特表2018-503011(P2018-503011A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2018-503011板材搬送器を板材吊搬装置の入れ子式マストへ旋回式に締結するための機構、およびこの機構を備える板材吊搬装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2018-503011(P2018-503011A)
(43)【公表日】2018年2月1日
(54)【発明の名称】板材搬送器を板材吊搬装置の入れ子式マストへ旋回式に締結するための機構、およびこの機構を備える板材吊搬装置
(51)【国際特許分類】
   E04F 21/18 20060101AFI20180105BHJP
【FI】
   E04F21/18 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-543900(P2017-543900)
(86)(22)【出願日】2015年10月2日
(85)【翻訳文提出日】2017年5月30日
(86)【国際出願番号】FR2015052660
(87)【国際公開番号】WO2016071590
(87)【国際公開日】20160512
(31)【優先権主張番号】1460721
(32)【優先日】2014年11月6日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】517160031
【氏名又は名称】エタブリセメンツ ピエール グレハル エト シエ エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】マルコン、 リオネル
(57)【要約】
本発明は、損傷のリスクを抑え、安価であり、人間工学的であり、板材を水平に、斜めにおよび垂直に締結することを可能とし、かつ容易に修理できる、信頼できる旋回式締結機構を提案する。旋回式締結機構(100)は、使用位置において、マストに同軸に、マストの上部に配置される垂直支持プロファイル(10)と、2つの平行な裏当て板材(20)であって、支持プロファイル(10)で旋回するように取り付けられ、かつ一方側で板材搬送器締結コンポーネント(30)により、および他方側でU字形の垂直位置の止め具(40)であって、裏当て板材に取り付けられ、かつ支持プロファイルが垂直位置の止め具(40)に接触すると、板材搬送器締結コンポーネント(30)が支持プロファイル(10)に平行になるように配置されたU字形の垂直位置の止め具(40)により相互連結される、2つの平行な裏当て板材(20)と、引込式止め具(50)であって、支持プロファイルが引込式止め具(50)と接触すると、板材搬送器の締結コンポーネント(30)が支持プロファイルと10°〜80°の角度を形成するように、少なくとも1つの裏当て板材により支持される引込式止め具(50)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材吊搬装置の入れ子式マスト(300)にある板材搬送器(200)のための旋回式締結機構(100)において、使用位置に関して、
前記マストに同軸に、前記マストの上部に配置される垂直な支持プロファイル(10)と、
2つの平行な裏当て板材(20)であって、前記支持プロファイル(10)で旋回するように取り付けられ、かつ一方側で前記板材搬送器(200)の締結コンポーネント(30)により、および他方側で垂直位置の止め具と呼ばれるU字形の止め具(40)であって、前記裏当て板材へ取り付けられ、かつ前記支持プロファイルが垂直位置の前記止め具(40)と接触すると、前記板材搬送器の前記締結コンポーネント(30)が前記支持プロファイル(10)に平行になるように配置されたU字形の止め具(40)により相互連結される、2つの平行な裏当て板材(20)と、
引込式止め具(50)であって、前記支持プロファイルが前記引込式止め具(50)と接触すると、前記板材搬送器の前記締結コンポーネント(30)が前記支持プロファイルと10°〜80°の角度を形成するように、少なくとも1つの裏当て板材により支持される引込式止め具(50)と
を含むことを特徴とする、旋回式締結機構(100)。
【請求項2】
2つの平行な前記裏当て板材が、前記支持プロファイル(10)を通過する軸(21)により前記支持プロファイル(10)で回動するように取り付けられる、請求項1に記載の機構。
【請求項3】
