(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-538560(P2017-538560A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】美容用またはケア用の製品を塗布するためのアプリケータ
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20171201BHJP
【FI】
A45D34/04 510Z
A45D34/04 510A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-542316(P2017-542316)
(86)(22)【出願日】2015年11月3日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月27日
(86)【国際出願番号】EP2015075600
(87)【国際公開番号】WO2016071338
(87)【国際公開日】20160512
(31)【優先権主張番号】1460591
(32)【優先日】2014年11月3日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】エリック・コリエ
(57)【要約】
長手方向軸(X)に沿って延びる、美容用またはケア用の製品を塗布するためのアプリケータ(3)であって、-アプリケータ部材(6)と、-アプリケータ部材(6)のためのホルダ(5)と、-製品の塗布中にユーザがアプリケータ(3)を保持できるようにする把持面を画定するハンドル(10)であって、少なくともその長さの一部に沿って、形状記憶により変形可能である、ハンドル(10)と、を有するアプリケータ(3)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸(X)に沿って延びる、美容用またはケア用の製品を塗布するためのアプリケータ(3)であって、
− アプリケータ部材(6)と、
− 前記アプリケータ部材のためのホルダ(5)と、
− 前記製品の塗布中にユーザが前記アプリケータを保持できるようにする把持面を画定するハンドル(10)であって、少なくともハンドル(10)の長さの一部に沿って、形状記憶により変形可能である、ハンドル(10)と、
を有する、アプリケータ(3)。
【請求項2】
前記ハンドル(10)が、最初、前記アプリケータの前記長手方向軸(X)に沿って直線的に、変形することなく延びている、請求項1に記載のアプリケータ(3)。
【請求項3】
前記ハンドル(10)が、25mm超、さらに良いのは、30mm超または40mm超の長さ(L1)に沿って延びる、請求項1または2に記載のアプリケータ(3)。
【請求項4】
前記ハンドル(10)は、形状記憶により変形可能であるとともに20mmから100mmの間、さらに良いのは、30mmから90mmの間の長さ(L2)に沿って延びる部分が変形可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載のアプリケータ(3)。
【請求項5】
前記ハンドル(10)が、前記ハンドル(10)の近位端に配置された変形不可能な部分を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のアプリケータ(3)。
【請求項6】
前記ハンドル(10)が、形状記憶により変形可能であるとともに第1の材料、特に、可鍛性の金属材料から作られているコア(11)と、第2の材料から作られた、前記コアをカバーするシースと、を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のアプリケータ(3)。
【請求項7】
前記アプリケータ部材(6)のための前記ホルダ(5)が、剛性である、請求項1から6のいずれか一項に記載のアプリケータ(3)。
【請求項8】
前記ハンドル(10)が、360°にわたって変形され得るように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のアプリケータ(3)。
【請求項9】
前記ハンドル(10)を変形させるためにユーザによって加えられる力が、0.5Nから10Nの間である、請求項1から8のいずれか一項に記載のアプリケータ(3)。
【請求項10】
