特表2017-537788(P2017-537788A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-537788スラッジ粒状化装置及び該装置の運転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-537788(P2017-537788A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】スラッジ粒状化装置及び該装置の運転方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/00 20060101AFI20171124BHJP
   B01J 2/20 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   C02F11/00 ZZAB
   B01J2/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-544820(P2017-544820)
(86)(22)【出願日】2014年11月14日
(85)【翻訳文提出日】2017年7月10日
(86)【国際出願番号】DE2014100401
(87)【国際公開番号】WO2016074654
(87)【国際公開日】20160519
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517167351
【氏名又は名称】シュテラ ラクスフーバー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】STELA Laxhuber GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス クリスティアン ラクスフーバー
(72)【発明者】
【氏名】トビアス ラタイン
【テーマコード(参考)】
4D059
4G004
【Fターム(参考)】
4D059AA00
4D059BD00
4D059BK09
4D059CB30
4G004LA00
(57)【要約】
スラッジ(12)の粒状化装置(10)であって、中空円筒状の型材(28)を備えており、該型材(28)に粒状化されるべきスラッジ(12)が押し込まれるようになっており、前記型材(28)内には、少なくとも1つのナイフ(36)を備えたスクレーパ(34)が回転式に配置されているものにおいて、本発明では、前記少なくとも1つのナイフ(36)は、回転式の前記スクレーパ(34)においてナイフホルダ(38)により、実質的に半径方向に可動に保持されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラッジ(12)の粒状化装置(10)であって、中空円筒状の型材(28)を備えており、該型材(28)に粒状化されるべきスラッジ(12)が押し込まれるようになっており、前記型材(28)内には、少なくとも1つのナイフ(36)を備えたスクレーパ(34)が回転式に配置されているものにおいて、
前記少なくとも1つのナイフ(36)は、回転式の前記スクレーパ(34)においてナイフホルダ(38)により、実質的に半径方向に可動に保持されていることを特徴とする、スラッジ粒状化装置。
【請求項2】
実質的に半径方向に可動に保持された前記少なくとも1つのナイフ(36)は、前記ナイフホルダ(38)において、その自重の影響により自由に摺動可能である、請求項1記載のスラッジ粒状化装置。
【請求項3】
自由に摺動可能な前記ナイフ(36)は、前記ナイフホルダ(38)に、前記中空円筒状の型材(28)の周方向において該中空円筒状の型材(28)の内径(44)の1%〜4%、好適には前記中空円筒状の型材(28)の内径(44)の2%〜3%の遊び寸法(46)を備えて保持されている、請求項2記載のスラッジ粒状化装置。
【請求項4】
前記ナイフホルダ(38)には、複数の個別のナイフ(36)が、前記中空円筒状の型材(28)の軸方向に連続して配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のスラッジ粒状化装置。
【請求項5】
前記複数の個別のナイフ(36)は、それぞれ前記中空円筒状の型材(28)の周方向にずらされて配置されている、請求項4記載のスラッジ粒状化装置。
【請求項6】
実質的に半径方向に可動に保持された前記少なくとも1つのナイフ(36)は、前記中空円筒状の型材(28)の前記内径(44)の95%〜98%、好適には前記中空円筒状の型材(28)の前記内径(44)の96%〜97%のナイフ高さ(48)を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載のスラッジ粒状化装置。
【請求項7】
前記ナイフホルダ(38)は、前記中空円筒状の型材(28)内で軸方向に延在する管(40)により形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のスラッジ粒状化装置。
【請求項8】
前記管(40)は、実質的に半径方向に可動に保持された前記少なくとも1つのナイフ(36)の向きに対して横方向に延在する、少なくとも1つの貫通開口(52)を備えている、請求項7記載のスラッジ粒状化装置。