前記支持プロファイルが2つの外側軸受(70)を含み、前記2つの平行な裏当て板材が、前記2つの軸受を通過する軸(71)により前記軸受で回動するように取り付けられる、請求項1に記載の機構。
【請求項4】
前記2つの裏当て板材間で回動するように取り付けられた係止爪(60)をさらに含み、前記爪が、
ハンドル(61)であって、前記裏当て板材の各々に係合した前記爪の回転軸(62)を備える第1端(63)と、前記支持プロファイル(10)との係止により協働するように設計されたV字形部(64)と、前記爪のための係止解除ハンドルを構成する第2端(65)と
を含むハンドル(61)と、
前記爪と前記板材搬送器の前記締結コンポーネント(30)との間に配置された弾性復帰手段(66)であって、前記締結コンポーネント(30)の水平位置への回動中に前記V字形部が管状の前記支持プロファイルに対して摺動するとき、前記爪の前記回動を可能にし、かつ前記板材搬送器の前記締結コンポーネント(30)が水平位置にあるとき、係止位置への前記爪の復帰を可能にする、弾性復帰手段(66)と
を含む、請求項1に記載の機構。
【請求項5】
前記支持プロファイルが管状である場合に、係止位置において、前記爪の前記V字形部が、前記支持プロファイルの内部開口部において係合することにより、前記支持プロファイルと協働する、請求項4に記載の機構。
【請求項6】
係止位置において、前記爪の前記V字形部が、前記爪の回動軸に対して前記支持プロファイルの後ろに係止することにより、前記支持プロファイルと協働する、請求項4に記載の機構。
【請求項7】
前記弾性復帰手段(66)が、ばねと発泡ゴムブロックとの間から選択される、請求項4〜6のいずれか一項に記載の機構。
【請求項8】
前記板材搬送器が前記締結コンポーネントへ溶接される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の機構。
【請求項9】
前記締結コンポーネントが、前記板材搬送器を着脱可能な締結手段を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の機構。
【請求項10】
建築用板材を吊搬するための吊搬装置において、
吊搬機構が設けられたマストと、
前記マストの第1端に固定された転動ベースと、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の旋回式締結機構と、
前記旋回式締結機構に固定された板材搬送器と
を含むことを特徴とする、吊搬装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板材吊搬装置の入れ子式マストにある板材搬送器の旋回式締結機構と、このような機構を備える板材吊搬装置とに関する。
【0002】
特に、本発明は、吊り天井を作るためまたは斜面もしくは仕切り上での建設のために、材料板材(石膏ボード、木製パネル等)などの重い物の操作および位置付けのための作業中に使用される吊搬および処理装置に関する。
【背景技術】
【0003】
板材リフター(plate lifter)として知られるこのタイプの装置は、例えば文献仏国特許第2538437号明細書において既に説明されている。
【0004】
板材リフターの一般的な構造は以下の通りである。吊搬機構により制御可能な入れ子式マストが転動ベース上に取り付けられている。板材搬送器が旋回機構によりマストの端部に旋回式に取り付けられている。
【0005】
入れ子式マストは、第1固定要素と、固定要素に対して入れ子式になっている少なくとも1つの可動式要素とを含む。概して、マストは2つの可動式入れ子式要素を含む。
【0006】
既存の板材リフターの大部分(文献欧州特許第1783301号明細書におけるものなど)は、以下の板材搬送器の2つの使用位置のみを可能にする旋回式締結機構を含む。すなわち、
板材搬送器が地面と実質的に平行であり、したがって入れ子式マストと90°の角度を形成する第1のいわゆる水平位置であり、この位置は、水平な吊り天井などの板材の固定を可能にする、
板材搬送器がマストと90°未満の角度、典型的には10°〜80°を形成する第2のいわゆる角度の付いた位置であり、この位置は、一方で板材搬送器の搭載、すなわち板材の板材搬送器上への位置付けを可能にするが、同様に、弓形の壁、すなわち傾斜した天井の内部フレームへの板材の締結も可能にする。
【0007】