前記ハンドル(10)は、前記ハンドル(10)がユーザによって最大限に変形されると、前記アプリケータのホルダの前記長手方向軸(X)に対する前記ハンドルの近位端の傾斜が360°よりも大きくなるように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のアプリケータ(3)。
【請求項11】
塗布されることになる美容用またはケア用の製品、特に、アイライナーを収容する容器(2)と、請求項1から10のいずれか一項に記載のアプリケータ(3)と、を有するパッケージングおよび塗布デバイス(1)。
【請求項12】
前記製品が、液体である、請求項11に記載のパッケージングおよび塗布デバイス(1)。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載のアプリケータ(3)、または請求項11もしくは12に記載のパッケージングおよび塗布デバイス(1)が、瞼上にラインを描くために使用される、瞼に化粧するための方法。
【請求項14】
請求項1から10のいずれか一項に記載のアプリケータ(3)、または請求項11もしくは12に記載のパッケージングおよび塗布デバイス(1)を使用する化粧方法であって、以下のステップ、
a)前記アプリケータ(3)の前記ハンドル(10)を所与の形状にするために、前記アプリケータ(3)の前記ハンドル(10)が変形される、ステップと、
b)前記製品は、前記所与の形状の前記アプリケータ(3)の前記ハンドル(10)により塗布される、ステップと、
が実施される、化粧方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容用またはケア用の製品、特に化粧用製品を、唇または人間の他のケラチン物質、特に皮膚、爪、睫毛、または髪の毛に塗布することに関する。製品は、アイライナー、アイシャドウ、マスカラ、リップグロス、口紅、マニキュア液などの化粧用製品、またはケア用製品とすることができる。
【0002】
本発明は、より詳細には、ただし限定するものではないが、アイシャドウまたはアイライナーを瞼に、またはマニキュア液を爪に、またはマスカラを睫毛に塗布するためのアプリケータ、またそのようなアプリケータを備えるパッケージおよび塗布デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、可撓性シャフトと、この可撓性シャフトを屈曲位置に維持するための手段とを有する筆記用の鉛筆を開示している。
【0004】
特許文献2においては、化粧用ブラシが、金属フェルールによってハンドル上に保持される。
【0005】
特許文献3および特許文献4の主題は、マニキュア液アプリケータであり、そのステムは、形状記憶可撓性狭窄部、および非可撓性の下側半分を有する。
【0006】
特許文献5は、用途にある程度の柔軟性を与えるためにエラストマから作られている部分によりハンドルをアプリケータ自体の上で折り曲げたアプリケータを開示している。
【0007】
特許文献6および特許文献7は、マスカラアプリケータに関し、そのステムは、可撓性であり、それらが、囲みスリーブから解放されるとき、スプリング効果により屈曲する。
【0008】
最後には、特許文献8、特許文献9、および特許文献10は、ボールジョイントまたは回転ピンを介して連接された(articulated)ハンドルを有するアプリケータに関する。
【0009】
ユーザがアプリケータ部材を保持するやり方を改善しようとする試みによって、化粧作業をより容易にしようとするアプリケータが提案されている製造が可能になったアプリケータが幅広く多様であるにもかかわらず、化粧作業は、依然として、難しいままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第1950960号
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0083953号
【特許文献3】EP1504691
【特許文献4】FR2858529
【特許文献5】WO2008/025443
【特許文献6】米国特許第4428388号
【特許文献7】米国特許第6309125号
【特許文献8】EP1369055
【特許文献9】EP1369059
【特許文献10】WO2012/168874
【特許文献11】FR2933281
【特許文献12】FR2947702
【特許文献13】FR2890296
【特許文献14】米国特許第7077592号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
