特表2017-538400(P2017-538400A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特表2017538400-ロッド物品分配装置 図000003
  • 特表2017538400-ロッド物品分配装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-538400(P2017-538400A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】ロッド物品分配装置
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/32 20060101AFI20171201BHJP
   A24D 3/02 20060101ALI20171201BHJP
   B65G 47/84 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   A24C5/32
   A24D3/02
   B65G47/84 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-523306(P2017-523306)
(86)(22)【出願日】2015年10月26日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月26日
(86)【国際出願番号】GB2015053198
(87)【国際公開番号】WO2016067000
(87)【国際公開日】20160506
(31)【優先権主張番号】1419197.7
(32)【優先日】2014年10月29日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100103285
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 順之
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ファロン、ゲイリー
【テーマコード(参考)】
3F072
4B044
4B045
【Fターム(参考)】
3F072AA13
3F072GC01
3F072GC03
3F072GC07
3F072GD01
3F072GG04
3F072GG19
3F072KC02
3F072KC06
3F072KE13
4B044CE00
4B045BD26
(57)【要約】
本出願は少なくとも2つの保管カラムの間にロッド物品(50)を分配するためのロッド物品分配装置(10)に関する。本装置(10)はロッド物品送り込み部(20)と、遊星ドラム構造を有するロッド分配機(30)と、少なくとも2つのロッド物品受け取りチャネル(41)とを有する。ロッド分配機(30)はロッド物品(50)を少なくとも2つのロッド物品受け取りチャネル(41)に分配するように構成されている。また本出願はロッド物品の製造装置および少なくとも2つの保管カラムの間にロッド物品を分配する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッド物品送り込み部と、
遊星ドラム構造を有するロッド分配機と、
少なくとも2つのロッド物品受け取りチャネルとを含み、
ロッド分配機はロッド物品を少なくとも2つのロッド物品受け取りチャネルに分配するように構成されている少なくとも2つの保管カラムの間にロッド物品を分配するためのロッド物品分配装置。
【請求項2】
ロッド物品分配機はロッド物品を少なくとも2つのロッド受け取りチャネルのそれぞれに落下させるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のロッド物品分配装置。
【請求項3】
少なくとも2つのロッド受け取りチャネルはロッド物品を対応するロッド保管ユニットの少なくとも2つの保管カラムに位置合わせし、それに供給するように構成されたロッド物品移送供給部を形成することを特徴とする請求項1または2記載のロッド物品分配装置。
【請求項4】
少なくとも2つの保管カラムを有するロッド保管ユニットをさらに含み、ロッド保管ユニットの少なくとも2つの保管カラムの間隔は少なくとも2つのロッド受け取りチャネルの間隔に対応することを特徴とする請求項3記載のロッド物品分配装置。
【請求項5】
