特表2017-538747(P2017-538747A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-538747デオドラント剤及び/又は芳香剤としてのトリプトファンのエステル誘導体の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-538747(P2017-538747A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】デオドラント剤及び/又は芳香剤としてのトリプトファンのエステル誘導体の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20171201BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20171201BHJP
   C07D 209/20 20060101ALI20171201BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   A61K8/49
   A61Q13/00 101
   C07D209/20
   A61Q15/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】114
(21)【出願番号】特願2017-532879(P2017-532879)
(86)(22)【出願日】2015年12月18日
(85)【翻訳文提出日】2017年8月15日
(86)【国際出願番号】EP2015080696
(87)【国際公開番号】WO2016097398
(87)【国際公開日】20160623
(31)【優先権主張番号】1462828
(32)【優先日】2014年12月18日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】モード・ブロサ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・マルード
【テーマコード(参考)】
4C083
4C204
【Fターム(参考)】
4C083AB222
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC352
4C083AC842
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083CC17
4C083DD27
4C083EE18
4C083FF01
4C204BB09
4C204CB03
4C204DB19
4C204EB02
4C204FB01
4C204GB01
(57)【要約】
本発明は、体臭、好ましくは腋窩臭を処置するための、デオドラント剤としての、式(I)を有する少なくとも1つの以下の化合物、並びにその塩、その光学異性体及び幾何異性体及びその溶媒和物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体臭を処置するためのデオドラント剤としての、式(I)を有する少なくとも1つの以下の化合物、並びにその塩、その光学異性体及び幾何異性体、及びその溶媒和物の使用:
【化1】
[式中、Rは、
- -C(R2)(R3)(R4)基(式中、
・ R2は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルケニル基を表し、
・ R3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルケニル基を表し、
・ R4は、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C17)アルキル基であって、OH、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C17)アルケニル基であって、OH、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)アリール、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル、
・Raが直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルキル基を表す、-C(O)Ra
を表し、
・ R3及びR4は、それらを有する炭素原子と一緒になって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル又は(ヘテロ)シクロアルケニルの中から選択される環を形成することができ、前記(ヘテロ)シクロアルキル及び(ヘテロ)シクロアルケニルは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい)、
- A基であって、
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C6)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)アリール、
及び
・ 9〜30個の原子を含む多環式基であって、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルキル基及び直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルケニル基の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、多環式基
からの群において選択される、A基
を表す]。
【請求項2】
式(I)を有する化合物が、Rが以下の基の1つを表すものである、請求項1に記載の使用。
【化2A】
【化2B】
【化2C】
【化2D】
【化2E】
【請求項3】
式(I)を有する化合物が、以下の化合物:
- 以下の構造を有するトリプトファンエチルエステル塩酸塩:
【化3】
- 以下の構造を有するトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル:
【化4】
- 以下の構造を有するトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル塩酸塩:
【化5】
- 以下の構造を有するトリプトファンジヒドロミルセニルエステル:
【化6】
- 以下の構造を有するトリプトファンオクチルエステル塩酸塩:
【化7】
- 以下の構造を有するトリプトファンベンジルエステル:
【化8】
- 以下の構造を有するトリプトファンtertブチルエステル塩酸塩:
【化9】
の中から選択される、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
式(I)を有する化合物が、以下の式(II)による芳香剤である、請求項1に記載の使用:
【化10】
[式中、R'は、
- -C(R'2)(R'3)(R'4)基(式中、
・ R'2は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルケニル基を表し、
・ R'3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルケニル基を表し、
・ R'4は、
・ (C1〜C17)アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐状(C5〜C17)アルキル基であって、OH、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ (C3〜C17)アルケニル基、好ましくは直鎖状又は分岐状(C5〜C17)アルケニル基であって、OH、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)アリール、
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル、
・Raが(C1〜C6)アルキル基を表す、-C(O)Ra
を表し、
・ R'3及びR'4は、それらを有する炭素原子と一緒になって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル又は(ヘテロ)シクロアルケニルの中から選択される環を形成することができ、前記環は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい)、
- A'基であって、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C6)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリール、及び
・ 9〜30個の原子を含む多環式基であって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルケニルを含む群の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、多環式基
からの群において選択される、A'基
を表し、但し、R'2及びR'3が水素原子を表す場合、R'4は、(C1〜C2)アルキル基を表さない条件とする]。
【請求項5】
式(II)を有する化合物が、R'が以下の基の1つを意味するものである、請求項4に記載の使用。
【化11A】
【化11B】
【化11C】
【化11D】
【化11E】
【請求項6】
式(II)を有する化合物が、以下の化合物:
- 以下の構造を有するトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル:
【化12】
- 以下の構造を有するトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル塩酸塩:
【化13】
- 以下の構造を有するトリプトファンジヒドロミルセニルエステル:
【化14】
- 以下の構造を有するトリプトファンオクチルエステル塩酸塩:
【化15】
- 以下の構造を有するトリプトファンベンジルエステル:
【化16】
- 以下の構造を有するトリプトファンtertブチルエステル塩酸塩:
【化17】
の中から選択される、請求項4又は5に記載の使用。
【請求項7】
以下の式(VIII)を有する化合物:
【化18】
[式中、R"は、
- -C(R"2)(R"3)(R"4)基(式中、
・ R"2は、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルケニル基を表し、
・ R"3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルケニル基を表し、
・ R"4は、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C17)アルキル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基
・ 直鎖状又は分岐状(C3〜C17)アルケニル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)アリール、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル
を表し、
・ R"3及びR"4は、それらを有する炭素原子と一緒になって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル又は(ヘテロ)シクロアルケニルの中から選択される環を形成することができ、前記環は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい)、
- -CH2-R"5基(式中、R"5は、
・ 直鎖状又は分岐状(C2〜C17)アルケニル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールを含む群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールを含む群において選択される少なくとも1つの基により置換されている、直鎖状又は分岐状(C2〜C17)アルキル基であって、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、前記(ヘテロ)シクロアルケニルは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル
を表す)、
- A"基であって、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C6)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリール、及び
・ 9〜30個の原子を含む多環式基であって、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルキル基及び直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルケニル基を含む群の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、多環式基
からの群において選択される、A"基
を表し、但し、R"は、-CH(CH3)-C2H5又は-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3を表さない]
並びに、その塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は水和物であって、
以下の化合物:
【化19】
を除く、式(VIII)を有する化合物、並びにその塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は水和物。
【請求項8】
式(AD)の化合物。
【化20】
【請求項9】
以下の化合物
- 以下の構造を有するトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル:
【化21】
- 以下の構造を有するトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル塩酸塩:
【化22】
- 以下の構造を有するトリプトファンジヒドロミルセニルエステル
【化23】
から選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
特に、生理学的に許容される媒体中に、
- 請求項1から3のいずれか一項に規定の式(I)を有する少なくとも1つの化合物、及び
- 1種若しくは複数の追加の制汗剤、及び/又は式(I)の化合物以外のデオドラント剤
を含む、組成物C1。
【請求項11】
特に、生理学的に許容される媒体中に、
- 請求項4から6のいずれか一項に規定の式(II)を有する少なくとも1つの化合物、及び
- 1種若しくは複数の追加の制汗剤、及び/又は式(I)の化合物以外のデオドラント剤
を含む、組成物C2。
【請求項12】
特に、生理学的に許容される媒体中に、
- 請求項7又は9に規定の式(III)を有する少なくとも1つの化合物、及び/又は請求項8に記載の式(AD)を有する少なくとも1つの化合物、並びに
- 場合により、1種若しくは複数の追加の制汗剤、及び/又は式(I)の化合物以外のデオドラント剤
を含む、組成物C3。
【請求項13】
体臭、好ましくは腋窩臭を処置するため、場合によりヒトケラチン物質、前記ケラチン物質に接触する可能性がある衣料物質又は皮革物品を芳香するための方法であって、前記ヒトケラチン物質、衣料物質又は皮革物品に、請求項10から12のいずれか一項に記載の組成物C1、C2又はC3を施用するステップを含む、方法。
【請求項14】
少なくとも1つのヒトケラチン物質、前記ケラチン物質に接触する可能性がある少なくとも1つの衣料物質又は少なくとも1つの皮革物品を芳香するための方法であって、前記物質に、請求項11又は12に記載の組成物C2又はC3を施用するステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デオドラント剤としての、場合により芳香剤としてのトリプトファン、特に、L-トリプトファンのエステル誘導体の使用に関する。
【0002】
本発明はまた、トリプトファン、特にL-トリプトファンの新規エステル誘導体、並びに調製するためのそれらの方法、及びそれらを含有する組成物、すなわち化粧用組成物に関する。
【0003】
本発明はまた、体臭を処置する方法、場合により、特に汗の存在下での、ヒトケラチン物質の、前記ヒトケラチン物質に接触している衣料物質の又は皮革物品の芳香方法にも関する。
【0004】
本発明は更に、トリプトファン、特にL-トリプトファンの少なくとも1つのエステル誘導体、並びに制汗剤及び/又は追加のデオドラント剤を含有する組成物、特に化粧用組成物、並びに体臭、特に、腋窩臭の処置のためのこのような組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0005】
