特表2017-538761(P2017-538761A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-538761ケラチン繊維をコンディショニングするための組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-538761(P2017-538761A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】ケラチン繊維をコンディショニングするための組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/33 20060101AFI20171201BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20171201BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20171201BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20171201BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20171201BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   A61K8/33
   A61Q5/02
   A61Q5/12
   A61K8/81
   A61K8/92
   A61K8/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-533274(P2017-533274)
(86)(22)【出願日】2014年12月23日
(85)【翻訳文提出日】2017年6月19日
(86)【国際出願番号】CN2014094639
(87)【国際公開番号】WO2016101138
(87)【国際公開日】20160630
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】リ・シ
(72)【発明者】
【氏名】ハイドン・ジア
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AD092
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD352
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD23
4C083EE28
(57)【要約】
水性相中に、a)少なくとも1種の、式(I):R-O-R'のエーテルであって、式中、R及びR'は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分岐状のC6〜C25アルキル又はアルケニル基を示し、R及びR'は、該エーテルが温度30℃以下で液体であるように選択される、エーテルと、b)少なくとも1種の、アニオン性界面活性剤、両性若しくは双性イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される界面活性剤と、c)少なくとも1種のカチオン性アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムシクロポリマーと、d)ダイズ油とを含む組成物を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性相中に、
a) 少なくとも1種の、式(I):
R-O-R' 式(I)
のエーテルであって、式中、
R及びR'は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分岐状のC6〜C25アルキル又はアルケニル基を示し、R及びR'は、該エーテルが温度30℃以下で液体であるように選択される、エーテルと、
b) 少なくとも1種の、アニオン性界面活性剤、両性若しくは双性イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される界面活性剤と、
c) 少なくとも1種のカチオン性アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムシクロポリマーと、
d) ダイズ油と
を含む組成物。
【請求項2】
シリコーンフリーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式(I)のR及びR'が、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分岐状のC6〜C12アルキル又はアルケニル基を示し、好ましくはR及びR'が、互いに同一であり、C6〜C12アルキル又はアルケニル基を示す、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
