特表2017-538094(P2017-538094A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-538094加熱、凝縮、混合、脱気、吸入排出用の多相装置およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-538094(P2017-538094A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】加熱、凝縮、混合、脱気、吸入排出用の多相装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   F22D 1/28 20060101AFI20171124BHJP
【FI】
   F22D1/28 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-531767(P2017-531767)
(86)(22)【出願日】2015年12月10日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月26日
(86)【国際出願番号】US2015064963
(87)【国際公開番号】WO2016094641
(87)【国際公開日】20160616
(31)【優先権主張番号】62/090,311
(32)【優先日】2014年12月10日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517202397
【氏名又は名称】クレマー、ロバート
【氏名又は名称原語表記】KREMER,Robert
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】クレマー、ロバート
(57)【要約】
省エネルギー脱気装置は、収束側壁を有する円錐状入口から、拡散側壁を有する拡張チャンバ、収束側壁を有する圧縮チャンバおよび出口まで、前記装置の中心軸を略たどり、前記圧縮チャンバの第1のエントリポートが前記拡張チャンバの出口によって画定される第1の進入流路と、圧縮チャンバのリング状の第2のエントリポートを形成するように収束する側壁を有し、リング状の第2のエントリポートが第1のエントリポートの周囲に同心状に配置される第2の進入流路と、を含み、第1および第2の進入流路が圧縮チャンバで収束し、両流路が出口に方向付けられて、脱出流路を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
省エネルギー脱気装置であって、
収束側壁を有する円錐状入口から、拡散側壁を有する拡張チャンバ、収束側壁を有する圧縮チャンバおよび出口まで、前記装置の中心軸を略たどり、前記圧縮チャンバの第1のエントリポートが前記拡張チャンバの出口によって画定される第1の進入流路と、
前記圧縮チャンバのリング状の第2のエントリポートを形成するように収束する側壁を有し、前記リング状の第2のエントリポートが前記第1のエントリポートの周囲に同心状に配置される第2の進入流路と、
を備え、
前記第1の進入流路と前記第2の進入流路が前記圧縮チャンバで収束し、両流路が前記出口に方向付けられて脱出流路を形成する、省エネルギー脱気装置。
【請求項2】
前記第1の進入流路が、第1の流動可能媒体を受け入れるように構成され、
前記第2の進入流路が、第2の流動可能媒体を受け入れるように構成され、
前記第1の流動可能媒体と前記第2の流動可能媒体が、前記圧縮チャンバで結合されて二相流動可能媒体を形成することができ、
前記圧縮チャンバが、前記二相流動可能媒体を圧縮するように構成されて、前記脱出流路が単相脱気流動可能媒体を含む、
請求項1の装置。
【請求項3】
前記第1の流動可能媒体が蒸気を含み、
前記第2の流動可能媒体が水を含む、
請求項2の装置。
【請求項4】
前記第1の流動可能媒体が水を含み、
前記第2の流動可能媒体が蒸気を含む、
請求項2の装置。
【請求項5】
前記第1の流動可能媒体が、前記第2の流動可能媒体よりも大きな流力を有する、
請求項2の装置。
【請求項6】
前記圧縮チャンバ内の前記二相流動可能媒体が水と気泡を含み、
前記圧縮チャンバが前記二相流動可能媒体を圧縮するように構成されて、気泡が凝縮され、前記脱出流路が単相脱気水を含む、
請求項2の装置。
【請求項7】
前記圧縮チャンバ内の前記二相流動可能媒体が超音速で流れ、
前記装置外の前記脱出流路内の単相脱気流動可能媒体が亜音速で流れる、
請求項2の装置。
【請求項8】
前記第1の流動可能媒体が第1の流圧を有し、
前記第2の流動可能媒体が第2の流圧を有し、
前記単相脱気流動可能媒体が、前記第1の流圧および前記第2の流圧よりも低い第3の流圧を有する、
請求項7の装置。
【請求項9】
前記第1の流動可能媒体が給水および蒸気の一方であり、
前記第2の流動可能媒体が給水および蒸気の他方であり、
前記単相脱気流動可能媒体が、給水よりも温度の高い単相脱気水を含む、
請求項2の装置。
【請求項10】
省エネルギー脱気システムであって、
給水の供給と、
蒸気の供給と、
前記給水と前記蒸気を受け入れるように構成される省エネルギー脱気装置と、
を備え、前記省エネルギー脱気装置が、
