特表2017-538606(P2017-538606A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-538606(P2017-538606A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】耐引裂性多層フィルム
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/36 20060101AFI20171201BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   B32B27/36
   B32B17/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-531269(P2017-531269)
(86)(22)【出願日】2015年12月4日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月9日
(86)【国際出願番号】US2015063898
(87)【国際公開番号】WO2016099941
(87)【国際公開日】20160623
(31)【優先権主張番号】14/574,820
(32)【優先日】2014年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ワイ.リウ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン エー.ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ピー.パーセル
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AG00A
4F100AK42A
4F100AK42B
4F100AK42C
4F100AK42D
4F100AK42E
4F100AL02A
4F100AL02B
4F100AL02C
4F100AL02D
4F100AL02E
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4F100BA08
4F100BA10A
4F100BA10E
4F100BA15
4F100CB00C
4F100EH20A
4F100EH20B
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4F100JL11C
4F100JN01
4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
4F100YY00D
4F100YY00E
(57)【要約】
第1及び第2の層型を含むポリマー層積層体を含む耐引裂性多層フィルム。第1の層型の層は第1のポリマーを含み、第2の層型の層は第2のポリマーを含む。第1のポリマーは、ポリエチレンテレフタレートであるか又はポリエチレンテレフタレートブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含み、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを更に含む、第1のエステルブロックコポリマーである。第2のポリマーは、セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートであるか又はセバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックを第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含み、ポリエチレンテレフタレートブロック又はグリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを更に含む、第2のエステルブロックコポリマーである。耐引裂性多層フィルムは、第1及び第2の層型の層の総数が8〜300である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐引裂性多層フィルムであって、
第1及び第2の層型を含むポリマー層積層体であって、前記第1の層型の前記ポリマー層は第1のポリマーを含み、前記第2の層型の前記ポリマー層は第2のポリマーを含み、前記ポリマー層が、前記第1の層型のいずれの2つの層も直接隣接せず、前記第2の層型のいずれの2つの層も直接隣接しないように配列された、前記ポリマー層積層体を含み、
前記第1のポリマーは、ポリエチレンテレフタレートであるか、又はポリエチレンテレフタレートブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含む前記第1のエステルブロックコポリマーであり、前記エステルブロックコポリマーが、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを更に含み、
前記第2のポリマーは、セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートであるか、又はセバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックを第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含む前記第2のエステルブロックコポリマーであり、前記第2のエステルブロックコポリマーが、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを更に含み、
前記耐引裂性多層フィルムは、前記第1及び第2の層型の層の総数が8〜300の範囲であり、並びに
次の条件
(i)前記第1のポリマーは、前記第1のエステルブロックコポリマーであり、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む。
(ii)前記第2のポリマーは、前記第2のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む。
の少なくとも1つが満足される、耐引裂性多層フィルム。
【請求項2】
前記第2のポリマーが、前記第2のエステルブロックコポリマーであり、セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約70%〜約90%の範囲で含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項3】
前記第2のポリマーが、前記第2のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約30%の範囲で含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項4】
前記第1のポリマーが、前記第1のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約60%〜約95%の範囲で含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項5】
前記第1のポリマーが、前記第1のエステルブロックコポリマーであり、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約40%の範囲で含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項6】
前記第1のポリマーが前記第1のエステルブロックコポリマーであり、前記第2のポリマーが前記第2のエステルブロックコポリマーであり、前記第1のエステルブロックコポリマーが、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含み、前記第2のエステルブロックコポリマーが、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項7】
前記第1のエステルブロックコポリマーが、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約40%の範囲で含み、前記第2のエステルブロックコポリマーが、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約30%の範囲で含む、請求項6に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項8】
前記セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレート又は前記セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックが、約50〜約70モル当量のテレフタル酸と、約50〜約30モル当量のセバシン酸と、約100モル当量のエチレングリコールとの反応生成物を含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項9】
前記第1及び第2のポリマーのうちの少なくとも1つが、約100モル当量のテレフタル酸と、約70〜約98モル当量のエチレングリコールと、約30〜約2モル当量のシクロヘキサンジメタノールとの反応生成物を含むグリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、を含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項10】
