(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-538125(P2017-538125A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】センサ装置、特に自動車において使用するためのセンサ装置
(51)【国際特許分類】
G01L 13/00 20060101AFI20171124BHJP
G01L 19/14 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
G01L13/00 A
G01L19/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-532075(P2017-532075)
(86)(22)【出願日】2015年11月11日
(85)【翻訳文提出日】2017年8月15日
(86)【国際出願番号】EP2015076295
(87)【国際公開番号】WO2016096253
(87)【国際公開日】20160623
(31)【優先権主張番号】102014225861.8
(32)【優先日】2014年12月15日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エッカート シェルケス
(72)【発明者】
【氏名】ローラント ザイツ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ヴェアンレ
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB05
2F055CC60
2F055DD20
2F055EE40
2F055FF43
2F055GG12
2F055GG25
(57)【要約】
本発明は、センサ素子(1)を収容するためのケーシング(11)を備えている、特に自動車において使用するためのセンサ装置(10)に関し、センサ素子(1)は、コンタクト面(21乃至23)を有しており、コンタクト面(21乃至23)は、ケーシング(11)内に配置されている電気的なコネクタ端子(27)に、当接コンタクト(24乃至26)の領域において導電的に接続されており、センサ素子(1)には、特にケーシングカバーとして形成されているケーシング部材(13)の電気的な接触接続のために、当接コンタクト(24乃至26)の方向において力が加えられており、センサ素子(1)とケーシング(11)との間に、3点当接部の形態の載置部が形成されている。本発明によれば、センサ素子(1)が、少なくとも2つの測定装置(5、6)を有しており、少なくとも2つの測定装置(5、6)が、3点当接部を形成する3つのコンタクト面(21乃至23)を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ素子(1)を収容するためのケーシング(11)を備えている、特に自動車において使用するためのセンサ装置(10)であって、
前記センサ素子(1)は、コンタクト面(21乃至23)を有しており、当該コンタクト面(21乃至23)は、前記ケーシング(11)内に配置されている電気的なコネクタ端子(27)に、当接コンタクト(24乃至26)の領域において導電的に接続されており、
前記センサ素子(1)には、特にケーシングカバーとして形成されているケーシング部材(13)の電気的な接触接続のために、前記当接コンタクト(24乃至26)の方向において力が加えられており、
前記センサ素子(1)と前記ケーシング(11)との間に、3点当接部の形態の載置部が形成されている、センサ装置において、
前記センサ素子(1)は、少なくとも2つの測定装置(5、6)を有しており、
前記少なくとも2つの測定装置(5、6)は、前記3点当接部を形成する3つのコンタクト面(21乃至23)を有していることを特徴とする、センサ装置。
【請求項2】
前記当接コンタクト(24乃至26)は、実質的に点状乃至ドーム状であり、かつ、前記コンタクト面(21乃至23)は、特に矩形で平坦な形状を有しており、
各前記コンタクト面(21乃至23)の大きさは、前記コンタクト面(21乃至23)に対応付けられている前記当接コンタクト(24乃至26)の面積よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記測定装置(5、6)のセンサ表面(7、8)は、前記センサ素子(1)の反対側の端面(2、3)に配置されており、
前記コンタクト面(21乃至23)は、2つの前記端面(2、3)のうちの一方の端面の周辺部の領域に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
2つの前記センサ表面(7、8)の前記領域は、それぞれ弾性のシール部材(52、58)によって包囲されており、各前記シール部材(52、58)は、少なくとも1つの貫通開口部(53、60)を有しており、当該貫通開口部(53、60)によって、前記センサ表面(7、8)は、前記ケーシング(11)内に形成されている空気案内通路(51、55)に連通されていることを特徴とする、請求項3に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記ケーシング部材(13)は、係止接続部(30)を介して、前記ケーシング(11)のケーシングベース部(12)に接続可能であり、