式(I)のエーテルが、ジ-n-ヘキシルエーテル、ジ-n-ヘプチルエーテル、ジ-n-オクチルエーテル、ジ-n-ノニルエーテル、ジ-n-デシルエーテル、ジ-イソデシルエーテル、ジ-n-ドデシルエーテル、ジ-n-テトラデシルエーテル、ジ-n-ヘキサデシルエーテル、ジ-n-オクタデシルエーテル、又はこれらの混合物から選択され、好ましくはエーテルが、ジ-n-オクチルエーテルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
式(I)のエーテルが、組成物中に、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜5質量%、好ましくは0.05質量%〜3質量%、より好ましくは0.1質量%〜1質量%の範囲で存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
アニオン性界面活性剤が、(C6〜C30)アルキル硫酸塩、(C6〜C30)アルキルエーテル硫酸塩、(C6〜C30)アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩若しくはモノグリセリド硫酸塩、又はこれらの混合物から選択され、好ましくは(C6〜C30)アルキル硫酸塩から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
アニオン性界面活性剤が、組成物の総質量に対して1質量%〜50質量%、好ましくは組成物の総質量に対して5質量%〜30質量%、又は組成物の総質量に対して10質量%〜25質量%の範囲の量で存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
両性又は双性イオン性界面活性剤が、(C8〜C20)アルキルベタイン、(C8〜C20アルキル)アミド(C2〜C8アルキル)ベタイン、又はこれらの混合物から選択され、好ましくは(C8〜C20)アルキルベタインから選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
両性又は双性イオン性界面活性剤が、組成物中に、組成物の総質量に対して、1質量%〜50質量%、好ましくは5質量%〜40質量%、より好ましくは10質量%〜30質量%の範囲で存在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
カチオン性アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムシクロポリマーが、鎖の主要な構成要素として、式(IV)又は(V):
【化1】
[式(IV)及び(V)中、
d及びeは、同じか又は異なり、0又は1に等しく、
d+e=1であり、
R32は、水素原子又はメチル基を示し、
R30及びR31は、互いに独立に、C1〜C8アルキル基、ヒドロキシアルキル基(ここで、アルキル基は、C1〜C5である)、アミドアルキル基(ここで、アルキルは、C1〜C4である)を示すか、又はこれらが結合している窒素原子と一緒になって、複素環基、例えばピペリジル又はモルホリニルを示し、
Y-は、有機又は無機アニオン、例えば臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、重硫酸イオン、重亜硫酸イオン、硫酸イオン又はリン酸イオンであり、
好ましくは、R30及びR31は、互いに独立に、C1〜C4アルキル基を好ましくは示し、
Y-は、好ましくは塩化物イオンである]
に相当する単位を含有する化合物から選択され、
ここで、式(IV)又は(V)の単位を有する前記カチオン性アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムシクロポリマーが、4 meq/g超、好ましくは5 meq/g超、より好ましくは6 meq/g超の電荷密度を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
カチオン性アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムシクロポリマーが、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドのホモポリマーである、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
カチオン性アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムシクロポリマーが、組成物中に、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜3質量%、好ましくは0.05質量%〜2質量%、より好ましくは0.1質量%〜1.5質量%の範囲で存在する、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
ダイズ油が、組成物中に、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜3質量%、好ましくは0.1質量%〜1質量%、より好ましくは0.2質量%〜0.5質量%の範囲で存在する、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
水性相中に、組成物の総質量に対して、
