特表2017-538010(P2017-538010A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特表2017-538010アクリル系ポリビニルアセタールフィルム及び組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-538010(P2017-538010A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】アクリル系ポリビニルアセタールフィルム及び組成物
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/18 20060101AFI20171124BHJP
   C08L 29/14 20060101ALI20171124BHJP
   C08L 33/06 20060101ALI20171124BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   C08J5/18CEX
   C08J5/18CEY
   C08L29/14
   C08L33/06
   B32B27/30 A
   B32B27/30 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2017-530059(P2017-530059)
(86)(22)【出願日】2015年12月7日
(85)【翻訳文提出日】2017年7月18日
(86)【国際出願番号】US2015064215
(87)【国際公開番号】WO2016094277
(87)【国際公開日】20160616
(31)【優先権主張番号】62/088,945
(32)【優先日】2014年12月8日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】ジャノスキー, ジョナサン イー.
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ, アンソニー エフ.
(72)【発明者】
【氏名】リヨン, キース アール.
(72)【発明者】
【氏名】スティールマン, ロナルド エス.
(72)【発明者】
【氏名】ルワンドウスキー, ケヴィン エム.
(72)【発明者】
【氏名】リップスコーム, コリン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ホブス, テリー アール.
(72)【発明者】
【氏名】ウェイケル, アーリン エル.
(72)【発明者】
【氏名】セス, ジェイシュリー
(72)【発明者】
【氏名】ファンスラー, デュアン ディー
(72)【発明者】
【氏名】阿部 秀俊
【テーマコード(参考)】
4F071
4F100
4J002
【Fターム(参考)】
4F071AA30
4F071AA33
4F071AA81
4F071AA86
4F071AB03
4F071AB27
4F071AC10
4F071AE04
4F071AE17
4F071AF21Y
4F071BA02
4F071BB02
4F071BB12
4F071BC02
4F100AK05B
4F100AK23A
4F100AK25A
4F100AK25B
4F100AL03A
4F100AL05A
4F100BA02
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4F100CA02A
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4F100EJ08
4F100EJ54
4F100JA05A
4F100JA05B
4F100JK02
4F100JK07
4F100JK08
4F100YY00A
4J002BE062
4J002BE06X
4J002BG041
4J002BG04W
4J002BG051
4J002BG05W
(57)【要約】
(メタ)アクリルポリマーとポリビニルアセタール(例えばブチラール)樹脂とを含むフィルムが記載される。一部の実施形態において、本フィルムは30℃〜60℃の範囲のガラス転移温度(即ちTg)を有する。一部の実施形態において、本フィルムは少なくとも20%以上のゲル含有量を有する。一部の実施形態において、本フィルムは少なくとも175%の破断伸度を有する。本フィルムは、典型的には、フィルムを製造した方法の結果として光開始剤を含む。本フィルムはモノリシックフィルムであっても、又は多層フィルムの層であってもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリルポリマーと、以下の式
【化1】

[式中、Rは水素又はC1〜C7アルキル基である。]
を有する重合単位を含むポリビニルアセタール樹脂と、を含み、
30℃〜60℃の範囲のTgを有する、フィルム。
【請求項2】
0℃未満のTgを有する単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を少なくとも10、15、20、又は25重量%含む、請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
0℃未満のTgを有する単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を60重量%以下含む、請求項2に記載のフィルム。
【請求項4】
前記単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーが、−10℃、−20℃、−30℃、又は−40℃未満のTgを有する、請求項2又は3に記載のフィルム。
【請求項5】
全炭素含有量の少なくとも10、15、20又は25%のバイオベース含有量を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項6】
8個の炭素原子を含むアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項7】
40℃、50℃、60℃、70℃、又は80℃超のTgを有する単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を35重量%以下更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項8】
極性モノマーの重合単位を、10、15又は20重量%以上65重量%以下更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項9】
極性モノマーが、酸官能性、ヒドロキシル官能性モノマー、窒素含有モノマー、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項8に記載のフィルム。
【請求項10】
ポリビニルブチラールを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項11】
ポリビニルアセタール樹脂を5〜30重量%含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項12】
前記ポリビニルアセタール樹脂が10〜30の範囲のポリビニルアルコール含有量を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項13】
前記ポリビニルアセタール樹脂が60℃〜75℃の範囲のガラス転移温度を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項14】
前記ポリアセタール樹脂が20,000g/モル〜75,000g/モルの範囲の平均分子量(Mw)を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項15】
前記フィルムが多官能性架橋剤の重合単位を更に含み、前記架橋剤が、(メタ)アクリレート、アルケニル、及びヒドロキシル反応性基から選択される官能基を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項16】
25重量%以下の量の添加剤を更に含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項17】
前記フィルム組成物が光開始剤を含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載のフィルム組成物。
【請求項18】
前記フィルムがメタクリレートモノマーの重合単位を10重量%以下含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載のフィルム組成物。
【請求項19】
前記(メタ)アクリルポリマーがランダムコポリマーである、請求項1〜18のいずれか一項に記載のフィルム組成物。
【請求項20】
モノリシックフィルムである、請求項1〜19のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項21】
多層フィルムのフィルム層である、請求項1〜19のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項22】
前記多層フィルムが第2のフィルム層を更に含み、前記第2のフィルム層が(メタ)アクリルポリマーとポリビニルアセタール樹脂とを含み、前記第2のフィルム層が30℃未満のTgを有する、請求項21に記載のフィルム。
