特表2017-538973(P2017-538973A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サムスン ペイ、インコーポレイテッドの特許一覧

特表2017-538973バーコードを再現するための表示画像の変調
<>
  • 特表2017538973-バーコードを再現するための表示画像の変調 図000003
  • 特表2017538973-バーコードを再現するための表示画像の変調 図000004
  • 特表2017538973-バーコードを再現するための表示画像の変調 図000005
  • 特表2017538973-バーコードを再現するための表示画像の変調 図000006
  • 特表2017538973-バーコードを再現するための表示画像の変調 図000007
  • 特表2017538973-バーコードを再現するための表示画像の変調 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-538973(P2017-538973A)
(43)【公表日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】バーコードを再現するための表示画像の変調
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20171201BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20171201BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   G09G5/00 510A
   G09G5/02 B
   G09G5/10 B
   G09G5/00 510G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-545872(P2017-545872)
(86)(22)【出願日】2015年11月23日
(85)【翻訳文提出日】2017年7月24日
(86)【国際出願番号】US2015062218
(87)【国際公開番号】WO2016085886
(87)【国際公開日】20160602
(31)【優先権主張番号】62/084,302
(32)【優先日】2014年11月25日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.アンドロイド
(71)【出願人】
【識別番号】515234749
【氏名又は名称】サムスン ペイ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オズボーン、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル、デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
5C182
【Fターム(参考)】
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB02
5C182AB08
5C182AB14
5C182AB22
5C182AC03
5C182AC31
5C182BA14
5C182BA68
5C182BC16
5C182CA01
5C182CA02
5C182CA32
5C182DA52
(57)【要約】
バーコードを再現するための表示画像の変調方法を提供する。ポータブルデバイスにバーコード情報を受信する。ポータブルデバイスは撮像システムを備え、撮像システムは光を個々の信号に変換するように構成されたイメージセンサを備える。撮像システムはイメージセンサを制御するように構成されたイメージセンサコントローラを有する。撮像システムは個々の信号を形式化された画像データに変換するように構成されたイメージプロセッサを有する。ポータブルデバイスは形式化された画像データを表示するように構成された表示画面を有する表示システムを有する。表示画面が光再現バーコードを表示するように、バーコード情報を用いて撮像システムを操作する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードを再現するための表示画像の変調方法であって、
ポータブルデバイスにバーコード情報を受信するステップであって、前記ポータブルデバイスが撮像システムを備え、前記撮像システムが光を個々の信号に変換するように構成されたイメージセンサを備え、前記撮像システムが前記イメージセンサを制御するように構成されたイメージセンサコントローラを有し、前記撮像システムが前記個々の信号を形式化された画像データに変換するように構成されたイメージプロセッサを有し、前記ポータブルデバイスが形式化された画像データを表示するように構成された表示画面を有する表示システムを有するステップと、