化粧品の分野において、一般に、不快な体臭、特に腋窩臭を軽減するか又はなくすための、制汗剤又はデオドラントタイプの活性物質を含有するデオドラント製品の局所施用は周知である。
【0006】
エクリン腺又はアポクリン腺の汗は、分泌された時には臭いが少ない。悪臭物質を生成するのは、酵素反応を介した細菌によるその分解である。デオドラント剤の機能は、不快な臭いの形成を低減又は予防するものである。更に、制汗性物質は、汗の流れを制限する作用を有しており、一般に、アルミニウム塩から構成されている。
【0007】
デオドラント物質は、一般に、常在細菌叢を破壊する。これらの物質のうち、最も一般に使用されるものは、皮膚叢の生態を著しく改変するという欠点を含む、トリクロサン(2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル)及びファルネソールである。細菌の増殖を低下させる物質が存在する。これらの物質のうち、EDTA又はDPTA等の遷移金属キレート剤を挙げることができる。これらの物質は、細菌の増殖に必要な金属を周囲から奪う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】US2005/063928
【特許文献2】米国出願第2005084464号
【特許文献3】米国出願第2005084474号
【特許文献4】欧州出願第1658863号
【特許文献5】米国特許第6916465号
【特許文献6】US3792068
【特許文献7】米国特許第5,002,698号
【特許文献8】中国特許第102351775号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Rosowskyら、J. Med. Chem. 1981年、24巻、1450頁
【非特許文献2】Castroら、Synthesis 1977年、413頁
【非特許文献3】C. FOX、「Cosmetics and Toiletries」、1986年11月、101巻、101〜112頁
【非特許文献4】Kir'yanova, E. P.ら、Pharmaceutical Chemistry Journal、45巻(2号)、103〜106頁、2011年のSynthesis of substituted dipeptide GB-115 as a potential selective anxiolytic
【非特許文献5】J. Org. Chem.、1983年、48巻(1号)、121〜123頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、ヒトの発汗、特に腋窩臭に関連する不快な体臭を処置するために、化粧用配合物に融合するのに好適な新規成分を見出すことが必要とされている。
【0011】
強力且つ/若しくは不快な臭いをマスクする、及び/又は良好な臭いを製品若しくは組成物に付与するという観点から、ある数の製品又は組成物、特に化粧製品又は皮膚用製品に、1種又は複数の香水を配合するのが一般的である。
【0012】
したがって、ヒトの発汗、特に腋窩臭に関連する不快な体臭を処置することができる、場合により芳香作用を有することができる新規成分を見出すことが必要とされている。
【0013】
本発明は、腋窩臭等のヒトの発汗に関連する不快な体臭を処置することが可能な、誘導体を提供する目的を有する。
【0014】
本発明の目的の1つは、特に、ヒトにおける臭いを低減するため、より特には腋窩臭等の体臭に対処するための、デオドラント活性を有する誘導体を提供することでもある。
【0015】
本発明の別の目的は、特にヒトにおいて臭いを低減するため、より特には体臭、特に腋窩臭に対処するためのデオドラント活性と、特に汗の存在下で、ヒトケラチン物質、前記ケラチン物質に接触している衣料物質又は皮革物品に施用した後の芳香作用の両方を有する誘導体を提供することからなる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、上記の欠点を伴わず、本発明の以下で詳述されている式(I)を有する化合物が、単独又は混合物中で、良好なデオドラント効果を有し、並びに単独で又は場合により本発明の化合物とは異なる従来の追加の制汗剤及び/又はデオドラント剤と関連して、体臭、特に、腋窩臭を低減するよう意図されている製品中に容易に配合することができたことを驚くべきことに発見した。
【0017】
本発明による式(I)を有する化合物は、腋窩臭等のヒトの発汗に関連する不快な体臭を処置することが可能な、デオドラント活性を有利にも有する。
【0018】
驚くべきことに、本発明者らは、式(I)を有するある種の化合物、特に式(II)及び(III)を有する化合物は、デオドラント活性と芳香作用の両方を有することを発見した。
【0019】
使用
本発明は、特に、生理学的に許容される媒体を含む組成物において、体臭、好ましくは腋窩臭を処置するためのデオドラント剤としての、特に汗の存在下で、通常、ヒトケラチン物質への施用後、又は、ヒトケラチン物質に表面で接触した後の、場合により芳香剤としての、本明細書の以下で定義されているような式(I)を有する少なくとも1つの化合物の使用に関する。
【0020】
本発明は、特に、生理学的に許容される媒体を含む組成物において、特に汗の存在下で、通常、ヒトケラチン物質への施用後、又は、ヒトケラチン物質に表面で接触した後の、芳香剤としての、本明細書の以下で定義されているような式(II)を有する少なくとも1つの化合物の使用にも関する。
【0021】
特に、表面は、特に汗の存在下での、ケラチン物質と接触する可能性がある、衣料物質又は皮革物品の表面である。
【0022】
本発明はまた、特に、体臭、特に腋窩臭を処置するための化粧用組成物において、少なくとも1種の作用剤である制汗剤及び/又は本発明の式(I)を有する化合物とは異なる少なくとも1種の付加的なデオドラント剤と組み合わせた、式(I)を有する少なくとも1つの化合物の使用にも関する。
【0023】
本発明の枠組みでは、特に明記しない限り、用語「デオドラント剤」は、細菌によるヒトの汗の分解に起因する不快な臭いをマスクすること、吸収すること、改善すること及び/又は低減することが可能な任意の物質を意味する。
【0024】
本発明の枠組みでは、特に明記しない限り、用語「制汗剤」は、汗の流れを低減する、ヒトの汗に関連する皮膚上のじめじめとした感覚を軽減する、及び/又はヒトの汗の臭いをマスクする作用を単独で有する分子を意味する。
【0025】
本発明の枠組みでは、特に明記しない限り、用語「芳香剤」は、施用後、特にヒトケラチン物質、好ましくはヒトケラチン物質に接触している皮革物品及び衣料物質への施用後に、快適な臭いを有する任意の物質を意味する。
【0026】
本発明の枠組みでは、特に明記しない限り、用語「式(I)を有する少なくとも1つの化合物」は、式(I)を有する化合物、又は式(I)を有する様々な化合物の混合物を意味する。
【0027】
一実施形態によれば、式(I)、(II)又は(III)を有する化合物は、単独で、又は1種若しくは複数の追加の制汗剤及び/又はデオドラント剤との混合物で使用することができる。
【0028】
本発明はまた、体臭、好ましくは腋窩臭を処置するための、特に汗の存在下で、ヒトケラチン物質、前記ケラチン物質に接触する可能性がある衣料物質又は皮革物品を場合により芳香するための方法であって、特に汗の存在下で、ヒトケラチン物質、ヒトケラチン物質に接触している衣料物質又は皮革物品に、本明細書の以下に定義されているような組成物C1、C2又はC3を施用するステップを含む、方法に関する。
【0029】
本発明の枠組みでは、特に明記しない限り、用語「ヒトケラチン物質」は、皮膚、例えば、顔、身体の皮膚、特に、手、足、腋の下、頭皮の皮膚、及び皮膚付属器、特に毛髪を意味する。好ましくは、「ヒトケラチン物質」は、皮膚を意味する。
【0030】
本発明の枠組みでは、用語「体臭」は、例えば腋窩臭、足の裏の臭いを意味する。
【0031】
本発明の枠組みでは、「衣料物質」及び「皮革物品」は、通常、特に汗の存在下で、皮膚等のヒトケラチン物質に接触しているものである。例えば、これは、衣服、下着、靴下、帽子である。
【0032】
皮革物品の中では、例えば、靴、皮の洋服、腕時計のバンド、手袋を挙げることができる。
【0033】
衣料物質の中では、例えば、ワタ、亜麻布、絹及びウール等の天然物質、又はナイロン、ポリエステル、アクリル等のポリアミド、Spandex(登録商標)及びLycra(登録商標)等のエラステイン等の合成物質を挙げることができる。
【0034】
本発明はまた、特に汗の存在下で、少なくとも1つのヒトケラチン物質、前記ケラチン物質に接触する可能性がある少なくとも1つの衣料物質又は少なくとも1つの皮革物品を芳香するための方法であって、前記物質に、本明細書の以下に定義されているような組成物C2又はC3を施用するステップを含む、方法に関する。
【0035】
本発明はまた、本明細書の以下に定義されているような組成物C1、C2又はC3、並びに体臭、好ましくは腋窩臭の処置に関連する目視情報を有する通知情報及び/又はパッケージ、並びに場合により、特に汗の存在下で、ヒトケラチン物質、前記ヒトケラチン物質に接触する可能性がある衣料物質又は皮革物質の芳香に関する目視情報を含む装置に関する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
L-トリプトファンのエステル誘導体
単独又は混合物で使用される、本発明によるトリプトファンのエステル誘導体は、以下の式(I)によるものから、その塩、その光学異性体及び幾何異性体、並びに水和物等のその溶媒和物を含めて選択され、特にL-トリプトファンのエステル誘導体、その塩、その光学異性体及び幾何異性体、並びに水和物等のその溶媒和物から選択される:
【0037】
【化1】
【0038】
[式中、Rは、
- -C(R2)(R3)(R4)基(式中、
・ R2は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルケニル基を表し、
・ R3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルケニル基を表し、
・ R4は、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C17)アルキル基であって、OH、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C17)アルケニル基であって、OH、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)アリール、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル、
・ Raが直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルキル基を表す、-C(O)Ra
を表し、
・ R3及びR4は、それらを有する炭素原子と一緒になって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(cycloakyl)又は(ヘテロ)シクロアルケニルの中から選択される環を形成することができ、前記(ヘテロ)シクロアルキル及び(ヘテロ)シクロアルケニルは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい)、
- A基であって、
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルコキシ(alcoxy)、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C6)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)アリール、
及び
・ 9〜30個の原子を含む多環式基であって、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルキル基及び直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルケニル基の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、多環式基
からの群において選択される、A基
を表す]。
【0039】
一実施形態によれば、式(I)を有する化合物は、式(I-1)を有する以下の化合物、並びにそれらの塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は溶媒和物の中から選択される:
【0040】
【化2】
【0041】
(式中、R2、R3及びR4は、本明細書の上で定義されているもの等である)。
【0042】
一実施形態によれば、式(I)又は(I-1)を有する化合物において、R2及びR3は、水素原子を表す。
【0043】
一実施形態によれば、式(I)又は(I-1)を有する化合物において、R2及びR3は、水素原子を表し、R4は、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C12)アルキル基であって、以下の群:シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びフェニルから選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、メチル基等の少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基又はメトキシ基等の(C1〜C4)アルコキシ基により場合により置換されていてもよい、アルキル基
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C14)アルケニル基、
・ 3〜8個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、好ましくはシクロヘキサン(cyclohexan)等の3〜8個の原子を含むシクロアルキルであって、イソプロピル基等の少なくとも1つの直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 5〜8個の原子を含む(ヘテロ)アリール、好ましくはフェニル等の3〜8個の原子を含むアリールであって、メチル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及びメトキシ等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシから選択される、少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)アリール
の中から選択される基を表す。
【0044】
一実施形態によれば、式(I)又は(I-1)を有する化合物において、R2及びR3は、水素原子を表し、R4は、特に、以下の基からなる群から選択される基を表す:
【0045】
【化3】
【0046】
好ましい実施形態によれば、式(I)又は(I-1)を有する化合物において、R2及びR3は、水素原子を表し、R4は、以下の基からなる群から選択される基を表す:
【0047】
【化4】
【0048】
別の実施形態によれば、式(I)又は(I-1)を有する化合物において、R2は水素原子を表し、R3は、メチル基又はペンチル基等の(C1〜C6)アルキル基を表す。
【0049】
一実施形態によれば、式(I)又は(I-1)を有する化合物において、R2は水素原子を表し、R3は、メチル基又はペンチル基等の(C1〜C6)アルキル基を表し、R4は、
・ ブチル基等の直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルキル基であって、シクロペンテニル等の3〜12個の原子を含むシクロアルケニル基により場合により置換されていてもよく、このシクロアルケニルは、メチル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキルの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルにより場合により置換されていてもよい、ペンテニル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C12)アルケニル基であって、前記(ヘテロ)シクロアルキルは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ イソプロピル等の少なくとも1つの直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシル等の(C5〜C8)(ヘテロ)シクロアルキル
から選択される基を表す。
【0050】
一実施形態によれば、式(I)又は(I-1)を有する化合物において、R2は、水素原子を表し、R3は、メチル基又はペンチル基等の(C1〜C6)アルキル基を表し、R4は、以下の基からなる群から選択される基を表す:
【0051】
【化5】
【0052】
別の実施形態によれば、式(I)又は(I-1)を有する化合物において、R2及びR3は、互いに独立して、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基又は直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル基を表す。
【0053】
一実施形態によれば、式(I)又は(I-1)を有する化合物において、R2及びR3は、互いに独立して、メチル、エチル又はビニル基を表し、R4は、
・ ヘキシル、ブチル又はメチル基等の直鎖状又は分岐状(C1〜C12)アルキル基であって、フェニル等の5〜10個の原子を含むアリール基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ ヘキセニル、ヘプテニル、ウンデセニル基等の直鎖状又は分岐状(C1〜C12)アルケニル基であって、OH、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールを含む基において選択される、少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、好ましくは置換されていない、アルケニル基、
・ シクロヘプタン(cycloheptan)基等の3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、メチル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキルの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ シクロヘキセニル基等の、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、メチル等の少なくとも1つの直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル
を含む基から選択される。
【0054】
一実施形態によれば、式(I)又は(I-1)を有する化合物において、
-C(R2)(R3)(R4)は、好ましくは、以下から選択される基を表す:
【0055】
【化6】
【0056】
別の実施形態によれば、式(I)又は(I-1)を有する化合物において、R2は、水素原子、又はメチル基若しくはイソプロピル基等の(C1〜C4)アルキル基を表し、R3及びR4は、それらを有する炭素原子と一緒になって、(ヘテロ)シクロアルキル又は3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルから選択される環を形成し、前記環は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい。
【0057】
一実施形態によれば、式(I)又は(I-1)を有する化合物において、
-C(R2)(R3)(R4)は、特に、以下の基を構成する群から選択される基を表す:
【0058】
【化7】
【0059】
一実施形態によれば、式(I)を有する化合物は、式(I-2)を有する以下の化合物、並びにそれらの塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は溶媒和物の中から選択される:
【0060】
【化8】
【0061】
(式中、Aは、本明細書の上で定義されているもの等である)。
【0062】
一実施形態によれば、式(I)又は(I-2)を有する化合物において、Aは、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリール基、好ましくはフェニル等のアリール基を表し、前記(ヘテロ)アリール基は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、好ましくはプロペニル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニルの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい。
【0063】
好ましい実施形態によれば、式(I)又は(I-2)を有する化合物において、Aは、好ましくは、以下の基を表す:
【0064】
【化9】
【0065】
別の実施形態によれば、式(I)又は(I-2)を有する化合物において、Aは、9〜30個の原子を含む多環式基を表し、前記多環式基は、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルキル基及び直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルケニル基からなる群の中から選択される、少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい。
【0066】
好ましい実施形態によれば、Aは、以下の基の1つを表す:
【0067】
【化10】
【0068】
好ましい実施形態によれば、式(I)を有する化合物、並びにその塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は溶媒和物は、Rが以下の基の1つから選択される基を表すものである。
【0069】
【化11A】
【0070】
【化11B】
【0071】
【化11C】
【0072】
【化11D】
【0073】
【化11E】
【0074】
特に、式(I)を有する化合物の中で、例えば、以下の好ましい化合物を挙げることができる:
- 以下の構造を有するトリプトファンエチルエステル塩酸塩:
【0075】
【化12】
【0076】
- 以下の構造を有するトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル:
【0077】
【化13】
【0078】
- 以下の構造を有するトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル塩酸塩:
【0079】
【化14】
【0080】
- 以下の構造を有するトリプトファンジヒドロミルセニルエステル:
【0081】
【化15】
【0082】
- 以下の構造を有するトリプトファンオクチルエステル塩酸塩:
【0083】
【化16】
【0084】
- 以下の構造を有するトリプトファンベンジルエステル:
【0085】
【化17】
【0086】
- 以下の構造を有するトリプトファンtertブチルエステル塩酸塩:
【0087】
【化18】
【0088】
本発明により使用される上述の式(I)を有する化合物の中で、ある種の化合物は、特に汗の存在下で、そのデオドラント活性に加えて、ケラチン物質と接触した後に、芳香活性を有する。
【0089】
これらは、特に、式(II)を有する以下の化合物、並びにそれらの塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は溶媒和物である:
【0090】
【化19】
【0091】
[式中、R'は、
- -C(R'2)(R'3)(R'4)基(式中、
・ R'2は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルケニル基を表し、
・ R'3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルケニル基を表し、
・ R'4は、
・ (C1〜C17)アルキル基、好ましくは直鎖状又は分岐状(C5〜C17)アルキル基であって、OH、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ (C3〜C17)アルケニル基、好ましくは直鎖状又は分岐状(C5〜C17)アルケニル基であって、OH、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)アリール、
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル、
・ Raが(C1〜C6)アルキル基を表す、-C(O)Ra
を表し、
・ R'3及びR'4は、それらを有する炭素原子と一緒になって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル又は(ヘテロ)シクロアルケニルの中から選択される環を形成することができ、前記環は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい)、
- A'基であって、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C6)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリール、及び
・ 9〜30個の原子を含む多環式基であって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルケニルを含む群の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、多環式基
からの群において選択される、A'基
を表し、
但し、R'2及びR'3が水素を表す場合、R'4は、(C1〜C2)アルキル基を表さないことを条件とする]。
【0092】
本発明によれば、式(II)を有する化合物は、式(I)を有する化合物の部分ファミリーである。
【0093】
一実施形態によれば、式(II)を有する化合物は、式(II-1)を有する以下の化合物、並びにそれらの塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は溶媒和物の中から選択される:
【0094】
【化20】
【0095】
(式中、R'2、R'3及びR'4は、本明細書の上で定義されているもの等である)。
【0096】
一実施形態によれば、式(II)又は(II-1)を有する化合物において、R'2及びR'3は、水素原子を表す。
【0097】
一実施形態によれば、式(II)又は(II-2)を有する化合物において、R'2及びR'3は、水素原子を表し、R'4は、
・ 直鎖状又は分岐状(C3〜C17)アルキル基であって、シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びフェニルからの群において選択される基により場合により置換されていてもよく、前記基は、メチル基等の少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基又はメトキシ基等の(C1〜C4)アルコキシ基により場合により置換されていてもよい、アルキル基
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールにより置換されている(C1〜C2)アルキル基であって、前記(ヘテロ)アリールは、メルメトキシ基により場合により置換されていてもよい、アルキル基
・ 直鎖状又は分岐状(C3〜C17)アルケニル基、
・ 3〜8個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、好ましくはシクロヘキサン等の3〜8個の原子を含むシクロアルキルであって、イソプロピル基等の少なくとも1つの直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 5〜8個の原子を含む(ヘテロ)アリール、好ましくはフェニル等の3〜8個の原子を含むアリールであって、メチル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及びメトキシ等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシから選択される、少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)アリール
の中から選択される基を表す。
【0098】
一実施形態によれば、式(II)又は(II-1)を有する化合物において、R'2及びR'3は、水素原子を表し、R'4は、以下の基からなる群から選択される基を表す:
【0099】
【化21】
【0100】
好ましい実施形態によれば、式(II)又は(II-1)を有する化合物において、R'2及びR'3は、水素原子を表し、R'4は、特に、以下の基からなる群から選択される基を表す:
【0101】
【化22】
【0102】
別の実施形態によれば、式(II)又は(II-1)を有する化合物において、R'2は水素原子を表し、R'3は、メチル基又はペンチル基等の(C1〜C6)アルキル基を表す。
【0103】
一実施形態によれば、式(II)又は(II-2)を有する化合物において、R'2は水素原子を表し、R'3は、メチル基又はペンチル基等の(C1〜C6)アルキル基を表し、R'4は、好ましくは、
・ ブチル基等の直鎖状又は分岐状(C3〜C6)アルキル基であって、シクロペンテニル等の3〜12個の原子を含むシクロアルケニル基により場合により置換されていてもよく、このシクロアルケニルは、メチル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキルの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルにより場合により置換されていてもよい、ペンテニル等の直鎖状又は分岐状(C3〜C12)アルケニル基であって、前記(ヘテロ)シクロアルキルは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシル等の(C5〜C8)(ヘテロ)シクロアルキルであって、イソプロピル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル
から選択される基を表す。
【0104】
一実施形態によれば、式(II)又は(II-1)を有する化合物において、R'2は、水素原子を表し、R'3は、メチル基又はペンチル基等の(C1〜C6)アルキル基を表し、R'4は、特に、以下の基:からなる群から選択される基を表す。
【0105】
【化23】
【0106】
別の実施形態によれば、式(II)又は(II-1)を有する化合物において、R2'及びR'3は、互いに独立して、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基又は直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル基を表す。
【0107】
一実施形態によれば、式(II)又は(II-1)を有する化合物において、R'2及びR'3は、互いに独立して、メチル、エチル又はビニル基を表し、R'4は、
・ (C1〜C12)アルキル基、好ましくはヘキシル、ブチル又はメチル基等の直鎖状又は分岐状(C3〜C12)アルキル基であって、フェニル等の5〜10個の原子を含むアリール基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ ヘキセニル、ヘプテニル、ウンデセニル基等の直鎖状又は分岐状(C3〜C12)アルケニル基であって、OH、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールを含む基において選択される、少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、好ましくは置換されていない、アルケニル基、
・ シクロヘプタン基等の3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、メチル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキルの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ シクロヘキセニル基等の、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、メチル等の少なくとも1つの直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル
を含む基から選択される。
【0108】
一実施形態によれば、式(II)又は(II-1)を有する化合物において、
-C(R'2)(R'3)(R'4)は、好ましくは、以下から選択される基を表す:
【0109】
【化24】
【0110】
別の実施形態によれば、式(II)又は(II-1)を有する化合物において、R'2は、水素原子、又はメチル基若しくはイソプロピル基等の(C1〜C4)アルキル基を表し、R'3及びR'4は、それらを有する炭素原子と一緒になって、(ヘテロ)シクロアルキル又は3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルから選択される環を形成し、前記環は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい。