【請求項23】
前記第2のフィルム層が熱結合性である、請求項22に記載のフィルム。
【請求項24】
(メタ)アクリルポリマーと、以下の式
【化2】

[式中、Rは水素又はC1〜C7アルキル基である。]
を有する重合単位を含むポリビニルアセタール樹脂と、を含み、
少なくとも20%のゲル含有量を有する、フィルム。
【請求項25】
30℃〜60℃の範囲のTgを有する、請求項24に記載のフィルム。
【請求項26】
少なくとも175%の破断伸度を有する、請求項1〜25のいずれか一項に記載のフィルム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(概要)
一実施形態において、フィルムが記載される。本フィルムは(メタ)アクリルポリマーとポリビニルアセタール樹脂とを含む。ポリビニルアセタール樹脂は、式
【化1】

[式中、Rは水素又はC1〜C7アルキル基である。]を有する重合単位を含む。一実施形態において、フィルムは30℃〜60℃の範囲のガラス転移温度(即ちTg)を有する。別の実施形態において、フィルムは少なくとも20%のゲル含有量を有する。別の実施形態において、フィルムは少なくとも175%の破断伸度を有する。本フィルムは、典型的には、フィルムを製造した方法の結果として光開始剤を含む。本フィルムはモノリシックフィルムであっても、又は多層フィルムの(例えば外側)層であってもよい。
【0002】
別の実施形態において、フィルムの製造方法が記載される。本方法は、ポリビニルアセタール樹脂とフリーラジカル重合性溶媒モノマーとを含む組成物を提供する工程を含む。本方法は、基材(例えばはく離ライナー)に組成物を塗布する工程と、溶媒モノマーを重合させる工程と、任意に、組成物を架橋して、それによりフィルムを形成する工程とを含む。ポリビニルアセタール樹脂、並びにフリーラジカル重合性溶媒モノマーの種類及び量は、粗組成物が30℃〜60℃の範囲のTgを有するように選択される。
【0003】
更に別の実施形態において、(メタ)アクリルポリマーとポリビニルアセタール樹脂とを含む組成物が記載される。本組成物は、好ましくは30℃〜60℃の範囲のTgを有する。
【0004】
有利な実施形態において、本フィルム及び/又は(例えば放射線)重合しかつ任意に硬化した組成物は、それをポリ塩化ビニルフィルム又は他のタイプの(例えば可撓性)フィルムの代替として利用することができるような好適な(例えば、Tg、引張り、及び/又は伸び)特性のバランスを呈する。
【0005】
(詳細な説明)
本明細書には、(メタ)アクリルポリマーとポリビニルアセタール樹脂とを含むフィルム及び組成物、並びに製造方法が開示される。本組成物は、好ましくは、ポリビニルアセタール樹脂をフリーラジカル重合性溶媒モノマーに溶解することによって調製される。溶媒モノマーは、好ましくは(例えば紫外)放射線の照射によって重合する。
【0006】
本フィルム及び組成物は、1〜14個の炭素原子及び好ましくは平均4〜12個の炭素原子を含有する(例えば非第三級)アルコールに由来する1つ以上の(メタ)アクリレートエステルモノマーの重合単位を含む。
【0007】
モノマーの例としては、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれかと、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール;3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、イソオクチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、2−プロピルヘプタノール、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノールなどの非第三級アルコール類とのエステル類が挙げられる。
【0008】
本フィルム及び組成物は、1つ以上の低Tg(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を含み、即ち、反応してホモポリマーを形成したときの(メタ)アクリレートモノマーは0℃以下のTを有する。一部の実施形態において、低Tgモノマーは、−5℃以下、又は−10℃以下のTを有する。これらのホモポリマーのTgは、多くの場合に−80℃以上、−70℃以上、−60℃以上、又は−50℃以上である。
【0009】
低Tgモノマーは、次の式を有し得る。
C=CRC(O)OR
(式中、RはH又はメチルであり、Rは、1〜22個の炭素を有するアルキル、又は2〜20個の炭素及び酸素若しくは硫黄から選択される1〜6個のヘテロ原子を有するヘテロアルキルである)を有していてもよい。アルキル基又はヘテロアルキル基は、直鎖状、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0010】
例示的低Tgモノマーとしては、例えば、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート(Tg=−70℃)、イソノニルアクリレート、デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソトリデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、及びドデシルアクリレートが挙げられる。
【0011】
低Tgヘテロアルキルアクリレートモノマーとしては、2−メトキシエチルアクリレート及び2−エトキシエチルアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、6〜20個の炭素原子を含むアルキル基を有する低Tgモノマー(複数可)の重合単位を含む。いくつかの実施形態において、低Tgモノマーは、7個又は8個の炭素原子を有するアルキル基を有する。例示的モノマーとしては、限定はされないが、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、及びラウリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0013】
一部の実施形態において、モノマーは、(メタ)アクリル酸と再生可能資源に由来するアルコールとのエステルである。材料が再生可能資源から誘導されるかを決定するのに適した技術は、米国特許出願公開第2012/0288692号に記載されているように、ASTM D6866−10に従った14C分析による。「生物由来の成分」を導出するASTM D6866−10の適用は、放射性炭素年代測定法と同じ概念で構築されるが、年代方程式(age equation)は使用しない。分析は、未知サンプル対現代参照標準の有機放射性炭素(14C)の量の比を導出することにより実施される。比は、単位「pMC」(現代炭素パーセント)による百分率で報告される。
【0014】
再生可能資源から誘導される1つの適切なモノマーは、2−オクチル(メタ)アクリレートであり、これは、従来技術によって、2−オクタノール、並びにエステル、酸及びハロゲン化アシルなどの(メタ)アクリロイル誘導体から調製することができる。2−オクタノールは、ヒマシ油(又はそのエステル若しくはハロゲン化アシル)から誘導されるリシノール酸を水酸化ナトリウムで処理し、続いて共生成物のセバシン酸から蒸留することによって調製してもよい。再生可能であり得る他の(メタ)アクリレートエステルモノマーは、エタノール及び2−メチルブタノールから誘導されるものである。一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、ASTM D6866−10、方法Bを用いて少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55又は60重量%のバイオベース含有量を有する。
【0015】
本フィルム及び組成物は、典型的には、重合単位の総重量に基づいて(即ち無機充填剤又は他の添加剤は除く)、0℃未満のTgを有する単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を少なくとも10、15、20、又は25重量%含む。本明細書で使用されるとき、重合単位の重量%とは、(メタ)アクリルポリマーとポリビニルアセタール(例えばブチラール)樹脂と存在する場合に架橋剤との総重量に基づく重量%を指す。本フィルム及び組成物は、典型的には、重合単位の総重量に基づいて、0℃未満のTgを有する単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を60、55、50、45、又は40重量%以下含む。
【0016】
フィルム又は組成物が無機充填剤及び添加剤などの非重合成分を含まない場合、指定の重合単位の重量%は、全組成物中に存在するかかる重合単位の重量%とほぼ同じである。しかしながら、組成物が無機充填剤又は他の非重合性添加剤などの非重合成分を含む場合、全組成物は実質的により少ない重合単位を含み得る。概ね、非重合性添加剤の総量は25重量%以下の範囲であり得る。したがって、かかる非重合性添加剤を含むフィルム及び組成物の場合、指定の重合単位の濃度は、かかる添加剤の総濃度に応じて5、10、15、20、25重量%程少なくなり得る。例えば、フィルム又は組成物が20重量%の無機充填剤を含む場合、低Tg単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの濃度は20%低く、即ち、少なくとも8重量%、12重量%等であり得る。