結果として、別段、達成される化粧成果の質を損なうことなく、この作業を改善する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのため、本発明の主題は、その態様のうちの第1の態様によれば、長手方向軸Xに沿って延びる、美容用またはケア用の製品を塗布するためのアプリケータであり、このアプリケータは、
- アプリケータ部材と、
- アプリケータ部材のためのホルダと、
- 製品の塗布中にユーザがアプリケータを保持できるようにする把持面を画定するハンドルであって、少なくともその長さの一部に沿って、形状記憶により変形可能である、ハンドルと、を有する。
【0013】
「形状記憶により変形可能(deformable with shape memory)」という表現は、ハンドルが、ユーザによって所与の形状が与えられるように、塑性変形によって変形され得ること、およびハンドルは、それが格納されている間、またはアプリケータが、美容用またはケア用の製品を塗布するために使用されている間、少なくともユーザによって次に意図的に変形されるまで、その形状を保つことができることを意味すると理解すべきである。ハンドルは、形状記憶によるその可鍛性のおかげで、連接部を有しないことが可能である。具体的には、ハンドルは、ボールジョイントおよびスプリングを有しない場合がある。
【0014】
「ホルダ(holder)」は、ハンドルにアプリケータ部材を嵌めるための、アプリケータの、好ましくは剛性の一部を示す。ホルダは、ステムを有することができる。ホルダは、任意の手段によって、たとえば、中でもとりわけ、スナップ留め、圧力嵌め、ねじ式連結、接着剤接合、オーバーモールド、圧着によって、ハンドルの遠位端に固定され得る。
【0015】
「ハンドル(handle)」は、アプリケータの通常の使用中に、ユーザによって保持され、ユーザの指に接触するようになるアプリケータの一部であると理解される。
【0016】
したがって、本発明によるアプリケータは、ハンドルの形状の選択に関して、ハンドルの形状をユーザの手の形態および/またはユーザの個人的な嗜好に適合させて、所与の化粧効果を生み出すことを可能にする。ユーザは、製品の塗布をより容易にする、かつユーザが鏡を見ながら製品を塗布する場合、できるだけユーザを妨げないようにする、人間工学的形状へとハンドルを合わせることが容易にできる。
【0017】
したがって、ユーザは、所望の用途に応じて、複数の形状をハンドルに与えることができ、それによって、製品が塗布されるやり方、したがって化粧成果に変化を持たせることが可能になる。
【0018】
ハンドルは、最初、アプリケータの長手方向軸Xに沿って直線的に、変形することなく延びていてよい。
【0019】
ハンドルは、25mm超、さらに良いのは、30または40mm超、あるいはなおもさらに良いのは、50または60mm超の長さL
1に沿って延びることができる。ハンドルの長さL
1は、アプリケータの長手方向軸Xに沿って測定される。したがって、長さL
1は、25から100mmの間、さらに良いのは、60から90mmの間とすることができる。
【0020】
ハンドルは、7から30mmの間、さらに良いのは、15から25mmの間の最大幅lを有することができる。最大幅は、ハンドルの全長に沿って測定可能な最大横断方向寸法に対応する。それは、たとえば、ハンドルの横断面が内接する円の直径によって与えられ得る。それは、アプリケータ部材に最も近いハンドルの遠位端において位置付けられ得る。1つの変形実施形態においては、幅lは、実質的には、ハンドルの全長に沿って一定である。
【0021】
好ましくは、比率L
1/lは、2から7の間、さらに良いのは、3から6の間である。
【0022】
ハンドルは、形状記憶により変形可能であり、かつ20から100mmの間、さらに良いのは、30から90mmの間の長さL
2に沿って延びる部分において変形可能とすることができる。長さL
2は、アプリケータの長手方向軸Xに沿って測定される。形状記憶により変形可能な部分は、ハンドルの全長L
1に沿って、またはより短い長さに沿って延びることができる。それは、ハンドルの長さL
1の少なくとも半分に沿って、またはさらには少なくとも2/3、さらに良いのは、少なくとも3/4に沿って延びることができる。
【0023】
ハンドルは、その近位端において配置される変形不可能な部分を有することができる。この変形不可能な部分は、2から50mmの間、さらに良いのは、15から40mmの間の長さL
3に沿って延びることができる。長さL
3は、アプリケータの長手方向軸Xに沿って測定される。それは、ハンドルの長さL
1の半分未満に沿って、またはさらには長さL
