特表2017-537610(P2017-537610A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-537610燃焼ガス検出器を備えたエアロゾル発生装置、システムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-537610(P2017-537610A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】燃焼ガス検出器を備えたエアロゾル発生装置、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20171124BHJP
   A61M 15/06 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   A24F47/00
   A61M15/06 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-520473(P2017-520473)
(86)(22)【出願日】2015年10月21日
(85)【翻訳文提出日】2017年4月14日
(86)【国際出願番号】EP2015074420
(87)【国際公開番号】WO2016062786
(87)【国際公開日】20160428
(31)【優先権主張番号】14190272.6
(32)【優先日】2014年10月24日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ヨッホノヴィッツ エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ジノヴィク イハル ニコラエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】パイネンバーグ ヨハネス ペトラス マリア
(57)【要約】
エアロゾル形成基体(12)を加熱するよう構成されたエアロゾル発生装置(100)は、電源(16)と、ヒーター(14)と、電源からヒーターへの電力供給を制御するよう構成されたコントローラ(18)と、燃焼ガス検出器(20)とを備え、ここでコントローラは燃焼検出器に接続され、燃焼ガス検出器からの信号に基づき燃焼ガスレベルを監視するように構成されている。燃焼ガスレベルは、燃焼ガスレベルが望ましいレベルを越えた時にユーザーに表示するためにコントローラによって使用でき、または、ヒーターに供給される電力を調整する制御プロセスで使用されてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基体を加熱するように構成されたエアロゾル発生装置であって、
電源と、
ヒーターと、
前記電源から前記ヒーターへの電力供給を制御するように構成されたコントローラと、
燃焼ガス検出器とを含み、
前記コントローラが前記燃焼検出器に接続され、また前記燃焼ガス検出器からの信号に基づき燃焼ガスレベルを監視するよう構成されている、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記燃焼ガスレベルが第一の閾値ガスレベルを越えたときに、前記コントローラが前記ヒーターへの前記電力供給を低下させるように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
インジケータをさらに備え、前記燃焼ガスレベルが第二の閾値レベルを越えたときに前記コントローラが前記インジケータを起動するように構成されている、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記装置が電気加熱式の喫煙装置である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記燃焼ガス検出器が一酸化炭素(CO)検出器または一酸化窒素(NOx)検出器である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記コントローラが所定の期間にわたり累積または平均の燃焼ガスレベルを計算し、前記累積または平均の燃焼ガスレベルを前記閾値レベルと比較するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記燃焼ガスレベルが停止レベルに達したときに、前記コントローラが前記電源から前記ヒーターへの前記電力供給を停止するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記コントローラが前記ヒーターへの前記電力供給を停止した後の前記燃焼ガスレベルを監視するように構成され、前記燃焼ガスレベルが前記停止レベルを越えたままの場合にインジケータを起動するように構成されている、請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記コントローラが、前記燃焼ガスレベルを閾値レベルよりも下に維持するよう前記電源から前記ヒーターへの前記電力供給を調整するように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記装置が空気吸込み口および空気出口を備え、また使用時に、前記エアロゾル形成基体が前記空気吸込み口と前記空気出口の間の空気の流れ経路内に位置付けられ、また前記燃焼ガス検出器が前記空気吸込み口を通して引き込まれた燃焼ガスを検出するように位置付けられている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記装置が空気吸込み口および空気出口を備え、また、使用時に、前記エアロゾル形成基体が前記空気吸込み口と前記空気出口の間の空気の流れ経路内に位置付けられ、かつ空気が前記空気吸込み口を通り、前記エアロゾル形成基体を通り過ぎるかまたは通して前記空気出口に引き込まれ、また前記燃焼ガス検出器が、前記エアロゾル形成基体に隣接したまたはその下流にある燃焼ガスを検出するように位置付けられている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置と、前記装置内に受けられるかまたは前記装置と結合されるエアロゾル形成基体とを備える、エアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記エアロゾル形成基体は、加熱に伴い前記基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を備える、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記エアロゾル形成基体が固体基体である、請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