【0017】
本フィルム及び組成物は、概ね、少なくとも1つの(例えば非極性)高Tgモノマーを含み、即ち、反応してホモポリマーを形成したときの(メタ)アクリレートモノマーは0℃超のTgを有する。高Tgモノマーは、より典型的には、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃、又は40℃超のTgを有する。
【0018】
典型的な実施形態において、本フィルム及び組成物は、例えば、t−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、s−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート、3,3,5トリメチルシクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、及びプロピルメタクリレート又は組み合わせを含めた、少なくとも1つの高Tg単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含む。
【0019】
一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、重合単位の総重量に基づいて(即ち無機充填剤又は他の添加剤は除く)、40℃、50℃、60℃、70℃、又は80℃超のTgを有する単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を1、2、又は3重量%以上35又は40重量%以下含む。一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、高Tg単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を30、25、20、又は10重量%以下含む。更に、一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、高Tg単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を1.0、0.5、0.1重量%未満含むか、又はそれを含まない。
【0020】
様々なモノマーのホモポリマーのTgは公知であり、様々なハンドブックに報告されている。以下の表に、(特に指定のない限り)Polymer Handbook,4th edition,編者J.Brandrup,E.H.Immergut,and E.A.Grulke,共編者A.Abe and D.R.Bloch,J.Wiley and Sons,New York,1999に報告されるとおりのいくつかの例示的なモノマーのTgを示す。
【表1】
【0021】
典型的な実施形態において、本フィルム及び組成物は、極性モノマーの重合単位を10、15又は20重量%以上65重量%以下更に含む。かかる極性モノマーは、概ね、ポリビニルアセタール(例えばブチラール)樹脂と高Tg及び低Tgアルキル(メタ)アクリレート溶媒モノマーとの相溶化に役立つ。極性モノマーは典型的には0℃超のTgを有するが、Tgは高Tg単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーより低くてもよい。
【0022】
代表的な極性モノマーとしては、例えば、酸官能性モノマー、ヒドロキシル官能性モノマー、窒素含有モノマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0023】
一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は酸官能性モノマー(高Tgモノマーの一部)の重合単位を含み、ここで酸官能基は、カルボン酸など、酸それ自体であってもよく、又はカルボン酸アルカリ金属など、一部分がその塩であってもよい。有用な酸官能性モノマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和スルホン酸、エチレン性不飽和ホスホン酸、及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。そのような化合物の例には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、マレイン酸、オレイン酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−スルホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸及びこれらの混合物から選択されるものが挙げられる。
【0024】
入手が容易なため、酸官能性モノマーは一般にエチレン性不飽和カルボン酸、すなわち(メタ)アクリル酸から選択される。更により強い酸が望ましい場合、酸性モノマーには、エチレン性不飽和スルホン酸及びエチレン性不飽和ホスホン酸が挙げられる。一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、アクリル酸などの酸官能性モノマーの重合単位を0.5〜20又は25重量%含む。一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、酸官能性モノマーの重合単位を少なくとも1、2、3、4、又は5重量%含む。他の実施形態において、本フィルム及び組成物は、酸官能性モノマーの重合単位を1.0、0.5、0.1重量%未満含むか、又はそれを含まない。
【0025】
一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は非酸官能性極性モノマーを含む。
【0026】
非酸官能性極性モノマーの一つのクラスには、窒素含有モノマーが含まれる。代表的な例としては、N−ビニルピロリドン;N−ビニルカプロラクタム、アクリルアミド、モノ−又はジ−N−アルキル置換アクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド;及びN−オクチルアクリルアミドが挙げられる。一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は窒素含有モノマーの重合単位を0.5、1、2、3、4、又は5重量%以上、典型的には25又は30重量%以下含む。他の実施形態において、本フィルム及び組成物は、窒素含有モノマーの重合単位を1.0、0.5、0.1重量%未満含むか、又はそれを含まない。
【0027】
非酸官能性極性モノマーの別のクラスには、アルコキシ官能性(メタ)アクリレートモノマーが含まれる。代表的な例、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メトキシエトキシ)エチル、2−メトキシエチルメタクリレート、及びポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート類。
【0028】
一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、アルコキシ官能性(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を0.5、1、2、3、4、又は5重量%以上、典型的には30又は35重量%以下含む。他の実施形態において、本フィルム及び組成物は、アルコキシ官能性(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を1.0、0.5、0.1重量%未満含むか、又はそれを含まない。
【0029】
好ましい極性モノマーとしては、アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアクリルアミド及びN−ビニルピロリジノンが挙げられる。本フィルム及び組成物は、概ね、極性モノマーの重合単位を10、15又は20重量%以上、典型的には65、60、55、50又は45重量%以下の量で含む。
【0030】
本フィルム及び組成物は、任意に、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル及びプロピオン酸ビニル)、スチレン、置換スチレン(例えば、α−メチルスチレン)、ハロゲン化ビニル、及びこれらの混合物を含めたビニルモノマーを含み得る。本明細書で使用されるとき、ビニルモノマーに極性モノマーは含まれない。一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、ビニルモノマーの重合単位を0.5、1、2、3、4、又は5重量%以上、典型的には10重量%以下含む。他の実施形態において、本フィルム及び組成物は、ビニルモノマーの重合単位を1.0、0.5、0.1重量%未満含むか、又はそれを含まない。
【0031】
一部の有利な実施形態において、(メタ)アクリルポリマーの重合単位は脂肪族基を有し、かつ芳香族部分を欠いている。
【0032】
典型的な実施形態では、溶媒モノマー(複数可)が重合してランダム(メタ)アクリルポリマーコポリマーを形成する。
【0033】
本発明において利用されるポリビニルアセタール樹脂は、当該技術分野において公知のとおり、例えばポリビニルアルコールをアルデヒドと反応させることによって得られる。