1の3分の1未満に沿って、さらに良いのは、4分の1未満に沿って延びることができる。
【0024】
形状記憶により変形可能な部分は、ハンドルの近位端よりも、その遠位端に近い場合がある。
【0025】
ハンドルは、形状記憶により変形可能であり、かつ第1の材料、具体的には、可鍛性の金属材料から作られているコアを有することができ、コアは、第2の材料から作られているシースによってカバーされている。第1の材料は、限定的ではない以下のリスト、鉄、鋼、銅、アルミニウムから選択され得る。
【0026】
第2の材料は、オーバーモールドによって、または何らかの他の方法によって、第1の材料に堆積され得る。
【0027】
第1の材料を第2の材料に対して移動させないようにすることが可能である。第1の材料は、塗布されることになる製品によって構成されていない。第2の材料は、弾性的に変形可能とすることができるが、それが及ぼす復元力は、コアをその最初の形状に戻すには不十分である。したがって、コアは、第2の材料の弾性的に変形可能な性質にもかかわらず、ユーザによってそれに与えられる形状のままでいることができる。
【0028】
第1の材料と第2の材料との間の接着が存在しないことが可能であり、これは、一方の、他方に対する移動に有利に働き、したがって、ハンドルをより容易に変形させることが可能になる。
【0029】
有利には、ハンドルの外面は、弾性的に変形可能であり、ユーザの手がそれを押圧するとき、変形して、接触を柔らかくすることができるように、たとえば、弾性的に変形可能な材料によって画定される。ハンドルの外面を画定する材料は、感触が柔らかい場合がある。ハンドルの全外面は、この材料によって画定され得る。
【0030】
1つの変形実施形態においては、ハンドルの表面は、感触が硬い。この目的に向けて、ハンドルの外面を画定するように選択される材料は、別段、本発明により追求される形状記憶によるハンドルの変形を妨げることなく、十分に剛性であるように選択され得る。
【0031】
ハンドルは、アプリケータホルダの長手方向軸周りに360°にわたって変形できるように構成され得る。
【0032】
ハンドルの変形を開始するためにユーザによって加えられる力は、0.5から10Nの間とすることができる。
【0033】
ハンドルは、その変形能が制限されるように構成され得る。好ましくは、それが最大限に変形されたときに、アプリケータホルダの長手方向軸に対するハンドルの近位端の傾斜は、360°よりも大きい。この最大傾斜は、1つの実施形態においては、90°未満のままであってもよい。
【0034】
ハンドルは、円形形状を有する少なくとも1つの横断面を有し、またはさらにはその全長に沿って円形の横断面を有することができる。一変形形態においては、それは、非円形形状を有する少なくとも1つの横断面を有することができる。たとえば、それは、具体的には、その近位端の近くに、細長い形状、たとえば、レンズ状の形状を有する少なくとも1つの横断面を有することができる。
【0035】
1つの変形実施形態においては、ハンドルは、その遠位端の近くに、円形形状を有する横断面を、およびその近位端の近くに、細長い形状、具体的には、レンズ状の形状を有する横断面を有し、ここでは、横断面は、アプリケータの長手方向軸に沿って、一方から他方に次第に変化する。
【0036】
細長い形状、具体的には、レンズ状の形状を有する横断面が、ハンドルの近位端に存在することにより、親指と人差し指との間の指間皮膜に、ハンドルの端部がより容易に置かれていることができるので、ユーザの手に満足のいく形でアプリケータを位置決めすることが可能になる。
【0037】
アプリケータ部材は、アイライナーアプリケータ端部片、ブラシ、具体的には、マニキュア液ブラシ、またはアイシャドウ、リップグロス、もしくは口紅のアプリケータ端部片とすることができる。
【0038】
アプリケータ部材は、アイライナーを塗布するように特に意図され得る。それは、エラストマから作られているフロック加工された端部片、ブラシ、フェルト、発泡体端部片、またはフロック加工された、またはフロック加工されていない射出成形ペンとすることができる。好ましくは、それは、可撓性であり、たとえば、熱可塑性エラストマから作られている本体を有する。フェルトの場合において、好ましくは、それは、一緒に接合されている長手方向に配向された繊維を有する。製品は、アプリケータ部材内の毛細管作用によって、アプリケータ部材が多孔質であるために、拡散し得る。繊維は、熱可塑性材料、具体的には、アクリルポリマ、ポリエステル、またはポリアミドから作られている繊維とすることができる。
