特表2017-537817(P2017-537817A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特表2017-537817プリントヘッド、印刷装置、印刷方法及び印刷物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-537817(P2017-537817A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】プリントヘッド、印刷装置、印刷方法及び印刷物
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/209 20170101AFI20171124BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20171124BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20171124BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20171124BHJP
   B29C 64/241 20170101ALI20171124BHJP
   B29C 64/106 20170101ALI20171124BHJP
【FI】
   B29C64/209
   B33Y30/00
   B33Y10/00
   B33Y80/00
   B29C64/241
   B29C64/106
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-527861(P2017-527861)
(86)(22)【出願日】2015年11月17日
(85)【翻訳文提出日】2017年7月20日
(86)【国際出願番号】EP2015076731
(87)【国際公開番号】WO2016083181
(87)【国際公開日】20160602
(31)【優先権主張番号】14195050.1
(32)【優先日】2014年11月27日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】タルゴルン エリス クラウド ヴァレンティン
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファット アタ ムスタファ
(72)【発明者】
【氏名】ルブ ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】バン ボメル ティエス
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AB11
4F213AB16
4F213AB27
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL15
4F213WL25
4F213WL26
4F213WL74
(57)【要約】
受容面130上に印刷材料の層140を印刷するノズル110と、前記層の印刷中に層又は受容面をテクスチャリングするテクスチャリング部材120とを含む、3D印刷装置用のプリントヘッド100が開示される。ノズルはテクスチャリング部材120を含むアウトレットを含み、アウトレットは、後続の層と連結するために層140の主表面から伸びる突起145を形成するように形成されている。テクスチャリング部材は、プリントヘッドで形成された接触層が、層間の接触面領域の増大に起因して改善された接着を示すことを保証する。これにより、このようにして印刷されたより丈夫な3D物品を得られる。プリントヘッドを含む印刷装置、印刷方法、及び、印刷方法にしたがって印刷された物品もまた開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受容面上に印刷材料の層を印刷するノズルを含み、
前記ノズルは、前記層の印刷中に前記層又は前記受容面をテクスチャリングするテクスチャリング部材を含むアウトレットを含み、前記アウトレットは、後続の層と連結するために前記層の主表面から伸びる突起を形成するように形成されている、
3D印刷装置用のプリントヘッド。
【請求項2】
前記テクスチャリング部材は前記アウトレットに多角形の輪郭を提供する、請求項1に記載のプリントヘッド。
【請求項3】
前記多角形の輪郭は90度未満の角度を有する複数の角を含む、請求項2に記載のプリントヘッド。
【請求項4】