しかしながら、この機構では板材を垂直に締結することは可能ではない。さらに、これは非常にかさばるとともに、その係止機構は傾動中に片方の手に接近し易いため、怪我のリスクとなる。
【0008】
板材の垂直締結を可能にする板材リフターを提案するために、水平から垂直への連続的または不連続的な誘導を可能にする湾曲した楕円形開口部を備える垂直な裏当て板材を含む回動機構が提案されている。
【0009】
文献欧州特許第1536084号明細書はこのような機構を説明している。この機構において、垂直傾動を可能にするために、回転軸はシャフトに対して数センチメートルだけシフトされる。しかしながら、回動機構への負荷は、板材の重量によって生じるレバレッジ効果のために非常に大きい。これはしたがって非常に頑丈でなければならず、一般的に、強化材と組み合わされた非常に厚い金属シートでできている。さらに、この回動機構はほぼ実用的ではなく、その理由は、係止システムが楕円形開口部を通過するボルトであり、これは不適切なときに傾動しないように板材搬送器を保持しながらねじって外す必要があるためである。
【0010】
したがって、このような機構に、ハンドルの形態の集中型係止解除デバイスを備えることが提案されている。この機構は文献欧州特許第1640531号明細書において説明されている。しかしながら、この機構は非常に複雑でありかつ費用がかかり、板材を係止解除すると同時に傾動させるために必要な動きがユーザの背中を痛める。さらに、強度問題が悪化するが、その理由は回動軸がハンドル機構全体も支えなければならないためである。最後に、これは係止システムの接近し易さの問題を解決していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、信頼性のある旋回式締結機構であって、安全であり(すなわちユーザに対する怪我のリスクを抑える)、材料が安価であり、人間工学的であり、多用途であり(すなわち、板材の水平な、角度の付いた、および垂直な固定を可能にする)、かつ維持管理が容易である旋回式締結機構を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的に向かって、本発明は、マストまたはその直近くにヒンジで連結された機構であって、マストに対する2つの端部止め具、すなわち1つは角度の付いた位置の引込式止め具、および1つは垂直位置の固定止め具を含み、係止デバイスがユーザの手に接近し易くないように、係止デバイスが機構と同時に傾動する機構を提案する。
【0013】
したがって、本発明の主題は、板材吊搬装置の入れ子式マストにある板材搬送器のための旋回式締結機構であって、使用位置に関して、
マストに同軸に、マストの上部に配置される垂直支持プロファイルと、
2つの平行な裏当て板材であって、支持プロファイルで旋回するように取り付けられ、かつ一方側で板材搬送器の締結コンポーネントにより、および他方側で垂直位置の止め具と呼ばれるU字形の止め具であって、裏当て板材へ取り付けられ、かつ支持プロファイルが垂直位置の止め具と接触すると、板材搬送器の締結コンポーネントが支持プロファイルに平行になるようなに配置されたU字形の止め具により相互連結される、2つの平行な裏当て板材と、
引込式止め具であって、支持プロファイルが引込式止め具と接触すると、板材搬送器の締結コンポーネントが支持プロファイルと10°〜80°の角度を形成するように、少なくとも1つの裏当て板材により支持される引込式止め具と
を含む旋回式締結機構である。
【0014】
他の実施形態によると、
2つの平行な裏当て板材は、支持プロファイルを通過する軸により支持プロファイルで回動するように取り付けられ、
支持プロファイルは2つの外側軸受を含んでもよく、2つの平行な裏当て板材は、2つの軸受を通過する軸により軸受で回動するように取り付けられ、
機構は、2つの裏当て板材間で回動するように取り付けられた係止爪を追加的に含んでもよく、この爪は、
ハンドルであって、裏当て板材の各々に係合した爪の回転軸を備える第1端と、支持プロファイルとの係止により協働するように設計されたV字形部と、爪のための係止解除ハンドルを構成する第2端と
を含むハンドルと、
爪と板材搬送器の締結コンポーネントとの間に配置された弾性復帰手段であって、締結コンポーネントの水平位置への回動中にV字形部が管状の支持プロファイルに対して摺動するとき、爪の回動を可能にし、かつ板材搬送器の締結コンポーネントが水平位置にあるとき、係止位置への爪の復帰を可能にする、弾性復帰手段と
を含み、