【0039】
アプリケータ部材は、少なくともその長さの一部に沿って、回転対称でない横断面を有することができる。これにより、瞼に対する移動方向に関するアプリケータ部材の配向に応じて、より細い、またはそれほど細くないラインを描くことが可能になる。
【0040】
アプリケータ部材の寸法は、アプリケータ部材が、皮膚に対して垂直に移動するとき、皮膚に描かれる製品のラインの最大太さが、好ましくは、5mm以下、さらに良いのは、3mm以下であるようなものである。瞼に対するアプリケータ部材の配向に応じて、たとえば、ラインの太さに変化を持たせることが可能である。
【0041】
アプリケータ部材は、任意の手段によってホルダに固定され、たとえば、ホルダの端部に設けられる対応する筐体の中に圧力嵌めされ得る。
【0042】
好ましくは、アプリケータ部材は、特許文献11に記載されているスパチュラまたは拡幅ヘッドの端部に設けられている、または設けられていないアプリケータ先端部である。
【0043】
アプリケータ先端部は、アプリケータが、皮膚に対して垂直に配向される形で移動するとき、アプリケータによって描かれる細いラインの幅よりも大きい直径を有するアプリケータホルダに固定するための端部片を有することができる。
【0044】
アプリケータは、塗布されることになる製品を収容する容器のためのクロージャキャップとして機能することができる。ホルダは、それが使用されていないとき、容器を、具体的には、漏れ止めの形で閉めるように設計され得る。
【0045】
本発明のさらなる主題は、塗布されることになる、美容用またはケア用の製品、具体的には、アイライナーを収容する容器と、上に規定された本発明によるアプリケータとを有するパッケージおよび塗布デバイスである。
【0046】
アプリケータのハンドルは、デバイスが、平らな表面に置かれているとき、デバイスの安定性を確実にすることを可能にすることができ、このとき、ハンドルは、好ましくは、延びた位置にある。ハンドルが湾曲した位置にあるとき、ハンドルは、塗布の人間工学に有利に働くことができる。
【0047】
必要な場合、容器は、その内容物を均質化するためのボールを有することができる。
【0048】
容器の容量は、たとえば、1から6mlの間である。
【0049】
製品は、液体とすることができる。製品は、たとえば、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ、リップグロス、口紅、またはマニキュア液である。
【0050】
アイライナーは、水性または有機溶媒と、顔料、具体的には、酸化鉄とを含むことができる。アイライナーは、たとえば、水、顔料、具体的には、酸化鉄および/または着色剤、ならびにポリマを含有する。
【0051】
アプリケータ部材には、容器の中に浸されることによって製品が供給され、または代替として、塗布表面には、マーカーペンと同様のやり方で、アプリケータ部材を通して毛細管作用によって製品が供給される。そのような変形実施形態においては、製品、具体的には、アイライナーは、ハンドルの内側に配置されたリザーバの中に収容され得、その場合、アプリケータは、アイライナーアプリケータペンを形成する。この場合においては、アプリケータ部材は、好ましくは、リザーバによってアイライナーを供給される細長い形状を有する内側において多孔質である。
【0052】
本発明の別の主題は、本発明によるアプリケータまたはデバイスを使用する化粧方法であり、ここでは、以下のステップが実施される:
a)アプリケータのハンドルは、所与の形状にするために変形され、
b)製品は、与えられた形状でのアプリケータのハンドルを用いて塗布される。
【0053】
本発明のさらなる主題は、瞼に化粧するための方法であり、ここでは、本発明によるアプリケータまたはデバイスは、瞼にラインを描くために使用される。
【0054】
一変形形態においては、瞼全体、睫毛または眉毛、皮膚、唇または爪に対する塗布が遂行され得る。
【0055】
本発明は、その非限定的な例示の実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより、および添付の図面を検討することにより、より良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本発明によるパッケージおよび塗布デバイスの一例の閉位置にある斜視図である。
【
図2】本発明によるパッケージおよび塗布デバイスの一例の開位置にある斜視図である。
【
図3】前記ハンドルにわたる長手方向断面図である。