遊星ドラム構造はサンドラムと、サンドラムの周囲の回転環状キャリアーと、自身の軸を中心に回転可能な遊星ドラムとを含み、環状キャリアーとサンドラムは共通の軸を中心に回転可能であり、遊星ドラムは回転環状キャリアー上にあることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のロッド物品分配装置。
【請求項6】
サンドラムは環状キャリアーより高速で回転することを特徴とする請求項5記載のロッド物品分配装置。
【請求項7】
遊星ドラムはキャリアーの接線速度と同じ接線速度を有することを特徴とする請求項5または6記載のロッド物品分配装置。
【請求項8】
サンドラムはロッド物品を受け取る溝が形成された外周面を含み、これらの溝は共通の軸を中心にした方向に互いに均一に間隔が空けられていることを特徴とする請求項6乃至8いずれか1項記載のロッド物品分配装置。
【請求項9】
ロッド物品送り込み部はサンドラムにロッド物品を供給するように構成された送り込みドラムを含むことを特徴とする請求項6乃至9いずれか1項記載のロッド物品分配装置。
【請求項10】
サンドラムはロッド送り込み部からサンドラムによってロッド物品が受け取られるようにするカム構造を含むことを特徴とする請求項5乃至9いずれか1項記載のロッド物品分配装置。
【請求項11】
ロッド分配機は各ロッド物品の長手方向軸が実質的に垂直に位置合わせされるように経路に沿ってロッド物品を通過させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載のロッド物品分配装置。
【請求項12】
請求項1乃至11いずれか1項記載のロッド物品分配装置を含むロッド物品の製造装置。
【請求項13】
遊星ドラム構造を有するロッド物品分配機を使用して少なくとも2つのロッド物品受け取りチャネルの間にロッド物品送り込み部からロッド物品を分配することを含む少なくとも2つの保管カラムの間にロッド物品を分配する方法。
【請求項14】
遊星ドラム構造のサンドラム上のロッド物品を拾い上げることおよびロッド物品を減速させてロッド物品を少なくとも2つのロッド受け取りチャネルのそれぞれに落下させる遊星ドラム構造の遊星ドラムを使用することを含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
遊星ドラムをそれ自体の軸および遊星ドラムを支持するキャリアーの軸を中心に回転させることおよびサンドラムをキャリアーの回転速度より高速で回転させることを含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロッド物品分配装置に関する。また本発明はロッド物品の製造装置および少なくとも2つの保管カラムの間にロッド物品を分配する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
壊れやすいロッド物品の製造時にそれらをコンベアドラム装置に沿って通過させることが知られている。しかしながら、高速製造経路からロッド物品を損傷せずにそれらを取り除くのは困難であることが知られている。さらにそのようなロッド物品はロッド物品に欠陥を生じさせずに保管のために分配される必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の1つの実施態様ではロッド物品送り込み部と、遊星ドラム構造を有するロッド分配機と、少なくとも2つのロッド物品受け取りチャネルとを含み、ロッド物品分配機はロッド物品を少なくとも2つのロッド物品受け取りチャネルに分配するように構成されている少なくとも2つの保管カラムの間にロッド物品を分配するためのロッド物品分配装置が提供される。
【0004】
ロッド物品分配機はロッド物品を少なくとも2つのロッド受け取りチャネルのそれぞれに落下させるように構成されていてもよい。
【0005】
2つのロッド受け取りチャネルはロッド物品を対応するロッド保管ユニットの少なくとも2つの保管カラムに位置合わせし、それに供給するように構成されたロッド物品移送供給部を形成してもよい。
【0006】
本発明のロッド物品分配装置は少なくとも2つの保管カラムを有するロッド保管ユニットをさらに含んでもよく、ロッド保管ユニットの少なくとも2つの保管カラムの間隔は少なくとも2つのロッド受け取りチャネルの間隔に対応する。
【0007】
ロッド受け取りチャネルは互いに実質的に平行に延びていてもよい。
【0008】
遊星ドラム構造はサンドラムと、サンドラムの周囲の回転環状キャリアーと、自身の軸を中心に回転可能な遊星ドラムとを含んでもよく、環状キャリアーとサンドラムは共通の軸を中心に回転可能であり、遊星ドラムは回転環状キャリアー上にある。