前記表示画面が光再現バーコードを表示するように、前記バーコード情報を用いて前記撮像システムを操作するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記バーコード情報を用いて前記撮像システムを操作することにより、前記表示画面によって表示される画像の明るさが変調される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バーコード情報を用いて前記撮像システムを操作することにより、前記表示画面によって表示される画像の色が変調される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記バーコード情報を用いて前記撮像システムを操作することが、光センサアレイに供給される信号を変調することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記バーコード情報を用いて前記撮像システムを操作することが、光センサアレイによって生成される画像信号を変調することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
変調した画像データを前記表示画面に表示する前に、前記変調した画像データを記憶することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記撮像システムによる撮像中に、前記表示画面がリアルタイムで光再現バーコードを表示する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記バーコード情報を用いて表示システムを操作することを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記バーコード情報を用いて前記撮像システムを操作することが、前記イメージセンサと前記表示システムとの間に介装された変調デバイスによって行われる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記受信したバーコード情報が多次元バーコードを表し、
前記バーコード情報を用いて前記撮像システムを操作することの前に、前記多次元バーコードを1次元バーコードに変換することを更に含む
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
バーコードを再現するための表示画像の変調システムであって、
撮像システムであって、ポータブルデバイスに備えられ、光を個々の信号に変換するように構成されたイメージセンサを有し、前記イメージセンサのパラメータを制御するように構成されたイメージセンサコントローラを有し、且つ、前記個々の信号を形式化された画像データに変換するように構成されたイメージプロセッサを有する撮像システムと、
前記ポータブルデバイスに備えられた表示システムであって、形式化された画像データを表示するように構成された表示画面を有する表示システムと
を備え、
前記表示画面が光再現バーコードを表示するように、前記システムが前記撮像システムを操作するように構成された
システム。
【請求項12】
前記表示画面によって表示される画像の明るさを変調するように、前記撮像システムが操作される請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記表示画面によって表示される画像の色を変調するように、前記撮像システムが操作される請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
光センサアレイに供給される信号を変調するように、前記撮像システムが操作される請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
光センサアレイによって生成される画像信号を変調するように、前記撮像システムが操作される請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記撮像システムに接続されたメモリを更に備え、
前記メモリが、前記光再現バーコードの表示の前に、前記形式化された画像データを記憶するように構成された
請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記撮像システムによる撮像中に、前記表示画面がリアルタイムで光再現バーコードを表示する請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記表示システムが、前記表示画面に表示される形式化された画像データを受信するように構成された表示コントローラを更に備え、
前記表示コントローラが前記表示画面のパラメータを制御するように構成された
請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