【
図6a】手に
図5からのアプリケータを保持する可能性を示す斜視図である。
【
図6b】手に
図5からのアプリケータを保持する可能性を示す斜視図である。
【
図7】変形形態の部分的な長手方向断面における概略図である。
【
図8】変形形態の部分的な長手方向断面における概略図である。
【
図9】変形形態の部分的な長手方向断面における概略図である。
【
図10】変形形態の部分的な長手方向断面における概略図である。
【
図11】変形形態の部分的な長手方向断面における概略図である。
【
図12】変形形態の部分的な長手方向断面における概略図である。
【
図13】変形形態の部分的な長手方向断面における概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1から
図4に示されているパッケージングおよび塗布デバイス1は、塗布されることになる製品を収容する容器2と、アプリケータ3とを有し、このアプリケータ3は、
図1に例示されているように、製品を塗布するために使用されていないときは、容器2に取り付けられて、それを閉めることができ、
図2に例示されているように、容器から分離されて、製品を塗布することができる。アプリケータ3は、長手方向軸Xに沿って延びる。容器に収容されている製品は、たとえば、アイライナーである。
【0058】
容器2は、たとえば、アプリケータ3がねじって締められ得るねじ山付きネックを有し、アプリケータ3は、たとえば、アプリケータ先端部によって構成されるアプリケータ部材6を支持するホルダ5を有する。
【0059】
アプリケータ部材6は、様々なやり方、具体的には、回転対称でない形状に製作され得、それによりユーザは、瞼に対するアプリケータ部材6の配向および瞼上の移動方向に応じて、より太い、またはより細い太さのラインを描くことが可能になる。
【0060】
アプリケータ部材6は、フェルト先端部によって、またはエラストマ材料から作られている端部片によって形成され得、その遠位端においてフロック加工されている場合も、またはフロック加工されていない場合もある。好適であり得るアプリケータ部材の例は、具体的には、特許文献11、特許文献12、特許文献13、および特許文献14に記載されている。
【0061】
一変形形態においては、アプリケータ部材は、
図14に例示されているように、ブラシとすることができる。
【0062】
アプリケータ3は、ユーザが、製品を塗布する間、アプリケータを保持することを可能にする把持面を画定するハンドル10を有する。ハンドル10は、少なくともその長さの一部に沿って、形状記憶により塑性的に変形可能である。
【0063】
ハンドルは、
図2に例示されているように、たとえば、直線的に延びることができる。それは、
図4に例示されているように、ユーザによって必要に応じて湾曲され得る。ハンドル10は、360°にわたって変形され得る。ハンドル10は、ハンドル10がユーザによって最大限可能な限り変形されると、アプリケータが直線状にされたときのアプリケータの長手方向軸Xに対する、軸Yの、ハンドルの近位端10bの傾斜αが、60°よりも大きく、またはさらには90°よりも大きく、300°未満になるように構成され得る。
【0064】
この目的に向けて、ハンドル10は、形状記憶により変形可能な第1の、可鍛性材料、具体的には、金属材料から作られているコア11を有することができる。コア11は、第2の材料のシース12によりカバーされる。シース12は、たとえば、エラストマから作られている。
【0065】
コア11は、たとえば、銅などの可鍛性金属線によって構成され得る。一変形形態においては、コア11は、
図12に例示されているように、いくつかのランプの中で向かい合う金属ホースの形で、一緒に摩擦圧着される一連の管状金属メッシュによって構成される。
【0066】
ハンドル10は、説明の例においては、約90mmである長さL
1に沿って延びる。ハンドルは、説明の例においては、約18mmである最大幅lを有する。この場合においては、この最大幅は、アプリケータ部材6に最も近い、ハンドルの遠位端10aにおいて位置する。
【0067】
形状記憶により変形可能な部分10は、たとえば、約80mmの長さL
2に沿って延びる。
【0068】
ハンドル10は、近位端10bから、約10mmの長さL
3に沿って延びる変形不可能な部分を有することができる。
【0069】
さらには、ハンドル10は、相異なる全体形状を有する少なくとも2つの離間された横断面を有することができる。
【0070】
