特表2018-500088(P2018-500088A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 香港多耐福有限公司の特許一覧

<>
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000003
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000004
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000005
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000006
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000007
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000008
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000009
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000010
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000011
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000012
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000013
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000014
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000015
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000016
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000017
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000018
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000019
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000020
  • 特表2018500088-スナップファスナー 図000021
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-500088(P2018-500088A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(54)【発明の名称】スナップファスナー
(51)【国際特許分類】
   A44B 17/00 20060101AFI20171208BHJP
【FI】
   A44B17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-531805(P2017-531805)
(86)(22)【出願日】2015年11月18日
(85)【翻訳文提出日】2017年7月7日
(86)【国際出願番号】CN2015094928
(87)【国際公開番号】WO2016101734
(87)【国際公開日】20160630
(31)【優先権主張番号】201410822571.3
(32)【優先日】2014年12月25日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517204520
【氏名又は名称】香港多耐福有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】陳徳欽
【テーマコード(参考)】
3B100
【Fターム(参考)】
3B100CB01
3B100CC01
3B100CC02
(57)【要約】
スナップファスナーであって、互いに掛合するファスナー面(1)と位置決めファスナー(2)を含み、前記ファスナー面(1)は、取付室(111)を備える筐体(11)と、プラスチックにより一体成形される位置決めピン(12)を含み、当該位置決めピン(12)は、取付室(111)内に収容されるとともに、取付室(111)の外側に露出する端面に滑り防止構造(124)が設けられるベース(121)と、ベース(121)の端面に立設されるとともに、ベース(121)から離間する一端が位置決めファスナー(2)との接続に用いられるロッド体(122)と、ベース(121)のうちロッド体(122)と接続される端面の外縁に突設され、ベース(121)から離間する一端が収縮している回動防止突起(125)と、を備え、位置決めピン(12)と筐体(11)を組み付けると、筐体(11)は回動防止突起(125)を完全に覆って当該回動防止突起(125)と噛合する。本発明で実施するスナップファスナーは、ファスナー面(1)を筐体(11)と位置決めピン(12)に分離可能であり、位置決めピン(12)を標準部材として製造することで量産及び在庫の保有が可能となる。よって、絶えず設計変更となる筐体(11)に対応するとともに、出荷に要する時間を短縮し、コストダウンを図ることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに掛合するファスナー面(1)と位置決めファスナー(2)を含むスナップファスナーであって、
