(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-538584(P2017-538584A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】ローラガイド及び素材をガイドする方法
(51)【国際特許分類】
B21B 39/16 20060101AFI20171201BHJP
B21B 39/14 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
B21B39/16
B21B39/14 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-522541(P2017-522541)
(86)(22)【出願日】2015年6月15日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月19日
(86)【国際出願番号】SE2015050688
(87)【国際公開番号】WO2016099370
(87)【国際公開日】20160623
(31)【優先権主張番号】1451577-9
(32)【優先日】2014年12月18日
(33)【優先権主張国】SE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517140941
【氏名又は名称】モルゴールシャマール アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】エングルドゥ,オーベ
(72)【発明者】
【氏名】モルシュテッド,ペーテル
(57)【要約】
素材を成形するためのロール対に向けて送給長手方向に素材をガイドするローラガイド(1)。ローラガイドは、フレーム配置部(2)、閉位置で、素材の対面部と係合するように構成されるガイドローラ対(3、4)、及びガイドローラ(3、4)間の横方向距離を調節する位置決め手段を含む。ローラガイドは、ガイドローラ(3、4)に対する素材片(20)の長手方向位置を検出するように構成された検出手段(13)を更に含む。位置決め手段は、上記検出に応じてガイドローラ(3、4)間の横方向距離を調節するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素材を成形するためのロール対に向けて送給長手方向に前記素材をガイドするローラガイド(1)であり、該ローラガイド(1)は:
−フレーム配置部(2)、
−前記フレーム配置部(2)に取付けられたガイドローラ対(3、4)であって、該ガイドローラは、閉位置で、前記素材の対面部と係合するように構成され、前記ガイドローラ(3、4)は、前記送給長手方向(A)に直交する平行な回転軸(C3、C4)周りに回転可能であるガイドローラ対(3、4)、及び
−前記ガイドローラ(3、4)間の横方向距離を調節する位置決め手段
を含むローラガイド(1)であって、
前記ローラガイドは、前記ガイドローラ(3、4)に対する素材片(20)の長手方向位置を検出するように構成された検出手段(13)を更に含むこと、及び前記位置決め手段は、前記検出に応じて前記ガイドローラ(3、4)間の横方向距離を調節するように構成されることを特徴とする、ローラガイド(1)。
【請求項2】
前記位置決め手段は、前記ガイドローラ(3、4)を、前記閉位置と、前記ガイドローラ(3、4)間の前記横方向距離が、前記ガイドローラ(3、4)間に前記素材を自由に通過可能にするような距離になる開位置との間で移動するように構成される、請求項1に記載のローラガイド(1)。
【請求項3】
前記位置決め手段は、素材が全く前記ガイドローラ(3、4)間に検出されないと、前記ガイドローラ(3、4)を開位置に移動するように構成される、請求項2に記載のローラガイド(1)。
【請求項4】
前記位置決め手段は、前記素材片(20)の第1端部が前記ガイドローラ(3、4)間を通過したことが検出されると、前記ガイドローラ(3、4)を前記閉位置に移動するように構成される、請求項1乃至3の何れか一項に記載のローラガイド(1)。
【請求項5】
前記ローラガイド(1)は、前記ガイドローラ(3、4)に向けて前記素材をガイドするように構成される第1ガイド手段(9)を更に含む、請求項1乃至4の何れか一項に記載のローラガイド(1)。
【請求項6】
前記第1ガイド手段(9)が、前記ガイドローラ(3、4)に向けて前記素材をガイドするように構成されるガイド位置と、前記第1ガイド手段(9)が、前記素材を前記第1ガイド手段(9)に自由に通過可能にするように構成される非ガイド位置との間で、前記第1ガイド手段(9)を調節する調節手段を更に含む、請求項5に記載のローラガイド(1)。
【請求項7】
前記調節手段は、素材片(20)が前記ガイドローラ(3、4)間で検出されると、前記第1ガイド手段(9)を非ガイド位置に調節するように構成される、請求項6に記載のローラガイド(1)。
【請求項8】