加熱式エアロゾル発生装置内にあるヒーターへの電力供給を制御する方法であって、
前記装置内またはその周辺の燃焼ガスレベルを監視する工程と、
前記燃焼ガスレベルが燃焼ガスレベルの閾値を越えた場合に、前記ヒーターへの前記電力供給を低下させる工程とを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル形成基体の加熱により動作するエアロゾル発生装置およびシステムに関連する。特に、本発明は、望ましいエアロゾルの製造を確保するために、エアロゾル形成基体の温度を温度範囲内に維持することが望ましい、エアロゾル発生装置およびシステムに関連する。電気加熱式の喫煙装置は、このタイプの装置の例である。
【背景技術】
【0002】
電気加熱式の喫煙装置での潜在的な一つの問題は、液体エアロゾル形成基体または固体エアロゾル形成基体(紙巻たばこなど)を加熱するよう構成されているかどうかによらず、エアロゾル形成基体の温度が高くなり過ぎた場合にエアロゾル形成基体の燃焼が起こりうることである。これは、発生したエアロゾル内での、不快な味覚でかつ一般的に望ましくない化合物の発生につながりうる。
【0003】
この問題は、特にユーザーが自分で用意したエアロゾル形成基体を装置に挿入できるシステムにおいて重大である。異なるエアロゾル形成基体は、加熱した時に異なった挙動をする。特に、燃焼が起こる温度は基体の組成およびその含水量に依存して異なる。したがって、単にヒーターの温度を所定の温度範囲内に維持する装置では、その装置と併用できるすべての異なる基体にとって望ましいエアロゾルを生成できないかもしれない。
【0004】
高レベルの望ましくないエアロゾル成分の発生を防止し、かつ様々な異なる不明なエアロゾル形成基体と共に作動できるエアロゾル発生装置およびシステムを提供することが本発明の目的である。
【発明の概要】
【0005】
第一の態様では、エアロゾル形成基体を加熱するよう構成されているエアロゾル発生装置が提供されており、
【0006】
電源と、ヒーターと、電源からヒーターへの電力供給を制御するように構成されたコントローラと、燃焼ガス検出器とを含み、ここで、コントローラは、燃焼検出器に接続され、また燃焼ガス検出器からの信号に基づき燃焼ガスレベルを監視するよう構成されている。
【0007】
発生した燃焼ガスレベルを監視することにより、コントローラは、使用されているエアロゾル形成基体に関しては何も知る必要なく、発生しているエアロゾルの組成に関する情報を持つ。燃焼ガス検出器は、例えば、一酸化炭素(CO)検出器または一酸化窒素(NOx)検出器としうる。一酸化炭素は、燃焼および特に不完全燃焼について定評のあるインジケータである。例えば、燃えている紙巻たばこ中では、より高い分子量の揮発性化合物が、低分子量の炭化水素、一酸化炭素および二酸化炭素などのより小さい分子に「分解」される。不完全燃焼は、使用中、特にユーザーの吸煙間に、完全燃焼には不十分な酸素が燃えている紙巻たばこに運ばれるために発生しうる。一酸化窒素が燃焼中に生成されることもよくある。一酸化窒素は、一酸化窒素(NO)および二酸化窒素(NO2)の両方を含むが、NOxと省略されることがよくある。燃えているバイオマス中では、NOxは通常、燃料に結合した窒素に起因する。例えば、たばこ由来の基体など、植物由来の基体は有意な量の硝酸塩を含む。燃焼ガス検出器は、液体基体の成分の燃焼の結果として、液体基体を使用する電子紙巻たばこ内で望ましくなく発生しうる(単数または複数の)カルボキシル基、またはアルデヒドを含むガスなど、その他のガスを検出するよう構成されている検出器でもよい。
【0008】
本明細書で使用される場合、「燃焼ガスレベル」という用語は、気流内の燃焼ガスの濃度、または検出された燃焼ガスの絶対量を意味しうる。
【0009】
コントローラは、燃焼ガスレベルが第一の閾値ガスレベルを越えた時に、ヒーターへの電力供給を減少させるように構成されうる。コントローラは、ヒーターまたはエアロゾル形成基体の温度を低下させる効果を持つレベルまでヒーターへの電力を減少させるように構成されていることが好ましい。
【0010】
別の方法として、または追加的に、装置はインジケータを備えてもよく、またコントローラは、燃焼ガスレベルが第二の閾値レベルを越えた時にインジケータを起動するように構成されてもよい。インジケータは、発光ダイオード(LED)など装置上の視覚的指標でもよく、またはスピーカーなど可聴インジケータでもよい。その後、ユーザーは、インジケータが停止されるまで装置の使用を中断することを選択しうる。第一の閾値レベルは、第二の閾値レベルと同一でも異なっていてもよい。
【0011】
本明細書に使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを生成する装置に関連する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部、例えば喫煙物品の一部としうる。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してユーザーの肺にユーザーの口を通して直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置としうる。
【0012】