前記ファスナー面(1)は、
取付室(111)を備える筐体(11)と、
プラスチックにより一体成形される位置決めピン(12)を含み、当該位置決めピン(12)は、
前記取付室(111)内に収容されるとともに、前記取付室(111)の外側に露出する端面に滑り防止構造(124)が設けられるベース(121)と、
前記ベース(121)の端面に立設されるとともに、前記ベース(121)から離間する一端が前記位置決めファスナー(2)との接続に用いられるロッド体(122)と、
前記ベース(121)のうち前記ロッド体(122)と接続される端面の外縁に突設され、前記ベース(121)から離間する一端が収縮している回動防止突起(125)と、を備え、
前記位置決めピン(12)と前記筐体(11)を組み付けるべく前記ベース(121)を前記取付室(111)内に収容すると、前記筐体(11)は前記回動防止突起(125)を完全に覆って当該回動防止突起(125)と噛合することを特徴とするスナップファスナー。
【請求項2】
前記筐体(11)の端面における前記取付室(111)の開口部周りの辺縁には、前記位置決めピン(12)と前記筐体(11)を組み付けた場合に、前記回動防止突起(125)を完全に覆って当該回動防止突起(125)と噛合するための固定凸縁(112)が設けられていることを特徴とする請求項1記載のスナップファスナー。
【請求項3】
前記筐体(11)の端面の外縁には、前記固定凸縁(112)の周辺に沿って位置決めブロック(113)が更に突設され、前記位置決めブロック(113)は前記固定凸縁(112)に対して略低く、且つ当該固定凸縁(112)との間に一定の隙間を保持していることを特徴とする請求項2記載のスナップファスナー。
【請求項4】
前記位置決めピン(12)と前記筐体(11)を組み付ける際に、前記固定凸縁(112)は前記回動防止突起(125)を完全に覆って当該回動防止突起(125)と噛合するよう、リベット締め、又は熱圧、又は冷圧により折り曲げられて変形し、前記固定凸縁(112)の内面が、前記回動防止突起(125)の周囲にそれぞれ嵌合して凹凸噛合を形成することを特徴とする請求項3記載のスナップファスナー。
【請求項5】
前記筐体(11)は、前記ベース(121)の形状に対応する板金構造とされ、前記固定凸縁(112)と前記取付室(111)を形成するよう、前記筐体(11)の辺縁が前記ロッド体(122)に向かって折り曲げられ、
前記位置決めピン(12)と前記筐体(11)を組み付ける際に、前記固定凸縁(112)は、前記回動防止突起(125)を完全に覆って当該回動防止突起(125)と噛合するようプレス変形することを特徴とする請求項2記載のスナップファスナー。
【請求項6】
前記回動防止突起(125)は、前記ベース(121)の接線方向に沿う横断面が三角形状とされ、且つ、前記回動防止突起(125)の脊梁は前記ベース(121)の径方向に延伸していることを特徴とする請求項1記載のスナップファスナー。
【請求項7】
前記ロッド体(122)は前記ベース(121)の端面中央に位置し、前記回動防止突起(125)は、前記ベース(121)の端面の外縁において周方向に均一に配置され、
前記滑り防止構造(124)は、前記回動防止突起(125)と前記ロッド体(122)の間を周方向に巡るよう均一に設けられ、且つ、前記滑り防止構造(124)と前記ロッド体(122)は前記筐体(11)の外部に露出していることを特徴とする請求項1記載のスナップファスナー。
【請求項8】
前記筐体(11)は、前記ベース(121)を収容するための前記取付室(111)を形成するよう、射出成形方式で前記位置決めピン(12)の外側に直接成形されることを特徴とする請求項1記載のスナップファスナー。
【請求項9】
前記ロッド体(122)と前記ベース(121)の接続箇所には、補強リブ(126)が設けられることを特徴とする請求項1記載のスナップファスナー。
【請求項10】
互いに掛合するファスナー面(1)と位置決めファスナー(2)を含むスナップファスナーであって、
前記ファスナー面(1)は、
取付室(111)を備える筐体(11)であって、前記取付室(111)の底部に、位置規制凹溝(118)、位置決め孔(117)及び前記筐体(11)を貫通する取付貫通孔(116)が開設される筐体(11)と、
プラスチックにより一体成形される位置決めピン(12)を含み、当該位置決めピン(12)は、
前記取付室(111)内に収容されるベース(121)と、
前記ベース(121)の端面に立設されるロッド体(122)と、
前記ベース(121)のうち前記ロッド体(122)と接続される端面の外縁に突設され、前記ベース(121)から離間する一端が収縮している回動防止突起(125)と、