前記アウトレットは、前記層に後続の層をクランプする複数のクランプ造作を、印刷された材料の前記層に含むようにする、複数のクランプ造作を画定する、請求項1、2又は3に記載のプリントヘッド。
【請求項5】
前記印刷材料は、前記印刷材料の大部分が下の層の造作の周りを流れるような粘度を有する、請求項1乃至4の何れか一項に記載のプリントヘッド。
【請求項6】
印刷中に前記ノズルの上流に配置され、堆積された層上に粒状材料を堆積する噴霧部材を更に含む、請求項1乃至5の何れか一項に記載のプリントヘッド。
【請求項7】
受容面上で前記プリントヘッドを横方向に移動させる3D印刷装置であって、請求項1乃至6の何れか一項に記載のプリントヘッドを含む、3D印刷装置。
【請求項8】
印刷方向の変化を容易にするために前記プリントヘッドを回転させる、請求項7に記載の3D印刷装置。
【請求項9】
ノズル及びテクスチャリング部材を含むプリントヘッドを、受容面を横切って移動することによって、印刷材料のテクスチャリングされた層を堆積するステップであって、前記層は前記受容面上の当該層の主表面から突出する造作を含む、ステップ
を含む、物品を印刷する方法。
【請求項10】
前記受容面は、他の印刷材料の以前に堆積された層である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記堆積された層の一部に粒状材料を堆積するステップを更に含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記印刷材料は、印刷材料のテクスチャリングされた層の堆積後、前記印刷材料の大部分が下の層の造作の周りを流れるような粘度を有し、前記印刷材料を固化するステップを更に含む、請求項9乃至11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項9乃至12の何れか一項に記載の方法に従って印刷された多数の層を含む、印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受容面上に印刷材料の層を印刷するノズルを含む3D印刷装置用のプリントヘッドに関する。
【0002】
本発明は、更に、このようなプリントヘッドを備えた3D印刷装置に関する。
【0003】
本発明は、更に、このような印刷装置を用いた印刷方法に関する。
【0004】
本発明は、更に、このような印刷方法によって印刷された物品に関する。
【背景技術】
【0005】
時に3D印刷とも呼ばれる積層造形は、造形される物品の3Dコンピュータモデル、例えば3D CADデータによって通常制御される複数の印刷ステップで物品を3Dで構築する3D印刷装置を用いて物品が形成される技術である。例えば、物品のスライスされた3Dモデルが提供され、各スライスは個別の印刷ステップにおいて印刷装置によって再現される。この目的のために、印刷装置は、1つ以上の印刷材料の複数の層を堆積し、これらの層は堆積後に硬化され、又はさもなければ、例えば硬化プロセスを誘発するためにレーザーを使用して固化され得る。このような印刷装置の例は、米国特許出願公開第2010/0327479 A1号明細書に開示される。
【0006】
積層造形技術は、所望の物品を形成するためのアセンブリ技術や成形技術を必要とせずに迅速なプロトタイピングを行う能力により、急速に普及しつつある。しかし、このような技術に関連する基本的な問題は、このようにして製造された物品の強度が、従来のアセンブリ方法を用いて形成された対応する物品の強度より劣ることが多いことである。この理由として、例えば、層、繊維、及び/又は、粒子等の、隣接する材料間の接着が乏しいからである。
【0007】
例えば、粉末焼結に基づく積層造形技術では、印刷物は、粒子間のネックがしばしば低い破壊強度を示す焼結粒子から成る。インクジェット又はファイバプリンタのようなマトリクス内に粒子又は繊維が埋め込まれる積層造形技術では、粒子又は繊維のマトリクス材料への接着が弱い可能性がある。熱溶解積層法(FDM)又は分注技術の場合、構造体を作るために材料の層が互いの上に堆積される。層の界面では、特に、下の層がFDMに対して冷たいか又は上の層に適合しない場合、層の間の接着は弱い場合が多い。その結果、機械的性質が劣る物品が得られる。更に、マルチマテリアル印刷の場合、異なる印刷材料は、乏しい接着を示す可能性がある。この結果、機械的性質が更に弱まり、所望の物品を作ることさえ不可能になる。
【0008】