前記位置決め手段は、機械式、電気式、油圧式、又は空気圧式の位置決め手段である、請求項1乃至7の何れか一項に記載のローラガイド(1)。
【請求項9】
前記ローラガイド(1)は、前記素材によって前記ローラガイド(1)に印加された力を感知する感知手段を更に含む、請求項1乃至8の何れか一項に記載のローラガイド(1)。
【請求項10】
前記位置決め手段は、前記感知手段によって感知された力に応じて前記ガイドローラ(3、4)を移動するように構成される、請求項9に記載のローラガイド(1)。
【請求項11】
前記素材の寸法を判定する寸法測定手段を更に含む、請求項1乃至10の何れか一項に記載のローラガイド(1)。
【請求項12】
素材を成形するためのロール対に向けて送給長手方向(A)に前記素材をガイドする方法であり、ローラガイド(1)が使用され、前記ローラガイド(1)は:
−フレーム配置部(2)、
−前記フレーム配置部(2)に取付けられたガイドローラ対(3、4)であって、該ガイドローラは、閉位置で、前記素材の対面部と係合するように構成され、前記ガイドローラ(3、4)は、前記送給長手方向(A)に直交する平行な回転軸(C3、C4)周りに回転可能であるガイドローラ対(3、4)
を含む方法であって、
該方法は:
−前記ガイドローラ(3、4)に対する素材片(20)の長手方向位置を検出するステップ、
−前記検出に応じて、前記ガイドローラ(3、4)間の横方向距離を調節するステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
素材片(20)が前記ガイドローラ(3、4)間で検出されると、前記ガイドローラ(3、4)間の前記横方向距離は、前記ガイドローラ(3、4)が前記素材の前記対面部と係合するように減少される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記素材片(20)が全く前記ガイドローラ(3、4)間で検出されないと、前記ガイドローラ(3、4)間の横方向距離は、素材片(20)の第1端部(20a)を前記ガイドローラ(3、4)間に自由に通過可能にするように、増大される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記ローラガイドが、前記素材を前記ガイドローラ(3、4)に向けてガイドするように構成された第1ガイド手段(9)を更に含む方法であって、前記方法は:
−素材片(20)の前記長手方向位置の検出に応じて、前記第1ガイド手段(9)が、前記ガイドローラ(3、4)に向けて前記素材をガイドするように構成されるガイド位置と、前記第1ガイド手段(9)が、前記素材を前記第1ガイド手段(9)を自由に通過可能にするように構成される非ガイド位置との間で、前記第1ガイド手段(9)を調節するステップ
を更に含む、請求項12乃至14の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる素材を成形するためのロール対に向けて素材を送給長手方向にガイドするガイドローラ、及び独立方法クレームによる素材をガイドする方法に関する。特に、本発明は、ローラガイドに関し、及びワイヤ、ロッド及び角材(beam)の製造時に使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ローラガイドは、圧延機において、ワイヤ素材やロッド素材等の高温素材をガイドするのに一般的に使用される。主として、ローラガイドは、素材を成形するのに使用されるロール対の前に設置され、所謂、入口ローラガイドと呼ばれている。これらのローラガイドは、特定の転動溝に向けて転動される素材をガイドする。ローラガイドを使用することで、ロール対間に素材を入れる際に、素材を損傷する危険性を軽減し、高送給速度で素材を送給可能となる。
【0003】
米国特許第3935722号(特許文献1)では、ロール対に向けて素材をガイドするローラガイドについて開示している。ローラガイドは、フレーム配置部、及びガイドローラが素材の対面部と係合するように構成されるフレーム配置部に取付けられるガイドローラ対を含む。ガイドローラは、送給長手方向に直交する平行な回転軸周りに回転可能である。
【0004】
既知のローラガイドは、一般的に、異なる寸法の素材に対応できるようにガイドローラ間の横方向距離を調節する位置決め手段を更に含む。この場合、ガイドローラ間の横方向距離は、ローラガイドの動作前に調節され、横方向距離は、ローラガイドの動作中には一定、又は実質的に一定である。
【0005】