前記ベース(121)のうち前記取付室(111)の外側に露出する端面に設けられるとともに、前記ロッド体(122)と前記回動防止突起(125)の間に位置する滑り防止構造(124)と、を備え、
前記位置決めピン(12)と前記筐体(11)を組み付けるべく前記ベース(121)を前記取付室(111)内に収容する際に、前記ロッド体(122)の前記ベース(121)から離間する一端は前記取付貫通孔(116)を貫通して前記位置決めファスナー(2)に接続され、前記滑り防止構造(124)は前記位置決め孔(117)内に対応するよう嵌入し、
前記回動防止突起(125)は前記位置規制凹溝(118)内に収容され、前記筐体(11)は前記回動防止突起(125)を完全に覆うことを特徴とするスナップファスナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は日常生活分野に関し、特にスナップファスナーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスナップファスナー構造は互いに掛合されるオスとメスを含み、オスのベース端面に、外側へ向かって垂直に延伸するとともに凹縁を備える突条が設けられている。また、メスの端面には当該突条に組み合わされる凹溝が開設されており、当該凹溝の開口箇所に突縁が配置されている。使用時には、貫通孔が設けられた被接続片状体にオスとメスをそれぞれ固定し、スナップファスナー材料特有の弾性を利用して、オスの突条をメスの凹溝に押し込む。このとき、突縁が凹縁に嵌め込まれることで、2つの被接続体が一体的に接続される。
【0003】
従来のスナップファスナー構造では、オスとメスに接続されるファスナー面の多くに一体成形構造が採用されている。しかし、ファスナー面の形状や図柄が設計要求に応じて頻繁に変更されるのに対し、一体成形構造では面部と足部を同一の材質とせねばならず、材料の選択に制限があった。また、ファスナー面表面の図柄や形状のうち一箇所が変更となっただけでも、ファスナー面全体を新たに作製するほかないため、汎用製品として大量に在庫を保有することができなかった。そのため、異なる種類のスナップファスナーを生産する度に作業量が増え、遅延が生じやすかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術における上記の課題に対し、ファスナー面を筐体と位置決めピンに分離可能であり、量産及び在庫保有を期して位置決めピンを標準部材として製造することで、絶えず設計変更となる筐体に対応するとともに、出荷に要する時間を短縮し、コストが削減されるスナップファスナーを提供することを解決すべき技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、技術的課題を解決するために以下の技術方案を用いる。即ち、互いに掛合するファスナー面と位置決めファスナーを含むスナップファスナーであって、前記ファスナー面は、取付室を備える筐体と、プラスチックにより一体成形される位置決めピンを含み、当該位置決めピンは、前記取付室内に収容されるとともに、前記取付室の外側に露出する端面に滑り防止構造が設けられるベースと、前記ベースの端面に立設されるとともに、前記ベースから離間する一端が前記位置決めファスナーとの接続に用いられるロッド体と、前記ベースのうち前記ロッド体と接続される端面の外縁に突設され、前記ベースから離間する一端が収縮している回動防止突起と、を備え、前記位置決めピンと前記筐体を組み付けるべく前記ベースを前記取付室内に収容すると、前記筐体は前記回動防止突起を完全に覆って当該回動防止突起と噛合するスナップファスナーを提供する。
【0006】
前記筐体の端面における前記取付室の開口部周りの辺縁には、前記位置決めピンと前記筐体を組み付けた場合に、前記回動防止突起を完全に覆って当該回動防止突起と噛合するための固定凸縁が設けられている。
【0007】
前記筐体の端面の外縁には、前記固定凸縁の周辺に沿って位置決めブロックが更に突設され、前記位置決めブロックは前記固定凸縁に対して略低く、且つ当該固定凸縁との間に一定の隙間を保持している。
【0008】
前記位置決めピンと前記筐体を組み付ける際に、前記固定凸縁は前記回動防止突起を完全に覆って当該回動防止突起と噛合するよう、リベット締め、又は熱圧、又は冷圧により折り曲げられて変形し、前記固定凸縁の内面が、前記回動防止突起の周囲にそれぞれ嵌合して凹凸噛合を形成する。
【0009】
前記筐体は、前記ベースの形状に対応する板金構造とされ、前記固定凸縁と前記取付室を形成するよう、前記筐体の辺縁が前記ロッド体に向かって折り曲げられ、前記位置決めピンと前記筐体を組み付ける際に、前記固定凸縁は、前記回動防止突起を完全に覆って当該回動防止突起と噛合するようプレス変形する。
【0010】
前記回動防止突起は、前記ベースの接線方向に沿う横断面が三角形状とされ、且つ、前記回動防止突起の脊梁は前記ベースの径方向に延伸している。
【0011】
前記ロッド体は前記ベースの端面中央に位置し、前記回動防止突起は、前記ベースの端面の外縁において周方向に均一に配置され、前記滑り防止構造は、前記回動防止突起と前記ロッド体の間を周方向に巡るよう均一に設けられ、且つ、前記滑り防止構造と前記ロッド体は前記筐体の外部に露出している。