収束側壁を有する円錐状入口から、拡散側壁を有する拡張チャンバ、収束側壁を有する圧縮チャンバおよび出口まで、前記装置の中心軸を略たどり、前記圧縮チャンバの第1のエントリポートが前記拡張チャンバの出口によって画定される第1の進入流路であって、
前記給水または前記蒸気の一方を受け入れるように構成される第1の進入流路と、
前記圧縮チャンバのリング状の第2のエントリポートを形成するように収束する側壁を有する第2の進入流路であって、前記リング状の第2のエントリポートが前記第1のエントリポートの周囲に同心状に配置され、
前記給水または前記蒸気の他方を受け入れるように構成される第2の進入流路と、
を備え、
前記第1の進入流路と前記第2の進入流路が前記圧縮チャンバで収束し、両流路が前記出口に方向付けられて脱出流路を形成し、
前記給水と前記蒸気が前記圧縮チャンバで結合されて、水と気泡を含む二相流動可能媒体を形成することができ、
前記圧縮チャンバが前記二相流動可能媒体を圧縮するように構成されて、前記気泡が凝縮され、前記脱出流路が単相脱気水を含み、
前記単相脱気水を受け入れる容器と、
を備えるシステム。
【請求項11】
前記単相脱気水が給水よりも高い温度を有する、
請求項10のシステム。
【請求項12】
前記脱気装置と前記容器内に配置され、蒸気内の汚染物質、化学物質、または混入物質の除去を簡易化するように構造上配置され構成されるパッキングであって、その後、前記物質が完全に結合されて、容器の水に捕捉されるパッキングをさらに備える、
請求項10のシステム。
【請求項13】
前記脱気装置が第1の脱気装置であり、
第2の脱気装置と、
ポンプと、
をさらに備え、
前記第1の脱気装置が前記ポンプの吸入側に配置され、前記第2の脱気装置が前記ポンプの排出側に配置される、
請求項10のシステム。
【請求項14】
給水よりも高い温度を有する前記単相脱気水を受け入れるように構造上構成され配置される熱交換器をさらに備える、
請求項11のシステム。
【請求項15】
単相脱気水を生成する省エネルギー方法であって、
省エネルギー脱気装置に対して給水の供給を行うことと、
前記省エネルギー脱気装置に対して蒸気の供給を行うことと、
前記省エネルギー脱気装置が、
収束側壁を有する円錐状入口から、拡散側壁を有する拡張チャンバ、収束側壁を有する圧縮チャンバおよび出口まで、前記装置の中心軸を略たどり、前記圧縮チャンバの第1のエントリポートが前記拡張チャンバの出口によって画定される第1の進入流路であって、
前記給水または前記蒸気の一方を受け入れるように構成される第1の進入流路と、
前記圧縮チャンバのリング状の第2のエントリポートを形成するように収束する側壁を有する第2の進入流路であって、前記リング状の第2のエントリポートが前記第1のエントリポートの周囲に同心状に配置され、
前記給水または前記蒸気の他方を受け入れるように構成される第2の進入流路と、
を備え、
前記第1の進入流路と前記第2の進入流路が前記圧縮チャンバで収束し、両流路が前記出口に方向付けられて脱出流路を形成し、
前記給水と前記蒸気が前記圧縮チャンバで結合されて、水と気泡を含む二相流動可能媒体を形成することができ、
前記圧縮チャンバが前記二相流動可能媒体を圧縮するように構成されて、前記気泡が凝縮され、前記脱出流路が単相脱気水を含み、
前記単相脱気水をユーザまたは保管容器に配送することと、
を備える方法。
【請求項16】
前記配送された単相脱気水が給水よりも高い温度を有する、
請求項15の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する主題は、環境保全型の(環境に優しい)熱、化学、機械的技術に関し、特に、直接接触反応器、熱交換器、各種気体、蒸気、流体の混合、熱生成、エネルギー回収、蒸気の凝縮、脱気、流体および液体の吸入排出に関する。
【背景技術】
【0002】
米国および世界中の多くの公益事業設備は、空間の暖房、冷房、家庭用温水用に、建物への地域蒸気を生成し供給している。蒸気凝縮物(steam condensate)は、蒸気生成源に戻ってくる、あるいは都市下水システムに排出されることがある。凝縮物の温度を104°C(220F)から約60°C(約140F)(都市下水要件)に低下させるため、凝縮物は低温上水と混合される。上記システムは、相当量の電気、熱、水の損失と下水排出速度のもとで操業している。失われる凝縮物は、発電所またはボイラープラントにおいて、標準的なトレーまたはスプレー型脱気器で処理される低温脱塩水で補填しなければならない。凝縮物損失量が大きい地域蒸気システムでは、水の補填割合が吸水量の100%に達する場合がある。このような状況下では。脱気器は、十分な加熱、凝縮、脱気能力を提供することができない。こうした状況の結果、脱気器では水撃音が生じ、加熱および脱気性能が劣化する。この結果、発電所施設と地域蒸気配管に集中的な腐食が発生する。
【0003】
