(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-538872(P2017-538872A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】子供用カバーオール
(51)【国際特許分類】
A41B 13/00 20060101AFI20171201BHJP
A41B 9/08 20060101ALI20171201BHJP
A41D 11/00 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
A41B13/00
A41B9/08
A41D11/00 C
A41D11/00 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-526980(P2017-526980)
(86)(22)【出願日】2015年9月4日
(85)【翻訳文提出日】2017年7月3日
(86)【国際出願番号】RU2015000562
(87)【国際公開番号】WO2016105240
(87)【国際公開日】20160630
(31)【優先権主張番号】2014151683
(32)【優先日】2014年12月22日
(33)【優先権主張国】RU
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517170030
【氏名又は名称】クラフチェンコ−ベレズナヤ,アレクサンドラ ヴァシーリエヴナ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】クラフチェンコ−ベレズナヤ,アレクサンドラ ヴァシーリエヴナ
【テーマコード(参考)】
3B128
【Fターム(参考)】
3B128GA02
3B128GA04
3B128MA03
(57)【要約】
本発明は子供用カバーオールであって、上方にフードの付いた頭部を含み、袖とズボン部分の付いた胴体部分を含むものであって、前記胴体部分が取り外し可能なフラップを含み、前記フラップがカバーオールの前記胴体部分の両面に配置され、前記フラップは幅の狭い部分を含み、前記幅の狭い部分はカバーオールの前記胴体部分に頭部からカバーオール下方の両足の間まで配置され、前記フラップは広がりのある部分を含み、前記広がりのある部分は前記胴体部分の背面に配置され、カバーオールの胴体部分の中央部の幅まで広がっていることを特徴とするものである。本発明のカバーオールの構造は、カバーオールを脱がせたり乳児の脚をズボン部分から引き抜いたりすることなく、おまるへの排泄やトイレへの排泄、おむつ替え、日常的な衛生作業といったあらゆる衛生的な手作業を快適に素早く遂行することを可能にするものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
子供用カバーオールであって、上方にフードの付いた頭部を含み、袖とズボン部分の付いた胴体部分を含むものであって、前記胴体部分が取り外し可能なフラップを含み、前記フラップがカバーオールの前記胴体部分の両面に配置され、前記フラップは幅の狭い部分を含み、前記幅の狭い部分はカバーオールの前記胴体部分に頭部からカバーオール下方の両足の間まで配置され、前記フラップは広がりのある部分を含み、前記広がりのある部分は前記胴体部分の背面に配置され、カバーオールの胴体部分の中央部の幅まで広がっていることを特徴とするカバーオール。
【請求項2】
前記フラップがスナップボタンによって胴体部分に取り付けられている請求項1に記載のカバーオール。
【請求項3】
前記フラップがファスナー型の留め具によって胴体部分に取り付けられている請求項1に記載のカバーオール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供服、その中でもカバーオールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
1歳未満の子供のための現代的なカバーオールには、おむつ替えのために脱がせる必要があるという重大な欠点があった。たとえばhttp://www.children−wear.ru/katalogu/products/kids0−18/kombinezony、http://www.rait−opt.ru/catalog/My0xOAのような最も単純な子供用カバーオールは、袖とズボン部分を含み、前身頃の首孔から片方または両方の脚の踵にいたる下方までスナップボタン、ファスナーまたはボタンを有する。
【0003】
