特表2017-537792(P2017-537792A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-537792多重層粒子を有している過渡液相組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-537792(P2017-537792A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】多重層粒子を有している過渡液相組成物
(51)【国際特許分類】
   B23K 35/14 20060101AFI20171124BHJP
   B23K 35/26 20060101ALI20171124BHJP
   B23K 35/30 20060101ALI20171124BHJP
   B23K 35/28 20060101ALI20171124BHJP
   C22C 13/00 20060101ALI20171124BHJP
   C22C 19/03 20060101ALI20171124BHJP
   C22C 5/06 20060101ALI20171124BHJP
   C22C 9/02 20060101ALI20171124BHJP
   C22C 9/01 20060101ALI20171124BHJP
   C22C 9/06 20060101ALI20171124BHJP
   C22C 9/00 20060101ALI20171124BHJP
   C22C 21/00 20060101ALI20171124BHJP
   B22F 1/00 20060101ALI20171124BHJP
   B22F 1/02 20060101ALI20171124BHJP
   B32B 5/30 20060101ALI20171124BHJP
   B32B 15/16 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   B23K35/14 Z
   B23K35/26 310A
   B23K35/30 310B
   B23K35/28 310A
   B23K35/30 310D
   B23K35/30 310C
   C22C13/00
   C22C19/03 G
   C22C5/06 Z
   C22C9/02
   C22C9/01
   C22C9/06
   C22C9/00
   C22C21/00 D
   B22F1/00 M
   B22F1/00 K
   B22F1/00 L
   B22F1/00 N
   B22F1/02 A
   B22F1/02 B
   B32B5/30
   B32B15/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-520964(P2017-520964)
(86)(22)【出願日】2015年10月1日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月13日
(86)【国際出願番号】US2015053424
(87)【国際公開番号】WO2016060854
(87)【国際公開日】20160421
(31)【優先権主張番号】14/517,098
(32)【優先日】2014年10月17日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160543
【弁理士】
【氏名又は名称】河野上 正晴
(72)【発明者】
【氏名】シャイレッシュ エヌ.ジョシ
(72)【発明者】
【氏名】加藤 武寛
(72)【発明者】
【氏名】エルジャン エム.デデ
(72)【発明者】
【氏名】ミヤギ キョウスケ
【テーマコード(参考)】
4F100
4K018
【Fターム(参考)】
4F100AB00A
4F100AB10B
4F100AB10C
4F100AB16B
4F100AB16C
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4F100AB33A
4F100AK00B
4F100AK00C
4F100BA02
4F100BA03
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4F100BA10A
4F100BA10B
4F100BA10C
4F100DE01B
4F100DE01C
4F100JA04B
4F100JA04C
4F100JB16B
4F100JB16C
4F100JJ03
4F100YY00B
4F100YY00C
4K018BA01
4K018BA02
4K018BA04
4K018BA08
4K018BB04
4K018BC22
4K018BC29
4K018BD04
4K018KA33
(57)【要約】