前記第1及び第2の層型の層の総数が、9〜30の範囲である、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項11】
前記耐引裂性多層フィルムが、実質的に透明であり、約2%未満のヘイズを有する、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項12】
前記耐引裂性多層フィルムが、第1の方向及び前記第1の方向と異なる第2の方向の各々に、少なくとも1000N×%のグレーブス面積を有する、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項13】
前記ポリマー層が、二軸配向されている、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項14】
前記第1及び第2の層型が、前記積層体内で交互になっている、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項15】
前記ポリマー層積層体の第1の最外層の上に配置されたプライマー層と、前記プライマー層の上に配置されたハードコート層と、を更に含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項16】
前記ポリマー層積層体の前記第1の最外層の反対側にある前記ポリマー層積層体の第2の最外層の上に配置された、光学的に透明な接着剤層を更に含む、請求項15に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項17】
ラミネート体であって、
第1主面及び反対側の第2主面を有するガラスと、
前記ガラスに貼付された請求項16に記載の第1の耐引裂性多層フィルムと、を含み、前記第1の耐引裂性多層フィルムの前記光学的に透明な接着剤層が前記ガラスの前記第1主面の上に配置されている、ラミネート体。
【請求項18】
前記第1の耐引裂性多層フィルムの反対側の前記ガラスに貼付された請求項16に記載の第2の耐引裂性多層フィルムを更に含み、前記第2の耐引裂性多層フィルムの前記光学的に透明な接着剤層が前記ガラスの前記第2主面の上に配置されている、請求項17に記載のラミネート体。
【請求項19】
前記第1及び第2のポリマーの複数の層をその溶融状態で共押出しする工程、を含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルムの製造方法。
【請求項20】
前記第1及び第2のポリマーのうちの少なくとも1つが、200℃〜350℃の温度範囲でのインライン反応押出による2つ以上のポリエステルのエステル交換によって形成される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
耐引裂性多層フィルムは既知である。例えば、米国特許第6,040,061号(Bland et al.)は、剛性のポリエステル又はコポリエステル、延性のセバシン酸ベースのコポリエステル、及び任意に、中間材料から選択される層を有する耐引裂性フィルムを記載している。耐引裂性多層フィルムは、ガラスに貼付して、ガラスの耐破砕性を改善することができる。
【発明の概要】
【0002】
本明細書のいくつかの態様において、第1及び第2の層型を有するポリマー層の積層体、を含む耐引裂性多層フィルムが提供される。第1の層型のポリマー層は第1のポリマーを含み、第2の層型のポリマー層は第2のポリマーを含む。ポリマー層は、第1の層型のいずれの2つの層も直接隣接せず、第2の層型のいずれの2つの層も直接隣接しないように配列される。第1のポリマーは、ポリエチレンテレフタレートであるか、又はポリエチレンテレフタレートブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含む第1のエステルブロックコポリマーであり、このエステルブロックコポリマーは、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを更に含む。第2のポリマーは、セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートであるか、又はセバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックを第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含む第2のエステルブロックコポリマーであり、この第2のエステルブロックコポリマーは、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを更に含む。耐引裂性多層フィルムは、第1及び第2の層型の層の総数が8〜300の範囲である。次の条件
(i)第1のポリマーは、第1のエステルブロックコポリマーであり、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを、第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む。
(ii)第2のポリマーは、第2のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを、第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む。
のうちの少なくとも1つが満足される。
【0003】
本明細書のいくつかの態様では、ガラスと、光学的に透明な接着剤層で当該ガラスに貼付された耐引裂性多層フィルムとを含むラミネート体が提供される。
【0004】
本明細書のいくつかの態様では、耐引裂性多層フィルムの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】耐引裂性多層フィルムの断面図である。
図2】耐引裂性多層フィルムの断面図である。
図3】2枚の耐引裂性多層フィルムを含むラミネート体の概略断面図である。
図4】耐引裂性多層フィルムの製造プロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明では、本明細書の一部を形成し、例示を目的として示される添付図面を参照する。図面は、必ずしも縮尺に従っていない。他の実施形態は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、想到され、実施され得ることを理解すべきである。
【0007】
本明細書で使用されるとき、層、構成要素、又は要素は、互いに隣接しているものとして説明することができる。層、構成要素又は要素は、直接的に接触することにより、1つ以上の他の構成要素を介して接続することにより、又は互いに隣り合った状態若しくは互いに付着し合った状態を維持することにより、相互に隣接し得る。直接接触している層、構成要素、又は要素は、じかに隣接しているとして説明することができる。
【0008】
複数の剛性層と複数の延性層とを含む耐引裂性多層フィルムは既知である。しかしながら、このようなフィルムは一般的に、種々の層を接着剤層と共にラミネートすることによって製造され、これはフィルムに望ましくないコストを追加する。多層フィルムは、別の方法としては、共押出プロセスによって製造できる。しかしながら、従来の材料を共押出して所望の厚さ及び耐引裂性能を有する多層フィルムを形成した場合、多層フィルムのヘイズが多くの用途にとって高すぎる可能性がある。例えば、場合によっては、耐破砕性改善のために耐引裂性多層フィルムを窓に貼付することが望ましい。このような窓用フィルムは、一般的に低いヘイズ(例えば、2%未満)を有することが望ましい。本明細書によると、多層フィルムを、透明度を犠牲にすることなく、良好な耐引裂性能が得られる十分な厚さで共押出できる変性材料が発見された。
【0009】
米国特許第5,604,019号(Bland et al.)及び米国特許第6,040,061号(Bland et al.)に記載のように、例えば、多層フィルムに好適な剛性層(これは第1の層型である。)としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられ、多層フィルムに好適な延性層(これは第2の層型である。)としては、セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレート(SA−PET)が挙げられる。セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸由来部分の一部がセバシン酸由来部分で置換されたポリエチレンテレフタレートを指し、テレフタル酸と、セバシン酸と、エチレングリコールとを反応させることによって調製できる。例えば、SA−PETは、約40〜約80モル当量のテレフタル酸と、約40〜約20モル当量のセバシン酸と、約100モル当量のエチレングリコールとの反応生成物であってもよい。いくつかの実施形態では、SA−PETは、約50〜約70モル当量のテレフタル酸と、約50〜約30モル当量のセバシン酸と、約100モル当量のエチレングリコールとの反応生成物であってもよい。
【0010】
