱交換側面上に何の熱交換管又はフィンも持たない三角形又は略三角形の領域が存在するであろうことは、理解され得る。従って、これは、空気漏出領域と呼ばれ、図7に示す空気バッフル板又は風遮断エレメント80により遮ることができる。空気バッフル板80の具体的な形状及びそれを作る材料などは、要件に従って選択さてもよく、ここでは詳細に説明しない。
【0070】
図8は、本発明の第4の実施形態による熱交換モジュールを示している。熱交換モジュールは、2つの対称の熱交換器90を備えている。熱交換器90は、曲げ部が一方の側面に設けられているという点のみ、図6の熱交換器60とは異なっている。曲げの方法又はステップは、図6の熱交換器60に関するものと同じである。
【0071】
2つの熱交換器90が共に接合されると、熱交換モジュールの各台形熱交換側面上に何の熱交換管又はフィンも持たない三角形又は略長方形の領域が存在するであろうことは、理解され得る。従って、これは、空気漏出領域と呼ばれ、図8に示す空気バッフル板又は風遮断エレメント80により遮ることができる。空気バッフル板80の具体的な形状及びそれを作る材料などは、要件に従って選択さてもよく、ここでは詳細に説明しない。
【0072】
図9及び10は、本発明の第5の実施形態による熱交換モジュール及び熱交換器を示している。熱交換モジュールは、2つの同一の熱交換器110を備えている。熱交換器110の具体的な構造を示す図9を参照する。熱交換器110は一方の側面にのみ曲げ部を有しているが、それは、2つの異なる曲げ軸Y及びY’’に沿って、熱交換器110のコア本体を2回曲げることによって形成される。
【0073】
具体的な曲げステップ及び曲げ方法は、以下の通りである。
【0074】
まず第一に、各扁平管の一方の側面(図面内の扁平管の右側面等)が、扁平管の幅方向(すなわち、紙面内の上下方向)を軸として用いて角度αに曲げられ、曲げられた扁平管は、次いで、2つの側面上のヘッダ111及び112内のスロット(図示せず)に順番に挿入される。次いで、扁平管の位置を調整することによって、全ての扁平管の右側の曲げ点が、実質的に1本の線上、すなわち、図9に示す曲げ軸Y上にあることを確実にする。従って、熱交換器110は、本体部115と曲げ部116とを形成する。フィンは、その後、ろう付炉に入れられ、単一の本体を形成するよう、ろう付けされる隣接する扁平管の間に挿入される。最終的に、曲げられた熱交換器における曲げ部116は、曲げ軸Yを曲げ軸として用いて、本体部115と略垂直な方向に沿って曲げられ(すなわち、熱交換器の本体が曲げられ)、次に、曲げ部116は、本体部115が曲げ部116に対して垂直か、略垂直であるように(図10を参照)、本体部115に対する所定角度まで他の曲げ軸Y’’に沿って曲げられて、別の曲げ部117を形成する。
【0075】
曲げ軸Y’’は、軸Yからずれていてもよく、曲げ軸Yのどちらか一方の側にあってもよい。Y’’とYとの間の距離は、200mm以下であるのが好ましい。2つの熱交換器110が共に接合される際に空気漏出領域が形成された場合、空気バッフル板は、空気漏出領域に配設されてもよい。
【0076】
図11は、本発明の第6の実施形態による熱交換モジュールを示している。熱交換モジュールは、共に接合される4つの熱交換器120及び130である。
【0077】
4つの熱交換器の中の2つの熱交換器120は、同じ寸法を有し、略四辺形の側面を有しており、4つの熱交換器の中の他の2つの熱交換器130は、同じ寸法及び台形側面を有している。各熱交換器120及び130は、熱交換器の2つの対向する側面に配設される2つのヘッダを備えている。複数の熱交換管は、ヘッダと連通し(いくつかの実施例において、図に示すように、熱交換管はヘッダと斜めに連通し)、熱交換器の側面において所定間隔で配置されて、その内部で互いと略平行に延在している。熱交換管は、その上にフィンが設けられる扁平管である。
【0078】
本発明の上記実施形態のそれぞれにおいて、まず第一に、扁平管が、例えば、角度αに曲げられ、次いで、曲げられた扁平管が、本体部に対して垂直となるように熱交換器の本体部に対して曲げられ、それによって、最終的に熱交換装置の台形側面を形成するが、異なる方法で同様の構造を持つ熱交換器を製造することも可能である。例えば、本発明の熱交換器のものと同一か、同様の構造は、上記熱交換器の本体部と曲げ部との間で部分的又は完全に、曲折方法で連続して延在するように熱交換管を曲折させることによって得られる。言い換えれば、本発明と同様の熱交換器は、1つ以上の熱交換管を曲折させて略U字形又は曲折構造を形成することによって得ることができる。実施可能な状況において、かかる曲折方法は、ヘッダの使用を排除できる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の利点は、HVACシステムの大きさを増大させることなく、熱交換装置の熱交換面積を増加することができるという点である。それは、熱交換器の熱交換性能を向上させることによって、HVACシステムのエネルギー効率を増加(電力消費を低減)することができる。HVACが、より高いエネルギー効率及びより大きな熱交換性能を必要としない場合、本発明は、HVACシステム全体がよりコンパクトで、より低い製造及び設置コストを有するように、システム内の熱交換器の数を低減するために使用することもできる。
【0080】
これらは単に、本発明のいくつかの実施形態である。当業者は、本明細書中の全体的な発明概念の原理及び精神から逸脱することなく、これらの実施形態に対して変更を行ってもよいことを理解するであろう。本発明の適用範囲は、特許請求の範囲及びそれらの相当語句によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】