「エアロゾル形成基体」という用語は本明細書で使用される時、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を持つ基体に関連する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体の加熱により放出されうる。エアロゾル形成基体は、好都合なことにエアロゾル発生物品または喫煙物品の一部でありうる。
【0013】
「エアロゾル発生物品」および「喫煙物品」という用語は本明細書で使用される時、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を持つエアロゾル形成基体を含む物品を意味する。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺に直接吸入可能なエアロゾルを生成する喫煙物品としうる。エアロゾル発生物品は、使い捨てとしうる。喫煙物品は、たばこスティックとしうるか、またはそれを備えうる。
【0014】
装置は電気的に動作する装置としうるが、特に電気加熱式の喫煙装置としうる。
【0015】
コントローラは、所定期間にわたる累積または平均の燃焼ガスレベルを計算し、累積または平均の燃焼ガスレベルを閾値レベルと比較するように構成されうる。所定期間(例えば5秒または10秒)にわたり収集される燃焼ガスレベルのデータを使用することで、偽陽性結果の可能性が低減される。コントローラは、燃焼ガスレベルを連続的に監視し、前述の所定期間にわたり受信した燃焼ガスレベルのデータに基づき移動平均を計算するように構成されうる。
【0016】
コントローラは、燃焼ガスレベルが停止レベルに達した時に電源からヒーターへの電力供給を停止するように構成されている。停止レベルは、第二の閾値レベルと同じでも異なっていてもよい。一つの実施形態では、停止レベルは第一の閾値レベルよりも高い。
【0017】
コントローラは、コントローラがヒーターへの電力供給を停止した後での燃焼ガスレベルを監視するように構成されてもよく、燃焼ガスレベルが停止レベルを越えたままになった場合に、インジケータを起動するように構成されてもよい。このインジケータは、音声または視覚によるものとすることができ、また燃焼ガスレベルが第二の閾値を越えた時に起動されるインジケータとは異なるものでもよい。これにより、基体内での自己永続的な燃焼の検出が可能となる。燃焼によって発生した熱がヒーターから追加的な熱がなくてもさらなる燃焼を起こすのに十分な場合はユーザーに警告が出され、基体を装置から取り外す選択ができる。
【0018】
コントローラは、燃焼ガスレベルを第一の閾値レベルよりも下に維持するよう電源からヒーターへの電力供給を調整するように構成されうる。検出された燃焼ガスレベルに応じてコントローラがヒーターに供給される電力を連続的に調節するように、フィードバックループが使用されてもよい。ヒーターへの電力を低下させることにより、発生する燃焼ガスレベルを低下させうる。電力低下の量は、所定の量でもよく、感知された温度に基づき制御される低下でもよい。既に述べた通り、コントローラは、累積または平均の燃焼ガスレベルを計算して第一の閾値レベルと比較しうる。この制御ループは、ヒーターに供給される電力を調整するためのその他の制御ループおよび制御戦略と共に使用されてもよく、これは、例えば、感知された温度、ヒーターの電気抵抗および感知された気流レートに基づくものでもよい。
【0019】
装置は、空気吸込み口および空気出口を備えうるが、使用時に、エアロゾル形成基体は、空気吸込み口と空気出口の間の空気の流れ経路内に位置付けられてもよい。空気は、空気吸込み口を通って、エアロゾル形成基体を通り過ぎるかまたは通って空気出口に吸い込まれる。喫煙システムでは、ユーザーは空気出口で吸煙して、空気および発生したエアロゾル(煙)をユーザーの口内に引き出す。
【0020】
燃焼ガス検出器は、空気吸込み口を通して装置内に引き込まれた燃焼ガス(本明細書では副流燃焼ガスという)を検出するように位置付けられうる。喫煙システムでは、これにより、ユーザーによって直接には吸入されない「副流」煙中の燃焼ガスの検出ができるようになる。
【0021】
別の方法として、燃焼ガス検出器は、エアロゾル形成基体に隣接するかまたはその下流の燃焼ガス(本明細書では主流燃焼ガスという)を検出するように位置付けられうる。喫煙システムでは、これにより、ユーザーによって直接に吸入される「主流」煙中の燃焼ガスの検出ができるようになる。
【0022】
ヒーターへの電力供給を減少または停止させるかを判断するために、またインジケータを起動させるかどうかを判断するために使用される燃焼ガスの閾値レベルは、燃焼ガス検出器が副流燃焼ガスまたは主流燃焼ガスのどちらを検出するように位置付けられているかに依存する。
【0023】
燃焼ガス検出器が副流COを検出するよう構成されている場合、第一の閾値、第二の閾値および停止閾値は、毎秒0.002〜0.02mgのCOとすることができ、毎秒0.004〜0.009mgのCOが好ましい。
【0024】
燃焼ガス検出器が副流NOxを検出するよう構成されている場合、第一の閾値、第二の閾値および停止閾値は、毎秒0.9〜4.2μgのNOxとすることができ、毎秒1.8〜3.7μgのNOxが好ましい。
【0025】
燃焼ガス検出器が副流NOのみを検出するよう構成されている場合、第一の閾値、第二の閾値および停止閾値は、毎秒0.9〜4.2μgのNOとすることができ、毎秒1.8〜3.7μgのNOが好ましい。
【0026】
燃焼ガス検出器が主流COを検出するよう構成されている場合、第一の閾値、第二の閾値および停止閾値は、毎秒0.01〜0.09mgのCOとすることができ、毎秒0.02〜0.04mgのCOが好ましい。
【0027】
燃焼ガス検出器が主流NOxを検出するよう構成されている場合、第一の閾値、第二の閾値および停止閾値は、毎秒0.4〜1.6μgのNOxとすることができ、毎秒0.7〜01.4μgのNOxが好ましい。
【0028】
燃焼ガス検出器が主流NOを検出するよう構成されている場合、第一の閾値、第二の閾値および停止閾値は、毎秒0.4〜1.6μgのNOとすることができ、毎秒0.7〜01.4μgのNOが好ましい。
【0029】
すべての場合で、停止閾値は第一および第二の閾値よりも大きい。
【0030】