通常、ガイドローラ間の横方向距離は、ガイドローラが素材の表面部分を押圧するように、素材の横方向寸法より若干短く設定される。これは、素材を効率的に且つ正確にガイドするのに必要である。しかしながら、そうした既知のローラガイドに関する課題は、素材がガイドローラ間に入るときに、大きな力が結果として生じるために、ガイドローラが著しく摩耗する点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3935722号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記の課題を解決し、ガイドローラへの力が既知の解決方法に対して減少される解決方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明の第1態様によると、冒頭で規定されたようなローラガイドによって達成される。ローラガイドは、ガイドローラに対する素材片の長手方向位置を検出するように構成された検出手段を更に含むこと、及び位置決め手段は、上記検出に応じてガイドローラ間の横方向距離を調節するように構成されることを特徴とする。従って、本発明によるローラガイドを用いて、ローラガイドの動作中、ガイドローラ間の距離を自動的に調節可能である。これは、素材がガイドローラ間に入ると、ガイドローラに印加される力を減少可能にする。それにより、ガイドローラの工具寿命を、延ばすことができる。
【0009】
本発明のこの態様の実施形態によると、位置決め手段は、ガイドローラを、閉位置と、ガイドローラ間の横方向距離が、ガイドローラ間に素材を自由に通過可能にするような距離になる開位置との間で移動するように構成される。開位置と閉位置其々で所望されるガイドローラの位置は、ローラガイドの動作前に予め規定されることができる。ガイドローラを閉位置と開位置との間で移動可能にすることによって、素材によってガイドローラに加えられる力、及びガイドローラによって素材に加えられる力を制御できる。
【0010】
本発明の好適実施形態によると、位置決め手段は、素材が全くガイドローラ間に検出されないと、ガイドローラを開位置に移動するように構成される。このように、ガイドローラは、ローラガイドに入る各素材片の第1端部が、ガイドローラ間を自由に通過できるように、位置決めされる。従って、素材がガイドローラ間に入る際に生じる大きな力は排除され、ガイドローラの工具寿命は、大幅に延長される。
【0011】
本発明の別の実施形態によると、位置決め手段は、素材片の第1端部がガイドローラ間を通過したことが検出されると、ガイドローラを閉位置に移動するように構成される。これは、素材片が既にガイドローラ間に存在し、素材片の第1端部がガイドローラ間に入る際にガイドローラを損傷する危険性が無い時点で、効率的なガイドを達成する方法を提供する。
【0012】
本発明の別の実施形態によると、ローラガイドは、ガイドローラに向けて素材をガイドするように構成される第1ガイド手段を更に含む。第1ガイド手段は、ローラガイドに向けて素材を大凡ガイドするのに有用である。好適には、第1ガイド手段は、少なくとも部分的に、円錐台の基本形を有するガイド漏斗の形をしている。
【0013】
本発明の別の実施形態によると、ローラガイドは、第1ガイド手段が、ガイドローラに向けて素材をガイドするように構成されるガイド位置と、第1ガイド手段が、素材を第1ガイド手段に自由に通過可能にするように構成される非ガイド位置との間で、第1ガイド手段を調節する調節手段を更に含む。従って、送給素材と接触する結果生じる第1ガイド手段の摩耗を軽減するために、必要な時にのみ、第1ガイド手段は、ガイド位置で使用されることができる。
【0014】
本発明の別の実施形態によると、調節手段は、素材片がガイドローラ間で検出されると、第1ガイド手段を非ガイド位置に調節するように構成される。このように、素材がガイドローラ間に入るとすぐに、自由に通過可能になるため、第1ガイド手段に対する摩耗は、抑制される。第1ガイド手段は、例えば、素材の後端部がローラガイドを出たことが検出されると、又は素材の第1端部が第1ガイド手段に接近していることが検出されると、ガイド位置に調節されることができる。
【0015】
本発明の別の実施形態によると、位置決め手段は、機械式、電気式、油圧式、又は空気圧式位置決め手段の形をしている。油圧式位置決め手段の場合に使用される油圧流体も、空気圧式位置決め手段の場合に使用される空圧流体も、ローラガイドに適用可能な条件で動力を伝達するのに適当な流体とすべきである。機械式、電気式、油圧式、又は空気圧式位置決め手段は、迅速且つ効率的な動力伝達を提供できる能力があり、そのため、送給素材の進行速度が迅速な反応を必要とする、ローラガイドで使用するのに適している。
【0016】
本発明の別の実施形態によると、位置決め手段は、サーボ作動される。これは、電気式位置決め手段に特に有用であり、優れた位置決め制御を提供する。例えば、サーボ作動は、ガイドローラ間の距離を速やかに調節可能にし、ガイドローラ間の横方向距離を事前に調節するのに、又は、第1ガイド手段を適用可能な場合には、素材片が接近している際に、使用されることができる。それにより、素材片の寸法に対する迅速な適合が、可能である。
【0017】
本発明の別の実施形態によると、ローラガイドは、素材によってローラガイドに印加された力を感知する感知手段を更に含む。これは、異常に大きな力がローラガイドに印加された場合に、保護対策を始動可能になるため、有用である。1つ又は複数の力センサ等は、第1ガイド手段で又はガイドローラでといった、ローラガイドにおける様々な位置で、力を感知するのに使用されることができる。このシステムは、感知手段が所定の閾値レベルを超える力、又は所定の閾値レベルを超える量だけ期待されるレベルから逸脱する力を感知した場合に、エラーコード及び/又は警告信号を生成するように構成されてもよい。
