(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-537827(P2017-537827A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】ポリマーマイクロウェッジ作製用の金属モールド
(51)【国際特許分類】
B29C 33/38 20060101AFI20171124BHJP
B29C 33/42 20060101ALI20171124BHJP
B29C 41/12 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
B29C33/38ZNM
B29C33/42
B29C41/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-550079(P2017-550079)
(86)(22)【出願日】2015年12月9日
(85)【翻訳文提出日】2017年8月1日
(86)【国際出願番号】US2015064798
(87)【国際公開番号】WO2016094562
(87)【国際公開日】20160616
(31)【優先権主張番号】62/090,265
(32)【優先日】2014年12月10日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】591044474
【氏名又は名称】ザ・チャールズ・スターク・ドレイパー・ラボラトリー・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】517206443
【氏名又は名称】マイクロコンティニューム・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィッド・ジェイ・カーター
(72)【発明者】
【氏名】ティルネルヴェリ・エス・スリラム
(72)【発明者】
【氏名】パルシャント・クマール
(72)【発明者】
【氏名】クレイトン・モリス
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ダブリュー・マクファーランド
(72)【発明者】
【氏名】ユージーン・エイチ・クック
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ル・ブラン
(72)【発明者】
【氏名】アラ・エプシテイン
(72)【発明者】
【氏名】ダブリュー・デニス・スレイファー
(72)【発明者】
【氏名】ビー・ダイアン・マーティン
【テーマコード(参考)】
4F202
4F205
【Fターム(参考)】
4F202AA33
4F202AA42
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4F205GF24
4F205GN13
4F205GN21
4F205GN29
(57)【要約】
マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするための金属モールドを形成する方法であって、めっき固定具上にマイクロスケール乾燥付着構造を含む材料マスターパッチを固定するステップと、材料のパッチ上に金属モールドを電鋳するステップと、めっき固定具及び材料のパッチから金属モールドを取り除くステップと、を含む方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするための金属モールドを形成する方法であって、
マイクロスケール乾燥付着構造を含む材料マスターパッチをめっき固定具上に固定するステップと;
前記材料マスターパッチ上に前記金属モールドを電鋳するステップと;
前記材料マスターパッチ及び前記めっき固定具から前記金属モールドを取り除くステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記材料マスターパッチ上に前記金属モールドを電鋳する前に、
前記マイクロスケール乾燥付着構造上に付着層を堆積させるステップと、
前記付着層上に離型層を堆積させるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記材料マスターパッチは、バッキング基材に取り付けられ、
前記方法は、前記めっき固定具のキャビティ中に前記バッキング基材を固定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記バッキング基材と前記めっき固定具との間のインターフェース領域にフィレットを堆積させるステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記マイクロスケール乾燥付着構造は、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して約30°〜約70°の角度をなすように配置された中心線を有するマイクロウェッジアレイを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マイクロウェッジアレイ中のマイクロウェッジは、前記マイクロウェッジの前記底部により画定された前記平面に対して約20°〜約65°の角度をなすように配置された前端を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記マイクロウェッジアレイ中の前記マイクロウェッジは、前記マイクロウェッジの前記底部により画定された前記平面に対して約35°〜約85°の角度をなすように配置された後端を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記マイクロウェッジアレイ中の前記マイクロウェッジは、高さが約80μm〜約120μmであり、底部が約20μm〜約40μmである、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記マイクロウェッジアレイ中の前記マイクロウェッジは、長さが約120μm〜約160μmである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記金属モールドの一部に離型剤層を堆積させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするためのモールドを形成する方法であって、