【0111】
一実施形態によれば、式(II)又は(II-1)を有する化合物において、
-C(R'2)(R'3)(R'4)は、特に、以下の基を構成する群から選択される基を表す:
【0112】
【化25】
【0113】
一実施形態によれば、式(II)を有する化合物は、式(II-2)を有する以下の化合物、並びにその塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は溶媒和物の中から選択される:
【0114】
【化26】
【0115】
(式中、A'は、本明細書の上で定義されているもの等である)。
【0116】
一実施形態によれば、式(II)又は(II-2)を有する化合物において、A'は、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリール基、好ましくはフェニル等のアリール基を表し、前記(ヘテロ)アリール基は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、好ましくはプロペニル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニルの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい。
【0117】
好ましい実施形態によれば、式(II)又は(II-2)を有する化合物において、A'は、好ましくは、以下の基を表す:
【0118】
【化27】
【0119】
別の実施形態によれば、式(II)又は(II-2)を有する化合物において、A'は、9〜30個の原子を含む多環式基を表し、前記多環式基は、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルキル基及び直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルケニル基からなる群の中から選択される、少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい。
【0120】
好ましい実施形態によれば、A'は、以下の基の1つを表す:
【0121】
【化28】
【0122】
好ましい実施形態によれば、式(II)を有する化合物、並びにその塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は溶媒和物は、R'が以下の基の1つから選択される基であるようなものである。
【0123】
【化29A】
【0124】
【化29B】
【0125】
【化29C】
【0126】
【化29D】
【0127】
【化29E】
【0128】
特に、式(II)を有する好ましい化合物の中で、例えば、以下の好ましい化合物:
- 以下の構造を有するトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル:
【0129】
【化30】
【0130】
- 以下の構造を有するトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル塩酸塩:
【0131】
【化31】
【0132】
- 以下の構造を有するトリプトファンジヒドロミルセニルエステル:
【0133】
【化32】
【0134】
- 以下の構造を有するトリプトファンオクチルエステル塩酸塩:
【0135】
【化33】
【0136】
- 以下の構造を有するトリプトファンtertブチルエステル塩酸塩:
【0137】
【化34】
【0138】
を挙げることができる。
【0139】
式(I)を有する化合物の中で、特に式(II)を有する化合物の中で、ある種の化合物は新規であり、したがって、本発明の目的を構成する。
【0140】
本発明はまた、以下の式(III)を有する化合物:
【0141】
【化35】
【0142】
[式中、R"は、
- -C(R"2)(R"3)(R"4)基(式中、
・ R"2は、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルケニル基を表し、
・ R"3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルケニル基を表し、
・ R"4は、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C17)アルキル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 直鎖状又は分岐状(C3〜C17)アルケニル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)アリール、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル
を表し、
・ R"3及びR"4は、それらを有する炭素原子と一緒になって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル又は(ヘテロ)シクロアルケニルの中から選択される環を形成することができ、前記環は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい)、
- -CH2-R"5基(式中、R"5は、
・ 直鎖状又は分岐状(C2〜C17)アルケニル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールを含む群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールを含む群において選択される少なくとも1つの基により置換されている、直鎖状又は分岐状(C2〜C17)アルキル基であって、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル
を表す)、
- A"基であって、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C6)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリール、及び
・ 9〜30個の原子を含む多環式基であって、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルキル基及び直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルケニル基を含む群の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、多環式基
からの群において選択される、A"基
を表し、但し、
- R"は、-CH(CH3)-C2H5若しくは-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3を表さないか、又は
- A"が(ヘテロ)シクロアルキルを表す場合、A"は、以下の基の1つを表さない]
【0143】
【化36】
【0144】
並びに、その塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は水和物に関する。
【0145】
一実施形態によれば、本発明による式(III)を有する化合物は、以下の化合物の1つでも、それらの塩でもない。
【0146】
【化37】
【0147】
一実施形態によれば、前述の式(III)を有する化合物は、以下の化合物によらない:
【0148】
【化38】
【0149】
一実施形態によれば、本発明は、式(III)を有する化合物:
[式中、R"は、
- -C(R"2)(R"3)(R"4)基(式中、
・ R"2は、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルケニル基を表し、
・ R"3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルケニル基を表し、
・ R"4は、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C17)アルキル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基
・ 直鎖状又は分岐状(C3〜C17)アルケニル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)アリール、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル
を表し、
・ R"3及びR"4は、それらを有する炭素原子と一緒になって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル又は(ヘテロ)シクロアルケニルの中から選択される環を形成することができ、前記環は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい)、
- -CH2-R"5基(式中、R"5は、
・ 直鎖状又は分岐状(C3〜C17)アルケニル基、好ましくは(C3〜C16)アルケニル基、より好ましくは(C5〜C15)アルケニル基、特に(C5〜C9)アルケニル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールを含む群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールを含む群において選択される少なくとも1つの基により置換されている、直鎖状又は分岐状(C2〜C17)アルキル基であって、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル(cycloalkeyl)であって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル
を表す)、
- A"基であって、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C6)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、5〜20個の原子を含むヘテロアリール、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C6)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、5〜20個の原子を含むアリール、及び
・ 9〜30個の原子、好ましくは10〜30個の原子を含む多環式基であって、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルキル基及び直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルケニル基を含む群の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、多環式基
からの群において選択される、A"基
を表し、但し、
- R"は、-CH(CH3)-C2H5、-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3又は-(CH2)8-CH=CH-(CH2)7-CH3を表さないか、又は
- A"は、以下の基の1つを表さない]
【0150】
【化39】
【0151】
並びに、その塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は水和物に関する。
【0152】
本発明によれば、R"が、-(CH2)8-CH=CH-(CH2)7-CH3を表さない場合、それは、R"5が、-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3を表さないことに相当する。
【0153】
一実施形態によれば、本発明は、式(III)を有する化合物であって、式中、R"は、
- -C(R"2)(R"3)(R"4)基(式中、
・ R"2は、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルケニル基を表し、
・ R"3は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルキル基又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C6)アルケニル基を表し、
・ R"4は、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C17)アルキル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基
・ 直鎖状又は分岐状(C3〜C17)アルケニル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールからの群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)アリール、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、前記(ヘテロ)シクロアルケニルは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル
を表し、
・ R"3及びR"4は、それらを有する炭素原子と一緒になって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル又は(ヘテロ)シクロアルケニルの中から選択される環を形成することができ、前記環は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい)、
- -CH2-R"5基(式中、R"5は、
・ 直鎖状又は分岐状(C3〜C17)アルケニル基、好ましくは(C3〜C16)アルケニル基、より好ましくは(C5〜C15)アルケニル基、特に(C5〜C9)アルケニル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールを含む群において選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールを含む群において選択される少なくとも1つの基により置換されている、直鎖状又は分岐状(C2〜C17)アルキル基であって、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルキル又は直鎖状若しくは分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル、
を表す)、
- A"基であって、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C6)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、5〜20個の原子を含むヘテロアリール、
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C6)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、フェニルを除く、5〜20個の原子を含むアリール、及び
・ 直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルキル基及び直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルケニル基を含む群の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、インダンを除く、9〜30個の原子、好ましくは10〜30個の原子を含む多環式基
からの群において選択される、A"基
を表し、但し、
- R"は、-CH(CH3)-C2H5又は-(CH2)8-CH=CH-(CH2)7-CH3を表さない)
化合物、並びにその塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は水和物に関する。
【0154】
一実施形態によれば、式(III)を有する化合物は、式(III-1)を有する以下の化合物、並びにその塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は溶媒和物の中から選択される:
【0155】
【化40】
【0156】
(式中、R"5は、本明細書の上で定義されているもの等である)。
【0157】
一実施形態によれば、式(III)を有する化合物は、式(III-1)を有する以下の化合物、並びにその塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は溶媒和物の中から選択される:
【0158】
【化41】
【0159】
(式中、R"5は、本発明の上で定義されているもの等であるが、但し、R"5は、
-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3又は-CH=CH2ではない)。