米国特許出願公開第2014/0134335 A1号は、層間接着を改善するために、フィラメントが印刷前に添加剤でコーティングされる押出3D印刷プロセスにおいて使用するための、コーティングされたフィラメントの製造のためのプロセスを開示する。しかし、これは、印刷材料、ここではフィラメントの組成を変化させ、これは望ましくない。標準的な印刷材料を使用して、このような層間接着を改善することができることが望ましいだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、印刷された3D物品の接触層間の接着を改善することができるプリントヘッドを提供することを目的とする。
【0010】
本発明は更に、このようなプリントヘッドを含む印刷装置を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は更に、このようなプリントヘッドを使用して3D物品を印刷する方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明は更に、このような印刷方法に従って印刷された印刷物を提供することを更に目的とする。
【0013】
一態様によれば、受容面上に印刷材料の層を印刷するノズルを含む、3D印刷装置用のプリントヘッドが提供される。ノズルは、前記ノズルによる前記層の印刷の間に、層又は受容面をテクスチャリングするテクスチャリング部材を含むアウトレットを含む。アウトレットは、後続の層と連結するために層の主表面から伸びる突起を形成するように形成されている。このようなプリントヘッドは、このようにして印刷された物品の隣接する層間の表面積を増大し、層間の接着力を増大し、それにより物品の全体的な強度を増大する。更に、層の表面積が増大し、それにより層とその上に堆積される後続の層との間の接着が増大する。
【0014】
ノズルは、ノズルが印刷材料の非平面層、すなわちこれらの突起が別々に形成される必要がないような突起を含む層を堆積するように、テクスチャリング部材を含むアウトレットを含む。この目的のために、テクスチャリング部材は、ノズルによって堆積される層内に所望の突起を生成するために、アウトレットに多角形の輪郭を提供し得る。多角形の輪郭は、90度未満の角度を有する複数の角を含み得る。このようにして、このような角に沿ってノズルから排出された材料は、突起へと予め成形される。
【0015】
一実施形態では、アウトレットは、層に後続の層をクランプする複数のクランプ造作を、印刷された材料の層に含むようにする、複数のクランプ造作を画定する。このようにして、2つの隣接した層間の特に強い接着が提供される。
【0016】
一実施形態では、印刷材料は、印刷材料の大部分が下の層の造作の周りを流れるような粘度を有する。
【0017】
一実施形態では、噴霧部材は、印刷中にノズルの上流に配置され、印刷された層の表面積を増大するために、堆積された層上に粒状材料を堆積する。これは、例えば、粒状材料の堆積速度がそれに応じて変化し得るので、実際の表面積が所望の接着要件の関数として調整され得るという利点を有する。噴霧部材は、好適には、堆積された層上に粒状材料を特に均質に堆積する。
【0018】
別の態様によれば、上記の実施形態の任意の実施形態のプリントヘッドを含む3D印刷装置が提供され、この装置は、受容面上でプリントヘッドを横方向に移動させる。このような3D印刷装置は、プリントヘッドのテクスチャリング部材によって生成されるような、これらの層間の接触表面積の増大に起因して、隣接する層間の接着の増大に起因して改善された層間強度を有する3D物品を作ることにより、本発明のプリントヘッドから利益を得る。
【0019】
特に有利な実施形態では、装置は印刷方向の変化を容易にするためにプリントヘッドを回転する。これは、(プリントヘッドを使用する)印刷方向が変更され得るため、プリントヘッドが固定された向きに起因して単一の方向にしか移動できないシナリオにおいて、プリントヘッドを特定の開始位置に戻す必要がないという利点がある。したがって、この実施形態は印刷速度を改善する。
【0020】
更に別の態様によれば、テクスチャリング部材を含むプリントヘッドを受容面を横切って移動させることによって、受容面上の層の主表面から突出する造作を含む印刷材料のテクスチャリングされた層を堆積することを含む、物品を印刷する方法が提供される。この印刷方法によって作られた物品は、上記に説明したように、より良い層間接着によって強度が増大されるという利点がある。更に、この方法で使用される印刷材料の調節は必要とされないため、この方法は既存の印刷材料を使用して適用され得、それにより、既存の印刷プロセス及び装置の調整を必要とすることなく、その幅広い適用を容易にする。更に、それにより印刷中の層又はこの層の受容面の別個の操作の必要性がなくなる。