金属ブロック上にスタブアレイを形成するステップと;
前記スタブアレイからマイクロウェッジアレイのネガ型をカットするステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記マイクロウェッジアレイの前記ネガ型を形成するために、前記スタブアレイ中のスタブの側面から約5μm〜約10μmの金属をカットするステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
精密仕上げツールを用いて、スタブから前記マイクロウェッジアレイの前記ネガ型をカットするステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ダイアモンドマイクロ加工ツールを用いて、前記スタブから前記マイクロウェッジアレイの前記ネガ型をカットするステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記スタブアレイを形成するステップは、前記ダイアモンドマイクロ加工ツールとは異なるマイクロ加工ツールを用いて、前記金属ブロック中にリセスをカットする工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記スタブアレイを形成するステップは、前記金属ブロック上にスタブの3Dプリントを行う工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするための金属モールドであって、
上面と、前記上面に画定されたマイクロスケール乾燥付着構造アレイ用のネガパターンと、を含む金属ブロックであって、前記上面には、前記金属モールドと前記マイクロスケール乾燥付着構造用のキャスティング材料との間の付着性を低減するために離型剤が少なくとも部分的にコートされている、金属ブロックを備える、金属モールド。
【請求項18】
前記マイクロスケール乾燥付着構造アレイは、マイクロウェッジアレイを含む、請求項17に記載の金属モールド。
【請求項19】
マイクロウェッジは、高さが約80μm〜約120μmであり、底部が約20μm〜約40μmである、請求項17に記載の金属モールド。
【請求項20】
前記マイクロウェッジは、前記マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して約30°〜約70°の角度をなすように配置された中心線を有する、請求項19に記載の金属モールド。
【請求項21】
前記マイクロウェッジは、前記マイクロウェッジの前記底部により画定された前記平面に対して約20°〜約65°の角度をなすように配置された前端を有する、請求項20に記載の金属モールド。
【請求項22】
前記マイクロウェッジは、前記マイクロウェッジの前記底部により画定された前記平面に対して約35°〜約85°の角度をなすように配置された後端を有する、請求項21に記載の金属モールド。
【請求項23】
金属モールド中にマイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングする方法であって、
金属モールドを提供するステップであって、前記金属モールドは、前記金属モールドの上面に前記マイクロスケール乾燥付着構造用のネガパターンを含む、ステップと;
前記ネガパターン上にキャスティング材料を堆積させるステップと;
前記キャスティング材料を硬化させるステップと、
を含む方法。
【請求項24】
金属モールドと前記キャスティング材料との間の付着性を低減するために、離型剤で前記上面を少なくとも部分的にコーティングするステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ネガパターンは、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して約30°〜約70°の角度をなすように配置された中心線を有するマイクロウェッジアレイ用のネガパターンを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ネガパターンは、マイクロウェッジの前記底部により画定された前記平面に対して約20°〜約65°の角度をなすように配置された前端を有する前記マイクロウェッジアレイ用のネガパターンを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項27】
前記ネガパターンは、マイクロウェッジの前記底部により画定された前記平面に対して約35°〜約85°の角度をなすように配置された後端を有する前記マイクロウェッジアレイ用のネガパターンを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項28】
電気めっき工程により前記金属モールドを形成するステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記金属モールドの前記上面に前記ネガパターンの機械加工を行うステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするためのモールドを形成する方法であって、
ダイアモンドマイクロ加工ツールを用いて、金属ブロックからマイクロウェッジのネガパターンをカットするステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年12月10日に出願された「DURABLE MICRO/NANO MOLD FABRICATION TECHNIQUES」と題する米国仮出願第62/090,265に基づき米国特許法第119(e)による優先権を主張するものである。当該仮出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[本発明の分野]
本明細書で開示される態様及び実施形態は、一般に、合成乾燥付着微細構造をキャスティングするための金属モールドを対象とするものである。
【背景技術】
【0003】