【0009】
サンドラムは環状キャリアーより高速で回転してもよい。
【0010】
遊星ドラムはキャリアーの接線速度と同じ接線速度を有してもよい。
【0011】
サンドラムはロッド物品を受け取る溝が形成された外周面を含んでもよく、これらの溝は共通の軸を中心にした方向に互いに均一に間隔が空けられてもよい。
【0012】
ロッド物品送り込み部はサンドラムにロッド物品を供給するように構成された送り込みドラムを含んでもよい。
【0013】
サンドラムはロッド送り込み部からサンドラムによってロッド物品が受け取られるようにするカム構造を含んでもよい。
【0014】
サンドラムは共通の軸に対して平行な方向に互いに可動であるセグメントを含んでもよい。
【0015】
これらのセグメントはロッド送り込み部からサンドラムによってロッド物品が受け取られるように互いに可動であってもよい。
【0016】
ロッド分配機は各ロッド物品の長手方向軸が実質的に垂直に位置合わせされるように経路に沿ってロッド物品を通過させるように構成してもよい。
【0017】
本発明の別の態様では請求項1乃至11いずれか1項記載のロッド物品分配装置を含むロッド物品製造装置が提供される。
【0018】
本発明の別の態様では遊星ドラム構造を有するロッド物品分配機を使用して少なくとも2つのロッド物品受け取りチャネルの間にロッド物品送り込み部からロッド物品を分配することを含む少なくとも2つの保管カラムの間にロッド物品を分配する方法が提供される。
【0019】
本発明の方法は遊星ドラム構造のサンドラム上のロッド物品を拾い上げることおよびロッド物品を減速させてロッド物品を少なくとも2つのロッド受け取りチャネルのそれぞれに落下させる遊星ドラム構造の遊星ドラムを使用することをさらに含んでもよい。
【0020】
本発明の方法は遊星ドラムをそれ自体の軸および遊星ドラムを支持するキャリアーの軸を中心に回転させることおよびサンドラムをキャリアーの回転速度より高速で回転させることをさらに含んでもよい。
【0021】
本発明の実施態様を添付図面を参照してあくまで例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明によるロッド物品分配装置の一部の前面図である。
図2図1に示したロッド物品分配装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照すると図1はロッド物品分配装置10の一部を示す。ロッド物品分配装置10はロッド物品送り込み部20と、ロッド物品分配機30と、ロッド物品移送供給部40とを含む。
【0024】
ロッド物品分配機30は遊星ドラム構造31を有する。ロッド物品分配機30はロッド物品をロッド物品50を保管することができる後続の保管段階の方に移送するために使用される。ロッド物品分配装置30はロッド物品分配経路を画定している。ロッド物品分配装置10は壊れやすくおよび/または脆いロッド物品50、例えばガラスから形成されたものまたはガラスを含むものに使用可能である。ロッド物品50は長尺の円筒状の物品であり、通常10mm以下の直径を有する。ロッド物品は長手方向軸を有する。
【0025】
ロッド物品50はタバコ産業製品を形成するまたはタバコ産業製品の一部を形成する部材であってもよい。タバコ産業製品は通常、a)紙巻きタバコ、シガリロ、シガー、パイプまたは手巻きタバコ用のタバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているか否かに関係なく)、b)タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品を組み込んだ嗅ぎタバコ、スヌース、ハードタバコなどの非喫煙製品およびガラス繊維がチャコール部材で巻かれたタバコ加熱装置などのタバコ加熱装置 およびc)吸入器、電子タバコなどのエアロゾル発生装置、トローチ剤およびガムなどのタバコのニコチン送出システムを含むタバコ産業で製造されるまたは販売されるあらゆる品目を意味する。この例はこれ以外のもの排除するものではなく、単にタバコ産業で製造、販売されている一連の製品を例示しているに過ぎない。
【0026】
特にロッド物品50は喫煙品または喫煙品の一部を形成する部材であってよい。喫煙品の一部を形成するロッド物品50はフィルター、タバコロッドまたは喫煙品の別の部分に含有される部材であってもよい。本明細書中に使用する「喫煙品」なる用語は、タバコ、タバコ派生品、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品をベースにしているかに関係なく紙巻きタバコ、シガーおよびシガリロなどの喫煙可能な製品、またタバコ加熱装置および電子タバコを含むエアロゾル発生装置などの他のニコチン送出製品を含む。喫煙品には喫煙者によって吸引される気体流用のフィルターを設けてもよい。