【0034】
ポリビニルアルコール樹脂は、製造方法に制限されない。例えば、ポリ酢酸ビニルなどをアルカリ、酸、アンモニア水などで鹸化することによって生成されるものを使用し得る。ポリビニルアルコール樹脂は完全に鹸化していてもよく、あるいは部分的に鹸化していてもよい。80mol%以上の鹸化度を有するものを使用することが好ましい。
【0035】
ポリビニルアルコール樹脂は、単独で、又は2つ以上の組み合わせで使用することができる。
【0036】
ポリビニルアセタール樹脂の製造に使用されるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒドを含む)、アセトアルデヒド(パラアセトアルデヒドを含む)、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、グリオキサール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒドなどが挙げられる。これらのアルデヒド類は、単独で、又は2つ以上の組み合わせで使用することができる。
【0037】
ポリビニルアセタール樹脂は、概ね、化学式1によって表される繰り返し単位を有する。
【化2】

化学式1において、nは、アセタール化に用いられる異なる種類のアルデヒドの数であり;R,R,...,Rは、独立して、アセタール化反応に用いられるアルデヒドの(例えばC1〜C7)アルキル残基、又は水素原子であり;k,k,...,kは、独立して、R,R,...,Rを含有する各アセタール単位の割合(モル比)であり;lはビニルアルコール単位の割合(モル比)であり;及びmは酢酸ビニル単位の割合(モル比)である。k+k+...+k+l+mの合計=1。更に、k,k,...,kのうちの少なくとも1つはゼロでなくてもよい。ポリビニルアセタール樹脂の調製に単一の種類のアルデヒドが利用される場合、かかる単一のアルデヒドはkによって表されてもよい。k+l+mの繰り返し単位の数は、所望の分子量をもたらすのに十分である。この実施形態において、k及びkは0であってもよい。ポリアセタール樹脂は、典型的にはランダム共重合体である。しかしながら、ブロック共重合体及びテーパードブロック共重合体もランダム共重合体と同様の有益性をもたらし得る。
【0038】
ポリビニルアセタール(例えばブチラール)の含有量は、典型的にはポリビニルアセタール(例えばブチラール)樹脂の65重量%〜90重量%の範囲である。一部の実施形態において、ポリビニルアセタール(例えばブチラール)の含有量は約70又は75〜80又は85重量%の範囲である。したがって、「k,k,...,k」の繰り返し単位の数は、それに応じて選択される。
【0039】
ポリビニルアルコールの含有量は、典型的にはポリビニルアセタール(例えばブチラール)樹脂の約10〜30重量%の範囲である。一部の実施形態において、ポリビニルアルコールの含有量は約15〜25重量%の範囲である。したがって、「l」はそれに応じて選択される。
【0040】
ポリ酢酸ビニルの含有量は0であるか、又はポリビニルアセタール(例えばブチラール)樹脂の1〜8重量%の範囲であってもよい。一部の実施形態において、ポリ酢酸ビニルの含有量は約1〜5重量%の範囲である。したがって、「m」はそれに応じて選択される。
【0041】
一部の実施形態において、アルデヒドのアルキル残基は1〜7個の炭素原子を含む。他の実施形態において、アルデヒドのアルキル残基は、ブチルアルデヒド(R=3)、ヘキシルアルデヒド(R=5)、n−オクチルアルデヒド(R=7)の場合のように3〜7個の炭素原子を含む。これらのうち、ブタナールとしても知られるブチルアルデヒドが、最も一般的に利用される。ポリビニルブチラール(「PVB」)樹脂は、Kurarayから商標「Mowital(商標)」及びSolutiaから商標「Butvar(商標)」で市販されている。
【0042】
一部の実施形態において、ポリビニルアセタール(例えばブチラール)樹脂は約60℃〜約75℃又は80℃の範囲のTgを有する。一部の実施形態において、ポリビニルアセタール(例えばブチラール)樹脂のTgは、少なくとも65又は70℃である。ポリビニルアセタール樹脂の調製にn−オクチルアルデヒドなどの他のアルデヒドが用いられる場合、Tgは65℃又は60℃未満であってもよい。ポリビニルアセタール樹脂のTgは、典型的には少なくとも35、40又は45℃である。ポリビニルアセタール樹脂が60℃未満のTgを有する場合、フィルム及び(例えば例示される)組成物には、ポリビニルブチラール樹脂を利用するものと比較してより高濃度の高Tgモノマーが用いられ得る。ポリビニルアセタール樹脂の調製にアセトアルデヒドなどの他のアルデヒドが用いられる場合、Tgは75℃又は80℃超であり得る。ポリビニルアセタール樹脂が70℃超のTgを有する場合、フィルム及び(例えば例示される)組成物には、ポリビニルブチラール樹脂を利用するものと比較してより高濃度の低Tgモノマーが用いられ得る。
【0043】
ポリビニルアセタール(例えばPVB)樹脂は、典型的には、10,000g/モル又は15,000g/モル以上150,000g/モル又は100,000g/モル以下の平均分子量(Mw)を有する。一部の有利な実施形態において、ポリアセタール(例えばPVB)樹脂は、20,000g/モル、25,000、30,000、35,000g/モル以上、典型的には75,000g/モル以下の平均分子量(Mw)を有する。
【0044】
本フィルム及び組成物は、(メタ)アクリレートポリマーとポリビニルアセタール(例えばブチラール)樹脂と存在する場合に架橋剤との重合単位の総重量に基づいて、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂を5〜30重量%含む。一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、ポリビニルアセタール(例えばPVB)樹脂を少なくとも10、11、12、13、14、又は15重量%含む。一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、ポリビニルアセタール(例えばPVB)樹脂を25又は20重量%以下含む。本フィルム及び組成物が、50,000g/モル未満の平均分子量(Mw)を有するポリビニルアセタール(例えばPVB)樹脂を含む場合、本フィルム及び組成物は、35又は40重量%など、より高濃度のポリビニルアセタール(例えばPVB)樹脂を含み得る。
【0045】
一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は架橋剤を含む。一部の実施形態において、架橋剤は、(メタ)アクリレート、ビニル、及びアルケニル(例えばC〜C20オレフィン基)から選択される官能基を含む架橋剤、並びに塩素化トリアジン系架橋化合物の場合のように、(メタ)アクリルポリマーの重合単位の架橋能を有する多官能性架橋剤である。
【0046】
有用な(例えば脂肪族)多官能性(メタ)アクリレートの例としては、限定はされないが、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート類、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート類、及びプロポキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、及びこれらの混合物など、ジ(メタ)アクリレート類、トリ(メタ)アクリレート類、及びテトラ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0047】
一実施形態において、架橋性モノマーは(メタ)アクリレート基及びオレフィン基を含む。オレフィン基は少なくとも1個の炭化水素不飽和を含む。架橋性モノマーは、以下の式を有し得る
【化3】

(式中、R1はH又はCHであり、
Lは任意の結合基であり、かつ、
R2はオレフィン基であって、任意に置換されているオレフィン基である。)。
【0048】
ジヒドロシクロペンタジエニルアクリレートは、このクラスの架橋性モノマーの一例である。C〜C20オレフィンを含むこのタイプの他の架橋性モノマーが、国際公開第2014/172185号に記載されている。
【0049】
他の実施形態において、架橋性モノマーは、アリル、メタリル、又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも2つの末端基を含む。アリル基は構造式HC=CH−CH−を有する。これは、ビニル基(−CH=CH)に付加したメチレン架橋(−CH−)からなる。同様に、メタリル基は、構造式HC=C(CH)−CH−を有する置換基である。用語の(メタ)アリルには、アリル基及びメタリル基の両方が含まれる。このタイプの架橋性モノマーは、国際公開第2015/157350号に記載されている。
【0050】
一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンの場合のように、ビニル基を含む多官能性架橋剤を更に含み得る。
【0051】
トリアジン架橋化合物は、以下の式を有し得る。
【化4】