【0160】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-1)を有する化合物において、R"5は、
・ シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びフェニルからの群において選択される基により置換されている、直鎖状又は分岐状(C3〜C17)アルキル基であって、メチル基等の少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基又はメトキシ基等の(C1〜C4)アルコキシ基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 直鎖状又は分岐状(C3〜C17)アルケニル基、
・ 3〜8個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、好ましくはシクロヘキサン等の3〜8個の原子を含むシクロアルキルであって、イソプロピル基等の少なくとも1つの直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
の中から選択される基を表す。
【0161】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-1)を有する化合物において、R"5は、
・ シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びフェニルからの群において選択される基により置換されている、直鎖状又は分岐状(C3〜C17)アルキル基であって、メチル基等の少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基又はメトキシ基等の(C1〜C4)アルコキシ基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 直鎖状又は分岐状(C3〜C16)アルケニル基、好ましくは(C5〜C15)アルケニル基、特に(C5〜C9)アルケニル基、
・ 3〜8個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、好ましくはシクロヘキサン等の3〜8個の原子を含むシクロアルキルであって、イソプロピル基等の少なくとも1つの直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
の中から選択される基を表し、
但し、R"5は、-(CH2)7-CH=CH-(CH2)7-CH3を表さない。
【0162】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-1)を有する化合物において、R"5は、
・ シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びフェニルからの群において選択される基により置換されている、直鎖状又は分岐状(C3〜C17)アルキル基であって、メチル基等の少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基又はメトキシ基等の(C1〜C4)アルコキシ基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 直鎖状又は分岐状(C3〜C16)アルケニル基、好ましくは(C5〜C15)アルケニル基、特に(C5〜C9)アルケニル基、
・ 3〜8個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、好ましくはシクロヘキサン等の3〜8個の原子を含むシクロアルキルであって、イソプロピル基等の少なくとも1つの直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル
の中から選択される基を表す。
【0163】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-1)を有する化合物において、R"5は、直鎖状又は分岐状(C3〜C16)アルケニル基、好ましくは(C5〜C15)アルケニル基、特に(C5〜C9)アルケニル基を表す。
【0164】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-1)を有する化合物において、R"5は、以下の基を含む群から選択される基を表す:
【0165】
【化42】
【0166】
好ましい実施形態によれば、式(III)又は(III-1)を有する化合物において、R"は、特に、以下の基:
-CH2-CH=CH-CH2-CH3
を表す。
【0167】
一実施形態によれば、式(III)を有する化合物は、式(III-2)を有する以下の化合物、並びにその塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は溶媒和物の中から選択される:
【0168】
【化43】
【0169】
(式中、R"2、R"3及びR"4は、本明細書の上で定義されているもの等である)。
【0170】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-2)を有する化合物において、R"3は水素原子を表し、R"2は、メチル基等の(C1〜C4)アルキル基を表す。
【0171】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-2)を有する化合物において、R"3は水素原子を表し、R"2は、メチル基等の(C1〜C4)アルキル基を表し、R"4は、好ましくは、
・ ブチル基等の直鎖状又は分岐状(C3〜C6)アルキル基であって、シクロペンテニル等の3〜12個の原子を含むシクロアルケニル基により場合により置換されていてもよく、このシクロアルケニルは、メチル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキルの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルにより場合により置換されていてもよい、ペンテニル等の直鎖状又は分岐状(C3〜C12)アルケニル基であって、前記(ヘテロ)シクロアルキルは、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル及び直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、アルケニル基、
・ 3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシル等の(C5〜C8)(ヘテロ)シクロアルキルであって、イソプロピル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル
から選択される基を表す。
【0172】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-2)を有する化合物において、R"3は、水素原子を表し、R"2は、メチル基等の(C1〜C4)アルキル基を表し、R"4は、特に、以下の基からなる群から選択される基を表す:
【0173】
【化44】
【0174】
別の実施形態によれば、式(III)又は(III-2)を有する化合物において、R"2及びR"3は、互いに独立して、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基又は直鎖状又は分岐状(C2〜C4)アルケニル基を表す。
【0175】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-2)を有する化合物において、R"2及びR"3は、互いに独立して、メチル、エチル又はビニル基を表し、R4は、
・ ヘキシル基又はブチル基等の直鎖状又は分岐状(C3〜C12)アルキル基であって、フェニル等の5〜10個の原子を含むアリール基により場合により置換されていてもよい、アルキル基、
・ ヘキセニル、ヘプテニル、ウンデセニル基等の(C3〜C12)アルケニル基であって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニル及び5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリールを含む群において選択される、少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよく、前記(ヘテロ)シクロアルキル、(ヘテロ)シクロアルケニル及び(ヘテロ)アリールは、好ましくは置換されていない、アルケニル基、
・ シクロヘプタン基等の3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキルであって、メチル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキルの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルキル、
・ シクロヘキセニル基等の、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルケニルであって、メチル等の少なくとも1つの直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい、(ヘテロ)シクロアルケニル
を含む基から選択される。
【0176】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-2)を有する化合物において、
-C(R"2)(R"3)(R"4)は、好ましくは、以下の基の中から選択される基を表す:
【0177】
【化45】
【0178】
別の実施形態によれば、式(III)又は(III-2)を有する化合物において、R"2は、メチル基又はイソプロピル基等の(C1〜C4)アルキル基を表し、R"3及びR"4は、それらを有する炭素原子と一緒になって、3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル又は(ヘテロ)シクロアルケニルから選択される環を形成し、前記環は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルコキシ、及び3〜20個の原子を含む(ヘテロ)シクロアルキル(少なくとも1つの(C1〜C4)アルキル基により場合により置換されていてもよい)の中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい。
【0179】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-2)を有する化合物において、
-C(R"2)(R"3)(R"4)は、特に、以下の基を構成する群から選択される基を表す:
【0180】
【化46】
【0181】
一実施形態によれば、式(III)を有する化合物は、式(III-3)を有する以下の化合物、並びにその塩、光学異性体、幾何異性体及び/又は溶媒和物の中から選択される:
【0182】
【化47】
【0183】
(式中、A"は、本明細書の上で定義されているもの等である)。特に、A"は、以下の基の1つを表さない:
【0184】
【化48】
【0185】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-3)を有する化合物において、A"は、5〜20個の原子を含む(ヘテロ)アリール基、好ましくはフェニル等のアリール基を表し、前記(ヘテロ)アリール基は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、好ましくはプロペニル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニルの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい。特に、A"は、以下の基の1つを表さない:
【0186】
【化49】
【0187】
一実施形態によれば、式(III)又は(III-3)を有する化合物において、A"は、5〜20個の原子を含む、フェニル及びインダンを除くアリール基を表し、前記アリール基は、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルキル、直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニル、好ましくはプロペニル等の直鎖状又は分岐状(C1〜C4)アルケニルの中から選択される少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい。
【0188】
好ましい実施形態によれば、式(III)又は(III-3)を有する化合物において、A"は、好ましくは、以下の基を表す:
【0189】
【化50】
【0190】
別の実施形態によれば、式(III)又は(III-3)を有する化合物において、A"は、9〜30個の原子を含む多環式基を表し、前記多環式基は、直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルキル基及び直鎖状又は分岐状(C1〜C6)アルケニル基からなる群の中から選択される、少なくとも1つの基により場合により置換されていてもよい。特に、A"は、以下の基を表さない:
【0191】
【化51】
【0192】
好ましい実施形態によれば、A'は、以下の基の1つを表す:
【0193】
【化52】
【0194】
一実施形態によれば、式(III)を有する化合物、並びにそれらの塩、光学異性体及び/若しくは幾何異性体、並びに/又は溶媒和物は、R"が以下の基の1つから選択される基であるようなものである:
【0195】
【化53A】
【0196】
【化53B】
【0197】
【化53C】
【0198】
【化53D】
【0199】
【化53E】
【0200】
一実施形態によれば、本発明は、式(AD)の化合物、並びにその塩、異性体及び/又は溶媒和物に関する:
【0201】
【化54】
【0202】
特に、式(III)を有する好ましい化合物の中で、例えば、以下の好ましい化合物:
- 以下の構造を有するトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル:
【0203】
【化55】
【0204】
- 以下の構造を有するトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル塩酸塩:
【0205】
【化56】
【0206】
- 以下の構造を有するトリプトファンジヒドロミルセニルエステル:
【0207】
【化57】
【0208】
並びにその塩及び/又は水和物を挙げることができる。
【0209】
「塩」という表現は、本発明の化合物の有機酸付加塩及び無機酸付加塩を指す。酸付加塩の例の中で、塩酸塩(chlorhydride)、臭化水素酸塩(bromhydride)、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩及び酢酸塩、好ましくは塩化水素塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、乳酸塩等の、これらの化合物と酸との付加塩が存在する。
【0210】
酸付加塩は、グルタミン酸及びアスパラギン酸等のアミノ酸の塩を含む。
【0211】
特に、式(III)を有する化合物の塩は、塩酸塩である。
【0212】
本発明によれば、「アルキル」基は、特に明記しない限り、1〜20個、好ましくは1〜10個の炭素原子、及び優先的に1〜6個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素基を表す。特に、アルキル基が直鎖である場合、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル及びデシル基を挙げることができる。特に、アルキル基が分岐状である場合又は1つ若しくは複数のアルキル基により置換されている場合、イソプロピル、tert-ブチル、2-エチルヘキシル、2-メチルブチル、2-メチルペンチル、1-メチルペンチル及び3-メチルヘプチル基を挙げることができる。
【0213】
本発明によれば、「アリール」基は、特に明記しない限り、5〜20個の炭素原子を含む、単環又は二環芳香族炭化水素を表す。例えば、フェニル又はナフチル基を挙げることができる。
【0214】
本発明によれば、用語「(ヘテロ)アリール」は、ヘテロアリール基又はアリール基を意味する。
【0215】
本発明によれば、用語「ヘテロアリール」は、窒素、単環又は二環酸素から選択される1つ又は複数のヘテロ原子を含み、特に明記しない限り5〜20個の炭素原子を含むアリール基を意味する。ヘテロアリール基の中で、1,3,4-オキサジアゾリルを挙げることができる。
【0216】
