(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-538068(P2017-538068A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】エネルギー回収デバイスにおける熱伝達
(51)【国際特許分類】
F03G 7/06 20060101AFI20171124BHJP
F03G 7/08 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
F03G7/06 D
F03G7/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-531894(P2017-531894)
(86)(22)【出願日】2015年12月16日
(85)【翻訳文提出日】2017年8月10日
(86)【国際出願番号】EP2015080114
(87)【国際公開番号】WO2016097070
(87)【国際公開日】20160623
(31)【優先権主張番号】1422402.6
(32)【優先日】2014年12月16日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517206269
【氏名又は名称】エクセルジン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ティルカ−ドラゴミレスク, ジョージアナ
(72)【発明者】
【氏名】オトゥール, ケビン
(72)【発明者】
【氏名】カレン, バリー
(72)【発明者】
【氏名】ケリー, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ビアーン, ローリー
(57)【要約】
本願は、エネルギー回収の分野に関し、特に、同目的での形状記憶合金(SMA)または負熱膨張(NTE)材料の使用に関する。本発明は、駆動機構と、ホルダ要素によって第1の端部で固定され、第2の端部で駆動機構に接続される、複数の伸長形状記憶合金(SMA)要素または負熱膨張(NTE)要素を備える、エンジンとを備え、形状記憶合金(SMA)要素または負熱膨張(NTE)要素は、隣接する要素の間に間隙を形成するように位置付けられ、流体から各要素への熱伝達を向上させるように構成される、エネルギー回収デバイスを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダ要素によって第1の端部で固定され、第2の端部で駆動機構に接続される、複数の伸長形状記憶合金(SMA)要素または負熱膨張(NTE)要素を備える、エンジンを備え、形状記憶合金(SMA)要素または負熱膨張(NTE)要素は、隣接する要素の間に間隙を形成するように位置付けられ、流体から各要素への熱伝達を向上させるように構成される、エネルギー回収デバイス。
【請求項2】
スペーサ要素は、前記要素を相互から離れるように押勢して、前記間隙を形成するように位置付けられる、請求項1に記載のエネルギー回収デバイス。
【請求項3】
流体が前記要素の上を流動しているときに、前記要素の熱伝達表面積を最大限にするように構成される、ブラケットシステムを備える、請求項1または2に記載のエネルギー回収デバイス。
【請求項4】
少なくとも1つのNTEまたはSMA要素の直径は、前記流体と要素との間の熱伝達を最適化するように、いずれか一方もしくは両方の端部に対して縮小される、いずれかの前記請求項に記載のエネルギー回収デバイス。
【請求項5】
U字形セパレータを備える、いずれかの前記請求項に記載のエネルギー回収デバイス。
【請求項6】
前記NTEまたはSMA要素の端部のうちの少なくとも1つもしくはそれを上回るものは、各中心に向かって間隙を維持するように樹脂またはプラスチックでコーティングされる、いずれかの前記請求項に記載のエネルギー回収デバイス。
【請求項7】
一方の端部で前記要素を摩擦係止するように適合される、円錐の形状の先細ロック機構を備える、いずれかの前記請求項に記載のエネルギー回収デバイス。
【請求項8】
前記間隙は、動作中に前記エンジンの中心を通した流体流を可能にするように定寸される、中空エンジンコアを備える、いずれかの前記請求項に記載のエネルギー回収デバイス。
【請求項9】