本明細書によると、第2の層型内のSA−PETを、SA−PETブロックを含むエステルブロックコポリマー並びにPETブロック及び/又はグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)ブロックを含むエステルブロックコポリマーで置き換えることによって、改善された多層フィルムを得ることができることが見出された。本明細書によると、第1の層型内のPETを、PETGブロックを含むエステルブロックコポリマーで置き換えることによって、改善された多層フィルムを得ることができることが見出された。SA−PETブロックを含むエステルブロックコポリマーを第2の層型として使用し、PETを第1の層型として使用した多層フィルム、又はSA−PETを第2の層型として使用し、PETGブロックを含むエステルブロックコポリマーを第1の層型として使用した多層フィルムは、SA−PETを第2の層型として、かつPETを第1の層型として使用した多層フィルムと比較して、改善された光学的及び機械的特性をもたらすことが見出された。いくつかの実施形態において、第1及び第2の層型はいずれもエステルブロックコポリマーを含む。従来の耐引裂性多層フィルムと比べて、本明細書の改善された多層フィルムは、厚い(例えば、100μm〜500μm)と同時に低ヘイズ(例えば、2%未満)を有し得る。
【0011】
PETは、例えば、デュポン(Wilmington,Delaware)から商業的に入手可能である。PETは、テレフタル酸とエチレングリコールとの反応生成物として形成され得る。PETGは、エチレングリコールの一部をシクロヘキサンジメタノールのような別の成分で置き換える、類似の反応によって形成され得る。いくつかの実施形態において、本明細書の多層フィルムに使用されるPETGは、約100モル当量のテレフタル酸と、約70〜約98モル当量のエチレングリコールと、約30〜約2モル当量のシクロヘキサンジメタノールとの反応生成物である。いくつかの実施形態において、PETGは、約100モル当量のテレフタル酸と、約90〜約98モル当量のエチレングリコールと、約10〜約2モル当量のシクロヘキサンジメタノールとの反応生成物である。PETGは、例えば、イーストマンケミカル(Kingsport,TN)及びSKケミカル(韓国)から商業的に入手可能である。
【0012】
エステルブロックコポリマーは、第1のポリエステルのブロックと、第1のポリエステルと異なる第2のポリエステルのブロックと、を含む、ブロックコポリマーである。エステルブロックコポリマーは、第1及び第2のポリエステルと異なる第3のポリエステル(又は第4のポリエステル若しくはそれ以上)のブロックも含んでもよい。エステルブロックコポリマーは、第1のポリエステルを加熱下で第2のポリエステルとブレンドするエステル交換反応によって製造できる。第1のポリエステルの分子と第2のポリエステルの分子との間の相互作用により、分子の部分交換が生じ、第1のポリエステルのブロックと第2のポリエステルのブロックとを有する新たな分子を生成する。エステルブロックコポリマーにおける種々のブロックの種々の重量分率は、エステル交換反応器に加えるポリエステルの相対比率を変えることによって調節できる。他の場所でより詳細に論じるように、エステル交換反応は、インライン反応押出によって起こり得る。
【0013】
SA−PETブロックをエステルブロックコポリマーの約50重量%超含むエステルブロックコポリマーにおいて、ブロック形成に検討され得るポリエステルは多数存在する。このようなポリエステルとしては、PET、PETG、ポリエチレンナフタレート(PEN)、グリコール変性PEN(PENG)、NEOSTARエラストマーFN007(イーストマンケミカルから入手可能な低Tgコポリエステル)、90モル%のPEN部分と10モル%のPET部分とのランダムコポリマー(CoPEN9010)、PETとPENとの重量比80:20のブレンド、重量比50:50のPETとCoPEN9010、又はPETとPENG、又はPETGとPEN、又はPETGとCoPEN9010、又はPETGとPENGとのブレンドが挙げられる。上記の可能性のうち、PET及びPETGのみが、SA−PETを変性して、所望の機械的及び加工特性を有し、低ヘイズを維持するエステルブロックコポリマーを形成するのに好適であることが発見された。SA−PETをエステルブロックコポリマーの重量%で約70%〜約95%の範囲で含み、PETブロック、PETGブロック、又はPETブロックとPETGブロックとの組み合わせを約5%〜約30%の範囲で含むエステルブロックコポリマーは、所望のヘイズ及び機械的特性をもたらすことが見出された。PET及び/又はPETGの濃度が上記よりも低いと望ましくないヘイズを生じることが見出され、上記よりも高濃度では剛性が高くなりすぎて望ましい度合の耐引裂性がもたらされないことが見出された。
【0014】
同様に、PETブロックをエステルブロックコポリマーの約50重量%超含むエステルブロックコポリマーにおいて、ブロック形成に検討できるポリエステルは多数存在する。PETブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約60%〜約95%の範囲で含み、PETGブロックをエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約40%の範囲で含むエステルブロックコポリマーは、所望のヘイズ及び機械的特性を提供することが見出された。PETGの濃度が上記よりも低いと望ましくないヘイズを生じることが見出され、上記よりも高濃度では伸長結晶化度の低下及び/又はフィルム加工性の低下(例えば、ヒートセットウィンドウの低減)が生じることが見出されており、これは、低強靭性又は低安定性のポリマー層を生じ得る。
【0015】
本明細書のエステルブロックコポリマーは、多層フィルムの改善された光学的及び機械的特性を提供することに加え、ポリマーの溶融加工に有用となり得る改善されたレオロジー特性を提供する。例えば、PETの典型的な溶融加工温度は280℃である。この温度において、75重量%のSA−PETブロックと25重量%のPETブロック又はPETGブロックとを含むエステルブロックコポリマーは、SA−PETの約2倍の粘度を有する。これにより、エステルブロックコポリマーの加工温度は最大で約40℃上昇し得、その結果、より高品質のフィルム(例えば、光学的欠陥がより少ないフィルム)を製造する、よりロバストな共押出が可能になり得る。
【0016】
図1は、第1の型の層110と第2の型の層112とを含むポリマー層の積層体101、を含む多層フィルム100の断面図である。ポリマー層の積層体101は、第1の最外層114と反対側の第2の最外層116とを含む。第1の型の層110は、第1のポリマーから形成され、第2の型の層112は、第1のポリマーとは異なる第2のポリマーから形成される。第1のポリマーは、PETであってもよく、又はPETブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含み、PETGブロックを更に含む、第1のエステルブロックコポリマーであってもよい。第2のポリマーは、SA−PETであってもよく、又はSA−PETブロックを第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含み、PETブロック、PETGブロック、若しくはPETブロック及びPETGブロックの両方を更に含む、第2のエステルブロックコポリマーであってもよい。いくつかの実施形態において、第1及び第2のポリマーのうちの少なくとも1つは、それぞれ第1又は第2のエステルブロックコポリマーである。いくつかの実施形態において、次の条件
(i)第1のポリマーは第1のエステルブロックコポリマーであり、PETGブロックを、第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む。
(ii)第2のポリマーは第2のエステルブロックコポリマーであり、PETブロック、PETGブロック、又はPETブロックとPETGブロックとの組み合わせを、第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む。
のうちの1つ又は両方が満足される。
【0017】
いくつかの実施形態において、第2のポリマーは第2のエステルブロックコポリマーであり、SA−PETを第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約70%〜約95%の範囲又は約70%〜約90%の範囲で含む。いくつかの実施形態において、第2のポリマーは第2のエステルブロックコポリマーであり、PETブロック、PETGブロック、又はPETブロックとPETGブロックとの組み合わせを、約5%〜約30%の範囲又は約10%〜約30%の範囲で含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、第1のポリマーは第1のエステルブロックコポリマーであり、PETブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約60%〜約95%の範囲又は約60%〜約90%の範囲で含む。いくつかの実施形態において、第1のポリマーは第1のエステルブロックコポリマーであり、PETGブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約40%の範囲又は約10%〜約40%の範囲で含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、第1のポリマーは第1のエステルブロックコポリマーであり、第2のポリマーは第2のエステルブロックコポリマーであり、第1のエステルブロックコポリマーは、PETGブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約40%の範囲で含み、第2のエステルブロックコポリマーは、PETブロック、PETGブロック、又はPETブロックとPETGブロックとの組み合わせを、第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約30%の範囲で含む。
【0020】