【請求項9】
実質的に半径方向に可動に保持された前記少なくとも1つのナイフ(36)は、前記ナイフホルダ(38)により、ナイフの互いに反対の側に位置する2つの端部領域(58,60)において保持されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のスラッジ粒状化装置。
【請求項10】
特に請求項1から9までのいずれか1項記載のスラッジ(12)の粒状化装置(10)の運転方法であって、中空円筒状の型材(28)に、粒状化されるべきスラッジ(12)が押し込まれ、該型材(28)内でスクレーパ(34)が回転させられる方法において、
前記スクレーパ(34)は、その回転方向を交互に変えながら回転させられることを特徴とする、スラッジ(12)の粒状化装置(10)の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景技術
本発明は、スラッジ粒状化装置であって、粒状化されるべきスラッジが押し込まれる中空円筒状の型材を備えており、該型材内に、少なくとも1つのナイフを備えたスクレーパが回転式に配置されているものに関する。本発明は更に、スラッジ粒状化装置の運転方法であって、中空円筒状の型材に、粒状化されるべきスラッジが押し込まれ、前記型材内でスクレーパが回転させられる方法に関する。
【0002】
少なくとも1つのナイフは、掻取り器又は掻取り板と呼ばれることもあり、スクレーパにより駆動されて、中空円筒状の型材の内面にわたって移動させられ若しくはずらされ、これにより滞留圧に関連して、粒状化されるべきスラッジを、型材に形成された通過開口を介して内側から外側へ押し退ける。
【0003】
各独立請求項の上位概念に記載の形式の装置及び方法は、本出願人による独国実用新案第20202626号明細書(DE 202 02 626 U1)から公知である。そこに記載された装置により、場合により機械的に予備脱水されたスラッジが処理されて、流れ落ちることのできる粒体が形成され、これにより、次いでこの粒体を迅速に、廉価でエネルギ効率の高い方式で乾燥させることができる。乾燥前のスラッジ粒状化は、後続の乾燥における効率を高めることになる。なぜならば、粒体は表面積と体積との比較的大きな比を有しているからである。これにより、粒体からの水分の蒸発が簡単になり、後続の乾燥における滞留時間が大幅に短縮されることになる。更に、乾燥された粒体は、特に梱包及び/又は調量に際して、燃料よりも簡単に取り扱うことができる。
【0004】
根底を成す課題
本発明の根底を成す課題は、従来の装置及び方法に比べて更に効率的且つ能率的なスラッジ粒状化装置及び方法を提供することにある。この場合特に重要なのは、粒状化されるべきスラッジは、極めて種々様々な組成及び粘稠度、並びに例えば毛髪等の異物をも有していてよい、という点である。
【0005】
本発明による解決手段
本発明に基づき前記課題を解決するスラッジ粒状化装置は、中空円筒状の型材を備えており、該型材に粒状化されるべきスラッジが押し込まれるようになっており、前記型材内には、少なくとも1つのナイフを備えたスクレーパが回転式に配置されている。本発明に基づき、少なくとも1つのナイフは、回転式のスクレーパにおいてナイフホルダにより、実質的に半径方向に可動に保持されている。本発明に基づきスクレーパに半径方向に可動に保持されたナイフは、型材及び型材の出口開口を擦過する際に、本発明に基づく調査が示した様に出口開口のきわに溜まることがあるスラッジ材料を、よけることができる。この溜まったスラッジ材料を、本発明によるナイフが乗り越える若しくは擦過することにより、本発明によるナイフは付属のスクレーパの回転を妨げず、延いてはスクレーパの持続的な動作を保証する。
【0006】
この場合、本発明によるナイフは、好適には実質的に半径方向に向けられて配置されている、即ち、ナイフの爪平面若しくは板平面は、実質的に半径方向に延在している。
【0007】
前記のようにその高さ位置においてよけるように支持された本発明によるナイフは、特に有利には型材内で周方向に、方向転換されながら動かされる、つまり付属のスクレーパは、1回は右回りに且つ1回は左回りに、交互に回転方向を変えながら回転する。つまり、型材に設けられた前記出口開口は、1回は左側から擦過され、次は右側から擦過される。これにより、各出口開口の一方の側に集合した残留物若しくは溜まったスラッジ材料が、本発明によるスクレーパによりそのナイフで以て、他方の側に向かって出口開口の中心部へ移動させられ、次いで出口開口を通って型材から外へ出される、ということが達成される。
【0008】
本発明によるスラッジ粒状化装置では、有利には、実質的に半径方向に可動に保持された少なくとも1つのナイフは、ナイフホルダにおいて、その自重の影響により自由に摺動可能である。このような構成は、特に簡単延いては廉価であると共に、確実に動作する。それというのもこの場合、型材の内面に向かって本発明によるナイフを押しやるために、付加的な装置は一切必要とされないからである。択一的に、本発明によるナイフは、弾性部材、例えばコイルばね又は板ばねによって、中空円筒状の型材の内面に向かって押しやられていてもよい。
【0009】