酸素や二酸化炭素などの不凝縮気体を凝縮物から除去するために、発電所およびボイラープラントでは給水の熱脱気が広く採用されている。通常、入ってくる凝縮物は、脱気器内で蒸気と共に、脱気器圧力に対応する飽和温度まで加熱される。不凝縮気体は発散蒸気と共に脱気器から除去される。通常、利用工程で蒸気(約10%)と共に失われる小量の凝縮物は、脱気器にも導入される低温脱塩水で補填される。脱気器に入る混合された凝縮物と脱塩水流の温度は通常、脱気器で−6.7〜4.4°C(20〜40F)上昇する。多くの地域蒸気システムでは、凝縮物は蒸気生成ステーションには戻らず、10〜21°C(50〜70F)の温度で大量の低温脱塩水で補填しなければならない。104°C(220F)の飽和温度の大気圧脱気器の場合、処理水の温度は脱気器内で66〜77°C(150〜170F)上昇させなければならず、水撃音を引き起こし、脱気器能力を低下させ、脱気給水の品質を劣化させる。
【0004】
上記の問題に対する標準的な解決策は、低温脱塩水が脱気器に入る前に約82〜90°C(約180〜200F)の温度まで加熱される大型の表面型熱交換器を設置することである。このシステムは大型の高額な熱交換器と電動ポンプを必要とする。熱交換器の配管システムは、解放された不凝縮気体によって引き起こされる集中的な腐食の影響も受ける。熱交換器は表面を通じた間接熱伝達を利用するため、湯垢の付着によって詰まり、熱伝達と効率性を低下させる。
【0005】
直接接触噴射装置(JA)は、ベンチュリヒータ、過熱低減器、蒸気放出器、噴射排気器および圧縮器、噴射排出器、噴射真空ポンプなどとしても知られ広く使用されている。JAは、吸引チャンバに囲まれた収束(作業)ノズル、混合ノズル、ディフューザの3つの主要部品から成る。作業(運動)流と投入(捕捉)流が混合ノズルに入り、そこで速度が均一化され、混合物の圧力が上昇する。結合流は混合ノズルからディフューザに入り、そこで圧力がさらに上昇する。ディフューザは、速度を次第に低下させ、できる限り少ない損失でエネルギーを吐出圧に変換するように成形される。この工程中、不凝縮気体を含有する気泡はつぶれて、気体が液体中に溶解する。
【0006】
蒸気−液体注入器内の液体生成物を加熱する方法は、たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6に記載されている。
既存の脱気器および脱気装置は意図する目的に適するかもしれないが、現状の脱気装置およびそれを使用するシステムは、本明細書に開示する脱気装置で向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許6,299,343号明細書
【特許文献2】米国特許5,205,648号明細書
【特許文献3】米国特許5,275,486号明細書
【特許文献4】米国特許5,544,961号明細書
【特許文献5】米国特許5,544,961号明細書
【特許文献6】米国特許4,847,043号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記した問題を解決することができる脱気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態は省エネルギー脱気装置であり、該装置は、収束側壁を有する円錐状入口から、拡散側壁を有する拡張チャンバ、収束側壁を有する圧縮チャンバおよび出口まで、該装置の中心軸を略たどり、圧縮チャンバの第1のエントリポートが拡張チャンバの出口によって画定される第1の進入流路と、収束して圧縮チャンバのリング状の第2のエントリポートを形成し、リング状の第2のエントリポートが第1のエントリポートの周囲に同心状に配置される第2の進入流路とを含み、第1および第2の進入流路が圧縮チャンバで収束して、両流路が出口に方向付けられて、脱出流路を形成する。
【0010】
本発明の別の実施形態は省エネルギー脱気システムであり、該システムは、給水の供給と、蒸気の供給と、給水と蒸気を受け入れ、かつ、出口で単相脱気水を配送するように構成される上記の説明による省エネルギー脱気装置と、単相脱気水を受け入れる容器と、を含む。
【0011】
本発明の別の実施形態は単相脱気水を生成する省エネルギー方法であり、該方法は、省エネルギー脱気装置に給水の供給を行うことと、省エネルギー脱気装置に蒸気の供給を行い、省エネルギー脱気装置が上記の説明により出口で単相脱気水を生成することと、単相脱気水をユーザまたは保管容器に配送することと、を含む。
【0012】
本発明の別の実施形態は、様々な温度で供給される流体、特に水と凝縮物と気体、特に蒸気とを混合して、反応、水圧破砕、炭化水素工程の耐火物、所望温度での加熱、凝縮、脱気、吸入排出を引き起こす環境保全型の(環境に優しい)脱気装置を採用するシステムである。本発明は、化石燃料発電所および原子力発電所(福島第一原発事故のようなLOCA(冷却材喪失事故)の防止を含む)、ボイラープラント、合成燃料用の液体炭化水素の生産、一酸化炭素と水素の混合物の液体炭化水素への変換(ベルギウス・デュスおよびフィッシャー・トロプシュ工程)、バイオガス、各種産業、強化石油採取、水圧破砕、アスファルト、エマルジョンおよびビール製造施設、製鋼所、施肥工場、石炭の液化および気化、環境工程(高効率気体および粒子除去、煙および煙道ガスの清掃、各種気体流からの汚染物質の直接接触による湿式スクラバ内の試薬の中性化)、熱、化学物質、水、化学的回収、地域エネルギーシステムなどのための新たな、または改良用途に広く使用することができる。
【0013】
これらおよびその他の利点と特徴は、図面と併せて以下の説明から自明になるであろう。