ワイヤが隣接して配列され、相互と摩擦または干渉接触し、流体が前記ワイヤを通り越させられるときに、熱伝達表面を増大させるために、前記ワイヤが相互から外れた状態で保たれるように位置付けられるように、一方の端部で固定され、第2の端部で自由に動くことができる、形状記憶合金(SMA)または他の負熱膨張(NTE)材料から成る、ワイヤ要素のグループを備える、エネルギー回収デバイスで使用するためのコア。
【請求項10】
スペーサ要素は、前記要素を相互から離れるように押勢して、隣接する要素の間に間隙を形成するように位置付けられる、請求項9に記載のコア。
【請求項11】
流体が前記要素の上を流動しているときに、前記要素の熱伝達表面積を最大限にするように構成される、ブラケットシステムを備える、請求項9または10に記載のコア。
【請求項12】
少なくとも1つのNTEまたはSMA要素の直径は、前記流体と要素との間の熱伝達を最適化するように、いずれか一方もしくは両方の端部に対して縮小される、請求項9〜11のいずれかに記載のコア。
【請求項13】
U字形セパレータを備える、請求項9〜12のいずれかに記載のコア。
【請求項14】
前記NTEまたはSMA要素の端部のうちの少なくとも1つもしくはそれを上回るものは、各中心に向かって間隙を維持するように樹脂またはプラスチックでコーティングされる、請求項9〜13のいずれかに記載のコア。
【請求項15】
前記コアは、動作中に前記エンジンの中心を通した流体流を可能にするように定寸される、請求項9〜14のいずれかに記載のコア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、エネルギー回収の分野に関し、特に、同目的での形状記憶合金(SMA)または負熱膨張(NTE)材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には100度を下回ると考えられる低位熱は、工業的プロセス、発電、および輸送用途における重要な廃エネルギー流を代表する。そのような廃流の回収および再利用が、望ましい。この目的のために提案された技術の例は、熱電発電機(TEG)である。残念なことに、TEGは、比較的高価である。そのようなエネルギーを回収するため提案されている、別の大部分が実験的なアプローチは、形状記憶合金の使用である。
【0003】
形状記憶合金(SMA)は、元の低温鍛造形状を「記憶」する合金であって、いったん変形させられると、加熱に応じて、事前変形形状に戻る。本材料は、液圧、空気圧、およびモータベースのシステム等、従来のアクチュエータに対する軽量で固体の代替物である。
【0004】
作動媒体として形状記憶合金(SMA)または別の負熱膨張(NTE)材料を利用する、熱エンジンの概念が、開発中である。例えば、PCT特許公開第WO2013/087490号で開示され、本発明の出願人に譲渡されたようなエンジンでは、熱源への暴露時のそのような材料の強制的な収縮が、捕捉され、使用可能な機械仕事に変換される。
【0005】
これまで、そのような全装備質量のための有用な材料は、ニッケルチタン合金(NiTi)であることが分かっている。本合金は、周知の形状記憶合金であり、異なる業界にわたって多数の用途を有する。
【0006】
例えば、複数のNiTiワイヤが、エンジンの作業要素を形成する。力が、ピストンおよびクランク機構を介して、作業コア内の高温および低温流体の適用による、これらの要素の収縮ならびに膨張を通して生成される。解決されるべき問題は、エンジンが可能な限り効率的に稼働することを確実にするために、流体から作業コア内の各ワイヤ要素への熱伝達を向上させることが望ましいことである。
【0007】
したがって、上記の問題を克服するデバイスおよび方法を提供することが、本発明の目的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2013/087490号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、添付の請求項で立案されるように、ホルダ要素によって第1の端部で固定され、第2の端部で駆動機構に接続される、複数の伸長形状記憶合金(SMA)要素または負熱膨張(NTE)要素を備える、エンジンを備え、形状記憶合金(SMA)要素または負熱膨張(NTE)要素は、隣接する要素の間に間隙を形成するように位置付けられ、流体から各要素への熱伝達を向上させるように構成される、エネルギー回収デバイスが提供される。
【0010】