先行技術から、ひとつなぎの後見頃とひとつなぎの前見頃を有するカバーオールであり、前記後見頃と前見頃の上部が襟の付いた首孔を形成し、下部に脚部分と袖部分を形成しているものであって、前記カバーオールの前見頃にファスナーまたはスナップボタンの留め具が施され、前記留め具がカバーオールの前見頃の中心に沿って、または中心から右か左にずれた位置に沿って配置されていることを特徴とするものが知られている(特許文献1)。このカバーオールでは、前見頃の中心から右か左にずれた位置に沿って配置された留め具は首孔から片方の脚部まで施されていることがあり、前見頃の中心に沿って配置された留め具は鼠蹊部まで施されていることがある。カバーオールの前見頃にはヨーク切換が施されていることがある。カバーオールの袖には、刺し縫いで縫い付けられているものやラグラン袖、または折り返しが付いているものがある。カバーオールの両脚の間には、スナップボタンの留め具が施されていることがある。
【0004】
ひとつなぎの後見頃とひとつなぎの前見頃を有するカバーオールであり、前記後見頃と前見頃の上部が襟の付いた首孔を形成し、下部に脚部分と袖部分を形成しているものであって、乳児の着替えがしやすいように上下を貫く留め具を有しながら、下部の両脚の間におむつ替えができるように留め具が付いていることを特徴とするものが知られている(特許文献2)。おむつ替えの過程において、乳児の両脚をズボン部分から引き抜く必要があることが、着脱の過程で乳児が抵抗するため多くの時間と労力を費やすものであり、困難さがあるとされた。
【0005】
特許文献3により、縦方向に右側と左側に分かれた開閉部があり、前記開閉部が頸部から胸部を通って股部まで広がり、前記開閉部の胸部の両サイドに沿って留め具が施されていることで、一方の開閉部の一部が他方の開閉部に重なるようになっているカバーオールが知られている。このようなカバーオールの構造により、カバーオールの脱ぎ着を簡単かつ素早く行うことができる。このカバーオールの欠点は、開閉部が開いている際に、完全にカバーオールを脱がせなければおむつ替えをすることが不可能なことである。
【0006】
特許文献4により、垂直方向の小さな帯状部を開くことが可能なカバーオールであって、衣服全体を脱がせることなくおむつ替えを行う目的で、前記帯状部が前面と背面に股部を通ってズボンの片足に沿って伸びており、前記帯状部が二つの留め具によりカバーオールの他の部分と固定されるものが知られている。このカバーオールの欠点は、カバーオールの前記縦方向の帯状部が開いている際に、おむつを外すことは簡単であるが、カバーオールの両サイド部分が閉じたままになっており、手だけではなくおむつ留めも差し入れる必要があるため、カバーオールを完全に脱がせなければ新しいおむつを装着させることが難しいことである。また、カバーオールが乳児の身体にぴったりと沿う場合は、おむつを装着させることが実質的に不可能である。さらに、カバーオールのズボンの片足に沿って付いている留め具を外す工程がとても複雑で長い時間を要するため、カバーオールを完全に脱がさずにおむつ替えをする利点と意味が失われる。
【0007】
特許文献5により、股部領域で生地が垂直方向に二つに分かれている子供用カバーオールであって、前記垂直方向に二つに分かれた生地の一方が他方へ重なり、重なった部分において固定される留め具があるものが知られている。前記カバーオールの垂直方向の生地部分は、胴体部分の中央から股部分を通して前身頃と後見頃に固定されており、さらにカバーオールのズボンの鼠蹊部領域は、フレア型またはプリーツになっており、また尻当ての線が深く膝の位置まで伸びているために広がりを持っている。このようなカバーオールのプリーツは首もと周辺まで施されていることもある。鼠蹊部周辺における固定部材が上部まで完全に身頃を貫いている形をとることもある。このカバーオールは、生地が広がるように、少なくとも背面の腰部から全面のへその部分まで重なり合わせ部分ができるように作られている。
【0008】
前記の技術的解決は、申請される子供用カバーオールのプロトタイプとして受け入れられる。
【0009】
前記の既知のカバーオールの主要な欠点は、股部領域の生地の二層の重なりが、鼠蹊部領域において無益に広がり、鼠蹊部領域が深くひざの位置まで下がってしまうことである。このことは材料消費の拡大と、着用時に重なっている層の記事を折り畳む必要および生地の層を押さえる必要があることによる着用の複雑化につながり、さらに留め具を開いても、すべての衛生的作業を行うための下半身部分の広がりが不十分であることが分かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】露国特許第127765号明細書
【特許文献2】露国特許第14484号明細書
【特許文献3】スイス特許第682206号明細書
【特許文献4】仏国特許発明第2788944号明細書