A1) 0.01質量%〜5質量%の、少なくとも1種の、式(I):
R-O-R' 式(I)
のエーテルであって、式中、
R及びR'は、互いに同一であり、C6〜C12アルキル又はアルケニル基を示す、エーテルと、
B1) 10質量%〜30質量%の、少なくとも1種の、(C6〜C30)アルキル硫酸塩、(C8〜C20)アルキルベタイン、(C8〜C20)アミド(C2〜C8アルキル)ベタイン、又はこれらの混合物から選択される界面活性剤と、
C1) 0.01質量%〜3質量%の、少なくとも1種のポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドのホモポリマーと、
D1) 0.01質量%〜3質量%のダイズ油と
を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
ケラチン繊維、特に毛髪の洗浄及びコンディショニングのための方法であって、前記繊維へ、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物を適用する工程と、次いで水ですすぐ工程とを含む、方法。
【請求項16】
ケラチン繊維が、損傷した毛髪である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ケラチン繊維、特に毛髪、より特定には損傷した毛髪の洗浄及びコンディショニングのための、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアケア美容分野に関し、より特定には、本発明は、適用後の毛髪へのコンディショニング特性が改善された新規な組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特にアニオン性、非イオン性及び/又は両性タイプの、界面活性剤に本質的に基づく洗剤及びコンディショニングヘアケア組成物又はシャンプーを、コンディショニング剤と組み合わせて使用することが、当技術分野で知られている。
【0003】
アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又は混合物は、初期に毛髪に存在する各種の汚れを除去する能力を有し、且つそのために良好な洗浄力を有することが通常知られている。しかしながら、この特性に伴い、界面活性剤は、こうした洗浄処置の強烈な性質に起因して毛髪の損傷をもたらすことがあり、これが毛髪を顕著な損傷へと導いて、例えば毛髪の界面活性構造の中に又は外に含有されている脂質又はタンパク質の除去を進行させることがある。
【0004】
上記の洗剤組成物の美容的性質を改善するために、より詳細には敏感になった毛髪、即ち具体的には環境作因の及び/又はパーマネントウェービング、染色若しくは脱色等の毛髪処置の化学的作用を通じて損傷した又は弱められた毛髪に適用するための洗剤組成物の美容的性質を改善するために、これらの組成物中へコンディショニング剤を導入することが知られている。これらのコンディショニング剤の主な目的は、そこへ毛髪繊維が多少なりとも繰り返し供される種々の処置又は付着物のタイプによって誘引される望ましくない効果を矯正する又は制限することであり、且つ当然ながらそれらはまた、天然の毛髪の美容的挙動を改善させることもできる。
【0005】
現在まで、シャンプー中に最も一般に使用されるコンディショニング剤は、カチオン性ポリマー、シリコーン及び/又はシリコーン誘導体であり、これらは、これらを含まない相当するクレンジング組成物で得られうるものと比べて著しく強化された、もつれない柔らかさ及び滑らかさを、洗浄し乾燥させた又は湿潤した毛髪へ付与する。
【0006】
更に、毛髪に、特に敏感になった毛髪に、更により良好なコンディショニング効果を得るために、1種を超えるコンディショニング剤をシャンプー中で組み合わせることもまた知られている。この目的を達成するために、様々なタイプのシリコーン及びその誘導体が最も一般に組み合わされる。
【0007】
他方、毛髪繊維に、コンディショニング剤としてシリコーンを含有するものと等価のコンディショニング効果を提供するための、アルキルエーテル、植物油、鉱物油等の油を含有するヘアケア製品への努力がなされてきた。
【0008】
シリコーン以外の特定的に且つ適切に選択されるタイプの油と及びカチオン性ポリマーとの組合せに基づくシャンプーの分野における現在の発展にもかかわらず、それらは、特に損傷した毛髪、例えば脱色された毛髪におけるもつれのほぐれ易さ(disentangling)の点で、十分満足できるものではないことが見出された。
【0009】
そのため、上に挙げた1つ又は複数の美容的性質の点で改善された性能を提示する、新規な製品への必要性が依然として存在する。
【0010】
本発明は、この必要性を満たすことを対象とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許第4127230号
【特許文献2】仏国特許第2080759号