形状記憶合金(SMA)または他の負熱膨張(NTE)材料は、ワイヤが隣接して配列され、相互と、または間隔要素と摩擦もしくは干渉接触し、流体/ワイヤシステムの熱伝達性能を増進する目的で、ワイヤが相互からわずかに外れた状態で保たれるように位置付けられるように、一方の端部で固定され、第2の端部で自由に動くことができる。グループ化された要素(ワイヤおよびスペーサ)は、好適なブラケットを利用して、ワイヤの外周で総体として固着される。そのような配列では、熱エンジンシステム内のバンドル配列の動作中に、プレート要素が、ワイヤグループの総力発生を伝達し、したがって、電力を有用に回復して伝送するように作用する。
【0011】
一実施形態では、スペーサ要素は、要素を相互から離れるように押勢して、該間隙を形成するように位置付けられる。
【0012】
一実施形態では、流体が要素の上を流動しているときに、要素の熱伝達表面積を最大限にするように構成される、ブラケットシステムが提供される。
【0013】
一実施形態では、少なくとも1つのNTEまたはSMA要素の直径は、流体と要素との間の熱伝達を最適化するように、いずれか一方もしくは両方の端部に対して縮小される。
【0014】
一実施形態では、U字形セパレータが提供される。
【0015】
一実施形態では、NTEまたはSMA要素の端部のうちの少なくとも1つもしくはそれを上回るものは、各中心に向かって間隙を維持するように樹脂またはプラスチックでコーティングされる。
【0016】
一実施形態では、一方の端部で要素を摩擦係止するように適合される、円錐の形状の先細ロック機構が提供される。
【0017】
別の実施形態では、ワイヤが隣接して配列され、相互と摩擦または干渉接触し、流体が該ワイヤを通り越させられるときに、熱伝達表面を増大させるために、ワイヤが相互から外れた状態で保たれるように位置付けられるように、一方の端部で固定され、第2の端部で自由に動くことができる、形状記憶合金(SMA)または他の負熱膨張(NTE)材料から成る、ワイヤ要素のグループを備える、エネルギー回収デバイスで使用するためのコアが提供される。
【0018】
一実施形態では、スペーサ要素は、要素を相互から離れるように押勢して、隣接する要素の間に間隙を形成するように位置付けられる。
【0019】
一実施形態では、ブラケットシステムは、流体が要素の上を流動しているときに、要素の熱伝達表面積を最大限にするように構成される。
【0020】
一実施形態では、少なくとも1つのNTEまたはSMA要素の直径は、流体と要素との間の熱伝達を最適化するように、いずれか一方もしくは両方の端部に対して縮小される。
【0021】
一実施形態では、コアは、U字形セパレータを備える。
【0022】
一実施形態では、NTEまたはSMA要素の端部のうちの少なくとも1つもしくはそれを上回るものは、各中心に向かって間隙を維持するように樹脂またはプラスチックでコーティングされる。
【0023】
一実施形態では、コアは、動作中にエンジンの中心を通した流体流を可能にするように定寸される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、付随の図面を参照して、一例としてのみ与えられる実施形態の以下の説明から、より明確に理解されるであろう。
【
図1】
図1は、SMAまたはNTE材料を使用する、従来技術のエネルギー回収システムを図示する。
【
図2】
図2は、複数のSMAまたはNTE要素とともに動作しているコアの実施形態を図示する。
【
図3】
図3は、バンドルホルダの概略図を図示する。
【
図4】
図4は、SMAワイヤを固定するために楔着技法を使用する、バンドルホルダの概略図を図示する。
【
図5】
図5は、楔着されたワイヤの間の流体循環のスナップショットを図示する。
【
図7】
図7は、摩擦嵌合バンドルホルダ概念、すなわち、(a)閉塞ブラケット、(b)ワイヤ捻転効果、(c)鋏の握持効果を示すワイヤ捻転効果詳細を図示する。
【
図8】
図8は、一実施形態による、調節可能な閉塞ブラケットシステムを図示する。
【
図9】
図9は、一実施形態による、閉塞ブラケットシステムを図示する。
【
図10】
図10は、一実施形態による、太くなった端部と、ドームとを備える、SMAまたはNTEワイヤを図示する。
【
図11】
図11は、熱伝達を向上させるためのワイヤの両端における追加の太くなった端部の追加を図示する。
【
図12】
図12は、複数の端子を使用する実施形態を図示する。