したがって、アプリケータは、ハンドルの遠位端10aのより近くに、つまり、ホルダ5の、およびアプリケータ部材6の近くに位置する、円形の全体形状を有する、アプリケータの長手方向軸Xに対して垂直に取られた第1の横断面を有する。アプリケータは、アプリケータの近位端10bの近くに位置する、実質的にレンズ状の全体形状を有する、長手方向軸Xに対して垂直に取られた第2の横断面を有することができる。
【0071】
したがって、ハンドル10は、アプリケータが直線状であるとき、アプリケータの長手方向軸Xを含む中央平面に対して対称である2つの対向するファセット12bを有することができる。
【0072】
ハンドル10は、ハンドル10の中にホルダ5を固定するように意図されたスナップ留めリッジ15をその内面に有することができる。
【0073】
ホルダ5は、剛性とすることができる。示されている例においては、ホルダ5は、
図3においてわかるように、その遠位端においてアプリケータ部材6を支えるステム5aと、その近位端においてハンドル10に対して固定するための端部片5bとを有する。
【0074】
図1から
図4におけるデバイスを使用するために、以下のステップが、連続的に、実施され得る:
a)アプリケータのハンドル10は、それを所与の形状、たとえば、
図4において示されている形状にするために変形され、
b)製品は、与えられた形状でのアプリケータのハンドルを用いて塗布される。
【0075】
ハンドル10に与えられる変形は、たとえば、
図5に例示されているそれとは異なっている場合がある。得られる可能性があるハンドルの相異なる形状は、例として
図6aおよび
図6bに例示されているように、手の中にアプリケータを保持する相異なるやり方を提供する。
【0076】
説明したばかりの例示的な実施形態においては、アプリケータのコア11は、ハンドル10の全長未満に沿って延びる。これが当てはまらない場合であっても、これは、本発明の範囲からの逸脱を表すものではない。
【0077】
例として、コア11がハンドル10の近位端10bのところまで延びる一変形実施形態が、
図7に示されている。
【0078】
図8における変形実施形態においては、コア11は、ハンドル10の全長L
1の半分よりもわずかに長い長さL
2に沿って延びる。ハンドル10の変形不可能な部分は、ハンドル10の長さL
1の半分よりもわずかに短い長さL
3に沿って延びる。
【0079】
図13に示されている例示的な実施形態においては、コア11は、全長L
1に沿っており、シース12によってカバーされないその長さの一部分に沿って露出されている。ハンドル10は、シース12によってカバーされないコアのその部分においてのみ変形可能であり、シース12の材料は、コア11の、したがって、ハンドル10の変形を防止するように選択される。したがって、
図12におけるハンドルは、長さL
1よりもはるかに短い長さL
2の一部分に沿ってのみ変形可能である。
【0080】
コア11は、一定の横断面を有し、または
図9にあるように、その変形に有利に働く環状の溝11cを有することができる。
【0081】
ホルダ5はまた、上述のものとは異なるやり方で、ハンドル10に固定され得る。ホルダ5は、
図10に例示されているように、たとえば、ハンドル10のコア11に嵌められるカラー5dを有することができる。
【0082】
説明したばかりの例示的な実施形態においては、ホルダ5を固定するための端部片5bは、それがハンドル10上の定位置にあるとき、ハンドル10の表面と連続して位置決めされる。これは、そうである必要はなく、たとえば、固定端部片5bは、
図11に例示されているように、ハンドル10の中の対応する筐体に完全に挿入され得る。
【0083】
言うまでもなく、本発明は、説明したばかりの諸例に限定されるものではない。具体的には、示されている様々な例の特徴は、示されていない変形形態の範囲内で組合せ可能である。
【0084】
「having a(有する)」という表現は、逆の指示がない限り、「comprising at least one(少なくとも1つを含む、備える)」と同義であると理解すべきである。
【符号の説明】
【0085】
1 パッケージングおよび塗布デバイス
2 容器
3 アプリケータ
5 ホルダ
5a ステム
5b 端部片
5d カラー
6 アプリケータ部材
10 ハンドル
10a 遠位端
10b 近位端
11 コア
11c 溝
12 シース
12b ファセット
15 スナップ留めリッジ
α 傾斜
l 最大幅
L
1 長さ
L
2 長さ
L
3 長さ
X 長手方向軸
Y 軸
【国際調査報告】