【特許文献3】仏国特許第2190406号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の1つの目的は、特に、改善された、適用後のコーミング能力(もつれのほぐれ易さ)を有する、ケラチン物質、特に毛髪、より特定には脱色された毛髪等の損傷した毛髪の洗浄及びコンディショニングのための組成物を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、水性相中に、少なくとも1種の式R-O-R'のエーテルと、少なくとも1種の界面活性剤と、少なくとも1種のカチオン性アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムシクロポリマーと、ダイズ油とを含む組成物によって達成される。
【0014】
好ましくは、本発明の組成物は、シリコーンフリーである。
【0015】
本発明の別の態様は、ケラチン繊維、特に毛髪の洗浄及びコンディショニングのための方法であり、本方法は、前記繊維へ本発明の組成物を適用する工程と、次いで水ですすぐ工程とを含む。
【0016】
本発明の更に別の態様は、本発明の組成物の、ケラチン繊維、特に毛髪、より特定には脱色された毛髪のような損傷した毛髪の洗浄及びコンディショニングのための使用である。
【0017】
本発明の目的では、用語「損傷した毛髪」は、特に環境作因の及び/又はパーマネントウェービング、染色又は脱色等の毛髪処置の化学的作用を通じて化学的又は物理的ストレスに供される毛髪を指す。好ましくは、本発明における損傷した毛髪は、脱色された毛髪を指す。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「シリコーンフリー」とは、本発明の組成物が、シリコーンを含まないか、又は総ての組成物に対して1質量%以下の量でシリコーンを含むことを意味する。好ましくは、組成物は、シリコーンを、組成物の総質量に対して、0.5質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下で含有する。
【0019】
本明細書において、用語「少なくとも1つの(at least a)」又は「少なくとも1つの(at least one)」は、「1つ又は複数の」と等しい。
【0020】
本発明の他の特徴及び利点は、本明細書及びそれに続く実施例を読むことで、より明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
式(I)R-O-R'のエーテル
一実施形態によれば、本発明の組成物は、少なくとも1種の、式(I):
R-O-R' 式(I)
のエーテルであって、式(I)中、
R及びR'は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分岐状のC6〜C25アルキル又はアルケニル基を示し、R及びR'は、該エーテルが温度30℃以下で液体であるように選択される、エーテルを含む。
【0022】
好ましくは、式(I)のエーテルは、そこでR及びR'基が、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分岐状のC6〜C12アルキル又はアルケニル基を示す化合物から選択される。
【0023】
より特定には、本発明によれば、R及びR'基は、同一のアルキル基である。
【0024】
式(I)のエーテルの中で、好ましいジアルキルエーテルは、ジ-n-ヘキシルエーテル、ジ-n-ヘプチルエーテル、ジ-n-オクチルエーテル、ジ-n-ノニルエーテル、ジ-n-デシルエーテル、ジ-イソデシルエーテル、ジ-n-ドデシルエーテル、ジ-n-テトラデシルエーテル、ジ-n-ヘキサデシルエーテル、ジ-n-オクタデシルエーテル、又はこれらの混合物から選択される。
【0025】
R及びR'は、優先的にはC8基を示す。
【0026】
本発明に従って使用されうるジアルキルエーテルは、組成物中で可溶性であっても不溶性であってもよいが、不溶性であることが好ましい。
【0027】
これらの化合物は、独国特許第4127230号に記載されている方法に従って調製することができる。
【0028】
最も好ましくは、ジ-n-オクチルエーテル(INCI名:ジカプリリルエーテル)が、本発明の関連で使用されうる。こうした製品は、例えばCognis(BASF)により名称Cetiol(登録商標)OEで、又はEcogreen Oleochemicals社によりRofetan OEで市販されている。
【0029】
本発明の組成物は、より特定には、エーテルの含有量が、組成物の質量に対して、0.01質量%〜5質量%、好ましくは0.05質量%〜3質量%、より好ましくは0.1質量%〜1質量%である。
【0030】
界面活性剤
本発明による組成物は、界面活性剤を含む。これらの界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0031】
i)アニオン性界面活性剤
本発明の組成物中で有用なアニオン性界面活性剤は、そこで疎水性部分が、一般に金属性(アルカリ金属、例えばNa若しくはK)又はアンモニウムであるカチオン性対イオンを有するアニオン性親水性基を担持して、親水性基がそのため極性であり、引き離されて水溶液中にアニオンを付与することができる、両親媒性の化合物を意味すると理解される。
【0032】