【特許文献5】露国特許第2484744号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の技術の課題は、前述の欠点を解決することであり、必要とされる生地の量をできるだけ少なくし、カバーオールを脱がせずに衛生作業を行うための利便性が向上した、簡単な構造の新しい子供用カバーオールを作り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
子供用カバーオールであって、上方のフードが付いた頭部および袖とズボン部分の付いた胴体部分を含むものであり、前記胴体部分が取り外し可能なフラップを含み、前記フラップがカバーオールの両面の胴体部分に配置され、また前記フラップは幅の狭い部分を有し、前記幅の狭い部分は頭部からカバーオール下方のズボン部分の両足の間にかけてカバーオールの胴体部分の前面に配置され、また前記フラップは広がりのある部分を含み、前記広がりのある部分はカバーオールの胴体部分の中央部の幅まで広がり後見頃の胴体部分に配置されていることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、本発明の技術は、次のような補足的で選択可能な特徴も有している。
−フラップは、スナップボタンによって胴体部分に連結させることができる。
−フラップは、ファスナー型の留め具によって胴体部分に連結させることができる。
【0014】
本発明の技術の本質的な特徴による技術的結果は、取り外し可能なフラップを、カバーオールの下方を通して乳児の胸元または首元へ向かって簡単に取外したり取り付けたりできることであり、その際に乳児の背面下部へより広範囲に手が届き、その結果カバーオールを脱がせることなく、また乳児の脚をカバーオールのズボン部分から引き抜くことなく、たとえばおまるへの排泄、トイレへの排泄、おむつ替え、日常的な衛生作業といったあらゆる衛生的な手作業を快適に簡単に遂行することができることである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明のカバーオールを前から見た閉じられた状態の外観図である。
【
図2】本発明のカバーオールを後から見た閉じられた状態の外観図である。
【
図3】本発明のカバーオールを前から見たフラップの取外しの初期段階の外観図である。
【
図4】カバーオールの取り外し可能なフラップの図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の本質は図面で説明され、
図1では本発明のカバーオールを前から見た閉じられた状態の外観が示され、
図2では後ろから見た閉じられた状態の外観が示され、
図3では後ろから見たフラップの取外しの初期段階の外観が示され、
図4ではカバーオールの取り外し可能なフラップが示されている。
【0017】
本発明のカバーオールは上方にフードの付いた頭部1を含み、胴体部分2に袖3およびズボン部分4を含んでいる。胴体部分2は取り外し可能なフラップ5を含み、前記フラップ5は胴体部分2の両側に配置され、また幅の狭い部分を含み、前記幅の狭い部分はカバーオールの胴体部分2の前面に頭部1からカバーオール下方のズボンの両脚の間まで伸びており、前記フラップ5は広がりのある部分を持ち、前記広がりのある部分は胴体部分2の背面に配置され、カバーオールの胴体部分2の中央部の幅まで広がっている。
【0018】
本発明のカバーオールは次のように使用される。
【0019】
乳児にカバーオールを着せる際に、フラップ5の幅の狭い部分の留め具を外し、袖3およびズボン部分4において乳児の両手および両脚を正しく入れる。その後フラップ5を閉じる。
【0020】
衛生作業のために乳児の下半身に手を届かせる必要が生じた際には、カバーオールを脱がせることなく、胴体部分2の背面においてフラップ5の留め具を外し、乳児の下半身部分をあらゆる衛生作業(おむつの取外し、おまるでの排泄、洗浄など)を遂行するために必要なだけ開く。フラップ5は、あらゆる衛生作業の遂行において、必要に応じて部分的に留め具を外すことも、または完全に取り外すことも可能である。カバーオールの構造が、乳児の性別に応じてフラップ5の取外しを前面からも背面からも始められるようにしている。本発明のカバーオールを使用すれば、乳児の胸と上半身は閉じられたままであるため、体を冷やし風邪をひくことを防ぐことができる。
【0021】
本発明のカバーオールの構造は、カバーオールを脱がせたり乳児の脚をズボン部分から引き抜いたりすることなく、おまるへの排泄やトイレへの排泄、おむつ替え、日常的な衛生作業といったあらゆる衛生的な手作業を快適に素早く遂行することを可能にする。
【国際調査報告】