(式中、このトリアジン架橋剤のR、R、R及びRは独立して水素又はアルコキシ基であり、R、R、R及びRのうちの1〜3個は水素である)を有してもよい。アルコキシ基は、典型的には、12個以下の炭素原子を有する。有利な実施形態において、アルコキシ基は独立してメトキシ又はエトキシである。1つの代表的な種は、2,4,−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−ビス(メトキシ)フェニル)−トリアジンである。このようなトリアジン架橋化合物は、米国特許第4,330,590号に更に記載される。
【0052】
他の実施形態において、架橋剤は、(メタ)アクリルポリマー(例えばHEA)のアルコキシ基又はポリビニルアセタール(PVB)のポリビニルアルコール基の架橋能を有するイソシアネート基などのヒドロキシル反応性基を含む。有用な(例えば脂肪族)多官能性イソシアネート架橋剤の例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、並びにこれらの誘導体及びプレポリマーが挙げられる。
【0053】
架橋剤の2つ以上の様々な組み合わせが用いられてもよい。
【0054】
存在する場合、架橋剤は、典型的には、(メタ)アクリレートポリマーとポリビニルアセタール(例えばブチラール)樹脂と架橋剤との重合単位の総重量に基づいて、0.5、1.0、1.5、又は2重量%以上5又は10重量%以下の量で存在する。したがって本フィルム及び組成物は、かかる量の重合架橋剤単位を含む。
【0055】
本組成物は、様々な技法によって重合させることができるが、好ましくは、電子ビーム、ガンマ線、特に紫外線を使用したプロセスを含め、無溶媒放射線重合によって重合させる。この(例えば紫外線の)実施形態では、概ねメタクリレートモノマーはほとんど又は全く用いられない。したがって、本フィルム及び組成物は、メタクリレート基を有するモノマーの重合単位を含まないか、又は10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1重量%以下含む。本明細書に記載されるフィルム及び組成物の1つの調製方法は、(メタ)アクリルポリマーの未重合の溶媒モノマー(複数可)にポリビニルアセタール(例えばPVB)ポリマー樹脂を溶解して十分な粘度のコーティング可能な組成物を形成することを含む。
【0056】
別の方法は、溶媒モノマー(複数可)を部分的に重合させて、未重合の溶媒モノマー(複数可)に溶解した溶質(メタ)アクリルポリマーを含むシロップ組成物を作製することを含む。未重合の溶媒モノマー(複数可)は、典型的には、溶質(メタ)アクリルポリマーの製造に利用されるものと同じモノマー(複数可)を含む。モノマーの一部が(メタ)アクリルポリマーの重合中に消費された場合、未重合の溶媒モノマー(複数可)は、溶質(メタ)アクリルポリマーを製造するために利用されるものと同じモノマー(複数可)の少なくとも一部を含む。更に、いったん(メタ)アクリルポリマーが形成されると、同じモノマー(複数可)又は他のモノマー(複数可)をシロップに添加することができる。部分重合は、1つ以上のフリーラジカル重合性溶媒モノマー中の(メタ)アクリル溶質ポリマーのコーティング可能な溶液を提供する。
【0057】
シロップ組成物の好ましい調製方法は、光開始フリーラジカル重合である。
【0058】
ポリビニルアセタール(例えばPVB)ポリマーは、(メタ)アクリルポリマーのモノマー(複数可)の部分重合の前及び/又はその後に添加することができる。この実施形態において、コーティング組成物は、部分的に重合した(例えばアルキル(メタ)アクリレート)溶媒モノマーとポリビニルアセタール(例えばPVB)ポリマー樹脂とを含む。次にこのコーティング可能な組成物を好適な基材にコーティングし、更に重合させる。
【0059】
コーティング可能な組成物の粘度は、典型的には25℃で1,000又は2,000cps以上100,000cps以下である。一部の実施形態において、粘度は75,000;50,000、又は25,000cps以下である。コーティング可能な組成物ははく離ライナーなどの好適な基材に被覆され、放射線照射によって重合させる。
【0060】
本方法は、予重合した(メタ)アクリルポリマーとポリビニルアセタール(例えばPVB)ポリマーとの溶媒ブレンドによって用いられ得るものと比べてより高い分子量の(メタ)アクリルポリマーを形成することができる。より高い分子量の(メタ)アクリルポリマーによって鎖の絡み合い量が増加し、ひいては結合力が増加し得る。また、架橋間の距離も高分子(メタ)アクリルポリマーでは大きくなり得るため、これが隣接する(例えばフィルム)層の表面上のウェットアウトを増加させる。
【0061】
組成物の分子量は、架橋剤を含めることによって更に一層増加させることができる。
【0062】
本高分子量(メタ)アクリルポリマー並びに組成物及びフィルムは、典型的には少なくとも20、25 30、35、又は40%のゲル含有量(テトラヒドロフラン(THF)を利用する例に記載されるゲル含有量試験法にしたがい計測したとき)を有する。一部の実施形態において、ゲル含有量は少なくとも45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95%である。ゲル含有量は、典型的には100%、99%、又は98%未満である。
【0063】
重合は、好ましくは、溶媒モノマー及びポリビニル(例えばPVB)アセタールの官能基と非反応性の、酢酸エチル、トルエン及びテトラヒドロフランなどの非重合性有機溶媒の非存在下で実施される。溶媒は、ポリマー鎖への異なるモノマーの組み込み率に影響を及ぼし、ポリマーがゲル化する又は溶液に沈殿するので、概ね低分子量をもたらす。したがって、本フィルム及び組成物は非重合性有機溶媒を含まないものであり得る。
【0064】
有用な光開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル;商標名IRGACURE 651又はESACUREKB−1光開始剤(Sartomer Co.,West Chester,PA)で入手可能な2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン光開始剤、及びジメチルヒドロキシアセトフェノンなどの置換アセトフェノン類;2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換α−ケトール;2−ナフタレン−スルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド類;及び1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシ−カルボニル)オキシムなどの光活性オキシム類が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、置換アセトフェノンである。
【0065】
好ましい光開始剤は、ノリッシュI開裂を起こして、アクリル二重結合への付加により開始され得るフリーラジカルを生成する、光活性化合物である。光開始剤はコーティング用の混合物にポリマー(例えばシロップ)の形成後に添加することができ、即ち、光開始剤は本組成物に添加することができる。そのような重合性光開始剤は、例えば、米国特許第5,902,836号及び第5,506,279号(Gaddamら)に記載されている。
【0066】
かかる光開始剤は、典型的には0.1〜1.0重量%の量で存在する。光開始剤の吸光係数が低いとき、比較的厚いコーティングが実現し得る。
【0067】
本組成物は、従来のコーティング技術を用いてはく離ライナー上に被覆され得る。例えば、これらの組成物は、ローラーコーティング、フローコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、ナイフコーティング、及びダイコーティングなどの方法によって塗布することができる。コーティングの厚さは様々であり得る。本組成物は、続くコーティングに望ましい任意の濃度であってよいが、典型的には、(メタ)アクリル溶媒モノマー中5〜30、35又は40重量%ポリビニルアセタールポリマー固体である。所望の濃度を、コーティング組成物の更なる希釈によって達成してもよい。コーティング厚さは、(例えば放射線)硬化フィルムの所望の厚さに応じて異なり得る。
【0068】
本組成物及び光開始剤に活性紫外線を照射すると、モノマー成分(複数可)が重合し得る。紫外線光源は、280〜400ナノメートルの波長範囲にわたって概ね10mW/cm以下(アメリカ国立標準技術研究所(United States National Institute of Standards and Technology)によって承認されている手順に従い、例えば、Sterling,VAのElectronic Instrumentation&Technology,Inc.製のUVIMAP UM 365 L−S放射計を用いて計測したとき)を提供する、ブラックライトなどの比較的低光度の光源;及び概ね10mW/cm超、好ましくは15〜450mW/cmの強度を提供する中圧水銀ランプなどの比較的高光度の光源を含め、様々なタイプのものであってよい。強度は、0.1〜150mW/cm、好ましくは0.5〜100mW/cm、より好ましくは0.5〜50mW/cmの範囲であり得る。モノマー成分(複数可)はまた、Fusion UV Systems Inc.から入手可能なとおりの高強度光源で重合させることもできる。モノマー構成成分(複数可)を重合させる紫外光は、発光ダイオード、ブラックライト、中圧水銀ランプ等又はこれらの組み合わせによって供給され得る。フィルムがモノリシックフィルムである場合、(例えば放射線)硬化フィルムの厚さは、典型的には少なくとも10、15、20、又は25マイクロメートル(1mil)〜500マイクロメートル(20mil)厚さである。一部の実施形態において、(例えば放射線)硬化フィルムの厚さは、400、300、200、又は100マイクロメートル以下である。フィルムが多層フィルムのフィルム層である場合、多層フィルムは典型的には、この直前に記載した厚さを有する。しかしながら、本明細書に記載されるとおりの、(メタ)アクリルポリマーとポリビニルアセタールとを含むフィルム層の厚さは、10マイクロメートル未満であってもよい。