過渡液相組成物及び接合アセンブリが開示される。一実施形態において、過渡液相組成物は、複数の粒子を含む。各粒子は、コア、当該コアを囲む内側シェル、及び当該内側シェルを囲む外側シェルを含む。当該コアは、第一の高溶融温度材料で出来ており、当該内側シェルは、第二の高溶融温度材料で出来ており、かつ当該外側シェルは、低溶融温度材料で出来ている。当該低溶融温度材料の溶融温度は、第一及び第二の高溶融温度材料の両方の溶融温度未満である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の粒子を含む過渡液相組成物であって、各粒子が、
第一の高溶融温度材料を含むコアと、
前記コアを囲む内側シェルであって、第二の高溶融温度材料を含む内側シェルと、
前記内側シェルを囲む外側シェルであって、低溶融温度材料を含む外側シェルと
を含み、
前記低溶融温度材料の融点温度が、前記第一及び第二の高溶融温度材料の両方の融点温度未満である、
過渡液相組成物。
【請求項2】
前記コアの前記第一の高溶融温度材料が、ニッケル、銀、銅、又はアルミニウムである、請求項1に記載の過渡液相組成物。
【請求項3】
前記内側シェルの第二の高溶融温度材料が、ニッケル又は銀である、請求項1に記載の過渡液相組成物。
【請求項4】
前記外側シェルの前記低溶融温度材料が、スズである、請求項3に記載の過渡液相組成物。
【請求項5】
前記外側シェルの前記低溶融温度材料がスズである、請求項1に記載の過渡液相組成物。
【請求項6】
前記過渡液相組成物が約25%と約75%の間での質量百分率でスズを有するような、前記コアの直径、前記内側シェルの厚さ、及び前記外側シェルの厚さである、請求項5に記載の過渡液相組成物。
【請求項7】
前記コアの直径が約10.0μmと約50.0μmの間であり、前記内側シェルの厚さが約0.7μmと約13.8μmの間であり、かつ前記外側シェルの厚さが約1.5μmと約15.6μmの間である、請求項1に記載の過渡液相組成物。
【請求項8】
前記過渡液相組成物の初期溶融温度が、前記過渡液相組成物の再溶融温度未満である、請求項1に記載の過渡液相組成物。
【請求項9】
金属箔をさらに含み、前記複数の粒子が、前記金属箔の表面に配置されている、請求項1に記載の過渡液相組成物。
【請求項10】
前記金属箔が、スズを含む、請求項9に記載の過渡液相組成物。
【請求項11】
前記複数の粒子の前記粒子が、実質的に球形である、請求項1に記載の過渡液相組成物。
【請求項12】
第一の表面及び第二の表面を含む金属箔であって、スズを含む金属箔と、
前記金属箔の前記第一の表面及び/又は前記第二の表面に配置されている複数の粒子を含む過渡液相組成物と
を含み、
各粒子が、
第一の高溶融温度材料を含み、前記第一の高溶融温度材料がニッケル、銀、銅、又はアルミニウムであるコアと、
前記コアを囲む内側シェルであって、第二の高溶融温度材料を含み、前記第二の高溶融温度材料がニッケル又は銀である内側シェルと、
前記内側シェルを囲む外側シェルであって、スズである外側シェルと
を含む、
接合アセンブリ。
【請求項13】
前記過渡液相組成物が約25%と約75%の間での質量百分率でスズを有するような、前記コアの直径、前記内側シェルの厚さ、及び前記外側シェルの厚さである、請求項12に記載の接合アセンブリ。
【請求項14】
前記コアの直径が約10.0μmと約50.0μmの間にあり、前記内側シェルの厚さが約0.7μmと約13.8μmの間にあり、かつ前記外側シェルの厚さが約1.5μmと約15.6μmの間にある、請求項12に記載の接合アセンブリ。
【請求項15】
前記過渡液相組成物の初期溶融温度が、前記過渡液相組成物の再溶融温度未満である、請求項12に記載の接合アセンブリ。
【請求項16】
第一の金属を含むコア、及び
前記コアを囲むシェルであって、ポリマー材料を含むシェルを含む
複数の第一の粒子と、
第二の金属を含む
複数の第二の粒子と
を含み、
前記第一の金属の融点温度が、前記第二の金属の融点温度超である、
組成物。
【請求項17】
前記コアの前記第一の金属がアルミニウム又は銅を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記複数の第二の粒子の前記第二の金属がスズを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記シェルの前記ポリマー材料が熱可塑性プラスチック材料を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
前記コアの前記第一の金属が、アルミニウム又は銅を含み、
前記複数の第二の粒子の前記第二の金属が、スズを含み、かつ
前記シェルの前記ポリマー材料が熱可塑性プラスチック材料を含む、
請求項16に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
2014年10月17日付で出願された米国特許非仮出願第14/517,098号に対して優先権の利益を主張し、その全体が、参照によって全て本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、一般的に、過渡液相組成物に関し、より詳細には、得られる接合の機械特性を調整する高溶融温度のコアを有している多重層粒子を含む過渡液相組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