より特定には、アニオン性界面活性剤のアニオン性部分は、C(O)OH、-C(O)O-、-SO3H、-S(O)2O-、-OS(O)2OH、-OS(O)2O-、-P(O)OH2、-P(O)2O-、-P(O)O2-、-P(OH)2、=P(O)OH、-P(OH)O-、=P(O)O-、=POH、=PO-から選択される基に属し、そのアニオン性部分は、ナトリウム等のアルカリ金属、若しくはマグネシウム等のアルカリ土類金属等のカチオン性対アニオン、又はアンモニウム塩、アミン塩、若しくはアミノアルコール塩等の有機カチオン性対アニオンを含む。
【0033】
界面活性剤はまた、それらの酸の形態で存在する場合もある。アニオン性界面活性剤又は表面活性化剤としては、カルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、スルホ酢酸塩、スルホコハク酸塩、リン酸塩、イセチオン酸塩、サルコシン酸塩、グルタミン酸塩、乳酸塩又はタウリン酸塩のアニオン性基、脂肪酸の塩、ガラクトシドウロン酸の塩、エーテルカルボン酸の塩の界面活性剤、及びこれらの混合物を含む界面活性剤又は表面活性化剤を挙げることができる。
【0034】
より特定には、本発明によるアニオン性界面活性剤又は表面活性化剤は、
・(C6〜C30)アルキル硫酸塩、(C6〜C30)アルキルエーテル硫酸塩、(C6〜C30)アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩又はモノグリセリド硫酸塩から選択され、このタイプのアニオン性界面活性剤として好ましくは、(C6〜C30)アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩、又は混合物が使用される。挙げることができるのは、1〜50のアルキレンオキシド基を含有する、ラウリルアルコールとアルキレンオキシドとのエーテルの硫酸塩である。
より好ましくは、アニオン性界面活性剤は、1〜4つのアルキレンオキシド基、特にエチレンオキシド基を含有する、ラウリルアルコールとアルキレンオキシドとのエーテルの硫酸塩から選択される。例えばCognis(BASF)社により名称Texapon(登録商標)AOS 225 UPで、Rhodia社により名称Rhodapex(登録商標)esb-70/fla3で、及びClariant社により名称Genapol(登録商標)LRO L'Oで販売されている、平均して2.2のエチレンオキシド基を含有するラウレス硫酸ナトリウム、並びにZhejiang Zanyu Technology社により名称SLES(N1EO)で販売されている、平均して1つのエチレンオキシド基を含有するラウレス硫酸ナトリウムである。
・(C6〜C30)アルキルスルホン酸塩、(C6〜C30)アルキルアミドスルホン酸塩、(C6〜C30)アルキルアリールスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、
・(C6〜C30)アルキルリン酸塩、
・(C6〜C30)アルキルスルホコハク酸塩、(C6〜C30)アルキルエーテルスルホコハク酸塩又は(C6〜C30)アルキルアミドスルホコハク酸塩、
・(C6〜C30)アルキルスルホ酢酸塩、
・(C6〜C24)アシルサルコシン酸塩、
・(C6〜C24)アシルグルタミン酸塩、
・(C6〜C30)アルキルポリグリコシドカルボン酸エーテル、
・(C6〜C30)アルキルポリグリコシドスルホコハク酸塩、
・(C6〜C30)アルキルスルホコハク酸塩、
・(C6〜C24)アシルイセチオン酸塩、例えばラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム;挙げることができるのは、Innospec Active Chemicals社により商品名ISELUX(登録商標)LQ-CLR-SBで販売されているラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウムであり、
・N-[(C6〜C24)アシル]タウリン酸塩、
・脂肪酸の塩、
・(C8〜C20)アシル乳酸塩、
・(C6〜C30)アルキル-D-ガラクトシドウロン酸の塩、
・(C6〜C30)アルキルポリオキシアルキレン化エーテルカルボン酸の、(C6〜C30)アルキルアリールポリオキシアルキレン化エーテルカルボン酸の、又は(C6〜C30)アルキルアミドポリオキシアルキレン化エーテルカルボン酸の塩、
・並びにこれらの混合物
から選択される。
【0035】
これらの種々のアニオン性界面活性剤のアルキル又はアシル基が12〜20個の炭素原子を含むことが好ましい。
【0036】
更に、オキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化アニオン性界面活性剤又は表面活性剤が好ましくは1〜50のアルキレンオキシド基、より好ましくは1〜4つのアルキレンオキシド基、特にエチレンオキシド基を含む。
【0037】
有利には、一実施形態によれば、本発明は、少なくとも1種の、(C6〜C30)アルキル硫酸塩、(C6〜C30)アルキルエーテル硫酸塩、(C6〜C30)アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩、(C6〜C24)アシルイセチオン酸塩、又はこれらの混合物から選択されるアニオン性界面活性剤を含む。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、アニオン性界面活性剤が、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、又はこれらの混合物から選択されることが好ましい。