【
図13】
図13は、複数のSMAまたはNTE要素を有する、コアで使用するためのU字形セパレータを図示する。
【
図14】
図14は、プラスチックもしくは樹脂材料でコーティングされた複数のSMAまたはNTE要素を図示する。
【
図15】
図15は、クランプが、最適な数のSMAワイヤの周囲に配置され、ワイヤが摩擦ロックでともに固定されるまで、ねじを使用して緊締され得る方法を図示する。
【
図16】
図16は、ワイヤの間に大きな摩擦力を生成するために使用されることができる、上から下向きに押された、先細圧入ユニットを図示する。
【
図17】
図17は、先細ねじ式ロックもしくは圧入ロックから成る、より小型のサブユニット、または標準配管圧縮継手が、単一の鋳造バンドルホルダ上に配置され得ることを図示する。
【
図18】
図18は、層の間にSMAワイヤを伴う先細円錐から成る、多層ユニットを図示する。
【
図19】
図19は、スエージ加工された摩擦嵌合実施形態を図示する。
【
図22】
図22−24は、流体が使用中のコアを通って流動することを可能にする中空コアを示す、代替実施形態を図示する。
【
図23】
図22−24は、流体が使用中のコアを通って流動することを可能にする中空コアを示す、代替実施形態を図示する。
【
図24】
図22−24は、流体が使用中のコアを通って流動することを可能にする中空コアを示す、代替実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、低位熱から発電するために形状記憶合金(SMA)または負熱膨張材料(NTE)のいずれか一方を使用することができる、開発中の熱回収システムに関する。
【0026】
ここで、参照番号1によって示されるSMAエンジンを採用する、エネルギー回収デバイスを提供する、
図1を参照して、エネルギー回収デバイスの例示的な公知の実施形態を説明する。SMAエンジン1は、SMA作動コアを備える。SMA作動コアは、固定される第1の点で圧着または別様に固着されたSMA材料から成る。反対端で、SMA材料は、駆動機構2に圧着または別様に固着される。したがって、第1の点が係留される一方で、第2の点は、駆動機構3を引動するが、自由に動くことができる。浸漬チャンバ4は、SMAエンジンを収納するために適合され、SMAエンジンの加熱および/または冷却を可能にするために、流体で連続的に充填されるように適合される。したがって、熱がSMAコアに印加されると、それは、自由に収縮することができる。好適に、SMAコアは、SMA材料の複数の平行ワイヤ、リボン、またはシートを含む。典型的には、約4%の偏向が、そのようなコアにとって一般的である。したがって、1mの長さのSMA材料が採用されるとき、約4cmの直線運動が利用可能になることを予期し得る。より高い変位も、得られることができる。提供される力は、使用されるワイヤの質量に依存することが理解されるであろう。そのようなエネルギー回収デバイスは、本発明の出願人に譲渡されたPCT特許公開第WO2013/087490号で説明され、参照することによって本明細書に完全に組み込まれる。
【0027】
そのような用途に関して、熱源への暴露時のそのような材料の収縮が、捕捉され、使用可能な機械仕事に変換される。そのようなエンジンの作業要素のための有用な材料は、ニッケルチタン合金(NiTi)であることが証明されている。SMA作動コアは、固定される第1の点で圧着または別様に固着された複数のSMA材料から成る。
【0028】
エンジン内でNiTiワイヤを固着するために、高い負荷の下で動作することを可能にするであろうような様式で、両端で各ワイヤを係留することができる、システムを開発することが要求される。本システムは、「バンドルホルダ」と指定されている。バンドルホルダは、2つの具体的問題を克服するはずである。
【0029】
1)動作中に、NiTiワイヤの高い力の低変位負荷を伝達する。これは、バンドルの一方の端部が、固着され、静止したままとなる一方で、反対端は、ピストンの移動および仕事の抑制を可能にするように1つの変位軸において自由に移動することができる、単一自由度(DOF)システムである。
【0030】
2)通過する水からワイヤへ、および逆も同様に、最大熱伝達を可能にするように、可能である限り、ワイヤの密接充填を可能にする。
【0031】