エステルブロックコポリマーの50重量%を超えるPETブロックを含むエステルブロックコポリマーは、変性PETと呼ばれる場合がある。エステルブロックコポリマーの50重量%を超えるSA−PETブロックを含むエステルブロックコポリマーは、変性SA−PETと呼ばれる場合がある。
【0021】
第1の層型の層は剛性であってもよく、第2の層型の層は延性であってもよい。剛性層とは、ASTM D882−12に従って23℃で測定したときに1.5GPa超又は2GPa超の引張弾性率を有する層を指す。延性層とは、ASTM D882−12に従って23℃で測定したときに1.4GPa未満又は1.0GPa未満の引張弾性率を有し、ASTM D882−12に従って23℃で50%超又は100%超の破断点伸びを有する層を指す。剛性層は、PET又は変性PETであってもよく、延性層はSA−PET又は変性SA−PETであってもよく、剛性層の少なくとも一部は変性PETであり、又は延性層の少なくとも一部は変性SA−PETである。耐引裂性多層フィルムのポリマー層積層体は、積層体の重量%で約1%〜約20%の範囲又は約5%〜約20%の範囲で延性層を含んでもよい。したがって、延性層の厚さは、実質的に剛性層の厚さよりも小さくてもよい。例えば、延性層の厚さは、剛性層の厚さのわずか約0.1倍でもよい。比較的低い重量分率の延性層を使用することで、多層フィルムの耐引裂性の顕著な改善がもたらされる。
【0022】
いくつかの実施形態において、多層フィルム100は、第1及び第2の層型110及び112の層の総数が少なくとも6、又は少なくとも7、又は少なくとも8、又は少なくとも9、又は少なくとも10であり、300以下、又は200以下、又は100以下、又は50以下、又は30以下、又は20以下である、ポリマー層積層体101を含む。例えば、いくつかの実施形態において、多層フィルム100は、第1及び第2の層型110及び112の層の総数が8〜300の範囲、又は9〜30の範囲、又は10〜20の範囲である、ポリマー層積層体101を含む。
【0023】
図1の実施形態において、ポリマー層積層体101は、第1及び第2の層型110及び112の交互層を含む。別の実施形態において、第1及び第2の層型と異なる第3の層型の追加層が含まれ、第1及び第2の層型110及び112の層を分離する。かかる実施形態において、第1及び第2の層型110及び112の層は任意の順序で配列されてもよい。例えば、第1及び第2の層型110及び113は、1つの型と他方の型が交互であってもよく、又はランダム若しくは疑似ランダム分布を使用してもよい。直接隣接する同じ層型の2つの層は、厚い単一層として説明できることから、ポリマー層の順序は、第1の層型110のいずれの2つの層も直接隣接せず、第2の層型112のいずれの2つの層も直接隣接しないように、選択されてもよい。いくつかの実施形態において、ポリマー層積層体101は、第1及び第2の層型110及び112の交互層から本質的になり、第1及び第2の層型の層110及び112を分離する第3の層型の層がない。他の実施形態において、第3の層型が含まれてもよい。例えば、第3の層型は、積層体内の異なる層の層間結合を改善する結合層であってもよい。好適な結合層は、例えば、米国特許第6,040,061号(Bland et al.)に記載されている。
【0024】
第1及び第2の最外層114及び116は、第1又は第2の層型110及び112のいずれかであり得る。図1に図示される実施形態において、第1の最外層114は、第1の層型の層110であり、第2の最外層116は、第2の層型の層112である。他の実施形態では、第1及び第2の最外層114及び116は、両方が第1の層型又は第2の層型であることができる。更に他の実施形態では、一方又は両方の最外層は第1及び第2の層型と異なる層型である。
【0025】
いくつかの実施形態において、ポリマー層積層体101は、ポリマー層が二軸又は一軸配向されるように延伸される。いくつかの実施形態において、ポリマー層積層体101は、約1.5超(greater that about 1.5)又は約2.0超かつ約10.0未満又は約6.0未満の延伸比で、面内の一方向又は両方向(すなわち、幅方向(TD)及び/又は長手方向(MD))に延伸される。ポリマー層を配向することで、層の機械的特性(例えば、引張弾性率)が改善される可能性があり、より高い耐引裂性を有する多層フィルムを生じ得る。
【0026】
耐引裂性は、ASTM D1004−13「Standard Test Method for Tear Resistance(Graves Tear)of Plastic Film and Sheeting」に記載のように、グレーブス引裂試験を使用して決定できる。グレーブス引裂試験により、耐引裂性(最大力)及び破断点伸びを判定する。いくつかの実施形態において、本明細書による多層フィルムは、第1の方向及び第1の方向と異なる第2の方向の各々に、少なくとも約25N、又は少なくとも約50N、又は少なくとも約100Nであり、最大約300N又は最大約500Nであってもよいグレーブス耐引裂性を有し、第1及び第2の方向の各々に少なくとも約20%、又は少なくとも約30%、又は少なくとも約40%であり、最大約100%、又は最大約200%であってもよいグレーブス破断点伸びを有する。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書の多層フィルムは、第1の方向及び第1の方向と異なる第2の方向の各々に、約25N〜約500Nの範囲のグレーブス耐引裂性を有し、第1及び第2の方向の各々に約20%〜約200%の範囲のグレーブス破断点伸びを有する。第1及び第2の方向は、フィルムの面内主軸を指してもよく、それぞれTD方向及びMD方向であってもよい。第1及び第2の方向は、直交又は実質的に直交する面内方向であってもよい。
【0027】
グレーブス引裂試験により、加えた力が、測定しようとする試験試料の伸び率の関数として得られる。グレーブス面積は、力対伸び率の曲線の下側の面積を指し、力×パーセント(%)の単位で表されてもよい。グレーブス面積は、耐引裂性フィルムの強靭性の有用な尺度である。いくつかの実施形態において、多層耐引裂性フィルムは、それぞれ、TD方向及びMD方向であり得る第1及び第2の方向の各々に、少なくとも1kN×%、又は少なくとも2kN×%、又は少なくとも3kN×%、かつ最大約10kN×%、又は最大約20kN×%であってもよいグレーブス面積を有する。例えば、いくつかの実施形態において、多層耐引裂性フィルムは、MD及びTD方向の各々に、約1kN×%〜約20kN×%の範囲のグレーブス面積を有する。
【0028】
耐引裂性は、穿刺伝播引裂抵抗試験を使用しても測定できる。本明細書で使用するとき、PPT引裂抵抗とは、特記のない限り、698.5gのキャリッジ重量及び17.0cmの落下高さを試験において使用したことを除き、ASTM D2582−09の記載に従って判定される穿刺伝播引裂抵抗を指す。いくつかの実施形態において、多層耐引裂性フィルムは、それぞれTD方向及びMD方向であり得る第1及び第2の方向の各々に、少なくとも2kg又は少なくとも2.5kgのPPT引裂抵抗を有する。いくつかの実施形態において、多層耐引裂性フィルムは、MD及びTD方向の各々に、約2kg〜約10kgの範囲のPPT引裂抵抗を有する。
【0029】
図2は、第1の最外層214と第1の最外層214の反対側の第2の最外層216とを有するポリマー層積層体201を含む多層フィルム200の断面図である。ポリマー層積層体201は、図1のポリマー層積層体101に対応してもよい。プライマー層220は、第1の最外層214の上に配置され、ハードコート層225はプライマー層220の上に配置される。光学的に透明な接着剤層230は、第2の最外層216の上に配置される。
【0030】
プライマー層220に好適な材料としては、例えば、3M Primer94があり、これは3M Company(St.Paul,MN)より入手できる。その他の好適なプライマーは、アイオノマー、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、及び/又はアミンベース部分の化学的性質を含む。別の実施形態では、火炎又はコロナ放電処理のような表面処理を第1の最外層214に適用し、第1の最外層214とハードコート層225との間にプライマー層が含まれない。ハードコート層225に好適な材料としては、アクリレート又はメタクリレートのような放射線(例えば、紫外線)硬化性材料が挙げられる。アクリレート又はメタクリレートは、ハードコートの硬度を増すためにナノ粒子を含んでもよい。好適なハードコートとしては、例えば、米国特許公開第2013/0302594号(Sugiyama et al.)に記載されているものが挙げられる。光学的に透明な接着剤層230に有用な好適な接着剤層としては、例えば、いずれも3M Company(St.Paul,MN)より入手可能な3M Optically Clear Adhesives8171及び8172が挙げられる。その他の好適な接着剤は、アクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、及び/又はシリコーンなどの化学的性質から誘導され得る。いくつかの実施形態において、第2の最外層216は、光学的に透明な接着剤層230を適用する前に、表面処理される。
【0031】