【0012】
前記筐体は、前記ベースを収容するための前記取付室を形成するよう、射出成形方式で前記位置決めピンの外側に直接成形される。
【0013】
前記ロッド体と前記ベースの接続箇所には、補強リブが設けられる。
【0014】
本発明は更に、互いに掛合するファスナー面と位置決めファスナーを含むスナップファスナーであって、前記ファスナー面は、取付室を備える筐体であって、前記取付室の底部に、位置規制凹溝、位置決め孔及び前記筐体を貫通する取付貫通孔が開設される筐体と、プラスチックにより一体成形される位置決めピンを含み、当該位置決めピンは、 前記取付室内に収容されるベースと、前記ベースの端面に立設されるロッド体と、前記ベースのうち前記ロッド体と接続される端面の外縁に突設され、前記ベースから離間する一端が収縮している回動防止突起と、前記ベースのうち前記取付室の外側に露出する端面に設けられるとともに、前記ロッド体と前記回動防止突起の間に位置する滑り防止構造と、を備え、前記位置決めピンと前記筐体を組み付けるべく前記ベースを前記取付室内に収容する際に、前記ロッド体の前記ベースから離間する一端は前記取付貫通孔を貫通して前記位置決めファスナーに接続され、前記滑り防止構造は前記位置決め孔内に対応するよう嵌入し、前記回動防止突起は前記位置規制凹溝内に収容され、前記筐体は前記回動防止突起を完全に覆うスナップファスナーを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明で述べたスナップファスナーを実施すれば、以下のような有益な効果が得られる。
【0016】
(1)本発明では、ファスナー面を互いに独立する筐体と位置決めピンに分解可能である。よって、位置決めピンを標準部材として量産し、大量に在庫を保有することができる。これにより、出荷速度が早まり、作業量の増大による遅延が回避される。
【0017】
(2)本発明では、ファスナー面を互いに独立する筐体と位置決めピンに分解可能なため、位置決めピンの材料や色に制限されることなく、必要に応じて筐体を多様に設計することが可能となる。
【0018】
(3)本発明の位置決めピンはプラスチック材料からなるため、軽量且つ低コストである。また、金属材料に必要なめっき工程を省略できるため、いっそう資源をリサイクルしやすく、環境にやさしい。
【0019】
(4)回動防止突起の設計により筐体に対する位置決めピンの回動を有効に防止可能となる。また、本発明では、回動防止突起をベースの接線に沿う横断面が二等辺三角形となるよう設計する。よって、力がバランスよく作用し、強度が向上する結果、断裂が生じにくくなる。
【0020】
(5)回動防止突起の脊梁はベースの径方向に延伸しており、両側の辺がベースの端面に対し緩やかに接続されるよう、頂角が鈍角とされる。これにより、組み付け加工時に固定凸縁と回動防止突起を確実に噛合させやすくなり、隙間や緩みが生じにくくなる。更には、固定凸縁の折り曲げ度合が大きすぎることによる破損を回避可能となる。
【0021】
(6)滑り防止構造は、ベースと基材との接触面積を減少させ、圧力を増大することで基材に食い込むよう、筐体の外部に露出する基端が先細りの突起とされる。これにより、基材に対するスナップファスナーの摺動が有効に回避される。
【0022】
(7)回動防止突起をベースの周縁に設けることで、ベースの厚みと強度を強化可能である。これにより、各種加工手段によって筐体と接続する際に、亀裂や断裂といった現象が回避される。
【0023】
(8))固定凸縁とこれに隣接する位置決めブロックとの間には高低差による段差が形成されており、且つこれらの間には隙間が存在している。このような隙間を有する段差の構造によれば、プラスチック又は金属製の固定凸縁を折り曲げる際に展延性が最適となる。よって、固定凸縁が回動防止突起を完全に覆い、当該回動防止突起の表面に密着することで回動防止効果を強化するにあたり有利となる。
【0024】
以下に、図面と実施例を組み合わせて、本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明における第1の好ましい実施例で提供されるスナップファスナーの断面図である。
図2図2は、図1のファスナー面の断面図である。
図3図3は、図1の位置決めピンの斜視図である。
図4図4は、図1の位置決めピンの断面図である。
図5図5は、図1のファスナー面の斜視図である。
図6図6は、図1のファスナー面の変形1の斜視図である。
図7図7は、図1のファスナー面の変形2の斜視図である。
図8図8は、図1のファスナー面の変形3の斜視図である。
図9図9は、図1のファスナー面の変形4の斜視図である。
図10図10は、図1のファスナー面の変形5の斜視図である。
図11図11は、本発明における第2の好ましい実施例で提供されるスナップファスナーのうちのファスナー面の斜視図である。
図12図12は、図11のファスナー面の断面図である。
図13図13は、本発明における第3の好ましい実施例で提供されるスナップファスナーのうちのファスナー面の斜視図である。