【0027】
ロッド物品50は異なる材料から形成されてもよく、または例えばガラス、セラミックおよびカーボンなどの材料の組み合わせたものであってもよい。
【0028】
ロッド物品送り込み部20は送り込みドラム21を含む。送り込みドラム21はローラーとしても知られている回転ドラムである。送り込みドラム21は中央軸を中心に回転可能である。送り込みドラム21には公知の手段によってロッド物品50が供給される。例えば、送り込みドラム21にはコンベアドラム装置(図示せず)からロッド物品60が供給されてもよい。コンベアドラム装置はロッド物品50を製造することができる。
【0029】
送り込みドラム21はロッド物品50を受け取るための複数の溝22を含む。溝22は送り込みドラム21の外周面23で軸方向に延びている。ロッド物品50は負の空気圧によって溝22に保持される。ロッド物品50は負の空気圧を取り除くまたは正の空気圧を加えることによって溝22から解放される。空気圧差は溝22の面で1つ以上の空気穴を適用される。
【0030】
送り込みドラム21は溝22に受けられたロッド物品50をその長手方向軸を横切る方向に移動させる。即ち、ロッド物品50はその長手方向軸に対して直交または実質的に直交する方向に移動させられる。溝23は中央軸を中心にした方向に互いに均一に間隔が空けられている。
【0031】
ロッド物品取り込み部20はロッド物品50をロッド物品分配機30へと搬送する。本実施態様ではロッド物品取り込み部20は取り込みドラム21であるが、当然のことながらこれとは別の構成も可能である。別の構成ではロッド物品取り込み部20はコンベアベルトまたはロッド物品をロッド物品分配機30へと輸送するための他の手段を含む。ロッド物品取り込み部20はロッド物品50をコンベアドラム装置(図示せず)からロッド分配機30へと移送する。即ち、ロッド物品がコンベアドラム装置から受け取られる位置から送り込みドラム21が遊星ドラム装置30のサンドラム32と交わる位置である。この位置で送り込みドラム21のロッド物品50はサンドラム32の対応する溝33に供給される。
【0032】
遊星ドラム構造31はサンドラム32と、遊星ドラム34と、回転可能な環状キャリアー35とを含む。サンドラム32は中央ドラムを形成する。遊星ドラム34はサンドラム32の周囲の円周構造に配置されている。遊星ドラム34はキャリアー35によって支持されている。キャリアー35は中心軸を中心に回転可能である。サンドラム32はキャリアー35内に配置され、キャリアー35と同じ共通の軸を中心に回転可能である。
【0033】
サンドラム32の外方円周面はキャリアー35の内面に向いている。サンドラム32の外方円周面にはサンドラム32が回転可能な共通の軸に平行に延びた溝32が形成されている。図1に示す特定の実施態様ではサンドラム32の外方円周面には30個の溝33が形成されている。溝の数は異なってもよい。各溝33は1本のロッド物品50を担持してもよい。ロッド物品50は溝33に形成されたバルブ作動の穴(図示せず)を介してロッド物品50を吸引することによって溝33に保持される。30個の溝は共通の軸を中心にした回転方向に互いに等しく間隔が空けられている。しかしながら、この構成は任意であり、別の構成ではサンドラム32の外面に1つまたは複数の群の溝が形成されるように溝33はいくつかの群に形成される。
【0034】
図に示す実施態様では回転可能な環状キャリアー35によって支持されている8つの遊星ドラム34がある。8つの遊星ドラム34が示されているが、当然のことながら遊星ドラム34の数は異なってもよい。各遊星ドラム34はそれら自身の中心軸を中心に時計方向に回転可能であり、キャリアー35はそれ自身の中心軸を中心に反時計方向に回転可能である。各遊星ドラム34は6つの溝36を有し、各溝36はサンドラム32の対応する溝32の1つから少なくとも1つのロッド物品50を受け取るように構成されている。溝36の数は異なってもよい。各遊星ドラム34の溝36は遊星ドラムの中央軸を中心にした回転方向に互いに等しい間隔が空けられている。各遊星ドラム34の溝36の間隔はサンドラム32の溝33の間隔に対応している。ロッド物品50は溝36に形成されたバルブ作動の穴(図示せず)を介してロッド物品50を吸引することによって溝36に保持される。