ヘイズは、ASTM D1003−13「Standard Test Method for Haze and Luminous Transmittance of Transparent Plastics」に規定されるように、透過光のうち、その方向が入射光の方向から2.5度を超えて逸れるように散乱された光のパーセントとして定義できる。ヘイズは、BYK−Gardner Inc.(Silver Springs,MD)から入手でき、ASTM D1003−13規格に準拠すると言われるHAZE−GARD PLUS計を使用して測定できる。いくつかの実施形態において、多層フィルム200は実質的に透明である。例えば、多層フィルム200は、ASTM D1003−13規格に準ずる全光線透過率が少なくとも85%又は少なくとも90%であってもよい。いくつかの実施形態において、多層フィルム200のヘイズ又はポリマー層積層体201のヘイズは、約2.0%未満、約1.75%未満、約1.5%未満、約1.25%未満、又は約1.0%未満であってもよく、及び約0.5%又は約0.2%という低さであってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、多層フィルム200のヘイズ又はポリマー層積層体201のヘイズは、約0.2%〜約2.0%の範囲であってもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、多層フィルム200の厚さ又はポリマー層積層体201の厚さは、約50μm超、約100μm超、又は約150μm超であってもよく、約600μm未満又は約500μm未満であってもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、多層フィルム200は、窓用フィルムとしての使用に好適な耐引裂性フィルムである。かかる窓用フィルムは、窓の破砕を防ぐことができる。いくつかの実施形態において、窓用フィルムはガラスの1つの主面に貼付され、いくつかの実施形態において、窓用フィルムはガラスの両方の主面に貼付される。
【0034】
図3は、第1主面342及び反対側の第2主面344を有するガラス340、を含む、ラミネート体305の概略断面図である。ラミネート体305は、第1及び第2の多層フィルム300a及び300bを含む。第1及び第2の多層フィルム300a及び300bの各々は、多層フィルム200に対応し得、ポリマー積層体及び光学的に透明な接着剤層を含んでもよい。第1の多層フィルム300aは、第1の多層フィルム300aの光学的に透明な接着剤層が第1主面342の上に配置された状態でガラス340に貼付される。第2の多層フィルム300bは、第2の多層フィルム300bの光学的に透明な接着剤層が第2主面344の上に配置された状態でガラス340に貼付される。
【0035】
図4は、エステルブロックコポリマーを製造するためのインライン反応押出を含む本明細書による多層フィルムの製造方法の概略図である。第1のポリエステル447及び第2のポリエステル449は、ポリエステルを溶融及び混合する押出機450に供給される。押出機450は、生じた溶融物の流れをネックチューブ454に供給し、これは第1のポリマー456を溶融状態でフィードブロック460内に供給する。押出機450及びネックチューブ454を通った溶融物の流れは、高温であるため、第1及び第2のポリエステル447及び449の間でエステル交換反応が起こり、エステルブロックコポリマーである第1のポリマー456が生成する。いくつかの実施形態において、溶融物の流れは、溶融物の流れが押出機450内にある約1分〜約5分間、及び溶融物の流れがネックチューブ454内にある約10分〜約20分間、200℃〜350℃の範囲の温度を有する。押出機450は、1軸押出機でも2軸押出機でもよく、ギアポンプを含んでもよい。押出機450は、高剪断をもたらしてもよく、約100〜約500回転/分(RPM)で作動してもよい。押出機450は、ネックチューブ454内に約3MPa〜約15MPaの範囲の圧力を生じる。いくつかの実施形態において、追加のポリエステルを押出機450内に供給して、2つを超える種類のブロックを有するエステルブロックコポリマー、を形成してもよい。例えば、変性SA−PETエステルブロックコポリマーは、SA−PET、PET及びPETGをインライン反応押出機に供給することによって製造できる。
【0036】
第1のポリマー456は、押出機450及びネックチューブ454を通るときに起こるエステル交換反応によって形成されることから、第1のポリマー456を製造するプロセスをインライン反応押出と呼ぶことができる。第2のポリマー458は、溶融形態でフィードブロック460内に供給される。第2のポリマー458はまた、インライン反応押出によって形成されたエステルブロックコポリマーであってもよく、エステルブロックコポリマーではないポリマーであってもよく、又は異なるプロセス(例えば、バッチ式エステル交換プロセス)で形成されたエステルブロックコポリマーであってもよい。別の実施形態では、第2のポリマー458は、インライン反応押出によって形成されたエステルブロックコポリマーであり、第1のポリマー456は、エステルブロックコポリマーではないか、又は異なるプロセスによって形成されたエステルブロックコポリマーである。
【0037】
フィードブロック460は、共押出ダイ470への多層流をもたらし、これは多層溶融物475を生じ、それがキャスティングステーション480で冷却されて、非延伸多層フィルム485を生成させる。好適な共押出ダイは、例えば、米国特許第6,767,492号(Norquist et al.)に記載されている。キャスティングステーション480は、多層溶融物475をクエンチするためのチルロールを含んでもよい。未延伸多層フィルム485は、延伸機490上で延伸され、延伸機は、長さ配向機、幅出し延伸機、又は長さ配向機と幅出し延伸機とが連続する組み合わせであってもよく、未延伸多層フィルム485を二軸又は一軸延伸して、延伸多層フィルム495を製造してもよい。延伸機490は、多層フィルムを2方向に順次延伸してもよく(例えば、長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する)、又は2つの面内方向に同時に延伸してもよい。多層フィルム495の一方の主面にプライマー及びハードコート層を追加するため、及び/又は多層フィルム495の反対側の主面に接着剤層を追加するために、追加の加工工程が含まれてもよい。
【実施例】
【0038】
材料
変性PETとは、エステルブロックコポリマーの50重量%を超えるPETブロック、を含むエステルブロックコポリマー、を指す。変性SA−PETとは、エステルブロックコポリマーの50重量%を超えるSA−PETブロック、を含むエステルブロックコポリマー、を指す。
SA−PETペレットは、ダウ・ケミカル(Midland,MI)より入手した。
Nanya1N502PETペレットは、Nanya Technology Corporation(台湾)より入手した。
Nanya1N404PETペレットは、Nanya Technology Corporation(台湾)より入手した。
PETGペレットは、イーストマンケミカル(Kingsport,TN)より、PETg6763の商品名で入手した。
【0039】
試験法
フィルム試料のヘイズは、BYK−Gardner Inc.(Silver Springs,MD)から入手したHAZE−GARD PLUS計を使用して、ASTM D1003−13規格に従って測定した。
【0040】
グレーブス耐引裂性は、ASTM D1004−13に従って、試験規格で規定されたダイで試料を切断し、クロスヘッド移動速度一定型試験機を使用して試料に力を加え、試料を引き裂いて測定した。試験から、加えた力を試料の伸び率の関数として求めることができる。MD及びTD方向の各々におけるグレーブス面積を、力対伸び率の曲線の下側の面積として求めた。
【0041】
穿刺伝播引裂(PPT)抵抗は、698.5gのキャリッジ重量及び17.0cmの落下高さを使用したことを除き、ASTM D2582−09の記載に従って測定した。
【0042】
変性SA−PETフィルム
変性SA−PETキャストウェブは、PET(Nanya1N502PET)及びSA−PETのポリマーを表1に示す種々の比率で反応させることによって作製した。反応は、インライン反応押出プロセスで起こった。ポリマーがインライン反応器内を通って流れる際に、ポリマーは温度、圧力及び反応時間の分布に供された。反応条件は、温度の分布が200〜300℃の範囲であり、圧力の分布が500psi(3.4MPa)〜2000psi(13.8MPa)の範囲であり、反応時間の分布が3分〜30分の範囲であるように選択した。条件は、ポリエステル構造を完全にランダム化することなくブロック状構造が存在するように選択した。反応は、2軸押出機を使用し、上記の反応条件を達成するように加工変数を制御して実施した。次いで、融解溶融物を、約20℃〜約50℃の範囲の温度に保持したチルロール上にキャスティングし、キャストウェブを得た。
【0043】
種々の変性SA−PETブロックコポリマー及びSA−PETのキャストウェブのヘイズを測定した。キャストウェブは、約30mil(0.76mm)の厚さを有した。SA−PETキャストウェブのヘイズは約60.3%であった。RT及び湿度50%で7日間エージングした後の変性SA−PETキャストウェブのヘイズを表1に示す。
【表1】
【0044】
PET/PETGエステルブロックコポリマーフィルム
PET/PETGエステルブロックコポリマーキャストウェブは、PET(Nanya1N502PET)及びPETGのポリマーを表2に示す種々の比率で反応させることによって作製した。反応は、インライン反応押出プロセスで起こった。ポリマーは、インライン反応器内を通って流れる際に、温度、圧力及び反応時間の分布に供された。反応条件は、温度の分布が200〜300℃の範囲であり、圧力の分布が500psi(3.4MPa)〜2000psi(13.8MPa)の範囲であり、反応時間の分布が3分〜30分の範囲であるように選択した。条件は、ポリエステル構造を完全にランダム化することなくブロック状構造が存在するように選択した。反応は、2軸押出機を使用し、上記の反応条件を達成するように加工変数を制御して実施した。次いで、融解溶融物を、約20℃〜約50℃の範囲の温度に保持したチルロール上にキャスティングし、キャストウェブを得た。