図14図14は、図13のファスナー面の断面図である。
図15図15は、本発明における第4の好ましい実施例で提供されるスナップファスナーのうちのファスナー面の斜視図である。
図16図16は、図15のファスナー面の断面図である。
図17図17は、図15のファスナー面における変形形態の斜視図である。
図18図18は、図17のファスナー面の断面図である。
図19図19は、本発明における第5の好ましい実施例で提供されるスナップファスナーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の目的、技術方案及び利点をより明確にすべく、以下に図面と実施例を組み合わせて本発明につき更に詳細に説明する。なお、ここで記載する具体的実施例は本発明を説明するためのものにすぎず、本発明を限定する主旨ではない。
【0027】
実施例1:図1図10を参照する。
【0028】
図1は、本発明における第1の好ましい実施例で提供されるスナップファスナーを示している。当該スナップファスナーは、互いに掛合されるファスナー面1と位置決めファスナー2を含む。位置決めファスナー2は、必要に応じて突条構造を有するオスとして配置してもよいし、凹溝構造を有するメスとして配置してもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0029】
本実施例において、ファスナー面1は分解可能な筐体11と位置決めピン12を含む。位置決めピン12は、一端が筐体11に接続され、他端が基材3を貫通して位置決めファスナー2に接続される。これにより、ファスナー面1と位置決めファスナー2がそれぞれ両側から挟み込むように基材3に固定される。基材3としては、布地、プラスチック、皮革、人工皮革及び不織布等の材料が可能であり、袋類、靴類、衣類又はその他の掛合と開放を必要とする物品の作製に常用される。
【0030】
図2を組み合わせて、筐体11はプラスチック、金属等の一般的な材料で作製可能であり、円盤状とすることが好ましいが、位置決めピン12に対応するその他の形状としてもよい。
【0031】
筐体11の基材3寄りの端面には、位置決めピン12を収容するための取付室111が開設されている。筐体11の端面における取付室111の開口部周りの周縁は、環状の固定凸縁112を形成するように当該端面から離間する方向に延伸している。当該固定凸縁112は、各種加工手段によって位置決めピン12と筐体11を組み付ける際に、位置決めピン12を固定するよう覆う。
【0032】
好ましくは、筐体11の端面の外縁に、固定凸縁112の周辺に沿って環状の位置決めブロック113が更に突設される。当該位置決めブロック113と固定凸縁112の間には一定の隙間が保持される。また、後の加工がしやすいよう、筐体11に対する位置決めブロック113の突出高さは固定凸縁112よりも短くなっている。
【0033】
図3図4を組み合わせて、位置決めピン12は一体成形型のプラスチック標準部材であり、取付室111内に収容されるベース121、ベース121の端面中央から外側に延伸するよう形成されるロッド体122、及びロッド体122の基端が先細りとなることで形成される接続部123を含む。
【0034】
ベース121は円盤状構造であり、一方の端面が取付室111の底面に当接する。また、他方の端面にはロッド体122が突設されるだけでなく、基材3に対するファスナーの摺動を防止するための滑り防止構造124と、筐体11に対する位置決めピン12の回動を防止するための回動防止突起125が設けられている。
【0035】
ロッド体122はベース121に立設される柱状構造であり、ベース121から離間する側の端部に延伸するよう形成される接続部123はテーパー状とされる。
【0036】
接続部123の断面は、位置決めピン12がより容易に基材3を貫通して位置決めファスナー2に掛合可能となるよう、基端の頂角が略30°〜70°の範囲の二等辺三角形であることが好ましい。
【0037】
滑り防止構造124はベース121の端面に突設された突起であり、ベース121上のロッド体122と同じ側に位置している。滑り防止構造124は基端が先細りとなっており、尖点状、円柱状、或いは本実施例のように基端がテーパー状に先細りした柱体構造が可能である。これにより、ベース121と基材3との接触面積が減少し、圧力が増大することで、滑り防止性能が高まる。
【0038】
回動防止突起125も滑り防止構造124と同じ側に設計される突起であり、折り曲げられた固定凸縁112によって完全に覆われるよう、ベース121の端面の外縁に等間隔で配置されている(図2参照)。また、回動防止突起125のベース121から離間する基端は収縮している。
【0039】
本実施例では、図3に示すように、回動防止突起125は回動方向に沿う横断面、即ちベース121の接線方向に沿う横断面が三角形とされる。回動防止突起125の脊梁はベース121の径方向に延伸している。即ち、最上部に形成される固定辺がベース121の径方向に延伸している。好ましくは、バランスよく力が作用するよう、当該横断面は二等辺三角形とされる。
【0040】
なお、当該回動防止突起125の横断面は三角形の変形形状としてもよく、例えば、両側の辺がベース121の端面になめらかに接続される円弧状であっても、本実施例の要求を満たすことができる。