【0035】
ロッド物品移送供給部40は9つのチャネル41を含む。チャネル41は互いに間隔が空けられている。チャネル41は羽42によって形成されている。チャネル41はロッド物品50をそれに沿って通過させるように構成されている。各チャネル41は1つのロッド物品50に対応する幅を有するが、これは任意である。チャネル41は長尺であり、垂直に延びるように構成されている。各チャネル41は入り口43を有している。入り口43はロッド物品50を受け取るように構成されている。入り口43はロッド物品分配機30からロッド物品50を受け取る。ロッド物品移送供給部40はロッド物品分配機30の下方に配置されている。即ち、ロッド物品分配機30によって担持されているロッド物品50はロッド物品移送供給部40に落下することができる。各チャネル41の入り口43は各遊星ドラム34の溝36からロッド物品50を受け取るように構成されている。各チャネル41は出口44を有する。各出口44はロッド保管ユニット(図示せず)の対応する保管カラム(図示せず)と合致するように構成されている。ロッド保管ユニットはロッド物品移送供給部40の出口44の下方に位置している。チャネル41はロッド物品50を対応する保管カラムに供給するように構成されている。
【0036】
トレイとも呼ばれるロッド保管ユニット(図示せず)は対向する側壁(図示せず)とこれら側壁の間を延びている仕切り(図示せず)とを含む。仕切りは保管カラムを画定している。保管カラムは互いに平行に延びている。ロッド保管ユニットの上端部は それを介してロッド物品50を受け取ることができるように開口している。ロッド移送供給部40のチャネル41の間隔は、ロッド保管ユニットの保管カラムの間隔に対応する。従って、ロッド物品移送供給部40のチャネル41は ロッド保管ユニットの保管カラムと位置合わせ可能である。ロッド物品50の1つがチャネルの1つの出口44から供給されると、それはチャネルと位置合わせされた対応する保管カラムに受け取られる。
【0037】
ロッド物品50は送り込みドラム21の溝22からサンドラム32の溝33上に移送され、それから遊星ドラム34の溝36上に移送される。その後、ロッド物品50はロッド物品移送供給部40のチャネル41へと移送される。サンドラム32の接線速度は送り込みドラム21の接線速度に対応する。送り込みドラム21は時計方向に回転する。サンドラム32は反時計方向に回転する。サンドラム32には送り込みドラム21からロッド物品50が連続的に供給される。
【0038】
遊星ドラム32のそれら自体の軸を中心に回転する際の回転は、サンドラム32の溝33内のロッド物品50が遊星ドラム34の溝36へ移送されるようにサンドラム32の回転に対応する。サンドラム32はキャリアー33より速い角速度で回転するように構成されている。遊星ドラム36のそれら自体の軸を中心に回転する際の接線速度は、ロッド物品50が解放され、チャネル41の入り口43の1つに落下するように反対方向に回転するキャリアー35の接線速度に等しい。従って、ロッド物品50は回転経路に沿った高接線速度から直線経路に沿った低速へと移送される。従って、ロッド物品50は減速する。その後ロッド物品50はチャネル41に沿って通過し、対応するロッド保管ユニットの保管カラム(図示せず)内に入る。当然のことながら送り込みドラム21、サンドラム32および遊星ドラム34の溝22、33、36に形成された穴のバルブは、ロッド物品50が上述のように拾い上げられ、移送されそして解放されるように真空が正しい位置で適用されるように作動する。
【0039】
ロッド物品分配装置10は単一の支持体で支持されてもよく、あるいはロッド物品分配装置10の構成部品がいくつかの別個の支持体で支持されてもよい。
【0040】
ロッド物品移送供給部40は9つのチャネル41を含むものに限定されない。当然のことながら各部材の大きさ、チャネル、遊星ドラムおよびそれらの溝の数並びにサンドラムの溝の数、ロッド物品の所望の分配速度並びに分配されるロッド物品の大きさに適合するように変更することができる。
【0041】
遊星ドラム34、キャリアー35およびサンドラム32はモーター(図示せず)などの伝達機構によって駆動される一組のギアおよびシャフト(図示せず)によって作動する。種々のギア/駆動装置は当業者には明らかである。遊星ドラム34がキャリアー35によって回転している際の遊星ドラム34の回転運動は周転円運動として説明することができる。1つの実施態様では 遊星ドラム34、キャリアー35およびサンドラム32は 遊星ドラム34が共通の軸を中心に反対方向に周転円運動するように上述の方向とは反対方向に回転する。