自由に摺動可能なナイフは、好適にはナイフホルダに、中空円筒状の型材の周方向において中空円筒状の型材の内径の1%〜4%、好適には中空円筒状の型材の内径の2%〜3%の遊び寸法を備えて保持されている。ナイフホルダとナイフとの間のこのような遊び若しくはこのような空隙は、一方ではナイフの十分に正確なガイドを可能にし、且つ他方では本発明による装置の運転中の挟まり又は詰まりが確実に避けられる程度に大きな、ナイフ用の運動空間を可能にする。
【0010】
更にナイフホルダには、好適には複数の個別のナイフが、中空円筒状の型材の軸方向に連続して配置されている。複数の個別のナイフは、中空円筒状の型材の軸方向延在部の複数の個別区分における、1箇所での点状の退避若しくは後退を可能にする。これに対してその他の領域では、ナイフは型材に接触し続け、そこで相応して残留物無しで作動する。
【0011】
複数の個別のナイフは、特に好適には、それぞれ中空円筒状の型材の周方向にずらされて配置されている。軸方向に連続して配置された複数のナイフを周方向においてずらすことにより、付属のスクレーパの安定性若しくは剛性を高めることができる。この場合、付属の通過開口が有利には軸方向に1列に、特に中空円筒状の型材の、下方に面した領域に配置されていると、複数の個別のナイフ全てが同時に、付属の通過開口を擦過することはない。
【0012】
本発明に基づき実質的に半径方向に可動に保持された少なくとも1つのナイフは、好適には、中空円筒状の型材の内径の95%〜98%、好適には中空円筒状の型材の内径の96%〜97%のナイフ高さを有している。このような構成により、本発明によるナイフは退避可能になっており、同時に、中空円筒状の型材内の全スラッジ材料が、付属のスクレーパの回転時に十分に転動するようになっている。
【0013】
本発明によるナイフホルダは、更に好適には中空円筒状の型材内で軸方向に延在する管により形成されている。このような管は、廉価に製造され得ると同時に、高いねじりモーメントを伝達することができるので、これにより、本発明による回転式のスクレーパを、その一方の軸方向端部においてのみ駆動する可能性が生じる。
【0014】
前記管は、好適には実質的に半径方向に可動に保持された少なくとも1つのナイフの向きに対して横方向に延在する、少なくとも1つの貫通開口を備えている。つまり少なくとも1つの貫通開口は、管の、ナイフ保持部から比較的大きく離れた部分に位置している。このことは、管の抵抗の少ない通流と、管の高い剛性の両方に関して有利である。本発明によるスクレーパの通流を更に改善するために更に有利なのは、少なくとも1つのナイフの板平面内にも貫通開口を一緒に形成することである。
【0015】
本発明に基づき実質的に半径方向に可動に保持された少なくとも1つのナイフは、更に好適には、ナイフホルダにより、ナイフの互いに反対の側に位置する2つの端部領域を保持されている。つまりこれによりナイフは、中空円筒状の型材に関して直径上で互いに反対の側に位置する各端部領域に保持される、若しくはナイフの回転運動に関して駆動されるようになっている。このような支持により、ナイフの傾斜又は変形の危険すら生じること無く、高いトルクをナイフに伝達することができるようになっている。
【0016】
実質的に半径方向に可動に保持された少なくとも1つのナイフは、更に有利には、型材に面した少なくとも1つの端部において、横断面V字形に形成されている。このV字形に基づき、ナイフは型材上及び型材内に溜まった材料上をも有利に滑動するようになっている。同時にV字形は、溜まった材料を特に強力に前進させることができる、一種の刃を形成している。
【0017】
本発明は更に、特に上述した本発明による形式のスラッジ粒状化装置の運転方法に関し、該方法では、中空円筒状の型材に、粒状化されるべきスラッジが押し込まれ、型材内でスクレーパが回転させられ、スクレーパは、その回転方向を交互に変えながら回転させられる。これにより、既に上述したように、型材は1回は左側から擦過され、次いで右側から擦過されることになる。これにより、本発明に基づくスクレーパによって、残留物若しくは溜まったスラッジ材料を両周方向に押し退けることができる、ということが達成される。型材の付属の出口開口の一方の側だけに材料が集合することは、確実に回避される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下に、添付の概略図につき本発明による構成の1つの実施例をより詳細に説明する。
図1】本発明によるスラッジ粒状化装置の1つの実施例の斜視図である。
図2図1に示したII−II線に沿った断面図である。
【0019】
実施例の詳細な説明
図1及び図2に明確に示す、スラッジ12の粒状化装置10では、スラッジ12が主供給導管14を介して、この主供給導管14に接続された複数の弁16により、付属する各個別供給導管18に分配される。個別供給導管18はそれぞれ、支持管20の長手方向延在部の所定の箇所に通じていて、そこで各1つの導管コネクタ24により、流体案内式(連通可能に)に接続されている。支持管20は、管ホルダ22により位置固定されて支持されている。管ホルダ22には、とりわけ複数ののぞき窓26が取り付けられており、のぞき窓26を介して、装置10の作業員に支持管20の下方の視界を提供することができるようになっている。
【0020】