【0039】
より好ましくは、アニオン性界面活性剤は、エチレンオキシド基、好ましくは1〜4つのエチレンオキシド基を含有するラウレス硫酸ナトリウムである。
【0040】
有利には、アニオン性界面活性剤の含有量は、組成物の総質量に対して、1質量%〜50質量%、好ましくは組成物の総質量に対して、5質量%〜30質量%、又は組成物の総質量に対して、10質量%〜25質量%を占める。
【0041】
ii)両性又は双性イオン性界面活性剤
本発明の組成物中で有用な界面活性剤は、両性又は双性イオン性界面活性剤から選択することができる。
【0042】
本発明中で使用されうる両性又は双性イオン性界面活性剤は、少なくとも1種のアニオン性基、例としてはカルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基又はホスホン酸基を含有する四級化された第二級又は第三級脂肪族アミン誘導体であってもよく、ここで、脂肪族基又は脂肪族基のうちの少なくとも1つは、8〜22個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖である。
【0043】
特に挙げることができるのは、(C8〜C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8〜C20アルキル)アミド(C2〜C8アルキル)ベタイン及び(C8〜C20アルキル)アミド(C2〜C8アルキル)スルホベタインである。
【0044】
(C8〜C20)アルキルベタインの中で挙げることができるのは、ココイルベタインである。例えばRhodia社により商品名Mirataine(登録商標)BB/FLAで販売されている製品である。
【0045】
使用されうる、任意選択で四級化された第二級又は第三級脂肪族アミン誘導体の中で更に挙げることができるのは、以下のそれぞれの構造(A1)及び(A2):
(A1) Ra-CON(Z)CH2-(CH2)m-N+(Rb)(Rc)(CH2COO-)
(式中、
Raは、加水分解されたココナツ油中に好ましくは存在する酸RaCOOHから誘導されるC10〜C30アルキル若しくはアルケニル基、ヘプチル基、ノニル基若しくはウンデシル基を表し、
Rbは、β-ヒドロキシエチル基を表し、
Rcは、カルボキシメチル基を表し、
mは、0、1又は2に等しく、
Zは、水素原子、又はヒドロキシエチル若しくはカルボキシメチル基を表す)
(A2) Ra'-CON(Z)CH2-(CH2)m'-N(B)(B')
[式中、
Bは、-CH2CH2OX'(式中、X'は、-CH2-COOH、CH2-COOZ'、-CH2CH2-COOH、-CH2CH2-COOZ'又は水素原子を表す)を表し、
B'は、-(CH2)z-Y'(式中、z=1又は2であり、Y'は、-COOH、-COOZ'、-CH2-CHOH-SO3H又は-CH2-CHOH-SO3Z'を表す)を表し、
m'は、0、1又は2に等しく、
Zは、水素原子、又はヒドロキシエチル若しくはカルボキシメチル基を表し、
Z'は、ナトリウム、カリウム若しくはマグネシウム等のアルカリ又はアルカリ土類金属から得られるイオン;アンモニウムイオン;又は有機アミンから、特にアミノアルコール、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン若しくはトリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンから得られるイオンを表し、
Ra'は、加水分解された亜麻仁油又はココナツ油中に好ましくは存在する酸Ra'COOHのC10〜C30アルキル又はアルケニル基、アルキル基、特にC17アルキル基、及びそのイソ型、又は不飽和C17基を表す]
の製品でもある。
【0046】
式(A1)に相当する化合物が好ましい。
【0047】
式(A1)に相当する化合物の中で挙げることができるのは、コカミドプロピルベタイン、例えばCognis (BASF)社により商品名Dehyton PK 45で販売されている製品である。
【0048】
更に使用することができるのは、式(A3):
(A3) Ra''-NH-CH(Y'')-(CH2)n-C(O)-NH-(CH2)n'-N(Rd)(Re)
[式中、
- Ra''は、加水分解された亜麻仁油又はココナツ油中に好ましくは存在する酸Ra''-C(O)OHのC10〜C30アルキル又はアルケニル基を表し、
- Y''は、-C(O)OH、-C(O)OZ''、-CH2-CH(OH)-SO3Hの各基又は-CH2-CH(OH)-SO3-Z''基(式中、Z''は、ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属から得られるカチオン性対イオン、アンモニウムイオン、又は有機アミンから得られるイオンを表す)を表し、
- Rd及びReは、互いに独立して、C1〜C4アルキル又はヒドロキシアルキル基を表し、且つ