3)製造の観点から、ある種の支持体の中に何百本ものこれらのNiTiワイヤを配置するという面倒で負担のかかるプロセスを排除し、生産時間および費用を削減する必要がある。
【0032】
そのようなコアは、Exergynに譲渡された英国特許出願第1409679.6号で説明され、参照することによって本明細書に完全に組み込まれる。この出願では、第1の端部で固定され、第2の端部で駆動機構に接続された複数の形状記憶合金(SMA)または負熱膨張(NTE)要素を備える、エネルギー回収デバイスで使用するためのコアエンジンが説明されている。ホルダは、複数の形状記憶合金(SMA)またはNTE要素、例えば、ニッケルチタンワイヤを受容するように適合される複数のスロットを伴って構成される、ホルダである。SMAワイヤは、実質的に伸長であり、チャンバの中に収納されるコアを構成するように平行配向で配列される。
【0033】
図2は、エネルギー回収デバイスで使用中である、平行に配列された複数のSMAまたはNTEワイヤ1とともに動作しているコアの実施形態を図示する。コアは、チャンバの中に収納され、弁10およびマニホールド11を介して流体源に接続される。SMAワイヤは、底部および上部バンドルホルダ12ならびに13によって両端で固着される。コアの一方の端部は、エネルギーを生成するように、SMAワイヤの膨張および収縮に応答して移動可能であるピストン14と連通している。説明されるような本発明は、エンジンが可能な限り効率的に稼働することを確実にするために、流体から作業コア内の各ワイヤ要素への熱伝達を向上させる。
(第1の実施形態)
【0034】
一実施形態では、流体への等しい暴露を保証しながら、よりコンパクトな配列を可能にする、直線にあるSMAワイヤ1の配列が提供される。
【0035】
図3に示されるように、上部ユニットは、定位置に押し込まれ、SMAワイヤ1を摩擦ロックの中へ圧縮する。圧縮ねじ20が、それらの係止状態であるときに、ユニットを保持するために採用される。上および中間層は、形状が円錐アプローチよりも基本的であり、耐荷重性ではない際に、成型または鋳造される。底部ユニットは、屈曲防止バンドル支持体の役割を果たし、高張力材料から鋳造されなければならない。
【0036】
図4は、分割要素、すなわち、固定楔着部が、異なる形状である、
図3に類似する実施形態である。本実施形態は、個別にワイヤをスエージ加工する問題を解決する。ワイヤ要素1は、ワイヤ要素1を定位置に固定するように、上部および底部キャップ33、34の間で締め付けねじ31ならびにナット32を使用して保持される。2列のワイヤを結合することが、熱伝達を遅延させ得る、またはそれを不平等にし得るため、2列のワイヤが触れることを阻止するために、固定楔着部35は、より長く作製されることができ、このようにして、列を分割する、すなわち、
図5および6に示されるように、熱伝達を増進し、コア内の攪拌器の役割を果たすであろう。
図5は、楔着されたワイヤの間の流体循環のスナップショットを図示する。
図6は、SMAワイヤ要素の列の間の流路を図示する。
(第2の実施形態)
【0037】
以前に説明された摩擦嵌合バンドルホルダは、ともに近すぎるアクティブワイヤ要素を生じさせ、したがって、効果的な流体相互作用への制限を生成し、その結果として、非効果的な熱伝達を生じる。ワイヤを分離する手段が、必要とされる。
【0038】
図7は、いくつかの摩擦嵌合バンドルホルダ概念を図示し、
図7aは、閉塞ブラケットを示し、
図7bは、ワイヤ捻転効果を図示し、
図7cは、鋏の握持効果を示すワイヤ捻転効果をより詳細に図示する。
【0039】
図7aは、曲率半径が、位置付けられた支柱または他の部材42の使用を通して、バンドルホルダブラケット41の下方のバンドル内のワイヤ1に導入されることを図示する。ワイヤおよびバンドルホルダは、外向きの圧力がブラケット41とのワイヤ1の境界において生成されることを可能にするような方法で配列される。本圧力は、定位置への支柱要素42の楔着によって生成される、結果として生じる力によって生成される。本圧力は、以前に説明されたような基本的摩擦嵌合の使用を通して及ぼされる圧力に加えられる。
【0040】
ワイヤおよび支柱42は、束ねられたワイヤ43上に、結果として生じる力Rを提供するような方法で配列され、すなわち、支柱は、