前記表示コントローラが、前記バーコード情報を用いて表示システムを操作する請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記イメージセンサと前記表示システムとの間に介装された変調デバイスを更に備え、
前記表示画面が光再現バーコードを表示するように、前記変調デバイスが前記バーコード情報を用いて前記撮像システムを操作する
請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
前記受信したバーコード情報が多次元バーコードを表し、
前記表示画面が光再現バーコードを表示するように前記撮像システムを操作する前に、前記多次元バーコードが1次元バーコードに変換される
請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、パーソナル電子デバイスからバーコードスキャナへの符号化された情報の伝達に関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードは機械が読み取り可能なデータの表示形態である。一般的に、バーコードは、一般に、製品の紙ラベル又はパッケージ、製造会社や小売店のクーポンなどの物品に、また、航空会社の搭乗券などのチケットやパスに印刷される。バーコードスキャナ(バーコードリーダとも称する)を用いて、移動する光線がバーコードで反射された光を検出することで、バーコードから情報が抽出される。バーコードスキャナは、店やスーパーマーケット、空港の保安検査場や搭乗口、スタジアム、図書館、試験場、会議場等の様々な種類の施設や他の様々な場面で用いられている。バーコードスキャナの使用により、普段の多くの取引の速度及び利便性が大幅に向上している。
【0003】
バーコードは典型的には紙や他の物体に印刷されるが、バーコードスキャナで読み取れるようにバーコードをパーソナル電子デバイスの電子表示画面に表示することもできる。クーポンや他の情報をバーコード形式でパーソナル電子デバイスの表示画面に提示することで利便性が得られる一方で、デメリットもある。例えば、一般的に液晶ディスプレイ(LCD)である表示画面に表示されるバーとスペースはコントラスト比が十分でないため、バーコードスキャナによっては、特定の種類のディスプレイに表示されたバーコードを確実に読み取ることができない。更に、表示画面の物理的な寸法及び/又は解像度により、一度に表示できるバーコードの大きさが制限されることもある。
【0004】
パルス光を用いてバーコードを再現することで、画面に表示された静止画像のバーコードの様々な制限を解消する技術が、例えば2004年2月3日に発行されたChallaらによる特許文献1に開示されている。しかし、この技術には制約がある。例えば、パーソナル電子デバイスには、この技術を実施できないものや、技術的又は業務上の理由でこの技術を実現するように変更できないアプリケーションプログラムインターフェースによって制御されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,685,093号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、従って、向上したバーコード情報伝達技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、バーコードを再現する(simulate)ための表示画像の変調方法を提供する。実施例によれば、ポータブルデバイスにバーコード情報を受信する。ポータブルデバイスは撮像システムを備え、撮像システムは光を個々の信号に変換するように構成されたイメージセンサを備える。撮像システムはイメージセンサを制御するように構成されたイメージセンサコントローラを有する。撮像システムは個々の信号を形式化された(formatted)画像データに変換するように構成されたイメージプロセッサを有する。ポータブルデバイスは形式化された画像データを表示するように構成された表示画面を有する表示システムを有する。表示画面が光再現バーコードを表示するように、バーコード情報を用いて撮像システムを操作する。
【0008】
上記及び他の実施例を、本明細書で説明する。
【0009】
本発明を、その具体的な例示的実施例に基づいて説明する。以下の図面を適宜参照する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例に係る、表示画像を変調するように構成されたポータブル電子デバイスの概略ブロック図を示す。
図2】本発明の実施例に係る、伝達可能な1次元バーコードを示す。
図3】本発明の実施例に係る、1次元バーコードを伝達するための変調された信号の特徴のグラフを示す。
図4】本発明の実施例に係る、ポータブル電子デバイスの撮像システムの概略ブロック図を示す。
図5】本発明の実施例に係る、表示画像を変調するように構成されたポータブル電子デバイスの概略ブロック図を示す。