- n及びn'は、互いに独立して、1〜3の範囲の整数を示す]
の化合物である。
【0049】
式(A3)に相当する化合物の中で特に挙げることができるのは、CTFA辞書でジエチルアミノプロピルココアスパルタミドナトリウムの名称で分類されている化合物であり、例えばChimex社により名称Chimexane HBで販売されているものである。
【0050】
好ましくは、両性界面活性剤は、(C8〜C20)アルキルベタイン、(C8〜C20)アルキルアミド(C1〜C6)アルキルベタイン、及びこれらの混合物から選択される。
【0051】
より好ましくは、両性又は双性イオン性界面活性剤は、コカミドプロピルベタイン、ココイルベタイン、又はこれらの混合物から選択される。
【0052】
本発明の特定の一実施形態によれば、上に記載した両性界面活性剤ii)は、ココイルベタインである。
【0053】
好ましい一実施形態によれば、界面活性剤は、本発明の組成物中に、組成物の総質量に対して、1質量%〜50質量%、好ましくは5質量%〜40質量%、より好ましくは10質量%〜30質量%の範囲で存在する。
【0054】
好ましくは、本発明の組成物は、上に記載した界面活性剤に加えて、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される界面活性剤を含む。
【0055】
カチオン性アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムシクロポリマー
本発明による組成物は、少なくとも1種のカチオン性アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムシクロポリマーを含む。
【0056】
前記カチオン性シクロポリマーは、鎖の主要な構成要素として、式(IV)又は(V):
【0057】
【化1】
【0058】
(これらの式中、
d及びeは、0又は1に等しく、d+eの和は、1に等しく、
R32は、水素原子又はメチル基を示し、
R30及びR31は、互いに独立に、C1〜C8アルキル基、アルキル基がC1〜C5であるヒドロキシアルキル基、アルキルがC1〜C4であるアミドアルキル基を表し、R30及びR31はまた、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジル又はモルホリニル等の複素環基を示すこともでき、R30及びR31は、互いに独立に、C1〜C4アルキル基を好ましくは表し、
Y-は、臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸水素イオン、亜硫酸水素イオン、硫酸イオン又はリン酸イオン等の有機又は無機アニオンである)
に相当する単位を含有するホモポリマー又はコポリマーである。これらのポリマーは、詳細には、仏国特許第2080759号及び仏国特許第2190406号に記載されている。
【0059】
本発明のカチオン性シクロポリマーは、4 meq/g超、好ましくは5 meq/g超の電荷密度を有する水溶性ポリマーである。水溶性のカチオン性シクロポリマーの電荷密度は、例えば滴定溶液としてポリビニル硫酸カリウムを使用するコロイド滴定法によって測定することができる。
【0060】
上で定義したポリマーの中で、より特定には、Nalco社により名称「Merquat 100」で販売されているジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー(及び質量平均分子量の低い、その同族体)、並びに名称Merquat 550で販売されている、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとのコポリマーを挙げることができる。
【0061】
好ましい一実施形態によれば、カチオン性アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムシクロポリマーは、本発明の組成物中に、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜3質量%、好ましくは0.05質量%〜2質量%、より好ましくは0.1質量%〜1.5質量%の範囲で存在する。
【0062】
ダイズ油
本発明による組成物は、ダイズ油を含む。
【0063】
ダイズ油の例として挙げることができるのは、Huileries De Lapalisse社により商品名HUILE DE SOJA RAFFINEE IPで販売されている製品、又はZor社により名称Refined CT Soybean oilで販売されているもの、又はCargill社により名称Non-GMO refined soybean oilで販売されているものである。
【0064】
好ましい一実施形態によれば、ダイズ油は、組成物中に、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜3質量%、好ましくは0.1質量%〜1質量%、より好ましくは0.2質量%〜0.5質量%の範囲で存在する。
【0065】
好ましい一実施形態によれば、本発明の組成物は、水性相中に、
A)少なくとも1種の、式(I):
R-O-R' 式(I)
のエーテルであって、式中、