ヤモリは、滑らかな垂直壁を登るとともに、滑らかな表面から逆さまに吊り下がることさえできるという能力で知られている。この能力は、シーティー(setae)と呼ばれる弾性の毛の存在に起因する。シーティーは、ヤモリの足及びつま先上でスパチュリ(spatulae)と呼ばれる複数のナノスケール構造体に分かれている。これらのスパチュリを多数有するとともにこれらのスパチュリが表面に近接することにより、ヤモリが滑らかな垂直壁を登るために必要な付着強度が、ファンデルワールス力のみで十分提供されるようになる。研究者は、生来のヤモリの足の付着特性を真似た、「ヤモリ付着」と呼ばれることもある合成構造を作り出すように触発されてきた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様によると、マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするための金属モールドを形成する方法が提供される。本方法は、めっき固定具(plating fixture)上にマイクロスケール乾燥付着構造を含む材料マスターパッチ(master patch of material)を固定するステップと、材料マスターパッチ上に金属モールドを電鋳するステップと、材料マスターパッチ及びめっき固定具から金属モールドを取り除くステップと、を含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、本方法は、材料マスターパッチ上に金属モールドを電鋳する前に、マイクロスケール乾燥付着構造上に付着層を堆積させるステップと、付着層上に離型層(release layer)を堆積させるステップと、をさらに含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、材料マスターパッチは、バッキング基材に取り付けられ、本方法は、めっき固定具のキャビティ中にバッキング基材を固定するステップを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、本方法は、バッキング基材とめっき固定具との間のインターフェース領域にフィレットを堆積させるステップをさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、マイクロスケール乾燥付着構造は、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して約30°〜約70°の角度をなすように配置された中心線を有するマイクロウェッジアレイを含む。マイクロウェッジアレイ中のマイクロウェッジは、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して約20°〜約65°の角度をなすように配置された前端を有し得る。マイクロウェッジアレイ中のマイクロウェッジは、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して約35°〜約85°の角度をなすように配置された後端を有し得る。マイクロウェッジアレイ中のマイクロウェッジは、高さが約80μm〜約120μm、底部が約20μm〜約40μmであってよい。マイクロウェッジアレイ中のマイクロウェッジは、長さが約120μm〜約160μmであってよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、本方法は、金属モールドの一部に離型剤(release agent)層を堆積させるステップをさらに含む。
【0010】
別の態様によると、マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするためのモールドを形成する方法が提供される。本方法は、金属ブロック上にスタブアレイを形成するステップと、スタブアレイからマイクロウェッジアレイのネガ型をカットするステップと、を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法は、マイクロウェッジアレイのネガ型を形成するために、スタブアレイ中のスタブの側面から約5μm〜約10μm又は約10μm〜約20μmの金属をカットするステップを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法は、精密仕上げツールを用いて、スタブからマイクロウェッジアレイのネガ型をカットするステップを含む。本方法は、ダイアモンドマイクロ加工ツールを用いて、スタブからマイクロウェッジアレイのネガ型をカットするステップを含み得る。スタブアレイを形成するステップは、ダイアモンドマイクロ加工ツールとは異なるマイクロ加工ツールを用いて、金属ブロック中にリセスをカットするステップを含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、スタブアレイを形成するステップは、金属ブロック上にスタブの3Dプリントを行うステップを含む。
【0014】
別の態様によると、マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするための金属モールドが提供される。本金属モールドは、上面と、上面に画定されたマイクロスケール乾燥付着構造アレイ用のネガパターンと、を含む金属ブロックであって、上面には、金属モールドとマイクロスケール乾燥付着構造用のキャスティング材料との間の付着性を低減するために離型剤が少なくとも部分的にコートされている、金属ブロックを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、マイクロスケール乾燥付着構造アレイは、マイクロウェッジアレイを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、マイクロウェッジは、高さが約80μm〜約120μmであり、底部が約20μm〜約40μmである。マイクロウェッジは、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して約30°〜約70°の角度をなすように配置された中心線を有し得る。マイクロウェッジは、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して約20°〜約65°の角度をなすように配置された前端を有し得る。マイクロウェッジは、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して約35°〜約85°の角度をなすように配置された後端を有し得る。