前記ケーシング部材(13)と前記ケーシングベース部(12)との間に、別のシール部材(48)が配置されており、当該別のシール部材(48)は、前記ケーシング部材(13)と前記ケーシングベース部(12)との間の接続部を封止することを特徴とする、請求項4に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記係止接続部(30)、及び、前記ケーシング部材(13)に対向する前記シール部材(52)、及び、前記別のシール部材(48)によって、前記当接コンタクト(25乃至27)の方向において前記コンタクト面(21乃至23)に作用する当接力が形成されていることを特徴とする、請求項5に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記ケーシング(11)は、前記3点当接部の方向に前記センサ素子(1)をガイドするため、及び、正確な位置で位置決めするための第1のガイド手段(28)を有していることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記ケーシング(11)は、前記ケーシング部材(13)をガイドするため、及び、正確な位置で位置決めするための第2のガイド手段(38)を有していることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記ケーシング(11)は、幾何学的固定部(56)を有しており、当該幾何学的固定部(56)は、接続部材を、特にエアホースを前記ケーシング(11)に接続するために形成されていることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記コネクタ端子(27)は、ケーシング材料の射出成形によって、前記当接コンタクト(24乃至26)の領域において当該当接コンタクト(24乃至26)を露出させるように、前記ケーシング(11)内で取り囲まれていることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載されているセンサ装置、特に自動車において使用するためのセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
請求項1の上位概念に記載されているセンサ装置は、本出願人の独国特許出願公開第102011079446号明細書(DE102011079446A1)から公知である。圧力センサの形態で形成されている公知のセンサ装置は、複数の部品から成るケーシングを有しており、このケーシングの内部空間にはセンサ素子が配置されている。センサ面を有しているセンサ素子は、空気案内通路と作用的に連通されて配置されており、この空気案内通路は、ケーシング内に形成乃至成形されており、かつ、センサ面の領域に開口している。このようなセンサ装置は、例えば事故の識別に利用される。このために、公知のセンサ装置を、例えば車両ドアに配置することができ、この場合、衝突乃至変形によって、車両ドア内に存在する空気の急激な圧力上昇が生じ、この圧力上昇をセンサ装置によって検出することができる。これによって、センサ装置を例えば、エアバッグなどの所期のような駆動制御に利用することができる。上記刊行物から公知のセンサ装置においては、センサ素子の取付け乃至製造を簡略化するために、センサ素子が、当接コンタクトの領域において、ケーシング内に配置されているコネクタ端子に導電的に接続されている(電気的な)コンタクト面を有している。特に、接触接続は、コネクタ端子の当接コンタクトの方向においてセンサ素子に力を加えることだけで行われている。この際、当接コンタクト乃至ケーシングにおけるセンサ素子の確実で規定通りの当接を行うために、3点当接部の形態の載置部が利用される。このような3点当接部は、特に、センサ素子がケーシングに対して傾斜することを阻止する。このようにして傾斜を阻止しなければ、場合によっては、コンタクト面と当接コンタクトとの間で電気的な遮断部が生じる可能性がある。この際、3点当接部の必要とされる3つの載置点のうちの2つの載置点は、センサ素子の2つのコンタクト面と、それと協働する、コネクタ端子の当接コンタクトと、の間に形成され、それに対し、第3の載置面は、ケーシング内に成形されている相応の載置部によって実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011079446号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の開示