R及びR'は、互いに同一であり、C6〜C12アルキル又はアルケニル基を示す、エーテルと、
B)少なくとも1種の、(C6〜C30)アルキル硫酸塩、(C8〜C20)アルキルベタイン、(C8〜C20)アミド(C2〜C8アルキル)ベタイン、又はこれらの混合物から選択される界面活性剤と、
C)少なくとも1種のポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドのホモポリマーと、
D)ダイズ油と
を含む。
【0066】
更に別の好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、水性相中に、組成物の総質量に対して、
A1)0.01質量%〜5質量%の、少なくとも1種の、式(I):
R-O-R' 式(I)
のエーテルであって、式中、
R及びR'は、互いに同一であり、C6〜C12アルキル又はアルケニル基を示す、エーテルと、
B1)10質量%〜30質量%の、(C6〜C30)アルキル硫酸塩と(C8〜C20)アルキルベタインとの混合物と、
C1)0.01質量%〜3質量%の、少なくとも1種のポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドのホモポリマーと、
D1)0.01質量%〜3質量%のダイズ油と
を含む。
【0067】
本発明による組成物は、これらに加えて、シャンプーの分野で見られる全ての標準的なアジュバント、例えば、香料、保存料、金属イオン封鎖剤、増粘剤、水和剤、抗ふけ剤又は抗脂漏剤、ビタミン、日焼け止め剤、懸濁剤等を当然に含有することができる。
【0068】
本発明による組成物は、液体、クリーム又はゲルの形態を取ってもよい。
【0069】
本発明の別の態様は、ケラチン繊維、特に毛髪の洗浄及びコンディショニングのための方法であり、本方法は、前記繊維へ本発明の組成物を適用する工程と、次いで任意選択の曝露期間後に水ですすぐ工程とを含む。
【0070】
本発明の更に別の態様は、本発明の上記組成物の、ケラチン繊維、特に毛髪の洗浄及びコンディショニングのための使用である。
【0071】
本発明を例示する非限定的な実施例を付与する。
【実施例】
【0072】
4種のヘアシャンプーを調製し、そのうちの1種は本発明によるもの(本発明のA)とし、3種は比較のもの(比較のB、C及びD)とした:
【0073】
【表1】
【0074】
評価する前に、対照を、IHIP USA社により販売されている、中国人の脱色された毛髪を洗浄するために使用した。
【0075】
比較のBでは、本発明のダイズ油を、オリーブ油に置き換え、比較のCでは、本発明のポリクオタニウム-6を、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドに置き換え、比較のDでは、ポリクオタニウム-6を、ポリクオタニウム-10に置き換えた。
【0076】
本発明のA、比較のB、C及びDを、シャンプー配合物を調製する従来の方法に従って調製した。
【0077】
上で配合した、本発明のA、比較のB、C及びDの、脱色された毛髪におけるコーミング力の低減度を評価した。
【0078】
すすぎ後のドライコーミング
本発明のA、及び比較のB、C及びDのサンプルの実施例4 gを、それぞれ、IHIP USA社により販売されている、中国人の脱色された毛髪10 gに適用した。次いで、これらの実施例を、毛髪上に1分間、放置した。次いで、毛髪を、温水で10秒間すすぎ、室温にて一晩放置して乾燥させた。本明細書で記載した方法を用いて適用を3回繰り返した後、毛髪ストレスと櫛との間のコーミング力を、JIN HONGFAN社により販売されているDiastron MTT175という名称の装置で測定した。
【0079】
コーミング力の低減度を、以下の式に基づいて測定した:
コーミング力の低減度(%)=[対照(9%のラウレス硫酸ナトリウム)のコーミング力-実施例のコーミング力)/9%のラウレス硫酸ナトリウムのコーミング力]×100%
【0080】
コーミング力の低減度が10%以上であるとき、製品は、許容されると考えられる。
【0081】
【表2】
【0082】
結果:本発明のAを使用する、脱色された毛髪のドライコーミング力は、比較のB、C及びDのそれと比べて有意に低減した。
【0083】
パネル試験
本発明のA、比較のB、C及びDのおよそ4 gを、それぞれ、IHIP USA社により市販されている、中くらいに損傷した毛髪見本10 gに適用することによって、シャンプーを実施した。次いで、本発明のA、比較のB、C及びDを、見本上に1分間放置した。次いで、見本を温水で10秒間すすぎ、乾燥ブローして25℃へ冷却した。
【0084】
6名の専門家のパネルが、湿潤した毛髪のもつれのほぐれ易さ、形作りやすさ、毛髪の、柔らかさ、滑らかさ及びしなやかさを評価した。それぞれの性能をレベル0から5でソートし、ここで0は劣った性能を表し、5は優れた性能を表す。
【0085】
このスコアが3%以上であるとき、製品は許容されると考えられる。
【0086】
評価の結果を列挙した:
【0087】
【表3】
【0088】
結果:パネルが行った評価に基づくと、本発明のAは、比較のB、C及びDと比べて、これらの性質の全てにおいて改善が見られる。
【国際調査報告】