支持プロファイルが管状である場合に、係止位置において、爪のV字形部は、支持プロファイルの内部開口部において係合することにより、支持プロファイルと協働することができ、係止位置において、爪のV字形部は、爪の回動軸に対して支持プロファイルの後ろに係止することにより、支持プロファイルと協働することができる。弾性復帰手段は、ばねと発泡ゴムブロックとの間から選択され得る。板材搬送器が締結コンポーネントへ溶接され得る。締結コンポーネントは、板材搬送器を着脱可能な締結手段を含む。
【0015】
本発明は同様に、建築用板材を吊搬するための吊搬装置において、
吊搬機構が設けられたマストと、
マストの第1端に固定された転動ベースと、
上記の通りの旋回式締結機構と、
旋回式締結機構に固定された板材搬送器と
を含むことを特徴とする、吊搬装置に関する。
【0016】
本発明の他の特徴は、添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明において言及される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】垂直位置にある本発明による旋回式締結機構の概略斜視図である。
図2】吊搬装置のマストに取り付けられた、角度の付いた位置にある本発明による旋回式締結機構の概略斜視図である。
図3】水平位置にある図1の旋回式締結機構の概略斜視図である。
図4】垂直位置にある図1の旋回式締結機構の一変形形態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、板材搬送器200(図2参照)を、特に建築用の材料の板材のための吊搬装置の入れ子式マスト300へ固定するように設計された旋回式締結機構100の第1実施形態を示す。
【0019】
本発明によると、旋回式締結機構100は、使用位置に関して、マスト300の上部にマストの軸XXに同軸に位置付けられるように設計された垂直支持プロファイル10を含む。支持プロファイル10は、有利には、マスト300に係止するための端部止め具を含む管状のスリーブであり得る。有利には、この管状のスリーブは、以降でさらに詳細に説明される係止爪の係止を可能にするために、形状が四角形または長方形である。
【0020】
旋回式締結機構100は同様に、回転軸21により支持プロファイル10で回動するように取り付けられた2つの平行な裏当て板材20を含む。
【0021】
2つの平行な裏当て板材20は、一方では板材搬送器200の締結コンポーネント30により、および他方では垂直位置の止め具と呼ばれる、裏当て板材20へ溶接されたU字形の止め具40により相互連結される。垂直位置の止め具40は、支持プロファイル10が垂直位置の止め具40と接触すると、板材搬送器200の締結コンポーネント30が支持プロファイル10に平行になるように配置される。
【0022】
したがって、この位置において、板材搬送器は垂直位置にあり、板材を壁などの垂直な支持体に対して輸送する、吊搬するおよび取り付けることが可能である。
【0023】
さらに、垂直位置の止め具40は垂直支持プロファイルに、したがってマストに直接当接し、これは、垂直位置の止め具がマストの軸に対してオフセットされた先行技術のシステムと異なり、アセンブリにとって良好な安定性を確保する。
【0024】
マストの軸XXに対して0°より大きく90°未満の角度で旋回式締結機構を位置付けることを可能にするために、本発明による締結機構は、支持プロファイルが引込式止め具50と接触すると、板材搬送器の締結コンポーネント30が支持プロファイルと10°〜80°の角度を形成するように、少なくとも1つの裏当て板材に担持された引込式止め具50を含む。
【0025】
図示の実施形態において、引込式止め具は、2つの穴50であって、互いに反対側に位置し、かつピン51(図2において断面が示される)が穴50を通じて位置付けられると、板材搬送器の締結コンポーネント30が支持プロファイル10と、すなわちマスト300の軸XXと10°〜80°の角度をなすように各々裏当て板材20により担持される2つの穴50からなる。
【0026】
図1〜3の実施形態において、2つの裏当て板材20は、支持プロファイルを通過する軸21により支持プロファイル10で回動するように取り付けられている。
【0027】
有利には、軸21は軸XXに交わり、吊搬中の重量を中心に置くことを可能にし、マストが板材搬送器に位置するウォールボード板材に対して直立したときにマストがたわまないようにする。