ヒーターは、電気抵抗性の材料から形成された発熱体を含みうる。適切な電気抵抗性の材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金およびセラミック材料および金属材料でできた複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含む場合がある。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープシリコン炭化物が挙げられる。適切な金属の例は、チタン、ジルコニウム、タンタルプラチナ、金および銀を含む。適切な合金の例は、ステンレス鋼、ニッケル−、コバルト−、クロミウム−、アルミニウム−チタン−ジルコニウム−、ハフニウム−、ニオビウム−、モリブデン−、タンタル−、タングステン−、スズ−、ガリウム−、マンガン−、金−および鉄を含有する合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、および鉄−マンガン−アルミニウム系の合金を含む。複合材料では、電気抵抗性の材料は、必要なエネルギー移動の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料へ埋込、封入、または塗布されてもよく、あるいはその逆であってもよい。
【0031】
本発明の第一および第二の両方の態様において、ヒーターは、内部発熱体または外部発熱体、または内部および外部の両方の発熱体を含みうるが、ここで「内部」および「外部」は、エアロゾル形成基体についてである。内部発熱体は、任意の適切な形態をとりうる。例えば、内部発熱体は、加熱用ブレードの形態をとりうる。別の方法として、内部ヒーターは、異なる導電性部分または電気抵抗性の金属チューブを持つケーシングまたは基体の形態をとりうる。別の方法として、内部発熱体は、エアロゾル形成基体の中心を貫通する1つ以上の加熱用の針または棒としうる。その他の代替物は、加熱用のワイヤまたはフィラメント、例えばNi−Cr(ニッケル・クロム)、プラチナ、タングステンまたは金属製のワイヤまたは加熱板を含む。随意に、内部発熱体は、固い担体材料内またはその上に配置しうる。こうした一つの実施形態で、電気抵抗性のある発熱体は、温度と比抵抗の間で明確な関係を持つ金属を使用して形成しうる。こうした模範的装置で、金属は、セラミック材料などの適切な断熱材料上にトラックとして形成した後、ガラスなどの別の断熱材料内にはさむことができる。このように形成されたヒーターは、動作中の発熱体の加熱と、その温度の監視の両方に使用しうる。
【0032】
外部発熱体は、任意の適切な形態をとりうる。例えば、外部発熱体は、ポリイミドなどの誘電性基体上の一つ以上の柔軟性のある加熱ホイルの形態をとりうる。柔軟性のある加熱ホイルは、基体を受けるくぼみの周辺に適合するような形状としうる。別の方法として、外部発熱体は、金属グリッド(単一または複数)、柔軟性のあるプリント基板、成形相互接続装置(MID)、セラミックヒーター、柔軟性のある炭素繊維ヒーターの形態をとりうるほか、適切な形状の基体上にプラズマ蒸着などのコーティング技術を利用して形成しうる。外部発熱体はまた、温度と比抵抗との間に明確な関係を持つ金属を使用して形成される。こうした模範的装置で、金属は2層の適切な断熱材料の間のトラックとして形成しうる。このように形成された外部発熱体は、動作時の外部発熱体の加熱およびその温度の監視の両方に使用しうる。
【0033】
ヒーターは、有利なことに、伝導の手段によってエアロゾル形成基体を加熱する。ヒーターは基体と、または基体が付着している担体と、少なくとも部分的に接触する場合がある。別の方法として、内部または外部のいずれかの発熱体からの熱は、熱伝導性要素の手段によって基体に伝導しうる。
【0034】
電源は、例えばDC電圧電源などの適切な任意の電源としうる。一つの実施形態において、電力供給源はリチウムイオン電池である。あるいは、電力供給源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池またはリチウムベースの電池、例えばリチウムコバルト、リチウム鉄リン酸、リチウムチタン酸またはリチウムポリマー電池でもよい。
【0035】
コントローラはマイクロコントローラを備えうる。マイクロコントローラはヒーターに供給される電力を制御するためのPID調節器を含みうる。コントローラは、ヒーターへの電力を電力のパルスとして供給するように構成されうる。コントローラは、電力のパルスの負荷サイクルを変化させることにより、ヒーターへの電力供給を変化させるよう構成されうる。
【0036】
コントローラは、下記の本発明の第三の態様の方法工程を実行するように構成されていることが好ましい。本発明の第三の態様の方法工程を実行するために、コントローラは配線されうる。ただし、コントローラは、本発明の第三の態様の方法工程を実行するようにプログラム可能であることがより好ましい。
【0037】
燃焼ガス検出器は、小型検出器であることが好ましい。
【0038】
エアロゾル発生装置は、ハウジングを備えうる。ハウジングは細長いことが好ましい。凝縮の形成に利用される表面を含めたハウジングの構造は、エアロゾル属性、および装置からの液体の漏れがあるかどうかに影響することになる。ハウジングは、シェルおよびマウスピースを備えうる。その場合、すべての構成要素は、シェルまたはマウスピースのいずれかに含まれうる。ハウジングは適切な任意の材料または材料の組み合わせを含む場合がある。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチックもしくはそれらの1つ以上の材料を含有する複合材料、または、例えば、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエチレンなど、食品または医薬品の用途に適した熱可塑性物質が挙げられる。材料は軽量であり、脆くないことが好ましい。
【0039】