図7で表される方向に作用する合力システムがあるように、バンドルの中へ圧縮または別様に押進させられる。さらなる利点も、生成される。このようにしてワイヤを楔着することによって、大部分がワイヤ要素の剛性により引き起こされる、バンドルの中のワイヤの適度な捻転が生成される(すなわち、より大きい直径のワイヤではより顕著である)。本捻転は、バンドルホルダブラケット41の上および底縁の両方において力を及ぼすことに起因して、より強い握持が及ぼされることを可能にする、あるタイプの関節運動共同効果44(すなわち、「鋏」共同効果)を生じさせる。これは、
図7bおよび
図7cで見られることができる。
【0041】
この場合、バンドルホルダは、浮動性であり、コア壁に固着されないままにされる。代わりに、コアは、支柱を使用して添着される。バンドルの浮動性は、ワイヤ動作の張力段階中に、反対端におけるピストンを引動しているときに、束ねられたワイヤが支柱に向かってバンドルホルダを引動する傾向を有し、本質的に、ワイヤバンドルと支柱との間に自己強化型の「楔着」摩擦結合を生成することを意味する。そうする際に、ワイヤ要素の加熱を通して引き起こされるワイヤバンドルの体積低減は、支柱、ワイヤ、およびバンドルホルダの相互作用によって成立される握持運動を通して、効果的に対抗される。
(第3の実施形態)
【0042】
ワイヤを摩擦嵌合バンドルホルダ内で複数のグループに分離する手段が、必要とされる。
【0043】
図8は、一実施形態による、調節可能な複数の閉塞ブラケットシステムを図示する。この場合、複数の支柱51が、前の実施形態で提示されたものと同様に使用される。しかしながら、この場合、ワイヤとバンドルホルダとの間により強力な摩擦結合を生成することに加えて、付加的な支柱は、バンドルの上を流動する通過流体に暴露される熱伝達表面積の最大化を可能にするような様式で、ワイヤの間隔を可能にする。
【0044】
図9は、支柱がコアに組み入れられ得る方法を図示する。コア壁61は、それを通して支柱要素62がコア61に入れられ得る、孔または開口部を有する。コア壁を通して支柱62を挿入することによって、最初にバンドルホルダがコアに挿入されることが可能である。これは、組立管理の観点から利点を有する。バンドルホルダが浮動性であるため、支柱62は、その後に難なく追加されることができる。
(第4の実施形態)
【0045】
一実施形態では、SMAまたはNTEワイヤ1は、
図10に図示されるように、太くなった端部71と、ドーム72とを備えることができる。太くなった端部が、中心を維持して、SMAワイヤの間の間隙を中心に置くように作用する一方で、ドームは、ワイヤが先細開口部または孔73および分割コレット74配列の中へ緊密に配置されるときに、ワイヤ貫通を制限するように作用する。
【0046】
力がバンドルの中のワイヤに印加されるとき、分割コレットおよび先細部は、太くなった端部をともに圧縮する。太くなった端部の直径は、最適な中心を確実にして、ワイヤの間の距離を中心に置くように選択される。
【0047】
流体流と相互作用するワイヤの長さが、より小さい直径に延伸または圧延され、したがって、ワイヤの間の間隙が、流体流を促進するように導入される。縮小された直径は、流体とSMAワイヤとの間の最適な熱伝達を可能にするように最適化されることができる。
【0048】
図11は、最善の熱伝達レジームが満たされることを確実にするためのワイヤの両端における追加の太くなった端部75の追加を図示する。第2の太くなった端部76により良好に適応するために、コレットの設計は、コレットの下側に追加の太くなった端部を追加することによって変更されることができ、熱伝達は、最適になり、流路は、分割コレットを圧入において先細マウントプレートの中で固定した後に、定位置で保たれるであろう。
(第5の実施形態)
【0049】
一実施形態では、スエージのない端子が提供される。これは、バンドル内のワイヤのホルダとして端子を使用する。
【0050】
図12は、これらの端子のうちの複数を使用することを概説する。これの背後にある論拠は、1つの端子が、軸方向張力に起因して、大きい反力を生成し得る場合には、1つより多くが、より大きい反力を生成し得ることであり、効率が増加させられ得ることを意味する。
(第6の実施形態)
【0051】
本実施形態によって解決されることを目的とした問題は、各ワイヤが、各コアを通過させられている流体によって十分に加熱および冷却されることを可能にするように、圧縮型バンドルホルダの中のワイヤをどのように分離するかということである。
【0052】