【0028】
図2は、板材搬送器の入れ子式マストの適所に配置された本発明による旋回式締結機構を示す。
【0029】
この図において、本発明による旋回式締結機構の内部構造を明らかにするために、前面の裏当て板材20は省略されている。
【0030】
図2において、旋回式締結機構は、板材搬送器の締結コンポーネントおよび板材搬送器200自体がマストにもはや平行ではなく、代わりに、マストの軸XXと10〜80度の角度をなすように、図1の垂直位置に対して回動されている。ピン51は、板材搬送器をこの位置に保持するように、穴50に着脱可能な方法で配置される。
【0031】
この位置は、板材搬送器200への板材の位置付けと、弓形の壁などの傾斜した支持体への材料の板材の締結との両方を可能にする。
【0032】
図3は、図1の旋回式締結機構であって、水平位置にある、すなわち、板材搬送器の締結コンポーネント30および板材搬送器200自体が水平であり、支持プロファイル10と、したがってマスト300の軸XXと90°の角度をなす図1の旋回式締結機構を示す。
【0033】
この位置は、吊り天井の金属強化材など、水平な支持体への板材の締結を可能にする。
【0034】
板材搬送器をこの水平位置に保持するために、本発明は、旋回式締結機構に、2つの裏当て板材20間で回動するように取り付けられた係止爪60を設けることを提案する。
【0035】
この爪60は、裏当て板材20間で回動軸62により関節接合されたハンドル61を含む。
【0036】
特に、ハンドル61は、裏当て板材20の各々に係合した回転軸62を備えた第1端63と、支持プロファイル10との係止により協働するように設計されたV字形部64と、爪60を係止解除するための把持ハンドルを構成する第2端65とを含む。
【0037】
ハンドル61は同様に、V字形部64の底部に、爪と板材搬送器の締結コンポーネント30との間に配置された弾性復帰手段66を含む。
【0038】
爪60のV字形状は、締結機構が水平位置へ傾動したときに爪が管状の支持プロファイル10に対して自動的に摺動することを可能にする。板材搬送器の締結コンポーネント30が水平位置にあるとき、弾性復帰手段66は爪を係止位置に押し戻す。この位置において、製造業者により選択された爪の形状、および特にV字形部64の形状に依存して、V字形部は、管状の支持プロファイル10の内部開口部の内側で係止されるようになるか、または回転軸51に対して支持プロファイル10の後ろで係止されるようになるか(図3に示される通り)のいずれかとなるように設計され、そのようにして機構を水平位置に係止する。
【0039】
弾性復帰手段は圧縮ばねであり得る。
【0040】
本発明の有利な一実施形態によると、弾性復帰手段は、発泡ゴムブロックであって、その剛性が爪の係止位置への復帰およびユーザにとって快適な手動での係止解除を確保するために選択される発泡ゴムブロックである。
【0041】
発泡ゴムブロックの使用が有利であり、その理由は、不注意により人間の指が挟まれることがあり得ないからである。さらに、この発泡ゴムブロックが損傷を受けると、それを交換することは非常に容易かつ安価である。
【0042】
支持プロファイルが2つの外側軸受70を含み、平行な裏当て板材20が、2つの軸受を通過する軸71により軸受70で回動するように取り付けられている代替的実施形態が図4に示される。
【0043】
この実施形態において、支持プロファイルに対する回転軸71の距離は、軸71が支持プロファイルに可能な限り近くなるように選択される。
【0044】
本発明の実施形態の全てにおいて、板材搬送器200は、板材搬送器の締結コンポーネントへ溶接されるか、または着脱可能な方法で板材搬送器の締結コンポーネント30に固定されるかのいずれかであってよい。この後者の実施形態において、分解中に板材搬送器を取り外し、次いで旋回式締結機構を取り外して各作業中にユーザが吊搬する重量を抑えることが可能である。
【0045】
本発明によるデバイスは垂直回動を可能にする。これは、かさばらず安全であり(係止爪が2つの裏当て板材間にあり、かつ同時に回動する)、単純であり、頑丈である(裏当て板材の強度を弱くする恐れがある楕円形開口部が裏当て板材にない)。さらに、回動が可能な限りマストの近くでまたはさらにはマストで行われるため、大きい安定性が実現する。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】