エアロゾル発生装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、喫煙装置とすることができ、従来型の葉巻たばこや紙巻たばこと匹敵するサイズを有する場合がある。喫煙装置の全長は、およそ30mm〜およそ150mmである場合がある。喫煙装置の外径は、およそ5mm〜およそ30mmである場合がある。
【0040】
第二の態様では、第一の態様によるエアロゾル発生装置と、装置内に受けられるかまたは装置に結合されるエアロゾル形成基体とを備えた、エアロゾル発生システムが提供されている。
【0041】
本発明の第一および第二の両方の態様で、作動時に、エアロゾル形成基体はエアロゾル発生装置内に完全に含まれうる。その場合に、ユーザーは、エアロゾル発生装置のマウスピースで喫煙しうる。
【0042】
別の方法として、動作中、エアロゾル形成基体を含む喫煙物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に収容されうる。その場合に、ユーザーは直に喫煙物品で喫煙しうる。発熱体は装置内にあるくぼみ内に位置しうるが、ここでくぼみは、使用時に発熱体がエアロゾル形成基体内にあるように、エアロゾル形成基体を受けるように構成されうる。
【0043】
喫煙物品は、実質的に円筒形の形状としうる。喫煙物品は、実質的に細長くてもよい。喫煙物品はまた、長さと実質的に直交する長さと円周を持ちうる。エアロゾル形成基体は、実質的に円筒形の形状としうる。エアロゾル形成基体は、実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと実質的に直交する長さと円周を持ちうる。
【0044】
喫煙物品の全長は、およそ30mm〜およそ100mmとしうる。喫煙物品の外径は、およそ5mm〜およそ12mmとしうる。喫煙物品は、フィルタープラグを含みうる。フィルタープラグは、喫煙物品の下流端に位置しうる。フィルタープラグは、酢酸セルロースフィルタープラグとしうる。フィルタープラグは、一つの実施形態で長さおよそ7mmとしうるが、およそ5mm〜およそ10mmの長さを持ちうる。
【0045】
一つの実施形態で、喫煙物品の全長は、およそ45mmである。喫煙物品の外径は、およそ7.2mmとしうる。さらに、エアロゾル形成基体の長さは、およそ10mmとしうる。別の方法として、エアロゾル形成基体の長さは、およそ12mmとしうる。さらに、エアロゾル形成基体の直径は、およそ5mm〜およそ12mmとしうる。喫煙物品は、外側の紙ラッパーを含みうる。さらに、喫煙物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグの間の分離部を含みうる。分離部は、およそ18mmとしうるが、およそ5mm〜およそ25mmの範囲としうる。分離部は、喫煙物品が基体からフィルタープラグに通過する際にエアロゾルを冷却する熱交換器によって喫煙物品内で充填されることが好ましい。熱交換器は、例えば、ポリマー系のフィルター、例えば捲縮したPLA材料としうる。
【0046】
本発明の第一および第二の両方の態様で、エアロゾル形成基体は、固体のエアロゾル形成基体としうる。別の方法として、エアロゾル形成基体は、固体および液体の両方の構成要素を含みうる。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含みうる。別の方法として、エアロゾル形成基体は、非たばこ材料を含みうる。エアロゾル形成基体は、さらにエアロゾル形成体を含みうる。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0047】
エアロゾル形成基体が固体のエアロゾル形成基体である場合、固体のエアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押し出し成形たばこ、キャストリーフたばこおよび膨化たばこのうち1つ以上を含む、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち1つ以上を含みうる。固体エアロゾル形成基体は、容器に入っていない形態にすることも、または適切な容器またはカートリッジを提供することもできる。随意に、固体エアロゾル形成基体は、基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含みうる。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば、追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルを含みうるが、こうしたカプセルは、固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶ける。
【0048】
本明細書で使用される時、「均質化したたばこ」は、粒子状たばこを凝集することによって形成される材料を意味する。均質化したたばこは、シートの形態としうる。均質化したたばこ材料は、乾燥質量で5%より多いエアロゾル形成体含有量を持ちうる。別の方法では、均質化したたばこ材料は、乾燥質量で約5〜約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を持ちうる。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉柄の一方または両方を粉砕またはその他の方法で細分することによって得られた粒子状たばこを結合することにより形成されうる。別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えば、たばこの処理、取り扱いおよび輸送中に形成されたたばこダスト、たばこの微粉およびその他の粒子状たばこ副産物のうち1つ以上を含みうる。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこの凝集を助けるために、1つ以上の本来備わっている結合剤(すなわち、たばこ内在性結合剤)、1つ以上の外来的な結合剤(すなわち、たばこ外来性結合剤)、またはその組み合わせを含みうるが、別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成剤、湿潤剤、可塑剤、風味剤、フィラー、水性および非水系の溶剤およびその組み合わせを含むが限定されないその他の添加物を含みうる。