パワー半導体デバイス、例えば、炭化ケイ素で製造されたパワー半導体デバイス等は、非常に高い動作温度(例えば、300℃超)で動作するように設計されていることがある。このようなパワー半導体デバイスは、冷却デバイス、例えば、ヒートシンクや液冷アセンブリ等に接合することができる。冷却デバイスは、パワー半導体から熱を取り除き、その最大動作温度未満の温度でそれが動作することを確かなものとする。パワー半導体デバイスを冷却デバイスに接合している接合層は、パワー半導体デバイスの高い動作温度に耐えることができる必要がある。
【0004】
過渡液相接合は、高温融点を有している接合層をもたらす。典型的な過渡液相接合は、二つの相異なる材料化合物:金属層、及び金属間層又は金属間合金からなる。一般的には、金属間層又は金属間合金は、低溶融温度材料、例えば、スズ等が、高溶融温度材料、例えば、銅又はニッケル等に拡散する初期溶融フェーズの間に形成される。金属間合金は、高い再溶融温度を有しているが、脆くもあり(すなわち、低い弾性率を有しており)、高温において接合が早期に破壊される可能性がある。金属間合金に脆い性質があることは、高い動作温度及び熱応力下において接合を良好に運用するのに望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、高温に耐えることができる接合層を形成する代替組成物への必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、過渡液相組成物は、複数の粒子を含む。各粒子は、コア、当該コアを囲む内側シェル、及び当該内側シェルを囲む外側シェルを含む。コアは、第一の高溶融温度材料で出来ており、内側シェルは、第二の高溶融温度材料で出来ており、かつ外側シェルは、低溶融温度材料で出来ている。低溶融温度材料の溶融温度は、第一及び第二の高溶融温度材料の両方の溶融温度未満である。
【0007】
別の実施形態において、接合アセンブリは、金属箔及び過渡液相組成物を含む。金属箔は、第一の表面及び第二の表面を有し、かつスズで出来ている。過渡液相組成物は、複数の粒子を含み、金属箔の第一の表面及び/又は第二の表面に配置されている。各粒子は、コア、当該コアを囲む内側シェル、及び当該内側シェルを囲む外側シェルを含む。コアは、第一の高溶融温度材料で出来ており、この第一の高溶融温度材料は、ニッケル、銀、銅、又はアルミニウムである。内側シェルは、第二の高溶融温度材料で出来ており、この内側シェルの第二の高溶融温度材料は、ニッケル又は銀である。外側シェルは、スズで出来ている。
【0008】
さらに別の実施形態において、組成物は、複数の第一の粒子及び複数の第二の粒子を含む。各第一の粒子は、第一の金属で作られているコア、及び当該コアを囲むシェルを含み、ここで、シェルは、ポリマー材料である。各第二の粒子は、第二の金属であり、ここで、第一の金属の融点温度は、第二の金属の融点温度超である。
【0009】
本明細書に記載の実施形態によって与えられる、これらの及び追加的な特徴は、下記の詳細な説明を考慮して、そして図を併せて考慮して、より十分に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図で表記される実施形態は、本質的に例示でありかつ典型であって、特許請求の範囲で規定される主題を限定することを意図するものではない。下記の例示的な実施形態の詳細な説明は、下記の図と併せて読んで理解することができ、ここで、同様の構造は、同様の符号で示される。
図1図1は、本明細書で記載されかつ例示される一又は複数の実施形態の例示的な過渡液相組成物の複数の粒子の概略図である。
図2図2は、本明細書で記載されかつ例示される一又は複数の実施形態の別の例示的な過渡液相組成物の複数の第一の粒子及び複数の第二の粒子の概略図である。
図3図3は、本明細書で記載されかつ例示される一又は複数の実施形態の組成物の複数の第一の粒子及び複数の第二の粒子であって、当該第一の粒子が外側ポリマーシェルを含む、複数の第一の粒子及び複数の第二の粒子の概略図である。
図4A図4Aは、本明細書で記載されかつ例示される一又は複数の実施形態の、金属箔に組み込まれている複数の粒子を含む例示的な接合アセンブリの平面又は底面の概略図である。
図4B図4Bは、本明細書で記載されかつ例示される一又は複数の実施形態の、図4Aで示される例示的な接合アセンブリの側面の概略図である。
図5図5は、本明細書で記載されかつ例示される一又は複数の実施形態の、図4A及び4Bで示される接合アセンブリを製造する例示的な工程の概略図である。
図6図6は、本明細書で記載されかつ例示される一又は複数の実施形態の接合層を含むパワー半導体デバイスアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概して図面を参照すると、本開示の実施形態は、接合用途、例えば、はんだ用途や過渡液相接合用途等の接合用途で用いることができる、低溶融温度材料及び高溶融温度材料を含む組成物及びアセンブリに向けられている。いくつかの実施形態において、接合に関する向上した機械特性、例えば接合層の展延性等と併せ、過渡液相接合の利点、例えば、低い溶融温度、より高い再溶融温度、高い降伏強度、及び中位の熱伝導率を与える材料の組み合わせを用いる。実施形態では、コア及び一又は複数のシェル層を含む粒子を利用して接合層の機械特性を変えている。