本発明とみなされる主題は、本明細書の最後で請求項において特定して指摘され、明確に請求されている。本発明の上記およびその他の特徴と利点は、添付図面と併せて以下の詳細な説明から自明である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】本発明の一実施形態に係る、1つの中央軸方向入口と2つの側方入口とを有する省エネルギー脱気装置の中心軸に沿った側断面図である。
図1B】本発明の一実施形態に係る、図1Aに類似するが、側方入口が1つのみである省エネルギー脱気装置の中心軸に沿った側断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る、図1Aおよび1Bの脱気装置を利用するシステムの概略図である。
図3】一用途において設置された図2のシステムの図である。
図4】本発明の一実施形態に係る、スクラバ用途において図1Aおよび1Bの脱気装置を使用する別のシステムの図である。
図5】本発明の一実施形態に係る、ポンプ用途において図1Aおよび1Bの脱気装置を使用する別のシステムの図である。
図6】本発明の一実施形態に係る、加熱システムにおいて利用する図2のシステムの直接連結を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る、加熱システムにおいて利用する図2のシステムの間接連結を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明は、図面を参照して例示のために利点と特徴と共に本発明の実施形態について説明する。
図1Aは、本発明の一実施形態に係る、中心軸102に沿った省エネルギー脱気装置100の側断面図である。図1Bは、図1Aに示す装置と類似するが、側方入口が1つのみである脱気装置100’の中心軸102に沿った側断面図であり、以下に説明する。一実施形態では、脱気装置100は、収束側壁204を有する円錐状入口202から、拡散側壁208を有する拡張チャンバ206、収束側壁212を有する圧縮チャンバ210および出口214まで、脱気装置100の中心軸102を略たどる第1の進入流路200を有し、圧縮チャンバ210の第1のエントリポート216は、拡張チャンバ206の寸法「C」を有する出口によって画定される。脱気装置100は、収束して圧縮チャンバ210の寸法「B」を有するリング状の第2のエントリポート304を形成する側壁302を有する第2の進入流路300をさらに有し、リング状の第2のエントリポート304は、第1のエントリポート216の周囲に同心状に配置される。第1および第2の進入流路200、300は圧縮チャンバ210で収束して、両流路とも出口214に方向付けられて脱出流路400を形成する。図1Aに示すように、入口202は寸法「D」の入口開口部を有し、側壁204は狭い寸法「A」まで収束する。拡張チャンバ206は、狭い寸法「A」から第1のエントリポート216の寸法「C」まで拡張する。圧縮チャンバ210は、寸法「B」、「C」、再度「B」、そして出口214の寸法「E」へと収束する。第2の進入流路300は、開口部306(本明細書では入口とも称する)の寸法「F」からリング状の第2のエントリポート304の寸法「B」まで収束する。一実施形態では、寸法「D」、「A」、「C」、「E」、「F」のうちの1以上は、本明細書で開示するような円形構造の径である。一実施形態では、寸法「B」は、円形開口部を有する第1のエントリポート216の外周に配置される円形リング状開口部(第2のエントリポート304)を画定する。
【0016】
一実施形態では、第1のエントリポート216(「C」)は第1のハウジング区間104を介して形成され、第2のエントリポート304(「B」)は第1のハウジング区間104を介して第2のハウジング区間106内に入れ子状に形成される(図1Bに最も良く示される)。
【0017】
第1の進入流路200は第1の流動可能媒体220を受け入れるように構成され、第2の進入流路300は第2の流動可能媒体320を受け入れるように構成される。第1の実施形態では、第1の流動可能媒体220が蒸気であり、第2の流動可能媒体320は水である。第2の実施形態では、第1の流動可能媒体220は水であり、第2の流動可能媒体320は蒸気である。より大きな流力を有する流動可能媒体が第1の進入流路200に供給される。このように、一実施形態では、第1の流動可能媒体220が、第2の流動可能媒体320よりも大きな流力を有する。
【0018】
第1の流動可能媒体220と第2の流動可能媒体320が圧縮チャンバ210で結合され、二相流動可能媒体410を形成することができる。圧縮チャンバ210は二相流動可能媒体410を含むように構成されるため、脱出流路400が単相脱気流動可能媒体420を含む。一実施形態では、圧縮チャンバ210内の二相流動可能媒体410が水と気泡であり、圧縮チャンバ210が二相流動可能媒体410を圧縮するように構成されるため気泡が凝縮され、脱出流路400が単相脱気水(本明細書では参照符号420でも示す)を含む。一実施形態では、圧縮チャンバ210内の二相流動可能媒体410は超音速で流れ、脱気装置100外の脱出流路400内の単相脱気流動可能媒体420は亜音速で流れる。一実施形態では、第1の流動可能媒体220は第1の流圧を有し、第2の流動可能媒体320は第2の流圧を有し、単相脱気流動可能媒体420は、第1の流圧と第2の流圧よりも低い第3の流圧を有する。一実施形態では、第1の流動可能媒体220は給水および蒸気の一方であり、第2の流動可能媒体320は給水および蒸気の他方であり、単相脱気流動可能媒体420は、給水よりも温度の高い単相脱気水である。