上記従来技術を基礎とする本発明の課題は、請求項1の上位概念に記載されているセンサ装置、特に自動車において使用するためのセンサ装置をさらに発展させ、ケーシング内でのセンサ素子の簡単かつ確実な取付け乃至接触を維持しながら、2つ以上の測定装置を有するセンサ素子も使用できるようにすることである。この種のセンサ装置を、例えばブレーキシステム、排ガスシステム又は吸気システムにおける差圧の検出に利用することができる。換言すれば、このことは特に、取付け時にセンサ素子の自動的な接触接続が実現され、その際にセンサ素子を介して、複数の測定装置が制御可能乃至読出し可能であるべきことが実現されるべきことを意味している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴部に記載のセンサ装置において、センサ素子が少なくとも2つの測定装置を有しており、かつ、少なくとも2つの測定装置が、3点当接部を形成する3つのコンタクト面を有していることによって解決される。換言すれば、このことは、本発明によれば冒頭で述べたような従来技術とは異なり、ケーシングとセンサ素子との間の当接面のうちの1つをケーシング自体によって形成する必要はない、ということを意味している。むしろ、3点当接部の3つすべての載置部が、電気的なコンタクト面乃至当接面によって形成される。
【0006】
本発明に係るセンサ装置の有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。本発明の枠内には、特許請求の範囲、明細書及び/又は図面に開示した特徴のうちの少なくとも2つの特徴から成るあらゆる組合せも含まれる。
【0007】
3点当接部の1つの好適な構造的な構成においては、当接コンタクトが実質的に点状乃至ドーム状であり、かつ、コンタクト面が特に矩形で平坦な形状を有しており、また、各コンタクト面の大きさが、コンタクト面に対応付けられている当接コンタクトの面積よりも大きい。これによって、コネクタ端子の当接コンタクトに対するセンサ素子の配列が場合によっては100%でなくても、十分に正確乃至確実な、センサ素子の接触接続が常に保証されている。特に、センサ素子と当接コンタクトとの間の事後的な相対移動によっても、センサ素子との電気的な接続部が遮断されることはない。
【0008】
さらに、センサ面を備えた2つの測定装置がセンサ素子の反対側の端面に配置されており、かつ、コンタクト面が2つの端面のうちの一方の端面の周辺部の領域に設けられているように、2つの測定装置が配置乃至形成されていることは特に好適である。このような配置は、特に、コンタクト面の縁部側の配置によって、コンタクト面間に可能な限り大きい間隔が形成され、それによって、傾斜に対する安全性が3点当接部では改善されるという利点を有している。それと同時に、コンタクト面の縁部側の配置は、比較的大きい領域を実現し、この比較的大きい領域には、相応の端面に対応付けられており、かつ、測定表面を備えた測定装置を配置することができる。
【0009】
最後に挙げた本発明の着想の構造的な発展形態においては、2つの測定装置の領域が、それぞれ弾性のシール部材によって包囲されており、各シール部材が少なくとも1つの貫通開口部を有しており、この貫通開口部によって、測定装置はケーシング内に形成されている空気案内通路に連通されている。このような構成は、特に、空気案内通路を介して、測定装置の方向に供給される空気が、漏れ損失なく完全に測定装置に作用するという利点を有している。シール部材のための材料として、例えばシリコーン又は類似の弾性材料が該当する。
【0010】
工具を必要とする付加的な接続部材を要することなく、可能な限り簡単な取付けを達成するために、ケーシング部材を、係止接続部を介して、ケーシングのケーシングベース部に接続することができ、かつ、ケーシング部材とケーシングベース部との間に、ケーシング部材とケーシングベース部との間の接続部を封止する別のシール部材が配置されている。このような構造的な構成は、係止接続を介して、当接面の方向においてセンサ素子に作用する、必要な当接力が形成され、また、それと同時に、ケーシングの媒体密な構成が達成され、この媒体密な構成においては、接続部が比較的簡単に構成されているにもかかわらず、有害な媒体、特に液体又は有害な蒸気がケーシング内部に到達することが阻止される。
【0011】
特に、そのような係止接続部によって、係止接続部、及び、ケーシング部材に対向するシール部材、及び、別のシール部材による、当接コンタクトの方向においてコンタクト面に作用する当接力を形成することができる。
【0012】
取付けプロセスを簡略化するために、さらに、ケーシングが、載置部の方向にセンサ素子をガイドするため、及び、正確な位置で位置決めするための第1のガイド手段を有している場合には有利である。このような第1のガイド手段を、例えば、基体に成形されたガイドリブ又はガイドウェブの形態で形成することができ、それらの相互の間隔乃至配置は、センサ素子を、正確な位置にのみ、その載置部の方向にガイド乃至移動させることができるように選択されている。
【0013】
さらに確実かつ信頼性の高い取付けのために、ケーシングが、ケーシング部材をガイドするため、及び、正確な位置で位置決めするための第2のガイド手段を有している。このような第2のガイド手段を、例えば、基体に成形されており、かつ、ケーシング部材における対応する収容部と協働するウェブなどの形態で形成することができる。特に、ウェブ及び収容部の対応する位置決めによって、ケーシング部材の取付けは、基体においてその取付けのために設けられている唯一の位置においてのみ実現される。