【0041】
筐体11は金属及びプラスチック材料からなるため、良好な展延性を有している。加工工程において固定凸縁112と回動防止突起125との圧着が完了すると、固定凸縁112の内面は回動防止突起125の周囲にそれぞれ嵌合して凹凸噛合を形成する。固定凸縁112は図5に示すようなディスク状をなし、回動防止突起125に噛合して加締める。また、固定凸縁112には間隔を空けて配置される凹陥部112aと突出部112bが形成されており、突出部112bが回動防止突起125の上部に密着する。
【0042】
固定凸縁112が加締めるように回動防止突起125に密着すると、突出部112bは回動防止突起125上部の脊梁に密着する。凹陥部112aは、隣接する2つの回動防止突起125の対向する両側面に沿って、ベース121の端面に近づく方向に凹陥している。これによれば、位置決めピン12と筐体11の間に接線方向の回動力が発生した場合、筐体11上の固定凸縁112が回動防止突起125の回動方向に沿う両側面に密着し、回動防止突起125により位置規制されるため、回動することがない。
【0043】
好ましくは、本実施例における回動防止突起125の横断面は、脊梁箇所の夾角が鈍角とされる。即ち、回動可能方向において、回動防止突起125はベース121の端面に対し緩やかに接続可能とされる。これにより、加工時に固定凸縁112との噛合が確実となり、隙間や緩みが生じにくい。また、固定凸縁112の折り曲げ度合が過度に増大することによる破損を回避可能となる。
【0044】
好ましくは、ロッド体122がベース121の端面中央位置に配置され、滑り防止構造124が、回動防止突起125とロッド体122の間に設けられるとともに、ロッド体122周りに均一に配置される。図3に示すように、複数の滑り防止構造124は、ベース121の端面と同心の円周上に均一且つ一定の距離で配置される。
【0045】
位置決めピン12と筐体11を組み付ける際には、筐体11の固定凸縁112を折り曲げ、加締めるように回動防止突起125の表面に密着させる。滑り防止構造124は、基材3と確実に接触することで基材3に対するスナップファスナーの摺動を有効に回避すべく、折り曲げられた固定凸縁112の外部に露出する。
【0046】
好ましくは、ロッド体122に力が作用した場合のベースからの亀裂を防止すべく、ロッド体122とベース121の接続箇所には補強リブ126が設けられる。なお、補強リブ126は本実施例のロッド体122の底部周辺に設けられる環状の突起に限らず、ロッド体122の全周に等間隔で設けられる複数の支持リブプレート(図示しない)等のその他の補助構造としてもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0047】
図2図5の通りに組み付けてファスナー面1を取得する際には、まず位置決めピン12のベース121を下向きに取付室111内に挿設し、取付室111の底部にしっかりと当接させる必要がある。そして、冷圧方式で固定凸縁112をロッド体122に向けて折り曲げ、回動防止突起125を完全に覆うとともに、固定凸縁112と回動防止突起125の表面を確実に密着させる。これにより、筐体11に対する位置決めピン12の回動が有効に防止される。
【0048】
また、図2に示すように、固定凸縁112とこれに隣接する位置決めブロック113との間には高低差による段差119が形成されており、且つこれらの間には隙間が存在している。このような隙間を有する段差119の構造によれば、固定凸縁112を折り曲げる際にプラスチック又は金属の展延性が最適となる。よって、固定凸縁112が十分に回動防止突起125を覆い、回動防止効果を強化するために有利となる。
【0049】
図1の通りにファスナー面1と位置決めファスナー2を組み付けてスナップファスナーを取得する際には、位置決めピン12の接続部123を基材3に貫通させ、位置決めファスナー2の位置決め開口21内まで延伸させる。そして、リベット締めで接続部123を窪み状に圧縮し、位置決め開口21の開口部に係合させることで、ファスナー面1、基材3及び位置決めファスナー2を接続する。以上により、基材3に対するスナップファスナーの固定が実現される。このとき、滑り防止構造124の先端が基材3に食い込むことで、基材3に対するスナップファスナーの摺動が有効に回避されることがわかる。
【0050】
図6図7を組み合わせて、装飾或いは滑り防止効果を得るために、筐体11の基材3から離間する他方の端面には、設計要求に応じて各種の色、模様、図柄を備える押圧部114を作製可能であることがわかる。
【0051】
図8では、筐体11と位置決めピン12のベース121とをねじにより直接接続しているが、ねじを装飾設計要素の一つとしてファスナー面1の外部に露出させている。
【0052】
図9図10を組み合わせて、本実施例のファスナー面1はその他の形状としてもよいが、変更を要するのは筐体11の形状のみであり、位置決めピン12は異なる形状の筐体11に適応可能となっている。よって、実際の生産においては、位置決めピン12をプラスチック標準部材として量産し、在庫を保有することで、出荷に要する時間を加速することが可能となる。