【0021】
受容面は、追加の印刷材料の以前に堆積された層であり得る。
【0022】
更に、テクスチャリングステップは、堆積された層の一部に粒状材料を堆積するステップを含み得る。粒状材料は、印刷される物品の接触層間の有効接触面を更に増大するために、テクスチャされた面を有する顆粒を含み得る。
【0023】
更に別の態様によれば、前述の方法の任意の実施形態に従って印刷された多数の層を含む印刷物が提供される。このような印刷物は、物品の隣接する層間のテクスチャリングされた界面が存在することによって特徴づけられ、それにより印刷物の強度が前述のように増大する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、より詳細に、非限定的な例として記載される。
【0025】
図1】プリントヘッドを含む印刷装置の一態様を概略的に示す。
図2】一実施形態によるプリントヘッドを含む印刷装置の一態様を概略的に示す。
図3】別の実施形態によるプリントヘッドを含む印刷装置の一態様を概略的に示す。
図4図3の印刷装置を用いて得られた印刷物を概略的に示す。
図5】更に別の実施形態によるプリントヘッドを含む印刷装置の一態様を概略的に示す。
図6】印刷方法のフローチャートである。
図7】一実施形態による印刷方法のフローチャートである。
図8】別の実施形態による印刷方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図は単に概略的なものであり、正確な縮尺率ではないことを理解されたい。また、特に言及されない限り、図面全体にわたって同じ参照番号が同じ又は類似の部分を示すために使用されていることを理解されたい。
【0027】
本発明の態様は、積層造形のための印刷装置、これ以降3D印刷装置と呼ばれる装置のためのプリントヘッドの提供に関する。本発明の少なくともいくつかの実施形態の特定の利点は、新規のプリントヘッドが、既存の印刷装置と併せて使用され得ることであり、例えばレトロフィット対応でき、本発明はこのようなプリントヘッドが装着可能な任意の3D印刷装置に適用することができる。適切な3D印刷装置は、熱溶解積層法又は分注技術を用いた印刷装置、粉末焼結技術を用いた印刷装置、連続フィラメント製造プリンタ、又は物品が層状に印刷される任意の他の技術を使用する印刷装置を含む。以下でより詳細に記載される実施形態の1つによるプリントヘッドを含むことによって変更可能な任意の適切な3D装置は、本発明の目的のために考慮され得る。前述のように、このような印刷装置は、印刷物のCADファイル等を評価し、その実施された評価に従って印刷装置のプリントヘッドを制御するコンピュータによって、典型的に制御される。印刷物(の層)を記載するファイルを使用するコンピュータ制御はそれ自体が良く知られているため、これは単に簡潔さのために詳細に説明されないだろう。
【0028】
同様に、本発明の教示は、例えば印刷インキ等の任意の適切な印刷材料、及び、積層造形プロセスにおいて日常的に使用される、(放射線)硬化性ポリマ、例えば熱可塑性ポリマ又は他の粒状焼結可能材料等の粉砕された焼結可能な材料、適切なマトリクス材料に埋め込まれ得る繊維状材料等を含む又はそれらから構成される、例えば印刷材料等に適用され得る。本発明の1つ以上の態様に従ってテクスチャされ得る任意の印刷材料が考えられる。
【0029】
表面のテクスチャリングが参照される本発明のコンテキストにおいて、これは、例えば機械的粗面化又はパターニング等の表面の表面積を強化する機械的表面処理を包含することを意図するだけでなく、結果として得られた堆積層が印刷層の上部主表面、すなわち露出表面から突出するような態様で印刷材料が堆積される、ある堆積技術を包含することを意図し、この突起は、印刷層の上に印刷される後続の層のためのアンカとして働き、それにより隣接する層を連結する。
【0030】
図1は、受容面130上に、例えば、印刷材料と異なる材料又は同じ材料であり得る他の印刷材料であって前に印刷された層上に、当該印刷材料の層140を堆積するためのノズル110を含むプリントヘッド100を概略的に示す。プリントヘッド100は、ノズル110に対して横方向にずれたテクスチャリング部材120を更に含み、テクスチャリング部材120は、ブロック矢印で示される方向の受容面130に沿ってプリントヘッド100が典型的に移動される印刷中に、ノズル110によって印刷材料が受容面130の一部に堆積される前に、テクスチャリング部材120が受容面130の当該一部と接触することができるように、テクスチャリング部材がノズル110の上流に位置するように典型的に配置される。