本発明によれば、「シクロアルキル」基は、特に明記しない限り、特にシクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等の、3〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子を含む、飽和の単環又は二環炭化水素基である。
【0217】
本発明によれば、「シクロアルケニル」基は、特に明記しない限り、特にシクロペンテニル又はシクロヘキセニル等の、3〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子を含む、不飽和の単環又は二環非芳香族炭化水素基である。シクロアルケニル基が二環である場合、環の少なくとも1つは、非芳香族不飽和である。この後者の例では、これは、例えば、以下の環の1つとすることができる。
【0218】
【化58】
【0219】
本発明によれば、「二環炭化水素基」は、2つの縮合炭化水素環又は1つの架橋炭化水素環を含む、炭化水素基を意味する。例えば、二環炭化水素基として、以下の基を挙げることができる:
【0220】
【化59】
【0221】
本発明によれば、用語「シクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキル基又はシクロアルキル基を意味する。
【0222】
本発明によれば、「ヘテロシクロアルキル」(それぞれ、「ヘテロシクロアルケニル」)基は、特に明記しない限り、3〜20個の炭素原子、好ましくは3〜8個の炭素原子を含み、N、Oから選択される、1個又はいくつかの非隣接ヘテロ原子、好ましくは1〜2個の非隣接ヘテロ原子を含有する、飽和の単環又は二環系(それぞれ、不飽和非芳香族)を意味する。ヘテロシクロアルキルとして、特に、モルホリン、ジオキソラン、テトラヒドロピラン(tetrahydopyran)又はピペラジンを挙げることができる。
【0223】
本発明によれば、「アルケニル」基は、1つ又は複数のエチレン不飽和を含む、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を表す。アルケニル基の中で、特に、アリル基又はビニル基を挙げることができる。好ましくは、特に明記しない限り、アルケニル基は、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、より優先的には1〜4個の炭素原子を含む。
【0224】
本発明によれば、「アルコキシ」基は、式-O-アルキルを有する基であり、アルキル基は、本明細書の上で定義されているもの等である。好ましくは、特に明記しない限り、アルコキシ基は、(C1〜C4)基である。
【0225】
本発明によれば、用語「多環式基」は、最小で2つの炭化水素環を含む基を意味し、前記基は、飽和又は不飽和非芳香族である。多環式基が不飽和である場合、これは、前記多環式基の環の少なくとも1つが、少なくとも1つの不飽和を含むことを意味する。多環式基は、代替によれば、9〜30個の原子を含む。
【0226】
本発明によれば、用語「(Cx〜Cy)基」は、その基がx〜y個の炭素原子を含むことを意味する。例えば、(C1〜C6)アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基を表すか、又は(C6〜C10)アリール基は、6〜10個の炭素原子を含むアリール基を表す。
【0227】
本発明によれば、「少なくとも1つの置換基」は、1つ又はいくつかの置換基を意味する。例えば、1つ、2つ、3つ又は4つの置換基。
【0228】
調製方法
本発明に開示されている式(I)、(II)又は(III)の化合物の調製方法は、L-トリプトファン及びD-トリプトファン、又はそれらの混合物(どのような割合かに関わらない)に適用される。
【0229】
Rが-CH2-R4基を意味する式(I)を有する化合物は、以下の反応スキームに従い、そのアミン官能基が保護されているトリプトファン、特にL-トリプトファンを使用して3工程の方法に従って得ることができる。
【0230】
【化60】
【0231】
エステル化は、ジメチルアミノピリジン(DMAP)及びN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の存在下、ジクロロメタン中、対応するアルコール(ROH)と共に、市販のFmoc-トリプトファンを使用して行うことができる。対応するエステルをもたらすFmoc官能基の脱保護は、ピペリジンの存在下、アセトニトリル中で行うことができる。
【0232】
一実施形態によれば、この方法により、アルコールR"OHを使用することによって、以前に定義されているような、式(III-1)の化合物に至ることができる。
【0233】
Rが、R2及びR3が、同時に水素を意味しない、-C(R2)(R3)(R4)基を意味する、式(I)を有する化合物は、以下の反応スキームにおいて示されているような、J. Med. Chem. 1981年、24巻、1450頁における、Rosowskyらの方法に従い、トリプトファン、特にL-トリプトファンを使用し、単一工程の方法に従って得ることができる。
【0234】
【化61】
【0235】
一実施形態によれば、この同じ方法により、R"が、既に定義されているような-C(R"2)(R"3)(R"4)基を意味する、式(III)の化合物に至ることができる。
【0236】
Rが芳香族基を意味する、式(I)を有する化合物は、CBz(ベンジル)官能基によって保護されているトリプトファンを使用するCastroら、Synthesis 1977年、413頁の方法に従って、ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートの存在下で対応するアルコール(ROH)と反応させて、次に、炭素担持パラジウムの存在下で、水素化によりCBz基を脱保護することにより得ることができる。
【0237】
【化62】
【0238】
一実施形態によれば、この同じ方法により、R"が、既に定義されているような-C(R"2)(R"3)(R"4)基を意味する、式(III)の化合物に至ることができる。
【0239】
本発明はまた、R"が既に定義されているような-C(R"2)(R"3)(R"4)基を表す式(III)を有するか、又は式(II)を有する前述の化合物の調製方法であって、特に、HClO4の存在下、式(VII)を有する以下の化合物
【0240】
【化63】
【0241】
を式(VIII)を有する以下の化合物
【0242】
【化64】
【0243】
(式中、R"2、R"3及びR"4は、本明細書の上で定義されているもの等である)と反応させて、式(III-2)を有する化合物をもたらすステップを含む、方法に関する。
【0244】
本発明はまた、R"が既に定義されているようなA"基を表す上述の式(III)を有するか、又は式(III-3)を有する上述の化合物の調製方法であって、
- a) 式(IV)を有する化合物
【0245】
【化65】
【0246】
を式(IX)又は(ou)(IX')を有する以下の化合物:
A-OH (IX)
A"-OH (IX")
(式中、それぞれ、A、A’’は、本明細書の上で定義されているもの等である)と反応させて、それぞれ式(X)、(X")を有する以下の化合物:
【0247】
【化66】
【0248】
をもたらすステップ
及び
- b) 特に、水素及び炭素担持パラジウムの存在下で、触媒的水素化により、それぞれ式(X)、式(X")を有する化合物の保護基Pを脱保護して、本明細書の上で定義されているような式(III-3)を有する化合物をもたらすステップからなるステップを含む方法に関する。
【0249】
一実施形態によれば、式(IV)を有する上述の化合物において、Pは、Cbz(ベンジル)、BOC(tertブトキシカルボニル)の中から選択される保護基を表す。
【0250】
組成物
「組成物C1」は、組成物、特に、式(I)を有する少なくとも1つの化合物を、場合により制汗剤及び/又は1種若しくは複数の追加のデオドラント化合物と一緒に含有する、化粧用組成物を意味する。
【0251】
「組成物C2」は、組成物、特に、式(II)を有する少なくとも1つの化合物を、場合により制汗剤及び/又は1種若しくは複数の追加のデオドラント化合物及び/又は1種若しくは複数の追加の香水と一緒に含有する、化粧用組成物を意味する。
【0252】
「組成物C3」は、組成物、特に、式(III)を有する少なくとも1つの化合物及び/又は式(AD)である少なくとも1つの化合物を、場合により制汗剤及び/又は1種若しくは複数の追加のデオドラント化合物及び/又は1種若しくは複数の追加の香水と一緒に含有する、化粧用組成物を意味する。
【0253】
本発明はまた、組成物、本発明により式(I)を有する少なくとも1つの化合物、並びに1種又は複数の追加の制汗剤、並びに/又は式(I)の化合物以外、より特に式(II)若しくは(III)若しくは式(AD)の化合物以外のデオドラント剤を含む、いわゆる組成物C1に関する。
【0254】
好ましくは、組成物C1は、生理学的に許容される媒体中の化粧用組成物である。
【0255】
一実施形態によれば、組成物C1は、界面活性剤、保存剤、着色剤、ゲル剤及び増粘剤の中から特に選択される、少なくとも1種の化粧用添加物を更に含む。
【0256】
好ましくは、組成物C1は、局所使用を意図している。
【0257】
好ましくは、組成物C1は、本発明による式1を有する少なくとも1つの化合物、並びに1種若しくは複数の追加の制汗剤、及び/又は式(I)の化合物以外、より特に式(II)若しくは(III)若しくは式(AD)の化合物以外のデオドラント剤を含む。
【0258】
本発明はまた、組成物、いわゆる本発明による式(II)を有する少なくとも1つの化合物、並びに1種若しくは複数の追加の制汗剤、及び/又は式(I)の化合物以外、より特に式(II)若しくは(III)若しくは式(AD)の化合物以外のデオドラント剤を含む組成物C2であって、特に生理学的に許容される媒体中の化粧用組成物である、組成物に関する。
【0259】
好ましくは、組成物C2は、生理学的に許容される媒体中の化粧用組成物である。
【0260】
好ましくは、組成物C2は、局所使用を意図している。一実施形態によれば、組成物C2は、界面活性剤、保存剤、着色剤、ゲル剤及び増粘剤の中から特に選択される、少なくとも1種の化粧用添加物を更に含む。
【0261】
好ましくは、本発明はまた、組成物、いわゆる本発明による式(II)を有する少なくとも1つの化合物、並びに1種若しくは複数の追加の制汗剤、及び/又は式(I)の化合物以外、より特に式(II)若しくは(III)若しくは式(AD)の化合物以外のデオドラント剤を含む組成物C2であって、特に生理学的に許容される媒体中の化粧用組成物である、組成物に関する。
【0262】
本発明はまた、組成物、いわゆる本発明による式(III)及び/又は式(AD)を有する少なくとも1つの化合物、並びに場合により、1種若しくは複数の追加の制汗剤、及び/又は式(I)の化合物以外、より特に式(II)若しくは(III)若しくは式(AD)の化合物以外のデオドラント剤を含む組成物C3であって、特に生理学的に許容される媒体中の化粧用組成物である、組成物に関する。
【0263】
好ましくは、組成物C3は、局所使用を意図している。
【0264】
一実施形態によれば、組成物C3は、界面活性剤、保存剤、着色剤、ゲル剤及び増粘剤の中から特に選択される、少なくとも1種の化粧用添加物を更に含む。
【0265】
一実施形態によれば、組成物C3は、本発明による式(III)及び/又は式(AD)を有する少なくとも1つの化合物、並びに1種又は複数の追加の制汗剤、及び/又は式(I)の化合物以外、より特に式(II)若しくは(III)若しくは式(AD)の化合物以外のデオドラント剤を含み、前記組成物は、特に、生理学的に許容される媒体中の化粧用組成物である。
【0266】
本発明による組成物C1、C2又はC3は、それぞれ式(I)、(II)及び/若しくは(III)、並びに/又は式(AD)を有する化合物を、前記組成物の総質量に対してこれらの化合物の総質量として、0.01%〜10%、好ましくは0.05%〜5%、優先的に0.1%〜5%の範囲の質量濃度で含むことができる。
【0267】
本発明の枠組みでは、特に明記しない限り、用語「生理学的に許容される媒体」は、局所経路により組成物を投与するのに好適な媒体を意味する。生理学的に許容される媒体は、優先的には、化粧品として許容される媒体、すなわち、臭い又は不快な外観がなく、局所投与経路と完全に適合可能な媒体である。組成物が局所経路によって、すなわち問題のケラチン物質の表面に施用することによって投与されることが意図される本事例の場合、このような媒体は、施用中又は施用後に、使用者に許容できない不快感を生じることがない場合、生理学的に許容されると、特に見なされる。
【0268】
生理学的に許容される媒体は、一般に、組成物が施用されるべき支持体の性質、及びやはり組成物が包装されることになる方法にとって好適なものである。
【0269】
追加のデオドラント剤
本発明の化合物以外の追加のデオドラント剤は、腋窩臭の細菌に作用する、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(Triclosan(登録商標))、2,4-ジクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、3',4',5'-トリクロロサリチルアニリド、1-(3',4'-ジクロロフェニル)-3-(4'-クロロフェニル)ウレア(Triclocarban(登録商標))又は3,7,11-トリメチルドデカ-2,5,10-トリエノール(ファルネソール);四級アンモニウム塩(セチルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウム塩等);ポリオール(グリセリンタイプのもの、1,3-プロパンジオール(ZEMEA PROPANEDIOL(登録商標)、Dupont Tate社及びLyle Bioproducts社により販売)、1,2-デカンジオール(SYMCLARIOL(登録商標)、Symrise社製)等);グリセリン誘導体(例えば、カプリル酸/カプリン酸グリセリド(CAPMUL MCM(登録商標)、Abitec社製)、カプリレート又はグリセルカプリレート(DERMOSOFT GMCY(登録商標)及び DERMOSOFT GMC(登録商標)、それぞれSTRAETMANS社製)、カプリン酸ポリグリセリル-2(DERMOSOFT DGMC(登録商標)、STRAETMANS社製)等)、ビグアニド誘導体(ポリヘキサメチレンビグアニド塩等);クロルヘキシジン及び塩;4-フェニル-4,4-ジメチル-2ブタノール(SYMDEO MPP(登録商標)、Symrise社製);シクロデキストリン;キレート剤(グルタミン酸四ナトリウム二酢酸塩(CAS #51981-21-6)、商標名DISSOLVINE GL-47-S(登録商標)でAkzo Nobel社から販売)、EDTA(エチレンジアミノ四酢酸)及びDPTA(1,3-ジアミノプロパン四酢酸)等の静菌剤又は殺菌剤とすることができる。
【0270】
本発明によるデオドラント剤の中で、以下も挙げることができる:
- 亜鉛塩(サリチル酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ピロリドンカルボン酸亜鉛(より一般的には、ピログルタミン酸亜鉛と呼ばれる)、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、グリシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、塩化亜鉛、ラウリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オルトリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、酢酸亜鉛又はそれらの混合物等);
- 臭い吸収剤(ゼオライト、特に銀を除く金属(metalks)、シクロデキストリン、米国特許出願第2005/063928号に記載されているもの等の金属酸化物のケイ酸塩等;米国特許出願第2005084464号及び同第2005084474号に記載されているもの等の遷移金属により修飾されている金属酸化物粒子、欧州特許出願第1658863号に記載されているもの等のアルミノシリケート、米国特許第6916465号に記載されているもの等のキトサン誘導体粒子等)、
- 炭酸水素ナトリウム、
- サリチル酸、及びn-オクタノイル-5-サリチル酸等のその誘導体、
- ミョウバン(alun)
- クエン酸トリエチル。
【0271】
追加のデオドラント剤は、好ましくは、本発明による組成物C1、C2又はC3中に、組成物の総質量に対して0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.05質量%〜5質量%、及び優先的に0.1質量%〜5質量%の範囲の質量濃度で存在することができる。
【0272】
制汗剤