【0018】
本発明の別の実施形態によると、位置決め手段は、感知手段によって感知された力に応じてガイドローラを移動するように構成される。位置決め手段は、例えば、所定の閾値レベルを超える感知された力に応じて、ガイドローラを一時的に移動するように構成されてもよい。このように、一定の又は略一定の力が素材に印加された状態で、ガイドを達成できる。これは、素材によってローラガイドに印加される過度に大きな力に対する保護を提供し、ローラガイドの工具の耐久性を高める可能性がある。
【0019】
本発明の別の実施形態によると、ローラガイドは、素材の寸法を判定する寸法測定手段を更に含む。これは、素材の寸法を得る実用的な方法であり、特に、連続圧延機の連続するロール対間に設置されたローラガイドに有用である。また、閉位置と開位置其々でガイドローラ間の横方向距離を適合可能にするためにも有用である。これは、素材片がガイドローラに入る前に寸法が測定されるように寸法測定手段を配置することによって達成されることができる。このようにして、ガイドローラは、ガイドローラを用いて素材に印加される力が、必ず同程度であるように構成されることができる。
【0020】
本発明の別の態様によると、上記の目的は、冒頭で規定されたような方法で達成される。本方法は:
−ガイドローラに対する素材片の長手方向位置を検出するステップ、
−上記検出に応じて、ガイドローラ間の横方向距離を調節するステップ
を含むことを特徴とする。
【0021】
かかる方法の利点も、かかる方法の好適実施形態の利点も、提案されたローラガイドに関する上記の考察から明らかである。
【0022】
本発明のこの態様に関する実施形態によると、素材片がガイドローラ間で検出されると、ガイドローラ間の横方向距離は、ガイドローラが素材の上記対面部と係合するように減少される。
【0023】
本発明のこの態様に関する別の実施形態によると、素材片が全くガイドローラ間で検出されないと、ガイドローラ間の横方向距離は、素材片の第1端部がガイドローラ間を自由に通過可能になるように増大される。
【0024】
本発明のこの態様に関する別の実施形態によると、ガイドローラは、ガイドローラに向けて素材をガイドするように構成された第1ガイド手段を更に含み、本方法は:
−素材片の長手方向位置の検出に応じて、第1ガイド手段が、ガイドローラに向けて素材をガイドするように構成されるガイド位置と、第1ガイド手段が、素材を第1ガイド手段に自由に通過可能にするように構成される非ガイド位置との間で、第1ガイド手段を調節するステップを更に含む。
【0025】
本発明の利点も、他の有利な特徴も、以下の説明から明らかとなろう。
【0026】
本発明について、以下で、添付図を参照して実施例を用いて更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1位置における本発明の実施形態によるローラガイドの概略図を示している。
【
図2】第2位置における
図1のローラガイドを示している。
【
図3】第3位置における
図1のローラガイドを示している。
【
図4】第4位置における
図1のローラガイドを示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態によるローラガイド1の略図が、
図1乃至
図4に示されている。ローラガイド1は、圧延機の送給長手方向Aに、主として素材を成形するためのロール対に向けて、素材をガイドすることを目的としている。ローラガイド1は、フレーム配置部2及びガイドローラ対3、4を含み、各ガイドローラ3、4は、フレーム配置部2のアーム5、6に取付けられる。アーム5、6は、横方向距離が、即ち、ガイドローラ3、4の間で、送給方向Aと直交する方向に、調節されることができるように枢動可能で且つ移動可能である。ガイドローラ3、4は、送給長手方向Aに及び横方向に直交する平行な回転軸C3、C4周りに回転可能である。ローラガイド1は、制御部7を更に含み、該制御部には、アーム5、6を移動及び枢動することによってガイドローラ3、4間の横方向距離を調節する位置決め手段が、含まれる。素材片20の第1端部20aがガイドローラ3、4に接近していることを検出する検出手段13が、ガイド部11の内側に設けられる。ローラガイドは、素材をガイドローラ3、4に向けてガイドするように構成された第1ガイド手段9を更に含む。図示された実施形態では、第1ガイド手段9は、入口漏斗10及び2ガイド部11、12を含むガイド漏斗の形をしている。第1ガイド手段9が、素材をガイドローラ3、4に向けてガイドするように構成されるガイド位置と、第1ガイド手段が、素材を第1ガイド手段9に自由に通過可能にするように構成される非ガイド位置との間で、第1ガイド手段9を調節する調節手段が、制御部7に設けられる。
【0029】