【0012】
多重層コーティングは、高溶融温度のコア材料上に一又は複数のコーティング層を適用することによって作製することができる。コア材料は、高温下、例えば、パワー半導体デバイス(例えば、SiCパワー半導体デバイス)の動作温度等の高温下で所望の機械特性を提供する。一般的には、最も外側のシェル層は、スズ又はこれに類似の材料で出来ており、これは、スズが、より低い融点(すなわち、より低いプロセス温度)を有し、かつ、高溶融温度材料、例えば、銅及びニッケル等へのより高い拡散性を有しているためである。下記でより詳細に記載しているように、(一又は複数の)コーティング層(例えば、(一又は複数の)外側シェル層)の厚さを、高溶融温度材料、例えば、銅又はニッケル等の質量百分率に応じて変更してよい。また、実施形態では、ポリマー材料から製造されたシェル層を利用して、接合層の所望の機械特性を達成してもよい。また、本明細書に記載の実施形態では、その中に配置された多材粒子を有している金属箔を組み込むことがある。
【0013】
過渡液相組成物、組成物、及び接合アセンブリの種々の実施形態を、本明細書で詳細に記載している。
【0014】
図1を参照すると、切断面で示されている複数の粒子110を含む過渡液相組成物101を、模試的に拡大して示す。図示されている実施形態の粒子110は、第一の高溶融温度材料からできているコア112、第二の高溶融温度材料からできている内側シェル114、及び低溶融温度材料からできている外側シェル116を含む三元粒子として構成されている。図示の明確性と容易性のため、粒子110の全てに符号を割り振っているわけではないことを理解されたい。また、粒子は、その形状において球形でなくともよく、かつ任意の形状をとってよいことも理解されたい。組成物の粒子について接合と関連させて記載するが、この粒子の使用は、これに限定されない。例えば、本明細書で記載する粒子は、複合材料の用途で実施してよい。
【0015】
外側シェル116の低溶融温度材料は、コア112及び内側シェル114にそれぞれ対応する第一及び第二の高溶融温度材料の溶融温度より低い溶融温度を有している。したがって、図1で示す実施形態は、多重層の、三元過渡液相組成物101を提供し、ここで、外側シェル116の低温溶融材料が内側シェル114の高温溶融材料に拡散して高温金属間合金が作り出されることによって、個々の粒子110が互いに接合する。
【0016】
図1に示されている例示的な過渡液相組成物101は、初期溶融温度超の再溶融温度を有している組成物を提供する。例示するものであって限定はしないが、初期溶融温度(例えば、接合工程温度)は約250℃未満でよい一方で、再溶融温度(例えば、過渡液相組成物で接合されているパワー半導体デバイスの最大動作温度)は、それよりも著しく高くてよい。
【0017】
複数の粒子110は、パウダー状でルース(loose)な粒子として構成されていてよい。他の実施形態において、複数の粒子110は、それらが無機バインダー中に配置されているペーストとして構成されていてよい。
【0018】
コア112の第一の高溶融温度材料の例としては、これらに限定されないが、ニッケル、銀、銅、及びアルミニウムを挙げることができる。内側シェル114の第二の高溶融温度材料の例としては、これらに限定されないが、ニッケル又は銀を挙げることができる。コア112及び内側シェル114の両方に同一の材料を選択するべきではないことを、理解されたい。非限定的な例として、外側シェル116の低溶融温度材料は、スズ又はインジウムでよい。
【0019】
既知の技術あるいは未開発の技術を利用して、本明細書で記載の粒子110を製造してよい。非限定的な例として、本明細書で記載の粒子(例えば、粒子110)を、電気めっき、無電解めっき、及び他の水性の方法で製造してよい。
【0020】
過渡液相組成物101の初期溶融の結果として得られる接合の所望の機械特性を達成するように、コア112の材料を選択することができる。例えば、得られる接合層の展延性を増加し、これによって、脆くない接合を生じさせるように、コア112の材料を選択することができる。したがって、本明細書で記載の過渡液相組成物は、それらが高い動作温度(例えば、450℃超)を有し、かつ従来型のスズ系のはんだに匹敵する展延性(すなわち、柔軟性)を有しているため、パワーエレクトロニクスの用途(例えば、ハイブリッド車又は電気自動車のインバーター回路においてパワー半導体デバイスを冷却アセンブリに接合すること)で有用である。本明細書で記載の組成物は、パワーエレクトロニクスの用途以外の用途で利用してもよく、任意の二つの構成要素を互いに接合するのに用いることができることを、理解されたい。
【0021】