【0017】
別の態様によると、金属モールド中にマイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングする方法が提供される。本方法は、金属モールドを提供するステップであって、金属モールドは、金属モールドの上面にマイクロスケール乾燥付着構造用のネガパターンを含む、ステップと、ネガパターン上にキャスティング材料を堆積させるステップと、キャスティング材料を硬化させるステップと、を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本方法は、金属モールドとキャスティング材料との間の付着性を低減するために離型剤で上面を少なくとも部分的にコーティングするステップをさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、ネガパターンは、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して約30°〜約70°の角度をなすように配置された中心線を有するマイクロウェッジアレイ用のネガパターンを含む。ネガパターンは、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して約20°〜約65°の角度をなすように配置された前端を有するマイクロウェッジアレイ用のネガパターンを含み得る。ネガパターンは、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して約35°〜約85°の角度をなすように配置された後端を有するマイクロウェッジアレイ用のネガパターンを含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、本方法は、電気めっき工程により金属モールドを形成するステップをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法は、金属モールドの上面にネガパターンの機械加工を行うステップをさらに含む。
【0022】
別の態様によると、マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするためのモールドを形成する方法が提供される。本方法は、ダイアモンドマイクロ加工ツールを用いて、金属ブロックからマイクロウェッジのネガパターンをカットするステップを含む。
【0023】
添付図面は、スケールに合わせる想定で描画されたものではない。図面では、各図に図示された同一又は略同一な構成要素はそれぞれ、類似の符号で表されている。明確化のために、必ずしも全図面の全構成要素が符号を付されているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】微小要素のパターンを含むマイクロスケール乾燥付着構造の一実施形態の一部の立面図である。
【
図1B】
図1Aのマイクロスケール乾燥付着構造において使用され得るマイクロウェッジの一実施形態の詳細立面図である。
【
図2A】
図1Aのマイクロスケール乾燥付着構造において使用され得る微小要素の一実施形態の詳細立面図である。
【
図2B】
図1Aのマイクロスケール乾燥付着構造において使用され得る微小要素の別の実施形態の詳細立面図である。
【
図3】マイクロスケール乾燥付着構造の一実施形態のマイクロウェッジの端部に形成されたリップを図示する。
【
図4】バックプレート上に配置されるとともにめっき固定具上に取り付けられたマイクロスケール乾燥付着構造の一実施形態を図示する。
【
図5】付着層及び離型層でコートされた
図4のマイクロスケール乾燥付着構造を図示する。
【
図6】導電性シード層でコートされた
図5のマイクロスケール乾燥付着構造を図示する。
【
図7】
図6のマイクロスケール乾燥付着構造上に電着した金属構造を図示する。
【
図8】マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするためのモールドを形成するためにマイクロスケール乾燥付着構造及びめっき固定具から取り除かれた
図7の金属構造を図示する。
【
図9】マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするためのモールドの機械加工を行う方法の一実施形態を図示する。
【
図10】マイクロスケール乾燥付着構造の一実施形態をモールド上に形成するために材料を堆積させるステップを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で開示される態様及び実施形態は、その応用先が以下の詳細な説明に記載され又は図面に図示される詳細な構成及び構成要素の配置構成に限定されるものではない。本明細書で開示される態様及び実施形態は、様々な方法で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用される表現及び専門用語は説明のためのものであり、本発明を限定するものとして捉えるべきものではない。本明細書中で「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、及びこれらの派生語が用いられる場合、これらの語の後に列挙された項目並びにその均等物及び追加項目を包含することを意味している。
【0026】
〔マイクロスケール乾燥付着構造〕
本明細書で開示される態様及び実施形態は、一般に、新規な合成「乾燥付着」構造(「乾燥付着」との語は、付着性及び/又は摩擦増大構造を含む)の形態、並びにこれを製造する方法及び装置を対象とするものである。本明細書で開示される乾燥付着及び/又は摩擦増大構造は、マイクロスケール要素、例えば、固有の大きさが約100μm未満の要素を含み得るものであり、このため本明細書では「マイクロスケール乾燥付着構造」と呼ぶ。微小要素のパターンを含むマイクロスケール乾燥付着構造の一実施形態の一例が