【0049】
随意に、固体のエアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもまたはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートなどの形態をとりうる。別の方法として、担体は、その内部表面上、またはその外部表面上、またはその内部および外部の表面上の両方に配置された固体基体の薄い層を持つ、管状の担体としうる。こうした管状の担体は、例えば、紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、質量の小さく目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穴あきの金属箔またはその他の任意の熱的に安定した高分子マトリクスで形成しうる。
【0050】
固体エアロゾル形成基体は、例えば、シート、発泡体、ゲルまたはスラリーの形態の担体の表面上に配置されうる。固体のエアロゾル形成基体は、担体の全表面上に沈着してもよく、または代わりに、使用中、均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。
【0051】
上記では、固体エアロゾル形成基体を参照したが、当業者には、その他の実施形態でその他の形態のエアロゾル形成基体を使用しうることが明らかであろう。例えば、エアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成基体としうる。液体エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含みうる。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。液体エアロゾル形成基体が提供される場合、エアロゾル発生装置は、液体を保持する手段を含むことが好ましい。例えば、液体エアロゾル形成基体は、容器内に保持されうる。代替的または追加的に、液体エアロゾル形成基体は、多孔性担体材料に吸収されうる。多孔性担体材料は、適切な任意の吸収性のプラグまたは本体、例えば、発泡性の金属またはプラスチック材料、ポリプロピレン、テリレン、ナイロン繊維またはセラミックで作成しうる。液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置を使用する前に、多孔性担体材料内に保持されてもよく、あるいは別の方法として、液体エアロゾル形成基体材料は、使用中またはその直前に多孔性担体材料内に放出されてもよい。例えば、液体エアロゾル形成基体は、カプセル内に提供しうる。カプセルのシェルは、加熱に伴い溶けて、液体エアロゾル形成基体を多孔性担体材料に放出することが好ましい。カプセルは液体と組み合わされて、任意選択的に固体を含む場合がある。
【0052】
別の方法として、担体は、たばこ成分が組み込まれた不織布繊維または繊維の束としうる。不織布繊維または繊維の束は、例えば、炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含みうる。
【0053】
本発明の第三の態様では、加熱式エアロゾル発生装置内のヒーターへの電力供給を制御する方法が提供されており、装置内またはその周辺の燃焼ガスレベルを監視する工程と、燃焼ガスレベルが第一の閾値燃焼ガスレベルを越えた場合にヒーターへの電力供給を減少させる工程とを含む。
【0054】
方法は、燃焼ガスレベルが第二の閾値燃焼ガスレベルを越えた場合に装置上のインジケータを起動させる工程をさらに含みうる。
【0055】
方法は、ヒーターへの電力供給を制御して、燃焼ガスレベルを第一の閾値レベルより低く維持する工程をさらに含みうる。
【0056】
方法は、所定期間にわたる累積または平均の燃焼ガスレベルを計算し、累積または平均の燃焼ガスレベルを第一の閾値レベルと比較する工程を含みうる。所定期間(例えば5秒または10秒)にわたり収集される燃焼ガスレベルのデータを使用することで、偽陽性結果の可能性が低減される。方法は、燃焼ガスレベルを連続的に監視し、前述の所定期間にわたり受信した燃焼ガスレベルのデータに基づき移動平均を計算する工程を含みうる。
【0057】
方法は、燃焼ガスレベルが停止レベルに達した時に電源からヒーターへの電力供給を停止する工程を含みうる。停止レベルは、第二の閾値レベルと同じでも異なっていてもよい。一つの実施形態では、停止レベルは第一の閾値レベルよりも高い。
【0058】
方法は、ヒーターへの電力供給を停止した後での燃焼ガスレベルを監視し、燃焼ガスレベルが停止レベルを越えたままになった場合に、インジケータを起動する工程を含みうる。このインジケータは、音声または視覚によるものとすることができ、また燃焼ガスレベルが第二の閾値を越えた時に起動されるインジケータとは異なるものでもよい。
【0059】
開示について異なる態様を参照することによって説明してきたが、開示の一つの態様に関連して説明した特徴が、開示のその他の態様に適用されうることは明らかである。
【0060】
本発明は、以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1図1は、本発明による第一の電気加熱式の喫煙装置の概略図である。
図2図2は、燃焼ガス検出器によって提供される燃焼ガスレベル情報の一つの用途を図示した流れ図である。
図3図3は、燃焼ガス検出器によって提供される燃焼ガスレベル情報の別の用途を図示した流れ図である。
図4図4は、本発明による代替的な加熱式の喫煙装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1で、電気加熱式エアロゾル発生装置100の実施形態の構成要素を簡略化された方法で示す。特に、電気加熱式エアロゾル発生装置100の要素は、図1では等尺度では表示されていない。本実施形態の理解に関連性のない要素は、簡略された図1では省略されている。
【0063】