制汗剤の中で、アルミニウム及び/又はジルコニウムの塩又は錯体の制汗剤を挙げることができ、好ましくは、アルミニウムハロハイドレート(halohydrate)及びジルコニウムハロハイドレート、US-3792068に記載されているもの等のアミノ酸含有又は非含有のジルコニウムヒドロキシクロリド及びアルミニウムヒドロキシクロリド錯体から選択され得る。
【0273】
アルミニウム塩の中では、活性化又は非活性化形態のアルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムクロロヒドレックス、アルミニウムクロロヒドレックスポリエチレングリコール錯体、アルミニウムクロロヒドレックスプロピレングリコール、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムジクロロヒドレックスポリエチレングリコール、アルミニウムジクロロヒドレックスポリプロピレングリコール、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレックスポリエチレングリコール、アルミニウムセスキクロロヒドレックスプロピレングリコール、乳酸アルミニウム及び乳酸ナトリウムにより緩衝化されているアルミニウム塩を挙げることができる。
【0274】
アルミニウムとジルコニウムとの塩の中で、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレートを挙げることができる。
【0275】
ジルコニウムヒドロキシクロリド及びアルミニウムヒドロキシクロリドのアミノ酸との錯体は、ZAGという名称(アミノ酸がグリシンである場合)で一般に公知である。これらの生成物の中で、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレックスグリシン、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレックスグリシン、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスグリシン及びアルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレックスグリシンの錯体を挙げることができる。アルミニウムセスキクロロハイドレートは、特に、SUMMITREHEIS社によって商標名REACH301(登録商標)で販売されている。
【0276】
アルミニウム及びジルコニウムの錯体の中で、INCI名:アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスGly(例えば、Summitreheis社によりREACH AZP-908-SUF(登録商標)という商標名で販売されている)を有する、ジルコニウムヒドロキシクロリド及びアルミニウムヒドロキシクロリドのアミノ酸(グリシン等)との錯体を挙げることができる。
【0277】
CLARIANT社によりLOCRON S FLA(登録商標)、LOCRON P、LOCRON L.ZAという商標名;Summitreheis社によりMICRODRY ALUMINIUM CHLOROHYDRATE(登録商標)、MICRO-DRY 323(登録商標)、CHLORHYDROL 50、REACH 103、REACH 501という商標名;Westwood社によるWESTCHLOR 200(登録商標)という商標名;GUILINI CHEMIE社によるALOXICOLL PF 40(登録商標)という商標名;Industria Quimica Del Centro社によるCLURON 50%(登録商標);FINQUIMICA社によるCHLOROHIDROXIDO ALUMINIO SO A 50%(登録商標)で販売されているアルミニウムクロロハイドレートが特に使用される。
【0278】
別の制汗剤として、米国特許第5,002,698号に記載されている発泡方法によって得られるもの等の、発泡パーライト粒子を挙げることができる。本発明により使用することができるパーライトは、一般に、火山起源のアルミノケイ酸塩であり、組成として以下:
70.0〜75.0質量%のシリカSiO2
12.0〜15.0質量%の酸化アルミニウムAl2O3
3.0〜5.0%の酸化ナトリウムNa2O、
3.0〜5.0%の酸化カリウムK2O、
0.5〜2%の酸化鉄Fe2O3
0.2〜0.7%の酸化マグネシウムMgO、
0.5〜1.5%の酸化カルシウムCaO、
0.05〜0.15%の酸化チタンTiO2
を有する。
【0279】
好ましくは、使用されるパーライトの粒子は粉砕される。それらは、この場合、発泡させたミル粉砕パーライト(EMP)と呼ばれる。それらのパーライトは、メジアン直径D50が、0.5〜50μm、好ましくは0.5〜40μmの範囲によって規定される粒子サイズを有する。
【0280】
好ましくは、使用されるパーライトの粒子は、25℃において、10〜400kg/m3(規格DIN53468)、好ましくは10〜300kg/m3の範囲の見かけの緩い嵩密度を有する。
【0281】
好ましくは、本発明による発泡パーライトの粒子は、湿潤点(wet point)において測定すると、200〜1500%、好ましくは250〜800%の範囲の水吸収能力を有する。
【0282】
湿潤点は、均一なペーストを得るために、1gの粒子に添加しなければならない水の量に相当する。この方法は、溶媒に適用された油吸収の方法から直接導かれる。その測定は、湿潤点の中間と流動点の中間が以下の定義を念頭におかれることによって、同じ方法で行われる。
【0283】
湿潤点:生成物100gについて、粉末に溶媒を添加している間に、均一なペーストが得られることに相当する、グラムで表される質量。
【0284】
流動点:生成物100gについて、溶媒量が、粉末が溶媒を維持する能力より多くなり始める、グラムで表される質量。これにより、ガラス製シート上を流れる、多少なりとも均一な混合物が得られる。
【0285】
湿潤点及び流動点は、以下のプロトコルに準拠して測定することができる。
【0286】
水の吸収を測定するためのプロトコル:
1)使用機器
ガラス製シート(25×25mm)
スパチュラ(木製の柄及び金属部、15×2.7mm)
絹毛ブラシ
天秤
【0287】
2)手順
ガラス製シートを天秤の上に置き、パーライトの粒子1gを秤量する。溶媒を含有するビーカー及びサンプリング用の液体用ピペットを天秤に置く。スパチュラを使用して全体を定期的(3〜4滴毎)に混合することによって、溶媒を徐々に粉末に加える。
【0288】
湿潤点を得るために必要な溶媒の質量を書き留める。溶媒を再び加え、流動点に到達可能となる質量を書き留める。3回の試験の平均をとる。
【0289】
WORLD MINERALS社によるOPTIMAT1430又はOPTIMAT2550という商標名で販売されている発泡パーライトの粒子が特に使用される。
【0290】
制汗剤は、本発明による組成物C1、C2又はC3中に、組成物の総質量に対して、0.001〜30質量%の割合、好ましくは0.5〜25質量%の割合で存在し得る。
【0291】
剤形
本発明による組成物C1、C2又はC3は、局所施用に従来使用される任意の剤形で、特に水性ゲル、含水溶液若しくは含水アルコール溶液の形態で存在することができる。それらの組成物はまた、ローションなどの分散液、水性相中に脂肪相を分散させること(O/W)又はその逆(W/O)により得られるミルク等の稠度が液体又は半液体であるエマルション、或いはクリーム若しくはゲル等の稠度が軟固体、半固体若しくは固体である懸濁液又はエマルション、或いは複合エマルション(W/O/W又はO/W/O)、マイクロエマルション、イオン及び/又は非イオン型の小胞分散液、或いはワックス/水性相分散液の形態で、脂肪相又は油相を添加することによって存在することができる。これらの組成物は、決まった手順の方法によって調製される。
【0292】
組成物C1、C2又はC3は、特に、エアロゾル装置中又はポンプボトル中の加圧形態で包装されてもよく、穴の開いている壁、特にグリッドを備えた装置中に包装されてもよく、ロールオンアプリケータを備えた装置に包装されてもよく、緩い又は緊密な粉末形態で、スティック形態に包装されてもよい。この点で、それらは、このタイプの製品において一般に使用される成分、及び当業者に周知の成分を含有する。
【0293】
本発明の更に特定の形態によれば、本発明による組成物C1、C2又はC3は無水であってもよい。
【0294】
好ましくは、本発明による組成物C1、C2又はC3は無水である。
【0295】
本発明の枠組みでは、用語「無水組成物」は、2質量%未満の水、又は0.5質量%の水しか含有していない組成物、特に水が不含の組成物を意味し、水は、組成物の調製中に添加されないが、混合成分によってもたらされる残留水に相当する。
【0296】
本発明の更に特定の形態によれば、本発明による組成物は、固体、特にスティック形態とすることができる。
【0297】
本発明の枠組みでは、用語「固体組成物」は、配合物の試料中にプローブを挿入して、以下の正確な測定条件下で評価すると、テクスチュロメトリック分析(texturometric analysis)により測定される最大力の測定値が、少なくとも0.25ニュートンに等しくなる、特に少なくとも0.30ニュートンに等しくなる、特に少なくとも0.35ニュートンに等しくなるべきであることを意味する。
【0298】
配合物は、加熱されると、直径4cm及び深さ3cmの広口瓶に注ぎ入れられる。周囲温度で冷却を行う。生成した配合物の硬度は、24時間待機した後に測定する。直径5mmのステンレス鋼製ボールタイプのプローブを、速度1mm/秒でサンプルと接触させるというプロトコルに準拠して、Rheo社により上市されているTA-XT2等のテクスチュロメータを使用するテクスチュロメトリック分析により、試料を含有するこの広口瓶を特徴付ける。測定システムは、0.005ニュートンに等しい検出閾値を有する試料との境界面を検出する。0.1mm/秒の速度で、試料にプローブを0.3mm挿入する。測定装置は、貫通相の間、経時的に測定される圧縮力の進行を記録する。試料の硬度は、少なくとも3回の測定に関する、貫通の間に検出された力の最大値の平均値に相当する。
【0299】
水性相
本発明による組成物C1、C2又はC3は、少なくとも1つの水性相を含んでもよい。それらの組成物は、水性ローション中、又は油中水型、水中油型エマルション中、又は複合エマルション(油中水中油型、又は水中油中水型の三重)(このようなエマルションは、公知であり、例えば、C. FOX、「Cosmetics and Toiletries」、1986年11月、101巻、101〜112頁により記載されている)中で特に製剤化される。
【0300】
前記組成物C1、C2又はC3の水性相は、水、及び一般には、更に、水溶性又は水混和性溶媒を含有してもよい。水溶性又は水混和性溶媒は、エタノール、イソプロパノール等の短鎖モノアルコール、例えばC1〜C4アルコール;エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2-エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル及びソルビトール等のジオール又はポリオールを含んでもよい。プロピレングリコール及びグリセリン、プロパン1,3ジオールが、より特に使用されることになる。
【0301】
組成物がエマルションの形態にある場合、組成物は一般に、エマルションの性質に応じて、1種又は複数の乳化性界面活性剤を含有する。
【0302】
乳化剤の総量は、好ましくは、本発明による組成物C1、C2又はC3中に、組成物C1、C2又はC3の合計質量に対して、1〜8質量%、より特には2〜6質量%の範囲の活性物質濃度で存在することになる。
【0303】
脂肪相
本発明による組成物C1、C2又はC3は、少なくとも1種の、脂肪相として知られている非水混和性有機液体相を含有することができる。これは、一般に、前記相を水に非混和性にする、1種又は複数の疎水性化合物を含む。前記相は、周囲温度(20〜25℃)において液体(構造化剤の非存在下)である。優先的に、本発明による非水混和性有機液体相は、一般に、少なくとも1種の揮発油及び/又は不揮発性油、並びに場合により少なくとも1種の構造化剤を含む。
【0304】
用語「油」は、周囲温度(25℃)及び大気圧(760mmHgすなわち1.05x105Pa)において液体である脂肪を意味する。油は揮発物であってもよく、又は不揮発物であってもよい。
【0305】
本発明による用語「揮発性油」は、周囲温度及び大気圧において、1時間未満に、皮膚又はケラチン繊維に接触すると、蒸発することが可能な任意の油を意味する。本発明による揮発性油は、揮発性化粧用油であり、この油は周囲温度で液状であり、周囲温度及び大気圧で、特に0.13Pa〜40,000Pa(300mmHgでは10-3)の範囲、特に1.3Pa〜13,000Pa(0.01〜100mmHg)の範囲、より詳細には1.3Pa〜1300Pa(10mmHgでは0.01)の範囲で、0とは異なる蒸気圧を有する。
【0306】
用語「不揮発油」は、周囲温度及び大気圧において、少なくとも数時間、皮膚又はケラチン繊維に残留する、特に10-3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有する油を意味する。
【0307】
油は、任意の生理学的に許容される油、特に化粧品として許容される油、特に、無機油、動物性油、植物性油、合成油、特に、揮発性又は不揮発性炭化水素及び/又はシリコーン及び/又はフッ素化油、並びにそれらの混合物から選択することができる。
【0308】
より詳細には、用語「炭化水素油」は、炭素原子及び水素原子、並びに場合により、ヒドロキシル、エステル、エーテル、カルボン酸官能基から選択される1つ又は複数の官能基を本質的に含む油を意味する。一般に、油は、0.5〜100,000mPa.s、好ましくは50〜50,000mPa.s、より好ましくは100〜300,000mPa.sの粘度を有する。
【0309】
本発明において使用するのに適した揮発性油の例として、以下を挙げることができる:
- 8〜16個の炭素原子を有する炭化水素油、特に石油をベースとするC8〜C16イソアルカン(イソパラフィンとも呼ばれる)(イソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとも呼ばれる)、イソドデカン、イソヘキサデカン等)、及び例えば、Isopars又はPermetylsという商標名で販売されている油、C8〜C16分岐状エステル、ネオペンタン酸イソ-ヘキシル、及びそれらの混合物、
- 揮発性シリコーン(例えば、揮発性直鎖状又は環式シリコーンオイル、特に≦8センチストーク(8 10-6m2/s)の粘度を有するもの、特に2〜7個のケイ素原子を有するもの、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基又はアルコキシ基を場合により含む、これらのシリコーン、並びにそれらの混合物等)。
【0310】
本発明において使用するのに適した揮発性シリコーンオイルとして、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、及びそれらの混合物を挙げることができる。
- 植物をベースとする炭化水素油(ヘプタン酸トリグリセリド又はオクタン酸トリグリセリド等の4〜24個の炭素原子を有する、液状の脂肪酸トリグリセリド、又は小麦胚芽、オリーブ油、甘扁桃油、パーム油、ナタネ油、綿実油、アルファルファ油、ケシ油、パンプキン油、カボチャ油、カシスオイル、月見草オイル、ミレーオイル、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、ベニバナ油、ククイ油、トケイソウ油、ムスクローズ油、ヒマワリ油、コーン油、ダイズ油、カボチャ油、グレープシード油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アンズ油、マカデミア油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(Stearineries Dubois社により販売されているもの、又はDynamit Nobel社によりMiglyol810、812 及び818という商標名で販売されているもの等)、ホホバ油等)、
- 無機物由来又は合成由来の直鎖状又は分岐状炭化水素(流動パラフィン及びその誘導体、ワセリン、ポリデセン、ポリブテン、水素化ポリイソブテン(Parleam等)、スクアレン等)、
- 10〜40個の炭素原子を有する合成エーテル(ジカプリルエーテル等)、
- 特に、式R1COOR2(式中、R1は、1〜40個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状高級脂肪酸の残基を表し、R2は、1〜40個の炭素原子を含有する特に分岐状の炭化水素鎖を表し、R1+R2≧10である)を有するオイル等の脂肪酸の合成エステル(イソナノン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C12〜C15アルコールの安息香酸エステル等)、