【0045】
種々のPET/PETGエステルブロックコポリマーフィルム並びにPET及びPETGフィルムのキャストウェブのヘイズを測定した。キャストウェブは、約50mil(1.3mm)の厚さを有した。RT及び湿度50%で7日間エージングした後のキャストウェブのヘイズの測定値を表2に示す。
【表2】
【0046】
種々のキャストウェブを、約3.5×3.5の延伸比で2軸延伸して、4mil(102μm)のフィルムを作製した。RT及び湿度50%で7日間エージングした後のフィルムのヘイズを測定し、表3に報告する。
【表3】
【0047】
比較例C−1
PET(Nanya1N404PET)樹脂は、約1900kg/時の供給速度で1軸押出機を通して供給し、SA−PET樹脂は、約90kg/時の供給速度で2軸押出機を通して供給した。PETの溶融温度は約546°F(286℃)であり、SA−PETの溶融温度は約495°F(257℃)であった。溶融物の流れを、13層フィードブロックに導き、PETとSA−PETとの交互層を形成した。次いで、溶融物をフィルムダイ内に広げ、チルロール上にキャスティングしてキャストウェブを形成した。次いで、キャストウェブを、MD方向及びTD方向に、それぞれ3.2及び3.3の延伸比で順次延伸した。キャストライン速度は、完成フィルム厚さが約8mil(203μm)となるように調節した。
【0048】
実施例1
重量比80:20のPET(Nanya1N404PET)及びPETGを、「PET/PETGエステルブロックコポリマーフィルム」の項に記載の加工条件下で、約1900kg/時の合計供給速度で1軸押出機を通して供給し、変性PET溶融物の流れを作製した。SA−PET樹脂は、約90kg/時の供給速度で2軸押出機を通して供給し、SA−PET溶融物の流れを作製した。変性PETの溶融温度は約546°F(286℃)であり、SA−PETの溶融温度は約495°F(257℃)であった。溶融物の流れを、13層フィードブロックに導き、変性PETとSA−PETとの交互層を形成した。次いで、溶融物をフィルムダイ内に広げ、チルロール上にキャスティングしてキャストウェブを形成した。次いで、キャストウェブを、MD方向及びTD方向に、それぞれ3.2及び3.3の延伸比で順次延伸した。キャストライン速度は、完成フィルム厚さが約8mil(203μm)となるように調節した。
【0049】
実施例2
重量比80:20のPET(Nanya PET1N404)及びPETGを、「PET/PETGエステルブロックコポリマーフィルム」の項に記載の加工条件下で、約1900kg/時の合計供給速度で1軸押出機を通して供給し、変性PET溶融物の流れを作製した。重量比80:20のSA−PET及びPETGを、「変性SA−PETフィルム」の項に記載の加工条件下で、約90kg/時の合計供給速度で2軸押出機を通して供給し、変性SA−PET溶融物の流れを作製した。変性PETの溶融温度は約546°F(286℃)であり、変性SA−PETの溶融温度は約495°F(257℃)であった。溶融物の流れを、13層フィードブロックに導き、変性PETと変性SA−PETとの交互層を形成した。次いで、溶融物をフィルムダイ内に広げ、チルロール上にキャスティングしてキャストウェブを形成した。次いで、キャストウェブを、MD方向及びTD方向に、それぞれ3.2及び3.3の延伸比で順次延伸した。キャストライン速度は、完成フィルム厚さが約8mil(203μm)となるように調節した。
【0050】
比較例C−1及び実施例1〜2の完成フィルムのヘイズを、HAZE−GARD PLUSヘイズ計を使用して8日間観測し、異なる材料組成間でのヘイズの違いを確認した。ヘイズは、数日間かけて上昇した後、安定することが観察された。得られた安定したヘイズ値を表4に報告する。
【表4】
【0051】
完成フィルムのグレーブス耐引裂性及びPPT引裂抵抗を、MD及びTD方向で測定した。グレーブス最大力及びグレーブス最大破断点伸びを表5に報告し、グレーブス面積及びPPT引裂抵抗を表6に報告する。
【0052】
結果は、比較例C−1と比較して、十分な耐引裂性を維持しながら、ヘイズが顕著に低下し得ることを示す。
【表5】
【表6】
【0053】
追加の実施例は、実施例2の変性SA−PET溶融物の流れと従来PET溶融物の流れとを13層フィードブロックに供給し、例えば、PETと変性SA−PETの交互層を形成することによって調製できる。得られる13層溶融物を、次いで、実施例2のようにキャスティング及び延伸することができる。更なる実施例は、変性PET溶融物の流れを作製するために使用されるPET及びPETGの割合並びに/又は変性SA−PET溶融物の流れを作製するために使用されるSA−PET及びPETGの割合を、それぞれ「PET/PETGエステルブロックコポリマーフィルム」及び「変性SA−PETフィルム」の項に記載のように変えることによって調製できる。
【0054】
以下は、本明細書の例示的な実施形態のリストである。
【0055】
実施形態1は、耐引裂性多層フィルムであって、
第1及び第2の層型を含むポリマー層積層体であって、第1の層型のポリマー層は第1のポリマーを含み、第2の層型のポリマー層は第2のポリマーを含み、ポリマー層が、第1の層型のいずれの2つの層も直接隣接せず、第2の層型のいずれの2つの層も直接隣接しないように配列された、ポリマー層積層体を含み、
第1のポリマーは、ポリエチレンテレフタレートであるか、又はポリエチレンテレフタレートブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含む第1のエステルブロックコポリマーであり、このエステルブロックコポリマーが、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを更に含み、
第2のポリマーは、セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートであるか、又はセバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックを第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含む第2のエステルブロックコポリマーであり、この第2のエステルブロックコポリマーが、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを更に含み、
耐引裂性多層フィルムは、第1及び第2の層型の層の総数が8〜300の範囲であり、並びに
次の条件
(i)第1のポリマーは、第1のエステルブロックコポリマーであり、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを、第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む。
(ii)第2のポリマーは、第2のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを、第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む。
の少なくとも1つが満足される、耐引裂性多層フィルムである。
【0056】
実施形態2は、第2のポリマーが、第2のエステルブロックコポリマーであり、セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックを第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約70%〜約90%の範囲で含む、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0057】
実施形態3は、第2のポリマーが、第2のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを、第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約30%の範囲で含む、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0058】
実施形態4は、第1のポリマーが、第1のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約60%〜約95%の範囲で含む、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0059】
実施形態5は、第1のポリマーが、第1のエステルブロックコポリマーであり、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約40%の範囲で含む、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0060】
実施形態6は、第1のポリマーが第1のエステルブロックコポリマーであり、第2のポリマーが第2のエステルブロックコポリマーであり、第1のエステルブロックコポリマーがグリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含み、第2のエステルブロックコポリマーがポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0061】