支持管20内には中空円筒状の型材28が位置しており、型材28の外径は、支持管20の内径よりも僅かに小さいに過ぎない。中空円筒状の型材28は、実質的に支持管20の全長にわたって延在しており、図2に関して型材28の上側部分に、それぞれ粒状化されるべきスラッジ12が通過する複数の入口開口30を有しており、このようにしてスラッジ12を、個別供給導管18と付属の導管コネクタ24とから、中空円筒状の型材28の内部に導入することができるようになっている。更に、図2に関して型材28の下側部分には、型材28の長手方向に複数の出口開口32が1列に設けられている。これらの出口開口32を介して、スラッジ12を型材28から再び導出させることができるようになっており、この場合は支持管20にも、整合する複数の開口(図示せず)が設けられている。
【0021】
中空円筒状の型材28の内部には、型材28に対して同軸的にスクレーパ34が設けられており、スクレーパ34は、型材28内で回転し延いては出口開口32を擦過し、これにより、これらの出口開口32を通過して押し退けられたスラッジ12が分割若しくは粒状化されることになる。
【0022】
このためにスクレーパ34には、複数の板状の掻取り器若しくはナイフ36が設けられており、これらの掻取り器若しくはナイフ36は、スクレーパ34の長手方向若しくは軸方向に連続し且つ周方向に互いに相対的にずらされて、ナイフホルダ38に実質的に半径方向に可動に保持されている。ナイフホルダ38は管40により形成されており、管40もやはり、中空円筒状の型材28に対して同軸的に延在しており、この場合、型材28の内径44の約1/2〜2/3の外径を有している。管40には、それぞれ直径上で互いに正反対の側に位置する複数の長手方向スリット42が形成されており、これらの長手方向スリット42には各1つのナイフ36が、ナイフ厚さの約1/2若しくは本発明では中空円筒状の型材28の内径の2%〜3%の、周方向における遊び寸法46を備えて保持されている。その他の点では、各ナイフ36は、この場合ナイフホルダ38の付属の2つの長手方向スリット42内で自由に可動であり、延いてはスクレーパ34の回転中はナイフ36の自重により、図2に関して下方に向かって出口開口32の方に押しやられる。つまりナイフ36は、付属の出口開口32を擦過する際に、その自重に基づき半径方向下側に押しやられる。これに相応してナイフ36は、中空円筒状の型材28の下部領域の内面に直接に接触するか、又はそこで、出口開口32の縁部に場合により集合したスラッジ材料を擦過することになる。この場合、個々のナイフ36はそれぞれ、中空円筒状の型材28の内径44よりも小さな、つまり本発明では中空円筒状の型材28の内径44の96%〜97%のナイフ高さ48を有している。つまりナイフ36は、中空円筒状の型材28の内径44に対してもやはり、型材28の内側に若干の遊び若しくは運動の自由を有しており、これにより、ある程度溜まったスラッジ材料を乗り越えることができるようになっていると共に、スクレーパ34の回転運動を妨げないようになっている。
【0023】
この場合、スクレーパ34の回転運動若しくは回動運動用に、支持管20の一方の端部には駆動装置50が設けられており、この駆動装置50により、スクレーパ34はその回転方向を交互に変えながら回転可能である。つまりスクレーパ34は、右回りにも左回りにも回動可能である。このように交互に方向を変えて回動させることにより、出口開口32を越えたところでナイフ36の掻取り方向を変更することが可能である。つまり図2に示した断面図に関して、出口開口32は1回は左側から且つ1回は右側から擦過される。このようにして、複数の出口開口32のうちの1つの一方の側に集合した残留スラッジを、付属のナイフ36が戻り擦過する際に除去することが可能である。
【0024】
更に述べておくと、管40並びにナイフ36は、それぞれ複数の貫通開口52若しくは54を備えて形成されている。この場合、貫通開口52は管40の中央の壁を、それぞれ隣接するナイフ36の向きに対して横方向に貫通している。また貫通開口54も、各ナイフ36の中央を、その板平面56に対して横方向に貫通している。
【0025】
このように管40とその長手方向スリット42とにより、互いに反対の側に位置する各端部領域58,60を遊びを備えて保持されたナイフ36は、その他の点では各端部領域58,60において横断面V字形に形成されており、この場合、V字形の両側面若しくは両脚部は、それぞれ中空円筒状の型材28の内面に向けられている。
【0026】
最後に述べておくと、本出願明細書及び特に各従属請求項に記載した全ての特徴は、形式的に1つ又は複数の特定の請求項を引用するにも関わらず、個別でも、又は任意の組合せにおいても、独立して保護されるべきものである。
【符号の説明】
【0027】
10 装置
12 スラッジ
14 主供給導管
16 弁
18 個別供給導管
20 支持管
22 管ホルダ
24 導管コネクタ
26 のぞき窓
28 型材
30 型材に設けられた入口開口
32 型材に設けられた出口開口
34 スクレーパ
36 ナイフ
38 ナイフホルダ
40 管
42 長手方向スリット
44 内径
46 遊び寸法
48 ナイフ高さ
50 駆動装置
52 管の貫通開口
54 ナイフの貫通開口
56 ナイフの板平面
58 端部領域
60 端部領域
図1
図2
【国際調査報告】