- 周囲温度において、12〜26個の炭素原子を有する分岐状及び/又は不飽和炭素鎖を有する液状脂肪アルコール(オクチルドデカノール等)、
- シリコーンオイル(不揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS)、直鎖状(ジメチコン)又は環式(シクロメチコン))等;シリコーン鎖のペンダントであるか又はその末端においてアルキル基、アルコキシ基又はフェニル基を含む、ポリジメチルシロキサン(前記基は、2〜24個の炭素原子を有する);フェニル化シリコーン(フェニルトリメチコーン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニル-トリシロキサン又は(2-フェニルエチル)トリメチルシロキシシリケート等)、及び
- それらの混合物。
【0311】
化粧用組成物
本発明は、生理学的に許容される媒体中に、上記で定義されているような組成物C1、C2又はC3を含む化粧用組成物にも関する。
【0312】
化粧用組成物C2又はC3は、特に、芳香性組成物である。それらの組成物は、例えば、ボトル、スプレーボトル、ポンプボトル、ロールオン、管の形態で包装され得る。それらの組成物は、加圧装置によって微粒子形態で施用することもできる。本発明に好適な装置は、通常、当業者に公知なものであり、非エアロゾルポンプ又は「噴霧器」、噴射剤を含むエアロゾル容器、及び噴射剤として圧縮空気を使用するエアロゾルポンプを含む。
【0313】
「・・・から・・・の間」及び「・・・〜・・・」という表現は、特に明記しない限り、その境界値を含むことを理解されたい。
【0314】
以下の実施例は、本発明を例示することができるが、本発明を限定しない。
【0315】
特に明記しない限り、これらの実施例において、温度は周囲(20〜25℃)であり、圧力は大気(101,325Pa)である。成分の質量は、問題としている全組成物の質量に対する割合として表される。
【実施例】
【0316】
A. 化合物の調製
(実施例A-1)化合物1の調製
【0317】
【化67】
【0318】
L-トリプトファンエチルエステル塩酸塩(化合物1)を、Kir'yanova, E. P.ら、Pharmaceutical Chemistry Journal、45巻(2号)、103〜106頁、2011年のSynthesis of substituted dipeptide GB-115 as a potential selective anxiolyticに記載されている通りに得た。化合物1は、エタノール中、L-トリプトファンを-10℃で塩化チオニルにより処理し、2時間、冷却して撹拌し、周囲温度(25℃)で48時間、撹拌することにより得ることができる。エーテルを加えた後、塩が結晶化する。
【0319】
(実施例A-2)WO2006/119283に記載されている化合物2の調製
【0320】
【化68】
【0321】
N-アセチル-L-トリプトファンエチル(化合物2)は、化合物1のアセチル化により、中国特許第102351775号に記載されている通り得ることができる。アセチル化は、酢酸エチル中で、トリエチルアミンにより5℃で処理し、次に、周囲温度で1時間、撹拌することにより実施することができる。
【0322】
(実施例A-3)化合物3(トリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル)の調製
【0323】
【化69】
【0324】
市販のFmoc-Trp-OH(50g)のジクロロメタン(1l)溶液に、cis-ヘキセノール(13.1ml)、ジメチルアミノピリジン(1.42g)及び熱水浴を使用して予め加熱したN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(24.6g)を加える。周囲温度で一晩、媒体を撹拌する。CCM制御及び一定分量(aliquote)を使用して実施したLCMSにより、所望の生成物が存在していること、及びアルコールが存在していないことが示される。この混合物をセライト上でろ過する。ジクロロメタンにより洗浄した後、ろ液を乾燥濃縮すると、粗生成物(68.3g)が得られる。残留ジクロロメタンを除去するために、この生成物をメタノール(150ml)と一緒に共蒸発させ、次に、この溶液を乾燥濃縮(65.8g)する。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製を実施する(堆積及び溶離液は100%DCM)。得られた生成物を酢酸エチルに溶解する。この溶液の濃縮後、得られた黄色油状物をペンタン(2l)中で粉砕する。この懸濁液をろ過して、この固体をペンタンですすぎ、次に、真空で2回、乾燥すると、所望の生成物Bが得られる:白色固体-30g-収率50%。
【0325】
【化70】
【0326】
化合物B(30g)のアセトニトリル(450ml)溶液に、ピペリジン(58ml)を3分間で加える。撹拌して10分後、白色沈殿物の形成が観察される。CCM制御(ヘプタン/AcOEt7/3)により、反応が完了したことが示される。この混合物をろ過する。ろ液を乾燥濃縮し、次に、トルエン(tolene)を使用して3回、共蒸発させると、粗生成物が得られる:ベージュ色固体-32g。シリカゲルクロマトグラフィー(DCMによる堆積、DCM/MeOHグラジエント)により数回、精製した後、微量のジクロロメタン及びヘキサノールを含有している所望の生成物が得られる(回分356-150-C2C2、11.56g)。残留ヘキサノールを除去するため、ジクロロメタン及びペンタンにより、真空(0.6〜1mbar)中で数回、連続して共蒸発を実施する。所望の化合物3が得られる:油状物が結晶化する。5.94g-収率35%。
【0327】
分析:1H-RMN(MeOD、300MHz)、13C-RMN(MeOD、75MHZ)、LCMS、元素分析及びCPGにより、所望の化合物が得られることが確認される。
【0328】
(実施例A-4)化合物4(トリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル)塩酸塩の調製
【0329】
【化71】
【0330】
冷水浴により冷却した化合物3(5.24g)のジオキサン(15ml)溶液に、4M塩酸のジオキサン(4.48ml)溶液を加えると、沈殿物が形成する。ペンタン(75ml)を加え、この混合物を10分間、粉砕し、ろ過する。ろ液を真空で濃縮し、次に、水を加える。懸濁液に超音波を施し、次に、凍結乾燥すると、所望の化合物4が得られる:白色固体-5.6g-収率95%。
【0331】
分析:1H-RMN(MeOD、300MHz)、13C-RMN(MeOD、75MHZ)、LCMS及び元素分析により、所望の化合物が得られることが確認される。
【0332】
(実施例A-5)化合物5の調製(トリプトファンジヒドロミルセニルエステル)
【0333】
【化72】
【0334】
市販のFmoc-Trp-OH(38g)のピリジン(190ml)溶液に、ジヒドロミルセノール(27.8g)を加える。媒体を冷水浴により冷却した後、環式1-プロピルホスホン酸無水物(113g)を加える。添加中、発熱が観察される(Tmedium=10℃)。周囲温度まで戻した後、この媒体を窒素中で一晩、撹拌する。溶解している黄色混合物が赤色に変わる。一定分量を使用して実施するLCMSは、3種の生成物の存在を示す。この媒体を38℃で濃縮すると、粗生成物(149.5g)が得られる。CCM制御(ヘプタン/AcOEt9/1)により、所望の生成物、最初のアルコール及びピリジンが存在していることが示される。シリカゲルクロマトグラフィー(DCMによる堆積、ヘプタン/AcOEtのグラジエント)により精製し、次いで、残留酢酸エチルを除去するためにアセトニトリルにより共蒸発させると所望の生成物Aが得られる:白色固体-43.5g-収率86%。
【0335】
分析:1H-RMN(MeOD、300MHz)により、予期した化合物が得られることが確認される。
【0336】
【化73】
【0337】
化合物A(43.5g)のアセトニトリル(650ml)溶液に、ピペリジン(76ml)を加える。撹拌を10分間、維持する。媒体は、最初は黄色い可溶性物であるが、少しずつ沈殿する。CCM制御(ヘプタン/AcOEt7/3)により、反応が完了することが示される。媒体をろ過し、ろ液を濃縮し、次に、トルエンと共蒸発させると、粗生成物(48.4g)が得られる。シリカゲルクロマトグラフィー(DCMによる堆積、DCM/MeOHのグラジエント)による精製により、所望の生成物5が得られる:オレンジ色油状物-10.5g-収率76%。
【0338】
分析:1H-RMN(MeOD、300MHz)、13C-RMN(MeOD、75MHZ)、LCMS及び元素分析により、所望の化合物が得られることが確認される。
【0339】
(実施例A-6)化合物6、7及び8
これらの化合物は、市販である。化合物6及び8は、SANTA CRUZ BIOTECHNOLOGY社において、並びに化合物7及び8は、Sigma Aldrich社において入手可能である。
【0340】
化合物7は、J. Org. Chem.、1983年、48巻(1号)、121〜123頁に記載されている通り得ることができる。
【0341】
【化74】
【0342】
B. 化合物の活性
(実施例B-1)抗微生物/殺菌効果の検討
トリプトファンエチルエステル塩酸塩(化合物1)の抗微生物活性は、コリネバクテリウム・ゼロシス(Corynebacterium xerosis)に対してインビトロで評価した(死滅試験、死滅した微生物の量)。
【0343】
試験の目的:微生物である、コリネバクテリウム・ゼロシスに関する化粧用出発原料の活性の定量的決定は、腋窩臭にリンクしている現象に関与している。この微生物は、最適増殖条件におかれる。
【0344】
プロトコル:使用したモデル株は以下の通りである:コリネバクテリウム・ゼロシスCIP5216(細菌)
【0345】
この株を好適な液体培養培地中で試験するため、出発原料に接触させておく。評価下にある化合物の希釈は、寒天中、1:1000で行い、これにより、評価下にある分散性化合物が、該化合物の評価の偏りを引き起こす可能性のある溶媒を使用せずに済ませることが可能となる。平行して、試験される出発原料が賦形剤と置きかえられた増殖対照を、同じ条件で調製する。
【0346】
これらの試料を35℃の回転式インキュベータに入れ、試験の全期間、撹拌下で維持する。
【0347】
接触させて2、6及び24時間後、混合物中に残留している生存微生物数を評価する。
【0348】
結果は、混合物1ミリリットルあたりの微生物の数の対数として表される。
【0349】
結果:結果(logでの、試料1ミリリットルあたりの生存微生物の数の変化)を本明細書の以下の表に示している:
【0350】
【表1】
【0351】
増殖対照に関すると、0.5%のトリプトファンエチルエステル塩酸塩は、C.ゼロシスに対して優れた抗微生物活性を有する。2時間の接触後に3.3log単位の低下、6時間後に5.4Log単位の低下が認められる。接触の24時間後、低下は6.6Log以上である。
【0352】
(実施例B-2)化合物1の(インキュベートした汗に対する)防臭効果の検討
デオドラント活性は、インキュベートした汗に対して、エクスビボでの嗅覚の評価試験で評価した。
【0353】
トリプトファンエチルエステル塩酸塩(実施例A-1の化合物1)は、新しい汗のプール中、様々な濃度で評価した。
【0354】
試料は10mlのヘッドスペースのスクリュー付きボトル中で調製し、それらを、撹拌下、35℃で24時間、インキュベートする。陽性参照(臭いがほとんどない)として働くよう、1mlの汗中に1mgの無水アルミニウムヒドロキシクロリド(ACH)を含む汗(すなわち0.1%)の試料をインキュベートし、陰性参照(不快な臭い)として働くよう、汗単独の試料をインキュベートする。
【0355】
インキュベーションの後の試料は、ヘッドスペースボトルに対する盲目試験において、数名のパネルにより臭覚評価する。それぞれ、陰性参照及び陽性参照として使用するために、ACH及び汗を単独で含有している汗のインキュベートした試料を同時に評価する。
【0356】
3つのパラメータを0〜10の尺度で評価する:
- 非常に不快な臭いが全くない(陽性参照)場合、不快な臭いの残留は0であり、非常に不快な臭い(陰性参照)の場合、10である。
- 臭いの合計の強度は、ほとんどない強度の場合0であり、非常に強力な場合、10である。
- ほとんど心地よさがない場合、臭いの心地よさは0であり、非常に快適な場合、10である。
【0357】
本明細書の以下の表1は、6名のパネルにより実施された評価の結果である。
【0358】
【表2】
【0359】
陰性参照に関すると、トリプトファンエチルエステル塩酸塩(実施例A-1の化合物1)の場合、不快な臭いが明確に軽減することが観察された。
【0360】
(実施例B-3):防臭効果(インキュベートした汗に対する)の比較検討
化合物1の作用を、インキュベートした汗中のN-アセチル-L-トリプトファンエチル(本発明以外の化合物2)の作用と比較した。結果は、インキュベートした汗に対する、エクスビボでの臭覚評価試験において、不快な臭いの形成の阻害に関して、いくつかの濃度のN-アセチル-L-トリプトファンエチルに対して化合物1に優位性があることを示している。
【0361】
インキュベートした汗中のトリプトファンエチルエステル塩酸塩及びN-アセチル-L-トリプトファンエチルの活性を以下の表2に一緒にしており、6名のパネルによって実施された評価の結果を示している。
【0362】
【表3】
【0363】
等量の用量では、N-アセチル-L-トリプトファンエチルは、トリプトファンエチルエステル塩酸塩ほど有効ではなかった。トリプトファンエステル塩酸塩は、有利には、N-アセチル-L-トリプトファンエチルよりも優れた防臭活性を有する。
【0364】
(実施例B-3)化合物3、4、5、6、7及び8の(インキュベートした汗に対する)防臭効果の検討
インキュベートした汗中の0.5%のトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル(化合物 3:実施例A-3)、トリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル塩酸塩(化合物4、実施例A-4)及びトリプトファンジヒドロミルセニルエステル(化合物5:実施例A-5)、並びにインキュベートした汗中の0.3%の化合物6に関する、防臭活性を評価した。更に、トリプトファンベンジルエステル及びトリプトファンtertブチルエステル塩酸塩(化合物7及び8:実施例A-6)をインキュベートした汗中、0.5%で評価した。
【0365】
本明細書中の以下の表3は、インキュベートした汗中の0.5%のトリプトファンcis-3-ヘキセニルエステル(化合物3)、トリプトファンcis-3-ヘキセニル塩酸塩(化合物4)及びトリプトファンジヒドロミルセニルエステル(化合物5)に関して、6名のパネルによって実施した評価の結果を示している。
【0366】
【表4】
【0367】
化合物3、4及び5は、陰性対照と比較して、不快な臭いを軽減する効果を有する。更に、それらの化合物は、有利には、臭気性揮発分子の放出による、臭いの心地よさに寄与している。
【0368】
本明細書の以下の表4は、インキュベートした汗中の0.3%の化合物6の評価結果を示している。
【0369】
【表5】
【0370】
本明細書の以下の表5は、インキュベートした汗中の、0.5%のトリプトファンエチルエステル塩酸塩1及びトリプトファンエチルオクチル(Tryptophan ethyl octyl)塩酸塩と比較した、インキュベートした汗中の、0.5%のトリプトファンベンジルエステル塩酸塩及びトリプトファンtertブチルエステル塩酸塩の評価結果を示している。
【0371】
【表6】
【0372】
トリプトファンオクチルエステル塩酸塩は、陰性対照と比較して、不快な臭いを軽減する効果を有する。更に、トリプトファンオクチルエステル塩酸塩はまた、臭気性揮発分子の放出により快適な臭いを生じる。
【0373】
トリプトファンベンジルエステル及びトリプトファンtertブチルエステル塩酸塩は、陰性対照と比べて、不快な臭いの軽減に対する効果を有しており、臭気性揮発分子の放出により、快適な臭いを生じる。
【0374】
C. 製剤
以下の製剤を調製した:
【0375】
製剤1:
【0376】
【表7】
【0377】
本製剤はデオドラント作用を生じる。
【0378】
製剤2:
【0379】
【表8】
【0380】
本製剤はデオドラント作用を生じる。
【0381】
製剤3(追加の制汗剤を含む):
【0382】
【表9】
【0383】
本生成物製剤は、デオドラント作用及び制汗作用を生じる。
【0384】
製剤4(追加の制汗剤を含む):
【0385】
【表10】
【0386】
本生成物製剤は、デオドラント作用及び制汗作用を生じる。
【0387】
製剤5(無水配合物):
【0388】
【表11】
【0389】
本製剤はデオドラント作用を生じる。
【国際調査報告】