【0069】
一実施形態において、(メタ)アクリルポリマーとポリビニルアセタールとを含むフィルム層は外層であり、即ち換言すればスキン層である。スキン層の上に第2のフィルム層が配設される。第2のフィルム層は典型的にはスキン層と異なる組成を有する。一実施形態において、第2のフィルム層は、(メタ)アクリルポリマーとポリビニルアセタールとを含む(例えば放射線)硬化層を含む。しかしながら、第2のフィルム層は、30℃、25℃又は20℃未満のTgを有する。第2のフィルム層はスキン層と比べて向上した熱成形特性、熱積層特性、又は熱結合特性を有し得る。好適な第2のフィルム層としては、「アクリル系ポリビニルアセタールフィルム、組成物、及び熱結合性物品(Acrylic Polyvinyl Acetal Films, Compositions, and Heat BondableArticles)」、2014年12月8日に出願された米国特許仮出願第62/088963号、本明細書と同日付で出願された75855WO003 PCT出願(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるものが含まれる。一部の実施形態において、フィルムの厚さは、50、100、又は150mil以下の範囲であり得る。(例えば放射線)硬化フィルムは、特に20mil超の厚さについて、個別のシートの形態であってもよい。(例えばより薄い)硬化フィルムはロールグッド(roll-good)の形態であってもよい。本組成物及びフィルムは、任意に1つ以上の従来の添加剤を含有し得る。添加剤としては、例えば、抗酸化剤、安定剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、加工助剤、静電気防止剤、着色剤、耐衝撃助剤、充填剤、艶消剤、難燃剤(例えばホウ酸亜鉛)などが挙げられる。存在する場合、添加剤の量は全組成物及びフィルムの少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、又は0.5重量%であってよく、典型的には25、20、15、10又は5重量%以下である。
【0070】
一部の実施形態において、本組成物は、可塑剤、タッキファイヤー及びこれらの組み合わせを含まない。他の実施形態において、本フィルム及び組成物は、可塑剤、タッキファイヤー及びこれらの組み合わせを、全組成物の5、4、3、2、又は1重量%以下の量含む。引張強さの観点から、多量のタッキファイヤー又は可塑剤を添加しないことが好ましい。
【0071】
一部の実施形態において、組成物はヒュームドシリカを含む。焼成シリカ(pyrogenic silica)としても知られるヒュームドシリカは、四塩化ケイ素の火炎熱分解(flame pyrolysis)又は3000℃の電気アーク中で気化させたケイ砂から作られる。ヒュームドシリカは、(例えば分枝状の)3次元一次粒子へと融解した非晶質シリカの微小液滴からなり、この3次元一次粒子は、より大きな粒子へと凝集する。凝集体は典型的には分解しないため、ヒュームドシリカの平均粒子径は、凝集体の平均粒子径である。ヒュームドシリカは、Evonik(商標名「Aerosil」)、Cabot(商標名「Cab−O−Sil」)、及びWacker Chemie−Dow Corningを含めた様々な世界的生産者から市販されている。適切なヒュームドシリカのBET表面積は、典型的には、少なくとも50m/g、又は75m/g、又は100m/gである。いくつかの実施形態において、ヒュームドシリカのBET表面積は、400m/g、又は350m/g、又は300m/g、又は275m/g、又は250m/g以下である。ヒュームドシリカ凝集体は、好ましくは、20nm又は15nm以下の一次粒子サイズを有するシリカを含む。凝集体の粒径は、実質的に一次粒子のサイズより大きく、典型的には少なくとも100nm以上である。
【0072】
(例えばヒュームド)シリカの濃度は様々であり得る。一部の実施形態において、本組成物は(例えばヒュームド)シリカを少なくとも0.5又は1.0重量%含む。
【0073】
一部の実施形態において、本フィルム及び組成物は、チタニア及びカーボンブラックなどの顔料及び染料など、着色剤を含む。かかる顔料及び染料の濃度は全組成物の約20重量%以下の範囲であり得る。
【0074】
(例えばヒュームド)シリカ及びチタニアなどの無機酸化物を含めると、フィルム及び組成物の引張強さが増加し得る。
【0075】
本フィルム及び(例えば放射線)硬化組成物は、様々な技法を用いて特徴付けることができる。コポリマーのTgは、構成モノマーのTg及びそれらの重量パーセントに基づきフォックス方程式を使用して推定し得るが、フォックス方程式は、非相溶性などの効果の相互作用を考慮に入れないため、TgがTg計算値から外れ得る。記載される本フィルム及び組成物のTgは、実施例に記載する試験方法に従い示差走査熱量測定(DSC)によって計測したときのTg中点値を指す。本フィルム及び(例えば放射線)硬化組成物のTgは、概ね、30℃〜55、56、57、58、59、又は60℃の範囲である。したがって、Tgに関しては、本フィルム及び(例えば放射線)硬化組成物は、室温(例えば25℃)で硬く、ガラス質であるものとして特徴付けることができ、しかし可撓性であり得る。一部の有利な実施形態において、本フィルム及び(例えば放射線)硬化組成物のTgは、少なくとも31、32、33、34、又は35℃である。他の実施形態において、本フィルム及び(例えば放射線)硬化組成物のTgは、少なくとも36、37、38、39、又は40℃である。更に他の実施形態において、本フィルム及び(例えば放射線)硬化組成物のTgは、少なくとも41、42、43、44、又は45℃である。本フィルム及び(例えば放射線)硬化組成物は、好ましくは、DSCによって計測したとき単一のTgを呈する。本明細書に記載されるフィルム及び(例えば放射線)硬化組成物のDSCによって計測したときのTg中点値は、動的機械分析(DMA)によって10Hzの周波数及び3℃/分の速度で計測したときのピーク温度Tgよりも10〜12℃低い。したがって、DSCにより計測したとき60℃のTgは、この直前に記載したとおりDMAにより計測したときの70〜72℃に等しい。
【0076】
本フィルム及び(例えば放射線)硬化組成物は、実施例に記載する試験方法による引張り及び伸びによって特徴付けることができる。有利な実施形態において、引張強さは10、11、12、13、14又は15以上、典型的には50、45、40、又は35MPa以下である。破断伸度は、2、3、4又は5%〜約150%、200%、又は300%及びそれ以上の範囲であり得る。一部の実施形態において、伸びは50、100、150、又は175%以上であり、かつ225、250、275、又は300%以下の範囲であり得る。一部の実施形態において、フィルム及び(例えば放射線)硬化組成物の%引張永久ひずみによって決定される追従性は、少なくとも20、25、又は30%である。一部の実施形態において、本フィルムはポリ塩化ビニルフィルムの代替として使用するのに好適である。
【0077】
本フィルム及び(例えば放射線)硬化組成物は、好ましくは室温(25℃)で、及び好ましくは(120°F)50℃までの範囲の(例えば保管又は輸送)温度で接触時に非粘着性である。一部の実施形態において、本フィルムはガラスに対して低レベルの接着を呈し得る。例えば、180°はく離値は、12インチ/分のはく離速度で約2oz/インチ以下であり得る。
【0078】
「ダルキストの粘着性基準(Dahlquist Criterionfor Tack)」は、感圧性接着剤(PSA)の必要条件として広く認識されている。これは、PSAが約室温(25℃)及び1Hzの周波数で3×10ダイン/cm(0.3MPa)未満のせん断貯蔵弾性率(G’)を有するとしている(Pocius,「Adhesion and Adhesive Technology」3rd Ed.,2012,p.288)。
【0079】
せん断貯蔵弾性率は、以下の式を使用して引張貯蔵弾性率に変換することができる:E’=2G’(r+1)[式中、rは、関連する材料のポアソン比である。]。この式を使用し、かつエラストマー及びPSAのポアソン比が0.5に近いことを所与とすれば、引張貯蔵弾性率(E’)として表されるダルキスト基準は0.9MPa(9×10ダイン/cm)未満である。
【0080】
本明細書に記載されるフィルム及び(例えば放射線)硬化組成物は、概ね、動的機械分析によって計測し得るとおり(実施例に記載する試験方法によって決定するとき)、1Hzで9×10ダイン/cm超の25℃の引張貯蔵弾性率(E’)を有する。25℃における引張貯蔵弾性率(E’)は、通常、1Hzで1×10ダイン/cm(1MPa)、5×10ダイン/cm、1×10ダイン/cm、5×10ダイン/cm、1×10ダイン/cm、5×10ダイン/cm、又は1×1010ダイン/cm(即ち1000MPa)超である。したがって、本フィルム及び組成物は、ダルキスト基準によるところの感圧性接着剤ではない。