【0042】
図2を参照するとサンドラム32は送り込みドラム32のロッド物品50がサンドラム32に移送されるようにサンドラム32の溝33と送り込みドラム32のロッド物品50を位置合わせするように構成されたカム装置37を含む。本実施態様ではバレルカム装置が使用されているが、当然のことながら例えばプレートカム装置などの同様の移動を供する別の構造を使用してもよい。
【0043】
本構成ではサンドラム32は固定されたバレル(図示せず)によって支持された可動セグメント38を含む。図ではセグメント38が明確に示されるようにバレルが省略されている。バレルの外方円周面にはバレルの円周面に向いたセグメント38の内面に形成された対応するカムまたはトラックと協働するバレルカムが形成されている。セグメント38はセグメント38の端部に配置された2つのリング構造(図示せず)によってセグメント38がこれらリング構造の間に挟まれるように支持されている。リング構造にはセグメントの穴に配置されたピンが形成されている。リング構造は共通の軸を中心に回転するように構成され、それらのピンがセグメント38に配置されているので、セグメント38はその共通の軸を中心にリング構造と回転する。セグメントの内面のカムまたはトラックと協働するバレルは、リング構造とセグメント38がバレルを中心に回転する際にセグメント38を互いに対してサンドラム32の共通の軸に対して平行な方向に移動させる。セグメント38がバレルを中心に回転すると、セグメント38は拾い上げ位置合わせ39aから落下位置39bへと移動する。セグメント38はそれらが送り込みドラム21の近くにあるとき拾い上げ位置39aにあり、ロッド物品移送供給部40の近くにあるとき落下位置39bにある。サンドラム32の可動セグメント38はキャリアー35および/または遊星ドラム34の干渉を受けずに送り込みドラム21からサンドラム32とロッド物品50を移送することができる。特に可動セグメント38は、送り込みドラム21がサンドラム32と係合するようにキャリアー35と送り込みドラム21を重ならせることができる。
【0044】
ロッド物品分配装置10の操作をここで詳しく説明する。キャリアー35は反時計方向に回転し、第1の遊星ドラム34が9つ一組のチャネル41に近づく。第1遊星ドラム34がそれ自体の軸を中心に時計方向に回転すると、サンドラム32の溝33に保持されたロッド物品50は、ロッド物品50が第1遊星ドラム34の各溝に位置するように第1遊星ドラム34に移送される。第1遊星ドラム34が高回転速度で回転してロッド物品50を拾い上げると、それは同時にロッド物品移送供給部40の対応するチャネル41の1つと位置合わせされたロッド物品50を落下させる。遊星ドラム34が共通の軸を中心にした軌道経路をキャリアー35の回転によってたどると、ロッド物品50は減速し、溝36から解放されると対応するチャネル41内に落下する。チャネル41が9つあり、各遊星ドラム34が6つの溝36を有するので、 各遊星ドラム34はキャリアー35が一回転するごとに9つのロッド物品50をロッド物品移送供給部34へと移送する。従って、各遊星ドラム34の最初の3つの溝36は2つのロッド物品50を一回の回転で移送する。ロッド物品50はその後チャネル41によって対応するロッド保管ユニット(図示せず)の保管カラム(図示せず)内に案内される。この構成によってロッド物品50を複数の保管カラム(図示せず)に分配することが可能になる。この分配はロッド物品50への損傷につながる各ロッド物品50の大きな力を作用させずに急速に行ってもよい。さらに遊星ドラム構造はロッド物品50を送り込みドラム21の回転速度から静止状態へと急に減速させる。
【0045】
上述の実施態様では遊星ドラム構造31は、ロッド物品分配経路に沿ってロッド物品50を通過させるように構成されており、この経路においてロッド物品50がロッド物品分配経路を通過する際に各ロッドの長手方向軸が実質的に水平に位置合わせされる。この構成によってロッド物品は各遊星ドラム34から重力でロッド物品移送供給部40の対応するチャネル41の1つに供給される。しかしながら、当然のことながら遊星ドラム構造の向きは異なってもよい。例えば、別の実施態様では遊星ドラム構造31はロッド物品50がロッド物品分配経路に沿って通過する際に各ロッドの長手方向軸が実質的に垂直方向に位置合わせされるロッド物品分配経路に沿ってロッド物品50を通過させるように構成されている。このような実施態様では ロッド物品50は付勢部材(図示せず)を使用してロッド物品移送供給部40の対応するチャネル41へと移送されてもよい。このような付勢部材は付勢指部を含んでもよく、これはロッド物品をその溝36から対応するチャネル41の1つ内に動かすように作動する。