【0019】
図1Aは、たとえば蒸気を受け入れることのできる1つの軸方向円錐状入口202と、たとえば低温の給水を受け入れることのできる2つの側入口306と、を有する脱気装置100を示すが、一実施形態は、図1Bを参照して後述する単独の側入口306を有することもできる。
【0020】
文字A、B、C、D、Eで特定される寸法は以下の式(数1)を用いて判定することができる。
【0021】
【数1】

上式で、P=装置以後の吐出圧(図1の420);P=作業気体または蒸気圧(図1の220);Tw1=P/P、ただし、P=投入液体圧(図1の320);fw1=作業ノズル出口(図1の「E」)の断面;f=混合チャンバ出口の断面(図1の「C]);K=作業流速係数(図1の200);φ=排出速度係数(図1の400);Twc=P/P=作業ノズル(脱気装置100)の臨界区間の圧力と作業圧(図1の「A」)の比;k=作業流(図1の200で)の比熱;u=投入流速と作業流速(図1の320と220)の比に等しい投入係数;λw1=断熱流での作業流の速度と臨界速度(図1の「A」で)の比;VおよびV=吐出流と作業流(図1の400と200)の比体積;fwc=作業ノズル(脱気装置100)の臨界区間の断面(図1の「A」)。
【0022】
本明細書で使用するとき、臨界区間および臨界速度などの用語はそれぞれ、図1の断面「A」と、入口で(図1の200)の流速を上昇させても超過できない出口(図1の400)での最高流速とを指す。K速度係数とφ速度係数は、入口と出口での乱流損失に関し、通常は1未満の値である。
【0023】
一実施形態では、脱気装置100の出口214は、上記寸法「E」まで内側に収束し、その後、流が脱気装置100を出る際に寸法「G」まで拡散する側壁を有し、側壁は、流体420が脱気装置100を脱出するときの急速な圧力低下と膨張を制御する役割を果たす。
【0024】
流体420が出口で膨張すると、高い吸引力が生じて、脱気装置100は、真空を含む幅広い圧力にわたって作業流体(たとえば220)と投入流体(たとえば320)を受け入れるのに適した自給吸引ジェットとして機能する。
【0025】
再度図1Bを参照すると、図1Aと類似の要素には同様の参照符号が付されており、図1Bは、リング状の第2のエントリポート304が第1のエントリポート216の周囲に同心状に配置され、両エントリポート216、304が作業媒体220と投入媒体320に圧縮チャンバ210への入口を提供していることをより明確に示す。図1A図1Bの比較から分かるように、リング状の第2のエントリポート304は、拡張チャンバ206の出口先端の外周(第1のエントリポート216の寸法「C」)と脱気装置100’のハウジング106の内側側壁との間に寸法「B」を有する。図1Bは、投入媒体320を受け入れる単独の側方入口306も示す。
【0026】
次に、図1Aまたは1Bの脱気装置100を利用する例示の省エネルギー脱気システム500を示す図2を参照する。一実施形態では、システム500は概して、給水の供給502(図1Aの320を参照)と、蒸気の供給504(図1Aの220を参照)と、給水と蒸気を受け入れるように構成される脱気装置100と、を有する。一実施形態では、脱気装置100は、図1Aおよび1Bを参照して上記で説明したように構成されて、単相脱気水420を生成する。システム500は、単相脱気水420を受け入れる容器506をさらに含む。また、システム500は、戦略的に配置された様々な1以上の弁508、1以上の自動調整弁510、1以上の遮断弁512(たとえば、電気的にオン/オフされる弁)、1以上の逆止弁514を含み、すべてが供給ライン516、518、520、522、524を介して相互接続される。一実施形態では、単相脱気水420は給水502よりも温度が高い。
【0027】
図2のシステム500が示すように、給水(低温脱塩水)320は2つの側方入口306を通って脱気装置100に入り、蒸気220が最上部の円錐状入口202に入る。脱気装置100では、給水320と蒸気220が上記のように混合、加熱、脱気される。単相脱気水420の処理済み混合物は脱気装置100を出て、容器506に入り、容器自体が脱気器であってもよいが、所望の脱気度に対処できなくてもよい。したがって、脱気装置100の利用はシステム性能を向上させる。容器/脱気器506では、不凝縮気体が解放されて、給水システムとプラント施設の確実かつ腐食を生じない操業を確保する。
【0028】
図3は、脱気装置100の設置図530である。図示するように、2つの30.5cm(12インチ)供給ライン532に接続される2つの15.2cm(6インチ)パイプは低温脱塩水320を脱気装置100に供給し、蒸気220が25.4cm(10インチ)の供給ライン534を通って供給される。脱気され予熱された水420は25.4cm(10インチ)ライン536を通って脱出し、容器/脱気器506(図2を参照)内に方向付けられる。図示するように、列挙されてはいないが、当該技術において既知なように、システム530には仕切り弁、逆止弁および水制御弁が設けられる。