【0081】
本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は、(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミドを含む。
【0082】
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、メタクリル及びアクリルの両方を含む。
【0083】
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートの両方を含む。
【0084】
用語「アルキル」は、直鎖、分枝鎖及び環状アルキル基を含み、非置換及び置換アルキル基の両方を含む。特に指定のない限り、アルキル基は、典型的には1〜20個の炭素原子を含有する。本明細書において使用されるとき、「アルキル」の例には、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、イソブチル、t−ブチル、イソプロピル、n−オクチル、2−オクチル、n−ヘプチル、エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル及びノルボルニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。特に指示のない限り、アルキル基は、一価又は多価でありうる。
【0085】
ヘテロアルキルという用語は、少なくとも1つのカテナリ(catenary)炭素原子(すなわち鎖内のもの)が、O、S又はNなどのカテナリヘテロ原子に交換されている、先程定義されたアルキル基を指す。
【0086】
「再生可能資源」は、100年の時間枠内で補充できる天然資源を指す。資源は、自然に又は農業技術を介して補充され得る。再生可能資源は、典型的には、植物(すなわち、樹木を含む全ての陸上植物が挙げられる様々な光合成生物のうちのいずれか)、海藻及び藻などの原生生物、動物、並びに魚である。これらは、天然に生じる、交配された生物の又は遺伝子操作された生物であってもよい。形成するのに100年よりも長くかかる原油、石炭及び泥炭などの天然資源は、再生可能資源であるとは考慮されない。
【0087】
ある基が本明細書で記載した式中に2回以上存在するとき、特に規定しない限り、各基は「独立に」選択される。
【0088】
本発明は、以下の実施形態を包含するが、これらに限定されるものではない:
実施形態1は、(メタ)アクリルポリマーと、以下の式
【化5】

[式中、Rは水素又はC1〜C7アルキル基である。]を有する重合単位を含むポリビニルアセタール樹脂と、を含み、
30℃〜60℃の範囲のTgを有する、フィルムである。
【0089】
実施形態2は、(メタ)アクリルポリマーと、以下の式
【化6】

[式中、Rは水素又はC1〜C7アルキル基である。]を有する重合単位を含むポリビニルアセタール樹脂と、を含み、
少なくとも20%のゲル含有量を有する、フィルムである。
【0090】
実施形態3は、30℃〜60℃の範囲のTgを有する、実施形態2のフィルムである。
【0091】
実施形態4は、
(メタ)アクリルポリマーと、以下の式
【化7】

[式中、Rは水素又はC1〜C7アルキル基である。]を有する重合単位を含むポリビニルアセタール樹脂と、を含み、
少なくとも175%の破断伸度、少なくとも30%の引張永久ひずみ、又はこれらの組み合わせを有する、フィルムである。
【0092】
実施形態5は、少なくとも20%のゲル含有量を有する、実施形態4のフィルムである。
【0093】
実施形態6は、30℃〜60℃の範囲のTgを有する、実施形態4及び/又は5のフィルムである。
【0094】
実施形態7は、
a)組成物を提供する工程であって、組成物が、
i)以下の式
【化8】

[式中、Rは水素又はC1〜C7アルキル基である。]を有する重合単位を含むポリビニルアセタール樹脂と、
ii)アルキル(メタ)アクリレートモノマーを含むフリーラジカル重合性溶媒モノマーとを含む、工程、
b)組成物を基材に塗布する工程、及び
c)溶媒モノマーを重合させ、任意に組成物を架橋結合して、それにより組成物を形成する工程を含み、組成物が、30℃〜60℃の範囲のTg、少なくとも20%のゲル含有量、及び少なくとも175%の伸び、又はこれらの組み合わせによって特徴付けられる、フィルムの作製方法である。
【0095】
実施形態8は、(メタ)アクリルポリマーと、以下の式
【化9】

[式中、Rは水素又はC1〜C7アルキル基である。]を有する重合単位を含むポリビニルアセタール樹脂と、を含み、
30℃〜60℃の範囲のTg、少なくとも20%のゲル含有量、及び少なくとも175%の伸び、又はこれらの組み合わせによって特徴付けられる、組成物である。
【0096】
実施形態9は、本フィルム、本方法の重合組成物、又は組成物が、0℃未満のTgを有する単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を少なくとも10、15、20、又は25重量%含む、前出の実施形態のいずれかである。
【0097】
実施形態10は、本フィルム、本方法の重合組成物、又は組成物が、0℃未満のTgを有する単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を60重量%以下含む、前出の実施形態のいずれかである。
【0098】
実施形態11は、単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーが−10℃、−20℃、−30℃、又は−40℃未満のTgを有する、実施形態9及び/又は10である。
【0099】
実施形態12は、本フィルム、本方法の重合組成物、又は組成物が総炭素含有量の少なくとも10、15、20又は25%のバイオベース含有量を有する、前出の実施形態のいずれかである。
【0100】
実施形態13は、本フィルム、本方法の重合組成物、又は組成物が、8個の炭素原子を有するアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を含む、前出の実施形態のいずれかである。
【0101】
実施形態14は、本フィルム、本方法の重合組成物、又は組成物が、40℃、50℃、60℃、70℃、又は80℃超のTgを有する単官能性アルキル(メタ)アクリレートモノマーの重合単位を35重量%以下含む前出の実施形態のいずれかである。
【0102】
実施形態15は、本フィルム、本方法の重合組成物、又は組成物が極性モノマーの重合単位を10、15又は20重量%以上65重量%以下含む、前出の実施形態のいずれかである。
【0103】
実施形態16は、極性モノマーが、酸官能性、ヒドロキシル官能性モノマー、窒素含有モノマー、及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態15である。
【0104】
実施形態17は、ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラールを含む、前出の実施形態のいずれかである。
【0105】
実施形態18は、本フィルム、本方法の(例えば重合)組成物、又は組成物が5〜30重量%のポリビニルアセタール樹脂を含む、前出の実施形態のいずれかである。
【0106】
実施形態19は、ポリビニルアセタール樹脂が10〜30の範囲のポリビニルアルコール含有量を有する、前出の実施形態のいずれかである。
【0107】
実施形態20は、ポリビニルアセタール樹脂が60℃〜75℃の範囲のガラス転移温度を有する、前出の実施形態のいずれかである。
【0108】
実施形態21は、ポリアセタール樹脂が20,000g/モル〜75,000g/モルの範囲の平均分子量(Mw)を有する、前出の実施形態のいずれかである。
【0109】
実施形態22は、本フィルム、本方法の重合及び架橋組成物、又は組成物が多官能性架橋剤の重合単位を含み、この架橋剤は、(メタ)アクリレート、アルケニル、及びヒドロキシル反応基から選択される官能基を有する、前出の実施形態のいずれかである。
【0110】
実施形態23は、本フィルム、本方法の組成物、又は組成物が25重量%以下の量の添加剤を更に含む、前出の実施形態のいずれかである。
【0111】
実施形態24は、本フィルム、本方法の組成物、又は組成物が光開始剤を含む、前出の実施形態のいずれかである。
【0112】
実施形態25は、本フィルム、本方法の重合組成物、又は組成物がメタクリレートモノマーの重合単位を10重量%以下含む、前出の実施形態のいずれかである。
【0113】
実施形態26は、(メタ)アクリルポリマーがランダムコポリマーである、前出の実施形態のいずれかである。
【0114】
実施形態27は、フィルムがモノリシックフィルムである、前出のフィルムの実施形態のいずれかである。
【0115】
実施形態28は、フィルムが多層フィルムのフィルム層である、前出のフィルムの実施形態のいずれかである。
【0116】
実施形態29は、第2のフィルム層を更に含む実施形態28の多層フィルムであり、ここで第2のフィルム層は(メタ)アクリルポリマーとポリビニルアセタール樹脂とを含み、第2のフィルム層は30℃未満のTgを有する。
【0117】
実施形態30は、第2のフィルム層が熱結合性である実施形態28の多層フィルムである。