【0014】
さらに、2つの測定装置のうちの一方とセンサ素子を接続するために、ケーシングが幾何学的固定部を有しており、この幾何学的固定部は、接続部材を、特にエアホースをケーシングに接続するために形成されている場合には有利である。このような幾何学的固定部を、例えばソケットの形態で形成することができ、このソケットに接続部材をスライドさせることができる。これによって、特に、付加的な固定部材は不要になる。
【0015】
本発明のさらなる利点、特徴及び詳細は、有利な実施例の以下の説明並びに添付の図面より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】圧力センサ装置として自動車に設けられている本発明に係るセンサ装置の長手方向断面図を示す。
【
図2】
図1に示したセンサ装置において使用されるセンサ素子の斜視下面図を示す。
【
図3】
図1に示したセンサ装置のケーシングの構成部材として利用されるような基体の斜視図を示す。
【
図4】
図1のセンサ装置のケーシングの構成部材としての、カバーとして形成されているケーシング部材の斜視図を示す。
【0017】
図中、同一の構成部材、乃至、同一の機能を備えている構成部材には、同一の参照符号を付している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1には、差圧センサとして自動車において使用するために設けられているような、本発明に係るセンサ装置10が示されている。しかしながら、本発明は自動車に使用される圧力センサに限定されるべきではなく、相応に適合乃至修正することによって、その他の任意のセンサ装置に転用することもできる。
【0019】
センサ装置10は、ケーシング11を有しており、このケーシング11は、実質的にケーシングベース部12及びケーシングカバー13から成る。特に、
図1及び
図3の概観に基づいて見て取れるように、ケーシング11は、長いコネクタ端子領域14を含んでおり、このコネクタ端子領域14には、俯瞰的に見ると、実質的に円形に形成されており、かつ、
図2において詳細に示されているセンサ素子1を収容するための収容領域15が続いている。実質的にブロック状に形成されているセンサ素子1は、反対側の2つの端面2、3に、測定装置5、6の構成部材としてのセンサ表面7、8をそれぞれ1つずつ有している。
【0020】
センサ素子1の一方の端面2の領域には、センサ素子1を電気的に駆動制御するため、乃至、センサ素子1の接触接続を行うための3つのコンタクト面21乃至23が配置されている。コンタクト面21乃至23は、少なくともほぼ矩形の表面領域をそれぞれ有しており、2つのコンタクト面21、22は、センサ素子1の対向している長辺において、即ち、各周辺部の領域に設けられており、コンタクト面23は、センサ素子1の短辺の領域において、センサ素子1のコンタクト面21、22とは反対側に設けられている。センサ表面8を備えている測定装置6は、センサ素子1の略中央の領域に設けられている。即ち、測定装置6は、周縁部に配置されているコンタクト面21乃至23から距離をおいて設けられている。
【0021】
センサ素子1のコンタクト面21乃至23は、センサ素子1のケーシング11への組み付け状態においては、ケーシング11内に配置されているコネクタ端子27の端部領域を形成している当接コンタクト24乃至26に導電的に接続されている。全図中、
図1にのみコネクタ端子27が1つだけ示されている。コネクタ端子27は、ケーシング11乃至ケーシングベース部12の作製時に、ケーシングベース部12のプラスチック材料が射出成形されることによって部分的に取り囲まれるが、しかしながら、当接コンタクト24乃至26の領域は、ケーシングベース部12の材料によって覆われない状態に維持される。コンタクト面21乃至23に対向する当接コンタクト24乃至26は、特に、点状乃至ドーム状に形成されている。このことは、
図1及び
図3から見て取ることができる。
【0022】
さらに、特に
図3から見て取れるように、ケーシングベース部12は、収容領域15においてさらに、収容領域15の底部から突出しているウェブ状の、例えば6個のガイドリブ29の形態の第1のガイド手段28を有しており、その配置構成は、当接コンタクト24乃至26とコンタクト面21乃至23との接触接続を、その接触接続のために設けられている位置において実現する位置乃至場所においてのみ、ケーシングベース部12の収容領域15へのセンサ素子1の接合乃至挿入が実現されるように、センサ素子1の形状乃至横断面に適合されている。
【0023】
ケーシングカバー13とケーシングベース部12との接続は、係止接続部30を介して行われる。係止接続部30は、
図3に示されているように、それぞれが相互に120°ずらされて配置されている3つの係止突起部31乃至33と、ケーシングカバー13においてそれらの3つの係止突起部31乃至33と協働する3つの係止収容部34乃至36と、を有している。さらに、ケーシング11は、第2のガイド手段38を有しており、この第2のガイド手段38は例示的に、