図1Aに図示される。マイクロスケール乾燥付着構造1は、バッキング15上に配置された複数の微小要素(マイクロウェッジ)10を含む。マイクロウェッジ10は、高さhが約80μm〜約120μmであってよく、底部bの幅は約20μm〜約40μm、底部bの長さは約120μm〜約160μmであってよい。
図1Aに図示されるように、マイクロウェッジは、バッキング15の上面15s又はマイクロウェッジの底部により画定される線又は平面pから約20°〜約65°の角度Γだけ傾斜した前端10lを含み得る。マイクロウェッジは、線又は平面pから約35°〜約85°の角度αだけ傾斜した後端10tを含み得る。マイクロウェッジは、マイクロウェッジを2等分するとともに線又は平面pから約30°〜約70°の角度βだけ傾斜した中心線Iを含み得る。マイクロウェッジ10は、中心線Iに関して非対称なテーパを有し得る。マイクロウェッジ10の先端tは、隣接するマイクロウェッジ10の前端10lの上に延在してよく、隣接する各マイクロウェッジは、第1マイクロウェッジの後端10tの下方及び第1マイクロウェッジ10に隣接する第2マイクロウェッジ10の前端10lの上方に画定されるリエントラント(re−entrant)空間10rを画定することができる。これらの大きさ及び角度範囲は例示であり、本明細書で開示される態様及び実施形態は、これら特定の大きさ又は角度を有するマイクロウェッジ構造に限定されるものではない。
【0027】
本明細書で開示されるマイクロスケール乾燥付着構造の各実施形態は、ポリマー、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)その他のシリコーン、ポリウレタン、又は他の高分子材料から形成され得る。本明細書で開示される付着構造の各実施形態が形成され得るポリウレタンの具体的な例としては、BJB Enterprisesから入手可能なM−3160A/Bポリウレタン及びL−3560A/Bポリウレタンなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されるマイクロスケール乾燥付着構造の各実施形態が形成され得る材料は、ショアA硬度が約40〜約60である。いくつかの実施形態では、マイクロスケール乾燥付着構造1のマイクロウェッジ10は、付着性及び/又は摩擦増大層、例えば、
図2A、
図2B及び
図3の顕微鏡写真に図示されるようなリップ20を含み得る。いくつかの実施形態では、リップ20は、マイクロウェッジ10より滑らかな表面を有しており、マイクロウェッジのうちマイクロウェッジ10の先端tに近接する部分の滑らかさを増加させるためにマイクロウェッジに付加され得る。リップ20は、エラストマー材料で形成され得る。リップ20は、マイクロウェッジ10の残部と同じ材料から形成され得るが、いくつかの実施形態では、マイクロウェッジ10の残部とは異なる材料で形成されてもよい。リップ20は、
図2A、
図2B、及び
図3に図示されるように、滑らかな表面を有し得るが、別の実施形態では、例えばリッジ、カラムその他のパターンでパターニングされてもよい。いくつかの実施形態では、リップ20は、マイクロウェッジ10の前端10lの一部のみに存在してもよく、別の実施形態では、マイクロウェッジ10の後端10t及び前端10lの両方に存在してもよい(
図2B)。リップ20を形成する方法は、参照により本明細書に組み込まれる「SYNTHETIC DRY ADHESIVES」と題された米国特許出願第13/451,713に記載されている。
【0028】
いくつかの実施形態では、各マイクロウェッジ10の底部bは、
図1Aに図示されるように、例えば約0μm〜約30μmだけ互いに離間してよく、別の実施形態では、例えば、
図2Bに図示されるように、第1マイクロウェッジの後端10tは、マイクロウェッジ10の底部bにおいて、第1マイクロウェッジ10に隣接する第2マイクロウェッジ10の前端10lと交差してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、マイクロスケール乾燥付着構造は、増大した機械的剛性をマイクロスケール乾燥付着構造に付与するために及び/又はマイクロウェッジ10を略同一平面内に維持するために、硬質ベース基材(例えば、炭素ファイバー及び合板の層、及び/又は硬質ポリマー(いくつかの実施形態では、ガラス強化ポリマー)の層を含む基材)上に取り付けられ得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、
図1〜
図3に図示されるようなマイクロスケール乾燥付着構造は、マイクロ加工プロセスにより(例えば、支持材その他の基材の表面から材料をカットしてマイクロウェッジを形成することにより)形成され得る。マイクロスケール乾燥付着構造のいくつかの実施形態に含まれ得る多数のマイクロウェッジ(数千〜数十万)のため、一連のマイクロ加工プロセスは、多数のマイクロスケール乾燥付着構造の生産を実施するには時間が掛かりすぎることがある。別の実施形態では、
図1〜
図3に図示されるようなマイクロスケール乾燥付着構造は、半導体業界で知られるようなマイクロリソグラフィー及びエッチング技術を使用して形成され得る。しかしながら、このようなマイクロリソグラフィー及びエッチング技術は、複雑かつコストが掛かる場合が多く、いくつかの実装形態では、所望のリエントラントプロファイルを有するマイクロウェッジアレイを作製することが難しい場合がある。従って、成形によるマイクロスケール乾燥付着構造の形成に関するプロセスの開発が進められている。
【0031】
〔マイクロスケール乾燥付着構造用の金属モールド〕
本明細書で開示される態様によると、ポリマー又はエポキシのモールドより耐久性の高い、マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするためのモールドが、金属又は金属合金から形成され得る。いくつかの実施形態では、金属モールドは、電鋳、マイクロ加工、又はこれら二つの組合せにより形成され得る。
【0032】
マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするための金属モールドを電鋳するためのプロセスが
図4以降に図示されている。
図4に図示されるように、既知の良好なマイクロスケール乾燥付着構造1(例えば、米国特許出願第13/451,713号明細書に記載されるようなワックスモールド中に形成され、任意選択的にバッキング基材225上に取り付けられるマイクロスケール乾燥付着構造1)は、且つ/又はめっき固定具230に対して固定され、めっき固定具230中に固定される。いくつかの実施形態では、キャビティ235は、バッキング基材225を受容するようにめっき固定具中に形成される。
【0033】
マイクロスケール乾燥付着構造1がバッキング基材225上に取り付けられていない別の実施形態では、マイクロスケール乾燥付着構造1は、当該技術分野で既知の様々な接着剤(例えば、両面テープ(例えば、REVALPHA(登録商標)熱剥離テープ、Nitto Denko Corporation)又は糊(例えば、Sil−Poxy(登録商標)シリコーンゴム接着剤、Smooth−On Inc.))のうち任意のものを使用して、めっき固定具230の平坦な上面240に直接付着され得る。マイクロスケール乾燥付着構造1をめっき固定具230に適用するために、柔軟層(例えばネオプレン)でカバーされた硬質チューブを含むローラーを使用することができ、マイクロスケール乾燥付着構造1とめっき固定具230との間の気泡の形成を最小化するように、めっき固定具230に適用する際にマイクロスケール乾燥付着構造1を押圧する。
【0034】
めっき固定具230は、鋼その他の任意の硬質の(また、任意選択的に導電性の)材料を備え得る。いくつかの実施形態では、マイクロスケール乾燥付着構造1のバッキング15は、例えば約0.027インチ(約0.06cm)だけ、めっき固定具230の上面240の上方に延在することができ、これにより、完成した金属モールドから追加のマイクロスケール乾燥付着構造1のバッキング15を形成するために、0.027インチの均一なリセスが完成した金属モールドにセットされる。
【0035】
フィレット245(例えばエポキシフィレット)は、マイクロスケール乾燥付着構造1のバッキング15の側壁とめっき固定具230との間のインターフェース250に形成され得る。エポキシフィレット245は、マイクロスケール乾燥付着構造1とめっき固定具230のキャビティ235との間に存在し得る任意のギャップを充填することにより、金属がこのようなギャップ中に電鋳されて電鋳モールド上に望ましくない特徴部を形成するのを妨げるために使用され、又は、電鋳が完了したモールドをめっき固定具230から解放するのが困難になり得る任意のギャップを充填するために使用される。
【0036】
図5に図示されるように、マイクロスケール乾燥付着構造1の微小要素10は、マイクロスケール乾燥付着構造1上に電鋳された金属モールドをマイクロスケール乾燥付着構造1から解放するのを助ける離型層250でコートされ得る。いくつかの実施形態では、離型層250のマイクロスケール乾燥付着構造1への付着を容易にするために、まず付着層255がマイクロスケール乾燥付着構造1上に堆積させられる。いくつかの実施形態では、離型層250は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はREPEL−SILANE(登録商標)を含むものであっても、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はREPEL−SILANE(登録商標)から成るものであってもよく、付着層255は、クロム及び/又はチタンを含むものであっても、クロム及び/又はチタンから成るものであってもよい。付着層255は、例えばスパッタリングにより、マイクロスケール乾燥付着構造1上に堆積させられ得る。離型層250は、例えばPTFEには開始剤化学気相蒸着(iCVD)を、REPEL−SILANE(登録商標)には気相蒸着を用いて、付着層255及び/又はマイクロスケール乾燥付着構造1上に堆積させられ得る。
【0037】
シード金属層260(例えばモリブデン層又は銅層)が、離型層250又はマイクロスケール乾燥付着構造1(
図6、離型層250及び付着層255ははっきりとは示していない)上に堆積させられ、金属モールドの本体部265が、例えば電気メッキ(
図7、シード層は省略)により、シード層260上に形成される。金属モールドの本体部265は、シード層260と同じ金属であってもよく、異なる金属、例えば、銅、アルミニウム、鋼、又は金属合金であってもよい。
【0038】
次いで、金属モールドがマイクロスケール乾燥付着構造1及びめっき固定具から取り除かれ、金属モールド270が完成する(
図8)。金属モールド270は検査されてもよく、いくつかの実施形態では、マイクロ加工(例えばダイアモンドツールその他のマイクロ加工ツールを用いて)を行うことにより、欠陥を取り除き、金属モールド270の表面を平滑化し、又はその他の仕上げを金属モールド270に施す。いくつかの実施形態では、離型剤(例えば、PTFE、REPEL−SILANE(登録商標)、又はトリクロロシラン)が金属モールド270の表面にコートされ得る。機械加工された金属モールド270は、
図1Bを参照して上述したポジ型マイクロウェッジ10と同じ又は類似の大きさ及び角度を有するネガ型マイクロウェッジパターン70を含み得る。
【0039】
別の実施形態では、金属モールド270は、注入モールドインサートとして使用され得る。金属モールド270は、バッキング基材225に対して対向位置で射出成形装置に配置され得る。ポリマー材料を金属モールド27とバッキング基材225との間の空間に注入することにより、単一の射出成形操作で、バッキング基材225上に取り付けられたマイクロスケール乾燥付着構造を形成することができる。
【0040】