【0118】
本発明の目的及び利点を以下の実施例で更に例示する。これらの実施例において列挙される特定の材料及びその量、並びにその他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限しないように使用されるべきである。
【表2】
【0119】
試験方法
引張強さ及び伸び試験
INSTRON MODEL 4500 UNIVERSAL TESTING SYSTEMを1kNロードセルと共に利用して、引張及び伸び試験をASTM D882−10(特に指定のない限り)に従い実施した。試験は250mm(9.84インチ)の総距離について300mm/分(11.81インチ/分)の速度で実施した。試料は調製から24時間以上後に試験した。0.5インチ(約1.3cm)幅ストリップのフィルムをカットし、マイクロメータを使用して各試料の厚さを決定した。典型的な試料長さは5〜7cm(2〜3インチ)であった。試験結果は、3〜5つの試料レプリケートの平均として報告した。引張強さ(名目)及びパーセント破断伸度を、ASTM D882−10の11.3及び11.5により記載されるとおり決定した。
【0120】
示差走査熱量測定(DSC)
約5mgのフィルム試料の各々を個々の標準アルミニウムDSCパン(Thermal Analysis T080715)に置き、示差走査熱量計(TA DSC Q200、TA Instruments)のオートサンプラーに置いた。各試料分析について、パンを個々に熱量計の密閉セル内の示差ポストの一方に、反対側のポストの空の基準パンと共に置いた。温度を5℃/分の速度で150℃に上昇させ、−50℃に冷却し、もう一度+150℃に再加熱した。2回目の加熱サイクルを用いてTg(ASTM D3418−12でTmgとして記載されている中点値温度を指す)を決定した。
【0121】
ゲル含有量
アルミニウムパンを秤量し、その重量(W1)を記録した。パンにメッシュバスケットを置き、次に秤量し(バスケット及びパン)、その重量(W2)を記録した。1インチ(2.54センチメートル)直径の接着剤試料をバスケットに入れ、試料(パン、バスケット、及び接着剤試料)を再び秤量し(W3)、記録した。次に試料(バスケット及び接着剤試料)をガラスジャーに置き、テトラヒドロフランで覆い、3日間放置した。次に、試料(バスケット及び接着剤試料)をテトラヒドロフランから取り出し、パンに戻した。試料(パン、バスケット、及び接着剤試料)を120℃のオーブンに2時間入れた。オーブンから試料を取り出し、放冷した。続いて、試料を秤量し、その重量(W4)を記録した。%ゲル含有量=100(W4−W2)/(W3−W2)。
【0122】
追従性
以下のとおりASTM D412−6ae2:「加硫ゴム及び熱可塑性エラストマーの標準試験方法−張力(Standard Test Methods for Vulcanized Rubber and ThermoplasticElastomers-Tension)」にしたがい引張永久ひずみ試験方法を用いて追従性を評価した。幅2.54cm(1インチ)及び長さ10.2cm(4インチ)の試験片を用いた。フィルム試験片上に初期ジョー分離距離(50.8mm)をマークし、次に試験片を304.8mm/分(12インチ/分)の速度でその元の長さの50%超(76.2mm)まで引き伸ばし、30秒間保持した。次に試験片をジョーグリップから取り外し、24時間後(又は他の指定した時間後)に元のマーク間の長さを再計測した。引張永久ひずみ率パーセントによって計測したときの追従性を、
%引張永久ひずみ=[(L24−L0)/(L1−L0)]×100
[式中、L24は24時間後(又は他の指定した時間後)の長さ計測値であり、L0は初期ジョー分離距離であり、及びL1は伸びた長さの50%である。]として計算した。100%の引張永久ひずみ値が弾性回復ゼロに相当する。かかる値を有するフィルムは、収縮することなく引き伸ばされた状態に留まり得る。
【0123】
アクリル系ポリマー比較例
クォートジャーに表2に示すとおりの2−OA、IBOA、及びAA又はNNDMAを入れることにより、比較例A及びBを作製した。モノマー混合物を−20水銀柱インチ(−6.8kPa)で5分間脱気し、窒素で5〜10分間パージし、次にコーティング可能なプレポリマーシロップが調製されるまで低強度UV A光線(10mW/cm未満、出力が主に320〜390nmであって、ピーク放射がUV Aスペクトル域内にある約350nmであるためUV Aと称される)を照射した。
【0124】
比較例Aのコーティング可能なプレポリマーシロップに、0.09重量%のIRG 651光開始剤及び0.02重量%のHDDA架橋剤を添加した。比較例Bのコーティング可能なプレポリマーシロップに、0.21重量%のIRG 651光開始剤を添加した。
【0125】
未処理PETライナー間に比較例A及びBを約1.5〜12milの範囲の厚さで塗布し、窒素雰囲気下で更なるUVA光照射によって硬化させた。低強度検出ヘッド(EIT Inc.,Sterling,VAから入手可能)を備えたPowermap(商標)放射計を使用して総エネルギーを計測すると、これらの比較例試料の各々について1824mJ/cmであった。
【0126】
硬化した比較例A及びBのモノマーの濃度は以下のとおりであった。
【表3】
【0127】
実施例1〜13
モノマー、PVBポリマー、及び他の成分の混合物をクォートジャーに加えた。このジャー及び内容物をMAX 20 WHITE SPEEDMIXER(FleckTek,Inc.,Landrum,SCから入手可能)に置き、3500RPMで1分間混合した。この混合物を−20インチの水銀柱(−6.8kPa)で5分間脱気した。
【0128】
約0.15〜0.25重量%の範囲の量のIRG 651光開始剤を加えた。実施例1〜13の混合物を未処理PETライナー間に約1.5〜12milの範囲の厚さで塗布し、350〜400nmの範囲のUV−A最大値を有するUV−A光源を228秒間照射することによって窒素雰囲気下で硬化させた。低強度検出ヘッド(EIT Inc.,Sterling,VAから入手可能)を備えたPowermap(商標)放射計を使用して総エネルギーを計測すると、これらの実施例の各々について1824mJ/cmであった。
【0129】
これらの例の各々の硬化フィルムにおける各種重合単位の重量%を表4A及び表4Bに報告する。重合単位の重量%は100%を僅かに下回る。この差は光開始剤含有量である。光開始剤はフィルムに存在するが、その濃度は最初に添加した量未満であり得る。フィルムが添加剤を含有したとき、添加剤と合わせた重合成分の量が合計100%になった。したがって、実施例6は、14.48重量%のTiO及び85.52重量%の重合成分を含有した。重合成分の85.52重量%のうち、30.96重量%が2−EHAであった。重合成分(添加剤を除く)は、表4A及び表4Bに示す重量%のモノマー、PVBポリマー、及び架橋剤を含有した。
【0130】
比較例Cの調製
以下の表3の成分をUV重合させることにより、アクリル系ポリマーを形成した。
【表4】
【0131】
次にアクリル系ポリマーを、204℃に加熱した2軸押出機に供給した。MOWITAL B60Hをアクリル系ポリマーの重量に対して20重量%で押出機に供給した。このポリマー混合物をドロップダイを使用して未処理PETライナー上に押し出した。比較例Cの重合単位の重量%を表4Bに示す。
【表5】

【表6】
【0132】
比較例Fは、50,000g/モル分子量のポリメチルメタクリレートとPVB(B60H)との50/50(重量)混合物であった。
【0133】
比較例Gは、350,000g/モル分子量のポリメチルメタクリレートとPVB(B60H)との50/50(重量)混合物であった。
【0134】
このフィルムを、先述のとおりDSC並びに引張強さ及び破断伸度試験に供した。結果を表5に報告する。
【表7】
【0135】
NM−未測定
TA InstrumentsのDMAQ800を引張モードで使用した動的機械分析(DMA)によって実施例7を分析し、各試料について温度の関数としての物理的特性を特徴付けた。6.2mm幅及び0.05〜0.07mm厚の矩形試料を17〜19mm長さで装置のフィルムテンションクランプに固定した。炉を閉め、温度を−50℃に平衡化させて5分間保持した。次に温度を3℃/分で−50℃から50℃に上昇させると同時に、試料を10ヘルツの周波数及び0.1%の一定歪みで振動させた。温度上昇中にこの材料の多くの物理的パラメータを記録したが、25℃における引張貯蔵弾性率(E’)は1770MPa(即ち1.77×1010ダイン/cm)と記録された。
【0136】
先述の引張永久ひずみ試験方法を用いて実施例12の追従性を評価した。%引張永久ひずみは31.5%であった。
【0137】
多層フィルム
2層を有する多層フィルム、実施例14を調製した。第1の層は実施例12と同じ組成であり、3milの厚さを有した。第2の層は、以下の組成を有する厚さ3.5milの(熱結合性)組成物であった。
【表8】
【0138】
第2の層を硬化した第1の層上に被覆した。両方のフィルム層を先述と同じようにUVA光で硬化させた。多層フィルムを先述の同じ試験にかけた。この試験の結果は以下のとおりであった。
【0139】
引張強さ:3200psi
破断点伸び:210%
ヤング率:81,500psi(555MPa)
硬化した(熱結合性)第2のフィルム層のTg=−32.6℃
硬化した第1のフィルム層のTg=41.9℃
【国際調査報告】