【0053】
実施例2:図11〜及び図12を参照する。
【0054】
本実施例の筐体11はプラスチックからなる。実施例1との相違として、本実施例の筐体11と位置決めピン12は、熱圧方式で図11及び図12の通りに組み付けられ、ファスナー面1を取得する。
【0055】
組み付け時には、まず位置決めピン12のベース121を下向きに取付室111内に挿設し、取付室111の底部にしっかりと当接させる。そして、熱圧方式で固定凸縁112を熱変形させ、ロッド体122に向けて折り曲げることで、回動防止突起125を完全に覆う。固定凸縁112の内面は、凹凸噛合をなすよう回動防止突起125の周囲に嵌合する。これにより、固定凸縁112がディスク状に位置決めピン12のベース121を加締める。固定凸縁112は回動防止突起125の表面に密着して加締めるため、筐体11に対する効位置決めピン12の回動を効果的に防止可能となる。また、基材3と接触するよう、ロッド体122と滑り防止構造124は外部に露出している。
【0056】
熱圧時に筐体11辺縁の位置決めブロック113が熱変形することで筐体11の外観に影響することがないよう、本実施では位置決めブロック113と固定凸縁112の間隔を拡大し、環状の加工凹溝115を形成している。これにより、位置決めブロック113と固定凸縁112との距離が大きく保たれるため、熱圧操作がしやすくなる。
【0057】
本実施例の位置決めピン12については実施例1と同様のため、ここでは詳述しない。
【0058】
実施例3:図13及び図14を参照する。
【0059】
本実施例と上記実施例の相違として、本実施例の筐体11は射出成形方式で位置決めピン12の外側に直接成形される。
【0060】
組み付け時には、製造された位置決めピン12を射出成形金型に載置し、射出成形によって、位置決めピン12のベース121を直接覆うよう筐体11を固定する。射出成形された筐体11は回動防止突起125を完全に覆うとともに、回動防止突起125と噛合する。これにより、筐体11内における位置決めピン12のがたつきや回動が防止される。また、ベース121の端面中央に位置する滑り防止構造124とロッド体122は、基材3に対するファスナー面1の摺動を防止すべく取付室111から露出している。
【0061】
筐体11は、位置決めピン12と噛合する凹凸構造が射出成形によって直接形成される。よって、回動防止突起125を覆うように折り曲げられる固定凸縁112は不要となる。なお、本実施例の位置決めピン12については上記実施例と同様のため、ここでは詳述しない。
【0062】
実施例4:図15図16図17及び図18を参照する。
【0063】
本実施例の筐体11は金属からなる。上記実施例との相違として、筐体11はベース121の形状に対応する板金材料からなり、本実施例では円形とされる。筐体11は、周縁がベース121の円心、即ちロッド体122に向かって折り曲げられることで、位置決めピン12を収容するための取付室111と固定凸縁112を形成する。そして、プレスによって筐体11が位置決めピン12のベース121を覆うように固定されることで、ファスナー面1が作製される。
【0064】
図16及び図18より、筐体11の厚みは特に限定されず、辺縁にて折り曲げられる固定凸縁112がプレスによって位置決めピン12を完全に覆うことができればよいことがわかる。
【0065】
ファスナー面1を組み合わせる際には、製造した位置決めピン12を筐体11に載置し、プレスによって固定凸縁112をロッド体122に向けて折り曲げることで、回動防止突起125を完全に覆い、当該回動防止突起125と噛合させる。固定凸縁112の内面は回動防止突起の周囲に嵌合して凹凸噛合を形成する。また、固定凸縁112はディスク状に位置決めピン12のベース121を加締める。これにより、固定凸縁112と回動防止突起125の表面が確実に密着し、筐体11に対する位置決めピン12の回動が有効に防止される。また、基材3と接触するよう、ロッド体122と滑り防止構造124は外部に露出している。
【0066】
本実施例の位置決めピン12については上記実施例と同様のため、ここでは詳述しない。
【0067】
実施例5:図19を参照する。
【0068】
本実施例と上記実施例の違いとしては、筐体11が略円盤状となっており、基材3から離間する一端面に位置決めピン12を収容するための取付室111が開設されている。取付室111の底面には筐体11を貫通する取付貫通孔116が開設されている。また、取付室111の底面における取付貫通孔116周りには、滑り防止構造124に組み合わされるよう対応する位置決め孔117が開設されている。取付室111の底面辺縁には、周方向に沿って環状の位置規制凹溝118が更に開設されている。
【0069】
なお、取付室111の底面辺縁には、本実施例における環状の位置規制凹溝118ではなく、回動防止突起125に一対一で対応して組み合わされる位置規制孔(図示しない)を開設してもよい。筐体11が位置規制孔によって回動防止突起125を覆い、噛合することで、筐体11に対する位置決めピン12のがたつきや回動が更に防止される。ただし、本実施例の位置規制凹溝118は位置規制孔に比べて簡易的であり、加工しやすい。