【0031】
テクスチャリング部材120は、複数のエッジ125、好ましくは受容面130と接触すると受容面130を荒くする歯型エッジ等の鋭利なエッジを典型的に含み、それにより受容面130と当該需要面130に堆積される印刷材料140との接触面積が増大する。これは、受容面130上のテクスチャリング135によって図1に概略的に示され、テクスチャリングはテクスチャリング部材120と受容面130との接触によって引き起こされる。
【0032】
テクスチャリング部材120のエッジ125は、層140の印刷中に受容面130と永続的に接触し得、プリントヘッド100がブロック矢印で示されるように受容面130に対して変位されると、エッジ125は受容面130上にドラッグされる。このようにして、エッジ125は、固定エッジ125の場合にノズル110によって堆積される印刷材料によって充填される、受容面130内のトレンチを形成し得る。代替的に、テクスチャリング部材120は、非直線テクスチャパターンが望ましい場合には、エッジ125を含む回転ヘッドを含み得る。回転ヘッドは、ランダム化されたテクスチャパターンが望ましい場合には、印刷プロセス中に異なる速度で回転され得る。
【0033】
図1に示されるような上述のプリントヘッド100を含む3D印刷装置は、図6のフローチャートによって概略的に示される印刷方法200を実行し得る。方法200は、印刷プロセスが開始されるステップ210から開始し、これは、上述のように、印刷装置によって印刷される物品の様々な層を記述するコンピュータファイルの評価を含み得る。物品の層の1つの層の印刷中に、方法は、受容面130の上流部分がテクスチャリング部材120によってテクスチャリングされるステップ220と、ノズル110が受容面130のテクスチャリングされた部分上に印刷材料を堆積するステップ230とを、同時に行う。言い換えれば、テクスチャリング及び堆積は受容面130上の異なる位置で同時に発生するので、テクスチャリグステップ220は堆積ステップ230から空間的に分離されるが、時間的に分離されない。
【0034】
次に、ステップ240において、層140の印刷が完了したかどうかが確認される。そうでない場合、方法は、受容面130の後続の部分が前述のようにテクスチャリングされ印刷されるステップ220及び230に戻る。ステップ240において層140の印刷が完了したと判定されると、方法は、物品の追加の層が印刷を必要とするかどうかが確認されるステップ250に進む。必要とされる場合、方法は、3D印刷装置の制御ユニット、例えば前述のようなCADファイル等に従って印刷処理を制御するコンピュータによって指定された、前に印刷された層140の適切な初期位置に、例えばプリントヘッド100を移動することによって、新しい層の印刷が開始されるステップ260に進む。このようにして、次の層の印刷が開始された後、方法は前述のようにステップ220及び230に戻り得る。一方、ステップ250において、追加の層が印刷を必要としないと判定された場合、方法は、印刷プロセスが終了されるステップ270に進む。
【0035】
プリントヘッド100の一実施形態が図2に概略的に示される。この実施形態では、ノズル110に加えてプリントヘッド100は、ブロック矢印で示される方向に3D印刷装置によって受容面130上にプリントヘッド100が変位されるときに、ノズル110に対して下流位置に配置されるように、ノズル110に対して横方向にずれたテクスチャリング部材120を含む。言い換えれば、テクスチャリング部材120は、ノズル110によって堆積される層140の一部をテクスチャリングする。テクスチャリング部材120は、層140上に粒状材料122を噴霧する噴霧部材であり、それにより層140上に粒状材料122の均質な広がりを達成する。
【0036】
図2に示されるように、テクスチャリング部材120は、印刷材料の新たに堆積された層140上に粒状材料122を堆積させ、それにより層140の粗さ、すなわち接触表面積を増大させる。任意の適切な粒状材料122、例えば、金属粒子、シリカ粒子、ガラス粒子等が、この目的のために考慮され得る。粒状材料は、その堆積を促進するために、液体中に分散され得る。好ましくは、沸騰温度が100℃を超えない液体、例えば、水、アルコール等が、液体が堆積後に容易に蒸発し得るように、この目的のために使用される。必要に応じて液体中に粒状材料を分散するために、分散剤も任意に存在し得る。適切な分散剤はそれ自体が公知であるので、任意の適切な分散剤が使用され得ることを述べるだけで十分である。