図3から見て取れるように、相互にずらされて配置されている2つのガイドレール39、40と、ケーシングカバー13に形成されている2つのガイド収容部41、42と、を含んでいる。ガイドレール39、40及びガイド収容部41、42の相応の位置決めによって、ケーシングベース部12におけるケーシングカバー13の取付けを、相互に所定の角度位置においてのみ行うことができる。
【0024】
さらに、ケーシングカバー13は、相互に180°ずらされて配置されており、かつ、貫通開口部45、46を備えている翼状の2つの固定ラグ43、44を有しており、それらの固定ラグ43、44によって、センサ装置10は、接合された状態において、例えば車両の車体部にねじ固定することができる。
【0025】
ケーシングベース部12とケーシングカバー13との間には、リング状のシール49の形態の第1のシール装置が配置されている。シール49は、周囲から収容領域15に侵入する媒体に対して、特に液体に対して、ケーシング11をシーリングするために利用される。係止接続部30を介して、ケーシングカバー13をケーシングベース部12に取り付ける際に、ケーシングカバー13に配置されているシール49は、ケーシングベース部12の対応する載置面に作用的に接続され、その結果、シール49は封止機能を形成しながら、部分的に変形される。
【0026】
ケーシングカバー13の領域において、ケーシングカバー13は第1の空気案内通路51を有しており、この空気案内通路51は、測定装置5のセンサ表面7と作用的に連通されている。特に、第1の空気案内通路51を介して周囲圧力を検出することができる。ケーシングベース部12にケーシングカバー13を取り付けた状態においては、ケーシングベース部12とケーシングカバー13との間に、第2のシール装置52が配置されており、この第2のシール装置52は、
図4に示されているように、少なくともほぼ矩形に形成されており、また、第1の空気案内通路51の領域において、貫通開口部53を有している。係止接続部30を介して、ケーシングベース部12にケーシングカバー13を取り付けた際に、ケーシングカバー13は、第2のシール装置52が、第1の空気案内通路51の方向において、測定装置6のセンサ表面8を封止するように、第2のシール装置52を圧縮する。
【0027】
ケーシングベース部12は、さらに、第2の空気案内通路55を有しており、この第2の空気案内通路55は、センサ素子1に対向する側において、測定装置5のセンサ表面7の領域に開口している。第2の空気案内通路55は、自動車の別の装置と作用的に連通されており、例えばブレーキシステム、排ガス監視部などの部材に接続されている。このために、図示していない接続部材が、例えば、ケーシングベース部12の外周部に形成されている幾何学的固定部56を介してケーシング11に接続可能である管が、利用される。
【0028】
ケーシングベース部12の領域においては、さらに、第3のシール装置58が配置されており、この第3のシール装置58は、その材料の射出成形によって一体成形された又は挿入されたシール59の形態で形成されている。シール59は、第2の空気案内通路55と面一に配置されており、ケーシング11にセンサ素子1が取り付けられると、第2の空気案内通路55の方向において、漏れのない接続部を実現する貫通開口部60を有している。
【0029】
センサ装置10の個々の部品を取り付けた際に、先ず、センサ素子1がケーシングベース部12の収容領域15に挿入される。続いて、ケーシングカバー13が係止接続部30を介して、ケーシングベース部12と作用的に接続される。その際、構成部材の公差に起因して、係止接続部30は、ケーシングカバー13並びに2つのシール装置48及び52を介して、センサ素子1の方向において作用する軸方向の載置力を形成し、この載置力によって、センサ素子1のコンタクト面21乃至23が、コネクタコンタクト27の当接面24乃至26に導電的に接続される。それと同時に、センサ素子1を介して、第2の空気案内通路55に対応付けられている第3のシール装置58乃至シール59が圧縮され、その結果、それらの第3のシール装置58乃至シール59は、封止作用を達成することができる。
【0030】
ここまで説明したセンサ装置10を、多様な手法で、本発明の着想から逸脱することなく変更乃至修正することができる。例えば、ケーシングカバー13に、圧力補償部材を配置乃至形成することができる。これについては、限定を意図したものではないが、例えば本出願人の独国特許出願公開第102013208537号明細書(DE102013208537A1)を参照されたい。その限りにおいて、この刊行物は、本願の構成要素とみなされるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2017年9月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ素子(1)を収容するためのケーシング(11)を備えているセンサ装置(10)であって、