【0029】
図4はヒータ/スクラバ用途において脱気装置100(点線で囲む)を利用するシステム550の概略図であり、入ってくる流体流(水320と蒸気/気体220)を脱気、加熱、浄化し、入ってくる蒸気、気体、または煙を、脱気出口流420を介して清掃する。パッキング552は、蒸気/気体/煙220内の汚染物質/化学物質/混入物質の除去を簡易化し、その後、それらは完全に結合されて、容器556の水554に捕捉される。脱気工程から生じる空気は、通気孔558を通って解放される。出口パイプ560および弁562が、水554の配送と後処理のために設けられる。図4に示すように、多ノズル脱気装置100は、システム550の装置の上部に配置される。
【0030】
図5は、逆止弁574と合わせて従来のポンプ572と共に2つの脱気装置100.1、100.2を使用するシステム570の概略図である。第1の脱気装置100.1はポンプ572の吸入側に接続され、第2の脱気装置100.2がポンプ572の排出側に接続される。上述したように、第1の流体流220、220’と第2の流体流320、320’は本明細書に開示する目的のために脱気装置100.1、100.2にそれぞれ供給されて、最後に脱気水420として排出される。このように、吸入側と排出側の両方でポンプを介して流体流を脱気することによって、ポンプ性能を向上させることができる。
【0031】
別の実施形態によると、図6を参照すると、脱気装置100を利用する例示のシステム600は、蒸気220と液体320(水を含む)とを混合凝縮させて不凝縮気体を解放すると共に、脱気温水420を生成する特定の内部形状を備えた環境保全型の(環境に優しい)二相凝縮直接接触熱交換器602である装置を含む。システム600の他の構成要素は図6に概略的に示され、凡例によって特定可能である。
【0032】
別の実施形態によると、図7を参照すると、例示のシステム700は、既存の間接加熱システムを超える利点を提供する。従来の熱交換器による間接加熱は高額であり、エネルギー効率的ではなく、汚損しやすい。蒸気ヒータは汚損したり、湯垢が付着したりして、頻繁な酸清掃または管交換が必要となる。このため、生産性が低下し、メンテナンスコストが増加する。逆に、本明細書に開示するような脱気装置100を使用することで、脱気水420の生成によって湯垢の付着と汚損が実質上排除され、さらに、間接熱交換器702に自動清掃機能を提供する。脱気装置100は可動部品を備えておらず、資本コストとメンテナンスコストが低い。図7と本明細書の他の様々な図面に示すように、脱気装置100はシステム配管に直接搭載され、床空間を開放し、必要に応じて取り外して検査することができる。システム700の他の構成要素は図7に概略的に示され、凡例によって特定可能である。
【0033】
例示の一実施形態では、再度図2を参照すると、脱気装置100は以下の動作パラメータを有する。220で、蒸気入力は10バール、13.81トン/時である。200で、入口寸法「D」は100mmである。102はノズルへの蒸気の通過を表す。104はノズルハウジングを表す。106は第2段のノズルハウジングを表す。204で、側壁は軸102に対して15度の角度を有する。206は拡張する蒸気通路を表す。208で、ノズルの側壁は軸102に対して8.2度の角度を有する。300は混合チャンバへの水入口を表す。302は入口給水混合通路を表す。304は蒸気と水が相互作用する臨界区間を表す。210は混合され圧縮チャンバまで流れる二相流体を表す。212は超音速での二相媒体の圧縮チャンバを表す。320は15°Cでの100トン/時の100mm径のパイプを介した水入力を表す。ノズル開口寸法「C」は57.88mmである。304は水と蒸気が接する臨界開口で26.43mmである。開口寸法「E」は37.56mmである。400で、温水出力は105°C、21.58バール出力圧である。410は二相媒体の形成を表す。420は105°Cでの圧力下の単相温水を表す。
【0034】
脱気装置100または脱気装置100を使用するシステムの他の実施形態を以下概略的に説明する。
一実施形態によると、本明細書に開示するように利用される脱気装置100は、液体粒子の予熱および分解と不凝縮気体の解放を可能にする。脱気装置に入ると、不凝縮気体はすぐに解放され、発散蒸気と共に除去されて、脱気装置の脱気性能が大幅に向上することによって、脱出する水は所望酸素濃度(通常、7ppb未満)および遊離炭酸レベル(ゼロに近い)に達することができる。
【0035】
別の実施形態によると、脱気装置100はディフューザを備えておらず、装置の加熱工程は超音速で二相段で完了し、その時点ですべての不凝縮気体は液体から解放(脱気)されて、気泡の形状で存在する。次に、排出された脱気液体は脱気器に送られ、そこで不凝縮気泡は液体からぱっと吹き出し、発散蒸気と共にすぐに除去される。残りの液体は実際にはごく低濃度の不凝縮気体しか含まないため、気体除去のための脱気器の仕事が大幅に低減される。したがって、脱気装置を離れる液体内の不凝縮気体の最終濃度が大幅に低減される。その結果、ボイラー内の腐食工程も実質上排除される。本明細書に開示するような脱気装置100によって、新たな下流の脱気器の寸法とコストも減らすことができる。