図6】本発明の実施例に係る、2次元バーコードを1次元バーコードに変換可能なポータブル電子デバイスの概略ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ポータブル電子デバイスの表示画面は、多くの用途に使用できる。そのような用途の1つとして、バーコードの視覚的な静止画像を横切るように移動させた走査ビームの反射を再現する光の変化(これを「光再現バーコード(light−simulated barcode)」とも称する)を含む情報をバーコードスキャナに伝達することが挙げられる。光再現バーコード技術及び光再現バーコードの使用に適した各種デジタルデバイスが、例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれている、2004年2月3日に発行されたChallaらによる米国特許第6,685,093号明細書、2004年5月18日に発行されたGobburuらによる米国特許第6,736,322号明細書、2005年4月12日に発行されたChallaらによる米国特許第6,877,665号明細書、2006年4月18日に発行されたChallaらによる米国特許第7,028,906号明細書、2008年7月8日に発行されたChallaらによる米国特許第7,395,961号明細書、2010年12月28日に発行されたChallaらによる米国特許第7,857,225号明細書、及び2011年6月28日に発行されたChallaらによる米国特許第7,967,211号明細書に記載されている。
【0012】
光再現バーコードには、画素ベースの表示デバイスに用いられる光源等の各種光源を用いてよい。例えば、光再現バーコードの生成には、画面の明るさにバックライトを使用するLCDが効果的である。これは、連続する所望の明暗が得られるように、バックライトの全体を変調できるからである。これらに限定はされないが、発光ダイオード(LED)ディスプレイや有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、電子発光ディスプレイ、プラズマディスプレイといったバックライトを有さないディスプレイを光再現バーコードの生成に使用してもよい。
【0013】
適切なデジタルデバイスは、処理能力及びメモリにおいて、様々である。デバイスによっては、デバイス性能に悪影響を与えることなく光再現バーコード処理を行うのに必要な処理能力、メモリ又はその両方が不足することや、光再現バーコード処理を全く行えないこともある。デジタルデバイスの自体の処理能力及びメモリを増強することも1つの選択肢ではあるが、実用的又は費用対効果の高い選択肢でない場合もある。
【0014】
デジタルカメラやスマートフォン等の他のポータブルデバイスは、一般的に、電荷結合素子(CCD)センサ等のイメージセンサを備える撮像システムと、表示画面とを備えている。このようなセンサは、一般的に、ディスプレイにリアルタイムのカメラ画像を生成することができる。このようなリアルタイム画像は、例えばデバイスが動いた際又はセンサが動く物体に向けられている際に変化できるものである。静止画像やビデオクリップは、メモリに記憶され、その後ディスプレイで再生できる。ディスプレイの明るさの変調、例えば、ディスプレイのバックライトの変調を用いることによって、1次元バーコードリーダの光センサを刺激できることがわかっている。本発明は、表示した画像を用いてバーコード情報をデバイスからバーコードリーダに送信できるようする撮像システムの操作、例えば、イメージセンサから出力される画像データの明るさの操作に関する。従って、本発明の実施例は、リアルタイム画像の1つ以上の光の特徴の変調に関し、具体的にはバーコードの読み取りを再現するセンサ画像信号の変調に関する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の実施例に係る、表示画像を変調可能なポータブル電子デバイス100の概略ブロック図を示す。ポータブル電子デバイス100は、好ましくは、ユーザが容易に持ち運びでき且つ撮像能力を有するものであり、これらに限定はされないが、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ゲーム機、オーディオ・ビデオプレーヤー、フォブ、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ウルトラブックコンピュータ、ノート型コンピュータ、コンバーチブルコンピュータや、米国、カリフォルニア州、クパチーノのアップル社から提供されているIPHONE(登録商標)モバイルデジタルデバイス、アンドロイドオペレーティングシステムで動作する様々な競合デバイス等の各種マルチメディア製品といった様々なデバイスのうちの任意のものとできる。
【0016】