非限定的な一つの例において、コア112はアルミニウム製であり、内側シェル114はニッケル製であり、かつ外側シェル116はスズ製である。非限定的な別の例において、コア112は銅製であり、内側シェル114はニッケル製であり、かつ外側シェルはスズ製である。非限定的なさらに別の例において、コア112は銅製であり、内側シェル114は銀製であり、かつ外側シェル116はスズ製である。
【0022】
初期溶融工程後の金属間化合物について所望の機械特性と再溶融温度を達成するように、過渡液相組成物101において外側シェル116の低溶融温度材料の質量百分率を選択することができる。低溶融温度材料の所望の質量百分率は、コア112、内側シェル114、及び外側シェル116に関して直径及び厚さを選択することによって達成してよい。図1を参照すると、コア112は直径dを有し、当該コア112を囲む内側シェル114は厚さtを有し、かつ当該内側シェル114を囲む外側シェル116は厚さtを有している。直径d、厚さt、及び厚さtを、低溶融温度材料の質量百分率が所望で達成されるように、選択してよい。コア112の直径d、並びに、内側シェル114及び外側シェル116の厚さt及びtは、所望の寸法でよい。
【0023】
下記の表1は、いくつかの非限定的な例を示しており、ここで、コア112は銅又はアルミニウム製であり、内側シェル114はニッケル又は銀製であり、かつ外側シェル116はスズ製である。実施形態が表1に示す材料及び厚さに限定されるものでないこと、及び他の類似の元素を表1に示す元素の代わりに用いてよいことを、理解されたい。
【0024】
【表1】
【0025】
表1で示している例において、コア112は10μm〜50μmの範囲の直径dを有し、内側シェル114は0.72μm〜3μmの範囲の厚さtを有し、かつ外側シェル116は0.8μm〜1.6μmの範囲の厚さtを有している。これらの値は、例証目的でのみ用いていることを理解されたい。表1に示すように、スズの質量%は、得られた接合層の金属間化合物の再溶融温度に影響を与えている。
【0026】
上記したように、本明細書に記載の粒子110中に高溶融温度のコア112(例えば銅又はアルミニウムコア)を包含することは、高溶融温度材料(例えば、ニッケル)及び低溶融温度材料(例えば、スズ)のみを含む過渡液相組成物と比較して、得られる接合層の展延性を増加する。したがって、得られる接合層は、高い動作温度であり、かつ動作中に破壊されることのない柔軟な接合層が必要とされるパワー半導体の用途、例えば、SiC半導体デバイスの用途で所望される可能性のある展延性及び再溶融温度を、有している。
【0027】
図2を参照すると、別の過渡液相組成物201が概略的に示されている。図1と同様に、複数の粒子がクローズアップされて断面図で示されている。図2に示している例示的な過渡液相組成物201は、複数の第一の粒子210及び複数の第二の粒子215を含む。複数の第一の粒子210は、高溶融温度のコア212、及び、当該コア212を囲む高溶融温度の外側シェル214を含む二元組成物である。外側シェル214を、任意の既知の技術又は未開発の技術によって、コア212に適用することができる。例示的な過渡液相組成物201中の複数の第一の粒子210の間に分散している第二の粒子215は、複数の第一の粒子210中のコア212及び外側シェル214で用いられている材料のものよりも低い溶融温度を有している低溶融温度材料で作られている。第一及び第二の粒子210、215は、粉末として構成されていてよく、あるいは代わりに、有機バインダーを含むペーストとして構成されていてよい。
【0028】
非限定的な例として、コア212の第一の高溶融温度材料は、ニッケル、銀、銅、又はアルミニウムでよく、外側シェル214の第二の高溶融温度材料は、ニッケル又は銀でよく、かつ複数の第二の粒子215の低溶融温度材料は、スズ又はインジウムでよい。図1で示している過渡液相組成物101に関して上記したように、所望の再溶融温度及び展延性を達成するようにして低溶融温度材料の質量百分率を選択することができる。低溶融温度材料の質量百分率は、コア212の直径d、外側シェル214の厚さt、及び第二の粒子215の直径dを適切に選択することによって、達成してよい。また、低溶融温度材料の所望の質量百分率は、第二の粒子215に対する第一の粒子201の比を操作することによって、得てもよい。
【0029】
上記したように、複数の第二の粒子215の低溶融温度材料は、過渡液相接合工程の間に、複数の第一の粒子210の外側シェル214の高溶融温度材料に拡散する。得られる接合層の再溶融温度は、過渡液相組成物201の初期溶融温度超である。
【0030】
図3を参照すると、クローズアップした例示的な組成物301が概略的に示されている。図3に示している例示的な組成物301は、複数の第一の粒子310及び複数の第二の粒子315を含む。各第一の粒子310は、直径dの高溶融温度のコア312と、当該コア312を囲む、厚さtの外側ポリマーシェル314とを含む。外側ポリマーシェル314は、任意の好適なポリマー、例えば、熱可塑性プラスチック材料などでよい。外側ポリマーシェル314は、既知の技術又は未開発の技術によって、コア312に適用することができる。直径dを有している第二の粒子315は、例示的な組成物301中の複数の第一の粒子315の間に分散しており、かつ、コア312で用いられる材料よりも低い溶融温度を有している低溶融温度材料で作られている。第一及び第二の粒子310、315は、何ら束縛されること無く、粉末として提供されてよく、また、代わりに有機バインダーを含むペーストとして提供されてもよい。