電気加熱式エアロゾル発生装置100は、ハウジング10と、例えば、紙巻たばこといったエアロゾル形成基体12とを含む。エアロゾル形成基体12は、ハウジング10内に押し込まれ、ヒーター14と熱的に近接するようになる。エアロゾル形成基体12は、多様な揮発性化合物を異なる温度で放出する。電気加熱式エアロゾル発生装置100の使用温度を一部の揮発性化合物の放出温度よりも低く制御することにより、これらの煙成分の放出または形成を回避できる。
【0064】
ハウジング10内には、電気エネルギー供給源16、例えば再充電可能リチウムイオン電池がある。コントローラ18は、発熱体14、および電気エネルギー供給源16に接続されている。コントローラ18は、その温度を調節するために発熱体14に供給される電力を制御する。一般に、エアロゾル形成基体は、摂氏250〜450度の温度に加熱される。
【0065】
ハウジング10は、エアロゾル形成基体12を受けるハウジング内にあるくぼみの基部に空気吸込み口11を備える。使用時、ユーザーは、紙巻たばこを吸煙し、空気吸込み口11を通し、基体12を通し、ヒーター14を通り過ぎ、口の中に空気を引き込む。
【0066】
説明した実施形態で、発熱体14は、セラミック基体上に配置した電気抵抗性のあるトラック(単一または複数)である。セラミック基体は、ブレードの形態であり、使用時にエアロゾル形成基体12に挿入される。
【0067】
コントローラ18はまた、燃焼ガス検出器20、この例では一酸化炭素(CO)検出器にも接続されている。コントローラはまた、説明する通り、視覚的指標22(この例ではLED)と、音声インジケータ24(この例では警告音を発するように構成されたスピーカー)にも接続されている。
【0068】
図1に示す例では、燃焼ガス検出器は、空気吸込み口を通して引き込まれた気流内のCOを検出するよう位置付けられる。これは副流煙である。燃焼ガス検出器20は、コントローラに副流煙中で感知されたCOレベルを示す信号を連続的に提供される。
【0069】
図2は、コントローラ18が検出器からの燃焼ガスレベルを使用する第一のプロセスを図示したものである。第一の工程200では、コントローラは検出器20から燃焼ガスレベル信号を受ける。燃焼ガスレベル信号は、コントローラのクロックサイクル毎にサンプリングでき、燃焼ガスレベルのデジタル値がメモリ内に格納される。メモリは、コントローラ内の揮発性メモリまたは不揮発性メモリとしうる。第二の工程210では、コントローラは、先行する5秒間に検出器から受信した信号を使用して、平均燃焼ガスレベルを計算する。有意な期間にわたり収集されたデータを使用することで、検出された燃焼ガスレベル内のランダムなスパイクに基づく偽陽性結果の可能性を低減させる。先行する5秒間の平均燃焼ガスレベルは、図2ではLでラベル付けされる。
【0070】
それを越えるとユーザーに警告がなされる閾値燃焼ガスレベルは、コントローラ内の不揮発性メモリ内に格納される。このレベルは、有意なエアロゾル形成基体の燃焼の結果である可能性の高いレベルである。これは、図2ではL1で示されている。工程220では、コントローラは、計算された平均燃焼ガスレベルLをL1と比較する。LがL1よりも大きい場合、コントローラは工程230に進む。工程230では、コントローラは、インジケータ22またはインジケータ24を(まだ起動されていない場合は)起動し、燃焼が起こっていることをユーザーに知らせる。次にユーザーは、基体を冷ますために紙巻たばこの喫煙をやめるかまたは喫煙の仕方を変化させるかを選択することができ、あるいは同じ方法で吸煙を継続することを選択してもよい。次に、コントローラは工程200に戻り、プロセスを再び開始する。
【0071】
工程220で、先行する5秒間の平均燃焼ガスレベルがL1未満であるとコントローラが判断する場合、コントローラは工程240に進む。工程240では、インジケータ22が無効化され(まだ無効化されていない場合)、プロセスは工程200に戻る。
【0072】
このように、システムは、エアロゾル形成基体内で起こっている燃焼に関する情報をユーザーに提供する。
【0073】
この例では、燃焼ガス検出器はCO検出器であり、副流煙中のCOレベルを測定するように位置付けられている。閾値レベルL1は、装置を燃焼させずに使用している間に通常期待されるCOレベルよりも高いレベルに設定される。従来的な燃焼式である紙巻たばこの副流煙中で検出されたCOの平均量は、約0.02mg/sである。閾値L1は、それよりも十分に低い0.004〜0.009mg/sに設定される。したがって、ユーザーは、完全で自己永続的なエアロゾル形成基体の燃焼が起こるずっと前に警告を受けることになる。
【0074】
別の方法として、または代替的に、NO検出器またはNOx検出器が使用されうる。ここでも、NOおよびNOxについて使用される閾値レベルは通常の非燃焼式のシステム動作中に期待されるレベルよりも高いが、従来的な紙巻たばこの燃焼で生成されるNOまたはNOxのレベルよりもずっと低い。この実施形態で、NOおよびNOxの両方についての閾値レベルL1は、1.8〜3.7μg/sとなる。
【0075】
図3は、検出器20からの燃焼ガスレベルを使用してコントローラ18で遂行できる、より複雑なプロセスを図示したものである。第一の工程300では、コントローラは検出器20から燃焼ガスレベル信号を受ける。燃焼ガスレベル信号は、コントローラのクロックサイクル毎にサンプリングでき、燃焼ガスレベルのデジタル値がメモリ内に格納される。メモリは、コントローラ内の揮発性メモリまたは不揮発性メモリとしうる。第二の工程310では、コントローラは、先行する5秒間に検出器から受信した信号を使用して、平均燃焼ガスレベルを計算する。先行する5秒間の平均燃焼ガスレベルは、図3でも再びLでラベル付けされる。
【0076】