このようなポータブル電子デバイスは、プロセッサとコンピュータが読み取り可能な媒体とを、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアの任意の適切な組み合わせで備えることができる。プロセッサの例として、マイクロプロセッサ、コントローラ、論理回路が挙げられ、プロセッサをマルチコアユニットとして実装する又は複数のプロセッサユニットで実装してよい。コンピュータが読取り可能な媒体は、1種類の読み取り専用メモリ又は読み取り及び書き込み可能なメモリ或いは異なる種類のメモリの組み合わせで実現されてよく、その例として、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリ、磁気メモリ、光メモリ、読み取り専用コンパクトディスク等が挙げられる。モバイルパーソナルデジタルデバイスを動作させたり、各種アプリケーションを実装させたりするプロセッサが実行可能な指示を含むデータ及びプログラムが、コンピュータが読取り可能な媒体に記憶され、プロセッサによって実行されてよい。このようなポータブルデバイスは、デジタル回路、アナログ回路、又は両方の種類の回路を備え得る特殊用途の専用ハードウェアを備え得る。
【0017】
図1に示すように、例示的なポータブルデバイス100は、撮像システム102及び表示システム104を備える。撮像システム102は、通常、光を個別の信号に変換するように構成されたイメージセンサを少なくとも備える。イメージセンサは、例えばCCDイメージセンサとし得る。撮像システム102は、イメージセンサの動作を制御し、イメージセンサが生成した個別の信号をJPEG又はMPEG等の静止画像又は映像の表示に適した形式に変換する回路を更に備え得る。
【0018】
表示システム104は、通常、LED又はLCDの表示画面等のディスプレイを備える。表示システム104は、表示システム104の例えばバックライト等の動作を制御し、表示画面によって表示されるJPEG又はMPEG等に形式化した静止画像又は映像信号を受信する、関連表示回路を更に備え得る。
【0019】
図1に示すように、ポータブルデバイス100は、アプリケーションソフトウェア106、プロセッサ108、及びメモリ110を備え得る。ソフトウェア106、プロセッサ108、及びメモリ110は、ユーザにメニュー等を表示するためのユーザインターフェースの提供、ユーザからの入力の受け付け等の各種機能及びその他の機能を実行するように、デバイス100の動作を制御できる。例えば、ユーザは、上記のユーザインターフェースを利用して、ポータブルデバイス100内にバーコードを選択的に記憶してよい。この場合、バーコードは、ユーザが撮像システム102を用いてバーコードを撮像する、ユーザが遠隔地から(例えばウェブサイトからインターネットを介して)バーコードをダウンロードする、メッセージ(例えばテキストメッセージ又はEメールメッセージ)でバーコードを受信する、又はその他の方法で、ポータブルデバイス100によって取得できる。選択されたバーコードは、数値コードとしてメモリ110に記憶できる。
【0020】
メモリ110に画像及び映像ファイルを記憶することもできる。これらは、撮像システム102によって生成された画像及び映像ファイルの他に、他の方法で取得した画像及び映像ファイル、例えばユーザがダウンロードしたものやテキストメッセージやEメールメッセージで受信したものを含み得る。ソフトウェアアプリケーション106を、メモリ110に記憶することもできる。
【0021】
撮像システム102によって撮像された画像を表示システム104の表示画面にリアルタイムで表示できる。また、メモリ110に記憶された画像又は映像ファイルをメモリ110から取り出し、表示システム104の表示画面に表示することもできる。発明の実施例によれば、光の強度及び/又は色の変調によって、表示画面に表示された画像又は映像がバーコードを再現するように撮像システム102が操作される。例えば、ユーザは、ユーザインターフェースを利用して、送信対象のバーコードを選択できる。バーコードは、メモリ110にあってもよい。この場合、ソフトウェアアプリケーション106は、記憶されたバーコードをメモリ110から取り出すようにプロセッサ108を制御できる。そして、アプリケーション106及びプロセッサ108は、明るさ、コントラスト、強度、色等の1つ以上の画像のパラメータを変調するように撮像システム102を制御して、デバイス100のディスプレイが選択したバーコードを光で再現した形態で送信し、バーコードリーダがバーコードを検出できるようにしてよい。
【0022】
より具体的には、再現した信号は、光パルスとして送信できる。ここでの説明を目的として、本明細書において用いられる「光(light)」という用語は広義の用語であり、可視光及び赤外光のスペクトルを含む。「パルス」という用語は、光の特徴の検出可能な変化を単に指すものである。光パルスは任意の可視又赤外波長で生成されてよい。光信号は、明るさの変化、光出力のオン・オフの切り替え、色の変化等を含む任意の所望の方法で変化させてよい。