【0070】
本実施例の位置決めピン12については上記実施例と同様のため、ここでは詳述しない。
【0071】
ファスナー面1を組み合わせる際には、まず位置決めピン12のロッド体122を下向きに取付貫通孔116内に挿設し、ベース121を取付室111内に載置する。また、滑り防止構造124を対応する位置決め孔117内に一対一で嵌め込み、回動防止突起125も位置規制凹溝118内に位置させる。位置規制凹溝118を回動防止突起125に一対一で対応する位置規制孔として設計する場合には、筐体11は回動防止突起125を完全に覆い、噛合する。
【0072】
当該スナップファスナーを取り付ける際には、筐体11から伸長するロッド体122を基材3と位置決めファスナー2に順に貫通させる。そして、リベット締めで接続部123を窪み状に圧縮し、位置決め開口21に係合させることで、ファスナー面1、基材3及び位置決めファスナー2を接続する。以上により、基材3に対するスナップファスナーの固定が実現される。
【0073】
本実施例において、滑り防止構造124は取付室111底面の位置決め孔117に係合し、基材3と接触することなく、筐体11に対する位置決めピン12のがたつきや回動を防止する。好ましくは、基材3に対するスナップファスナーの摺動を更に防止すべく、筐体11の取付室111から離間する端面には、基材3と噛合する滑り防止突縁(図示しない)が設けられる。
【0074】
本発明で述べたスナップファスナーを実施すれば、以下のような有益な効果が得られる。
【0075】
(1)本発明では、ファスナー面1を互いに独立する筐体11と位置決めピン12に分解可能である。よって、位置決めピン12を標準部材として量産し、大量に在庫を保有することができる。これにより、出荷速度が早まり、作業量の増大による遅延が回避される。
【0076】
(2)本発明では、ファスナー面1を互いに独立する筐体11と位置決めピン12に分解可能なため、位置決めピン12の材料や色に制限されることなく、必要に応じて筐体11を多様に設計することが可能となる。
【0077】
(3)本発明の位置決めピン12はプラスチック材料からなるため、軽量且つ低コストである。また、金属材料に必要なめっき工程を省略できるため、いっそう資源をリサイクルしやすく、環境にやさしい。
【0078】
(4)回動防止突起125の設計により筐体11に対する位置決めピン12の回動を有効に防止可能となる。また、本発明では、回動防止突起125を回動方向の横断面が二等辺三角形となるよう設計する。よって、力がバランスよく作用し、強度が向上する結果、断裂が生じにくくなる。
【0079】
(5)回動防止突起125の脊梁はベースの径方向に延伸しており、両側の辺がベースの端面に対し緩やかに接続されるよう、頂角が鈍角とされる。これにより、組み付け加工時に固定凸縁112と回動防止突起125を確実に噛合させやすくなり、隙間や緩みが生じにくくなる。更には、固定凸縁112の折り曲げ度合が大きすぎることによる破損を回避可能となる。
【0080】
(6)滑り防止構造124は、ベース121と基材3との接触面積を減少させ、圧力を増大することで基材3に食い込むよう、筐体11の外部に露出する基端が先細りの突起とされる。これにより、基材3に対するスナップファスナーの摺動が有効に回避される。
【0081】
(7)ロッド体122に力が作用した場合のベースからの亀裂を防止すべく、ロッド体122とベース121の接続箇所には補強リブ126が設けられる。
【0082】
(8)回動防止突起125をベース121の周縁に設けることで、ベース121の厚みと強度を強化可能である。これにより、各種加工手段によって筐体11と接続する際に、亀裂や断裂といった現象が回避される。
【0083】
(9)ロッド体122の端部に延伸するよう形成される接続部123はテーパー状とされる。また、接続部123の断面は頂角略30°〜70°の範囲の二等辺三角形であるため、位置決めファスナー2と掛合するよう、基材3に対し位置決めピン12をより容易に貫通させられる。
【0084】
(10)固定凸縁112とこれに隣接する位置決めブロック113との間には高低差による段差119が形成されており、且つこれらの間には隙間が存在している。このような隙間を有する段差119の構造によれば、固定凸縁112を折り曲げる際にプラスチック又は金属の展延性が最適となる。よって、固定凸縁112が回動防止突起125を完全に覆い、当該回動防止突起125の表面に密着することで回動防止効果を強化するにあたり有利となる。
【0085】
本発明では具体的実施例を挙げて説明したが、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱しないことを前提に、本発明につき各種の変更及び等価の置き換えが可能なことはいうまでもない。また、特定の状況或いは材料に対応して、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明につき各種の修正を加えることが可能である。従って、本発明は開示した具体的実施例に限定されず、本発明の特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】