図13に示される「U」字形SMAセパレータ80は、バンドルの中に間隙を作製し、流体がそれを通過し、ワイヤをより効果的に加熱および冷却することを可能にする。これは、上記で説明されるドームスエージ81を用いて、ワイヤの他の部分と同様に定位置で保持される。
【0053】
U字形ワイヤ80はまた、加熱されたときに収縮し、ひいては、バンドルホルダ82の上部に向かってU字の底部を引動し、バンドルホルダに対してワイヤにより多くの力を誘発し、いかなる滑動も防止するように、本U字形態で形状固化され得る。
(第7の実施形態)
【0054】
本概念によって解決されることを目的とした問題は、各ワイヤが、各コアを通過させられている流体によって十分に加熱および冷却されることを可能にするように、圧縮型バンドルホルダの中のワイヤをどのように分離するかということである。
【0055】
一実施形態では、SMAまたはNTEワイヤ1は、
図14に示されるように、プラスチックもしくは樹脂90に入れられる。本プラスチックまたは樹脂90の薄いコーティングは、間隙91がワイヤ1の間でそれらの全長の下方にとどまるように、本コーティングが、ワイヤ1の上部および底部のみに適用されるため、SMAワイヤの表面に付着する。
図14は、プラスチックもしくは樹脂材料でコーティングされた複数のSMAまたはNTE要素を図示する。
(第8の実施形態)
【0056】
従来の孔およびスエージ技法を使用する、ワイヤの大型バンドルで生じる問題は、大量生産の観点から理想的ではない、複数の孔を穿孔することに関与する費用および時間、ならびにバンドルホルダの中で各ワイヤを原位置にスエージ加工して組み立てるために必要とされる時間である。
【0057】
図15は、クランプ100が、最適な数のSMAワイヤ1の周囲に配置され、ワイヤが摩擦ロックでともに固定されるまで、ねじ緊締装置101を使用して緊締され得る方法を図示する。次いで、いくつかのスロットから成るワイヤセパレータ102が、流体がワイヤ1を通り越す際に最大熱伝達を可能にするようにワイヤ1を分離するために、クランプ100の下に配置され、上向きに摺動させられる。本アプローチは、複数の開口部およびスエージの必要性を排除し、バンドルのはるかに急速な組立を可能にする。さらに、負荷が上部クランプ100によって取り除かれるため、ワイヤセパレータ102は、製造時間を短縮して鋳造または成型されることができる。
(第9の実施形態)
【0058】
最適な数のワイヤの周囲でクランプを使用する場合、ねじ緊締装置を使用して、十分に大きい圧縮荷重を達成することが可能ではない場合がある。これは、より小型の最大バンドルサイズ、さもないと、より大型のねじをもたらし、両方とも望ましくない。さらに、クランプの側面から突出するねじ嵌合は、設計がピストンの中に配置するために好適ではないことを意味する。
【0059】
図16は、上から下向きに押された先細圧入ユニット110が、ワイヤ1の間に大きな摩擦力を生成するために使用され得ることを図示する。固定壁111が、負荷が印加されるにつれて反力を吸収するために必要である。本アプローチの利点は、具体的バンドルサイズのために摩擦表面積を最適化する設計で得られる柔軟性である。ワイヤセパレータは、最適化された熱伝達のためにワイヤを分割するために必要であり得る。複数のインライン圧入クランプが、SMAワイヤの列または円を促進するために使用されることができる。固定壁の外部は、必要とされた場合、ピストンの中への挿入を促進するようにねじ山付きであり得る。
(第10の実施形態)
【0060】
圧入の結果としての最大バンドルサイズが、特定のコアのための必要ワイヤ数量を下回るバンドルサイズに限定される場合、単一のコアの中で多数の多重ワイヤ接続を利用する方略が必要とされる。
【0061】
図17は、先細ねじ式ロック120または圧入ロックから成る、より小型のサブユニット、もしくは標準配管圧縮継手が、各サブユニットのための個別ワイヤセパレータを備えた、単一の鋳造バンドルホルダ上に配置され得ることを図示する。各ロック120は、個別に押圧または係止され、次いで、スロット付きバンドルホルダ121の中へ摺動させられるように要求される。ワイヤセパレータの方略的使用は、流体への各ワイヤの等しい暴露を確実にするために使用されることができる。
(第11の実施形態)
【0062】
単一のコアの中の複数のロックの要件は、組立工具の費用および複雑性も増加させながら、組立のための時間を増加させ得る。単一の係止移動は、複数の係止ユニットを隣り合わせて搭載するために必要な面積の縮小を介して、より率直な体積低減を可能にしながら、組立効率を増加させ得る。