【0031】
非限定的なコアの材料の例としては、銅及びアルミニウムを挙げられる一方で、非限定的な第二の粒子315の材料の例としては、スズ及びインジウムを挙げられる。
【0032】
接合工程の間に、組成物の温度の上昇によって、外側ポリマーシェル314が、液体から固体に転化し、複数の第一の粒子310の少なくとも一部の露出されるコア312が、複数の粒子315に曝されてよい。複数の第二の粒子315は、接合工程の間にコア312に拡散することができる。得られた接合層中のポリマーの存在は、外側ポリマーシェル314のポリマーを含まない接合層よりも、より柔軟な接合を提供することができる。組成物301を、例えば、半導体デバイスを冷却デバイスに接合する接合層として、用いることができる。
【0033】
ここで、図4A及び4Bを参照すると、図4A及び4Bでは、金属箔420の表面に組み込まれている粒子401を含む例示的な接合アセンブリ400が概略的に示されている。図4Aは、接合アセンブリ400の上面図又は底面図である一方で、図4Bは、図4Aで示されている接合アセンブリ400の側面図である。
【0034】
金属箔420は、第一の表面422及び第二の表面424を有している。金属箔は、スズ、又は他の類似の低溶融温度材料、例えばインジウム等を含んでいる。いくつかの実施形態において、金属箔420は、元素スズ又はインジウムで作られている。他の実施形態において、金属箔は、スズ及び/又はインジウムで作られている合金であり、かつ他の金属、例えば、銅、ニッケル、銀、及びアルミニウム等を含んでいてよい。金属箔420は、任意の所望の厚さを有していてよい。非限定的な例としては、金属箔420は、約5μmと約100μmの間の厚さでよい。
【0035】
粒子401は、図1を参照して上記で説明したように、三元過渡液相粒子110として、又は図2を参照して上記で説明した第一及び第二の粒子210、215として、構成されていてよい。さらには、いくつかの実施形態において、粒子401は、高溶融温度のコア(例えば、ニッケル、銅、又は銀)、及び低溶融温度の外側シェル(例えば、スズ又はインジウム)を含む二元粒子として構成されていてよい。
【0036】
粒子401は、金属箔420の第一及び/又は第二の表面422、424に組み込まれていてよい。接合アセンブリ400を加熱すると、粒子401及び金属箔420の低溶融温度材料が、過渡液相工程によって、粒子401の高溶融温度のコアに拡散する。例えば、接合アセンブリ400を用いて、パワー半導体デバイスと冷却アセンブリの間に接合層を形成することができる。得られる接合層の再溶融温度は、接合アセンブリ400の初期溶融温度超である。
【0037】
粒子401の(一又は複数の)層の厚さは、任意の適切な厚さでよく、かつ低溶融温度材料の所望の質量百分率、及び得られる接合層の所望の機械特性に依存することができる。
【0038】
金属箔420は、共に接合される一又は複数の構成要素の表面に接合アセンブリ400を容易に適用することを、可能にしてよい。
【0039】
図5は、金属箔420の第一及び/又は第二の表面422、424に、粒子401を組み込む例示的な工程の概略図である。粒子401'は、ペースト又はルースパウダー(loose powder)の形態で、金属箔420の第一及び/又は第二の表面422上に配置される。金属箔420及び粒子401'は、金属箔420の第一及び/又は第二の表面422、424に粒子401'を敷き詰めてプレスする二つのローラー430A、430Bを含むローラーアセンブリを通過し、これによって、粒子401が敷き詰められた層が、金属箔420の第一及び/又は第二の表面422、424上に形成される。例えば、ローラー430A、430Bは、一又は複数のモーターで駆動してよい。
【0040】
ここで、図6を参照すると、パワー半導体デバイスアセンブリ500が概略的に示されている。アセンブリ500は、接合層501によって冷却アセンブリ550に接合されているパワー半導体デバイス540(例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)、炭化ケイ素系半導体デバイス(例えば、SiC MOSFET)等)を含む。冷却アセンブリ550は、パワー半導体デバイス540から熱を取り除くように構成されている任意の(一又は複数の)構成要素、例えば、ヒートシンク、ヒートスプレッダ、液系冷却機等でよい。接合層501を、本明細書で記載の粒子系の組成物のいずれかから製造することができる。接合層501は、パワー半導体デバイス540の高い動作温度に耐えることができる一方で、従来の過渡液相工程によって形成された接合ほど脆くもない。
【0041】