【0046】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、優れたロッド物品分配装置を提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2017年5月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッド物品送り込み部と、
遊星ドラム構造を有するロッド分配機と、
少なくとも2つのロッド物品受け取りチャネルとを含み、
ロッド分配機はロッド物品を少なくとも2つのロッド物品受け取りチャネルに分配するように構成され
少なくとも2つのロッド受け取りチャネルはロッド物品を対応するロッド保管ユニットの少なくとも2つの保管カラムに位置合わせし、それに供給するように構成されたロッド物品移送供給部を形成する、少なくとも2つの保管カラムの間にロッド物品を分配するためのロッド物品分配装置。
【請求項2】
ロッド物品分配機はロッド物品を少なくとも2つのロッド受け取りチャネルのそれぞれに落下させるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のロッド物品分配装置。
【請求項3】
少なくとも2つの保管カラムを有するロッド保管ユニットをさらに含み、ロッド保管ユニットの少なくとも2つの保管カラムの間隔は少なくとも2つのロッド受け取りチャネルの間隔に対応することを特徴とする請求項記載のロッド物品分配装置。
【請求項4】
遊星ドラム構造はサンドラムと、サンドラムの周囲の回転環状キャリアーと、自身の軸を中心に回転可能な遊星ドラムとを含み、環状キャリアーとサンドラムは共通の軸を中心に回転可能であり、遊星ドラムは回転環状キャリアー上にあることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のロッド物品分配装置。
【請求項5】
サンドラムは環状キャリアーより高速で回転することを特徴とする請求項記載のロッド物品分配装置。
【請求項6】
遊星ドラムはキャリアーの接線速度と同じ接線速度を有することを特徴とする請求項または記載のロッド物品分配装置。
【請求項7】
サンドラムはロッド物品を受け取る溝が形成された外周面を含み、これらの溝は共通の軸を中心にした方向に互いに均一に間隔が空けられていることを特徴とする請求項乃至いずれか1項記載のロッド物品分配装置。
【請求項8】
ロッド物品送り込み部はサンドラムにロッド物品を供給するように構成された送り込みドラムを含むことを特徴とする請求項乃至いずれか1項記載のロッド物品分配装置。
【請求項9】
サンドラムはロッド送り込み部からサンドラムによってロッド物品が受け取られるようにするカム構造を含むことを特徴とする請求項乃至いずれか1項記載のロッド物品分配装置。
【請求項10】
ロッド分配機は各ロッド物品の長手方向軸が実質的に垂直に位置合わせされるように経路に沿ってロッド物品を通過させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載のロッド物品分配装置。
【請求項11】
請求項1乃至1いずれか1項記載のロッド物品分配装置を含むロッド物品の製造装置。
【請求項12】
遊星ドラム構造を有するロッド物品分配機を使用して少なくとも2つのロッド物品受け取りチャネルの間にロッド物品送り込み部からロッド物品を分配することを含み、少なくとも2つのロッド受け取りチャネルはロッド物品を対応するロッド保管ユニットの少なくとも2つの保管カラムに位置合わせし、それに供給するように構成されたロッド物品移送供給部を形成する、少なくとも2つの保管カラムの間にロッド物品を分配する方法。
【請求項13】
遊星ドラム構造のサンドラム上のロッド物品を拾い上げることおよびロッド物品を減速させてロッド物品を少なくとも2つのロッド受け取りチャネルのそれぞれに落下させる遊星ドラム構造の遊星ドラムを使用することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
遊星ドラムをそれ自体の軸および遊星ドラムを支持するキャリアーの軸を中心に回転させることおよびサンドラムをキャリアーの回転速度より高速で回転させることを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【国際調査報告】