【0023】
図2は、説明を目的とした1次元バーコード200を示す。図1Aに示すように、バーコード200は、クワイエットゾーン202、バー204、及びスペース206を備える。クワイエットゾーン202及びスペース206は、バー204と識別可能である必要がある。例えば、バー204をクワイエットゾーン202及びスペース206よりも明るく又は暗くすることで、バーコードスキャナによる走査時により多くの光又はより少ない光を反射させることができる。
【0024】
図3は、送信対象の光パルスとして生成され得る信号の理想的な形態を示しており、この光パルスから、図2に図示したバーコード200からの走査ビームの反射を再現する光が生成される。図2及び図3を参照すると、走査ビームでクワイエットゾーン202及びスペース206を走査すると、ビームがスキャナに反射する。ここで、ビームでバー204を走査すると、ビームが少なくとも部分的に吸収されて、反射したビームが、より明るいクワイエットゾーン202及びスペース206から反射したビームよりも小さい振幅を有することになる。従って、スキャナで受信される信号の振幅は、各バー204の前端に達するビームに対応する時点t1,t3,t5,t7及びt9で減少し、各バー204の後端に達するビームに対応する時点t2,t4,t6,t8及びt10で増加する。
【0025】
信頼性が劣る可能性があるバーコードの静止画像をスキャナに提供する代わりに、図3に示すような光に基づく形態の信号をスキャナに提供することで、バーコード形式に符号化されたデータをシーケンシャルバーコードスキャナに能動的に提供してよい。多くのバーコードスキャナの受信器が可視又は赤外波長の信号を受信するため、これらの波長で動作する表示要素を有するモバイルデジタルデバイスを用いて、再現した走査ビームの反射を能動的に表す光をシーケンシャルバーコードスキャナに提供することができる。このため、既存のバーコードスキャナの基盤に変更を加えることなく、バーコードデータを、現在の又は改良されたシーケンシャルバーコードスキャナに能動的に提供してよい。
【0026】
バーコードスキャナは、信号を受信すると、連続するビームのオン・オフを復号して、提供されたバーコードデータを判定する。
【0027】
図4は、ポータブル電子デバイス100の撮像システム102の概略ブロック図を示す。図4は、本発明の実施例に基づき採用可能な撮像システム102の追加的な詳細を示す。図4に示すように、撮像システム102は、CCDセンサとし得るイメージセンサ120、イメージセンサコントローラ122、イメージプロセッサ124、及びメモリ126を備える。イメージセンサコントローラ122は、アナログ電力供給・制御信号をイメージセンサ120に提供できる。また、センサ122の撮像画像の特徴を変調して光再現バーコードを生成するために、これらの信号を変化させることができる。例えば、イメージセンサコントローラ122は、撮像画像又はその一部の明るさ又は強度に影響するイメージセンサ122への電圧供給信号を制御できる。
【0028】
イメージプロセッサ124は、イメージセンサ120から、撮像画像を表す信号を受信し、これらの信号を表示又は記憶に適した形式に処理する。例えば、イメージプロセッサ124は、画像の画素に対応するセンサ要素に対して明るさ又は強度を表すアナログ信号を受信できる。これらの信号は、画像又は映像として、増幅、フィルタ、デジタル化、圧縮、及び形式化できる。例えば、画像は、デジタルJPEG画像ファイル又はMPEG−1、MPEG−2、及びMPEG−4等のデジタルMPEG映像に形式化されてよい。Quicktime、3GPP、TIFF、RIF、bitmap(BMP)等の他のデジタル画像・映像形式も可能である。その他の可能な形式として、red−green−blue(RBG)映像、輝度−クロミナンス(Y−C)映像、S映像等のアナログ映像形式が挙げられる。
【0029】
形式化済みの画像又は映像は、表示システム104(図1)が後で取り出し、表示するために、メモリ126に記憶される。メモリ126は図1に示すメモリ110の一部でもよく、また、別のメモリデバイスでもよい。形式化済みの画像又は映像を記憶するのと共に又はその代わりに、形式化済みの画像又は映像を即時(「リアルタイムで」)表示するために表示システム104に直接提供してもよい。
【0030】
イメージセンサコントローラ122は、撮像画像や映像を、その特徴を変調することにより操作して、表示システム104による表示の際に光再現バーコードを生成できる。例えば、コントローラ122は、再現対象である所定のバーコードに基づき、センサアレイに提供される供給電圧を変調して、プロセッサ24に提供される信号の明るさ又は強度を変調することができる。イメージプロセッサ124で処理され、表示されると、結果として、変調画像を受信するバーコードリーダ用にバーコードを再現した、明るさ又は強度が変調された表示画像が得られる。