前記センサ素子(1)は、コンタクト面(21乃至23)を有しており、当該コンタクト面(21乃至23)は、前記ケーシング(11)内に配置されている電気的なコネクタ端子(27)に、当接コンタクト(24乃至26)の領域において導電的に接続されており、
前記センサ素子(1)には、ケーシング部材(13)の電気的な接触接続のために、前記当接コンタクト(24乃至26)の方向において力が加えられており、
前記センサ素子(1)と前記ケーシング(11)との間に、3点当接部の形態の載置部が形成されている、センサ装置において、
前記センサ素子(1)は、少なくとも2つの測定装置(5、6)を有しており、
前記少なくとも2つの測定装置(5、6)は、前記3点当接部を形成する3つのコンタクト面(21乃至23)を有していることを特徴とする、センサ装置。
【請求項2】
前記ケーシング部材(13)は、ケーシングカバーとして形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記当接コンタクト(24乃至26)は、点状乃至ドーム状であり、かつ、前記コンタクト面(21乃至23)は、平坦な形状を有しており、
各前記コンタクト面(21乃至23)の大きさは、前記コンタクト面(21乃至23)に対応付けられている前記当接コンタクト(24乃至26)の面積よりも大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記コンタクト面(21乃至23)は、矩形で平坦な形状を有していることを特徴とする、請求項3に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記測定装置(5、6)のセンサ表面(7、8)は、前記センサ素子(1)の反対側の端面(2、3)に配置されており、
前記コンタクト面(21乃至23)は、2つの前記端面(2、3)のうちの一方の端面の周辺部の領域に設けられていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項6】
2つの前記センサ表面(7、8)の領域は、それぞれ弾性のシール部材(52、58)によって包囲されており、各前記シール部材(52、58)は、少なくとも1つの貫通開口部(53、60)を有しており、当該貫通開口部(53、60)によって、前記センサ表面(7、8)は、前記ケーシング(11)内に形成されている空気案内通路(51、55)に連通されていることを特徴とする、請求項5に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記ケーシング部材(13)は、係止接続部(30)を介して、前記ケーシング(11)のケーシングベース部(12)に接続可能であり、
前記ケーシング部材(13)と前記ケーシングベース部(12)との間に、別のシール部材(48)が配置されており、当該別のシール部材(48)は、前記ケーシング部材(13)と前記ケーシングベース部(12)との間の接続部を封止することを特徴とする、請求項6に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記係止接続部(30)、及び、前記ケーシング部材(13)に対向する前記シール部材(52)、及び、前記別のシール部材(48)によって、前記当接コンタクト(25乃至27)の方向において前記コンタクト面(21乃至23)に作用する当接力が形成されていることを特徴とする、請求項7に記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記ケーシング(11)は、前記3点当接部の方向に前記センサ素子(1)をガイドするため、及び、正確な位置で位置決めするための第1のガイド手段(28)を有していることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項10】
前記ケーシング(11)は、前記ケーシング部材(13)をガイドするため、及び、正確な位置で位置決めするための第2のガイド手段(38)を有していることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項11】
前記ケーシング(11)は、幾何学的固定部(56)を有しており、当該幾何学的固定部(56)は、接続部材を前記ケーシング(11)に接続するために形成されていることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項12】
前記接続部材は、エアホースであることを特徴とする、請求項11に記載のセンサ装置。
【請求項13】
前記コネクタ端子(27)は、前記当接コンタクト(24乃至26)の領域において当該当接コンタクト(24乃至26)を露出させるように、前記ケーシング(11)内でケーシング材料によって取り囲まれていることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【請求項14】
自動車において使用するためのセンサ装置(10)であることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のセンサ装置。
【国際調査報告】