別の実施形態では、直接金属ブロック275の機械加工を行うことにより、事前に作製されたマイクロスケール乾燥付着構造を使用することなく、マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするための金属モールド270が形成され得る。例えば、金属ブロック275は、任意選択的に、所望の向き、ウェッジ角度及びピッチのウェッジスタブ280のアレイが形成されるように、標準的なマイクロ加工ツール(例えば、工具鋼又は多結晶ダイアモンドストック(直径が0.001インチ〜0.010インチのオーダー)から作られたマイクロミリングベット)により粗く機械加工され得る。いくつかの実施形態では、隣接するウェッジの間のカットアウトの大きさ(例えば幅)は、完成したモールドのモールドマイクロウェッジに使用されカットアウトより小さく、約10μm〜約20μmであってよい。ダイアモンドツールその他の精密仕上げツール(例えばシリコンカーバイドや工具鋼から形成されたもの)を使用して金属ブロック275をさらに加工することができ、これにより、完成したマイクログルーブ285を形成して金属モールド270を完成させることができる(
図9)。これに加えて又はその代わりに、3Dプリンタを利用して、金属ブロック275上にウェッジスタブ280のアレイを形成してもよい。電気メッキをウェッジスタブ280の3Dプリントアレイに対して実行することにより、3Dプリント操作により残された隙間を充填し、且つ/又はウェッジスタブ280のアレイを平滑化することができる。ダイアモンドツールその他の精密仕上げツールを使用して金属ブロック275さらに加工することができ、これにより、ウェッジスタブ280の3Dプリントアレイから完成したマイクログルーブ285を形成して金属モールド270を完成させることができる。あるいは、ダイアモンドその他の精密仕上げツールを使用して、初めにスタブを形成することなく(初めにスタブを形成する場合、ツールの摩耗が起こる可能性が高まる)、金属層にウェッジカットアウトを直接形成することができる。
【0041】
金属モールド270は、マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするために使用され得る。
図10に図示されるように、キャスティング材料290(例えばPDMSその他のシリコーンやポリウレタン)は、モールドに形成されたパターンで堆積させられ得る。キャスティング材料は、硬化するまでモールドに残留し得る。その後、キャスティング材料を取り除くことにより、例えば
図1Aに図示されるようなマイクロスケール乾燥付着構造が形成され得る。本図には示されていないが、モールドは、キャスト構造のためにバッキングの均一な厚さを確保するためにリセスを組み込むことができる。
【0042】
本発明の少なくとも一実施形態のいくつかの態様について説明したが、当業者であれば様々な代替例、修正例、及び改良例に容易に想到することが理解されよう。このような代替例、修正例、及び改良例は、本開示の一部であることが意図されており、本発明の趣旨及び範囲に含まれることが意図されている。従って、前述の詳細な説明及び図面は単なる例示に過ぎない。
【符号の説明】
【0043】
1 マイクロスケール乾燥付着構造
10 マイクロウェッジ
10l 前端
10r リエントラント空間
10t 後端
15 バッキング
15s 上面
20 リップ
27 金属モールド
70 ネガ型マイクロウェッジパターン
225 バッキング基材
230 固定具
235 キャビティ
240 上面
245 フィレット
250 離型層
255 付着層
260 シード層
265 本体部
270 金属モールド
275 金属ブロック
280 ウェッジスタブ
285 マイクログルーブ
290 キャスティング材料
【手続補正書】
【提出日】2017年10月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするための金属モールドを形成する方法であって、
マイクロスケール乾燥付着構造を含む材料マスターパッチをめっき固定具上に固定するステップと;
前記材料マスターパッチ上に前記金属モールドを電鋳するステップと;
前記材料マスターパッチ及び前記めっき固定具から前記金属モールドを取り除くステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記材料マスターパッチ上に前記金属モールドを電鋳する前に、
前記マイクロスケール乾燥付着構造上に付着層を堆積させるステップと、
前記付着層上に離型層を堆積させるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記材料マスターパッチは、バッキング基材に取り付けられ、
前記方法は、前記めっき固定具のキャビティ中に前記バッキング基材を固定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記バッキング基材と前記めっき固定具との間のインターフェース領域にフィレットを堆積させるステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記マイクロスケール乾燥付着構造は、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して30°〜70°の角度をなすように配置された中心線を有するマイクロウェッジアレイを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マイクロウェッジアレイ中のマイクロウェッジは、前記マイクロウェッジの前記底部により画定された前記平面に対して20°〜65°の角度をなすように配置された前端を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記マイクロウェッジアレイ中の前記マイクロウェッジは、前記マイクロウェッジの前記底部により画定された前記平面に対して35°〜85°の角度をなすように配置された後端を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記マイクロウェッジアレイ中の前記マイクロウェッジは、高さが80μm〜120μmであり、底部が20μm〜40μmである、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記マイクロウェッジアレイ中の前記マイクロウェッジは、長さが120μm〜160μmである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記金属モールドの一部に離型剤層を堆積させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするためのモールドを形成する方法であって、