本明細書で記載の実施形態は、二つの構成要素間に高温接合を提供するのに用いることができる複数の粒子を含む組成物を対象としている。いくつかの実施形態において、粒子は、高溶融温度のコア、高溶融温度の内側シェル、及び低溶融温度の外側シェルを含む。他の実施形態において、複数の第一の粒子は、高溶融温度のシェルで囲まれている高溶融温度のコアを有している第一の粒子、及び低溶融温度材料で作られている複数の第二の粒子を含む。高溶融温度のコア用の材料は、得られる接合層の機械特性を調整してより展延性のある接合を提供するように、選択される。得られる接合層は、初期溶融温度より高い再溶融温度を有しており、かつ、コアに第二の高溶融温度材料が無い接合層よりも高い展延性を有している。また、本明細書で記載の粒子を、過渡液相工程前に金属箔に配置してもよい。
【0042】
他の実施形態において、組成物は、ポリマーシェルで囲まれている高溶融温度のコアを含む第一の粒子と、低溶融温度材料で出来ている第二の粒子を含む。ポリマーシェルを包含していることは、従来の過渡液相接合のものより、より柔軟な接合層を与える。
【0043】
本明細書で特定の実施形態を示しかつ説明したが、特許請求の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の他の変更及び改良が可能であることを理解されたい。また、特許請求の主題の種々の形態を本明細書で記載したが、かかるこれらの形態を組み合わせて利用することは、必ずしも必要ではない。したがって、このことは、添付の特許請求の範囲が特許請求の主題の範囲内にあるこのような変更及び改良の全てを含むことを、意図している。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2017年6月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
本明細書で特定の実施形態を示しかつ説明したが、特許請求の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の他の変更及び改良が可能であることを理解されたい。また、特許請求の主題の種々の形態を本明細書で記載したが、かかるこれらの形態を組み合わせて利用することは、必ずしも必要ではない。したがって、このことは、添付の特許請求の範囲が特許請求の主題の範囲内にあるこのような変更及び改良の全てを含むことを、意図している。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[20]に記載する。
[項目1]
複数の粒子を含む過渡液相組成物であって、各粒子が、
第一の高溶融温度材料を含むコアと、
前記コアを囲む内側シェルであって、第二の高溶融温度材料を含む内側シェルと、
前記内側シェルを囲む外側シェルであって、低溶融温度材料を含む外側シェルと
を含み、
前記低溶融温度材料の融点温度が、前記第一及び第二の高溶融温度材料の両方の融点温度未満である、
過渡液相組成物。
[項目2]
前記コアの前記第一の高溶融温度材料が、ニッケル、銀、銅、又はアルミニウムである、項目1に記載の過渡液相組成物。
[項目3]
前記内側シェルの第二の高溶融温度材料が、ニッケル又は銀である、項目1に記載の過渡液相組成物。
[項目4]
前記外側シェルの前記低溶融温度材料が、スズである、項目3に記載の過渡液相組成物。
[項目5]
前記外側シェルの前記低溶融温度材料がスズである、項目1に記載の過渡液相組成物。
[項目6]
前記過渡液相組成物が約25%と約75%の間での質量百分率でスズを有するような、前記コアの直径、前記内側シェルの厚さ、及び前記外側シェルの厚さである、項目5に記載の過渡液相組成物。
[項目7]
前記コアの直径が約10.0μmと約50.0μmの間であり、前記内側シェルの厚さが約0.7μmと約13.8μmの間であり、かつ前記外側シェルの厚さが約1.5μmと約15.6μmの間である、項目1に記載の過渡液相組成物。
[項目8]
前記過渡液相組成物の初期溶融温度が、前記過渡液相組成物の再溶融温度未満である、項目1に記載の過渡液相組成物。
[項目9]
金属箔をさらに含み、前記複数の粒子が、前記金属箔の表面に配置されている、項目1に記載の過渡液相組成物。
[項目10]
前記金属箔が、スズを含む、項目9に記載の過渡液相組成物。
[項目11]
前記複数の粒子の前記粒子が、実質的に球形である、項目1に記載の過渡液相組成物。
[項目12]
第一の表面及び第二の表面を含む金属箔であって、スズを含む金属箔と、
前記金属箔の前記第一の表面及び/又は前記第二の表面に配置されている複数の粒子を含む過渡液相組成物と
を含み、
各粒子が、
第一の高溶融温度材料を含み、前記第一の高溶融温度材料がニッケル、銀、銅、又はアルミニウムであるコアと、
前記コアを囲む内側シェルであって、第二の高溶融温度材料を含み、前記第二の高溶融温度材料がニッケル又は銀である内側シェルと、
前記内側シェルを囲む外側シェルであって、スズである外側シェルと
を含む、
接合アセンブリ。
[項目13]
前記過渡液相組成物が約25%と約75%の間での質量百分率でスズを有するような、前記コアの直径、前記内側シェルの厚さ、及び前記外側シェルの厚さである、項目12に記載の接合アセンブリ。