【0037】
一実施形態では、粒状材料122は、粒状材料の表面積を増大するためにテクスチャされた表面を有し得、それにより、層140の表面の粗さを更に増大する。粒状材料は、例えば機械的テクスチャリング等、任意の適切なやり方でテクスチャリングされる。このような(機械的に)テクスチャリングされた粒状材料はまた、層140の堆積後に焼結される粒子間の接着、又は、マトリクス材料への粒子の接着を改善し得、レーザー又は電子ビームの粉末焼結技術又はインクジェット技術を使用する3D印刷装置に、このオプションが特に適するようにさせる。
【0038】
図2に示されるように、テクスチャリング部材120は、層140との粒状材料122の衝突力を減少するために、層140と垂直でない角度で粒状材料が堆積されるように方向づけられ得、それにより、粒状材料122は層140の表面上に確実に残るようにする。しかし、テクスチャリング部材120のこの垂直でない向きの代わりに、テクスチャリング部材120のアウトレットと層140との間の距離を調整、例えば減少することによって、同じ効果が達成され得ることは、当業者には直ちに理解されるだろう。テクスチャリング部材120の垂直でない向きは、層140上の粒状材料122の均質な広がりを、有利に達成する。
【0039】
図2に示されるような上述のプリントヘッド100を含む3D印刷装置は、図7のフローチャートによって概略的に示される印刷方法200を実行し得る。図7の印刷方法200は、ステップ220がステップ220’に置き換えられる点で図6の印刷方法200とは異なり、表面テクスチャリングは、上でより詳細に説明したように、ステップ230において印刷された層140の部分上への粒状材料122の堆積によって達成される。図7において、ステップ220’はここで堆積ステップ230の下流で実行される、すなわち既に堆積された層140の部分上で実行されるため、ステップ220’及び230の順序は図6とは逆になっている。言い換えれば、テクスチャリング及び堆積は受容面130上の異なる位置で同時に発生するので、テクスチャリングステップ220’は堆積ステップ230から空間的に分離されるが、時間的に分離されない。
【0040】
図3は、テクスチャリング部材120がノズル110に一体化されている本発明によるプリントヘッド100を概略的に示す。この実施形態では、テクスチャリング部材120は、ノズル110によって受容面130上に堆積された層140が本質的に不規則であるか又はテクスチャリングされるように形成されたノズル110のアウトレットを画定する。図3の右側の挿絵は、図3に示されるプリントヘッド100のノズル110によって作られた層140の例示的な断面を概略的に示し、層140は、層140の主表面から伸びる突起145、例えばスパイク等を含む。突起145は層140上に堆積される後続の層のためのアンカとして働き、後続の層は突起145の周りを流れ、それにより一対の連結層を形成する。
【0041】
図4は、このように形成される複数の層140を概略的に示し、下の層40の突起145は、上の層140の受容部と連結して係合し、それにより隣接する層の容易な分離を防ぎ、このようにして印刷された物品は物品を形成する層スタックの隣接する層の連結特性に起因して優れた強度を示す。
【0042】
図3に戻ると、一実施形態において、テクスチャリング部材120は、図3の左側の挿絵に概略的に示されるように、テクスチャリングされた層140を生成するために多角形の輪郭124を有するノズルアウトレットを画定し得る。任意の適切な多角形の輪郭124はこの目的のために使用され得、例えば多角形の輪郭は複数の鋭い角、すなわち90°未満の角度を有する角を含み、そのような角に沿ってノズル110から放出される印刷材料は突起145へと予め成形される。印刷材料は、好ましくは、印刷材料の大部分が下の層の造作の周り、例えば3D物品の前に印刷された層の突起145の周りを流れ得るような粘度を有するが、突起145は、一般に、例えば硬化、乾燥等によって、層140を固化するのに十分な長い間、全体的な形状を維持する。図3に示されるプリントヘッド100の実施形態は、FDM及び他の分注技術等の印刷プロセスでの使用に特に適しているが、実施形態は他の印刷技術を使用する3D印刷装置においても等しく使用され得ることが、当業者に理解されるだろう。
【0043】