図1は、素材片20がローラガイド1に入る前のローラガイド1を示している。ガイドローラ3、4は、送給長手方向Aにある第1ガイド手段9の後に位置決めされる。制御部7は、ガイドローラ3、4を移動する位置決め手段(図示せず)及び第1ガイド手段9のガイド部11、12の位置を調節する調節手段(図示せず)を含む。
図1の位置では、第1ガイド手段9は、ガイド位置にある。つまり、ガイド部11、12は、素材片20をガイド部11、12間でガイドするための幅狭な通路が形成されるように、互いに接近して位置決めされる。ガイドローラ3、4は、開位置にあり、該開位置では、ガイドローラ3、4間の横方向距離が、ガイドローラ3、4と物理的に相互作用することなく素材片20を自由に通過可能にするよう十分に広くなっている。
【0030】
図2では、素材片20は、ローラガイドの第1ガイド手段9に入っている。第1ガイド手段9は、まだガイド位置にあり、ガイドローラ3、4は、開位置にある。素材片20の第1端部20aは、検出手段13をちょうど通過したところである。信号が、検出手段13から、位置決め手段と調節手段を含む制御部7に送られる。その結果、位置決め手段及び調節手段が、作動される。
【0031】
図3では、位置決め手段は、ガイドローラ3、4間の横方向距離を減少して、ガイドローラ3、4を開位置から閉位置に移動し、素材片20の前端部20aは、ガイドローラ3、4間を通過している。調節手段は、ガイド部11、12間の横方向距離を増大することによって、第1ガイド手段9を非ガイド位置に移動している。従って、ガイドローラ3、4は、素材片20の対面部と係合し、それにより、第1ガイド手段9を自由に通過可能にしつつ、ガイド力を印加する。
【0032】
図4では、素材片20全体が、ガイドローラ3、4を通過済である。これは、検出手段13によって検出されている。第1ガイド手段9は、ガイド部11、12間の横方向距離を減少させることによってガイド位置に移動されている。ガイドローラ3、4は、開位置に移動されている。それにより、ローラガイド1は、いつでも次の素材片を受容できる状態となっている。
【0033】
素材片20の第1端部20aがガイドローラ3、4間を通過したことを判定するために、素材片20の進行速度を測定又は推定する手段が、ローラガイド1に設けられてもよい。また、進行速度に関する情報は、何か他の外部情報源から得てもよい。第1端部20aがガイドローラ3、4間を通過したことを判定する別の方法として、ガイドローラ3、4の高さに、又は送給方向でガイドローラ3、4の直後に検出器を設置することが挙げられる。
【0034】
位置決め手段及び調節手段は、以上で示されたのと同じ制御部に含まれてもよいが、分離して制御されてもよい。位置決め手段及び調節手段は、機械式、電気式、油圧式、空気圧式としてもよく、サーボ作動されてもよい。図示された実施形態では、位置決め手段は、ガイドローラ3、4間の横方向距離を、ガイドローラ3、4が取付けられているアーム5、6を枢動、変位することによって、調節を行うように構成される。しかしながら、位置決め手段は、その代わりに、軸回動せずに、横方向の変位のみで横方向距離の調節を行うように構成されてもよい。
【0035】
好適には、ローラガイド1は、横方向に、例えばガイド軌道に沿って変位可能とし、それによりローラガイドの後に設置されたロール対の異なる転動溝に向けて素材をガイドするのに使用できるようにする。
【0036】
好適には、例えば、片方若しくは両方のアーム5、6に設置される歪ゲージの形をした、力センサ等の、素材によってローラガイド1に印加される力を感知する感知手段が、ローラガイド1に設けられる。力センサは、過負荷保護に使用されることができ、そのため、好適には、位置決め手段に接続されるべきである。力センサによって感知された力が、所定の閾値を超える場合に、保護手段は、作動される。例えば、ガイドローラ3、4間の横方向距離は、一時的に増大されることができる、又は、ガイドローラ3、4を閉位置に保つ位置決め手段からの引張力は、一時的に解放されることができる。力センサによって感知された力が閾値を超えた場合に、警報信号が、ローラガイドのオペレータに警告するために、生成されてもよい。
【0037】
好適には、位置決め手段は、ガイドローラが閉位置のときに、素材が一定の負荷でガイドされるように、即ち、ガイドローラによって素材に印加される力が一定、若しくは略一定となるように、構成される。そのため、閉位置は、ガイドローラ間の横方向距離に関して静止されていなくてもよいが、ガイドローラによって素材に印加される特定の力として規定されてもよい。
【0038】
また、ローラガイドは、素材の寸法を判定する寸法測定手段及び振動を測定する手段を含んでもよい。
【0039】
勿論、本発明は、決して上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の変形例に関する多くの可能性は、付記されたクレームで規定される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】