【0036】
別の実施形態によると、脱気装置100を利用するシステムは、表面型熱交換器と環境保全型の直列型二相コンパクト直接接触脱気装置100との交換を可能とし、本明細書に開示するように、冷水が脱気され蒸気で加熱される。加熱中、不凝縮気体は、微小気泡の形状で水から集中的に解放される。下流の脱気装置に入ると、不凝縮気体はすぐに解放されて、発散蒸気と共にシステムから除去され、脱気性能が大幅に向上することによって、下流の脱気器を離れる水が所望酸素濃度(通常、7ppb未満)および遊離炭酸レベル(ゼロに近い)に達することができる。これにより、従来の脱気器の加熱および脱気容量を大幅に低下させることができ、脱気装置のサイズとコストを節減する。
【0037】
別の実施形態によると、任意の温度の低温脱塩構造流体が直列型の脱気装置100に導入されて、脱気され、気体または蒸気と直接接触して加熱される。装置内の処理中、流体は、解放された不凝縮気体の気泡と混合される微粒子に細分される。下流の脱気装置に入ると、不凝縮気体はすぐに解放され、発散蒸気と共に除去されて、脱気性能が大幅に向上することによって、脱気水は所望酸素濃度(通常、7ppb未満)および遊離炭酸レベル(ゼロに近い)に達することができる。
【0038】
別の実施形態によると、本明細書に開示するような脱気装置100は、加熱および脱気能力を大幅に向上させることによって既存の脱気器の制約を克服することができる。
本明細書に開示する各種システムでは、気体または蒸気が、大型ジェットノズルを通じて、脱気装置100のたとえば入口202(図1を参照)に入る。低温流体が1または複数の側ノズルによって、たとえば入口306(図1)に供給される。上述の混合中、気体または蒸気は凝縮して、より低温の排出流体(蒸気よりも低温で低温流体よりも高温)に熱エネルギーを移送する。迅速な制御された蒸気凝縮によって、システムに固有の騒音と振動と共に水撃音を回避することができる。システムは静かに動作し、騒音を発生しない。
【0039】
上記のすべてに鑑み、本発明の一実施形態は、本明細書に開示するような脱気装置100と、該脱気装置を使用するシステムとを含むだけでなく、本明細書に開示するように脱気装置100を用いて、工程で加熱することもできる単相脱気水を生成する省エネルギー方法も含むことができる。該方法は概して、脱気装置に給水の供給を行うことと、脱気装置に蒸気の供給を行うことと、脱気装置が本明細書に開示するような構造を有し、本明細書に開示するように実行して単相脱気水を生成し、ユーザまたは保管容器に単相脱気水を配送することと、とを含み、配送された単相脱気水が、給水よりも高い温度を有する。
【0040】
上記すべてに加えて、脱気装置100の他の実施形態は以下を含む。
実施形態1は、液体、特に水の加熱、凝縮、脱気、吸入排出のために円形、正方形、三角形、または楕円形の気体、液体、二相、または蒸気用のノズルを有する環境保全型の(環境に優しい)二相直接接触脱気装置の形状の装置を含む。
【0041】
実施形態2は、気体、蒸気、二相流体、または液体用の単数または複数の入口をさらに含む、実施形態1に係る装置を含む。
実施形態3は、実施形態1または2のいずれかにかかる装置を含み、1または複数の入口ノズルが1または複数の混合ノズルと整合される構造をさらに含む。
【0042】
実施形態4は、実施形態1ないし3のいずれかにかかる装置を含み、気体または蒸気が超音速で液体と混合される1または複数の混合区間をさらに含む。
実施形態5は、実施形態1ないし4のいずれかにかかる装置を含み、凝縮された気体または蒸気と所定温度まで加熱された液体とをさらに含み、不凝縮気体が気泡の形状で液体から解放される。
【0043】
実施形態6は、実施形態1ないし5のいずれかにかかる装置を含み、建物および産業において熱、電気、家庭用温水を生成する地域加熱システムから凝縮物を回収し吸入排出するように構成される。
【0044】
実施形態7は、実施形態1ないし6のいずれかにかかる装置を含み、最大4137Kpag(600psig)の様々な圧力、および最大371°C(700F)の温度で入口気体、蒸気、液体、または複相流体を結合させることをさらに含む。
【0045】
実施形態8は、実施形態1ないし7のいずれかにかかる装置を含み、該装置は様々な気体および液体流の加熱、凝縮、脱気に使用される。
実施形態9は、実施形態1ないし8のいずれかにかかる装置を含み、所定温度の出口液体を供給することをさらに含む。
【0046】
実施形態10は、実施形態1ないし9のいずれかにかかる装置を含み、気体または蒸気ノズルの入口の径が、同じノズルの入口の径よりも圧力、温度、量のパラメータに比例する係数分大きい。
【0047】
実施形態11は、実施形態1ないし10のいずれかにかかる装置を含み、気体または蒸気ノズルの出口の径が、気体ノズルの出口と装置本体との間の間隙よりも圧力、温度、量のパラメータに比例する係数分大きい。
【0048】
実施形態12は、実施形態1ないし11のいずれかにかかる装置を含み、入口気体または蒸気ノズルの入口の径が、蒸気または気体ノズルの出口の径よりも30%大きい。