ノズルアウトレットとして使用されるこのようなテクスチャリング部材120の別の例示的な実施形態が、図5に概略的に示される。この実施形態では、ノズルアウトレットの多角形の輪郭124は、テクスチャリングされた層140に続いて印刷された層をクランプする複数のクランプ造作126を、テクスチャリングされた層140に含むようにする複数のクランプ造作126を画定し、それにより2つの隣接する層間に特に強い接着を形成する。このような接着を強化するためのこのようなノズルアウトレットの他の適切な輪郭は、当業者には明らかだろう。
【0044】
一実施形態では、プリントヘッド100は、図3図4、及び図5に関連して説明される突起を含む非平面層を提供するテクスチャリング部材だけでなく、図2のテクスチャリング部材120、すなわち、新たに堆積される層140上に粒状材料122を堆積する噴霧部材を追加的に含み得、これは、このやり方で印刷された物品の隣接する層間の接着を更に増加する。
【0045】
一実施形態では、層140の印刷プロセス中にプリントヘッド100と受容面130との間の抵抗を低減することが望ましい場合に、例えばスタンピング態様等で、テクスチャリング部材120が定期的に受容面130に接触し得るように、テクスチャリング部材120はプリントヘッド100に移動可能に取り付けられ得る。これは、前述のような回転ヘッドを含むテクスチャリング部材120と組み合わせられ得、テクスチャリング部材は、例えば、エッジ125を含むヘッドを永続的に回転することによって、又は、受容面130と接触した時にヘッドを回転するだけで、動作され得る。
【0046】
他の印刷材料の以前に印刷された層は、印刷材料とは異なる材料であり得る。これらの材料は、屈折率、色、又はそれらの組み合わせに関して異なり得る。例えば、印刷材料が(部分的に)透明である一方で、他の印刷材料の以前に印刷されたものは、高い反射性を有し得る。別の実施形態では、印刷材料がより低い屈折率を有する一方で、他の印刷材料の以前に印刷されたものは高い屈折率を有する。このような組み合わせは、光の反射、透過、屈折又は回折が必要とされる用途において、例えば照明用途において興味深いだろう。
【0047】
図3に示されるような上述のプリントヘッド100を含む3D印刷装置は、図8のフローチャートによって概略的に示される印刷方法200を実行し得る。図8の印刷方法200は、ステップ220及び230が単一のステップ230”に置き換えられる点で図6の印刷方法200とは異なり、表面テクスチャリングは、上でより詳細に説明したように、受容面130のテクスチャリングされた層140を堆積することによって達成される。言い換えれば、分注ステップ及びテクスチャリングステップは、受容面130上に印刷材料がテクスチャリングされるやり方で分注される組み合わせのステップで、同時に行われる。
【0048】
3D印刷装置の上述の実施形態では、プリントヘッド100は、回転可能に、例えば可逆的に取り付けられ得、受容面130の特定の領域が特定の方向に印刷されたときに、印刷プロセスが異なる方向に、例えば逆方向に継続され得るように、プリントヘッドの向きが調整され得る。これにより、印刷方向に対してテクスチャリング部材120の必要とされる向きを維持するために、プリントヘッド100を一定の向きに取り付けた場合のように、受容面130の全ての領域が同じ(単一の)方向に印刷される所定の開始位置にプリントヘッド100を戻さなければならないという必要性がなくなる。
【0049】
上述の実施形態は、本発明を限定するよりもむしろ例示し、当業者は、添付の請求項の範囲を逸脱することなく、多くの代替的な実施形態をデザインすることができることに留意されたい。請求項において、括弧間に置かれたいかなる参照符号も、請求項の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。「含む」の文言は、請求項に掲げられるもの以外の要素又はステップの存在を除外しない。要素に先行する「a」又は「an」の文言は、複数のこうした要素の存在を除外しない。本発明は、複数の別々の要素を含むハードウェアによって実施されてもよい。複数の手段を列挙する装置請求項において、これらの手段のうちの複数が、全く同一のハードウェアの項目によって具体化されてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に用いられることができないことを意味しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】