【0031】
光再現バーコードを生成するためにセンサコントローラ122が画像信号を操作することに加えて又はその代わりに、イメージプロセッサ124が画像信号を操作してもよい。例えば、デジタル化の前に信号に施される増幅の度合いを変調する、又は画像信号の形式化の前に、デジタルサンプルに対して変調された増倍率を乗算することができる。この他又はこれに加えて、信号プロセッサ122は、画像の色、画像データに施した色フィルタ、画像のコントラスト、又は他の画像の特徴を変調することができる。この画像操作によって、表示時には、変調画像を受信するバーコードリーダ用にバーコードを再現した、明るさ、強度、及び/又は色等の表示特徴が変調された表示画像が得られる。
【0032】
イメージセンサコントローラ122及びイメージプロセッサ124が画像信号に施す変調は、選択された所定のバーコードを再現するように、アプリケーションプログラム106及びデバイスプロセッサ108によって制御できる。
【0033】
本明細書で説明したように、制御プロセッサ108は、光再現バーコードを生成するために表示システム104に表示される情報を直接制御するのではなく、撮像システム102における明るさ、コントラスト、色等のパラメータを制御して光再現バーコードを生成している。例えば、撮像システム102における専用のハードウェア、撮像システム102に搭載されたハードウェアデバイス、イメージセンサの明るさの度合いを操作するデバイス100におけるソフトウェア、又は撮像システム102自体におけるソフトウェアを用いて、センサの明るさの度合いや他の特徴を変調するようにセンサを指示して、バーコード情報をポータブルデバイス100からバーコードスキャンデバイスへ伝送することができる。
【0034】
図4に関連して説明したように、イメージプロセッサ124は、イメージセンサ120と表示システム104との間の信号パスに配置されている。この場合、イメージプロセッサ124は、操作画像の表示時に、画像をリアルタイムで直接操作、記憶、分析できることが好ましい。しかし、イメージプロセッサ124の演算能力(computation bandwidth)が不足している場合は、変調をリアルタイムで行う必要はない。このため、代わりに、イメージプロセッサ124で画像データをフレーム単位でメモリ110又は126へ記憶し且つ処理した後、表示画面にストリーミングすることで、バーコードの再現に必要な変調を実現することができる。この他に又はこれに加えて、得られた変調画像データをメモリ110又は126に戻し、後で表示することもできる。
【0035】
図5は、本発明の実施例に係る、表示画像を変調可能なポータブル電子デバイスの概略ブロック図を示す。図5に示すデバイスは、図1及び3に示す各デバイスと同様であり且つ以下に述べる相違点を有し得る。図5に示すように、イメージセンサ120と表示画面128との間に変調デバイス130を介して別のパスが設けられている。このパスは、イメージプロセッサ124を通る信号パスに加えて又はその代わりに設けられている。変調デバイス130は、イメージセンサ120に接続されたコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、カスタムIC、又は他の専用処理リソース等のハードウェアで実装でき、明るさ又は色の度合い等の画像の特徴を変調するように構成されている。図5に示すように、変調デバイス130は、イメージセンサ120と表示画面128との間のデータパスに設計又は添え付け可能である。そして、デバイス130は、データストリームをリアルタイムで直接変調して、例えば、バーコードスキャナの感度が高い色の表示とバーコードスキャナの感度が高くない色の表示を切り替えるように色を入れ替えてよい。デバイス130は、リアルタイム画像とソリッドカラー(例えば黒、白、赤、緑等)とを交互に切り替えたり、異なるソリッドカラーを交互に切り替えたりすることもできる。この切り替えは、バーコードデータがスキャナに伝送されるように所定のバーコードに応じて変調される。そして、バーコードの再現が完了すると、ディスプレイをリアルタイム画像又は他の画像に戻すか、オフ状態にできる。赤、緑、及び青(RGB)のデータストリームを用いてイメージデータを表せるが、様々な画素の高さ及び幅並びに色深度を有する他の形式のデータストリームも同様に操作してよく、そのような形式として、これらに限定はされないが、YUV、コンポーネント、コンポジット、カラーマップ(color mapped)、S映像、HDMI(登録商標)等が挙げられる。
【0036】
変調デバイス130を採用することで、イメージプロセッサ124にリアルタイムで変調を行う演算能力がない場合でも、リアルタイムで変調を行うことができる。また、変調デバイス130を、リアルタイムではなく、記憶された画像や映像の特徴を変調するように構成してもよい。