[項目14]
前記コアの直径が約10.0μmと約50.0μmの間にあり、前記内側シェルの厚さが約0.7μmと約13.8μmの間にあり、かつ前記外側シェルの厚さが約1.5μmと約15.6μmの間にある、項目12に記載の接合アセンブリ。
[項目15]
前記過渡液相組成物の初期溶融温度が、前記過渡液相組成物の再溶融温度未満である、項目12に記載の接合アセンブリ。
[項目16]
第一の金属を含むコア、及び
前記コアを囲むシェルであって、ポリマー材料を含むシェルを含む
複数の第一の粒子と、
第二の金属を含む
複数の第二の粒子と
を含み、
前記第一の金属の融点温度が、前記第二の金属の融点温度超である、
組成物。
[項目17]
前記コアの前記第一の金属がアルミニウム又は銅を含む、項目16に記載の組成物。
[項目18]
前記複数の第二の粒子の前記第二の金属がスズを含む、項目16に記載の組成物。
[項目19]
前記シェルの前記ポリマー材料が熱可塑性プラスチック材料を含む、項目16に記載の組成物。
[項目20]
前記コアの前記第一の金属が、アルミニウム又は銅を含み、
前記複数の第二の粒子の前記第二の金属が、スズを含み、かつ
前記シェルの前記ポリマー材料が熱可塑性プラスチック材料を含む、
項目16に記載の組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の粒子を含む過渡液相組成物であって、各粒子が、
第一の高溶融温度材料を含むコアであって、その直径が約10.0μmと約50.0μmの間であるコアと、
前記コアを囲む内側シェルであって、第二の高溶融温度材料を含み、その厚さが約0.7μmと約13.8μmの間である内側シェルと、
前記内側シェルを囲む外側シェルであって、低溶融温度材料を含み、その厚さが約1.5μmと約15.6μmの間である外側シェルと
を含み、
前記低溶融温度材料の融点温度が、前記第一及び第二の高溶融温度材料の両方の融点温度未満である、
過渡液相組成物。
【請求項2】
前記コアの前記第一の高溶融温度材料が、ニッケル、銀、銅、又はアルミニウムである、請求項1に記載の過渡液相組成物。
【請求項3】
前記内側シェルの第二の高溶融温度材料が、ニッケル又は銀である、請求項1に記載の過渡液相組成物。
【請求項4】
前記外側シェルの前記低溶融温度材料が、スズである、請求項3に記載の過渡液相組成物。
【請求項5】
前記外側シェルの前記低溶融温度材料がスズである、請求項1に記載の過渡液相組成物。
【請求項6】
前記過渡液相組成物が約25%と約75%の間での質量百分率でスズを有するような、前記コアの直径、前記内側シェルの厚さ、及び前記外側シェルの厚さである、請求項5に記載の過渡液相組成物。
【請求項7】
前記過渡液相組成物の初期溶融温度が、前記過渡液相組成物の再溶融温度未満である、請求項1に記載の過渡液相組成物。
【請求項8】
金属箔をさらに含み、前記複数の粒子が、前記金属箔の表面に配置されている、請求項1に記載の過渡液相組成物。
【請求項9】
第一の表面及び第二の表面を含む金属箔であって、スズを含む金属箔と、
前記金属箔の前記第一の表面及び/又は前記第二の表面に配置されている複数の粒子を含む過渡液相組成物と
を含み、
各粒子が、
第一の高溶融温度材料を含み、前記第一の高溶融温度材料がニッケル、銀、銅、又はアルミニウムであり、その直径が約10.0μmと約50.0μmの間であるコアと、
前記コアを囲む内側シェルであって、第二の高溶融温度材料を含み、前記第二の高溶融温度材料がニッケル又は銀であり、その厚さが約0.7μmと約13.8μmの間である内側シェルと、
前記内側シェルを囲む外側シェルであって、スズであり、その厚さが約1.5μmと約15.6μmの間である外側シェルと
を含む、
接合アセンブリ。
【請求項10】
前記過渡液相組成物が約25%と約75%の間での質量百分率でスズを有するような、前記コアの直径、前記内側シェルの厚さ、及び前記外側シェルの厚さである、請求項に記載の接合アセンブリ。
【請求項11】
前記過渡液相組成物の初期溶融温度が、前記過渡液相組成物の再溶融温度未満である、請求項に記載の接合アセンブリ。
【請求項12】
第一の金属を含むコア、及び
前記コアを囲むシェルであって、ポリマー材料を含むシェルを含む
複数の第一の粒子と、
第二の金属からなる
複数の第二の粒子と
を含み、
前記第一の金属の融点温度が、前記第二の金属の融点温度超である、
組成物。
【請求項13】
前記コアの前記第一の金属がアルミニウム又は銅を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記複数の第二の粒子の前記第二の金属がスズを含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記コアの前記第一の金属が、アルミニウム又は銅を含み、
前記複数の第二の粒子の前記第二の金属が、スズを含み、かつ
前記シェルの前記ポリマー材料が熱可塑性プラスチック材料を含む、
請求項12に記載の組成物。
【国際調査報告】