工程320では、コントローラ18は、平均燃焼ガスレベルLを停止閾値レベルL2と比較する。停止閾値レベルは、説明する通り、それを越えるとヒーターへの電力が停止される比較的高い燃焼ガスレベルである。平均燃焼ガスレベルLがL2よりも大きくない場合、コントローラは工程330に移り、そこでLが下側の閾値L1と比較される。L1は、図2のプロセスでのL1とほぼ同じレベルに設定され、燃焼ガスレベルの維持に望ましいレベルよりも下のレベルである。工程330で、コントローラによってLがL1より大きくないことが判断された場合、コントローラは、どのインジケータも起動することなしに、またはヒーターに供給される電力を調節することなしに、工程300に戻る。ところが、工程330で、LがL1よりも大きいとコントローラが判断した場合、コントローラは、この例ではヒーターに供給される電力パルスの負荷サイクルを低減することによって、ヒーターに供給される電力を低下させる。次にコントローラは工程300に戻り、サイクルが繰り返される。燃焼ガスレベルと電力との間でのこのフィードバックは、検出された燃焼ガスレベルがL1より低く、通常の動作で燃焼ガスレベルがL1より低い燃焼ガスレベルに維持されるまで、電力を低下させる効果を持つことになる。
【0077】
工程320で、LがL2よりも大きいとコントローラが判断した場合、コントローラはヒーターへの電力供給を停止させ、インジケータ22を起動する。L2は、L1よりも高いレベルに設定される。副流煙について、およびCO検出について、L2は約0.01mg/sに設定されうる。レベルL2を越える場合は、エアロゾル中の有意な量のその他の望ましくない成分につながる可能性の高い、有意なレベルの燃焼が起こっていることを示す。NO検出器またはNOx検出器について、閾値L2は約4μg/sに設定される。
【0078】
ヒーターへの電力が停止した後でもエアロゾル形成基体内で燃焼がまだ起こっているかどうかを判断するために、工程360で、コントローラはLを再計算する。工程360は、工程350後、所定の時間(例えば工程350の5秒後)で遂行されうる。工程370では、再計算されたLは再びL2と比較される。LがL2よりも高いままの場合は、自己永続的な燃焼がエアロゾル形成基体中で起こっていることを示す。次に、工程380では、音声インジケータ24が起動され、基体を再使用すべきでなく、基体を装置から取り外すべきであることをユーザーに示す。プロセスは工程390で終わり、装置はオフになる。再計算されたLがL2よりも低い場合、コントローラは、工程370から工程390に直接進み、装置の電源はオフになる。
【0079】
図2および図3を参照しながら説明したプロセスは、装置と併用するために特別設計され製造者によって承認済みのエアロゾル形成基体でなく、エンドユーザーが装置内で自分が選んだエアロゾル形成基体を使用できる時に特に必要となりうる。加熱式たばこ製品で使用される紙巻たばこは通常、グリセロールまたは別のエアロゾル形成体を含み、そのため、特にたばこの紙巻たばこが古い場合に、従来的な紙巻たばこやルース刻みたばこと比較して比較的高い含水量を持つ。乾燥したエアロゾル形成基体は、比較的水分の多い基体よりも低い温度で燃焼する。さらに、装置内に装填されたエアロゾル形成基体の量は、ヒーターが所定の温度に達するのに必要な電力の量に影響を及ぼすことになる。
【0080】
図4は、本発明による代替的なタイプの喫煙システムを図示するもので、これにより、ユーザーは装置にルースたばこまたはその他の基体を使用できる。装置400は、ルースたばこ412が装填されるオーブンチャンバー415を備える。オーブンは、オーブンチャンバー414に裏張りされた柔軟性のあるヒーター414によって加熱される。コントローラ418は、電池410からヒーター414への電力供給を制御する。コントローラはまた、図1の装置で説明した通り、CO検出器420、LEDインジケータ422および音声インジケータ424にも接続されている。ルースたばこは、リッド413を取り外し、ある量のたばこをオーブンチャンバーに装填してからリッドを元の位置に取り付けることにより、オーブンに装填できる。
【0081】
装置400は、ユーザーが吸煙し装置を通して空気および発生したエアロゾルを引き出すマウスピース432を備える。空気は、空気吸込み口411を通して装置内に引き込まれオーブンチャンバーに入り、その後に空気は、コンジット430を通り、CO検出器420を通り過ぎ、マウスピース432へと流れ、ユーザーの口に入る。フィルター要素(図示せず)は、入口411内に、またコンジット430の入口で提供され、たばこが気流経路を塞がないようにしうる。
【0082】
加熱式エアロゾル発生基体からの蒸気は気流と混合され、コンジットを通り、空気とともにCO検出器を通り過ぎる。蒸気は気流内で凝縮し、エアロゾルを形成する。
【0083】
この実施形態では、燃焼ガス検出器420は、通過してエアロゾル形成基体の下流にあるユーザーの口に直接入るガスを検出するように構成されていることがわかる。これは主流煙と呼ばれる。この実施形態での燃焼ガス検出器は主流煙を検出するため、図2および図3のプロセスで使用される閾値レベルは、燃焼ガス検出器が副流煙を検出するよう位置付けられている図1で説明したタイプの装置よりも高く設定する必要がある。
【0084】
この例では、燃焼ガス検出器はCO検出器であり、閾値レベルL1は、装置を燃焼させずに使用する間に通常期待されるよりも高いCOのレベルを越えるレベルに設定される。燃焼された従来的な紙巻たばこの主流煙中で検出されるCOの平均量は、約0.09mg/sである。したがって、主流煙についての閾値L1は、それよりずっと低く、0.02〜0.04mg/sに設定される。レベルL2の閾値は、約0.07mg/sに設定される。
【0085】
別の方法として、または代替的に、NO検出器またはNOx検出器が使用されうる。ここでも、NOおよびNOxについて使用される閾値レベルは通常の非燃焼式のシステム動作中に期待されるレベルよりも高いが、従来的な紙巻たばこの燃焼で生成されるNOまたはNOxのレベルよりもずっと低い。この実施形態で、主流煙を検出するNOおよびNOxの両方についての閾値レベルL1は0.7〜1.4μg/sとなる。L2の閾値レベルは、約1.5mg/sに設定される。
【0086】
当然ながら、上述の例示的な実施形態は例証するが限定はしない。上記で考察した例示的な実施形態に照らすことにより、上記の例示的な実施形態と一貫したその他の実施形態は今や当業者には明らかとなろう。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】