【0037】
イメージセンサシステム102とイメージプロセッサ124又はシステムプロセッサ108との間にコネクタが設けられ、且つ/又は表示画面128とシステムの他の要素との間にコネクタが設けられることが多い。これらのコネクタは、既存のデバイスに画像変調ハードウェア130を添え付けた際の画像信号へのアクセスを提供する。
【0038】
2次元撮像システムを有するモバイルデバイスの多くは、2次元バーコードを走査及び解釈可能であり、そのような2次元バーコードとして、これらに限定はされないが、Microsoft(登録商標)社のHigh Capacity Color Barcode(HCCB)、3−DI、ArrayTag、Aztec Code、Small Aztec Code、Codablock、Code 1、code 16K、Code 49、ColorCode、Compact Matrix Code、CP Code、CyberCode、d−touch、DataGlyphs、DataMatrix、Datastrip Code、Dot Code A、EZCode、Grid Matrix Code、HueCode、INTACTA Code、JAGTAG、MaxiCode、mCode、MiniCode、MicroPDF417、MMCC、Nintendo e−Reader#Dot code、Optar、PaperDisk、PDF417、PDMark、QR Code、QuickMark Code、SmartCode、Snowflake Code、SPARQCode、SuperCode、Trillcode、UltraCode、UnisCode、Vericode、VSCode、及びWaterCodeが挙げられる。しかし、これらの2次元符号化技術は、いずれも1次元バーコードスキャナで解釈できるものではない。
【0039】
図6は、本発明の実施例に係る、2次元バーコードを1次元の光再現バーコードに変換可能なポータブル電子デバイスの概略ブロック図を示す。図6では、撮像システムによって走査された2次元バーコード情報が従来の方法で解釈されるが、その後1次元形式の情報に変換され、2次元情報が1次元スキャナに対応する形式で伝送されるように表示画面の明るさが変調される。走査中の2次元バーコードは、デバイスの表示画面に同時に表示されてもよい。
【0040】
より具体的には、図6に示すように、2次元バーコード150又は他の多次元バーコードが、イメージセンサ152によって撮像される。この後、プロセッサ154が、2次元バーコードを解釈し、2次元バーコードを1次元コードに変換してよい。この後、変調コントローラ156が、1次元バーコードに基づいてリアルタイム画像(2次元バーコードの画像とし得る)を操作して、ディスプレイ158が発する光の特徴の変調により1次元バーコードが再現されるようにしてよい。2次元バーコードと1次元バーコードの一方又は両方は、メモリ160に記憶できる。本明細書で説明したように、変調画像も、光再現バーコードとして取り出し、表示できるように、メモリ160に記憶できる。多次元バーコードを1次元バーコードに変換する方法は、全内容が参照により本明細書に組み込まれているSellersらによる米国特許出願公開第2014/0156376号明細書に開示されている。
【0041】
本明細書で説明したように、再現バーコードは、リアルタイム画像の1つ以上の光の特徴の変調、具体的には撮像システム102(図1)におけるセンサ画像信号の変調によって生成される。表示システム104(図2)の1つ以上の特徴を適宜変調することもできる。例えば、ディスプレイのバックライトの変調を変調してバーコードを再現することもできる。この場合、表示システム104で行う変調を撮像システムで行う変調と同期させて、変調信号が互いを打ち消し合うことを回避できるようにすることが好ましい。
【0042】
本明細書に記載した発明の用途及び効果を含む本発明の説明は、例示であり、特許請求の範囲に記載した発明の範囲を限定する意図はない。本明細書に開示した実施例は変更及び改良が可能であり、当業者は、本特許文献を検討することで、これらの実施例における各要素の実質的な代替物及び均等物を理解するであろう。特記しない限り、本明細書において記載した特定の値はいかなる値も例示であり、適宜変更されてよい。様々なタイミングが記載されている場合、特記しない限り、厳密にこれらのタイミングでなくてもよく、むしろ、当該技術において周知であるように、回路配置、信号線インピーダンス、及び他の実際に適用される設計要素に応じて変化し得る。範囲を示す個々の値について言及している場合は、その範囲内の全ての値が含まれる。本明細書に開示した実施例における各種要素の代替物及び均等物を含む、実施例の上記及び他の変更及び改良は、発明の範囲を逸脱することなく実施可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】