実施形態13は、実施形態1ないし12のいずれかにかかる装置を含み、出口蒸気ノズルの径が、装置からの二相混合物出口の径と等しい。
【0049】
実施形態14は、実施形態1ないし13のいずれかにかかる装置を含み、該装置は粒子と煙からの様々な液体および気体を加熱および清掃するスクラバとして使用される。
実施形態15は実施形態1ないし14のいずれかにかかる装置を含み、該装置は発電所およびボイラールームにおいてプレヒータとして使用される。
【0050】
実施形態16は実施形態1ないし15のいずれかにかかる装置を含み、亜音速で、作業流と投入流の圧力よりも低い圧力で排出される液体と不凝縮気体の気泡の二相混合物用の出口区間をさらに含む。
【0051】
実施形態17は、実施形態1ないし16のいずれかにかかる装置を含み、該装置は遠心ポンプの入口および出口で使用されてキャビテーションを防止する。
実施形態18は、実施形態1ないし17のいずれかにかかる装置を含み、遠心ポンプの入口および出口でキャビテーションを防止する逆止弁をさらに含む。
【0052】
実施形態19は、実施形態1ないし18のいずれかにかかる装置を含み、該装置は重質原油の熱分解に使用される。
実施形態20は、実施形態1ないし19のいずれかにかかる装置を含み、該装置は加熱と脱気のために様々な液体および気体を混合する容器内に設置される。
【0053】
実施形態21は実施形態1ないし20のいずれかにかかる装置を含み、該装置はキャビテーション力を利用する地下井戸の水圧破砕に使用される。
実施形態22は実施形態1ないし21のいずれかにかかる装置を含み、該装置は強化地熱システム、強化石油採取、またはメタノール生産に使用される。
【0054】
実施形態23は実施形態1ないし22のいずれかにかかる装置を含み、該装置は各種化学工程、食品処理、石油、酪農、製造、蒸留/醸造、脱塩、溶液洗浄、低温殺菌、殺菌、水の加熱、廃熱回収、熱交換、脱脂、スラリーの加熱、洗濯、調理、ピックリング、または急冷および焼き戻しに使用される。
【0055】
実施形態24は実施形態1ないし23のいずれかにかかる装置を含み、該装置は発電所、ボイラープラント、合成燃料用の液化炭化水素の生産、または一酸化炭素と水素の混合物の液体炭化水素への変換(ベルギウス・デュスおよびフィッシャー・トロプシュ工程)のための新たな、および改良用途に使用される。
【0056】
実施形態25は実施形態1ないし24のいずれかにかかる装置を含み、該装置は生物ガス生産、ビール製造、強化石油採取、アスファルト製造施設、製鋼所、施肥工場、または石炭の液化および気化に使用される。
【0057】
実施形態26は実施形態1ないし25のいずれかにかかる装置を含み、該装置は高効率気体および粒子除去、煙および煙道ガスの清掃、あるいは各種気体流からの汚染物質の直接接触による湿式スクラバ内の試薬の中性化などの環境工程、に使用される。
【0058】
実施形態27は実施形態1ないし26のいずれかにかかる装置を含み、該装置は様々な商業用、住宅用、産業用加熱工程、化学物質回収、または地域エネルギーシステムに使用される。
【0059】
実施形態28は実施形態1ないし27のいずれかにかかる装置を含み、該装置は渦巻き型脱気器内の液体の脱気に使用されて、各種電力システム、商業用、住宅用、産業用加熱工程、または地域エネルギーシステム内の配管システムにおける移動中に生じる騒音を防止する。
【0060】
実施形態29は実施形態1ないし28のいずれかにかかる装置を含み、各種発電、商業用、住宅用、産業用加熱工程、または地域エネルギーシステムにおいて使用されて、液体が脱気器に入る前に不凝縮気体を除去する空気分離器をさらに含む。
【0061】
実施形態30は実施形態1ないし29のいずれかにかかる装置を含み、該装置は各種発電、商業用、住宅用、産業用加熱工程、または地域エネルギーシステムにおけるエマルジョンの生産に使用される。
【0062】
実施形態31は実施形態1ないし30のいずれかにかかる装置を含み、該装置は、給水の加熱および脱気、または冷却材喪失事故(LOCA)中の反応器の冷却のために、化石燃料発電所および原子力発電所で使用される。
【0063】
実施形態32は実施形態1ないし31のいずれかにかかる装置を含み、既存の加熱システムとの直接水圧ループとして動作する遷音速装置、乱流渦巻気体分離器/脱気器、制御ポンプ、多機能制御システムをさらに含む。
【0064】
実施形態33は実施形態1ないし32のいずれかにかかる装置を含み、高乱流熱交換器をさらに含み、既存の加熱システムからの水圧分離を提供する。
ごく限られた数の実施形態に関して本発明を詳細に説明したが、本発明は上記の開示した実施形態に限定されないことが容易に理解されるはずである。むしろ、本発明は、上述していないが、本発明の趣旨と範囲に一致する任意の数の変形、変更、置換、または等価構造を組み込むように変更することができる。また、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明の側面は記載した実施形態のいくつかのみを含んでもよいと理解すべきである。したがって、本発明は、上記の説明によって限定されず、添付の請求項の範囲によってのみ限定される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】