【0063】
図18は、層の間にSMAワイヤ1を伴う先細円錐130から成る、多層ユニットを図示する。中心先細ブロック132が、定位置に圧入され、層をともに緊密に圧縮させ、それによって、摩擦ロックでSMAワイヤを係止する。
【0064】
本方法は、全てのSMAワイヤが緊密に握持されていることを確実にするように、中心先細ブロック132が高い力で圧入され得るため、有利である。次いで、ブロックは、ねじキャップを使用して定位置で固着されることができ、したがって、摩擦ロックを維持する。
(第12の実施形態)
【0065】
ドーム形成プロセス(ドーム72の形状へのワイヤ端のスエージ加工)が自動化された後、ワイヤがすでにバンドルホルダの中にある間に、一方の端部をドーム形成する必要性を回避するよう、ワイヤの両端がすでにドーム形成された状態で、それらをバンドホルダの中へ配置できることが、必要とされる。
【0066】
3つの主要部分で構成されるバンドルホルダを作成するために、上部および底部は、同一サイズであり、相互および充填材ブロックを覆って摺動することができるものとする。上部および底部は、それを通してワイヤドーム72を嵌合するために十分に大きいスロットを有するであろう。いったん全てのドーム形ワイヤ1がスロットを通して配置されると、底部は、ワイヤの側面に衝突するまで摺動させられるであろう。次いで、上部が、金属のブロック140で充填されるため、ドーム72は、2つの側面上で支持される。本金属充填材ブロック140は、底部によって支えられるであろう。本動作は、
図19に示されている。
【0067】
本実施形態は、スエージ加工されたワイヤに独占的に適用可能ではなく、スエージのないワイヤ上でも使用され得、底部構成要素は、該ワイヤバンドルの適切な固着を提供するよう、SMAワイヤとホルダ壁との間に十分な摩擦力を生成することが可能であることを理解されたい。本実施形態は、可能な限り緊密なワイヤの嵌合を提供するために、充填材ブロック140、141の付加的なセットが利用される、
図20に図示されている。
【0068】
本考慮に加えて、本発明に開示されるバンドルホルダ概念はまた、
図21に示されるような単一の列と対照的に、アセンブリの上部と底部との間で(スエージ加工されたか、またはスエージがないかのいずれか一方である)複数のワイヤ列を固着するために使用されてもよい。
(第13の実施形態)
【0069】
図22−24は、流体からワイヤ要素へ、および逆も同様に、熱伝達を増加させる別の実施形態を図示する。説明されるもの等のコアの中のワイヤの不均一な加熱は、それらの摩擦寿命を短縮する応力をワイヤ内でもたらす。
【0070】
図22および23は、各コアの中のワイヤへのより均一に分配された液体流を可能にし、それによって、そのような困難を克服するようにワイヤの均一な加熱を増進する、実施形態を示す。
図22および23は、外側の周囲に配列されたワイヤ1を有する、材料150の「ドーナツ形」またはリングとして構成される「中空バンドル」コアを示す。事実上、コアは、中空中心150を伴って複数の伸長ワイヤ要素1で作製される。「ドーナツ形」/リング150の中央160の開口部は、流体が全てのワイヤの中心を通して流動させられることを可能にし、それによって、以前に使用されたような2つの対向する側から供給されている流体と比較して、流体の分散を大いに増進する。
【0071】
本発明はまた、いくつかのワイヤが他のワイヤの前に加熱され、ワイヤの潜在的な弱点および破壊点を引き起こす、二重対向入口の影響も克服する。
【0072】
図24は、コアを通る液体流を示し、そのような液体の全体的な均一分布を強調表示する。リングまたはドーナツ形150はまた、その周囲で定位置に配列されたワイヤを固着する機能も有する。
【0073】
本明細書では、用語「comprise、comprises、comprised、およびcomprising(備える)」またはそれらの任意の変異形ならびに用語「include、includes、included、およびincluding(含む)」またはそれらの任意の変異形は、完全に互換可能であり、それらは全て、可能な限り広い解釈を与えられるべきであり、その逆も同様である。
【0074】
本発明は、上述した実施形態に限定されないが、構造および詳細の両方において変更され得る。
【国際調査報告】