実施形態7は、第1のエステルブロックコポリマーが、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約40%の範囲で含み、第2のエステルブロックコポリマーが、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約30%の範囲で含む、実施形態6に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0062】
実施形態8は、セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレート又はセバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックが、約50〜約70モル当量のテレフタル酸と、約50〜約30モル当量のセバシン酸と、約100モル当量のエチレングリコールとの反応生成物を含む、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0063】
実施形態9は、第1及び第2のポリマーのうちの少なくとも1つが、約100モル当量のテレフタル酸と、約70〜約98モル当量のエチレングリコールと、約30〜約2モル当量のシクロヘキサンジメタノールとの反応生成物を含むグリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、を含む、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0064】
実施形態10は、第1及び第2の層型の層の総数が9〜30の範囲である、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0065】
実施形態11は、耐引裂性多層フィルムが実質的に透明であり、約2%未満のヘイズを有する、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0066】
実施形態12は、耐引裂性多層フィルムが、第1の方向及び第1の方向と異なる第2の方向の各々に、少なくとも1000N×%のグレーブス面積を有する、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0067】
実施形態13は、ポリマー層が二軸配向されている、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0068】
実施形態14は、第1及び第2の層型が積層体内で交互になっている、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0069】
実施形態15は、ポリマー層積層体の第1の最外層の上に配置されたプライマー層と、プライマー層の上に配置されたハードコート層とを更に含む、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0070】
実施形態16は、ポリマー層積層体の第1の最外層の反対側にあるポリマー層積層体の第2の最外層の上に配置された、光学的に透明な接着剤層を更に含む、実施形態15に記載の耐引裂性多層フィルムである。
【0071】
実施形態17は、ラミネート体であって、
第1主面及び反対側の第2主面を有するガラスと、
上記ガラスに貼付された実施形態16に記載の第1の耐引裂性多層フィルムと、を含み、第1の耐引裂性多層フィルムの光学的に透明な接着剤層が上記ガラスの第1主面の上に配置されている、ラミネート体である。
【0072】
実施形態18は、第1の耐引裂性多層フィルムの反対側のガラスに貼付された実施形態16に記載の第2の耐引裂性多層フィルムを更に含み、第2の耐引裂性多層フィルムの光学的に透明な接着剤層がガラスの第2主面の上に配置されている、実施形態17に記載のラミネート体である。
【0073】
実施形態19は、第1及び第2のポリマーの複数の層をその溶融状態で共押出しする工程、を含む、実施形態1に記載の耐引裂性多層フィルムの製造方法である。
【0074】
実施形態20は、第1及び第2のポリマーのうちの少なくとも1つが、200℃〜350℃の温度範囲でのインライン反応押出による2つ以上のポリエステルのエステル交換によって形成される、実施形態19に記載の方法である。
【0075】
以上、本明細書において具体的な実施形態を図示し説明したが、本開示の範囲を逸脱することなく、図示及び説明された具体的な実施形態を、さまざまな代替的かつ/又は均等な実現形態で置き換えることができることは、当業者であれば認識されるであろう。本出願は、本明細書において説明した具体的な実施形態のいかなる適合例又は変形例をも包含することを意図している。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されるものとする。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2017年6月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
以上、本明細書において具体的な実施形態を図示し説明したが、本開示の範囲を逸脱することなく、図示及び説明された具体的な実施形態を、さまざまな代替的かつ/又は均等な実現形態で置き換えることができることは、当業者であれば認識されるであろう。本出願は、本明細書において説明した具体的な実施形態のいかなる適合例又は変形例をも包含することを意図している。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されるものとする。本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[20]に記載する。
[項目1]
耐引裂性多層フィルムであって、
第1及び第2の層型を含むポリマー層積層体であって、前記第1の層型の前記ポリマー層は第1のポリマーを含み、前記第2の層型の前記ポリマー層は第2のポリマーを含み、前記ポリマー層が、前記第1の層型のいずれの2つの層も直接隣接せず、前記第2の層型のいずれの2つの層も直接隣接しないように配列された、前記ポリマー層積層体を含み、
前記第1のポリマーは、ポリエチレンテレフタレートであるか、又はポリエチレンテレフタレートブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含む前記第1のエステルブロックコポリマーであり、前記エステルブロックコポリマーが、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを更に含み、
前記第2のポリマーは、セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートであるか、又はセバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックを第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含む前記第2のエステルブロックコポリマーであり、前記第2のエステルブロックコポリマーが、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを更に含み、
前記耐引裂性多層フィルムは、前記第1及び第2の層型の層の総数が8〜300の範囲であり、並びに
次の条件
(i)前記第1のポリマーは、前記第1のエステルブロックコポリマーであり、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む。
(ii)前記第2のポリマーは、前記第2のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む。
の少なくとも1つが満足される、耐引裂性多層フィルム。
[項目2]
前記第2のポリマーが、前記第2のエステルブロックコポリマーであり、セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約70%〜約90%の範囲で含む、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目3]
前記第2のポリマーが、前記第2のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約30%の範囲で含む、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目4]
前記第1のポリマーが、前記第1のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約60%〜約95%の範囲で含む、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目5]
前記第1のポリマーが、前記第1のエステルブロックコポリマーであり、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約40%の範囲で含む、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目6]
前記第1のポリマーが前記第1のエステルブロックコポリマーであり、前記第2のポリマーが前記第2のエステルブロックコポリマーであり、前記第1のエステルブロックコポリマーが、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含み、前記第2のエステルブロックコポリマーが、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目7]