金属ブロック上にスタブアレイを形成するステップと;
前記スタブアレイからマイクロウェッジアレイのネガ型をカットするステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記マイクロウェッジアレイの前記ネガ型を形成するために、前記スタブアレイ中のスタブの側面から5μm〜10μmの金属をカットするステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
精密仕上げツールを用いて、スタブから前記マイクロウェッジアレイの前記ネガ型をカットするステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ダイアモンドマイクロ加工ツールを用いて、前記スタブから前記マイクロウェッジアレイの前記ネガ型をカットするステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記スタブアレイを形成するステップは、前記ダイアモンドマイクロ加工ツールとは異なるマイクロ加工ツールを用いて、前記金属ブロック中にリセスをカットする工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記スタブアレイを形成するステップは、前記金属ブロック上にスタブの3Dプリントを行う工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするための金属モールドであって、
上面と、前記上面に画定されたマイクロスケール乾燥付着構造アレイ用のネガパターンと、を含む金属ブロックであって、前記上面には、前記金属モールドと前記マイクロスケール乾燥付着構造用のキャスティング材料との間の付着性を低減するために離型剤が少なくとも部分的にコートされている、金属ブロックを備える、金属モールド。
【請求項18】
前記マイクロスケール乾燥付着構造アレイは、マイクロウェッジアレイを含む、請求項17に記載の金属モールド。
【請求項19】
マイクロウェッジは、高さが80μm〜120μmであり、底部が20μm〜40μmである、請求項17に記載の金属モールド。
【請求項20】
前記マイクロウェッジは、前記マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して30°〜70°の角度をなすように配置された中心線を有する、請求項19に記載の金属モールド。
【請求項21】
前記マイクロウェッジは、前記マイクロウェッジの前記底部により画定された前記平面に対して20°〜65°の角度をなすように配置された前端を有する、請求項20に記載の金属モールド。
【請求項22】
前記マイクロウェッジは、前記マイクロウェッジの前記底部により画定された前記平面に対して35°〜85°の角度をなすように配置された後端を有する、請求項21に記載の金属モールド。
【請求項23】
金属モールド中にマイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングする方法であって、
金属モールドを提供するステップであって、前記金属モールドは、前記金属モールドの上面に前記マイクロスケール乾燥付着構造用のネガパターンを含む、ステップと;
前記ネガパターン上にキャスティング材料を堆積させるステップと;
前記キャスティング材料を硬化させるステップと、
を含む方法。
【請求項24】
金属モールドと前記キャスティング材料との間の付着性を低減するために、離型剤で前記上面を少なくとも部分的にコーティングするステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ネガパターンは、マイクロウェッジの底部により画定された平面に対して30°〜70°の角度をなすように配置された中心線を有するマイクロウェッジアレイ用のネガパターンを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ネガパターンは、マイクロウェッジの前記底部により画定された前記平面に対して20°〜65°の角度をなすように配置された前端を有する前記マイクロウェッジアレイ用のネガパターンを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ネガパターンは、マイクロウェッジの前記底部により画定された前記平面に対して35°〜85°の角度をなすように配置された後端を有する前記マイクロウェッジアレイ用のネガパターンを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
電気めっき工程により前記金属モールドを形成するステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記金属モールドの前記上面に前記ネガパターンの機械加工を行うステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
マイクロスケール乾燥付着構造をキャスティングするためのモールドを形成する方法であって、
ダイアモンドマイクロ加工ツールを用いて、金属ブロックからマイクロウェッジのネガパターンをカットするステップを含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年12月10日に出願された「DURABLE MICRO/NANO MOLD FABRICATION TECHNIQUES」と題する米国仮出願第62/090,265に基づき米国特許法第119(e)による優先権を主張するものである。当該仮出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、国防総省国防高等研究事業部により授与されたN66001−11−C−4101の下での政府支援によりなされたものである。政府は、本発明に一定の権利を有するものである。
【国際調査報告】