前記第1のエステルブロックコポリマーが、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約40%の範囲で含み、前記第2のエステルブロックコポリマーが、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約30%の範囲で含む、項目6に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目8]
前記セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレート又は前記セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックが、約50〜約70モル当量のテレフタル酸と、約50〜約30モル当量のセバシン酸と、約100モル当量のエチレングリコールとの反応生成物を含む、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目9]
前記第1及び第2のポリマーのうちの少なくとも1つが、約100モル当量のテレフタル酸と、約70〜約98モル当量のエチレングリコールと、約30〜約2モル当量のシクロヘキサンジメタノールとの反応生成物を含むグリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、を含む、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目10]
前記第1及び第2の層型の層の総数が、9〜30の範囲である、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目11]
前記耐引裂性多層フィルムが、実質的に透明であり、約2%未満のヘイズを有する、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目12]
前記耐引裂性多層フィルムが、第1の方向及び前記第1の方向と異なる第2の方向の各々に、少なくとも1000N×%のグレーブス面積を有する、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目13]
前記ポリマー層が、二軸配向されている、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目14]
前記第1及び第2の層型が、前記積層体内で交互になっている、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目15]
前記ポリマー層積層体の第1の最外層の上に配置されたプライマー層と、前記プライマー層の上に配置されたハードコート層と、を更に含む、項目1に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目16]
前記ポリマー層積層体の前記第1の最外層の反対側にある前記ポリマー層積層体の第2の最外層の上に配置された、光学的に透明な接着剤層を更に含む、項目15に記載の耐引裂性多層フィルム。
[項目17]
ラミネート体であって、
第1主面及び反対側の第2主面を有するガラスと、
前記ガラスに貼付された項目16に記載の第1の耐引裂性多層フィルムと、を含み、前記第1の耐引裂性多層フィルムの前記光学的に透明な接着剤層が前記ガラスの前記第1主面の上に配置されている、ラミネート体。
[項目18]
前記第1の耐引裂性多層フィルムの反対側の前記ガラスに貼付された項目16に記載の第2の耐引裂性多層フィルムを更に含み、前記第2の耐引裂性多層フィルムの前記光学的に透明な接着剤層が前記ガラスの前記第2主面の上に配置されている、項目17に記載のラミネート体。
[項目19]
前記第1及び第2のポリマーの複数の層をその溶融状態で共押出しする工程、を含む、項目1に記載の耐引裂性多層フィルムの製造方法。
[項目20]
前記第1及び第2のポリマーのうちの少なくとも1つが、200℃〜350℃の温度範囲でのインライン反応押出による2つ以上のポリエステルのエステル交換によって形成される、項目19に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐引裂性多層フィルムであって、
第1及び第2の層型を含むポリマー層積層体であって、前記第1の層型の前記ポリマー層は第1のポリマーを含み、前記第2の層型の前記ポリマー層は第2のポリマーを含み、前記ポリマー層が、前記第1の層型のいずれの2つの層も直接隣接せず、前記第2の層型のいずれの2つの層も直接隣接しないように配列された、前記ポリマー層積層体を含み、
前記第1のポリマーは、ポリエチレンテレフタレートであるか、又はポリエチレンテレフタレートブロックを第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含む前記第1のエステルブロックコポリマーであり、前記第1のエステルブロックコポリマーが、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを更に含み、
前記第2のポリマーは、セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートであるか、又はセバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックを第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも50%含む前記第2のエステルブロックコポリマーであり、前記第2のエステルブロックコポリマーが、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを更に含み、
前記耐引裂性多層フィルムは、前記第1及び第2の層型の層の総数が8〜300の範囲であり、並びに
次の条件
(i)前記第1のポリマーは、前記第1のエステルブロックコポリマーであり、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む。
(ii)前記第2のポリマーは、前記第2のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む。
の少なくとも1つが満足される、耐引裂性多層フィルム。
【請求項2】
前記第2のポリマーが、前記第2のエステルブロックコポリマーであり、セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約70%〜約90%の範囲で含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項3】
前記第2のポリマーが、前記第2のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約30%の範囲で含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項4】
前記第1のポリマーが、前記第1のエステルブロックコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約60%〜約95%の範囲で含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項5】
前記第1のポリマーが、前記第1のエステルブロックコポリマーであり、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で約5%〜約40%の範囲で含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項6】
前記第1のポリマーが前記第1のエステルブロックコポリマーであり、前記第2のポリマーが前記第2のエステルブロックコポリマーであり、前記第1のエステルブロックコポリマーが、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロックを前記第1のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含み、前記第2のエステルブロックコポリマーが、ポリエチレンテレフタレートブロック、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、又はこれらの組み合わせを前記第2のエステルブロックコポリマーの重量%で少なくとも約5%含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項7】
前記セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレート又は前記セバシン酸置換ポリエチレンテレフタレートブロックが、約50〜約70モル当量のテレフタル酸と、約50〜約30モル当量のセバシン酸と、約100モル当量のエチレングリコールとの反応生成物を含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項8】
前記第1及び第2のポリマーのうちの少なくとも1つが、約100モル当量のテレフタル酸と、約70〜約98モル当量のエチレングリコールと、約30〜約2モル当量のシクロヘキサンジメタノールとの反応生成物を含むグリコール変性ポリエチレンテレフタレートブロック、を含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルム。
【請求項9】
ラミネート体であって、
第1主面及び反対側の第2主面を有するガラスと、
前記ガラスの前記第1主面に貼付された請求項に記載の第1の耐引裂性多層フィルムと、を含、ラミネート体。
【請求項10】
前記第1及び第2のポリマーの複数の層をその溶融状態で共押出しする工程、を含む、請求項1に記載の耐引裂性多層フィルムの製造方法。
【国際調査報告】